説明

圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置

【課題】ドレン水自動排出弁やガバナーが正常な場合にもドレン水自動排出弁やガバナーから空気排出が行われる場合であっても、圧縮空気発生装置からの意図しない空気漏れを検出し、しかも空気漏れの原因がドレン水自動排出弁やガバナーの劣化であると特定することが可能な圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置を提供する。
【解決手段】圧縮空気発生装置1を構成するドレン水自動排出弁11及びガバナー10とドレン水処理装置12との間にセンサー14を配置して、圧縮空気発生装置1の運転中にセンサー14を通過した空気の通過時間が所定時間を越えた場合に、異常判定部15で少なくともドレン水自動排出弁11又はガバナー10の一方にゴム劣化等の異常があると判定し、その異常である旨の判定信号を異常判定部15から警報出力部16に出力して警報出力手段18を制御させ、作業員にドレン水自動排出弁11又はガバナー10にゴム劣化等の異常があることを警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発変電所等で使用される圧縮空気発生装置の長期使用による排水弁やガバナー等からの空気漏れを検出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の発変電所等で使用される圧縮空気発生装置は長期使用によりその効率が低下する場合がある。その原因としては、圧縮空気発生装置の各シリンダ内のピストンリングの磨耗による場合と、ドレン水自動排出弁やガバナーの劣化による場合とがある。
【0003】
ドレン水自動排出弁やガバナーの劣化による圧縮空気発生装置の効率の低下について説明すると、ドレン水自動排出弁やガバナーは、圧縮空気発生装置が運転中では閉じて、圧縮空気発生装置の運転の停止と共に前記各シリンダ内の空気とドレン水とを排出する役割を有しているが、このドレン水自動排出弁やガバナーが劣化すると、圧縮空気発生装置の運転中でもドレン水自動排出弁やガバナーから空気が僅かに漏れて、圧縮している空気が抜けてしまい、空気圧を所定の圧力値にまで高めるのに時間を要することとなるので、圧縮空気発生装置の効率が低下することとなる。
【0004】
一方で、圧縮空気発生装置の効率の低下の有無を調べるのに、空気圧が所定の圧力値まで昇圧する所要時間を計測することを行う手法があるが、この手法では圧縮空気発生装置の効率低下の原因が圧縮空気発生装置のシリンダ内のピストンリングの磨耗によるのか、ドレン水自動排出弁やガバナーの劣化によるのか区別がつかないという不具合がある。
【0005】
また、圧縮空気発生装置の効率低下は当該圧縮空気発生装置の運転中に圧縮している空気が抜けてしまうことが起因になっていることに着目して、この圧縮空気漏洩の有無を検出することが考察されるが、空気圧縮機に対する圧縮空気漏洩検出装置としては、例えば特許文献1に示される発明が既に公知になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−164651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明で用いられる圧縮空気発生装置では、通常でも、この圧縮空気発生装置の停止中に各シリンダ内の空気をドレン水自動排出弁やガバナーを経由して排出するので、上記特許文献1のように圧縮空気の使用量と供給量との差から漏洩空気の有無を算出するように、単に漏洩空気の有無を検出するのみでは、圧縮空気発生装置の停止中に行われる通常の空気排出によるものか、異常による空気漏洩によるものかどうかが判明しないという不具合を有する。
【0008】
そこで、本発明は、ドレン水自動排出弁やガバナーが正常な場合にも所定の条件下でドレン水自動排出弁やガバナーから空気排出が行われる場合であっても、圧縮空気発生装置からの意図しない空気漏れを検出し、しかも、この空気漏れの原因がドレン水自動排出弁やガバナーの劣化であると特定することが可能な圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置は、1又は2以上の空気を圧縮するシリンダと、前記シリンダで空気を圧縮した際に発生したドレン水を空気から分離する1又は2以上のドレン水分離器と、前記ドレン水分離器で分離されたドレン水を排出するためのドレン水自動排出弁と、前記ドレン水分離器と連結されて前記ドレン水分離器から空気が流れるガバナーと、前記ドレン水自動排出弁を経由して排出されたドレン水や前記ガバナーからの空気が送られてドレン水を処理するドレン水処理装置と、前記シリンダで圧縮された空気を貯め、必要に応じて外部に送出する空気タンクとを備えると共に、運転中は、吸引された大気を前記シリンダで圧縮し、この空気の圧縮時に生じたドレン水を前記ドレン水分離器で分離した後、この圧縮空気を前記空気タンクに送る動作が行われ、停止中は、前記ドレン水分離器から前記ドレン水自動排出弁を介し、又は前記ドレン水分離器から前記ガバナーを介して、前記ドレン水分離器内のドレン水や空気をドレン水処理装置に送る動作が行われる圧縮空気発生装置に用いられ、前記ドレン水自動排出弁と前記ガバナーとのうちの少なくとも一方から前記ドレン水処理装置への空気の通過を検出し、検出された空気の通過時間に基づき前記ガバナー又は前記ドレン水自動排出弁の異常を判定することを特徴としている(請求項1)。ドレン水自動排出弁と前記ガバナーとのうちの少なくとも一方からドレン水処理装置への空気の通過の検出は、圧縮空気発生装置の運転中に行われる。
【0010】
ここで、前記シリンダは、空気の吸引側に近い1段目シリンダと、この1段目シリンダよりも空気の吸引側から離れた2段目のシリンダとで構成され、前記ドレン水分離器は、前記1段目シリンダによる空気圧縮で生じたドレン水を空気から分離するための1段目ドレン水分離器と、前記2段目シリンダによる空気圧縮で生じたドレン水を空気から分離するための2段目ドレン水分離器とで構成されると共に、前記1段目ドレン水分離器は、空気流路のうち前記1段目シリンダと前記2段目シリンダとの間に配置され、前記2段目ドレン水分離器は、空気流路のうち前記2段目シリンダよりも下流側に配置されたことを特徴としている(請求項4)。これにより、本発明の圧縮空気発生装置を発変電所で使用する圧縮空気発生装置とすることができる。
【0011】
そして、この発明に係る圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置は、前記ドレン水自動排出弁と前記ガバナーとのうちの少なくとも一方から前記ドレン水処理装置への空気の通過を検出するためのセンサーと、このセンサーで検出された空気の通過時間に基づき前記ガバナー又は前記ドレン水自動排出弁の異常を判定するための異常判定部とで少なくとも構成されたことを特徴としている(請求項2)。ここで、センサーは例えば空気流量センサーである。
【0012】
これらにより、ドレン水自動排出弁とガバナーとのうちの少なくとも一方からドレン水処理装置への空気の通過時間が、圧縮空気発生装置が停止した直後に行われる瞬間的な空気の排出よりも長い場合には、圧縮空気発生装置の運転中にもかかわらずドレン水自動排出弁又はガバナーから空気が漏洩していたこととなるので、ドレン水自動排出弁又はガバナーが劣化しているとの異常を判定することが可能となる。
【0013】
また、この発明に係る圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置は、前記異常判定部でドレン水自動排出弁又は前記ガバナーが異常であると判定した時にその判定信号を受けて警報出力手段に制御信号を出力して前記警報出力手段を作動させる警報出力部を更に有することを特徴としている(請求項3)。警報出力手段とは、例えば回転灯、点滅灯や警報音や警告の音声を発生するスピーカー等である。
【0014】
これにより、ドレン水自動排出弁又はガバナーが異常であることを警報出力手段の作動により作業員に報知させることができるので、作業員のドレン水自動排出弁又はガバナーの修繕作業を円滑且つ迅速に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、ドレン水自動排出弁とガバナーとのうちの少なくとも一方からドレン水処理装置への空気の通過時間が、圧縮空気発生装置が停止した直後に行われる瞬間的な空気の排出よりも長い場合には、圧縮空気発生装置の運転中にもかかわらずドレン水自動排出弁又はガバナーから空気が漏洩していたこととなるので、ドレン水自動排出弁及びガバナーに問題がないときにも、上記のようにドレン水自動排出弁及びガバナーからドレン水と共に空気が排出される場合であっても、ドレン水自動排出弁又はガバナーが劣化しているとの異常を判定することが可能となる。
このため、圧縮空気発生装置の効率が悪いとの判断が行われた場合に、実際にはドレン水自動排出弁又はガバナーが劣化したことが原因であるにもかかわらず、シリンダのピストンリングの磨耗が原因であると疑って、問題のないシリンダのオーバーホールを無駄に行ってしまうことを防止することが可能である。
【0016】
特に請求項3に記載の発明によれば、ドレン水自動排出弁又はガバナーが異常であることを警報出力手段の作動により作業員に報知させることができるので、作業員のドレン水自動排出弁又はガバナーの修繕作業を円滑且つ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、この発明に係る圧縮空気発生装置及びこの圧縮空気発生装置に用いられる空気漏洩検出装置の構成図並びに圧縮空気発生装置で空気を圧縮する時の空気が流れる経路を示した説明図である。
【図2】図2は、同上の圧縮空気発生装置及びこの圧縮空気発生装置に用いられる空気漏洩検出装置の構成図並びに圧縮空気発生装置の停止直後にシリンダ内の残余空気及びドレン水を排出する経路を示した説明図である。
【図3】図3は、同上の圧縮空気発生装置及びこの圧縮空気発生装置に用いられる空気漏洩検出装置の構成図並びに圧縮空気発生装置の運転中にドレン水自動排出弁やガバナーから空気漏れが生ずる場合の経路を示した説明図である。
【図4】図4は、空気圧縮空気発生装置の運転と停止とのサイクル、並びに空気圧縮空気発生装置の運転中と停止直後での正常時における空気排出時間と異常時における空気排出時間とを比較して示した特性線図である。
【図5】図5は、同上の空気漏洩検出装置の異常判定部でのドレン水自動排出弁やガバナーの異常の有無を判定して警報出力部に判定結果を出力するためのフローを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1から図3において、この発明に係る圧縮空気発生装置1及びこの圧縮空気発生装置1に用いられる空気漏洩検出装置2の一例が示されている。
【0020】
圧縮空気発生装置1は、例えば発変電所で使用されるもので、吸引した大気(空気)をフィルター3にて異物除去をした後、所定値の圧力まで圧縮して空気タンク4に貯めて、この空気タンク4から所定の機器5に送出するものとなっている。
【0021】
圧縮空気発生装置1は、吸引した大気を圧縮する空気圧縮手段として、フィルター3よりも空気流路の下流側に位置して吸引された空気を圧縮する1段目シリンダ6と、この1段目シリンダ6より空気流路の下流側に位置して1段目シリンダ6で圧縮された空気を更に圧縮する2段目シリンダ7とを有している。これらの1段目シリンダ6、2段目シリンダ7は、図示しないピストンを内蔵した公知のもので、ピストンとピストン収納部との間の気密性を高めるためにその側方周面にピストンリングが装着されており、両シリンダ6、7は配管を介して下記する1段目ドレン水分離器8を挟みつつ間接的に連結されている。
【0022】
更に、圧縮空気発生装置1は、空気流路のうち、1段目シリンダ6と2段目シリンダ7との間の空気流路上に1段目シリンダ6で空気を圧縮した際に生じたドレン水を分離して圧縮空気のみを2段目シリンダ7に送る1段目ドレン水分離器8が配置されていると共に、2段目シリンダ7と空気タンク4との間の空気流路上に2段目シリンダ7で空気を圧縮した際に生じたドレン水を分離して圧縮空気のみを空気タンク4に送る2段目ドレン水分離器9が配置されている。これらの1段目ドレン水分離器8及び2段目ドレン水分離器9も公知のものであり、1段目ドレン水分離器8ではシリンダ6、7とそれぞれ配管を介して連結され、2段目ドレン水分離器9では2段目シリンダ7及び空気タンク4と配管を介して連結されている。
【0023】
更にまた、圧縮空気発生装置1は、1段目ドレン水分離器8と配管を介して連結されて、1段目ドレン水分離器8から残余圧縮空気が流入するガバナー10を有している。
【0024】
そして、圧縮空気発生装置1は、1段目ドレン水分離器8及び2段目ドレン水分離器9と配管を介して連結されたドレン水自動排出弁11を有し、1段目ドレン水分離器8及び2段目ドレン水分離器9で空気から分離されたドレン水は、ドレン水自動排出弁11が開放されることによりドレン水処理装置12に送られ、このドレン水処理装置12で処理される。ガバナー10も、ドレン水処理装置12と配管を介して連結されて、1段目ドレン水分離器8からガバナー10を経由する残余圧縮空気もドレン水処理装置12に送られる。尚、空気タンク4とドレン水処理装置12との間も配管を介して連結されているが開閉弁13により常時閉じた状態になっている。
【0025】
空気漏洩検出装置2は、ガバナー10及びドレン水自動排出弁11とドレン水処理装置12との間に配置されて、ガバナー10及びドレン水自動排出弁11を経由して通過する空気を検出するセンサー14と、このセンサー14で検出された空気流量及び空気流動時間がデータとして送られる異常判定部15と、この異常判定部から異常判定信号が送られる警報出力部16と、異常判定部15と警報出力部16とに電気を供給する電源部17とを有して構成されている。そして、警報出力部16から警報出力手段18(例えば点灯部18aやスピーカー部18b)に対して制御信号が送られて、点灯部18aの場合には回転点灯したり点滅したりし、スピーカー部18bの場合には警告音や警告する人声が発せられる等して、作業員に警告を行うものとなっている。
【0026】
ところで、圧縮空気発生装置1は、図4に示されるように、5分から10分間運転した後、数時間にわたって停止し、更に、5分から10分間運転するというサイクルで、運転と停止とを繰り返すようになっている。
【0027】
圧縮空気発生装置1の運転中(空気の加圧中)においては、図1の白抜き矢印に示されるように、吸引された大気は、まずフィルター3で異物を除去されて、次の1段目シリンダ6で1回目の圧縮が行われ、更に1段目ドレン水分離器8でドレン水が分離排除された後、2段目シリンダ7で2回目、すなわち、更なる圧縮が行われ、これに続く2段目ドレン水分離器9でドレン水が再度分離排除されて、一定の圧力値まで昇圧してから、空気タンク4に送られ、最後には所定の機器5に届けられる。すなわち、ガバナー10及びドレン水自動排出弁11からドレン水処理装置12への空気の排出は圧縮空気発生装置1の運転中では積極的には行われない。
【0028】
これに対して、圧縮空気発生装置1の停止した直後においては、図2のハッチ入り矢印に示されるように、1段目ドレン水分離器8に存するドレン水及び1段目シリンダ6で圧縮された空気の残余分並びに2段目ドレン水分離器9に存するドレン水及び2段目シリンダ7で圧縮された空気の残余分を排出するために、1段目ドレン水分離器8からの排出経路にあっては、ドレン水自動排出弁11及び/又はガバナー10を経由してドレン水処理装置12にドレン水及び残余圧縮空気が送られ、2段目ドレン水分離器9からの排出経路にあっては、ドレン水自動排出弁11を経由してドレン水処理装置12にドレン水及び残余圧縮空気が送られる。すなわち、1段目ドレン水分離器8からの残余圧縮空気及び2段目ドレン水分離器9からの残余圧縮空気は、圧縮空気発生装置1(特に、ドレン水自動排出弁11及びガバナー10)が正常であっても、センサー14を通過するので、図4に示されるように当該センサー14で検出され得ることとなる。但し、残余圧縮空気がセンサー14を通過する流量は図4に示されるように相対的に多いものとして検出される一方、残余圧縮空気がセンサー14を通過する時間t1は、図4に示されるように瞬間的な時間(例えば数秒)として検出される。
【0029】
一方で、ドレン水自動排出弁11やガバナー10は、ゴム部品を使用するので、当該ゴム製品が経年劣化等により気密性を保持することができなくなった場合には、圧縮空気発生装置1の運転中であっても、図3の太矢印に示されるように、ドレン水自動排出弁11やガバナー10を経由して空気がドレン水処理装置12に抜けることがある。
【0030】
この空気漏洩を放置しておくと、1段目シリンダ6及び2段目シリンダ7で圧縮している空気が抜けて圧力が上がらず、空気タンク4に送る空気の圧力を所定値まで高めるのに時間を要し、圧縮空気発生装置1の効率が低下するので、ドレン水自動排出弁11やガバナー10のゴム部品の交換等を行う必要が生ずる一方、この漏洩した空気も、センサー14を通過するので、図4に示されるように当該センサー14で検出されることとなる。漏洩空気がセンサー14を通過する流量は、図4に示されるように相対的に少ないものとして検出される一方、残余圧縮空気がセンサー14を通過する時間とこの漏洩空気がセンサー14を通過する時間とを合わせた時間t2は、図4に示されるように相対的に長い時間(例えば1分以上)として検出される。ちなみに、漏洩空気がセンサー14を通過する時間は、圧縮空気発生装置1の運転中において継続して空気の漏洩が続く可能性があるので、図4に示される圧縮空気発生装置1の運転中の時間(5分から10分間)と一致し得る。
【0031】
この違いを利用して、異常判定部15では、例えば図5に示されるフローによりドレン水自動排出弁11やガバナー10に対するゴム製品の劣化等による異常の有無が判定される。すなわち、ステップ101で、圧縮空気発生装置1が運転中か否かが判定されて、圧縮空気発生装置1が運転中の場合にはステップ102に進み、センサー14でドレン水自動排出弁11やガバナー10からドレン水処理装置12への空気の通過の有無を検出し、ステップ103で、センサー14により検出した通過空気の経過時間t2が所定時間t(例えば1分間)より長いか否かを判定して、通過空気の経過時間t2が所定時間tよりも長いと判定した場合には、ドレン水自動排出弁11やガバナー10にゴム製品の劣化等による異常があると判定して、ステップ104で異常判定部15から警報出力部16に異常判定信号を出力する。
【0032】
尚、圧縮空気発生装置1が運転中でない場合、すなわち圧縮空気発生装置1が停止中であると判定された場合には、再度ステップ101で圧縮空気発生装置1が運転中か否かが判定され、ステップ103で通過空気の経過時間t2が所定時間tよりも短いと判定された場合には再度ステップ102に戻ってセンサー14でドレン水自動排出弁11やガバナー10からドレン水処理装置12への空気の通過の有無を検出する。
【0033】
これにより、空気漏洩検出装置2では、ドレン水自動排出弁11やガバナー10の異常を、圧縮空気発生装置1の運転と停止というサイクルの中で検出し、警報出力部16及び警報出力手段18により、ドレン水自動排出弁11やガバナー10の異常を作業員に警告することができるので、迅速にドレン水自動排出弁11やガバナー10の異常を早期に発見して処理することが可能である。しかも、シリンダ6のピストンリングの磨耗ではなく、ドレン水自動排出弁11やガバナー10の異常であると特定することができるので、圧縮空気発生装置1の修理を的確に行うことが可能であり、シリンダ6、7等の無駄なオーバーホールを防止することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 圧縮空気発生装置
2 空気漏洩検出装置
3 フィルター
4 空気タンク
5 所定の機器
6 1段目シリンダ
7 2段目シリンダ
8 1段目ドレン水分離器
9 2段目ドレン水分離器
10 ガバナー
11 ドレン水自動排出弁
12 ドレン水処理装置
13 開閉弁
14 センサー
15 異常判定部
16 警報出力部
17 電源部
18 警報出力手段
18a 点灯部
18b スピーカー部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上の空気を圧縮するシリンダと、前記シリンダで空気を圧縮した際に発生したドレン水を空気から分離する1又は2以上のドレン水分離器と、前記ドレン水分離器で分離されたドレン水を排出するためのドレン水自動排出弁と、前記ドレン水分離器と連結されて前記ドレン水分離器から空気が流れるガバナーと、前記ドレン水自動排出弁を経由して排出されたドレン水や前記ガバナーからの空気が送られてドレン水を処理するドレン水処理装置と、前記シリンダで圧縮された空気を貯め、必要に応じて外部に送出する空気タンクとを備えると共に、
運転中は、吸引された大気を前記シリンダで圧縮し、この空気の圧縮時に生じたドレン水を前記ドレン水分離器で分離した後、この圧縮空気を前記空気タンクに送る動作が行われ、停止中は、前記ドレン水分離器から前記ドレン水自動排出弁を介し、又は前記ドレン水分離器から前記ガバナーを介して、前記ドレン水分離器内のドレン水や空気をドレン水処理装置に送る動作が行われる圧縮空気発生装置に用いられ、
前記ドレン水自動排出弁と前記ガバナーとのうちの少なくとも一方から前記ドレン水処理装置への空気の通過を検出し、検出された空気の通過時間に基づき前記ガバナー又は前記ドレン水自動排出弁の異常を判定することを特徴とする圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置。
【請求項2】
前記ドレン水自動排出弁と前記ガバナーとのうちの少なくとも一方から前記ドレン水処理装置への空気の通過を検出するためのセンサーと、このセンサーで検出された空気の通過時間に基づき前記ガバナー又は前記ドレン水自動排出弁の異常を判定するための異常判定部とで少なくとも構成されたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置。
【請求項3】
前記異常判定部でドレン水自動排出弁又は前記ガバナーが異常であると判定した時にその判定信号を受けて警報出力手段に制御信号を出力して前記警報出力手段を作動させる警報出力部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置。
【請求項4】
前記シリンダは、空気の吸引側に近い1段目シリンダと、この1段目シリンダよりも空気の吸引側から離れた2段目のシリンダとで構成され、前記ドレン水分離器は、前記1段目シリンダによる空気圧縮で生じたドレン水を空気から分離するための1段目ドレン水分離器と、前記2段目シリンダによる空気圧縮で生じたドレン水を空気から分離するための2段目ドレン水分離器とで構成されると共に、前記1段目ドレン水分離器は、空気流路のうち前記1段目シリンダと前記2段目シリンダとの間に配置され、前記2段目ドレン水分離器は、空気流路のうち前記2段目シリンダよりも下流側に配置されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧縮空気発生装置の空気漏洩検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242309(P2012−242309A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114376(P2011−114376)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】