地図情報処理装置、地図情報記憶媒体、及び更新情報記憶媒体
【課題】 この発明は、所要する地図情報だけを取得でき、かつ、行政区域等の所定形状の領域単位で容易に更新できる地図情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 地図情報の作成範囲がメッシュ状の1次区画に区画化されるとともに、行政区域等の更新領域で2次区画に区画化され、2次区画に対応する2次区画地図情報と2次区画を1次区画に対応付けて管理する1次区画管理情報とを地図情報記憶部4が記憶し、更新手段52が更新情報と1次区画管理情報とに基づいて更新すると共に、地図情報処理手段51が1次区画管理情報に基づいて地図情報処理を行う。
【解決手段】 地図情報の作成範囲がメッシュ状の1次区画に区画化されるとともに、行政区域等の更新領域で2次区画に区画化され、2次区画に対応する2次区画地図情報と2次区画を1次区画に対応付けて管理する1次区画管理情報とを地図情報記憶部4が記憶し、更新手段52が更新情報と1次区画管理情報とに基づいて更新すると共に、地図情報処理手段51が1次区画管理情報に基づいて地図情報処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば都道府県等の行政区域や関東や関西といった地方区域等、使用者が日常の中で慣れ親しんで認識している所定形状の領域を更新領域として、地図情報の更新を行う地図情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図情報処理装置においては、地図情報を所定形状の領域に分割し、当該所定形状の領域を単位として地図情報を更新しており、所定形状の領域として、都道府県等の行政区域、メッシュ状の区画、メッシュ状の区画が何枚か集まったブロックのいずれかを採用している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、別の従来の地図情報処理装置では、地図情報をメッシュ状に分割して、都道府県を含むメッシュ状の区画の集合体とその周辺のメッシュ状の区画を加えた領域の地図情報を更新している(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、別の従来の地図情報処理装置では、地図情報を道路で囲まれた領域に分割して、道路で囲まれた領域の地図情報を更新している(例えば特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−338687号公報(第6〜10頁、第3図)
【特許文献2】特開2004−191115号公報(第8頁、第5図)
【特許文献3】特開2004−226730号公報(第11〜12頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の情報処理装置においては、所定形状の領域を都道府県等の行政区域とした場合は、行政区域の形状が複雑かつ不規則であるため、行政区域単位で更新を行うことができても、行政区域単位に分割された地図情報から所要する範囲の地図情報だけを取得することが困難であるという問題があった。
【0007】
また、所定形状の領域をメッシュ状の区画やメッシュ状の区画が何枚か集まったブロックとする従来の情報処理装置の場合、ないしは都道府県を含むメッシュ状の区画の集合体とその周辺のメッシュ状の区画を加えた領域とする別の従来の情報処理装置の場合、いずれの情報処理装置においても、地図情報がメッシュ状に分割されているので、所要する範囲の地図情報だけを取得することは容易である。しかしながら、都道府県等の行政区域単位で更新情報を提供する際に、行政区域の境界を含むメッシュ状の区画又はブロックには隣接する他の行政区域の地図情報を含むことになり、更新情報の情報量が必要以上に増大すると共に、提供範囲外の地域の地図情報の使用料金が必要となるという問題があった。
【0008】
また、所定形状の領域を道路で囲まれた領域とする別の従来の情報処理装置においても、道路で囲まれた領域の形状が複雑かつ不規則であるため、道路で囲まれた領域単位に分割された地図情報の中から所要する範囲の地図情報だけを取得することが困難であるという問題があり、都道府県等の行政区域単位で更新情報を提供する場合に、行政区域の境界を含む道路で囲まれた領域には隣接する他の行政区域の地図情報を含むことになり、更新情報の情報量が必要以上に増大すると共に、提供範囲外の地域の地図情報の使用料金が必要となるという問題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するために為されたもので、地図情報から所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域単位での更新が容易な地図情報を有する地図情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る地図情報処理装置は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報とを記憶する地図情報記憶手段と、前記複数の更新領域のうちのいずれかの更新領域に対応する更新情報と前記1次区画管理情報とに基づいて、前記地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報のうちの前記いずれかの更新領域に対応する2次区画地図情報を更新することで、前記地図情報を更新する更新手段と、更新された前記地図情報に含まれる所要の1次区画に対応する前記1次区画管理情報に基づいて、地図情報処理を行う地図情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る地図情報記憶媒体は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報とを記憶することを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る更新情報記憶媒体は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報のうちで、前記複数の更新領域のうちのこれから更新される更新領域に含まれる2次区画に対応すると共に、更新される前の2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報を更新情報として記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る地図情報処理装置によれば、地図情報から所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域を更新領域として容易に更新できる。
【0014】
また、この発明に係る地図情報記憶媒体によれば、地図情報処理において所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域を更新領域とする更新を容易に実現可能とする地図情報を得ることができる。
【0015】
また、この発明に係る更新情報記憶媒体によれば、所定形状の領域を更新領域とする更新が容易にでき、かつ、更新情報の情報量の増大を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
<地図情報処理装置の構成>
図1は、この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、入力部1は、使用者の操作又は指示に従ってプロセッサ5に指示信号を与える。図示しないが、具体的には、入力部1は使用者の音声を認識して音声に基づく指示信号を出力する音声認識部、使用者の手動操作により指示信号を出力するボタン等の少なくともいずれかを有しており、入力手段として機能する。
【0018】
位置検出部2は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機、車速センサ、角度センサ等のいずれかないしは複数を用いた位置検出手段であって、当該地図情報処理装置を搭載している車両の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置情報をプロセッサ5に提供する。
【0019】
更新情報取得部3は、例えば、メモリカードリーダーにより構成され、メモリカードに記憶された更新情報を読み取り、更新情報を取得する更新情報取得手段として機能する。
【0020】
地図情報記憶部4は、例えば、地図情報記憶媒体としてハードディスクを用いたハードディスクドライブにより構成された地図情報記憶手段であり、当該地図情報記憶部4に予め地図情報を記憶しておく。
【0021】
プロセッサ5は、入力部1から与えらえれた指示信号、位置検出部2から得られた現在位置を示す位置情報、及び地図情報記憶部4から読み出した地図情報とを用いて、各種の地図情報処理を行う地図情報処理手段51として機能する。
【0022】
この各種の地図情報処理の内容としては、位置検出部2から得た現在位置を示す位置情報と地図情報記憶部4から読み出した地図情報とに基づいて車両の現在位置を推定するマップマッチング処理、出発地から目的地までの経路を算出する経路探索(経路計算)処理、経路探索処理によって得られた好適な経路の候補を道路地図と共に出力部6が備える例えば表示部の画面に表示する経路表示処理、好適な経路の候補から選択された経路に従って出発地から目的地までの案内を行う経路誘導処理、現在位置周辺の地図の表示処理、及び施設、住所、電話番号等の各種情報を検索する各種検索処理等が含まれる。
【0023】
また、プロセッサ5は、更新情報取得部3によりメモリカードから読み取った更新情報を用いて、地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する更新手段52として機能する。
【0024】
出力部6は、プロセッサ5による各種の地図情報処理の結果得られた情報を、使用者に提示する出力手段として機能する。図示しないが、具体的には、出力部6は、地図情報に基づく地図、当該地図上での車両の現在位置、当該地図上での経路探索処理によって得られた好適な経路の候補、好適な経路の候補から選択された経路に従って出発地から目的地まで案内を行うための案内情報、検索によって得られた各種情報等を表示する表示部、及び表示された内容と同様ないしは関連する内容を使用者に音声で指示又は案内を行う音声発生部のいずれか一方ないしは両方を有していても良い。
【0025】
地図情報処理装置は以上のように構成されているので、使用者が例えば目的地周辺の道路がどのようになっているかを確認したいと考えれば、その所要の範囲の地図情報を使用者が入力部1を使って指示をすることで、地図情報処理装置はその所要の範囲の地図情報を得ることができる。その結果、使用者は当該地図情報処理装置の出力部6によって目的地周辺の道路についてどのようになっているか確認することができる。
【0026】
また、使用者が例えば目的地に行くための地図情報を更新しようと考えれば、使用者は、まず、更新情報が記憶されたメモリカードを更新情報取得部3にセットする。次に、使用者が入力部1を使って地図情報の更新の指示を地図情報処理装置にすることで、地図情報処理装置は、更新情報に基づいて地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する。その結果、使用者は、目的地に行くための最新バージョンの地図情報を利用することができる。
【0027】
また、位置検出部2から使用者が乗車している車両の現在位置を示す位置情報を得ることができるので、地図情報処理装置は当該車両の現在位置から目的地までの所要の地図情報を得ることができる。その結果、使用者は当該地図情報処理装置の出力部6によって現在位置から目的地までの経路誘導のための案内情報を知ることができる。
【0028】
また、地図情報処理装置は、位置検出部2から使用者が乗車している車両の現在位置を示す位置情報を得た上で、当該現在位置から目的地まで行くための所要の地図情報について、メモリカードに記憶された更新情報に基づいて自動的に地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する。その結果、使用者は、現在位置から目的地に行くための最新バージョンの地図情報を利用することができる。
【0029】
<地図情報>
地図情報の作成範囲は、経線及び緯線により囲まれた領域とする。なお、作成範囲の形状は、地球上の高緯度の地域を除いては近似的に略矩形とみなすことが可能である。従って、高緯度の地域以外では、地図情報の作成範囲は矩形領域として取り扱っても実用上は問題無い。そこで、以下では、作成範囲が経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるとみなして、説明する。
【0030】
また、地図情報は、情報の詳細さの度合いにより階層化され、地図情報の作成範囲を各階層毎に所定間隔の経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるメッシュ状に分割することで、区画化されて管理される。この地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されて区画化された領域を、以下では1次区画と呼ぶこととする。
【0031】
次に、上記のようにメッシュ状に分割することで区画化された作成範囲は、メッシュ状とは異なる分割形状にてさらに上記1次区画の集合体以外の所定形状の領域によって区画化される。以下では、メッシュ状の1次区画内をさらに上記1次区画とは異なる所定形状の領域によって区画化された領域を、2次区画と呼ぶこととする。
【0032】
上記所定形状の領域は、地図情報処理装置の使用者の便宜の点から分割された地図情報の更新の最小単位であり、以下では、この最小単位を更新領域と呼ぶこととする。
【0033】
各更新領域には、各々の領域を識別するための識別子である更新領域の領域識別子が付与される。所定形状の領域である更新領域としては、その呼称からその領域が容易に類推できる領域とし、例えば国、州、都道府県、市区町村等の行政区域や、行政区域そのものでは無いが社会的に認知されている地域名を有する例えば関東地方や近畿地方等の地方区域等を表すものとする。この所定形状の領域は、使用者にとっては日常の中で慣れ親しんで認識しているので、使用者は地図情報の更新の範囲を容易に理解することができる。
【0034】
図2は、各階層化され、各階層がメッシュ状に分割された地図情報の例である。図2においては、レベル0、レベル1、及びレベル2の3階層に階層化され、レベル2、レベル1、及びレベル0の順に詳細度が大きくなるものとする。レベル0の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで8×8個の1次区画に区画化され、レベル1の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで4×4個の1次区画に区画化される。さらに、レベル2の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで2×2個の1次区画に区画化されている。
【0035】
なお、作成範囲である矩形領域の左端の経度の値をWimin、右端の経度の値をWimaxとする。さらに、この作成範囲である矩形領域の下端の緯度の値をWjmin、上端の緯度の値をWjmaxとする。また、作成範囲の経度方向の幅をWi、作成範囲の緯度方向の幅をWjとし、Wi=Wimax−Wimin及びWj=Wjmax−Wjminの関係があるものとする。
【0036】
図2に示すように、各階層の作成範囲はメッシュ状に分割されて1次区画に区画化されているので、レベル0の1次区画の経度方向の幅はWi/8であり、緯度方向の幅はWj/8となっている。また、レベル1の1次区画の経度方向の幅はWi/4、緯度方向の幅はWj/4であり、レベル2の1次区画の経度方向の幅はWi/2、緯度方向の幅はWj/2となっている。
【0037】
また、各階層の作成範囲の中においてメッシュ状に分割された1次区画を特定するために、各1次区画に対して2次元のメッシュ座標(i,j)を付与する。2次元のメッシュ座標(i,j)を示すための座標軸iの値は、作成範囲である矩形領域の左端の1次区画から右端に向かって順にi=0、1、2、・・・、m(mは自然数)を付与し、座標軸jの値は、作成範囲である矩形領域の下端の1次区画から上端に向かって順にj=0、1、2、・・・、n(nは自然数)を付与する。以上により、作成範囲である矩形領域内の1次区画をメッシュ座標(i,j)で特定することができる。例えば、図2の中のレベル0の階層の作成範囲において、メッシュ座標(i,j)=(2,3)で特定される1次区画は、図2において太枠で位置が特定されている。以下では、1次区画(i,j)は、メッシュ座標が(i,j)である1次区画を指すものとする。
【0038】
図3は、作成範囲内に更新領域が存在する様子を示した地図情報の例である。図3において、更新領域A、B、C、D、E、及びFが示されている。
【0039】
図4は、図2に示したメッシュ状に区画化された作成範囲の地図情報を、さらに図3に示した更新領域A、B、C、D、E、及びFで区画化された地図情報の例である。例えば、レベル0の階層の作成範囲の中に分割されて存在する1次区画(2,3)では、更新領域Aに属する区画、更新領域Bに属する区画、及び更新領域Cに属する区画の都合3つの2次区画に区画化されている。図4のレベル0の階層だけで無く、レベル1及びレベル2の階層においても同様に同じ更新領域A、B、C、D、E、及びFで1次区画が2次区画に区画化されている。
【0040】
地図情報記憶部4には、図4に示す各階層の地図情報において、メッシュ状に分割され区画化された1次区画に対応する地図情報である1次区画地図情報が各1次区画に対応付けられて記憶されている。さらに、これらの1次区画地図情報を管理するための1次区画管理情報と更新領域のバージョンを管理する更新領域に関するバージョン管理情報とが記憶されている。
【0041】
図5は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画地図情報の例である。
【0042】
図5に示されるように、図4のレベル2の1次区画(0,0)〜1次区画(1,1)の4個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#0〜1次区画地図情報#3の4個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。また、レベル1の1次区画(0,0)〜1次区画(3,3)の16個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#4〜1次区画地図情報#19の16個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。さらに、レベル0の1次区画(0,0)〜1次区画(7,7)の64個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#20〜1次区画地図情報#83の64個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。
【0043】
図6は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における更新領域に関するバージョン管理情報の例である。
【0044】
図6に示す更新領域に関するバージョン管理情報は、地図情報記憶部4に記憶されている更新領域の数を示すバージョン管理ヘッダと、地図情報記憶部4に記憶されている各更新領域に対応して設けられたバージョン管理レコードとを有している。
【0045】
バージョン管理レコードの各々は、それぞれのバージョン管理レコードがどの更新領域に対応しているのかを示すための更新領域の領域識別子と、当該更新領域の名称を示す領域名と、当該更新領域の地図情報のバージョンを示すための記憶地図情報バージョンとを有している。
【0046】
図6に示す更新領域に関するバージョン管理情報の例において、バージョン管理ヘッダに示されている更新領域の数は6個で、図3及び図4に示されている更新領域A、B、C、D、E、及びFに対応している。バージョン管理情報は、この6個の更新領域の各々に対応して、バージョン管理レコード#0〜バージョン管理レコード#5からなる6個のバージョン管理レコードを有している。ここで、例えば、バージョン管理レコード#0は、更新領域Aの領域識別子、Aという更新領域の領域名、及び更新領域Aの記憶地図情報バージョンを有している。同様に、バージョン管理レコード#2であれば、更新領域Cの領域識別子、Cという更新領域の領域名、及び更新領域Cの記憶地図情報バージョンを有している。
【0047】
図7は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画管理情報の例である。
【0048】
図7に示す1次区画管理情報は、1次区画管理情報ヘッダと1次区画の各々に対応して設けられた1次区画管理レコードとを有している。
【0049】
1次区画管理情報ヘッダは、作成範囲、階層数、及び各階層に対応して設けられた階層管理レコードを有している。さらに、作成範囲については、その矩形領域の左端経度、右端経度、下端緯度、及び上端緯度が示されている。また、階層管理レコードの各々には、それぞれの階層の地図情報に含まれる1次区画の数を示す1次区画数、当該1次区画の経度方向の幅及び当該1次区画の緯度方向の幅が示されている。
【0050】
さらに、図7に示す1次区画管理情報は、各階層に含まれるそれぞれの1次区画に対応して設けられた1次区画管理レコードを有している。1次区画管理レコードの各々は、当該1次区画が含まれる階層の名称である階層名、当該1次区画が含まれる階層の作成範囲の中での当該1次区画の位置を特定するためのメッシュ座標、当該1次区画に対応する1次区画地図情報が地図情報記憶部4のどこに記憶されているかを特定するための1次区画地図情報の所在、及び地図情報記憶部4に記憶されている当該1次区画に対応する1次区画地図情報のデータサイズを有している。
【0051】
図7に示す1次区画管理情報の例において、1次区画管理情報ヘッダに含まれる作成範囲は、その矩形領域の左端経度がWimin、右端経度がWimax、下端経度がWjmin、さらに上端緯度がWjmaxであることを示している。また、1次区画管理情報ヘッダに含まれる階層数は、レベル2の階層、レベル1の階層、及びレベル0の階層の都合3個である。1次区画管理情報ヘッダは、3個の階層であるレベル2、レベル1、及びレベル0に対応して階層管理レコード#0〜階層管理レコード#2からなる3個の階層管理レコードを有している。ここで、例えば、レベル2の階層に対応する階層管理レコード#0は、1次区画数が4個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/2、1次区画の緯度方向の幅がWj/2である。また、レベル1の階層に対応する階層管理レコード#1は、1次区画数が16個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/4、1次区画の緯度方向の幅がWj/4である。また、レベル0の階層に対応する階層管理レコード#2は、1次区画数が64個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/8、1次区画の緯度方向の幅がWj/8である。
【0052】
次に、図7に示す1次区画管理情報の例において、1次区画管理情報は、1次区画管理情報ヘッダと併せて各階層に含まれるそれぞれの1次区画に対応して設けられた1次区画管理レコードを有している。そして、当該1次区画管理レコードは、図5に示された1次区画地図情報#0〜1次区画地図情報#83からなる1次区画地図情報の各々に対応して、1次区画管理レコード#0〜1次区画管理レコード#83の84個からなる。ここで、例えば、1次区画管理レコード#46は、図4に示されたレベル0の階層の作成範囲に含まれるメッシュ座標(i,j)=(2,3)で特定される太枠の1次区画に対応しているが、当該1次区画管理レコード#46においては、階層名がレベル0であり、メッシュ座標(i,j)が(2,3)であり、さらに、1次区画地図情報の所在としては当該1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の所在であり、1次区画地図情報のデータサイズとしては当該1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46のデータサイズとなっている。
【0053】
なお、1次区画管理レコードは、1次区画地図情報の検索を容易にするために、階層及びメッシュ座標に関してソートして並べられている。
【0054】
所要の地図情報の階層及び範囲が指定されれば、1次区画管理情報ヘッダの作成範囲、所要の階層の1次区画の経度方向の幅及び緯度方向の幅から、所要の1次区画のメッシュ座標が容易に算出される。さらに、上記階層及びメッシュ座標を有する1次区画管理レコードから1次区画地図情報の所在が取得できるため、所要の地図情報の階層及び範囲の1次区画地図情報を地図情報記憶部4から容易に取得することができる。ここで、1次区画地図情報には、その1次区画に含まれる全ての更新領域の1次区画内の更新領域地図情報が含まれるため、更新領域による区画を考慮することなく、所要の1次区画の地図情報が得られる。
【0055】
図8は、階層及び区画が図4に示すものとした場合であって、階層がレベル0の作成範囲の中のメッシュ座標が(i,j)=(2,3)の1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の内容を説明するための図である。
【0056】
1次区画地図情報は、1次区画地図情報ヘッダと当該1次区画内の2次区画地図情報の並びからなる。1次区画内の2次区画地図情報は、当該1次区画内の2次区画における地図情報であり、当該1次区画に存在する2次区画の数だけ設けられる。
【0057】
図8に示すように、1次区画地図情報ヘッダは、当該1次区画に存在する2次区画の数を表す2次区画数と、当該1次区画内に存在する2次区画の各々に対応して設けられた2次区画管理レコードとを有する。
【0058】
2次区画管理レコードは、対応する2次区画が属する更新領域の領域識別子、対応する2次区画地図情報の所在、及び当該2次区画地図情報のデータサイズを有する。
【0059】
所要の更新領域の領域識別子を有する2次区画管理レコードを参照することにより、所要の更新領域の2次区画地図情報を取得することができる。
【0060】
図8に示す1次区画地図情報は、図4に示した地図情報において、階層がレベル0であり、メッシュ座標が(i,j)=(2,3)である1次区画に対応する1次区画地図情報#46を具体的に示した例である。
【0061】
図8に示す1次区画地図情報#46において、1次区画地図情報ヘッダによれば、1次区画(2,3)内の2次区画数が3個であり、2次区画管理レコードとしては更新領域がAの2次区画管理レコード#0と更新領域がBの2次区画管理レコード#1と更新領域がCの2次区画管理レコード#2とが含まれている。さらに、2次区画地図情報としては、1次区画(2,3)内の更新領域がAである2次区画地図情報#0と同じく1次区画(2,3)内の更新領域がBである2次区画地図情報#1と同じく1次区画(2,3)内の更新領域がCである2次区画地図情報#2とが含まれている。
【0062】
なお、上記の1次区画地図情報ヘッダにおける2次区画管理レコード#0を例にとれば、当該2次区画管理レコード#0においては、領域識別子が更新領域Aに対応しており、さらに、2次区画地図情報#0の所在としては更新領域がAである2次区画地図情報#0の所在であり、2次区画地図情報のデータサイズとしては当該2次区画地図情報#0のデータサイズとなっている。
【0063】
図9は、1次区画内の2次区画地図情報の例で、マップマッチングや道路の表示に使用する道路データ、河川及び海等の地図背景を表示するための背景データ、地名等名称を表示するための名称データ、経路誘導のための経路誘導データ、経路計算のための経路計算データ、施設等を検索するための検索データ等の各種のデータを有すると共に、前記各種のデータの所在や前記各種のデータのデータサイズを示す地図データヘッダを有している。
【0064】
以上のように、1次区画地図情報は、地図情報を1次区画内の所定形状の領域に区画化された領域である2次区画毎に分類して、管理し収容しているため、1次区画地図情報を更新領域毎に更新することが容易となる。
【0065】
<更新情報>
更新情報は、使用者ないしは地図情報処理装置が所要する更新領域に関するものであって、地図情報記憶部4に記憶された全階層の地図情報を更新するために必要な情報で、更新情報記憶媒体として例えばメモリカードに記憶された形態で、使用者に提供される。
【0066】
更新情報は、更新管理情報と更新領域内の2次区画更新情報とを有する。
【0067】
更新領域内の2次区画更新情報は、当該更新情報が更新対象とする更新領域に属する最新バージョンの2次区画更新情報で、各階層毎に更新領域に一部又は全部が含まれる1次区画に対応して設けられる。
【0068】
更新管理情報は、更新管理情報ヘッダ及び1次区画更新管理レコードの並びを有する。
【0069】
更新管理情報ヘッダは、使用者ないしは地図情報処理装置が所要する更新対象である更新領域を示す領域識別子、当該更新領域の名称を示す更新領域の領域名、更新バージョン、更新領域内の2次区画更新情報の数を有する。なお、更新バージョンとしては、上記最新バージョンを設定する。
【0070】
1次区画更新管理レコードは、上記更新領域内の2次区画更新情報を管理するためのレコードで、更新情報ヘッダが示す更新領域内の2次区画更新情報の数だけ設けられ、管理対象とする更新領域内の2次区画更新情報の階層、メッシュ座標、所在及びデータサイズ等を表す情報を有する。
【0071】
図10は、図4の区画において更新範囲を上記更新領域Cとしたときの更新情報の例である。
【0072】
図10に示すように、レベル2に対し、更新領域Cを含む1次区画(0,0)、1次区画(0,1)、1次区画(1,0)、1次区画(1,1)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#0〜2次区画更新情報#3からなる4個の2次区画更新情報、及びそれらの1次区画更新管理レコード#0〜1次区画更新管理レコード#3からなる4個の1次区画更新管理レコードを設ける。従って、レベル2のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル2の、1次区画(0,0)の更新領域内の2次区画更新情報#0には更新領域A、B、Dに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0073】
レベル1に対し、更新領域Cを含む1次区画(1,1)、1次区画(1,2)、1次区画(2,1)、1次区画(2,2)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#4〜2次区画更新情報#7、及びそれらの1次区画更新管理レコード#4〜1次区画更新管理レコード#7を設ける。従って、レベル1のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル1の、1次区画(1,1)の更新領域内の2次区画更新情報#4には更新領域A、B、Dに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0074】
レベル0に対し、更新領域Cを含む1次区画(2,2)、1次区画(2,3)、1次区画(2,4)、1次区画(3,2)、1次区画(3,3)、1次区画(3,4)、1次区画(3,5)、1次区画(4,2)、1次区画(4,3)、1次区画(4,4)、1次区画(4,5)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#8〜2次区画更新情報#18、及びそれらの1次区画更新管理レコード#8〜1次区画更新管理レコード#18を設ける。従って、レベル0のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル0の、1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9には更新領域A、Bに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0075】
上記のように更新領域Cの更新用のメモリカードには、更新領域C以外の更新情報は一切含まれず、更新情報の不要な増大を防止でき、提供範囲外の地図情報の使用料の発生を防止できる。
【0076】
また、上記更新領域Cの更新用のメモリカードにおける更新情報の更新範囲は、レベル2、レベル1、及びレベル0の全ての階層で、同じ更新領域Cとなるため、レベル2、レベル1、及びレベル0の全ての階層で、更新領域Cの地図情報を同じバージョンに更新することができ、更新後の更新領域Cにおいて、階層間のバージョン不一致による不整合の発生を防止できる。
【0077】
また、更新領域内の2次区画更新情報として、当該2次区画の最新バージョンの地図情報を用いるので、最新バージョンの地図情報から当該2次区画分だけを切り出すことにより更新領域内の2次区画更新情報が得られ、容易に更新情報を作成することができ、利用者はより安価な更新情報が得られる。
【0078】
また、更新情報の更新対象の更新領域が地図情報と同じ行政区域又は行政区域以外で社会的に認知されている地域となるため、使用者は更新の範囲を容易に理解することができ、所要する地域の更新情報を的確に購入できる。
【0079】
<地図情報処理装置の動作>
図11は、図1に示した地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。図11において、ステップ毎に順に各ステップの動作を説明する。
【0080】
[ステップST10]
地図情報処理装置が起動し、処理を開始すると、まず、ステップST10では、更新情報取得部3に更新用のメモリカードが挿入されたか否かを確認し、挿入されたときはステップST11へ行き、挿入されていなければステップST12へ行く。
【0081】
[ステップST11]
更新情報取得部3に挿入された更新用のメモリカードに記憶されている更新情報を読み取り、読み取った更新情報を用いて地図情報記憶部4に記憶されている地図情報を更新する。更新処理が終了するとステップST12へ行く。
【0082】
[ステップST12]
使用者が地図情報処理装置の動作を指示するための指示信号を入力部1より入力する入力処理が行われる。例えば、地図の表示縮尺、目的地、経路計算の開始指示等の指示信号が使用者によって入力される。その後、ステップST13へ行く。
【0083】
[ステップST13]
位置検出部2から車両の現在位置を取得し、ステップST14へ行く。
【0084】
[ステップST14]
ステップST12で入力された指示信号とステップST13で取得した現在位置とに基づいて定まる所要の階層の所要の1次区画の1次区画地図情報を、地図情報記憶部4より取得する。取得した1次区画地図情報を用いて各種の地図情報処理を行い、ステップST10へ戻る。
【0085】
上記所要の1次区画地図情報は、前述したように、1次区画管理情報を参照することにより、更新領域による区画を考慮すること無く、容易に取得できる。以下、上記ステップST11からステップST14までのステップを繰り返す。
【0086】
図12は、ステップST11の地図更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0087】
[ステップST20]
更新情報取得部3により、挿入されたメモリカードから記憶された更新情報の中の更新管理情報を読み取る。
【0088】
[ステップST21]
地図情報記憶部4の更新領域のバージョン管理情報の中から、ステップST20で取得した更新管理情報の中の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に一致する領域識別子を有する更新領域のバージョン管理レコードを求め、その更新領域のバージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと、図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較する。
【0089】
例えば、ステップST20で取得した図10に示す更新管理情報を取得した場合、更新管理情報ヘッダの領域識別子は更新領域Cを表し、それと同一の更新領域Cを表す領域識別子を有する図6の更新領域のバージョン管理情報の中の更新領域のバージョン管理レコード#2を求める。次に、その記憶地図情報バージョンと、図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較する。
【0090】
比較の結果、更新バージョンが記憶地図情報バージョンと同じ又は古い場合は、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。一方、更新バージョンが記憶地図情報バージョンより新しい場合は、更新情報は適正であるとして、ステップST23へ行く。
【0091】
[ステップST22]
更新情報が適正でない旨を出力部6で出力することにより使用者に不適正通知を行い、ステップST24へ行く。
【0092】
[ステップST23]
更新を開始する旨を出力部6で出力することにより使用者に更新開始通知を行い、ステップST24に行く。
【0093】
[ステップST24]
ステップST20で取得した更新管理情報の1次区画更新管理レコードを参照し、管理対象とする更新領域内の2次区画更新情報を更新情報取得部3によって挿入されたメモリカードから読み取り、ステップST25へ行く。
【0094】
例えば、図10の更新情報に対して、当該ステップST24に来る度に、図10における更新管理情報の1次区画更新管理レコードの並びに順に対応する更新領域内の2次区画更新情報を1つずつ取得する。即ち、レベル2の1次区画(0,0)の更新領域内の2次区画更新情報#0、レベル2の1次区画(0,1)の更新領域内の2次区画更新情報#1、・・・(途中省略)・・・、レベル0の1次区画(4,4)の更新領域内の2次区画更新情報#17、レベル0の1次区画(4,5)の更新領域内の2次区画更新情報#18の順に取得する。
【0095】
[ステップST25]
地図情報記憶部4に記憶された、ステップST24で参照した各々の1次区画更新管理レコードの階層名及びメッシュ座標により示されるそれぞれの1次区画において、ステップST20で取得した更新管理情報の領域識別子が示す更新領域の当該1次区画内の2次区画地図情報を、ステップST24で取得した更新領域内の当該1次区画に対応する2次区画更新情報に書き換えると共に、1次区画地図情報に含まれる1次区画地図情報ヘッダの変更、地図情報記憶部4に記憶された1次区画管理情報に含まれる上記1次区画地図情報に関する情報の変更を行い、ステップST26へ行く。
【0096】
例えば、図10の更新情報に対して、ステップST24に来る度に、順次に、更新領域内の2次区画更新情報#0、#1、・・・(途中省略)・・・、#18を取得して行き、例えば、レベル0の1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9を取得した時、ステップST25では、レベル0の1次区画(2,3)の地図情報記憶部4に記憶された図5の1次区画地図情報#46の詳細を表す図8の2次区画地図情報#2(C)を、ステップST24で取得したレベル0の1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9に書き換える。この処理により、図8の1次区画地図情報#46における2次区画地図情報#2(C)が図10の更新領域C内の2次区画更新情報#9(レベル0−(2,3))に書き換えられ、図8の1次区画地図情報#46における2次区画地図情報#2(C)は、最新バージョンの地図情報となる。この時、2次区画地図情報#0(A)及び2次区画地図情報#1(B)は更新されずに前のバージョンのままであり、当該ステップST25により、レベル0の1次区画(2,3)の1次区画地図情報#46は、更新領域Cに属する2次区画の部分のみが最新バージョンに更新される。
【0097】
[ステップST26]
ステップST20で取得した更新管理情報の全ての1次区画更新管理レコードについて、ステップST24及びステップST25の処理を行っていなければ、更新が終了していないとしてステップST24へ戻る。一方、全ての1次区画更新管理レコードについて、ステップST24及びステップST25の処理を行っていれば、更新が終了したとしてステップST27へ行く。
【0098】
[ステップST27]
上記更新に伴い、更新領域のバージョン管理情報を最新の状態に変更する。ステップST20で取得した更新管理情報の更新管理情報ヘッダの中にある領域識別子が示す更新領域について、バージョン管理情報の中の当該更新領域のバージョン管理レコードの記憶地図情報バージョンを、上記更新管理情報の更新管理情報ヘッダの中にある更新バージョンに変更し、ステップST28へ行く。
【0099】
例えば、上記のステップST27の処理により、図6の更新領域のバージョン管理情報の中の更新領域Cのバージョン管理レコード#2(C)に含まれる記憶地図情報バージョンが図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンに変更される。
【0100】
[ステップST28]
更新が終了した旨を出力部6で出力することにより使用者に更新終了通知を行ない、地図更新処理を終了する。
【0101】
以上のようにして、地図情報記憶部4に記憶された各階層の各1次区画地図情報において、更新情報が更新範囲とする更新領域に属するそれぞれの1次区画内の2次区画地図情報のみを最新のバージョンに更新することができる。
【0102】
例えば、図10の更新情報により、図4に示すレベル2の1次区画(0,0)、1次区画(0,1)、1次区画(1,0)、1次区画(1,1)、レベル1の1次区画(1,1)、1次区画(1,2)、1次区画(2,1)、1次区画(2,2)、レベル0の1次区画(2,2)、1次区画(2,3)、1次区画(2,4)、1次区画(3,2)、1次区画(3,3)、1次区画(3,4)、1次区画(3,5)、1次区画(4,2)、1次区画(4,3)、1次区画(4,4)、1次区画(4,5)の地図情報記憶部4に記憶された各1次区画地図情報は、更新領域Cに属するそれぞれの1次区画内の2次区画地図情報のみが最新のバージョンに更新される。
【0103】
実施の形態2.
この発明に係る実施の形態2は、実施の形態1において、更新情報における更新領域内の2次区画更新情報を、その階層のその2次区画について、地図情報記憶部4に記憶されたバージョンの上記階層のその2次区画の2次区画地図情報と、最新版バージョンの上記階層のその2次区画の2次区画地図情報との差分を表す情報としたものである。例えば、図10のレベル0の1次区画(2,3)の更新領域Cの2次区画更新情報#9として、地図情報記憶部4に記憶されたバージョンの図8の更新領域Cの2次区画地図情報#2(C)の地図情報記憶部4に記憶されたバージョンと、その最新バージョンとの差分を表す情報が記憶される。このように、更新領域内の2次区画更新情報が差分で表されるため、更新情報のデータ容量はより小さいものとなる。
【0104】
また、図13は、実施の形態2の更新情報における更新管理情報ヘッダの例で、実施の形態1の更新管理情報ヘッダに更新対象バージョンを追加したものである。更新対象バージョンとしては、当該更新情報が更新の対象とするバージョンを設定する。
【0105】
また、地図情報処理装置の動作を、図12のステップST21及びステップST25以外は実施の形態1と同じとし、図12のステップST21を以下に説明するステップST21aに、図12のステップST25を以下に説明するステップST25aに置き換えたものである。
【0106】
[ステップST21a]
地図情報記憶部4に記憶されている更新領域のバージョン管理情報の中から、ステップST20で取得した更新管理情報の中の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に一致する領域識別子を有する更新領域のバージョン管理レコードを求める。次に、その更新領域のバージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新対象バージョンとを比較し、一致しなければ、地図情報記憶部4の地図情報は更新の対象で無いため、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。一方、バージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新対象バージョンとが一致した場合は、上記バージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較し、更新バージョンが記憶地図情報バージョンと同じ又は古い場合は、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。それに対し、更新バージョンが記憶地図情報バージョンより新しい場合は、更新情報は適正として、ステップST23へ行く。
【0107】
[ステップST25a]
地図情報記憶部4に記憶された、ステップST24で参照した各々の1次区画更新管理レコードの階層名及びメッシュ座標により示されるそれぞれの1次区画において、ステップST20で取得した更新管理情報の領域識別子が示す更新領域の当該1次区画内の2次区画地図情報を、ステップST24で取得した更新領域内の当該1次区画に対応する2次区画更新情報により差分更新すると共に、1次区画地図情報に含まれる1次区画地図情報ヘッダの変更、及び地図情報記憶部4に記憶された1次区画管理情報に含まれる上記1次区画地図情報に関する情報の変更を行い、ステップST26へ行く。
【0108】
以上のように、更新領域内の2次区画更新情報が差分で表されているため、データ容量がより小さい更新情報により地図情報の更新ができる。
【0109】
上記実施の形態1及び上記実施の形態2において、更新情報記憶媒体としてメモリカードを使用した場合を説明したが、例えば、リムーバルハードディスクのような他の更新情報記憶媒体を用いても同様の効果が得られるのは言うまでも無い。
【0110】
また、更新情報の取得手段として、メモリカードリーダによりメモリカードの更新情報を読み取るようにしたが、通信手段を用いて外部から更新情報を取得するようにしても同様の効果が得られるのは言うまでも無い。
【0111】
また、同一階層において、メッシュ状に分割して区画化する際に、実施の形態1乃至3においては、区画化により形成された1次区画が全て同じ大きさである場合を例に説明したが、地図情報のデータサイズが所定値を超える1次区画では、更に小さな1次区画に分割して区画化しても良い。
【0112】
また、以上では、1つの記憶媒体に1つの更新領域を更新対象範囲とする更新情報を記憶するようにした場合について説明したが、1つの記憶媒体に複数の更新領域を更新対象範囲とする更新情報を記憶するようにしても良い。
【0113】
また、ステップST21において、更新バージョン、更新対象バージョンと記憶地図情報バージョンを比較することにより更新情報の適正の判定を行ったが、更新管理情報の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に対応する更新領域の出力部6の地図表示画面上への強調表示や、更新領域の名称である領域名、更新バージョン、更新対象バージョン、及び記憶地図情報バージョンの表示を行い、使用者が所要する更新情報であるか否かを確認し、その確認した結果を使用者が入力部1に入力し、入力部1に入力された情報に基づいて更新情報が適性か否かを判定するようにしても良い。
【0114】
また、上記実施の形態1及び上記実施の形態2において、作成範囲が経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるとみなして説明したが、高緯度の地域のように、矩形領域とみなせない場合においても、本願発明に係る技術的思想は適用可能で、同様の効果を奏する。その場合は、作成範囲は例えば曲線の経線及び曲線の緯線により囲まれた2次元の平面領域ないしは3次元の曲面領域となる点だけが相違する。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】階層化され、各階層の作成範囲がメッシュ状に分割された地図情報の例である。
【図3】作成範囲内に更新領域が存在する様子を示した地図情報の例である。
【図4】メッシュ状に分割され区画化された作成範囲の地図情報が、さらに更新領域A、B、C、D、E、及びFで区画化された地図情報の例である。
【図5】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画地図情報の例である。
【図6】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における更新領域に関するバージョン管理情報の例である。
【図7】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画管理情報の例である。
【図8】階層がレベル0の作成範囲の中のメッシュ座標が(i,j)=(2,3)の1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の内容を説明するための説明図である。
【図9】1次区画内の2次区画地図情報の例である。
【図10】更新範囲を更新領域Cとしたときの更新情報の例である。
【図11】この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】ステップST11の地図更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】この発明に係る実施の形態2の更新情報における更新管理情報ヘッダの例である。
【符号の説明】
【0116】
1 入力部
2 位置検出部
3 更新情報取得部
4 地図情報記憶部
5 プロセッサ
6 出力部
51 地図情報処理手段
52 更新手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば都道府県等の行政区域や関東や関西といった地方区域等、使用者が日常の中で慣れ親しんで認識している所定形状の領域を更新領域として、地図情報の更新を行う地図情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地図情報処理装置においては、地図情報を所定形状の領域に分割し、当該所定形状の領域を単位として地図情報を更新しており、所定形状の領域として、都道府県等の行政区域、メッシュ状の区画、メッシュ状の区画が何枚か集まったブロックのいずれかを採用している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、別の従来の地図情報処理装置では、地図情報をメッシュ状に分割して、都道府県を含むメッシュ状の区画の集合体とその周辺のメッシュ状の区画を加えた領域の地図情報を更新している(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、別の従来の地図情報処理装置では、地図情報を道路で囲まれた領域に分割して、道路で囲まれた領域の地図情報を更新している(例えば特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−338687号公報(第6〜10頁、第3図)
【特許文献2】特開2004−191115号公報(第8頁、第5図)
【特許文献3】特開2004−226730号公報(第11〜12頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の情報処理装置においては、所定形状の領域を都道府県等の行政区域とした場合は、行政区域の形状が複雑かつ不規則であるため、行政区域単位で更新を行うことができても、行政区域単位に分割された地図情報から所要する範囲の地図情報だけを取得することが困難であるという問題があった。
【0007】
また、所定形状の領域をメッシュ状の区画やメッシュ状の区画が何枚か集まったブロックとする従来の情報処理装置の場合、ないしは都道府県を含むメッシュ状の区画の集合体とその周辺のメッシュ状の区画を加えた領域とする別の従来の情報処理装置の場合、いずれの情報処理装置においても、地図情報がメッシュ状に分割されているので、所要する範囲の地図情報だけを取得することは容易である。しかしながら、都道府県等の行政区域単位で更新情報を提供する際に、行政区域の境界を含むメッシュ状の区画又はブロックには隣接する他の行政区域の地図情報を含むことになり、更新情報の情報量が必要以上に増大すると共に、提供範囲外の地域の地図情報の使用料金が必要となるという問題があった。
【0008】
また、所定形状の領域を道路で囲まれた領域とする別の従来の情報処理装置においても、道路で囲まれた領域の形状が複雑かつ不規則であるため、道路で囲まれた領域単位に分割された地図情報の中から所要する範囲の地図情報だけを取得することが困難であるという問題があり、都道府県等の行政区域単位で更新情報を提供する場合に、行政区域の境界を含む道路で囲まれた領域には隣接する他の行政区域の地図情報を含むことになり、更新情報の情報量が必要以上に増大すると共に、提供範囲外の地域の地図情報の使用料金が必要となるという問題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するために為されたもので、地図情報から所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域単位での更新が容易な地図情報を有する地図情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る地図情報処理装置は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報とを記憶する地図情報記憶手段と、前記複数の更新領域のうちのいずれかの更新領域に対応する更新情報と前記1次区画管理情報とに基づいて、前記地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報のうちの前記いずれかの更新領域に対応する2次区画地図情報を更新することで、前記地図情報を更新する更新手段と、更新された前記地図情報に含まれる所要の1次区画に対応する前記1次区画管理情報に基づいて、地図情報処理を行う地図情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る地図情報記憶媒体は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報とを記憶することを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る更新情報記憶媒体は、地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報のうちで、前記複数の更新領域のうちのこれから更新される更新領域に含まれる2次区画に対応すると共に、更新される前の2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報を更新情報として記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る地図情報処理装置によれば、地図情報から所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域を更新領域として容易に更新できる。
【0014】
また、この発明に係る地図情報記憶媒体によれば、地図情報処理において所要する範囲の地図情報を容易に取得でき、かつ、所定形状の領域を更新領域とする更新を容易に実現可能とする地図情報を得ることができる。
【0015】
また、この発明に係る更新情報記憶媒体によれば、所定形状の領域を更新領域とする更新が容易にでき、かつ、更新情報の情報量の増大を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
<地図情報処理装置の構成>
図1は、この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、入力部1は、使用者の操作又は指示に従ってプロセッサ5に指示信号を与える。図示しないが、具体的には、入力部1は使用者の音声を認識して音声に基づく指示信号を出力する音声認識部、使用者の手動操作により指示信号を出力するボタン等の少なくともいずれかを有しており、入力手段として機能する。
【0018】
位置検出部2は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機、車速センサ、角度センサ等のいずれかないしは複数を用いた位置検出手段であって、当該地図情報処理装置を搭載している車両の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置情報をプロセッサ5に提供する。
【0019】
更新情報取得部3は、例えば、メモリカードリーダーにより構成され、メモリカードに記憶された更新情報を読み取り、更新情報を取得する更新情報取得手段として機能する。
【0020】
地図情報記憶部4は、例えば、地図情報記憶媒体としてハードディスクを用いたハードディスクドライブにより構成された地図情報記憶手段であり、当該地図情報記憶部4に予め地図情報を記憶しておく。
【0021】
プロセッサ5は、入力部1から与えらえれた指示信号、位置検出部2から得られた現在位置を示す位置情報、及び地図情報記憶部4から読み出した地図情報とを用いて、各種の地図情報処理を行う地図情報処理手段51として機能する。
【0022】
この各種の地図情報処理の内容としては、位置検出部2から得た現在位置を示す位置情報と地図情報記憶部4から読み出した地図情報とに基づいて車両の現在位置を推定するマップマッチング処理、出発地から目的地までの経路を算出する経路探索(経路計算)処理、経路探索処理によって得られた好適な経路の候補を道路地図と共に出力部6が備える例えば表示部の画面に表示する経路表示処理、好適な経路の候補から選択された経路に従って出発地から目的地までの案内を行う経路誘導処理、現在位置周辺の地図の表示処理、及び施設、住所、電話番号等の各種情報を検索する各種検索処理等が含まれる。
【0023】
また、プロセッサ5は、更新情報取得部3によりメモリカードから読み取った更新情報を用いて、地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する更新手段52として機能する。
【0024】
出力部6は、プロセッサ5による各種の地図情報処理の結果得られた情報を、使用者に提示する出力手段として機能する。図示しないが、具体的には、出力部6は、地図情報に基づく地図、当該地図上での車両の現在位置、当該地図上での経路探索処理によって得られた好適な経路の候補、好適な経路の候補から選択された経路に従って出発地から目的地まで案内を行うための案内情報、検索によって得られた各種情報等を表示する表示部、及び表示された内容と同様ないしは関連する内容を使用者に音声で指示又は案内を行う音声発生部のいずれか一方ないしは両方を有していても良い。
【0025】
地図情報処理装置は以上のように構成されているので、使用者が例えば目的地周辺の道路がどのようになっているかを確認したいと考えれば、その所要の範囲の地図情報を使用者が入力部1を使って指示をすることで、地図情報処理装置はその所要の範囲の地図情報を得ることができる。その結果、使用者は当該地図情報処理装置の出力部6によって目的地周辺の道路についてどのようになっているか確認することができる。
【0026】
また、使用者が例えば目的地に行くための地図情報を更新しようと考えれば、使用者は、まず、更新情報が記憶されたメモリカードを更新情報取得部3にセットする。次に、使用者が入力部1を使って地図情報の更新の指示を地図情報処理装置にすることで、地図情報処理装置は、更新情報に基づいて地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する。その結果、使用者は、目的地に行くための最新バージョンの地図情報を利用することができる。
【0027】
また、位置検出部2から使用者が乗車している車両の現在位置を示す位置情報を得ることができるので、地図情報処理装置は当該車両の現在位置から目的地までの所要の地図情報を得ることができる。その結果、使用者は当該地図情報処理装置の出力部6によって現在位置から目的地までの経路誘導のための案内情報を知ることができる。
【0028】
また、地図情報処理装置は、位置検出部2から使用者が乗車している車両の現在位置を示す位置情報を得た上で、当該現在位置から目的地まで行くための所要の地図情報について、メモリカードに記憶された更新情報に基づいて自動的に地図情報記憶部4に記憶された地図情報を更新する。その結果、使用者は、現在位置から目的地に行くための最新バージョンの地図情報を利用することができる。
【0029】
<地図情報>
地図情報の作成範囲は、経線及び緯線により囲まれた領域とする。なお、作成範囲の形状は、地球上の高緯度の地域を除いては近似的に略矩形とみなすことが可能である。従って、高緯度の地域以外では、地図情報の作成範囲は矩形領域として取り扱っても実用上は問題無い。そこで、以下では、作成範囲が経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるとみなして、説明する。
【0030】
また、地図情報は、情報の詳細さの度合いにより階層化され、地図情報の作成範囲を各階層毎に所定間隔の経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるメッシュ状に分割することで、区画化されて管理される。この地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されて区画化された領域を、以下では1次区画と呼ぶこととする。
【0031】
次に、上記のようにメッシュ状に分割することで区画化された作成範囲は、メッシュ状とは異なる分割形状にてさらに上記1次区画の集合体以外の所定形状の領域によって区画化される。以下では、メッシュ状の1次区画内をさらに上記1次区画とは異なる所定形状の領域によって区画化された領域を、2次区画と呼ぶこととする。
【0032】
上記所定形状の領域は、地図情報処理装置の使用者の便宜の点から分割された地図情報の更新の最小単位であり、以下では、この最小単位を更新領域と呼ぶこととする。
【0033】
各更新領域には、各々の領域を識別するための識別子である更新領域の領域識別子が付与される。所定形状の領域である更新領域としては、その呼称からその領域が容易に類推できる領域とし、例えば国、州、都道府県、市区町村等の行政区域や、行政区域そのものでは無いが社会的に認知されている地域名を有する例えば関東地方や近畿地方等の地方区域等を表すものとする。この所定形状の領域は、使用者にとっては日常の中で慣れ親しんで認識しているので、使用者は地図情報の更新の範囲を容易に理解することができる。
【0034】
図2は、各階層化され、各階層がメッシュ状に分割された地図情報の例である。図2においては、レベル0、レベル1、及びレベル2の3階層に階層化され、レベル2、レベル1、及びレベル0の順に詳細度が大きくなるものとする。レベル0の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで8×8個の1次区画に区画化され、レベル1の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで4×4個の1次区画に区画化される。さらに、レベル2の階層では、作成範囲はメッシュ状に分割されることで2×2個の1次区画に区画化されている。
【0035】
なお、作成範囲である矩形領域の左端の経度の値をWimin、右端の経度の値をWimaxとする。さらに、この作成範囲である矩形領域の下端の緯度の値をWjmin、上端の緯度の値をWjmaxとする。また、作成範囲の経度方向の幅をWi、作成範囲の緯度方向の幅をWjとし、Wi=Wimax−Wimin及びWj=Wjmax−Wjminの関係があるものとする。
【0036】
図2に示すように、各階層の作成範囲はメッシュ状に分割されて1次区画に区画化されているので、レベル0の1次区画の経度方向の幅はWi/8であり、緯度方向の幅はWj/8となっている。また、レベル1の1次区画の経度方向の幅はWi/4、緯度方向の幅はWj/4であり、レベル2の1次区画の経度方向の幅はWi/2、緯度方向の幅はWj/2となっている。
【0037】
また、各階層の作成範囲の中においてメッシュ状に分割された1次区画を特定するために、各1次区画に対して2次元のメッシュ座標(i,j)を付与する。2次元のメッシュ座標(i,j)を示すための座標軸iの値は、作成範囲である矩形領域の左端の1次区画から右端に向かって順にi=0、1、2、・・・、m(mは自然数)を付与し、座標軸jの値は、作成範囲である矩形領域の下端の1次区画から上端に向かって順にj=0、1、2、・・・、n(nは自然数)を付与する。以上により、作成範囲である矩形領域内の1次区画をメッシュ座標(i,j)で特定することができる。例えば、図2の中のレベル0の階層の作成範囲において、メッシュ座標(i,j)=(2,3)で特定される1次区画は、図2において太枠で位置が特定されている。以下では、1次区画(i,j)は、メッシュ座標が(i,j)である1次区画を指すものとする。
【0038】
図3は、作成範囲内に更新領域が存在する様子を示した地図情報の例である。図3において、更新領域A、B、C、D、E、及びFが示されている。
【0039】
図4は、図2に示したメッシュ状に区画化された作成範囲の地図情報を、さらに図3に示した更新領域A、B、C、D、E、及びFで区画化された地図情報の例である。例えば、レベル0の階層の作成範囲の中に分割されて存在する1次区画(2,3)では、更新領域Aに属する区画、更新領域Bに属する区画、及び更新領域Cに属する区画の都合3つの2次区画に区画化されている。図4のレベル0の階層だけで無く、レベル1及びレベル2の階層においても同様に同じ更新領域A、B、C、D、E、及びFで1次区画が2次区画に区画化されている。
【0040】
地図情報記憶部4には、図4に示す各階層の地図情報において、メッシュ状に分割され区画化された1次区画に対応する地図情報である1次区画地図情報が各1次区画に対応付けられて記憶されている。さらに、これらの1次区画地図情報を管理するための1次区画管理情報と更新領域のバージョンを管理する更新領域に関するバージョン管理情報とが記憶されている。
【0041】
図5は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画地図情報の例である。
【0042】
図5に示されるように、図4のレベル2の1次区画(0,0)〜1次区画(1,1)の4個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#0〜1次区画地図情報#3の4個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。また、レベル1の1次区画(0,0)〜1次区画(3,3)の16個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#4〜1次区画地図情報#19の16個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。さらに、レベル0の1次区画(0,0)〜1次区画(7,7)の64個の1次区画のそれぞれに対応して1次区画地図情報#20〜1次区画地図情報#83の64個の1次区画地図情報が、地図情報記憶部4に記憶される。
【0043】
図6は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における更新領域に関するバージョン管理情報の例である。
【0044】
図6に示す更新領域に関するバージョン管理情報は、地図情報記憶部4に記憶されている更新領域の数を示すバージョン管理ヘッダと、地図情報記憶部4に記憶されている各更新領域に対応して設けられたバージョン管理レコードとを有している。
【0045】
バージョン管理レコードの各々は、それぞれのバージョン管理レコードがどの更新領域に対応しているのかを示すための更新領域の領域識別子と、当該更新領域の名称を示す領域名と、当該更新領域の地図情報のバージョンを示すための記憶地図情報バージョンとを有している。
【0046】
図6に示す更新領域に関するバージョン管理情報の例において、バージョン管理ヘッダに示されている更新領域の数は6個で、図3及び図4に示されている更新領域A、B、C、D、E、及びFに対応している。バージョン管理情報は、この6個の更新領域の各々に対応して、バージョン管理レコード#0〜バージョン管理レコード#5からなる6個のバージョン管理レコードを有している。ここで、例えば、バージョン管理レコード#0は、更新領域Aの領域識別子、Aという更新領域の領域名、及び更新領域Aの記憶地図情報バージョンを有している。同様に、バージョン管理レコード#2であれば、更新領域Cの領域識別子、Cという更新領域の領域名、及び更新領域Cの記憶地図情報バージョンを有している。
【0047】
図7は、図4に示したレベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画管理情報の例である。
【0048】
図7に示す1次区画管理情報は、1次区画管理情報ヘッダと1次区画の各々に対応して設けられた1次区画管理レコードとを有している。
【0049】
1次区画管理情報ヘッダは、作成範囲、階層数、及び各階層に対応して設けられた階層管理レコードを有している。さらに、作成範囲については、その矩形領域の左端経度、右端経度、下端緯度、及び上端緯度が示されている。また、階層管理レコードの各々には、それぞれの階層の地図情報に含まれる1次区画の数を示す1次区画数、当該1次区画の経度方向の幅及び当該1次区画の緯度方向の幅が示されている。
【0050】
さらに、図7に示す1次区画管理情報は、各階層に含まれるそれぞれの1次区画に対応して設けられた1次区画管理レコードを有している。1次区画管理レコードの各々は、当該1次区画が含まれる階層の名称である階層名、当該1次区画が含まれる階層の作成範囲の中での当該1次区画の位置を特定するためのメッシュ座標、当該1次区画に対応する1次区画地図情報が地図情報記憶部4のどこに記憶されているかを特定するための1次区画地図情報の所在、及び地図情報記憶部4に記憶されている当該1次区画に対応する1次区画地図情報のデータサイズを有している。
【0051】
図7に示す1次区画管理情報の例において、1次区画管理情報ヘッダに含まれる作成範囲は、その矩形領域の左端経度がWimin、右端経度がWimax、下端経度がWjmin、さらに上端緯度がWjmaxであることを示している。また、1次区画管理情報ヘッダに含まれる階層数は、レベル2の階層、レベル1の階層、及びレベル0の階層の都合3個である。1次区画管理情報ヘッダは、3個の階層であるレベル2、レベル1、及びレベル0に対応して階層管理レコード#0〜階層管理レコード#2からなる3個の階層管理レコードを有している。ここで、例えば、レベル2の階層に対応する階層管理レコード#0は、1次区画数が4個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/2、1次区画の緯度方向の幅がWj/2である。また、レベル1の階層に対応する階層管理レコード#1は、1次区画数が16個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/4、1次区画の緯度方向の幅がWj/4である。また、レベル0の階層に対応する階層管理レコード#2は、1次区画数が64個であり、1次区画の経度方向の幅がWi/8、1次区画の緯度方向の幅がWj/8である。
【0052】
次に、図7に示す1次区画管理情報の例において、1次区画管理情報は、1次区画管理情報ヘッダと併せて各階層に含まれるそれぞれの1次区画に対応して設けられた1次区画管理レコードを有している。そして、当該1次区画管理レコードは、図5に示された1次区画地図情報#0〜1次区画地図情報#83からなる1次区画地図情報の各々に対応して、1次区画管理レコード#0〜1次区画管理レコード#83の84個からなる。ここで、例えば、1次区画管理レコード#46は、図4に示されたレベル0の階層の作成範囲に含まれるメッシュ座標(i,j)=(2,3)で特定される太枠の1次区画に対応しているが、当該1次区画管理レコード#46においては、階層名がレベル0であり、メッシュ座標(i,j)が(2,3)であり、さらに、1次区画地図情報の所在としては当該1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の所在であり、1次区画地図情報のデータサイズとしては当該1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46のデータサイズとなっている。
【0053】
なお、1次区画管理レコードは、1次区画地図情報の検索を容易にするために、階層及びメッシュ座標に関してソートして並べられている。
【0054】
所要の地図情報の階層及び範囲が指定されれば、1次区画管理情報ヘッダの作成範囲、所要の階層の1次区画の経度方向の幅及び緯度方向の幅から、所要の1次区画のメッシュ座標が容易に算出される。さらに、上記階層及びメッシュ座標を有する1次区画管理レコードから1次区画地図情報の所在が取得できるため、所要の地図情報の階層及び範囲の1次区画地図情報を地図情報記憶部4から容易に取得することができる。ここで、1次区画地図情報には、その1次区画に含まれる全ての更新領域の1次区画内の更新領域地図情報が含まれるため、更新領域による区画を考慮することなく、所要の1次区画の地図情報が得られる。
【0055】
図8は、階層及び区画が図4に示すものとした場合であって、階層がレベル0の作成範囲の中のメッシュ座標が(i,j)=(2,3)の1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の内容を説明するための図である。
【0056】
1次区画地図情報は、1次区画地図情報ヘッダと当該1次区画内の2次区画地図情報の並びからなる。1次区画内の2次区画地図情報は、当該1次区画内の2次区画における地図情報であり、当該1次区画に存在する2次区画の数だけ設けられる。
【0057】
図8に示すように、1次区画地図情報ヘッダは、当該1次区画に存在する2次区画の数を表す2次区画数と、当該1次区画内に存在する2次区画の各々に対応して設けられた2次区画管理レコードとを有する。
【0058】
2次区画管理レコードは、対応する2次区画が属する更新領域の領域識別子、対応する2次区画地図情報の所在、及び当該2次区画地図情報のデータサイズを有する。
【0059】
所要の更新領域の領域識別子を有する2次区画管理レコードを参照することにより、所要の更新領域の2次区画地図情報を取得することができる。
【0060】
図8に示す1次区画地図情報は、図4に示した地図情報において、階層がレベル0であり、メッシュ座標が(i,j)=(2,3)である1次区画に対応する1次区画地図情報#46を具体的に示した例である。
【0061】
図8に示す1次区画地図情報#46において、1次区画地図情報ヘッダによれば、1次区画(2,3)内の2次区画数が3個であり、2次区画管理レコードとしては更新領域がAの2次区画管理レコード#0と更新領域がBの2次区画管理レコード#1と更新領域がCの2次区画管理レコード#2とが含まれている。さらに、2次区画地図情報としては、1次区画(2,3)内の更新領域がAである2次区画地図情報#0と同じく1次区画(2,3)内の更新領域がBである2次区画地図情報#1と同じく1次区画(2,3)内の更新領域がCである2次区画地図情報#2とが含まれている。
【0062】
なお、上記の1次区画地図情報ヘッダにおける2次区画管理レコード#0を例にとれば、当該2次区画管理レコード#0においては、領域識別子が更新領域Aに対応しており、さらに、2次区画地図情報#0の所在としては更新領域がAである2次区画地図情報#0の所在であり、2次区画地図情報のデータサイズとしては当該2次区画地図情報#0のデータサイズとなっている。
【0063】
図9は、1次区画内の2次区画地図情報の例で、マップマッチングや道路の表示に使用する道路データ、河川及び海等の地図背景を表示するための背景データ、地名等名称を表示するための名称データ、経路誘導のための経路誘導データ、経路計算のための経路計算データ、施設等を検索するための検索データ等の各種のデータを有すると共に、前記各種のデータの所在や前記各種のデータのデータサイズを示す地図データヘッダを有している。
【0064】
以上のように、1次区画地図情報は、地図情報を1次区画内の所定形状の領域に区画化された領域である2次区画毎に分類して、管理し収容しているため、1次区画地図情報を更新領域毎に更新することが容易となる。
【0065】
<更新情報>
更新情報は、使用者ないしは地図情報処理装置が所要する更新領域に関するものであって、地図情報記憶部4に記憶された全階層の地図情報を更新するために必要な情報で、更新情報記憶媒体として例えばメモリカードに記憶された形態で、使用者に提供される。
【0066】
更新情報は、更新管理情報と更新領域内の2次区画更新情報とを有する。
【0067】
更新領域内の2次区画更新情報は、当該更新情報が更新対象とする更新領域に属する最新バージョンの2次区画更新情報で、各階層毎に更新領域に一部又は全部が含まれる1次区画に対応して設けられる。
【0068】
更新管理情報は、更新管理情報ヘッダ及び1次区画更新管理レコードの並びを有する。
【0069】
更新管理情報ヘッダは、使用者ないしは地図情報処理装置が所要する更新対象である更新領域を示す領域識別子、当該更新領域の名称を示す更新領域の領域名、更新バージョン、更新領域内の2次区画更新情報の数を有する。なお、更新バージョンとしては、上記最新バージョンを設定する。
【0070】
1次区画更新管理レコードは、上記更新領域内の2次区画更新情報を管理するためのレコードで、更新情報ヘッダが示す更新領域内の2次区画更新情報の数だけ設けられ、管理対象とする更新領域内の2次区画更新情報の階層、メッシュ座標、所在及びデータサイズ等を表す情報を有する。
【0071】
図10は、図4の区画において更新範囲を上記更新領域Cとしたときの更新情報の例である。
【0072】
図10に示すように、レベル2に対し、更新領域Cを含む1次区画(0,0)、1次区画(0,1)、1次区画(1,0)、1次区画(1,1)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#0〜2次区画更新情報#3からなる4個の2次区画更新情報、及びそれらの1次区画更新管理レコード#0〜1次区画更新管理レコード#3からなる4個の1次区画更新管理レコードを設ける。従って、レベル2のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル2の、1次区画(0,0)の更新領域内の2次区画更新情報#0には更新領域A、B、Dに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0073】
レベル1に対し、更新領域Cを含む1次区画(1,1)、1次区画(1,2)、1次区画(2,1)、1次区画(2,2)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#4〜2次区画更新情報#7、及びそれらの1次区画更新管理レコード#4〜1次区画更新管理レコード#7を設ける。従って、レベル1のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル1の、1次区画(1,1)の更新領域内の2次区画更新情報#4には更新領域A、B、Dに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0074】
レベル0に対し、更新領域Cを含む1次区画(2,2)、1次区画(2,3)、1次区画(2,4)、1次区画(3,2)、1次区画(3,3)、1次区画(3,4)、1次区画(3,5)、1次区画(4,2)、1次区画(4,3)、1次区画(4,4)、1次区画(4,5)のそれぞれについて、最新バージョンであり更新領域Cに属する2次区画の地図情報である更新領域内の2次区画更新情報#8〜2次区画更新情報#18、及びそれらの1次区画更新管理レコード#8〜1次区画更新管理レコード#18を設ける。従って、レベル0のどの1次区画に対する更新領域内の2次区画更新情報にも更新領域C以外の地図情報は含まれない。例えば、レベル0の、1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9には更新領域A、Bに属する2次区画の地図情報は含まれない。
【0075】
上記のように更新領域Cの更新用のメモリカードには、更新領域C以外の更新情報は一切含まれず、更新情報の不要な増大を防止でき、提供範囲外の地図情報の使用料の発生を防止できる。
【0076】
また、上記更新領域Cの更新用のメモリカードにおける更新情報の更新範囲は、レベル2、レベル1、及びレベル0の全ての階層で、同じ更新領域Cとなるため、レベル2、レベル1、及びレベル0の全ての階層で、更新領域Cの地図情報を同じバージョンに更新することができ、更新後の更新領域Cにおいて、階層間のバージョン不一致による不整合の発生を防止できる。
【0077】
また、更新領域内の2次区画更新情報として、当該2次区画の最新バージョンの地図情報を用いるので、最新バージョンの地図情報から当該2次区画分だけを切り出すことにより更新領域内の2次区画更新情報が得られ、容易に更新情報を作成することができ、利用者はより安価な更新情報が得られる。
【0078】
また、更新情報の更新対象の更新領域が地図情報と同じ行政区域又は行政区域以外で社会的に認知されている地域となるため、使用者は更新の範囲を容易に理解することができ、所要する地域の更新情報を的確に購入できる。
【0079】
<地図情報処理装置の動作>
図11は、図1に示した地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。図11において、ステップ毎に順に各ステップの動作を説明する。
【0080】
[ステップST10]
地図情報処理装置が起動し、処理を開始すると、まず、ステップST10では、更新情報取得部3に更新用のメモリカードが挿入されたか否かを確認し、挿入されたときはステップST11へ行き、挿入されていなければステップST12へ行く。
【0081】
[ステップST11]
更新情報取得部3に挿入された更新用のメモリカードに記憶されている更新情報を読み取り、読み取った更新情報を用いて地図情報記憶部4に記憶されている地図情報を更新する。更新処理が終了するとステップST12へ行く。
【0082】
[ステップST12]
使用者が地図情報処理装置の動作を指示するための指示信号を入力部1より入力する入力処理が行われる。例えば、地図の表示縮尺、目的地、経路計算の開始指示等の指示信号が使用者によって入力される。その後、ステップST13へ行く。
【0083】
[ステップST13]
位置検出部2から車両の現在位置を取得し、ステップST14へ行く。
【0084】
[ステップST14]
ステップST12で入力された指示信号とステップST13で取得した現在位置とに基づいて定まる所要の階層の所要の1次区画の1次区画地図情報を、地図情報記憶部4より取得する。取得した1次区画地図情報を用いて各種の地図情報処理を行い、ステップST10へ戻る。
【0085】
上記所要の1次区画地図情報は、前述したように、1次区画管理情報を参照することにより、更新領域による区画を考慮すること無く、容易に取得できる。以下、上記ステップST11からステップST14までのステップを繰り返す。
【0086】
図12は、ステップST11の地図更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0087】
[ステップST20]
更新情報取得部3により、挿入されたメモリカードから記憶された更新情報の中の更新管理情報を読み取る。
【0088】
[ステップST21]
地図情報記憶部4の更新領域のバージョン管理情報の中から、ステップST20で取得した更新管理情報の中の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に一致する領域識別子を有する更新領域のバージョン管理レコードを求め、その更新領域のバージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと、図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較する。
【0089】
例えば、ステップST20で取得した図10に示す更新管理情報を取得した場合、更新管理情報ヘッダの領域識別子は更新領域Cを表し、それと同一の更新領域Cを表す領域識別子を有する図6の更新領域のバージョン管理情報の中の更新領域のバージョン管理レコード#2を求める。次に、その記憶地図情報バージョンと、図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較する。
【0090】
比較の結果、更新バージョンが記憶地図情報バージョンと同じ又は古い場合は、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。一方、更新バージョンが記憶地図情報バージョンより新しい場合は、更新情報は適正であるとして、ステップST23へ行く。
【0091】
[ステップST22]
更新情報が適正でない旨を出力部6で出力することにより使用者に不適正通知を行い、ステップST24へ行く。
【0092】
[ステップST23]
更新を開始する旨を出力部6で出力することにより使用者に更新開始通知を行い、ステップST24に行く。
【0093】
[ステップST24]
ステップST20で取得した更新管理情報の1次区画更新管理レコードを参照し、管理対象とする更新領域内の2次区画更新情報を更新情報取得部3によって挿入されたメモリカードから読み取り、ステップST25へ行く。
【0094】
例えば、図10の更新情報に対して、当該ステップST24に来る度に、図10における更新管理情報の1次区画更新管理レコードの並びに順に対応する更新領域内の2次区画更新情報を1つずつ取得する。即ち、レベル2の1次区画(0,0)の更新領域内の2次区画更新情報#0、レベル2の1次区画(0,1)の更新領域内の2次区画更新情報#1、・・・(途中省略)・・・、レベル0の1次区画(4,4)の更新領域内の2次区画更新情報#17、レベル0の1次区画(4,5)の更新領域内の2次区画更新情報#18の順に取得する。
【0095】
[ステップST25]
地図情報記憶部4に記憶された、ステップST24で参照した各々の1次区画更新管理レコードの階層名及びメッシュ座標により示されるそれぞれの1次区画において、ステップST20で取得した更新管理情報の領域識別子が示す更新領域の当該1次区画内の2次区画地図情報を、ステップST24で取得した更新領域内の当該1次区画に対応する2次区画更新情報に書き換えると共に、1次区画地図情報に含まれる1次区画地図情報ヘッダの変更、地図情報記憶部4に記憶された1次区画管理情報に含まれる上記1次区画地図情報に関する情報の変更を行い、ステップST26へ行く。
【0096】
例えば、図10の更新情報に対して、ステップST24に来る度に、順次に、更新領域内の2次区画更新情報#0、#1、・・・(途中省略)・・・、#18を取得して行き、例えば、レベル0の1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9を取得した時、ステップST25では、レベル0の1次区画(2,3)の地図情報記憶部4に記憶された図5の1次区画地図情報#46の詳細を表す図8の2次区画地図情報#2(C)を、ステップST24で取得したレベル0の1次区画(2,3)の更新領域内の2次区画更新情報#9に書き換える。この処理により、図8の1次区画地図情報#46における2次区画地図情報#2(C)が図10の更新領域C内の2次区画更新情報#9(レベル0−(2,3))に書き換えられ、図8の1次区画地図情報#46における2次区画地図情報#2(C)は、最新バージョンの地図情報となる。この時、2次区画地図情報#0(A)及び2次区画地図情報#1(B)は更新されずに前のバージョンのままであり、当該ステップST25により、レベル0の1次区画(2,3)の1次区画地図情報#46は、更新領域Cに属する2次区画の部分のみが最新バージョンに更新される。
【0097】
[ステップST26]
ステップST20で取得した更新管理情報の全ての1次区画更新管理レコードについて、ステップST24及びステップST25の処理を行っていなければ、更新が終了していないとしてステップST24へ戻る。一方、全ての1次区画更新管理レコードについて、ステップST24及びステップST25の処理を行っていれば、更新が終了したとしてステップST27へ行く。
【0098】
[ステップST27]
上記更新に伴い、更新領域のバージョン管理情報を最新の状態に変更する。ステップST20で取得した更新管理情報の更新管理情報ヘッダの中にある領域識別子が示す更新領域について、バージョン管理情報の中の当該更新領域のバージョン管理レコードの記憶地図情報バージョンを、上記更新管理情報の更新管理情報ヘッダの中にある更新バージョンに変更し、ステップST28へ行く。
【0099】
例えば、上記のステップST27の処理により、図6の更新領域のバージョン管理情報の中の更新領域Cのバージョン管理レコード#2(C)に含まれる記憶地図情報バージョンが図10の更新管理情報ヘッダの更新バージョンに変更される。
【0100】
[ステップST28]
更新が終了した旨を出力部6で出力することにより使用者に更新終了通知を行ない、地図更新処理を終了する。
【0101】
以上のようにして、地図情報記憶部4に記憶された各階層の各1次区画地図情報において、更新情報が更新範囲とする更新領域に属するそれぞれの1次区画内の2次区画地図情報のみを最新のバージョンに更新することができる。
【0102】
例えば、図10の更新情報により、図4に示すレベル2の1次区画(0,0)、1次区画(0,1)、1次区画(1,0)、1次区画(1,1)、レベル1の1次区画(1,1)、1次区画(1,2)、1次区画(2,1)、1次区画(2,2)、レベル0の1次区画(2,2)、1次区画(2,3)、1次区画(2,4)、1次区画(3,2)、1次区画(3,3)、1次区画(3,4)、1次区画(3,5)、1次区画(4,2)、1次区画(4,3)、1次区画(4,4)、1次区画(4,5)の地図情報記憶部4に記憶された各1次区画地図情報は、更新領域Cに属するそれぞれの1次区画内の2次区画地図情報のみが最新のバージョンに更新される。
【0103】
実施の形態2.
この発明に係る実施の形態2は、実施の形態1において、更新情報における更新領域内の2次区画更新情報を、その階層のその2次区画について、地図情報記憶部4に記憶されたバージョンの上記階層のその2次区画の2次区画地図情報と、最新版バージョンの上記階層のその2次区画の2次区画地図情報との差分を表す情報としたものである。例えば、図10のレベル0の1次区画(2,3)の更新領域Cの2次区画更新情報#9として、地図情報記憶部4に記憶されたバージョンの図8の更新領域Cの2次区画地図情報#2(C)の地図情報記憶部4に記憶されたバージョンと、その最新バージョンとの差分を表す情報が記憶される。このように、更新領域内の2次区画更新情報が差分で表されるため、更新情報のデータ容量はより小さいものとなる。
【0104】
また、図13は、実施の形態2の更新情報における更新管理情報ヘッダの例で、実施の形態1の更新管理情報ヘッダに更新対象バージョンを追加したものである。更新対象バージョンとしては、当該更新情報が更新の対象とするバージョンを設定する。
【0105】
また、地図情報処理装置の動作を、図12のステップST21及びステップST25以外は実施の形態1と同じとし、図12のステップST21を以下に説明するステップST21aに、図12のステップST25を以下に説明するステップST25aに置き換えたものである。
【0106】
[ステップST21a]
地図情報記憶部4に記憶されている更新領域のバージョン管理情報の中から、ステップST20で取得した更新管理情報の中の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に一致する領域識別子を有する更新領域のバージョン管理レコードを求める。次に、その更新領域のバージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新対象バージョンとを比較し、一致しなければ、地図情報記憶部4の地図情報は更新の対象で無いため、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。一方、バージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新対象バージョンとが一致した場合は、上記バージョン管理レコードの中の記憶地図情報バージョンと図13に示す更新管理情報ヘッダの更新バージョンとを比較し、更新バージョンが記憶地図情報バージョンと同じ又は古い場合は、更新情報は適正で無いとしてステップST22へ行く。それに対し、更新バージョンが記憶地図情報バージョンより新しい場合は、更新情報は適正として、ステップST23へ行く。
【0107】
[ステップST25a]
地図情報記憶部4に記憶された、ステップST24で参照した各々の1次区画更新管理レコードの階層名及びメッシュ座標により示されるそれぞれの1次区画において、ステップST20で取得した更新管理情報の領域識別子が示す更新領域の当該1次区画内の2次区画地図情報を、ステップST24で取得した更新領域内の当該1次区画に対応する2次区画更新情報により差分更新すると共に、1次区画地図情報に含まれる1次区画地図情報ヘッダの変更、及び地図情報記憶部4に記憶された1次区画管理情報に含まれる上記1次区画地図情報に関する情報の変更を行い、ステップST26へ行く。
【0108】
以上のように、更新領域内の2次区画更新情報が差分で表されているため、データ容量がより小さい更新情報により地図情報の更新ができる。
【0109】
上記実施の形態1及び上記実施の形態2において、更新情報記憶媒体としてメモリカードを使用した場合を説明したが、例えば、リムーバルハードディスクのような他の更新情報記憶媒体を用いても同様の効果が得られるのは言うまでも無い。
【0110】
また、更新情報の取得手段として、メモリカードリーダによりメモリカードの更新情報を読み取るようにしたが、通信手段を用いて外部から更新情報を取得するようにしても同様の効果が得られるのは言うまでも無い。
【0111】
また、同一階層において、メッシュ状に分割して区画化する際に、実施の形態1乃至3においては、区画化により形成された1次区画が全て同じ大きさである場合を例に説明したが、地図情報のデータサイズが所定値を超える1次区画では、更に小さな1次区画に分割して区画化しても良い。
【0112】
また、以上では、1つの記憶媒体に1つの更新領域を更新対象範囲とする更新情報を記憶するようにした場合について説明したが、1つの記憶媒体に複数の更新領域を更新対象範囲とする更新情報を記憶するようにしても良い。
【0113】
また、ステップST21において、更新バージョン、更新対象バージョンと記憶地図情報バージョンを比較することにより更新情報の適正の判定を行ったが、更新管理情報の更新管理情報ヘッダにある領域識別子に対応する更新領域の出力部6の地図表示画面上への強調表示や、更新領域の名称である領域名、更新バージョン、更新対象バージョン、及び記憶地図情報バージョンの表示を行い、使用者が所要する更新情報であるか否かを確認し、その確認した結果を使用者が入力部1に入力し、入力部1に入力された情報に基づいて更新情報が適性か否かを判定するようにしても良い。
【0114】
また、上記実施の形態1及び上記実施の形態2において、作成範囲が経線及び緯線により囲まれた矩形領域であるとみなして説明したが、高緯度の地域のように、矩形領域とみなせない場合においても、本願発明に係る技術的思想は適用可能で、同様の効果を奏する。その場合は、作成範囲は例えば曲線の経線及び曲線の緯線により囲まれた2次元の平面領域ないしは3次元の曲面領域となる点だけが相違する。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】階層化され、各階層の作成範囲がメッシュ状に分割された地図情報の例である。
【図3】作成範囲内に更新領域が存在する様子を示した地図情報の例である。
【図4】メッシュ状に分割され区画化された作成範囲の地図情報が、さらに更新領域A、B、C、D、E、及びFで区画化された地図情報の例である。
【図5】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画地図情報の例である。
【図6】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における更新領域に関するバージョン管理情報の例である。
【図7】レベル0、レベル1、及びレベル2の階層からなる地図情報における1次区画管理情報の例である。
【図8】階層がレベル0の作成範囲の中のメッシュ座標が(i,j)=(2,3)の1次区画(2,3)に対応する1次区画地図情報#46の内容を説明するための説明図である。
【図9】1次区画内の2次区画地図情報の例である。
【図10】更新範囲を更新領域Cとしたときの更新情報の例である。
【図11】この発明に係る実施の形態1の地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】ステップST11の地図更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】この発明に係る実施の形態2の更新情報における更新管理情報ヘッダの例である。
【符号の説明】
【0116】
1 入力部
2 位置検出部
3 更新情報取得部
4 地図情報記憶部
5 プロセッサ
6 出力部
51 地図情報処理手段
52 更新手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報と、を記憶する地図情報記憶手段と、
前記複数の更新領域のうちのいずれかの更新領域に対応する更新情報と前記1次区画管理情報とに基づいて、前記地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報のうちの前記いずれかの更新領域に対応する2次区画地図情報を更新することで、前記地図情報を更新する更新手段と、
更新された前記地図情報に含まれる所要の1次区画に対応する前記1次区画管理情報に基づいて、地図情報処理を行う地図情報処理手段と、
を備える地図情報処理装置。
【請求項2】
更新情報は、複数の更新領域のうちの更新手段によって更新される更新領域に含まれる2次区画に対応する2次区画更新情報を含むものであって、
更新手段は、前記2次区画に対応する2次区画地図情報を前記2次区画更新情報に基づいて更新すること
を特徴とする請求項1に記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
更新情報を取得する更新情報取得手段をさらに備え、
前記更新情報は更新情報記憶媒体に記憶されていること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
更新情報を取得する更新情報取得手段をさらに備え、
前記更新情報は通信手段を介して提供されること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
地図情報は互いに異なる縮尺で階層化された複数の階層を有し、
更新手段は、前記複数の階層のそれぞれの作成範囲に対して、複数の更新領域のうちの同一の更新領域に対応する更新情報に基づいて更新すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
2次区画更新情報は、更新手段によって更新される前の地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報であること
を特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
2次区画更新情報は、更新手段によって更新される前の地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報と、前記記憶された2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報との差分に基づく差分更新情報であること
を特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
更新領域は、行政区域または地方としたこと
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、
前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報と、
を記憶する地図情報記憶媒体。
【請求項10】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報のうちで、前記複数の更新領域のうちのこれから更新される更新領域に含まれる2次区画に対応すると共に、更新される前の2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報を更新情報として記憶する更新情報記憶媒体。
【請求項1】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報と、を記憶する地図情報記憶手段と、
前記複数の更新領域のうちのいずれかの更新領域に対応する更新情報と前記1次区画管理情報とに基づいて、前記地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報のうちの前記いずれかの更新領域に対応する2次区画地図情報を更新することで、前記地図情報を更新する更新手段と、
更新された前記地図情報に含まれる所要の1次区画に対応する前記1次区画管理情報に基づいて、地図情報処理を行う地図情報処理手段と、
を備える地図情報処理装置。
【請求項2】
更新情報は、複数の更新領域のうちの更新手段によって更新される更新領域に含まれる2次区画に対応する2次区画更新情報を含むものであって、
更新手段は、前記2次区画に対応する2次区画地図情報を前記2次区画更新情報に基づいて更新すること
を特徴とする請求項1に記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
更新情報を取得する更新情報取得手段をさらに備え、
前記更新情報は更新情報記憶媒体に記憶されていること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
更新情報を取得する更新情報取得手段をさらに備え、
前記更新情報は通信手段を介して提供されること
を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
地図情報は互いに異なる縮尺で階層化された複数の階層を有し、
更新手段は、前記複数の階層のそれぞれの作成範囲に対して、複数の更新領域のうちの同一の更新領域に対応する更新情報に基づいて更新すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
2次区画更新情報は、更新手段によって更新される前の地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報であること
を特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
2次区画更新情報は、更新手段によって更新される前の地図情報記憶手段に記憶された2次区画地図情報と、前記記憶された2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報との差分に基づく差分更新情報であること
を特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
更新領域は、行政区域または地方としたこと
を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報と、
前記1次区画毎に設けられ、前記2次区画を前記1次区画に対応付けて前記2次区画地図情報を管理する1次区画管理情報と、
を記憶する地図情報記憶媒体。
【請求項10】
地図情報の作成範囲がメッシュ状に分割されることによって複数の1次区画に区画化されると共に、前記複数の1次区画の各々が前記1次区画とは異なる所定形状の領域であってかつそれぞれが前記地図情報を更新する最小単位領域である複数の更新領域によって複数の2次区画に区画化され、前記複数の1次区画の各々に含まれる前記複数の2次区画のそれぞれに対応する2次区画地図情報のうちで、前記複数の更新領域のうちのこれから更新される更新領域に含まれる2次区画に対応すると共に、更新される前の2次区画地図情報よりも新しいバージョンの2次区画地図情報を更新情報として記憶する更新情報記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−145931(P2010−145931A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325669(P2008−325669)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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