地図表示方法及び装置並びにその装置を備えたナビゲーション装置
【課題】地形・道路等の三次元の地図情報に基づいて立体的な地図を表示するナビゲーション装置において、走行道路に起伏が存在しても、自車の移動に伴って視点高度や視線を再設定することにより、スムーズに景観を更新するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】現在位置検出部3-5により自車の現在位置が更新されると、自車付近の地図データをデータ読み込み部3-7を介して地図データベース1-3から読み込み、該地図データに含まれている自車周辺の地形高度データを参照し、視点設定部3-11により前記地形高度よりも高い位置に視点を再設定した後、表示処理部3-10により座標変換を行って、前記設定した視点から眺めた透視地図を表示する。
【解決手段】現在位置検出部3-5により自車の現在位置が更新されると、自車付近の地図データをデータ読み込み部3-7を介して地図データベース1-3から読み込み、該地図データに含まれている自車周辺の地形高度データを参照し、視点設定部3-11により前記地形高度よりも高い位置に視点を再設定した後、表示処理部3-10により座標変換を行って、前記設定した視点から眺めた透視地図を表示する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地図表示方法及び装置並びにその装置を備えたナビゲーション装置に係り、特に、自動車等の移動体の現在値に応じて地図データベースから地図情報を選択して、地表面に対して所定の角度を成す方向で眺めた透視地図を表示するナビゲーション装置に用いて有益な立体地図表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CD−ROM等の記憶媒体に記録されたディジタル地図データを読み出して画面上に建物や道路等の地図を表示し、GPS等のセンサにより検出した現在位置と目的地への方向を該地図上に表示して走行の便宜を図るナビゲーション装置が知られている。
【0003】最近のナビゲーション装置では、自車の現在値付近の地図情報をよりわかりやすく提示する目的で、特開平2−244188号公報にも例示されているように、二次元の地図情報を座標変換して、疑似的に三次元表示する疑似三次元表示手法が用いられている。この疑似三次元表示では、自車上空の所定位置に視点を設定し、地表に対し鋭角をなす視線方向に見た透視図を表示するので、二次元の地図情報でありながら、立体的な感覚をユーザに与えることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術による疑似三次元表示は二次元的な地図情報に基づいており、平坦な地表面を基準に視点が配置されている。このため、二次元的な地図情報の代わりに、地形の標高に関する情報を含んだ三次元的な地図情報を用いて上述した立体地図表示方法を実施する場合には、不具合が起こる場合がある。
【0005】すなわち、三次元的な地図情報には山やビル等の高さ方向の起伏に関する情報が含まれており、疑似三次元と同じように地表面(海抜0メートル)を基準に視点高度をとると、その高さによっては、地表面よりも突出した山中等に視点が位置することも考えられる。このような場合には、表示画面に自車が表示されない等の不具合が起こり、ナビゲーション処理が不能になる場合もあるという問題がある。
【0006】本発明は上記のような問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、地形、道路、構造物等の地図構成要素の平面位置を示す情報と共に少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報を含んでいる三次元の地図データを用いた、立体的な地図表示を可能とする地図表示方法及び装置を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、立体的な地図を表示する機能を有するナビゲーション装置において、地形や道路に起伏が存在しても、移動体の移動に伴ってスムーズに表示内容を更新することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、移動体の現在位置に対応して設定された領域内の地図情報を地図データベースから読み込み、当該地図情報について座標変換処理を実行することで、予め設定された視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記透視地図を生成する際に用いる視点の高度は、前記移動体の現在位置に対応して設定された位置に存在する地図構成要素の高度より高い位置に設定されると共に、当該移動体の移動に伴って更新されるものであることを特徴とする地図表示方法により達成される。
【0009】また、上記目的は、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示する地図表示方法において、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報が含まれるものであって、前記透視地図を生成する際の視点の高度は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報がある場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に設定されると共に、新たな位置情報が入力される度に当該視点高度の設定動作が繰り返されることを特徴とする地図表示方法により達成される。
【0010】また、上記目的は、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを出力する地図表示装置において、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点の高度に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記視点設定部は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記設定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置により達成される。
【0011】また、上記他の目的は、地図データベースと、現在位置検出装置と、自車の現在位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成する地図表示装置と、ディスプレイ装置とを備えるナビゲーション装置において、前記地図表示装置は、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記視点設定部は、前記検出した自車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記決定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とするナビゲーション装置により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】本実施形態によるナビゲーション装置は、自動車に搭載されて使用されるもので、例えば図1に示すように、演算処理部(1-1)、ディスプレイ装置(1-2)、地図データベース(1-3)、音声入出力装置(1-4)、および、入力装置(1-5)を備えている。
【0014】演算処理部(1-1)は後述する(1-7)〜(1-10)の各種センサから出力される情報を基に現在位置を検出し、得られた現在位置情報から、表示に必要な地図情報を地図データベース(1-3)から読み込んでグラフィックス展開し、該グラフィックス展開した地図上にセンサ(1-7)〜(1-10)から検出した自車の現在位置を現在地マークとして重ねてディスプレイ(1-2)へ表示したり、入力装置(1-5)によりユーザが指定した地点(例えば現在地と目的地)を結ぶ最適な道路を算出し、音声入出力装置(1-4)やディスプレイ装置(1-2)を用いてユーザに通知しながらを経路を誘導する、等といった様々な処理を行う中心的なユニットである。
【0015】ディスプレイ装置(1-2)は、演算処理部(1-1)で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットで、CRTや液晶ディスプレイ等で構成される。また演算処理部(1-1)とディスプレイ(1-2)間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0016】地図データベース(1-3)は、CD-ROMやICカード、DVD(DigitalVideo Disc)といった大容量記憶媒体で構成され、必要とする地図データの読み出し/書き込み処理を行う。また音声入出力装置(1-4)は、演算処理部(1-1)が生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力すると共に、ユーザが発した声を認識し演算処理部(1-1)にその内容を転送する処理を行う。入力装置(1-5)は、以下に説明するようなユーザからの各種指示を受け付けるユニットで、表示地図のスクロールキー、表示地図の縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0017】本実施形態の装置は、さらに、移動体ナビゲーションで位置を検出するために使用するセンサとして、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定する車輪速センサ(1-7)、地球が保持している磁場を検知し移動体が向いている方角を検出する方位センサ(1-8)、光ファイバジャイロや振動ジャイロといった移動体が回転した角度を検出するジャイロ(1-9)、および、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行方向及び進行方位を測定するGPS受信装置(1-10)を備えている。
【0018】本実施形態の装置は、さらに、道路の渋滞情報、工事、通行止めといった規制情報や駐車場情報といった交通情報を発するビーコン送信機やFM多重放送から送られる信号を受信する交通情報受信装置(1-11)を備える。また、車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、点灯しているライトの種類と状況、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける車内LAN装置(1-6)を備える。
【0019】演算処理部(1-1)のハードウェア構成の一例を図2に示す。
【0020】演算処理部(1-1)は、以下に説明する各デバイス間がバスで接続された構成となる。各構成デバイスとしては、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(2-1)、地図や演算データを格納するRAM(2-2)、プログラムやデータを格納するROM(2-3)、高速にメモリとメモリ間及びメモリと各デバイス間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)(2-4)、ベクトルデータを画素情報に展開するといったグラフィックス描画を高速に実行し、かつ表示制御を行う描画コントローラ(2-5)、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(2-6)、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット(2-7)、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(2-8)、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(2-9)、パラレル信号と同期をとりバス上にのせるPIO(2-10)、パルス信号を積分するカウンター(2-11)で構成される。
【0021】上述したようなハードウエア構成の演算処理部(1-1)が実現する機能構成を図3に示す。以下、各構成要素について説明する。
【0022】現在位置算出部(3-5)は、車輪速センサ(1-7)で計測される距離パルスデータS5、及びジャイロ(1-9)で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データ及び角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から移動体走行後の位置(X’,Y’)を演算する処理を行う。ここで、移動体の旋回した角度と進む方位の関係を一致させるため、方位センサ(1-8)から得られる方位データS6と、ジャイロ(1-9)から得られる角加速度データS7を積分した角度データで、移動体が進行している方向の絶対方位を補正する。また上述したセンサから得られたデータを積分していくとセンサの誤差が蓄積するため、ある時間周期でGPS受信装置(1-10)から得られた位置データS8をもとに、蓄積した誤差をキャンセルするという処理を施し、現在位置情報を出力する。
【0023】このようにして得られた現在位置情報にはセンサの誤差が含まれているため、さらに位置精度を高めることを目的に、マップマッチ処理(3-6)を行う。これは、データ読込部(3-7)によって読み込まれた現在地周辺の地図に含まれる道路データと、現在位置算出部(3-5)から得られた走行軌跡を互いに照らし合わせ、形状の相関が最も高い道路に現在地を合わせ込むという処理である。マップマッチ処理を施すことで現在地は多くの場合走行道路と一致するようになり、精度よく現在位置情報を出力することができる。
【0024】このようにして演算された現在位置情報は、所定距離走行する度に軌跡記憶部(3-8)に記憶される。軌跡データは、これまで走行してきた道路につき、対応する地図上の道路に軌跡マークを描画するために用いられる。
【0025】一方、コマンド解析部(3-1)は、ユーザからの要求を入力装置(1-5)で受け、その要求内容を解析し、対応する処理が実行されるよう各ユニットを制御する。例えばユーザが目的地までの経路誘導を要求したときは、目的地を設定するため地図を表示する処理を表示処理部(3-10)に要求し、さらに現在地から目的地までの経路を演算する処理を経路計算部(3-2)に要求する。
【0026】経路計算部(3-2)は、ダイクストラ法等を用いて指定された地点間の経路を地図データから検索し、経路記憶部(3-3)に蓄える。このとき、指定された地点間の距離が最短になる経路、もしくは最短時間で到達可能な経路、あるいは最もコストが安くなる経路等をそれぞれ求めることも可能である。
【0027】経路誘導部(3-4)は、経路記憶部(3-3)に蓄えられた誘導経路のリンク情報と現在位置算出部(3-5)及びマップマッチ処理部(3-6)で求められる自車の現在位置情報を比較し、交差点等を通過する所定時間前に直進すべきか、右左折すべきかを音声入出力装置(1-4)を用い音声でユーザに通知したり、ディスプレイ(1-2)上に表示された地図上に進行すべき方向を表示し、ユーザに経路を通知する。
【0028】データ読込部(3-7)は、要求された領域の地図データを地図データベース(1-3)から読み込み準備するように動作する。
【0029】視点設定部(3-11)は本発明の特徴的構成の一つであり、本発明による地図表示方法において設定すべき変数である、視点、視線、視野角等を設定する。
【0030】表示処理部(3-10)は、表示が要求された地点周辺の地図データをデータ読込部(3-7)から受け取り、視点設定部(3-11)で設定された視点/視線/視野角等と、コマンド解析部(3-1)等で指定された縮尺、描画方法、描画方位等でグラフィック展開しVRAM(2-6)に転送する。メニュー表示部(3-9)は、コマンド解析部(3-1)から出力される命令を受け、要求される様々な種類のメニューやマークを表示処理部(3-10)に転送し、地図に重ねて表示する。
【0031】本実施形態の装置によって表示される、地形・道路等の地図情報の一部を展開した立体地図の表示例(4-1)を図4に示す。ここで、(4-2)は地形高度データ(標高データ)に基づいて描いた山、(4-3)は一定幅でライン描画された道路である。(4-4)は自車の現在位置を示すマークである。表示例(4-1)は、センサ系から出力された自車の現在位置に基づいて地図データベース(1-3)から自車付近の地図データを読み込み、本発明による方法によって自車上空に視点を設定して、該視点からの景観(透視地図)を表示したものである。
【0032】図4のような立体地図を表示する際のデータフローの一例を図5に示す。
【0033】現在位置検出部(3-5)にて検出された自車の現在位置に基づいて、データ読み込み部(3-7)は地図データベースから自車周辺の地図データを読み込む。視点設定部(3-11)は、現在位置検出部(3-5)にて検出された自車の現在位置とデータ読み込み部(3-7)から読み込んだ地形・道路・建物等の地図データを読み込み、立体地図表示の際に設定すべき、視点、視線、視野角等の変数を設定する。
【0034】表示処理部(3-10)は、視点設定部(3-11)が設定した視点、視線、視野角に基づいて該自車周辺の地図データを座標変換し、透視地図を表示する。ここで図3では、マップマッチ処理部(3-6)により精度を高めた自車の現在位置を視点設定部(3-11)及び表示処理部(3-10)に入力するものとして説明したが、ここでは、現在位置検出部(3-5)の検出精度が高いと仮定してマップマッチ処理を省略した。
【0035】本実施形態の表示方法で使用される座標変換処理を図6を参照して説明する。
【0036】海抜0メートルの地表上(6-4)に位置する地形(6-2)を、一連の座標変換処理によって、視点(6-1)と地形(6-2)の間に設定したスクリーン(6-3)に投影することにより透視地図(6-6)を生成する。ここで行なわれる一連の座標変換処理とは、例えば、地図データが物体座標系で表わされている場合、この地図データをワールド座標系に変換する第1の変換処理、該第1の変換処理結果を視点(6-1)を原点とする視点座標系へ変換する第2の変換処理、該第2の変換処理結果をスクリーン(6-3)に投影するためにスクリーン座標系に変換する第3の変換処理から構成される。
【0037】上記一連の座標変換処理によれば、視点(6-1)と地形(6-2)との位置関係に応じて、地形の一部分(6-5)の透視地図(6-6)が作成される。本実施形態では、このようにして作成された透視地図(6-6)のデータを用いて、地形の一部分(6-5)をその上空から眺めた場合に得られる景色を示すための画像イメージ(以下景観図と呼ぶ)を生成し、これをディスプレイ上に表示する。
【0038】なお、本明細書では、海抜0メートルの地表とは図6に示すような平面状の地表(6-4)を指し、単に地表とした場合には地形(6-2)の表面を指すものとする。
【0039】本実施形態の視点設定部(3-11)での処理例を図7及び図8により説明する。図7は本処理手順のフローチャートであり、図8は図7を補足説明するための補足説明図である。ここでは自車位置が(8-1)にある場合を想定して説明する。
【0040】まず、現在位置検出部(3-5)あるいはマップマッチ処理部(3-6)を経由して出力された自車の現在位置(8-1)を参照し(ステップ7100)、地図データ読込部(3-7)から読み込んだ地形高度データ(標高データ)に基づいて自車の現在位置の高度(標高値)htを算出する(ステップ7200)。ここで、自車の現在位置を検出するGPS信号の高度方向のデータの精度が高い場合は、ステップ7200が不要となることもある。
【0041】次に、自車高度htに所定高度Yを加算し、自車高度htよりも高い位置に視点高度yvを設定する(ステップ7300)。ここで設定した視点高度yvと自車の所定距離後方Lの地点の標高値hvとを比較し、前記視点が地表上にあるかどうかを確認する(ステップ7400)。
【0042】地表上に設定されていれば(ステップ7400でY)、自車の所定距離後方Lの地点に高度yvの視点(8-2)を設定し(ステップ7600)、自車位置(8-1)をターゲットに視線方向を設定し(ステップ7700)する。視点(8-2)が地表下の場合(ステップ7400でN)は、hv以上の値となるようにyvに設定し(ステップ7500)、その後ステップ7600へ進む。
【0043】このように、本処理では、自車が移動しても視点が必ず地表の上空に位置するように、視点高度を再設定していく。
【0044】また、図8に示すように自車位置が(8-1)から(8-3)に移動しても、自車と視点の間の高度を固定値Yにして視点高度yv(8-3の地点ではyv’)を設定する等、自車位置と視点との相対的な位置関係が固定になるようにする構成としても良い。
【0045】上記図7の処理に従えば、通常は前記相対的な位置が保たれ、かつ、地形の起伏が大きい場所では、上記ステップ7500のような例外処理を実行することにより、視点が地表下にならないようにできる。
【0046】なお、本実施形態による視点高度の設定方法は、地形高度や道路高度が海抜0メートル以下、すなわちマイナスである場合にも、上記と同じように適用することができるのは言うまでもない。
【0047】次に、本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図9を参照して説明する。
【0048】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、自車の移動に伴い視線を変更することによって、自車と自車周辺の景観を表示する処理を付加したもので、本処理のステップ7110、7210、7710はそれぞれ、上記図7のステップ7100、7200、7700と同じ処理である。ただし本実施形態では、自車位置が上記図8の位置(8-3)にある場合を想定して説明する。
【0049】本処理では最初、自車の現在値を参照し(ステップ7110)、自車高度ht+dtを算出し(ステップ7210)、前回の視点(8-2)を参照し(ステップ7211)、前回の視点(8-2)と自車位置(8-3)との間の距離dを算出する(ステップ7212)。
【0050】次に、距離dがあらかじめ決めておいた距離範囲内にあるかどうかを判断し(ステップ7213)、当該範囲内ならば(ステップ7213でY)、視点を固定したまま(ステップ7214)、視線のみ自車方向になるように変更する(ステップ7710)。また、距離dが上記距離より大きい場合(ステップ7213でN)には、上記図7のステップ7300へ進む。
【0051】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図10を参照して説明する。
【0052】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、自車付近の起伏の度合いにより視点高度の更新の必要性を判断しながら視点高度を設定する処理を付加したもので、本処理のステップ7110、7210、7710はそれぞれ、上記図7のステップ7100、7200、7700と同じ処理である。ただし本実施形態では、自車位置が上記図8の位置(8-3)にある場合を想定して説明する。
【0053】本処理では最初、自車の現在位置(8-3)を参照し(ステップ7110)、自車高度ht+dtを算出し(ステップ7210)、前回の視点高度yvを参照し(ステップ7211)、自車の位置する地形高度ht+dtと前回の視点高度との差分Δhを計算し(ステップ7221)、該差分Δhが所定値内であるかどうかを判断する(ステップ7222)。
【0054】差分Δhが所定値内であれば(ステップ7222でY)、前回の視点高度を維持したまま視点(8-4)を設定し(ステップ7223、7710)、そうでなければ、ステップ7300へ進む。
【0055】本処理は自車の移動に応じて実行する必要がある。本処理例以外に、地図を所定領域のメッシュ毎に分割して該メッシュ毎に地形(標高)の変化(最大および最小標高)値から、該メッシュ内では視点高度を固定にすることも可能である。また、あらかじめ走行予定道路の起伏から、視点高度を固定にする区間を求めておくことように構成しても良い。
【0056】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図11、図12を用いて説明する。
【0057】本実施形態の処理では、上述の各実施形態において自車の後方上空に設置した視点を、自車の車内に設置するものである。具体的には、図11に示すように、海抜0メートルから標高値h上の地上を走行する自車(11-1)の内部に設定した視点(11-2:以下車内視点と呼ぶ)の高度を、自車地点の標高値hと所定高度Yiとを加算して決定する。
【0058】本実施形態での処理手順は、上記図7の処理と同様で、上記ステップ7300の所定高度YをYiに置き換えれば、本実施形態での車内視点を設定することができる。この方法によれば、車内視点の場合は、上記ステップ7300で必ず地上にとられるので、上記ステップ7400および7500は省略できる。
【0059】また、所定高度Yiを可変としておき、ユーザが入力装置(1-5)により車種や車体高度等を入力あるいは選択することにより、所定高度Yiが設定および変更が可能であるよう構成しても良い。
【0060】図12は、車内視点における交差点付近の表示例(12-1)である。表示例(12-1)では、フロントガラス枠(12-2)やバックミラー(12-3)等、運転者が車内から車外を見た場合に見える車体構造の一部に対応する形状データを、地図データベース(1-3)あるいはROM(2-3)等の記憶装置に記憶しておき、車内視点からの景観に重ね合わせて表示している。
【0061】このように車の構造の一部を景観に併せて表示することにより、実際に車の中から眺める風景と表示上の道路や建物の位置関係がとりやすく、視認性が高められる。また、車構造のうちどの部分を表示するか否かを、入力装置(1-5)を介して選択可能とする構成としても良い。また、表示の際に透過処理を行なうことで、透明感ある表示も可能である。
【0062】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図13を参照して説明する。
【0063】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザが入力した視点高度に応じて視点の位置を車内あるいは車外に切り替える処理を付加したものである。また、本実施形態では、入力装置(1-5)において視点高度を例えば段階的に選択あるいは切替可能な構成を備えるものとする。
【0064】本処理では、ユーザが指定した視点高度yvを参照し(ステップ1310)、該視点高度yvが所定高度Y1よりも小さいかどうかを判断し(ステップ1320)、Y1より小さい場合は、上記図11の方法で車内視点における視点高度をyvに設定し(ステップ1330)、自車の進行方向に視線を設定する(ステップ1340)。
【0065】上記ステップ1320で視点高度yvがY1以上の場合は、該視点高度yvが所定高度Y2を越えるかどうかを判断し(ステップ1350)、Y2を越える場合は、視線方向を海抜0メートルの地表面(6-4)に垂直に視線を設定する(ステップ1360)。視点高度yvがY1≦yv≦Y2の場合は、上記図7のステップ7200〜7700により視点高度および視線を設定する。
【0066】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図14を参照して説明する。
【0067】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザが入力した地図の表示尺度に応じて視点の位置を車内あるいは車外に切り替える処理を付加したものである。また、本実施形態では、入力装置(1-5)において地図の表示尺度を例えば段階的に選択あるいは切替可能な構成を備えるものとする。また、本実施形態の処理において、ステップ1430、1440、1460はそれぞれ、上記図13の処理のステップ1330、1340、1360と同じ処理である。
【0068】本処理では、ユーザが指定した表示尺度sを参照し(ステップ1410)、該表示尺度sが所定尺度S1よりも小さいかどうかを判断し(ステップ1420)、S1より小さい場合は、上記図11の方法で車内視点における視点高度をyvに設定し(ステップ1430)、自車の進行方向に視線を設定する(ステップ1440)。
【0069】上記ステップ1420で表示尺度sがS1以上で、かつ、所定尺度S2を越えるかどうかを判断し(ステップ1450)、所定尺度S2を越える場合は、視線方向を海抜0メートルの地表面(6-4)に垂直に視線を設定する(ステップ1460)。表示尺度sがS1≦s≦S2の場合は、上記図7のステップ7200〜7700により視点高度および視線を設定する。
【0070】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態について図15を参照して説明する。
【0071】本実施形態の処理は、ディスプレイ(1-2)の表示形態等に応じたユーザからの指令により、地図表示の際の視野角が切替を可能とする処理を付加した例であり、入力装置(1-5)において、例えばワイド/ノーマルの一方を選択することで視野角の設定を可能とする構成を備えている。
【0072】本処理では最初、ユーザが指定した視野角を参照して(ステップ1510)、ワイドに表示するかノーマルに表示するかを判断する(ステップ1520)。ノーマル指定の場合はデフォルトの視野角値を設定し(ステップ1530)、ワイド指定の場合は該デフォルト値より広い視野角値を設定し(ステップ1540)、その後、上記図7のステップ7200へ進み、視点及び視線方向を設定する。
【0073】ワイド指定の場合は、例えば上記図12の表示例(12-1)に示すように表示サイズを変更して横長の表示しても良い。また、上述した図13や図14で述べられた車内視点および車外視点の切替処理に応じて、視野角を切り替える構成としても良い。
【0074】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図16、図17を参照して説明する。
【0075】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザの指定による三次元表示と疑似三次元表示との表示方法の切替に応じて視点を切り替える処理を付加したものである。ここで、三次元表示とは標高などの高度情報を含む地図情報を用いて立体的な三次元地図を表示する方法を指し、擬似三次元表示とは二次元の地図情報を透視変換して遠近感を与えるように表示する方法を指す。
【0076】また、本実施形態の入力装置(1-5)においては、ユーザにより三次元表示と疑似三次元表示が選択可能な構成とする。また、本実施形態の処理のうちステップ7710は、上記図7のステップ7700と同じ処理である。
【0077】本処理では、ユーザが指定した表示方法を参照し(ステップ1610)、三次元で表示するか疑似三次元で表示するかを判断する(ステップ1620)。三次元表示の場合は、上記図7のステップ7200へ進み、ステップ7200〜7700の手順に従い、図17(a)に示すように、自車(8-3)の地形高度htと所定高度Yとから視点高度yvを設定し、自車の所定距離L後方に該視点高度で視点(8-4)を設定する。疑似三次元表示の場合は、自車(17-1)の所定距離L後方に海抜0メートルの地表平面(6-4)から所定高度Yの位置に視点(17-2)を設定し(ステップ1630)、該視点から自車方向へ視線を設定する(ステップ7710)。
【0078】表示処理部(3-10)は、ユーザにより選択された表示方法を用いた、上述した処理によって設定された視点による透視地図を表示するためのグラフィックスデータを生成して、ディスプレイ部(1-2)へ出力する。
【0079】また、本処理での表示方法切替において、海抜0メートルの地表平面(6-4)からの距離Yが固定になるように切り替える構成としても良い。
【0080】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図18を参照して説明する。
【0081】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザによるスクロールの選択に応じて視点を上記図17R>7の(8-4)または(17-2)の位置に切り替える処理を付加したものである。本実施形態の入力装置(1-5)においては、ユーザによるスクロールの指定操作を受け付けることが可能な構成を備えている。また、本実施形態の処理におけるステップ7110は、上記図7のステップ7100と同じ処理である。
【0082】本処理では、自車の現在位置を参照し(ステップ7110)、ユーザがスクロールを指定したかどうかを判断する(ステップ7111)。スクロールが指定された場合には、上記図17(b)のように海抜0メートルの地表面から所定の高さに視点(17-2)を設定し(ステップ7112)、該視点からスクロール方向へ視線を設定する(ステップ7113)。
【0083】本実施形態において視点設定部(3-11)は、入力装置(1-5)等に設けられたスクロールボタンが押下されている間、海抜0メートルを基準に視点高度を設定する。スクロールボタンを押し続けると徐々に表示更新する処理速度をアップする。また、所定時間を経過したら一定速度で表示を更新するような表示制御を実行する場合は、上記ステップ7111において、該スクロールスピードまたはスクロールが押下された時からの経過時間が、所定値を越えたかどうかを判断させ、前記視点の切替を実行する構成としても良い。
【0084】本発明で用いる地図データベース(1-3)のデータ構成の一例を説明する。
【0085】本例の地図データは、図19に示すように、データ管理部(19-1)とデータ部(19-2)とを備えて構成されている。この地図データは、例えば一定間隔の経緯線によって地域を分割した「標準地域メッシュ」単位で管理される。該地域メッシュには、メッシュコードといわれる識別番号が付けられる。
【0086】データ管理部(19-1)では該メッシュ分の管理テーブルを持ち、各々の管理テーブルには、メッシュコード(19-3)、属性情報(19-4)、標高データ管理部(19-5)、道路データ管理部(19-6)、建物データ管理部(19-7)等が記憶されている。
【0087】属性情報(19-4)には、地図尺度や地図データの作成年月、図葉名等が記録される。標高データ管理部(19-5)には標高データ(19-8)へのリンク先が記憶される。標高データ(19-8)は等間隔にサンプリングされた該メッシュ内部の標高値が記憶され、これに基づいて地形を表示することができる。
【0088】同様に道路データ管理部(19-6)には道路データ(19-9)へのリンク先が記憶される。道路データ(19-9)には交差点(以下、ノードと呼ぶ)を結ぶリンク情報、ノード座標、有料道路・国道等の属性情報と道路の高さ情報等が記憶されている。さらに建物データ管理部(19-7)には建物データ(19-10)へのリンク先が記憶される。建物データ(19-10)には建物の名称や形状、建物の高さ情報等の情報が記憶されている。
【0089】各データ管理部(19-5)〜(19-7)および各データ(19-8)〜(19-10)に記憶されている道路/建物高さ情報において、対応するデータが未記憶でリンク先がない場合は、その旨を認識させるための識別コードが記憶される。
【0090】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図20〜22を参照して説明する。
【0091】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、上記図19で説明したフォーマットから成る地図データベース(1-3)を読み込んで得られる、上述したような識別コードに応じて視点を変更する処理を付加するものである。
【0092】図20は、地形高度情報(標高データ)の存在を識別して視点を変更する処理の一例である。本処理において、ステップ7110、7710、およびステップ7123はそれぞれ、上記図7の7100、7700、および上記図16のステップ1630と同じ処理である。
【0093】すなわち、ステップ7110で参照した自車の現在位置に基づき、自車付近に該当する地域メッシュの地図管理情報(19-3)〜(19-7)を地図データベース(1-3)から読み込み、その内容を参照する(ステップ7121)。さらに、読み込んだ地図データの標高データ管理部(19-5)にて、当該メッシュに地形高度情報が存在するかどうかを判断する(ステップ7122)。
【0094】地形高度情報が存在する場合は、上記図7のステップ7200へ進み、上記ステップ7700までの手順に従って、三次元表示で用いる視点および視線を設定する。地形高度情報が存在しない場合は、ステップ7123へ進み、疑似三次元表示の場合の視点を、上記図17(b)での位置(17-2)に設定し、自車方向へ視線を設定する(ステップ7710)。
【0095】図21は、道路高度情報の存在を識別して視点を変更する処理の一例である。図22は図21を補足説明するための図である。本例の処理では、上記図7のステップ7200の後にステップ7231、7232を付加したものであり、自車は、図22に示す位置(22-1)にあるとする。
【0096】本例の処理では、自車の現在値(22-1)において、読み込んだ地図データに含まれている道路データ(19-9)を参照して道路の高さ情報の存在を判断し(ステップ7231)、道路の高さ情報hdが存在する場合は、該道路高度hdと自車高度hと所定高度Yにより視点高度yvを算出し(ステップ7232)、自車から所定距離L後方に視点(22-2)を設定する。また、道路高度hdが存在しない場合はステップ7300〜7700の手順に従い視点を設定する。
【0097】また、複数メッシュのデータを一度に展開して表示する際に、複数メッシュの中に地形高度(標高データ)が存在しないメッシュが一部でも含まれる場合は、疑似三次元表示の場合の視点(17-2)を設定するように構成しても良い。
【0098】また、地図データベースに自車の走行中の道路がトンネル内にあるかどうかを識別する情報が含まれている場合には、その識別情報を利用して、例えば今まで設定していた視点を車内視点に切り替えるよう制御する構成としても良い。
【0099】本発明による地図表示方法の他の実施形態について、図23を参照して説明する。
【0100】本実施形態の地図表示方法では、視点、視線、視野角等の表示の際の設定変更に応じて、表示する自車の形状/色/模様/サイズ等を変更するものである。
【0101】具体的には、視点を高く(あるいは遠く)設定した場合は図23(a)に示すような簡易な形状で自車を表現し、視点を低く(あるいは近く)設定した場合は図23(b)に示すような立体的な形状で自車を表現する。
【0102】このような処理は、例えば上記図13のステップ1320やステップ1350の判断結果に応じて、用いる自車形状データを切り替えることで実現できる。または、上記図16のステップ1620の判定結果に応じて切り替えれば、三次元表示/疑似三次元表示の切替に応じて自車形状を変化することができる。
【0103】以上説明したように本発明の立体地図表示方法によれば、自車の移動に応じ、地図データベースから周辺の地形(標高)・道路・構造物等の地図データを読み込み、該自車付近の地形高度(標高)以上の位置に視点を自動更新する。このため、地形に起伏が存在しても視点が地表下にとられることはなく、自車の移動に伴ってスムーズに景観表示を更新するナビゲーション装置が提供できる。
【0104】上記各実施形態では、上記図1に示す構成を備えるナビゲーション装置で実現される地図表示方法を例に挙げて説明したが、本発明による地図表示方法はこれら実施形態に限定されるものではない。例えば、上記した地図表示方法を実現するためのプログラムをフロッピィデスクやCD等の記憶媒体に記憶させ、これを従来のコンピュータシステムに読み込ませ、実行させる構成としても良い。
【0105】具体的には、図24に示すように、中央演算処理装置24-1、ディスプレイ24-5および入力装置24-6からなるコンピュータシステムに、本発明による地図表示方法を実現するための地図表示プログラムを記憶した記憶媒体24-2から当該地図表示プログラムを読み込ませ、これを実行させることによって、上述したような各種の地図表示を行なう地図表示装置を実現させても良い。ここで、コンピュータシステムには、地図情報を供給するために地図データベース24-3を接続すると共に、表示しようとする位置に関する情報24-3を入力する。この位置情報は、例えばコンピュータに接続され、GPS受信装置として機能するGPSカード等を用いても良い。
【0106】また、上述した各実施形態では自動車用ナビゲーション装置を例に挙げて説明したが、本発明は、自動車以外の移動体、例えば個人がトレッキング等で用いることができる携帯用ナビゲーション装置についても、上記実施形態と同様に適用することができる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、三次元の地図情報に基づいて立体的な地図表示を可能とする地図表示方法及び装置を提供することができる。
【0108】さらに、本発明によれば、立体的な地図を表示する機能を有するナビゲーション装置において、地形に起伏が存在しても、移動体の移動に伴ってスムーズに景観を更新することができるナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるナビゲーション装置の一実施形態におけるユニット構成を示すブロック図。
【図2】図1の演算処理部(1-1)のハードウェア構成を示したブロック図。
【図3】図1の演算処理部(1-1)の機能構成を示したブロック図。
【図4】本発明の表示方法を適用した立体地図表示例を示す説明図。
【図5】本発明の表示方法におけるデータの流れを説明するためのブロック図。
【図6】地図表示における座標変換の概念を示す説明図。
【図7】本発明の特徴である視点設定方法を説明するフローチャート。
【図8】図7の補足説明図。
【図9】自車移動に応じて視線を変更する視点設定方法を説明するフローチャート。
【図10】地形がゆるやかな場所では視点高度を固定にする視点設定方法を説明するフローチャート。
【図11】車内に視点を設定する視点設定方法を説明する概念を示す説明図。
【図12】車内に視点を設定した場合の表示例を示す説明図。
【図13】視点高度に応じて車内あるいは車外に視点を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図14】表示尺度に応じて車内あるいは車外に視点を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図15】ワイド/ノーマルに応じて視野角度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図16】擬似三次元/三次元の表示方法に応じて視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図17】図17(a):三次元表示の自車と視点の位置関係を示す説明図。
図17(b):擬似三次元表示の自車と視点の位置関係を示す説明図。
【図18】スクロールか否かで視点高度を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図19】本発明による地図データベースのデータフォーマット例を示す説明図。
【図20】地形高度が存在するか否かで視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図21】道路高度が存在するか否かで視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図22】図21の補足説明図。
【図23】図23(a):視点を高くしたときの自車の表示例を示す説明図。
図23(b):視点を低くしたときの自車の表示例を示す説明図。
【図24】本発明による地図表示装置の他の実施形態の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1-1…演算処理部、1-2…ディスプレイ、1-3…地図データベース、1-4…音声出入力装置、1-5…入力装置、1-6…LAN装置、1-7…車輪速センサ、1-8…方位センサ、1-9…ジャイロ、1-10…GPS受信装置、1-11…交通情報受信装置、2-1…CPU、2-2…RAM、2-3…ROM、2-4…DMA、2-5…描画コントローラ、2-6…VRAM、2-7…カラーパレット、2-8…A/D変換器、2-9…SCI、2-10…PIO、2-11…カウンタ、3-1…コマンド解析部、3-2…経路計算部、3-3…経路記憶部、3-4…経路誘導部、3-5…現在位置算出部、3-6…マップマッチ処理部、3-7…データ読込部、3-8…軌跡記憶部、3-9…メニュー表示部、3-10…表示処理部。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地図表示方法及び装置並びにその装置を備えたナビゲーション装置に係り、特に、自動車等の移動体の現在値に応じて地図データベースから地図情報を選択して、地表面に対して所定の角度を成す方向で眺めた透視地図を表示するナビゲーション装置に用いて有益な立体地図表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CD−ROM等の記憶媒体に記録されたディジタル地図データを読み出して画面上に建物や道路等の地図を表示し、GPS等のセンサにより検出した現在位置と目的地への方向を該地図上に表示して走行の便宜を図るナビゲーション装置が知られている。
【0003】最近のナビゲーション装置では、自車の現在値付近の地図情報をよりわかりやすく提示する目的で、特開平2−244188号公報にも例示されているように、二次元の地図情報を座標変換して、疑似的に三次元表示する疑似三次元表示手法が用いられている。この疑似三次元表示では、自車上空の所定位置に視点を設定し、地表に対し鋭角をなす視線方向に見た透視図を表示するので、二次元の地図情報でありながら、立体的な感覚をユーザに与えることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術による疑似三次元表示は二次元的な地図情報に基づいており、平坦な地表面を基準に視点が配置されている。このため、二次元的な地図情報の代わりに、地形の標高に関する情報を含んだ三次元的な地図情報を用いて上述した立体地図表示方法を実施する場合には、不具合が起こる場合がある。
【0005】すなわち、三次元的な地図情報には山やビル等の高さ方向の起伏に関する情報が含まれており、疑似三次元と同じように地表面(海抜0メートル)を基準に視点高度をとると、その高さによっては、地表面よりも突出した山中等に視点が位置することも考えられる。このような場合には、表示画面に自車が表示されない等の不具合が起こり、ナビゲーション処理が不能になる場合もあるという問題がある。
【0006】本発明は上記のような問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、地形、道路、構造物等の地図構成要素の平面位置を示す情報と共に少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報を含んでいる三次元の地図データを用いた、立体的な地図表示を可能とする地図表示方法及び装置を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、立体的な地図を表示する機能を有するナビゲーション装置において、地形や道路に起伏が存在しても、移動体の移動に伴ってスムーズに表示内容を更新することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、移動体の現在位置に対応して設定された領域内の地図情報を地図データベースから読み込み、当該地図情報について座標変換処理を実行することで、予め設定された視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記透視地図を生成する際に用いる視点の高度は、前記移動体の現在位置に対応して設定された位置に存在する地図構成要素の高度より高い位置に設定されると共に、当該移動体の移動に伴って更新されるものであることを特徴とする地図表示方法により達成される。
【0009】また、上記目的は、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示する地図表示方法において、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報が含まれるものであって、前記透視地図を生成する際の視点の高度は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報がある場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に設定されると共に、新たな位置情報が入力される度に当該視点高度の設定動作が繰り返されることを特徴とする地図表示方法により達成される。
【0010】また、上記目的は、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを出力する地図表示装置において、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点の高度に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記視点設定部は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記設定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置により達成される。
【0011】また、上記他の目的は、地図データベースと、現在位置検出装置と、自車の現在位置に対応して設定された領域の地図情報から透視地図を生成し、それに対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成する地図表示装置と、ディスプレイ装置とを備えるナビゲーション装置において、前記地図表示装置は、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記視点設定部は、前記検出した自車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記決定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とするナビゲーション装置により達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】本実施形態によるナビゲーション装置は、自動車に搭載されて使用されるもので、例えば図1に示すように、演算処理部(1-1)、ディスプレイ装置(1-2)、地図データベース(1-3)、音声入出力装置(1-4)、および、入力装置(1-5)を備えている。
【0014】演算処理部(1-1)は後述する(1-7)〜(1-10)の各種センサから出力される情報を基に現在位置を検出し、得られた現在位置情報から、表示に必要な地図情報を地図データベース(1-3)から読み込んでグラフィックス展開し、該グラフィックス展開した地図上にセンサ(1-7)〜(1-10)から検出した自車の現在位置を現在地マークとして重ねてディスプレイ(1-2)へ表示したり、入力装置(1-5)によりユーザが指定した地点(例えば現在地と目的地)を結ぶ最適な道路を算出し、音声入出力装置(1-4)やディスプレイ装置(1-2)を用いてユーザに通知しながらを経路を誘導する、等といった様々な処理を行う中心的なユニットである。
【0015】ディスプレイ装置(1-2)は、演算処理部(1-1)で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットで、CRTや液晶ディスプレイ等で構成される。また演算処理部(1-1)とディスプレイ(1-2)間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0016】地図データベース(1-3)は、CD-ROMやICカード、DVD(DigitalVideo Disc)といった大容量記憶媒体で構成され、必要とする地図データの読み出し/書き込み処理を行う。また音声入出力装置(1-4)は、演算処理部(1-1)が生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力すると共に、ユーザが発した声を認識し演算処理部(1-1)にその内容を転送する処理を行う。入力装置(1-5)は、以下に説明するようなユーザからの各種指示を受け付けるユニットで、表示地図のスクロールキー、表示地図の縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0017】本実施形態の装置は、さらに、移動体ナビゲーションで位置を検出するために使用するセンサとして、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定する車輪速センサ(1-7)、地球が保持している磁場を検知し移動体が向いている方角を検出する方位センサ(1-8)、光ファイバジャイロや振動ジャイロといった移動体が回転した角度を検出するジャイロ(1-9)、および、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行方向及び進行方位を測定するGPS受信装置(1-10)を備えている。
【0018】本実施形態の装置は、さらに、道路の渋滞情報、工事、通行止めといった規制情報や駐車場情報といった交通情報を発するビーコン送信機やFM多重放送から送られる信号を受信する交通情報受信装置(1-11)を備える。また、車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、点灯しているライトの種類と状況、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける車内LAN装置(1-6)を備える。
【0019】演算処理部(1-1)のハードウェア構成の一例を図2に示す。
【0020】演算処理部(1-1)は、以下に説明する各デバイス間がバスで接続された構成となる。各構成デバイスとしては、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(2-1)、地図や演算データを格納するRAM(2-2)、プログラムやデータを格納するROM(2-3)、高速にメモリとメモリ間及びメモリと各デバイス間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)(2-4)、ベクトルデータを画素情報に展開するといったグラフィックス描画を高速に実行し、かつ表示制御を行う描画コントローラ(2-5)、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(2-6)、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット(2-7)、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(2-8)、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(2-9)、パラレル信号と同期をとりバス上にのせるPIO(2-10)、パルス信号を積分するカウンター(2-11)で構成される。
【0021】上述したようなハードウエア構成の演算処理部(1-1)が実現する機能構成を図3に示す。以下、各構成要素について説明する。
【0022】現在位置算出部(3-5)は、車輪速センサ(1-7)で計測される距離パルスデータS5、及びジャイロ(1-9)で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データ及び角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から移動体走行後の位置(X’,Y’)を演算する処理を行う。ここで、移動体の旋回した角度と進む方位の関係を一致させるため、方位センサ(1-8)から得られる方位データS6と、ジャイロ(1-9)から得られる角加速度データS7を積分した角度データで、移動体が進行している方向の絶対方位を補正する。また上述したセンサから得られたデータを積分していくとセンサの誤差が蓄積するため、ある時間周期でGPS受信装置(1-10)から得られた位置データS8をもとに、蓄積した誤差をキャンセルするという処理を施し、現在位置情報を出力する。
【0023】このようにして得られた現在位置情報にはセンサの誤差が含まれているため、さらに位置精度を高めることを目的に、マップマッチ処理(3-6)を行う。これは、データ読込部(3-7)によって読み込まれた現在地周辺の地図に含まれる道路データと、現在位置算出部(3-5)から得られた走行軌跡を互いに照らし合わせ、形状の相関が最も高い道路に現在地を合わせ込むという処理である。マップマッチ処理を施すことで現在地は多くの場合走行道路と一致するようになり、精度よく現在位置情報を出力することができる。
【0024】このようにして演算された現在位置情報は、所定距離走行する度に軌跡記憶部(3-8)に記憶される。軌跡データは、これまで走行してきた道路につき、対応する地図上の道路に軌跡マークを描画するために用いられる。
【0025】一方、コマンド解析部(3-1)は、ユーザからの要求を入力装置(1-5)で受け、その要求内容を解析し、対応する処理が実行されるよう各ユニットを制御する。例えばユーザが目的地までの経路誘導を要求したときは、目的地を設定するため地図を表示する処理を表示処理部(3-10)に要求し、さらに現在地から目的地までの経路を演算する処理を経路計算部(3-2)に要求する。
【0026】経路計算部(3-2)は、ダイクストラ法等を用いて指定された地点間の経路を地図データから検索し、経路記憶部(3-3)に蓄える。このとき、指定された地点間の距離が最短になる経路、もしくは最短時間で到達可能な経路、あるいは最もコストが安くなる経路等をそれぞれ求めることも可能である。
【0027】経路誘導部(3-4)は、経路記憶部(3-3)に蓄えられた誘導経路のリンク情報と現在位置算出部(3-5)及びマップマッチ処理部(3-6)で求められる自車の現在位置情報を比較し、交差点等を通過する所定時間前に直進すべきか、右左折すべきかを音声入出力装置(1-4)を用い音声でユーザに通知したり、ディスプレイ(1-2)上に表示された地図上に進行すべき方向を表示し、ユーザに経路を通知する。
【0028】データ読込部(3-7)は、要求された領域の地図データを地図データベース(1-3)から読み込み準備するように動作する。
【0029】視点設定部(3-11)は本発明の特徴的構成の一つであり、本発明による地図表示方法において設定すべき変数である、視点、視線、視野角等を設定する。
【0030】表示処理部(3-10)は、表示が要求された地点周辺の地図データをデータ読込部(3-7)から受け取り、視点設定部(3-11)で設定された視点/視線/視野角等と、コマンド解析部(3-1)等で指定された縮尺、描画方法、描画方位等でグラフィック展開しVRAM(2-6)に転送する。メニュー表示部(3-9)は、コマンド解析部(3-1)から出力される命令を受け、要求される様々な種類のメニューやマークを表示処理部(3-10)に転送し、地図に重ねて表示する。
【0031】本実施形態の装置によって表示される、地形・道路等の地図情報の一部を展開した立体地図の表示例(4-1)を図4に示す。ここで、(4-2)は地形高度データ(標高データ)に基づいて描いた山、(4-3)は一定幅でライン描画された道路である。(4-4)は自車の現在位置を示すマークである。表示例(4-1)は、センサ系から出力された自車の現在位置に基づいて地図データベース(1-3)から自車付近の地図データを読み込み、本発明による方法によって自車上空に視点を設定して、該視点からの景観(透視地図)を表示したものである。
【0032】図4のような立体地図を表示する際のデータフローの一例を図5に示す。
【0033】現在位置検出部(3-5)にて検出された自車の現在位置に基づいて、データ読み込み部(3-7)は地図データベースから自車周辺の地図データを読み込む。視点設定部(3-11)は、現在位置検出部(3-5)にて検出された自車の現在位置とデータ読み込み部(3-7)から読み込んだ地形・道路・建物等の地図データを読み込み、立体地図表示の際に設定すべき、視点、視線、視野角等の変数を設定する。
【0034】表示処理部(3-10)は、視点設定部(3-11)が設定した視点、視線、視野角に基づいて該自車周辺の地図データを座標変換し、透視地図を表示する。ここで図3では、マップマッチ処理部(3-6)により精度を高めた自車の現在位置を視点設定部(3-11)及び表示処理部(3-10)に入力するものとして説明したが、ここでは、現在位置検出部(3-5)の検出精度が高いと仮定してマップマッチ処理を省略した。
【0035】本実施形態の表示方法で使用される座標変換処理を図6を参照して説明する。
【0036】海抜0メートルの地表上(6-4)に位置する地形(6-2)を、一連の座標変換処理によって、視点(6-1)と地形(6-2)の間に設定したスクリーン(6-3)に投影することにより透視地図(6-6)を生成する。ここで行なわれる一連の座標変換処理とは、例えば、地図データが物体座標系で表わされている場合、この地図データをワールド座標系に変換する第1の変換処理、該第1の変換処理結果を視点(6-1)を原点とする視点座標系へ変換する第2の変換処理、該第2の変換処理結果をスクリーン(6-3)に投影するためにスクリーン座標系に変換する第3の変換処理から構成される。
【0037】上記一連の座標変換処理によれば、視点(6-1)と地形(6-2)との位置関係に応じて、地形の一部分(6-5)の透視地図(6-6)が作成される。本実施形態では、このようにして作成された透視地図(6-6)のデータを用いて、地形の一部分(6-5)をその上空から眺めた場合に得られる景色を示すための画像イメージ(以下景観図と呼ぶ)を生成し、これをディスプレイ上に表示する。
【0038】なお、本明細書では、海抜0メートルの地表とは図6に示すような平面状の地表(6-4)を指し、単に地表とした場合には地形(6-2)の表面を指すものとする。
【0039】本実施形態の視点設定部(3-11)での処理例を図7及び図8により説明する。図7は本処理手順のフローチャートであり、図8は図7を補足説明するための補足説明図である。ここでは自車位置が(8-1)にある場合を想定して説明する。
【0040】まず、現在位置検出部(3-5)あるいはマップマッチ処理部(3-6)を経由して出力された自車の現在位置(8-1)を参照し(ステップ7100)、地図データ読込部(3-7)から読み込んだ地形高度データ(標高データ)に基づいて自車の現在位置の高度(標高値)htを算出する(ステップ7200)。ここで、自車の現在位置を検出するGPS信号の高度方向のデータの精度が高い場合は、ステップ7200が不要となることもある。
【0041】次に、自車高度htに所定高度Yを加算し、自車高度htよりも高い位置に視点高度yvを設定する(ステップ7300)。ここで設定した視点高度yvと自車の所定距離後方Lの地点の標高値hvとを比較し、前記視点が地表上にあるかどうかを確認する(ステップ7400)。
【0042】地表上に設定されていれば(ステップ7400でY)、自車の所定距離後方Lの地点に高度yvの視点(8-2)を設定し(ステップ7600)、自車位置(8-1)をターゲットに視線方向を設定し(ステップ7700)する。視点(8-2)が地表下の場合(ステップ7400でN)は、hv以上の値となるようにyvに設定し(ステップ7500)、その後ステップ7600へ進む。
【0043】このように、本処理では、自車が移動しても視点が必ず地表の上空に位置するように、視点高度を再設定していく。
【0044】また、図8に示すように自車位置が(8-1)から(8-3)に移動しても、自車と視点の間の高度を固定値Yにして視点高度yv(8-3の地点ではyv’)を設定する等、自車位置と視点との相対的な位置関係が固定になるようにする構成としても良い。
【0045】上記図7の処理に従えば、通常は前記相対的な位置が保たれ、かつ、地形の起伏が大きい場所では、上記ステップ7500のような例外処理を実行することにより、視点が地表下にならないようにできる。
【0046】なお、本実施形態による視点高度の設定方法は、地形高度や道路高度が海抜0メートル以下、すなわちマイナスである場合にも、上記と同じように適用することができるのは言うまでもない。
【0047】次に、本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図9を参照して説明する。
【0048】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、自車の移動に伴い視線を変更することによって、自車と自車周辺の景観を表示する処理を付加したもので、本処理のステップ7110、7210、7710はそれぞれ、上記図7のステップ7100、7200、7700と同じ処理である。ただし本実施形態では、自車位置が上記図8の位置(8-3)にある場合を想定して説明する。
【0049】本処理では最初、自車の現在値を参照し(ステップ7110)、自車高度ht+dtを算出し(ステップ7210)、前回の視点(8-2)を参照し(ステップ7211)、前回の視点(8-2)と自車位置(8-3)との間の距離dを算出する(ステップ7212)。
【0050】次に、距離dがあらかじめ決めておいた距離範囲内にあるかどうかを判断し(ステップ7213)、当該範囲内ならば(ステップ7213でY)、視点を固定したまま(ステップ7214)、視線のみ自車方向になるように変更する(ステップ7710)。また、距離dが上記距離より大きい場合(ステップ7213でN)には、上記図7のステップ7300へ進む。
【0051】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図10を参照して説明する。
【0052】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、自車付近の起伏の度合いにより視点高度の更新の必要性を判断しながら視点高度を設定する処理を付加したもので、本処理のステップ7110、7210、7710はそれぞれ、上記図7のステップ7100、7200、7700と同じ処理である。ただし本実施形態では、自車位置が上記図8の位置(8-3)にある場合を想定して説明する。
【0053】本処理では最初、自車の現在位置(8-3)を参照し(ステップ7110)、自車高度ht+dtを算出し(ステップ7210)、前回の視点高度yvを参照し(ステップ7211)、自車の位置する地形高度ht+dtと前回の視点高度との差分Δhを計算し(ステップ7221)、該差分Δhが所定値内であるかどうかを判断する(ステップ7222)。
【0054】差分Δhが所定値内であれば(ステップ7222でY)、前回の視点高度を維持したまま視点(8-4)を設定し(ステップ7223、7710)、そうでなければ、ステップ7300へ進む。
【0055】本処理は自車の移動に応じて実行する必要がある。本処理例以外に、地図を所定領域のメッシュ毎に分割して該メッシュ毎に地形(標高)の変化(最大および最小標高)値から、該メッシュ内では視点高度を固定にすることも可能である。また、あらかじめ走行予定道路の起伏から、視点高度を固定にする区間を求めておくことように構成しても良い。
【0056】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図11、図12を用いて説明する。
【0057】本実施形態の処理では、上述の各実施形態において自車の後方上空に設置した視点を、自車の車内に設置するものである。具体的には、図11に示すように、海抜0メートルから標高値h上の地上を走行する自車(11-1)の内部に設定した視点(11-2:以下車内視点と呼ぶ)の高度を、自車地点の標高値hと所定高度Yiとを加算して決定する。
【0058】本実施形態での処理手順は、上記図7の処理と同様で、上記ステップ7300の所定高度YをYiに置き換えれば、本実施形態での車内視点を設定することができる。この方法によれば、車内視点の場合は、上記ステップ7300で必ず地上にとられるので、上記ステップ7400および7500は省略できる。
【0059】また、所定高度Yiを可変としておき、ユーザが入力装置(1-5)により車種や車体高度等を入力あるいは選択することにより、所定高度Yiが設定および変更が可能であるよう構成しても良い。
【0060】図12は、車内視点における交差点付近の表示例(12-1)である。表示例(12-1)では、フロントガラス枠(12-2)やバックミラー(12-3)等、運転者が車内から車外を見た場合に見える車体構造の一部に対応する形状データを、地図データベース(1-3)あるいはROM(2-3)等の記憶装置に記憶しておき、車内視点からの景観に重ね合わせて表示している。
【0061】このように車の構造の一部を景観に併せて表示することにより、実際に車の中から眺める風景と表示上の道路や建物の位置関係がとりやすく、視認性が高められる。また、車構造のうちどの部分を表示するか否かを、入力装置(1-5)を介して選択可能とする構成としても良い。また、表示の際に透過処理を行なうことで、透明感ある表示も可能である。
【0062】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図13を参照して説明する。
【0063】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザが入力した視点高度に応じて視点の位置を車内あるいは車外に切り替える処理を付加したものである。また、本実施形態では、入力装置(1-5)において視点高度を例えば段階的に選択あるいは切替可能な構成を備えるものとする。
【0064】本処理では、ユーザが指定した視点高度yvを参照し(ステップ1310)、該視点高度yvが所定高度Y1よりも小さいかどうかを判断し(ステップ1320)、Y1より小さい場合は、上記図11の方法で車内視点における視点高度をyvに設定し(ステップ1330)、自車の進行方向に視線を設定する(ステップ1340)。
【0065】上記ステップ1320で視点高度yvがY1以上の場合は、該視点高度yvが所定高度Y2を越えるかどうかを判断し(ステップ1350)、Y2を越える場合は、視線方向を海抜0メートルの地表面(6-4)に垂直に視線を設定する(ステップ1360)。視点高度yvがY1≦yv≦Y2の場合は、上記図7のステップ7200〜7700により視点高度および視線を設定する。
【0066】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図14を参照して説明する。
【0067】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザが入力した地図の表示尺度に応じて視点の位置を車内あるいは車外に切り替える処理を付加したものである。また、本実施形態では、入力装置(1-5)において地図の表示尺度を例えば段階的に選択あるいは切替可能な構成を備えるものとする。また、本実施形態の処理において、ステップ1430、1440、1460はそれぞれ、上記図13の処理のステップ1330、1340、1360と同じ処理である。
【0068】本処理では、ユーザが指定した表示尺度sを参照し(ステップ1410)、該表示尺度sが所定尺度S1よりも小さいかどうかを判断し(ステップ1420)、S1より小さい場合は、上記図11の方法で車内視点における視点高度をyvに設定し(ステップ1430)、自車の進行方向に視線を設定する(ステップ1440)。
【0069】上記ステップ1420で表示尺度sがS1以上で、かつ、所定尺度S2を越えるかどうかを判断し(ステップ1450)、所定尺度S2を越える場合は、視線方向を海抜0メートルの地表面(6-4)に垂直に視線を設定する(ステップ1460)。表示尺度sがS1≦s≦S2の場合は、上記図7のステップ7200〜7700により視点高度および視線を設定する。
【0070】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態について図15を参照して説明する。
【0071】本実施形態の処理は、ディスプレイ(1-2)の表示形態等に応じたユーザからの指令により、地図表示の際の視野角が切替を可能とする処理を付加した例であり、入力装置(1-5)において、例えばワイド/ノーマルの一方を選択することで視野角の設定を可能とする構成を備えている。
【0072】本処理では最初、ユーザが指定した視野角を参照して(ステップ1510)、ワイドに表示するかノーマルに表示するかを判断する(ステップ1520)。ノーマル指定の場合はデフォルトの視野角値を設定し(ステップ1530)、ワイド指定の場合は該デフォルト値より広い視野角値を設定し(ステップ1540)、その後、上記図7のステップ7200へ進み、視点及び視線方向を設定する。
【0073】ワイド指定の場合は、例えば上記図12の表示例(12-1)に示すように表示サイズを変更して横長の表示しても良い。また、上述した図13や図14で述べられた車内視点および車外視点の切替処理に応じて、視野角を切り替える構成としても良い。
【0074】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図16、図17を参照して説明する。
【0075】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザの指定による三次元表示と疑似三次元表示との表示方法の切替に応じて視点を切り替える処理を付加したものである。ここで、三次元表示とは標高などの高度情報を含む地図情報を用いて立体的な三次元地図を表示する方法を指し、擬似三次元表示とは二次元の地図情報を透視変換して遠近感を与えるように表示する方法を指す。
【0076】また、本実施形態の入力装置(1-5)においては、ユーザにより三次元表示と疑似三次元表示が選択可能な構成とする。また、本実施形態の処理のうちステップ7710は、上記図7のステップ7700と同じ処理である。
【0077】本処理では、ユーザが指定した表示方法を参照し(ステップ1610)、三次元で表示するか疑似三次元で表示するかを判断する(ステップ1620)。三次元表示の場合は、上記図7のステップ7200へ進み、ステップ7200〜7700の手順に従い、図17(a)に示すように、自車(8-3)の地形高度htと所定高度Yとから視点高度yvを設定し、自車の所定距離L後方に該視点高度で視点(8-4)を設定する。疑似三次元表示の場合は、自車(17-1)の所定距離L後方に海抜0メートルの地表平面(6-4)から所定高度Yの位置に視点(17-2)を設定し(ステップ1630)、該視点から自車方向へ視線を設定する(ステップ7710)。
【0078】表示処理部(3-10)は、ユーザにより選択された表示方法を用いた、上述した処理によって設定された視点による透視地図を表示するためのグラフィックスデータを生成して、ディスプレイ部(1-2)へ出力する。
【0079】また、本処理での表示方法切替において、海抜0メートルの地表平面(6-4)からの距離Yが固定になるように切り替える構成としても良い。
【0080】本発明による視点設定部(3−11)の処理の他の実施形態について図18を参照して説明する。
【0081】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、ユーザによるスクロールの選択に応じて視点を上記図17R>7の(8-4)または(17-2)の位置に切り替える処理を付加したものである。本実施形態の入力装置(1-5)においては、ユーザによるスクロールの指定操作を受け付けることが可能な構成を備えている。また、本実施形態の処理におけるステップ7110は、上記図7のステップ7100と同じ処理である。
【0082】本処理では、自車の現在位置を参照し(ステップ7110)、ユーザがスクロールを指定したかどうかを判断する(ステップ7111)。スクロールが指定された場合には、上記図17(b)のように海抜0メートルの地表面から所定の高さに視点(17-2)を設定し(ステップ7112)、該視点からスクロール方向へ視線を設定する(ステップ7113)。
【0083】本実施形態において視点設定部(3-11)は、入力装置(1-5)等に設けられたスクロールボタンが押下されている間、海抜0メートルを基準に視点高度を設定する。スクロールボタンを押し続けると徐々に表示更新する処理速度をアップする。また、所定時間を経過したら一定速度で表示を更新するような表示制御を実行する場合は、上記ステップ7111において、該スクロールスピードまたはスクロールが押下された時からの経過時間が、所定値を越えたかどうかを判断させ、前記視点の切替を実行する構成としても良い。
【0084】本発明で用いる地図データベース(1-3)のデータ構成の一例を説明する。
【0085】本例の地図データは、図19に示すように、データ管理部(19-1)とデータ部(19-2)とを備えて構成されている。この地図データは、例えば一定間隔の経緯線によって地域を分割した「標準地域メッシュ」単位で管理される。該地域メッシュには、メッシュコードといわれる識別番号が付けられる。
【0086】データ管理部(19-1)では該メッシュ分の管理テーブルを持ち、各々の管理テーブルには、メッシュコード(19-3)、属性情報(19-4)、標高データ管理部(19-5)、道路データ管理部(19-6)、建物データ管理部(19-7)等が記憶されている。
【0087】属性情報(19-4)には、地図尺度や地図データの作成年月、図葉名等が記録される。標高データ管理部(19-5)には標高データ(19-8)へのリンク先が記憶される。標高データ(19-8)は等間隔にサンプリングされた該メッシュ内部の標高値が記憶され、これに基づいて地形を表示することができる。
【0088】同様に道路データ管理部(19-6)には道路データ(19-9)へのリンク先が記憶される。道路データ(19-9)には交差点(以下、ノードと呼ぶ)を結ぶリンク情報、ノード座標、有料道路・国道等の属性情報と道路の高さ情報等が記憶されている。さらに建物データ管理部(19-7)には建物データ(19-10)へのリンク先が記憶される。建物データ(19-10)には建物の名称や形状、建物の高さ情報等の情報が記憶されている。
【0089】各データ管理部(19-5)〜(19-7)および各データ(19-8)〜(19-10)に記憶されている道路/建物高さ情報において、対応するデータが未記憶でリンク先がない場合は、その旨を認識させるための識別コードが記憶される。
【0090】本発明による視点設定部(3-11)の処理の他の実施形態を図20〜22を参照して説明する。
【0091】本実施形態の処理は、上記図7の処理に、上記図19で説明したフォーマットから成る地図データベース(1-3)を読み込んで得られる、上述したような識別コードに応じて視点を変更する処理を付加するものである。
【0092】図20は、地形高度情報(標高データ)の存在を識別して視点を変更する処理の一例である。本処理において、ステップ7110、7710、およびステップ7123はそれぞれ、上記図7の7100、7700、および上記図16のステップ1630と同じ処理である。
【0093】すなわち、ステップ7110で参照した自車の現在位置に基づき、自車付近に該当する地域メッシュの地図管理情報(19-3)〜(19-7)を地図データベース(1-3)から読み込み、その内容を参照する(ステップ7121)。さらに、読み込んだ地図データの標高データ管理部(19-5)にて、当該メッシュに地形高度情報が存在するかどうかを判断する(ステップ7122)。
【0094】地形高度情報が存在する場合は、上記図7のステップ7200へ進み、上記ステップ7700までの手順に従って、三次元表示で用いる視点および視線を設定する。地形高度情報が存在しない場合は、ステップ7123へ進み、疑似三次元表示の場合の視点を、上記図17(b)での位置(17-2)に設定し、自車方向へ視線を設定する(ステップ7710)。
【0095】図21は、道路高度情報の存在を識別して視点を変更する処理の一例である。図22は図21を補足説明するための図である。本例の処理では、上記図7のステップ7200の後にステップ7231、7232を付加したものであり、自車は、図22に示す位置(22-1)にあるとする。
【0096】本例の処理では、自車の現在値(22-1)において、読み込んだ地図データに含まれている道路データ(19-9)を参照して道路の高さ情報の存在を判断し(ステップ7231)、道路の高さ情報hdが存在する場合は、該道路高度hdと自車高度hと所定高度Yにより視点高度yvを算出し(ステップ7232)、自車から所定距離L後方に視点(22-2)を設定する。また、道路高度hdが存在しない場合はステップ7300〜7700の手順に従い視点を設定する。
【0097】また、複数メッシュのデータを一度に展開して表示する際に、複数メッシュの中に地形高度(標高データ)が存在しないメッシュが一部でも含まれる場合は、疑似三次元表示の場合の視点(17-2)を設定するように構成しても良い。
【0098】また、地図データベースに自車の走行中の道路がトンネル内にあるかどうかを識別する情報が含まれている場合には、その識別情報を利用して、例えば今まで設定していた視点を車内視点に切り替えるよう制御する構成としても良い。
【0099】本発明による地図表示方法の他の実施形態について、図23を参照して説明する。
【0100】本実施形態の地図表示方法では、視点、視線、視野角等の表示の際の設定変更に応じて、表示する自車の形状/色/模様/サイズ等を変更するものである。
【0101】具体的には、視点を高く(あるいは遠く)設定した場合は図23(a)に示すような簡易な形状で自車を表現し、視点を低く(あるいは近く)設定した場合は図23(b)に示すような立体的な形状で自車を表現する。
【0102】このような処理は、例えば上記図13のステップ1320やステップ1350の判断結果に応じて、用いる自車形状データを切り替えることで実現できる。または、上記図16のステップ1620の判定結果に応じて切り替えれば、三次元表示/疑似三次元表示の切替に応じて自車形状を変化することができる。
【0103】以上説明したように本発明の立体地図表示方法によれば、自車の移動に応じ、地図データベースから周辺の地形(標高)・道路・構造物等の地図データを読み込み、該自車付近の地形高度(標高)以上の位置に視点を自動更新する。このため、地形に起伏が存在しても視点が地表下にとられることはなく、自車の移動に伴ってスムーズに景観表示を更新するナビゲーション装置が提供できる。
【0104】上記各実施形態では、上記図1に示す構成を備えるナビゲーション装置で実現される地図表示方法を例に挙げて説明したが、本発明による地図表示方法はこれら実施形態に限定されるものではない。例えば、上記した地図表示方法を実現するためのプログラムをフロッピィデスクやCD等の記憶媒体に記憶させ、これを従来のコンピュータシステムに読み込ませ、実行させる構成としても良い。
【0105】具体的には、図24に示すように、中央演算処理装置24-1、ディスプレイ24-5および入力装置24-6からなるコンピュータシステムに、本発明による地図表示方法を実現するための地図表示プログラムを記憶した記憶媒体24-2から当該地図表示プログラムを読み込ませ、これを実行させることによって、上述したような各種の地図表示を行なう地図表示装置を実現させても良い。ここで、コンピュータシステムには、地図情報を供給するために地図データベース24-3を接続すると共に、表示しようとする位置に関する情報24-3を入力する。この位置情報は、例えばコンピュータに接続され、GPS受信装置として機能するGPSカード等を用いても良い。
【0106】また、上述した各実施形態では自動車用ナビゲーション装置を例に挙げて説明したが、本発明は、自動車以外の移動体、例えば個人がトレッキング等で用いることができる携帯用ナビゲーション装置についても、上記実施形態と同様に適用することができる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、三次元の地図情報に基づいて立体的な地図表示を可能とする地図表示方法及び装置を提供することができる。
【0108】さらに、本発明によれば、立体的な地図を表示する機能を有するナビゲーション装置において、地形に起伏が存在しても、移動体の移動に伴ってスムーズに景観を更新することができるナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるナビゲーション装置の一実施形態におけるユニット構成を示すブロック図。
【図2】図1の演算処理部(1-1)のハードウェア構成を示したブロック図。
【図3】図1の演算処理部(1-1)の機能構成を示したブロック図。
【図4】本発明の表示方法を適用した立体地図表示例を示す説明図。
【図5】本発明の表示方法におけるデータの流れを説明するためのブロック図。
【図6】地図表示における座標変換の概念を示す説明図。
【図7】本発明の特徴である視点設定方法を説明するフローチャート。
【図8】図7の補足説明図。
【図9】自車移動に応じて視線を変更する視点設定方法を説明するフローチャート。
【図10】地形がゆるやかな場所では視点高度を固定にする視点設定方法を説明するフローチャート。
【図11】車内に視点を設定する視点設定方法を説明する概念を示す説明図。
【図12】車内に視点を設定した場合の表示例を示す説明図。
【図13】視点高度に応じて車内あるいは車外に視点を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図14】表示尺度に応じて車内あるいは車外に視点を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図15】ワイド/ノーマルに応じて視野角度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図16】擬似三次元/三次元の表示方法に応じて視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図17】図17(a):三次元表示の自車と視点の位置関係を示す説明図。
図17(b):擬似三次元表示の自車と視点の位置関係を示す説明図。
【図18】スクロールか否かで視点高度を切り替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図19】本発明による地図データベースのデータフォーマット例を示す説明図。
【図20】地形高度が存在するか否かで視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図21】道路高度が存在するか否かで視点高度を替える視点設定方法を説明するフローチャート。
【図22】図21の補足説明図。
【図23】図23(a):視点を高くしたときの自車の表示例を示す説明図。
図23(b):視点を低くしたときの自車の表示例を示す説明図。
【図24】本発明による地図表示装置の他の実施形態の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1-1…演算処理部、1-2…ディスプレイ、1-3…地図データベース、1-4…音声出入力装置、1-5…入力装置、1-6…LAN装置、1-7…車輪速センサ、1-8…方位センサ、1-9…ジャイロ、1-10…GPS受信装置、1-11…交通情報受信装置、2-1…CPU、2-2…RAM、2-3…ROM、2-4…DMA、2-5…描画コントローラ、2-6…VRAM、2-7…カラーパレット、2-8…A/D変換器、2-9…SCI、2-10…PIO、2-11…カウンタ、3-1…コマンド解析部、3-2…経路計算部、3-3…経路記憶部、3-4…経路誘導部、3-5…現在位置算出部、3-6…マップマッチ処理部、3-7…データ読込部、3-8…軌跡記憶部、3-9…メニュー表示部、3-10…表示処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】移動体の現在位置に対応して設定された領域内の地図情報を地図データベースから読み込み、当該地図情報について座標変換処理を実行することで、予め設定された視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記透視地図を生成する際に用いる視点の高度は、前記移動体の現在位置に対応して設定された位置に存在する地図構成要素の高度より高い位置に設定されると共に、当該移動体の移動に伴って更新されるものであることを特徴とする地図表示方法。
【請求項2】入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該生成した透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報が含まれるものであって、前記透視地図を生成する際の視点の高度は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報がある場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に設定されると共に、新たな位置情報が入力される度に当該視点高度の設定動作が繰り返されることを特徴とする地図表示方法。
【請求項3】地図データベースおよび地図表示を行なうディスプレイ装置に接続され、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を前記地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成して、前記ディスプレイ装置へ出力する地図表示装置において、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点の高度に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地形の高度を示す情報が含まれるものであって、前記視点設定部は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記設定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】請求項3において、前記入力される位置情報が示す位置とは移動体の現在位置であり、前記視点設定部は、前記移動体の移動に伴い更新された位置情報が入力される度に前記視点の設定動作を繰り返すことを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】請求項4において、前記視点設定部は、前記移動体の後方上空に位置し、逐次更新される移動体の現在位置に対して予め定めた相対位置関係を保つように、前記視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】請求項4において、前記視点設定部は、新たに入力された前記移動体の現在位置と前回設定された視点との相対的な位置関係が所定の条件範囲内にある場合、前回設定された視点を保持し、当該現在位置にある移動体が視野内に位置するように視線方向を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項7】請求項4において、前記視点設定部は、前記移動体の現在位置から予め定めた距離範囲内の地形の起伏の変化幅が所定値以下の場合、当該予め定めた距離範囲に対応して決定された領域内に前記移動体の現在位置が存在する間、前記視点の高度を固定にすることを特徴とする地図表示装置。
【請求項8】請求項4において、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記自動車の現在位置での地形高度と当該自動車の車体の高さとから、当該自動車の車内から眺めた場合の透視地図を生成するための視点(以下車内視点と呼ぶ)を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項9】請求項4において、ユーザによって入力される、設定すべき視点高度に関する指定を受け付ける入力手段をさらに備え、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記指定された視点高度が所定値以下の場合は、自動車の車内に視点を位置させ、自動車の進行方向へ視線を設定し、前記指定された視点高度が所定範囲内の場合は、自動車の後方上空に視点を設定し、設定した視点から自動車の方向へ視線を設定し、前記指定された視点高度が所定値以上の場合は、前記指定された視点高度に対応して決定される視点から海抜0メートルの地表面を真下に眺めるように視線を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項10】請求項4において、ユーザによって入力される、設定すべき地図尺度に関する指定を受け付ける入力手段をさらに備え、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記指定された地図尺度が所定値以下の場合は、自動車の車内に視点を位置させ、自動車の進行方向へ視線を設定し、前記指定された地図尺度が所定範囲内の場合は、自動車の後方上空に視点を設定し、設定した視点から自動車の方向へ視線を設定し、前記指定された地図尺度が所定値以上の場合は、前記指定された視点高度に対応して決定される視点から海抜0メートルの地表面を真下に眺めるように視線を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項11】請求項4において、前記透視地図を生成する際に設定すべき視野角に関する指定を受け付ける手段をさらに備え、前記表示処理部は、前記受け付けた指定に応じて視野角を予め定められているノーマル値およびそれよりも広いワイド値のうち一方に設定し、前記設定された視野角に応じた透視地図の景観を表示するためのグラフィックスデータを生成することを特徴とする地図表示装置。
【請求項12】請求項4において、表示方法を、前記地図情報に含まれる水平二次元のデータを透視変換して遠近感を与えた擬似三次元表示とするか、前記地図情報に含まれる三次元データを用いて景観を表示する三次元表示とするかの選択に関する指定を受け付ける選択手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記疑似三次元表示が選択された場合は海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さで視点を設定し、前記三次元表示が選択された場合は自動車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度より高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項13】請求項12において、前記視点設定部は、前記選択手段により前記疑似三次元表示と前記三次元表示とが切り替えられる場合には、地表面から視点までの高さ方向の距離が切り替え前と同一となるように、切り替え後の視点高度を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項14】請求項4において、前記読み込んだ地図情報の中に、地形、道路および構築物のうち少なくとも1つの高度に関する情報が含まれているかを判定する判定手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記判定手段が前記地図情報に地形高度に関するデータが存在すると判定した場合、当該地形高度より高い位置に視点を設定し、地形高度に関するデータが存在しないと判定した場合、海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さに視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項15】請求項4において、前記読み込んだ地図情報の中に、地形、道路および構築物のうち少なくとも1つの高度に関する情報が含まれているかを判定する判定手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記地図情報に併せて表示すべき複数の地図メッシュが含まれており、かつ、前記判定手段により前記地図メッシュのいずれかに地形高度が存在しないと判断された場合、海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さに視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項16】請求項4において、前記表示処理部は、表示すべき景観の中に当該移動物体を示す画像イメージが表示されるようにグラフィックスデータを生成するものであって、前記視点設定部の設定条件の変更によって変化した前記設定された視点と前記移動体との相対位置関係に応じて、前記移動体の画像イメージを変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項17】地形および道路を少なくとも含む地図情報を記憶した地図データベースと、自車の現在位置を検出する現在位置検出装置と、当該検出された自車の現在位置に対応して設定された領域の地図情報を前記地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成する地図表示装置と、当該生成したグラフィックスデータにより地図表示を行なうディスプレイ装置とを備えるナビゲーション装置において、前記地図表示装置は、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地形の高度を示す情報が含まれるものであって、前記視点設定部は、前記検出した自車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記決定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項18】請求項17において、自車の車種および車高のうち少なくとも一方を設定するための指令を入力するユーザインターフェースをさらに有し、前記地図表示装置は、入力された指令に応じて設定された変数を用いて視点を設定し、当該設定された視点により生成された透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項19】複数種類の地図構成要素に関する情報からなる地図情報を記憶した地図データベースにおいて、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度に関する情報と、前記高度情報の存在を識別するための情報とを少なくとも備えることを特徴とする地図データベース。
【請求項20】入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該生成した透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法を実現するためのプログラムを記録した媒体において、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報が前記地図データベースに含まれている場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に前記透視地図を生成する際の視点の高度を設定すると共に、当該視点高度の設定動作を新たな位置情報が入力される度に繰り返すことを特徴とする地図表示方法を実現するためのプログラムを記録した媒体。
【請求項1】移動体の現在位置に対応して設定された領域内の地図情報を地図データベースから読み込み、当該地図情報について座標変換処理を実行することで、予め設定された視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記透視地図を生成する際に用いる視点の高度は、前記移動体の現在位置に対応して設定された位置に存在する地図構成要素の高度より高い位置に設定されると共に、当該移動体の移動に伴って更新されるものであることを特徴とする地図表示方法。
【請求項2】入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該生成した透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法において、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度を示す情報が含まれるものであって、前記透視地図を生成する際の視点の高度は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報がある場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に設定されると共に、新たな位置情報が入力される度に当該視点高度の設定動作が繰り返されることを特徴とする地図表示方法。
【請求項3】地図データベースおよび地図表示を行なうディスプレイ装置に接続され、入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を前記地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成して、前記ディスプレイ装置へ出力する地図表示装置において、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点の高度に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地形の高度を示す情報が含まれるものであって、前記視点設定部は、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記設定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】請求項3において、前記入力される位置情報が示す位置とは移動体の現在位置であり、前記視点設定部は、前記移動体の移動に伴い更新された位置情報が入力される度に前記視点の設定動作を繰り返すことを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】請求項4において、前記視点設定部は、前記移動体の後方上空に位置し、逐次更新される移動体の現在位置に対して予め定めた相対位置関係を保つように、前記視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】請求項4において、前記視点設定部は、新たに入力された前記移動体の現在位置と前回設定された視点との相対的な位置関係が所定の条件範囲内にある場合、前回設定された視点を保持し、当該現在位置にある移動体が視野内に位置するように視線方向を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項7】請求項4において、前記視点設定部は、前記移動体の現在位置から予め定めた距離範囲内の地形の起伏の変化幅が所定値以下の場合、当該予め定めた距離範囲に対応して決定された領域内に前記移動体の現在位置が存在する間、前記視点の高度を固定にすることを特徴とする地図表示装置。
【請求項8】請求項4において、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記自動車の現在位置での地形高度と当該自動車の車体の高さとから、当該自動車の車内から眺めた場合の透視地図を生成するための視点(以下車内視点と呼ぶ)を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項9】請求項4において、ユーザによって入力される、設定すべき視点高度に関する指定を受け付ける入力手段をさらに備え、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記指定された視点高度が所定値以下の場合は、自動車の車内に視点を位置させ、自動車の進行方向へ視線を設定し、前記指定された視点高度が所定範囲内の場合は、自動車の後方上空に視点を設定し、設定した視点から自動車の方向へ視線を設定し、前記指定された視点高度が所定値以上の場合は、前記指定された視点高度に対応して決定される視点から海抜0メートルの地表面を真下に眺めるように視線を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項10】請求項4において、ユーザによって入力される、設定すべき地図尺度に関する指定を受け付ける入力手段をさらに備え、前記移動体とは自動車であり、前記視点設定部は、前記指定された地図尺度が所定値以下の場合は、自動車の車内に視点を位置させ、自動車の進行方向へ視線を設定し、前記指定された地図尺度が所定範囲内の場合は、自動車の後方上空に視点を設定し、設定した視点から自動車の方向へ視線を設定し、前記指定された地図尺度が所定値以上の場合は、前記指定された視点高度に対応して決定される視点から海抜0メートルの地表面を真下に眺めるように視線を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項11】請求項4において、前記透視地図を生成する際に設定すべき視野角に関する指定を受け付ける手段をさらに備え、前記表示処理部は、前記受け付けた指定に応じて視野角を予め定められているノーマル値およびそれよりも広いワイド値のうち一方に設定し、前記設定された視野角に応じた透視地図の景観を表示するためのグラフィックスデータを生成することを特徴とする地図表示装置。
【請求項12】請求項4において、表示方法を、前記地図情報に含まれる水平二次元のデータを透視変換して遠近感を与えた擬似三次元表示とするか、前記地図情報に含まれる三次元データを用いて景観を表示する三次元表示とするかの選択に関する指定を受け付ける選択手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記疑似三次元表示が選択された場合は海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さで視点を設定し、前記三次元表示が選択された場合は自動車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度より高い位置に視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項13】請求項12において、前記視点設定部は、前記選択手段により前記疑似三次元表示と前記三次元表示とが切り替えられる場合には、地表面から視点までの高さ方向の距離が切り替え前と同一となるように、切り替え後の視点高度を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項14】請求項4において、前記読み込んだ地図情報の中に、地形、道路および構築物のうち少なくとも1つの高度に関する情報が含まれているかを判定する判定手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記判定手段が前記地図情報に地形高度に関するデータが存在すると判定した場合、当該地形高度より高い位置に視点を設定し、地形高度に関するデータが存在しないと判定した場合、海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さに視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項15】請求項4において、前記読み込んだ地図情報の中に、地形、道路および構築物のうち少なくとも1つの高度に関する情報が含まれているかを判定する判定手段をさらに備え、前記視点設定部は、前記地図情報に併せて表示すべき複数の地図メッシュが含まれており、かつ、前記判定手段により前記地図メッシュのいずれかに地形高度が存在しないと判断された場合、海抜0メートルの地表面を基準にした所定の高さに視点を設定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項16】請求項4において、前記表示処理部は、表示すべき景観の中に当該移動物体を示す画像イメージが表示されるようにグラフィックスデータを生成するものであって、前記視点設定部の設定条件の変更によって変化した前記設定された視点と前記移動体との相対位置関係に応じて、前記移動体の画像イメージを変更することを特徴とする地図表示装置。
【請求項17】地形および道路を少なくとも含む地図情報を記憶した地図データベースと、自車の現在位置を検出する現在位置検出装置と、当該検出された自車の現在位置に対応して設定された領域の地図情報を前記地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成する地図表示装置と、当該生成したグラフィックスデータにより地図表示を行なうディスプレイ装置とを備えるナビゲーション装置において、前記地図表示装置は、前記透視地図を生成する際に設定すべき変数のうち、少なくとも視点に関する設定を行なう視点設定部と、前記視点設定部により設定された視点に応じて生成された透視地図に対応する景観表示のためのグラフィックスデータを生成する表示処理部とを備え、前記地図データベースには、少なくとも一部の領域に存在する地形の高度を示す情報が含まれるものであって、前記視点設定部は、前記検出した自車の現在位置に対応して決定された地図上の位置での地形高度を示す情報が存在する場合には、前記決定された地図上の位置での地形高度よりも高い位置に視点を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項18】請求項17において、自車の車種および車高のうち少なくとも一方を設定するための指令を入力するユーザインターフェースをさらに有し、前記地図表示装置は、入力された指令に応じて設定された変数を用いて視点を設定し、当該設定された視点により生成された透視地図に対応する景観を表示するためのグラフィックスデータを生成することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項19】複数種類の地図構成要素に関する情報からなる地図情報を記憶した地図データベースにおいて、少なくとも一部の領域に存在する地図構成要素の高度に関する情報と、前記高度情報の存在を識別するための情報とを少なくとも備えることを特徴とする地図データベース。
【請求項20】入力された位置情報が示す位置に対応して設定された領域の地図情報を地図データベースから読み込み、当該読み込んだ地図情報を用いて、予め設定した視点から地表面を眺めた場合の透視地図を生成し、当該生成した透視地図に対応する景観をディスプレイ上に表示する地図表示方法を実現するためのプログラムを記録した媒体において、前記入力された位置情報が示す位置に対応して設定された地図上の位置に存在する地図構成要素の高度を示す情報が前記地図データベースに含まれている場合には、当該地図構成要素の高度よりも高い位置に前記透視地図を生成する際の視点の高度を設定すると共に、当該視点高度の設定動作を新たな位置情報が入力される度に繰り返すことを特徴とする地図表示方法を実現するためのプログラムを記録した媒体。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【公開番号】特開平10−143066
【公開日】平成10年(1998)5月29日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−294919
【出願日】平成8年(1996)11月7日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【公開日】平成10年(1998)5月29日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)11月7日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
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