説明

在庫引当管理システム、在庫引当管理方法、および在庫引当管理プログラム

【課題】 顧客に応じて、より適切な在庫引当を行う。
【解決手段】 注文データ読出機能16が、注文データ記憶部14から注文データを読み出す。優先属性検索機能18が、注文データに含まれる顧客コードに基づいて顧客データ記憶部8から当該顧客の優先属性を検索する。在庫検索機能20が、注文データに含まれる商品コードに基づいて在庫データ記憶部12から当該商品の在庫情報を検索する。在庫引当機能22が、当該商品の在庫情報を当該顧客の優先属性の引当順序に従ってソートし、ソート結果の順番に従って在庫商品を注文数量分だけ引き当てる。在庫引当機能22は、引き当てた在庫商品の情報を出庫データ記憶部24に記録し、さらに、在庫情報に当該在庫引当を反映させるべく、在庫データ記憶部12の在庫データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫商品の引当を管理するシステムに係り、特に、顧客に応じて引当順序の異なる在庫引当を可能とする在庫引当管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を製造あるいは販売する会社が顧客の注文を受けて在庫商品を引き当てる際には、いわゆる「先入先出」方式を用いて引き当てることがよく行われる。「先入先出」方式とは、もっとも古い在庫商品から順に引き当てる方式である(たとえば特許文献1)。何をもって古いと判断するかは様々であって、たとえば、製造ロット番号、製造年月日、あるいは入荷日等がよく用いられる。一般には商品が古くなればなるほど商品価値が下がると考えられ、このために、販売側は古い商品を残さず、また顧客に不公平のないように引き当てる工夫として「先入先出」方式を採用している。この場合、顧客によらず、一律に古い商品から順に引き当てられる。
【0003】
一方、取り扱う商品は様々な属性を持ち、顧客の重視する商品属性は顧客ごとに異なる。たとえば果物を例にとると、入荷日のほか、糖度、酸度などの味に関する属性や、形、大きさ、色などの外観に関する属性がある。単品の生食用として購入する果物店と、ジュースなどの加工原料として購入する飲食店とでは、重視する商品属性が異なり、ジュースに加工する飲食店は、単品で販売する果物店に比べると、外観をあまり重視しない。入荷日に関しても、即日ジュースにする飲食店は、買い手がつくまで店頭に陳列する果物店に比べれば、それほど新しさにはこだわらない場合もある。むしろ、果物店で店頭に陳列するものよりも、すぐに食せる状態に熟しているほうが好ましいとも言える。
【0004】
このような商品属性ごとに商品を分類し、商品属性のランクを指定して注文することはよく行われる(たとえば特許文献1)が、注文する側にとっては必要以上に詳細な分類に従って注文することは煩雑であり、販売する側にとっても分類が細かくなるほど管理が煩雑になり、また、売れ残り等のリスクを増大する。
【特許文献1】特開2002−145418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、商品分類をあまり細かくせず、同一分類の商品であっても、顧客ごとに異なる在庫引当を自動的に行うことによって、顧客に応じて、より適切な在庫引当を行うことのできるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる在庫引当管理システムは、顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムであって、前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、在庫商品の商品識別情報と在庫商品の属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、注文情報に含まれる顧客識別情報に基づいて顧客データ記憶部から優先属性識別情報を抽出する優先属性検索機能と、注文情報に含まれる商品識別情報に対応する在庫情報を在庫データ記憶部から抽出する在庫検索機能と、抽出された在庫情報と、抽出された優先属性識別情報の属性値とに基づいて在庫商品を引き当てる在庫引当機能とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる在庫引当管理方法は、顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムが実行する在庫引当管理方法であって、在庫引当管理システムは、前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、在庫商品の商品識別情報と在庫商品の属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部とを有し、在庫引当管理方法は、注文情報に含まれる顧客識別情報に基づいて顧客データ記憶部から優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、注文情報に含まれる商品識別情報に対応する在庫情報を在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、抽出された在庫情報と、抽出された優先属性識別情報の属性値とに基づいて在庫商品を引き当てる在庫引当ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる在庫引当管理プログラムは、顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理方法をコンピュータに実行させる在庫引当管理プログラムであって、コンピュータは、前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、在庫商品の商品識別情報と在庫商品の属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部とを有し、在庫引当管理方法は、注文情報に含まれる顧客識別情報に基づいて顧客データ記憶部から優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、注文情報に含まれる商品識別情報に対応する在庫情報を在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、抽出された在庫情報と、抽出された優先属性識別情報の属性値とに基づいて在庫商品を引き当てる在庫引当ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一部の商品属性を商品分類に使用せず、そのかわりに顧客が重視する商品属性を顧客ごとに管理することにより、注文された商品の中でも、さらに顧客ごとに異なる商品属性を優先させた在庫引当を自動的に行うことができるため、顧客に応じて、より適切な在庫引当を行うことのできるシステムを提供することができる。また、商品分類を増やさずにすむため、注文時の煩雑さを減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて実施例を説明する。
図1は本発明の実施例にかかる在庫引当管理システムのシステム構成を示す図である。本実施例にかかる在庫引当管理システムは、取り扱う商品の商品分類に使用されない商品属性に関する情報を利用者の操作によって登録・更新する属性データ登録機能2と、属性データ登録機能2によって登録・更新された情報を蓄積する属性データ記憶部4と、顧客に関する情報を利用者の操作によって登録・更新する顧客データ登録機能6と、顧客データ登録機能6によって登録・更新された情報を蓄積する顧客データ記憶部8と、入荷した商品の情報を利用者の操作によって登録する入庫処理機能10と、商品の在庫状況の情報を記憶する在庫データ記憶部12と、注文された商品の情報を記憶する注文データ記憶部14と、注文データ記憶部14から注文された商品の情報を読み出す注文データ読出機能16と、注文した顧客が優先する商品属性を顧客データ記憶部8から読み出す優先属性検索機能18と、注文された商品の在庫状況を読み出す在庫検索機能20と、注文された商品の在庫から顧客が優先する商品属性に従って在庫を引き当てる在庫引当機能22と、在庫引当機能22によって引き当てられた在庫商品を記憶する出庫データ記憶部24と、を有する。
【0011】
利用者は属性データ登録機能2を利用して、取り扱う商品の属性情報を随時、属性データ記憶部4に登録あるいは更新する。図2は本発明の実施例にかかる商品属性登録時の画面イメージを示す図である。商品属性の登録・更新時の処理を簡単に説明する。
【0012】
利用者は処理選択欄104から処理したい項目を選択する。図2では新規登録を選択している。
【0013】
属性コード指定欄106は処理選択欄104における選択が新規登録以外のときに、処理対象とする属性コードを利用者が指定する欄であり、属性コードスロット108に属性コードを記入する。属性コードを記入するかわりに既存の属性コードを選択する構成としてもよい。
【0014】
属性定義欄110は商品属性の定義を表示する欄であり、処理選択欄104における選択が新規登録以外のときに既存の属性定義が表示される。
【0015】
処理選択欄104における選択が新規登録の場合は、未定義の属性コードが属性コードスロット112に自動的に表示され、属性名称スロット114に利用者が属性名称を記入し、属性ランクスロット118および意味定義スロット120に利用者が属性値としての属性ランクおよび意味を記入する。属性ランクは、商品を何らかの基準でグループ分けして順序付け、その順序に従って記号を割り振ったものである。属性ランクではなく、測定値や日付等、何らかの数値で属性値を与える場合には、数値指定項122を利用者が選択する。引当順序スロット116はデフォルトの順序情報を利用者が選択する。引当順序スロット116の右端の三角マークをクリックすることにより、デフォルトの順序情報として降順、昇順、または指定しないの選択肢がプルダウンメニュで表示されるので、いずれかをクリックすることにより選択する。
【0016】
処理選択欄104における選択が新規登録以外の場合は、属性コードスロット108に記入した属性コードが属性コードスロット112に表示され、属性名称スロット114、引当順序スロット116、属性ランクスロット118および意味定義スロット120に現在の定義が表示される。
【0017】
図2では「形状」という商品属性を登録し、その属性ランクとして、A:美形、B:普通、C:歪あり、の3ランクを定義している。このようにして登録された商品属性は属性データ記憶部4内では属性マスタデータおよび属性値マスタデータの2種類のマスタデータの形で管理される。
【0018】
図3は本発明の実施例にかかる属性マスタデータのデータ構成を示す図である。属性マスタデータにはすべての属性コードが属性名称およびデフォルト引当順序を対応付けられて記憶される。図3の例は3つの商品属性が登録されていることを示している。
【0019】
図4は本発明の実施例にかかる属性値マスタデータのデータ構成を示す図である。属性値マスタデータには各商品属性の属性ランクと意味が対応付けられて記憶されている。図4には属性コードが属性1である商品属性に関する属性値マスタデータが示されている。
【0020】
これらの属性は同一商品分類に属する商品を区別して引き当てるために使用する情報であり、商品分類のための属性とは異なる。したがって、たとえば、ある商品について大きさに応じてLサイズ、Mサイズ、Sサイズという商品分類がある場合、Lサイズの商品の中における大き目、小さ目、中くらいというグループ分けを行う属性を定義してもよい。
【0021】
利用者は顧客データ登録機能6を利用して、顧客に関する情報を顧客データ記憶部8に随時、登録あるいは更新する。図5は本発明の実施例にかかる顧客データ登録時の画面イメージを示す図である。顧客情報の登録・更新時の処理を簡単に説明する。
【0022】
利用者は処理選択欄134から処理したい項目を選択する。図5では新規登録を選択している。
【0023】
顧客コード指定欄136は処理選択欄134における選択が新規登録以外のときに、処理対象とする顧客コードを利用者が指定する欄であり、顧客コードスロット138に顧客コードを記入する。顧客コードを記入するかわりに既存の顧客コードを選択する構成としてもよい。
【0024】
顧客情報欄140は顧客の情報を表示する欄であり、処理選択欄134における選択が新規登録以外のときに既存の顧客情報が表示される。
【0025】
処理選択欄134における選択が新規登録の場合は、未定義の顧客コードが顧客コードスロット142に自動的に表示され、顧客名称スロット144、顧客住所スロット146および電話番号スロット148に利用者が対応する顧客情報を記入する。第1優先属性スロット150は右端の三角マークを利用者がクリックすることにより既存の商品属性が属性データ記憶部4から読み出されてプルダウンメニュで表示されるので、いずれかの商品属性を利用者がクリックすることにより選択する。引当順序スロット152は優先属性スロット150で指定した商品属性による引当順序の順序情報を利用者が選択する。引当順序スロット152の右端の三角マークをクリックすることにより、引当順序の順序情報として降順または昇順の選択肢がプルダウンメニュで表示されるので、いずれかをクリックすることにより選択する。二次的に優先する商品属性がある場合には、第2優先属性154および、その引当順序156も設定する。
【0026】
処理選択欄134における選択が新規登録以外の場合は、顧客コードスロット138に記入した顧客コードが顧客コードスロット142に表示され、顧客名称スロット144、顧客住所スロット146、電話番号スロット148、第1優先属性スロット150および引当順序スロット152、第2優先属性スロット154および引当順序スロット156、に現在の情報が表示される。
【0027】
図5は、顧客コード0300で識別される顧客が、形状の整った商品を喜ぶことを示している。このようにして登録された顧客情報は顧客マスタデータとして顧客データ記憶部8内に記憶され管理される。
【0028】
図6は本発明の実施例にかかる顧客マスタデータのデータ構成を示す図である。顧客マスタデータにはすべての顧客コードが優先属性識別情報および引当順序を対応付けられて記憶される。図6の例は2件の顧客情報が登録されていることを示している。なお、顧客マスタデータには顧客名称その他、図5で登録される情報が顧客コードに対応付けられて記憶されるが、図6ではこれらを省略している。
【0029】
利用者は入庫処理機能10を利用して入荷した商品の情報を入力し、在庫データ記憶部12の在庫データを更新する。この際、入荷した商品が、属性データ記憶部4に登録された商品属性に関して、どの属性ランクに属するかを入力する。
【0030】
図7は本発明の実施例にかかる在庫マスタデータのデータ構成を示す図である。図7の例では、同一商品コードを持つ商品がロットごとに区別されており、ロットごとに各商品属性の属性ランクあるいは属性値が与えられ、在庫数量が対応付けられて記録されている。なお、図7の例における商品コード001−Lの「−L」はLサイズの商品を表しており、商品コード001−Mの「−M」はMサイズの商品を表している。
【0031】
図8は本発明の実施例にかかる在庫引当管理システムの在庫引当処理のフローチャートである。本実施例にかかる在庫引当管理システムの在庫引当処理の流れを図8の各処理ステップS202−S208に従って説明する。
【0032】
(ステップS202)注文データ読出機能16が、注文データ記憶部14から注文データを読み出す。
【0033】
(ステップS204)優先属性検索機能18が、注文データに含まれる顧客コードに基づいて顧客データ記憶部8から当該顧客の優先属性識別情報と引当順序を検索する。
【0034】
(ステップS206)在庫検索機能20が、注文データに含まれる商品コードに基づいて在庫データ記憶部12から当該商品の在庫情報を検索する。
【0035】
(ステップS208)在庫引当機能22が、当該商品の在庫情報を当該顧客の優先属性の引当順序に従ってソートし、ソート結果の順番に従って在庫商品を注文数量分だけ引き当てる。なお、優先属性が複数ある場合は、それらの優先属性間の優先順位に従ってソートを行う。ソートにあたって、優先属性とされない商品属性については、優先属性よりも優先度を低くしてあらかじめ設定したデフォルトの順序でソートする。ただし、必ずしもデフォルトの順序を決めておく必要はなく、ランダムにソートすることにしてもよいし、無視することにしてもよい。在庫引当機能22は、引き当てた在庫商品の情報を出庫データ記憶部24に記録し、さらに、在庫情報に当該在庫引当を反映させるべく、在庫データ記憶部12の在庫データを更新する。
【0036】
以下、具体例で説明する。顧客コード0300の顧客から商品コード001−Lの商品を10個受注したとする。顧客コード0300の顧客の顧客情報を検索することにより、優先属性は属性1で引当順序は昇順であることがわかる。すなわち、顧客コード0300の顧客に対する在庫引当においては形状のよい商品を優先すると設定されている。そこで、在庫情報から商品コード001−Lの商品の情報を検索しロット番号0730、0801、0802を得る。これらを属性1で昇順にソートすると、0730、0802、0801の順番になる。この順で注文数量の10個を引き当てる。結果としてロット番号0730の商品が10個引き当てられる。仮に注文数が20個であった場合、ロット番号0730の商品を10個引き当てたあと、さらにロット番号0802の商品を10個引き当てる。
【0037】
上述のように、本発明によれば、同じ商品分類に属する在庫商品に対して、商品分類に使用されない商品属性を与えて管理し、また、顧客ごとに重視する商品属性を管理することにより、顧客ごとに異なる商品属性を優先させた在庫引当を自動的に行うことができるため、顧客に応じて、より適切な在庫引当を行うことのできるシステムを提供することができる。また、このような柔軟な在庫引当が商品提供における付加価値となるため、この付加価値を商品対価の価格設定に反映させることにより、きめ細かな商品提供サービスを行うことが可能となる。
【0038】
上記実施例では、優先属性と引当順序によって顧客に適した在庫引当を行うとしたが、さらに優先属性に対して限定条件を付す構成としてもよい。こうすることにより、属性ランクがA、B、Cの3ランクである場合に、たとえば、B以内(すなわちAまたはB)あるいはB以降(すなわちBまたはC)という限定条件を付し、その範囲で引当順序による引当を行うことができる。上記実施例の属性1(形状)の例で、B以内という限定条件を付し、かつ降順という引当順序を指定したとすると、これは特に美形の商品(属性ランクA)を優先的に引き当てる必要はないが、形状のひどいもの(属性ランクC)は避ける、という指定となる。この結果、B、Aの順番でソートされ、ロット番号0802の商品から引き当てられることになる。
【0039】
上記実施例では、商品属性として、形状、糖度、入荷日を挙げたが、商品属性はこれらに限定されるものではない。たとえば、酸度、粘度、硬さ、大きさ、重さ、色、におい、含有保存料、含有着色料、含有香料、産地など、必要とする任意の属性について、何らかのグルーピングを行ってランク付けするか、何らかの形で数値化すれば、本発明を適用可能である。
【0040】
上記実施例においては、顧客を識別する顧客識別情報として顧客コードを使用しているが、これに限定するものではなく、顧客を識別できる情報であれば何を用いてもよい。たとえば顧客の名称、住所、電話番号等を用いてもよい。
【0041】
上記実施例においては、商品を識別する商品識別情報として商品コードを使用しているが、これに限定するものではなく、商品を識別できる情報であれば何を用いてもよい。たとえば商品の名称等を用いてもよい。
【0042】
上記実施例においては、属性を識別する属性識別情報として属性コードを使用しているが、これに限定するものではなく、属性を識別できる情報であれば何を用いてもよい。たとえば属性の名称、意味等を用いてもよい。
【0043】
上記実施例においては、属性値として属性ランクを使用しているが、これに限定するものではなく、属性を順序付ける情報であれば何を用いてもよい。たとえば顧客の名称、住所、電話番号等を用いてもよい。
【0044】
上記実施例にかかる在庫引当管理システムは、ハードウェアとして実施可能であるだけでなく、コンピュータのソフトウェアとしても実施可能である。例えば、図1に示した属性データ登録機能2、顧客データ登録機能6、入庫処理機能10、注文データ読出機能16、優先属性検索機能18、在庫検索機能20、在庫引当機能22をコンピュータに実行させるプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータのメモリに読み込ませて実行させれば、在庫引当管理システムを実現することができる。
【0045】
本発明の実施形態にかかる在庫引当管理システムを実現するプログラムは、図9に示すように、CD−ROMやCD−RW、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等やフレキシブルディスク等の可搬型記録媒体34だけでなく、通信回線36の先に備えられた他の記憶装置38や、コンピュータシステム32のハードディスクやRAM等の記憶装置、記録媒体40のいずれに記憶されるものであってもよく、プログラム実行時には、プログラムはローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0046】
(付記1)顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムであって、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索機能と、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索機能と、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて前記在庫商品を引き当てる在庫引当機能と、
を有することを特徴とする在庫引当管理システム。
(付記2)付記1に記載した在庫引当管理システムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当機能は、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理システム。
(付記3)付記1に記載した在庫引当管理システムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報の前記属性値に関する限定条件を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫検索機能は、前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する際に、前記商品識別情報に対応し、さらに前記限定条件をも満たす前記在庫情報を抽出する
ことを特徴とする在庫引当管理システム。
(付記4)顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムが実行する在庫引当管理方法であって、
前記在庫引当管理システムは、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
を有し、
前記在庫引当管理方法は、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて引き当てる在庫引当ステップと、
を有することを特徴とする在庫引当管理方法。
(付記5)付記4に記載した在庫引当管理方法であって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当ステップでは、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理方法。
(付記6)付記4に記載した在庫引当管理方法であって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報の前記属性値に関する限定条件を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫検索ステップでは、前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する際に、前記商品識別情報に対応し、さらに前記限定条件をも満たす前記在庫情報を抽出する
ことを特徴とする在庫引当管理方法。
(付記7)顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理方法をコンピュータに実行させる在庫引当管理プログラムであって、
前記コンピュータは、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
を有し、
前記在庫引当管理方法は、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて前記在庫商品を引き当てる在庫引当ステップと、
を有することを特徴とする在庫引当管理プログラム。
(付記8)付記7に記載した在庫引当管理プログラムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当ステップでは、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理プログラム。
(付記9)付記7に記載した在庫引当管理プログラムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報の前記属性値に関する限定条件を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫検索ステップでは、前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する際に、前記商品識別情報に対応し、さらに前記限定条件をも満たす前記在庫情報を抽出する
ことを特徴とする在庫引当管理プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例にかかる在庫引当管理システムのシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施例にかかる商品属性登録時の画面イメージを示す図
【図3】本発明の実施例にかかる属性マスタデータのデータ構成を示す図
【図4】本発明の実施例にかかる属性値マスタデータのデータ構成を示す図
【図5】本発明の実施例にかかる顧客データ登録時の画面イメージを示す図
【図6】本発明の実施例にかかる顧客マスタデータのデータ構成を示す図
【図7】本発明の実施例にかかる在庫マスタデータのデータ構成を示す図
【図8】本発明の実施例にかかる在庫引当管理システムの在庫引当処理のフローチャート
【図9】コンピュータ環境の例を示す図
【符号の説明】
【0048】
2: 属性データ登録機能
4: 属性データ記憶部
6: 顧客データ登録機能
8: 顧客データ記憶部
10: 入庫処理機能
12: 在庫データ記憶部
14: 注文データ記憶部
16: 注文データ読出機能
18: 優先属性検索機能
20: 在庫検索機能
22: 在庫引当機能
24: 出庫データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムであって、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索機能と、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索機能と、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて前記在庫商品を引き当てる在庫引当機能と、
を有することを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載した在庫引当管理システムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当機能は、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載した在庫引当管理システムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報の前記属性値に関する限定条件を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫検索機能は、前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する際に、前記商品識別情報に対応し、さらに前記限定条件をも満たす前記在庫情報を抽出する
ことを特徴とする在庫引当管理システム。
【請求項4】
顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理システムが実行する在庫引当管理方法であって、
前記在庫引当管理システムは、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
を有し、
前記在庫引当管理方法は、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて前記在庫商品を引き当てる在庫引当ステップと、
を有することを特徴とする在庫引当管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載した在庫引当管理方法であって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当ステップでは、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理方法。
【請求項6】
顧客を識別する顧客識別情報と商品を識別する商品識別情報とを含む注文情報に応じて在庫商品を引き当てる在庫引当管理方法をコンピュータに実行させる在庫引当管理プログラムであって、
前記コンピュータは、
前記在庫商品を引き当てる際に使用する情報である属性情報のうち前記顧客識別情報によって識別される顧客が優先する属性情報を識別する優先属性識別情報と前記顧客識別情報とを対応付けて記憶する顧客データ記憶部と、
前記在庫商品の前記商品識別情報と前記在庫商品の前記属性情報の値を表す属性値とを含む在庫情報を記憶する在庫データ記憶部と、
を有し、
前記在庫引当管理方法は、
前記注文情報に含まれる前記顧客識別情報に基づいて前記顧客データ記憶部から前記優先属性識別情報を抽出する優先属性検索ステップと、
前記注文情報に含まれる前記商品識別情報に対応する前記在庫情報を前記在庫データ記憶部から抽出する在庫検索ステップと、
前記抽出された前記在庫情報と、前記抽出された前記優先属性識別情報の前記属性値とに基づいて前記在庫商品を引き当てる在庫引当ステップと、
を有することを特徴とする在庫引当管理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載した在庫引当管理プログラムであって、
前記顧客データ記憶部は、さらに前記優先属性識別情報によるソート順序を規定する順序情報を前記優先属性識別情報に対応付けて記憶し、
前記在庫引当ステップでは、抽出された前記在庫情報を前記順序情報に従ってソートする
ことを特徴とする在庫引当管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−105795(P2008−105795A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289432(P2006−289432)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】