説明

地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法

【課題】削孔水のような第1液体が入った掘削孔内に、一方の管端部が密閉封止された地中熱交換器に係る管部材を、前記一方の管端部を下端部とするような姿勢で沈降設置する際に、当該管部材を速やかに沈降させて掘削孔内に設置する。
【解決手段】一方の管端部が密閉封止された地中熱交換器に係る管部材を、前記一方の管端部が下端部となるような姿勢で、第1液体の入った掘削孔に沈降して設置する方法である。前記管部材の他方の管端部から前記一方の管端部に亘って前記管部材内にホース部材を挿入して配置する挿入配置ステップと、前記ホース部材を介して前記一方の管端部に第2液体を供給しながら、前記管部材を前記掘削孔に沈降する沈降ステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中熱交換器に使用される管部材の地面の掘削孔への設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通年の温度変動の小さい地中熱を利用して建物の冷暖房等を行う地中熱利用システムが注目されている。この地中熱利用システムでは、地盤との間で採・放熱を行うべく地中に地中熱交換器が設置される。そして、地中熱交換器は、例えば、夏場には地盤に放熱し、冬場には地盤から採熱する。
【0003】
図1Aに示すように、地中熱交換器121は、例えば、地面Gに鉛直に埋設される外筒131と、外筒131内に配置された内筒141とを有している。そして、例えば、外筒131の上端部131bから外筒131内に吐出された熱媒体26を、内筒141の下端部の排出口141aから取り出すことにより、地盤Gとの間で熱交換後の熱媒体26をヒートポンプ等へ送出するようになっている。なお、この例では、内筒141の下端は閉鎖形状になっていて、その近傍部位に排出口141aが設けられているが、下端たる筒端が開放された排出口が一般的である。
【0004】
かかる地中熱交換器121は、例えば次のようにして地中に設置される。
先ず、ボーリングマシンやオーガ等の掘削機により、図1Aの地面Gに掘削孔123を形成する。そして、掘削孔123に外筒131を挿入する。次に、外筒131内に内筒141を挿入する。最後に、掘削孔123と外筒131との間の隙間を適宜な充填材127で埋め戻す。
【0005】
ここで、通常、上述の掘削には削孔水も使用され、よって、掘削後の掘削孔123内には削孔水(不図示)が充満している。また、外筒131には、一端部131aが密閉された管部材が使用され、更に、上記の掘削孔123内へ外筒131を建て込む際には、一端部131aが下端部となるような姿勢で建て込まれる。
【0006】
そのため、管部材131を一端部131aから掘削孔123内へ沈降させる際には、管部材131の密閉された一端部131aの中空構造に基づいて浮力が生じ、容易に沈降させることはできない。
【0007】
この点につき、特許文献1には、この浮力に対抗して管部材131を掘削孔123内へ速やかに沈降させる方法として、管部材131に浮力分のバランスウエイトを上下の高さ方向に分散配置して、これにより、管部材131の先端部たる下端部にバランスウエイトを集中配置した場合に起こり得る管部材131の伸長変形を抑制することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−29079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、外筒たる管部材131の一般的な寸法仕様として、全長が100mで管径が9.5cmという仕様が挙げられるが、その場合には、合計708kg(=1(g/cm)×4.75(cm)×4.75(cm)×3.14×10000(cm))という大重量のバランスウエイトが必要になり、かかる大重量のバランスウエイトの用意や、分散しての取り付けには多大な手間がかかり、施工上問題である。
【0010】
そこで、これに代わる方法として、例えば図1Bに示すような方法が考えられる。すなわち、管部材131の密閉された一端部131aを下端部として掘削孔123内に管部材131を沈降させる際に、管部材131の他端部131bたる開口端部131bから管部材131内に水を供給して、管部材131内に下端部131aから水131wを溜める。そして、この溜まった水131wの重量を利用して、掘削孔123の削孔水123wから付与される浮力に対抗して、管部材131を掘削孔123内に沈降させていく。
【0011】
しかしながら、管部材131の全長は、前述の寸法例でもわかるように、数十メートルから百数十メートルという非常な長さであり、また、管部材131の一端部131aたる下端部131aは密閉されている。そのため、管部材131の他端部131bから直接水を給水ポンプP等で圧送しようとしても、管部材131内に存在する管内空気Airの逃げ場が無いことから、当該管内空気Airが邪魔をして、管部材131の一端部131aたる下端部131aへ水を到達させることは困難である。
【0012】
更に、管部材131の他端部131bから一端部131aに至るまでの建て込みルートの途中に、管部材131が立ち上がってなるような立ち上がり経路部分R131uが有る場合には、当該立ち上がり経路部分R131u内の空気溜まりが邪魔をして、水の圧送をより一層困難なものとしてしまう虞もある。
【0013】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、削孔水のような第1液体が入った掘削孔内に、一方の管端部が密閉封止された管部材を、前記一方の管端部を下端部とするような姿勢で沈降設置する際に、当該管部材を速やかに沈降させて掘削孔内に設置することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
一方の管端部が密閉封止された管部材を、前記一方の管端部が下端部となるような姿勢で、第1液体の入った掘削孔に沈降して設置する方法であって、
前記管部材の他方の管端部から前記一方の管端部に亘って前記管部材内にホース部材を挿入して配置する挿入配置ステップと、
前記ホース部材によって前記一方の管端部に第2液体を供給しながら、前記管部材を前記掘削孔に沈降する沈降ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
上記請求項1に示す発明によれば、第1液体が入った掘削孔内に管部材を沈降させる際に、密閉封止された一方の管端部が下端部となるような管部材の沈降姿勢に起因して第1液体から浮力を受ける管部材を、以下のようにして、同掘削孔内に速やかに沈降可能となる。
【0016】
先ず、挿入配置ステップにおいて、管部材内には、その略全長に亘ってホース部材が挿入されている。そして、次の沈降ステップでは、このホース部材を用いて管部材の下端部に第2液体を供給し、同下端部から溜まる第2液体の重量でもって沈降時の第1液体の浮力に対抗する。よって、管部材は掘削孔内の第1液体の浮力に抗しつつ、掘削孔内に速やかに沈降可能となる。
【0017】
また、このホース部材による管部材の下端部への第2液体の供給時には、管部材内に元から存在している管内空気は、当該ホース部材の供給による第2液体の液位上昇とともに、順次、管部材の下端部から上方へと押し出されて管部材の他方の管端部から外へと逃げていく。つまり、管部材内には管内空気の逃げ道が、管部材の内周面とホース部材の外周面との間に設けられていることになる。よって、管部材内に、その密閉封止の下端部を起端として順次上方へと第2液体を速やかに溜めることができる。これにより、掘削孔での沈降深度に応じて管部材に作用し得る浮力に見合う重量の第2液体を速やかに管部材内に貯留可能であり、その結果、管部材を掘削孔の底部まで速やかに沈降可能となる。
【0018】
請求項2に示す発明は、請求項1に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記掘削孔内に沈降された前記管部材を、前記ホース部材が前記管部材に挿入された状態のまま前記掘削孔内に埋設し、
前記管部材を、地中熱交換器の外筒として使用し、
前記ホース部材を、地盤との間で熱交換された前記外筒内の熱媒体を外部へ排出する内筒として兼用するか、或いは、前記外部から送られる熱媒体が、地盤との間で熱交換するように前記外筒内へ前記熱媒体を吐出する内筒として兼用することを特徴とする。
【0019】
上記請求項2に示す発明によれば、沈降ステップでの沈降作業に使用する上記ホース部材が、そのまま地中熱交換器の本設の内筒となる。また、当該ホース部材は、挿入配置ステップにおいて、管部材の略全長に亘って既に配置済みである。よって、外筒たる管部材内に、本設の内筒となるホース部材を挿通する作業を省くことができて、作業工数の削減を図れる。また、上述の沈降ステップでの沈降作業用に仮設のホース部材を用意しなくて済み、準備作業負荷も軽減できる。
【0020】
請求項3に示す発明は、請求項1又は2に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記挿入配置ステップの後に、前記ホース部材が挿入配置状態の前記管部材をコイル状に巻き取る巻き取りステップを有し、
前記沈降ステップでは、前記コイル状に巻き取られた状態の前記管部材から、該管部材を繰り出しながら、前記管部材を前記掘削孔に沈降することを特徴とする。
【0021】
上記請求項3に示す発明によれば、管部材は一旦巻き取られた状態になるが、この巻き取り状態はコンパクトなので、持ち運び易いなどハンドリング性に優れる。また、ホース部材が挿入配置状態の管部材を、コイル状に巻き取っているので、施工現場では、当該巻き取られた状態の管部材を単に繰り出すだけで、既にホース部材が挿入配置状態の管部材を、掘削孔に建て込むことができる。よって、施工現場においてホース部材を管部材内に挿入配置する作業を行わずに済み、結果、施工現場での工数削減を図れて、現場の作業負荷の軽減や工期短縮を図ることができる。
【0022】
請求項4に示す発明は、請求項3に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記沈降ステップでは、前記コイル状に巻き取られた状態の前記管部材から繰り出された該管部材を、吊り具によって所定高さまで吊り上げた後に、前記掘削孔の直上で前記掘削孔へ向けて直線状に垂下して前記掘削孔へ送ることを特徴とする。
【0023】
上記請求項4に示す発明によれば、掘削孔の直上で管部材は直線状に垂下されるので、掘削孔へ円滑に導かれ、これにより、速やかに掘削孔へ沈降される。
【0024】
請求項5に示す発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記第1液体は、前記掘削孔の掘削に用いた削孔水であり、
前記第2液体は、水であり、
前記管部材は、比重が水よりも小さい樹脂製であることを特徴とする。
【0025】
上記請求項5に示す発明によれば、管部材は樹脂製のため軽量且つ可撓性を有し、引き回し易いなど施工時のハンドリング性に優れる。また、掘削孔内の削孔水よりも比重が小さいので、管部材は浮力を受け易く、もって、上述の請求項に係る作用効果を効果的に享受することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、削孔水のような第1液体が入った掘削孔内に、一方の管端部が密閉封止された管部材を、前記一方の管端部を下端部とするような姿勢で沈降設置する際に、当該管部材を速やかに沈降させて掘削孔内に設置可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1Aは、従来の二重管構造の地中熱交換器121の概略縦断面図であり、図1Bは、地中熱交換器121の外筒131を、削孔水123wの充満した掘削孔123へ沈降させる際の問題点の説明図である。
【図2】地中熱交換器21を用いた地中熱利用システム11の説明図である。
【図3】地中熱交換器21の概略縦断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、それぞれ、冬場及び夏場での運転例を示す地中熱交換器21の概略縦断面図である。
【図5】地中熱交換器21の外筒に用いられるコルゲート管31の斜視図である。
【図6】図6Aは、地中熱交換器21の設置方法に係る「挿入配置ステップ」の説明図であり、図6Bは、「挿入配置ステップ」の後になされる「巻き取りステップ」で巻き取られた状態のコルゲート管31の斜視図である。
【図7】施工現場たる地中熱交換器21の設置予定場所の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
===本実施形態===
以下、地面Gの掘削孔23への地中熱交換器21に係る管部材31の設置方法について説明する。
【0029】
<<<地中熱交換器21の構成について>>>
図2は、地中熱交換器21を用いた地中熱利用システム11の説明図である。図3は、地中熱交換器21の概略縦断面図である。また、図4A及び図4Bは、それぞれ、冬場及び夏場での運転例を示す地中熱交換器21の概略縦断面図である。図5は、地中熱交換器21の外筒に用いられるコルゲート管31の斜視図である。
【0030】
図2に示すように、この地中熱利用システム11は、地盤Gとの間で熱交換を行う地中熱交換器21と、地中熱交換器21の熱媒体26からの熱を利用して建物1の暖房のための温水や冷房のための冷水を生成するヒートポンプ15と、を有する。なお、ヒートポンプ15の構成は周知なので、その説明は省略する。
【0031】
図3に示すように、この地中熱交換器21は、井戸型である。すなわち、鉛直な竪孔状に地面Gに形成された掘削孔23に鉛直方向に沿って挿入された外筒としてのコルゲート管31と、コルゲート管31内に配置された第1内筒としての先端が開放された第1ホース部材41と、同コルゲート管31内に配置された第2内筒としての先端が開放された第2ホース部材45と、掘削孔23とコルゲート管31との間の空間SP23に充填される充填材27と、を有している。
【0032】
そして、例えば、冬場には、図4Aに示すように、ヒートポンプ15から第1ホース部材41を経由して、水又は不凍液等の熱媒体26が送られて、当該熱媒体26は、コルゲート管31の下端部31aに設けられた第1ホース部材41の管端開口41eから、コルゲート管31内に吐出される。すると、当該熱媒体26は、コルゲート管31内において地盤Gの地中熱により暖められて自然対流に基づきコルゲート管31内を上方へ移動し、しかる後に、コルゲート管31の上端部31bに設けられた第2ホース部材45の管端開口45eから該第2ホース部材45内へ流入しヒートポンプ15へ向けて、地上循環ポンプ17(図2)の圧力により送出される。そして、ヒートポンプ15にて温水生成に供される。
【0033】
他方、夏場の熱媒体26の流れ方向は、上述の逆となる。すなわち、図4Bに示すように、ヒートポンプ15から第2ホース部材45を経由して熱媒体26が送られて、当該熱媒体26は、コルゲート管31内の上端部31bに設けられた上記第2ホース部材45の管端開口45eからコルゲート管31内に吐出される。そして、当該熱媒体26は、コルゲート管31内において地盤Gの地中熱により冷やされて自然対流に基づきコルゲート管31内を下方へ移動し、しかる後に、コルゲート管31の下端部31aに設けられた第1ホース部材41の前記管端開口41eから第1ホース部材41内へ流入し、地上循環ポンプ17の圧力によりヒートポンプ15へ向けて送出される。そして、ヒートポンプ15にて冷水生成に供される。
【0034】
以下、地中熱交換器21に係る各構成要素23,31,41,45,27について説明する。
【0035】
(1)掘削孔23
図3に示すように、掘削孔23は、ボーリングマシンやオーガ等の掘削機により地面Gにほぼ垂直に掘削された竪孔であり、その直径は100〜200mm、深さは30〜150mである。
【0036】
(2)コルゲート管31
コルゲート管31(corrugated pipe:波形管)は、熱可塑性樹脂の一例としての高密度ポリエチレン製であって、その管壁部が、図3及び図5に示すような波形形状の管部材である。この波形形状は、コルゲート管31の管軸C31を中心軸とする螺旋形であり、また、管壁部の厚み(壁厚)は全長に亘りほぼ一定厚みである。よって、コルゲート管31の外周面31c及び内周面31dのどちらの面も、略同形の螺旋波形形状になっている。そして、これにより、管壁部の外周面31c及び内周面31dの表面積は拡大されているので、地盤Gとコルゲート管31内の熱媒体26との間の熱交換効率は格段に高められている。
【0037】
コルゲート管31の下端部31a(「一方の管端部」に相当)には、この下端部31aの管端開口31edを水密に密閉封止する高密度ポリエチレン製のキャップ部材33が、融着接合部32を介して一体に設けられている。これにより、コルゲート管31内の熱媒体26の前記管端開口31edから地盤Gへの漏出が防止される。なお、融着接合部32は、有底円筒形状のキャップ部材33の円筒部33aの上端縁部33aeuと、コルゲート管31の下端部31aにおける縁部31edとの両者が、溶融状態において互いの管軸C31,C33を略同軸に揃えつつ突き合わされて形成される。よって、融着接合部32は一体不可分な状態になっており、これにより、融着接合部32は、地中熱交換器21の運転時に作用し得る熱媒体26の圧力に破断無く耐えることができる。
【0038】
一方、コルゲート管31の上端部31b(「他方の管端部」に相当)には、この上端部31bの管端開口31euを封止しつつ前述の第1ホース部材41や第2ホース部材45を装着する目的で、高密度ポリエチレン製の管継ぎ手部材35が、上述と同様の融着接合部34を介して一体に設けられている。すなわち、この融着接合部34についても、コルゲート管31の上端部31bの縁部31euと管継ぎ手部材35の下端縁部35edとの両者が互いに溶融状態で突き合わされて全周に亘って接合された部分34であり、一体不可分な状態になっている。よって、この融着接合部34も、地中熱交換器21の運転時に作用し得る熱媒体26の圧力に破断無く耐えることができる。
【0039】
この管継ぎ手部材35は略円筒体状であり、その上端縁部35euには、その全周に亘って鍔状のフランジ継ぎ手部35fが一体に突出形成されている。そして、このフランジ継ぎ手部35fの上面たるフランジ面には、略円形のフランジ板36が面接触状態でボルト止めされ、これにより、管継ぎ手部材35の上端縁部35euの開口は閉塞されている。また、このフランジ板36には、第1ホース部材41及び第2ホース部材45を通すための貫通孔36h,36hが板厚方向(上下方向)に沿って形成されているが、各貫通孔36hの内周面には、水密部材の一例としてパッキン36pが設けられており、これにより、第1ホース部材41及び第2ホース部材45は、水密状態で管継ぎ手部材35に装着されている。よって、当該管継ぎ手部材35を含め、コルゲート管31の上端部31bからの熱媒体26の漏出は確実に防止される。
【0040】
(3)第1ホース部材41及び第2ホース部材45
図3に示すように、第1ホース部材41及び第2ホース部材45は、例えばポリエチレン等の樹脂製の管部材である。そして、第1ホース部材41の下端部41aの管端開口41eは、コルゲート管31の下端部31aに配置されている一方、第2ホース部材45の下端部45aの管端開口45eは、コルゲート管31の上端部31bに配置されている。これにより、熱媒体26は、冬場には前述した図4Aのルートで、また夏場には前述した図4Bのルートで、コルゲート管31内を自然対流等に基づき上昇又は下降しながら地盤Gと熱交換する。
【0041】
(4)充填材27
充填材27は、例えば、川砂や山砂、珪砂等を基材とし、図3に示すように、コルゲート管31と掘削孔23との間の空間SP23に密実に充填される。これにより、充填材27を介して、コルゲート管31内の熱媒体26と地盤Gとの間で熱交換が行われる。
なお、この熱交換効率を高めるべく、充填材27に対して、1〜20%の容積含有率(=長粒物の総容積/充填材27の総容積)で、炭化ケイ素、アルミナ、及び高炉スラグのうちの少なくとも何れか1種からなる長粒物を混入しても良い。
【0042】
<<<地中熱交換器21の設置方法について>>>
図6Aは、地中熱交換器21の設置方法に係る「挿入配置ステップ」の説明図であり、図6Bは、「挿入配置ステップ」の後になされる「巻き取りステップ」で巻き取られた状態のコルゲート管31の斜視図である。なお、図6Aでは、一部を破断して示している。
【0043】
先ず、後述する「沈降ステップ」の下準備として、「挿入配置ステップ」を行う。すなわち、図6Aに示すように、工場等の広い場所において、コルゲート管31の他方の管端部31bから同コルゲート管31内に第1ホース部材41を挿入し、この挿入を、同ホース部材41の一端部41aが、コルゲート管31の下端部31aに相当する一方の管端部31aに到達するまで続ける。そして、これにより、最終的に、第1ホース部材41の一端部41aが、コルゲート管31の下端部31aたる一方の管端部31aに位置し、同ホース部材41の他端部41bが、コルゲート管31の他方の管端部31bから外に突出した状態になるように配置する。
【0044】
なお、この挿入作業については、コルゲート管31の曲率半径Rbを極力大きくした後に、または、曲率半径Rbを大きくしながら行うと、短時間で終えることができる。そのため、上述のように、工場等の広い場所で当該「挿入配置ステップ」に係る作業を行うと良い。但し、この作業場所は何等これに限るものではなく、上述の工場に代えて、地中熱交換器21の設置予定場所たる施工現場で行っても良い。
【0045】
また、図6Aの例では、この「挿入配置ステップ」の前に、既にコルゲート管31の一方の管端部31a及び他方の管端部31bには、それぞれキャップ部材33及び管継ぎ手部材35が融着接合により取り付け済みとなっているが、この時点においては、未だ取り付けられていなくても良い。すなわち、上述の「挿入配置ステップ」と同時並行、またはその後の適宜なタイミングで、コルゲート管31の一方の管端部31aにキャップ部材33を取り付けて当該管端部31aを水密状態に密閉封止するとともに、他方の管端部31bに管継ぎ手部材35を取り付けても良い。但し、キャップ部材33については、後述の「沈降ステップ」、つまり掘削孔23内にコルゲート管31を沈降させる作業の前には、取り付け完了状態になっているのは言うまでもない。更に換言すると、当該「沈降ステップ」の実施時点よりも前のタイミングで、既に、コルゲート管31の下端部31aたる一方の管端部31aは、キャップ部材33により密閉封止状態にされている。
【0046】
そうしたら、図6Bに示すように、内部に第1ホース部材41が挿入配置状態のコルゲート管31を、適宜な巻き取り装置によってコイル状に巻き取る(「巻き取りステップ」に相当)。そして、巻き取り状態のコルゲート管31rは、施工現場へ向けて搬送される。
【0047】
図7に、施工現場の概略側面図を示す。なお、図7中では、一部の構成を断面視又は破断視で示し、また図7の右下の部分には、その要部を拡大図で示している。
施工現場たる地中熱交換器21の設置予定場所へ搬入された巻き取り状態のコルゲート管31rは、リール装置70に取り付けられる。そして、後述の「沈降ステップ」においては、当該リール装置70により、キャップ部材33側を先頭部として順次コルゲート管31は繰り出される。なお、この例では、横置きのリール装置70が使用されている。すなわち、コルゲート管31は、その巻き取り芯の方向C31rを略上下の鉛直方向に向けながら、リール装置70の載置台73の略水平な載置面73aに載置されており、また、この載置台73は、地面Gに直置きされた基台71に鉛直軸C70周りに略水平回転自在に支持されている。よって、載置台73が基台71に対して回転することにより、載置台73と略一体となって巻き取り状態のコルゲート管31rが回転して、コルゲート管31が繰り出される。
【0048】
ところで、上述の「挿入配置ステップ」と同時並行又は前後して、施工現場の地中熱交換器21の設置予定場所では、外筒として上記コルゲート管31を地中へ建て込むべく、略鉛直に30〜150mの深さの掘削孔23が形成されている。この掘削は、ボーリングマシンやオーガ等の掘削機によってなされ、また、孔壁保護や削孔自体の目的で、掘削孔23には、その掘削と同時並行又はその直後に、掘削孔23のサイズに合ったケーシング鋼管24が挿入されている。なお、このケーシング鋼管24は無くても良い。更には、掘削孔23の内側(正確には、「ケーシング鋼管24の内側」と言うべきであるが、以下では、ケーシング鋼管24も含めて単に掘削孔23と言うことにする)には削孔水23wが充満している。この削孔水23wは、掘削時に使用されたものであり、つまり、掘削時に掘削孔23の下方へ向けて圧送され、これにより、掘削土を泥状にして上方への排土に用いられたり、掘削面に高圧で噴射されて掘削自体を行うのに用いられたものである。よって、掘削終了時には、一般に掘削孔23内には、当該使用済みの削孔水23wが充満している。
【0049】
そして、この削孔水23wが充満した30〜150mの深さの掘削孔23内に、コルゲート管31を鉛直に沈降させて同孔23内に設置する(「沈降ステップ」に相当)。すなわち、コルゲート管31をリール装置70で順次繰り出しながら、同コルゲート管31の一方の管端部31aが下端部31aとなるような建て込み姿勢で、掘削孔23に沿って鉛直に建て込んでいく。
【0050】
但し、前述したように、コルゲート管31の下端部31aは、前述のキャップ部材33によって密閉封止されており、また、コルゲート管31は、内部が空洞の中空構造体である。そのため、コルゲート管31を上方から掘削孔23内に単純に降ろしても、第1液体としての削孔水23wの浮力Ffが作用して容易には沈降しない。
【0051】
そこで、本実施形態では、図7中の拡大図に示すように、第1ホース部材41を用いてコルゲート管31の下端部31aへ第2液体としての水を供給して下端部31aから順次コルゲート管31内に水31wを溜めていき、この水31wの重量を浮力に対抗させるようにしている。詳しくは、第1ホース部材41の一端部41aは、コルゲート管31の下端部31aに達しており、他方、同ホース部材41の他端部41bは、地上に位置するコルゲート管31の他方の管端部31bから外に突出している。よって、第1ホース部材41の他端部41bに給水ポンプPを繋ぐ等して、第1ホース部材41を介してコルゲート管31の下端部31aへ送水(給水)すれば、同下端部31aを起端としてコルゲート管31内に水31wを溜めることができる。そして、当該水31wの重量を、浮力Ffに対抗する沈降力としてコルゲート管31に付与することができる。
【0052】
なお、ここで、コルゲート管31内に元から存在している管内空気Airは、第1ホース部材41の送水(給水)によるコルゲート管31内の水位上昇とともに、順次、コルゲート管31の下端部31aから上方へ押し出されて、最終的には大気開放状態の他方の管端部31bからコルゲート管31外へと逃げていく。つまり、コルゲート管31内には管内空気Airの逃げ道が、コルゲート管31の内周面31dと第1ホース部材41の外周面41cとの間に確保されている。よって、管内空気Airに何等邪魔されること無く、コルゲート管31内に下端部31aから順次上方へと水31wを速やかに溜めることができる。これにより、掘削孔23でのコルゲート管31の沈降深度に応じて同コルゲート管31に作用し得る浮力Ffに相応する重量の水31wを速やかにコルゲート管31内に貯留可能であり、その結果、コルゲート管31を掘削孔23の底部まで速やかに沈降させることができる。
【0053】
ちなみに、コルゲート管31内に連続して給水すれば、管内水位は連続上昇して同管31内の水31wの重量も連続して増加するので、コルゲート管31は、リール装置70から連続して引き出される形で自動的に繰り出されながら、その先頭部たる下端部31aは、連続して徐々に掘削孔23内を沈降していく。そして、給水を止めれば、コルゲート管31の浮力Ffと同管31内の水31wの重量とのバランスがとれた沈降深度でコルゲート管31の沈降は止まる。更には、給水速度(単位時間当たりにコルゲート管31内に供給する水量)の調整によって、コルゲート管31の沈降速度の調整も行うことができる。よって、コルゲート管31の沈降状況を適宜目視等で監視しながら、異常時には、給水速度を下げる等の調整をしたり給水を停止する等して速やかに対処可能であり、作業安全性に優れる。
【0054】
そして、このようにしてコルゲート管31の下端部31aが掘削孔23の底部まで到達したら、図3に示すように、コルゲート管31の上端部31bの管継ぎ手部材35のフランジ継ぎ手部35fにフランジ板36を取り付けて管継ぎ手部材35の開口を封止する。なお、このフランジ板36の取り付けと同時に、フランジ板36の二つの貫通孔36h,36hのうちの一方の貫通孔36hには、コルゲート管31に挿通配置状態の第1ホース部材41が通されるとともに、もう一方の貫通孔36hには、別途用意された第2ホース部材45が通される。
【0055】
また、上述のフランジ板36の取り付け作業に前後して、掘削孔23から図7のケーシング鋼管24を上方へ引き抜いて、同鋼管24を地中から取り出す。
【0056】
そうしたら、最後に、図3に示すように、掘削孔23とコルゲート管31との間の空間SP23に漏斗等を用いて充填材27を注入し、以上をもって地中熱交換器21の設置が完了する。
【0057】
ところで、図7の例では、掘削孔23の近傍位置の所定高さには吊り具80が配置されており、そして、地面Gに直置きのリール装置70から繰り出されたコルゲート管31が、この吊り具80によって、リール装置70よりも高い前記所定高さまで吊り上げられた後に、掘削孔23の直上で鉛直に垂下されて同孔23へ送られるような建て込みルートが形成されている。よって、コルゲート管31を、掘削孔23の直上から鉛直直線状の掘削孔23の孔軸に沿って建て込み可能であり、これにより、円滑な建て込みを実現している。
但し、このようにすると、上に凸のループ状に吊り上げられた建て込みルート部分R31uにおいて、コルゲート管31内には空気溜まりを生じ易くなるが、この点についても、上述の設置方法によれば何等不都合を生じない。詳説すると、先ず、この設置方法では、第1ホース部材41によって水をコルゲート管31の下端部31aに直接供給するので、そもそもコルゲート管31内には、コルゲート管31の下端部31a側の部分たる掘削孔23内に沈降される部分以外には水が溜まらず、それ故、何等問題はないのである。
【0058】
また、本実施形態では、第1ホース部材41の他端部41bに給水ポンプPを接続し、当該第1ホース部材41を介してコルゲート管31の下端部31aへ給水していたが、仮に、これとは逆に、コルゲート管31の他方の管端部31bに給水ポンプPを接続してコルゲート管31により給水したとしても、本実施形態と同様の結果は得られない。すなわち、水をコルゲート管31の一方の管端部31aたる下端部31aに速やかに溜めることはできない。この理由は、次の通りである。
【0059】
先ず、このコルゲート管31による給水の初期においては、第1ホース部材41の一端部41aたる下端部41aは、コルゲート管31内に溜まった水31wの水面よりも上方の空中に位置しているので、当該第1ホース部材41は、管内空気Airの逃げ口となり得て、給水は可能である。しかし、しばらく給水が続いて、コルゲート管31の下端部31aに溜まった水31wの水位が、第1ホース部材41の下端部41aよりも高くなって当該下端部41aが水没してしまうと、第1ホース部材41の下端部41aは、コルゲート管31の管内空気Airの逃げ口にはなれずに、管内空気Airはコルゲート管31内に封じ込められてしまい、その結果、これら封じ込め状態の管内空気Airに阻害される形で、コルゲート管31の他端部31bからの送水ができなくなる。このようなことから、コルゲート管31の他方の管端部31bから給水しても、本実施形態と同様の結果は得られない。
【0060】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
【0061】
上述の実施形態では、管部材の一例として、比重が水よりも小さい熱可塑性樹脂製のコルゲート管31を例示したが、何等これに限るものではなく、外周面が平滑面の管部材を用いても良いし、樹脂以外を素材としても良い。但し、樹脂製の方が、その軽さから持ち運び易く、またその可撓性に基づいて巻き取ればコンパクト化も図れて、よって、高いハンドリング性を奏し得る。
【0062】
上述の実施形態では、掘削孔23に入った第1液体として削孔水23wを例示したが、何等これに限るものではない。例えば、削孔水23wを用いずに掘削孔23を掘削した場合に、地下水や雨水等により掘削孔23に入り込んだ水であっても、掘削孔23内に入っていれば、それは、第1液体に相当する。つまり、コルゲート管31等の密閉された下端部31aの管部材31を、掘削孔23に沈降設置する前に、同掘削孔23内に入っている液体は、すべからく第1液体である。
【0063】
上述の実施形態では、掘削孔23内には削孔水23wが充満されていたので、これと同等の比重の水を第2液体としてコルゲート管31の下端部31aに供給していたが、何等これに限るものではない。例えば、地中熱交換器21の運転時に、外筒たるコルゲート管31内を流れる熱媒体26として不凍液を用いる場合には、前述の「沈降ステップ」においてコルゲート管31を沈降させるべく、不凍液をコルゲート管31の下端部31aに供給しても良い。
【0064】
上述の実施形態では、「沈降ステップ」においてコルゲート管31の下端部31aに給水するための第1ホース部材41として、地中熱交換器21における本設部品を兼用していたが、何等これに限りものではなく、仮設部品であっても良い。すなわち、コルゲート管31の掘削孔23内への沈降後に、仮設用の第1ホース部材41をコルゲート管31から引き抜くとともに、同コルゲート管31内に、地中熱交換器21の本設用の第1ホース部材41を挿入しても良い。
なお、その場合、仮設用の第1ホース部材41に対しては、仮設故にその耐久性は問われないので、仮設用の第1ホース部材41として、柔らかく柔軟に変形可能なビニールホースの如き軟質ホース41を用いることができる。そして、かかる軟質ホース41を用いれば、小さな曲率半径Rbで湾曲状態のコルゲート管31に対しても、同ホース41の柔軟性に基づいて、同管31内に同ホース41を速やかに挿入することができて、当該挿入作業を容易に行えるようになる。また、コルゲート管31内の仮設用の軟質ホース41を、本設用の第1ホース部材41に差し替える際には、既にコルゲート管31は掘削孔23に建て込み済みの状態にあり、つまり、コルゲート管31は鉛直方向に真っ直ぐな直管状になっている。よって、本設用の第1ホース部材41が、本設故に耐久性は高いが柔軟性の低い硬質ホース41であっても、コルゲート管31内への挿入は比較的容易に行えて、その結果、かかる本設用の第1ホース部材41への差し替え作業も比較的容易である。しかし、この場合、仮設用の軟質ホース41の引き抜き作業が派生するため、作業工数低減の観点からは、前述した本実施形態のように、「沈降ステップ」における給水用の第1ホース部材41には、本設用の第1ホース部材41を兼用するのが好ましい。
【符号の説明】
【0065】
1 建物、11 地中熱交換システム、15 ヒートポンプ、
17 地上循環ポンプ、21 地中熱交換器、
23 掘削孔、23w 削孔水(第1液体)、
24 ケーシング鋼管、26 熱媒体、27 充填材、
31 コルゲート管(管部材、外筒)、31a 下端部(一方の管端部)、
31b 上端部(他方の管端部)、31c 外周面、31d 内周面、
31ed 縁部(管端開口)、31eu 縁部(管端開口)、
31w 水(第2液体)、32 融着接合部、
33 キャップ部材、33a 円筒部、33aeu 上端縁部、
34 融着接合部、35 管継ぎ手部材、35ed 下端縁部、
35eu 上端縁部、35f フランジ継ぎ手部、
36 フランジ板、36h 貫通孔、36p パッキン、
41 第1ホース部材(ホース部材)、41a 一端部、41b 他端部、
41c 外周面、41e 管端開口、45 第2ホース部材、
45e 管端開口、45a 下端部、70 リール装置、
71 基台、73 載置台、73a 載置面、80 吊り具、
Air 管内空気、R31u 部分、SP23 空間、
G 地盤(地面)、P ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の管端部が密閉封止された管部材を、前記一方の管端部が下端部となるような姿勢で、第1液体の入った掘削孔に沈降して設置する方法であって、
前記管部材の他方の管端部から前記一方の管端部に亘って前記管部材内にホース部材を挿入して配置する挿入配置ステップと、
前記ホース部材によって前記一方の管端部に第2液体を供給しながら、前記管部材を前記掘削孔に沈降する沈降ステップと、を有することを特徴とする地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法。
【請求項2】
請求項1に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記掘削孔内に沈降された前記管部材を、前記ホース部材が前記管部材に挿入された状態のまま前記掘削孔内に埋設し、
前記管部材を、地中熱交換器の外筒として使用し、
前記ホース部材を、地盤との間で熱交換された前記外筒内の熱媒体を外部へ排出する内筒として兼用するか、或いは、前記外部から送られる熱媒体が、地盤との間で熱交換するように前記外筒内へ前記熱媒体を吐出する内筒として兼用することを特徴とする地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記挿入配置ステップの後に、前記ホース部材が挿入配置状態の前記管部材をコイル状に巻き取る巻き取りステップを有し、
前記沈降ステップでは、前記コイル状に巻き取られた状態の前記管部材から、該管部材を繰り出しながら、前記管部材を前記掘削孔に沈降することを特徴とする地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法。
【請求項4】
請求項3に記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記沈降ステップでは、前記コイル状に巻き取られた状態の前記管部材から繰り出された該管部材を、吊り具によって所定高さまで吊り上げた後に、前記掘削孔の直上で前記掘削孔へ向けて直線状に垂下して前記掘削孔へ送ることを特徴とする地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法であって、
前記第1液体は、前記掘削孔の掘削に用いた削孔水であり、
前記第2液体は、水であり、
前記管部材は、比重が水よりも小さい樹脂製であることを特徴とする地面の掘削孔への地中熱交換器に係る管部材の設置方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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