説明

地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造およびその施工法

【課題】 各シールドトンネルの覆工の強化や補助トンネル部の大型化をすることなく、トンネル構造の土圧等に対する強度を大きくし、これにより地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の経済的な施工を可能にすること。
【解決手段】 地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造は、それぞれの側部に設けられた開口部を経て連通する、ほぼ平行な第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルと、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルを補強する補強手段とを有する。前記第2のシールドトンネルは本体トンネル部と、それぞれが該本体トンネル部と一体をなす、それぞれの軸線が前記本体トンネル部の軸線に平行である2つの補助トンネル部とからなり、前記補助トンネル部は前記第1のシールドトンネルに接する。前記補強手段は、各シールドトンネルに固定された、上方に凸状の複数のアーチ部材および下方に凸状の複数のアーチ部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造およびその施工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の施工法として、第1のシールドトンネルと第2のシールドトンネルとを構築し、前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとの間の地盤を改良した後、前記地盤を掘削し、前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとを連通させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−138899
【0003】
しかし、上記施工法における地盤の改良は、比較的広範囲に亘って行う必要があるため、地盤の改良に多くの工費と工期とを要する。そこで、地下道路の分岐部または合流部の経済的な施工を可能にするために、地盤の改良を最小限に抑えた、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造およびその施工法が提案されている(特願2004−199650)。
【0004】
提案されたトンネル構造は、それぞれの側部に設けられた開口部を経て連通する第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルを有し、前記第2のシールドトンネルは本体トンネル部と、それぞれが該本体トンネル部と一体をなす2つの補助トンネル部とからなる。前記補助トンネル部の軸線は前記本体トンネル部の軸線に平行であり、前記補助トンネル部は前記第1のシールドトンネルに接する位置にある。このトンネル構造によれば、前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとを連通させるための、前記開口部間の地盤の掘削は、前記補助トンネル部と前記第1のシールドトンネルとの接触部近傍の地盤を改良することにより行うことができる。前記補助トンネル部の施工を要するものの、改良する地盤の範囲は局部的であるため、地下道路の分岐部または合流部の経済的な施工が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、提案されたトンネル構造には、土圧および水圧(以下「土圧等」という。)に対する強度を大きくしようとするとき、各シールドトンネルの覆工を強化することや前記補助トンネル部を大型化するなどの対策を要するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、各シールドトンネルの覆工の強化や前記補助トンネル部の大型化をすることなく、前記トンネル構造の土圧等に対する強度を大きくし、これにより地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の経済的な施工を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造を補強手段を用いて補強することにより、前記トンネル構造の土圧等に対する強度を大きくする。
【0008】
本発明に係る、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造は、ほぼ平行に設けられかつそれぞれの側部に設けられた開口部を経て連通する第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルと、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルを補強する補強手段とを有する。前記第2のシールドトンネルは本体トンネル部と、それぞれが該本体トンネル部と一体をなす2つの補助トンネル部とからなり、各補助トンネル部の軸線は前記本体トンネル部の軸線に平行であり、前記補助トンネル部は前記第1のシールドトンネルに接する位置にある。前記補強手段は、前記第1のシールドトンネルと、前記第2のシールドトンネルの前記本体トンネル部とに固定された、上方に凸状の複数のアーチ部材および下方に凸状の複数のアーチ部材を含む。これにより、第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルを補強することができる。すなわち、前記アーチ部材により土圧等の一部を支持することによって、各シールドトンネルの覆工に作用する土圧等を軽減することができる。よって、各シールドトンネルの覆工の強化や前記補助トンネル部の大型化をすることなく、前記トンネル構造の土圧等に対する強度を大きくすることができる。
【0009】
本発明に係る、地下道路の合流部または分岐部のためのトンネル構造の施工法は、まず、第1のシールドトンネルを構築し、次に、本体トンネル部と、それぞれの軸線が前記本体トンネル部の軸線に平行である2つの補助トンネル部とからなる第2のシールドトンネルを、前記第1のシールドトンネルにほぼ平行でありかつ前記補助トンネル部が前記第1のシールドトンネルに接するように構築する。その後、上方に凸状の複数のアーチ部材および下方に凸状の複数のアーチ部材を、各アーチ部材に取り付けられた掘削手段を用いて、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルの上方または下方の地盤に挿入する。その後、前記アーチ部材の各一端を前記第1のシールドトンネルの覆工に、またその各他端を前記第2のシールドトンネルの前記本体トンネル部の覆工にそれぞれ固定する。その後、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルのそれぞれの側部に開口部を設け、該開口部間の地盤を掘削して前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとを連通させる。
【0010】
前記掘削手段は、高圧水を地盤に噴射するためのノズルを先端に有する配管と、ずりを排出する排出管と、前記高圧水の拡散を防止するための案内刃とを備えることができる。この場合、各アーチ部材内において前記配管が占める空間の割合は比較的小さいことから、前記排出管の径を比較的大きくすることができる。これにより、効率よくずりを排出することができ、前記アーチ部材の効率的な施工が可能となる。また、前記掘削手段は、地盤を掘削するための回転ビットを先端部に有する内管と、該内管を内側に有する先導管と、前記内管内に取り付けられた、ずりを排出する排出管とを備えることができる。前記先導管と前記内管との間には隙間が設けられ、該隙間は切羽と前記排出管とに通ずる。これにより、前記アーチ部材を比較的強固な地盤へ挿入することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記補強手段を用いて前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルを補強することによって、前記トンネル構造の土圧等に対する強度を大きくすることができ、これにより地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の経済的な施工を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
地下道路の合流部または分岐部のためのトンネル構造10を示す図1、2を参照すると、該トンネル構造はそれぞれに地下道路12が設けられる、ほぼ平行な第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16を備える。第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16の覆工は、鋼製セグメントまたは鉄筋コンクリートと鋼板とを用いた合成セグメントからなる。地下道路12の合流部または分岐部を設けるために、第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16のそれぞれの側部には開口部18が設けられ、第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16とは開口部18経て連通している。第1のシールドトンネル14の軸線方向における開口部18の長さは約100mである。第1のシールドトンネル14の断面は直径約11mの円形であるが、円形に代え、楕円形または矩形でもよい。
【0013】
第2のシールドトンネル16は、地下道路12を設けるための本体トンネル部20と、これと一体をなす2つの補助トンネル部22とを有する。本体トンネル部20の断面は直径約7mの円形であるが、円形に代え、楕円形または矩形でもよい。また、各補助トンネル部22の軸線は、本体トンネル部20の軸線と平行であり、補助トンネル部22は第1のシールドトンネル14に接触している。前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとを連通させるための、開口部18間の地盤の掘削は、第1のシールドトンネル14と補助トンネル部22との接触部24近傍の地盤を改良することにより行う。改良する地盤の範囲は局部的であるため、地下道路12の分岐部または合流部の経済的な施工が可能となる。
【0014】
接触部24において、第1のシールドトンネル14および補助トンネル部22のそれぞれの覆工に複数の凍結管26が設けられている(図6)。地盤の改良は、凍結管26を用いて地盤を凍結することにより行う。また、接触部24における第1のシールドトンネル14の覆工には、補助トンネル部22の形状に合わせた円弧状の横断面を有する溝28が形成されている(図6)。溝28には、シールド掘進機(図示せず)により掘削可能な、モルタル、合成樹脂等の充填材料30が充填され(図4)、該充填材料は、第2のシールドトンネル16の構築とともにシールド掘進機(図示せず)により掘削される(図6)。これにより、第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16とを確実に接触させることができる。
【0015】
また、接触部24において、複数の連結部材32が第1のシールドトンネル14および補助トンネル部22のそれぞれの覆工を貫通して配置され、各覆工に溶接により固定されている(図6)。これにより、第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16とをしっかりと固定することができる。連結部材32は一辺が約100mmの正方形断面を有する棒鋼であるが、棒鋼に代え、形鋼でもよい。第1のシールドトンネル14または第2のシールドトンネル16の軸線方向における、連結部材32の設置間隔は500mm程度である。また、第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16との間の恒久的な止水を行うために、開口部18間に止水板34が配置され、第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16のそれぞれの覆工に溶接により固定されている。
【0016】
図1,2に示すように、トンネル構造10は、補強手段36である、上方に凸状の複数のアーチ部材38および下方に凸状の複数のアーチ部材40を備える。アーチ部材38は、それぞれが第1のシールドトンネル14上部から第2のシールドトンネル16の本体トンネル部20上部に亘って配置され、アーチ部材40は、それぞれが第1のシールドトンネル14下部から第2のシールドトンネル16の本体トンネル部20下部に亘って配置されている。アーチ部材38,40の各端部は、各シールドトンネルの覆工に設けられた貫通穴42を経て、各覆工を貫通し、溶接により各覆工に固定されている。アーチ部材38,40は鋼製であり、直径が300mmから500mm程度の円形の中空断面を有する。第1のシールドトンネル14または第2のシールドトンネル16の軸線方向における、アーチ部材38,40の設置間隔は、1.0mから1.5m程度である。これにより、第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルを補強することができる。すなわち、アーチ部材38,40により土圧等の一部を支持することによって、各シールドトンネルの覆工に作用する土圧等を軽減することができる。よって、各シールドトンネルの覆工の強化や補助トンネル部22の大型化をすることなく、トンネル構造10の土圧等に対する強度を大きくすることができる。
【0017】
図1、2に示す、地下道路の合流部または分岐部のためのトンネル構造10の施工時、まず、図3、4に示すように、円形断面の第1のシールドトンネル14を、凍結管26と予め充填材料30が充填された溝28とを有するセグメントを用いて構築する(図4)。
【0018】
次に、図5、6に示すように、第2のシールドトンネル16を、第1のシールドトンネル14にほぼ平行に、補助トンネル部22と第1のシールドトンネル14とが接するように構築する。このとき、シールド掘進機(図示せず)により溝28に充填された充填材料30を掘削しつつ第2のシールドトンネル16を構築することによって、補助トンネル部22と第1のシールドトンネル14とを接触させる。また、第1のシールドトンネル14と補助トンネル部22との接触部24には、凍結管26が設けられたセグメントを配置する。
【0019】
次に、凍結管26に液体窒素を送り、接触部24近傍の地盤を凍結し、第1のシールドトンネル14と補助トンネル部22との間の地盤を改良する。第1のシールドトンネル14と補助トンネル部22とを接触させたことにより、改良する地盤の範囲を最小限に抑えることができ、これにより地盤の改良に要する費用を低減することができる。また、地盤の改良は、凍結によって行う上記の例に代え、薬液注入により行ってもよい。
【0020】
次に、第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16を固定するために連結部材32を設置する。連結部材32の設置は、第1のシールドトンネル14および補助トンネル部22のそれぞれの覆工を貫通する穴48を設け、該穴に各連結部材を挿入し、各覆工に溶接して固定することにより行う。これにより、第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16とをしっかりと固定することができる。
【0021】
その後、アーチ部材38,40を施工する。図7に示すように、アーチ部材38,40の施工は、特許文献2で知られる、高圧水を用いて曲管を地中へ挿入する方法を用いる。まず、地中へ挿入するアーチ部材38aと、該アーチ部材に取り付ける掘削手段50とを用意する。掘削手段50は、高圧水52を地盤に噴射するためのノズル54を先端に備えた配管56と、ずり58を排出する排出管60と、高圧水52の拡散を防止するための案内刃62とを備える。次に、アーチ部材38aの先端部に案内刃62を取り付け、外周部に配管56が取り付けられた排出管60をアーチ部材38a内に挿入し、アーチ部材38aの先端部にノズル54が配置されるように取り付ける。
【特許文献2】特開2004−238854
【0022】
次に、第1のシールドトンネル14上方の地盤を薬液注入により改良し、図8に示すように、第1のシールドトンネル14の上部の覆工にアーチ部材38aを挿入するための貫通穴42aを設ける。次に、アーチ部材38aを貫通穴42aから第1のシールドトンネル14上方の地盤へ挿入し、ノズル54から高圧水52を地盤に噴射させ、ずり58を排出管60から排出し、その間にアーチ部材38aを液圧ジャッキ(図示せず)により推進する(図7)。次に、第1のシールドトンネル14の覆工と同様に、本体トンネル部20の上部の覆工に、アーチ部材38aを到達させるための貫通穴42bを設け、貫通穴42bを経てアーチ部材38aを本体トンネル部20内に到達させる。その後、第1のシールドトンネル14および本体トンネル部20のそれぞれの覆工にアーチ部材38aを溶接して固定する。その後、他のアーチ部材38を、アーチ部材38aと同様に、第1のシールドトンネル14および本体トンネル部20のそれぞれの上部の覆工に固定する。
【0023】
その後、アーチ部材38と同様に、アーチ部材40を第1のシールドトンネル14および本体トンネル部20の下方の地盤へ挿入し、第1のシールドトンネル14および本体トンネル部20のそれぞれの下部の覆工に溶接して固定する。アーチ部材38,40は、第1のシールドトンネル14から第2のシールドトンネル16へ向けて推進することに代え、第2のシールドトンネル16から第1のシールドトンネル14へ向けて推進してもよい。アーチ部材40はアーチ部材38に先立って設置してもよい。高圧水を用いる上記の方法は、各アーチ部材内において配管56が占める空間の割合が比較的小さいことから、ずり58を排出する排出管60の径を比較的大きくすることができる。これにより、効率よくずり58を排出することができ、アーチ部材38,40の効率的な施工が可能となる。また、アーチ部材38,40の先端に案内刃62を備えることにより、高圧水52が周辺地盤に広範に作用することによる余掘りを抑えることができるため、地盤の安定を損なうことがない。
【0024】
アーチ部材38,40の施工は、高圧水を用いる上記の方法に代え、図9に示すように、特許文献3で知られる、回転ビットを用いて曲管を地中へ挿入する方法を用いることもできる。この場合、掘削手段50は、モータ64により回転する回転ビット66を先端部に備えた内管68と、該内管を内側に備える先導管70と、内管68内に取り付けられた、ずり72を排出するための排出管74とを備える。先導管70と内管68との間には隙間76が設けられ、該隙間は切羽と排出管74とに通ずる。アーチ部材38aの施工時、先導管70の後端部にアーチ部材38a(図示せず)を接続し、回転ビット66を回転させて地盤を掘削しつつ、ずり72を先導管70と内管68との隙間76を通して排出管74から排出する。その間に、アーチ部材38aを液圧ジャッキ(図示せず)により地盤へ挿入する。これにより、アーチ部材38aを比較的強固な地盤へ挿入することが可能となる。
【特許文献3】特開平11−81865
【0025】
次に、図2に示すように、第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16のそれぞれの側部に開口部18を設け、該開口部間の地盤を掘削して第1のシールドトンネル14と第2のシールドトンネル16とを連通させる。その後、開口部18間に止水板34を配置し、第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16のそれぞれの覆工に溶接により固定する。
【0026】
本発明によれば、補強手段36を用いて第1のシールドトンネル14および第2のシールドトンネル16を補強することができる。これにより、各シールドトンネルの覆工の強化や補助トンネル部22の大型化をすることなく、トンネル構造10の土圧等に対する強度を大きくすることができ、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の経済的な施工を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の斜視図。
【図2】本発明に係る、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造の断面図。
【図3】本発明に係る、第1のシールドトンネルを構築した後の第1のシールドトンネルの断面図。
【図4】図3の線4における断面拡大図。
【図5】本発明に係る、第1のシールドトンネルと第2のシールドトンネルとを固定した後の第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルの断面図。
【図6】図5の線6における断面拡大図。
【図7】本発明の第1の実施例に係る、アーチ部材を地盤へ挿入しているときのアーチ部材先端部の断面図。
【図8】本発明に係る、アーチ部材を設置した後の第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルの断面図。
【図9】本発明の第2の実施例に係る、アーチ部材を地盤へ挿入しているときのアーチ部材先端部の断面図。
【符号の説明】
【0028】
10 トンネル構造
12 地下道路
14 第1のシールドトンネル
16 第2のシールドトンネル
18 開口部
20 本体トンネル部
22 補助トンネル部
36 補強手段
38、40 アーチ部材
52 高圧水
54 ノズル
56 配管
58、72 ずり
60、74 排出管
62 案内刃
66 回転ビット
68 内管
70 先導管
76 隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ平行に設けられかつそれぞれの側部に設けられた開口部を経て連通する第1のシールドトンネルおよび第2のシールドトンネルと、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルを補強する補強手段とを有する、地下道路の分岐部または合流部のためのトンネル構造であって、前記第2のシールドトンネルは本体トンネル部と、それぞれが該本体トンネル部と一体をなす、それぞれの軸線が前記本体トンネル部の軸線に平行である2つの補助トンネル部とからなり、前記補助トンネル部は前記第1のシールドトンネルに接する位置にあり、前記補強手段は、前記第1のシールドトンネルと、前記第2のシールドトンネルの前記本体トンネル部とに固定された、上方に凸状の複数のアーチ部材および下方に凸状の複数のアーチ部材を含む、トンネル構造。
【請求項2】
地下道路の合流部または分岐部のためのトンネル構造の施工法であって、
第1のシールドトンネルを構築すること、
本体トンネル部と、それぞれの軸線が前記本体トンネル部の軸線に平行である2つの補助トンネル部とからなる第2のシールドトンネルを、前記第1のシールドトンネルにほぼ平行でありかつ前記補助トンネル部が前記第1のシールドトンネルに接するように構築すること、
上方に凸状の複数のアーチ部材および下方に凸状の複数のアーチ部材を、各アーチ部材に取り付けられた掘削手段を用いて、前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルの上方または下方の地盤へ挿入すること、
前記アーチ部材の各一端を前記第1のシールドトンネルの覆工に、またその各他端を前記第2のシールドトンネルの前記本体トンネル部の覆工にそれぞれ固定すること、
前記第1のシールドトンネルおよび前記第2のシールドトンネルのそれぞれの側部に開口部を設け、該開口部間の地盤を掘削して前記第1のシールドトンネルと前記第2のシールドトンネルとを連通させることを含む、トンネル構造の施工法。
【請求項3】
前記掘削手段は、高圧水を地盤に噴射するためのノズルを先端に有する配管と、ずりを排出する排出管と、前記高圧水の拡散を防止するための案内刃とを備える、請求項2に記載のトンネル構造の施工法。
【請求項4】
前記掘削手段は、地盤を掘削するための回転ビットを先端部に有する内管と、該内管を内側に有する先導管と、前記内管内に取り付けられた、ずりを排出する排出管とを備え、前記先導管と前記内管との間には隙間が設けられ、該隙間は切羽と前記排出管とに通ずる、請求項2に記載のトンネル構造の施工法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−40018(P2007−40018A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226828(P2005−226828)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【Fターム(参考)】