説明

在庫管理システム

【課題】原材料用のオンサイト貯蔵コンテナは、様々な場所に設置されることがあり、コンテナ内の材料の量を測って追加の材料を貯蔵コンテナに出荷すべきかどうかを決定するには、人がその貯蔵コンテナまで移動しなくてはならない。人が実際にそれぞれの場所に行って、貯蔵コンテナの棚卸しをする必要がなく、遠隔地の貯蔵コンテナについての正確で最新の在庫管理システムを提供する。
【解決手段】遠隔地の貯蔵コンテナ内のコンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加材料の在庫管理の方法が提供される。レベル指示器によって、貯蔵コンテナが棚卸しされる。貯蔵コンテナ内の材料のレベルまたは量が測定されて、無線システムを介してデータベースに伝送される。データベースに照会することによって、貯蔵コンテナに材料を出荷する必要があるかどうかを判定することができる。必要であれば、注文が作成されて、材料が貯蔵コンテナに出荷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
原材料用のオンサイト貯蔵コンテナは、様々な場所に設置されることがある。現在では、コンテナ内の材料の量を測って追加の材料を貯蔵コンテナに出荷すべきかどうかを決定するには、人がその貯蔵コンテナまで移動しなくてはならない。これは、特に貯蔵コンテナが広い地理的範囲に分散している場合には、労働および時間を要する作業であった。
【背景技術】
【0002】
コンクリート混和材および添加材業界においては、これは特に労働と時間を要する業務である。一般に、コンクリート混和材および添加材業界においては、複数の貯蔵コンテナを混和材および添加剤材料の供給業者からリースしている。代表的な混和材としては、とりわけ、AE剤(空気連行剤air-entraining agent)、AD剤(空気吐き出し剤air detraining agent)、凝結促進剤、凝結抑制剤、発泡剤、腐食防止剤、セメント分散剤または減水剤などがある。所望の強度と凝結時間を達成するために、季節または天候による温度変動に応じて、異なる量の異なる種類の混和材が、セメント配合物に添加される。その結果として、所定の混和材に対して、季節または天候の変化に基づく高需要の時期と低需要の時期とがある。例えば、夏季のような温暖な天候では、混合物を配置するまで混合物が凝結するのを防止するために、抑制剤がセメント混合物に添加される。冬期においては、混合物をより速く凝結させるために、促進剤が使用される。
【0003】
一般的には、セールスマンが、自分のテリトリー内の顧客に商談の電話をかけながら、貯蔵コンテナの棚卸しをすることになる。これによって、セールスマンが顧客に対応する時間が低減される。さらに、セールスマンは、貯蔵コンテナからの材料の消費が多い時期においては、繰り返し顧客を訪問することも必要となる。
一旦、貯蔵コンテナが棚卸しされると、貯蔵コンテナの現在量と、貯蔵コンテナが通常の再注文レベルであるか、または限界在庫レベルであるかとに基づいて、その貯蔵コンテナに材料を送付するように、配送施設に注文が出される。通常の再注文レベルとは、使用実績および入手のし易さ、ならびに通常の予測使用に対する供給を維持するための配送時間に基づいて必要とされる量である。限界在庫レベルとは、異常な需要または通常の予測使用を超えて供給を欠乏させたその他の事象に基づくものであり、供給を維持するために交換しなくてはならないレベルである。これは、人がその場所にいる間に、貯蔵コンテナの棚卸しがされるために、生じることである。その人は、数日間、その場所に戻る予定がないこともある。注文は、貯蔵コンテナ内の現在レベルと材料の予測使用量に基づいて出すことができる。
【0004】
まれには、注文が出されてから、また材料が貯蔵コンテナに到着するときに、その材料に対する要求は、予測使用量と違っている可能性がある。これは、注文された材料の全量を荷下しするのに十分なスペースが貯蔵コンテナ内にないことを意味することもある。荷下ろしされなかった量の材料は、一般に製造業者に返還される。可能な場合には、その材料の少量部分を、まだ利用可能なスペースのある別の場所にある貯蔵コンテナに出荷してもよい。しかしながら、これはその他の貯蔵コンテナの状態をチェックし、これらの他の貯蔵コンテナが材料を収容できるかどうか、また顧客がその配送を許可するかどうかを決めることは、人にとって時間のかかる作業である。
【0005】
材料を製造業者、または別の貯蔵コンテナに返還するには、追加の輸送費用がかかる。また、実際に受け取る材料の量を反映して、顧客への請求書に記す量を変更する必要がある。一般に、貯蔵コンテナに実際に配送される量に関する情報が、その後に顧客に送付する請求書を準備する、会計部門に連絡されるまで、数日を要することがある。配送された量についての情報は、輸送車両から得て、出荷者のターミナルに戻される。次いで、出荷者がその情報を会計部門に送り、請求書が準備される。
【0006】
貯蔵コンテナに配送された材料の量に関する情報を得て、その情報を顧客に送る請求書に変換する時間が遅れることは、運用資金(working capital)が増加することを意味する。原材料や労働のような資源は、製造材料として処理される。材料に対して支払いをする時間が長くなることは、これらのコストを負担するためにより多くの運用資金を必要とすることを意味する。好ましくは、製造業者は、材料の製造に対して即時に支払いを受けることを望むであろう。また、初期に大量の材料を貯蔵コンテナに送った結果として生ずる返還材料、またはルート変更された材料に対する潜在的な追加の輸送費用によって、利益が減少するとともに、例えば、その注文を受けるために製造生産スケジュールにおける順番を変えてその材料を製造しなければならない場合には、生産が混乱する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
必要となるものは、人が実際にそれぞれの場所に行って、貯蔵コンテナの棚卸しをする必要がなく、遠隔地の貯蔵コンテナについての正確で最新の在庫情報を提供することのできるシステムである。
したがって、コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加剤用の在庫管理システムであって、遠隔地貯蔵コンテナの最新在庫を提供することができて、任意選択で製造システム、配送システムおよび受領勘定(accounts receivable)システムとの統合化が可能なシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、貯蔵コンテナ内の混和材または添加剤の量を計測し、次いで追加の材料を、その貯蔵コンテナ内の量に基づいて、その貯蔵コンテナに供給する方法を目的とする。より具体的には、一実施態様において、本発明は、貯蔵コンテナ内の材料の量を計測するステップと、その量を表わすデータを無線システムを介して受信機に送信するステップと、そのデータおよび材料の需要に対して設定されたルールに基づいて供給すべき追加材料の量を決定するステップとを含む。
【0009】
本発明は、コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加材の在庫を遠隔操作で管理する方法であって、
a.遠隔現場における第1の少なくとも1つの材料貯蔵コンテナの材料を棚卸しして、存在する材料量を提供するステップであって、
1)第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内の材料レベルを、電子式レベル指示器を用いて計測してコンテナレベルを表わす信号を提供し、
2)前記電子式レベル指示器からのコンテナレベルを表わす信号を第1のプロセッサに伝送することを含み、前記計測が所定時間およびオンデマンドの内の1つで実施される前記ステップと、ステップbまたはステップcのいずれかを実行するステップ、すなわち
b.1)前記コンテナレベルを表わす信号を処理し、前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を決定し、
2)前記第1のプロセッサからの前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を表わすデータを、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して第2のプロセッサに伝送するステップ、または
c.1)前記第1のプロセッサからの前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内のコンテナレベルを表わす信号を、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して第2のプロセッサに伝送し、
2)前記コンテナレベルを表わす信号を処理して、前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を決定するステップを実行する前記ステップと、
d.存在する材料量、所定の再注文レベル、および所定の限界レベルを表わすデータを、第2のプロセッサに関連するデータベースに記憶するステップとを含む、前記方法を提供する。
【0010】
一実施態様においては、本方法は、データベースに照会して、存在する材料量に基づいて、第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷する必要があるかどうかを決定するステップをさらに含む。一実施態様においては、本方法は、第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷するための注文を作成するステップと、材料を出荷する注文を自動的または認定後に伝送するステップとをさらに含む。一実施態様においては、存在する材料量が、所定の再注文レベルおよび所定の限界レベルの1つよりも低い場合に、材料を出荷する注文が作成される。
本発明の一実施態様においては、第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内のコンテナレベルを表す信号を、存在する材料量に変換処理するステップは、コンテナレベルと存在する材料を関係づけるルックアップテーブルを参照することと、コンテナレベルおよびコンテナ寸法に基づくアルゴリズムから存在する材料量を計算することのいずれかを含む。
【0011】
本発明は、在庫を監査しかつ追加材料の注文を出すために、人が反復して貯蔵コンテナの所在地を訪問する必要がなく、遠隔貯蔵コンテナ内のコンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加剤の在庫を管理する方法を提供する。
【0012】
混和材および添加剤の中には、生のコンクリート、モルタルおよびグラウトの流体特性を改良するために使用されるものがあり、また一方で硬化したコンクリート、モルタルおよびグラウトを改良するのに使用されるものがある。本発明の方法を用いて、棚卸しおよび監視を行うことのできる様々な混和材および添加剤としては、それに限定はされないが、次のような目的のコンクリート、モルタルまたはグラウトに使用可能な材料がある。それは、(1)水含有量を増加させることなく作業を向上させるか、または同じ作業性で水含有量を低減すること、(2)初期硬化の時間を遅延または加速すること、(3)仕上がり材料の沈下(settlement)を低減または防止するか、あるいはそれをわずかに膨張させること、(4)浸み出し(bleeding)の速度または容量を改良すること、(5)構成含有成分の偏析を低減すること、(6)浸透性およびポンピング容易性を改善すること、(7)スランプ損失率(rate of slump loss)を低減すること、(8)初期硬化時の発熱を抑制または低減すること、(9)初期段階での強度増加速度を加速すること、(10)仕上がり材料の強度(圧縮、引張り、または曲げ)を増大させること、(12)材料内部での水の毛細管流動を低減すること、(13)材料の液体に対する透過性を低減すること、(14)アルカリとある種の骨材成分の反応に起因する膨張を制御すること、(15)セルラーコンクリートを製造すること、(16)コンクリートの鉄筋要素への接着を強化すること、(17)新旧のコンクリートの接着を強化すること、(18)仕上がり材料の衝撃抵抗および磨耗抵抗を向上させること、(19)埋め込み金属の腐食を防止すること、(20)着色コンクリートまたはモルタルを製造すること、および(21)天然または人工繊維を導入してコンクリートを強化することなどである。
【0013】
本発明の方法を適用可能な混和材および添加剤としては、それに限定はされないが、以下に指定された等級および種類の混和材がある。すなわち、ASTM標準規格として、ASTM C 494:「コンクリート用混和材、すなわち減水混和材、抑制混和材、促進混和材、およびそれらの複合物(Chemical Admixtures for Concrete, namely water reducing admixtures, retarding admixtures, accelerating admixtures, and their combinations)」、ASTM C 260:「コンクリート用空気連行混和材(Air Entraining Admixtures for Concrete)」、ASTM C 796 and 869:「発泡剤(Foaming Agents)」、ASTM G 109:「腐食用化学混和材(Chemical Admixtures for Corrosion)」、ASTM C 979:「一体着色コンクリート用顔料(Pigments for Integrally Colored Concrete)」、ASTM C 618:「コンクリート添加ミネラル混和材用のコールフライアッシュおよび焼成天然ポゾラン(Coal Fly Ash and Raw or Calcined Natural Pozzolan for Use as a Mineral Admixture in Concrete)」、ASTM C 989:「コンクリートおよびモルタル添加用磨砕粒状化溶鉱炉スラグ(Ground Granulated Blast Furnace Slag for Use in Concrete and Mortars)」、およびASTM C 1240:「コンクリート、モルタルおよびグラウト添加ミネラル混和材として使用するシリカヒューム(Silica Fume for Use as a Mineral Admixture in Concrete, Mortar and Grout)」である。
【0014】
遠隔在庫管理に本発明の方法を適用可能な、コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加剤は、以下に記載する機能によって分類される。これらの液体および固体材料は、その化学特性および/または機能によって業界において周知である。
促進剤は、コンクリートの凝結と初期強度発達を加速するために使用される。
【0015】
抑制、または遅延凝結混和材は、コンクリートの凝結を抑制、遅延または速度低下させるために使用される。抑制剤は、高温の天候がコンクリートの凝結に与える影響を補償したり、あるいは配置上の困難な状況が発生したときに、コンクリートまたはグラウトの初期凝結を遅延させるか、または特別な仕上げ工程のための時間を与えるのに使用される。抑制剤には、減水剤として作用するものや、コンクリート中に空気を連行するのに使用できるものもある。
凍結防止混和材は、コンクリート中の水分の凝固点を低下させることが可能であり、セメントの凝結や硬化に対して弱い促進剤または抑制剤であることもある。
AD剤は、コンクリート混合物内に含まれる空気を減少させるのに使用される。
【0016】
AE混和材は、意図的に微細な気泡をコンクリートに連行する(閉じ込める)のに使用される。空気連行は、凍結と解凍のサイクル中に湿気に晒されるコンクリートの耐久性を劇的に向上させる。さらに、連行された空気は、化学防氷剤に起因する表面割れに対する抵抗を大幅に向上させる。空気連行はまた、生コンクリートの作業性を改善すると同時に偏析および浸み出しを防止または低減する。
アルカリ反応抑制剤(alkali-reactivity reducer)は、アルカリ骨材膨張を低減させることができる。
抗ウォッシュアウト混和材は、セメントの損失がほとんど無く、水への限定された暴露を可能にするのに十分な粘着力をコンクリートに与える、粘着力誘起材料である。
接着混和材は、通常、新旧のコンクリート間の接着強度を増大させるためにポルトランドセメント混合物に添加される。
【0017】
減水混和材は、あるスランプのコンクリートを製造するために必要な混和水を低減するために使用されて、水とセメントの比を低減するか、またはスランプを増大させる。
超可塑剤(superplasticizer)は、広範囲減水剤または減水混和材である。これらは、高スランプ流動性コンクリートを形成し、これによって水/セメント比を低減する目的でコンクリートに添加される。これらの混和材は、過度な凝結遅延やモルタルまたはコンクリート中への空気の連行を生ずることなく、大幅な減水または高度な流動性をもたらす。
【0018】
天然および人工混和材は、美観または安全上の理由でコンクリートに着色するために使用される。これらの着色混和材は、顔料、水和反応または水和相の形態にさらに影響を与える多成分混和材、およびモルタル着色補助剤で構成することができる。
コンクリート中の腐食防止剤は、埋設鉄筋が強いアルカリ性によって腐食されるのを防止する働きをする。コンクリートの強いアルカリ性によって、鋼上に受動性、かつ非腐食性保護酸化膜が形成される。しかし、炭酸化作用または除氷装置もしくは海水からの塩素イオンの存在によって、この膜が破壊、または貫入されて腐食が起こる可能性がある。腐食防止混和材はこの腐食反応を化学的に停止させる。
【0019】
防湿および防水混和材は、セメント含有が低いか、または水/セメント比が高いか、または骨材中の微粉が不足するコンクリートの透水性を低減する。これらの混和材は、乾燥コンクリート中への湿分浸透を遅延させる。
凝集混和材(flocculating admixture)は、セメント混合物中の(水の)浸み出しを低減する。
AE混和材、促進剤、抑制剤、非収縮作業性向上剤などのグラウト剤は、グラウト特性を調製して、特定の用途に対する望ましい結果を達成する。例えば、ポルトランドセメントグラウトは、様々な異なる目的に使用され、それぞれの目的において、基台の安定化、機械基礎の硬化、コンクリート構造物のクラックやジョイントの充填、油井のセメント施工、石造壁の芯部の充填、予荷重テンドンやアンカーボルトのグラウト仕上げ、予設置骨材コンクリート中の孔の充填などを行うために、異なる用剤を必要とすることがある。
【0020】
ガス発生剤またはガス発生用剤を、非常に少量、コンクリートおよびグラウト中に加えて、硬化の前にわずかな膨張をさせることがある。膨張量は、使用するガス発生材料の量と、生混合物の温度に依存する。
透水性低減剤(permeability reducer)は、圧力下で水がコンクリートを透過する速度を低減するのに使用される。
【0021】
モルタルおよびコンクリート用のポリマー改質剤は、引張りおよび曲げ強度、粘着力、防水性、耐磨耗性および耐薬品性を改善するために使用され、これにはラテックス、再分散可能なポリマー粉末、水溶性ポリマー、液体樹脂およびモノマーがある。
ポンプ補助剤は、ポンプ特性を改善するためにコンクリート混合物に添加される。これらの混和材は、流動コンクリートを濃化、すなわちその粘度を増大させ、これによってポンプによる圧力を受ける間のペーストの脱水を低減する。
硬化後のコンクリート上またはその中でのバクテリアおよびカビの成長は、殺黴剤、殺菌剤、および防虫混和材によって部分的に制御することができる。
【0022】
微粉化鉱物混和材は、混和工程の前または工程中に添加されて、ポルトランドセメントコンクリートの可塑性または硬化特性の一部を改善または改質する、粉末または微粉形態の材料である。業界で使用される、ポルトランドセメントは、クリンカーを微粉砕することによって製造される、主として水硬性の珪酸カルシウムからなり、通常は、1つまたは複数の形態の硫化カルシウムを、ASTM分類I、II、III、IVまたはVの中間粉砕添加剤(interground addition)として含む。微粉砕鉱物混和材は、その化学的または物理的特性に応じて、セメント状用材、ポゾラン、ポゾラン状およびセメント状用材、および名目上不活性な材料に、分類することができる。セメント状用材は、それ単独で水硬性セメント特性を有し、水の存在下で凝結、硬化する。セメント状用材には、磨砕粒状化溶鉱炉スラグ、天然セメント、水硬性水和石灰、ならびにこれらおよび他の材料の組合せがある。ポゾランは、硅質またはアルミノ硅質の材料であり、セメント状数値(cementitious value)がほとんどないか、まったくないが、水の存在下で、かつ微粉砕形態においては、ポルトランドセメントの水和によって放出される水酸化カルシウムと化学反応して、セメント特性を有する材料を形成する。珪藻土、オパール質チャート、粘度、シェール、フライアッシュ、シリカヒューム、火山性凝灰石および軽石などは、知られているポゾランである。磨砕粒状化溶鉱炉スラグおよび高カルシウムフライアッシュは、ポゾラン特性とセメント特性の両方を有する。名目上不活性な材料としては、微粉砕原石英(raw quartz)、ドロマイト、石灰石、大理石、花崗岩、およびその他もある。
【0023】
建設分野においては、コンクリートを強化する現行の方法の一つは、生コンクリート混和物中に、ジルコニウム材料、鋼、ガラスファイバー、または合成材料、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル、レイヨン、高強度アラミド(すなわちKevlar(登録商標))、またはそれらの混合物などの繊維を分布させる方法がある。
一般的なコンクリート混和施設においては、いくつかの貯蔵タンクおよび/またはサイロが敷地にあり、それぞれが特定の種類の混和材または添加材料に割り当てられている。本発明は、混和材および添加剤供給業者から遠隔地にある、これらの施設における貯蔵コンテナ内の、コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加材料の量を計測する機能を提供して、実時間在庫管理を可能にする。在庫している材料の量によって、追加の材料を発注して、貯蔵コンテナに出荷し、貯蔵コンテナに追加の材料を加えることができる。貯蔵コンテナは、定期的に在庫調査することによって、追加材料が必要かどうかが決定される。このような定期間隔での在庫量を、データベースに記憶して、貯蔵コンテナ内の材料の使用履歴を提供することができる。
【0024】
次いで、記憶された情報を使用して、貯蔵コンテナの使用計画を改善することができる。有利には、この情報は適当な担当者に利用可能とすることで、計画および販売において担当者を支援することができる。またこの情報は、貯蔵コンテナの使用者にも利用可能とすることができる。この情報は、異なる担当者が異なる用途に変更することができる。
使用履歴などの情報を使用することによって、在庫管理システムのルールを設定および/または修正することが可能であり、それには、限定はされないが、通常の使用パターンに基づく各貯蔵コンテナに対する適切な再注文レベル、材料の需要によって単発出荷が優先される、各貯蔵コンテナに対する限界レベル、およびその需要が季節によって変動する材料に対する択一発注レベルがある。
【0025】
例えば、混和材および添加材料の使用者は、「安全」在庫レベルを低減することによって、それぞれの事業を全体的に低い在庫レベルで運営する機会を得ることができる。さらに、この情報を使用すれば、貯蔵コンテナの完全性を監視し、設定された期間内に一定量よりも大きく変化するときには、警報を出すことができる。
所在地が多数あるか、または広い地理範囲にわたる顧客に対しては、本発明によって、地方の工場が、実時間でその混和材使用と在庫レベルを監視する能力を得るだけでなく、本社の適当な担当者が、任意の単一所在地または全社の在庫を監視することが可能になる。
【0026】
本発明の方法によれば、コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加材料の供給業者は、発注、発注確認、進捗管理、配送計画、配送確認および請求書作成を含むプロセスの大部分を自動化することができ、効率、信頼性およびコストに大きな効果が得られる。本発明によると、販売担当者が、製品の在庫と配送を簡便に監視しながら、時間とエネルギーを技術情報の提供、付加価値コンクリートの販売促進に集中することが可能となる。
【0027】
本発明の方法を実施するために、レベル指示器を貯蔵コンテナに設置する。レベル指示器は、レベル測定値を電子信号に変換することのできる任意適切なレベル指示器とすることができる。液体を収容する貯蔵コンテナの場合には、適当な電子式レベル指示器としては、それに限定はされないが、圧力トランスデューサ、超音波トランスデューサ、キャパシタ、導電性センサー、およびフロートがある。好ましい電子式レベル指示器は、超音波トランスデューサを利用する。固体を収容する貯蔵コンテナについては、適当な電子式レベル指示器としては、限定はされないが、超音波トランスデューサがある。
【0028】
作動に際しては、各貯蔵コンテナ内のレベル指示器が起動されて、それぞれの容器のレベルを計測し、材料のレベルを表わすリターン信号を受け取り、この結果として得られるリターン信号をプロセッサに送る。好ましくは、一日に一回、しかし材料の使用に応じて頻度を多く、または少なくして、プロセッサがレベル指示器からレベル信号を受け取り、記憶し、その後に貯蔵量を計算する第2のプロセッサに伝送する。代替手法として、プロセッサは、レベルを貯蔵量情報に相互参照するルックアップテーブルを参照するか、または容器の物理形状と容器内の材料レベルに基づくアルゴリズムから貯蔵量を計算することによって、レベル指示器からの信号を実際の貯蔵量測定値に変換することができる。
【0029】
好ましくは、遠隔貯蔵コンテナを有する所定の場所についてのすべての情報は、その施設の中央プロセッサに集まる。レベルまたは計算された量が、第2のプロセッサに伝送される。この伝送は、信号を伝送する任意の公知手段とすることができる。好ましくは、信号はセルメトリ(cellemetry)によるか、または衛星によって伝送する。
本明細書に参照として組み入れる、米国特許第5,873,043号、米国特許第6,014,089号、および米国特許第5,787,149号は、セルメトリを介してデータを伝送する方法を開示している。一般に、セルメトリはセルラーシステムの非音声または制御チャネル上を伝播する。
【0030】
セルメトリは、低オーバーヘッドセルラー無線通信方式であり、実時間、遠隔データを標準セルラー電話ネットワークを介して伝送することを可能にする。より具体的には、この技法によって、第1のプロセッサと第2のプロセッサは、セルラーシステムの制御チャネルに割り当てられた未利用の周波数バンドを使用して互いに通信する。制御チャネルは、セルラー電話システム業界が、交換設備とセルラー電話間で制御データを伝送するのに使用している。例えば、セルラー電話ネットワークは、制御チャネルを利用して、セルラー電話が作動する、「セル」(すなわち地理的領域)を決定する。この決定によって、交換設備には、伝送された信号を適当なセルの伝送タワーに繋ぐのに適当な応答時間が与えられる。
【0031】
衛星を介しての伝送は、セルメトリを介する伝送と類似している。セルラー送信機の代わりに、衛星送信機は、情報を衛星に送信する。衛星はセルラータワーと同じ機能を有する。
データは、上述のように電子信号を介して、好ましくは毎日または毎週のように所定の時間で定期的に監視ステーションに伝送される。
【0032】
監視ステーションは、第2のプロセッサを含んでもよく、これによって信号を安全なデータベース中に記憶すべきデータに変換し、このデータに、貯蔵コンテナの場所の識別、貯蔵コンテナの全容量、内容物の識別、容器内の材料の量、および、所定の製品再発注レベル、製品限界レベル、および緊急応答トリガーレベルなどの様々な望ましい顧客データを含めることができる。第2のプロセッサがデータベースにアクセスして、少なくともデータを追加、修正または消去することによってデータベースを修正することが可能であることにおいて、データベースは第2のプロセッサと関連している。データベースは遠隔コンピュータまたはコンピュータネットワーク上に置くことができるために、必須ではないが、データベースを第2のプロセッサ専用のデジタル記憶媒体、またはデバイスに記憶することが可能である。
【0033】
このデータベースは、コンピュータモデムおよび/またはインターネット、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、プライベートコンピュータネットワーク、または専用モデム、および任意選択で電話によって、グローバルコンピュータネットワークを介する認定アクセスを介して、遠隔地からの照会が可能である。例えば、特定の電話番号をダイアルして、各選択サイトについての音声生成による更新を受け取ることができる。これによって、コンピュータを持たない認定された担当者が、それぞれの指定された場所で、在庫をチェックすることができる。これは、供給業者が数時間、接続が途絶えたときのインターネットアクセスに対するバックアップとしての役割を果たす。
【0034】
データベースへのアクセスは、情報にアクセスするのにパスワードを必要とするように規制したり、任意選択で暗号を使用してデータを保証するかまたはデータにアクセスするようにすることができる。アクセスのレベルは、会社組織におけるピラミッド構造内のような、許可レベルに基づいて各認定ユーザに対して選択することができる。例えば、販売担当者は、その担当者が実際に責任を負っている貯蔵コンテナに関する情報についてのアクセス権を与えられる。地域マネジャーは、その部下である販売担当者用の貯蔵コンテナについての情報にアクセスすることができる。本社担当マネジャーは、すべての貯蔵コンテナの情報にアクセスすることができる。任意選択で、貯蔵コンテナの顧客に、その顧客に固有のリース貯蔵コンテナに対するアクセスを与えることもできる。任意選択として、選択された情報は、自動的に、または要求に応じて電子メイル、ポケットベル、ボイスメイルなどを介して適当な担当者に伝送することもできる。
【0035】
データベースは、遠隔貯蔵コンテナについての最後の更新の時間および日付、限界レベル、再発注レベル、または緊急レベルにあるコンテナの数、各貯蔵コンテナの履歴を示すことができる。また、所定の場所のすべての貯蔵コンテナの履歴を、データベースに記憶し、かつそこからアクセスすることができる。さらに、貯蔵コンテナに供給することのできる、製造および/または配送場所の識別を、定期的または実時間で記憶、更新することができる。
データベースによって、所定の材料の所定の地域における使用を追跡することが可能となる。ある地域での特定の材料について、遠隔貯蔵コンテナ内での使用を検索することによって、その地域におけるその材料の使用を追跡することができる。これによって、混和材または添加材料の製造時の、製造計画を改善することが可能となる。
【0036】
本発明の方法の一実施態様においては,遠隔コンピュータが、グローバルコンピュータネットワーク上のFTPサイトに接続している。データベースシステムは、認定とセキュリティ許可レベルを検査して、遠隔コンピュータがデータベースにアクセスするのを許可する。好ましくは、データベースへのアクセスは、照会コンピュータのIPアドレスによって確認される。遠隔コンピュータは、在庫情報を含む、すべての新規または付属ファイルについて、前回のFTPサイトへの接続から、更新される。遠隔コンピュータユーザは次いで、遠隔貯蔵コンテナ内の材料レベルを閲覧することができる。必要な場合には、遠隔ユーザは、追加の材料を遠隔貯蔵コンテナに配送するために、出荷注文を作成することもできる。
注文は、再注文、限界、または過剰材料を収容する能力などのレベルに基づいて出すことができる。再注文レベルとは、正常な事業運営において注文がされるであろうレベルである。再注文レベルは、年間を通して、貯蔵コンテナ内の材料に対する需要の季節変動に基づいて変わる可能性がある。限界レベルは、材料が不足となるのを防止するために短期間に材料が必要となるレベルである。
【0037】
一実施態様においては、データベースにアクセスしているユーザが、発注をすることができる。注文は、その貯蔵コンテナへの出荷履歴に基づくか、または限界量に基づく所定の量とすることができる。この場合には、予期される注文を(コンピュータソフトウエアによって)自動的に作成するか、自由選択で、実際に発注する前に、人による(販売担当者または顧客からの)認定を待つようにする。また注文の量も、手動で選択することができる。注文を作成するときには、製造工場または貯蔵施設などの配送場所は予め自動選択するか、または手動で選択して、材料を遠隔貯蔵コンテナに出荷することができる。一般に、遠隔貯蔵コンテナは、所定の配送場所から供給を受けるが、しかしこれは、配送場所における現行供給または製造スケジュールなどのいくつかの要素によって変わる可能性がある。一旦、ユーザが、材料の量と配送場所を確認すると、注文が作成される。
【0038】
データベースへの遠隔貯蔵コンテナ内の材料量の自動入力、および予期される注文の自動作成は、注文情報の手操作入力の量を低減する。これによって、エラーが減少し、担当者の生産性を向上させることができる。
場合によっては、材料を注文する時期と材料が配送される時期で条件が変わることがある。材料の予測使用量に基づいて注文を出すことができるが、予測使用量は変わることがある。このことは、コンクリート混和材および添加剤業界における問題である。材料を使用する計画はあっても、天候またはその他の要因で材料の使用が遅れることがある。これが注文した材料がすでに出荷された後に起こると、出荷された材料の全量を、貯蔵コンテナの空き容量に収納できない可能性がある。過去においては、このような材料の過剰は出荷拠点に返還され、追加の輸送コストがかかることが多かった。
【0039】
本発明の在庫管理システムよると、類似の材料を収納する同じ地域の他の貯蔵コンテナの情報に、関係者がアクセスすることが可能になる。過剰の未配送材料は、これらの他の貯蔵コンテナに転送することによって、材料を出荷拠点に返還する必要がなくなる。在庫管理システムなしでは、関連する貯蔵コンテナ内の最新の貯蔵量計測値が求められる保証がない。折衝担当者が、他の貯蔵コンテナを調査して、これらの他の貯蔵コンテナに過剰材料を収容する空き容量があるかどうかを判定するのに時間と労力を費やさなくてはならない。過去においては、他の貯蔵コンテナが利用可能かどうかを判定することができず、過剰材料は出荷拠点に返還された。
【0040】
また、全出荷量の材料を単一の特定貯蔵コンテナに配送できなくても、製造場所または配送場所から全出荷量の材料を発送することによって、輸送コストを節約することができる。例えば、材料が所定の地域の一つの貯蔵コンテナに出荷されている場合に、その特定の貯蔵コンテナが全出荷量を保管する容量がなくても、その地域のその他の貯蔵コンテナが過剰量を収容できる場合には、全量を出荷することができる。このような連結出荷によって、所定の地域への出荷回数を低減することができる。
過剰材料を配送することのできる場所を決定する際に、在庫管理システムは、その他の潜在的な出荷拠点貯蔵コンテナの最新の貯蔵量計測を想起するか、またはその他の貯蔵コンテナにコマンドを送信して、コンテナ内のレベルを計測し、その貯蔵コンテナ内の現在量を表わすデータを伝送させることができる。
【0041】
さらに、本在庫管理システムは、貯蔵コンテナ内の破壊または漏出などの緊急状態を監視することができる。本システムは、貯蔵コンテナ内の材料量のレベルが、急激に低下するか、または考えられる使用レベルよりも早く低下する場合、あるいは貯蔵コンテナ内の材料が使用されていないときに貯蔵量レベルが低下する場合を監視することができる。本システムは、担当者に貯蔵コンテナを検査するように警告する警報を作成することができる。このような緊急レベルは、ルックアップテーブルを参照するか、または計算で得ることができる。一般に、緊急レベルは、通常使用量の標準偏差の約2倍を超える材料が遠隔貯蔵コンテナから除去されるレベルである。
【0042】
データベースは、任意のデータを所望の組合せで表示するように設計することができる。例えば、データベースに、限界レベルにあるか、または再注文レベルにあるすべての貯蔵コンテナを表示させて、それによって対策を講ずることができる。注文を手操作(すなわち、担当者が介入すること)によるか、または自動的に作成して、これらの貯蔵コンテナに材料を配送することができる。貯蔵コンテナの容量を、データベース内に維持することもできる。これは、貯蔵コンテナ内の材料の現在量に基づいて貯蔵コンテナに配送すべき材料の量を決定するのに使用することができる。また、データベースは、所定の地域における所定の材料のすべての貯蔵コンテナ状態を表示することもできる。
材料を貯蔵コンテナに出荷するときには、注文が作成されて、材料を貯蔵する場所に送られる。材料は、それを製造した場所、またはその他の任意の場所に貯蔵することができる。注文が作成されると、輸送手段の手配がされて材料が貯蔵コンテナに輸送される。
【0043】
任意選択で、材料が出荷のために貯蔵されている場所、すなわち製造工場または配送センターにあるコンテナ内の材料の量も、在庫管理システムに含めることもできる。レベル指示器を、これらのコンテナに設置することもできる。次いで、これらのコンテナ内のレベルまたは量は、同様にデータベースに伝送される。これによって、どの製造または配送場所から材料を出荷するか、および追加の材料を製造する必要があるかどうかを決定するのを支援することができる。
注文が出された後に、次いで材料が貯蔵コンテナに輸送されて、そこで貯蔵コンテナ中に下ろされる。貯蔵コンテナ中に実際に下ろされる材料の量は、配送量として記録される。上述のように、実際に下ろされる量は、貯蔵コンテナ内に全出荷量を下ろすのに十分なスペースがない場合には、出荷量よりも少なくなる。材料配送量に関する情報は、自由選択で、(手操作または自動で)請求処理システム(billing system)に転送される。請求処理システムへの転送は、セルメトリ、衛星、または電話を介して伝送される電子信号を介するか、または、後に電子データに変換される、紙などの任意の他の手段によることもできる。
【0044】
自由選択で、材料の配送量は、レベル指示器に信号を送り、貯蔵コンテナ内の材料レベルを計測し、その遠隔貯蔵コンテナ内の材料のレベルまたは量を表わす信号を返還することによって確認することができる。
一旦、配送量が請求処理システムに到達すると、請求書が作成されて顧客に送付される。好ましくは、請求書は電子手段を介して伝送されるが、任意適当な手段を使用することができる。顧客は、請求書に対して料金を送付することによって支払いができる。好ましい実施態様においては、支払いは電子送金(electronic funds transfer)によって送付されて、電子的に記録される。
【0045】
図1は、本発明の好ましい一実施態様における一般的なステップを示す。貯蔵コンテナのレベルは、所定の時間間隔によるか、または要求に応じて計測される(ステップ11)。コンテナレベルを表わす信号が、貯蔵コンテナの置かれた場所のプロセッサに伝送される(ステップ12)。計測値は伝送されるまで記憶される(ステップ13)。自由選択で、レベル計測値は、量計測値に変換される。貯蔵コンテナレベル/量は、セルメトリまたは衛星を介して第2のプロセッサに伝送される(ステップ14)。すでに実施されていない場合には、レベル計測値は材料量計測値に変換されて、データベースに記憶される。データベースにアクセスして、材料を貯蔵コンテナに出荷する必要があるかどうかが判定される(ステップ15)。材料を貯蔵コンテナに出荷する必要がない場合には、貯蔵コンテナレベルが再び計測されたときに同工程を繰り返す(ステップ21)。材料を貯蔵コンテナに出荷する必要がある場合には、材料を貯蔵コンテナに出荷するために注文が伝送される(ステップ16)。材料が貯蔵コンテナに配送される(ステップ17)。材料配送量に関する情報が請求処理プロセッサに伝送される(ステップ18)。貯蔵コンテナに配送される材料の量に対して、請求書が作成されて、顧客に伝送される(ステップ19)。貯蔵コンテナへの材料配送量に対する支払いが、顧客から受け取られ、処理される(ステップ20)。
【0046】
本発明の方法は、技術および事業システムを利用することによって情報のシームレスフローを生成する。この情報には、とりわけ、顧客所在地におけるコンクリート、モルタルおよびグラウト用の混和材および添加剤の最新かつ「実時間」の在庫レベル、低コスト注文履行オプション(order fulfillment options)、販売資源の生産性を向上させながら簡略化した請求書発送および支払い手続が含まれる。本発明の在庫管理システムの一利点は、材料使用量を経時的に追跡する能力である。有利には、データベースは、認定されたユーザへの任意所定の出荷の履歴を提供することができる。これによって、各貯蔵コンテナ内の個々の材料の季節需要、および出荷用の材料の生産についての情報および報告を提供することができる。この情報を使用することによって、季節変動に基づきより精密に決定された再注文レベルから導かれる、より適切な注文が作成される。また、生産すべき材料を決定するために、より正確な予測をすることができる。
【0047】
本発明の方法によると、配送経路決定の最適化、製造工場または配送場所への製品の返還の低減、顧客施設における無監視の在庫または限定された在庫貯蔵に起因する計画外の緊急出荷の低減、在庫の現場移送の低減、在庫状態だけのための顧客サイト訪問の低減または廃止、および最小在庫レベルの実現が可能となる。
本発明の方法によると、在庫データベース、注文設定および履行、および受領勘定運用(accounts receivable operation)が可能となる。本発明の好ましい実施態様においては、貯蔵コンテナ内で再注文レベルまたは限界レベルの材料量が計測されたときに注文の自動作成がトリガーされ、請求書の自動作成および伝送が、材料出荷の配送の確認書の伝送を受領することによって、自由選択で予め認定された電子請求(electronic debiting)または支払振込み(transfer of payment)とともに、トリガーされる。
本発明は、上記の特定の実施態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に規定する、変更形態、修正形態および等価実施態様を含むことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施態様による方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート、グラウトおよびモルタル用の混和材および添加材の在庫を遠隔操作で管理する方法であって、
a.遠隔現場における第1の少なくとも1つの材料貯蔵コンテナの材料を棚卸しして、存在する材料量を提供するステップであって、
1)前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内の材料レベルを、電子式レベル指示器を用いて計測してコンテナレベルを表わす信号を提供し、
2)前記電子式レベル指示器からのコンテナレベルを表わす信号を第1のプロセッサに伝送することを含み、前記計測が所定時間およびオンデマンドの内の1つで実施される前記ステップと、
ステップbまたはステップcのいずれかを実行するステップ、すなわち
b.1)前記コンテナレベルを表わす信号を処理して、前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を決定し、
2)前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を表わすデータを、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して前記第1のプロセッサから第2のプロセッサに伝送するステップ、または
c.1)前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内のコンテナレベルを表わす信号を、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して前記第1のプロセッサから第2のプロセッサに伝送し、
2)前記コンテナレベルを表わす信号を処理して、前記第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量を決定するステップを実行する前記ステップと、
d.存在する材料量、所定の再注文レベル、および所定の限界レベルを表わすデータを、第2のプロセッサに関連するデータベースに記憶するステップとを含む、前記方法。
【請求項2】
データベースに照会して、存在する材料量に基づいて第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷する必要があるかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷する注文を作成するとともに、該注文を伝送して自動的または承認後に材料を出荷するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
存在する材料量が、所定の再注文レベルおよび所定の限界レベルの内の1つ以下である場合に、材料を出荷する注文が作成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
材料を、第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナに配送するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナ内のコンテナレベルを表わす信号を存在する材料量に変換処理するステップが、コンテナレベルと存在する材料量を関係づけるルックアップテーブルを参照すること、およびコンテナレベルとコンテナ寸法に基づくアルゴリズムから存在する材料量を計算することの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの貯蔵コンテナのコンテナレベルを表わすデータを、その後に第2のプロセッサに伝送するために、記憶するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電子式レベル指示器が、超音波トランスデューサおよび圧力トランスデューサの内の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2のプロセッサ内に記憶させるステップが、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表わすデータを、第2のプロセッサから、グローバルコンピュータネットワーク上のサイト上にあるコンピュータ内のデータベースに転送するステップをさらに含み、前記サイトが認定された個人によって電子的にアクセス可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
グローバルコンピュータネットワーク上のサイトにアクセスして、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表わすデータを検索するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アクセスが、照会コンピュータのIPアドレスによって確認される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
アクセスするステップが、パスワードおよび暗号の内の少なくとも1つで保護されている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
パスワード設定が、認定された個人のアクセス認定レベルに基づいて、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表わすデータへのアクセスを制限する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
グローバルコンピュータネットワーク上のサイトに遠隔コンピュータを電子的に接続するステップと、認定およびセキュリティ許可レベルを検査して遠隔コンピュータにデータベースへのアクセスを許可するステップと、遠隔コンピュータが最後にグローバルコンピュータネットワーク上のサイトに接続されてからの、在庫情報を含む新規または付属ファイルについて、遠隔コンピュータを更新するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
検査するステップが、遠隔コンピュータのIPアドレスによって確認される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷する注文を作成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
電話接続による音声インタフェース、仮想プライベートネットワーク、イントラネット、プライベートコンピュータネットワーク、および専用モデムによるパーソナルコンピュータの内の少なくとも1つを介して、データベースにアクセスして、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表すデータを検索するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
アクセスするステップが、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表わすデータへのアクセスを制限するパスワード設定によって保護されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
パスワード設定が、認定個人のアクセス権限のレベルに基づいて、少なくとも1つの貯蔵コンテナ内に存在する材料量を表すデータに対するアクセスを制限する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記サイトに関連する少なくとも1つの配送貯蔵コンテナの材料量が十分な量である場合に、少なくとも1つの貯蔵コンテナに注文の材料を出荷するための、製造または配送場所を選択するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項21】
a.少なくとも1つの配送貯蔵コンテナの材料を棚卸しして、配送貯蔵コンテナ材料収納量を提供するステップであって、
1)少なくとも1つの配送貯蔵コンテナ内の材料レベルを、電子式レベル指示器を用いて計測して配送貯蔵コンテナレベルを表わす信号を提供し、
2)前記電子式レベル指示器からの配送貯蔵コンテナレベルを表わす信号を第3のプロセッサに伝送することを含み、前記計測が所定時間およびオンデマンドの内の1つで実施される前記ステップと、
ステップbまたはステップcのいずれかを実行するステップ、すなわち
b.1)前記配送貯蔵コンテナレベルを表わす信号を処理し、前記少なくとも1つの配送貯蔵コンテナ内にある材料収納量を決定し、
2)前記第3のプロセッサからの前記第1の少なくとも1つの配送貯蔵コンテナ内にある材料収納量を表わすデータを、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して第2のプロセッサに伝送するステップ、または
c.1)前記第3のプロセッサからの配送貯蔵コンテナレベルを表わす信号を、セルメトリおよび衛星の内の1つを介して第2のプロセッサに伝送し、
2)前記配送貯蔵コンテナレベルを表わす信号を処理して配送貯蔵コンテナ内の材料収納量を決定するステップを実行する前記ステップと、
d.前記配送貯蔵コンテナの材料収納量を、第2のプロセッサに関連するデータベースに記憶するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
データベースに照会して、少なくとも1つの配送貯蔵コンテナの材料収納量を決定するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
材料の配送が、第1の少なくとも1つの貯蔵コンテナによって収容できる材料の量を超える材料の出荷量に関係するとともに、過剰の材料をそこに出荷するために、データベースに照会して、過剰材料の少なくとも一部を収容できる別の場所にある第2の少なくとも1つの貯蔵コンテナを特定するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項24】
配送された材料の量を表わす情報を、請求書発行プロセッサに伝送するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項25】
伝送するステップが、任意選択でセルメトリおよび衛星の内の1つを介して電子的に実施される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求書を顧客に伝送するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
請求書が、電子フォーマットおよび紙フォーマットの内の1つである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
顧客からの支払いを処理するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
支払いが、電子送金である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
データベースが、
a.少なくとも1つの貯蔵コンテナが棚卸しされた日時、
b.少なくとも1つの貯蔵コンテナが、所定の再注文レベル、所定の限界レベル、または緊急レベルのいずれにあるかの特定、
c.少なくとも1つの貯蔵コンテナ内にある材料量の時間履歴、
d.所定の地域における所定の材料の使用量、
e.少なくとも1つの貯蔵コンテナに材料を出荷するのに十分な材料収納量を有する配送貯蔵コンテナサイトの選択、の少なくとも1つを示す、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−40608(P2009−40608A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211703(P2008−211703)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【分割の表示】特願2002−579184(P2002−579184)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(503343336)コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー (139)
【氏名又は名称原語表記】Construction Research & Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Dr.−Albert−Frank−Strasse 32, D−83308 Trostberg, Germany
【Fターム(参考)】