説明

圧粉体を製造するための方法

それぞれ少なくとも1つの粉末材料から成る部分圧粉体が、1つの作業サイクルでプレス及び接合されることを特徴とする、圧粉体が少なくとも2つの部分圧粉体を有する、圧粉体を製造するための方法を提案する。特に、2つ、3つ、4つ、又は4つより多くの部分圧粉体を、1つの作業サイクルでプレス及び接合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧粉体が少なくとも2つの部分圧粉体を有する、圧粉体を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、粉末材料が第1の圧粉体に予備圧縮され、プレス機に続き、別々に予備圧縮された第2の圧粉体又は中実部分が、第1の圧粉体のキャビティ内に挿入される、圧粉体を製造するための方法が記載されている。その後、組み立てられた圧粉体が最終圧縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第399 630号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、接合をするための圧粉体を製造するための改善された方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の方法、請求項14に記載の成形型、請求項17に記載の使用、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品、請求項25に記載の制御装置及び請求項26に記載の圧粉体によって解決される。別の有利な形成は、それぞれの従属請求項に記載されている。これら請求項の個々の特徴は、これに限定されるものではなく、別の形成を得るために、特に明細書に記載された別の特徴と結合することができる。
【0006】
それぞれ少なくとも1つの粉末材料から成る部分圧粉体が、1つの作業サイクルでプレス及び接合されることを特徴とする、圧粉体が少なくとも2つの部分圧粉体を有する、圧粉体を製造するための方法を提案する。特に、2つ、3つ、4つ又は4つより多くの部分圧粉体を、1つの作業サイクルで、プレス及び接合すること、又は、プレス、組合せ及び接合することができる。
【0007】
提案した方法は、接合すべき全ての部分圧粉体を別々に圧縮し、次いで部分圧粉体を組み立てるよりも本質的に迅速である。第1の形成では、部分圧粉体が、同じ成形型内でプレスされる。特に、少なくとも1つの部分圧粉体を、予備圧縮し、接合前又は接合後に再圧縮もしくは最終圧縮することができる。別の形成では、接合された圧粉体が、特に同じ成形型内で再圧縮又は最終圧縮される。更に、好ましいのは、接合後の再圧縮を実施する必要がないように、特に接合すべき全ての部分圧粉体が接合前又は接合中に圧縮される場合である。
【0008】
別の形成では、粉末材料が、第1のステップで、成形型の少なくとも1つの充填空間に供給され、第2のステップで、粉末材料が、少なくとも2つの部分量に分離される。別の形成では、粉末材料の第1の部分量が、第1の作業空間に供給され、第2の部分量が、第2の作業空間に供給される。作業空間とは、粉末で満たされ、プレス工程もしくは粉末の圧縮を行なうことができるプレス成形型内のキャビティであると理解すべきである。特に、作業空間は、少なくともパンチによって画成される。発展形では、作業空間は、少なくとも2つのパンチ及び/又は1つのダイによって画成されている。作業空間は、可動に形成することができるので、例えば粉末材料もしくは作業空間内に配設された部分量のプレス工程は、全作業空間の移動中に実施可能である。また、圧縮をしない作業空間の移動及び作業空間内に配設された粉末材料の部分量の移動も、別の形成において行なわれる。充填空間は、粉末材料が充填される空間である。この空間は、特に少なくとも1つの作業空間を有する。特に、少なくとも2つの部分量に対してそれぞれ1つの充填空間が予定されている。また、ある形成では、第1の充填空間内に粉末材料の第1の部分量が充填され、第2の充填空間内に粉末材料の第2の量が充填される。別の形成では、粉末材料が、ちょうど1つの充填空間に充填され、例えば少なくとも1つのパンチ、特に上パンチ及び/又は下パンチによって少なくとも2つの部分量に分離される。特に、部分量は、特にパンチによって、同じ成形型の互いに分離された作業空間内に移動される。
【0009】
部分圧粉体が、成形型内で、まず別々にプレスされ、次に組み合わされ、次いで接合される場合は更に、本方法は、有利である。この場合、粉末材料の分離された部分量は、成形型内で2つの別々の部分圧粉体にプレスされ、次の作業ステップで、成形型内で組み合わされる。この場合、別々のプレスは、互いに離間された2つの別々の作業空間が成形型内に構成され、これら作業空間内で、部分圧粉体と呼ばれる別々の圧粉体が形成されるように、粉末材料の部分量が、成形型内で互いに離間されていることを意味する。この場合、同様に、部分圧粉体のプレス中に隣接する作業空間のパンチがそれぞれ他方のプレス品もしくは部分圧粉体のための作業空間を構成することも可能である。この場合、成形型の中心に配設されたパンチは、第1の部分圧粉体のための第1の作業空間内のスペースを構成することができるが、第1の部分圧粉体のための外側のパンチは、中心のパンチによって形成される、第2の部分圧粉体のための外側の作業空間を構成する。この場合、この実施形は、両部分圧粉体を単に別々にプレスすることに限定されているのではなく、むしろ同様に、まず1つの部分圧粉体を隣接する第1の別々の作業空間内でプレスし、この部分圧粉体を第2の部分圧粉体のための第2の作業空間内に移動させることも可能である。次いで、第1の部分圧粉体は、第2の部分圧粉体のプレス中にこの作業空間内に保持されるので、生じる第2の部分圧粉体との第1の部分圧粉体の接合が、直接行なわれる。従って、第1の部分圧粉体と第2の部分圧粉体の組合せは、第2の部分圧粉体がプレスされる成形型の作業段階内で位置がずらされている。
【0010】
パンチは、下パンチと上パンチの上位概念である。特に、パンチによって粉末材料をプレス、即ち圧縮することも、部分圧粉体の接合を実施することもできる。
【0011】
別の形成では、パンチによる部分量の移動時及び/又は移動後にこのパンチによって接合空間の解放が維持される。特に、この接合空間は、粉末材料の別の部分量によって少なくとも部分的に画成されている。接合空間とは、別の部分圧粉体が挿入される、部分量又は部分圧粉体内の空間であると理解すべきである。
【0012】
別のバリエーションでは、粉末材料の部分量が、第1の作業空間で第1の部分圧粉体にプレスされ、第2の作業空間で第2の部分圧粉体にプレスされる。更に、あるバリエーションでは、少なくとも、第1の部分圧粉体が、成形型からの離型前又は離型中に第2の部分圧粉体と接合される。更に、部分圧粉体の接合を、圧粉体の離型と同時に行なうこともでき、例えば、第2の部分圧粉体は、成形型からの排出方向に移動され、第1の部分圧粉体、特にその接合空間内に移動される。特に、接合の終了時に接合された圧粉体は、例えば第2の部分圧粉体を第1の圧粉体内に接合したパンチを静止させることなく、排出方向に移動される。
【0013】
別の形成では、第2の部分量が第2の部分圧粉体にプレスされ、この第2の部分圧粉体が第1の作業空間内に移動される。また、ある形成では、第2に部分圧粉体が第1の作業空間内に移動された後で、第1の部分量が、第1の作業空間内でプレスされる。更に、第2の部分圧粉体が第1の作業空間内に移動されている間に、第1の部分量が、第1の作業空間内でプレスされてもよい。
【0014】
焼結部品は、本来の圧縮時でも、離型時及び続く横断面移行部における操作時でも、特に成形型内の密度不均等性又は軸方向及び半径方向の応力によって、亀裂発生の危険にさらされている。例えばプレス工程時に生じる圧粉体内の応力による横断面移行部における亀裂発生の危険は、提案した方法によって回避される。それは、少なくとも2つの部分圧粉体が、互いに依存せずに、横断面移行部における障害の影響を受けることなく圧縮され、次いで1つの作業サイクルで接合されるからである。特に、少なくとも1つのパンチによる接合空間の解放の維持によって、特に好ましい嵌合精度が、接合すべき部分圧粉体間に得られる。圧粉体が離型に続き、場合によっては圧粉体の別の加工ステップの後に焼結される場合、高い嵌合精度によって、部分圧粉体の接触面での融合が行われる。特に、部分圧粉体は、プレス嵌めで接合される。
【0015】
別の形成では、第1の部分量と第2の部分量が、異なった合金を備える。更に、ある形成では、第1の部分量と第2の部分量が、同じ合金を備える。提案した方法によって2つの部分圧粉体を接合する際、異なった収縮特性を備える異なった合金を、接合される部分圧粉体のために設けることは、必要ない。むしろ、部分圧粉体は、同じ合金を備えること、もしくは、十分同じ又は正確に同じ収縮特性を備える合金を備えること、ができる。同様に、提案した方法の場合、部分圧粉体の十分な結合、例えばプレス嵌めを、特に異なった材料もしくは異なった収縮特性を有する材料を焼結することによって得ることはもはや必要ではなく、部分圧粉体の結合は、プレス工程後に既に、固定保持に対して十分である。特に、離型後の部分圧粉体の機械的な挟持作用は、焼結炉への搬送を保証するために十分高く、特に、部分圧粉体は、0.1N/mm〜100N/mmの、更に好ましくは1N/mm〜50N/mmの、特に好ましくは2N/mm〜30N/mmの接触面の少なくとも1つの部分領域内の面圧を備える。焼結後、特に部分圧粉体間の粒子間にわたる融合が行なわれる場合、部分圧粉体は、残りの組織の強度にほぼ一致する強度を互いに備え、特に、残りの組織の70%〜99%の、更に好ましくは残りの組織の90%〜100%の強度を備える。特に、圧粉体を焼結する際は、部分圧粉体の境界面において少なくとも部分的な融合が行なわれる。
【0016】
方法の好ましい形成では、粉末材料が、成形型の充填空間内に充填され、成形型が、少なくとも、第1の下パンチと、第2の下パンチと、第1の上パンチと、第2の上パンチとを備え、第1の作業空間が、少なくとも第1の上パンチと第1の下パンチによって画成され、特に、充填空間の一部である。次のステップで、第2の下パンチと第2の上パンチが、粉末材料の部分量を第2の作業空間内に移動させ、この第2の作業空間が、少なくとも第2の上パンチと第2の下パンチによって画成され、特に、第1の作業空間の外側に配設されている。粉末材料の部分量は、少なくとも、第1の作業空間内で第1の部分圧粉体にプレスされ、第2の作業空間内で第2の部分圧粉体にプレスされる。第2の部分圧粉体は、第1の部分圧粉体のプレス前、プレス中又はプレス後に、部分圧粉体を接合するために第1の作業空間内に移動される。更に好ましくは、作業空間は、少なくお供部分圧粉体の一方のプレス前及び/又はプレス中に、接触面を備えないので、粉末材料のプレスは、少なくとも部分的及び/又は少なくとも1つの作業空間内で別々に行なわれる。
【0017】
本発明の別の思想は、成形型が、少なくとも第1及び第2の上パンチと第1及び第2の下パンチとを備え、少なくとも第1の下パンチと第1の上パンチが、第2の下パンチと第2の上パンチに依存せずに移動可能であることを特徴とする、少なくとも2つの部分圧粉体のプレス及び接合をするためのプレス機用の成形型である。特に、ある形成では、第1の作業空間が、少なくとも第1の上パンチと第1の下パンチによって構成可能であり、第2の作業空間が、少なくとも第2の上パンチと第2の下パンチによって構成可能である。別の形成では、また、第2の作業空間が、第1の上パンチ又は第1の下パンチによって、少なくとも部分的に画成されるもしくは少なくとも部分的に定義される。更に、あるバリエーションでは、第1の作業空間及び/又は第2の作業空間が、少なくとも1つのダイによって少なくとも部分的に画成又は定義される。また、ある形成では、少なくとも第3のパンチが、第1の作業空間及び/又は第2の作業空間を少なくとも部分的に画成又は定義する。
【0018】
あるバリエーションでは、少なくとも第2の上パンチ又は第2の下パンチによって、接合空間が、第1の作業空間内に形成可能であり、この接合空間内に、第2の部分圧粉体が移動可能である。接合空間を形成するパンチは、特に、接合空間内に挿入される部分圧粉体よりも若干小さい直径を有する。差もしくは過剰寸法は、第1の下パンチと第2の上パンチ間のパンチの遊びに相当する。このパンチの遊びは、約0.005〜0.025mmである。部分圧粉体を接合するための力は、接合すべき部分圧粉体間の接触面に依存する。即ち、接触面が大きくなるほど、部分圧粉体に加えられる力は大きくなる。部分圧粉体は、特に、約1N/mm〜100N/mm、特に約10N/mm〜50N/mmの力で接合空間に押し込まれる。
【0019】
本発明の別の思想は、前記のような、方法のための前記成形型の使用である。
【0020】
本発明の別の思想は、プレス機が、少なくとも第1の上パンチと、第1の下パンチと、第2の上パンチと、第2の下パンチとを備え、少なくとも1つの粉末材料を充填空間に充填した後に少なくとも第2の下パンチと第2の上パンチが粉末材料の第2の部分量を第1の部分量から分離するように、プレス機が制御されることを特徴とする、1つの作業サイクルで少なくとも2つの部分圧粉体のプレス及び接合をするためのプレス機用のコンピュータプログラム製品である。特に、粉末材料の第1の部分量が第1の作業空間に供給され、第2の部分量が第2の作業空間に供給されるように、プレス機が制御される。特に、第1のパンチが少なくとも部分的に第2の作業空間のダイとして使用されるように、即ち、第2の作業空間が少なくとも部分的に第1の上パンチ又は第1の下パンチ内に配設されているように、制御は行われる。
【0021】
特に、第1の作業空間内で第1の部分圧粉体がプレスされ、第2の作業空間内で第2の部分圧粉体がプレスされるように、プレス機が制御される。特に、第1の部分圧粉体と第2の部分圧粉体が離型前に接合されるように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御する。
【0022】
別々の部分量が部分圧粉体にプレスされ、次に組み合わされ、次いで接合されるように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御する場合、コンピュータプログラム製品は、有利である。コンピュータプログラム製品によって、まず、組合せの前に、即ち部分圧粉体の移動による重なり合い又は入り込みが行なわれる前に、間隔を置いた別々の作業空間内での粉末材料の部分量の別々のプレスの制御をすることができる。次いで、両部分圧粉体が、組み合わされ、再プレスにより又は再プレスせずに接合されるように、接合をコンピュータプログラム製品が制御する。コンピュータプログラムによる制御は、第1の作業ステップで第1の作業空間内で第1の部分圧粉体が構成され、これに続き、第2の作業ステップで、構成された第1の部分圧粉体が第2の部分圧粉体の作業空間に移動され、次いで第3の作業ステップで第2の部分圧粉体がプレスされるようにすることも、可能である。次に、接合された部分圧粉体の排出は、成形型の開放によって行なわれ、接合された部分圧粉体の次の処理のための取出し又は排出が行なわれる。
【0023】
コンピュータプログラム製品のある形成では、コンピュータプログラム製品が、経路制御又は経路コントロールによってプレス機を制御する。更に、ある形成では、パンチが、所定の力を粉末材料に加えるか、所定の作業を粉末材料に実施するように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御する。特に、経路コントロールと力コントロールの組合せが行なわれる。更に、ある形成では、プレス機を制御するための閉じたコントロール回路が設けられている。
【0024】
本発明の別の思想は、制御装置が、前記コンピュータプログラム製品を備えることを特徴とする、特に前記成形型を有するプレス機用の制御装置である。特に、制御装置は、プレス機の経路コントロール及び/又は力コントロールのための閉じたコントロール回路を備える。
【0025】
本発明の別の思想は、前記方法によって接合された少なくとも2つの部分圧粉体を備える圧粉体である。更に好ましくは、部分圧粉体間にプレス嵌めがある。圧粉体は、ある形成では、2つ、3つ、4つ又は4つより多くの部分圧粉体から接合されていてもよい。また、別の形成では、圧粉体が1つ以上の合金を備える。特に、すべての部分圧粉体は、同じ合金を備える。更に、ある形成では、少なくとも2つの部分圧粉体が、異なった合金を備える。
【0026】
別の有利な形成は、以下の図面からわかる。しかしながら、そこに図示した発展形は、限定であると解釈すべきではなく、むしろ、そこに記載された特徴は、互いに、別の形成のために前記特徴と組み合わせることができる。更に、図に記載された符号が、本発明の保護範囲を限定するのではなく、図に示した実施例を示すに過ぎないことを指摘したい。同じ部品又は同じ機能を有する部品は、それぞれの図において同じ符号を備える。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】1つの作業サイクルにおける圧縮及び接合の概略的な経過を示す。
【図2】1つの作業サイクルにおける圧縮及び接合の選択的な経過を示す。
【図3】接合された部分圧粉体の形成の選択肢を示す。
【図4】2つの部分圧粉体から成る焼結された圧粉体の顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、1つの作業サイクルにおける2つの部分圧粉体の圧縮及び接合の経過A〜Eを示す。少なくとも、第1の上パンチ1と、第1の下パンチ2と、第2の上パンチ3と、第2の下パンチと、ダイ5とが、成形型6を構成する。成形型6は、粉末材料11を充填するために開放され、ステップAに示されているように、充填空間16が構成されるように、第1の下パンチ2と第2の下パンチ4が移動される。
【0029】
成形型が閉鎖され、特に、第1の上パンチ1と第2の上パンチ3が充填空間を、特に上方を画成することが、ステップBに認められる。更に、粉末材料11の第1の部分量7が第2の部分量9から分離されるように、第2の上パンチ3と第2の下パンチ4が移動されることが、ステップBに認められる。特に、第2の部分量9は、第2の作業空間10移動され、第1の部分量は、第1の作業空間8内に残っている。特に、充填空間16は、第1の作業空間8を有する。
【0030】
ステップCで、パンチは、共に移動する。第1の上パンチ1と第1の下パンチ2が第1の部分量7を第1の作業空間8内で第1の部分圧粉体12にプレスすることが、認められる。更に、第2の部分量9は、第2の作業空間10内で第2の上パンチ3と第2の下パンチ4によって第2の部分圧粉体13にプレスされる。第2の上パンチ3により、この形成では、接合空間15が、第1の作業空間8内で解放される。特に、接合空間15は、プレス工程後第1の部分圧粉体12によって少なくとも部分的に画成される。
【0031】
ステップDは、組み合わせを、即ち、第2の上パンチ3と第2の下パンチ4が第2の部分圧粉体13を接合空間15内に移動させ、従って、第1の部分圧粉体12と第2の部分圧粉体13を接合することを、示す。別の形成では、部分圧粉体12,13が接合されるように、第1の部分圧粉体12が第1の上パンチ1と第1の下パンチ2によって移動される。別の形成では、部分圧粉体12,13が、接合後もう一度、パンチ1,2,3,4によって再圧縮される。
【0032】
ステップEで、仕上げられた圧粉体14が、成形型6から離型される。圧形成では、圧粉体14が、離型後較正される及び/又は除去加工を受ける。
【0033】
図2は、部分圧粉体のプレス及び接合の選択的に形成を示す。第1の下パンチ2、第2の下パンチ4及びダイ5が、この形成では充填空間16を構成する。
【0034】
ステップBで、図1のステップBに示した方法ステップと比較可能であるが、第2の意部分量9は、第2の作業空間10に移動されるが、第1の部分量7は、第1の作業空間8内に残っている。
【0035】
第2の部分量9が第2の部分圧粉体13に圧縮されることが、ステップCに認められる。しかしながら、第1の部分量7は、全く圧縮されないか、若干しか圧縮されない。特に、圧縮プロセスは、第2の部分圧粉体13の圧縮中又は圧縮後に始まり、この圧縮プロセスは、第2の部分圧粉体13の圧縮後にも未だ終了していない。
【0036】
ステップDで、第2の部分圧粉体13が、第2の上パンチ3によって解放を維持された接合空間15内に移動される。遅くとも第2の部分圧粉体13を接合空間15内に挿入した後、第1の部分量7の第1の部分圧粉体12へのプレス工程が開始される。
【0037】
ステップEは、成形型6内の仕上げ接合及びプレスをされた圧粉体14を示す。第1の部分圧粉体12のプレス工程の際、示した模範的な形成では、第2の部分圧粉体13が、ダイ5に対して相対的に移動される。特に、第1の上パンチ1と第2の上パンチ3は、特に第2の下パンチも、同期して相対的に移動される。
【0038】
ステップFで、仕上がった圧粉体14が離型される。
【0039】
図3は、圧粉体14の形成の全てではない選択肢を示す。この構成は、ここでは純粋に模範的に選択されており、ここに示してない異なった構成も実現することができる。また、ここに示した構成を互いに組み合わせること及び/又はここに示してない別の構成と組合せることも、考えられる。
【0040】
構成Aは、第1の部分圧粉体12と第2の部分圧粉体13を備える圧粉体14を示す。第2の部分圧粉体13は、第1の部分圧粉体12から突出しているので、圧粉体14は、特に中央に形成された横断面変化部16を備える。
【0041】
構成Bは、その第2の部分圧粉体13がチューブもしくはとして中空部品として形成された圧粉体14を示す。更に、構成Cでは、第1の部分圧粉体12が中空部品として形成され、特に第2の部分圧粉体13から突出することが認められる。横断面変化部16は、ここでは側面に形成されている。
【0042】
構成Dが、側面の横断面変化部16の別のバリエーションを示す。第1の部分圧粉体12から突出する第2の部分圧粉体13は、横断面内で部分的にのみ第1の部分圧粉体12によって包囲されている。
【0043】
構成Eは、第2の部分圧粉体13が第1の部分圧粉体13から両側に突出することを示す。更に、構成Fでは、2つより多くの部分圧粉体が接合可能であることが認められる。特に、構成Fでは、4つの部分圧粉体が接合されている。しかしながら、別の構成では、3つ、5つ、又は5つより多くの部分圧粉体が接合されることも考えられる。
【0044】
図4は、第1の部分圧粉体12と第2の部分圧粉体13から成る接合及び焼結された圧粉体14のエッチング後の顕微鏡写真を示す。境界面17が、部分圧粉体12,13間に認められ、明確化のために、破線によって延長されている。しかしながらまた、粒子間にわたる融合18が境界面にわたって行なわれたことが、図4から認められる。
【符号の説明】
【0045】
1 第1の上パンチ
2 第1の下パンチ
3 第2の上パンチ
4 第2の下パンチ
5 ダイ
6 成形型
7 第1の部分量
8 第1の作業空間
9 第2の部分量
10 第2の作業空間
11 粉末材料
12 第1の部分圧粉体
13 第2の部分圧粉体
14 圧粉体
15 接合空間
16 充填空間
17 境界面
18 融合

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧粉体(14)が少なくとも2つの部分圧粉体(12,13)を有する、圧粉体(14)を製造するための方法において、
それぞれ少なくとも1つの粉末材料(11)から成る部分圧粉体(12,13)が、1つの作業サイクルでプレス及び接合されることを特徴とする方法。
【請求項2】
部分圧粉体(12,13)が、同じ成形型(6)内でプレスされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粉末材料(11)が、第1のステップで、成形型(6)の少なくとも1つの充填空間(16)に供給され、第2のステップで、粉末材料が、少なくとも2つの部分量(7,9)に分離されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
粉末材料(11)の第1の部分量(7)が、第1の作業空間(8)に供給され、第2の部分量(9)が、第2の作業空間(10)に供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
粉末材料(11)の部分量(7,9)が、第1の作業空間(8)で第1の部分圧粉体(12)にプレスされ、第2の作業空間(10)で第2の部分圧粉体(13)にプレスされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
部分圧粉体(12,13)が、成形型(6)内で、まず別々にプレスされ、次に組み合わされ、次いで接合されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
少なくとも、第1の部分圧粉体(12)が、成形型(6)からの離型前又は離型中に第2の部分圧粉体(13)と接合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
第2の部分量(9)が第2の部分圧粉体(13)にプレスされ、この第2の部分圧粉体(13)が第1の作業空間(8)内に移動されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
第2に部分圧粉体(13)が第1の作業空間(8)内に移動された後で、第1の部分量(7)が、第1の作業空間(8)内でプレスされることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第2の部分圧粉体(13)が第1の作業空間(8)内に移動されている間に、第1の部分量(7)が、第1の作業空間(8)内でプレスされることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の部分量(7)と第2の部分量(9)が、異なった合金を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
第1の部分量(7)と第2の部分量(9)が、同じ合金を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
粉末材料(11)が、成形型(6)の充填空間(16)内に充填され、成形型(6)が、少なくとも、第1の下パンチ(2)と、第2の下パンチ(4)と、第1の上パンチ(1)と、第2の上パンチ(3)とを備え、粉末材料(11)の第1の部分量(7)が、第1の作業空間(8)に供給され、この第1の作業空間(8)が、少なくとも第1の上パンチ(1)と第1の下パンチ(2)によって画成され、第2の下パンチ(4)と第2の上パンチ(3)が、粉末材料(11)の部分量を第2の作業空間(10)内に移動させ、この第2の作業空間(10)が、少なくとも第2の上パンチ(3)と第2の下パンチ(4)によって画成され、粉末材料(11)の部分量(7,9)が、少なくとも、第1の作業空間(8)内で第1の部分圧粉体(12)にプレスされ、第2の作業空間(10)内で第2の部分圧粉体(13)にプレスされ、第2の部分圧粉体(13)が、第1の部分圧粉体(12)のプレス前、プレス中又はプレス後に、部分圧粉体(12,13)を接合するために第1の作業空間(8)内に移動されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2つの部分圧粉体(12,13)のプレス及び接合をするためのプレス機用の成形型(6)において、
成形型(6)が、少なくとも第1及び第2の上パンチ(1,3)と第1及び第2の下パンチ(2,4)とを備え、少なくとも第1の下パンチ(2)と第1の上パンチ(1)が、第2の下パンチ(4)と第2の上パンチ(3)に依存せずに移動可能であることを特徴とする成形型。
【請求項15】
第1の作業空間(8)が、少なくとも第1の上パンチ(1)と第1の下パンチ(2)によって構成可能であり、第2の作業空間(10)が、少なくとも第2の上パンチ(3)と第2の下パンチ(4)によって構成可能であることを特徴とする請求項14に記載の成形型。
【請求項16】
少なくとも第2の上パンチ(3)又は第2の下パンチ(4)によって、接合空間(15)が、第1の作業空間(8)内に形成可能であり、この接合空間内に、第2の部分圧粉体(13)が移動可能であることを特徴とする請求項14又は15に記載の成形型。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法のための請求項14〜16のいずれか1つに記載の成形型(6)の使用。
【請求項18】
1つの作業サイクルで少なくとも2つの部分圧粉体(12,13)のプレス及び接合をするためのプレス機用のコンピュータプログラム製品において、
プレス機が、少なくとも第1の上パンチ(1)と、第1の下パンチ(2)と、第2の上パンチ(3)と、第2の下パンチ(4)とを備え、少なくとも1つの粉末材料(11)を充填空間(16)に充填した後に少なくとも第2の下パンチ(4)と第2の上パンチ(3)が粉末材料(11)の第2の部分量(9)を第1の部分量(8)から分離するように、プレス機が制御されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
粉末材料(11)の第1の部分量(7)が第1の作業空間(8)に供給され、第2の部分量(9)が第2の作業空間(10)に供給されるように、プレス機が制御されることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
第1の作業空間(8)内で第1の部分圧粉体(12)がプレスされ、第2の作業空間(10)内で第2の部分圧粉体(13)がプレスされるように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御することを特徴とする請求項18又は19に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
別々の部分量(7,9)が部分圧粉体(12,13)にプレスされ、次に組み合わされ、次いで接合されるように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御することを特徴とする請求項18〜20のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
第1の部分圧粉体(12)と第2の部分圧粉体(13)が離型前又は離型中に接合されるように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御することを特徴とする請求項18〜21のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
コンピュータプログラム製品が、経路制御又は経路コントロールによってプレス機を制御することを特徴とする請求項18〜20のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
パンチ(1,2,3,4)が、所定の力を粉末材料(11)に加えるか、所定の作業を粉末材料に実施するように、コンピュータプログラム製品がプレス機を制御することを特徴とする静空港18〜23のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
特に請求項14〜16のいずれか1つに記載の成形型(6)を有するプレス機用の制御装置において、
制御装置が、請求項18〜24のいずれか1つに記載のコンピュータプログラム製品を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項26】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法によって接合された少なくとも2つの部分圧粉体(12,13)を備える圧粉体(14)。
【請求項27】
部分圧粉体(12,13)が高い嵌合精度で接合されることを特徴とする請求項26に記載の圧粉体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−505360(P2013−505360A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530150(P2012−530150)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005595
【国際公開番号】WO2011/035862
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(506143986)ゲーカーエヌ・ジンター・メタルス・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (3)
【Fターム(参考)】