説明

地物環境状況提供方法及びそのプログラム

【課題】航空レーザデータによって容易に河川全体の状況、基盤データの状況を面的に数値化して把握するとともに、適宜カラー表示する地物環境状況提供方法及びプログラムを得る。
【解決手段】河川環境状況図作成部20と、反射強度図作成部21(プログラム)と、土地被覆分類図作成部22(プログラム)と、河道解析エリア作成部23(プログラム)と、合成部24等を備えて、オルソフォト画像、レーザデータから砂州比高画像A又は河の早瀬、淵等が一目で分かる瀬淵画像B若しくは河道の中州、砂地の石、砂利の状況が一目で分かる河床材料画像C等を生成してこれを出力部3に得る。つまり、オルソフォト画像、レーザデータを用いることによって、河道の瀬淵、中州、砂地、河床材料がどの程度の割合で存在しているかを数値データとして得ることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河道、海岸、湿地帯等の水および水周辺のエリアにおいて瀬、淵、川の状況又は州に存在する砂礫の大きさを面的に数値化して把握するとともに、適宜カラー表示することで視覚的に情報を提供する地物環境状況提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1990年から全国109水系の一級河川及び各県が管理する二級河川の一部において「河川水辺の国勢調査」(以下水国調査と称する)が始まった。この調査は植物・魚類・鳥類など、河川に生息・生育する生物を現地確認によって把握するもので、5カ年を1サイクルとして実施され、現在は3巡目の調査に差し掛かっている。
【0003】
調査の開始当初、河川管理者は生物に関する情報をまったく持っておらず、環境問題に関する世論の高まりを背景に、まずはどんな生物がいるのかを調べるところから始まった。その後、1997年に河川法が改正され、河川事業の目的として従来の「治水」「利水」に加えて「河川環境の整備と保全」が位置づけられたことにより、事業の三本柱の一つを担う基礎データとして、毎年多額の予算を投じて全国の河川(湖も含む)で調査が実施されてきた。
【0004】
この一方で公共事業全般に渡ってコスト縮減が叫ばれる中、過去10数年に渡って蓄積されてきたデータの価値が問われている。すなわち、生物情報は積み上がったものの、それが河川管理(生物環境を維持しながら治水等の管理)にほとんど活用されていないという実態があらわになって来ている。
【0005】
河川管理者として環境情報の取得は必須であるため、2006年から始まる4巡目の調査に向けてマニュアルの改訂が進められているが依然として生物調査主体の内容になっており、河川管理にどのように活用していくかという課題に対する解決策は得られていない。
【0006】
現在の水国調査データが河川管理に活用されにくい要因として、調査対象が生物に偏重し、河道地形、河床材料、中州、中州の樹木、川の流れ(早瀬、平瀬、淵)等の場の環境に対する調査が手薄になっている点を挙げることができる。
【0007】
つまり、河川管理で操作できる対象は、個々の生物ではなく、河道形態や流況等の物理条件である。
【特許文献1】特開2000−89664号公報
【特許文献2】特許第3546349号公報
【特許文献3】特開2003−156330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在の水国調査データが河川管理に活用されにくい要因として、調査対象が生物に偏重し、場の環境に対する調査が手薄になっている点を挙げることができる。
【0009】
つまり、河川管理で操作できる対象は、個々の生物ではなく、河道形態や流況等の物理条件であるにもかかわらず、これらの河川の基盤環境データ(中州の状況、樹木の生育状況、川の急流の状況、砂礫の堆積状況、川の変化状況等)は取得がほとんどなされていないので、洪水に対して安全な河道を確保しつつ、どのように生物環境を維持していくのかが数値的に管理されていないという課題があった。
【0010】
また、従来の水国調査は多額のコストをかけても対象区間の中に設定されたいくつかの調査地点のみで行われるため、局所的な情報しか得られないので、河川全体の環境がすぐに把握できないという課題があった。
【0011】
従って、巨費をかけないで航空レーザデータによって容易に河川全体の状況、基盤データの状況を面的に数値化して把握するとともに、適宜カラー表示することで視覚的に提供できる水環境情報提供方法を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の航空機によるレーザデータ及びカラー画像データを用いた地物環境状況提供方法は、カラーオルソフォト画像のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)のうちの任意のバンドの色強度と第1の閾値とを比較し、該メッシュを日向と日影に分類する工程と、日向のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度それぞれを比較し、日向のメッシュを水域、裸地、及び植生地に分類する工程と、日影のメッシュを含む区画のレーザデータの表層反射強度と、第2及び第3の閾値とを比較し、日影のメッシュを水域、前記裸地、及び前記植生地に分類する工程と、カラーオルソフォト画像の全メッシュについて全工程を繰り返し実施して、対象地域の土地被覆分類する工程とを行うことを要旨とする。
【0013】
また、地物環境状況提供方法は、レーザデータに含まれる各区画の地盤標高値と表層標高値を読み出し、その差から該区画の植生高を求める工程と、植生地のメッシュを含む区画の植生高と第4の閾値と比較し、植生地のメッシュを樹木と草地に分類する工程とをさらに行なうことを要旨とする。
【0014】
さらに、地物環境状況提供方法は、前記水域に分類された全メッシュについて、前記メッシュを含む区画の前記レーザデータの地盤標高値をそれぞれ抽出し、水面勾配区分を作成する工程と、前記地盤標高値中の任意の3メッシュについて不等三角網を発生させて、複数の水域に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する工程と、別途作成される2次元の堤防線上に任意に発生させた点群に、その点の最近傍の前記地盤標高値から標高値を与え、その点の標高値と前記地盤標高値の3メッシュについて不等三角網を発生させて、水域と堤防に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する工程と、前記基準水面の標高値と前記地盤標高値の差分を算出し、砂州の比高分布を作成する工程とをさらに行なうことを要旨とする。
【0015】
また、地物環境状況提供方法は、水面勾配区分から任意の区間毎の水面勾配を求める工程と、区間に対応するカラーオルソフォト画像の画素値を抽出して、高周波数成分と低周波成分とに分離し、水面勾配と該分離結果から水面の波立ち状況を求める工程とをさらに行なうことを要旨とする。
【0016】
そして、地物環境状況提供方法は、砂州に対応するカラーオルソフォト画像の画素値を平均化して、低周波成分と高周波成分とに分離し、該高周波成分の標準偏差値によって砂州領域の粒径を求める工程をさらに行なうことを要旨とする。
【0017】
一方、本発明の航空機によって撮影及び計測した、対象地域のカラーオルソフォト画像及びレーザデータを用いた地物環境状況提供プログラムは、コンピュータに、カラーオルソフォト画像のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)のうちの任意のバンドの色強度と第1の閾値とを比較し、該メッシュを日向と日影に分類する手段、日向のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度それぞれを比較し、日向のメッシュを水域、裸地、及び植生地に分類する手段、日影のメッシュを含む区画のレーザデータの表層反射強度と、第2及び第3の閾値とを比較し、日影のメッシュを水域、裸地、及び植生地に分類する手段としての機能をカラーオルソフォト画像の全メッシュについて繰り返し実行させ、対象地域の土地被覆分類を行わせる手段としての機能を実行させることを要旨とする。
【0018】
また、地物環境状況提供プログラムは、コンピュータに、レーザデータに含まれる各区画の地盤標高値と表層標高値を読み出し、その差から該区画の植生高を求める手段、植生地のメッシュを含む区画の植生高と第4の閾値と比較し、植生地のメッシュを樹木と草地に分類する手段としての機能をさらに実行させることを要旨とする。
【0019】
さらに、地物環境状況提供プログラムは、コンピュータに、前記水域に分類された全メッシュについて、前記メッシュを含む区画の前記レーザデータの地盤標高値をそれぞれ抽出し、水面勾配区分を作成する手段と、前記地盤標高値中の任意の3メッシュについて不等三角網を発生させて、複数の水域に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する手段と、別途作成される2次元の堤防線上に任意に発生させた点群に、その点の最近傍の前記地盤標高値から標高値を与え、その点の標高値と前記地盤標高値の3メッシュについて不等三角網を発生させて、水域と堤防に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する手段と、前記基準水面の標高値と前記地盤標高値の差分を算出し、砂州の比高分布を作成する手段としての機能を実行させることを要旨とする。
【0020】
またさらに、地物環境状況提供プログラムは、コンピュータに、水面勾配区分から任意の区間毎の水面勾配を求める手段、区間に対応するカラーオルソフォト画像の画素値を抽出して、高周波数成分と低周波成分とに分離し、水面勾配と該分離結果から水面の波立ち状況を求める手段としての機能を実行させることを要旨とする。
【0021】
そして、地物環境状況提供プログラムは、コンピュータに、砂州に対応するカラーオルソフォト画像の画素値を平均化して、低周波成分と高周波成分とに分離し、該高周波成分の標準偏差値によって砂州領域の粒径を求める手段としての機能を実行させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、多大な費用をかけないで川の流れの状況、中州の状況、中州等に堆積している砂礫の大きさが面的・数値的に把握できるとともに、適宜カラー表示することでこれらの情報を視覚的にもわかりやすく表現することによって、河川管理に活用できる。また、海辺や湿地などに関しても同様の効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の航空機によるレーザデータ及びカラー画像を用いた地物環境状況提供システムのハードウエア構成図である。
【0024】
図1に示すように、航空機によるレーザデータを用いた地物環境状況提供システムVPS1は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、ロジック、レジスタなどの適宜組み合わせからなる中央情報処理装置(CPU部)1と、CPU部1に必要な制御情報・操作情報を入力するキーボード、マウス、対話型ソフトスイッチ、外部通信チャンネル等の情報入力部2と、CPU部1からの情報を広義な意味で表示・伝送するディスプレイ、プリンタ、外部通信チャンネル等を含む情報出力部3と、CPU部1に読み込まれるオペレーティングシステム、アプリケーションプログラムなどの情報が格納されたロム(ROM)等の第1の記憶部4と、CPU部1で随時処理すべき情報及びCPU部1からの情報を格納するラム(RAM)等の第2の記憶部5等を備える。第1及び第2の記憶部4、5は適宜統合、細分化することはかまわない。
【0025】
第1の記憶部4には、所定のアプリケーション上で動作する水土地環境提供部10と、航空機で所定の範囲の河川、海辺、湖、湿地帯を取得したときのレーザデータRiと、カラーデジタルオルソフォト画像Pi(以下オルソ画像Piという)と、この画像の解析範囲を定めた解析エリア情報(河道エリア、湿地帯エリア、海辺エリア等)と、レーザデータRi及びオルソ画像Piを用いて得られた土地被覆分類情報等が記憶されている。前述のレーザデータRiとオルソ画像Piは、第2の記憶部5に予め記憶されて第1の記憶部4に格納される。また、解析エリア情報、土地被覆分類情報等は第2の記憶部5に生成されて第1の記憶部4に格納される。
【0026】
前述の水土地環境提供部(プログラム)10は、図2に示すように、後述する水面に対する砂州の比高分布算出プログラム11(以下州高分類図作成部11という)と、水面勾配区分と画像解析を組み合わせた瀬淵分類プログラム14(以下瀬淵分類化部14という)と、画像解析による河床材料の粒径分類プログラム12(以下河床材料情報作成部12という)等からなる河川環境状況図作成部20と、レーザデータ編集部200(プログラム)と、反射強度図作成部21(プログラム)と、土地被覆分類図作成部22(プログラム)と、河道解析エリア作成部23(プログラム)と、合成部24等を備えて、オルソ画像Pi、レーザデータRiから例えば図3に示す河川の勾配をキャンセルして砂州比高画像A又は図4に示す河の早瀬、淵等が一目で分かる瀬淵画像B若しくは図5に示すように河道の中州、砂地の石、砂利の状況が一目で分かる河床材料画像C等を生成してこれを情報出力部3に得る。つまり、オルソ画像Pi、レーザデータRiを用いることによって、河道の瀬淵、中州、砂地、河床材料がどの程度の割合で存在しているかを数値データとして得ることを可能としている。このため、河道の環境の管理、解析に適用できることになる。前述の合成部24は、オルソ画像Piをモノクロ画像(白黒)に変換し、このモノクロ画像と河道エリアの画像とを合成(いずれか一方の画像の場合もある)して表示部に表示させる。
【0027】
レーザデータ編集部200には、図33に示すように、レーザデータ分類部201、標高値データ抽出部202、植生高算出部204、及び反射強度データ抽出部203が含まれる。そして入力されるレーザデータRiには、データ収集した地点のX座標値、Y座標値、地盤の標高値Zg、表層の標高値Zt、地盤の反射強度Ig、表層の反射強度Itが含まれている。
【0028】
レーザデータ分類部201は、このレーザデータRiを、レーザ地盤データRg(X、Y、Zg、Ig)とレーザ表層データRt(X、Y、Zt、It)に分類して第1の記憶部4に格納する。
【0029】
つづいて、標高値データ抽出部202は、分類されたレーザ地盤データRgから標高値データを抽出して、数値標高モデル(DEM)として地盤メッシュデータER(X、Y、Zg)を、そしてレーザ表層データRtから標高値データを抽出して、数値地表モデル(DSM)として表層メッシュデータSR(X、Y、Zt)を、それぞれ生成して第1の記憶部4に格納する。
【0030】
次に、植生高算出部204は、地盤メッシュデータERと表層メッシュデータSRから、同一XY座標点の地盤の標高値Zgと表層の標高値Ztを読み出し、その差を計算して、主にその地点に生えている植物の背の高さ(植生高h)を求める。そして座標値とともに植生高データHD(X、Y、h)として第1の記憶部4に格納する。
【0031】
一方、反射強度データ抽出部203は、分類されたレーザ地盤データRgから反射強度データを抽出して、地盤反射強度データHRg(X、Y、Ig)を、そしてレーザ表層データRtから反射強度データを抽出して、表層反射強度データHRt(X、Y、It)を、それぞれ生成して第1の記憶部4に格納する。
【0032】
レーザ地盤データRgとレーザ表層データRtは、図34に示すように、レーザを照射した際の測定地点が、地面の場合と地面から突き出た物体(植物等)の表面の場合の得られた各々のデータをさす。図34からわかるように、同一地点のそれぞれの標高値(ZgとZt)の差が植生高(h)になっている。
【0033】
反射強度図作成部21は、表層反射強度データHRtの各メッシュの反射強度に応じた色を割り付けることで図7の反射強度分布図HRiを得る。
【0034】
すなわち、反射強度図作成部21を有することで、水土地環境提供部10は、図6に示すオルソ画像Pi(xyのメッシュにRGB)の他に、図7に示す反射強度分布図HRiを得ることになる。図7の反射強度分布図HRiは、反射強度が強いメッシュ(画素)には赤を割り当て、反射強度が中から強の間には黄色、中には黄緑、弱には青、弱から中の間には水色を割り当てている。これらの色の割り当てには、閾値によって判定して割り当てている。樹木によって河面、砂州面に影があっても反射強度はレーザの反射強度であるから影の影響はほとんど見られない。
【0035】
土地被覆分類図作成部22は、オルソフォトの座標系で定義された土地被覆分類図用メモリ(図示せず)に、オルソ画像Piのメッシュの色情報を解析し、この色に応じて分類することで、図8に示すように、樹木、水(河面)、裸地、草地、それ以外の地物に分類した土地被覆分類図Eを得る。このとき、日影部は区別できないので、日影部に対応するレーザデータの反射強度分布図HRiを読み込んで、水、裸地、草地又は樹木に分類している。
【0036】
また、土地被覆分類図作成部22は、図9に示すように、植生高分布図を得ることも可能である。植生高分布図は、土地被覆分類図Eの深緑エリアのメッシュ位置に対応する座標系の植生高用メモリに、植生高データHDを読み込み、各メッシュの植生高(h)の値に応じた色を植生高用メモリのメッシュに割り付けて図9の植生高分布図を得ている。
【0037】
本実施の形態では、最も樹高が高い樹木には赤を、中くらいより高い樹木には黄色、中くらいには黄緑、それ以下には青を割り付けている。ただし、表示部に表示させるときはオルソ画像Piをモノクロ化して、植生高用メモリの植生高分布図情報を合成して図9の画像を得ている。図9に示すように、影があっても樹木はくっきりと分かる。
【0038】
ここで、土地被覆分類図作成部22について詳細に図10のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
本実施の形態は、図11に示すように、飛行機から対象地域上空を水平飛行しながら、下方にレーザ光を発射し、往復に要した時間と、航空機の位置、姿勢、発射角度から計算(コンピュータ)によって、地表面のx、y、zを得ている。このレーザは、例えば毎秒33000回〜1,000,000回といった高頻度で発射することが可能であり、これにより例えば50cmから1m程度に1点の密度で標高点(Rx、Ry、Rz)の取得が可能である。また、上記レーザと概ね同じ範囲をデジタルカメラで撮影し、例えば地上20cmといった高解像度のカラー(青・緑・赤、または緑・赤・近赤外)画像を取得、レーザデータRiと合わせてオルソ画像Piを得ることができる。
【0040】
図35に示したように、例えば、データ精度は、オルソ画像Piの単位メッシュ区画の場合、Aで示した20cm×20cmである一方、レーザデータRiの単位メッシュ区画の場合、Bで示した1m×1mである。このように、データの収集方法の差により、オルソ画像Piの単位メッシュの方が、レーザデータRiの単位メッシュより小さい。このため精度の高い緻密なオルソ画像Piの情報を主に用いるが、日陰になった箇所等は、オルソ画像Piではその被覆が判定できない場合が生じる。そのために、オルソ画像Piの単位メッシュ区画Aを含むレーザデータRiの単位メッシュ区画Bの情報を、オルソ画像Piの単位メッシュ区画Aの各々に共通の値として扱って各種判定処理を行うことで、得られる地形情報の精度をあげている。
【0041】
<実施の形態1>
土地被覆分類図作成部22は、第1の記憶部4に記憶されているデジタルカメラによって取得した高精度のオルソ画像Piをデシジョンツリー方式で解析し、河道内及びその周辺の土地被覆状況(樹木、水、裸地等)を分類する。その際、日影部は通常の画像分類では区分できない場合があるため、撮影と同時取得のレーザ反射強度(Intensity)の情報を併用して精度を確保している。また、画像分類では誤差の大きい草地と樹木の区分にレーザによる植生高データを用いて向上させている。
【0042】
オルソ画像Piは、赤、青、緑の3バンド又は緑、赤、近赤外の3バンドの光の強度を、x、yについては一定間隔のメッシュ(画素)の並びで順番に記録したものである。
【0043】
さらに、レーザデータRiは(X,Y,Zg,Ig,Zt,It)として与えられている。
【0044】
初めに、記憶部のオルソ画像Piを読み込み、このオルソ画像Piの座標系で定義した土地被覆分類図用メモリを生成している。
【0045】
そして、オルソ画像Piのメッシュ番号を設定し、このメッシュ番号のメッシュの画像データ(Px,Py,R,G,B)を読み込む(S200)。
【0046】
次に、読み込んだ画像データの赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度と第1の閾値T1と比較する(S201)。この閾値T1は、画像全体の統計量(輝度分布)より決定された閾値である。また、どの色を判定に採用するかは、画像全体の統計量(輝度分布)より適宜決定して構わない。
【0047】
ステップS201において、色強度が閾値T1よりも小さいと判定したときは、日影と判断する。また、ステップS201において、閾値T1より色強度の値が大きいと判定したときは、日向と判断する。
【0048】
読み込んだメッシュ(画素)を日影の領域に分類したときは、色強度では、その地点がどのような場所なのかが判断できないため、表層反射強度データHRtから、該当する(Px,Py)メッシュを含むレーザデータの(X,Y)メッシュ区画のデータを読み込む(S202)。
【0049】
そして、その区画の表層反射強度(It)を、レーザの反射強度データの統計量より決定される第2及び第3の閾値T21、T22と比較する(S203)。閾値T21より小さい場合は、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=1(水域)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S204)。また、閾値T21とT22の間の値である場合は、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=2(裸地)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S205)。一方、閾値T22より大きい場合には、後述する植生高(h)の判定をするための処理(S209〜S212)に移る。
【0050】
ステップS201において、閾値T1より色強度の値が大きいと判定し、読み込んだメッシュ(画素)を日向の領域に分類したときは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度の相関関係を判定する(S206)。
【0051】
例えば、青(B)の色強度が他の赤(R)と緑(G)の値より大きい場合は、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=1(水域)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S208)。また、赤(R)の色強度が他の青(B)と緑(G)の値より大きい場合は、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=2(裸地)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S207)。
【0052】
ここで、緑(G)の色強度が他の青(B)と赤(R)の値より大きいと判定されたメッシュ(画素)は、植生地として判断され、さらに細かく分類すため、植生高データHDから、該当する(Px,Py)メッシュを含むレーザデータの(X,Y)メッシュ区画のデータを読み込む(S209)。
【0053】
そして、その区画の植生高(h)を、植物を分類する高さの第4の閾値T3と比較する(S210)。例えば、50cm以上の高さがあれば樹木として分類する場合は、閾値T3を50とする。
【0054】
ステップS210において、植生高(h)が閾値T3よりも大きいと判定したときは、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=3(樹木)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S211)。一方、植生高(h)が閾値T3よりも小さいと判定したときは、そのメッシュ(画素)にカテゴリC=4(草地)と設定して、土地被覆分類図Eに保存する(S212)。
【0055】
なお、3バンドの色強度の相関関係による分類は、撮影した地形の色調によって、その条件式が異なってくることは言うまでもない。したがって、条件式は画像全体の統計量(色強度分布)より適宜決定させる。
【0056】
以上の処理を、メッシュ番号をカウントアップして繰り返すことで全メッシュのオルソ画像Piについて行い、全体の土地被覆分類図Eを作成する。このようにカテゴリCの値を設定することで、例えば、水域(C=1)と分類された場合は青を、樹木(C=3)と分類されたときは深緑を、草地(C=4)と分類されたときは黄緑を、裸地(C=2)と分類されたときは黄色を割り付ける等の加工が容易となる。この色付けは、ルックアップテーブルを用いることによって実施できる。このようにして生成した土地被覆分類図情報を第1の記憶部4に記憶し、出力部3に出力することによって図8に示す土地被覆分類図Eを得ている。この土地被覆分類図Eには、影の部分がないので、河道が山等によって影になっている場合に、オルソフォトでは見えにくい影の場所の状況が判断できることになる。なお、以上のフローについては、使用するカラーオルソ画像に合わせて、適宜ディシジョンツリーの判断分岐や使用する色等について変更しても構わない。
【0057】
さらに、図12に示すように、所定領域を囲み、この所定領域を拡大すると共に、オルソフォト画像Piから所定領域の画像を抽出して拡大枠の近傍に同時表示させることも可能である。このようにすると、影部の領域の環境をより把握できる。
【0058】
このため、植生高分布図の川の中州に、堤防に高い樹木があるか低い樹木があるかが一目で分かる。例えば、中州に樹木があれば将来は益々樹木で覆われ、その結果中州全体が固定化することが予想される。つまり、洪水が発生した場合は、河の流れをせき止める要因に成ることなどが予想できるので洪水対策に活用できることになる。
【0059】
次に、河道解析エリア作成部23について説明する。
河道解析エリア作成部23は、画面上の土地被覆分類図E(図8)においてオペレータがなぞった軌跡を河道エリアFa(堤外地エリアともいう:xy座標)として記憶する(図12、図8)。
【0060】
そして、この河道エリアFa内の土地被覆分類図Eの画像情報を読み込み(土地被覆分類用メモリから抽出)、堤外地裸地範囲Fb(中州の砂地、両岸の裸地)を抽出(河道エリアの土地被覆分類図の黄色の領域)して記憶する(図13b)。また、河道エリアFa内(図13a)の土地被覆分類図Eの画像情報を読み込み(土地被覆分類用メモリから抽出)、水面エリアFcを抽出(河道エリアの土地被覆分類図の水色の領域)して記憶する(図示せず)。
【0061】
(水面に対する砂州の比高分布算出)
次に、水面に対する砂州の比高分布算出について説明する。
【0062】
水面に対する砂州の比高分布算出は、レーザデータRiから流程に沿って任意の間隔で水面標高を算出し、それをある基準面に合わせる。すなわち、水面勾配が仮想的にゼロになるように河道標高データを補正した上でその基準面に対する砂州の比高分布を算出するとともに、必要に応じて段彩表示する。この補正を施さない一般的な段彩図では、水面に対する砂州のわずかな比高は河川の勾配に隠れて判別しづらいが、この方法であれば、流程上の全ての箇所において水面から砂州の比高が表現されるので河川環境を規定する増水時の冠水頻度を知ることができる(図3を参照)。
【0063】
図14は水面に対する砂州の比高分布算出の概略を説明するフローチャートである。
【0064】
図14に示すように、まず、土地被覆分類図Eからデータを読み込む(S400)。そして、カテゴリC=1のメッシュ(Px,Py)を抽出して、水域を求める(S401)。
【0065】
次に、地盤メッシュデータ(DEM)ERから、この水域メッシュを含むレーザデータのメッシュ区画の情報を読み込む(S402)。これにより、水域メッシュの標高値(Zg)を求められる。
【0066】
水域メッシュの座標値に標高値(Zg)を設定し、水面勾配区分図Mを作成する(S403)。
【0067】
つづいて、この水域メッシュから不等三角網(TIN)を発生させて、基準となる水面の標高値(Zs)を算出する(S404)。具体的な算出法のイメージを水域断面Sに示す。実際の標高がわかっている淵の任意の3点(水域断面Sでは、断面のため2点のみ表示)を抽出して、その3点を頂点とする三角形を作成する。この三角形面の各地点の標高が基準となる水面の標高値(Zs)となる。図32に、TINを発生させた状態を実際の画像上に現したものを示す。
【0068】
そして、この基準水面の標高値(Zs)と水域メッシュの標高値(Zg)の差分を算出し(S405)、砂州比高分布図Aを作成する(S406)。これによって、砂州が水面からどれだけの高さにあるかがわかる。
【0069】
図15は他の実施形態の水面に対する砂州の比高分布算出を説明するフローチャートである。
【0070】
河川環境状況図作成部20の州高分類図作成部11は、河道エリアFaの河面エリアFc以外のエリアFd(裸地、草地、樹木エリア;以下比高分布提供エリアFdという)に対応する位置情報を有するレーザデータのZを読み込む。そして、このZ値に応じた色値をオルソ画像Piと同じ座標系の比高分布提供エリア用メモリのメッシュに割り付ける。閾値a以上は赤、閾値a以下で中間の閾値bの間であれば黄色を、閾値bより低く閾値c以上であれば緑を、閾値c以下は青を割り付ける。
【0071】
すなわち、比高分布提供エリア用メモリの画像情報を表示することで、図16に示す勾配キャンセル前の段彩図Hを得る。この図は上流に行くに従って河道は赤が多くなり、下流は青が多くなる。この図16に示すように州等エリアの高さはわからないが以下のようにすると明らかになる。すなわち、図32に示すように地盤メッシュデータERの河面のDEM(基準面)から、河面以外の領域に対してTINを発生させて、これらのTINのX,Y,Zを抽出する(河面を基準としたDEM)。
【0072】
そして、河道エリアの各DEMのZ値(レーザデータ)から河面を基準としたDEMの各Z値との差を求めることで図3に示す州の川岸の裸地植生部の標高を抽出する。
【0073】
図3は州等のZ値に応じた色を割り当て州の高さが目でわかるように表示している。
【0074】
また、図15のフローチャートに示すように、他の実施例として以下のように求めてもよい。
【0075】
図15において、オペレータは、勾配キャンセル前の段彩図の河に「みおすじ」を描き、この「みおすじ」の土地被覆分類図Eにおいて「水域」レーザデータMpiを読み込み、入力された間隔Mtiで、そのZ値を読み込む(S51)。
【0076】
また、画面の「みおすじ」の下流端のレーザデータのZ値を読み込み、これを基準値BZiとする(S52)。
【0077】
そして、各間隔MtiのZ値を基準値Bziにするための補正関数βiを求める(S53)。
【0078】
次に、勾配キャンセル前の段彩図H(比高分布提供エリア用メモリ)のメッシュ番号Kmpiを設定する(S54)。
【0079】
次に、水面勾配ゼロ図を得るための水面勾配ゼロ図用メモリを、勾配キャンセル前の段彩図Hと同じ座標系で定義する(S55)。
【0080】
そして、ステップS54で設定されたメッシュ番号Kmpiの勾配キャンセル前の段彩図H(比高分布提供用メモリ)のZ値を読み、このZ値を補正関数βiに基づいて基準値Bziに補正(図17を参照)したデータRbiを得る(S56)。
【0081】
次に、データRbiを河道エリア図用メモリに記憶する(S57)。つまり、勾配キャンセル前の段彩図Hのメッシュ番号Kmpiには勾配が基準値とされたデータが作成されていることになる。
【0082】
次に、勾配キャンセル前の段彩図Hの最後のメッシュKmpiのZ値を基準値に補正したかどうかを判断し(S58)、最後のメッシュKmpiに対しての補正が終わっていない場合は、メッシュKmpiを次のメッシュに更新して処理をステップS54に戻す(S59)。
【0083】
また、ステップS58において、勾配キャンセル前の段彩図Hの全てのメッシュKmpiのZ値を基準値に補正したと判定したときは、水面勾配図(河道エリア図用メモリ)から河面エリア以外の領域データkpiを抽出する(S60)。
【0084】
すなわち、河道エリア内の裸地、草地、樹木エリアのみが抽出されたことになる。
【0085】
次に、抽出したデータkpiのz値とそのメッシュ番号Kmpiを読み、このメッシュ番号の河道エリア用メモリに割り付(水面勾配ゼロ図に定義)ける(S61)。
【0086】
次に、各メッシュKmpiのZ値を読み、このZ値に応じた色を割り付(河道エリア用メモリ)けて(S62)、オルソに合成させて画面に出力する(S63)。Z値が閾値Ab以上は赤、閾値abc以上でAb以下は黄色、abc以下でacd以上は黄緑、acd以下は青を割り付ける。すなわち、図3に示す比高分布図Aを得ることができている。この色付けは、ルックアップテーブルを用いることによって実施できる。
【0087】
(瀬・淵)
次に瀬・淵分類化部14について説明する。図18は瀬淵画像生成の概略を説明するフローチャートである。
【0088】
瀬淵分類化部14は、航空レーザによって取得されたレーザデータRiの水面の標高値(河面エリアFa内のZ値)から水面勾配を区分する。さらに、オルソフォト画像Piのテクスチャにより水面の波立ち状態を評価し、これらを重ね合わせることで急勾配の水面が波立った早瀬の部分と緩勾配で水面が滑らかな淵や平瀬の分布状況を精度良く表現する(図4参照)。
【0089】
水面の勾配に関しては、レーザ計測器によっては直接的には水面標高を得ることが困難な場合も想定されるが、その場合は水際線の標高値(水面エリアの枠)を代替すればよい。
【0090】
また、空撮画像から水面の波立ちを評価する場合、単に画像の輝度を評価するだけでは水質や底質、太陽光の反射の影響を受けるため波立ち状況が分からないが、本実施の形態では、3バンド(RGB)の平均により単バンド化した水部の画像を高周波数/低周波成分に分離する。
【0091】
前者に対して移動窓により分散値の分布を計算することで、画像の高周波成分に反映された波立ち状況のみを抽出し、相対区分できるようにしている(低周波/高周波の分離をえないと、波立ち以外による輝度情報の変化を拾ってしまう)。この処理フローが図18である。
【0092】
瀬淵分類化部14は、河面エリアFcのオルソ画像Piのメッシュを読み込み(S70)、これらの3バンド(RGB)の平均を順次求めてモノクロ画像を得る(S71)、(S72)。そして、モノクロ画像に対してウインドウwiをかけてローカル平均を順次求めて、これらの低周波数成分画像を得る(S74)。
【0093】
次に、ステップS71で求めたモノクロ画像からステップS74で求めた低周波数成分画像との差を求めることで(S75)、高周波数成分画像を得る(S76)。つまり、波成分を抽出している。
【0094】
次に、この高周波成分画像のローカル標準偏差を求めることで水面の波立ち状況を表す素図画像(粗度画像ともいう)を得る(S78)。そして、この素図画像全体の平均値(μ)と標準偏差値(σ)を算出する(S79)。次に、これらの値を参照して素図の各画素の値を一定の範囲(例えば0〜μ+2σ)で均等分割して、波立ち状況を16階調に相対区分した波立ち状況区分図を得る(S80)、(S81)。
【0095】
淵瀬画像を得るために、初めに波立ち状況を判別する。図19は波立ち状況判別を説明するフローチャートである。
【0096】
河面エリアFcとオルソ画像Piとを比較して、河面エリアFcのオルソ画像Pciを読み込む(S71)。次に、このオルソ画像pciのメッシュ位置(画素)Mpi毎に、3バンド(RGB)の平均処理を行い(S72)、河面エリアのモノクロ画像Pmを得る。
【0097】
次に、河面エリアのモノクロ画像Pmに対して所定の大きさのウィンドウwiをかけ(S73)、このウィンドウ内のメッシュのモノクロ輝度値を平均化(低波周波成分抽出)して(S74)、この結果を順次メモリに記憶する(S75)。これを本実施の形態では河面の低周波成分画像EWiという。
【0098】
次に、最後の番号のウインドウwiのモノクロ画像に対して平均化処理を行ったかどうかを判断する(S76)。最後のウインドウのモノクロ画像に対して平均化処理を行っていないと判定したときは、ウインドウwiの位置(i,j)を次の位置に更新して(S77)、処理をステップS73に戻す。
【0099】
また、ステップS76において、最後のウインドウのモノクロ画像に対して平均化処理を行ったと判定したときは、メッシュ位置Mpiを設定する(S78)。
【0100】
そして、このメッシュMpiの河面のオルソフォト画像Pcimの輝度値からメッシュMpiの低周波成分画像EWiの輝度値を減算することで、そのメッシュの高周波成分画像を得て(S79)、これをメモリに順次記憶する(S80)。つまり、河面の波立ち部分の画像を得たことになる。
【0101】
次に図19のフローチャートに示すように、最後のメッシュMpiの波立ち成分を抽出したかどうかを判断する(S81)。ステップS81で最後のメッシュMpiの波立ち成分を抽出していないと判定したときは処理をステップS78に処理を戻す。
【0102】
また、ステップS81において、最後のメッシュMpiの波立ち成分を抽出したと判断したときは、ステップS80で記憶された波立ち成分画像Qiにウインドウwiをかけて(S83)、ウインドウwi内の各画素の標準偏差(波立ち状況素図画像)を求め(S84)、メモリに記憶(粗度画像RWi)する(S85)。
【0103】
次に、最後の位置のウインドウの素図画像を求めたかどうかを判断する(S86)。最後のウインドウの素図画像を求めていなときはウインドウの位置を次の位置に更新して処理をステップS83に戻す(S87)。
【0104】
ステップS86において、最後の位置のウインドウの素図画像を求めたと判定したときは、メモリの粗度画像RWiにウインドウwiをかけて(S88)、平均をとって標準偏差を求め(S89)、線形変換する(S90)。素図の各画素の値を一定の範囲(例えば0〜μ+2σ)で均等分割して、波立ち状況を16階調に相対区分した波立ち状況区分図を得る。
【0105】
次に、最後のウインドウwiの波立ち状況QRiを得たかどうかを判断する(S91)。ステップS91において最後ではないと判断したときはウインドウの位置を次の位置に更新して処理をステップS89に戻す。
【0106】
次に、瀬、淵画分類図QRiの色分別処理について図21、図22,図23を用いて説明する。
【0107】
図21に示すように、河面のオルソ画像Pciのメッシュ位置Mpiを設定する(S100)。次に、メッシュMpiの波立ち成分画像Qiの輝度ehを読み込み(S101)、このehと波立ち閾値Niとを比較する(S102)。
【0108】
ステップS102において、ehが波立ち高いとした閾値naより大きい場合は、波立ち有りの識別を波立ち分布図用メモリ(河面エリアの座標系と同じくされて瀬・淵の算出指示時に生成されている)に定義して(S103)、後述するステップS107に処理を移す。
【0109】
また、ステップS102において、ehがna以下と判定したときは、nb<eh<naかどうかを判定する(S104)。
【0110】
ステップS104において、ehがnb<eh<naと判定したときは、そのメッシュに対応する位置の波立ち分布図用メモリの領域に中くらいの波立ち識別コードを定義する(S105)。
【0111】
また、ステップS104において、ehがnb<eh<naではないと判定したときは、そのメッシュに対応する位置の波立ち分布図用メモリの領域に波立ち無しの識別コードを定義する(S106)。
【0112】
ステップS107においては、最後のメッシュMpiまで識別したかどうかを判断し、(S107)、識別していないと判定したときはメッシュMpiを更新して処理をステップ100に戻す(S108)。
【0113】
次に、図22に示すように、レーザデータに基づいて生成されている河面の標高データ(DEM)に対してメッシュ番号Mpiを設定する(S110)。
【0114】
次に、河面の標高データ(DEM)からメッシュMpiのレーザデータZiを読み込む(S111)。
【0115】
次に、流れ方向に基づいて、河面の標高データ(DEM)から次のメッシュ位置のレーザデータのz値を読み込み読み込み(S112)、両方の差を求め、これを水面勾配KGiとする(S113)。
【0116】
そして、この水面勾配KGiと閾値Liとを比較する(S114)。KGiが閾値Li以上と判定したときは、水面勾配図メモリ(河面エリアに対応している:瀬淵処理時に作成)のEPiに急勾配の識別コードを割り付け(S115)、後述するステップS117に処理を移す。
【0117】
また、ステップS114において、KGiがLi以下と判定したときは、水面勾配図メモリEpiに急勾配ではないとするメッシュを割り付ける(S118)。
【0118】
そして、最後のメッシュMPiに割付を行ったかどうかを判定し、割付を行っていないときはメッシュ位置を更新して処理をステップS110に戻す。
【0119】
次に図23に示すように、オルソ画像に基づいて生成した波立ち成分画像Qi(波立ち成分情報用メモリ)のメッシュeiと、レーザデータに基づいて生成した水面勾配図Si(水面勾配図用メモリ)のメッシュepiとを設定する(S121)。
【0120】
次に、メッシュepi、eiに割り付けられている識別コードを読み込む(S122)。そして、メッシュeiには波立ち有りの識別があり、epiには急勾配の識別があるかどうかを判定する(S123)。
【0121】
ステップS123において、eiは波立ちありでepiには急として識別が割り付けられている場合は、早瀬と判別する(S124)。
【0122】
次に、ei又はeipに対応する位置の瀬・淵図用メモリ(瀬、淵画像生成の指示に伴って生成されている)の領域に早瀬の識別を割り付け(S125)、ステップS126に処理を移す。
【0123】
また、ステップS123において、eiには波立ちあり、epiには急の識別がないと判定したときは、波立ちありで、epiに急ではない識別が割り付けられていないかどうかを判定する(S128)。
【0124】
ステップS128において、波立ちあり、急ではないとしているときは、瀬淵図用メモリに平瀬の識別を割り付ける(S129)。
【0125】
また、ステップS128において、波立ちなし、急ではないとしているときは、瀬淵図用メモリに淵の識別を割り付ける(S130)。
【0126】
また、ステップS126において、瀬淵図用メモリの最後のkeiに判別結果を割り付けたかどうかを判定する(S126)。最後でないときはkeiを更新して処理をステップS121に戻す(S127)。
【0127】
また、ステップS126において最後のkeiに識別結果を割り付けたと判定したときは、この淵瀬図用テーブルを読み出して画面に表示させる(S131)。すなわち、この処理によって図24の瀬淵分類図が得られることになる。
【0128】
図24は特定の区域に写真が割り付けられている場合を示している。つまり、瀬・淵画像の特定区域に写真(動画でもよい)を割り付けてメモリに記憶し、特定区域が選択されたときに、メモリから写真(又は動画)を瀬・瀬分類図と共に表示させる。これによって、図25に示すように、河川の早瀬、平瀬、淵等がどのような状況になっているかが分かるので、河川環境の把握に効果的である。
【0129】
なお、この波立ち状況の分類技術は河川に限らず海岸に適用することで、沿岸域の水深分布を把握することもできる。
【0130】
干潮時におけるレーザ計測と組み合わせて、近年各地で問題となっている海岸浸食の把握に適用できる。
【0131】
<実施の形態2>
(河床材料)
図26は河床材料の分類画像の表示を説明するフローチャートである。河床材料情報作成部は、画像のテクスチャに河床材料の粒径分布が反映されていることを利用して、カラー画像3バンドの平均によりモノクロ化(以下単バンド画像)した砂州部の画像に対して移動窓により分散値を計算することで、河床材料の粒径を相対的に区分する。
【0132】
さらに、区分された階層毎に代表地点を選定し、現地で粒度組成を確認することにより、広域的な河床材料の粒径分布を明らかにする。
【0133】
その祭、瀬淵の処理と同様に、画像を高周波/低周波成分に分離し、前者のみを対象とすることで、微粒径以外の要因(乾湿の違いや樹木の影など)によるテクスチャー変化の影響を低減している。
【0134】
なお、河に限らないで海岸域への適用も可能であり、海浜の粒径分布を把握し、供給元である河川との比較検証を行うようにしてもよい。
【0135】
すなわち、河床材料情報作成部41は、裸地エリアのオルソ画像Piを読み込み、3バンドの平均を行い(S131、S132)、単バンド画像(モノクロ画像)を得る(S133)。
【0136】
次に、この単バンド画像のローカル平均(フィルタサイズ1m)を求め、低周波成分画像を作成する(S135)。
【0137】
そして、この単バンド画像と低周波成分画像の差を求め(S136)、高周波成分画像を得る(S137)。
【0138】
次に、この高周波成分画像のローカル標準偏差(フィルタサイズは例えば1m)を求め(S138)、河床材料素図画像を作成する(S139)。次に、素図画像を使用して一定の範囲(例えば[0,μ+σ])を[0,15]に線形変換し(S140、141)、図27に示す河床材料(粒径)画像(μとσは粗度画像の平均と標準偏差)を作成する(S142)。前述の河床材料画像を得るための色分布分けのために瀬、淵で説明した図21、図22と同様な処理によって色値の割付を行っている。
【0139】
通常フィルタを適用すると影や異なる土地被覆間の境界(エッジ)が強調されるが、低周波成分を除去しておくことでこの影響を低減している。
【0140】
このような処理によって図27に示すように砂州の材料の粒径によって色別表示され、この地点に写真がリンク付けされている場合は、図28に示すようにこの場所の写真が表示されることになる。
【0141】
砂州乾湿図作成部は、河床材料は一律と仮定し、湿潤な砂州ほど明度が低いことを利用して3バンドを平均化して単バンド化した画像の明度により砂州の水分状況を明らかにする。
【0142】
このため、図29に示すように、砂州乾湿図作成部42は、裸地のオルソ画像を読み込み(S151)、この画像のRGB(3バンド)を平均化して(S152)、単バンド画像を得る(S153)。次に、砂州の平均、標準偏差を算出し(S154)、線形変形し(S155)、図30に示す砂州水分画像を得る(S155)。素図の各画素の値を一定の範囲(例えば0〜μ+2σ)で均等分割して、波立ち状況を16階調に相対区分した波立ち状況区分図を得る。
【0143】
このような処理を行って得たのが図30の画像である。図30の画像は、砂州エリア以外はオルソフォトを白黒にして合成部がこの砂州のカラー画像と合成して表示させる。
【0144】
<実施の形態3>
以上の結果をGISにより複合的に管理解析し、図31に示す項目を流程に沿って単位距離毎に以下に示す指標等を集計するなどして、河川の全体の中で環境の良好な区間や劣化が進んでいる区間を明らかにする。
【0145】
・河道内に占める河原及び樹林地の割合
・河床材料の代表粒径
・樹林化指数(樹林値面積×樹高)
・水面面積
・樹林化ポテンシャル分布(砂州の比高と粒径分布のオーバーレイ)
・各種生物の生息ポテンシャル分布
なお、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】航空機によるレーザデータ及びカラー画像を用いた地物環境状況提供システムのハードウエア構成図である。
【図2】本発明を説明する概略構成図である。
【図3】河川の勾配をキャンセルした砂州比高画像の説明図である。
【図4】河の早瀬、淵等が一目で分かる瀬淵画像の説明図である。
【図5】河床材料画像の説明図である。
【図6】オルソ画像の説明図である。
【図7】反射強度分布図の説明図である。
【図8】土地被覆分類図の説明図である。
【図9】植生高分布図の説明図である。
【図10】土地被覆分類図作成部を詳細に説明するフローチャートである。
【図11】航空機によるレーザデータの収集及びオルソ画像の取得を説明する説明図である。
【図12】土地被覆分類図における添付画像を説明する説明図である。
【図13】堤外地マスク(河道エリア)、堤外地裸地(河面エリア)を説明する説明図である。
【図14】水面に対する砂州の比高分布算出の概略を説明するフローチャートである。
【図15】他の実施形態の水面に対する砂州の比高分布算出を説明するフローチャートである。
【図16】勾配キャンセル前の段彩図を説明する説明図である。
【図17】水面勾配のキャンセルを説明する説明図である。
【図18】瀬淵画像生成の概略を説明するフローチャートである。
【図19】波立ち状況判別を説明するフローチャートである。
【図20】波立ち状況判別を説明するフローチャートである。
【図21】瀬、淵画像の色分別処理を説明するフローチャートである。
【図22】瀬、淵画像の色分別処理を説明するフローチャートである。
【図23】瀬、淵画像の色分別処理を説明するフローチャートである。
【図24】瀬淵画像の説明図である。
【図25】瀬淵画像に添付されている写真画像(動画含む)を説明する説明図である。
【図26】河床材料の分類画像の表示を説明するフローチャートである。
【図27】河床材料分類図を説明する説明図である。
【図28】河床材料分類図に添付されている写真画像(動画含む)を説明する説明図である。
【図29】砂州乾湿図作成部42の処理を説明する説明図である。
【図30】砂州乾湿分類図を説明する説明図である。
【図31】実施の形態3の解析画面を説明する説明図である。
【図32】水面に対して設けるTINを説明する説明図である。
【図33】レーザデータ編集部の詳細構成を説明する構成図である。
【図34】地盤レーザデータ(DEM)と表層レーザデータ(DSM)を説明する説明図である。
【図35】オルソ画像とレーザデータのメッシュ区画の比較図である。
【符号の説明】
【0147】
1 中央情報処理装置(CPU部)
2 情報入力部
3 情報出力部
4 第1の記憶部
5 第2の記憶部
10 水土地環境提供部
11 州高分類図作成部
12 河床材料情報作成部
14 瀬淵分類化部
20 河川環境状況図作成部
21 反射強度図作成部
22 土地被覆分類図作成部
23 河道解析エリア作成部
24 合成部
200 レーザデータ編集部
201 レーザデータ分類部
202 標高値データ抽出部
203 反射強度データ抽出部
204 植生高算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機によって撮影及び計測した、対象地域のカラーオルソフォト画像及びレーザデータを用いた地物環境状況提供方法において、
前記カラーオルソフォト画像のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)のうちの任意のバンドの色強度と第1の閾値とを比較し、該メッシュを日向と日影に分類する工程と、
前記日向のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度それぞれを比較し、前記日向のメッシュを水域、裸地、及び植生地に分類する工程と、
前記日影のメッシュを含む区画の前記レーザデータの表層反射強度と、第2及び第3の閾値とを比較し、前記日影のメッシュを前記水域、前記裸地、及び前記植生地に分類する工程と、
前記カラーオルソフォト画像の全メッシュについて前記の全工程を繰り返し実施して、前記対象地域の土地被覆分類する工程とを行うことを特徴とする地物環境状況提供方法。
【請求項2】
前記レーザデータに含まれる各区画の地盤標高値と表層標高値を読み出し、その差から該区画の植生高を求める工程と、
前記植生地のメッシュを含む区画の前記植生高と第4の閾値と比較し、前記植生地のメッシュを樹木と草地に分類する工程と、
をさらに行ない、
前記対象地域の土地被覆分類を行うことを特徴とする請求項1記載の地物環境状況提供方法。
【請求項3】
前記水域に分類された全メッシュについて、前記メッシュを含む区画の前記レーザデータの地盤標高値をそれぞれ抽出し、水面勾配区分を作成する工程と、
前記地盤標高値中の任意の3メッシュについて不等三角網を発生させて、複数の水域に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する工程と、
別途作成される2次元の堤防線上に任意に発生させた点群に、その点の最近傍の前記地盤標高値から標高値を与え、その点の標高値と前記地盤標高値の3メッシュについて不等三角網を発生させて、水域と堤防に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する工程と、
前記基準水面の標高値と前記地盤標高値の差分を算出し、砂州の比高分布を作成する工程と
をさらに行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の地物環境状況提供方法。
【請求項4】
前記水面勾配区分から任意の区間毎の水面勾配を求める工程と、
前記区間に対応する前記カラーオルソフォト画像の画素値を抽出して、高周波数成分と低周波成分とに分離し、前記水面勾配と該分離結果から水面の波立ち状況を求める工程
とをさらに行なうことを特徴とする請求項3記載の地物環境状況提供方法。
【請求項5】
前記砂州に対応する前記カラーオルソフォト画像の画素値を平均化して、低周波成分と高周波成分とに分離し、該高周波成分の標準偏差値によって前記砂州領域の粒径を求める工程をさらに行なうことを特徴とする請求項3または4に記載の地物環境状況提供方法。、
【請求項6】
前記カラーオルソフォト画像の前記メッシュの分類結果に従って、前記メッシュに任意の色を割り付けて、前記対象地域のカラー土地被覆分類図を作成する工程をさらに行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の地物環境状況提供方法。
【請求項7】
前記砂州比高分布中の各メッシュの前記差分の値に従って、前記メッシュに任意の色を割り付けて、前記水域のカラー砂州比高分布図を作成する工程をさらに行なうことを特徴とする請求項3記載の地物環境状況提供方法。
【請求項8】
航空機によって撮影及び計測した、対象地域のカラーオルソフォト画像及びレーザデータを用いた地物環境状況提供プログラムであって、
コンピュータに、
前記カラーオルソフォト画像のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)のうちの任意のバンドの色強度と第1の閾値とを比較し、該メッシュを日向と日影に分類する手段、
前記日向のメッシュの赤(R)、緑(G)、青(B)の3バンドの色強度それぞれを比較し、前記日向のメッシュを水域、裸地、及び植生地に分類する手段、
前記日影のメッシュを含む区画の前記レーザデータの表層反射強度と、第2及び第3の閾値とを比較し、前記日影のメッシュを前記水域、前記裸地、及び前記植生地に分類する手段
としての機能を、前記カラーオルソフォト画像の全メッシュについて繰り返し実行させ、前記対象地域の土地被覆分類を行なう手段としての機能を実行させることを特徴とする地物環境状況提供プログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記レーザデータに含まれる各区画の地盤標高値と表層標高値を読み出し、その差から該区画の植生高を求める手段、
前記植生地のメッシュを含む区画の前記植生高と第4の閾値と比較し、前記植生地のメッシュを樹木と草地に分類する手段
としての機能をさらに実行させ、前記対象地域の土地被覆分類を行なう手段としての機能を実行させることを特徴とする請求項8記載の地物環境状況提供プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータに、
前記水域に分類された全メッシュについて、前記メッシュを含む区画の前記レーザデータの地盤標高値をそれぞれ抽出し、水面勾配区分を作成する手段、
前記地盤標高値中の任意の3メッシュについて不等三角網を発生させて、複数の水域に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する手段、
別途作成される2次元の堤防線上に任意に発生させた点群に、その点の最近傍の前記地盤標高値から標高値を与え、その点の標高値と前記地盤標高値の3メッシュについて不等三角網を発生させて、水域と堤防に挟まれた砂州の基準水面の標高値を算出する手段、
前記基準水面の標高値と前記地盤標高値の差分を算出し、砂州の比高分布を作成する手段
としての機能をさらに実行させることを特徴とする請求項8または9に記載の地物環境状況提供プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、
前記水面勾配区分から任意の区間毎の水面勾配を求める手段、
前記区間に対応する前記カラーオルソフォト画像の画素値を抽出して、高周波数成分と低周波成分とに分離し、前記水面勾配と該分離結果から水面の波立ち状況を求める手段
としての機能をさらに実行させることを特徴とする請求項10記載の地物環境状況提供プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記砂州に対応する前記カラーオルソフォト画像の画素値を平均化して、低周波成分と高周波成分とに分離し、該高周波成分の標準偏差値によって前記砂州領域の粒径を求める手段としての機能をさらに実行させることを特徴とする請求項10または11に記載の地物環境状況提供プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
前記カラーオルソフォト画像の前記メッシュの分類結果に従って、前記メッシュに任意の色を割り付けて、前記対象地域のカラー土地被覆分類図を作成する手段としての機能をさらに実行させることを特徴とする請求項8または9に記載の地物環境状況提供プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、
前記砂州の比高分布中の各メッシュの前記差分の値に従って、前記メッシュに任意の色を割り付けて、前記水域のカラー砂州比高分布図を作成する手段としての機能をさらに実行させることを特徴とする請求項10記載の地物環境状況提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図26】
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【図29】
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【図31】
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【図33】
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【図35】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図24】
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【図25】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図32】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−252529(P2006−252529A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322922(P2005−322922)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(591074161)アジア航測株式会社 (48)
【Fターム(参考)】