地図データ管理システム
【課題】効率のよい地図データの収集整備を行えるようにする。
【解決手段】管理サーバ100が、記憶部42で地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して記憶するとともに地図作成済みエリアに対しては地図データを対応付けて記憶し、ユーザからの地図作成済みエリアを指定した地図データの要求に対しては地図データ提供部43により提供し、ユーザからの地図未作成エリアを指定した地図データの提供に対しては地図データ登録部44により登録する。地図作成済みエリアの地図データを取得したユーザは、当該地図作成済みエリアの実際の場所で携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを利用する。地図未作成エリアの地図データを作成するユーザは、当該地図未作成エリアの実際の場所で携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを作成し、管理サーバ100に提供する。
【解決手段】管理サーバ100が、記憶部42で地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して記憶するとともに地図作成済みエリアに対しては地図データを対応付けて記憶し、ユーザからの地図作成済みエリアを指定した地図データの要求に対しては地図データ提供部43により提供し、ユーザからの地図未作成エリアを指定した地図データの提供に対しては地図データ登録部44により登録する。地図作成済みエリアの地図データを取得したユーザは、当該地図作成済みエリアの実際の場所で携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを利用する。地図未作成エリアの地図データを作成するユーザは、当該地図未作成エリアの実際の場所で携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを作成し、管理サーバ100に提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型ナビゲーション端末などに利用可能な地図データを管理する地図データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、GPSなどの測位手段を用いて自己の実測位置情報を取得し、地図画像を表示する表示画面上で上記実測位置情報に対応する位置に自己の現在位置を表示する個人携帯用のナビゲーション端末が提供されている。このようなナビゲーション端末で地図画像を表示する際に用いられる地図データは、地図画像そのものを構成する地図画像データと、この地図画像データに対応付けられる地図付帯情報(いわゆるリンクデータ)とから構成される。この地図付帯情報は、地図画像データと実測された位置情報(緯度・経度情報等)とを対応付けるための、基準位置や、縮尺、方位角などの情報である。
【0003】
そして近年では、上記の地図画像データと地図付帯情報とを合わせた地図データを通信ネットワークを介して専用の管理サーバから取得し、さらに取得した地図データを更新することにより最新の地図データをナビゲーション機器に利用するシステムが既に提案されている。
【特許文献1】特開2008−90195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでに車載用ナビゲーション装置に用いるような道路の配置を主体としたロードマップについては、専門の地図業者によって国内のほぼ全域を網羅して対応する地図データの作成が完了している。しかし、それら道路の間に存在する領域で上記個人携帯用のナビゲーション端末を利用するような各種施設などについては、まだ対応する地図データの作成数が少なく、またその領域が非常に広いため全てを作成できる整備体制が整っていないのが現状である。
【0005】
道路間の領域の地理的配置のみを表した地図画像データだけであれば、従来から作成されている紙地図の光学読み取りなどにより容易に作成することができる。しかし、それをナビゲーション端末に利用するために必要な上記地図付帯情報を作成するためには、対応する領域の実際の場所へ赴いて地図画像中の各主要ポイント位置の実測作業が必要になるため、相当な労力が必要であった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバと、前記地図データを作成する作成者が前記管理サーバにアクセスするための作成者用操作手段と、前記地図データを利用する利用者が前記管理サーバにアクセスするための利用者用操作手段とを有する地図データ管理システムにおいて、前記管理サーバは、地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段と、前記利用者用操作手段からのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを提供するための地図データ提供手段と、前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段に登録する地図データ登録手段と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図1は、本実施形態の地図データ管理システム全体を表すシステム構成図である。
【0010】
この地図データ管理システムSは管理サーバ100を有しており、多数のユーザが有するユーザクライアント10が通信ネットワークNWを介してこの管理サーバ100に情報送受可能に接続している。図示する例では、2人のユーザA,Bがそれぞれ有するユーザクライアント10は、通信ネットワークNWを介して上記管理サーバ100に接続した汎用パーソナルコンピュータなどで構成する固定クライアント機器11と、この固定クライアント機器11に各種のインターフェースを介して情報送受可能に接続する携帯型ナビゲーション端末12とからなっている。なお、携帯型ナビゲーション端末12にも通信ネットワークNWを介して上記管理サーバ100に接続する機能が備えられている場合には、当該携帯型ナビゲーション端末12単体でユーザクライアント10を構成してもよい。
【0011】
管理サーバ100は、実際の地理上における特定の領域内で道路以外の配置に存在する各種施設等の敷地をエリアとして区画し、さらにそれら複数のエリアのそれぞれごとに、上記携帯型ナビゲーション端末12で利用可能な地図データが登録されているか否かを管理している。図示する例で「有」と示しているエリアは、既に対応する地図データが作成登録され管理サーバ100が当該地図データを記憶している、地図作成済みエリアとして管理されている。また図示する例で「無」と示されているエリアは、まだ対応する地図データが作成登録されていない地図未作成エリアとして管理されている。また他にも各エリアの種類に応じて色分けするなど視覚的に違いを持たせて区別できるようにしてもよい。
【0012】
このように本実施形態の例では、ユーザクライアント10は管理サーバ100にアクセスすることで、図示するような特定の領域の地図画像を閲覧してその領域内にある地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して確認することができる。
【0013】
図2は、図1に示す管理サーバ100において動作する地図データ管理プログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0014】
地図データ管理プログラムは、その機能として入出力部41、記憶部42、地図データ提供部43、地図データ登録部44、制御部45を有し、上述した各機能や後述する各機能を管理サーバ100において発揮させる。
【0015】
入出力部41は、上記通信ネットワークNWを介して上記ユーザクライアント10と各種の情報を送受する。
【0016】
記憶部42は記憶手段に相当し、上述したように地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して各エリアを記憶するとともに、地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する。本実施形態の例においてこの地図データは、対応するエリア内の実際の地理上の地形や配置を表す画像データのみからなる地図画像データと、この地図画像データと対応する実測位置情報(緯度・経度データなど)とを対応付ける、地図付帯情報とで構成される。なお、この地図付帯情報について詳しくは、対応する地図画像データがどこの実測位置に対応するかを表す基準位置や、縮尺、方位角などの情報、また、対応する地図画像データのエリア内の地点とリンクした実測位置情報が含まれる。
【0017】
地図データ提供部43は地図データ提供手段に相当し、ユーザクライアント10からのアクセスによる地図作成済みエリアの指定に対して対応する地図データを記憶部42から検索して提供する。
【0018】
地図データ登録部44は地図データ登録手段に相当し、ユーザクライアント10からのアクセスにより地図未作成エリアの地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて記憶部42に登録する。
【0019】
制御部45は、上記入出力部41を介してユーザクライアント10からのアクセスに応答し、上記地図データ提供部43により地図作成済みエリアの地図データをユーザクライアント10に提供し、上記地図データ登録部44によりユーザクライアント10から提供された地図データを地図未作成エリアに対応付けて登録する制御等の基本的な制御を実行する。
【0020】
地図データ管理システムSは以上のような一構成例であり、次に図3〜図8を参照しつつ当該一構成例による地図データ管理方法の一例について説明する。この地図データ管理方法は、制御部45のプログラムが管理サーバ100に備えられた各種の演算、制御を行うCPUにおいて実行させる各ステップによって構成されており、次のような地図データ管理処理を含んでいる。
【0021】
図3は、地図データ管理処理の手順例を示すフローチャートである。この地図データ管理処理は、上記制御部45のプログラムがCPUの制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、例えば管理サーバ100の電源が投入された際に開始される。
【0022】
まず、ステップS5では、通信ネットワークNWを介して外部のユーザクライアント10から何らかのアクセスがあったか否かを判定する。外部アクセスがない場合は同じステップS5を繰り返してループ待機し、外部アクセスがあった場合に次のステップS10へ移る。
【0023】
ステップS10では、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの提供を要求するものであるか否かを判定する。アクセスが地図データの提供要求である場合、次のステップS15へ移る。
【0024】
ステップS15では、ユーザクライアント10からのアクセスで地図データの提供要求のために指定しているエリアが地図作成済みエリアであるか否かを判定する。地図作成済みエリアを指定している場合には、ステップS20で記憶部42から対応する地図データを検索してユーザクライアント10に提供するよう応答し、次のステップS30へ移る。一方、地図未作成エリアを指定している場合には、ステップS25で指定したエリアが地図未作成エリアであって地図データを提供できないことをユーザクライアント10に応答し、次のステップS30へ移る。
【0025】
ステップS30では、管理サーバ100が備える操作部などを介して当該地図データ管理処理を終了するよう指示する操作が行われたか否かを判定する。終了操作が行われていない場合、ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。一方、終了操作が行われた場合、このフローを終了する。
【0026】
また一方、上記ステップS10の判定において、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの提供要求でない場合、ステップS35へ移る。
【0027】
ステップS35では、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの登録を要求するものであるか否かを判定する。アクセスが地図データの登録要求である場合、次のステップS40で当該アクセスに添付して提供された地図データを、当該アクセスで指定している地図未作成エリアに対応付けて記録部に記録し、さらにこの地図未作成エリアを地図作成済みエリアに変更して登録を行う。そしてステップS30へ移る。一方、アクセスが地図データの登録要求でない場合、ステップS5へ戻って同様の手順を繰り返す。
【0028】
以上のように機能する管理サーバ100を備えた本実施形態の地図データ管理システムSにおいて、各ユーザの行動に対応するシステムの挙動の流れを図4〜図8を参照して以下に詳細に説明する。
【0029】
図4〜図8は上記図1に対応する図であり、図示する例では同じ立場の2人のユーザが管理サーバ100に接続している。
【0030】
図4において、この例では、ユーザAが管理サーバ100にアクセスして、希望するエリアの指定とともにそれに対応した地図データの提供を要求している。この例ではその指定したエリアが地図未作成エリアであるため、管理サーバ100はユーザAに対して地図データを提供できないことを応答返信する。これによりユーザAはそのまま指定エリアの地図データの取得をあきらめるか、又は自らその指定エリアに対応する地図データを作成して管理サーバ100に提供するかを選択することができる。ここで、本発明においては、このようにして地図データを作成する意志を持ったユーザを以下作成者Mと称し、またこの作成者Mが使用するユーザクライアント10を特に作成者用操作手段10Mと称する。
【0031】
なお、このように自ら地図データの取得を希望するエリア以外の他の地図未作成エリアに対しても地図データを作成できるようにしてもよい。例えば図5に示すように、ユーザが初めから地図データを作成する意志を持って、つまり予め作成者Mの立場として管理サーバ100にアクセスし、全ての地図未作成エリアを検索して確認できるようにしてもよい。
【0032】
作成者Mは、図6に示すように、携帯型ナビゲーション端末12を持参して地図未作成エリアの実際の場所へ訪問し、携帯型ナビゲーション端末12を利用して地図データを作成する。この作成者Mが使用する携帯型ナビゲーション端末12については、特に詳細な説明は省略するが、GPSなどの測位機能を利用してエリア内の各主要ポイントの実測位置を検出することにより地図画像データ及び地図付帯情報を作成できるものを用いる。
【0033】
そして、作成者Mは管理サーバ100に対して地図未作成エリアを指定するとともに作成した地図データを提供し、これを受けた管理サーバ100は指定された地図未作成エリアに対応付けて地図データを記憶し、当該地図未作成エリアを地図作成済みエリアに分類変更して登録を行う。ここで携帯型ナビゲーション端末12に無線電話回線などを利用したネットワーク通信機能が備えられていれば、地図データを作成した対象エリアの実際の場所から管理サーバ100へ直接アクセスしてもよいし、若しくは帰宅してから固定クライアント機器11に接続して管理サーバ100へアクセスしてもよい。
【0034】
このようにして管理サーバ100に登録された地図データは、図7に示すように、他のユーザBが管理サーバ100にアクセスしてエリアの指定とともに対応する地図データの提供を要求することで取得できる。このとき、本発明では、地図データを取得できたユーザを以下利用者Uと称し、またこの利用者Uが使用するユーザクライアント10を特に利用者用操作手段10Uと称する。利用者Uは、取得した地図データを携帯型ナビゲーション端末12に入力することができる。
【0035】
そして図8に示すように、利用者Uは地図データを記憶した携帯型ナビゲーション端末12を所持して当該地図データに対応するエリアの実際の場所に訪問することで、地図データを利用したナビゲーションを行うことができる。この利用者Uが使用するナビゲーション端末12については、特に詳細な説明は省略するが、地図データの地図付帯情報を参照しつつGPSなどの測位機能を利用してエリア内における利用者Uの現在位置や経路案内などを地図画像データと重畳して表示可能なものを用いる。
【0036】
上記実施形態における地図データ管理システムSにおいては、地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバ100と、前記地図データを作成する作成者Mが前記管理サーバ100にアクセスするための作成者用操作手段10M(作成者のユーザクライアントに相当)と、前記地図データを利用する利用者Uが前記管理サーバ100にアクセスするための利用者用操作手段10U(利用者のユーザクライアントに相当)とを有する地図データ管理システムSであって、前記管理サーバ100は、地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段42(記憶部に相当)と、前記利用者用操作手段10Uからのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを前記記憶手段42から検索して提供するための地図データ提供手段43(地図データ提供部に相当)と、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段42に登録する地図データ登録手段44(地図データ登録部に相当)と、を有する。
【0037】
このようにすると、既に地図データが作成されている地図作成済みエリアと、まだ地図データが作成されていない地図未作成エリアとを、管理サーバ100が区別して管理することができる。また、外部ユーザのうちで地図データを取得・利用しようとする利用者Uに対しては地図作成済みエリアの地図データを提供するとともに、外部ユーザのうちで地図データを作成・提供しようとする作成者Mに対してはどのエリアが地図未作成エリアであるかの情報を与え、その地図未作成エリアの地図データの提供を受け付けて登録することができる。
【0038】
この結果、多数の一般ユーザに対して地図作成済みエリアの地図データを配信提供しつつ、地図未作成エリアに対する地図データの作成・提供を広く募集することができる。この結果、道路以外のエリアにおいて専門の地図業者による地図データの作成整備を待たずとも、効率のよい地図データの収集整備を行うことができる。
【0039】
上記実施形態における地図データ管理システムSにおいては、上述した構成に加えてさらに、前記利用者用操作手段10Uは、前記地図作成済みエリアに対応する場所で、前記管理サーバ100から取得した前記地図データを利用するための利用者用携帯端末12(利用者の携帯型ナビゲーション端末に相当)を有し、前記作成者用操作手段10Mは、前記地図未作成エリアに対応する場所で、前記地図データを作成するための作成者用携帯端末12(作成者の携帯型ナビゲーション端末に相当)を有している。
【0040】
このようにすると、地図データを取得した利用者Uは対応する地図作成済みエリアの実際の場所において、利用者用携帯端末12の使用により当該地図データを利用した現在位置や経路案内などのナビゲーションを行うことができる。また、作成者Mは地図未作成エリアの実際の場所において、作成者用携帯端末12の使用によりGPSなどの測位機能を利用して地図画像データ及び地図付帯情報を作成できる。
【0041】
なお、上記実施形態において、ユーザクライアント10は管理サーバ100にアクセスして特定の領域の地図画像を閲覧することでその領域内にある地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して確認していたが、これに限られずに、例えば図9に示すように各エリアごとで地図データに関する情報をリスト形式で表示してもよい。
【0042】
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0043】
(1)利用者が作成者に対して地図データの対価を支払う場合
上記実施形態では、作成者Mにより地図データを作成・提供した行為に対しては特に報酬は与えられなかったが、これに限られずに、例えば地図データを取得・利用した利用者Uが当該地図データを作成した作成者Mに対して対価を支払うようにしてもよい。
【0044】
図10は、この第1変形例の地図データ管理システムS1における各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。なお、本変形例の地図データ管理システムS1における基本的な挙動・情報の流れは上記実施形態とほぼ同じであり、その他の違いについてのみ以下に説明する。
【0045】
この図10において、地図未作成エリアの地図データを作成する意志を持ったユーザ、つまり作成者Mは、管理サーバ101にアクセスして地図未作成エリアの検索を行い、そのうち地図データの作成を決めた地図未作成エリアに対して地図データ作成権の申込を行う。ここで、地図データ作成権とは、所定の地図未作成エリアに対してその地図データを独占的に作成するための予約的権利であり、例えば最初に申し込みをした作成者Mが地図データ作成権を得ることができ、他のユーザによる同じ地図未作成エリアの地図データの提供・登録を排除することができる。
【0046】
このように本変形例における管理サーバ101は、作成者Mからの地図データ作成権の申し込みを受け付ける作成権受付部101Aを有しており、また地図データ登録部44は地図データ作成権を受け付けた作成者Mから提供された地図データだけを対応する地図未作成エリアに対応付けて登録する。
【0047】
また、上記作成権受付部101Aは、地図データ作成権に有効期限を設定してもよく、その場合には有効期限が経過する前までの間だけ、地図データ登録部44が当該地図データ作成権を有する作成者Mからの地図データの提供・登録を許可する。そして、有効期限が経過してからは、地図データ登録部44が当該地図データ作成権を無効とみなして他のユーザによる地図データの提供・登録を許可し、又は作成権受付部101Aが他のユーザによる地図データ作成権の申し込みを別途受け付けるようにする。
【0048】
また本変形例では、利用者Uが管理サーバ101に対して地図データの取得・利用に対する対価を支払うようになっており、管理サーバ101が当該地図データの作成者Mに対してその対価の支払いを行う。
【0049】
このように本変形例における管理サーバ101は、作成者Mから地図データを提供された場合に当該作成者Mへ地図データの対価を支払う対価支払い部101Bを有しており、またこの対価支払い部101Bは利用者Uが地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した作成者Mに対して支払う。
【0050】
また、上記対価支払い部101Bは、作成者Mに支払う対価の大きさについて、当該作成者Mが提供した地図データを取得した利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた大きさで対価を設定する。これは利用者U側から見ると、利用者Uの取得人数に応じて設定する場合には、同じ利用者Uが同じ地図データを何度取得しても1回分の対価を支払うだけでよい。また、利用者Uの取得回数に応じて設定する場合には、同じ利用者Uが同じ地図データを複数回取得したらその取得した回数分の対価を支払う。また、利用者Uの利用回数に応じて設定する場合には、利用者Uが地図データを取得する際に対価の支払いは不要であるが、携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを利用するたびに対価を継続的に支払う。なお、取得人数と利用回数とを組み合わせたり、取得回数と利用回数とを組み合わせて設定することもできる。
【0051】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101は、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより所定の前記地図未作成エリアの前記地図データを独占的に作成できる地図データ作成権の申し込みを受け付ける受付手段101A(作成権受付部に相当)を有し、前記地図データ登録手段44は、前記受付手段101Aにより前記地図データ作成権を受け付けた前記作成者用操作手段10Mから提供された前記地図データを、当該地図データ作成権に対応する前記所定の地図未作成エリアに対応付けて登録する。
【0052】
このようにすると、地図データの作成に時間的猶予を設けることができる。つまり、例えば最も早く地図データを作成・提供した作成者Mだけに対価の支払いなどの報酬を与えるとした場合には、複数の作成者M間で競合関係が生じて地図データの作成に十分な時間をかけずに精度の低い低品質の地図データが提供されやすくなる。しかしながら、管理サーバ101が一人の作成者Mからの地図データ作成権を受け付けることで、当該作成者Mに優先的な立場を確保し、地図データを作成するための十分な時間的余裕を与えることができる。その結果、作成・提供される地図データの品質の劣化を回避することができる。
【0053】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記受付手段101Aは、申し込みを受け付けた前記地図データ作成権に有効期限を設定し、前記地図データ登録手段44は、前記受付手段101Aにより設定された前記有効期限内にある前記地図データ作成権を限定的に有効に適用する。
【0054】
このようにすると、地図データ作成権を得た作成者Mが地図データの作成に必要以上に時間を費やして地図データの提供・登録が無意味に遅れてしまうことを防ぐことができる。このため、地図データ作成権の有効期限は、対応する地図未作成エリアの内容や状況に応じて地図データを作成するのに必要かつ十分な期限に設定するのがよい。
【0055】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101は、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該作成者用操作手段10Mの前記作成者Mへ当該地図データの対価を支払う支払手段101B(対価支払い部に相当)を有する。
【0056】
このようにすると、作成者Mの善意に頼るばかりでなく、地図データの作成・提供に対しての意欲を向上させ、作成者Mと対価での取り引きを行えるビジネスモデルとして構築できる。なお、対価については、例えば銀行などの口座振り込みを利用した金銭の支払いであってもよいし、又はシステム上で利用可能なポイントや仮想通過などによる支払いでもよい。
【0057】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記利用者Uが前記地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0058】
このようにすると、対価の原資を利用者Uから得ることができるため、地図データ管理システムS1自体が対価を用意せずとも作成者Mとの間のビジネスモデルを構築することができる。
【0059】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記地図作成済みエリアの前記地図データを取得した前記利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0060】
このようにすると、地図データの作成者Mに対して、当該地図データの需要度、取得頻度、利用頻度に応じた公平な対価の支払いを行うことができる。
【0061】
なお、このような作成者Mに支払う対価の大きさの設定については、他の方法としてもよい。例えば、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記地図未作成エリアごとに前記利用者用操作手段10Uからのアクセスによる指定回数を記録し、当該地図未作成エリアの前記地図データを提供した前記作成者Mに対して前記指定回数に応じた対価を支払うようにしてもよい。
【0062】
このようにすると、地図データが作成・提供される前の段階での地図未作成エリアの指定回数は、すなわち当該エリアに対してどれだけ多くの利用者Uが地図データを必要としているかの期待度を表すパラメータとなり、利用者Uが当該地図データを取得・利用する際の単価をこの期待度に応じて設定することで、地図データの社会的需要度に応じた公平な対価の支払いを作成者Mに対して行うことができる。
【0063】
なお、地図未作成エリアは予め地図作成済みエリアと区別されて記憶・表示されるが、この期待度を測定する目的であえて利用者Uが地図未作成エリアを指定して対応する地図データの作成を希望する意志を示すことができるように地図希望ボタンを用意してもよい。また、この期待度の指標となる指定回数のカウントについては、エリア別の総累計でカウントしてもよいし、現在よりさかのぼった一定の期間中におけるカウントでもよいし、単位時間当たりの指定回数で表される指定頻度でカウントしてもよい。また、同一ユーザによる複数回の指定を1つでカウントしてもよい。
【0064】
(2)エリア関係者が作成者に対して地図データの対価を支払う場合
上記第1変形例では、地図データを取得・利用した利用者Uが当該地図データを作成した作成者Mに対して対価を支払うものとしていたが、これに限られずに、例えば地図未作成エリアの関係者が作成者Mに対して対価を支払うようにしてもよい。
【0065】
図11は、第2変形例の地図データ管理システムS2における各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。なお、本変形例の地図データ管理システムS2における基本的な挙動・情報の流れは上記実施形態及び上記第1変形例とほぼ同じであり、その他の違いについてのみ以下に説明する。
【0066】
この図11において、ある地図未作成エリアを管轄・管理する関係者、つまり対象エリア事業者Kが予め管理サーバ102に当該地図未作成エリアの地図データの作成を依頼している。本来、地図未作成エリアに対してはどのユーザも作成者Mとなって地図データを作成・提供することができるが、対象エリア事業者Kが作成依頼をしていることで、地図データの作成者Mに対して予め対価を支払う準備ができることになる。
【0067】
また本変形例では、管理サーバ102の記憶部42が地図未作成エリアに対して地図データの構成要素の一つである地図画像データだけを対応付けて記憶できるようになっており、対象エリア事業者Kが自分の管轄する地図未作成エリアの地図データの作成を依頼するとともに、当該地図未作成エリアの地図画像データを管理サーバ102に提供している。
【0068】
地図データのうちでも地理的配置のみを表した地図画像データについては、例えば従来から作成されている紙地図や建物の図面を光学的に読み取ることなどにより比較的容易に作成することができる。地図データの作成依頼元である対象エリア事業者K自身が提供する地図画像データであれば信頼性が高いものとみなすことができ、これを地図データを作成する予定の作成者Mに対して提供することで当該作成者Mは対応する地図付帯情報だけを作成すればよいことになる。
なり、精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0069】
本変形例における管理サーバ102は、作成者Mから地図未作成エリアの指定に対して対応する地図画像データを記憶部42から検索して提供するための地図画像データ提供部102Cを有している。
【0070】
そして、作成者Mは管理サーバ102にアクセスして地図未作成エリアの検索を行い、そのうち地図データの作成を決めた地図未作成エリアについて、上記作成権受付部101Aと同等の作成権受付部102Aに対して地図データ作成権の申込を行う。このとき当該地図未作成エリアに対応付けて地図画像データが記憶されている場合には、最先のアクセスにより地図データ作成権を得ることができた作成者Mに対してのみ地図画像データ提供部102Cが地図画像データを提供してもよいし、全てのユーザに地図画像データを提供してもよいし、又は希望するユーザだけに提供してもよい。
【0071】
そして、作成者Mは地図未作成エリアの実際の場所に訪れて携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを作成する。このとき地図画像データ提供部102Cより地図画像データが提供されている場合はそれを利用して地図付帯情報のみを作成し、提供されていない場合は地図画像データも合わせて作成して、結果的に地図画像データと地図付帯情報とを組み合わせた地図データを作成する。
【0072】
ここで本変形例では、作成者Mが地図データを作成した地図未作成エリアの現場で、その対象エリア事業者Kに作成した地図データの内容を検査してもらい、一定以上の精度・品質が認められた場合にその証明をしてもらう。具体的には、対象エリアに設置されている専用の機器、又は在駐している検査員にその場で地図データを検査してもらい、検査に合格した場合にだけ作成証明データを発行してもらい当該地図データに添付する。そして作成者Mは、この作成証明データが添付された地図データだけを管理サーバ102に登録できる。
【0073】
本変形例における管理サーバ102は、作成者Mから地図未作成エリアの地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定部102Dを有しており、また地図データ登録部44は、判定部102Dにより作成証明データの添付が確認された場合にだけ提供された地図データを登録する。
【0074】
そして、地図未作成エリアの対象エリア事業者Kは、当該地図未作成エリアの地図データを作成・提供し登録できた作成者Mに対して、上記対価支払い部101Bと同等の対価支払い部102Bを介して相応の対価を支払い、作成依頼が完了することになる。
【0075】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102が、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は当該地図未作成エリアに係わる専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定手段102D(判定部に相当)を有し、前記地図データ登録手段44は、前記判定手段102Dにより前記作成証明データの添付があると判定された場合に、前記地図データを登録する。
【0076】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者が認めた高い精度・品質にある地図データだけが管理サーバ102に登録されることになり、地図データ全体の信頼性が向上する。
【0077】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記記憶手段42は、前記地図未作成エリアのいずれかに対して前記地図画像データを対応付けて記憶しており、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスによる前記地図未作成エリアの指定に対して、対応する前記地図画像データを前記記憶手段42から検索して提供するための画像データ提供手段102C(地図画像データ提供部に相当)を有する。
【0078】
このようにすると、比較的容易に作成することができる地図画像データを予め用意して作成者Mに提供することで、当該作成者Mは対応する地図付帯情報だけを作成すればよいことになり、それだけ十分な手間をかけて精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0079】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記記憶手段42は、前記地図未作成エリアの関係者K(対象エリア事業者に相当)から提供された前記地図画像データを記憶している。
【0080】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者K自身から提供された地図画像データであれば信頼性が高いものとみなすことができ、これを作成者Mに対して提供することで当該作成者Mは精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0081】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記支払手段102B(対価支払い部に相当)は、前記地図作成済みエリアの関係者Kが前記作成者Mによる前記地図データの提供に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0082】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者Kが、当該エリアの地図データを配信・提供可能することで期待できる集客効果や利便性の向上などを一種の広告・販促手段として捉え、そのための費用の計上が見込めることになる。これにより、対価の原資を地図未作成エリアの関係者Kから得ることができるため、地図データ管理システムS2自体が対価を用意せずとも作成者Mとの間のビジネスモデルを構築することができる。
【0083】
なお、対価の支払いについては、地図データの作成・提供の行為に対して一度に支払ってもよいし、又は上記第1変形例と同様に、利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じて支払ってもよいし、又は地図未作成エリアの段階での指定回数で表される期待度に応じて支払ってもよいし、又はこれらの組み合わせでもよい。
【0084】
また、作成・提供された地図データの精度・品質を評価してそれに応じたて対価を支払うようにしてもよい。評価基準としては、作成者Mが地図画像データも作成した場合その完成度で評価してもよいし、地図付帯情報の精度の高さや正確さで評価してもよい。また、作成・提供された地図データの評価が所定の基準に達していない場合には、地図作成済みエリアであっても引き続き作成者Mによる地図データの作成・提供を可能として、さらに評価の高い地図データが提供された場合には対価を支払って差し替えるように登録してもよい。
【0085】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施形態の地図データ管理システム全体を表すシステム構成図である。
【図2】図1に示す管理サーバにおいて動作する地図データ管理プログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】地図データ管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【図4】ユーザが地図未作成エリアを指定して地図データの提供を要求した場合のシステムの状況を示す図である。
【図5】作成者が地図未作成エリアを検索した場合のシステムの状況を示す図である。
【図6】作成者が地図データを作成して管理サーバに提供した場合のシステムの状況を示す図である。
【図7】利用者が地図作成済みエリアを指定して地図データの提供を要求した場合のシステムの状況を示す図である。
【図8】利用者が地図データを利用した場合のシステムの状況を示す図である。
【図9】各エリアの情報をリスト形式で表示した場合を表す図である。
【図10】第1変形例の地図データ管理システムにおける各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。
【図11】第2変形例の地図データ管理システムにおける各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0087】
10 ユーザクライアント
10M 作成者用操作手段
10U 利用者用操作手段
11 固定クライアント機器
12 携帯型ナビゲーション端末(利用者用携帯端末、作成者用携帯端末に相当)
41 入出力部
42 記憶部(記憶手段に相当)
43 地図データ提供部(地図データ提供手段に相当)
44 地図データ登録部(地図データ登録手段に相当)
45 制御部
100,101 管理サーバ
,102
S,S1,S2 地図データ管理システム
A,B ユーザ
M 作成者
U 利用者
K 対象エリア事業者(関係者に相当)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型ナビゲーション端末などに利用可能な地図データを管理する地図データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、GPSなどの測位手段を用いて自己の実測位置情報を取得し、地図画像を表示する表示画面上で上記実測位置情報に対応する位置に自己の現在位置を表示する個人携帯用のナビゲーション端末が提供されている。このようなナビゲーション端末で地図画像を表示する際に用いられる地図データは、地図画像そのものを構成する地図画像データと、この地図画像データに対応付けられる地図付帯情報(いわゆるリンクデータ)とから構成される。この地図付帯情報は、地図画像データと実測された位置情報(緯度・経度情報等)とを対応付けるための、基準位置や、縮尺、方位角などの情報である。
【0003】
そして近年では、上記の地図画像データと地図付帯情報とを合わせた地図データを通信ネットワークを介して専用の管理サーバから取得し、さらに取得した地図データを更新することにより最新の地図データをナビゲーション機器に利用するシステムが既に提案されている。
【特許文献1】特開2008−90195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでに車載用ナビゲーション装置に用いるような道路の配置を主体としたロードマップについては、専門の地図業者によって国内のほぼ全域を網羅して対応する地図データの作成が完了している。しかし、それら道路の間に存在する領域で上記個人携帯用のナビゲーション端末を利用するような各種施設などについては、まだ対応する地図データの作成数が少なく、またその領域が非常に広いため全てを作成できる整備体制が整っていないのが現状である。
【0005】
道路間の領域の地理的配置のみを表した地図画像データだけであれば、従来から作成されている紙地図の光学読み取りなどにより容易に作成することができる。しかし、それをナビゲーション端末に利用するために必要な上記地図付帯情報を作成するためには、対応する領域の実際の場所へ赴いて地図画像中の各主要ポイント位置の実測作業が必要になるため、相当な労力が必要であった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバと、前記地図データを作成する作成者が前記管理サーバにアクセスするための作成者用操作手段と、前記地図データを利用する利用者が前記管理サーバにアクセスするための利用者用操作手段とを有する地図データ管理システムにおいて、前記管理サーバは、地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段と、前記利用者用操作手段からのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを提供するための地図データ提供手段と、前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段に登録する地図データ登録手段と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0009】
図1は、本実施形態の地図データ管理システム全体を表すシステム構成図である。
【0010】
この地図データ管理システムSは管理サーバ100を有しており、多数のユーザが有するユーザクライアント10が通信ネットワークNWを介してこの管理サーバ100に情報送受可能に接続している。図示する例では、2人のユーザA,Bがそれぞれ有するユーザクライアント10は、通信ネットワークNWを介して上記管理サーバ100に接続した汎用パーソナルコンピュータなどで構成する固定クライアント機器11と、この固定クライアント機器11に各種のインターフェースを介して情報送受可能に接続する携帯型ナビゲーション端末12とからなっている。なお、携帯型ナビゲーション端末12にも通信ネットワークNWを介して上記管理サーバ100に接続する機能が備えられている場合には、当該携帯型ナビゲーション端末12単体でユーザクライアント10を構成してもよい。
【0011】
管理サーバ100は、実際の地理上における特定の領域内で道路以外の配置に存在する各種施設等の敷地をエリアとして区画し、さらにそれら複数のエリアのそれぞれごとに、上記携帯型ナビゲーション端末12で利用可能な地図データが登録されているか否かを管理している。図示する例で「有」と示しているエリアは、既に対応する地図データが作成登録され管理サーバ100が当該地図データを記憶している、地図作成済みエリアとして管理されている。また図示する例で「無」と示されているエリアは、まだ対応する地図データが作成登録されていない地図未作成エリアとして管理されている。また他にも各エリアの種類に応じて色分けするなど視覚的に違いを持たせて区別できるようにしてもよい。
【0012】
このように本実施形態の例では、ユーザクライアント10は管理サーバ100にアクセスすることで、図示するような特定の領域の地図画像を閲覧してその領域内にある地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して確認することができる。
【0013】
図2は、図1に示す管理サーバ100において動作する地図データ管理プログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【0014】
地図データ管理プログラムは、その機能として入出力部41、記憶部42、地図データ提供部43、地図データ登録部44、制御部45を有し、上述した各機能や後述する各機能を管理サーバ100において発揮させる。
【0015】
入出力部41は、上記通信ネットワークNWを介して上記ユーザクライアント10と各種の情報を送受する。
【0016】
記憶部42は記憶手段に相当し、上述したように地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して各エリアを記憶するとともに、地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する。本実施形態の例においてこの地図データは、対応するエリア内の実際の地理上の地形や配置を表す画像データのみからなる地図画像データと、この地図画像データと対応する実測位置情報(緯度・経度データなど)とを対応付ける、地図付帯情報とで構成される。なお、この地図付帯情報について詳しくは、対応する地図画像データがどこの実測位置に対応するかを表す基準位置や、縮尺、方位角などの情報、また、対応する地図画像データのエリア内の地点とリンクした実測位置情報が含まれる。
【0017】
地図データ提供部43は地図データ提供手段に相当し、ユーザクライアント10からのアクセスによる地図作成済みエリアの指定に対して対応する地図データを記憶部42から検索して提供する。
【0018】
地図データ登録部44は地図データ登録手段に相当し、ユーザクライアント10からのアクセスにより地図未作成エリアの地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて記憶部42に登録する。
【0019】
制御部45は、上記入出力部41を介してユーザクライアント10からのアクセスに応答し、上記地図データ提供部43により地図作成済みエリアの地図データをユーザクライアント10に提供し、上記地図データ登録部44によりユーザクライアント10から提供された地図データを地図未作成エリアに対応付けて登録する制御等の基本的な制御を実行する。
【0020】
地図データ管理システムSは以上のような一構成例であり、次に図3〜図8を参照しつつ当該一構成例による地図データ管理方法の一例について説明する。この地図データ管理方法は、制御部45のプログラムが管理サーバ100に備えられた各種の演算、制御を行うCPUにおいて実行させる各ステップによって構成されており、次のような地図データ管理処理を含んでいる。
【0021】
図3は、地図データ管理処理の手順例を示すフローチャートである。この地図データ管理処理は、上記制御部45のプログラムがCPUの制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、例えば管理サーバ100の電源が投入された際に開始される。
【0022】
まず、ステップS5では、通信ネットワークNWを介して外部のユーザクライアント10から何らかのアクセスがあったか否かを判定する。外部アクセスがない場合は同じステップS5を繰り返してループ待機し、外部アクセスがあった場合に次のステップS10へ移る。
【0023】
ステップS10では、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの提供を要求するものであるか否かを判定する。アクセスが地図データの提供要求である場合、次のステップS15へ移る。
【0024】
ステップS15では、ユーザクライアント10からのアクセスで地図データの提供要求のために指定しているエリアが地図作成済みエリアであるか否かを判定する。地図作成済みエリアを指定している場合には、ステップS20で記憶部42から対応する地図データを検索してユーザクライアント10に提供するよう応答し、次のステップS30へ移る。一方、地図未作成エリアを指定している場合には、ステップS25で指定したエリアが地図未作成エリアであって地図データを提供できないことをユーザクライアント10に応答し、次のステップS30へ移る。
【0025】
ステップS30では、管理サーバ100が備える操作部などを介して当該地図データ管理処理を終了するよう指示する操作が行われたか否かを判定する。終了操作が行われていない場合、ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。一方、終了操作が行われた場合、このフローを終了する。
【0026】
また一方、上記ステップS10の判定において、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの提供要求でない場合、ステップS35へ移る。
【0027】
ステップS35では、ユーザクライアント10からのアクセスが地図データの登録を要求するものであるか否かを判定する。アクセスが地図データの登録要求である場合、次のステップS40で当該アクセスに添付して提供された地図データを、当該アクセスで指定している地図未作成エリアに対応付けて記録部に記録し、さらにこの地図未作成エリアを地図作成済みエリアに変更して登録を行う。そしてステップS30へ移る。一方、アクセスが地図データの登録要求でない場合、ステップS5へ戻って同様の手順を繰り返す。
【0028】
以上のように機能する管理サーバ100を備えた本実施形態の地図データ管理システムSにおいて、各ユーザの行動に対応するシステムの挙動の流れを図4〜図8を参照して以下に詳細に説明する。
【0029】
図4〜図8は上記図1に対応する図であり、図示する例では同じ立場の2人のユーザが管理サーバ100に接続している。
【0030】
図4において、この例では、ユーザAが管理サーバ100にアクセスして、希望するエリアの指定とともにそれに対応した地図データの提供を要求している。この例ではその指定したエリアが地図未作成エリアであるため、管理サーバ100はユーザAに対して地図データを提供できないことを応答返信する。これによりユーザAはそのまま指定エリアの地図データの取得をあきらめるか、又は自らその指定エリアに対応する地図データを作成して管理サーバ100に提供するかを選択することができる。ここで、本発明においては、このようにして地図データを作成する意志を持ったユーザを以下作成者Mと称し、またこの作成者Mが使用するユーザクライアント10を特に作成者用操作手段10Mと称する。
【0031】
なお、このように自ら地図データの取得を希望するエリア以外の他の地図未作成エリアに対しても地図データを作成できるようにしてもよい。例えば図5に示すように、ユーザが初めから地図データを作成する意志を持って、つまり予め作成者Mの立場として管理サーバ100にアクセスし、全ての地図未作成エリアを検索して確認できるようにしてもよい。
【0032】
作成者Mは、図6に示すように、携帯型ナビゲーション端末12を持参して地図未作成エリアの実際の場所へ訪問し、携帯型ナビゲーション端末12を利用して地図データを作成する。この作成者Mが使用する携帯型ナビゲーション端末12については、特に詳細な説明は省略するが、GPSなどの測位機能を利用してエリア内の各主要ポイントの実測位置を検出することにより地図画像データ及び地図付帯情報を作成できるものを用いる。
【0033】
そして、作成者Mは管理サーバ100に対して地図未作成エリアを指定するとともに作成した地図データを提供し、これを受けた管理サーバ100は指定された地図未作成エリアに対応付けて地図データを記憶し、当該地図未作成エリアを地図作成済みエリアに分類変更して登録を行う。ここで携帯型ナビゲーション端末12に無線電話回線などを利用したネットワーク通信機能が備えられていれば、地図データを作成した対象エリアの実際の場所から管理サーバ100へ直接アクセスしてもよいし、若しくは帰宅してから固定クライアント機器11に接続して管理サーバ100へアクセスしてもよい。
【0034】
このようにして管理サーバ100に登録された地図データは、図7に示すように、他のユーザBが管理サーバ100にアクセスしてエリアの指定とともに対応する地図データの提供を要求することで取得できる。このとき、本発明では、地図データを取得できたユーザを以下利用者Uと称し、またこの利用者Uが使用するユーザクライアント10を特に利用者用操作手段10Uと称する。利用者Uは、取得した地図データを携帯型ナビゲーション端末12に入力することができる。
【0035】
そして図8に示すように、利用者Uは地図データを記憶した携帯型ナビゲーション端末12を所持して当該地図データに対応するエリアの実際の場所に訪問することで、地図データを利用したナビゲーションを行うことができる。この利用者Uが使用するナビゲーション端末12については、特に詳細な説明は省略するが、地図データの地図付帯情報を参照しつつGPSなどの測位機能を利用してエリア内における利用者Uの現在位置や経路案内などを地図画像データと重畳して表示可能なものを用いる。
【0036】
上記実施形態における地図データ管理システムSにおいては、地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバ100と、前記地図データを作成する作成者Mが前記管理サーバ100にアクセスするための作成者用操作手段10M(作成者のユーザクライアントに相当)と、前記地図データを利用する利用者Uが前記管理サーバ100にアクセスするための利用者用操作手段10U(利用者のユーザクライアントに相当)とを有する地図データ管理システムSであって、前記管理サーバ100は、地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段42(記憶部に相当)と、前記利用者用操作手段10Uからのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを前記記憶手段42から検索して提供するための地図データ提供手段43(地図データ提供部に相当)と、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段42に登録する地図データ登録手段44(地図データ登録部に相当)と、を有する。
【0037】
このようにすると、既に地図データが作成されている地図作成済みエリアと、まだ地図データが作成されていない地図未作成エリアとを、管理サーバ100が区別して管理することができる。また、外部ユーザのうちで地図データを取得・利用しようとする利用者Uに対しては地図作成済みエリアの地図データを提供するとともに、外部ユーザのうちで地図データを作成・提供しようとする作成者Mに対してはどのエリアが地図未作成エリアであるかの情報を与え、その地図未作成エリアの地図データの提供を受け付けて登録することができる。
【0038】
この結果、多数の一般ユーザに対して地図作成済みエリアの地図データを配信提供しつつ、地図未作成エリアに対する地図データの作成・提供を広く募集することができる。この結果、道路以外のエリアにおいて専門の地図業者による地図データの作成整備を待たずとも、効率のよい地図データの収集整備を行うことができる。
【0039】
上記実施形態における地図データ管理システムSにおいては、上述した構成に加えてさらに、前記利用者用操作手段10Uは、前記地図作成済みエリアに対応する場所で、前記管理サーバ100から取得した前記地図データを利用するための利用者用携帯端末12(利用者の携帯型ナビゲーション端末に相当)を有し、前記作成者用操作手段10Mは、前記地図未作成エリアに対応する場所で、前記地図データを作成するための作成者用携帯端末12(作成者の携帯型ナビゲーション端末に相当)を有している。
【0040】
このようにすると、地図データを取得した利用者Uは対応する地図作成済みエリアの実際の場所において、利用者用携帯端末12の使用により当該地図データを利用した現在位置や経路案内などのナビゲーションを行うことができる。また、作成者Mは地図未作成エリアの実際の場所において、作成者用携帯端末12の使用によりGPSなどの測位機能を利用して地図画像データ及び地図付帯情報を作成できる。
【0041】
なお、上記実施形態において、ユーザクライアント10は管理サーバ100にアクセスして特定の領域の地図画像を閲覧することでその領域内にある地図作成済みエリアと地図未作成エリアとを区別して確認していたが、これに限られずに、例えば図9に示すように各エリアごとで地図データに関する情報をリスト形式で表示してもよい。
【0042】
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0043】
(1)利用者が作成者に対して地図データの対価を支払う場合
上記実施形態では、作成者Mにより地図データを作成・提供した行為に対しては特に報酬は与えられなかったが、これに限られずに、例えば地図データを取得・利用した利用者Uが当該地図データを作成した作成者Mに対して対価を支払うようにしてもよい。
【0044】
図10は、この第1変形例の地図データ管理システムS1における各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。なお、本変形例の地図データ管理システムS1における基本的な挙動・情報の流れは上記実施形態とほぼ同じであり、その他の違いについてのみ以下に説明する。
【0045】
この図10において、地図未作成エリアの地図データを作成する意志を持ったユーザ、つまり作成者Mは、管理サーバ101にアクセスして地図未作成エリアの検索を行い、そのうち地図データの作成を決めた地図未作成エリアに対して地図データ作成権の申込を行う。ここで、地図データ作成権とは、所定の地図未作成エリアに対してその地図データを独占的に作成するための予約的権利であり、例えば最初に申し込みをした作成者Mが地図データ作成権を得ることができ、他のユーザによる同じ地図未作成エリアの地図データの提供・登録を排除することができる。
【0046】
このように本変形例における管理サーバ101は、作成者Mからの地図データ作成権の申し込みを受け付ける作成権受付部101Aを有しており、また地図データ登録部44は地図データ作成権を受け付けた作成者Mから提供された地図データだけを対応する地図未作成エリアに対応付けて登録する。
【0047】
また、上記作成権受付部101Aは、地図データ作成権に有効期限を設定してもよく、その場合には有効期限が経過する前までの間だけ、地図データ登録部44が当該地図データ作成権を有する作成者Mからの地図データの提供・登録を許可する。そして、有効期限が経過してからは、地図データ登録部44が当該地図データ作成権を無効とみなして他のユーザによる地図データの提供・登録を許可し、又は作成権受付部101Aが他のユーザによる地図データ作成権の申し込みを別途受け付けるようにする。
【0048】
また本変形例では、利用者Uが管理サーバ101に対して地図データの取得・利用に対する対価を支払うようになっており、管理サーバ101が当該地図データの作成者Mに対してその対価の支払いを行う。
【0049】
このように本変形例における管理サーバ101は、作成者Mから地図データを提供された場合に当該作成者Mへ地図データの対価を支払う対価支払い部101Bを有しており、またこの対価支払い部101Bは利用者Uが地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した作成者Mに対して支払う。
【0050】
また、上記対価支払い部101Bは、作成者Mに支払う対価の大きさについて、当該作成者Mが提供した地図データを取得した利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた大きさで対価を設定する。これは利用者U側から見ると、利用者Uの取得人数に応じて設定する場合には、同じ利用者Uが同じ地図データを何度取得しても1回分の対価を支払うだけでよい。また、利用者Uの取得回数に応じて設定する場合には、同じ利用者Uが同じ地図データを複数回取得したらその取得した回数分の対価を支払う。また、利用者Uの利用回数に応じて設定する場合には、利用者Uが地図データを取得する際に対価の支払いは不要であるが、携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを利用するたびに対価を継続的に支払う。なお、取得人数と利用回数とを組み合わせたり、取得回数と利用回数とを組み合わせて設定することもできる。
【0051】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101は、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより所定の前記地図未作成エリアの前記地図データを独占的に作成できる地図データ作成権の申し込みを受け付ける受付手段101A(作成権受付部に相当)を有し、前記地図データ登録手段44は、前記受付手段101Aにより前記地図データ作成権を受け付けた前記作成者用操作手段10Mから提供された前記地図データを、当該地図データ作成権に対応する前記所定の地図未作成エリアに対応付けて登録する。
【0052】
このようにすると、地図データの作成に時間的猶予を設けることができる。つまり、例えば最も早く地図データを作成・提供した作成者Mだけに対価の支払いなどの報酬を与えるとした場合には、複数の作成者M間で競合関係が生じて地図データの作成に十分な時間をかけずに精度の低い低品質の地図データが提供されやすくなる。しかしながら、管理サーバ101が一人の作成者Mからの地図データ作成権を受け付けることで、当該作成者Mに優先的な立場を確保し、地図データを作成するための十分な時間的余裕を与えることができる。その結果、作成・提供される地図データの品質の劣化を回避することができる。
【0053】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記受付手段101Aは、申し込みを受け付けた前記地図データ作成権に有効期限を設定し、前記地図データ登録手段44は、前記受付手段101Aにより設定された前記有効期限内にある前記地図データ作成権を限定的に有効に適用する。
【0054】
このようにすると、地図データ作成権を得た作成者Mが地図データの作成に必要以上に時間を費やして地図データの提供・登録が無意味に遅れてしまうことを防ぐことができる。このため、地図データ作成権の有効期限は、対応する地図未作成エリアの内容や状況に応じて地図データを作成するのに必要かつ十分な期限に設定するのがよい。
【0055】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101は、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該作成者用操作手段10Mの前記作成者Mへ当該地図データの対価を支払う支払手段101B(対価支払い部に相当)を有する。
【0056】
このようにすると、作成者Mの善意に頼るばかりでなく、地図データの作成・提供に対しての意欲を向上させ、作成者Mと対価での取り引きを行えるビジネスモデルとして構築できる。なお、対価については、例えば銀行などの口座振り込みを利用した金銭の支払いであってもよいし、又はシステム上で利用可能なポイントや仮想通過などによる支払いでもよい。
【0057】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記利用者Uが前記地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0058】
このようにすると、対価の原資を利用者Uから得ることができるため、地図データ管理システムS1自体が対価を用意せずとも作成者Mとの間のビジネスモデルを構築することができる。
【0059】
上記第1変形例における地図データ管理システムS1においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記地図作成済みエリアの前記地図データを取得した前記利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0060】
このようにすると、地図データの作成者Mに対して、当該地図データの需要度、取得頻度、利用頻度に応じた公平な対価の支払いを行うことができる。
【0061】
なお、このような作成者Mに支払う対価の大きさの設定については、他の方法としてもよい。例えば、前記管理サーバ101の前記支払手段101Bは、前記地図未作成エリアごとに前記利用者用操作手段10Uからのアクセスによる指定回数を記録し、当該地図未作成エリアの前記地図データを提供した前記作成者Mに対して前記指定回数に応じた対価を支払うようにしてもよい。
【0062】
このようにすると、地図データが作成・提供される前の段階での地図未作成エリアの指定回数は、すなわち当該エリアに対してどれだけ多くの利用者Uが地図データを必要としているかの期待度を表すパラメータとなり、利用者Uが当該地図データを取得・利用する際の単価をこの期待度に応じて設定することで、地図データの社会的需要度に応じた公平な対価の支払いを作成者Mに対して行うことができる。
【0063】
なお、地図未作成エリアは予め地図作成済みエリアと区別されて記憶・表示されるが、この期待度を測定する目的であえて利用者Uが地図未作成エリアを指定して対応する地図データの作成を希望する意志を示すことができるように地図希望ボタンを用意してもよい。また、この期待度の指標となる指定回数のカウントについては、エリア別の総累計でカウントしてもよいし、現在よりさかのぼった一定の期間中におけるカウントでもよいし、単位時間当たりの指定回数で表される指定頻度でカウントしてもよい。また、同一ユーザによる複数回の指定を1つでカウントしてもよい。
【0064】
(2)エリア関係者が作成者に対して地図データの対価を支払う場合
上記第1変形例では、地図データを取得・利用した利用者Uが当該地図データを作成した作成者Mに対して対価を支払うものとしていたが、これに限られずに、例えば地図未作成エリアの関係者が作成者Mに対して対価を支払うようにしてもよい。
【0065】
図11は、第2変形例の地図データ管理システムS2における各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。なお、本変形例の地図データ管理システムS2における基本的な挙動・情報の流れは上記実施形態及び上記第1変形例とほぼ同じであり、その他の違いについてのみ以下に説明する。
【0066】
この図11において、ある地図未作成エリアを管轄・管理する関係者、つまり対象エリア事業者Kが予め管理サーバ102に当該地図未作成エリアの地図データの作成を依頼している。本来、地図未作成エリアに対してはどのユーザも作成者Mとなって地図データを作成・提供することができるが、対象エリア事業者Kが作成依頼をしていることで、地図データの作成者Mに対して予め対価を支払う準備ができることになる。
【0067】
また本変形例では、管理サーバ102の記憶部42が地図未作成エリアに対して地図データの構成要素の一つである地図画像データだけを対応付けて記憶できるようになっており、対象エリア事業者Kが自分の管轄する地図未作成エリアの地図データの作成を依頼するとともに、当該地図未作成エリアの地図画像データを管理サーバ102に提供している。
【0068】
地図データのうちでも地理的配置のみを表した地図画像データについては、例えば従来から作成されている紙地図や建物の図面を光学的に読み取ることなどにより比較的容易に作成することができる。地図データの作成依頼元である対象エリア事業者K自身が提供する地図画像データであれば信頼性が高いものとみなすことができ、これを地図データを作成する予定の作成者Mに対して提供することで当該作成者Mは対応する地図付帯情報だけを作成すればよいことになる。
なり、精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0069】
本変形例における管理サーバ102は、作成者Mから地図未作成エリアの指定に対して対応する地図画像データを記憶部42から検索して提供するための地図画像データ提供部102Cを有している。
【0070】
そして、作成者Mは管理サーバ102にアクセスして地図未作成エリアの検索を行い、そのうち地図データの作成を決めた地図未作成エリアについて、上記作成権受付部101Aと同等の作成権受付部102Aに対して地図データ作成権の申込を行う。このとき当該地図未作成エリアに対応付けて地図画像データが記憶されている場合には、最先のアクセスにより地図データ作成権を得ることができた作成者Mに対してのみ地図画像データ提供部102Cが地図画像データを提供してもよいし、全てのユーザに地図画像データを提供してもよいし、又は希望するユーザだけに提供してもよい。
【0071】
そして、作成者Mは地図未作成エリアの実際の場所に訪れて携帯型ナビゲーション端末12を用いて地図データを作成する。このとき地図画像データ提供部102Cより地図画像データが提供されている場合はそれを利用して地図付帯情報のみを作成し、提供されていない場合は地図画像データも合わせて作成して、結果的に地図画像データと地図付帯情報とを組み合わせた地図データを作成する。
【0072】
ここで本変形例では、作成者Mが地図データを作成した地図未作成エリアの現場で、その対象エリア事業者Kに作成した地図データの内容を検査してもらい、一定以上の精度・品質が認められた場合にその証明をしてもらう。具体的には、対象エリアに設置されている専用の機器、又は在駐している検査員にその場で地図データを検査してもらい、検査に合格した場合にだけ作成証明データを発行してもらい当該地図データに添付する。そして作成者Mは、この作成証明データが添付された地図データだけを管理サーバ102に登録できる。
【0073】
本変形例における管理サーバ102は、作成者Mから地図未作成エリアの地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定部102Dを有しており、また地図データ登録部44は、判定部102Dにより作成証明データの添付が確認された場合にだけ提供された地図データを登録する。
【0074】
そして、地図未作成エリアの対象エリア事業者Kは、当該地図未作成エリアの地図データを作成・提供し登録できた作成者Mに対して、上記対価支払い部101Bと同等の対価支払い部102Bを介して相応の対価を支払い、作成依頼が完了することになる。
【0075】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102が、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は当該地図未作成エリアに係わる専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定手段102D(判定部に相当)を有し、前記地図データ登録手段44は、前記判定手段102Dにより前記作成証明データの添付があると判定された場合に、前記地図データを登録する。
【0076】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者が認めた高い精度・品質にある地図データだけが管理サーバ102に登録されることになり、地図データ全体の信頼性が向上する。
【0077】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記記憶手段42は、前記地図未作成エリアのいずれかに対して前記地図画像データを対応付けて記憶しており、前記作成者用操作手段10Mからのアクセスによる前記地図未作成エリアの指定に対して、対応する前記地図画像データを前記記憶手段42から検索して提供するための画像データ提供手段102C(地図画像データ提供部に相当)を有する。
【0078】
このようにすると、比較的容易に作成することができる地図画像データを予め用意して作成者Mに提供することで、当該作成者Mは対応する地図付帯情報だけを作成すればよいことになり、それだけ十分な手間をかけて精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0079】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記記憶手段42は、前記地図未作成エリアの関係者K(対象エリア事業者に相当)から提供された前記地図画像データを記憶している。
【0080】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者K自身から提供された地図画像データであれば信頼性が高いものとみなすことができ、これを作成者Mに対して提供することで当該作成者Mは精度・品質の高い地図付帯情報の作成を期待できる。
【0081】
上記第2変形例における地図データ管理システムS2においては、上述した構成に加えてさらに、前記管理サーバ102の前記支払手段102B(対価支払い部に相当)は、前記地図作成済みエリアの関係者Kが前記作成者Mによる前記地図データの提供に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者Mに対して支払う。
【0082】
このようにすると、地図未作成エリアの関係者Kが、当該エリアの地図データを配信・提供可能することで期待できる集客効果や利便性の向上などを一種の広告・販促手段として捉え、そのための費用の計上が見込めることになる。これにより、対価の原資を地図未作成エリアの関係者Kから得ることができるため、地図データ管理システムS2自体が対価を用意せずとも作成者Mとの間のビジネスモデルを構築することができる。
【0083】
なお、対価の支払いについては、地図データの作成・提供の行為に対して一度に支払ってもよいし、又は上記第1変形例と同様に、利用者Uの取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じて支払ってもよいし、又は地図未作成エリアの段階での指定回数で表される期待度に応じて支払ってもよいし、又はこれらの組み合わせでもよい。
【0084】
また、作成・提供された地図データの精度・品質を評価してそれに応じたて対価を支払うようにしてもよい。評価基準としては、作成者Mが地図画像データも作成した場合その完成度で評価してもよいし、地図付帯情報の精度の高さや正確さで評価してもよい。また、作成・提供された地図データの評価が所定の基準に達していない場合には、地図作成済みエリアであっても引き続き作成者Mによる地図データの作成・提供を可能として、さらに評価の高い地図データが提供された場合には対価を支払って差し替えるように登録してもよい。
【0085】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施形態の地図データ管理システム全体を表すシステム構成図である。
【図2】図1に示す管理サーバにおいて動作する地図データ管理プログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】地図データ管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【図4】ユーザが地図未作成エリアを指定して地図データの提供を要求した場合のシステムの状況を示す図である。
【図5】作成者が地図未作成エリアを検索した場合のシステムの状況を示す図である。
【図6】作成者が地図データを作成して管理サーバに提供した場合のシステムの状況を示す図である。
【図7】利用者が地図作成済みエリアを指定して地図データの提供を要求した場合のシステムの状況を示す図である。
【図8】利用者が地図データを利用した場合のシステムの状況を示す図である。
【図9】各エリアの情報をリスト形式で表示した場合を表す図である。
【図10】第1変形例の地図データ管理システムにおける各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。
【図11】第2変形例の地図データ管理システムにおける各ユーザの行動やそれに対応するシステムの挙動・情報の流れを模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0087】
10 ユーザクライアント
10M 作成者用操作手段
10U 利用者用操作手段
11 固定クライアント機器
12 携帯型ナビゲーション端末(利用者用携帯端末、作成者用携帯端末に相当)
41 入出力部
42 記憶部(記憶手段に相当)
43 地図データ提供部(地図データ提供手段に相当)
44 地図データ登録部(地図データ登録手段に相当)
45 制御部
100,101 管理サーバ
,102
S,S1,S2 地図データ管理システム
A,B ユーザ
M 作成者
U 利用者
K 対象エリア事業者(関係者に相当)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバと、前記地図データを作成する作成者が前記管理サーバにアクセスするための作成者用操作手段と、前記地図データを利用する利用者が前記管理サーバにアクセスするための利用者用操作手段とを有する地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記利用者用操作手段からのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを前記記憶手段から検索して提供するための地図データ提供手段と、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段に登録する地図データ登録手段と、
を有することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記利用者用操作手段は、
前記地図作成済みエリアに対応する場所で、前記管理サーバから取得した前記地図データを利用するための利用者用携帯端末を有し、
前記作成者用操作手段は、
前記地図未作成エリアに対応する場所で、前記地図データを作成するための作成者用携帯端末を有していることを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は当該地図未作成エリアに係わる専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定手段を有し、
前記地図データ登録手段は、
前記判定手段により前記作成証明データの添付があると判定された場合に、前記地図データを登録することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより所定の前記地図未作成エリアの前記地図データを独占的に作成できる地図データ作成権の申し込みを受け付ける受付手段を有し、
前記地図データ登録手段は、
前記受付手段により前記地図データ作成権を受け付けた前記作成者用操作手段から提供された前記地図データを、当該地図データ作成権に対応する前記所定の地図未作成エリアに対応付けて登録することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記受付手段は、
申し込みを受け付けた前記地図データ作成権に有効期限を設定し、
前記地図データ登録手段は、
前記受付手段により設定された前記有効期限内にある前記地図データ作成権を限定的に有効に適用することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記記憶手段は、
前記地図未作成エリアのいずれかに対して前記地図画像データを対応付けて記憶しており、
前記作成者用操作手段からのアクセスによる前記地図未作成エリアの指定に対して、対応する前記地図画像データを前記記憶手段から検索して提供するための画像データ提供手段を有する
ことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記記憶手段は、
前記地図未作成エリアの関係者から提供された前記地図画像データを記憶していることを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該作成者用操作手段の前記作成者へ当該地図データの対価を支払う支払手段を有することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記利用者が前記地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図作成済みエリアの関係者が前記作成者による前記地図データの提供に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図作成済みエリアの前記地図データを取得した前記利用者の取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図未作成エリアごとに前記利用者用操作手段からのアクセスによる指定回数を記録し、当該地図未作成エリアの前記地図データを提供した前記作成者に対して前記指定回数に応じた対価を支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項1】
地図画像データと地図付帯情報とからなる地図データを記憶する管理サーバと、前記地図データを作成する作成者が前記管理サーバにアクセスするための作成者用操作手段と、前記地図データを利用する利用者が前記管理サーバにアクセスするための利用者用操作手段とを有する地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
地図作成済みエリアと地図未作成エリアとに区別された複数のエリアを記憶するとともに、前記地図作成済みエリアに対しては当該エリアの地図データを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記利用者用操作手段からのアクセスによる前記地図作成済みエリアの指定に対し、対応する前記地図データを前記記憶手段から検索して提供するための地図データ提供手段と、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、提供された当該地図データを当該地図未作成エリアに対応付けて前記記憶手段に登録する地図データ登録手段と、
を有することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記利用者用操作手段は、
前記地図作成済みエリアに対応する場所で、前記管理サーバから取得した前記地図データを利用するための利用者用携帯端末を有し、
前記作成者用操作手段は、
前記地図未作成エリアに対応する場所で、前記地図データを作成するための作成者用携帯端末を有していることを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該地図未作成エリアの関係者又は当該地図未作成エリアに係わる専用機器による作成証明データが当該地図データに添付されているか否かを判定する判定手段を有し、
前記地図データ登録手段は、
前記判定手段により前記作成証明データの添付があると判定された場合に、前記地図データを登録することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより所定の前記地図未作成エリアの前記地図データを独占的に作成できる地図データ作成権の申し込みを受け付ける受付手段を有し、
前記地図データ登録手段は、
前記受付手段により前記地図データ作成権を受け付けた前記作成者用操作手段から提供された前記地図データを、当該地図データ作成権に対応する前記所定の地図未作成エリアに対応付けて登録することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記受付手段は、
申し込みを受け付けた前記地図データ作成権に有効期限を設定し、
前記地図データ登録手段は、
前記受付手段により設定された前記有効期限内にある前記地図データ作成権を限定的に有効に適用することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記記憶手段は、
前記地図未作成エリアのいずれかに対して前記地図画像データを対応付けて記憶しており、
前記作成者用操作手段からのアクセスによる前記地図未作成エリアの指定に対して、対応する前記地図画像データを前記記憶手段から検索して提供するための画像データ提供手段を有する
ことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記記憶手段は、
前記地図未作成エリアの関係者から提供された前記地図画像データを記憶していることを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記作成者用操作手段からのアクセスにより前記地図未作成エリアの前記地図データが提供された場合に、当該作成者用操作手段の前記作成者へ当該地図データの対価を支払う支払手段を有することを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記利用者が前記地図データの取得又は利用に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項10】
請求項8に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図作成済みエリアの関係者が前記作成者による前記地図データの提供に対して支払った対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図作成済みエリアの前記地図データを取得した前記利用者の取得人数、取得回数、又は利用回数のいずれかに応じた対価を、当該地図データを提供した前記作成者に対して支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【請求項12】
請求項9又は10に記載の地図データ管理システムにおいて、
前記管理サーバの前記支払手段は、
前記地図未作成エリアごとに前記利用者用操作手段からのアクセスによる指定回数を記録し、当該地図未作成エリアの前記地図データを提供した前記作成者に対して前記指定回数に応じた対価を支払うことを特徴とする地図データ管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−128042(P2010−128042A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300546(P2008−300546)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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