説明

地中埋設物構造

【課題】主に、雨水貯留浸透施設とインフラ幹線とを効率良く設置し得るようにする。
【解決手段】地中にインフラ幹線11が埋設される。また、地中に雨水貯留浸透施設21が埋設される。そして、雨水貯留浸透施設21を、インフラ幹線11の長手方向に延設する。また、雨水貯留浸透施設21の内部に、インフラ幹線11を貫通配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中埋設物構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中に対し、電力、通信、水道、ガスなどのインフラ資源を供給、伝送するためのインフラ幹線(電力ケーブル、通信ケーブル、水道管、ガス管など)が埋設されている。
【0003】
例えば、図5は、インフラ幹線としての電力ケーブルと通信ケーブルとを一緒にして地中に埋設するようにした共同溝構造を示すものである。この図の電力ケーブル1は、ケーブル本体が鞘管に収容された状態で横2列縦3段に配置されている。これらの電力ケーブル1の鞘管は、それぞれ同じ大きさのものとされ、それぞれ管台2を用いて整然と保持されている。そして、その隣には、通信ケーブル3が、ケーブル本体を鞘管に収容された状態で縦2段に配置されている。この通信ケーブル3の鞘管は、上下で異なる大きさのものとされ、それぞれが適合する形状の管台4を用いて保持されている。なお、この場合、通信ケーブル3の鞘管は、幹線ケーブルを下段の鞘管に、引込ケーブルを上段の鞘管に収容し得るようにした次世代型CC−BOXと呼称されている。管台2,4は、それぞれ電力ケーブル1や通信ケーブル3の延設方向に対し所定の間隔を有して設けられている。図中、符号5は地面を示している。
【0004】
また、図6は、上記とは別の、インフラ幹線としての電力ケーブルと通信ケーブルとを一緒にして地中に埋設するようにした共同溝構造を示すものである。この図の電力ケーブル6は、ケーブル本体が鞘管に収容された状態で横2列縦2段に配置されている。これらの電力ケーブル6の鞘管は、上下で異なる大きさのものとされ、それぞれが適合する形状の管台7を用いて整然と保持されている。そして、その隣には、1本の通信ケーブル8が、ケーブル本体を鞘管に収容された状態で配置されている。この通信ケーブル8の鞘管は、管台9を用いて保持されている。なお、この場合、通信ケーブル8の鞘管は、ケーブル本体を構成する幹線ケーブルと引込ケーブルとを仕切部材で上下に隔てて別々に収容し得るようにした第3世代型CC−BOXと呼称されている。管台7,9は、それぞれ電力ケーブル6や通信ケーブル8の延設方向に対し所定の間隔を有して設けられている。図中、符号5は、地面を示している。
【0005】
これとは別に、地中に対し、雨水貯留浸透施設が埋設されている。この雨水貯留浸透施設は、雨水を貯留して地中に浸透させるようにした施設である。
【0006】
上記したインフラ幹線と、雨水貯留浸透施設とは、通常、管理主体が異なっているため、同じような場所に対し、全く別々に競合して埋設されている。なお、インフラ幹線と、雨水貯留浸透施設とが交差する部分については、雨水貯留浸透施設に対し、鞘管を幅方向へ貫通させ、この鞘管に対してインフラ幹線を通すようにしたものが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−68184号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記地中埋設物構造には、以下のような問題があった。
【0009】
即ち、雨水貯留浸透施設とインフラ幹線とは、これまで、同じような場所に全く別々に競合して埋設されていたので、お互いを避けて設置する必要があり、狭小場所などでは、どちらか一方しか設置できないようなことも生じていた。また、それぞれが別々に施工されることから、土木工事が別個に行われており、時間的にもコスト的にも無駄が多かった。また、設置後にインフラ幹線に対して分岐工事を行う場合などには、雨水貯留浸透施設を避けて工事を行う必要があり、対応が難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、地中にインフラ幹線が埋設され、また、地中に雨水貯留浸透施設が埋設された地中埋設物構造において、前記雨水貯留浸透施設を、前記インフラ幹線の長手方向に延設すると共に、前記雨水貯留浸透施設の内部に、前記インフラ幹線を貫通配置したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された発明は、地中にインフラ幹線が埋設され、また、地中に雨水貯留浸透施設が埋設された地中埋設物構造において、前記雨水貯留浸透施設を、前記インフラ幹線の長手方向に延設すると共に、前記雨水貯留浸透施設の上部に沿って前記インフラ幹線を配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載された発明は、上記において、前記雨水貯留浸透施設の内部または上部に、前記インフラ幹線の位置を規制可能な幹線位置規制部が設けられたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載された発明は、上記において、前記雨水貯留浸透施設が、横方向に隣接する複数の処理ブロック部を有し、前記インフラ幹線が、種別ごとに各処理ブロック部に仕分けして設置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、雨水貯留浸透施設の内部に、インフラ幹線を貫通配置することにより、これまで、同じような場所に全く別々に競合して埋設されていた両者を統合して一元化を図ることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、雨水貯留浸透施設の上部に沿ってインフラ幹線を配置することにより、雨水貯留浸透施設の内部にインフラ幹線を設置できない場合や、または、内部に設置しきれない場合であっても、インフラ幹線と雨水貯留浸透施設との統合化を得ることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、雨水貯留浸透施設の内部または上部に設けた幹線位置規制部により、雨水貯留浸透施設の内部または上部に対してインフラ幹線を確実に保持して位置規制することが可能となる。
【0017】
請求項4の発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、インフラ幹線を、種別ごとに雨水貯留浸透施設の各処理ブロック部に仕分けして設置することにより、インフラ幹線を種別ごとに明確に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例にかかる地中埋設物構造の断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図1の側面図である。
【図4】本発明の実施例にかかる地中埋設物構造の断面図である。
【図5】従来例にかかる地中埋設物構造の断面図である。
【図6】従来例にかかる地中埋設物構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、主に、雨水貯留浸透施設とインフラ幹線とを効率良く設置することを目的としている。
【0020】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【実施例】
【0021】
図1〜図4は、この発明の実施例およびその変形例を示すものである。
【0022】
<構成>まず、構成について説明する。
【0023】
地中に対し、電力、通信、水道、ガスなどのインフラ資源を供給、伝送するためのインフラ幹線11(電力ケーブル12、通信ケーブル13、水道管、ガス管など)を埋設する。なお、符号15は、地面である。
【0024】
例えば、図1は、インフラ幹線11としての電力ケーブル12と通信ケーブル13とを一緒にして地中に埋設するようにした共同溝構造を示している。この場合、電力ケーブル12は、ケーブル本体が鞘管に収容された状態で横2列縦3段に配置されている。これらの電力ケーブル12の鞘管は、それぞれ同じ大きさのものとされている。
【0025】
そして、その隣には、通信ケーブル13が、ケーブル本体を鞘管に収容された状態で縦2段に配置されている。この通信ケーブル13の鞘管は、上下で異なる大きさのものとされている。なお、この場合、通信ケーブル13の鞘管は、前記次世代型CC−BOXとされている。
【0026】
これらのインフラ幹線11は、図2、図3に示すように、一定の間隔ごとに地中に埋設されたハンドホール16と呼ばれる作業穴の間を連結するように設置される。このハンドホール16は、有底容器状をしたコンクリート製の本体部分と、本体部分の上面に形成された開口部に開閉可能に取付けられる蓋部分とを有している。
【0027】
そして、地中に対し、雨水貯留浸透施設21を埋設する。この雨水貯留浸透施設21は、雨水流入マス22に流れ込んだ雨水などを一時的に貯留して徐々に地中に浸透させるようにした施設である。雨水流入マス22と雨水貯留浸透施設21との間には、雨水排出管23が設置される。
【0028】
この場合、雨水貯留浸透施設21の施設本体24は、組立式のものとされている。この組立式の施設本体24は、例えば、樹脂製の棚段部材25、脚部材26および上面部材27、底面部材28などの各施設構成部品を、処理に必要な高さとなるように積重ねて棚付きの箱枠状をした単位処理部31を構成し、この単位処理部31をインフラ幹線11の延設方向に複数並べて処理ブロック部32,33を構成し、この処理ブロック部32,33を横方向(側方、または、上記した延設方向と直交する水平方向)に複数隣接配置して必要な処理能力(容量)を有する施設本体24を形成し得るようにしたものである。
【0029】
ここで、棚段部材25は、文字どおり矩形板状の棚段部を有するものである。また、脚部材26は、棚段部材25の各コーナー部分に設けられるものである。上面部材27と底面部材28とは、同じものを使用することができる。
【0030】
そして、特に図示しないが、施設本体24の側面や端面には、上記以外の施設構成部品である、側面部材および端面部材が取付けられる。これらの側面部材および端面部材には、浸透用孔部が適宜設けられる。これらの各施設構成部品は、上下方向に対しては、インロー嵌合可能な嵌合部を有している。そして、各施設構成部品は、横方向(側方および延設方向)に対しては、係合ピン(または係合爪)およびピン孔(または係合孔)によって連結分離(または係合解除)可能な結合部を有している。
【0031】
そして、上記した施設本体24は、最終的に、全体を透水性シートで包囲される。また、通常の場合、最下段の棚段部材25の下部には、必要に応じて、樋状をした集砂受部材が挿入配置される。
【0032】
この図の場合には、施設本体24は、2つの処理ブロック部32,33で構成されている。そして、一方の処理ブロック部32は、4段の棚段部材25を有するものとされている。上3段の棚段部材25の下部には1段ずつ脚部材26が取付けられ、最下段の棚段部材25の下部には、脚部材26が取付けられない構成とされている。また、他方の処理ブロック部33は、2段の棚段部材25を有するものとされている。上の棚段部材25の下部には2段の脚部材26が取付けられ、最下段の棚段部材25の下部には、脚部材26が取付けられない構成とされている。そして、脚部材26の取付個数によって、棚段部材25の下側に空間部が作られる。
【0033】
なお、施設本体24には、上記以外にも各種のものが存在しているので、上記以外の施設本体24としても良い。
【0034】
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
【0035】
(1)雨水貯留浸透施設21を、インフラ幹線11の長手方向(延設方向)に延設する。そして、雨水貯留浸透施設21の内部に、インフラ幹線11を貫通配置する。
【0036】
ここで、雨水貯留浸透施設21が上記したような組立式である場合、インフラ幹線11は、各処理ブロック部32,33における、各棚段部材25の下部に形成された左右の脚部材26間の空間部内に貫通配置することができる。この場合には、電力ケーブル12の鞘管は、一方の処理ブロック部32における、3つの空間部に2本ずつ横に並べて挿入配置させるようにしている。また、通信ケーブル13の鞘管の一方(大径の方)は、他方の処理ブロック部33における、1つの空間部に挿入配置されている。
【0037】
(2)雨水貯留浸透施設21の上部に沿ってインフラ幹線11を配置する。
【0038】
上記の図1の場合、通信ケーブル13の鞘管の他方(小径の方)が、他方の処理ブロック部33の上部に沿って配設されている。
【0039】
なお、図4の処理ブロック部33に示すように、雨水貯留浸透施設21の内部に、インフラ幹線11を貫通配置せずに、雨水貯留浸透施設21の上部に沿ってのみインフラ幹線11を配置することもできる。
【0040】
ここで、図4は、上記とは別の、インフラ幹線11としての電力ケーブル12と通信ケーブル13とを一緒にして地中に埋設するようにした共同溝構造を示している。この場合、電力ケーブル12は、ケーブル本体が鞘管に収容された状態で横2列縦2段に配置されている。これらの電力ケーブル12の鞘管は、左右で異なる大きさのものとされている。
【0041】
そして、その隣には、1本の通信ケーブル13が、ケーブル本体を鞘管に収容された状態で配置されている。なお、この場合、通信ケーブル13の鞘管は、ケーブル本体を構成する幹線ケーブルと引込ケーブルとを仕切部材で上下に隔てて別々に収容し得るようにした前記第3世代型CC−BOXとされている。
【0042】
この場合には、電力ケーブル12の鞘管は、一方の処理ブロック部32における、2つの空間部に2本ずつ横に並べて挿入配置させるようにしている。また、通信ケーブル13の鞘管は、他方の処理ブロック部33の上部に沿って配設されている。
【0043】
(3)雨水貯留浸透施設21の内部または上部に、インフラ幹線11の位置を規制可能な幹線位置規制部35が設けられるようにする。
【0044】
ここで、幹線位置規制部35は、インフラ幹線11の上下方向の位置や左右方向の位置を規制するものとされる。
【0045】
幹線位置規制部35は、上記した施設構成部品に対して着脱可能な部品として設けることができる(着脱型幹線位置規制部)。例えば、他方の処理ブロック部33の上部には、着脱型幹線位置規制部としての管台が設けられている。この管台は、上面部材27の上部に取付可能なブロック状をすると共に、その上面にインフラ幹線11の外径と等しい曲率の幹線収容凹部を形成したものとされている。
【0046】
また、幹線位置規制部35は、特に図示しないが、上記した施設構成部品に直接形成することができる(一体型幹線位置規制部)。例えば、一体型幹線位置規制部は、棚段部材25の上面や脚部材26の側面などに設ける(突設または凹設形成する)ことができる。
【0047】
なお、幹線位置規制部35は、それぞれ電力ケーブル6や通信ケーブル8の延設方向に対し所定の間隔を有して設けられる。
【0048】
(4)上記したように、雨水貯留浸透施設21が、横方向に隣接する複数の処理ブロック部32,33を有している場合に、インフラ幹線11を、種別ごとに各処理ブロック部32,33に仕分けして設置させるようにする。
【0049】
例えば、この場合には、上記したように、電力ケーブル12の鞘管は、一方の処理ブロック部32に設けられるようにしている。また、通信ケーブル13の鞘管は、他方の処理ブロック部33に設けられるようにしている。即ち、処理ブロック部32,33ごとに、電力ケーブル12と通信ケーブル13とを分類して設けるようにしている。
【0050】
なお、以上は、インフラ幹線11を、電力ケーブル12と通信ケーブル13との2種類としているが、これに限らず、上記した水道管、ガス管などを含めて適宜組合せることが可能である。
【0051】
<作用>次に、この実施例の作用について説明する。
【0052】
この実施例の地中埋設物構造を構築する場合、先ず地面15にインフラ幹線11に沿った溝部を掘削形成する。次に、溝部内に所要の間隔を有してハンドホール16を埋設し、ハンドホール16間にインフラ幹線11を、適宜、配管、配線して行く。
【0053】
この際、インフラ幹線11の位置決め、支持は、雨水貯留浸透施設21を組立てながら行わせるようにする。なお、雨水貯留浸透施設21の無い部分については、従来の管台などを設置する。
【0054】
こうして、インフラ幹線11の設置が完了したら、雨水貯留浸透施設21も完成させ、上記した溝部を埋め戻して行く。そして、地面15の地表近くの位置に、雨水流入マス22を設置して集めた雨水が、雨水排出管23を介して、雨水貯留浸透施設21へ流入し得るようにする。
【0055】
この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0056】
(1)雨水貯留浸透施設21の内部に、インフラ幹線11を貫通配置することにより、これまで、同じような場所に全く別々に競合して埋設されていた両者を統合して一元化を図ることができる。これにより、全体としての設置スペースの縮小化を図り、これまで同時に設置するのが難しかった狭小場所に対して両者を同時に設置することが可能となる。また、両者を同時に施工することから、土木工事が一度で済み、時間的にもコスト的にも、大幅な削減が可能となる。
【0057】
更に、雨水貯留浸透施設21に組立式のものを用いることにより、設置後にインフラ幹線11に対して分岐工事を行う場合などに、周囲を掘り起こして、雨水貯留浸透施設21を部分的に分解することで簡単に対応することが可能となる。
【0058】
また、インフラ幹線11は雨水貯留浸透施設21によって包囲されるので、これまで、インフラ幹線11を保持していた管台2などを一部不要化、簡略化することが可能となる。
【0059】
更に、例えば、雨水貯留浸透施設21内に貯留されている雨水をインフラ幹線11の冷却に利用するなど、両者の複合化による相乗効果も期待できる。このように雨水をインフラ幹線11の冷却に利用することにより、インフラ幹線11による伝送効率を向上することが可能となる。例えば、電力ケーブル12は、自身の発熱によって90度程度の温度にまで上昇することが考えられるが、雨水貯留浸透施設21内に貯留されている雨水で冷却することにより、地中と等しい温度にまで電力ケーブル12の温度を低下させることができる。
【0060】
電力ケーブル12を雨水貯留浸透施設21内に貯留されている雨水で冷却する場合、冷却構造は、例えば、雨水貯留浸透施設21内に電力ケーブル12に沿って延びる樋状の貯水槽を設け、この貯水槽の中に電力ケーブル12を通すようにする。この貯水槽は、上記した樋状の集砂受部材の両端部を端板で塞ぎ、この端板に電力ケーブル12を通す孔部または切欠部を設け、電力ケーブル12と孔部または切欠部との間をシールすることによって簡単に得ることができる。または、電力ケーブル12の周囲を遮水シートで覆い、この遮水シートの内部に水を貯めるようにすれば簡単に冷却構造を得ることができる。
【0061】
(2)雨水貯留浸透施設21の上部に沿ってインフラ幹線11を配置することにより、雨水貯留浸透施設21の内部にインフラ幹線11を設置できない場合や、または、内部に設置しきれない場合であっても、インフラ幹線11と雨水貯留浸透施設21との統合化を得ることができる。よって、雨水貯留浸透施設21の内部にインフラ幹線11を設置した場合と、ほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、雨水貯留浸透施設21の内部に設ける場合に比べて、より大きな(大径の)インフラ幹線11を設置することができるようになる。
【0062】
(3)雨水貯留浸透施設21の内部または上部に設けた幹線位置規制部35により、雨水貯留浸透施設21の内部または上部に対してインフラ幹線11を確実に保持して位置規制することが可能となる。これにより、雨水貯留浸透施設21をインフラ幹線11の設置や保持に良好に使用することができる。また、雨水貯留浸透施設21の内部または上部に対するインフラ幹線11の設置性や保守性を確保し、高めることができる。
【0063】
(4)インフラ幹線11を、種別ごとに雨水貯留浸透施設21の各処理ブロック部32,33に仕分けして設置することにより、インフラ幹線11を種別ごとに明確に分離することができる。これにより、インフラ幹線11の種別ごとの工事や維持管理が容易且つ可能となる。
【0064】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0065】
11 インフラ幹線
21 雨水貯留浸透施設
35 幹線位置規制部
32 処理ブロック部
33 処理ブロック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中にインフラ幹線が埋設され、また、地中に雨水貯留浸透施設が埋設された地中埋設物構造において、
前記雨水貯留浸透施設を、前記インフラ幹線の長手方向に延設すると共に、
前記雨水貯留浸透施設の内部に、前記インフラ幹線を貫通配置したことを特徴とする地中埋設物構造。
【請求項2】
地中にインフラ幹線が埋設され、また、地中に雨水貯留浸透施設が埋設された地中埋設物構造において、
前記雨水貯留浸透施設を、前記インフラ幹線の長手方向に延設すると共に、
前記雨水貯留浸透施設の上部に沿って前記インフラ幹線を配置したことを特徴とする地中埋設物構造。
【請求項3】
前記雨水貯留浸透施設の内部または上部に、前記インフラ幹線の位置を規制可能な幹線位置規制部が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の地中埋設物構造。
【請求項4】
前記雨水貯留浸透施設が、横方向に隣接する複数の処理ブロック部を有し、
前記インフラ幹線が、種別ごとに各処理ブロック部に仕分けして設置されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の地中埋設物構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−219951(P2011−219951A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88346(P2010−88346)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】