圧電駆動式パーツフィーダ
【課題】圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くし、振動発生器に作用する応力を抑制し、高周波駆動時であっても十分な振幅を確保し、振動発生器の取替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行う。
【解決手段】可動台11は、部品移送部材を支持する。固定台12は、可動台11の下方に配設されて振動発生器13を介して可動台を加振自在に支持する。振動発生器は、第1の弾性部材18及び第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子19を備える。第1の弾性部材の一端側は可動台に、他端側は固定台に取り付けられる。支持部材は、第2の弾性部材20を備える。第2の弾性部材の一端側は可動台に、他端側は固定台に取り付けられる。これにより、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くし、振動発生器13に作用する応力を抑制し、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保するとともに振動発生器13に作用する応力を抑制。
【解決手段】可動台11は、部品移送部材を支持する。固定台12は、可動台11の下方に配設されて振動発生器13を介して可動台を加振自在に支持する。振動発生器は、第1の弾性部材18及び第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子19を備える。第1の弾性部材の一端側は可動台に、他端側は固定台に取り付けられる。支持部材は、第2の弾性部材20を備える。第2の弾性部材の一端側は可動台に、他端側は固定台に取り付けられる。これにより、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くし、振動発生器13に作用する応力を抑制し、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保するとともに振動発生器13に作用する応力を抑制。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダが知られている。例えば、特開昭62−4118号公報や特開平9−110133号公報に記載されたものが知られている。特開昭62−4118号公報に記載された圧電駆動式パーツフィーダは、加振体(振動発生器)の弾性板(弾性部材)と搬送体(部品移送部材)との間を、弾性板のヤング率よりも低いヤング率の連結板で連結し、これにより、部品移送部材に加わる振動振幅を増大させることを目的としたものである(図16参照)。また、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダは、圧電素子を弾性板(弾性部材)に貼着した加振体(振動発生器)を横方向に配設し、これにより、パーツフィーダの高さを低くすることを目的としたものである(図17参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−4118号公報
【特許文献2】特開平9−110133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開昭62−4118号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダでは、高い周波数で共振させる場合、共振させたい周波数に応じて連結板のバネ剛性を高くせざるを得ない。このため、連結板を厚くするかあるいは有効長を短くする必要がある。その結果、振幅増大効果が減殺されてしまうことになる。また、連結板とともに加振体の弾性板のバネ剛性も高めることになるため、圧電素子が取り付けられた弾性板に加わる応力が増してしまい好ましくない。そして、連結板と弾性板とを直列に取り付けるため、パーツフィーダの高さも高くなってしまう。さらに、共振周波数の変更等の目的で連結板を取り替える場合、一旦、弾性板も取り外す必要があり、煩雑な組み直しの手間を生じるだけでなく、短い弾性板や連結板を取り付けて周波数設定や取付角度(振動角)の微調整を行う作業に大変困難を要する。また、この取り替え時に、取り替え対象でない連結板や加振体に大きな付加が加わり、その連結板等に塑性変形が生じてしまう事態を引き起こし易い。また、この構造の場合、搬送体の静的荷重が加振体に対して曲げ荷重として直接作用するため、圧電素子に負荷が発生してしまう。
【0005】
また、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダの場合、圧電素子が貼着された弾性板が、パーツフィーダの中心側から外側に向かって(半径方向に向かって)直線状に配設されている。このため、搬送体用被振動体(可動台)が回転すると、弾性板の固定位置と搬送体用被振動体の回転中心とがずれていることによって(図17参照)、弾性板に引っ張り応力が作用してしまうことになる。図18は、当該パーツフィーダの振動時に弾性板に加わる力を説明する模式図である。本図に示すように、加振体が振動する際、搬送体用被振動体に縦向き連結部材を介して取り付けられる弾性体の端部は、点Aの位置から、弾性体の固定側への取付位置である点O’を中心として、点B’の位置に移動しようとする。このとき、弾性板の端部が取り付けられている位置の上方に位置する搬送体用被振動体上の点Aの位置は、搬送体用被振動体の中心である点Oを中心として点Bの位置に移動しようとする。このため、圧電素子が貼着された弾性体には、半径方向に引っ張り応力が発生してしまう。また、このとき、弾性体は実際にはS字状に曲がるため、さらに大きな応力が発生してしまうことになる。このように、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダの場合、圧電素子が取り付けられた弾性部材に過大な引っ張り応力が作用し易く、圧電素子にも負荷が加わり圧電素子の寿命が低下してしまうとともに、無駄な動力が必要となり効率が低下する。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる圧電駆動式パーツフィーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点による圧電駆動式パーツフィーダは、
部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダにおいて、
前記部品移送部材を有する又は支持する可動台と、
前記可動台の下方に配設され、前記振動発生器を介して、前記可動台を加振自在に支持する固定台と、
第1の弾性部材及びこの第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子を備え、前記第1の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第1の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた振動発生器と、
前記第1の弾性部材とは異なる第2の弾性部材を備え、前記第2の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第2の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた支持部材と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、可動台は、別々に取り付けられる振動発生器及び支持部材を介して固定台に支持される。このため、振動発生器及び支持部材の高さをそれぞれ調整して設定することで圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができる。そして、可動台の静的荷重による曲げ荷重を分散でき、第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子に作用する負荷を抑制できる。また、振動発生器の取付位置の制約が少ないため、第1の弾性部材に過大な引っ張り応力が生じることも抑制できる。
また、振動発生器及び支持部材が別々に取り付けられるため、振動発生器における第1の弾性部材のバネ定数を小さく設定し、支持部材における第2の弾性部材のバネ定数を組み合わせて調整することで、高い共振周波数を実現できる。このため、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制することができる。
【0009】
また、第1の弾性部材及び第2の弾性部材をそれぞれ別々に取り替えることが容易に可能であり、取り替え時、取り替え対象でない弾性部材に損傷を生じてしまうことも防止できる。そして、支持部材の第2の弾性部材の枚数やバネ定数を変更することで、共振周波数を容易に変更できる。さらに、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の各バネ定数を組み合わせて調整することで所望の共振周波数に合わせて細かく調整することができる。
したがって、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる圧電駆動式パーツフィーダを提供することができる。
【0010】
なお、この発明における上記及びその他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面と共に、以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図2】図1に示す圧電駆動式パーツフィーダの上面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図4】図3に示す圧電駆動式パーツフィーダの振動時における圧電バネの状態を説明する模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダの概略を例示した斜視図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した斜視図である。
【図7】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダの可動台を除いた状態での斜視図である。
【図8】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネ及び支持バネの鉛直方向に対する傾斜角を説明する模式図である。
【図9】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける振動時の圧電バネに加わる力を説明する模式図である。
【図10】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネの固定台に対する取付位置の違いによる圧電バネに生じる変位を説明する模式図である。
【図11】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおいて、圧電バネが平板状に形成されている場合(図11(a))とL字形状に形成されている場合(図11(b))とにおける圧電バネに作用する応力の違いを説明する模式図である。
【図12】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネの取付構成に関する変形例を示す模式図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図14】本発明の第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した側面図である。
【図15】本発明の第7実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図16】従来の技術に係る圧電駆動式パーツフィーダを示す概略図である。
【図17】従来の技術に係る圧電駆動式パーツフィーダを示す斜視図である。
【図18】図17に示す圧電駆動式パーツフィーダの振動時に弾性板に加わる力を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。ただし、説明の便宜のために本発明の好適な実施形態例のみを示し、本発明を限定するものではない。
なお、本発明は、部品移送トラックが形成された部品移送部材(トラフ、ボールなど)に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材(板バネなど)を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて次工程へと移送する圧電駆動式パーツフィーダに関し、広く適用可能なものである。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1の概略を例示したものであって、図2は、圧電駆動式パーツフィーダ1の上面図である。第1実施形態においては、部品移送トラックが直線状に形成された部分を備える部品移送部材(トラフ等))を直線的に振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送し、次工程に供給するリニア型パーツフィーダを例にとって説明する。
【0014】
図1に示すように、圧電駆動式パーツフィーダ1は、可動台11と、固定台12と、振動発生器13と、支持部材14とを備えている。
可動台11は、図2に示すように、部品移送トラック(部品移送路)が形成された部品移送部材(トラフ)15を支持している(即ち、トラフ15は、可動台11の上面側に固定して取り付けられている)。図2に例示するトラフ15は、矢印C方向に部品を移送するトラックが形成されて部品を還流させるリターントラフ15aと、部品を整列させて矢印D方向に移送するトラックが形成されたメイントラフ15bとを備えている。トラフ15の中央付近に対して図示しないホッパー等を介して投入された部品は、図中のトラフ15上に矢印で示すようにトラフ15上で還流されながら整列して移送され、図中に示す部品Eのようにメイントラフ15の先端の排出シュート16から次工程へと供給される。
【0015】
固定台12は、図1に示すように、可動台11の下方に配設され、振動発生器13及び支持部材14を介して、可動台11を加振自在に支持している。固定台12は、ベース17上に固定されている。また、固定台12の中央部分には、振動発生器13が配設されるためのスペース12aが形成されている。
振動発生器13は、可動台11と固定台12との間の複数箇所に配設されており、各振動発生器13は、第1の弾性部材18及び第1の弾性部材18に取り付けられた圧電素子19を備えている。第1の弾性部材18は、板バネ18(以下、「圧電バネ18」ともいう)として構成されており、この圧電バネ18のバネ定数は設定したい共振周波数等の条件に応じて適宜選択することができる。
【0016】
圧電バネ18の一端18a側は、可動台11に取り付けられており、圧電バネ18の他端18b側は、固定台12に取り付けられている。即ち、一端18aは、可動台11側の取付部11aに例えばボルト等により連結して固定されており、他端18bは、固定台12の取付部12bに例えばボルト等により連結して固定されている。
【0017】
また、圧電バネ18は、平板状に形成されており、いずれの圧電バネ18とも、同一角度傾斜して取り付けられている。この取付角度を変更することで、圧電バネ18に振動を発生させた際の振動角を調整することができる。圧電バネ18の取付角度の変更にあたっては、例えば、取付部11a及び12bを交換自在なブロック部材として形成することで、この取付部11a及び12bを圧電バネ18の取付角度を変更する取付角度変更器とすることができる。この場合、取付角度変更器である取付部11a及び12bを所定の角度に形成された傾斜面を備えるものに変更することで、圧電バネ18を所定の角度傾斜させて配設することができる。このように、取付角度変更器によって圧電バネ18の取付角度を変更することで、容易に振動角を変更して所望の値に調整することができる。
【0018】
なお、板バネ18(第1の弾性部材)は、ボルト等による着脱によって取り替え自在に備えられているため、取り替え前の板バネ18とは異なるバネ定数を有する他の板バネ(他の第1の弾性部材)に取り替えることが可能である。これにより、所望の共振周波数に応じて適宜板バネ(圧電バネ)18を取り替えることで、容易に共振周波数を変更して所望の値に調整することができる。また、圧電バネ18は、角振動発生器13において、各1枚ずつ配設されているものでなくてもよく、重ねて配設する枚数を適宜選択し得る。
【0019】
圧電素子19は、例えば、圧電セラミックスを分極処理して一方の面にプラス極性の、また他方の面にマイナス極性の分極電位をもたせたものとして構成されている。各圧電バネ18の表裏面に圧電素子19が例えば接着により貼着等されることで、振動発生器13であるバイモルフが構成されている。この圧電素子19に所定の周波数の電圧を印加することによって、振動発生器13に振動を発生させ、圧電駆動式パーツフィーダ1を駆動することができる。
【0020】
支持部材14は、第1の弾性部材(板バネ)18とは異なる第2の弾性部材(板バネ)20を備えている。第2の弾性部材である板バネ20(以下、「支持バネ20」ともいう)の一端20a側が、取付部を介して可動台11に取り付けられ、支持バネ20の他端20b側が、取付部を介して固定台12に取り付けられている。一端20a及び他端20bは、それぞれボルト等により、可動台11及び固定台12に対して着脱自在に取り付けられている。
【0021】
また、第2の弾性部材である支持バネ20も、第1の弾性部材である圧電バネ18と同様に、平板状に形成されている。そして、支持バネ20及び圧電バネ18の平板状に形成された部分は、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されている(即ち、リニア型パーツフィーダである圧電駆動式パーツフィーダ1においては、支持バネ20と圧電バネ18は略平行に配設されている)。これにより、加振側である圧電バネ18の振動と略同期して支持バネ20を振動させ易く、圧電バネ18と支持バネ20との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、可動台11に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0022】
以上説明したように、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、可動台11は、別々に取り付けられる振動発生器13及び支持部材14を介して固定台12に支持される。このため、振動発生器13及び支持部材14の高さをそれぞれ調整して設定することで圧電駆動式パーツフィーダ1の高さを低くすることができる。即ち、従来技術の特許文献1に記載された圧電駆動式パーツフィーダにように、高さが高くなってしまうことを防止できる。
【0023】
また、可動台11の静的荷重が、各々複数箇所に設けられる振動発生器13及び支持部材14によって分散して支持されるため、板バネ18及び20に発生する曲げ荷重を分散させることができる。このため、第1の弾性部材である板バネ18に取り付けられた圧電素子に作用する静的荷重による負荷を抑制できる。また、従来技術の特許文献2に記載された圧電駆動式パーツフィーダのような振動発生器の取付位置の制約が少ないため、第1の弾性部材である板バネ18に過大な引っ張り応力が生じることも抑制できる。
【0024】
また、第1の弾性部材である板バネ18及び第2の弾性部材である板バネ20をそれぞれ別々に取り替えることが容易に可能であり、取り替え時に煩雑な組み直しの手間等を生じることもなく、取り替え作業の効率化が図れる。また、取り替え時に、取り替え対象でない弾性部材(板バネ)に大きな負荷が加わることも抑制でき、取り替え対象でない弾性部材の損傷を生じさせてしまうことも防止できる。
【0025】
次に、圧電駆動式パーツフィーダ1を振動させる場合について説明する。圧電駆動式パーツフィーダ1において、可動台11と第1の弾性部材18と第2の弾性部材20とによって定まる固有振動数fは、下式(1)のように求めることができる。
【0026】
[数1]
f=(1/2π)×{(k1+k2)/m1}1/2 (1)
【0027】
ここで、k1は、第1の弾性部材18トータルでのバネ定数(図1の例では、2組の圧電バネ18トータルでのバネ定数)であり、k2は、第2の弾性部材20トータルでのバネ定数(図1の例では、2組の支持バネ20トータルでのバネ定数)である。また、m1は、可動台11の質量である。
【0028】
圧電駆動式パーツフィーダ1の駆動させる場合は、式(1)で定まる固有振動数fと同じ周波数の交流電圧を圧電素子19に印加する。これにより、振動発生器13は、上記固有振動数fで当該圧電駆動式パーツフィーダ1を共振振動させることができる。したがって、可動台11の質量m1や第1及び第2の弾性部材のバネ定数(k1、k2)を組み合わせることで、種々の値の固有振動数fに設定することができ、共振周波数を広範囲で且つ細かく調整することができる。また、その所望の周波数にて共振させて十分な振幅を確保することができる。
【0029】
なお、固有振動数fと同じ周波数の電圧が圧電素子19に印加されると、圧電バネ18に貼着された一方の圧電素子19が伸びたときに、もう一方の圧電素子19が縮もうとするように、各圧電素子19は分極処理が行われている。このため、圧電バネ18は、所定の周波数で撓む動作を繰り返すように加振される(振動する)。この振動による一端18aの振動変位に伴って可動台11も振動する。そして、式(1)で定まる固有振動数fで共振して圧電駆動式パーツフィーダが振動し、部品移送部材上の部品が移送される。
【0030】
また、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、振動発生器13及び支持部材14が別々に取り付けられるため、振動発生器13における圧電バネ18のバネ定数を小さく設定し、支持部材14における支持バネ20のバネ定数を適宜組み合わせて調整することで、高い共振周波数を実現することができる。このため、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器13に作用する応力を抑制することができる。
【0031】
また、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、支持バネ20の枚数やバネ定数を変更することで、式(1)の固有振動数fに応じて駆動する共振周波数を容易に変更することができる。さらに、圧電バネ18及び支持バネ20の各バネ定数を組み合わせて調整することで所望の共振周波数(共振振動させたい周波数)に合わせて細かく調整することができる。
【0032】
なお、本発明は、リニア型パーツフィーダだけでなく、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備える部品移送部材(ボウル等)を振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送するボウル型パーツフィーダに関しても適用できるものである。ボウル型パーツフィーダに本発明を適用する場合、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、例えば、可動台及び固定台の周囲の複数箇所に配設される。この場合、第1及び第2の弾性部材における平板状に形成された部分が、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されていることが望ましい。これにより、第1の弾性部材と第2の弾性部材との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、可動台に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、図3及び図4を参照しながら、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2について説明する。図3に圧電駆動式パーツフィーダ2の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図3において、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0034】
圧電駆動式パーツフィーダ2は、圧電駆動式パーツフィーダ1と同様に構成されるが、第1の弾性部材である圧電バネ(板バネ)21の構成が異なっている。図3に示すように、圧電駆動式パーツフィーダ2における圧電バネ21は、略L字形状に形成されている。そして、L字形状の一辺22は、可動台11及び固定台12に対して略垂直に配設され、L字形状の他の一辺23は、可動台11の下面に対して略平行に取り付けられている。
【0035】
図4は、振動時における圧電バネ21の状態を説明する図であり、可動台11側の取付部24に一辺22が取り付けられ、固定台12側の取付部25に他の一辺23の端部が取り付けられている状態を示す模式図である。本図に示すように、圧電素子19に電圧を印加して圧電バネ21を加振すると、可動台11の上下方向の振動は、L字形状の圧電バネ21のコーナー部分の角度が変化することにより生じることになる。このように、圧電バネ21の弾性変形によりL字形状のコーナー部分の角度が変化することで、比較的小さい力であっても、可動台11に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0036】
また、圧電駆動式パーツフィーダ2によると、振動の振幅は、外側に配設された第2の弾性部材である支持バネ20の取付角度でほぼ決まるため、支持バネ20の取付調整だけで振動振幅を調整することができる。また、圧電素子19は、垂直に配設された一辺22に取り付けられるため、圧電バネ21における圧電素子19の取付部分に静的荷重による曲げ応力が作用することも防止できる。即ち、圧電素子19に過度な負荷が作用することを防止できる。
【0037】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ2においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3について説明する。
図5は、圧電駆動式パーツフィーダ3の概略を示す斜視図である。圧電駆動式パーツフィーダ3は、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様に構成されるが、リニア型パーツフィーダではなくボウル型パーツフィーダに適用されている点が異なる。
圧電駆動式パーツフィーダ3は、可動台26と、固定台27と、振動発生器28と、支持部材30とを備えている。振動発生器28は、第1の弾性部材である圧電バネ30及び圧電素子31を備え、支持部材29は、第2の弾性部材である支持バネ32を備えている。
【0039】
そして、圧電駆動式パーツフィーダ2の場合と同様に、圧電バネ30はL字形状に形成され、L字形状の一辺が可動台11及び固定台12に対して略垂直に配設され、他の一辺が可動台に略平行に取り付けられている。可動台11上には、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備える図示しない部品移送部材(ボール等)が取り付けられ、固定台27は、ベース33に固定されている。なお、図5においては、他の弾性部材等を透視図で示している。
【0040】
ボウル型パーツフィーダとして構成された圧電駆動式パーツフィーダ3においても、第2実施形態の場合と同様に、圧電バネ30の弾性変形によりL字形状のコーナー部分の角度が変化することで、可動台26に対して効率よく振動を伝達することができる。
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ3においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
(第4実施形態)
次に、図6乃至図12を参照しながら、第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ4について説明する。図6は、圧電駆動式パーツフィーダ4の斜視図であって、部品移送部材が取り付けられていない状態を示すものである。図7は、圧電駆動式パーツフィーダ4の可動台34を除いた状態での斜視図である。第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ4は、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備えるボウル型パーツフィーダとして構成されている。
【0042】
図6及び図7に例示する圧電駆動式パーツフィーダ4は、可動台34と、固定台35と、振動発生器36と、支持部材37とを備えている。振動発生器36は、第1の弾性部材である圧電バネ38と圧電バネ38に取り付けられる圧電素子39とを備え、支持部材37は、第2の弾性部材である支持バネ40を備えている。
【0043】
支持バネ40は、平板状に形成されて、圧電駆動式パーツフィーダ4の周囲4箇所に配設されている。そして、支持バネ40の一端側が可動台34に取り付けられ、その他端側が固定台35に取り付けられている。なお、固定台35は、ベース41に固定して取り付けられている。
【0044】
また、圧電バネ38は、略L字形状に形成されるとともに、上下に配設される可動台34及び固定台35の間で、略水平に配設されている。そして、略L字形状の一辺42は、固定台35の中心方向に向かって延在されるとともに、延在されるその端部が固定台35に取付部44(固定台35の中心付近で上方に突出して設けられる取付部44)を介して取り付けられている。一方、L字形状の他の一辺43は、可動台34に取付部45(可動台34の周囲付近で下方に突出して設けられる取付部45)を介して取り付けられている。
【0045】
また、可動台34の中心方向に延在しているL字形状の一辺42は、その一辺42の幅方向が、支持バネ40が鉛直方向に対して傾斜している角度と略同角度、鉛直方向に対して傾斜している。図8は、圧電バネ38及び支持バネ40の鉛直方向に対する傾斜角を説明する模式図である。支持バネ40の長手方向は、鉛直方向に対して角度θ傾斜している。そして、圧電バネ38のL字形状の一辺42の幅方向(図中両端矢印W方向)は、鉛直方向に対して、支持バネ40と同じ角度θ傾斜している。このように、同角度傾斜していることで、圧電バネ38と支持バネ40との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、圧電バネ38に生じる捩じれ応力を低減し、可動台34に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0046】
この圧電駆動式パーツフィーダ4によると、圧電バネ38が水平に配設されるため、圧電駆動式パーツフィーダ4の高さをさらに低くすることができる。そして、L字形状の圧電バネ38の弾性変形によりそのコーナー部分の角度が変化することで、比較的小さい力でスムーズに効率よく振動を可動台34に伝達することができる。
【0047】
図9は、圧電駆動式パーツフィーダ4の振動時に圧電バネ38に加わる力を説明する模式図であるが、圧電バネ38が振動する際、圧電バネ38の他の一辺42の端部は、点Aの位置から点O’を中心として点B’の位置に移動しようとする。このとき、圧電バネ38が取り付けられている位置の上方に位置する可動台34上の点Aの位置は、可動台34の中心である点Oを中心として移動しようとする。しかし、L字形状のコーナー部分の角度が変化することで、可動台34の回転中心と圧電バネ42の可動台34に対する取付位置とのずれを吸収でき、圧電素子39が貼着されている圧電バネ38の一辺42に、過大な引っ張り応力が生じることを抑制できる。したがって、従来技術における特許文献2に記載の圧電駆動式パーツフィーダのように圧電素子に過度な負荷が加わることを防止でき、圧電素子の寿命が低下することを抑制できるとともに、無駄な動力を消費して効率が低下することも抑制できる。
【0048】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4においては、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置(即ち、取付部44に対する取付位置)を固定台35の中心付近に設けることで、圧電バネ38の変位を小さくすることができ、圧電バネ38に作用する曲げ応力を低減することができる。
【0049】
図10は、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置の違いによる圧電バネ38に生じる変位を説明する模式図である。図10(a)は、固定台35の中心位置である点Oとほぼ一致する位置にて圧電バネ38の一辺42の端部を取り付けた場合の振幅を示す図であって、図10(b)は、点Oから離れた位置にて圧電バネ38の一辺42の端部を取り付けた場合の振幅を示す図である。図10(a)及び図10(b)の場合のいずれも、圧電バネ38の一辺42の長さがrの場合であって、可動台34の周囲位置にて可動台の周方向変位Lを発生させる場合を示している。図10(b)の場合、可動台34の周方向変位Lを、圧電バネ38が角度θ2分撓むことで発生させている。一方、図10(a)の場合、可動台34の周方向変位Lを、圧電バネ38が角度θ2よりも小さい角度θ1分撓むだけで発生させることができる。このため、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置を固定台35の中心位置付近に設けることで、圧電バネ38の小さい変位で、可動台34の所定の変位を確保することができる。従って、圧電バネ38に作用する曲げ応力が小さくて済むことになる。
【0050】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4によると、圧電バネ38がL字形状に形成されているため、単に平板状に形成されている圧電バネの場合と比べ、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径が同じであっても、圧電バネに作用する応力を低減することができる。
【0051】
図11は、圧電バネが平板状に形成されている場合(図11(a))とL字形状に形成されている場合(図11(b))とにおける圧電バネに作用する応力の違いを説明する模式図である。図11(a)の場合と図11(b)の場合とを比べると、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径は、いずれもr1で同じであるが、可動台側の取付位置と固定台側の取付位置との圧電バネに沿った距離は、図11(a)の場合はL1で図11(b)の場合はL2と異なる。即ち、L字形状に形成された圧電バネ38の場合(図11(b)の場合)、固定台35側の取付部44と可動台34側の取付部45との間の距離である圧電バネ38の有効長L2が、平板状の圧電バネの場合(図11(a)の場合)の圧電バネ有効長L1よりも長くすることができる。
【0052】
ここで一般的に、板バネに作用する最大応力σmaxは、バネの有効長をLe、バネの最大変位をδ、バネ厚みをt、バネのヤング率のEとすると、下式(2)で求めることができる。
【0053】
[数2]
σmax=(3・E・t・δ)/Le2 (2)
【0054】
したがって、平板状の圧電バネよりもバネ有効長Leを長くすることができる(バネ有効長をL1よりもL2と長くすることができる)L字形状の圧電バネ38の場合(図11(b)の場合)は、式(2)に示すように、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径が同じであっても、圧電バネに作用する応力を低減することができる。
【0055】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4においては、図12に示すように、バネ押さえ部材を介して圧電バネ38を固定台35に取り付けるものであってもよい。図12は、圧電バネ38とバネ押さえ部材46との取付状態を説明する模式図であるが、圧電バネ38の一辺42が、固定台35側の取付部44に対してバネ押さえ部材46を介して螺合される取付ボルト47によって取り付けられるものであってもよい。この場合、バネ押さえ部材46は、取り付けられる圧電バネ38と同角度、垂直方向に対して傾斜した傾斜面46aと、取付ボルト47が水平方向に挿入して螺合されるボルト孔46bと、を備えている。
【0056】
この構成により、圧電バネ38を圧電駆動パーツフィーダの中心側にて固定台35に取り付ける取付ボルト47を水平方向に着脱できるため、圧電バネ38の取り外し及び取り付け作業を容易に行うことができる。なお、取付ボルト47の着脱は、例えば、図7に示すように、固定台35に形成された空隙部48から所定の工具を挿入することで、行うことができる。また、取付ボルト47が水平方向に設けられることで、可動台34を圧電バネ38から取り外すことなく、外側から(例えば、空隙部48を通じて)圧電バネ38の固定台35への取り付けを解除することができる(可動台34を取り外さずに、固定台35を先に取り外すことができる)。これにより、圧電バネの取り付け及び取り外し作業の自由度が増し、作業効率向上が図れる。
【0057】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ4においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
(第5実施形態)
次に、図13を参照しながら、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5について説明する。図13に圧電駆動式パーツフィーダ5の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図13において、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0059】
圧電駆動式パーツフィーダ5は、圧電駆動式パーツフィーダ2と同様に構成されるが、固定台12をベースに対して固定する形態が異なっている。圧電駆動式パーツフィーダ5においては、固定台12は、第1及び第2の弾性部材(20、21)とは異なる第3の弾性部材48を介してベース49に対して支持されている。図13に示す例においては、複数備えられる第3の弾性部材48は、それぞれ板バネ48として構成されている。そして、板バネ48のバネ定数は、圧電バネ(第1の弾性部材)21及び支持バネ(第2の弾性部材)20のバネ定数のいずれよりも小さくなるものが選択されて取り付けられている。これにより、板バネ48で固定台12から伝わる振動が吸収され、固定台12からベースに伝わる振動を抑制することができる。
【0060】
なお、第1及び第2の弾性部材よりもバネ定数の小さい第3の弾性部材で固定台とベースとを結合することによる防振効果は、第1〜第4のいずれの実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用し得るものである。また、圧電駆動式パーツフィーダ5は、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
(第6実施形態)
次に、図14を参照しながら、第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ6について説明する。図14は圧電駆動式パーツフィーダ6の側面図であり、ボウル型パーツフィーダに適用された場合を例示したものである。
【0062】
圧電駆動式パーツフィーダ6は、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3と同様に構成されており、圧電駆動式パーツフィーダ3と同様の要素については、同一の符号を付している。しかし、固定台27をベースに対して固定する形態が、圧電駆動式パーツフィーダ3とは異なっている。圧電駆動式パーツフィーダ6においては、固定台27は、複数のゴム部材50を介してベース51に対して固定されている。これにより、ゴム部材50で固定台27から伝わる振動が吸収され、固定台27からベース51に伝わる振動を抑制することができる。
【0063】
なお、ゴム部材で固定台とベースとを結合することによる防振効果は、第1〜第4のいずれの実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用し得るものである。また、圧電駆動式パーツフィーダ6は、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
(第7実施形態)
最後に、図15を参照しながら、第7実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ7について説明する。図15に圧電駆動式パーツフィーダ7の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図15において、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0065】
圧電駆動式パーツフィーダ7は、圧電駆動式パーツフィーダ5と同様に構成されるが、可動台11の固定台12に対する振動変位を検出する変位センサを備え、この変位センサでの検出結果に基づいて、振動発生器による駆動振動数を調整する点で異なっている。
【0066】
図15において、圧電駆動式パーツフィーダ7における一方の支持バネ20の他端20b側には、変位センサの支持部材52が取り付けられており、この支持部材52は、支持バネ20と同方向に延在して取り付けられている。そして、支持部材52の先端側には、変位センサ53が取り付けられている。これにより、この変位センサ53が取り付けられている位置と支持バネ20bとの間の距離を測定することができる。したがって、圧電駆動式パーツフィーダ7が振動すると、支持バネ20の他端20b側は可動台11に対して動かずに一端20a側が振動し、これに伴い測定される上記距離が変化するため、可動台11の固定台12に対する振動変位を検出することができる。なお、変位センサ53で直接測定される変位は、支持部材53に対して取り付けられる変位センサ53の位置によって異なるため、可動台11の固定台12に対する振動変位として把握したい位置に応じて適宜取り付けることが望ましい。また、変位センサ53で測定した測定結果に基づいて支持バネ20の寸法条件等から可動台11の固定台12に対する振動変位を演算して検出するようにしてもよい。
【0067】
また、圧電駆動式パーツフィーダ7は、変位センサ53での検出結果に基づいて振動発生器13による駆動振動数を調整するコントローラ54を備えている。コントローラ54は、変位センサ53からの信号を受信可能に変位センサ53と接続されるとともに、パワーアンプ55に対して駆動指令を送信可能となるように接続されている。なお、パワーアンプ55は、コントローラ54からの指令に基づいて、所定の周波数及び出力の電圧を圧電素子19に対して印加する。
【0068】
コントローラ54は、図示しないハードウェア構成として、例えば、その内部に組み込まれているCPU(CentralProcessing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、インターフェイス等を備えている。これらの各要素は、バスを介して相互に接続されている。
【0069】
ROMは、読み出し専用の記憶装置であって、圧電駆動式パーツフィーダ7の動作を制御するための用いられる各種プログラムが格納されている。EEPROMは、読み出し・書き込み可能な不揮発性記憶装置であって、圧電駆動式パーツフィーダを後述するような圧電駆動式パーツフィーダ7として機能させるためのプログラムを含む各種ソフトウェアが格納されている。また、EEPROMには、オペレータによる入力を通じて設定等された各種データ等も格納される。CPUは、受信した信号や、ROM、EEPROM,RAM内の各種プログラムやデータに基づいて各種演算及び処理を行う。そして、インターフェイスを介しての信号の送受信を行う。RAMは、読み出し・書き込み可能な揮発性記憶装置であって、CPUでの各種演算結果等が記憶される。インターフェイスは、変位センサ53からの信号の受信を可能にするとともに、パワーアンプ55への指令の伝送を可能にするものである。これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の各部(56〜59)が、コントローラ54内に構築されている(図15参照)。
【0070】
図15における機能ブロック図に示すように、コントローラ54は、比較部56と、目標値記憶部57と、制御部58と、操作部59とを備えている。操作部59は、圧電駆動式パーツフィーダ7を操作するオペレータによる入力が可能な図示しないコントロールパネル等によって構成されている。オペレータは、操作部59を操作することで、圧電駆動式パーツフィーダ7の所望の運転条件、即ち、可動台11の固定台12に対する振動運転の駆動周波数又は駆動振幅を入力し、所望の運転条件を設定することができるようになっている。
【0071】
目標値記憶部57は、操作部59を通じてのオペレータによる入力に基づいて、圧電駆動式パーツフィーダ7の運転条件(駆動周波数又は駆動振幅)が記憶される。目標値記憶部57は、RAM又はEEPROM等のメモリにおける所定の記憶領域が割り当てられることで構成されている。
【0072】
比較部56は、変位センサ53での検出結果と設定されている振動条件の目標値との比較を行う。即ち、受信された変位センサ53からの信号と目標値記憶部57に記憶されている目標値との比較を行う。比較部56は、CPU、及び、ROM又はEEPROMに格納されたプログラムによって実現される。
【0073】
変位センサ53からの信号としては、変位センサ53で検出された圧電駆動式パーツフィーダ7の振動周波数の実績値(又は、これを算出可能な信号値を含む)、及び圧電駆動式パーツフィーダ7の振動の振幅の実績値(又は、これを算出可能な信号値を含む)が受信される。そして、比較部56では、圧電駆動式パーツフィーダ7の運転時に、受信した振動周波数の実績値と、目標値記憶部57に記憶されている駆動周波数設定値(オペレータが設定した所定の共振周波数)との比較を行い、その偏差を求める。また、比較部56は、受信した振幅の実績値と、目標値記憶部57に記憶されている駆動振幅設定値(オペレータが設定した所定の駆動振幅)との比較を行い、その偏差を求める。
【0074】
制御部58では、比較部56で求められた振動周波数の実績値と駆動周波数設定値との偏差に応じて、駆動周波数を調整する指令を作成し、パワーアンプ55に伝送する。パワーアンプ55は、この駆動周波数指令に基づいて圧電素子19の印加電圧の周波数を変更する。また、制御部58では、比較部56で求められた振幅の実績値と駆動振幅設定値との偏差に応じて、駆動振幅を調整する駆動出力の指令を作成し、パワーアンプ55に伝送する。パワーアンプ55は、この駆動出力指令に基づいて圧電素子19の印加電圧の出力を変更する。制御部58は、CPU、及び、ROM又はEEPROMに格納されたプログラムによって実現される。
【0075】
以上の構成により、圧電駆動式パーツフィーダ7は、変位センサ53で検出した振動周波数の実績値が設定した所定の共振周波数に追従するように駆動周波数を調整してフィードバック制御を行うことができる。このため、微妙な周波数調整を行わなくても自動で所望の共振周波数で駆動させることができ、省電力化を図って無駄なく効率的な駆動も可能になる。また、変位センサ53で検出した振幅の実績値が設定した所定の振幅に収束するように駆動出力を調整してフィードバック制御を行うこともできる。このため、弾性部材のバネ定数の使用環境温度による変化や可動台の質量によらず、常時共振周波数での定振幅制御が可能になる。
【0076】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ7においても、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5と同様の作用効果を奏することができる。また、変位センサ53及びコントローラ54を備える上記構成及びそれによる効果は、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに限らず、第1〜第4及び第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用できる。
【0077】
上記第1〜第7実施形態にて説明したように、本発明に係る圧電駆動式パーツフィーダによると、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる。
【0078】
以上、本発明の好適な実施形態例に関して説明したが、当然、本明細書を読み且つ理解することにより、変形例及び応用例が明らかになるであろう特許請求の範囲に含まれるものに係る変形例及び応用例、及びその均等物は、全て本発明の範囲に包含することを意図するものである。
例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0079】
第1〜第7実施形態において、部品移送部材(トラフ又はボウル等)は、可動台と一体に形成されるものであっても、可動台とは別体に形成されて可動台に対して支持されているものであっても、いずれにおいても本発明の作用効果を奏することができる。
また、第1〜第7実施形態において、第1の弾性部材に取り付けられる圧電素子は、第1の弾性部材の表裏面ともに取り付けられているものでなく、片面だけに取り付けられているものであっても本発明の作用効果を奏することができる。
【0080】
また、第1〜第7実施形態において、振動発生器及び支持部材の取り付け個所及び取り付け個数は、適宜選択して任意に設定し得る。また、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の配設個数も適宜選択して任意に設定し得る。
【0081】
また、第1〜第7実施形態において、第1の弾性部材に取り付けられる圧電素子は、単層に構成されているものであっても、複数層に構成されているものであってもいずれでもよい。
【0082】
また、第1〜第7実施形態は、部品移送部材(ボウル等)をねじり振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送する楕円振動を用いたパーツフィーダにも適用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダが知られている。例えば、特開昭62−4118号公報や特開平9−110133号公報に記載されたものが知られている。特開昭62−4118号公報に記載された圧電駆動式パーツフィーダは、加振体(振動発生器)の弾性板(弾性部材)と搬送体(部品移送部材)との間を、弾性板のヤング率よりも低いヤング率の連結板で連結し、これにより、部品移送部材に加わる振動振幅を増大させることを目的としたものである(図16参照)。また、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダは、圧電素子を弾性板(弾性部材)に貼着した加振体(振動発生器)を横方向に配設し、これにより、パーツフィーダの高さを低くすることを目的としたものである(図17参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−4118号公報
【特許文献2】特開平9−110133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開昭62−4118号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダでは、高い周波数で共振させる場合、共振させたい周波数に応じて連結板のバネ剛性を高くせざるを得ない。このため、連結板を厚くするかあるいは有効長を短くする必要がある。その結果、振幅増大効果が減殺されてしまうことになる。また、連結板とともに加振体の弾性板のバネ剛性も高めることになるため、圧電素子が取り付けられた弾性板に加わる応力が増してしまい好ましくない。そして、連結板と弾性板とを直列に取り付けるため、パーツフィーダの高さも高くなってしまう。さらに、共振周波数の変更等の目的で連結板を取り替える場合、一旦、弾性板も取り外す必要があり、煩雑な組み直しの手間を生じるだけでなく、短い弾性板や連結板を取り付けて周波数設定や取付角度(振動角)の微調整を行う作業に大変困難を要する。また、この取り替え時に、取り替え対象でない連結板や加振体に大きな付加が加わり、その連結板等に塑性変形が生じてしまう事態を引き起こし易い。また、この構造の場合、搬送体の静的荷重が加振体に対して曲げ荷重として直接作用するため、圧電素子に負荷が発生してしまう。
【0005】
また、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダの場合、圧電素子が貼着された弾性板が、パーツフィーダの中心側から外側に向かって(半径方向に向かって)直線状に配設されている。このため、搬送体用被振動体(可動台)が回転すると、弾性板の固定位置と搬送体用被振動体の回転中心とがずれていることによって(図17参照)、弾性板に引っ張り応力が作用してしまうことになる。図18は、当該パーツフィーダの振動時に弾性板に加わる力を説明する模式図である。本図に示すように、加振体が振動する際、搬送体用被振動体に縦向き連結部材を介して取り付けられる弾性体の端部は、点Aの位置から、弾性体の固定側への取付位置である点O’を中心として、点B’の位置に移動しようとする。このとき、弾性板の端部が取り付けられている位置の上方に位置する搬送体用被振動体上の点Aの位置は、搬送体用被振動体の中心である点Oを中心として点Bの位置に移動しようとする。このため、圧電素子が貼着された弾性体には、半径方向に引っ張り応力が発生してしまう。また、このとき、弾性体は実際にはS字状に曲がるため、さらに大きな応力が発生してしまうことになる。このように、特開平9−110133号公報に記載の圧電駆動式パーツフィーダの場合、圧電素子が取り付けられた弾性部材に過大な引っ張り応力が作用し易く、圧電素子にも負荷が加わり圧電素子の寿命が低下してしまうとともに、無駄な動力が必要となり効率が低下する。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる圧電駆動式パーツフィーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点による圧電駆動式パーツフィーダは、
部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダにおいて、
前記部品移送部材を有する又は支持する可動台と、
前記可動台の下方に配設され、前記振動発生器を介して、前記可動台を加振自在に支持する固定台と、
第1の弾性部材及びこの第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子を備え、前記第1の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第1の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた振動発生器と、
前記第1の弾性部材とは異なる第2の弾性部材を備え、前記第2の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第2の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた支持部材と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、可動台は、別々に取り付けられる振動発生器及び支持部材を介して固定台に支持される。このため、振動発生器及び支持部材の高さをそれぞれ調整して設定することで圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができる。そして、可動台の静的荷重による曲げ荷重を分散でき、第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子に作用する負荷を抑制できる。また、振動発生器の取付位置の制約が少ないため、第1の弾性部材に過大な引っ張り応力が生じることも抑制できる。
また、振動発生器及び支持部材が別々に取り付けられるため、振動発生器における第1の弾性部材のバネ定数を小さく設定し、支持部材における第2の弾性部材のバネ定数を組み合わせて調整することで、高い共振周波数を実現できる。このため、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制することができる。
【0009】
また、第1の弾性部材及び第2の弾性部材をそれぞれ別々に取り替えることが容易に可能であり、取り替え時、取り替え対象でない弾性部材に損傷を生じてしまうことも防止できる。そして、支持部材の第2の弾性部材の枚数やバネ定数を変更することで、共振周波数を容易に変更できる。さらに、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の各バネ定数を組み合わせて調整することで所望の共振周波数に合わせて細かく調整することができる。
したがって、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる圧電駆動式パーツフィーダを提供することができる。
【0010】
なお、この発明における上記及びその他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面と共に、以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図2】図1に示す圧電駆動式パーツフィーダの上面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図4】図3に示す圧電駆動式パーツフィーダの振動時における圧電バネの状態を説明する模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダの概略を例示した斜視図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した斜視図である。
【図7】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダの可動台を除いた状態での斜視図である。
【図8】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネ及び支持バネの鉛直方向に対する傾斜角を説明する模式図である。
【図9】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける振動時の圧電バネに加わる力を説明する模式図である。
【図10】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネの固定台に対する取付位置の違いによる圧電バネに生じる変位を説明する模式図である。
【図11】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおいて、圧電バネが平板状に形成されている場合(図11(a))とL字形状に形成されている場合(図11(b))とにおける圧電バネに作用する応力の違いを説明する模式図である。
【図12】図6に示す圧電駆動式パーツフィーダにおける圧電バネの取付構成に関する変形例を示す模式図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図14】本発明の第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した側面図である。
【図15】本発明の第7実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダを例示した概略図である。
【図16】従来の技術に係る圧電駆動式パーツフィーダを示す概略図である。
【図17】従来の技術に係る圧電駆動式パーツフィーダを示す斜視図である。
【図18】図17に示す圧電駆動式パーツフィーダの振動時に弾性板に加わる力を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。ただし、説明の便宜のために本発明の好適な実施形態例のみを示し、本発明を限定するものではない。
なお、本発明は、部品移送トラックが形成された部品移送部材(トラフ、ボールなど)に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材(板バネなど)を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて次工程へと移送する圧電駆動式パーツフィーダに関し、広く適用可能なものである。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1の概略を例示したものであって、図2は、圧電駆動式パーツフィーダ1の上面図である。第1実施形態においては、部品移送トラックが直線状に形成された部分を備える部品移送部材(トラフ等))を直線的に振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送し、次工程に供給するリニア型パーツフィーダを例にとって説明する。
【0014】
図1に示すように、圧電駆動式パーツフィーダ1は、可動台11と、固定台12と、振動発生器13と、支持部材14とを備えている。
可動台11は、図2に示すように、部品移送トラック(部品移送路)が形成された部品移送部材(トラフ)15を支持している(即ち、トラフ15は、可動台11の上面側に固定して取り付けられている)。図2に例示するトラフ15は、矢印C方向に部品を移送するトラックが形成されて部品を還流させるリターントラフ15aと、部品を整列させて矢印D方向に移送するトラックが形成されたメイントラフ15bとを備えている。トラフ15の中央付近に対して図示しないホッパー等を介して投入された部品は、図中のトラフ15上に矢印で示すようにトラフ15上で還流されながら整列して移送され、図中に示す部品Eのようにメイントラフ15の先端の排出シュート16から次工程へと供給される。
【0015】
固定台12は、図1に示すように、可動台11の下方に配設され、振動発生器13及び支持部材14を介して、可動台11を加振自在に支持している。固定台12は、ベース17上に固定されている。また、固定台12の中央部分には、振動発生器13が配設されるためのスペース12aが形成されている。
振動発生器13は、可動台11と固定台12との間の複数箇所に配設されており、各振動発生器13は、第1の弾性部材18及び第1の弾性部材18に取り付けられた圧電素子19を備えている。第1の弾性部材18は、板バネ18(以下、「圧電バネ18」ともいう)として構成されており、この圧電バネ18のバネ定数は設定したい共振周波数等の条件に応じて適宜選択することができる。
【0016】
圧電バネ18の一端18a側は、可動台11に取り付けられており、圧電バネ18の他端18b側は、固定台12に取り付けられている。即ち、一端18aは、可動台11側の取付部11aに例えばボルト等により連結して固定されており、他端18bは、固定台12の取付部12bに例えばボルト等により連結して固定されている。
【0017】
また、圧電バネ18は、平板状に形成されており、いずれの圧電バネ18とも、同一角度傾斜して取り付けられている。この取付角度を変更することで、圧電バネ18に振動を発生させた際の振動角を調整することができる。圧電バネ18の取付角度の変更にあたっては、例えば、取付部11a及び12bを交換自在なブロック部材として形成することで、この取付部11a及び12bを圧電バネ18の取付角度を変更する取付角度変更器とすることができる。この場合、取付角度変更器である取付部11a及び12bを所定の角度に形成された傾斜面を備えるものに変更することで、圧電バネ18を所定の角度傾斜させて配設することができる。このように、取付角度変更器によって圧電バネ18の取付角度を変更することで、容易に振動角を変更して所望の値に調整することができる。
【0018】
なお、板バネ18(第1の弾性部材)は、ボルト等による着脱によって取り替え自在に備えられているため、取り替え前の板バネ18とは異なるバネ定数を有する他の板バネ(他の第1の弾性部材)に取り替えることが可能である。これにより、所望の共振周波数に応じて適宜板バネ(圧電バネ)18を取り替えることで、容易に共振周波数を変更して所望の値に調整することができる。また、圧電バネ18は、角振動発生器13において、各1枚ずつ配設されているものでなくてもよく、重ねて配設する枚数を適宜選択し得る。
【0019】
圧電素子19は、例えば、圧電セラミックスを分極処理して一方の面にプラス極性の、また他方の面にマイナス極性の分極電位をもたせたものとして構成されている。各圧電バネ18の表裏面に圧電素子19が例えば接着により貼着等されることで、振動発生器13であるバイモルフが構成されている。この圧電素子19に所定の周波数の電圧を印加することによって、振動発生器13に振動を発生させ、圧電駆動式パーツフィーダ1を駆動することができる。
【0020】
支持部材14は、第1の弾性部材(板バネ)18とは異なる第2の弾性部材(板バネ)20を備えている。第2の弾性部材である板バネ20(以下、「支持バネ20」ともいう)の一端20a側が、取付部を介して可動台11に取り付けられ、支持バネ20の他端20b側が、取付部を介して固定台12に取り付けられている。一端20a及び他端20bは、それぞれボルト等により、可動台11及び固定台12に対して着脱自在に取り付けられている。
【0021】
また、第2の弾性部材である支持バネ20も、第1の弾性部材である圧電バネ18と同様に、平板状に形成されている。そして、支持バネ20及び圧電バネ18の平板状に形成された部分は、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されている(即ち、リニア型パーツフィーダである圧電駆動式パーツフィーダ1においては、支持バネ20と圧電バネ18は略平行に配設されている)。これにより、加振側である圧電バネ18の振動と略同期して支持バネ20を振動させ易く、圧電バネ18と支持バネ20との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、可動台11に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0022】
以上説明したように、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、可動台11は、別々に取り付けられる振動発生器13及び支持部材14を介して固定台12に支持される。このため、振動発生器13及び支持部材14の高さをそれぞれ調整して設定することで圧電駆動式パーツフィーダ1の高さを低くすることができる。即ち、従来技術の特許文献1に記載された圧電駆動式パーツフィーダにように、高さが高くなってしまうことを防止できる。
【0023】
また、可動台11の静的荷重が、各々複数箇所に設けられる振動発生器13及び支持部材14によって分散して支持されるため、板バネ18及び20に発生する曲げ荷重を分散させることができる。このため、第1の弾性部材である板バネ18に取り付けられた圧電素子に作用する静的荷重による負荷を抑制できる。また、従来技術の特許文献2に記載された圧電駆動式パーツフィーダのような振動発生器の取付位置の制約が少ないため、第1の弾性部材である板バネ18に過大な引っ張り応力が生じることも抑制できる。
【0024】
また、第1の弾性部材である板バネ18及び第2の弾性部材である板バネ20をそれぞれ別々に取り替えることが容易に可能であり、取り替え時に煩雑な組み直しの手間等を生じることもなく、取り替え作業の効率化が図れる。また、取り替え時に、取り替え対象でない弾性部材(板バネ)に大きな負荷が加わることも抑制でき、取り替え対象でない弾性部材の損傷を生じさせてしまうことも防止できる。
【0025】
次に、圧電駆動式パーツフィーダ1を振動させる場合について説明する。圧電駆動式パーツフィーダ1において、可動台11と第1の弾性部材18と第2の弾性部材20とによって定まる固有振動数fは、下式(1)のように求めることができる。
【0026】
[数1]
f=(1/2π)×{(k1+k2)/m1}1/2 (1)
【0027】
ここで、k1は、第1の弾性部材18トータルでのバネ定数(図1の例では、2組の圧電バネ18トータルでのバネ定数)であり、k2は、第2の弾性部材20トータルでのバネ定数(図1の例では、2組の支持バネ20トータルでのバネ定数)である。また、m1は、可動台11の質量である。
【0028】
圧電駆動式パーツフィーダ1の駆動させる場合は、式(1)で定まる固有振動数fと同じ周波数の交流電圧を圧電素子19に印加する。これにより、振動発生器13は、上記固有振動数fで当該圧電駆動式パーツフィーダ1を共振振動させることができる。したがって、可動台11の質量m1や第1及び第2の弾性部材のバネ定数(k1、k2)を組み合わせることで、種々の値の固有振動数fに設定することができ、共振周波数を広範囲で且つ細かく調整することができる。また、その所望の周波数にて共振させて十分な振幅を確保することができる。
【0029】
なお、固有振動数fと同じ周波数の電圧が圧電素子19に印加されると、圧電バネ18に貼着された一方の圧電素子19が伸びたときに、もう一方の圧電素子19が縮もうとするように、各圧電素子19は分極処理が行われている。このため、圧電バネ18は、所定の周波数で撓む動作を繰り返すように加振される(振動する)。この振動による一端18aの振動変位に伴って可動台11も振動する。そして、式(1)で定まる固有振動数fで共振して圧電駆動式パーツフィーダが振動し、部品移送部材上の部品が移送される。
【0030】
また、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、振動発生器13及び支持部材14が別々に取り付けられるため、振動発生器13における圧電バネ18のバネ定数を小さく設定し、支持部材14における支持バネ20のバネ定数を適宜組み合わせて調整することで、高い共振周波数を実現することができる。このため、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器13に作用する応力を抑制することができる。
【0031】
また、圧電駆動式パーツフィーダ1によると、支持バネ20の枚数やバネ定数を変更することで、式(1)の固有振動数fに応じて駆動する共振周波数を容易に変更することができる。さらに、圧電バネ18及び支持バネ20の各バネ定数を組み合わせて調整することで所望の共振周波数(共振振動させたい周波数)に合わせて細かく調整することができる。
【0032】
なお、本発明は、リニア型パーツフィーダだけでなく、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備える部品移送部材(ボウル等)を振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送するボウル型パーツフィーダに関しても適用できるものである。ボウル型パーツフィーダに本発明を適用する場合、第1の弾性部材及び第2の弾性部材は、例えば、可動台及び固定台の周囲の複数箇所に配設される。この場合、第1及び第2の弾性部材における平板状に形成された部分が、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されていることが望ましい。これにより、第1の弾性部材と第2の弾性部材との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、可動台に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、図3及び図4を参照しながら、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2について説明する。図3に圧電駆動式パーツフィーダ2の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図3において、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0034】
圧電駆動式パーツフィーダ2は、圧電駆動式パーツフィーダ1と同様に構成されるが、第1の弾性部材である圧電バネ(板バネ)21の構成が異なっている。図3に示すように、圧電駆動式パーツフィーダ2における圧電バネ21は、略L字形状に形成されている。そして、L字形状の一辺22は、可動台11及び固定台12に対して略垂直に配設され、L字形状の他の一辺23は、可動台11の下面に対して略平行に取り付けられている。
【0035】
図4は、振動時における圧電バネ21の状態を説明する図であり、可動台11側の取付部24に一辺22が取り付けられ、固定台12側の取付部25に他の一辺23の端部が取り付けられている状態を示す模式図である。本図に示すように、圧電素子19に電圧を印加して圧電バネ21を加振すると、可動台11の上下方向の振動は、L字形状の圧電バネ21のコーナー部分の角度が変化することにより生じることになる。このように、圧電バネ21の弾性変形によりL字形状のコーナー部分の角度が変化することで、比較的小さい力であっても、可動台11に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0036】
また、圧電駆動式パーツフィーダ2によると、振動の振幅は、外側に配設された第2の弾性部材である支持バネ20の取付角度でほぼ決まるため、支持バネ20の取付調整だけで振動振幅を調整することができる。また、圧電素子19は、垂直に配設された一辺22に取り付けられるため、圧電バネ21における圧電素子19の取付部分に静的荷重による曲げ応力が作用することも防止できる。即ち、圧電素子19に過度な負荷が作用することを防止できる。
【0037】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ2においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3について説明する。
図5は、圧電駆動式パーツフィーダ3の概略を示す斜視図である。圧電駆動式パーツフィーダ3は、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様に構成されるが、リニア型パーツフィーダではなくボウル型パーツフィーダに適用されている点が異なる。
圧電駆動式パーツフィーダ3は、可動台26と、固定台27と、振動発生器28と、支持部材30とを備えている。振動発生器28は、第1の弾性部材である圧電バネ30及び圧電素子31を備え、支持部材29は、第2の弾性部材である支持バネ32を備えている。
【0039】
そして、圧電駆動式パーツフィーダ2の場合と同様に、圧電バネ30はL字形状に形成され、L字形状の一辺が可動台11及び固定台12に対して略垂直に配設され、他の一辺が可動台に略平行に取り付けられている。可動台11上には、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備える図示しない部品移送部材(ボール等)が取り付けられ、固定台27は、ベース33に固定されている。なお、図5においては、他の弾性部材等を透視図で示している。
【0040】
ボウル型パーツフィーダとして構成された圧電駆動式パーツフィーダ3においても、第2実施形態の場合と同様に、圧電バネ30の弾性変形によりL字形状のコーナー部分の角度が変化することで、可動台26に対して効率よく振動を伝達することができる。
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ3においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
(第4実施形態)
次に、図6乃至図12を参照しながら、第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ4について説明する。図6は、圧電駆動式パーツフィーダ4の斜視図であって、部品移送部材が取り付けられていない状態を示すものである。図7は、圧電駆動式パーツフィーダ4の可動台34を除いた状態での斜視図である。第4実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ4は、部品移送トラックがスパイラル状に形成された部分を備えるボウル型パーツフィーダとして構成されている。
【0042】
図6及び図7に例示する圧電駆動式パーツフィーダ4は、可動台34と、固定台35と、振動発生器36と、支持部材37とを備えている。振動発生器36は、第1の弾性部材である圧電バネ38と圧電バネ38に取り付けられる圧電素子39とを備え、支持部材37は、第2の弾性部材である支持バネ40を備えている。
【0043】
支持バネ40は、平板状に形成されて、圧電駆動式パーツフィーダ4の周囲4箇所に配設されている。そして、支持バネ40の一端側が可動台34に取り付けられ、その他端側が固定台35に取り付けられている。なお、固定台35は、ベース41に固定して取り付けられている。
【0044】
また、圧電バネ38は、略L字形状に形成されるとともに、上下に配設される可動台34及び固定台35の間で、略水平に配設されている。そして、略L字形状の一辺42は、固定台35の中心方向に向かって延在されるとともに、延在されるその端部が固定台35に取付部44(固定台35の中心付近で上方に突出して設けられる取付部44)を介して取り付けられている。一方、L字形状の他の一辺43は、可動台34に取付部45(可動台34の周囲付近で下方に突出して設けられる取付部45)を介して取り付けられている。
【0045】
また、可動台34の中心方向に延在しているL字形状の一辺42は、その一辺42の幅方向が、支持バネ40が鉛直方向に対して傾斜している角度と略同角度、鉛直方向に対して傾斜している。図8は、圧電バネ38及び支持バネ40の鉛直方向に対する傾斜角を説明する模式図である。支持バネ40の長手方向は、鉛直方向に対して角度θ傾斜している。そして、圧電バネ38のL字形状の一辺42の幅方向(図中両端矢印W方向)は、鉛直方向に対して、支持バネ40と同じ角度θ傾斜している。このように、同角度傾斜していることで、圧電バネ38と支持バネ40との間で振動動作に干渉を生じることを抑制でき、圧電バネ38に生じる捩じれ応力を低減し、可動台34に対して効率よく振動を伝達することができる。
【0046】
この圧電駆動式パーツフィーダ4によると、圧電バネ38が水平に配設されるため、圧電駆動式パーツフィーダ4の高さをさらに低くすることができる。そして、L字形状の圧電バネ38の弾性変形によりそのコーナー部分の角度が変化することで、比較的小さい力でスムーズに効率よく振動を可動台34に伝達することができる。
【0047】
図9は、圧電駆動式パーツフィーダ4の振動時に圧電バネ38に加わる力を説明する模式図であるが、圧電バネ38が振動する際、圧電バネ38の他の一辺42の端部は、点Aの位置から点O’を中心として点B’の位置に移動しようとする。このとき、圧電バネ38が取り付けられている位置の上方に位置する可動台34上の点Aの位置は、可動台34の中心である点Oを中心として移動しようとする。しかし、L字形状のコーナー部分の角度が変化することで、可動台34の回転中心と圧電バネ42の可動台34に対する取付位置とのずれを吸収でき、圧電素子39が貼着されている圧電バネ38の一辺42に、過大な引っ張り応力が生じることを抑制できる。したがって、従来技術における特許文献2に記載の圧電駆動式パーツフィーダのように圧電素子に過度な負荷が加わることを防止でき、圧電素子の寿命が低下することを抑制できるとともに、無駄な動力を消費して効率が低下することも抑制できる。
【0048】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4においては、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置(即ち、取付部44に対する取付位置)を固定台35の中心付近に設けることで、圧電バネ38の変位を小さくすることができ、圧電バネ38に作用する曲げ応力を低減することができる。
【0049】
図10は、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置の違いによる圧電バネ38に生じる変位を説明する模式図である。図10(a)は、固定台35の中心位置である点Oとほぼ一致する位置にて圧電バネ38の一辺42の端部を取り付けた場合の振幅を示す図であって、図10(b)は、点Oから離れた位置にて圧電バネ38の一辺42の端部を取り付けた場合の振幅を示す図である。図10(a)及び図10(b)の場合のいずれも、圧電バネ38の一辺42の長さがrの場合であって、可動台34の周囲位置にて可動台の周方向変位Lを発生させる場合を示している。図10(b)の場合、可動台34の周方向変位Lを、圧電バネ38が角度θ2分撓むことで発生させている。一方、図10(a)の場合、可動台34の周方向変位Lを、圧電バネ38が角度θ2よりも小さい角度θ1分撓むだけで発生させることができる。このため、圧電バネ38の固定台35に対する取付位置を固定台35の中心位置付近に設けることで、圧電バネ38の小さい変位で、可動台34の所定の変位を確保することができる。従って、圧電バネ38に作用する曲げ応力が小さくて済むことになる。
【0050】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4によると、圧電バネ38がL字形状に形成されているため、単に平板状に形成されている圧電バネの場合と比べ、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径が同じであっても、圧電バネに作用する応力を低減することができる。
【0051】
図11は、圧電バネが平板状に形成されている場合(図11(a))とL字形状に形成されている場合(図11(b))とにおける圧電バネに作用する応力の違いを説明する模式図である。図11(a)の場合と図11(b)の場合とを比べると、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径は、いずれもr1で同じであるが、可動台側の取付位置と固定台側の取付位置との圧電バネに沿った距離は、図11(a)の場合はL1で図11(b)の場合はL2と異なる。即ち、L字形状に形成された圧電バネ38の場合(図11(b)の場合)、固定台35側の取付部44と可動台34側の取付部45との間の距離である圧電バネ38の有効長L2が、平板状の圧電バネの場合(図11(a)の場合)の圧電バネ有効長L1よりも長くすることができる。
【0052】
ここで一般的に、板バネに作用する最大応力σmaxは、バネの有効長をLe、バネの最大変位をδ、バネ厚みをt、バネのヤング率のEとすると、下式(2)で求めることができる。
【0053】
[数2]
σmax=(3・E・t・δ)/Le2 (2)
【0054】
したがって、平板状の圧電バネよりもバネ有効長Leを長くすることができる(バネ有効長をL1よりもL2と長くすることができる)L字形状の圧電バネ38の場合(図11(b)の場合)は、式(2)に示すように、圧電駆動式パーツフィーダの周方向の変位を発生させる圧電バネの有効半径が同じであっても、圧電バネに作用する応力を低減することができる。
【0055】
また、圧電駆動式パーツフィーダ4においては、図12に示すように、バネ押さえ部材を介して圧電バネ38を固定台35に取り付けるものであってもよい。図12は、圧電バネ38とバネ押さえ部材46との取付状態を説明する模式図であるが、圧電バネ38の一辺42が、固定台35側の取付部44に対してバネ押さえ部材46を介して螺合される取付ボルト47によって取り付けられるものであってもよい。この場合、バネ押さえ部材46は、取り付けられる圧電バネ38と同角度、垂直方向に対して傾斜した傾斜面46aと、取付ボルト47が水平方向に挿入して螺合されるボルト孔46bと、を備えている。
【0056】
この構成により、圧電バネ38を圧電駆動パーツフィーダの中心側にて固定台35に取り付ける取付ボルト47を水平方向に着脱できるため、圧電バネ38の取り外し及び取り付け作業を容易に行うことができる。なお、取付ボルト47の着脱は、例えば、図7に示すように、固定台35に形成された空隙部48から所定の工具を挿入することで、行うことができる。また、取付ボルト47が水平方向に設けられることで、可動台34を圧電バネ38から取り外すことなく、外側から(例えば、空隙部48を通じて)圧電バネ38の固定台35への取り付けを解除することができる(可動台34を取り外さずに、固定台35を先に取り外すことができる)。これにより、圧電バネの取り付け及び取り外し作業の自由度が増し、作業効率向上が図れる。
【0057】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ4においても、第1実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ1と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
(第5実施形態)
次に、図13を参照しながら、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5について説明する。図13に圧電駆動式パーツフィーダ5の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図13において、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0059】
圧電駆動式パーツフィーダ5は、圧電駆動式パーツフィーダ2と同様に構成されるが、固定台12をベースに対して固定する形態が異なっている。圧電駆動式パーツフィーダ5においては、固定台12は、第1及び第2の弾性部材(20、21)とは異なる第3の弾性部材48を介してベース49に対して支持されている。図13に示す例においては、複数備えられる第3の弾性部材48は、それぞれ板バネ48として構成されている。そして、板バネ48のバネ定数は、圧電バネ(第1の弾性部材)21及び支持バネ(第2の弾性部材)20のバネ定数のいずれよりも小さくなるものが選択されて取り付けられている。これにより、板バネ48で固定台12から伝わる振動が吸収され、固定台12からベースに伝わる振動を抑制することができる。
【0060】
なお、第1及び第2の弾性部材よりもバネ定数の小さい第3の弾性部材で固定台とベースとを結合することによる防振効果は、第1〜第4のいずれの実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用し得るものである。また、圧電駆動式パーツフィーダ5は、第2実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ2と同様の作用効果を奏することができる。
【0061】
(第6実施形態)
次に、図14を参照しながら、第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ6について説明する。図14は圧電駆動式パーツフィーダ6の側面図であり、ボウル型パーツフィーダに適用された場合を例示したものである。
【0062】
圧電駆動式パーツフィーダ6は、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3と同様に構成されており、圧電駆動式パーツフィーダ3と同様の要素については、同一の符号を付している。しかし、固定台27をベースに対して固定する形態が、圧電駆動式パーツフィーダ3とは異なっている。圧電駆動式パーツフィーダ6においては、固定台27は、複数のゴム部材50を介してベース51に対して固定されている。これにより、ゴム部材50で固定台27から伝わる振動が吸収され、固定台27からベース51に伝わる振動を抑制することができる。
【0063】
なお、ゴム部材で固定台とベースとを結合することによる防振効果は、第1〜第4のいずれの実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用し得るものである。また、圧電駆動式パーツフィーダ6は、第3実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ3と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
(第7実施形態)
最後に、図15を参照しながら、第7実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ7について説明する。図15に圧電駆動式パーツフィーダ7の概略図を示すように、リニア型パーツフィーダに適用された場合を例にとって説明する。なお、図15において、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5と同様の要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
【0065】
圧電駆動式パーツフィーダ7は、圧電駆動式パーツフィーダ5と同様に構成されるが、可動台11の固定台12に対する振動変位を検出する変位センサを備え、この変位センサでの検出結果に基づいて、振動発生器による駆動振動数を調整する点で異なっている。
【0066】
図15において、圧電駆動式パーツフィーダ7における一方の支持バネ20の他端20b側には、変位センサの支持部材52が取り付けられており、この支持部材52は、支持バネ20と同方向に延在して取り付けられている。そして、支持部材52の先端側には、変位センサ53が取り付けられている。これにより、この変位センサ53が取り付けられている位置と支持バネ20bとの間の距離を測定することができる。したがって、圧電駆動式パーツフィーダ7が振動すると、支持バネ20の他端20b側は可動台11に対して動かずに一端20a側が振動し、これに伴い測定される上記距離が変化するため、可動台11の固定台12に対する振動変位を検出することができる。なお、変位センサ53で直接測定される変位は、支持部材53に対して取り付けられる変位センサ53の位置によって異なるため、可動台11の固定台12に対する振動変位として把握したい位置に応じて適宜取り付けることが望ましい。また、変位センサ53で測定した測定結果に基づいて支持バネ20の寸法条件等から可動台11の固定台12に対する振動変位を演算して検出するようにしてもよい。
【0067】
また、圧電駆動式パーツフィーダ7は、変位センサ53での検出結果に基づいて振動発生器13による駆動振動数を調整するコントローラ54を備えている。コントローラ54は、変位センサ53からの信号を受信可能に変位センサ53と接続されるとともに、パワーアンプ55に対して駆動指令を送信可能となるように接続されている。なお、パワーアンプ55は、コントローラ54からの指令に基づいて、所定の周波数及び出力の電圧を圧電素子19に対して印加する。
【0068】
コントローラ54は、図示しないハードウェア構成として、例えば、その内部に組み込まれているCPU(CentralProcessing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、インターフェイス等を備えている。これらの各要素は、バスを介して相互に接続されている。
【0069】
ROMは、読み出し専用の記憶装置であって、圧電駆動式パーツフィーダ7の動作を制御するための用いられる各種プログラムが格納されている。EEPROMは、読み出し・書き込み可能な不揮発性記憶装置であって、圧電駆動式パーツフィーダを後述するような圧電駆動式パーツフィーダ7として機能させるためのプログラムを含む各種ソフトウェアが格納されている。また、EEPROMには、オペレータによる入力を通じて設定等された各種データ等も格納される。CPUは、受信した信号や、ROM、EEPROM,RAM内の各種プログラムやデータに基づいて各種演算及び処理を行う。そして、インターフェイスを介しての信号の送受信を行う。RAMは、読み出し・書き込み可能な揮発性記憶装置であって、CPUでの各種演算結果等が記憶される。インターフェイスは、変位センサ53からの信号の受信を可能にするとともに、パワーアンプ55への指令の伝送を可能にするものである。これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の各部(56〜59)が、コントローラ54内に構築されている(図15参照)。
【0070】
図15における機能ブロック図に示すように、コントローラ54は、比較部56と、目標値記憶部57と、制御部58と、操作部59とを備えている。操作部59は、圧電駆動式パーツフィーダ7を操作するオペレータによる入力が可能な図示しないコントロールパネル等によって構成されている。オペレータは、操作部59を操作することで、圧電駆動式パーツフィーダ7の所望の運転条件、即ち、可動台11の固定台12に対する振動運転の駆動周波数又は駆動振幅を入力し、所望の運転条件を設定することができるようになっている。
【0071】
目標値記憶部57は、操作部59を通じてのオペレータによる入力に基づいて、圧電駆動式パーツフィーダ7の運転条件(駆動周波数又は駆動振幅)が記憶される。目標値記憶部57は、RAM又はEEPROM等のメモリにおける所定の記憶領域が割り当てられることで構成されている。
【0072】
比較部56は、変位センサ53での検出結果と設定されている振動条件の目標値との比較を行う。即ち、受信された変位センサ53からの信号と目標値記憶部57に記憶されている目標値との比較を行う。比較部56は、CPU、及び、ROM又はEEPROMに格納されたプログラムによって実現される。
【0073】
変位センサ53からの信号としては、変位センサ53で検出された圧電駆動式パーツフィーダ7の振動周波数の実績値(又は、これを算出可能な信号値を含む)、及び圧電駆動式パーツフィーダ7の振動の振幅の実績値(又は、これを算出可能な信号値を含む)が受信される。そして、比較部56では、圧電駆動式パーツフィーダ7の運転時に、受信した振動周波数の実績値と、目標値記憶部57に記憶されている駆動周波数設定値(オペレータが設定した所定の共振周波数)との比較を行い、その偏差を求める。また、比較部56は、受信した振幅の実績値と、目標値記憶部57に記憶されている駆動振幅設定値(オペレータが設定した所定の駆動振幅)との比較を行い、その偏差を求める。
【0074】
制御部58では、比較部56で求められた振動周波数の実績値と駆動周波数設定値との偏差に応じて、駆動周波数を調整する指令を作成し、パワーアンプ55に伝送する。パワーアンプ55は、この駆動周波数指令に基づいて圧電素子19の印加電圧の周波数を変更する。また、制御部58では、比較部56で求められた振幅の実績値と駆動振幅設定値との偏差に応じて、駆動振幅を調整する駆動出力の指令を作成し、パワーアンプ55に伝送する。パワーアンプ55は、この駆動出力指令に基づいて圧電素子19の印加電圧の出力を変更する。制御部58は、CPU、及び、ROM又はEEPROMに格納されたプログラムによって実現される。
【0075】
以上の構成により、圧電駆動式パーツフィーダ7は、変位センサ53で検出した振動周波数の実績値が設定した所定の共振周波数に追従するように駆動周波数を調整してフィードバック制御を行うことができる。このため、微妙な周波数調整を行わなくても自動で所望の共振周波数で駆動させることができ、省電力化を図って無駄なく効率的な駆動も可能になる。また、変位センサ53で検出した振幅の実績値が設定した所定の振幅に収束するように駆動出力を調整してフィードバック制御を行うこともできる。このため、弾性部材のバネ定数の使用環境温度による変化や可動台の質量によらず、常時共振周波数での定振幅制御が可能になる。
【0076】
なお、以上説明した圧電駆動式パーツフィーダ7においても、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダ5と同様の作用効果を奏することができる。また、変位センサ53及びコントローラ54を備える上記構成及びそれによる効果は、第5実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに限らず、第1〜第4及び第6実施形態に係る圧電駆動式パーツフィーダに対しても適用できる。
【0077】
上記第1〜第7実施形態にて説明したように、本発明に係る圧電駆動式パーツフィーダによると、圧電駆動式パーツフィーダの高さを低くすることができるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、また、高周波数駆動時であっても十分な振幅を確保できるとともに振動発生器に作用する応力を抑制でき、さらに、振動発生器の取り替えや共振周波数の変更及び調整を容易に行うことができる。
【0078】
以上、本発明の好適な実施形態例に関して説明したが、当然、本明細書を読み且つ理解することにより、変形例及び応用例が明らかになるであろう特許請求の範囲に含まれるものに係る変形例及び応用例、及びその均等物は、全て本発明の範囲に包含することを意図するものである。
例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0079】
第1〜第7実施形態において、部品移送部材(トラフ又はボウル等)は、可動台と一体に形成されるものであっても、可動台とは別体に形成されて可動台に対して支持されているものであっても、いずれにおいても本発明の作用効果を奏することができる。
また、第1〜第7実施形態において、第1の弾性部材に取り付けられる圧電素子は、第1の弾性部材の表裏面ともに取り付けられているものでなく、片面だけに取り付けられているものであっても本発明の作用効果を奏することができる。
【0080】
また、第1〜第7実施形態において、振動発生器及び支持部材の取り付け個所及び取り付け個数は、適宜選択して任意に設定し得る。また、第1の弾性部材及び第2の弾性部材の配設個数も適宜選択して任意に設定し得る。
【0081】
また、第1〜第7実施形態において、第1の弾性部材に取り付けられる圧電素子は、単層に構成されているものであっても、複数層に構成されているものであってもいずれでもよい。
【0082】
また、第1〜第7実施形態は、部品移送部材(ボウル等)をねじり振動させながら部品を循環させつつ整列させて移送する楕円振動を用いたパーツフィーダにも適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダにおいて、
前記部品移送部材を有する又は支持する可動台と、
前記可動台の下方に配設され、前記振動発生器を介して、前記可動台を加振自在に支持する固定台と、
第1の弾性部材及びこの第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子を備え、前記第1の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第1の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた振動発生器と、
前記第1の弾性部材とは異なる第2の弾性部材を備え、前記第2の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第2の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた支持部材と、
を備えることを特徴とする圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項2】
前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材は、平板状に形成された部分を備え、
前記第1及び第2の弾性部材における前記平板状に形成された部分が、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項3】
前記第1の弾性部材は、略L字形状に形成され、
前記L字形状の一辺は、前記可動台及び全固定台に対して略垂直に配設され、
前記L字形状の他の一辺は、前記可動台に対して略平行に取り付けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項4】
前記部品移送トラックが、直線状に形成された部分を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項5】
前記部品移送トラックが、スパイラル状に形成された部分を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項6】
前記固定台は、第3の弾性部材を介してベースに対して支持され、
前記第3の弾性部材のバネ定数は、前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材のバネ定数のいずれよりも小さいことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項7】
前記振動発生器は、前記可動台と前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とによって定まる固有振動数で共振振動させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項8】
前記可動台の前記固定台に対する振動変位を検出する変位センサを備え、
前記変位センサでの検出結果に基づいて、前記振動発生器による駆動振動数又は駆動出力を調整することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項9】
前記第1の弾性部材は、取り替え自在に備えられ、
前記第1の弾性部材を、取り替え前の第1の弾性部材とは異なるバネ定数を有する他の第1の弾性部材に取り替え可能であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項10】
前記可動台及び前記固定台に対する前記第1の弾性部材の取付角度を変更する取付角度変更器を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項1】
部品移送トラックが形成された部品移送部材に対して、圧電素子が取り付けられた弾性部材を備える振動発生器によって振動を発生させ、部品を整列させて移送する圧電駆動式パーツフィーダにおいて、
前記部品移送部材を有する又は支持する可動台と、
前記可動台の下方に配設され、前記振動発生器を介して、前記可動台を加振自在に支持する固定台と、
第1の弾性部材及びこの第1の弾性部材に取り付けられた圧電素子を備え、前記第1の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第1の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた振動発生器と、
前記第1の弾性部材とは異なる第2の弾性部材を備え、前記第2の弾性部材の一端側が前記可動台に取り付けられ、前記第2の弾性部材の他端側が前記固定台に取り付けられた支持部材と、
を備えることを特徴とする圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項2】
前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材は、平板状に形成された部分を備え、
前記第1及び第2の弾性部材における前記平板状に形成された部分が、ともに鉛直方向に対して略同角度傾斜して配設されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項3】
前記第1の弾性部材は、略L字形状に形成され、
前記L字形状の一辺は、前記可動台及び全固定台に対して略垂直に配設され、
前記L字形状の他の一辺は、前記可動台に対して略平行に取り付けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項4】
前記部品移送トラックが、直線状に形成された部分を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項5】
前記部品移送トラックが、スパイラル状に形成された部分を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項6】
前記固定台は、第3の弾性部材を介してベースに対して支持され、
前記第3の弾性部材のバネ定数は、前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材のバネ定数のいずれよりも小さいことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項7】
前記振動発生器は、前記可動台と前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とによって定まる固有振動数で共振振動させることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項8】
前記可動台の前記固定台に対する振動変位を検出する変位センサを備え、
前記変位センサでの検出結果に基づいて、前記振動発生器による駆動振動数又は駆動出力を調整することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項9】
前記第1の弾性部材は、取り替え自在に備えられ、
前記第1の弾性部材を、取り替え前の第1の弾性部材とは異なるバネ定数を有する他の第1の弾性部材に取り替え可能であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【請求項10】
前記可動台及び前記固定台に対する前記第1の弾性部材の取付角度を変更する取付角度変更器を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の圧電駆動式パーツフィーダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−215076(P2009−215076A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114931(P2009−114931)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【分割の表示】特願2005−504671(P2005−504671)の分割
【原出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【分割の表示】特願2005−504671(P2005−504671)の分割
【原出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
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