説明

圧縮空気を媒体とした車両における風力からの動力供給システム

【課題】化石燃料の枯渇に対応するため、風力から得られるエネルギーによって車両を推進させるシステムが求められていたが、従来の技術では、電力を2次エネルギーとするためエネルギー変換効率が理論的に一定以上向上させることができない、発電機の設置が必要なため風車が大型化する、出力の不安定さを担保するため蓄電装置を準備するか系統に接続する必要があるなどの問題があり、新たなエネルギー媒体が求められていた。
【解決手段】コンプレッサーに連結された風車と、圧縮空気を貯蔵するタンク、圧縮空気を車両に供給するステーション、圧縮空気を主な動力源または補助動力源とする車両からなるシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における自然力からの動力供給に関する、詳しくは、圧縮空気を2次エネルギーとした車両における風力からの動力供給に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料の枯渇に対応するため、風力から得られるエネルギーによって車両を推進させるシステムが多く提案されている。
【0003】
これまで電力を2次エネルギーとして、風力から得られるエネルギーにより車両、特に自動車を推進させるという試みがなされてきた。(例えば、特許文献1〜3参照。)
【特許文献1】特許公開2007−244157 広報
【特許文献2】特許公開2007−228753 広報
【特許文献3】特許公開2002−339853 広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術においては、電力を2次エネルギーとするため、エネルギー変換効率が理論的に一定以上向上させることができない、発電機の設置が必要なため風車が大型化する、出力の不安定さを担保するため蓄電装置を準備するか系統に接続する必要があるなどの問題があり、新たなエネルギー媒体が求められていた。
【0005】
本発明は、このような従来のシステムが有していた問題を解決しようとするものであり、圧縮空気を媒体とした車両における風力からの動力供給システムの提供を目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、コンプレッサーに連結された風車と、圧縮空気を貯蔵するタンク、圧縮空気を車両に供給するステーション、圧縮空気を主な動力源または補助動力源とする車両からなるシステムである。
【0007】
風車ならびにコンプレッサーは現在一般に知られている全てのものを用いることができる。例として風車は水平軸型のプロペラ型、セイルウイング型、多翼型、垂直軸型のダリウス型、サポニウス風車、ジャイロミル型、パドル型などが挙げられるが、これに限定されるものではない。好ましくは水平軸型が挙げられる。水平軸型では機器を大型化でき大きな出力を得ることが一方で発電機をタワー上に設置しなけければならなかったが、本発明ではコンプレッサーを設置するだけでよく、建設費を低減できる。
【0008】
圧縮空気貯蔵タンクならびにステーションで用いられる圧縮空気移送装置は現在一般に使用されている全てのものを用いることができる。
【0009】
圧縮空気推進車両は現在一般に知られている全てのものを用いることができる。車両は、自動車、オートバイ、自転車、人力車、リヤカー、一輪車、台車などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。好ましくは重量の小さい車両、さらに好ましくは現行で交通機関として使用されているもののうち重量の小さい車両が挙げられる。例として自転車が挙げられる。自転車は交通機関の一つであるが、現行技術では大きなエネルギーを蓄積できない圧縮空気を用いるため、単位距離あたりに必要なエネルギー量が小さい、重量の軽いものがよい。また、車両を推進させるエネルギーとして圧縮空気の他に一種類以上のエネルギーを用いるものがよい。これも、現行技術では大きなエネルギーを蓄積できない圧縮空気を用いるためである。例として、圧縮空気ハイブリッドカー、圧縮空気アシスト自転車などが挙げられるが、これに限定されるものではない。圧縮空気アシスト自転車は例として特許文献4に開示されるものなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【特許文献4】特許公開2005−126002 広報
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明によりこれまで車両において使用しにくかった風力エネルギーが利用可能なシステムを提供できる。
【0011】
また、車両として圧縮空気アシスト自転車を用いることによりさらに上記効果を発揮するものである。
【発明の実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。コンプレッサー付き風車を用いて風力エネルギーにより圧縮空気を製造し、これをタンクに貯蔵し、圧縮空気を車両に供給するステーションにおいて圧縮空気アシスト自転車に供給する使用することにより交通機関による移動に供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサーに連結された風車と、圧縮空気を貯蔵するタンク、圧縮空気を車両に供給するステーション、圧縮空気を動力源とする車両からなるシステム。
【請求項2】
請求項1において車両が自動車、オートバイ、自転車、人力車、リヤカー、一輪車、台車のうち一つ以上から選ばれるシステム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項の方法により得られ、車両を推進させるエネルギーとして圧縮空気の他に一種類以上のエネルギーを用いるシステム。

【公開番号】特開2009−168000(P2009−168000A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32390(P2008−32390)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(508044841)
【出願人】(508044852)
【Fターム(参考)】