説明

圧縮機の吸気流における汚染物質を検出するシステム

【課題】圧縮機の吸気流における汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃)を検出するシステムを提供すること。
【解決手段】システムは、圧縮機に向けられた空気流内のフォグ状態を検出するよう構成された検出器を含む。本システムはまた、検出器に結合されたコントローラを含み、該コントローラは、フォグ状態に応答して第1の制御措置を起動するよう構成される。検出器は空気流内の露点を測定するよう構成された鏡面冷却式露点計及びレーザ検出システムを含むことができる。鏡面冷却式露点計は、パルス幅変調制御熱電デバイスに結合された反射面を備えるプレートを含み、パルス幅変調制御熱電デバイスは、前記プレート上に蒸気の雲を凝縮するようプレートの温度を調整するよう構成されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ガスタービン圧縮機のような圧縮機の吸気流における汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃)を検出するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンエンジンは、加圧空気と燃料の混合気を燃焼させて高温の燃焼ガスを発生する。燃焼ガスは、タービンを通って流れ、負荷及び/又は圧縮機への動力を生成することができる。理解されるように、ガスタービン入口における汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)は、圧縮機の上流側のガスタービン入口内に位置する濾過システムに悪影響を及ぼす可能性がある。特に、フォグ及び/又は塵埃状態は、ガスタービンシステム内の過剰な圧力損失をもたらし、従って、システム性能に影響を及ぼす可能性がある。通常は、フォグ及び/又は塵埃状態は、ガスタービン入口で視覚的に確認されるか、又は過去の事象に基づいて予測することができる。従って、フォグ及び/又は塵埃状態に対処するために、ガスタービン入口に常時コアレッサを備え付ける場合がある。しかしながら、コアレッサの常時設置は、ガスタービン入口内の差圧に悪影響を及ぼす。加えて、コアレッサの常時設置は、保守管理要件の増加及び運用コストの上昇を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,842,018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最初に請求項に記載された本発明の範囲内にある一部の実施形態について以下で要約する。これらの実施形態は、特許請求した本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではなく、むしろそれらの実施形態は、本発明の実施可能な形態の簡潔な概要を示すことのみを意図している。当然のことながら、本発明は、下記に説明した実施形態と同様のもの又は該実施形態と異なるものとすることができる様々な形態を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の実施形態によれば、システムは、圧縮機に向けた空気流内のフォグ状態を検出するよう構成された検出器を含む。本システムはまた、検出器に結合されたコントローラを含み、該コントローラは、フォグ状態に応答して第1の制御措置を起動するよう構成される。
【0006】
第2の実施形態によれば、システムは、ガスタービンの圧縮機に空気流を提供するよう構成された圧縮機吸気口を含む。本システムはまた、タービンの圧縮機吸気口内に配置される少なくとも1つのフィルタを含む。本システムは更に、空気流の方向に対してある角度で配置されて前記空気流内のフォグ状態を検出するよう構成された検出器を含む。本システムは更に、検出器に結合されたコントローラを含み、該コントローラは、フォグ状態に応答して第1の制御措置を起動するよう構成される。
【0007】
第3の実施形態によれば、システムは、ガスタービンの圧縮機に流入する空気流を監視するよう構成された圧縮機吸気口汚染物質検出器を含み、該圧縮機吸気口汚染物質検出器が、空気流内のフォグ状態又は塵埃状態を検出するよう構成される。
【0008】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様並びに利点は、図面全体を通して同じ参照符号が同様の部分を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ガスタービンシステムの圧縮機に配向されるタービン吸気口の空気流内の汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)を検出するよう構成された汚染物質検出システムを含む、ガスタービンシステムの1つの実施形態のブロック図。
【図2】汚染物質検出器(例えば、フォグ)を有する圧縮機に空気流を提供するよう構成されたタービン吸気口の1つの実施形態の概略図。
【図3】汚染物質検出器(例えば、塵埃)を有する圧縮機に空気流を提供するよう構成されたタービン吸気口の1つの実施形態の概略図。
【図4】図4−4に沿った、図3の汚染物質検出器のプレートの1つの実施形態の断面図。
【図5】タービン吸気口内の汚染物質状態(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)を検出する方法の1つの実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つ又はそれ以上の特定の実施形態について、以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要がある点は理解されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点を理解されたい。
【0011】
本発明の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又はそれ以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。
【0012】
本開示の実施形態は、圧縮機に空気流を配向するタービン吸気口内の汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)を検出するシステムを含む。例えば、特定の実施形態は、圧縮機に流入する空気流に向けられる検出器(例えば、汚染物質検出器)を含み、ここで検出器は、空気流内の汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)を検出するよう構成される。加えて、コントローラは、検出器に結合され、フォグ及び/又は塵埃状態に応答して制御措置(例えば、能動的コアレッサ)を起動するよう構成される。特定の実施形態において、コントローラは、フォグ及び/又は塵埃状態が生じている信号出力を提供することができ、これに対して他の装置が応答を実施することができる。フォグ状態(すなわち、地面付近で雲を形成し、空気中に凝縮した水蒸気が存在すること)を検出するために、検出器は、空気流内の露点を計測するための鏡面冷却式露点計及びレーザ検出システムを含むことができる。例えば、鏡面冷却式露点計は、パルス幅変調制御熱電デバイス(例えば、ペルチェ素子)に結合される研磨面を備えたプレートを含むことができ、ここで熱電デバイスは、プレート上の凝縮により雲を形成するようプレートの温度を調整する。加えて、フォグ状態を検出するため、検出器は、プレート上の凝縮を検出するよう構成された電子センサを含むことができる。例えば、電子センサは、プレートにおいてある角度で光を放出するよう構成され且つプレート上に位置する水分からの屈折光を受け取るよう構成された内部屈折デバイスを含むことができる。更に、空気流内の塵埃状態(すなわち、砂塵嵐などの塵埃が存在すること)を検出するために、検出器のプレートは、水を収集するための溝を含むことができ、検出器は、収集された水内の塩類含有量を測定するよう構成されたセンサを含むことができる。特定の実施形態において、システムは、複数の検出器を含むことができる。検出システムは、特定の場所におけるフォグ及び/又は塵埃状態に関する正確なデータを集めることを可能にする。例えば、コントローラは、フォグ及び/又は塵埃状態の発生に関連するデータを検出器から収集するよう構成される。加えて、検出システムは、フォグ及び/又は塵埃状態からガスタービン入口を保護するための能動的制御の使用を可能にする。従って、検出システムは、ガスタービン入口内のコアレッサ(例えば、空気流から汚染物質を除去するよう構成された凝集フィルタを用いた機械的コアレッサ)の必要性を低減し、従って、コアレッサの常時設置に伴う保守要件、運用コスト、及び差圧(dP)の影響を低減する。
【0013】
ここで図面を参照すると、図1は、圧縮機に向けられたタービン吸気口(例えば、タービン圧縮機吸気口)の空気流内の汚染物質(例えば、フォグ及び/又は塵埃状態)を検出するよう構成された汚染物質検出システム11(例えば、圧縮機吸気汚染物質システム又はフォグ及び塵埃検出システム)を含むタービンシステム10のブロック図である。タービンシステム10は、本発明の汚染物質検出システム11の実施形態の関連状況において以下で説明される。以下で説明される汚染物質検出システム11は、空気分離プラント、溶鉱炉、又は加圧空気を利用する他の用途で使用するような、他の圧縮機への空気流のフォグ及び/又は塵埃状態を検出するのに利用することもできる。
【0014】
本発明の実施形態において、タービンシステム10(例えば、ガスタービンエンジン)は、燃料噴射装置12、燃料供給源14、及び燃焼器16を含む。図示のように、燃料供給源14は、液体燃料及び/又は天然ガスのような気体燃料を燃料噴射装置12に通してガスタービンシステム10に送り、燃焼器16に流入させる。以下で説明するように、燃料噴射装置12は、燃料を噴射して加圧空気と混合するよう構成される。燃焼器16は、燃料空気混合気を点火して燃焼させ、次いで、高温加圧排出ガスをタービン18に送る。理解されるように、タービン18は、固定ベーン又はブレードを有する1つ又はそれ以上のステータと、ステータに対して回転させるブレードを有する1つ又はそれ以上のロータとを含む。排出ガスは、タービンロータブレードを通って送られ、これによりタービンロータを回転駆動する。タービンロータとシャフト19を結合することにより、シャフト19の回転を引き起こし、該シャフト19はまた、図示のように、ガスタービンシステム10全体にわたる複数の構成要素に結合される。最終的には、燃焼プロセスの排出ガスは、排気出口20を介してガスタービンシステム10から流出することができる。
【0015】
圧縮機22は、シャフト19により回転駆動されるロータに堅固に装着されたブレードを含む。空気が回転ブレードを通過すると、空気圧力が増大し、これにより適正に燃焼を行うのに十分な空気を燃焼器16に提供する。圧縮機22は、入口24(例えば、タービン吸気口又はタービン圧縮機吸気口)を介してガスタービンシステム10に空気を吸入することができる。更に、シャフト19は、負荷26に結合することができ、該負荷には、シャフト19の回転を介して動力を供給することができる。理解されるように、負荷26は、発電プラント又は外部の機械負荷のような、ガスタービンシステム10の回転出力の動力を利用できるあらゆる好適な装置とすることができる。例えば、負荷26は、発電機、航空機のプロペラ、その他を含むことができる。入口24は、ガスタービンシステム10に空気30を引き込む。次いで、空気30は、圧縮機22のブレードを流れ、該圧縮機が燃焼器16に加圧空気を提供する。詳細には、燃料噴射装置12が、加圧空気32及び燃料14を燃料−空気混合気34として燃焼器16に噴射することができる。或いは、加圧空気32及び燃料14は、混合及び燃焼のため燃焼器に直接噴射することができる。
【0016】
図示のように、タービンシステム10は、圧縮機22に配向される入口24の空気流内のフォグ及び/又は塵埃状態(例えば、砂塵嵐からの)などの汚染物質を検出するよう構成された汚染物質検出システム11を含む。本発明の実施形態において、フォグ及び塵埃検出システム11は、濾過システム40の上流側に配置されてガスタービン入口24を通る空気流に向けられる検出器36(例えば、圧縮機吸気汚染物質検出器)を含む。特定の実施形態において、検出器36(例えば、検出器36のプレート)は、入口24内の空気流52の方向に対してある角度で配置することができる。図示のように、汚染物質検出システム11は、複数の検出器36(例えば、検出器37、38)を含むことができる。検出器36の数は、1〜20又はそれ以上にわたることができる。検出器36は、空気流内のフォグ及び/又は塵埃状態を検出するよう構成される。例えば、フォグ状態を検出するために、検出器36は、空気流内の露点を計測するための鏡面冷却式露点計及びレーザ検出システム(例えば、発光ダイオード(LED)検出システム)を含むことができる。加えて、検出器36は、透明媒体又はプレート(例えば、ガラス又はプラスチック)上の凝縮を検出するよう構成された電子センサ(例えば、内部屈折デバイス)を含むことができる。検出器36はまた、空気流内の温度を測定するためのセンサを含むことができる。汚染物質検出システム11は、検出器36に結合(例えば、通信可能に結合された)されたコントローラ42を含む。検出器36は、露点、検出された凝縮、及び/又は温度に基づいてフォグ状態を示す信号を生成してコントローラ42に提供するよう構成される。空気流内の塵埃状態を検出するために、検出器36は、水を(例えば、プレート内に配置された少なくとも1つの溝を介して)収集し、また、収集された水内の塩類含有量を測定する(例えば、抵抗測定により)よう構成されたセンサ(例えば、塩センサ)を含むことができる。検出器36はまた、収集された水内の塩類含有量に基づいてフォグ状態を示す信号を生成して該信号をコントローラ42に提供するよう構成される。
【0017】
コントローラ42は、汚染物質検出システム11の他の構成要素の作動を制御することができる。例えば、コントローラ42は、検出器36のプレートの角度、鏡面冷却式露点計の動作、レーザ検出システムの動作、電子センサ(例えば、内部屈折デバイス)の動作、及び/又は塩センサの動作を制御することができる。加えて、コントローラ42は、フォグ及び/又は塵埃状態を示す信号に応答して、制御措置を起動させるよう構成される。例えば、コントローラ42は、フォグ及び/又は塵埃状態に応答して入口24において内部及び/又は外部の能動的コアレッサ(例えば、蒸気及び塵埃のような汚染物質を空気流から除去するよう構成された凝集フィルタを備えた機械的コアレッサ)の使用、或いは他の制御措置を起動することができる。加えて、検出システム11は、ガスタービンエンジン又は他の圧縮機の特定の設置場所において、フォグ及び/又は塵埃状態に関する正確なデータを集めることを可能にする。また、能動的制御措置によって、検出システム11は、タービン入口24をフォグ及び/又は塵埃状態から保護する。更に、検出システム11は、タービン入口24内のコアレッサの常時設置の必要性を低減し、従って、コアレッサの常時設置に伴う保守要件、運用コスト、及び差圧(dP)の影響を低減する。
【0018】
図2は、圧縮機22に空気流を提供するよう構成されたタービン吸気口又はタービン圧縮機吸気口24の1つの実施形態の概略図である。図示のように、空気30がタービン吸気口24の空気入口50に流入し、下流側方向52に沿って圧縮機22に向かって流れる。本発明の実施形態において、空気は、ウェザーフード54を通ってタービン吸気口24の空気入口50に流入する。理解されるように、ウェザーフード54は、雨滴、雨氷、及び/又は雪をタービン吸気口24から逸らし、これにより流入空気の水分含有量を低減するよう構成された一連のスラット56を含む。次いで、空気流は、他の場合にはガスタービンシステム10に流入する可能性がある土砂及び/又は他のデブリを除去するフィルタ組立体(例えば、少なくとも1つのフィルタを含む)を通過する。フィルタ組立体40は、空気入口50の下流側のタービン吸気口24内に配置される。
【0019】
タービン吸気口24は、フォグ及び/又は塵埃状態を検出する汚染物質検出システム11を含む。フォグ及び汚染物質検出システム11は、タービン吸気口24内に配置される検出器36(例えば、フォグ及び/又は塵埃検出器)を含む。具体的には、検出器36は、タービン吸気口24及びひいては圧縮機22に流入する空気流に向けられる。検出器36は、鏡面冷却式露点計58及びレーザ検出システム60(例えば、LED検出システム)を含み、これらは共に空気流内の露点(及びひいては水蒸気含有量)を測定するよう構成される。鏡面冷却式露点計58は、空気流に面するプレート62の表側66に反射面64を備えたプレート62(例えば、鏡)を含む。反射面64は、プレート62の表側66全体にわたって、又は表側66の一部分だけにわたって延びることができる。プレート62は、ガラス又はプラスチックなどの透明媒体から構成することができる。プレート62の厚み67は、約1〜2mmの範囲、又は他の何れかの厚み67とすることができる。加えて、プレート62(及びひいては検出器36)は、空気入口50とフィルタ組立体40との間で空気流52の方向に対してある角度68で配置される。角度68は、約25〜90度、25〜45度、45〜60度、60〜90度の範囲、及び空気30を効果的に測定する他の何れかの範囲とすることができる。例えば、角度68は、約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90度、或いは他の何れかの角度とすることができる。鏡面冷却式露点計58はまた、プレート62の後側72に結合されたパルス幅変調(PWM)制御熱電デバイス70を含む。熱電デバイス70は、プレート62の温度を調整し、プレート62上に蒸気の雲を凝結するよう構成される。レーザ検出システム60は、光又はレーザ74(例えば、発光ダイオード(LED)又は他のタイプの光源から)をプレート62の反射面64に向けて放出する。レーザ検出システム60は、研磨面646からシステム60に向けて反射される光76を監視する光検出器を含む。研磨面64上の露滴は、反射光76を散乱させ、光76のある量が光検出器によって検出される。フォグ状態では、より多くの量の水がプレート62鏡面冷却式露点計58の冷却される面64上で凝縮することができる。
【0020】
検出器36はまた、透明プレート66上の凝縮を検出するよう構成された電子センサ78を含む。電子センサ78は、プレート62の後側72に結合される。詳細には、電子センサ74は、透明プレート62においてある角度(例えば、約45度)で光82(例えば、赤外光)を放出し、プレート62の前側66上に位置する水分から屈折された光84を受け取るよう構成された内部屈折デバイス80を含む。特定の実施形態において、検出器36はまた、温度センサを含むことができる。
【0021】
冷却式露点計58、レーザ検出システム0、及び電子センサ78は、コントローラ42に結合(例えば、通信可能に結合)される。コントローラ42は、検出器36のこれらの構成要素を制御することができる。例えば、コントローラ42は、プレート62の角度68、鏡面冷却式露点計58の作動、レーザ検出システム60の作動、及び電子センサ78の作動を調整することができる。コントローラ42はまた、検出器36のこれらの構成要素からフォグ状態を示す信号を受け取る。露点、検出された状態、及び/又は温度に基づき、コントローラ42は、フォグ状態の存在を判定し、フォグ状態に応答した制御措置を起動することができる。例えば、コントローラ42は、能動的コアレッサ(例えば、内部及び/又は外部)又は他の制御措置を起動させ、フォグ状態を解消することができる。検出システム11は、ガスタービンエンジン又は他の圧縮機の特定の設置場所においてフォグ状態に関する正確なデータを集めることを可能にする。また、能動的制御措置により、検出システム11は、タービン吸気口24(例えば、タービン圧縮機吸気口)フォグ状態から保護する。更に、検出システム11は、タービン吸気口24内のコアレッサの常時設置の必要性を低減し、従って、コアレッサの常時設置に伴う保守要件、運用コスト、及び差圧(dP)の影響を低減する。
【0022】
上述のように、検出システム11はまた、塵埃状態を検出することができる。図3は、圧縮機22に空気流を提供するよう構成され且つ検出システム11を有するタービン吸気口24の1つの実施形態の概略図である。タービン吸気口24及び検出システム11は、図3において説明されるようなものである。加えて、検出器36は、プレート62により収集される水の塩類含有量を測定するよう構成されたセンサ94(例えば、塩センサ)を含む。水の塩類含有量は、塵埃状態(例えば、砂塵嵐)及び/又は吸気フォグの塩類含有量を示すことができる。水は、プレート62(図4)上に配置された1つ又はそれ以上の溝を介して検出器36のプレート62から収集することができる。センサ94は、抵抗測定により収集された水中の塩類の存在を判定することができる。センサ94はまた、コントローラ42に結合される。コントローラ42は、センサ94の動作を制御することができる。加えて、コントローラ42は、センサ94から塵埃状態を示す信号(収集された水の抵抗測定値)を受け取る。収集された水の抵抗測定値に基づき、コントローラ42は、塵埃状態の存在を判定し、該塵埃状態に応答して制御措置を起動することができる。例えば、コントローラ42は、タービン吸気口24において能動的コアレッサ(例えば、内部及び/又は外部)又は他の制御措置を起動させ、塵埃状態を解消することができる。検出システム11は、ガスタービンエンジン又は他の圧縮機の特定の設置場所において、塵埃状態に関する正確なデータを集めることを可能にする。また、能動的制御措置によって、検出システム11は、タービン入口24を塵埃状態から保護する。更に、検出システム11は、タービン吸気口24内のコアレッサの常時設置の必要性を低減し、従って、コアレッサの常時設置に伴う保守要件、運用コスト、及びdPの影響を低減する。
【0023】
図4は、線4−4に沿った図3のフォグ及び塵埃検出器36のプレート62の1つの実施形態の断面図である。プレート62は、該プレート62に沿って長さ方向に延在する1つ又はそれ以上の溝104(例えば、溝106及び108)を含む。プレート62上の溝104の数は、1〜10の範囲、又は他の何れかの好適な数とすることができる。特定の実施形態において、溝104は、プレート62の長さ全体又はプレート62の長さの一部にわたって延在することができる。図示のように、溝104は、陥凹部110を含む。特定の実施形態において、陥凹部110の形状は変えることができる。例えば、陥凹部110は、矩形、三角形、又は他の何れかの形状とすることができる。溝104は、センサ94のために水を収集するよう構成される。プレート62の角度68により、センサ94の重力で収集した水を溝104に沿って流すことが可能になる。
【0024】
図5は、上述の検出システム11の実施形態を利用したタービン吸気口24内のフォグ及び/又は塵埃状態を検出する方法120の1つの実施形態のフローチャートである。方法120は、検出器36を用いて露点を測定するステップを含む(ブロック122)。例えば、検出器36は、露点を得るために上述の鏡面冷却式露点計58及びレーザ検出システム60を利用することができる。方法120はまた、検出器を用いて水分の存在を検出するステップを含む(ブロック124)。例えば、検出器36は、上述のように電子センサ78(例えば、内部屈折デバイス80)を介して透明プレート62上に存在する水分による光の内部屈折を測定することができる。露点及び/又は検出された水分は、コントローラ42に提供され、フォグ状態が存在するかどうかを判定する(ブロック126)。フォグ状態が存在しない場合には、検出器36は、検出器36を用いた露点を測定するステップ(ブロック122)及び水分の存在を検出するステップ(ブロック124)を継続する。フォグ状態が存在する場合には、コントローラ42は、制御措置(例えば、第1の制御措置)を可能にし、又は起動する(ブロック128)。例えば、コントローラ42は、タービン吸気口24の内部及び/又は外部にある能動的コアレッサを第1の制御措置として起動することができる。
【0025】
フォグ状態の監視に加えて、方法120は、塵埃状態の監視を含む。方法120は、上述のように、検出器36のセンサ94(例えば、塩センサ)を用いて収集した水内の塩類含有量(例えば、抵抗測定により)を測定するステップを含む(ブロック130)。収集された水内の塩類含有量の測定値は、コントローラ42に提供され、塵埃状態が存在するかどうかを判定する(ブロック132)。塵埃状態が存在しない場合には、検出システム11は、収集された水の塩類含有量の測定を継続する(ブロック130)。塵埃状態が存在する場合には、コントローラ42は、制御措置(例えば、第1の制御措置又は第2の制御措置)を可能にし、又は起動する(ブロック128)。例えば、コントローラ42は、タービン吸気口24の内部及び/又は外部にある能動的コアレッサを第1の制御措置として起動することができる。或いは、コントローラ42は、第2の制御措置を起動することができる。例えば、第2の制御措置は、塩の凝縮の発生に関するワーニング又はアラームを提供することができる。特定の実施形態において、第2の制御措置は、塩類含有量に比例した信号を発生させ、データベース内に収容することができる。信号はまた、比較の目的で使用することもできる。例えば、第1のセンサ94が濾過システム40の上流側に配置され、第2のセンサ94が濾過システム40の下流側に配置されて、塩類含有量を示す信号の比較を可能にし、濾過システム40の効率性の指標を提供することができる。
【0026】
開示された実施形態の技術的効果は、タービン吸気口24(例えば、タービン圧縮機吸気口)内の汚染物質(フォグ及び/又は塵埃状態)の存在を検出するシステムを含む。詳細には、検出システム11は、圧縮機22に流入する空気流に向けた1つ又はそれ以上の検出器36を含む。1つ又はそれ以上の検出器36は、露点を測定(例えば、鏡面冷却式露点計58及びレーザ検出システム60により)し、及び/又は水分の存在を(電子センサ80により)検出するよう構成される。加えて、1つ又はそれ以上の検出器36は、収集された水の塩類含有量を測定(例えば、センサ94により)するよう構成される。検出器36からのフォグ及び/又は塵埃状態を示す信号に基づいて、検出器36に結合されたコントローラ42は、フォグ及び/又は塵埃状態の存在を判定する。加えて、コントローラ42は、フォグ及び/又は塵埃状態に応答して制御措置(例えば、能動的コアレッサ)を起動する。検出システム11は、特定の場所におけるフォグ及び/又は塵埃状態に関する正確なデータを集めることを可能にする。また、能動的制御措置により、検出システム11は、タービン吸気口24をフォグ及び/又は塵埃状態から保護する。更に、検出システム11は、タービン入口24内のコアレッサの常時設置の必要性を低減し、従って、コアレッサの常時設置に伴う保守要件、運用コスト、及びdPの影響を低減する。
【0027】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0028】
10 タービンシステム
11 汚染物質検出システム
12 燃料噴射装置
14 燃料供給源
16 燃焼器
18 タービン
20 排気出口
22 圧縮機
24 入口
26 負荷
30 空気
32 加圧空気
34 燃料−空気混合気
36 検出器
37 検出器
38 検出器
40 濾過システム
42 コントローラ
50 空気入口
52 下流側方向
54 ウェザーフード
56 スラット
58 鏡面冷却式露点計
60 レーザ検出システム
62 プレート
64 研磨面
66 表側
68 角度
70 熱電デバイス
72 後側
74 レーザ
76 光
78 電子センサ
80 内部屈折デバイス
82 光
84 光
94 センサ
104 溝
106 溝
108 溝
110 陥凹部
120 方法
122 ブロック
124 ブロック
126 ブロック
128 ブロック
130 ブロック
132 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機に向けた空気流内のフォグ状態を検出するよう構成された検出器と、
前記検出器に結合されたコントローラと、
を備え、該コントローラが、前記フォグ状態に応答して第1の制御措置を起動するよう構成される、システム。
【請求項2】
前記検出器が、前記空気流内の露点を測定するよう構成された鏡面冷却式露点計及びレーザ検出システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記鏡面冷却式露点計が、パルス幅変調制御熱電デバイスに結合された反射面を備えるプレートを含み、前記パルス幅変調制御熱電デバイスが、前記プレート上に蒸気の雲を凝縮するよう前記プレートの温度を調整するよう構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検出器が、透明プレート上での凝縮を検出するよう構成された電子センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子センサが、前記透明プレートにおいてある角度で光を放出し、前記透明プレート上に位置する水分からの屈折光を受け取るように構成された内部屈折デバイスを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記検出器が、前記空気流内の塵埃状態を検出するよう構成され、前記コントローラが、前記塵埃状態に応答して第1の制御措置又は第2の制御措置を起動するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出器が、水を収集するよう構成された少なくとも1つの溝を有するプレートと、前記水中の塩類含有量を測定するよう構成されたセンサとを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、フォグ状態又は塵埃状態の発生に関連した前記検出器からのデータを収集するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
圧縮機又は圧縮機を有するガスタービンエンジンを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の制御措置が、少なくとも1つの能動的コアレッサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記検出器が、測定された露点及び検出した凝縮に基づいてフォグ状態を検出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ガスタービンの圧縮機に空気流を提供するよう構成された圧縮機吸気口と、
前記タービンの圧縮機吸気口内に配置される少なくとも1つのフィルタと、
前記空気流の方向に対してある角度で配置されて前記空気流内のフォグ状態を検出するよう構成された検出器と、
前記検出器に結合されたコントローラと、
を備え、前記コントローラが、前記フォグ状態に応答して第1の制御措置を起動するよう構成される、システム。
【請求項13】
前記検出器が、前記空気流内の露点を測定するよう構成された鏡面冷却式露点計及びレーザ検出システムを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記検出器が、透明プレート上の凝縮を検出するよう構成された電子センサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記検出器が、前記空気流内の塵埃状態を検出するよう構成され、前記コントローラが、前記塵埃状態に応答して前記第1の制御措置又は第2の制御措置を起動するよう構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の制御措置が、少なくとも1つの能動的コアレッサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムが、複数の検出器を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記角度が、前記空気流の方向に対して約25〜90度である、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
ガスタービンの圧縮機に流入する空気流を監視するよう構成された圧縮機吸気口汚染物質検出器を備え、該圧縮機吸気口汚染物質検出器が、前記空気流内のフォグ状態又は塵埃状態を検出するよう構成される、システム。
【請求項20】
前記圧縮機吸気口汚染物質検出器に結合されたコントローラを備え、該コントローラが、前記フォグ状態又は塵埃状態に応答して少なくとも1つの制御措置を起動するよう構成される、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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