地下埋設体の除去方法
【課題】 地下埋設体に切れ目を入れる作業で地下埋設体が切断され、ハンマーグラブ等で引っ張り上げる際に地下埋設体を分離するための大きな力を必要としない方法を提供する。
【解決手段】 ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシング1を、内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で既存杭100に対して偏心して配置し、掘削ケーシング1の内周面のカッターを既存杭100に接触させないで、掘削ケーシング1を揺動し、既存杭100の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシング1を全周回転させてカッターで既存杭100の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して既存杭100を切断し、切断された杭100aを取り出す。
【解決手段】 ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシング1を、内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で既存杭100に対して偏心して配置し、掘削ケーシング1の内周面のカッターを既存杭100に接触させないで、掘削ケーシング1を揺動し、既存杭100の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシング1を全周回転させてカッターで既存杭100の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して既存杭100を切断し、切断された杭100aを取り出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中に埋設されている鉄筋コンクリート製の杭等の地下埋設体の除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート建造物の基礎に埋設されたコンクリート製の杭等は、この建造物を破壊、撤去した後に除去する必要がある。コンクリート製の杭は、杭の長手方向に埋設された複数本の鉄筋が円環状に配列されている。
【0003】
従って、コンクリート製杭は、外周よりこの鉄筋が埋設されている深さまで掘削して鉄筋を切断する必要がある。
【0004】
このようなコンクリート製杭を切断する装置として、特許文献1には、ケーシングドライバーにより、回転駆動されるケーシングの下部内周に、突出幅が異なる複数のカッターを異なる高さとなる箇所に周方向に分散させて配設し、ケーシングを回転させることにより、杭を頂部から掘削、破砕してコンクリート屑にする地中杭の除去装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載された地中杭の除去装置では、カッターは杭の上面からカットして行くため掘削が極めて困難となり、さらに杭を割ることに多大な時間を費やすという問題があった。
【0006】
上記した特許文献1には、杭を必要な位置で切断するものとして杭の内側には前記した固定のカッターの他に可動カッター(コピーカッター)を進退可能に突設した実施形態も記載されている。しかし、この可動カッターは、油圧シリンダーを内装したベッドに設けられ水平方向に出没可能となっていて、このベッドには高圧ホースで液圧が印加されるようになっており、油圧スイベルが必要となるとともに、ケーシング内に高圧ホースを入れるとケーシングの内径の有効活用が阻害され、さらに、ケーシングの継ぎ足しに応じたホースの継ぎ足し、スイベル装置の取り付け、取り外し等の作業が増え、作業効率が悪い。
【0007】
しかも、可動カッターは可動であるが故にカッター自体およびそれを支える機構をコンクリートおよび鉄筋を切断するのに耐える堅牢なものとすることは難しく、また、カッターをケーシング内周に対称に2個設けたものとしても、鉄筋を切断する際に、1個のカッターにかかる負担は大きく、簡単に鉄筋を切断することが困難である。
【0008】
上記した従来例の不都合を解消するために、ケーシングヘッド内周面にカッターを突設した掘削ケーシングをケーシングドライバーにより揺動回転させながら既存杭を偏芯させて該既存杭に接触させないでこれを囲むようにして切断位置まで地盤に挿入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで既存杭を外周部から水平に切断し、ハンマーグラブ等の瓦礫除去手段で処理済みの既存杭を取り出す既存杭の除去工法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−120671号公報
【特許文献2】特許第3683229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献2の工法においては、杭を切断したい位置(深さ)まで、ケーシングヘッド内周面に突設したカッターが既存杭には接触しない状態で揺動回転させながら地盤に挿入する。次いで、切断したい位置に達したら掘削ケーシングを全周回転させて、それまで当たらないカッターが既存杭の外周に当たり外周部から水平に切断する。その後、ハンマーグラブ等の瓦礫除去手段で処理済みの既存杭を取り出すようにしている。
【0011】
上記した特許文献2のものにおいては、切断したい位置で、外周部から水平に切断するように構成しているため、杭は水平に部分的に切れ目を入れた状態になる。このため、杭は、重力により下方向に切断される杭部分の重量がそのまま切れ目にかかり、埋設された状態の位置を保つことになる。従って、ハンマーグラブ等で杭を取り出す際には、切れ目が入っていない杭のコンクリ部分を上方に引っ張って切り離す必要がある。このため、ハンマーグラブ等で引っ張り上げる時に大きな力が必要になるなどの問題があった。
【0012】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、杭等の地下埋設体に切れ目を入れる作業で地下埋設体が切断され、ハンマーグラブ等で引っ張り上げる際に地下埋設体を分離するための大きな力を必要としない地下埋設体の除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の地下埋設体の除去方法は、ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシングを、前記内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で地下埋設体に対して偏心して配置し、前記掘削ケーシングの前記内周面の前記カッターを前記地下埋設体に接触させないで、前記掘削ケーシングを揺動し、前記地下埋設体の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで前記地下埋設体の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して前記地下埋設体を切断し、切断された地下埋設体を取り出すことを特徴とする。
【0014】
また、前記複数のカッターは、前記ケーシングヘッドの内周面に、半周内に収まるように、所定の間隔を有し且つ、水平方向から2°〜3°の角度を有して一列に配置されているように構成すればよい。
【0015】
この発明によれば、地下埋設体に対してこの地下埋設体を囲む位置で、偏芯をした位置に掘削ケーシング及びケーシングヘッドをセットし、地下埋設体を切断したい位置(深さ)まで揺動回転させながら地盤に圧入する。この時には、ケーシングヘッド内周面に突設したカッターは地下埋設体には接触しない。次いで、切断したい位置に達したら掘削ケーシングを全周回転させれば、それまで当たらないカッターが地下埋設体の外周に当たり外周部から内周部に向かって楔形切り溝を形成して切断する。その後、ハンマーグラブ等で切断した地下埋設体を取り出す。
【0016】
また、揺動掘削であるので、杭の共回りが発生することがなく、切断したい位置まで確実に地下埋設体の周囲を掘削し、その位置で回転切断することができる。
【0017】
そして、カッターは、ケーシング内周に半周内に収まるようにしたので、他の半周面を地下埋設体に近接させればカッターを地下埋設体に接触させずにケーシングヘッドを揺動回転させることができる。さらに、カッターは、所定の角度を有して順次並べられているので、楔形に切れ目を入れるような切断となり、地下埋設体はその楔形の切れ目に沿って、くの字状に折れる。楔形の切れ目を入れることで、地下埋設体は、上部の地下埋設体の重さにより、楔の方向に折れ曲がり破断することになる。よって、別途ハンマーグラブ等で引っ張って上下に既存杭を分離する必要はなく、確実かつ迅速に切断ができる。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、この発明は、地下埋設体に楔形の切れ目を入れることで、地下埋設体は、上部の重さにより、楔の方向に折れ曲がり破断することになる。よって、別途ハンマーグラブ等で引っ張って上下に既存杭を分離する必要はなく、確実かつ迅速に切断ができるため、作業能率を大幅に向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態に用いられる全旋回掘削機の設置状態を示す側面図である。
【図3】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態で用いられる定規鉄板を示す平面図である。
【図4】この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図5】この発明の地下埋設体の除去方法を工程別に示す概略断面図である。
【図6】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態に用いられる全旋回掘削機、反力装置とクローラクレーンの設置状態を示す上面図である。
【図7】この発明の地下埋設体の除去装置に用いられる全旋回掘削機と掘削ケーシングを示す側面図である。
【図8】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを揺動して圧入している状態を示す側面図である。
【図9】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを全回転させ杭を切断させている状態を示す側面図である。
【図10】この発明の地下埋設体の除去装置において、切断した杭を取り出している状態を示す側面図である。
【図11】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを延長して後に、切断した杭を取り出している状態を示す側面図である。
【図12】この発明の地下埋設体の除去装置の第2実施形態を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0021】
図1は、この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す縦断側面図、図4は、同上平面図である。
【0022】
この発明に用いられる掘削ケーシング1は、継ぎ足して必要な長さとする本体部10の先端にケーシングヘッド11が嵌め込まれ、本体部10とケーシングヘッド11とは、ボルト12で締結される。また、ケーシングヘッド11は、下端に掘進カッター13を設けている。
【0023】
この掘削ケーシング3は、図4から図7に示すように、全旋回掘削機(ケーシングドライバー)3で揺動及び回転可能に支持される。
【0024】
この全旋回掘削機3は、周知のように、例えばオールケーシング工法で使用する圧入機である。この全旋回掘削機3は、図2に示すように、ジャッキ31により水平に設置されるベースフレーム32上の四隅にガイドポスト33を立設し、これらのガイドポスト33に沿って液圧シリンダー(図示せず)により昇降される昇降フレーム34を取付ける。そして、この昇降フレーム34に液圧モータ(図示せず)により歯車機構(図示せず)等の動力伝達装置を介して回転駆動される回転体を設置する。この回転体はケーシング3を貫挿可能な円筒形をなすものであり、この回転体には液圧シリンダー等(図示せず)により開閉される可動バンド等を有するチャック装置を備える。
【0025】
全旋回掘削機3は、クローラクレーン5により、定規鉄板2の全旋回ジャッキ部受け皿21に位置合わせされ敷設される。
【0026】
掘削ケーシング1は、前記全旋回掘削機3により外周をチャックされながら回転推進されて地盤に圧入されるものである。
【0027】
全旋回掘削機3には、図6〜図11に示すように、反力装置4が取り付けられる。全旋回掘削機3は、回転方向に対して同一方向に回転する力が発生するために、反力装置4により、その反力をクローラクレーン5の本体で受けて回転を抑えている。
【0028】
さて、この発明では、図1及び図4に示すように、掘削ケーシング1先端のケーシングヘッド11の内周面に、カッター14a、14b、…14eを半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から上方に所定角度(θ)を有して一列に配置している。この角度(θ)は、2°〜3°の範囲で適宜選択すればよく、この実施形態では、2.5°である。そして、これらカッター14a、14b、…14eは、順次その突出長さが長くなるように並べてられている。このカッター14a、14b、…14eは、掘削ケーシング1を構成する金属よりも焼き入れの多い超硬金属をもってなる鋭利な刃を有する爪状のもので、溶接などにより堅牢にケーシングヘッド11の内周面に取り付ける。
【0029】
そして、カッター14a、14b、…14eは、複数個のうち、全部又は一部が地下埋設体としての既存杭100の鉄筋101からのコンクリートかぶり厚さhよりもケーシングヘッド11の内周面からの突出長を大きくしている。この実施形態では、カッターは、最小のカッター14aから順次突出長が大きくなるように並べた。
【0030】
前記カッター14a、14b、…14eの数は、ケーシングヘッド11の径により決定するが、ケーシングヘッド11の径は既存杭100の径と最大長のカッター14eの長さとさらに一定に隙間長を合わせたものとする。
【0031】
次に、かかる掘削ケーシング1を使用して既存杭100を除去する方法について説明する。ここで、既存杭100は地中に埋設された構造物として例えば、内部に鉄筋を有するコンクリート杭(PC、RC等の既製杭、現場造成杭)を示す。処理できる既存杭100の直径は前記掘削ケーシング3の直径に依存するが処理の容易性等から数メートル以内程度が好適である。
【0032】
(1)杭頭出し
油圧ショベル等で該当箇所を掘削し、撤去する既存杭100の杭頭の位置、杭径、主筋を確認し、埋め戻す。このとき、全旋回掘削機3を既存杭100に対して偏心して設置するために、杭心棒23の位置を設置して、全旋回掘削機3の設置位置を確認する。この杭心棒23は、図2及び図3に示すように、全旋回掘削機3を載置する定規鉄板2の中心に設置される。この位置は、ケーシングの貫通可能な円穴の中心にX、Y方向の線22の交点である。また、杭心棒23の代わりに、全旋回掘削機3の設置位置をこの定規鉄板2の中心に設けられるケーシングの貫通可能な円穴の中心にX,Y方向の線に沿って糸や鉄筋を張り、その交点で位置合わせしてもよい。
【0033】
(2)全旋回掘削機据付
図2、図5(a)に示すように、定規鉄板2に設けたガイドに全旋回掘削機3の4隅を合わせて全旋回掘削機3を載せ、偏心位置の中央を示す杭心棒23を用いて設置した定規鉄板2に全旋回掘削機3の中心を合わせて全旋回掘削機3を設置する。また、図6に示すように、全旋回掘削機3には、反力装置4が連結して取り付けられ、この反力装置4とクローラクレーン5とが当接して掘削反力が取れるようにする。
【0034】
(3)掘削ケーシング1の建て込み
図7に示すように、掘削ケーシング1を全旋回掘削機3に建て込む。この掘削ケーシング1の建て込みは、クローラクレーン5のロープ51に吊り下げて行う。既存杭100対して偏芯した位置に掘削ケーシング1及びケーシングヘッド11をセットする。この時、図4に示すように、既存杭100は、カッター14a、14b、…14eから遠ざかり、カッター14a、14b、…14eが存在しない掘削ケーシング1の内周面側に近づく状態となる。
【0035】
(4)掘削ケーシング1の圧入
図5(b)、図8に示すように、全旋回掘削機3によりケーシング5を杭100の目標切断深度まで揺動させて圧入する。掘削ケーシング1をその外周を全旋回掘削機3のチャック装置で締め付け固定し、駆動装置でこのチャック装置5を左右に回転(揺動)させると同時に掘削ケーシング1及びケーシングヘッド11を既存杭1の囲むようにしてその外周部分の地盤に圧入する。この掘削ケーシング1の圧入では、ケーシングヘッド11の内周面に設けられたカッター14a、14b、…14eと杭100とは接触しない状態で左右に回転(揺動)する。
【0036】
この掘削ケーシング3での掘削は既存杭100を切断したい深さ(数メートル)まで行う。この数メートルの深さとは、切断した既存杭100aの重量がハンマーグラブ52で取り出し可能な長さである。
【0037】
(5)切削溝の形成
次に、図5(c)、図9に示すように、切断したい数メートルの位置に達したならば、全旋回掘削機3で掘削ケーシング3を一方向に全周回転させる。その結果、カッター14a、4b、…14eが短いカッター14aから順に既存杭100の外周にくい込む。この時、カッター14a、14b、…14eは、水平方向から上方に所定角度(θ)を有して一列に配置されているので、既存杭100の外周には、水平方向から上方向に楔形の切り溝が形成される。前記カッター14a、14b、…14eのくい込みにより、鉄筋101は切断されるとともに、杭100の外周から内周に向かって楔形の切り溝が形成され、既存杭100の上部の重みにより、楔形切り溝に向かって既存杭100は、くの字になって切断される。なお、カッター14a,14b,…14eの厚みは50〜100mmが好適である。
【0038】
(6)切断した杭の撤去
次に、図5(d)、(e)、図10に示すように、ロープ51により支持されたハンマーグラブ52により、切断された杭100aを把持し、地上に引上げて撤去する。
【0039】
(7)ケーシング継ぎ足し
次に、図11に示すように、ケーシング本体10を継ぎ足す。そして、上記(3)ないし(7)の工程を既存杭100の全部が撤去されるまで繰り返す。
【0040】
このようにして、地下に埋設された杭等の地下埋設体を除去することができる。
【0041】
次に、この発明の第2の実施形態につき説明する。図12は、この発明の地下埋設体の除去装置の第2実施形態を示す縦断側面図である。
【0042】
この第2実施形態に用いられる掘削ケーシング1も第1実施形態と同様に、継ぎ足して必要な長さとする本体部10の先端にケーシングヘッド11が嵌め込まれ、本体部10とケーシングヘッド11とは、ボルト12で締結される。また、ケーシングヘッド11は、下端に掘進カッター13を設けている。
【0043】
この発明の第2実施形態は、ケーシングヘッド11の内周面に、カッター14a、14b、…14eを半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から下方に所定角度(θ)を有して一列に配置している。その他の構成は,第1実施形態と同様である。
【0044】
この第2実施形態のように、カッター14a、14b、…14eを水平方向から下方に配した掘削シーリング1を用いても,楔形の切り溝を既存杭100の外周から内周に向かって形成し、第1実施形態と同様に、既存杭100をくの字型に切断することができる。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 掘削ケーシング
10 ケーシング本体
11 ケーシングヘッド
13 掘進カッター
14a,14b,…14e カッター
2 定規鉄板
3 全旋回掘削機
4 反力装置
100 杭
101 鉄筋
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中に埋設されている鉄筋コンクリート製の杭等の地下埋設体の除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート建造物の基礎に埋設されたコンクリート製の杭等は、この建造物を破壊、撤去した後に除去する必要がある。コンクリート製の杭は、杭の長手方向に埋設された複数本の鉄筋が円環状に配列されている。
【0003】
従って、コンクリート製杭は、外周よりこの鉄筋が埋設されている深さまで掘削して鉄筋を切断する必要がある。
【0004】
このようなコンクリート製杭を切断する装置として、特許文献1には、ケーシングドライバーにより、回転駆動されるケーシングの下部内周に、突出幅が異なる複数のカッターを異なる高さとなる箇所に周方向に分散させて配設し、ケーシングを回転させることにより、杭を頂部から掘削、破砕してコンクリート屑にする地中杭の除去装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載された地中杭の除去装置では、カッターは杭の上面からカットして行くため掘削が極めて困難となり、さらに杭を割ることに多大な時間を費やすという問題があった。
【0006】
上記した特許文献1には、杭を必要な位置で切断するものとして杭の内側には前記した固定のカッターの他に可動カッター(コピーカッター)を進退可能に突設した実施形態も記載されている。しかし、この可動カッターは、油圧シリンダーを内装したベッドに設けられ水平方向に出没可能となっていて、このベッドには高圧ホースで液圧が印加されるようになっており、油圧スイベルが必要となるとともに、ケーシング内に高圧ホースを入れるとケーシングの内径の有効活用が阻害され、さらに、ケーシングの継ぎ足しに応じたホースの継ぎ足し、スイベル装置の取り付け、取り外し等の作業が増え、作業効率が悪い。
【0007】
しかも、可動カッターは可動であるが故にカッター自体およびそれを支える機構をコンクリートおよび鉄筋を切断するのに耐える堅牢なものとすることは難しく、また、カッターをケーシング内周に対称に2個設けたものとしても、鉄筋を切断する際に、1個のカッターにかかる負担は大きく、簡単に鉄筋を切断することが困難である。
【0008】
上記した従来例の不都合を解消するために、ケーシングヘッド内周面にカッターを突設した掘削ケーシングをケーシングドライバーにより揺動回転させながら既存杭を偏芯させて該既存杭に接触させないでこれを囲むようにして切断位置まで地盤に挿入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで既存杭を外周部から水平に切断し、ハンマーグラブ等の瓦礫除去手段で処理済みの既存杭を取り出す既存杭の除去工法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−120671号公報
【特許文献2】特許第3683229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した特許文献2の工法においては、杭を切断したい位置(深さ)まで、ケーシングヘッド内周面に突設したカッターが既存杭には接触しない状態で揺動回転させながら地盤に挿入する。次いで、切断したい位置に達したら掘削ケーシングを全周回転させて、それまで当たらないカッターが既存杭の外周に当たり外周部から水平に切断する。その後、ハンマーグラブ等の瓦礫除去手段で処理済みの既存杭を取り出すようにしている。
【0011】
上記した特許文献2のものにおいては、切断したい位置で、外周部から水平に切断するように構成しているため、杭は水平に部分的に切れ目を入れた状態になる。このため、杭は、重力により下方向に切断される杭部分の重量がそのまま切れ目にかかり、埋設された状態の位置を保つことになる。従って、ハンマーグラブ等で杭を取り出す際には、切れ目が入っていない杭のコンクリ部分を上方に引っ張って切り離す必要がある。このため、ハンマーグラブ等で引っ張り上げる時に大きな力が必要になるなどの問題があった。
【0012】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、杭等の地下埋設体に切れ目を入れる作業で地下埋設体が切断され、ハンマーグラブ等で引っ張り上げる際に地下埋設体を分離するための大きな力を必要としない地下埋設体の除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の地下埋設体の除去方法は、ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシングを、前記内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で地下埋設体に対して偏心して配置し、前記掘削ケーシングの前記内周面の前記カッターを前記地下埋設体に接触させないで、前記掘削ケーシングを揺動し、前記地下埋設体の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで前記地下埋設体の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して前記地下埋設体を切断し、切断された地下埋設体を取り出すことを特徴とする。
【0014】
また、前記複数のカッターは、前記ケーシングヘッドの内周面に、半周内に収まるように、所定の間隔を有し且つ、水平方向から2°〜3°の角度を有して一列に配置されているように構成すればよい。
【0015】
この発明によれば、地下埋設体に対してこの地下埋設体を囲む位置で、偏芯をした位置に掘削ケーシング及びケーシングヘッドをセットし、地下埋設体を切断したい位置(深さ)まで揺動回転させながら地盤に圧入する。この時には、ケーシングヘッド内周面に突設したカッターは地下埋設体には接触しない。次いで、切断したい位置に達したら掘削ケーシングを全周回転させれば、それまで当たらないカッターが地下埋設体の外周に当たり外周部から内周部に向かって楔形切り溝を形成して切断する。その後、ハンマーグラブ等で切断した地下埋設体を取り出す。
【0016】
また、揺動掘削であるので、杭の共回りが発生することがなく、切断したい位置まで確実に地下埋設体の周囲を掘削し、その位置で回転切断することができる。
【0017】
そして、カッターは、ケーシング内周に半周内に収まるようにしたので、他の半周面を地下埋設体に近接させればカッターを地下埋設体に接触させずにケーシングヘッドを揺動回転させることができる。さらに、カッターは、所定の角度を有して順次並べられているので、楔形に切れ目を入れるような切断となり、地下埋設体はその楔形の切れ目に沿って、くの字状に折れる。楔形の切れ目を入れることで、地下埋設体は、上部の地下埋設体の重さにより、楔の方向に折れ曲がり破断することになる。よって、別途ハンマーグラブ等で引っ張って上下に既存杭を分離する必要はなく、確実かつ迅速に切断ができる。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、この発明は、地下埋設体に楔形の切れ目を入れることで、地下埋設体は、上部の重さにより、楔の方向に折れ曲がり破断することになる。よって、別途ハンマーグラブ等で引っ張って上下に既存杭を分離する必要はなく、確実かつ迅速に切断ができるため、作業能率を大幅に向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態に用いられる全旋回掘削機の設置状態を示す側面図である。
【図3】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態で用いられる定規鉄板を示す平面図である。
【図4】この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図5】この発明の地下埋設体の除去方法を工程別に示す概略断面図である。
【図6】この発明の地下埋設体の除去装置の実施形態に用いられる全旋回掘削機、反力装置とクローラクレーンの設置状態を示す上面図である。
【図7】この発明の地下埋設体の除去装置に用いられる全旋回掘削機と掘削ケーシングを示す側面図である。
【図8】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを揺動して圧入している状態を示す側面図である。
【図9】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを全回転させ杭を切断させている状態を示す側面図である。
【図10】この発明の地下埋設体の除去装置において、切断した杭を取り出している状態を示す側面図である。
【図11】この発明の地下埋設体の除去装置において、掘削ケーシングを延長して後に、切断した杭を取り出している状態を示す側面図である。
【図12】この発明の地下埋設体の除去装置の第2実施形態を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0021】
図1は、この発明の地下埋設体の除去装置の第1実施形態を示す縦断側面図、図4は、同上平面図である。
【0022】
この発明に用いられる掘削ケーシング1は、継ぎ足して必要な長さとする本体部10の先端にケーシングヘッド11が嵌め込まれ、本体部10とケーシングヘッド11とは、ボルト12で締結される。また、ケーシングヘッド11は、下端に掘進カッター13を設けている。
【0023】
この掘削ケーシング3は、図4から図7に示すように、全旋回掘削機(ケーシングドライバー)3で揺動及び回転可能に支持される。
【0024】
この全旋回掘削機3は、周知のように、例えばオールケーシング工法で使用する圧入機である。この全旋回掘削機3は、図2に示すように、ジャッキ31により水平に設置されるベースフレーム32上の四隅にガイドポスト33を立設し、これらのガイドポスト33に沿って液圧シリンダー(図示せず)により昇降される昇降フレーム34を取付ける。そして、この昇降フレーム34に液圧モータ(図示せず)により歯車機構(図示せず)等の動力伝達装置を介して回転駆動される回転体を設置する。この回転体はケーシング3を貫挿可能な円筒形をなすものであり、この回転体には液圧シリンダー等(図示せず)により開閉される可動バンド等を有するチャック装置を備える。
【0025】
全旋回掘削機3は、クローラクレーン5により、定規鉄板2の全旋回ジャッキ部受け皿21に位置合わせされ敷設される。
【0026】
掘削ケーシング1は、前記全旋回掘削機3により外周をチャックされながら回転推進されて地盤に圧入されるものである。
【0027】
全旋回掘削機3には、図6〜図11に示すように、反力装置4が取り付けられる。全旋回掘削機3は、回転方向に対して同一方向に回転する力が発生するために、反力装置4により、その反力をクローラクレーン5の本体で受けて回転を抑えている。
【0028】
さて、この発明では、図1及び図4に示すように、掘削ケーシング1先端のケーシングヘッド11の内周面に、カッター14a、14b、…14eを半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から上方に所定角度(θ)を有して一列に配置している。この角度(θ)は、2°〜3°の範囲で適宜選択すればよく、この実施形態では、2.5°である。そして、これらカッター14a、14b、…14eは、順次その突出長さが長くなるように並べてられている。このカッター14a、14b、…14eは、掘削ケーシング1を構成する金属よりも焼き入れの多い超硬金属をもってなる鋭利な刃を有する爪状のもので、溶接などにより堅牢にケーシングヘッド11の内周面に取り付ける。
【0029】
そして、カッター14a、14b、…14eは、複数個のうち、全部又は一部が地下埋設体としての既存杭100の鉄筋101からのコンクリートかぶり厚さhよりもケーシングヘッド11の内周面からの突出長を大きくしている。この実施形態では、カッターは、最小のカッター14aから順次突出長が大きくなるように並べた。
【0030】
前記カッター14a、14b、…14eの数は、ケーシングヘッド11の径により決定するが、ケーシングヘッド11の径は既存杭100の径と最大長のカッター14eの長さとさらに一定に隙間長を合わせたものとする。
【0031】
次に、かかる掘削ケーシング1を使用して既存杭100を除去する方法について説明する。ここで、既存杭100は地中に埋設された構造物として例えば、内部に鉄筋を有するコンクリート杭(PC、RC等の既製杭、現場造成杭)を示す。処理できる既存杭100の直径は前記掘削ケーシング3の直径に依存するが処理の容易性等から数メートル以内程度が好適である。
【0032】
(1)杭頭出し
油圧ショベル等で該当箇所を掘削し、撤去する既存杭100の杭頭の位置、杭径、主筋を確認し、埋め戻す。このとき、全旋回掘削機3を既存杭100に対して偏心して設置するために、杭心棒23の位置を設置して、全旋回掘削機3の設置位置を確認する。この杭心棒23は、図2及び図3に示すように、全旋回掘削機3を載置する定規鉄板2の中心に設置される。この位置は、ケーシングの貫通可能な円穴の中心にX、Y方向の線22の交点である。また、杭心棒23の代わりに、全旋回掘削機3の設置位置をこの定規鉄板2の中心に設けられるケーシングの貫通可能な円穴の中心にX,Y方向の線に沿って糸や鉄筋を張り、その交点で位置合わせしてもよい。
【0033】
(2)全旋回掘削機据付
図2、図5(a)に示すように、定規鉄板2に設けたガイドに全旋回掘削機3の4隅を合わせて全旋回掘削機3を載せ、偏心位置の中央を示す杭心棒23を用いて設置した定規鉄板2に全旋回掘削機3の中心を合わせて全旋回掘削機3を設置する。また、図6に示すように、全旋回掘削機3には、反力装置4が連結して取り付けられ、この反力装置4とクローラクレーン5とが当接して掘削反力が取れるようにする。
【0034】
(3)掘削ケーシング1の建て込み
図7に示すように、掘削ケーシング1を全旋回掘削機3に建て込む。この掘削ケーシング1の建て込みは、クローラクレーン5のロープ51に吊り下げて行う。既存杭100対して偏芯した位置に掘削ケーシング1及びケーシングヘッド11をセットする。この時、図4に示すように、既存杭100は、カッター14a、14b、…14eから遠ざかり、カッター14a、14b、…14eが存在しない掘削ケーシング1の内周面側に近づく状態となる。
【0035】
(4)掘削ケーシング1の圧入
図5(b)、図8に示すように、全旋回掘削機3によりケーシング5を杭100の目標切断深度まで揺動させて圧入する。掘削ケーシング1をその外周を全旋回掘削機3のチャック装置で締め付け固定し、駆動装置でこのチャック装置5を左右に回転(揺動)させると同時に掘削ケーシング1及びケーシングヘッド11を既存杭1の囲むようにしてその外周部分の地盤に圧入する。この掘削ケーシング1の圧入では、ケーシングヘッド11の内周面に設けられたカッター14a、14b、…14eと杭100とは接触しない状態で左右に回転(揺動)する。
【0036】
この掘削ケーシング3での掘削は既存杭100を切断したい深さ(数メートル)まで行う。この数メートルの深さとは、切断した既存杭100aの重量がハンマーグラブ52で取り出し可能な長さである。
【0037】
(5)切削溝の形成
次に、図5(c)、図9に示すように、切断したい数メートルの位置に達したならば、全旋回掘削機3で掘削ケーシング3を一方向に全周回転させる。その結果、カッター14a、4b、…14eが短いカッター14aから順に既存杭100の外周にくい込む。この時、カッター14a、14b、…14eは、水平方向から上方に所定角度(θ)を有して一列に配置されているので、既存杭100の外周には、水平方向から上方向に楔形の切り溝が形成される。前記カッター14a、14b、…14eのくい込みにより、鉄筋101は切断されるとともに、杭100の外周から内周に向かって楔形の切り溝が形成され、既存杭100の上部の重みにより、楔形切り溝に向かって既存杭100は、くの字になって切断される。なお、カッター14a,14b,…14eの厚みは50〜100mmが好適である。
【0038】
(6)切断した杭の撤去
次に、図5(d)、(e)、図10に示すように、ロープ51により支持されたハンマーグラブ52により、切断された杭100aを把持し、地上に引上げて撤去する。
【0039】
(7)ケーシング継ぎ足し
次に、図11に示すように、ケーシング本体10を継ぎ足す。そして、上記(3)ないし(7)の工程を既存杭100の全部が撤去されるまで繰り返す。
【0040】
このようにして、地下に埋設された杭等の地下埋設体を除去することができる。
【0041】
次に、この発明の第2の実施形態につき説明する。図12は、この発明の地下埋設体の除去装置の第2実施形態を示す縦断側面図である。
【0042】
この第2実施形態に用いられる掘削ケーシング1も第1実施形態と同様に、継ぎ足して必要な長さとする本体部10の先端にケーシングヘッド11が嵌め込まれ、本体部10とケーシングヘッド11とは、ボルト12で締結される。また、ケーシングヘッド11は、下端に掘進カッター13を設けている。
【0043】
この発明の第2実施形態は、ケーシングヘッド11の内周面に、カッター14a、14b、…14eを半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から下方に所定角度(θ)を有して一列に配置している。その他の構成は,第1実施形態と同様である。
【0044】
この第2実施形態のように、カッター14a、14b、…14eを水平方向から下方に配した掘削シーリング1を用いても,楔形の切り溝を既存杭100の外周から内周に向かって形成し、第1実施形態と同様に、既存杭100をくの字型に切断することができる。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 掘削ケーシング
10 ケーシング本体
11 ケーシングヘッド
13 掘進カッター
14a,14b,…14e カッター
2 定規鉄板
3 全旋回掘削機
4 反力装置
100 杭
101 鉄筋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシングを、前記内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で地下埋設体に対して偏心して配置し、前記掘削ケーシングの前記内周面の前記カッターを前記地下埋設体に接触させないで、前記掘削ケーシングを揺動し、前記地下埋設体の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで前記地下埋設体の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して前記地下埋設体を切断し、切断された地下埋設体を取り出すことを特徴とする地下埋設体の除去方法。
【請求項2】
前記複数のカッターは、前記ケーシングヘッドの内周面に、半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から2°〜3°の角度を有して一列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設体の除去方法。
【請求項1】
ケーシングヘッドの内周面に、水平方向から所定角度を有して複数のカッターを一列に配置した掘削ケーシングを、前記内周面のカッターからは遠ざかり且つカッターが存在しない内周面側に近づく状態で地下埋設体に対して偏心して配置し、前記掘削ケーシングの前記内周面の前記カッターを前記地下埋設体に接触させないで、前記掘削ケーシングを揺動し、前記地下埋設体の切断位置まで地盤に圧入し、次いで、掘削ケーシングを全周回転させて前記カッターで前記地下埋設体の外周から内周に向かって楔形の切り溝を形成して前記地下埋設体を切断し、切断された地下埋設体を取り出すことを特徴とする地下埋設体の除去方法。
【請求項2】
前記複数のカッターは、前記ケーシングヘッドの内周面に、半周内に収まるように、所定の間隔を有し、かつ、水平方向から2°〜3°の角度を有して一列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の地下埋設体の除去方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−7354(P2012−7354A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143311(P2010−143311)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(510176503)川重産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(510176503)川重産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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