説明

地図表示装置、地図表示方法、及び地図表示プログラム

【課題】スクロール操作の停止時などにおいて表示されていた地図を簡便に保存及び表示させることが可能な地図表示装置を提供する。
【解決手段】地図表示装置は、例えば車載用のナビゲーション装置などに好適に適用され、表示部に地図を表示させる。具体的には、第1の入力手段は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付け、地図保存手段は、地図保存入力を受け付けた場合にスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する。一方、第2の入力手段は、保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付け、地図表示手段は、保存地図表示入力を受け付けた場合に保存された地図を表示する。これにより、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部の表示画面上に地図データを表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載されるナビゲーション装置などにおいては、表示されている地図をスクロールして表示させる機能が搭載されている。具体的には、タッチパネルとして構成された表示部(ディスプレイ)をタッチすることによって、地図をスクロールさせて表示させる機能などが搭載されている。例えば、特許文献1には、車両の現在位置に対する画面上の接触点に対応する位置の方向を検出し、この方向とは逆方向に、表示されている地図情報をスクロールする技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−198270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を簡便に保存することができず、また、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を簡便に表示させることができなかった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として上げられる。本発明は、スクロール操作の停止時などにおいて表示されていた地図を簡便に保存及び表示させることが可能な地図表示装置、地図表示方法、及び地図表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段と、前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段と、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、ユーザによる地図のスクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、前記スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を保存する地図保存手段と、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段に保存されている地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、スクロール操作の停止時の地点における地点データを記憶する地点データ記憶手段と、前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付ける第1の入力手段と、先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、前記地点データ記憶手段が記憶している前記地点データに基づいて、前記第1の入力手段によって前記スクロール前地図表示入力を受け付けた場合には前記前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示し、前記第2の入力手段によって前記スクロール先地図表示入力を受け付けた場合には前記先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置において実行される地図表示方法は、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力工程と、前記第1の入力工程によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存工程と、前記地図保存工程によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力工程と、前記第2の入力工程によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存工程によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項7に記載の発明は、コンピュータを備える地図表示装置において実行される地図表示プログラムは、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段、前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段、前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を表示画面上に表示する地図表示手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の1つの観点では、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段と、前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段と、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備える。
【0012】
上記の地図表示装置は、例えば車載用のナビゲーション装置などに好適に適用され、表示部の表示画面上に地図を表示させる。具体的には、第1の入力手段は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付け、地図保存手段は、第1の入力手段によって地図保存入力を受け付けた場合に、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する。これにより、スクロール操作の停止時における地図を容易に保存することができる。例えば、地点における名称などを選択してリストに登録などを行うことなく、地図を容易に保存することができる。一方、第2の入力手段は、保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付け、地図表示手段は、第2の入力手段によって保存地図表示入力を受け付けた場合に地図保存手段によって保存された地図を表示する。これにより、スクロール操作の停止時における地図を容易に表示することができる。例えば、登録したリストの中から表示したいものを選択することなく、地図を即座に表示することができる。上記の地図表示装置によれば、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することができる。
【0013】
上記の地図表示装置の一態様では、前記地図保存手段は、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、前記スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を更に保存する。
【0014】
この態様によれば、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を適切に保存することができる。具体的には、スクロール操作中などにおいて他の地図へ切り替えられた場合に、スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を、ユーザが操作しなくても自動で保存することができる。
【0015】
上記の地図表示装置の他の一態様では、スクロール操作の停止時の地点における地点データを記憶する地点データ記憶手段と、前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付ける第3の入力手段と、先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける第4の入力手段と、を更に備え、前記地図表示手段は、前記地点データ記憶手段が記憶している前記地点データに基づいて、前記第3の入力手段によって前記スクロール前地図表示入力を受け付けた場合には前記前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示し、前記第4の入力手段によって前記スクロール先地図表示入力を受け付けた場合には前記先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示する。
【0016】
この態様によれば、スクロール操作の停止時の地点における地図(例えば、画像データなど)を保存しなくても、前にスクロール操作を停止した地点に戻って地図を適切に表示させることができる共に、先にスクロール操作を停止した地点に進んで地図を適切に表示させることができる。
【0017】
本発明の他の観点では、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、ユーザによる地図のスクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、前記スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を保存する地図保存手段と、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段に保存されている地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備える。これにより、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を適切に保存することができる。
【0018】
また、本発明の他の観点では、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置は、スクロール操作の停止時の地点における地点データを記憶する地点データ記憶手段と、前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付ける第1の入力手段と、先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、前記地点データ記憶手段が記憶している前記地点データに基づいて、前記第1の入力手段によって前記スクロール前地図表示入力を受け付けた場合には前記前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示し、前記第2の入力手段によって前記スクロール先地図表示入力を受け付けた場合には前記先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示する地図表示手段と、を備える。これにより、スクロール操作の停止時の地点における地図を保存しなくても、前にスクロール操作を停止した地点における地図及び先にスクロール操作を停止した地点における地図を適切に表示させることができる。
【0019】
更に、本発明の他の観点では、表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置において実行される地図表示方法は、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力工程と、前記第1の入力工程によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存工程と、前記地図保存工程によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力工程と、前記第2の入力工程によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存工程によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示工程と、を備える。
【0020】
更に、本発明の他の観点では、コンピュータを備える地図表示装置において実行される地図表示プログラムは、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段、前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段、前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段、前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を表示画面上に表示する地図表示手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0021】
上記した地図表示方法及び地図表示プログラムによっても、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することが可能となる。なお、地図表示プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーション装置に適用した例を示す。
【0023】
[ナビゲーション装置]
図1に、ナビゲーション装置1の構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0024】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0025】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0026】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0027】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0028】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0029】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0030】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(Vehicle Information Communication System)センタなどから配信される情報(以下、「VICS情報」と呼ぶ。)を取得する。
【0031】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0032】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0033】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0034】
なお、図1におけるCPU22などは、本発明における地図表示装置に相当する。具体的には、CPU22などは、第1の入力手段、第2の入力手段、第3の入力手段、第4の入力手段、地図保存手段、及び地図表示手段、並びに地点データ記憶手段に相当する。
【0035】
[地図表示方法]
以下で、地図表示方法の実施例について説明する。本実施例では、基本的には、ユーザによって地図のスクロール操作が行われた場合に、スクロール操作の停止時などに表示されていた地図を保存するための処理を行うと共に、このようにして保存された地図を表示するための処理を行う。
【0036】
(第1実施例)
まず、第1実施例に係る地図表示方法について説明する。第1実施例では、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付けると共に、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付けることによって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存及び表示する。詳しくは、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存用ボタン、及びスクロール操作の停止時に表示されていた地図を表示させるための地図表示用ボタンを表示画面に表示させることによって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存及び表示する。具体的には、スクロール操作の停止時に地図保存用ボタンを表示させ、ユーザによって地図保存用ボタンが押下された場合に、地図を保存すると共に地図表示用ボタンを表示させる。そして、ユーザによって地図表示用ボタンが押下された場合に、保存されている地図を表示する。以上の第1実施例に係る地図表示方法によれば、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することができる。
【0037】
ここで、図2及び図3を参照して、第1実施例に係る地図表示方法について具体的に説明する。
【0038】
図2は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存するまでの手順を説明するための図である。図2(a)は、ユーザによって地図のスクロール操作が行われている際の表示画面を示す図である。この場合、地点A(図2において星印で示す)は、表示画面の左上に位置している。なお、入力装置60として、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルを使用する場合、ユーザは指又はタッチペンなどによりタッチパネルにタッチすることにより、スクロール操作を行う。一方、入力装置60としてリモコンを使用する場合、ユーザはリモコンに設けられた入力部を操作して地図表示エリア中に表示されたカーソルの位置を上下左右に移動させ、決定ボタンなどを押すことにより、スクロール操作を行う。
【0039】
図2(b)は、スクロール操作の停止時における表示画面を示している。この場合、スクロール操作の結果、地点Aが表示画面の概ね中央(図2において十字で示す)に位置している。ユーザによるスクロール操作が停止された場合、地図保存用ボタンB1が表示画面上に表示される。この地図保存用ボタンB1がユーザにより押下された場合には、スクロール操作の停止時における地図(つまり、図2(b)において表示されている地図)が保存されることとなる。次に、図2(c)は、図2(b)に示す表示画面中の地図保存用ボタンB1が押下された場合に表示される表示画面を示している。ユーザにより地図保存用ボタンB1が押下された場合、表示画面中に地図表示用ボタンB2が表示される。この地図表示用ボタンB2がユーザにより押下された場合には、スクロール操作の停止時における地図(つまり、図2(b)の表示画面に表示されていた地図)が表示されることとなる。なお、図2(c)の表示画面における地図に対して更にスクロール操作が行われた場合において、スクロール操作の停止時に表示された地図保存用ボタンB1が押下された場合、地図は上書き保存されることとなる。
【0040】
図3は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を表示するまでの手順を説明するための図である。なお、図3に示す表示画面は、図2を用いて説明した手順を行った後に表示されるものである。
【0041】
図3(a)は、上記した図2(c)の表示画面に表示されていた地図を更にスクロール操作して、スクロール操作を停止させた際に表示される表示画面を示している。この場合、表示画面には、地図保存用ボタンB1及び地図表示用ボタンB2が表示されている。図3(b)は、図3(a)に示す表示画面中の地図表示用ボタンB2が押下された場合に表示される表示画面を示している。ユーザにより地図表示用ボタンB2が押下された場合、地図保存用ボタンB1が押下されることによって保存されていた地図が表示されることとなる。具体的には、スクロール操作の停止時における地図(つまり、図2(b)の表示画面に表示されていた地図)が表示されることとなる。詳しくは、地点A(図3において星印で示す)が表示画面の概ね中央に位置している地図が表示されることとなる。
【0042】
次に、図4及び図5を参照して、第1実施例に係る地図表示処理を説明する。
【0043】
図4は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存するための処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、CPU22が繰り返し実行する。具体的には、CPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより行われる。
【0044】
まず、ステップS101では、CPU22は、ディスプレイ44に表示されている地図へのユーザによるタッチがあったか否かを判定する。言い換えると、CPU22は、ユーザによって地図のスクロール操作が行われているか否かを判定する。この場合、CPU22は、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネル(入力装置60として機能する)に入力される信号に基づいて判定を行う。地図へのタッチがあった場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、地図へのタッチがなかった場合(ステップS101;No)、処理は当該フローを抜ける。
【0045】
ステップS102では、CPU22は、ユーザによる地図へのタッチが終了したか否かを判定する。つまり、CPU22は、ユーザによるスクロール操作が停止したか否かを判定する。タッチが終了している場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS104に進む。ステップS104では、ユーザによるスクロール操作が停止したため、CPU22は、地図をスクロールさせる処理を停止する。そして、処理はステップS105に進む。これに対して、タッチが終了していない場合(ステップS102;No)、処理はステップS103に進む。ステップS103では、ユーザによるスクロール操作が継続しているので、CPU22は、地図をスクロールさせる処理を継続する。そして、処理はステップS102に戻る。
【0046】
ステップS105では、ユーザによるスクロール操作が停止したため、CPU22は、表示画面上に地図保存用ボタンを表示させる。そして、処理はステップS106に進む。ステップS106では、CPU22は、ユーザにより地図保存用ボタンの押下があったか否かを判定する。この場合も、CPU22は、入力装置60として機能するタッチパネルに入力される信号に基づいて、地図保存用ボタンの押下があったか否かの判定を行う。
【0047】
地図保存用ボタンの押下があった場合(ステップS106;Yes)、処理はステップS107に進む。ステップS107では、CPU22は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する。例えば、CPU22は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図の画像データなどを保存するための処理を行う。なお、前回行ったステップS107の処理で保存している地図が存在する場合、今回のステップS107の処理では、CPU22は、前回保存された地図に対して新たな地図を上書きして保存する。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0048】
これに対して、地図保存用ボタンの押下がなかった場合(ステップS106;No)、処理はステップS108に進む。ステップS108では、CPU22は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存しない。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0049】
図5は、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を表示するための処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、CPU22が繰り返し実行する。具体的には、CPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより行われる。
【0050】
まず、ステップS201では、CPU22は、ユーザにより現在地表示ボタンの押下があったか否かを判定する。つまり、CPU22は、ユーザによって、現在地を示す地図表示への切り替え操作が行われたか否かを判定する。現在地表示ボタンの押下があった場合(ステップS201;Yes)、処理はステップS202に進む。この場合、CPU22は、現在地を示す地図を表示画面上に表示させる(ステップS202)。そして、処理はステップS203に進む。これに対して、現在地表示ボタンの押下がなかった場合(ステップS201;No)、処理は当該フローを抜ける。
【0051】
ステップS203では、CPU22は、地図が保存されているか否かを判定する。具体的には、CPU22は、前述したステップS107の処理により保存された地図が存在するか否かを判定する。言い換えると、スクロール操作の停止時における地図を保存しているか否かを判定する。地図が保存されている場合(ステップS203;Yes)、処理はステップS204に進む。この場合、CPU22は、表示画面上に地図表示用ボタンを表示させる(S204)。そして、処理はステップS206に進む。これに対して、地図が保存されていない場合(ステップS203;No)、処理はステップS205に進む。この場合、CPU22は、表示画面上に地図表示用ボタンを表示しない(ステップS205)。表示させるべき地図を保存していないからである。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0052】
ステップS206では、CPU22は、ユーザにより地図表示用ボタンの押下があったか否かを判定する。この場合も、CPU22は、入力装置60として機能するタッチパネルに入力される信号に基づいて、地図表示用ボタンの押下があったか否かの判定を行う。
【0053】
地図表示用ボタンの押下があった場合(ステップS206;Yes)、処理はステップS207に進む。この場合、CPU22は、保存している地図を表示画面上に表示する(ステップS207)。つまり、CPU22は、スクロール操作の停止時における地図を表示する。例えば、CPU22は、保存している地図の画像データなどを読み出して、この画像データに対応する画像を表示画面上に表示させる処理を行う。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0054】
これに対して、地図表示用ボタンの押下がなかった場合(ステップS206;No)、処理はステップS208に進む。この場合、CPU22は、保存している地図を表示画面上に表示しない(ステップS208)。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0055】
なお、上記した処理では、現在地を示す地図表示への切り替えが行われた場合において(ステップS201の処理参照)、保存している地図を表示する例を示したが、これに限定はされない。例えば、ユーザによって更にスクロール操作が行われた場合や、現在地を示す地図以外の他の地図を表示するための切り替えが行われた場合においても、地図表示用ボタンの押下があった場合に保存している地図を表示しても良い。また、上記の地図表示処理(図4及び図5参照)では、入力装置60としてタッチパネルを使用する場合を例に挙げたが、入力装置60としてリモコンを使用する場合にも、同様の処理を行うことができる。つまり、ユーザがリモコン操作を行う場合や物理的ボタン操作などを行う場合にも、同様の処理を行うことができる。
【0056】
以上説明した第1実施例に係る地図表示方法によれば、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することができる。具体的には、地図保存用ボタンを押下するだけでスクロール操作の停止時における地図を保存することができる。例えば、地点における名称などを選択してリストに登録などを行うことなく、地図を容易に保存することができる。また、地図表示用ボタンを押下するだけでスクロール操作の停止時における地図を表示することができる。例えば、登録したリストの中から表示したいものを選択することなく、地図を即座に表示することができる。更に、保存及び表示の操作が簡便であるため、例えば走行中などにおけるユーザの負担を効果的に軽減することが可能となる。
【0057】
(第2実施例)
次に、第2実施例に係る地図表示方法について説明する。第2実施例では、ユーザによるスクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において、当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、スクロール操作における最終地点で表示されていた地図(以下、「スクロール最終地点の地図」とも呼ぶ。)を自動的に保存する点で、前述した第1実施例と異なる。具体的には、第2実施例では、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において他の地図(例えば現在地を示す地図)へ切り替えられた場合に、スクロール最終地点の地図を自動的に保存すると共に、前述したものと同様の地図表示用ボタンが押下された場合に、こうして保存されたスクロール最終地点の地図を表示する。
【0058】
図6は、第2実施例に係る地図表示方法を説明するための図である。図6(a)は、現在地を示す地図に切り替えられる直前のスクロール操作中における表示画面を示す図である。この場合、地点A(図6において星印で示す)は、表示画面の左上に位置している。図6(b)は、現在地を示す地図表示への切り替えが行われた場合における表示画面を示す図である。つまり、図6(b)は、現在地を示す地図の表示画面を示している。例えばユーザによって現在地表示ボタン(不図示)が押下された場合に、このような現在地を示す地図への切り替えが行われる。この場合、表示画面には、地図表示用ボタンB2が表示されている。このような地図の切り替えが行われた場合、スクロール最終地点の地図(つまり、現在地を示す地図表示へ切り替えられる直前においてスクロール操作中に表示されていた地図)が保存されることとなる。即ち、図6(a)の表示画面に表示されていた地図が保存されることとなる。
【0059】
図6(c)は、図6(b)に示す表示画面中の地図表示用ボタンB2が押下された場合に表示される表示画面を示している。ユーザにより地図表示用ボタンB2が押下された場合、スクロール最終地点の地図、つまり図6(a)の表示画面に表示されていた地図が表示されることとなる。詳しくは、地点Aが表示画面の左上に位置している地図が表示されることとなる。
【0060】
なお、図6では、スクロール操作中に現在地表示の指示入力があった場合における例を示したが、スクロール操作の停止時に現在地表示等のスクロール操作とは異なる指示入力があった場合にも、同様にしてスクロール最終地点の地図を保存する処理などが行われる。
【0061】
図7は、第2実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。なお、この処理も、CPU22が繰り返し実行する。具体的には、CPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより行われる。
【0062】
ステップS301〜S304の処理は、前述したステップS101〜S104の処理(図4参照)と同様であるため、その説明を省略する。ここでは、ステップS305以降の処理について説明する。
【0063】
ステップS305では、CPU22は、ユーザにより現在地表示ボタンの押下があったか否かを判定する。つまり、CPU22は、ユーザによって、現在地を示す地図表示への切り替え操作が行われたか否かを判定する。現在地表示ボタンの押下があった場合(ステップS305;Yes)、処理はステップS306に進み、現在地表示ボタンの押下がなかった場合(ステップS305;No)、処理はステップS305に戻る。
【0064】
ステップS306では、CPU22は、スクロール最終地点の地図を保存する。つまり、CPU22は、現在地を示す地図表示へ切り替えられる直前において表示されていた地図(即ち、スクロール操作の停止時に表示されていた地図)を保存する。例えば、CPU22は、スクロール最終地点の地図の画像データなどを保存するための処理を行う。なお、既に保存している地図が存在する場合には、CPU22は、この既に保存している地図に対して新たな地図を上書きして保存する。
【0065】
ステップS307では、CPU22は、現在地を示す地図を表示画面上に表示させる。そして、処理はステップS308に進む。ステップS308では、CPU22は、表示画面上に地図表示用ボタンを表示させる。そして、処理はステップS309に進む。
【0066】
ステップS309では、CPU22は、ユーザにより地図表示用ボタンの押下があったか否かを判定する。地図表示用ボタンの押下があった場合(ステップS309;Yes)、処理はステップS310に進む。この場合、CPU22は、保存しているスクロール最終地点の地図を表示画面上に表示する(ステップS310)。例えば、CPU22は、保存している地図の画像データなどを読み出して、この画像データに対応する画像を表示画面上に表示させる処理を行う。そして、処理は当該フローを抜ける。これに対して、地図表示用ボタンの押下がなかった場合(ステップS309;No)、処理はステップS311に進む。この場合、CPU22は、スクロール最終地点の地図を表示画面上に表示しない(ステップS311)。そして、処理は当該フローを抜ける。
【0067】
なお、上記では、現在地表示の指示入力があり現在地を示す地図表示への切り替えが行われた場合にスクロール最終地点の地図を自動的に保存する例を示したが、現在地表示の指示入力以外のスクロール操作とは異なる指示入力があった場合にも、このようにして地図を保存することができる。スクロール操作とは異なる指示入力の例としては、現在地表示の指示入力の他に、施設検索を実行して検索された施設周辺の地図を表示する指示入力や、ユーザがメモリに登録した地点を表示する指示入力などが挙げられる。
【0068】
また、上記の地図表示処理(図7参照)では、入力装置60としてタッチパネルを使用する場合を例に挙げたが、入力装置60としてリモコンを使用する場合にも、同様の処理を行うことができる。つまり、ユーザがリモコン操作を行う場合や物理的ボタン操作などを行う場合にも、同様の処理を行うことができる。
【0069】
更に、図7では、スクロール操作の停止時にスクロール操作とは異なる指示入力を受け付けた場合に行われる処理を示したが、スクロール操作中にスクロール操作とは異なる指示入力を受け付けた場合にも、同様の処理を行うことができる。
【0070】
以上説明した第2実施例に係る地図表示方法によれば、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時にスクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、スクロール最終地点の地図を適切に保存することができると共に、スクロール最終地点の地図を容易に表示させることができる。具体的には、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において他の地図へ切り替えられた場合に、ユーザが操作しなくても自動でスクロール最終地点の地図を保存することができると共に、地図表示用ボタンを押下するだけでスクロール最終地点の地図を表示することができる。
【0071】
なお、第2実施例に係る地図表示方法と、前述した第1実施例に係る地図表示方法とを組み合わせることも可能である。具体的には、スクロール操作の停止時に地図保存用ボタンを表示させて、ユーザによって地図保存用ボタンが押下された場合に地図を保存することができると共に、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において他の地図へ切り替えられた場合に、スクロール最終地点の地図を自動的に保存することができる。また、ユーザによって地図表示用ボタンが押下された場合に、このようにして保存された、スクロール操作の停止時における地図やスクロール最終地点の地図を表示することができる。
【0072】
(第3実施例)
次に、第3実施例に係る地図表示方法について説明する。第3実施例では、スクロール操作の停止時の地点(以下、「スクロール停止地点」と呼ぶ。)における地点データを記憶し、この地点データに基づいて、前のスクロール停止地点に戻って地図を表示させると共に、先のスクロール停止地点に進んで地図を表示させる点で、前述した第1及び第2実施例と異なる。具体的には、第3実施例では、ユーザによるスクロール操作が停止されるごとに、スクロール停止地点における地点データ(例えば、スクロール操作が停止された地点における位置座標などのデータ)を記憶する。そして、前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付けると共に、先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける。より具体的には、前のスクロール停止地点に戻って地図を表示させるためのボタン(以下、「戻るボタン」と呼ぶ。)、及び先のスクロール停止地点に進んで地図を表示させるためのボタン(以下、「進むボタン」と呼ぶ。)を表示画面に表示することによって、このようなスクロール前地図表示入力及びスクロール先地図表示入力を受け付ける。この場合において、戻るボタンが押下された場合には、現在表示している地図に対して1つ前のスクロール停止地点における地図を表示する。一方、進むボタンが押下された場合には、現在表示している地図に対して1つ先のスクロール停止地点における地図を表示する。以上の第3実施例に係る地図表示方法によれば、スクロール停止地点における地図(画像データなど)を保存しなくても、前のスクロール停止地点に戻って地図を適切に表示させることができる共に、先のスクロール停止地点に進んで地図を適切に表示させることができる。
【0073】
図8は、第3実施例に係る地図表示方法を説明するための図である。図8(a)は、スクロール操作の停止時における表示画面を示す図である。なお、図8(a)におけるスクロール操作は1回目のものであるものとする。この場合には、地点A(図8において星印で示す)は、表示画面の概ね中央に位置している。このようにしてスクロール操作が停止された場合、図8(a)の表示画面における地点(つまりスクロール停止地点)の地点データが記憶されることとなる。また、地図保存用ボタンB1と共に、戻るボタンC1及び進むボタンC2が表示画面上に表示される。具体的には、戻るボタンC1及び進むボタンC2は両方とも、非アクティブにされている(図8においてはハッチングで示してある)。つまり、戻るボタンC1及び進むボタンC2を押下することはできない。この場合には、スクロール操作が1回目のものであるため、前のスクロール停止地点における地図、及び先のスクロール停止地点における地図が存在しないからである。
【0074】
図8(b)は、図8(a)の表示画面に表示されていた地図を更にスクロール操作して、スクロール操作を停止させた際に表示される表示画面を示している。つまり、図8(b)におけるスクロール操作は2回目のものである。この場合には、地点Aは、表示画面の左上に位置している。このようにスクロール操作が停止された場合、図8(b)の表示画面における地点(つまりスクロール停止地点)の地点データが記憶されることとなる。また、戻るボタンC1が非アクティブからアクティブにされ、進むボタンC2は非アクティブのままにされる。つまり、戻るボタンC1のみが、押下することが可能な状態となる。これは、スクロール操作を今までに2回行っており、且つ現在2回目のスクロール操作の停止時における地図が表示されているため、前のスクロール停止地点における地図は存在するが、先のスクロール停止地点における地図は存在しないからである。つまり、新たに表示させることができる地図として、1回目のスクロール停止地点(図8(a)の表示画面におけるスクロール停止地点)における地図しか存在しないからである。更に言い換えると、現時点においては、1つ前のスクロール停止地点における地点データのみが記憶されており、1つ先のスクロール停止地点における地点データが記憶されていないからである。
【0075】
図8(c)は、図8(b)に示す表示画面中の戻るボタンC1が押下された場合に表示される表示画面を示している。ユーザにより戻るボタンC1が押下された場合、1つ前のスクロール停止地点における地図が表示される。即ち、1回目のスクロール停止地点における地図(つまり、図8(a)の表示画面に表示されていた地図)、詳しくは地点Aが表示画面の概ね中央に位置している地図が表示されることとなる。また、戻るボタンC1がアクティブから非アクティブにされると共に、進むボタンC2が非アクティブからアクティブにされる。つまり、進むボタンC2のみが、押下することが可能な状態となる。これは、スクロール操作を今までに2回行っており、且つ現在1回目のスクロール操作の停止時における地図が表示されているため、先のスクロール停止地点における地図は存在するが、前のスクロール停止地点における地図は存在しないからである。つまり、新たに表示させることができる地図として、2回目のスクロール停止地点(図8(b)の表示画面におけるスクロール停止地点)における地図しか存在しないからである。更に言い換えると、現時点においては、1つ先のスクロール停止地点における地点データのみが記憶されており、1つ前のスクロール停止地点における地点データが記憶されていないからである。
【0076】
この後、ユーザによって、図8(c)に示す表示画面中の進むボタンC2が押下された場合、1つ先のスクロール停止地点における地図が表示される。つまり、2回目のスクロール停止地点における地図、即ち図8(b)の表示画面に表示されていた地図が表示されることとなる。また、戻るボタンC1が非アクティブからアクティブにされると共に、進むボタンC2がアクティブから非アクティブにされる。つまり、このようにして進むボタンC2が押下された場合には、図8(b)の表示画面と同様の表示画面が表示されることとなる。
【0077】
図9は、第3実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。なお、この処理も、CPU22が繰り返し実行する。具体的には、CPU22が予め用意されたプログラムを実行することにより行われる。
【0078】
ステップS401〜S404の処理は、前述したステップS101〜S104の処理(図4参照)と同様であるため、その説明を省略する。ここでは、ステップS405以降の処理について説明する。
【0079】
ステップS405の処理は、ユーザによるスクロール操作が停止した場合(ステップS404;Yes)に実行される。ステップS405の処理では、CPU22は、スクロール操作が停止したため、地図保存用ボタン、戻るボタン、及び進むボタンを表示画面上に表示させる。そして、処理はステップS406に進む。なお、上記のようにしてスクロール操作が停止した場合、CPU22は、スクロール停止地点における地点データ(例えば、スクロール操作が停止された地点における位置座標などのデータ)を記憶する。
【0080】
ステップS406では、CPU22は、ユーザにより戻るボタンの押下があったか否かを判定する。戻るボタンの押下があった場合(ステップS406;Yes)、処理はステップS407に進み、戻るボタンの押下がなかった場合(ステップS406;No)、処理はステップS409に進む。
【0081】
ステップS407では、CPU22は、戻るボタンがアクティブであるか否かを判定する。言い換えると、CPU22は、1つ前のスクロール停止地点における地点データが記憶されているか否かを判定する。戻るボタンがアクティブである場合(ステップS407;Yes)、処理はステップS408に進む。これに対して、戻るボタンがアクティブでない場合(ステップS407;No)、つまり戻るボタンが非アクティブである場合、処理はステップS409に進む。
【0082】
ステップS408では、CPU22は、1つ前のスクロール停止地点における地図を表示する。具体的には、CPU22は、記憶している1つ前のスクロール停止地点における地点データ(位置座標などのデータ)を読み出して、この地点データに対応する地図を表示画面に表示させる処理を行う。そして、処理はステップS409に進む。なお、このように地図を表示させた後に、現時点において1つ前のスクロール停止地点における地点データが記憶されていない場合には、CPU22は、戻るボタンをアクティブから非アクティブに変更する。
【0083】
ステップS409では、CPU22は、ユーザにより進むボタンの押下があったか否かを判定する。進むボタンの押下があった場合(ステップS409;Yes)、処理はステップS410に進み、進むボタンの押下がなかった場合(ステップS409;No)、処理は当該フローを抜ける。
【0084】
ステップS410では、CPU22は、進むボタンがアクティブであるか否かを判定する。言い換えると、CPU22は、1つ先のスクロール停止地点における地点データが記憶されているか否かを判定する。進むボタンがアクティブである場合(ステップS410;Yes)、処理はステップS411に進む。これに対して、進むボタンがアクティブでない場合(ステップS410;No)、つまり進むボタンが非アクティブである場合、処理は当該フローを抜ける。
【0085】
ステップS411では、CPU22は、1つ先のスクロール停止地点における地図を表示する。具体的には、CPU22は、記憶している1つ先のスクロール停止地点における地点データ(位置座標などのデータ)を読み出して、この地点データに対応する地図を表示画面に表示させる処理を行う。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。なお、このように地図を表示させた後に、現地点において1つ先のスクロール停止地点における地点データが記憶されていない場合には、CPU22は、進むボタンをアクティブから非アクティブに変更する。
【0086】
なお、上記の地図表示処理(図9参照)では、入力装置60としてタッチパネルを使用する場合を例に挙げたが、入力装置60としてリモコンを使用する場合にも、同様の処理を行うことができる。つまり、ユーザがリモコン操作を行う場合や物理的ボタン操作などを行う場合にも、同様の処理を行うことができる。
【0087】
以上説明した第3実施例に係る地図表示方法によれば、スクロール停止地点における地図(画像データなど)を保存しなくても、前のスクロール停止地点に戻って地図を適切に表示させることができる共に、先のスクロール停止地点に進んで地図を適切に表示させることができる。例えば、スクロール操作を行って所望の地点における地図を表示した後に、誤って地図部分をタッチしてしまいスクロールが開始してしまう場合があるが、このような場合に戻るボタンを押下することにより、スクロール操作を再度行うことなく、所望の地点における地図を容易に表示させることが可能となる。
【0088】
なお、第3実施例に係る地図表示方法と、前述した第1実施例及び第2実施例の少なくともいずれかの地図表示方法とを組み合わせることも可能である。具体的には、スクロール停止地点の地点データに基づいて、前のスクロール停止地点における地図や先のスクロール停止地点における地図を表示させると共に、第1実施例で示したように、地図保存用ボタンが押下されることによって保存された地図を地図表示用ボタンが押下された場合に表示させたり、第2実施例で示したように、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において他の地図へ切り替えられた際に保存されたスクロール最終地点の地図を表示させたりすることができる。
【0089】
以上説明したように、本実施例においては、ナビゲーション装置内のCPUは、ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段と、第1の入力手段によって地図保存入力を受け付けた場合に、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段と、地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、第2の入力手段によって保存地図表示入力を受け付けた場合に、地図保存手段によって保存された地図を表示画面上に表示する地図表示手段と、を備える。これにより、簡便なボタン操作によって、スクロール操作の停止時に表示されていた地図を容易に保存及び表示することが可能となる。
【0090】
[変形例]
なお、上記した地図表示処理は、CPU22が予め用意されたプログラム(地図表示プログラム)を実行することによって行うことを想定しているが、この代わりに、回路などにおけるハードウェア処理によって行うこととしても良い。また、地図表示プログラムは、予めROM23に格納されていることとしても良いし、地図表示プログラムが記憶されたCDやDVDなどの記録媒体によって外部から供給され、ディスクドライブ31が読み取ったプログラムをROM23に格納するものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】スクロール操作の停止時における地図を保存する手順を説明するための図である。
【図3】スクロール操作の停止時における地図を表示する手順を説明するための図である。
【図4】第1実施例における地図の保存処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例における地図の表示処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例に係る地図表示方法を説明するための図である。
【図7】第2実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。
【図8】第3実施例に係る地図表示方法を説明するための図である。
【図9】第3実施例に係る地図表示処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
18 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置であって、
ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段と、
前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、
前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記地図保存手段は、スクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、前記スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を更に保存することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
スクロール操作の停止時の地点における地点データを記憶する地点データ記憶手段と、
前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付ける第3の入力手段と、
先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける第4の入力手段と、を更に備え、
前記地図表示手段は、前記地点データ記憶手段が記憶している前記地点データに基づいて、前記第3の入力手段によって前記スクロール前地図表示入力を受け付けた場合には前記前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示し、前記第4の入力手段によって前記スクロール先地図表示入力を受け付けた場合には前記先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置であって、
ユーザによる地図のスクロール操作中若しくはスクロール操作の停止時において当該スクロール操作とは異なる指示入力により他の地図を表示するための切り替えが行われた場合に、前記スクロール操作における最終地点で表示されていた地図を保存する地図保存手段と、
前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段に保存されている地図を前記表示画面上に表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置であって、
スクロール操作の停止時の地点における地点データを記憶する地点データ記憶手段と、 前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール前地図表示入力を受け付ける第1の入力手段と、
先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示させるためのスクロール先地図表示入力を受け付ける第2の入力手段と、
前記地点データ記憶手段が記憶している前記地点データに基づいて、前記第1の入力手段によって前記スクロール前地図表示入力を受け付けた場合には前記前にスクロール操作を停止した地点における地図を表示し、前記第2の入力手段によって前記スクロール先地図表示入力を受け付けた場合には前記先にスクロール操作を停止した地点における地図を表示する地図表示手段と、を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
表示部の表示画面上に地図を表示させる地図表示装置において実行される地図表示方法であって、
ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力工程と、
前記第1の入力工程によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存工程と、
前記地図保存工程によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力工程と、
前記第2の入力工程によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存工程によって保存された地図を前記表示画面上に表示する地図表示工程と、を備えることを特徴とする地図表示方法。
【請求項7】
コンピュータを備える地図表示装置において実行される地図表示プログラムであって、
ユーザによる地図のスクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存させるための地図保存入力を受け付ける第1の入力手段、
前記第1の入力手段によって前記地図保存入力を受け付けた場合に、前記スクロール操作の停止時に表示されていた地図を保存する地図保存手段、
前記地図保存手段によって保存された地図を表示させるための保存地図表示入力を受け付ける第2の入力手段、
前記第2の入力手段によって前記保存地図表示入力を受け付けた場合に、前記地図保存手段によって保存された地図を表示画面上に表示する地図表示手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の地図表示プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−58575(P2009−58575A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223598(P2007−223598)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(500403929)パイオニアシステムテクノロジー株式会社 (58)
【Fターム(参考)】