説明

圧縮機

【課題】冷媒吐出口を分離室の位置に拘わらず任意の位置に設けることができるとともに、部品点数及び加工工数を増加させることなく保護装置を設けることのできる圧縮機を提供する。
【解決手段】一端をそれぞれ第1のハウジング11の外部に開口するとともに、互いに順次分岐して分離室51と冷媒吐出口14とを連通する第1、第2及び第3の冷媒通路60,61,62と、第1及び第2の冷媒通路60,61の開口部60a,61aを閉塞する第1の保護装置70及び第2の保護装置80を設けたシール部材を備えたので、冷媒吐出口14を分離室51の位置に拘わらず自由に配置することができ、設計上極めて有利である。また、従来のように第1の保護装置70及び第2の保護装置80を取付ける開口部を別途形成する必要がないので、部品点数及び加工工数を減らすことができ、生産性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用空気調和装置等の冷媒圧縮用に用いられる圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧縮機としては、冷媒を吸入する圧縮機本体と、圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、圧縮機本体内の圧縮部において潤滑油とともに圧縮された冷媒を分離室において冷媒と潤滑油とに分離して冷媒を冷媒吐出口から吐出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、従来の圧縮機においては、圧縮機本体内の一端側に圧縮部から冷媒が吐出される冷媒吐出室が設けられているが、冷媒吐出室内の冷媒ガスの圧力が異常上昇した場合には圧縮機を保護する必要がある。そこで、冷媒吐出室の外壁面を開口してプレッシャーリリーフバルブを取付け、冷媒吐出室内の圧力が所定圧力以上になると、プレッシャーリリーフバルブによって冷媒吐出室の冷媒ガスを外部に排出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、従来の圧縮機においては、冷媒吐出室内の冷媒ガスの温度が異常上昇した場合には圧縮機を保護する必要がある。そこで、冷媒吐出室の壁面にバイメタル等の感温部材からなるサーマルプロテクタを取付け、冷媒吐出室内の温度が所定温度以上になると、サーマルプロテクタによって電磁クラッチへの通電を遮断するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−295767号公報
【特許文献2】特開2000−220587号公報
【特許文献3】実開平7−14189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の圧縮機では、分離室に分離管を挿入するために、分離室の一端を圧縮機本体の外部に開口し、開口部を冷媒吐出口としているため、冷媒吐出口の配置の自由度が制限されるという問題点がある。
【0006】
また、従来の圧縮機では、プレッシャーリリーフバルブまたはサーマルプロテクタを取付けるための開口部を別途形成しなければならず、部品点数及び加工工数が多くなり、生産性の低下及び製造コストの増加を来すという問題点があった。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷媒吐出口を分離室の位置に拘わらず任意の位置に設けることができるとともに、部品点数及び加工工数を増加させることなく保護装置を設けることのできる圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室の冷媒を圧縮機本体の冷媒吐出口から外部に吐出するようにした圧縮機において、一端をそれぞれ圧縮機本体の外部に開口する複数の冷媒通路を備え、一つの冷媒通路に対して他の一つの冷媒通路を分岐させることにより、各冷媒通路によって前記分離室と冷媒吐出口とを連通し、冷媒吐出口となる開口部を除く他の冷媒通路の一端開口部をシール部材によって閉塞するとともに、少なくとも一つのシール部材に冷媒通路内の圧力または温度に応じて作動する保護装置を設けている。これにより、互いに順次分岐する複数の冷媒通路によって分離室と冷媒吐出口とが連通されることから、冷媒吐出口が分離室の位置に拘わらず自由に配置される。また、各冷媒通路の開口部を閉塞する少なくとも一つのシール部材に保護装置が設けられていることから、保護装置を取付ける開口部を別途形成する必要がない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、冷媒吐出口を分離室の位置に拘わらず自由に配置することができるので、設計上極めて有利である。また、保護装置を取付ける開口部を別途形成する必要がないので、部品点数及び加工工数を減らすことができ、生産性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は圧縮機の側面断面図、図2は圧縮機の正面図、図3は圧縮機の部分側面断面図、図4は第1の保護装置の側面断面図、図5は圧力開放時の第1の保護装置の側面断面図である。
【0011】
この圧縮機は、冷媒を吸入及び吐出する圧縮機本体10と、圧縮機本体10内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部20と、圧縮部20を駆動する駆動シャフト30と、駆動シャフト30に外部からの動力を伝達する電磁クラッチ40と、圧縮部20から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離部50と、分離された冷媒を外部に流通させる第1、第2及び第3の冷媒通路60,61,62と、第2の冷媒通路61の開口部61aに設けられた第1の保護装置70と、第1の冷媒通路60の開口部60aに設けられた第2の保護装置80と、分離された潤滑油を収容するとともに、圧縮部20の冷媒吸入側に供給する貯油室90とを備えている。
【0012】
圧縮機本体10は中空状に形成され、第1のハウジング11および第2のハウジング12からなる。第1のハウジング11は圧縮機本体10の一端面及び側面を形成しており、その内部の一端側には冷媒吐出室13が設けられる。また、第1のハウジング11の側面には図示しない冷媒吸入口が設けられ、一端面側側面の上部には冷媒吐出口14が設けられている。第2のハウジング12は圧縮機本体10の他端面を形成しており、ボルト15によって第1のハウジング11に固定されている。
【0013】
圧縮部20は、第1のハウジング11内の一端側に配置された固定スクロール部材21と、第1のハウジング11内の他端側に配置された可動スクロール部材22とからなり、固定スクロール部材21は冷媒吐出室13を仕切るように第1のハウジング11内に固定されている。固定スクロール部材21の一端面には一方の渦巻体21aが設けられ、固定スクロール部材21のほぼ中央には冷媒吐出室13に連通する貫通孔21bが設けられている。また、固定スクロール部材21の他端面には貫通孔21bを開閉する板状の吐出バルブ23が設けられ、吐出バルブ23は固定スクロール部材21の他端面に取付けられたストッパ24によって所定の開度に規制されるようになっている。可動スクロール部材22の一端面には他方の渦巻体22aが設けられ、その他端面には第2のハウジング12側に延びるボス部22bが設けられている。また、可動スクロール部材22と第2のハウジング12との間には回転阻止機構25が設けられ、回転阻止機構25によって可動スクロール部材22が自転を阻止された所定の旋回運動を行うようになっている。
【0014】
駆動シャフト30は一端側をローラベアリング31を介して第2のハウジング12に回動自在に支持され、その他端側はボールベアリング32を介して第2のハウジング12に回動自在に支持されている。駆動シャフト30の一端面にはその軸心に対して偏心した偏心ピン33が突設され、偏心ピン33は偏心ブッシュ34内に挿入されている。また、偏心ブッシュ34はローラベアリング35を介して可動スクロール部材22のボス部22bに回動自在に支持されている。
【0015】
電磁クラッチ40は、駆動シャフト30に対して同軸状に回転するロータ41と、ロータ41に一体に設けられたプーリ42と、ロータ41に対して同軸状に回転するアーマチュア43と、アーマチュア43と一体に回転するハブ44と、ロータ41及びアーマチュア43の軸方向の対向面を磁力によって互いに吸着可能な電磁コイル45とから構成されている。
【0016】
ロータ41は環状に形成された磁性体からなり、その内周面をボールベアリング41aを介して圧縮機本体10の第2ハウジング12に回動自在に支持されている。ロータ41の一端面側には環状の凹部41bが設けられ、凹部41b内には電磁コイル45が収容されている。ロータ41の他端面はアーマチュア43と軸方向に対向しており、電磁コイル45によってアーマチュア43を吸着するようになっている。
【0017】
プーリ42はロータ41の外周面に設けられ、図示しないVベルトが巻き掛けられるようになっている。
【0018】
アーマチュア43は環状の板状部材によって形成された磁性体からなり、その一端面はロータ41の他端面と僅かな間隙を介して対向しており、電磁コイル45によってロータ41の他端面に吸着されるようになっている。
【0019】
ハブ44は円板状に形成された金属製の部材からなり、その中央には駆動シャフト30の一端側が連結され、駆動シャフト30はナット44aによってハブ44に固定されている。ハブ44は連結板44b及び板バネ44cを介してアーマチュア43に連結されており、板バネ44cの弾性変形によってアーマチュア43がロータ41側へ変位可能になっている。
【0020】
電磁コイル45は絶縁皮膜を施した導線の巻腺からなり、ステータ45aの内部にエポキシ等の樹脂部材によってモールド固定されている。ステータ45aは環状に形成された断面略コ字状の磁性体からなり、ロータ41の凹部41b内に固定されている。また、ステータ45aは環状の連結部材45bを介して圧縮機本体10に連結されている。
【0021】
分離部50は、第1のハウジング11の一端側に設けられた分離室51と、分離室51内に設けられた分離管52とから構成されている。
【0022】
分離室51は上方を開放されるとともに、上下方向に延びるように設けられ、内部を断面円形状に形成されている。分離室51の下端側は下面中央部に向って傾斜するように形成され、最下部には貯油室90と連通する導入孔51aが設けられている。また、分離室51の冷媒吐出室13側の側面上部には一対の連通孔51bが互いに上下方向に間隔をおいて設けられ、各連通孔51bは分離室51の中心軸に対して幅方向に所定距離をおいて円周状の内壁の接線方向に向くように配置されている。
【0023】
分離管52は略円筒状に形成された部材からなり、その上端側は分離室51の内壁に接する外径を有し、下端側は内壁から所定の間隔を保持する外径を有している。分離管52は分離室51の上方に位置する第1の冷媒通路60の開口部60aから分離室51内に挿入されるとともに、その上端側を分離室51内に圧入されている。この場合、分離室51の内壁に設けられた溝51cに規制リング52aを係合することにより、分離管52の上方への移動が規制されるようになっている。また、分離管52の下端側は分離室51の下面との間に所定距離をおいて配置されている。
【0024】
第1の冷媒通路60は上下方向に延びるように形成され、一端側を分離室の側面上部に連通し、他端側を開口部60aを設けることにより開放している。
【0025】
第2の冷媒通路61は図2中左右方向に延びるように形成され、一端側を第1の冷媒通路60に連通し、他端側を開口部61aを設けることにより開放している。
【0026】
第3の冷媒通路62は上下方向に延びるように形成され、一端側を第2の冷媒通路61に連通し、他端側を冷媒吐出口14を設けることにより開放している。
【0027】
第1の保護装置70は、第2の冷媒通路61の開口部61aを閉塞するシール部材71と、シール部材71内に軸方向に移動自在に設けられた開閉部材72と、開閉部材72をシール部材71内の一端側に付勢するコイルバネ73とから構成されている。
【0028】
シール部材71は中空状に形成された外形がボルト形状の部材からなり、シール部材71に設けられたネジ部71aを開口部61aに螺合することによって、開口部61aに取付けられるようになっている。また、シール部材71の一端側は径方向中央に貫通孔71bが設けられ、シール部材71の他端側は径方向中央を開口した板状部材71cによって覆われている。
【0029】
開閉部材72はシール部材71の一端側の内径よりもやや小さい外形を有する円柱部72aと、円柱部72aの一端側に設けられたシール部72bとからなり、シール部材71の内周面と開閉部材72の外周面との間には冷媒を流通可能な隙間が設けられている。開閉部材72は円柱部72aとシール部72bとを一体に形成され、シール部材71の一端側に挿入されることによりシール部72bがシール部材71の貫通孔71bと対向するようになっている。
【0030】
コイルバネ73はシール部材71の板状部材71cと開閉部材72との間に圧縮状態で介装され、シール部72bが貫通孔71bに圧接するように付勢している。この場合、シール部材71の一端側の圧力が所定圧力以上になると、コイルバネ73の付勢力に抗して開閉部材72の開放方向への移動が許容されるようになっている。
【0031】
第2の保護装置80は第1の冷媒通路60の開口部60aを閉塞するシール部材81と、シール部材81と一体に設けられた感温部材82とから構成されている。
【0032】
シール部材81は外形がボルト形状の部材からなり、シール部材81に設けられたネジ部81aを開口部60aに螺合することによって、開口部60aを閉塞するようになっている。
【0033】
感温部材82は、例えばバイメタル等のように温度の変化に伴って一対の電気接点間を開閉する周知の機器からなり、シール部材81の内部に埋没されている。感温部材82の図示しない各電気接点にはそれぞれ導線82aが接続され、図示していないが各導線82aは電磁クラッチ40の電磁コイル45への通電回路に接続されている。この場合、感温部材82に伝達される温度が所定温度以上になると、感温部材82によっって各導線82a間の通電が遮断されるようになっている。
【0034】
貯油室90は第1のハウジング11内の一端側及び固定スクロール部材21の他端側の間に形成され、貯油室90の上部は導入孔51aを介して分離部50と連通しており、貯油室90の下部は固定スクロール部材21に設けられたフィルタ91及びオリフィス92を介して圧縮部20の冷媒吸入側と連通している。
【0035】
以上のように構成された圧縮機においては、エンジンの動力が電磁クラッチ40のプーリ42に入力されると、プーリ42と一体にロータ41が回転する。その際、電磁コイル45の通電停止時は、ロータ41とアーマチュア43の軸方向の対向面が互いに間隔をおいて保持されているため、ロータ41がアーマチュア43に対して空転し、ロータ41の回転力はアーマチュア43に伝達されない。また電磁コイル45が通電されると、電磁コイル45の磁力によってアーマチュア43がロータ41側に吸引され、ロータ41とアーマチュア43が互いに圧着して摩擦係合する。これにより、ロータ41の回転力が伝達され、アーマチュア43の回転力が駆動シャフト30に伝達される。
【0036】
駆動シャフト30が回転すると、圧縮部20の可動スクロール部材22が偏心ブッシュ34の回転によって所定の旋回運動を行う。これにより、圧縮機本体10の冷媒吸入口から第1のハウジング11内に流入した冷媒が可動スクロール部材22の渦巻体22aと固定スクロール21の渦巻体21aとの間に吸入され、各渦巻体21a,22a間で圧縮される。尚、各渦巻体21a,22aの圧縮動作については、周知のスクロール型圧縮機と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0037】
圧縮された冷媒は冷媒吐出室13内に吐出され、冷媒吐出室13から連通孔51bを経て分離室51に吐出される。分離室51の各連通孔51bは分離室51の中心軸に対して幅方向に所定距離をおいて内壁の接線方向に向けて設けられているため、圧縮された冷媒は分離室51の内壁に沿って旋回するように下降する。このとき、圧縮された冷媒には潤滑油が含まれており、分離室51の内壁に沿って圧縮された冷媒を旋回させることにより、潤滑油が分離室51の内壁に付着して冷媒と潤滑油が分離される。潤滑油と分離された冷媒は分離室51内の分離管52の下端から上方へ流通し、第1、第2及び第3の冷媒通路60,61,62を経て冷媒吐出口14から吐出される。また、潤滑油は自重によって下降し、分離室51下部の導入孔51aを経て貯油室90に吐出される。
【0038】
分離部50から吐出された潤滑油は貯油室90に貯蔵され、貯蔵された潤滑油は圧縮部20の冷媒吸入側と貯油室90との内部圧力の差によって圧縮部20の冷媒吸入側に吸引され、フィルタ91により不純物を取除かれた後にオリフィス92によって供給量を調整されて圧縮部20の冷媒吸入側に供給される。
【0039】
前記第1の保護装置70においては、第2の冷媒通路61内の冷媒の圧力が所定よりも低い場合は、図4に示すように、コイルバネ73によって開閉部材72に設けられたシール部72bがシール部材71の貫通孔71bに圧接し、貫通孔71bが気密状態で閉鎖される。
【0040】
ここで、高負荷時に吐出冷媒の圧力が異常上昇した場合など、第2の冷媒通路61の冷媒の圧力が所定圧力以上になると、図5に示すように、第2の冷媒通路61内の圧力によって開閉部材72がシール部材71の他端側に移動する。これにより、シール部72bがシール部材71の貫通孔71bから離れることにより貫通孔71bが開放される。これにより、第2の冷媒通路61内がシール部材71の内部を介して圧縮機本体10の外部に連通し、第2の冷媒通路内61の冷媒がシール部材71内を通って外部に排出される。
【0041】
また、前記第2の保護装置80においては、高負荷時に吐出冷媒の温度が異常上昇した場合など、第1の冷媒通路60内の冷媒の温度が所定温度以上になると、感温部材82によって各導線82a間の通電が遮断され、電磁クラッチ40から駆動シャフト30に動力が伝達されなくなる。
【0042】
本実施形態によれば、一端をそれぞれ第1のハウジング11の外部に開口するとともに、互いに順次分岐して分離室51と冷媒吐出口14とを連通する第1、第2及び第3の冷媒通路60,61,62と、第1及び第2の冷媒通路60,61の開口部60a,61aを閉塞するシール部材としての第1の保護装置70及び第2の保護装置80を備えたので、冷媒吐出口14を分離室51の位置に拘わらず自由に配置することができ、設計上極めて有利である。また、従来のように第1の保護装置70及び第2の保護装置80を取付ける開口部を別途形成する必要がないので、部品点数及び加工工数を減らすことができ、生産性の向上及び製造コストの低減を図ることができる。また、第1の保護装置70を圧縮機本体10の上部に取付けることができるので、液化した冷媒が吐出されることがない。
【0043】
また、シール部材71,81一端側に第1及び第2の冷媒通路60,61の開口部60a,61aに螺合するネジ部71a,81aを設けたので、シール部材71,81を容易に取付けることができる。
【0044】
尚、前記実施形態では、第1及び第2の冷媒通路60,61の開口部60a,61aにシール部材として第1の保護装置70及び第2の保護装置80を取付けることによって閉塞するようにしたものを示したが、開口部60a,61aのどちらか一方に第1の保護装置70または第2の保護装置80を取付け、他方をシールボルトによって閉塞するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態を示す圧縮機の側面断面図
【図2】圧縮機の正面図
【図3】圧縮機の部分側面断面図
【図4】第1の保護装置の側面断面図
【図5】圧力開放時の第1の保護装置の側面断面図
【符号の説明】
【0046】
10…圧縮機本体、14…冷媒吐出口、20…圧縮部、50…分離部、51…分離室、60…第1の冷媒通路、60a…開口部、61…第2の冷媒通路、61a…開口部、62…第3の冷媒通路、70…第1の保護装置、80…第2の保護装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機本体内に吸入された冷媒を圧縮する圧縮部と、圧縮部から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する分離室とを備え、分離室の冷媒を圧縮機本体の冷媒吐出口から外部に吐出するようにした圧縮機において、
一端をそれぞれ圧縮機本体の外部に開口する複数の冷媒通路を備え、一つの冷媒通路に対して他の一つの冷媒通路を分岐させることにより、各冷媒通路によって前記分離室と冷媒吐出口とを連通し、
冷媒吐出口となる開口部を除く他の冷媒通路の一端開口部をシール部材によって閉塞するとともに、
少なくとも一つのシール部材に冷媒通路内の圧力または温度に応じて作動する保護装置を設けた
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記各冷媒通路を、他端を分離室に連通する第1の冷媒通路と、第1の冷媒通路から分岐する第2の冷媒通路と、第2の冷媒通路から分岐して一端開口部を冷媒吐出口に連通する第3の冷媒通路とから形成し、
第1及び第2の冷媒通路の開口部を閉塞するシール部材のうち、一方のシール部材に冷媒通路内の圧力に応じて作動する第1の保護装置を設け、
他方のシール部材には冷媒通路内の温度に応じて作動する第2の保護装置を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
【請求項3】
前記シール部材に冷媒通路の一端開口部に螺合するネジ部を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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