在庫状況管理方法および在庫状況管理装置
【課題】陳列棚に商品が無くなったときの該当商品の在庫状況などをお客に通知できるようにする。
【解決手段】画像解析/表示処理部14は、リアルタイムカメラ8から得られた商品の陳列棚の画像を監視していて、陳列棚に設けられた商品無マーカを検知したときに、その商品無マーカに関連付けられた該当商品を割り出し、商品無マーカが検知された陳列棚の画像の位置に在庫確認中である旨のメッセージを重ねる処理を行う。在庫状況制御部13は、通常は、リアルタイムカメラ8の画像を客向け用の第1表示装置6に表示させ、陳列棚から商品が無くなって商品無マーカが検知されたときには、在庫確認中である旨のメッセージが重ねられた画像を第1表示装置6に表示させる。この表示は、POSシステムが販売を確認するまで行われ、その後は、在庫状況に応じたメッセージが第1表示装置6に表示される。
【解決手段】画像解析/表示処理部14は、リアルタイムカメラ8から得られた商品の陳列棚の画像を監視していて、陳列棚に設けられた商品無マーカを検知したときに、その商品無マーカに関連付けられた該当商品を割り出し、商品無マーカが検知された陳列棚の画像の位置に在庫確認中である旨のメッセージを重ねる処理を行う。在庫状況制御部13は、通常は、リアルタイムカメラ8の画像を客向け用の第1表示装置6に表示させ、陳列棚から商品が無くなって商品無マーカが検知されたときには、在庫確認中である旨のメッセージが重ねられた画像を第1表示装置6に表示させる。この表示は、POSシステムが販売を確認するまで行われ、その後は、在庫状況に応じたメッセージが第1表示装置6に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は在庫状況管理方法および在庫状況管理装置に関し、特に陳列棚に陳列された商品または陳列されるべき商品の在庫情報をリアルタイムに通知して販売機会が失われないようにした在庫状況管理方法および在庫状況管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陳列棚に商品を並べて商品の販売を行っている販売形態がある。たとえばショーケースに商品を並べて陳列しておき、その売り場に立ち寄ったお客の注文を受けて商品を販売する場合である。そのショーケースの売り場に受け付け対応専門の店員が配置されている場合は、店員が商品の在庫情報を把握している場合が多いが、店員が複数の持ち場を兼務しているような場合には、陳列棚に並べた商品の数を把握していないケースが多々ある。その結果、陳列棚に商品が無くなった場合、バックヤードに在庫が有るにも拘わらず、商品が無くなった状態の陳列棚を見たお客は、売り切れたと判断し、店員に在庫の有無を確認することなく購入を断念することがある。
【0003】
このような事態を改善するために、商品残数量検知装置を陳列棚に設置し、商品残数量に変動があった場合に、それを検知して店員に商品の補充を通知するシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。これにより、店員は、常に陳列棚の監視をする必要が無くなり、通知を受けてあらかじめ商品を補充しておくことによって陳列棚から商品が無くなるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−205482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、陳列棚に商品が無くなっていた場合に、その状況を見たお客は、その時点で在庫が有るかどうかを知る術はないので、たとえ店員が補充の準備中であっても品切れと判断することによって販売機会が失われているという問題点があった。また、お客が陳列棚から商品を取って精算場所まで持っていくような販売形態においても、一旦陳列棚から取った商品を元の場所に返却する場合があり、この場合も、商品が無くなっている陳列棚を見たお客は、同様に、品切れと判断してしまうことになる。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、陳列棚に商品が無くなったときの該当商品の在庫状況などをお客に的確に通知することができる在庫状況管理方法および在庫状況管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、リアルタイムカメラが撮影した陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するよう前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカの上に置かれていた該当商品を判別し、前記商品無マーカの検知から前記該当商品が精算されるまでの間、在庫確認中である旨のメッセージを客向け用の表示装置に表示し、前記該当商品の精算後に、前記該当商品の累計在庫と前記該当商品の販売が確認された個数である確認済数とに基づいて在庫の有無を判定し、在庫の有無に応じて在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージを前記表示装置に表示する、ことを特徴とする在庫状況管理方法が提供される。
【0008】
また1つの案では、商品の陳列棚を撮影した画像がリアルタイムに送出されるリアルタイムカメラと、前記陳列棚の画像を表示する客向け用の表示装置と、前記陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するように前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカから商品を割り出し、前記商品無マーカが検知された位置にメッセージの画像を重ね合わせる処理を行う画像解析/表示処理部と、前記画像解析/表示処理部が前記商品無マーカを検知してから販売が確認されるまでの間、前記表示装置に在庫確認中である旨のメッセージを前記陳列棚の画像の該当商品の位置に重ねて表示させるような制御を行う在庫状況制御部と、を備えたことを特徴とする在庫状況管理装置が提供される。
【0009】
このような在庫状況管理方法および在庫状況管理装置によれば、陳列棚から商品が無くなった場合は、その時点で、客向け用の表示装置に、在庫確認中である旨のメッセージを表示するようにした。これにより、陳列棚に商品が無くても在庫はあるかもしれないことをお客に通知できるようになる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の在庫状況管理方法および在庫状況管理装置は、陳列棚から商品が無くなった場合に、お客に対し、陳列棚から商品が無くなったことを受けて店側が何らかの対応をしている旨を表示装置に表示するので、即座の購入断念を思い止まらせることができ、販売機会が失われることを最小限に抑えるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る在庫状況管理装置の処理機能を実現するためのシステム構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を示す機能ブロック図である。
【図3】入荷情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】販売情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】在庫情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図6】画像解析/表示処理部のテーブルの例を示す図であって、(A)はマーカ検知用情報テーブルのデータ構成例を示し、(B)は解析結果情報テーブルのデータ構成例を示している。
【図7】マーカの設置例を示す図である。
【図8】陳列棚への商品の陳列例を示す図である。
【図9】在庫状況管理装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】初期化処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】入荷個数反映処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】画像解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】在庫情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】客向けの第1表示装置の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、在庫状況管理装置を販売時点情報管理(POS)システムのPOS端末に適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態に係る在庫状況管理装置の処理機能を実現するためのシステム構成例を示す図である。
【0013】
POS端末は、中央演算処理装置1と、主記憶装置2と、複数の周辺機器が接続される入出力回路3とを備え、それぞれバス4によって相互に接続されている。POS端末は、中央演算処理装置1によってシステム全体が制御されている。主記憶装置2は、中央演算処理装置1に実行させるOS(Operating System)のプログラムや在庫状況管理装置のアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、主記憶装置2には、中央演算処理装置1による処理に必要な各種データが格納される。
【0014】
入出力回路3に接続される周辺機器としては、補助記憶装置5、第1表示装置6、第2表示装置7、リアルタイムカメラ8、通信装置9、キーボード10などがある。また、周辺機器としては、必要に応じて、アプリケーションプログラムなどのインストールに必要な光学ドライブ装置や半導体メモリ読み取り装置、ポインティングデバイスなどがある。補助記憶装置5は、ハードディスクドライブのような大容量記憶装置とすることができ、OSのプログラム、アプリケーションプログラムおよびアプリケーションプログラムの実行に必要な各種データが格納される。
【0015】
第1表示装置6は、陳列棚の近傍に設置されて、客向けの各種情報を表示させるものである。第2表示装置7は、店員向けの各種情報を表示させるものである。この第2表示装置7は、POSレジスタの表示装置と兼用することもできる。第1表示装置6および第2表示装置7は、必要に応じて複数台設置される。リアルタイムカメラ8は、陳列棚の近傍に設置されて陳列棚を撮影し、そのライブ画像をリアルタイムに送出する。通信装置9は、図示しないネットワークに接続され、そのネットワークを介して他のコンピュータシステムとの間でデータの送受信を行う。キーボード10は、文字または数字の入力などに使用される。以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を実現することができる。
【0016】
図2は本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を示す機能ブロック図である。この図2において、要素間を接続している実線の矢印はデータの流れを示し、破線の矢印は処理の流れを示している。
【0017】
補助記憶装置5は、図示はしないが、業務開始時に主記憶装置2に展開されるOS、発注システム、POSシステムおよび入荷システムのプログラムや、在庫状況管理装置の制御プログラムおよび画像処理プログラムが格納されている。補助記憶装置5は、また、業務終了時の在庫情報を保存しておく在庫情報保存データファイル11と、陳列棚に設置されるマーカの定義情報を保持するマーカ検知用情報定義データファイル12とを有している。
【0018】
主記憶装置2は、在庫状況制御部13および画像解析/表示処理部14の機能を備えており、これらのプログラムは、補助記憶装置5から転送される。主記憶装置2は、さらに、OS、発注システム、POSシステムおよび入荷システムの各機能を備えている。ここで、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15を有し、画像解析/表示処理部14は、マーカ検知用情報テーブル16および解析結果情報テーブル17を有している。POSシステムは、販売情報テーブル18を有し、入荷システムは、入荷情報テーブル19を有している。
【0019】
在庫状況制御部13の在庫情報テーブル15は、補助記憶装置5の在庫情報保存データファイル11と相互に関連されている。在庫情報テーブル15は、また、画像解析/表示処理部14の解析結果情報テーブル17、POSシステムの販売情報テーブル18および入荷システムの入荷情報テーブル19と関連されている。画像解析/表示処理部14のマーカ検知用情報テーブル16は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12と関連されている。
【0020】
リアルタイムカメラ8は、画像データを画像解析/表示処理部14に渡すよう接続されている。在庫状況制御部13は、ここで得られた在庫情報に関するメッセージをリアルタイムカメラ8から得られた画像に重ね合わせる処理を画像解析/表示処理部14に依頼するようにしている。在庫状況制御部13は、ここで得られた在庫情報に応じて、発注システムに発注依頼をすることができるようにしてある。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報に関する処理結果を第1表示装置6に第2表示装置7に表示する。
【0021】
図3は入荷情報テーブルのデータ構成例を示す図、図4は販売情報テーブルのデータ構成例を示す図、図5は在庫情報テーブルのデータ構成例を示す図、図6は画像解析/表示処理部のテーブルの例を示す図であって、(A)はマーカ検知用情報テーブルのデータ構成例を示し、(B)は解析結果情報テーブルのデータ構成例を示している。
【0022】
入荷情報テーブル19は、図3に示したように、商品名と入荷個数との対応テーブルになっており、その商品名および入荷個数は、入荷を管理する入荷システムのプログラムによって管理される。
【0023】
販売情報テーブル18、図4に示したように、商品名と販売個数との対応テーブルになっており、その販売個数は、販売を管理するPOSシステムのプログラムによって更新される。なお、販売個数は、業務開始からの累計の販売数を示している。
【0024】
在庫情報テーブル15は、図5に示したように、商品名、累計在庫、確認済数、状況および確認時刻の各フィールドを有し、在庫状況制御部13によって管理されている。在庫情報テーブル15において、累計在庫は、業務開始からの累計の在庫数を示している。確認済数は、実際に商品が販売されたことを確認したときの個数を示している。状況は、在庫の状況を示すものであって、「在庫有り」、「在庫無し」、「在庫確認中」および「補充待ち」の4つの値を取ることができる。確認時刻は、実際に商品が販売されたことを確認した時刻を示している。この在庫情報テーブル15は、業務開始時に補助記憶装置5に保存していた前営業日の在庫情報保存データファイル11から復元される。
【0025】
画像解析/表示処理部14では、陳列棚に商品が有るか無いかを、商品が置かれる位置に設けたマーカがリアルタイムカメラ8の画像から検出されるかどうかで判断しているので、そのマーカと商品との関係をテーブルで管理している。図6の(A)に示したマーカ検知用情報テーブル16は、商品の陳列位置に関係なくあらかじめ決められたマーカ種類と商品名との関係と、商品が固定された陳列位置に発生するマーカと商品名との関係とを示す対応テーブルになっている。したがって、画像解析/表示処理部14は、マーカ種類を検出するかマーカ発生位置を検出することで、該当する商品名を割り出すことができる。このマーカ検知用情報テーブル16は、業務開始時に補助記憶装置5に保存していた前営業日のマーカ検知用情報定義データファイル12から復元される。なお、本実施の形態では、マーカ種類として、陳列棚に商品が無くなったときに現れる商品無マーカと、陳列棚に商品が残り1個になったときに現れるニアエンドマーカとを使用している。
【0026】
解析結果情報テーブル17は、画像解析/表示処理部14にて画像解析した結果を商品名と関連付けて記録している。図6の(B)に示した例では、解析結果情報テーブル17は、商品名と、その商品名に対応する商品無マーカの有無を表すマーカ状態と、商品名に対応するニアエンドマーカの有無を表すニアエンドマーカのフィールドを有している。
【0027】
図7はマーカの設置例を示す図である。
商品の陳列棚20には、商品を陳列するためのトレイ21が複数個並べられており、それぞれのトレイ21の所定位置には、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が設けられている。商品無マーカ22は、商品が並べられたトレイ21から商品を順番に取るとした場合に商品が最後まで残っている位置に設けられる。ニアエンドマーカ23は、その商品無マーカ22が設けられた位置よりも、商品でたとえば1個ないし数個分離れた位置に設けられる。商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、特定の識別記号が印刷されたシールとし、それをトレイ21の所定位置に貼付される。もちろん、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、トレイ21に直接印刷されたもの、または、トレイ21に敷く敷紙に印刷したものでもよい。
【0028】
なお、図示の商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、商品の種類に関係なく同じ模様のマーカにしてある。これは、一番左端のトレイ21には「商品1」、左端から2番目のトレイ21には「商品2」という風に、商品の陳列位置が固定されている場合に用いられる。この場合、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23を含む領域がマーカ検知用情報テーブル16のマーカ発生位置に定義されており、その定義された領域内にマーカが発生したときに商品名が特定される。また、マーカの形状を画像解析することにより、商品無マーカ22であるかニアエンドマーカ23であるかが判定される。
【0029】
また、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、商品ごとに模様や色などを変えたマーカにすることができる。この場合、マーカを画像解析することにより、マーカ検知用情報テーブル16から、商品名が割り出され、そのマーカが商品無マーカ22であるかニアエンドマーカ23であるかが判定される。この方法を用いれば、例えば、ある商品が在庫無しの状態となった場合に、その空いたスペースに他の商品を陳列することが可能となるため、有効に商品を陳列し販売することができ、販売機会を増やすことが可能となる。
【0030】
図8は陳列棚への商品の陳列例を示す図である。
この陳列例では、「商品4」のトレイ21には、商品が無く、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が見えている状態になっており、「商品2」のトレイ21では、商品24が残り1個になっており、ニアエンドマーカ23が見えている状態である。その他の商品では、2個以上の商品24が陳列されており、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、両方とも見えない状態になっている。
【0031】
図9は在庫状況管理装置の全体の処理の流れを示すフローチャート、図10は初期化処理の流れを示すフローチャート、図11は入荷個数反映処理の流れを示すフローチャート、図12は画像解析処理の流れを示すフローチャート、図13は在庫情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
在庫状況管理装置は、業務開始時に初期化処理を行い(ステップS1)、在庫状況制御部13による入荷個数反映処理を行い(ステップS2)、画像解析/表示処理部14による画像解析処理を行い(ステップS3)、在庫状況制御部13による在庫情報制御処理を行う(ステップS4)。以下、各処理の詳細な処理について説明する。
【0033】
初期化処理は、図10に示したように、まず、在庫状況制御部13が補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11が有るかどうかを判定し(ステップS11)、無ければ、在庫情報テーブル15を生成する(ステップS12)。このとき、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17を初期化し、在庫情報テーブル15の「状況」の値をすべて「在庫無し」に設定する。また、在庫状況制御部13は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12をマーカ検知用情報テーブル16として取り込む。
【0034】
補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11が保存されていれば、それを在庫情報テーブル15として復元し、解析結果情報テーブル17を初期化する(ステップS13)。このとき、在庫状況制御部13は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12をマーカ検知用情報テーブル16として取り込む。
【0035】
次に、在庫状況制御部13では、業務終了かどうかが判定され(ステップS14)、業務終了ならば、在庫情報テーブル15を補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11として保存する(ステップS15)。
【0036】
入荷個数反映処理は、図11に示したように、在庫状況制御部13が入荷情報テーブル19の先頭に記録された商品の情報を取得し、在庫情報テーブル15の先頭に記録された商品の情報を取得する(ステップS21)。次に、在庫状況制御部13は、取得した商品の入荷個数を調べる(ステップS22)。ここで、入荷個数が0より大きい値であれば、在庫状況制御部13は、その入荷個数を在庫情報テーブル15の「累計在庫」の値に加算し(ステップS23)、入荷情報テーブル19の入荷個数の値をクリアする(ステップS24)。次に、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の在庫情報の「状況」が何に設定されているかを判定し(ステップS25)、「状況」が「在庫無し」なら、「状況」の値を「在庫有り」に設定する(ステップS26)。
【0037】
ステップS22にて、入荷個数が0の場合、ステップS25にて、在庫情報の「状況」が「在庫確認中」、「在庫有り」または「補充待ち」である場合、または、ステップS26にて在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫有り」に設定後は、ステップS27に進む。このステップS27では、在庫状況制御部13が入荷情報テーブル19の次の商品の情報を取得し、在庫情報テーブル15の次の商品の情報を取得する。次に、在庫状況制御部13は、次の商品の情報を取得できたかどうかを判定し(ステップS28)、取得できた場合は、ステップS22に戻る。このようにして、この入荷個数反映処理では、すべての商品について、入荷情報テーブル19の入荷個数を在庫情報テーブル15の「累計在庫」に反映する。
【0038】
画像解析処理は、図12に示したように、画像解析/表示処理部14がリアルタイムカメラ8の画像を解析し(ステップS31)、その画像から商品無マーカまたはニアエンドマーカが検知されたかどうかを判定する(ステップS32)。ここで、マーカが検知されなければ、この画像解析処理をそのまま抜け、マーカが検知された場合は、画像解析/表示処理部14が該当商品の割り出しを行う(ステップS33)。すなわち、画像解析/表示処理部14は、画像解析によって検知されたマーカを特定し、マーカ検知用情報テーブル16を使用して該当する商品名を割り出す。そして、画像解析/表示処理部14は、解析結果情報テーブル17の商品名に対応するマーカ状態またはニアエンドマーカにマーカ「有り」を設定する。
【0039】
在庫情報制御処理は、図13に示したように、在庫状況制御部13が在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17から先頭の商品の情報をそれぞれ取得する(ステップS41)。次に、在庫状況制御部13は、情報を取得した商品に対応する解析結果情報テーブル17の「マーカ状態」の情報から商品無マーカ22の有無を判定する(ステップS42)。
【0040】
商品無マーカ22が「無し」の場合、在庫状況制御部13は、解析結果情報テーブル17からその商品のニアエンドマーカ23が検知されていたかを判定する(ステップS43)。ニアエンドマーカ23が検知されていた場合、在庫状況制御部13は、たとえば第2表示装置7を通じて店員にニアエンド対応業務を指示する(ステップS44)。なお、このニアエンド対応業務の別の対応策として、販売情報テーブル18の「販売個数」と在庫情報テーブル15の「累計在庫」および「確認済数」とから在庫の有無を確認し、在庫無しである場合に、客向けの第1表示装置6に在庫限りである旨のメッセージを表示させてもよい。
【0041】
該当商品の商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が検知されない場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の該当商品に対応する「確認時刻」の値をクリアし(ステップS45)、「状況」の値を判定する(ステップS46)。ここで、在庫情報の状況が「在庫有り」の場合、この処理は、次の商品の在庫判定に進む。在庫情報の状況が「在庫確認中」または「補充待ち」の場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6にその旨の表示をしていた表示情報をクリアし(ステップS47)、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫有り」にする(ステップS48)。
【0042】
ステップS42において商品無マーカ22が「有り」の場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を判断する(ステップS49)。在庫情報の「状況」が「在庫有り」または「在庫確認中」の場合、在庫情報の状況が「補充待ち」なのか「在庫無し」なのか「在庫確認中」なのかの判断の処理に進み、「補充待ち」または「在庫無し」の場合、次の商品の在庫判定に進む。在庫情報の「状況」が「在庫有り」または「在庫確認中」の場合、在庫状況制御部13は、販売情報テーブル18の「販売個数」と在庫情報テーブル15の「確認済数」とを比較する(ステップS50)。ここで、「販売個数」が「確認済数」より大きい場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「確認時刻」の値をクリアし(ステップS51)、「販売個数」を「確認済数」へ反映する(ステップS52)。
【0043】
次に、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「累計在庫」と「確認済数」とを比較する(ステップS53)。ここで、「累計在庫」が「確認済数」よりも大きい場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6に在庫が有る旨のメッセージを表示させ(ステップS54)、店員には第2表示装置7を通じて補充業務を指示する(ステップS55)。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「補充待ち」に設定する(ステップS56)。なお、客向けの第1表示装置6に表示するメッセージは、リアルタイムカメラ8のライブ画像に重ねて表示するが、その画像処理は、在庫状況制御部13が画像解析/表示処理部14に依頼して実施される。
【0044】
ステップS53において、「累計在庫」が「確認済数」に等しい場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6に在庫が無い旨のメッセージを表示させ(ステップS57)、店員には第2表示装置7を通じて発注業務を指示する(ステップS58)。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫無し」に設定する(ステップS59)。
【0045】
ステップS50において、「販売個数」が「確認済数」に等しい場合、すなわち、該当商品が未だ精算されていない状態の場合、在庫情報テーブル15の該当商品に対応する「確認時刻」に設定が有るかどうかが判定される(ステップS60)。ここで、「確認時刻」に設定が無い場合、在庫状況制御部13は、確認時刻の設定をし(ステップS61)、客向けの第1表示装置6に在庫確認中である旨のメッセージを表示させる(ステップS62)。在庫状況制御部13は、また、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫確認中」に設定する(ステップS63)。
【0046】
ステップS60において、在庫情報テーブル15の「確認時刻」に設定があれば、在庫状況制御部13は、その確認時刻から一定時間経過したかどうかが判定される(ステップS64)。ここで、確認時刻から一定時間経過していなければ、次の商品の在庫判定に進む。もし、確認時刻から未精算の状態が一定時間経過した場合、商品24が商品無マーカ22でない位置に置かれている、商品24がトレイ21から落下してしまった、などの状況が考えられるので、第2表示装置7を通じて店員に確認業務を指示する(ステップS65)。
【0047】
該当商品の在庫情報の状況が判定されると、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17から次の商品の情報をそれぞれ取得する(ステップS66)。次に、在庫状況制御部13は、次の商品の情報を取得できたかどうかを判定し(ステップS67)、取得できた場合は、ステップS42に戻る。以上のステップS42ないしステップS67の処理を繰り返すことにより、すべての商品について在庫状況の判定が行われる。
【0048】
図14は客向けの第1表示装置の画面表示例を示す。
客向けの第1表示装置6には、リアルタイムカメラ8によって撮影されたライブ画像がリアルタイムに表示されており、トレイ21から商品が無くなった場合に、その画像に重ねて在庫状況のメッセージ25,26が表示される。図示の例では、「商品1」および「商品4」のトレイ21から商品が無くなっており、「商品2」のトレイ21には、1個の商品24が残っている場合を示している。このような場合、「商品1」および「商品4」のトレイ21のいずれにも商品が無いが、そこに表示されるメッセージ25,26の内容が相違している。
【0049】
すなわち、「商品1」については、トレイ21から最後の商品が持ち去られた直後のように、未だその商品の精算が済んでいない(販売情報テーブル18の販売個数が更新されていない)場合に、在庫確認中の旨のメッセージ25が表示される。これにより、トレイ21から商品が無くなった状態を見た客が在庫確認中の旨のメッセージ25を確認することで、店員に煩わしい在庫確認をすることなく、少なくとも在庫が無くなったのではないと認識することができる。このメッセージは、該当商品の売り切れを表しているのではないので、後で立ち寄ってみようという気持ちを抱かせたり、直接店員に在庫状況を確認したりする契機となり、店側としては、販売機会が失われることを最小限に抑えることになる。もちろん、このメッセージ25は、在庫無しが確定した段階で、在庫が無い旨のメッセージに切り替わり、在庫が有って補充待ちの状態になった段階で、在庫有りの旨のメッセージ26に切り替わる。
【0050】
「商品4」については、トレイ21から商品が無くなった場合であって、現在、補充待ちの状態にある場合に、在庫有りの旨のメッセージ26が表示される。これにより、店員に煩わしい在庫確認をしなくても、在庫が有ることを認識することができる。このメッセージ26は、商品がトレイ21に補充された段階でクリアされる。
【0051】
なお、トレイ21に商品が無く、バックヤードにもその商品の在庫が無い場合には、客向けの第1表示装置6に在庫無しの旨のメッセージが陳列棚20のライブ画像に重ねて表示されるので、店員に煩わしい在庫確認をすることなく、在庫無しを認識することができる。
【0052】
以上の処理によれば、トレイ21から商品24が無くなった場合に、「在庫が有る」、「在庫が無い」、および「在庫確認中」を表すいずれかのメッセージが表示されるので、在庫確認の利便性が改善される。
【符号の説明】
【0053】
1 中央演算処理装置
2 主記憶装置
3 入出力回路
4 バス
5 補助記憶装置
6 第1表示装置
7 第2表示装置
8 リアルタイムカメラ
9 通信装置
10 キーボード
11 在庫情報保存データファイル
12 マーカ検知用情報定義データファイル
13 在庫状況制御部
14 画像解析/表示処理部
15 在庫情報テーブル
16 マーカ検知用情報テーブル
17 解析結果情報テーブル
18 販売情報テーブル
19 入荷情報テーブル
20 陳列棚
21 トレイ
22 商品無マーカ
23 ニアエンドマーカ
24 商品
25,26 メッセージ
【技術分野】
【0001】
本発明は在庫状況管理方法および在庫状況管理装置に関し、特に陳列棚に陳列された商品または陳列されるべき商品の在庫情報をリアルタイムに通知して販売機会が失われないようにした在庫状況管理方法および在庫状況管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陳列棚に商品を並べて商品の販売を行っている販売形態がある。たとえばショーケースに商品を並べて陳列しておき、その売り場に立ち寄ったお客の注文を受けて商品を販売する場合である。そのショーケースの売り場に受け付け対応専門の店員が配置されている場合は、店員が商品の在庫情報を把握している場合が多いが、店員が複数の持ち場を兼務しているような場合には、陳列棚に並べた商品の数を把握していないケースが多々ある。その結果、陳列棚に商品が無くなった場合、バックヤードに在庫が有るにも拘わらず、商品が無くなった状態の陳列棚を見たお客は、売り切れたと判断し、店員に在庫の有無を確認することなく購入を断念することがある。
【0003】
このような事態を改善するために、商品残数量検知装置を陳列棚に設置し、商品残数量に変動があった場合に、それを検知して店員に商品の補充を通知するシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。これにより、店員は、常に陳列棚の監視をする必要が無くなり、通知を受けてあらかじめ商品を補充しておくことによって陳列棚から商品が無くなるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−205482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、陳列棚に商品が無くなっていた場合に、その状況を見たお客は、その時点で在庫が有るかどうかを知る術はないので、たとえ店員が補充の準備中であっても品切れと判断することによって販売機会が失われているという問題点があった。また、お客が陳列棚から商品を取って精算場所まで持っていくような販売形態においても、一旦陳列棚から取った商品を元の場所に返却する場合があり、この場合も、商品が無くなっている陳列棚を見たお客は、同様に、品切れと判断してしまうことになる。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、陳列棚に商品が無くなったときの該当商品の在庫状況などをお客に的確に通知することができる在庫状況管理方法および在庫状況管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、リアルタイムカメラが撮影した陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するよう前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカの上に置かれていた該当商品を判別し、前記商品無マーカの検知から前記該当商品が精算されるまでの間、在庫確認中である旨のメッセージを客向け用の表示装置に表示し、前記該当商品の精算後に、前記該当商品の累計在庫と前記該当商品の販売が確認された個数である確認済数とに基づいて在庫の有無を判定し、在庫の有無に応じて在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージを前記表示装置に表示する、ことを特徴とする在庫状況管理方法が提供される。
【0008】
また1つの案では、商品の陳列棚を撮影した画像がリアルタイムに送出されるリアルタイムカメラと、前記陳列棚の画像を表示する客向け用の表示装置と、前記陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するように前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカから商品を割り出し、前記商品無マーカが検知された位置にメッセージの画像を重ね合わせる処理を行う画像解析/表示処理部と、前記画像解析/表示処理部が前記商品無マーカを検知してから販売が確認されるまでの間、前記表示装置に在庫確認中である旨のメッセージを前記陳列棚の画像の該当商品の位置に重ねて表示させるような制御を行う在庫状況制御部と、を備えたことを特徴とする在庫状況管理装置が提供される。
【0009】
このような在庫状況管理方法および在庫状況管理装置によれば、陳列棚から商品が無くなった場合は、その時点で、客向け用の表示装置に、在庫確認中である旨のメッセージを表示するようにした。これにより、陳列棚に商品が無くても在庫はあるかもしれないことをお客に通知できるようになる。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の在庫状況管理方法および在庫状況管理装置は、陳列棚から商品が無くなった場合に、お客に対し、陳列棚から商品が無くなったことを受けて店側が何らかの対応をしている旨を表示装置に表示するので、即座の購入断念を思い止まらせることができ、販売機会が失われることを最小限に抑えるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施の形態に係る在庫状況管理装置の処理機能を実現するためのシステム構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を示す機能ブロック図である。
【図3】入荷情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図4】販売情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図5】在庫情報テーブルのデータ構成例を示す図である。
【図6】画像解析/表示処理部のテーブルの例を示す図であって、(A)はマーカ検知用情報テーブルのデータ構成例を示し、(B)は解析結果情報テーブルのデータ構成例を示している。
【図7】マーカの設置例を示す図である。
【図8】陳列棚への商品の陳列例を示す図である。
【図9】在庫状況管理装置の全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】初期化処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】入荷個数反映処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】画像解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】在庫情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】客向けの第1表示装置の画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、在庫状況管理装置を販売時点情報管理(POS)システムのPOS端末に適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態に係る在庫状況管理装置の処理機能を実現するためのシステム構成例を示す図である。
【0013】
POS端末は、中央演算処理装置1と、主記憶装置2と、複数の周辺機器が接続される入出力回路3とを備え、それぞれバス4によって相互に接続されている。POS端末は、中央演算処理装置1によってシステム全体が制御されている。主記憶装置2は、中央演算処理装置1に実行させるOS(Operating System)のプログラムや在庫状況管理装置のアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、主記憶装置2には、中央演算処理装置1による処理に必要な各種データが格納される。
【0014】
入出力回路3に接続される周辺機器としては、補助記憶装置5、第1表示装置6、第2表示装置7、リアルタイムカメラ8、通信装置9、キーボード10などがある。また、周辺機器としては、必要に応じて、アプリケーションプログラムなどのインストールに必要な光学ドライブ装置や半導体メモリ読み取り装置、ポインティングデバイスなどがある。補助記憶装置5は、ハードディスクドライブのような大容量記憶装置とすることができ、OSのプログラム、アプリケーションプログラムおよびアプリケーションプログラムの実行に必要な各種データが格納される。
【0015】
第1表示装置6は、陳列棚の近傍に設置されて、客向けの各種情報を表示させるものである。第2表示装置7は、店員向けの各種情報を表示させるものである。この第2表示装置7は、POSレジスタの表示装置と兼用することもできる。第1表示装置6および第2表示装置7は、必要に応じて複数台設置される。リアルタイムカメラ8は、陳列棚の近傍に設置されて陳列棚を撮影し、そのライブ画像をリアルタイムに送出する。通信装置9は、図示しないネットワークに接続され、そのネットワークを介して他のコンピュータシステムとの間でデータの送受信を行う。キーボード10は、文字または数字の入力などに使用される。以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を実現することができる。
【0016】
図2は本実施の形態の在庫状況管理装置の処理機能を示す機能ブロック図である。この図2において、要素間を接続している実線の矢印はデータの流れを示し、破線の矢印は処理の流れを示している。
【0017】
補助記憶装置5は、図示はしないが、業務開始時に主記憶装置2に展開されるOS、発注システム、POSシステムおよび入荷システムのプログラムや、在庫状況管理装置の制御プログラムおよび画像処理プログラムが格納されている。補助記憶装置5は、また、業務終了時の在庫情報を保存しておく在庫情報保存データファイル11と、陳列棚に設置されるマーカの定義情報を保持するマーカ検知用情報定義データファイル12とを有している。
【0018】
主記憶装置2は、在庫状況制御部13および画像解析/表示処理部14の機能を備えており、これらのプログラムは、補助記憶装置5から転送される。主記憶装置2は、さらに、OS、発注システム、POSシステムおよび入荷システムの各機能を備えている。ここで、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15を有し、画像解析/表示処理部14は、マーカ検知用情報テーブル16および解析結果情報テーブル17を有している。POSシステムは、販売情報テーブル18を有し、入荷システムは、入荷情報テーブル19を有している。
【0019】
在庫状況制御部13の在庫情報テーブル15は、補助記憶装置5の在庫情報保存データファイル11と相互に関連されている。在庫情報テーブル15は、また、画像解析/表示処理部14の解析結果情報テーブル17、POSシステムの販売情報テーブル18および入荷システムの入荷情報テーブル19と関連されている。画像解析/表示処理部14のマーカ検知用情報テーブル16は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12と関連されている。
【0020】
リアルタイムカメラ8は、画像データを画像解析/表示処理部14に渡すよう接続されている。在庫状況制御部13は、ここで得られた在庫情報に関するメッセージをリアルタイムカメラ8から得られた画像に重ね合わせる処理を画像解析/表示処理部14に依頼するようにしている。在庫状況制御部13は、ここで得られた在庫情報に応じて、発注システムに発注依頼をすることができるようにしてある。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報に関する処理結果を第1表示装置6に第2表示装置7に表示する。
【0021】
図3は入荷情報テーブルのデータ構成例を示す図、図4は販売情報テーブルのデータ構成例を示す図、図5は在庫情報テーブルのデータ構成例を示す図、図6は画像解析/表示処理部のテーブルの例を示す図であって、(A)はマーカ検知用情報テーブルのデータ構成例を示し、(B)は解析結果情報テーブルのデータ構成例を示している。
【0022】
入荷情報テーブル19は、図3に示したように、商品名と入荷個数との対応テーブルになっており、その商品名および入荷個数は、入荷を管理する入荷システムのプログラムによって管理される。
【0023】
販売情報テーブル18、図4に示したように、商品名と販売個数との対応テーブルになっており、その販売個数は、販売を管理するPOSシステムのプログラムによって更新される。なお、販売個数は、業務開始からの累計の販売数を示している。
【0024】
在庫情報テーブル15は、図5に示したように、商品名、累計在庫、確認済数、状況および確認時刻の各フィールドを有し、在庫状況制御部13によって管理されている。在庫情報テーブル15において、累計在庫は、業務開始からの累計の在庫数を示している。確認済数は、実際に商品が販売されたことを確認したときの個数を示している。状況は、在庫の状況を示すものであって、「在庫有り」、「在庫無し」、「在庫確認中」および「補充待ち」の4つの値を取ることができる。確認時刻は、実際に商品が販売されたことを確認した時刻を示している。この在庫情報テーブル15は、業務開始時に補助記憶装置5に保存していた前営業日の在庫情報保存データファイル11から復元される。
【0025】
画像解析/表示処理部14では、陳列棚に商品が有るか無いかを、商品が置かれる位置に設けたマーカがリアルタイムカメラ8の画像から検出されるかどうかで判断しているので、そのマーカと商品との関係をテーブルで管理している。図6の(A)に示したマーカ検知用情報テーブル16は、商品の陳列位置に関係なくあらかじめ決められたマーカ種類と商品名との関係と、商品が固定された陳列位置に発生するマーカと商品名との関係とを示す対応テーブルになっている。したがって、画像解析/表示処理部14は、マーカ種類を検出するかマーカ発生位置を検出することで、該当する商品名を割り出すことができる。このマーカ検知用情報テーブル16は、業務開始時に補助記憶装置5に保存していた前営業日のマーカ検知用情報定義データファイル12から復元される。なお、本実施の形態では、マーカ種類として、陳列棚に商品が無くなったときに現れる商品無マーカと、陳列棚に商品が残り1個になったときに現れるニアエンドマーカとを使用している。
【0026】
解析結果情報テーブル17は、画像解析/表示処理部14にて画像解析した結果を商品名と関連付けて記録している。図6の(B)に示した例では、解析結果情報テーブル17は、商品名と、その商品名に対応する商品無マーカの有無を表すマーカ状態と、商品名に対応するニアエンドマーカの有無を表すニアエンドマーカのフィールドを有している。
【0027】
図7はマーカの設置例を示す図である。
商品の陳列棚20には、商品を陳列するためのトレイ21が複数個並べられており、それぞれのトレイ21の所定位置には、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が設けられている。商品無マーカ22は、商品が並べられたトレイ21から商品を順番に取るとした場合に商品が最後まで残っている位置に設けられる。ニアエンドマーカ23は、その商品無マーカ22が設けられた位置よりも、商品でたとえば1個ないし数個分離れた位置に設けられる。商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、特定の識別記号が印刷されたシールとし、それをトレイ21の所定位置に貼付される。もちろん、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、トレイ21に直接印刷されたもの、または、トレイ21に敷く敷紙に印刷したものでもよい。
【0028】
なお、図示の商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、商品の種類に関係なく同じ模様のマーカにしてある。これは、一番左端のトレイ21には「商品1」、左端から2番目のトレイ21には「商品2」という風に、商品の陳列位置が固定されている場合に用いられる。この場合、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23を含む領域がマーカ検知用情報テーブル16のマーカ発生位置に定義されており、その定義された領域内にマーカが発生したときに商品名が特定される。また、マーカの形状を画像解析することにより、商品無マーカ22であるかニアエンドマーカ23であるかが判定される。
【0029】
また、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、商品ごとに模様や色などを変えたマーカにすることができる。この場合、マーカを画像解析することにより、マーカ検知用情報テーブル16から、商品名が割り出され、そのマーカが商品無マーカ22であるかニアエンドマーカ23であるかが判定される。この方法を用いれば、例えば、ある商品が在庫無しの状態となった場合に、その空いたスペースに他の商品を陳列することが可能となるため、有効に商品を陳列し販売することができ、販売機会を増やすことが可能となる。
【0030】
図8は陳列棚への商品の陳列例を示す図である。
この陳列例では、「商品4」のトレイ21には、商品が無く、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が見えている状態になっており、「商品2」のトレイ21では、商品24が残り1個になっており、ニアエンドマーカ23が見えている状態である。その他の商品では、2個以上の商品24が陳列されており、商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23は、両方とも見えない状態になっている。
【0031】
図9は在庫状況管理装置の全体の処理の流れを示すフローチャート、図10は初期化処理の流れを示すフローチャート、図11は入荷個数反映処理の流れを示すフローチャート、図12は画像解析処理の流れを示すフローチャート、図13は在庫情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
在庫状況管理装置は、業務開始時に初期化処理を行い(ステップS1)、在庫状況制御部13による入荷個数反映処理を行い(ステップS2)、画像解析/表示処理部14による画像解析処理を行い(ステップS3)、在庫状況制御部13による在庫情報制御処理を行う(ステップS4)。以下、各処理の詳細な処理について説明する。
【0033】
初期化処理は、図10に示したように、まず、在庫状況制御部13が補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11が有るかどうかを判定し(ステップS11)、無ければ、在庫情報テーブル15を生成する(ステップS12)。このとき、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17を初期化し、在庫情報テーブル15の「状況」の値をすべて「在庫無し」に設定する。また、在庫状況制御部13は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12をマーカ検知用情報テーブル16として取り込む。
【0034】
補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11が保存されていれば、それを在庫情報テーブル15として復元し、解析結果情報テーブル17を初期化する(ステップS13)。このとき、在庫状況制御部13は、補助記憶装置5のマーカ検知用情報定義データファイル12をマーカ検知用情報テーブル16として取り込む。
【0035】
次に、在庫状況制御部13では、業務終了かどうかが判定され(ステップS14)、業務終了ならば、在庫情報テーブル15を補助記憶装置5に在庫情報保存データファイル11として保存する(ステップS15)。
【0036】
入荷個数反映処理は、図11に示したように、在庫状況制御部13が入荷情報テーブル19の先頭に記録された商品の情報を取得し、在庫情報テーブル15の先頭に記録された商品の情報を取得する(ステップS21)。次に、在庫状況制御部13は、取得した商品の入荷個数を調べる(ステップS22)。ここで、入荷個数が0より大きい値であれば、在庫状況制御部13は、その入荷個数を在庫情報テーブル15の「累計在庫」の値に加算し(ステップS23)、入荷情報テーブル19の入荷個数の値をクリアする(ステップS24)。次に、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の在庫情報の「状況」が何に設定されているかを判定し(ステップS25)、「状況」が「在庫無し」なら、「状況」の値を「在庫有り」に設定する(ステップS26)。
【0037】
ステップS22にて、入荷個数が0の場合、ステップS25にて、在庫情報の「状況」が「在庫確認中」、「在庫有り」または「補充待ち」である場合、または、ステップS26にて在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫有り」に設定後は、ステップS27に進む。このステップS27では、在庫状況制御部13が入荷情報テーブル19の次の商品の情報を取得し、在庫情報テーブル15の次の商品の情報を取得する。次に、在庫状況制御部13は、次の商品の情報を取得できたかどうかを判定し(ステップS28)、取得できた場合は、ステップS22に戻る。このようにして、この入荷個数反映処理では、すべての商品について、入荷情報テーブル19の入荷個数を在庫情報テーブル15の「累計在庫」に反映する。
【0038】
画像解析処理は、図12に示したように、画像解析/表示処理部14がリアルタイムカメラ8の画像を解析し(ステップS31)、その画像から商品無マーカまたはニアエンドマーカが検知されたかどうかを判定する(ステップS32)。ここで、マーカが検知されなければ、この画像解析処理をそのまま抜け、マーカが検知された場合は、画像解析/表示処理部14が該当商品の割り出しを行う(ステップS33)。すなわち、画像解析/表示処理部14は、画像解析によって検知されたマーカを特定し、マーカ検知用情報テーブル16を使用して該当する商品名を割り出す。そして、画像解析/表示処理部14は、解析結果情報テーブル17の商品名に対応するマーカ状態またはニアエンドマーカにマーカ「有り」を設定する。
【0039】
在庫情報制御処理は、図13に示したように、在庫状況制御部13が在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17から先頭の商品の情報をそれぞれ取得する(ステップS41)。次に、在庫状況制御部13は、情報を取得した商品に対応する解析結果情報テーブル17の「マーカ状態」の情報から商品無マーカ22の有無を判定する(ステップS42)。
【0040】
商品無マーカ22が「無し」の場合、在庫状況制御部13は、解析結果情報テーブル17からその商品のニアエンドマーカ23が検知されていたかを判定する(ステップS43)。ニアエンドマーカ23が検知されていた場合、在庫状況制御部13は、たとえば第2表示装置7を通じて店員にニアエンド対応業務を指示する(ステップS44)。なお、このニアエンド対応業務の別の対応策として、販売情報テーブル18の「販売個数」と在庫情報テーブル15の「累計在庫」および「確認済数」とから在庫の有無を確認し、在庫無しである場合に、客向けの第1表示装置6に在庫限りである旨のメッセージを表示させてもよい。
【0041】
該当商品の商品無マーカ22およびニアエンドマーカ23が検知されない場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の該当商品に対応する「確認時刻」の値をクリアし(ステップS45)、「状況」の値を判定する(ステップS46)。ここで、在庫情報の状況が「在庫有り」の場合、この処理は、次の商品の在庫判定に進む。在庫情報の状況が「在庫確認中」または「補充待ち」の場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6にその旨の表示をしていた表示情報をクリアし(ステップS47)、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫有り」にする(ステップS48)。
【0042】
ステップS42において商品無マーカ22が「有り」の場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を判断する(ステップS49)。在庫情報の「状況」が「在庫有り」または「在庫確認中」の場合、在庫情報の状況が「補充待ち」なのか「在庫無し」なのか「在庫確認中」なのかの判断の処理に進み、「補充待ち」または「在庫無し」の場合、次の商品の在庫判定に進む。在庫情報の「状況」が「在庫有り」または「在庫確認中」の場合、在庫状況制御部13は、販売情報テーブル18の「販売個数」と在庫情報テーブル15の「確認済数」とを比較する(ステップS50)。ここで、「販売個数」が「確認済数」より大きい場合、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「確認時刻」の値をクリアし(ステップS51)、「販売個数」を「確認済数」へ反映する(ステップS52)。
【0043】
次に、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「累計在庫」と「確認済数」とを比較する(ステップS53)。ここで、「累計在庫」が「確認済数」よりも大きい場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6に在庫が有る旨のメッセージを表示させ(ステップS54)、店員には第2表示装置7を通じて補充業務を指示する(ステップS55)。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「補充待ち」に設定する(ステップS56)。なお、客向けの第1表示装置6に表示するメッセージは、リアルタイムカメラ8のライブ画像に重ねて表示するが、その画像処理は、在庫状況制御部13が画像解析/表示処理部14に依頼して実施される。
【0044】
ステップS53において、「累計在庫」が「確認済数」に等しい場合、在庫状況制御部13は、客向けの第1表示装置6に在庫が無い旨のメッセージを表示させ(ステップS57)、店員には第2表示装置7を通じて発注業務を指示する(ステップS58)。そして、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫無し」に設定する(ステップS59)。
【0045】
ステップS50において、「販売個数」が「確認済数」に等しい場合、すなわち、該当商品が未だ精算されていない状態の場合、在庫情報テーブル15の該当商品に対応する「確認時刻」に設定が有るかどうかが判定される(ステップS60)。ここで、「確認時刻」に設定が無い場合、在庫状況制御部13は、確認時刻の設定をし(ステップS61)、客向けの第1表示装置6に在庫確認中である旨のメッセージを表示させる(ステップS62)。在庫状況制御部13は、また、在庫情報テーブル15の「状況」の値を「在庫確認中」に設定する(ステップS63)。
【0046】
ステップS60において、在庫情報テーブル15の「確認時刻」に設定があれば、在庫状況制御部13は、その確認時刻から一定時間経過したかどうかが判定される(ステップS64)。ここで、確認時刻から一定時間経過していなければ、次の商品の在庫判定に進む。もし、確認時刻から未精算の状態が一定時間経過した場合、商品24が商品無マーカ22でない位置に置かれている、商品24がトレイ21から落下してしまった、などの状況が考えられるので、第2表示装置7を通じて店員に確認業務を指示する(ステップS65)。
【0047】
該当商品の在庫情報の状況が判定されると、在庫状況制御部13は、在庫情報テーブル15および解析結果情報テーブル17から次の商品の情報をそれぞれ取得する(ステップS66)。次に、在庫状況制御部13は、次の商品の情報を取得できたかどうかを判定し(ステップS67)、取得できた場合は、ステップS42に戻る。以上のステップS42ないしステップS67の処理を繰り返すことにより、すべての商品について在庫状況の判定が行われる。
【0048】
図14は客向けの第1表示装置の画面表示例を示す。
客向けの第1表示装置6には、リアルタイムカメラ8によって撮影されたライブ画像がリアルタイムに表示されており、トレイ21から商品が無くなった場合に、その画像に重ねて在庫状況のメッセージ25,26が表示される。図示の例では、「商品1」および「商品4」のトレイ21から商品が無くなっており、「商品2」のトレイ21には、1個の商品24が残っている場合を示している。このような場合、「商品1」および「商品4」のトレイ21のいずれにも商品が無いが、そこに表示されるメッセージ25,26の内容が相違している。
【0049】
すなわち、「商品1」については、トレイ21から最後の商品が持ち去られた直後のように、未だその商品の精算が済んでいない(販売情報テーブル18の販売個数が更新されていない)場合に、在庫確認中の旨のメッセージ25が表示される。これにより、トレイ21から商品が無くなった状態を見た客が在庫確認中の旨のメッセージ25を確認することで、店員に煩わしい在庫確認をすることなく、少なくとも在庫が無くなったのではないと認識することができる。このメッセージは、該当商品の売り切れを表しているのではないので、後で立ち寄ってみようという気持ちを抱かせたり、直接店員に在庫状況を確認したりする契機となり、店側としては、販売機会が失われることを最小限に抑えることになる。もちろん、このメッセージ25は、在庫無しが確定した段階で、在庫が無い旨のメッセージに切り替わり、在庫が有って補充待ちの状態になった段階で、在庫有りの旨のメッセージ26に切り替わる。
【0050】
「商品4」については、トレイ21から商品が無くなった場合であって、現在、補充待ちの状態にある場合に、在庫有りの旨のメッセージ26が表示される。これにより、店員に煩わしい在庫確認をしなくても、在庫が有ることを認識することができる。このメッセージ26は、商品がトレイ21に補充された段階でクリアされる。
【0051】
なお、トレイ21に商品が無く、バックヤードにもその商品の在庫が無い場合には、客向けの第1表示装置6に在庫無しの旨のメッセージが陳列棚20のライブ画像に重ねて表示されるので、店員に煩わしい在庫確認をすることなく、在庫無しを認識することができる。
【0052】
以上の処理によれば、トレイ21から商品24が無くなった場合に、「在庫が有る」、「在庫が無い」、および「在庫確認中」を表すいずれかのメッセージが表示されるので、在庫確認の利便性が改善される。
【符号の説明】
【0053】
1 中央演算処理装置
2 主記憶装置
3 入出力回路
4 バス
5 補助記憶装置
6 第1表示装置
7 第2表示装置
8 リアルタイムカメラ
9 通信装置
10 キーボード
11 在庫情報保存データファイル
12 マーカ検知用情報定義データファイル
13 在庫状況制御部
14 画像解析/表示処理部
15 在庫情報テーブル
16 マーカ検知用情報テーブル
17 解析結果情報テーブル
18 販売情報テーブル
19 入荷情報テーブル
20 陳列棚
21 トレイ
22 商品無マーカ
23 ニアエンドマーカ
24 商品
25,26 メッセージ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムカメラが撮影した陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するよう前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、
検知された前記商品無マーカの上に置かれていた該当商品を判別し、
前記商品無マーカの検知から前記該当商品が精算されるまでの間、在庫確認中である旨のメッセージを客向け用の表示装置に表示し、
前記該当商品の精算後に、前記該当商品の累計在庫と前記該当商品の販売が確認された個数である確認済数とに基づいて在庫の有無を判定し、
在庫の有無に応じて在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージを前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする在庫状況管理方法。
【請求項2】
販売時点情報管理システムと連携して前記販売時点情報管理システムが管理している商品の販売情報から業務開始からの累積の販売数である販売個数を取得し、前記商品無マーカの検知時に前記販売個数を確認した確認済数と前記販売個数とを比較して、前記販売個数が増えたときに前記該当商品が精算されたと判定することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項3】
前記表示装置には、前記陳列棚の画像を表示し、前記商品無マーカの検知後は、前記該当商品が表示されていた位置に、在庫確認中である旨のメッセージ、在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージの画像を重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項4】
前記商品無マーカの検知時に確認時刻を設定し、前記該当商品が精算されたときに前記確認時刻をクリアし、前記該当商品が精算されないまま前記確認時刻から一定時間が経過したときには、前記該当商品の確認指示を店員向け表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項5】
前記リアルタイムカメラが撮影した前記陳列棚の画像を解析して前記商品無マーカに隣接して前記陳列棚にあらかじめ設けられたニアエンドマーカを検知し、検知された前記ニアエンドマーカの上に置かれていた前記該当商品を判別し、前記商品無マーカの検知までの間、ニアエンド対応業務の指示を店員向け表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項6】
前記表示装置に在庫が有る旨のメッセージを表示しているとき、店員向け表示装置に前記該当商品の補充を指示するメッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項7】
前記表示装置に在庫が無い旨のメッセージを表示しているとき、店員向け表示装置に前記該当商品の発注を指示するメッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項8】
商品の陳列棚を撮影した画像がリアルタイムに送出されるリアルタイムカメラと、
前記陳列棚の画像を表示する客向け用の表示装置と、
前記陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するように前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカから商品を割り出し、前記商品無マーカが検知された位置にメッセージの画像を重ね合わせる処理を行う画像解析/表示処理部と、
前記画像解析/表示処理部が前記商品無マーカを検知してから販売が確認されるまでの間、前記表示装置に在庫確認中である旨のメッセージを前記陳列棚の画像の該当商品の位置に重ねて表示させるような制御を行う在庫状況制御部と、
を備えたことを特徴とする在庫状況管理装置。
【請求項1】
リアルタイムカメラが撮影した陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するよう前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、
検知された前記商品無マーカの上に置かれていた該当商品を判別し、
前記商品無マーカの検知から前記該当商品が精算されるまでの間、在庫確認中である旨のメッセージを客向け用の表示装置に表示し、
前記該当商品の精算後に、前記該当商品の累計在庫と前記該当商品の販売が確認された個数である確認済数とに基づいて在庫の有無を判定し、
在庫の有無に応じて在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージを前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする在庫状況管理方法。
【請求項2】
販売時点情報管理システムと連携して前記販売時点情報管理システムが管理している商品の販売情報から業務開始からの累積の販売数である販売個数を取得し、前記商品無マーカの検知時に前記販売個数を確認した確認済数と前記販売個数とを比較して、前記販売個数が増えたときに前記該当商品が精算されたと判定することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項3】
前記表示装置には、前記陳列棚の画像を表示し、前記商品無マーカの検知後は、前記該当商品が表示されていた位置に、在庫確認中である旨のメッセージ、在庫が有る旨のメッセージまたは在庫が無い旨のメッセージの画像を重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項4】
前記商品無マーカの検知時に確認時刻を設定し、前記該当商品が精算されたときに前記確認時刻をクリアし、前記該当商品が精算されないまま前記確認時刻から一定時間が経過したときには、前記該当商品の確認指示を店員向け表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項5】
前記リアルタイムカメラが撮影した前記陳列棚の画像を解析して前記商品無マーカに隣接して前記陳列棚にあらかじめ設けられたニアエンドマーカを検知し、検知された前記ニアエンドマーカの上に置かれていた前記該当商品を判別し、前記商品無マーカの検知までの間、ニアエンド対応業務の指示を店員向け表示装置に表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項6】
前記表示装置に在庫が有る旨のメッセージを表示しているとき、店員向け表示装置に前記該当商品の補充を指示するメッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項7】
前記表示装置に在庫が無い旨のメッセージを表示しているとき、店員向け表示装置に前記該当商品の発注を指示するメッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の在庫状況管理方法。
【請求項8】
商品の陳列棚を撮影した画像がリアルタイムに送出されるリアルタイムカメラと、
前記陳列棚の画像を表示する客向け用の表示装置と、
前記陳列棚の画像を解析して、該陳列棚に陳列された商品がすべて取り除かれたときに出現するように前記陳列棚にあらかじめ設けられた商品無マーカを検知し、検知された前記商品無マーカから商品を割り出し、前記商品無マーカが検知された位置にメッセージの画像を重ね合わせる処理を行う画像解析/表示処理部と、
前記画像解析/表示処理部が前記商品無マーカを検知してから販売が確認されるまでの間、前記表示装置に在庫確認中である旨のメッセージを前記陳列棚の画像の該当商品の位置に重ねて表示させるような制御を行う在庫状況制御部と、
を備えたことを特徴とする在庫状況管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−174154(P2012−174154A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37870(P2011−37870)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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