説明

地図情報共有・更新システム及び端末装置

【課題】共有される地図情報の信頼性を向上させることが可能な地図データ情報共有・更新システムを提供する。
【解決手段】地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトデータも併せて利用者端末に提供する。オブジェクトデータを、利用者端末からの登録要求に応じてオブジェクトデータベースに登録する登録手段と、削除要求に応じて削除する削除手段を備える。オブジェクトデータの信頼性を、オブジェクトデータに対する登録要求回数及び削除要求回数に基づき判定する信頼性判定手段を備える。信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報共有・更新システム及びそのシステムに対応した端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地図情報とともにその地図上の店などの情報をダウンロードする技術があるが、的確かつ詳細な情報を取得したいというニーズが高まっている。
【0003】
またユーザが場所を覚えておくために、地図上に印をつけ、コメントを残したいというニーズもある。
【0004】
そのニーズに応える技術として、個々のユーザが地図上に各情報を登録し、その蓄積した情報をユーザ全体で共有するシステムが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、個々のユーザによる情報は必ずしも信頼性に足る情報とは限らず、共有する為にはこの信頼性の向上が問題となる。
【0006】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、共有される地図情報の信頼性向上を可能とする地図情報共有・更新システム及び端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の地図情報共有・更新システムは、通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、前記地図情報供給装置は、複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、を備え、前記地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、前記地図情報供給装置は、オブジェクトデータを、利用者端末からの登録要求に応じて前記オブジェクトデータベースに登録する登録手段と、オブジェクトデータを、利用者端末からの削除要求に応じて前記オブジェクトデータベースから削除する削除手段と、オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する登録要求回数及び削除要求回数に基づき判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の地図情報共有・更新システムは、通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、前記地図情報供給装置は、複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、を備え、前記地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、前記地図情報供給装置は、オブジェクトデータを、利用者端末からの登録要求に応じて前記オブジェクトデータベースに登録する登録手段と、オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する登録要求回数に基づき判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の地図情報共有・更新システムは、通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、前記地図情報供給装置は、複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、を備え、前記地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、前記地図情報供給装置は、オブジェクトデータを、利用者端末からの削除要求に応じて前記オブジェクトデータベースから削除する削除手段と、オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する削除要求回数に基づき判定する信頼性判定手段と、前記信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、各オブジェクトデータの同一性を判定する同一性判定手段を備え、前記登録手段は、前記同一性判定手段により相互に同一であると判定されたオブジェクトは、登録に際して同一のものとして扱うことが好ましい。
【0011】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、各利用者端末にて、相互に共通のフォーマットへの入力操作により、オブジェクトデータの登録が可能とされ、前記地図情報供給装置は、前記共通のフォーマットで前記オブジェクトデータを供給することが好ましい。
【0012】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、各オブジェクトデータの同一性を判定する同一性判定手段を備え、前記削除手段は、前記同一性判定手段により相互に同一であると判定されたオブジェクトは、削除に際して同一のものとして扱うことが好ましい。
【0013】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、前記地図情報供給装置は、前記共通のフォーマットで前記オブジェクトデータを供給することが好ましい。
【0014】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、前記同一性判定手段は、オブジェクトの種別、名前及び位置データに基づき、オブジェクトの同一性を判定することが好ましい。
【0015】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、各オブジェクトデータは、各利用者端末にて地図情報を取得した際に地図上に表示されるアイコンと対応付けられ、アイコンが選択操作された場合に対応するオブジェクトデータが表示されるように構成されていることが好ましい。
【0016】
本発明の地図情報共有・更新システムにおいては、前記利用者端末には、携帯端末が含まれていることが好ましい。
【0017】
本発明の端末装置は、本発明の地図情報共有・更新システムにおける利用者端末となる端末装置であって、前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの登録を要求する処理を行う登録要求手段と、前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの削除を要求する処理を行う削除要求手段と、を備えることを特徴としている。
【0018】
本発明の端末装置は、本発明の地図情報共有・更新システムにおける利用者端末となる端末装置であって、前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの登録を要求する処理を行う登録要求手段を備えることを特徴としている。
【0019】
本発明の端末装置は、本発明の地図情報共有・更新システムにおける利用者端末となる端末装置であって、前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの削除を要求する処理を行う削除要求手段を備えることを特徴としている。
【0020】
本発明の端末装置においては、前記登録要求手段は、オブジェクトデータを、地図上に表示されるアイコンと対応付けて登録する要求を行うことが好ましい。
【0021】
本発明の端末装置においては、前記地図情報供給装置から地図情報の提供を受けた場合に、共有化されたオブジェクトデータと、共有化されていないが当該端末装置にて過去に登録要求を行ったオブジェクトデータと、を表示することが好ましい。
【0022】
本発明の端末装置においては、前記削除要求手段は、オブジェクトデータと、該オブジェクトデータと対応付けられたアイコンとを削除する要求を行うことが好ましい。
【0023】
本発明の端末装置においては、前記地図情報供給装置から地図情報の提供を受けた場合に、共有化されたオブジェクトデータのうち、当該携帯端末にて削除要求を行ったオブジェクトデータを除くオブジェクトデータのみを地図上に表示することが好ましい。
【0024】
本発明の端末装置は、携帯端末であることを好ましい一例としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、地図情報供給装置は、複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、を備え、地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する登録要求回数と削除要求回数とのうち少なくともいずれか一方に基づき判定する信頼性判定手段と、信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、を備えるので、共有されるオブジェクトデータの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る地図データ情報共有・更新システムの構成を示すブ ロック図である。
【図2】地図情報取得前に携帯端末にて行われる処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2の処理に続いてホスト装置により実行される制御フローを示すフローチ ャートである。
【図4】ホスト装置側のデータベースの主要な内容を示す図である。
【図5】携帯端末側のデータベースの主要な内容を示す図である。
【図6】地図情報取得後の携帯端末での制御フローを示すフローチャートである。
【図7】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図8】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図9】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図10】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図11】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図12】携帯端末側での地図データの表示例を示す図である。
【図13】オブジェクト登録処理において携帯端末側で行われる制御フローを示すフローチャートである。
【図14】オブジェクト登録処理においてホスト装置側で行われる制御フローを示す フローチャートである。
【図15】オブジェクト削除処理において携帯端末側で行われる制御フローを示すフ ローチャートである。
【図16】オブジェクト削除処理においてホスト装置側で行われる制御フローを示す フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態に係る地図データ情報共有・更新システムの一構成例を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係る地図データ情報共有・更新システムは、例えば、地図データ情報共有・更新システムに対応した携帯端末(例えば、携帯電話機)11、41と、サーバなどのホスト装置21と、インターネット網などの通信網31と、パーソナルコンピュータ(PC)などの家庭用端末51により構成されている。
【0030】
携帯端末11は、該携帯端末11の動作を制御する制御部12と、通信網へ接続する無線部13と、情報(後述するデータベース、制御部12の制御用プログラム、及び、ホスト装置21から受信する情報など)を記憶保持したり、制御部12の作業領域として機能したりするメモリ14と、携帯端末11のユーザに伝達する画像や情報などを表示する表示部15と、該端末11へのユーザによる入力操作を受け付ける操作部16と、を備えて構成されている。また、携帯端末41も携帯端末11と同様に構成されている。
【0031】
なお、携帯端末11,41は、例えば、地図データ情報共有・更新システムを利用するためのプログラム及び後述する端末データベース(図5参照)を、所定の契約に基づきダウンロードすることによって、該地図データ情報共有・更新システムに対応したものとなるのであっても良い。或いは、携帯端末11,41は、地図データ情報共有・更新システムの対応機種として、予めそれらプログラム及び端末データベースを格納した状態で販売されているのであっても良い。
【0032】
ホスト装置21は、該ホスト装置21の動作を制御する制御部22と、通信網へ接続する接続部23と、地図情報などのデータベース(ホストデータベース)を格納するストレージ24と、管理者がホスト装置21を操作するための操作部25と、各種のデータを表示する表示部26と、情報(データベース、制御部22の制御用プログラム、及び、携帯端末11,41、家庭用端末51から受信する情報など)を記憶保持したり、制御部22の作業領域として機能したりするメモリ27と、を備えて構成されている。
【0033】
また、家庭用端末51は、図示は省略するが、その動作を制御する制御部、情報を記憶保持するメモリ、ユーザによる操作を受け付ける操作部、表示動作を行う表示部を備えている。家庭用端末51は、例えば、地図データ情報共有・更新システムを利用するためのプログラム及び後述する端末データベース(図5参照)を、所定の契約に基づきダウンロードすることによって、該地図データ情報共有・更新システムに対応したものとなる。
【0034】
家庭用端末51、携帯端末11,41及びホスト装置21は、通信網31を介して相互間での通信が可能となっている。
【0035】
次に、図1の地図データ情報共有・更新システムにおいて、携帯端末11に地図情報を取得し表示する制御手法の例について、図2、図3及び図6を参照して説明する。
【0036】
先ず、図2は携帯端末11側にて地図情報取得前に実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0037】
図2に示すように、携帯端末11のユーザは、地図情報取得にあたり、表示したい場所(どの場所の地図情報を取得し表示したいのか)についての情報(以下、表示場所)と、地図の縮尺(以下、地図縮尺)と、を入力する(ステップA102、A103)。
【0038】
次に、ユーザは、地図上に表示したい種別を選択し入力する(ステップA104)。ここで、種別としては、「本屋」や「喫茶店」といった個々のジャンルを指定することができ、必要な種別の情報のみの取得を可能とする。なお、複数の種別を一度に選択することも可能となっている。
【0039】
続くステップA105では、入力した表示場所、地図縮尺、種別、及び、表示部15に表示する地図のサイズ(大きさ)を、ホスト装置21へ送信する操作を行う。この操作を受けて、制御部12は、これらの情報を、無線部13を通してホスト装置21へ送信する。これにて、地図情報取得前の携帯端末11側での処理は終了し、ホスト装置21での制御へ引き継がれる。
【0040】
図3は図2の処理の後でホスト装置21により実行される制御フローを示すフローチャートである。
【0041】
ここで、図4に示すように、ホスト装置21のストレージ24に格納されたホストデータベースに含まれる主なデータベースとしては、場所データベース、地図データベース、共有オブジェクトデータベースがある。
【0042】
このうち場所データベースは、地図上の場所(例えば、住所、駅など)毎に、その場所名と、緯度・経度からなる位置データと、を対応付けて格納したものであり、Aという場所に対応する場所データベースA、Bという場所に対応する場所データベースB、・・・を含んで構成されている。
【0043】
また、地図データベースは、区域毎に分割された地図データ(図面)と、各々の地図データの領域(最大緯度、最小緯度、最大経度及び最小経度)と、を対応付けて格納したものであり、地図データA、地図データB、・・・を含んで構成されている。
【0044】
また、共有オブジェクトデータベースは、地図上のオブジェクト(例えば店や駅など)に関する情報を、各オブジェクト毎にまとめて構成されるデータベースである。
【0045】
すなわち、共有オブジェクトデータベースは、各オブジェクト毎のデータ(Aというオブジェクトに関する共有オブジェクトデータA、Bというオブジェクトに関する共有オブジェクトデータB、・・・)の集まりにより構成されている。
【0046】
各共有オブジェクトデータには、「本屋」や「喫茶店」といった個々のオブジェクトのジャンルを示す種別、「店名」や「駅名」といった個々のオブジェクトの名前(固有名詞)、個々のオブジェクトが位置する場所の緯度・経度の位置データ、個々のオブジェクトに対する「満足度 1:高い 2:普通 3:低い」といった3段階評価等の数値データの選択情報とコメントをまとめたメモ情報を含む情報データ、各オブジェクトが利用者により登録された回数を示す登録回数、各オブジェクトに対し利用者による削除要求がなされた回数を示す削除要求数が含まれている。
【0047】
図3の処理において、先ず、ステップA202では、図2のステップA105にて携帯端末11から送信されたデータを受信する。
【0048】
続くステップA203では、受信した表示場所のデータが緯度・経度のデータであるか場所名(文字データ)であるかを判定する。
【0049】
文字データの場合は、ストレージ24に格納されたホストデータベースに含まれる場所データベースより場所を検索し、対応する緯度・経度の位置データ(数値)に変換する(ステップA204)。
【0050】
ステップA204に続いて、又は、ステップA203にて表示場所のデータが緯度・経度のデータであった場合には該ステップA203に続いて、受信したデータの地図縮尺、及び、画面に表示するサイズに基づき、地図の広さを算出し、受信した表示場所の位置が中心となる表示エリア(緯度・経度の範囲最大緯度:LATmax、最小緯度:LATmin、最大経度:LNGmax、及び、最小経度:LNGmin)を算出する(ステップA205)。
【0051】
続いて、その算出した表示エリアデータを利用し、該表示エリアを含む地図データをホストデータベースの地図データベースより抽出し(ステップA206)、抽出した地図データから表示エリア部分のみを切り出す(ステップA207)。
【0052】
続いて、共有オブジェクトデータベースより、表示エリア内の位置データを持つ共有オブジェクトを抽出し(ステップA208)、該抽出した共有オブジェクトから受信した種別の共有オブジェクトを抽出する(ステップA209)。
【0053】
次に、抽出した共有オブジェクトに対して、登録回数が登録基準値(例:20)より大きいもののみを抽出する(ステップA210)。
【0054】
続いて、先のステップA207にて切り出された表示エリアの地図データ(図面)と、先のステップA205にて算出した表示エリア(緯度・経度の範囲 最大緯度:LATmax、最小緯度:LATmin、最大経度:LNGmax、最小経度:LNGmin)とを携帯端末11へ送信し(ステップA211)、更に、先のステップA210にて抽出された共有オブジェクトデータを携帯端末11へ送信する(ステップA212)。なお、共有オブジェクトデータのうち、携帯端末11へ送信するのは、登録回数と削除要求数とを削除した残りのデータ(種別、名前、位置データ、情報データ)である。
【0055】
ここで、携帯端末11,41、家庭用端末51がそれぞれ記憶保持している端末データベースの構成を図5に示す。
【0056】
図5に示すように、端末データベースに含まれる主なデータベースは、地図上に表示するアイコン(の表示データ)をオブジェクトの種別毎に格納したアイコンデータベース(共有アイコンデータベース、統合アイコンデータベース及び登録アイコンデータベース)と、各種別での情報を表示するフォーマットのデータベースである情報フォーマットデータベースと、登録したオブジェクトのデータベースである登録オブジェクトデータベースと、削除したオブジェクトのデータベースである削除オブジェクトデータベースと、を含んで構成されている。このうち登録オブジェクトデータは、種別、名前、位置データ、情報データからなり、削除オブジェクトデータは種別、名前、位置データからなる。
【0057】
次に、図6は、地図情報取得後の携帯端末11での制御フローを示すフローチャートである。
【0058】
先ず、携帯端末11は、図4のステップA211、A212にてホスト装置21から送信された表示エリア及び地図データ(図面)と、共有オブジェクトデータと、をステップA302、A303にて受信し、メモリ14に記憶する。
【0059】
続いて、ステップA304、A305では、削除オブジェクトデータベースより、表示エリア内の位置データかつ先のステップA104にて選択した種別をもつ削除オブジェクトを抽出する。
【0060】
続くステップA306では、先のステップA305にて削除オブジェクトが抽出されたか否かを判定し、抽出された場合(ステップA306のYES)、ステップA307に移行する。
【0061】
ステップA307では、受信した共有オブジェクトの中に、(1)抽出した削除オブジェクトと種別が同じ、且つ、(2)抽出した削除オブジェクトと名前が同じ、且つ、(3)抽出した削除オブジェクトと位置データが近接している、という3つの条件を満たすオブジェクトが存在するか否かを判定する。ここで、オブジェクト相互間での位置データ(緯度、経度)の差の絶対値が基準値を下回っている場合を、位置データが近接していると判断する。
【0062】
ステップA307にて条件を満たすオブジェクトが存在すると判定した場合(ステップA307のYES)、その共有オブジェクトと削除オブジェクトとを抜き出し、該抜き出した削除オブジェクトは抽出候補から除外するとともに、抜き出した共有オブジェクトは携帯端末11のメモリ14上から削除する(ステップA308)。
【0063】
また、ステップA308に続いては、ステップA306以下の処理を繰り返し行う。そのため、ステップA307にて条件を満たすオブジェクトが存在しなくなるまでステップA308が繰り返されるため、ステップA307の条件を満たす削除オブジェクトは全て抽出候補から除外されるとともに、該条件を満たす共有オブジェクトは全て携帯端末11のメモリ14上から削除される。
【0064】
他方、ステップA307にて条件を満たすオブジェクトが存在しなかった場合(ステップA307のNO)は、ステップA309に移行する。
【0065】
ステップA309では、抽出した削除オブジェクトを端末データベースより削除し、ステップA310に移行する。
【0066】
また、削除オブジェクトが抽出されなかった場合(ステップA306のNO)も、ステップA310に移行する。
【0067】
ステップA310では、登録オブジェクトデータベースより表示エリア内の位置データをもつ登録オブジェクトを抽出し、続くステップA311では、該抽出した登録オブジェクトの中から先のステップA104で選択した種別をもつ登録オブジェクトを抽出する。
【0068】
続くステップA312では、先のステップA311にて登録オブジェクトが抽出されたか否かを判定し、抽出された場合(ステップA312のYES)、ステップA313に移行し、受信した共有オブジェクトの中に、(1)抽出した登録オブジェクトと種別が同じ、且つ、(2)抽出した登録オブジェクトと名前が同じ、且つ、(3)抽出した登録オブジェクトと位置データが近接している、という3つの条件を満たすオブジェクトが存在するか否かを判定する。
【0069】
条件を満たすオブジェクトが存在した場合(ステップA313のYES)、その登録オブジェクトと共有オブジェクトの組み合わせを抜き出して一つの組(統合オブジェクト)として統合し、統合した登録オブジェクト及び共有オブジェクトは抽出候補から除外する(ステップA314)。
【0070】
続いて、統合したオブジェクトの種別と対応するアイコン(統合アイコン)を統合アイコンデータベースより取得し(ステップA315)、その統合アイコンを統合前の登録オブジェクトの位置データ(緯度、経度)に従い、受信した表示エリアの地図データ上にプロットする(ステップA316)。
【0071】
また、ステップA316に続いては、ステップA312以下の処理を繰り返し行う。そのため、ステップA313にて条件を満たすオブジェクトが存在しなくなるまでステップA314〜A316が繰り返される。
【0072】
他方、ステップA313にて条件を満たすオブジェクトが存在しなかった場合(ステップA313のNO)、登録オブジェクトの種別と対応するアイコンを登録アイコンデータベースより取得し(ステップA317)、その登録アイコンを位置データに従い、表示エリアの地図データ上にプロットする(ステップA318)。すなわち、統合した以外のオブジェクトに対しては、ステップA317及びA318の処理を行う。
【0073】
ステップA318に続いては、ステップA319に移行する。
【0074】
また、登録オブジェクトが抽出されなかった場合(ステップA312のNO)も、ステップA319に移行する。
【0075】
ステップA319では、各共有オブジェクトの種別と対応するアイコン(共有アイコン)を共有アイコンデータベースより取得し(ステップA319)、その共有アイコンを位置データに従い、表示エリアの地図データ上にプロットする(ステップA320)。そして受信した表示エリアの地図データとプロットしたアイコンを携帯端末11の表示部15に表示する(ステップA321)。
【0076】
ここで、表示部15における地図データの表示例を図7乃至図12に示す。
【0077】
先ず、図7は、ステップA302にて受信した表示エリアの地図データである。
【0078】
この地図データ上に各オブジェクトのアイコンを位置データに従ってプロットする結果、図8の画面表示となる。
【0079】
図8に示す例では、オブジェクトとして、「本屋(Book)」、「喫茶店(cafe)」、「駅(stat.)」の3つの種別を表示している。また、種別毎に異なるとともに、容易に種別を理解させることが可能な表示(例えば、本屋は本を模した表示、喫茶店はカップを模した表示、駅は電車を模した表示)としている。
【0080】
また、各オブジェクトを、登録アイコンには星印の旗を、統合アイコンには無印の旗を、それぞれ付し、共有アイコンは旗なしとして、区別している。
【0081】
次に、図8においてカーソルを移動し、アイコンを選択する際の表示を図9に示す。
【0082】
例えば、登録アイコンである本屋を選択した場合、図10に示すように、その種別において表示するフォーマットを情報フォーマットデータベースから取得し、登録オブジェクトの種別、名前、情報データ(例えば、品揃えの多寡、満足度の高低、及び、メモ情報(例えば、図10に示すように「とにかく本の数が多い!」)など)をファーマットに従い表示する。なお、図10に示す例では登録オブジェクトである旨を示すために、そのフォーマット内の右上欄に星印を表示している。
【0083】
また、共有オブジェクトである喫茶店を選択した場合、同様に、図11に示すように、その種別において表示するフォーマットを情報フォーマットデータベースから取得し、共有オブジェクトの種別、名前、情報データ(例えば、店内の広さ、食事の味の良し悪し、満足度の高低、及び、メモ情報(例えば、図11に示すように「店内がちょっと狭い。 店は狭いが空いているので穴場かも・・・」)など)をファーマットに従い表示する。なお、図11に示す例では共有オブジェクトである旨を示すために、そのフォーマット内の右上欄を空欄としている。
【0084】
更に、統合アイコンである喫茶店を選択した場合には、図12に示すように、登録オブジェクトの場合のフォーマットと共有オブジェクトの場合のフォーマットとを重ねた形で表示し、カーソル選択により双方のフォーマットの表示切替を行う。
【0085】
次に、地図データにオブジェクトを登録する制御手法の例について、図13及び図14を参照して説明する。
【0086】
このうち図13はオブジェクトを登録する処理において端末(例えば携帯端末11)側で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0087】
先ず、携帯端末11は、未だ登録された共有オブジェクトが存在しておらず、従って、新規に登録する場合であるのか、或いは既に登録された共有オブジェクトが存在し、追加登録する場合であるのかを判定する(ステップC102)。
【0088】
存在していない場合(新規登録の場合)、ユーザはオブジェクトを登録する位置を地図上で指定し「登録」を選択する(ステップC103)。
【0089】
続くステップC104では、携帯端末11は、指定した位置を緯度・経度に変換し、新規の登録オブジェクトデータの位置データに登録する。
【0090】
次に、ユーザは、登録する種別を選択し、種別を登録する(ステップC105)。
【0091】
次に、携帯端末11は、その種別のフォーマットを情報フォーマットデータベースより取得し、名前、情報が空のフォーマットを表示する(ステップC106)。
【0092】
次に、ユーザは、そのフォーマットに従い、名前欄に名前を記入し(ステップC307)、選択式の情報を選択、メモ欄にメモ情報を記入する(ステップC108)。
【0093】
次に、ユーザが「完了」を選択すると、携帯端末11は、記入又は選択した名前及び情報データ(選択情報、メモ情報)を登録オブジェクトデータに登録する(ステップC109)。
【0094】
次に、携帯端末11は、新規作成した登録オブジェクトにおいて、その種別と対応するアイコン(登録アイコン)を登録アイコンデータベースより取得し(ステップC110)、その登録アイコンを位置データに従い、地図データ上にプロットし表示する(ステップC111)。
【0095】
他方、既に登録された共有オブジェクトが存在し、その共有オブジェクトに自分の情報を加える意味で登録オブジェクトを追加登録する場合、ユーザは、対象となる共有オブジェクト(共有アイコン)を地図上にて選択し(ステップC112)、その選択を受けて携帯端末11は共有オブジェクトを表示する(ステップC113)。
【0096】
続いて、ユーザは「登録」を選択し、共有オブジェクトの種別、名前、位置データを新規の登録オブジェクトデータに登録する(ステップC114)。
【0097】
続いて、表示している共有オブジェクトの情報データを削除し(ステップC115)、そこへフォーマットに従い、選択式の情報を選択、メモ欄にメモ情報を記入する(ステップC116)。
【0098】
次に、ユーザが「完了」を選択すると、携帯端末11は、選択又は記入した情報データ(選択情報、メモ情報)を登録オブジェクトデータに登録する(ステップC117)。
【0099】
続いて、携帯端末11は、新規作成した登録オブジェクトは追加対象の共有オブジェクトと統合させ(ステップC118)、統合したオブジェクトの種別と対応するアイコンを統合アイコンデータベースより取得する(ステップC119)。
【0100】
続いて、追加対象の地図上の共有アイコンを、取得した統合アイコンに表示変更する(ステップC120)。
【0101】
ステップC120又は先のステップC111に続くC121では、新規作成した登録オブジェクトをホスト装置21へ送信し、携帯端末11における登録制御は完了する。
【0102】
図14は図13の処理の後でホスト装置21により実行される制御フローを示すフローチャートである。
【0103】
先ず、ステップC202では、図13のステップC121にて送信された登録オブジェクトを受信する。
【0104】
続くステップC203では、共有オブジェクトの中に、(1)受信した登録オブジェクトと種別が同じ、且つ、(2)受信した登録オブジェクトと名前が同じ、且つ、(3)受信した登録オブジェクトと位置データが近接している、という3つの条件を満たすオブジェクトが存在するか否かを判定する。
【0105】
ステップC203にて条件を満たすオブジェクトが存在すると判定した場合(ステップC203のYES)、その共有オブジェクトを抽出する(ステップC204)。
【0106】
続いて、抽出した共有オブジェクトの位置データと受信した登録オブジェクトの位置データと、共有オブジェクトの登録回数と、を用いて、そのオブジェクトの位置データの平均値を算出し、算出した位置データを抽出した共有オブジェクトの位置データとして再登録する(ステップC205)。
【0107】
ここで、平均値の算出方法としては、例えば、共有オブジェクトの位置データをA、登録オブジェクトの位置データをB、共有オブジェクトの登録回数をC、算出される平均値をDとすると、D=(A×C+B)/(C+1)により平均値Dを求めることができる。
【0108】
同様に情報データの選択情報の評価の数値データにおいても平均値を算出し、算出した各選択情報を抽出した共有オブジェクトに再登録する(ステップC206)。
【0109】
次に、情報データのメモ情報において、登録オブジェクトのメモ情報を抽出した共有オブジェクトのメモ情報に追加し再登録する(ステップC207)。
【0110】
そして、抽出した共有オブジェクトの登録回数を「+1」増加させる(ステップC208)。
【0111】
他方、ステップC203にて該当する共有オブジェクトが存在しなかった場合(ステップC203のNO)、受信した登録オブジェクトの種別、名前、位置データ、情報データを新規の共有オブジェクトデータに登録する(ステップC209)。
【0112】
そして、新規作成した共有オブジェクトの登録回数を「1」とする(ステップC210)。
【0113】
以上において、登録オブジェクトデータの共有オブジェクトデータへの反映は完了し(C211)、オブジェクトの登録処理が終了する。
【0114】
次に、地図データにあるオブジェクトを削除する制御手法の例について、図15及び図16を参照して説明する。
【0115】
このうち図15はオブジェクトを削除する処理において端末(例えば携帯端末11)側で行われる処理手順を示すフローチャートである。
【0116】
先ず、ユーザは、「削除」を選択する操作を行う(ステップD101)。
【0117】
続いて、ユーザは、削除する地図上のアイコン(オブジェクト)を選択する(ステップD102)。
【0118】
すると、携帯端末11は、選択されたアイコンが登録アイコン、統合アイコン及び共有アイコンのうちの何れであるかを判定する(ステップD103)。
【0119】
登録アイコンが選択されたと判定した場合、選択した登録オブジェクトデータの種別、名前、位置データを新規の削除オブジェクトデータに登録する(ステップD104)。
【0120】
続いて、選択した登録オブジェクト及び登録アイコンを画面上より消去する一方で(ステップD105)、選択した登録オブジェクトを端末内の登録オブジェクトデータベースから削除する(ステップD106)。
【0121】
また、統合アイコンが選択されたとステップD103にて判定した場合、選択した登録オブジェクト、共有オブジェクトのうち共有オブジェクトデータの種別、名前、位置データを新規の削除オブジェクトデータに登録する(ステップD108)。
【0122】
続いて、選択した登録オブジェクト、共有オブジェクト及び統合アイコンを画面上より消去し(ステップD109)、選択した登録オブジェクトを端末内の登録オブジェクトデータベースから削除し(ステップD110)、選択した共有オブジェクトをメモリ14上より削除する(ステップD111)。
【0123】
また、共有アイコンが選択されたとステップD103にて判定した場合、選択した共有オブジェクトデータの種別、名前、位置データを新規の削除オブジェクトデータに登録する(ステップD113)。
【0124】
続いて、選択した共有オブジェクト及び共有アイコンを画面上より消去する一方で(ステップD114)、選択した共有オブジェクトをメモリ14上より削除する(ステップD111)。
【0125】
各オブジェクトの削除が完了後(ステップD111又はステップD106に続いて)、新規作成した削除オブジェクトをホスト装置21へ送信し(ステップD115)、携帯端末における削除処理は完了する。
【0126】
次に、図16は図15の処理の後でホスト装置21により実行される制御フローを示すフローチャートである。
【0127】
先ず、ステップD202では、図15のステップD115にて送信された削除オブジェクトを受信する。
【0128】
続くステップD203では、共有オブジェクトの中に、(1)受信した削除オブジェクトと種別が同じ、且つ、(2)受信した削除オブジェクトと名前が同じ、且つ、(3)受信した削除オブジェクトと位置データが近接している、という3つの条件を満たすオブジェクトが存在するか否かを判定する。
【0129】
ステップD203にて存在しないと判定した場合(ステップD203のNO)、図16の処理を終了する。
【0130】
ステップD203にて存在すると判定した場合(ステップD203のYES)、その共有オブジェクトを抽出する(ステップD204)。
【0131】
続いて、抽出した共有オブジェクトの削除要求数を「+1」増加させる(ステップD205)。
【0132】
続いて、この削除要求数が削除基準値(例:10)を越えているか否かを判定する(ステップD206)。
【0133】
ステップD206にて越えていると判定した場合(ステップD206のYES)、抽出した共有オブジェクトをホスト装置21の共有オブジェクトデータベースから削除する(ステップD207)。
【0134】
他方、ステップD206にて越えていないと判定した場合(ステップD206のNO)、図16の処理を終了する。
【0135】
これにてオブジェクトの削除処理が終了する。
【0136】
なお、以上において、携帯端末11にて行った処理は、携帯端末41或いは家庭用端末51でも同様に実行可能である。
【0137】
以上のような実施形態によれば、通信網を介して地図情報を供給するホスト装置21を備え、ホスト装置21は、複数の地図情報(地図データ)を格納する地図情報データベース(地図データベース)と、各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベース(共有オブジェクトデータベース)と、を備え、地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置する前記オブジェクトデータも併せて利用者端末(携帯端末11、41、家庭用端末51など)に提供するようにしたシステムにおいて、オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する登録要求回数と削除要求回数とのうち少なくともいずれか一方に基づき判定する信頼性判定手段(制御部22により構成される)と、信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、ホスト装置21から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段(制御部22により構成される)と、を備えるので、共有されるオブジェクトデータの信頼性を向上させることができる。
【0138】
また、ホスト装置21側において、登録されたデータは種別、名前、位置データにおいて同一性を確認し、同一なデータは一つのオブジェクトにマージし登録回数をカウントする。この登録回数が基準値以上になった場合に、初めてユーザへ配信され共有状態となる。削除も同様に同一なデータの削除要求数が基準値以上になった場合に、ホスト装置21のデータベースから削除される。この基準値以上のデータのみを共有とすることで、信頼性に足る情報のみを共有することが可能となる。
【0139】
また、地図上に表示する情報は、ユーザが任意に登録、削除することが可能となっている。これらの登録、削除の情報は共通フォーマットを適用し、ユーザの携帯端末のみではなくホスト装置にも格納することにより、不特定多数のユーザと情報の共有をすることが可能となる。
【0140】
更に、地図データ上にアイコンをプロットし、そのアイコンを選択することで各情報を表示可能とすることにより、地図データにおける情報量を増やすことが可能となる。さらに、地図上に表示する情報を選択して絞ることにより、必要な情報のみを表示することが可能となる。また、地図上の主要な情報をアイコン化することで、地図図面を簡素化することが可能となり、地図データの更新が容易となる。
【0141】
また、ユーザ自身の登録、削除した情報を保持し、表示エリアの共有データのうち、削除データと一致するデータは消去、登録データは加えて画面上に出力することにより、データを個々のユーザに適した形で表示することが可能となる。
【0142】
なお、上記の実施形態では、表示場所の入力や場所の登録において、場所名入力や地図上のポイントを指定する場合を例示したが、携帯端末にGPSを搭載し、GPSの現在位置情報を表示場所、及び登録場所の位置データとして利用するようにしても良い。
【0143】
取得する情報の絞込みとして、本発明では「本屋」や「喫茶店」といった種別による絞込みを挙げたが、さらにオブジェクトデータに含まれる情報データの選択情報による絞込みも可能であり、評価がある水準を超えるもののみ(例:選択情報の評価の数値データが2.5以上)を取得するといったことも可能である。またデータの絞込みは取得時点のみだけではなく、取得後に絞込み情報を入力することによりデータ表示時においても実現可能である。
【0144】
また利用者端末は、携帯端末11、41や家庭用端末51に限らず、例えば、無線装置が内蔵されたカーナビゲーションシステムであっても良い。
【0145】
更に、上記においては、ユーザからの登録要求回数(登録要求数)が登録基準値よりも大きいオブジェクトデータのみを共有化しユーザに提供可能とする一方で、ユーザからの削除要求回数(削除要求数)が削除基準値よりも大きいオブジェクトデータは共有オブジェクトから削除する例、すなわち、オブジェクトデータの信頼性を、オブジェクトデータに対する登録要求回数(登録回数)及び削除要求回数(削除要求数)に基づき判定し、その判定により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、ホスト装置21から各ユーザの端末へ提供可能とする例を説明したが、本発明はこの例に限らず、例えば、ユーザからの要求の反映は、ユーザからの登録要求回数(登録要求数)が登録基準値よりも大きいオブジェクトデータのみを共有化しユーザに提供可能とすることだけにして、一旦共有化されたデータは削除しないようにしても良く、この場合にも、従来よりも信頼性の水準を向上させることが可能である。或いは、逆に、ユーザからの要求の反映は、ユーザからの削除要求回数(削除要求数)が削除基準値よりも大きいオブジェクトデータを共有オブジェクトから削除することだけにして、登録は、例えば、ホスト装置21の管理者のみが行うようにしても良く、この場合にも、従来よりも信頼性の水準を向上させることが可能である。
【0146】
また、上記においては、端末(携帯端末11、41や家庭用端末51)によりオブジェクトデータの登録及び削除が可能な例を説明したが、登録のみ可能であっても良いし、或いは、削除のみ可能であっても良い。
【符号の説明】
【0147】
21 ホスト装置(地図情報供給装置)
22 制御部(登録手段、削除手段、信頼性判定手段、共有情報選択手段、同一性判定手段)
24 ストレージ(地図情報データベース、オブジェクトデータベース)
11 携帯端末(端末装置)
12 制御部(登録要求手段、削除要求手段)
31 通信網
41 携帯端末(利用者端末、端末装置)
51 家庭用端末(利用者端末、端末装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、
前記地図情報供給装置は、
複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、
各オブジェクトに関連する関連情報と、該オブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、
を備え、
前記地図情報の提供の際に、前記地図情報における地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、
前記地図情報供給装置は、
オブジェクトデータを、利用者端末からの登録要求に応じて前記オブジェクトデータベースに登録する登録手段と、
オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する登録要求回数に基づき判定する信頼性判定手段と、
前記信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、
を備えることを特徴とする地図情報共有・更新システム。
【請求項2】
通信網を介して地図情報を供給する地図情報供給装置を備え、
前記地図情報供給装置は、
複数の地図情報を格納する地図情報データベースと、
各オブジェクトに関連する関連情報と、前記地図情報におけるオブジェクトの位置情報と、を含むオブジェクトデータを格納するオブジェクトデータベースと、
を備え、
前記地図情報の提供の際に、該地図情報と対応する地図上に位置するオブジェクトの前記オブジェクトデータも併せて利用者端末に提供するようにしたシステムにおいて、
前記地図情報供給装置は、
オブジェクトデータに対する削除要求を、利用者端末から受信する削除要求受信手段と、
オブジェクトデータの信頼性を、当該オブジェクトデータに対する削除要求回数に基づき判定する信頼性判定手段と、
前記信頼性判定手段により信頼性が基準値を上回ると判定されたオブジェクトデータのみを各利用者間で共有化し、当該地図情報供給装置から各利用者端末へ提供可能とする共有情報選択手段と、
を備えることを特徴とする地図情報共有・更新システム。
【請求項3】
各オブジェクトデータの同一性を判定する同一性判定手段を備え、
前記登録手段は、前記同一性判定手段により相互に同一であると判定されたオブジェクトは、登録に際して同一のものとして扱うことを特徴とする請求項1に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項4】
各利用者端末にて、相互に共通のフォーマットへの入力操作により、オブジェクトデータの登録が可能とされ、
前記地図情報供給装置は、前記共通のフォーマットで前記オブジェクトデータを供給することを特徴とする請求項1又は3のいずれか一項に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項5】
各オブジェクトデータの同一性を判定する同一性判定手段を備え、
前記削除要求受信手段は、前記同一性判定手段により相互に同一であると判定されたオブジェクトは、削除要求対象として同一のものとして扱うことを特徴とする請求項2に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項6】
前記地図情報供給装置は、共通のフォーマットで前記オブジェクトデータを供給することを特徴とする請求項2又は5のいずれか一項に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項7】
前記同一性判定手段は、オブジェクトの種別、名前及び位置データに基づき、オブジェクトの同一性を判定することを特徴とする請求項3又は5に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項8】
各オブジェクトデータは、各利用者端末にて地図情報を取得した際に地図上に表示されるアイコンと対応付けられ、
アイコンが選択操作された場合に対応するオブジェクトデータが表示されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項9】
前記利用者端末には、携帯端末が含まれていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の地図情報共有・更新システム。
【請求項10】
請求項1に記載の地図情報共有・更新システムにおける利用者端末となる端末装置であって、
前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの登録を要求する処理を行う登録要求手段を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項11】
請求項2に記載の地図情報共有・更新システムにおける利用者端末となる端末装置であって、
前記地図情報供給装置に対しオブジェクトデータの削除を要求する処理を行う削除要求手段を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項12】
前記登録要求手段は、
オブジェクトデータを、地図上に表示されるアイコンと対応付けて登録する要求を行うことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
【請求項13】
前記地図情報供給装置から地図情報の提供を受けた場合に、
共有化されたオブジェクトデータと、
共有化されていないが当該端末装置にて過去に登録要求を行ったオブジェクトデータと、
を表示することを特徴とする請求項10又は12に記載の端末装置。
【請求項14】
前記削除要求手段は、
オブジェクトデータと、該オブジェクトデータと対応付けられたアイコンとを削除する要求を行うことを特徴とする請求項11に記載の端末装置。
【請求項15】
前記地図情報供給装置から地図情報の提供を受けた場合に、
共有化されたオブジェクトデータのうち、当該端末装置にて削除要求を行ったオブジェクトデータを除くオブジェクトデータのみを地図上に表示することを特徴とする請求項11又は14に記載の端末装置。
【請求項16】
当該端末装置は、携帯端末であることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−42965(P2012−42965A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205336(P2011−205336)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2004−92513(P2004−92513)の分割
【原出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】