地盤改良の施工品質管理システム
【課題】建築物の下部全面に固化材を注入、撹拌して地盤改良を行う場合、改良範囲全体の改良度合の把握が容易となる地盤改良の施工品質管理システムを提供する。
【解決手段】表示装置31の表示画面に水平断面表示画面33Aと垂直断面表示画面35Aとを表示する。水平断面表示画面33Aおよび垂直断面表示画面35Aは、撹拌翼による撹拌面積に相当する広さと、一定の深さ毎の上下範囲を1つの表示単位34として改良度合を表示する。水平断面表示画面33Aは、同じ深さ毎に水平方向にまとめられかつ複数の行、列に区画された複数の表示単位を1つの水平断面表示ブロックとする。垂直断面表示画面35Aは、水平断面表示画面33Aに添えたスクロールバー40で選択された1つの垂直断面表示ブロックを表示する。また、水平断面表示画面33Aは垂直断面表示画面35Aに添えたスクロールバー36で選択された1つの水平断面表示ブロックを表示する。
【解決手段】表示装置31の表示画面に水平断面表示画面33Aと垂直断面表示画面35Aとを表示する。水平断面表示画面33Aおよび垂直断面表示画面35Aは、撹拌翼による撹拌面積に相当する広さと、一定の深さ毎の上下範囲を1つの表示単位34として改良度合を表示する。水平断面表示画面33Aは、同じ深さ毎に水平方向にまとめられかつ複数の行、列に区画された複数の表示単位を1つの水平断面表示ブロックとする。垂直断面表示画面35Aは、水平断面表示画面33Aに添えたスクロールバー40で選択された1つの垂直断面表示ブロックを表示する。また、水平断面表示画面33Aは垂直断面表示画面35Aに添えたスクロールバー36で選択された1つの水平断面表示ブロックを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部に撹拌翼を設け、撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に撹拌翼により注入領域を撹拌して地盤改良を行う地盤改良工事における施工品質管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図11(A)に示すように建築物50用の地盤を改良するため、地中に杭51を埋設することが行われる。このような杭51を施工する工法として、既成杭を施工する方法以外に、地中に固化材(セメントミルク)を注入しながら撹拌することにより杭を施工する工法がある。このような工法を採用する場合、固化材が改良を行う地盤の深さ方向の全長にわたって均一に注入され攪拌されることが、杭51の強度を確保する上で必要である。このような固化材の注入量、攪拌回数が基準値に達したか否かを監視するためのシステムとして、特許文献1に記載のものがある。
【0003】
この特許文献1に記載の監視システムは、表示画面の一方の軸を深さとし、その深さ毎の固化材添加量を他方の軸として表示した棒グラフと、その深さ毎の撹拌翼による撹拌混合回数を他方の軸として表示された棒グラフとして表示することにより、固化材の混合度合を表示するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−38463
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、基礎強度増大の要求に対応するため、図11(B)に示すように、杭51の数を増加させてきた。しかし最近、さらなる強度の増大に対応するため、図11(C)に示すように、建築物50の下部全面を改良領域52とする立体的施工方法が採用されるようになってきている。このように建築物50の下部全面に固化材を注入、混合すれば、固化材により硬化された地盤の横方向の相互の結合による支持作用により、杭による場合の改良部分の面積の増大分よりはるかに高い支持強度の地盤が得られる。
【0006】
前述した特許文献1に記載の監視システムにおいては、硬化前の杭51毎に、所定の深さ毎の固化材添加量と撹拌混合回数とを表示しているものの、図11(C)のように建築物50の下部全面を改良領域52とする場合、全体としての改良度合の把握が困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、建築物の下部全面に固化材を注入、撹拌して地盤改良を行う場合、改良範囲全体の改良度合の把握が容易となり、固化材の注入、撹拌が不足した箇所の発生が防止され、固化材の注入、撹拌のむらが無い強度の高い地盤の実現が可能となる地盤改良の施工品質管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の地盤改良の施工品質管理システムは、地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に前記撹拌軸の下端部に設けた撹拌翼により地中への固化材注入箇所を撹拌して地盤改良を行う地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
施工中の地盤改良の状況を表示する表示装置に、
前記地盤改良機の下部走行体を固定した状態でブーム、アームの回動および旋回によって一度に地盤改良の工事を施工する水平面上の範囲内について、異なる深さ毎に準備された複数の水平断面表示ブロックから選択された1つの水平断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する水平断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の異なる行または列毎に準備された複数の垂直断面表示ブロックから選択された1つの垂直断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する垂直断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の行または列方向に沿って設けられる第1のスクロールバーと、
前記垂直断面表示画面の高さ方向に沿って設けられる第2のスクロールバーとを表示し、
前記第1のスクロールバーの移動に連動して前記垂直断面表示画面に、前記第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、前記第2のスクロールバーの移動に連動して前記水平断面表示画面に、前記第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示することを特徴とする。
【0009】
請求項2の地盤改良の施工品質管理システムは、請求項1に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記表示単位の改良度合の表示は固化材注入量または攪拌回数が設定値に達したか否かで表示内容が変更されると共に、固化材注入量と攪拌回数のうちのいずれかを選択して表示させる表示切換え手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の地盤改良の施工品質管理システムは、請求項1または2に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、前記地盤改良機が、下部走行体上に上部旋回体を設置し、前記上部旋回体に多関節アームを取付け、前記多関節アームに前記撹拌軸を含む注入攪拌装置を取付けた構成を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明においては、第1のスクロールバーの移動に連動して垂直断面表示画面に第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、第2のスクロールバーの移動に連動して水平断面表示画面に第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示するため、水平断面の任意の行または列毎に垂直断面全体の表示が行えると共に、任意の深さについて、改良範囲の水平断面全体の表示が行える。このため、改良範囲全体についての改良度合の把握が容易となり、改良すべき部分が容易、迅速に確認できる。このため、的確な固化材の再注入、再撹拌が行え、全体として固化材注入量や攪拌回数のむらが無い強度の高い地盤が得られる。
【0012】
請求項2の発明においては、固化材注入量と攪拌回数が切換え表示されるため、多数の表示単位を一度に表示する場合、固化材注入量と攪拌回数を同時に表示する場合に比較して表示単位のサイズをあまり小さくすることなく表示することができるので、目視しやすくなり、確認が容易となる。また、固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、何が不足しているかについて、確認が容易となり、不足分について対応する作業を行えばよく、対応が適切に行える。
【0013】
請求項3の発明によれば、上部旋回体の旋回動作と多関節アームの伸縮動作により、地盤改良機の下部走行体の位置を変えないで広い範囲にわたり地盤改良が可能となるので、本発明を能率良く実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明による地盤改良作業を行う地盤改良機の一実施の形態を示す側面図である。この地盤改良機1の構成は次の通りである。下部走行体2上に旋回装置3を介して上部旋回体4を設置し、この上部旋回体4上に油圧パワーユニット5と運転室6を設置する。上部旋回体4にフロントとしての多関節アーム7にピン13を介して地盤改良のための固化材の注入撹拌装置8を回動可能に取付ける。
【0015】
多関節アーム7は、上部旋回体4にブームシリンダ9により起伏可能に取付けられたブーム10と、このブーム10の先端にアームシリンダ11により上下回動可能に取付けられたアーム12と、注入撹拌装置8を回動させるためにアーム12に取付けられた作業具シリンダ14とを備える。作業具シリンダ14の先端は、アーム12に取付けられたリンク15の先端に連結すると共に、別のリンク16の一端も連結し、このリンク16の他端を、注入撹拌装置8の上端部に連結する。
【0016】
注入撹拌装置8は、アーム12にピン13により取付けられるブラケット17と、このブラケット17に回転可能に取付けられた撹拌軸18と、ブラケット17に取付けられ、撹拌軸18を回転させる油圧モータでなる駆動モータ19と、撹拌軸18の下端に取付けられた掘削機能を有する撹拌翼20とを有する。撹拌軸18の下端部には、撹拌軸18を通して送られる固化材を地中に注入する注入口を有する。
【0017】
次にこの地盤改良機に装備する施工管理システムについて説明する。21は下部走行体2に対する多関節アーム7の向き(旋回角θ:図4参照)を検出するために設けられた旋回角度センサである。22はブーム9の起伏角度αを検出するブーム角度センサである。23はブーム10に対するアーム12の角度βを検出するアーム角度センサである。24は多関節アーム7に沿って添設される固化材注入用配管(図示せず)を通して固化材供給装置(図示せず)から送られる固化材流量Vを検出する固化材流量センサである。25は撹拌軸18を回転させる駆動モータ19の駆動油圧Pを検出することにより、撹拌軸18のトルクを検出し、掘削抵抗を求める圧力センサである。この圧力センサ25は、攪拌翼20による掘削深さ(すなわち固化材の注入深さ)が所定の硬度の地盤まで達したか否かを検出するために設けられる。26は固化材注入箇所の撹拌度合を検出するために撹拌軸18の回転数Nを求める回転センサである。
【0018】
27は運転室6に装備したモニタであり、このモニタ27は、施工状況を監視するため、図2に示すように、図1に示した各センサ21〜26からの検出信号に基づいて、注入撹拌装置8の位置や深さ、並びに固化材の注入量や撹拌回数等を演算する演算装置29と、その演算結果等を記憶する記憶装置30と、記憶された値などの表示装置31を含むものである。
【0019】
図3は地盤改良機1と施工範囲32との関係を説明する図である。地盤改良機1を固定したままで地盤改良工事を施工する範囲32は長方形または正方形に設定される。この施工範囲32は、所定の深さまで到達できる多関節アーム7の長さによる到達範囲と、旋回装置3の旋回に伴う制限(R1、R2はそれぞれ施工範囲32の多関節アーム7の先端の内接円、外接円である。)により設定される。地盤改良工事は、地盤改良機1を固定した状態で1つの施工範囲32を施工した後、別の箇所の施工範囲32(例えば左右あるいは後方に隣接する箇所)に対応する位置に地盤改良機1を移動しその位置で地盤改良機1を固定した状態で地盤改良工事を施工するという段取りで行う。
【0020】
図4に示すように、後述の表示を行う場合、1つの表示単位34は、撹拌翼20が撹拌可能な広さを有する。そして下部走行体2から見て左右方向をX軸、前後方向をY軸とした場合、1つの施工範囲32は、複数の行Y0〜Ym、列X0〜Xnに区画された複数の表示単位34を含む。
【0021】
図5は表示単位34を地盤改良機1の左右方向、前後方向、深さ方向について区分けする領域設定を説明する図である。33は所定の深さ(H0,H1,H2…)毎に区分けされた水平断面表示ブロックである。この水平断面表示ブロック33の広さは、1つの施工範囲32に対応している。
【0022】
この実施の形態においては、図6に示すように、行Y0〜Ym毎に分離された垂直断面表示ブロック35も準備する。この垂直断面表示ブロック35は地盤改良の全深さについて、行Y0、Y1…Ym毎に表示単位34を垂直方向にまとめて1つの表示ブロック35として表示するものである。
【0023】
図7は表示装置31にて表示される表示画面を示す。この実施の形態の表示画面は、タッチパネルで構成されており、図4に示した水平断面表示ブロック33の水平断面表示画面33Aと垂直断面表示ブロック35を表示する垂直断面表示画面35Aとを有する。また、異なる高さについて水平断面表示ブロック33を切換え表示するため、スクロールバー(第2のスクロールバー)36や上移動用指示マーク37および下移動用指示マーク38を表示する。これらのスクロールバー36やマーク37,38は垂直断面表示画面35Aの側部に高さ方向に添えて設けられる。
【0024】
また、異なる行について垂直断面表示ブロック35を切換え表示するため、スクロールバー(第1のスクロールバー)40や行変更用指示マーク41,42を表示する。これらのスクロールバー40やマーク41,42は水平断面表示画面33Aの側部に添えて、すなわち列方向に設けられる。図示例は、スクロールバー36の位置から分かるように水平断面表示画面33Aについては表面の水平断面表示ブロック33が表示されている。また、スクロールバー40の位置から分かるように、垂直断面表示画面35Aには2行目の垂直断面表示ブロック35が表示されている。
【0025】
さらに、表示画面には、各表示単位34における目標攪拌回数を表示する欄43と、固化材の目標注入量を表示する欄44と、前後方向(Y軸方向)の作業範囲(m)を表示する欄45と、左右方向(X軸方向)の作業範囲(m)を表示する欄46と、撹拌翼20の現在の深さ(m)を表示する欄47と、撹拌翼20の現在の左右方向の位置(例えば作業範囲の左端からの距離(m))を表示する欄49と、撹拌翼20の現在の前後方向の位置(例えば作業範囲32の地盤改良機1側に近い端部からの距離(m))を表示する欄54と、その作業現場の下部走行体2を固定した状態での作業における固化材の積算流量(L)を表示する欄55と、水平断面表示画面33Aと垂直断面表示画面35Aとについて、固化材の注入量と撹拌回数のいずれを表示するかを選択する表示切換え手段54とを備える。この表示切換え手段54は、現在は固化材の注入量と撹拌回数のいずれを表示しているかを表す表示欄を兼用している。
【0026】
この地盤改良機1を用いて地盤改良を行う場合は、施工範囲32に対して好適な位置に地盤改良機1の位置を設定し、地盤改良機1の位置を固定したままで作業を行う。この施工範囲32と地盤改良機1との位置関係は、予め決られた施工範囲32(例えば4m×4m)を設定しておき、この施工範囲32となる位置から地盤改良機1までの距離と向きを設定することで固定される。図4に示すように、施工範囲32における例えば下部走行体1に近い方(後端)でかつ左端の左右位置32aに撹拌軸18の位置を合わせて原点O(x0,y0)とし、後端の右端に撹拌軸18の位置を合わせて右前端位置A(xn,y0)とし、さらに左端の前端位置に撹拌軸18の位置を合わせて左前端位置B(x0,ym)とする。右前端位置Cの座標(xn、ym)は原点Oと前記位置A,Bから自動的に決定される。また、行、列に区画された表示単位34の中心位置の座標は、これらの位置O,A,B,Cの座標を等分して求められる。この等分される表示単位34の広さは撹拌翼20により撹拌可能な広さに設定される。
【0027】
固化材の注入、撹拌作業は、不図示の固化材供給装置から多関節アーム7に沿って添設される固化材注入用配管を通して撹拌軸18内に送られ、撹拌軸18の下端の注入口から地中に流出させると同時に、撹拌翼20により掘削しながら撹拌し、撹拌軸18を次第に深くしてゆき、圧力センサ25により検出される油圧Pが予め設定された油圧より高くなる(すなわち予め決められた基準の硬度以上に達する)と撹拌軸18を引上げる。この引上げの際にも撹拌軸18から固化材を注入してもよい。このような固化材の注入、撹拌作業を例えば(x0,y0)、(x1,y0)、(x2,y0)…(xn,y0)とY0行について行い、次に(x0,y1)、(x1,y1)、(xn,y1)…とY1行について行い、という風にYm行まで行う。
【0028】
このような固化材の注入、撹拌作業において、撹拌軸18の座標上の位置設定は、地面上に表示単位34に対応して付したマークをオペレータが目視により確認してそのマークを付した位置に撹拌軸18の位置を合わせるか、あるいは表示装置の水平断面表示画面33Aに現在の撹拌軸18の位置を表示するマークを表示してそのマークの位置を表示単位34の中心位置に合わせることにより行う。この水平断面表示画面33A上の撹拌軸18の位置は、旋回角度センサ21により検出される旋回角度θ(図4参照)、ブーム角度センサ22およびアーム角度センサ23によりそれぞれ検出されるブーム角度α、アーム角度β(図1参照)の検出値を演算装置29に入力し、予め設定されているブーム10およびアーム12の長さに基づいて公知の演算式により求められる。
【0029】
撹拌軸18の垂直降下制御は、地盤改良機1に備えられた垂直制御装置を用いるかあるいはオペレータの手動により行う。このような撹拌軸18の降下は可及的に同じ速度で行われるように制御される。また、この作業における撹拌軸18の水平位置、すなわちX,Y座標上の位置は前述の演算により求められる。
【0030】
撹拌翼20すなわち固化材の地中への注入口の深さは、ブーム角度センサ22により検出されるブーム9の起伏角度αと、アーム角度センサ23により検出されるブーム10に対するアーム12の角度βと、ブーム10の長さと、アーム12の長さと、注入撹拌装置8の長さから演算装置29により求められる。
【0031】
表示単位34における固化材注入量は、撹拌軸18の注入口が1つの表示単位34内にある間における固化材流量センサ24により検出される流量Vを演算装置29で積算することにより求められる。また、1つの表示単位34における撹拌回数は、撹拌軸18の注入口が1つの表示単位34内にある間における回転センサ26により検出される撹拌軸18の回転数Nを演算装置29で積算することにより求められる。
【0032】
このような各表示単位34における固化材注入量と撹拌回数は、記憶装置30に記憶され、オペレータが表示装置31を操作することにより、表示画面に表示される。この実施の形態においては、固化材注入量と撹拌回数が一度に表示されるのではなく、切換え表示される例について示している。
【0033】
図7に示すように、表示装置31においては、1つの水平断面表示ブロック33の各表示単位34毎に固化材注入量または撹拌回数が設定値に達しているか否かが水平断面表示画面33Aにて表示されると共に、1つの行の垂直断面表示画面35Aの各表示単位34について固化材注入量または撹拌回数が表示される。水平断面表示画面33Aでどの深さの水平断面表示ブロック33の固化材注入量または撹拌回数を表示するかは、オペレータがスクロールバー36や上移動用指示マーク37または下移動用指示マーク38にタッチしてスクロールバー36を移動させ、垂直断面表示画面35A上に表示された深さを選択し、スクロールバー36に連動して、水平断面表示画面33Aに、垂直断面表示画面35A上の行に相当する水平断面表示ブロック33を表示する。
【0034】
また、オペレータがスクロールバー40や行変更用指示マーク41,42をタッチすることにより、スクロールバー40を移動させ、この移動に連動して、水平断面表示画面33A上の行に相当する垂直断面表示ブロック35を垂直断面表示画面35A上にて選択表示する。また、固化材注入量を表示するか撹拌回数を表示するかは、表示切換え手段となる欄56にタッチすることで交互に選択されると同時に、現在の表示内容が文字により表示される。
【0035】
ここで、固化材注入量または撹拌回数が設定値に達しているかどうかは、演算装置29において演算され、合否が判別されており、判別結果を、各表示単位34毎に、目視により識別可能な手段で表示する。この合否の表示は、色分けにより行なうかまたは模様を変える等のように、一目で分かる表示により行う。図7において、34aは固化材注入量または撹拌回数が設定値に達していない表示内容を示している。表示画面においては、前記した各欄43〜51において、それぞれ前記した表示がなされる。
【0036】
前記した水平断面表示画面33Aまたは垂直断面表示画面35Aのある表示単位34において、固化材注入量または撹拌回数が不足している場合には、該当する個所に撹拌翼20を挿入し、注入または撹拌のいずれかの作業を行い、固化材注入量と撹拌回数の双方が不足している場合には、注入と撹拌作業を行う。
【0037】
このように、この実施の形態においては、任意の深さについて、水平断面表示画面33Aにより施工範囲32の水平断面全体の表示が目視により識別可能な状態で行えると共に、垂直断面表示画面35Aにより行毎に垂直断面全体の表示が目視により識別可能な状態で行えるため、施工範囲32全体についての改良度合の把握が一目で行え、改良すべき部分が容易、迅速に確認できる。このため、的確な固化材の注入、撹拌が行え、固化材注入量や攪拌回数のむらが無い強度の高い地盤が得られる。
【0038】
また、本発明を実施する場合、各表示単位34について固化材注入量と攪拌回数との双方が同時に満足できるか否かを表示してもよいが、固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、何が不足しているかについて、確認が容易となり、対応が適切になる。また、各表示単位34について固化材注入量と攪拌回数を並記してもよいが、例えば合計1000個にもおよぶ多数の表示単位が存在する場合、表示面積が細かくなり、目視しにくくなる。一方、本実施の形態のように固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、固化材注入量と攪拌回数を同時に表示する場合に比較して表示面積が拡大され、目視しやすくなり、確認が容易となる。
【0039】
図8は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、表示単位において、固化材注入量と攪拌回数を共に満足する場合の態様34と、固化材注入量のみが不足する場合を異なる態様34bで表示し、撹拌回数のみが不足する場合を34,34bの場合と異なる態様34cで表示し、固化材注入量と攪拌回数を共に満足しない場合を34,34b,34cと異なる態様34dで表示するようにしたものである。異なる表示態様としては、色、模様、マークのいずれかまたはこれらを複合したものがある。このような表示形態をとれば、表示切換え手段56は不要になると共に、表示単位34内に固化材注入量と攪拌回数を併記する場合に比較して表示の面積を狭くする必要がないという利点がある。
【0040】
図9は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、固化材注入量と撹拌回数を図7の例のように切換え表示する場合、不足の度合を識別可能な態様で表示するようにしたものである。34eは撹拌回数の不足数が少ない場合であって、1つの丸印で示し、34fは撹拌回数の不足数が多い場合であって、2つの丸印で示している。また、34gは固化材注入量の不足量が少ない場合であって、1つの角印で表示し、34hは固化材注入量の不足量が多い場合であって、2つの角印で表示している。このような表示態様とすれば、固化材の追加注入量と攪拌回数の追加回数の目安が得られ、より好適な対応が可能になる。なお、固化材注入量や撹拌回数の不足度合は3段階以上に表示するようにしてもよく、また、固化材注入量や撹拌回数の量や数をそれぞれ3以上の段階に分けてマークの数や色分けで表示してもよい。
【0041】
図10は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、固化材注入量と撹拌回数を図8の例のようにまとめて1つの表示単位34で表示する場合、固化材注入量と撹拌回数の不足の度合もあわせて識別可能な態様で表示するようにしたものである。図10において、34eは撹拌回数のみが不足する場合で不足回数が少ない場合の表示態様で、色分け(バックの色)は固化材注入量と撹拌回数が設定値を満足する場合と同じであり、1つの丸印で示す。34fは同じく撹拌回数だけが不足し、その不足数が多い場合であって、2つの丸印で示している。34i,34jは固化材注入量のみが不足する場合で、その不足量が少ない場合(34i)と多い場合(34j)の表示態様であり、それぞれ異なる色で表示している。34kは固化材注入量の不足量が少なく、かつ撹拌回数の不足数も少ない場合であり、34eと34iとを合成したパターンである。34mは固化材注入量の不足量が少なく、かつ撹拌回数の不足数が多い場合であり、34fと34iとを合成したパターンである。34nは固化材注入量の不足量が多く、かつ撹拌回数の不足数は少ない場合であり、34eと34jとを合成したパターンである。34pは固化材注入量の不足量が多く、かつ撹拌回数の不足数も多い場合であり、34fと34jとを合成したパターンである。このような表示態様で区別すれば、図8の表示態様の利点と図9の表示態様の利点の両者が得られる。
【0042】
本発明を実施する場合、フロントがリーダである場合にも適用可能であるが、しかしリーダ式の地盤改良機に比較し、本実施の形態のようにフロントとして多関節アーム7を用いたものを用いれば、上部旋回体4の旋回動作と多関節アーム7の伸縮動作により、広い範囲にわたり地盤改良が可能となので、地盤改良を能率良く実施する上で好ましい。多関節アームは、3本のアームを相互に回動可能に連結した垂直制御機能を持つものを用いれば、撹拌軸18の垂直制御がより容易となる。
【0043】
上記実施の形態においては、水平断面表示画面33Aの行毎に垂直断面表示画面35Aの表示を変更したが、水平断面表示画面33Aの列毎に垂直断面表示画面35Aの表示を変更するようにしてもよい。また、行毎に表示するかまたは列毎に表示するかを選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による地盤改良機の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】図1の各センサ、演算装置、表示装置との関係を説明するブロック図である。
【図3】図1の地盤改良機を用いて地盤改良を行う範囲について説明する図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】本実施の形態の形態における水平断面表示ブロックを説明する斜視図である。
【図6】本実施の形態の形態における垂直断面表示ブロックを説明する斜視図である。
【図7】本実施の形態における表示装置の表示内容を説明する図である。
【図8】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例を示す図である。
【図9】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例をさらに示す図である。
【図10】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例をさらに示す図である。
【図11】(A)、(B)は従来多用されてきた杭の施工態様を示す図、(C)は最近賞用されてきつつある地盤改良態様を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1:地盤改良機、2:下部走行体、3:旋回装置、4:上部旋回体、5:油圧パワーユニット、6:運転室、7:多関節アーム、8:注入攪拌装置、9:ブームシリンダ、10:ブーム、11:アームシリンダ、12:アーム、13:ピン、14:作業具シリンダ、15,16:リンク、17:ブラケット、18:撹拌軸、19:駆動モータ、20:攪拌翼、21:旋回角度センサ、22:ブーム角度センサ、23:アーム角度センサ、24:固化材流量センサ、25:圧力センサ、26:回転センサ、27:モニタ、29:演算装置、30:記憶装置、31:表示装置、32:施工範囲、33:水平断面表示ブロック、33A:水平断面表示画面、34:表示単位、35:垂直断面表示ブロック、35A:垂直断面表示画面、36:第2のスクロールバー、37:上移動用指示マーク、38:下移動用指示マーク、40:第1のスクロールバー、41,42:行変更用指示マーク、43:目標攪拌回数を表示する欄、44:固化材の目標注入量を表示する欄、45:前後方向の作業範囲を表示する欄、46:左右方向の作業範囲を表示する欄、47:撹拌翼の現在の深さを表示する欄、49:撹拌翼の現在の左右方向の位置を表示する欄、50:建築物、51:杭、52:改良領域、54:撹拌翼の現在の前後方向の位置を表示する欄、55:固化材の積算流量を表示する欄、56:表示切換え手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部に撹拌翼を設け、撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に撹拌翼により注入領域を撹拌して地盤改良を行う地盤改良工事における施工品質管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図11(A)に示すように建築物50用の地盤を改良するため、地中に杭51を埋設することが行われる。このような杭51を施工する工法として、既成杭を施工する方法以外に、地中に固化材(セメントミルク)を注入しながら撹拌することにより杭を施工する工法がある。このような工法を採用する場合、固化材が改良を行う地盤の深さ方向の全長にわたって均一に注入され攪拌されることが、杭51の強度を確保する上で必要である。このような固化材の注入量、攪拌回数が基準値に達したか否かを監視するためのシステムとして、特許文献1に記載のものがある。
【0003】
この特許文献1に記載の監視システムは、表示画面の一方の軸を深さとし、その深さ毎の固化材添加量を他方の軸として表示した棒グラフと、その深さ毎の撹拌翼による撹拌混合回数を他方の軸として表示された棒グラフとして表示することにより、固化材の混合度合を表示するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−38463
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、基礎強度増大の要求に対応するため、図11(B)に示すように、杭51の数を増加させてきた。しかし最近、さらなる強度の増大に対応するため、図11(C)に示すように、建築物50の下部全面を改良領域52とする立体的施工方法が採用されるようになってきている。このように建築物50の下部全面に固化材を注入、混合すれば、固化材により硬化された地盤の横方向の相互の結合による支持作用により、杭による場合の改良部分の面積の増大分よりはるかに高い支持強度の地盤が得られる。
【0006】
前述した特許文献1に記載の監視システムにおいては、硬化前の杭51毎に、所定の深さ毎の固化材添加量と撹拌混合回数とを表示しているものの、図11(C)のように建築物50の下部全面を改良領域52とする場合、全体としての改良度合の把握が困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑み、建築物の下部全面に固化材を注入、撹拌して地盤改良を行う場合、改良範囲全体の改良度合の把握が容易となり、固化材の注入、撹拌が不足した箇所の発生が防止され、固化材の注入、撹拌のむらが無い強度の高い地盤の実現が可能となる地盤改良の施工品質管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の地盤改良の施工品質管理システムは、地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に前記撹拌軸の下端部に設けた撹拌翼により地中への固化材注入箇所を撹拌して地盤改良を行う地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
施工中の地盤改良の状況を表示する表示装置に、
前記地盤改良機の下部走行体を固定した状態でブーム、アームの回動および旋回によって一度に地盤改良の工事を施工する水平面上の範囲内について、異なる深さ毎に準備された複数の水平断面表示ブロックから選択された1つの水平断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する水平断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の異なる行または列毎に準備された複数の垂直断面表示ブロックから選択された1つの垂直断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する垂直断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の行または列方向に沿って設けられる第1のスクロールバーと、
前記垂直断面表示画面の高さ方向に沿って設けられる第2のスクロールバーとを表示し、
前記第1のスクロールバーの移動に連動して前記垂直断面表示画面に、前記第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、前記第2のスクロールバーの移動に連動して前記水平断面表示画面に、前記第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示することを特徴とする。
【0009】
請求項2の地盤改良の施工品質管理システムは、請求項1に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記表示単位の改良度合の表示は固化材注入量または攪拌回数が設定値に達したか否かで表示内容が変更されると共に、固化材注入量と攪拌回数のうちのいずれかを選択して表示させる表示切換え手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の地盤改良の施工品質管理システムは、請求項1または2に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、前記地盤改良機が、下部走行体上に上部旋回体を設置し、前記上部旋回体に多関節アームを取付け、前記多関節アームに前記撹拌軸を含む注入攪拌装置を取付けた構成を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明においては、第1のスクロールバーの移動に連動して垂直断面表示画面に第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、第2のスクロールバーの移動に連動して水平断面表示画面に第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示するため、水平断面の任意の行または列毎に垂直断面全体の表示が行えると共に、任意の深さについて、改良範囲の水平断面全体の表示が行える。このため、改良範囲全体についての改良度合の把握が容易となり、改良すべき部分が容易、迅速に確認できる。このため、的確な固化材の再注入、再撹拌が行え、全体として固化材注入量や攪拌回数のむらが無い強度の高い地盤が得られる。
【0012】
請求項2の発明においては、固化材注入量と攪拌回数が切換え表示されるため、多数の表示単位を一度に表示する場合、固化材注入量と攪拌回数を同時に表示する場合に比較して表示単位のサイズをあまり小さくすることなく表示することができるので、目視しやすくなり、確認が容易となる。また、固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、何が不足しているかについて、確認が容易となり、不足分について対応する作業を行えばよく、対応が適切に行える。
【0013】
請求項3の発明によれば、上部旋回体の旋回動作と多関節アームの伸縮動作により、地盤改良機の下部走行体の位置を変えないで広い範囲にわたり地盤改良が可能となるので、本発明を能率良く実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明による地盤改良作業を行う地盤改良機の一実施の形態を示す側面図である。この地盤改良機1の構成は次の通りである。下部走行体2上に旋回装置3を介して上部旋回体4を設置し、この上部旋回体4上に油圧パワーユニット5と運転室6を設置する。上部旋回体4にフロントとしての多関節アーム7にピン13を介して地盤改良のための固化材の注入撹拌装置8を回動可能に取付ける。
【0015】
多関節アーム7は、上部旋回体4にブームシリンダ9により起伏可能に取付けられたブーム10と、このブーム10の先端にアームシリンダ11により上下回動可能に取付けられたアーム12と、注入撹拌装置8を回動させるためにアーム12に取付けられた作業具シリンダ14とを備える。作業具シリンダ14の先端は、アーム12に取付けられたリンク15の先端に連結すると共に、別のリンク16の一端も連結し、このリンク16の他端を、注入撹拌装置8の上端部に連結する。
【0016】
注入撹拌装置8は、アーム12にピン13により取付けられるブラケット17と、このブラケット17に回転可能に取付けられた撹拌軸18と、ブラケット17に取付けられ、撹拌軸18を回転させる油圧モータでなる駆動モータ19と、撹拌軸18の下端に取付けられた掘削機能を有する撹拌翼20とを有する。撹拌軸18の下端部には、撹拌軸18を通して送られる固化材を地中に注入する注入口を有する。
【0017】
次にこの地盤改良機に装備する施工管理システムについて説明する。21は下部走行体2に対する多関節アーム7の向き(旋回角θ:図4参照)を検出するために設けられた旋回角度センサである。22はブーム9の起伏角度αを検出するブーム角度センサである。23はブーム10に対するアーム12の角度βを検出するアーム角度センサである。24は多関節アーム7に沿って添設される固化材注入用配管(図示せず)を通して固化材供給装置(図示せず)から送られる固化材流量Vを検出する固化材流量センサである。25は撹拌軸18を回転させる駆動モータ19の駆動油圧Pを検出することにより、撹拌軸18のトルクを検出し、掘削抵抗を求める圧力センサである。この圧力センサ25は、攪拌翼20による掘削深さ(すなわち固化材の注入深さ)が所定の硬度の地盤まで達したか否かを検出するために設けられる。26は固化材注入箇所の撹拌度合を検出するために撹拌軸18の回転数Nを求める回転センサである。
【0018】
27は運転室6に装備したモニタであり、このモニタ27は、施工状況を監視するため、図2に示すように、図1に示した各センサ21〜26からの検出信号に基づいて、注入撹拌装置8の位置や深さ、並びに固化材の注入量や撹拌回数等を演算する演算装置29と、その演算結果等を記憶する記憶装置30と、記憶された値などの表示装置31を含むものである。
【0019】
図3は地盤改良機1と施工範囲32との関係を説明する図である。地盤改良機1を固定したままで地盤改良工事を施工する範囲32は長方形または正方形に設定される。この施工範囲32は、所定の深さまで到達できる多関節アーム7の長さによる到達範囲と、旋回装置3の旋回に伴う制限(R1、R2はそれぞれ施工範囲32の多関節アーム7の先端の内接円、外接円である。)により設定される。地盤改良工事は、地盤改良機1を固定した状態で1つの施工範囲32を施工した後、別の箇所の施工範囲32(例えば左右あるいは後方に隣接する箇所)に対応する位置に地盤改良機1を移動しその位置で地盤改良機1を固定した状態で地盤改良工事を施工するという段取りで行う。
【0020】
図4に示すように、後述の表示を行う場合、1つの表示単位34は、撹拌翼20が撹拌可能な広さを有する。そして下部走行体2から見て左右方向をX軸、前後方向をY軸とした場合、1つの施工範囲32は、複数の行Y0〜Ym、列X0〜Xnに区画された複数の表示単位34を含む。
【0021】
図5は表示単位34を地盤改良機1の左右方向、前後方向、深さ方向について区分けする領域設定を説明する図である。33は所定の深さ(H0,H1,H2…)毎に区分けされた水平断面表示ブロックである。この水平断面表示ブロック33の広さは、1つの施工範囲32に対応している。
【0022】
この実施の形態においては、図6に示すように、行Y0〜Ym毎に分離された垂直断面表示ブロック35も準備する。この垂直断面表示ブロック35は地盤改良の全深さについて、行Y0、Y1…Ym毎に表示単位34を垂直方向にまとめて1つの表示ブロック35として表示するものである。
【0023】
図7は表示装置31にて表示される表示画面を示す。この実施の形態の表示画面は、タッチパネルで構成されており、図4に示した水平断面表示ブロック33の水平断面表示画面33Aと垂直断面表示ブロック35を表示する垂直断面表示画面35Aとを有する。また、異なる高さについて水平断面表示ブロック33を切換え表示するため、スクロールバー(第2のスクロールバー)36や上移動用指示マーク37および下移動用指示マーク38を表示する。これらのスクロールバー36やマーク37,38は垂直断面表示画面35Aの側部に高さ方向に添えて設けられる。
【0024】
また、異なる行について垂直断面表示ブロック35を切換え表示するため、スクロールバー(第1のスクロールバー)40や行変更用指示マーク41,42を表示する。これらのスクロールバー40やマーク41,42は水平断面表示画面33Aの側部に添えて、すなわち列方向に設けられる。図示例は、スクロールバー36の位置から分かるように水平断面表示画面33Aについては表面の水平断面表示ブロック33が表示されている。また、スクロールバー40の位置から分かるように、垂直断面表示画面35Aには2行目の垂直断面表示ブロック35が表示されている。
【0025】
さらに、表示画面には、各表示単位34における目標攪拌回数を表示する欄43と、固化材の目標注入量を表示する欄44と、前後方向(Y軸方向)の作業範囲(m)を表示する欄45と、左右方向(X軸方向)の作業範囲(m)を表示する欄46と、撹拌翼20の現在の深さ(m)を表示する欄47と、撹拌翼20の現在の左右方向の位置(例えば作業範囲の左端からの距離(m))を表示する欄49と、撹拌翼20の現在の前後方向の位置(例えば作業範囲32の地盤改良機1側に近い端部からの距離(m))を表示する欄54と、その作業現場の下部走行体2を固定した状態での作業における固化材の積算流量(L)を表示する欄55と、水平断面表示画面33Aと垂直断面表示画面35Aとについて、固化材の注入量と撹拌回数のいずれを表示するかを選択する表示切換え手段54とを備える。この表示切換え手段54は、現在は固化材の注入量と撹拌回数のいずれを表示しているかを表す表示欄を兼用している。
【0026】
この地盤改良機1を用いて地盤改良を行う場合は、施工範囲32に対して好適な位置に地盤改良機1の位置を設定し、地盤改良機1の位置を固定したままで作業を行う。この施工範囲32と地盤改良機1との位置関係は、予め決られた施工範囲32(例えば4m×4m)を設定しておき、この施工範囲32となる位置から地盤改良機1までの距離と向きを設定することで固定される。図4に示すように、施工範囲32における例えば下部走行体1に近い方(後端)でかつ左端の左右位置32aに撹拌軸18の位置を合わせて原点O(x0,y0)とし、後端の右端に撹拌軸18の位置を合わせて右前端位置A(xn,y0)とし、さらに左端の前端位置に撹拌軸18の位置を合わせて左前端位置B(x0,ym)とする。右前端位置Cの座標(xn、ym)は原点Oと前記位置A,Bから自動的に決定される。また、行、列に区画された表示単位34の中心位置の座標は、これらの位置O,A,B,Cの座標を等分して求められる。この等分される表示単位34の広さは撹拌翼20により撹拌可能な広さに設定される。
【0027】
固化材の注入、撹拌作業は、不図示の固化材供給装置から多関節アーム7に沿って添設される固化材注入用配管を通して撹拌軸18内に送られ、撹拌軸18の下端の注入口から地中に流出させると同時に、撹拌翼20により掘削しながら撹拌し、撹拌軸18を次第に深くしてゆき、圧力センサ25により検出される油圧Pが予め設定された油圧より高くなる(すなわち予め決められた基準の硬度以上に達する)と撹拌軸18を引上げる。この引上げの際にも撹拌軸18から固化材を注入してもよい。このような固化材の注入、撹拌作業を例えば(x0,y0)、(x1,y0)、(x2,y0)…(xn,y0)とY0行について行い、次に(x0,y1)、(x1,y1)、(xn,y1)…とY1行について行い、という風にYm行まで行う。
【0028】
このような固化材の注入、撹拌作業において、撹拌軸18の座標上の位置設定は、地面上に表示単位34に対応して付したマークをオペレータが目視により確認してそのマークを付した位置に撹拌軸18の位置を合わせるか、あるいは表示装置の水平断面表示画面33Aに現在の撹拌軸18の位置を表示するマークを表示してそのマークの位置を表示単位34の中心位置に合わせることにより行う。この水平断面表示画面33A上の撹拌軸18の位置は、旋回角度センサ21により検出される旋回角度θ(図4参照)、ブーム角度センサ22およびアーム角度センサ23によりそれぞれ検出されるブーム角度α、アーム角度β(図1参照)の検出値を演算装置29に入力し、予め設定されているブーム10およびアーム12の長さに基づいて公知の演算式により求められる。
【0029】
撹拌軸18の垂直降下制御は、地盤改良機1に備えられた垂直制御装置を用いるかあるいはオペレータの手動により行う。このような撹拌軸18の降下は可及的に同じ速度で行われるように制御される。また、この作業における撹拌軸18の水平位置、すなわちX,Y座標上の位置は前述の演算により求められる。
【0030】
撹拌翼20すなわち固化材の地中への注入口の深さは、ブーム角度センサ22により検出されるブーム9の起伏角度αと、アーム角度センサ23により検出されるブーム10に対するアーム12の角度βと、ブーム10の長さと、アーム12の長さと、注入撹拌装置8の長さから演算装置29により求められる。
【0031】
表示単位34における固化材注入量は、撹拌軸18の注入口が1つの表示単位34内にある間における固化材流量センサ24により検出される流量Vを演算装置29で積算することにより求められる。また、1つの表示単位34における撹拌回数は、撹拌軸18の注入口が1つの表示単位34内にある間における回転センサ26により検出される撹拌軸18の回転数Nを演算装置29で積算することにより求められる。
【0032】
このような各表示単位34における固化材注入量と撹拌回数は、記憶装置30に記憶され、オペレータが表示装置31を操作することにより、表示画面に表示される。この実施の形態においては、固化材注入量と撹拌回数が一度に表示されるのではなく、切換え表示される例について示している。
【0033】
図7に示すように、表示装置31においては、1つの水平断面表示ブロック33の各表示単位34毎に固化材注入量または撹拌回数が設定値に達しているか否かが水平断面表示画面33Aにて表示されると共に、1つの行の垂直断面表示画面35Aの各表示単位34について固化材注入量または撹拌回数が表示される。水平断面表示画面33Aでどの深さの水平断面表示ブロック33の固化材注入量または撹拌回数を表示するかは、オペレータがスクロールバー36や上移動用指示マーク37または下移動用指示マーク38にタッチしてスクロールバー36を移動させ、垂直断面表示画面35A上に表示された深さを選択し、スクロールバー36に連動して、水平断面表示画面33Aに、垂直断面表示画面35A上の行に相当する水平断面表示ブロック33を表示する。
【0034】
また、オペレータがスクロールバー40や行変更用指示マーク41,42をタッチすることにより、スクロールバー40を移動させ、この移動に連動して、水平断面表示画面33A上の行に相当する垂直断面表示ブロック35を垂直断面表示画面35A上にて選択表示する。また、固化材注入量を表示するか撹拌回数を表示するかは、表示切換え手段となる欄56にタッチすることで交互に選択されると同時に、現在の表示内容が文字により表示される。
【0035】
ここで、固化材注入量または撹拌回数が設定値に達しているかどうかは、演算装置29において演算され、合否が判別されており、判別結果を、各表示単位34毎に、目視により識別可能な手段で表示する。この合否の表示は、色分けにより行なうかまたは模様を変える等のように、一目で分かる表示により行う。図7において、34aは固化材注入量または撹拌回数が設定値に達していない表示内容を示している。表示画面においては、前記した各欄43〜51において、それぞれ前記した表示がなされる。
【0036】
前記した水平断面表示画面33Aまたは垂直断面表示画面35Aのある表示単位34において、固化材注入量または撹拌回数が不足している場合には、該当する個所に撹拌翼20を挿入し、注入または撹拌のいずれかの作業を行い、固化材注入量と撹拌回数の双方が不足している場合には、注入と撹拌作業を行う。
【0037】
このように、この実施の形態においては、任意の深さについて、水平断面表示画面33Aにより施工範囲32の水平断面全体の表示が目視により識別可能な状態で行えると共に、垂直断面表示画面35Aにより行毎に垂直断面全体の表示が目視により識別可能な状態で行えるため、施工範囲32全体についての改良度合の把握が一目で行え、改良すべき部分が容易、迅速に確認できる。このため、的確な固化材の注入、撹拌が行え、固化材注入量や攪拌回数のむらが無い強度の高い地盤が得られる。
【0038】
また、本発明を実施する場合、各表示単位34について固化材注入量と攪拌回数との双方が同時に満足できるか否かを表示してもよいが、固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、何が不足しているかについて、確認が容易となり、対応が適切になる。また、各表示単位34について固化材注入量と攪拌回数を並記してもよいが、例えば合計1000個にもおよぶ多数の表示単位が存在する場合、表示面積が細かくなり、目視しにくくなる。一方、本実施の形態のように固化材注入量と攪拌回数を切換え表示することにより、固化材注入量と攪拌回数を同時に表示する場合に比較して表示面積が拡大され、目視しやすくなり、確認が容易となる。
【0039】
図8は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、表示単位において、固化材注入量と攪拌回数を共に満足する場合の態様34と、固化材注入量のみが不足する場合を異なる態様34bで表示し、撹拌回数のみが不足する場合を34,34bの場合と異なる態様34cで表示し、固化材注入量と攪拌回数を共に満足しない場合を34,34b,34cと異なる態様34dで表示するようにしたものである。異なる表示態様としては、色、模様、マークのいずれかまたはこれらを複合したものがある。このような表示形態をとれば、表示切換え手段56は不要になると共に、表示単位34内に固化材注入量と攪拌回数を併記する場合に比較して表示の面積を狭くする必要がないという利点がある。
【0040】
図9は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、固化材注入量と撹拌回数を図7の例のように切換え表示する場合、不足の度合を識別可能な態様で表示するようにしたものである。34eは撹拌回数の不足数が少ない場合であって、1つの丸印で示し、34fは撹拌回数の不足数が多い場合であって、2つの丸印で示している。また、34gは固化材注入量の不足量が少ない場合であって、1つの角印で表示し、34hは固化材注入量の不足量が多い場合であって、2つの角印で表示している。このような表示態様とすれば、固化材の追加注入量と攪拌回数の追加回数の目安が得られ、より好適な対応が可能になる。なお、固化材注入量や撹拌回数の不足度合は3段階以上に表示するようにしてもよく、また、固化材注入量や撹拌回数の量や数をそれぞれ3以上の段階に分けてマークの数や色分けで表示してもよい。
【0041】
図10は本発明における表示単位34の改良度合の表示形態の他の例であり、固化材注入量と撹拌回数を図8の例のようにまとめて1つの表示単位34で表示する場合、固化材注入量と撹拌回数の不足の度合もあわせて識別可能な態様で表示するようにしたものである。図10において、34eは撹拌回数のみが不足する場合で不足回数が少ない場合の表示態様で、色分け(バックの色)は固化材注入量と撹拌回数が設定値を満足する場合と同じであり、1つの丸印で示す。34fは同じく撹拌回数だけが不足し、その不足数が多い場合であって、2つの丸印で示している。34i,34jは固化材注入量のみが不足する場合で、その不足量が少ない場合(34i)と多い場合(34j)の表示態様であり、それぞれ異なる色で表示している。34kは固化材注入量の不足量が少なく、かつ撹拌回数の不足数も少ない場合であり、34eと34iとを合成したパターンである。34mは固化材注入量の不足量が少なく、かつ撹拌回数の不足数が多い場合であり、34fと34iとを合成したパターンである。34nは固化材注入量の不足量が多く、かつ撹拌回数の不足数は少ない場合であり、34eと34jとを合成したパターンである。34pは固化材注入量の不足量が多く、かつ撹拌回数の不足数も多い場合であり、34fと34jとを合成したパターンである。このような表示態様で区別すれば、図8の表示態様の利点と図9の表示態様の利点の両者が得られる。
【0042】
本発明を実施する場合、フロントがリーダである場合にも適用可能であるが、しかしリーダ式の地盤改良機に比較し、本実施の形態のようにフロントとして多関節アーム7を用いたものを用いれば、上部旋回体4の旋回動作と多関節アーム7の伸縮動作により、広い範囲にわたり地盤改良が可能となので、地盤改良を能率良く実施する上で好ましい。多関節アームは、3本のアームを相互に回動可能に連結した垂直制御機能を持つものを用いれば、撹拌軸18の垂直制御がより容易となる。
【0043】
上記実施の形態においては、水平断面表示画面33Aの行毎に垂直断面表示画面35Aの表示を変更したが、水平断面表示画面33Aの列毎に垂直断面表示画面35Aの表示を変更するようにしてもよい。また、行毎に表示するかまたは列毎に表示するかを選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による地盤改良機の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】図1の各センサ、演算装置、表示装置との関係を説明するブロック図である。
【図3】図1の地盤改良機を用いて地盤改良を行う範囲について説明する図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】本実施の形態の形態における水平断面表示ブロックを説明する斜視図である。
【図6】本実施の形態の形態における垂直断面表示ブロックを説明する斜視図である。
【図7】本実施の形態における表示装置の表示内容を説明する図である。
【図8】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例を示す図である。
【図9】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例をさらに示す図である。
【図10】本発明の表示単位における改良度合の表示態様の別の例をさらに示す図である。
【図11】(A)、(B)は従来多用されてきた杭の施工態様を示す図、(C)は最近賞用されてきつつある地盤改良態様を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1:地盤改良機、2:下部走行体、3:旋回装置、4:上部旋回体、5:油圧パワーユニット、6:運転室、7:多関節アーム、8:注入攪拌装置、9:ブームシリンダ、10:ブーム、11:アームシリンダ、12:アーム、13:ピン、14:作業具シリンダ、15,16:リンク、17:ブラケット、18:撹拌軸、19:駆動モータ、20:攪拌翼、21:旋回角度センサ、22:ブーム角度センサ、23:アーム角度センサ、24:固化材流量センサ、25:圧力センサ、26:回転センサ、27:モニタ、29:演算装置、30:記憶装置、31:表示装置、32:施工範囲、33:水平断面表示ブロック、33A:水平断面表示画面、34:表示単位、35:垂直断面表示ブロック、35A:垂直断面表示画面、36:第2のスクロールバー、37:上移動用指示マーク、38:下移動用指示マーク、40:第1のスクロールバー、41,42:行変更用指示マーク、43:目標攪拌回数を表示する欄、44:固化材の目標注入量を表示する欄、45:前後方向の作業範囲を表示する欄、46:左右方向の作業範囲を表示する欄、47:撹拌翼の現在の深さを表示する欄、49:撹拌翼の現在の左右方向の位置を表示する欄、50:建築物、51:杭、52:改良領域、54:撹拌翼の現在の前後方向の位置を表示する欄、55:固化材の積算流量を表示する欄、56:表示切換え手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に前記撹拌軸の下端部に設けた撹拌翼により地中への固化材注入箇所を撹拌して地盤改良を行う地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
施工中の地盤改良の状況を表示する表示装置に、
前記地盤改良機の下部走行体を固定した状態でブーム、アームの回動および旋回によって一度に地盤改良の工事を施工する水平面上の範囲内について、異なる深さ毎に準備された複数の水平断面表示ブロックから選択された1つの水平断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する水平断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の異なる行または列毎に準備された複数の垂直断面表示ブロックから選択された1つの垂直断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する垂直断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の行または列方向に沿って設けられる第1のスクロールバーと、
前記垂直断面表示画面の高さ方向に沿って設けられる第2のスクロールバーとを表示し、
前記第1のスクロールバーの移動に連動して前記垂直断面表示画面に、前記第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、前記第2のスクロールバーの移動に連動して前記水平断面表示画面に、前記第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示することを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記表示単位の改良度合の表示は固化材注入量または攪拌回数が設定値に達したか否かで表示内容が変更されると共に、固化材注入量と攪拌回数のうちのいずれかを選択して表示させる表示切換え手段を備えたことを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記地盤改良機が、下部走行体上に上部旋回体を設置し、前記上部旋回体に多関節アームを取付け、前記多関節アームに前記撹拌軸を含む注入攪拌装置を取付けた構成を有することを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【請求項1】
地盤改良機のフロントに取付けた注入攪拌装置の撹拌軸の下端部より固化材を地中に注入すると同時に前記撹拌軸の下端部に設けた撹拌翼により地中への固化材注入箇所を撹拌して地盤改良を行う地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
施工中の地盤改良の状況を表示する表示装置に、
前記地盤改良機の下部走行体を固定した状態でブーム、アームの回動および旋回によって一度に地盤改良の工事を施工する水平面上の範囲内について、異なる深さ毎に準備された複数の水平断面表示ブロックから選択された1つの水平断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する水平断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の異なる行または列毎に準備された複数の垂直断面表示ブロックから選択された1つの垂直断面表示ブロックに含まれる複数の表示単位を、行、列態様により、目視により改良度合が識別可能な手段で一度に表示する垂直断面表示画面と、
前記水平断面表示画面の行または列方向に沿って設けられる第1のスクロールバーと、
前記垂直断面表示画面の高さ方向に沿って設けられる第2のスクロールバーとを表示し、
前記第1のスクロールバーの移動に連動して前記垂直断面表示画面に、前記第1のスクロールバーの位置に対応する垂直断面表示ブロックを表示し、前記第2のスクロールバーの移動に連動して前記水平断面表示画面に、前記第2のスクロールバーの位置に対応する水平断面表示ブロックを表示することを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記表示単位の改良度合の表示は固化材注入量または攪拌回数が設定値に達したか否かで表示内容が変更されると共に、固化材注入量と攪拌回数のうちのいずれかを選択して表示させる表示切換え手段を備えたことを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地盤改良の施工品質管理システムにおいて、
前記地盤改良機が、下部走行体上に上部旋回体を設置し、前記上部旋回体に多関節アームを取付け、前記多関節アームに前記撹拌軸を含む注入攪拌装置を取付けた構成を有することを特徴とする地盤改良の施工品質管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−275442(P2009−275442A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128876(P2008−128876)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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