垂直引込式レールクランプ
レールクランプは、基部から上方向に延在するように基部に取り付けられたアクチュエータフレームを有するキャリッジを含む。ばねが、キャリッジの上端部でアクチュエータフレームに取り付けられる。アクチュエータが、基部とばねの間に取り付けられる。ホイールが、ホイール支持体に取り付けられる。ホイールは、レールに係合する。少なくとも1つのサスペンションフレームが、キャリッジに枢動可能に取り付けられ、反対側の端部でホイール支持体に取り付けられる。アクチュエータが、サスペンションフレームに対して作用して、キャリッジを上昇させる。一対のクランピングレバーが、キャリッジの基部に枢動可能に取り付けられる。制輪子が、レバーの最下端部に取り付けられる。レバーは、それらの上端部が移動されて離れるときにそれらの最下端部をクランプするように枢動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールなどクランプ式部材の両側にクランプするクランプデバイスを採用するばね式クランプおよびブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人が把握している従来技術において、1976年8月3日にJohnsonに付与された米国特許第3,972,392号(特許文献1)は、レールに沿ってクレーンを移動させることがある外力に抵抗するために無動力および無人のクレーンをそのレールに固定するように、クレーンレールの側面にフェールセーフ(fail−safe)動作モードでクランプすることを開示する。Johnsonは、クレーンレールの側面にクランプするように適合されたフェールセーフクランプ装置がいくつかの要件を満たさなければならないことを教示している。第1に、装置は、クレーンが無動力または無人のときに作動されるように、フェールセーフ手段によって独立して動力供給されなければならない。第2に、クランプアセンブリは、ホイールフランジ間のトレッド幅によって制限されるレール上でのクレーンホイールの移動に対応するように、レールに対するクランプの十分な横方向移動を可能にしなければならない。第3に、クランプアセンブリの横方向移動により、クランプ表面がクレーンレールの側面に近づく角度が大幅に変わらないようにすべきである。第4に、クランプ表面が、レールの硬度よりもかなり高い硬度の金属製の鋸歯付き制輪子を備える場合、クレーンがそのレールに沿って移動するときに制輪子がレールを引き摺らないようにするための手段を提供すべきである。第5に、ドック設備の場合と同様にレールが埋め込まれた進行面での開口が、レールの上部の幅の約3倍を超えないように、クランプアセンブリの断面を狭くすべきである。最後に、クレーンがそのレール上で移動する前にクランプが完全に解放されていることをクレーン操作者に示すための遠隔感知手段を提供すべきである。
【0003】
Johnsonは、クランプ表面が外側に取り付けられており、クランプアセンブリを解体することなく定期検査を容易に行えるフェールセーフクランプ装置を提供する。
【0004】
本出願人は、以下の同時係属中の特許出願も把握している。すなわち、定力レールクランプに関する国際公開第2009/092156号(特許文献2)、および対応する米国特許出願第12/018,085号(特許文献3)である。定力レールクランプに関するこれらの出願は、フレームと一対のレバーとを有するレールクランプを開示する。各レバーは、第1の端部にブレーキパッドを有し、第2の端部にカム従動子を有し、第1の端部と第2の端部の間に配設されたピボットによってフレームに取り付けられる。カムはレバーの間に配設され、ばねがカムに第1の方向にバイアスをかける。クランプ解放アクチュエータは、第2の方向でカムを移動させるように動作可能である。第2の方向は第1の方向と反対である。カムの両側に、一対の可変傾斜付きカム表面が配設される。可変傾斜付きカム表面はそれぞれ、対応する一方のレバーのカム従動子に接触し、また、可変傾斜付きカム表面はそれぞれ傾斜を有し、この傾斜は、カムが変位されるときにばねのばね力の変化を打ち消すように変化し、それにより一定のクランプ力を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,972,392号
【特許文献2】国際公開第2009/092156号
【特許文献3】米国特許出願第12/018,085号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約すると、本発明によるレールクランプは、一態様では、下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジを含み、キャリッジが、下端部に取り付けられた剛性基部と、基部から上端部に向かって上方向に延在するように基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有することを特徴とすることができる。少なくとも1つのばねが、キャリッジの上端部でアクチュエータフレーム内に取り付けられる。選択的に作動可能なアクチュエータが、基部とばね(複数可)の間に取り付けられる。アクチュエータは、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である。
【0007】
少なくとも1つのガイドホイールが、レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するようにホイール支持体に取り付けられる。少なくとも1つのサスペンションフレームが、サスペンションフレームの第1の端部でキャリッジに枢動可能に取り付けられ、サスペンションフレームの反対側の第2の端部でホイール支持体に枢動可能に取り付けられる。アクチュエータは、サスペンションフレームの第1の端部に作用し、アクチュエータが第1の伸張位置から完全に伸張した位置に伸張するときに、サスペンションフレーム上で完全に上昇した位置にキャリッジを上昇させる。
【0008】
実質的に垂直に位置合わせされた、対向して向き合う一対のクランピングレバーが、キャリッジの基部に枢動可能に取り付けられ、一対のクランピングレバーの最下端部は、対応する対向して向き合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合される。一対のクランピングレバーは基部に対して枢動可能であり、それにより、一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに、それらの最下端部をクランプする。
【0009】
アクチュエータが引込位置から第1の伸張位置に伸張するときに、クランピングレバー引込機構は一対のクランピングレバーに作用して、一対のクランピングレバーの最下端部を移動させて離し、レールをクランプ解除する。アクチュエータが第1の伸張位置から完全に伸張した位置に伸張して、キャリッジを完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、一対のクランピングレバーの最下端部を、ガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、ガイドホイールがレール上にあるときに、一対のクランピングレバーの最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにする。アクチュエータが完全に伸張した位置から第1の伸張位置に引っ込んで、キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、一対のクランピングレバーの下端部を下降させて、レールの両側を囲う。
【0010】
アクチュエータが第1の伸張位置から引込位置に引っ込むときに、アクチュエータは一対のクランピングレバーの上端部に作用して、一対のクランピングレバーの上端部を移動させ、それによりレールの両側に最下端部をクランプする。
【0011】
レールクランプは、レールクランプによる制動補助を必要とするクレーンなどレール取付式機械の一部片に、少なくともその第1の端部で取り付け可能な、負荷伝達フレームを含む。一対のクランピングレバーの最下端部は、キャリッジが完全に下降した位置にあるときに負荷伝達フレームの下に垂下するように、取付フレームに対して配設される。負荷伝達フレームは、長手方向に離隔された少なくとも一対の負荷伝達部材を含んでよく、少なくとも一対の負荷伝達部材は、それらの間に、摺動係合状態で、キャリッジの基部と、一対のクランピングレバーの下端部とを挟む。
【0012】
負荷伝達フレームは、長手方向に延在する負荷伝達壁を含んでもよく、一対の負荷伝達部材は、負荷伝達壁に取り付けられた横方向延在部材であってよい。負荷伝達壁は、負荷伝達フレームの第1の端部に取り付けてもよく、負荷伝達フレームの反対側の第2の端部まで延在してよい。負荷伝達壁は、キャリッジおよび一対のクランピングレバーを取り囲むように離隔された、横方向に離隔された一対の壁であってよく、一対の壁が、ガイドホイールがレール上にあるときにレールに隣接する下縁部をそれぞれ有し、一対のクランピングレバーの最下端部に隣接する一対の側壁の下縁部それぞれに切欠きを形成して、クランピングレバーを取り付けたときに制輪子にアクセスできるようにする。
【0013】
切欠きは、周りに補強部材を有することがあり、例えば、補強部材は、それぞれの切欠きの周りに取り付けられた補強アーチであってよい。負荷伝達壁がIビームである場合、各補強アーチは、対応するIビームの対応する下側フランジの厚さと実質的に同じ厚さであってよい。
【0014】
キャリッジの基部は、横方向に延在する実質的に平行な細長い一対の基部部材を含んでよく、この一対の基部部材は、それらの間に一対のクランピングレバーの下端部を挟む。一対のクランピングレバーは、一対の基部部材に枢動可能に取り付けてもよい。一実施形態では、一対の基部部材は、一対のコネクタプレートである。
【0015】
各サスペンションフレームは、キャリッジに枢動可能に取り付けられた少なくとも一対のパラレログラム式連結機構を含んでよく、これにより、ガイドホイールに対するキャリッジの移動を実質的に垂直な軌道に保つ。各ホイール支持体は垂直延在部材を含んでよく、一対のパラレログラム式連結機構の上側および下側連結機構が、対応するホイール支持体の垂直延在部材の対応する上端部および下端部に枢動可能に取り付けられる。
【0016】
キャリッジは、サスペンション支持体を含んでよい。一対のパラレログラム式連結機構は、サスペンション支持体に垂直方向に離隔して取り付けてよい。
【0017】
クレーンなどのレール取付式機械の一部片に、その第1の端部で取り付けるための負荷伝達フレームが提供され、キャリッジと一対のクランピングレバーとが、負荷伝達フレーム内部で実質的に垂直に並進するように取り付けられ、制輪子がレールにクランプされるときに、一対のクランピングレバーが、負荷伝達フレームに実質的に長手方向に加えられる負荷を、一対のクランピングレバーに取り付けられた制輪子に伝達し、負荷が、一対のクランピングレバーに対する押圧によって伝達される。
【0018】
キャリッジは、さらに、負荷伝達フレームに対して実質的に垂直な並進を案内するために負荷伝達フレームと協働するガイド部材を含んでよい。アクチュエータフレームは、垂直直立部材のケージを含んでもよい。ばね用のばねハウジングがケージに取り付けられる。
【0019】
キャリッジの基部は、横方向に延在する一対の基部部材の間に取り付けられた剛性クロス部材を含んでよく、一対のクランピングレバーが、一対の基部部材に取り付けられて、一対の基部部材の間に挟まれ、アクチュエータが、クロス部材に対して当接する。
【0020】
アクチュエータは、ピストンハウジングから作動するピストンを含んでよく、ピストンは、一対のクランピングレバーの上端部に対して当接する。ピストンハウジングは楔形であってよい。ピストンハウジングが少なくとも1つのばねによって下方向に付勢されて、ピストンハウジング内へのピストンの引っ込みによってピストンハウジングがアクチュエータフレームおよび基部に対して下降されると、ハウジングは、一対のクランピングレバーの上端部に対して当接し、上端部どうしを押し離す。ピストンの作動によるピストンハウジングの上昇は、ばねの復帰バイアス力に反するものである。クランピングレバー引込機構は、ピストンハウジングが上昇されるときに一対のクランピングレバーの上端部に付勢する少なくとも1つの弾性部材でよい。
【0021】
負荷伝達フレームは、さらに、キャリッジを囲う部材を含んでもよい。キャリッジは、長手方向で離隔された平行な一対の基部部材を含んでよく、横方向クロス部材は、一対のクランピングレバーに対して一対の基部部材を挟む。横方向クロス部材は、負荷伝達フレームの上部に横方向にわたって延在する支持プレートを含んでよく、支持プレートが、それらの間に開口を画定し、開口を通してキャリッジが取り付けられ、かつ開口を通して一対のクランピングレバーの上端部が突出する。開口の長手方向寸法は、支持プレートが一対のクランピングレバーの上端部に隣接するようにサイズ設定してもよい。
【0022】
一実施形態では、一対のクランピングレバーの各レバーは、レバーの上端部の延在部を含み、延在部が、レバーの上端部を支持プレートの対応する縁部の近くに隣接させるように長手方向に延在し、このため、対応する制輪子の周りでのレバーの枢動によって、延在部が支持プレートに対して当接する。
【0023】
有利には、アクチュエータ駆動付属機構を、支持プレートに取り付けてもよい。
【0024】
図面中、各図において同様の参照符号は対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】1つの負荷伝達側壁を取り外した状態の、本発明の一実施形態によるレールクランプの部分切欠き斜視図である。
【図2】上部支持プレートを取り外した状態の、本発明の一実施形態によるレールクランプの部分切欠き斜視図である。
【図3】図1のレールクランプ、およびレールクランプが載置されるレールを垂直に通る断面図であって、上昇位置にあるクランピングレバーキャリッジと、上部支持プレートの上に取り付けられたモータ、ポンプ、およびリザーバを含む油圧アクチュエータ機器とを示す、断面図である。
【図4a】クランピングレバーが取り外され、クランピングレバーキャリッジがその下降位置にある状態の、図3の断面図である。
【図4b】サスペンションアームがシリンダの周りの環状フランジに接するまでシリンダが伸張された状態の図4aの図である。
【図4c】キャリッジが上昇するときにサスペンションアームの上方向回転を開始するようにシリンダがさらに伸張された状態の図4bの図である。
【図4d】キャリッジをその完全に上昇した位置に上昇させるようにシリンダが完全に伸張された状態の図4cの図である。
【図5】1つの負荷伝達側壁を取り外し、しかし補強アーチを残した状態の、図2のレールクランプの斜視図である。
【図6】負荷伝達フレームの基底構造を示すように、また、クランピングレバーキャリッジのクランピングレバーアクチュエータおよびアクチュエータフレームを示すように部分的に切欠きした、図1のレールクランプの側面斜視図である。
【図7】クランピングレバーキャリッジおよびクランピングレバーを二分するように、レールに対して直交する平面内で垂直方向および横方向に断面を取った、図5のレールクランプの断面図である。
【図8】所定位置にある負荷伝達側壁と、所定位置にあるばねハウジングとを示す、図6のレールクランプの端部斜視図である。
【図9】端面プレートおよび1つの負荷伝達側壁を取り外した状態の、図1のレールクランプの斜視図である。
【図10】本発明によるレールクランプで使用するためのクランピングレバーの一実施形態の斜視図である。
【図11】本発明によるレールクランプのクランピングレバーアクチュエータのピストンハウジングの一実施形態の斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態によるクランピングレバーキャリッジからの1つのコネクタプレートの斜視図である。
【図13】本発明によるレールクランプの一実施形態によるパラレログラム式連結機構の上部サスペンションアームの斜視図である。
【図14】本発明によるレールクランプの一実施形態によるクランピングレバーキャリッジのサスペンションの1つの片持ち式アームの斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態によるクランピングレバーキャリッジのアクチュエータフレームキャップの斜視図である。
【図16】本発明によるクランピングレバーキャリッジのアクチュエータフレームに関する管状ガイドを支持する水平ガイドフレームの斜視図である。
【図17】片持ち式アーム上に取り付けられた上側および下側サスペンションアームの斜視図である。
【図18】レールクランプが解放され、キャリッジが手動で上昇され、上側サスペンションアームが、シリンダの基部の周りで環状フランジに係合するための延在部を有さない代替形態の図4dの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
レール12にクランプするためのレールクランプ10が提供される。レール12は、側面12aおよび12bと、上面または横方向面12cとを含む。
【0027】
負荷伝達フレーム14がホイール16に取り付けられる。昇降サスペンション18がフレーム14に取り付けられ、レール12およびフレーム14に対して移動するように適合される。レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械がクレーンである場合、フレーム14は、クレーンに堅固に固定され、レール12に沿って長手方向Aにクレーンと共に移動する。
【0028】
昇降サスペンション18は、サスペンションアームが枢動可能に取り付けられる垂直ホイール支持部材20を含み、このサスペンションアームは、パラレログラム式連結機構24であってよい。ホイール16は、ホイール支持部材上の車軸22などに回転可能に取り付けられる。サスペンション18内部において、パラレログラム式連結機構24の第1の端部24aは、ホイール支持体20にピン留めされる。パラレログラム式連結機構24の反対側の第2の端部24bは、片持ち式アーム26の直立部材26aにピン留めされる。片持ち式アーム26は基端部26bから片持ちされ、基端部26bは、コネクタプレート28の上面にボルト留めされている。片持ち式アーム26の、基端部26bと反対側の遠位端26cは、それぞれ、対応するチャネル30内に摺動可能に取り付けられた横方向に細長い従動子26dを含む。各従動子26dは、チャネル30に対して横方向に自由に移動できる。各チャネル30は、対応する直立ガイド32に摺動可能に取り付けられる。したがって、片持ち式アーム26は、レール12に平行な、すなわち方向Aに平行な長手方向に制約されるが、それ以外は、垂直方向および横方向で自由に浮動でき、しかしチャネル30の動きによって制約される。
【0029】
本発明によるレールクランプは、有利には、レール取付式クレーン用の暴風対策ブレーキとして使用してもよく、制輪子34の間でレール12をクランプするようにレールクランプが固止されたときに耐えなければならない主要な力は、主に方向Aに平行に作用する力であることを念頭に置かれたい。レール取付式クレーンに関する特定の用途では、レールクランプ負荷伝達フレーム14は、一端で、端面プレート36をクレーン構造38にボルト留めすることによって取り付けられる。制輪子34は、クランピングレバー62の最下端部に取り付けられ、クランピングレバー62自体は、選択的に上昇可能なクランピングレバーキャリッジ40の最下端部に枢動可能に取り付けられる。キャリッジ40は、サスペンション18上で垂直方向に移動する。下降したブレーキ設定位置では、対向して向き合う位置決めされた制輪子34が、レール12の各側12aおよび12bにクランプされる。上昇位置ではブレーキは解放されており、キャリッジは、サスペンション18上で方向Bに上昇されている。垂直移動の範囲は、パラレログラム式連結機構24がガイドホイール支持体20において方向Cに回転するときのパラレログラム式連結機構24の回転によって制約される。
【0030】
油圧作動式ピストン42が、ピストンシリンダハウジング44から下方向に、クランピングレバーキャリッジ40の基部に対して油圧式に駆動される。これにより、ピストンシリンダハウジングは、入れ子型の一対または複数対の内側螺旋コイルばね46aと外側螺旋コイルばね46bそれぞれの復帰バイアス力に反して上方向に押し動かされる。コイルばね46aおよび46bは円筒形ばねハウジング48内部に収容されている。代替実施形態では、複数対の入れ子型のばねが採用され、例えば最大で6対の入れ子型のばねであるが、この数は限定する意図のものではない。ばねハウジング48は、外側カウリング48aを含み、外側カウリング48a内に、円筒形ばね保定バスケット48bが伸縮自在にぴったりと入れ子状にされている。取外し可能なキャップ50によって、ばねハウジング48内部のばねにアクセスでき、キャップ50は、4つの向かい合わせに配設されたタイロッド52からなる4ポストアクチュエータフレームの最上端部で所定位置に保持され、タイロッド52は、中空ポスト54を通して垂直上方向に軸支されて取り付けられる。キャップ50は、ロッド52およびポスト54の最上端部にボルト留めされる。タイロッド52の最下端部は、横方向に延在する平行な一対のコネクタプレート28の上面に堅固に取り付けられる。コネクタプレート28は、基部部材58と一体に接合されて、クランピングレバーキャリッジ40の基部を成す「H」形基部構造を形成する。
【0031】
ピストンシリンダハウジング44は、向かい合わせに配設された、水平ガイドフレーム56aに取り付けられている4つの管状ガイド56に堅固に取り付けられ、これらの間で中央に懸架される。ガイド56は、ポスト54に摺動可能に取り付けられ、油圧ピストン42が油圧式で作動されてハウジング44の最下端部から伸張するときに、垂直方向にピストンシリンダハウジング44の並進を案内する。
【0032】
ピストン42が、ハウジング44から伸張して、一対のコネクタプレート28の間に堅固に取り付けられた基部部材58に対して当接するとき、ハウジング44は、2段階並進と特徴付けることができるプロセスによって垂直方向に上昇される。2段階並進の第1の段階は、レール12の上にクランプされたクランプ固止位置から制輪子34を解放する。第1の段階に続いて、第2の段階は、パラレログラム式連結機構24の上側連結機構の第2の端部24bから片持ちされて延在する先端延在部24cを、シリンダハウジング44から張り出したフランジまたは張出部60に係合させる。張出部60は環状であってよい。したがって、ピストン42の作動によってシリンダハウジング44が上方向に押し動かされるとき、それと同時に、パラレログラム式連結機構24は方向Cに回転されて、ガイドホイール支持体20に対して上方向に動き、それにより片持ち式アーム26をやはり上方向に持ち上げる。ボルト26eによって基端部26bがコネクタプレート28に堅固に取り付けられているので、アーム26が上昇されるとき、コネクタプレート28も上昇される。コネクタプレート28は、上昇されるとき、それらの間に基部部材58を堅固に担持し、それにより、ピストン42とシリンダハウジング44のアセンブリ全体、および以下に述べる制輪子クランプアセンブリを持ち上げる。
【0033】
同時に、垂直並進の第2の段階中、シリンダハウジング44からのピストン42の作動により、管状ガイド56がポスト54に沿って摺動されるとともに、バスケット48bが上方向に押し動かされてカウリング48a内部に入れ子状になり、それによりばね46aおよび46bを圧縮する。キャップ50は、ばねの上端を拘束する。中央ボルト50aは、ガイドフレーム56aからばね46aの下端部を通って垂直上方向に延在する部材56bの、対応するねじ切りコアにねじ止めされる。ボルト50aは、保守の目的でばねチャンバを閉じ込めるために使用される。特に、ボルト50aは、シリンダの油圧力を使用せずに、ばねチャンバ内のばねを圧縮したまま保つ。キャップ50は、コネクタプレートおよび基部部材58と共に剛性構造を成すように、4つのポスト54にボルト留めされる。底部キャップ56は、シリンダ楔形本体44と共にポスト54上を摺動する。それにより、例えば、図4の完全に下降した位置では、ストロークは方向Bで65mmと示される。この位置では、クランピングレバー62は下降されており、制輪子34はレール12に対して係合されている。シリンダ42を作動させる油圧システムによる圧力は最小であるか、または全くなく、したがってシリンダ42は完全に引っ込められる。図4bにおいて、上側サスペンションアームが位置60aで環状フランジ60と接触し始めるとき、ストロークは30mmに減少されている。この位置では、ブレーキとレールの間に隙間があり、したがって、キャリッジ40は上方向に自由に並進できる。図4cにおいて、シリンダ42が伸張してキャリッジ40を持ち上げるとき、ストロークは15mmに減少されている。この位置では、キャリッジは、方向B1に持ち上げられるときに、対応する持ち上げ寸法d1によって示されるようにほぼ半分まで上昇される。図4dにおいて、キャリッジは、寸法d1の高さによって示されるように完全に上昇されている。
【0034】
対向して向き合う一対のクランピングレバー62は、接続プレート28の穴28a内に軸支されたピン64に枢動可能に取り付けられる。接続プレート28は横方向に、すなわち、レール12に対して垂直に延在する。したがって、ピン64は、レール12に平行に位置合わせされる。クランピングレバー62が下降位置にあると仮定して、クランピングレバー62がピン64の周りで方向Dに回転するとき、最下端部62aにあるアパーチャを通してボルト34aによって取り付けられた制輪子34は、レール12の面12aおよび12bに近付く、または面12aおよび12bから離れるように並進される。クランピングレバー62は、シリンダハウジング44内の油圧力が減少されるとキャリッジ40に対して下降され、それにより、ピストン42は、ばね46aおよび46bの伸長によって付勢されて、上方向にハウジング内に引っ込む。ばねが伸長するとき、シリンダハウジング44は、ポスト54上を摺動する管状ガイド56によって案内されて下方向に押し動かされる。
【0035】
平行なフランジ62bの間でクランピングレバー62に回転可能に取り付けられたホイール66は、上方向に発散する形状のカム表面44aに対して付勢され、さらに、カム表面44aと一直線上にあるシリンダハウジング44に解放可能に取り付けられた、発散する形状の楔44b上に付勢される。ホイール66がカム表面44aにわたって上方向に転動し、そこから楔44b上まで転動するとき、クランピングレバー62の上端部は離され、すなわちピン64の周りで方向Eに回転され、それにより、向かい合う一対の制輪子34の間の隙間を閉じるように制輪子34を方向Fに押し動かす。しかし、始めは、ホイール66がカム表面44aに沿って上方向に移動し始めるとき、すなわちシリンダハウジング44が下方向に並進するとき、パラレログラム式連結機構24も回転して下方向に動き、それによりキャリッジ40を下降させ、それと共にクランピングレバー62の対を下降させて、制輪子34をレール2の両側に位置決めする。下降中、クランピングレバー62の上端部を内方向に引っ張るばね62cにより、制輪子は離隔して保たれる。ねじ切りボルト63が、キャリッジ40の下方向への並進を阻止するために調節可能なストップを提供する。
【0036】
ばね46aおよび46bが、油圧力を印加することなく閉込めボルト50aによって閉じ込められている間(例えば保守中)、キャリッジは、ボルト63を使用して上昇させた状態で保たれる。通常動作中には、ボルト63は、ねじ止めされていない位置で固定されるか、または保守キットの一部として別々に保管される。
【0037】
有利には、制輪子34は、垂直方向に鋸歯状にされ、ロックウェル硬さでRc約56〜58の硬度を有する。したがって、制輪子34はレール12の材料よりも硬く、それによって、鋸歯は、十分な力でクランプされたときにレールに食い込み得る。
【0038】
ばね46aとばね46bの合成のばね力は、ばねが伸長するにつれて変化し、ばねが完全に圧縮されたときの約30キロニュートン(30KN)の最大圧縮力から、ばねがそれらのほぼ中間の伸長に達したときの約21キロニュートン(21KN)までの間で変化し、中間の伸長は、制輪子34とレール12の側面との係合に対応する。21KNの下方向への合成ばね力がシリンダハウジング44に作用し、その下方向へのばね力が、カム表面44aおよび楔44bによって、クランピングレバー62に作用するモーメントに変換され、ホイール66が押し動かされて離れるときに制輪子34がレール12にクランプすることにより、約250キロニュートン(250KN)の保持力が生じる。約0.5の把持係数を仮定すると、各制輪子に関するクランプ力も約250KNとなる。
【0039】
制輪子34は、レール12にクランプされて固止されるとき、全体として、例えばレール取付式クレーンが風や暴風などの影響下でレールに沿って移動することに対する抵抗力を提供する。すなわち、主にブレーキパッドによって、それらのブレーキパッドが制動力を加えているレール取付式機械がレールに沿って回転並進するのを妨げる。クレーンは一例である。しかし、ブレーキパッドは、曲げモーメントに対する抵抗力も提供する。曲げモーメントは、例えば、制輪子の面を含む平面に平行な平面内で、すなわち制輪子を通る横方向軸の周りでクランピングレバーを回転させることがあるモーメントである。
【0040】
したがって、レールクランプの最適な性能のために、制輪子が正常に維持されることが重要である。すなわち、制輪子が特に硬質の材料からなっていても、最終的には制輪子の鋸歯の鋭利な縁部が鈍くなり、それにより場合によってはレールへの鋸歯の固止が弱まり、抵抗係数または把持係数が低下し、したがってレールクランプの保持力が低下する。そこで、レールクランプの最適な性能を維持するために、制輪子の定期的な交換が行われることが望ましい。本出願人の考えでは、制輪子の交換が作業者にとって過度に困難な作業ではないとき、また、制輪子の摩耗の状態を作業者が容易に確認できるときほど、制輪子が定期的に交換されることになる。
【0041】
本発明では、クランピングレバーキャリッジ40の上昇が、制輪子の摩耗の検査を容易にし、かつ制輪子の交換を容易にする。第1に、キャリッジ40がその上昇位置にあるとき、制輪子34は、それらの最大離隔距離にあり、レール12の高さよりも上に上昇されている。第2に、負荷伝達フレームの長手方向延在壁を形成する実質的にIビームである壁68において、Iビーム68のウェブの下側フランジおよびそれに対応する部分に切欠き70が形成される。切欠き70の位置は、上昇位置にあるときの制輪子34の位置に対応する。したがって、作業員は、切欠き70を通して制輪子34にアクセスでき、特にそれらの対応する取付ボルト34aに手が届き、それにより、摩耗した制輪子の検査および交換が容易になる。しかし、クランプされた制輪子によって及ぼされる保持力を失わないように、切欠き70がIビーム68の構造を脆弱化しないようにすべきである。
【0042】
動作時、端面プレート36がクレーンなどのレール取付式機械にボルト留めされるが、これは、風または暴風にさらされることによって機械がレールに沿って移動するという望ましくない事象を防止する一助となる。ブレーキがかかっている状態でも、風荷重がレール取付式機械に加わると、機械がレールに沿って自由に移動することがあり、したがって、もしレールクランプがなければ損害を覚悟しなければならなくなる。すなわち、レール取付式機械が端面プレート36にボルト留めされている状態で、レール取付式機械がレールクランプに対して押されるまたは引かれることによって、押圧または引張り時に端面プレート36に大きな力が加わることがある。これらの大きな力は制輪子に伝達される。特に、加えられる力が、例えば(図5に示される)方向Gで端面プレート36に加えられる引張力である場合、これは、端面プレート36に最も近いコネクタプレート28をクランピングレバー62から離れるように引張り、端面プレート36とは反対側のクランピングレバー62の側にある反対側のコネクタプレート28をクランピングレバー62に向けて引張ろうとする。コネクタプレート28は、キャリッジ40の残りの部分と共に垂直方向に移動し、底部クロスバー72の上に、かつそれに対して垂直方向に摺動する。プレート28とクロスバー72は共に挟まれているだけであり、すなわち互いに連結されていないので、それら2つ部材の間では、押圧時にのみ力を伝達することができる。したがって、方向Gで加えられる引張力の例では、端面プレート36に最も近い側でのコネクタプレート28が、対応する底部クロスバー72に突き当たって押圧し、反対側のコネクタプレート28が、対応するクランピングレバー62の側面に突き当たって押圧することによって、力が伝達される。
【0043】
底部クロスバー72は、フレーム14の下のガイドホイール開口を横切って横方向で堅固に取り付けられており、特に底部ガイドバー74に堅固に取り付けられている。底部ガイドバー74は、端面プレート36および76の下縁部に堅固に取り付けられている。したがって、長手方向でクランピングレバー62の位置に対応する切欠き70をIビーム68の下縁部に形成すると、方向Gの力がIビーム68を引き裂くことがあり、この引裂きは、切欠き70から垂直方向に始まり、そこから各Iビームのウェブ68bを通って上方向に広がっていくことになる。これは、Iビーム68の下側フランジ68aが切欠き70によって完全に切り取られており、また切欠き70が、上方向へウェブ68bの中へも切り込んであるからである。したがって、長手方向で離隔された底部ガイドバー74の対の間で、長手方向での力伝達ブリッジを提供するように、底部ガイドバー74に補強アーチ78が堅固に取り付けられる。補強アーチ78は、ウェブ68bおよびフランジ68aによって通常発生される負荷に耐えられるように、例えば1.25インチの鋼板からなってもよい。本出願人はまた、フレーム14が高い負荷を受けて変形し得ることにも留意しており、したがって筐体の底部にわたって横方向に追加の剛性を与えるために底部クロスバー72も提供している。
【0044】
パラレログラム式連結機構24でガイドホイール16を懸架しているので、向かい合わせに配設された一対の片持ち式アーム26それぞれの片持ち式端部26cが端面プレート36および76に対して横方向および垂直方向で自由に浮動できる状態で、フレーム14は、キャリッジ40とは無関係にわずかに自由に浮動できる。したがって、レールクランプが引っ込められた状態でレール取付式機械がレール上を移動しているときのレール12の高さの小さな変動は、そのとき、レール取付式機械にボルト留めされたフレーム14の位置とは無関係にガイドホイールがレール12の起伏に従って上下することができるため、吸収される。
【0045】
悪条件により、上述したように制輪子にモーメントが加えられる場合、このモーメントも、クランピングレバー62の最上端部から横方向に外側に延在する横方向延在ウイング80での実質的に垂直な平面状の当接面80aによって打ち消される。方向Aでの力によるモーメントが、制輪子34の周りでのクランピングレバー62の回転を引き起こすのに十分である場合、上部支持プレート82の内縁部82aの1つがストップとして作用して、クランピングレバー62の対応する当接面80aに対して当接する。
【0046】
アクセス穴84が、Iビーム68のウェブ68bに設けられる。穴84は、上側パラレログラム式連結機構24の端部24aと位置合わせされる。対応するピン25の端部に雄ソケット端部25aなどの手段が設けられ、それにより、作業者がソケットレンチまたは他のトルク付与デバイスを挿入して、パラレログラム式連結機構アーム24にモーメントを加えてもよい。したがって、作業者は、クランピングレバー62を手動で引っ込めて、キャリッジ40を手動で上昇させ、それにより、制輪子34、およびクランピングレバー62の最下端部をレール12よりも上に持ち上げてもよい。
【0047】
図17および図18に見られるものなどの、さらなる手動式の実施形態では、アーム24は片持ち式端部24cを有さず、したがってキャリッジ40が油圧式では上昇されないことがある。その代わりに、キャリッジ40は、ソケットドライブ、例えば1/2インチ平方のソケットによって、雄ソケット端部25aを回転させることによってアーム24を方向Zに回転させることで上昇される。雄ソケット端部25aには、Iビーム68の穴84を通して手が届く。
【0048】
以上の開示に鑑みて当業者に明らかなように、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の実施に際して多くの変形形態および修正形態が可能である。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される対象に従って解釈すべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールなどクランプ式部材の両側にクランプするクランプデバイスを採用するばね式クランプおよびブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人が把握している従来技術において、1976年8月3日にJohnsonに付与された米国特許第3,972,392号(特許文献1)は、レールに沿ってクレーンを移動させることがある外力に抵抗するために無動力および無人のクレーンをそのレールに固定するように、クレーンレールの側面にフェールセーフ(fail−safe)動作モードでクランプすることを開示する。Johnsonは、クレーンレールの側面にクランプするように適合されたフェールセーフクランプ装置がいくつかの要件を満たさなければならないことを教示している。第1に、装置は、クレーンが無動力または無人のときに作動されるように、フェールセーフ手段によって独立して動力供給されなければならない。第2に、クランプアセンブリは、ホイールフランジ間のトレッド幅によって制限されるレール上でのクレーンホイールの移動に対応するように、レールに対するクランプの十分な横方向移動を可能にしなければならない。第3に、クランプアセンブリの横方向移動により、クランプ表面がクレーンレールの側面に近づく角度が大幅に変わらないようにすべきである。第4に、クランプ表面が、レールの硬度よりもかなり高い硬度の金属製の鋸歯付き制輪子を備える場合、クレーンがそのレールに沿って移動するときに制輪子がレールを引き摺らないようにするための手段を提供すべきである。第5に、ドック設備の場合と同様にレールが埋め込まれた進行面での開口が、レールの上部の幅の約3倍を超えないように、クランプアセンブリの断面を狭くすべきである。最後に、クレーンがそのレール上で移動する前にクランプが完全に解放されていることをクレーン操作者に示すための遠隔感知手段を提供すべきである。
【0003】
Johnsonは、クランプ表面が外側に取り付けられており、クランプアセンブリを解体することなく定期検査を容易に行えるフェールセーフクランプ装置を提供する。
【0004】
本出願人は、以下の同時係属中の特許出願も把握している。すなわち、定力レールクランプに関する国際公開第2009/092156号(特許文献2)、および対応する米国特許出願第12/018,085号(特許文献3)である。定力レールクランプに関するこれらの出願は、フレームと一対のレバーとを有するレールクランプを開示する。各レバーは、第1の端部にブレーキパッドを有し、第2の端部にカム従動子を有し、第1の端部と第2の端部の間に配設されたピボットによってフレームに取り付けられる。カムはレバーの間に配設され、ばねがカムに第1の方向にバイアスをかける。クランプ解放アクチュエータは、第2の方向でカムを移動させるように動作可能である。第2の方向は第1の方向と反対である。カムの両側に、一対の可変傾斜付きカム表面が配設される。可変傾斜付きカム表面はそれぞれ、対応する一方のレバーのカム従動子に接触し、また、可変傾斜付きカム表面はそれぞれ傾斜を有し、この傾斜は、カムが変位されるときにばねのばね力の変化を打ち消すように変化し、それにより一定のクランプ力を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第3,972,392号
【特許文献2】国際公開第2009/092156号
【特許文献3】米国特許出願第12/018,085号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約すると、本発明によるレールクランプは、一態様では、下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジを含み、キャリッジが、下端部に取り付けられた剛性基部と、基部から上端部に向かって上方向に延在するように基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有することを特徴とすることができる。少なくとも1つのばねが、キャリッジの上端部でアクチュエータフレーム内に取り付けられる。選択的に作動可能なアクチュエータが、基部とばね(複数可)の間に取り付けられる。アクチュエータは、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である。
【0007】
少なくとも1つのガイドホイールが、レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するようにホイール支持体に取り付けられる。少なくとも1つのサスペンションフレームが、サスペンションフレームの第1の端部でキャリッジに枢動可能に取り付けられ、サスペンションフレームの反対側の第2の端部でホイール支持体に枢動可能に取り付けられる。アクチュエータは、サスペンションフレームの第1の端部に作用し、アクチュエータが第1の伸張位置から完全に伸張した位置に伸張するときに、サスペンションフレーム上で完全に上昇した位置にキャリッジを上昇させる。
【0008】
実質的に垂直に位置合わせされた、対向して向き合う一対のクランピングレバーが、キャリッジの基部に枢動可能に取り付けられ、一対のクランピングレバーの最下端部は、対応する対向して向き合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合される。一対のクランピングレバーは基部に対して枢動可能であり、それにより、一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに、それらの最下端部をクランプする。
【0009】
アクチュエータが引込位置から第1の伸張位置に伸張するときに、クランピングレバー引込機構は一対のクランピングレバーに作用して、一対のクランピングレバーの最下端部を移動させて離し、レールをクランプ解除する。アクチュエータが第1の伸張位置から完全に伸張した位置に伸張して、キャリッジを完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、一対のクランピングレバーの最下端部を、ガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、ガイドホイールがレール上にあるときに、一対のクランピングレバーの最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにする。アクチュエータが完全に伸張した位置から第1の伸張位置に引っ込んで、キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、一対のクランピングレバーの下端部を下降させて、レールの両側を囲う。
【0010】
アクチュエータが第1の伸張位置から引込位置に引っ込むときに、アクチュエータは一対のクランピングレバーの上端部に作用して、一対のクランピングレバーの上端部を移動させ、それによりレールの両側に最下端部をクランプする。
【0011】
レールクランプは、レールクランプによる制動補助を必要とするクレーンなどレール取付式機械の一部片に、少なくともその第1の端部で取り付け可能な、負荷伝達フレームを含む。一対のクランピングレバーの最下端部は、キャリッジが完全に下降した位置にあるときに負荷伝達フレームの下に垂下するように、取付フレームに対して配設される。負荷伝達フレームは、長手方向に離隔された少なくとも一対の負荷伝達部材を含んでよく、少なくとも一対の負荷伝達部材は、それらの間に、摺動係合状態で、キャリッジの基部と、一対のクランピングレバーの下端部とを挟む。
【0012】
負荷伝達フレームは、長手方向に延在する負荷伝達壁を含んでもよく、一対の負荷伝達部材は、負荷伝達壁に取り付けられた横方向延在部材であってよい。負荷伝達壁は、負荷伝達フレームの第1の端部に取り付けてもよく、負荷伝達フレームの反対側の第2の端部まで延在してよい。負荷伝達壁は、キャリッジおよび一対のクランピングレバーを取り囲むように離隔された、横方向に離隔された一対の壁であってよく、一対の壁が、ガイドホイールがレール上にあるときにレールに隣接する下縁部をそれぞれ有し、一対のクランピングレバーの最下端部に隣接する一対の側壁の下縁部それぞれに切欠きを形成して、クランピングレバーを取り付けたときに制輪子にアクセスできるようにする。
【0013】
切欠きは、周りに補強部材を有することがあり、例えば、補強部材は、それぞれの切欠きの周りに取り付けられた補強アーチであってよい。負荷伝達壁がIビームである場合、各補強アーチは、対応するIビームの対応する下側フランジの厚さと実質的に同じ厚さであってよい。
【0014】
キャリッジの基部は、横方向に延在する実質的に平行な細長い一対の基部部材を含んでよく、この一対の基部部材は、それらの間に一対のクランピングレバーの下端部を挟む。一対のクランピングレバーは、一対の基部部材に枢動可能に取り付けてもよい。一実施形態では、一対の基部部材は、一対のコネクタプレートである。
【0015】
各サスペンションフレームは、キャリッジに枢動可能に取り付けられた少なくとも一対のパラレログラム式連結機構を含んでよく、これにより、ガイドホイールに対するキャリッジの移動を実質的に垂直な軌道に保つ。各ホイール支持体は垂直延在部材を含んでよく、一対のパラレログラム式連結機構の上側および下側連結機構が、対応するホイール支持体の垂直延在部材の対応する上端部および下端部に枢動可能に取り付けられる。
【0016】
キャリッジは、サスペンション支持体を含んでよい。一対のパラレログラム式連結機構は、サスペンション支持体に垂直方向に離隔して取り付けてよい。
【0017】
クレーンなどのレール取付式機械の一部片に、その第1の端部で取り付けるための負荷伝達フレームが提供され、キャリッジと一対のクランピングレバーとが、負荷伝達フレーム内部で実質的に垂直に並進するように取り付けられ、制輪子がレールにクランプされるときに、一対のクランピングレバーが、負荷伝達フレームに実質的に長手方向に加えられる負荷を、一対のクランピングレバーに取り付けられた制輪子に伝達し、負荷が、一対のクランピングレバーに対する押圧によって伝達される。
【0018】
キャリッジは、さらに、負荷伝達フレームに対して実質的に垂直な並進を案内するために負荷伝達フレームと協働するガイド部材を含んでよい。アクチュエータフレームは、垂直直立部材のケージを含んでもよい。ばね用のばねハウジングがケージに取り付けられる。
【0019】
キャリッジの基部は、横方向に延在する一対の基部部材の間に取り付けられた剛性クロス部材を含んでよく、一対のクランピングレバーが、一対の基部部材に取り付けられて、一対の基部部材の間に挟まれ、アクチュエータが、クロス部材に対して当接する。
【0020】
アクチュエータは、ピストンハウジングから作動するピストンを含んでよく、ピストンは、一対のクランピングレバーの上端部に対して当接する。ピストンハウジングは楔形であってよい。ピストンハウジングが少なくとも1つのばねによって下方向に付勢されて、ピストンハウジング内へのピストンの引っ込みによってピストンハウジングがアクチュエータフレームおよび基部に対して下降されると、ハウジングは、一対のクランピングレバーの上端部に対して当接し、上端部どうしを押し離す。ピストンの作動によるピストンハウジングの上昇は、ばねの復帰バイアス力に反するものである。クランピングレバー引込機構は、ピストンハウジングが上昇されるときに一対のクランピングレバーの上端部に付勢する少なくとも1つの弾性部材でよい。
【0021】
負荷伝達フレームは、さらに、キャリッジを囲う部材を含んでもよい。キャリッジは、長手方向で離隔された平行な一対の基部部材を含んでよく、横方向クロス部材は、一対のクランピングレバーに対して一対の基部部材を挟む。横方向クロス部材は、負荷伝達フレームの上部に横方向にわたって延在する支持プレートを含んでよく、支持プレートが、それらの間に開口を画定し、開口を通してキャリッジが取り付けられ、かつ開口を通して一対のクランピングレバーの上端部が突出する。開口の長手方向寸法は、支持プレートが一対のクランピングレバーの上端部に隣接するようにサイズ設定してもよい。
【0022】
一実施形態では、一対のクランピングレバーの各レバーは、レバーの上端部の延在部を含み、延在部が、レバーの上端部を支持プレートの対応する縁部の近くに隣接させるように長手方向に延在し、このため、対応する制輪子の周りでのレバーの枢動によって、延在部が支持プレートに対して当接する。
【0023】
有利には、アクチュエータ駆動付属機構を、支持プレートに取り付けてもよい。
【0024】
図面中、各図において同様の参照符号は対応する部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】1つの負荷伝達側壁を取り外した状態の、本発明の一実施形態によるレールクランプの部分切欠き斜視図である。
【図2】上部支持プレートを取り外した状態の、本発明の一実施形態によるレールクランプの部分切欠き斜視図である。
【図3】図1のレールクランプ、およびレールクランプが載置されるレールを垂直に通る断面図であって、上昇位置にあるクランピングレバーキャリッジと、上部支持プレートの上に取り付けられたモータ、ポンプ、およびリザーバを含む油圧アクチュエータ機器とを示す、断面図である。
【図4a】クランピングレバーが取り外され、クランピングレバーキャリッジがその下降位置にある状態の、図3の断面図である。
【図4b】サスペンションアームがシリンダの周りの環状フランジに接するまでシリンダが伸張された状態の図4aの図である。
【図4c】キャリッジが上昇するときにサスペンションアームの上方向回転を開始するようにシリンダがさらに伸張された状態の図4bの図である。
【図4d】キャリッジをその完全に上昇した位置に上昇させるようにシリンダが完全に伸張された状態の図4cの図である。
【図5】1つの負荷伝達側壁を取り外し、しかし補強アーチを残した状態の、図2のレールクランプの斜視図である。
【図6】負荷伝達フレームの基底構造を示すように、また、クランピングレバーキャリッジのクランピングレバーアクチュエータおよびアクチュエータフレームを示すように部分的に切欠きした、図1のレールクランプの側面斜視図である。
【図7】クランピングレバーキャリッジおよびクランピングレバーを二分するように、レールに対して直交する平面内で垂直方向および横方向に断面を取った、図5のレールクランプの断面図である。
【図8】所定位置にある負荷伝達側壁と、所定位置にあるばねハウジングとを示す、図6のレールクランプの端部斜視図である。
【図9】端面プレートおよび1つの負荷伝達側壁を取り外した状態の、図1のレールクランプの斜視図である。
【図10】本発明によるレールクランプで使用するためのクランピングレバーの一実施形態の斜視図である。
【図11】本発明によるレールクランプのクランピングレバーアクチュエータのピストンハウジングの一実施形態の斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態によるクランピングレバーキャリッジからの1つのコネクタプレートの斜視図である。
【図13】本発明によるレールクランプの一実施形態によるパラレログラム式連結機構の上部サスペンションアームの斜視図である。
【図14】本発明によるレールクランプの一実施形態によるクランピングレバーキャリッジのサスペンションの1つの片持ち式アームの斜視図である。
【図15】本発明の一実施形態によるクランピングレバーキャリッジのアクチュエータフレームキャップの斜視図である。
【図16】本発明によるクランピングレバーキャリッジのアクチュエータフレームに関する管状ガイドを支持する水平ガイドフレームの斜視図である。
【図17】片持ち式アーム上に取り付けられた上側および下側サスペンションアームの斜視図である。
【図18】レールクランプが解放され、キャリッジが手動で上昇され、上側サスペンションアームが、シリンダの基部の周りで環状フランジに係合するための延在部を有さない代替形態の図4dの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
レール12にクランプするためのレールクランプ10が提供される。レール12は、側面12aおよび12bと、上面または横方向面12cとを含む。
【0027】
負荷伝達フレーム14がホイール16に取り付けられる。昇降サスペンション18がフレーム14に取り付けられ、レール12およびフレーム14に対して移動するように適合される。レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械がクレーンである場合、フレーム14は、クレーンに堅固に固定され、レール12に沿って長手方向Aにクレーンと共に移動する。
【0028】
昇降サスペンション18は、サスペンションアームが枢動可能に取り付けられる垂直ホイール支持部材20を含み、このサスペンションアームは、パラレログラム式連結機構24であってよい。ホイール16は、ホイール支持部材上の車軸22などに回転可能に取り付けられる。サスペンション18内部において、パラレログラム式連結機構24の第1の端部24aは、ホイール支持体20にピン留めされる。パラレログラム式連結機構24の反対側の第2の端部24bは、片持ち式アーム26の直立部材26aにピン留めされる。片持ち式アーム26は基端部26bから片持ちされ、基端部26bは、コネクタプレート28の上面にボルト留めされている。片持ち式アーム26の、基端部26bと反対側の遠位端26cは、それぞれ、対応するチャネル30内に摺動可能に取り付けられた横方向に細長い従動子26dを含む。各従動子26dは、チャネル30に対して横方向に自由に移動できる。各チャネル30は、対応する直立ガイド32に摺動可能に取り付けられる。したがって、片持ち式アーム26は、レール12に平行な、すなわち方向Aに平行な長手方向に制約されるが、それ以外は、垂直方向および横方向で自由に浮動でき、しかしチャネル30の動きによって制約される。
【0029】
本発明によるレールクランプは、有利には、レール取付式クレーン用の暴風対策ブレーキとして使用してもよく、制輪子34の間でレール12をクランプするようにレールクランプが固止されたときに耐えなければならない主要な力は、主に方向Aに平行に作用する力であることを念頭に置かれたい。レール取付式クレーンに関する特定の用途では、レールクランプ負荷伝達フレーム14は、一端で、端面プレート36をクレーン構造38にボルト留めすることによって取り付けられる。制輪子34は、クランピングレバー62の最下端部に取り付けられ、クランピングレバー62自体は、選択的に上昇可能なクランピングレバーキャリッジ40の最下端部に枢動可能に取り付けられる。キャリッジ40は、サスペンション18上で垂直方向に移動する。下降したブレーキ設定位置では、対向して向き合う位置決めされた制輪子34が、レール12の各側12aおよび12bにクランプされる。上昇位置ではブレーキは解放されており、キャリッジは、サスペンション18上で方向Bに上昇されている。垂直移動の範囲は、パラレログラム式連結機構24がガイドホイール支持体20において方向Cに回転するときのパラレログラム式連結機構24の回転によって制約される。
【0030】
油圧作動式ピストン42が、ピストンシリンダハウジング44から下方向に、クランピングレバーキャリッジ40の基部に対して油圧式に駆動される。これにより、ピストンシリンダハウジングは、入れ子型の一対または複数対の内側螺旋コイルばね46aと外側螺旋コイルばね46bそれぞれの復帰バイアス力に反して上方向に押し動かされる。コイルばね46aおよび46bは円筒形ばねハウジング48内部に収容されている。代替実施形態では、複数対の入れ子型のばねが採用され、例えば最大で6対の入れ子型のばねであるが、この数は限定する意図のものではない。ばねハウジング48は、外側カウリング48aを含み、外側カウリング48a内に、円筒形ばね保定バスケット48bが伸縮自在にぴったりと入れ子状にされている。取外し可能なキャップ50によって、ばねハウジング48内部のばねにアクセスでき、キャップ50は、4つの向かい合わせに配設されたタイロッド52からなる4ポストアクチュエータフレームの最上端部で所定位置に保持され、タイロッド52は、中空ポスト54を通して垂直上方向に軸支されて取り付けられる。キャップ50は、ロッド52およびポスト54の最上端部にボルト留めされる。タイロッド52の最下端部は、横方向に延在する平行な一対のコネクタプレート28の上面に堅固に取り付けられる。コネクタプレート28は、基部部材58と一体に接合されて、クランピングレバーキャリッジ40の基部を成す「H」形基部構造を形成する。
【0031】
ピストンシリンダハウジング44は、向かい合わせに配設された、水平ガイドフレーム56aに取り付けられている4つの管状ガイド56に堅固に取り付けられ、これらの間で中央に懸架される。ガイド56は、ポスト54に摺動可能に取り付けられ、油圧ピストン42が油圧式で作動されてハウジング44の最下端部から伸張するときに、垂直方向にピストンシリンダハウジング44の並進を案内する。
【0032】
ピストン42が、ハウジング44から伸張して、一対のコネクタプレート28の間に堅固に取り付けられた基部部材58に対して当接するとき、ハウジング44は、2段階並進と特徴付けることができるプロセスによって垂直方向に上昇される。2段階並進の第1の段階は、レール12の上にクランプされたクランプ固止位置から制輪子34を解放する。第1の段階に続いて、第2の段階は、パラレログラム式連結機構24の上側連結機構の第2の端部24bから片持ちされて延在する先端延在部24cを、シリンダハウジング44から張り出したフランジまたは張出部60に係合させる。張出部60は環状であってよい。したがって、ピストン42の作動によってシリンダハウジング44が上方向に押し動かされるとき、それと同時に、パラレログラム式連結機構24は方向Cに回転されて、ガイドホイール支持体20に対して上方向に動き、それにより片持ち式アーム26をやはり上方向に持ち上げる。ボルト26eによって基端部26bがコネクタプレート28に堅固に取り付けられているので、アーム26が上昇されるとき、コネクタプレート28も上昇される。コネクタプレート28は、上昇されるとき、それらの間に基部部材58を堅固に担持し、それにより、ピストン42とシリンダハウジング44のアセンブリ全体、および以下に述べる制輪子クランプアセンブリを持ち上げる。
【0033】
同時に、垂直並進の第2の段階中、シリンダハウジング44からのピストン42の作動により、管状ガイド56がポスト54に沿って摺動されるとともに、バスケット48bが上方向に押し動かされてカウリング48a内部に入れ子状になり、それによりばね46aおよび46bを圧縮する。キャップ50は、ばねの上端を拘束する。中央ボルト50aは、ガイドフレーム56aからばね46aの下端部を通って垂直上方向に延在する部材56bの、対応するねじ切りコアにねじ止めされる。ボルト50aは、保守の目的でばねチャンバを閉じ込めるために使用される。特に、ボルト50aは、シリンダの油圧力を使用せずに、ばねチャンバ内のばねを圧縮したまま保つ。キャップ50は、コネクタプレートおよび基部部材58と共に剛性構造を成すように、4つのポスト54にボルト留めされる。底部キャップ56は、シリンダ楔形本体44と共にポスト54上を摺動する。それにより、例えば、図4の完全に下降した位置では、ストロークは方向Bで65mmと示される。この位置では、クランピングレバー62は下降されており、制輪子34はレール12に対して係合されている。シリンダ42を作動させる油圧システムによる圧力は最小であるか、または全くなく、したがってシリンダ42は完全に引っ込められる。図4bにおいて、上側サスペンションアームが位置60aで環状フランジ60と接触し始めるとき、ストロークは30mmに減少されている。この位置では、ブレーキとレールの間に隙間があり、したがって、キャリッジ40は上方向に自由に並進できる。図4cにおいて、シリンダ42が伸張してキャリッジ40を持ち上げるとき、ストロークは15mmに減少されている。この位置では、キャリッジは、方向B1に持ち上げられるときに、対応する持ち上げ寸法d1によって示されるようにほぼ半分まで上昇される。図4dにおいて、キャリッジは、寸法d1の高さによって示されるように完全に上昇されている。
【0034】
対向して向き合う一対のクランピングレバー62は、接続プレート28の穴28a内に軸支されたピン64に枢動可能に取り付けられる。接続プレート28は横方向に、すなわち、レール12に対して垂直に延在する。したがって、ピン64は、レール12に平行に位置合わせされる。クランピングレバー62が下降位置にあると仮定して、クランピングレバー62がピン64の周りで方向Dに回転するとき、最下端部62aにあるアパーチャを通してボルト34aによって取り付けられた制輪子34は、レール12の面12aおよび12bに近付く、または面12aおよび12bから離れるように並進される。クランピングレバー62は、シリンダハウジング44内の油圧力が減少されるとキャリッジ40に対して下降され、それにより、ピストン42は、ばね46aおよび46bの伸長によって付勢されて、上方向にハウジング内に引っ込む。ばねが伸長するとき、シリンダハウジング44は、ポスト54上を摺動する管状ガイド56によって案内されて下方向に押し動かされる。
【0035】
平行なフランジ62bの間でクランピングレバー62に回転可能に取り付けられたホイール66は、上方向に発散する形状のカム表面44aに対して付勢され、さらに、カム表面44aと一直線上にあるシリンダハウジング44に解放可能に取り付けられた、発散する形状の楔44b上に付勢される。ホイール66がカム表面44aにわたって上方向に転動し、そこから楔44b上まで転動するとき、クランピングレバー62の上端部は離され、すなわちピン64の周りで方向Eに回転され、それにより、向かい合う一対の制輪子34の間の隙間を閉じるように制輪子34を方向Fに押し動かす。しかし、始めは、ホイール66がカム表面44aに沿って上方向に移動し始めるとき、すなわちシリンダハウジング44が下方向に並進するとき、パラレログラム式連結機構24も回転して下方向に動き、それによりキャリッジ40を下降させ、それと共にクランピングレバー62の対を下降させて、制輪子34をレール2の両側に位置決めする。下降中、クランピングレバー62の上端部を内方向に引っ張るばね62cにより、制輪子は離隔して保たれる。ねじ切りボルト63が、キャリッジ40の下方向への並進を阻止するために調節可能なストップを提供する。
【0036】
ばね46aおよび46bが、油圧力を印加することなく閉込めボルト50aによって閉じ込められている間(例えば保守中)、キャリッジは、ボルト63を使用して上昇させた状態で保たれる。通常動作中には、ボルト63は、ねじ止めされていない位置で固定されるか、または保守キットの一部として別々に保管される。
【0037】
有利には、制輪子34は、垂直方向に鋸歯状にされ、ロックウェル硬さでRc約56〜58の硬度を有する。したがって、制輪子34はレール12の材料よりも硬く、それによって、鋸歯は、十分な力でクランプされたときにレールに食い込み得る。
【0038】
ばね46aとばね46bの合成のばね力は、ばねが伸長するにつれて変化し、ばねが完全に圧縮されたときの約30キロニュートン(30KN)の最大圧縮力から、ばねがそれらのほぼ中間の伸長に達したときの約21キロニュートン(21KN)までの間で変化し、中間の伸長は、制輪子34とレール12の側面との係合に対応する。21KNの下方向への合成ばね力がシリンダハウジング44に作用し、その下方向へのばね力が、カム表面44aおよび楔44bによって、クランピングレバー62に作用するモーメントに変換され、ホイール66が押し動かされて離れるときに制輪子34がレール12にクランプすることにより、約250キロニュートン(250KN)の保持力が生じる。約0.5の把持係数を仮定すると、各制輪子に関するクランプ力も約250KNとなる。
【0039】
制輪子34は、レール12にクランプされて固止されるとき、全体として、例えばレール取付式クレーンが風や暴風などの影響下でレールに沿って移動することに対する抵抗力を提供する。すなわち、主にブレーキパッドによって、それらのブレーキパッドが制動力を加えているレール取付式機械がレールに沿って回転並進するのを妨げる。クレーンは一例である。しかし、ブレーキパッドは、曲げモーメントに対する抵抗力も提供する。曲げモーメントは、例えば、制輪子の面を含む平面に平行な平面内で、すなわち制輪子を通る横方向軸の周りでクランピングレバーを回転させることがあるモーメントである。
【0040】
したがって、レールクランプの最適な性能のために、制輪子が正常に維持されることが重要である。すなわち、制輪子が特に硬質の材料からなっていても、最終的には制輪子の鋸歯の鋭利な縁部が鈍くなり、それにより場合によってはレールへの鋸歯の固止が弱まり、抵抗係数または把持係数が低下し、したがってレールクランプの保持力が低下する。そこで、レールクランプの最適な性能を維持するために、制輪子の定期的な交換が行われることが望ましい。本出願人の考えでは、制輪子の交換が作業者にとって過度に困難な作業ではないとき、また、制輪子の摩耗の状態を作業者が容易に確認できるときほど、制輪子が定期的に交換されることになる。
【0041】
本発明では、クランピングレバーキャリッジ40の上昇が、制輪子の摩耗の検査を容易にし、かつ制輪子の交換を容易にする。第1に、キャリッジ40がその上昇位置にあるとき、制輪子34は、それらの最大離隔距離にあり、レール12の高さよりも上に上昇されている。第2に、負荷伝達フレームの長手方向延在壁を形成する実質的にIビームである壁68において、Iビーム68のウェブの下側フランジおよびそれに対応する部分に切欠き70が形成される。切欠き70の位置は、上昇位置にあるときの制輪子34の位置に対応する。したがって、作業員は、切欠き70を通して制輪子34にアクセスでき、特にそれらの対応する取付ボルト34aに手が届き、それにより、摩耗した制輪子の検査および交換が容易になる。しかし、クランプされた制輪子によって及ぼされる保持力を失わないように、切欠き70がIビーム68の構造を脆弱化しないようにすべきである。
【0042】
動作時、端面プレート36がクレーンなどのレール取付式機械にボルト留めされるが、これは、風または暴風にさらされることによって機械がレールに沿って移動するという望ましくない事象を防止する一助となる。ブレーキがかかっている状態でも、風荷重がレール取付式機械に加わると、機械がレールに沿って自由に移動することがあり、したがって、もしレールクランプがなければ損害を覚悟しなければならなくなる。すなわち、レール取付式機械が端面プレート36にボルト留めされている状態で、レール取付式機械がレールクランプに対して押されるまたは引かれることによって、押圧または引張り時に端面プレート36に大きな力が加わることがある。これらの大きな力は制輪子に伝達される。特に、加えられる力が、例えば(図5に示される)方向Gで端面プレート36に加えられる引張力である場合、これは、端面プレート36に最も近いコネクタプレート28をクランピングレバー62から離れるように引張り、端面プレート36とは反対側のクランピングレバー62の側にある反対側のコネクタプレート28をクランピングレバー62に向けて引張ろうとする。コネクタプレート28は、キャリッジ40の残りの部分と共に垂直方向に移動し、底部クロスバー72の上に、かつそれに対して垂直方向に摺動する。プレート28とクロスバー72は共に挟まれているだけであり、すなわち互いに連結されていないので、それら2つ部材の間では、押圧時にのみ力を伝達することができる。したがって、方向Gで加えられる引張力の例では、端面プレート36に最も近い側でのコネクタプレート28が、対応する底部クロスバー72に突き当たって押圧し、反対側のコネクタプレート28が、対応するクランピングレバー62の側面に突き当たって押圧することによって、力が伝達される。
【0043】
底部クロスバー72は、フレーム14の下のガイドホイール開口を横切って横方向で堅固に取り付けられており、特に底部ガイドバー74に堅固に取り付けられている。底部ガイドバー74は、端面プレート36および76の下縁部に堅固に取り付けられている。したがって、長手方向でクランピングレバー62の位置に対応する切欠き70をIビーム68の下縁部に形成すると、方向Gの力がIビーム68を引き裂くことがあり、この引裂きは、切欠き70から垂直方向に始まり、そこから各Iビームのウェブ68bを通って上方向に広がっていくことになる。これは、Iビーム68の下側フランジ68aが切欠き70によって完全に切り取られており、また切欠き70が、上方向へウェブ68bの中へも切り込んであるからである。したがって、長手方向で離隔された底部ガイドバー74の対の間で、長手方向での力伝達ブリッジを提供するように、底部ガイドバー74に補強アーチ78が堅固に取り付けられる。補強アーチ78は、ウェブ68bおよびフランジ68aによって通常発生される負荷に耐えられるように、例えば1.25インチの鋼板からなってもよい。本出願人はまた、フレーム14が高い負荷を受けて変形し得ることにも留意しており、したがって筐体の底部にわたって横方向に追加の剛性を与えるために底部クロスバー72も提供している。
【0044】
パラレログラム式連結機構24でガイドホイール16を懸架しているので、向かい合わせに配設された一対の片持ち式アーム26それぞれの片持ち式端部26cが端面プレート36および76に対して横方向および垂直方向で自由に浮動できる状態で、フレーム14は、キャリッジ40とは無関係にわずかに自由に浮動できる。したがって、レールクランプが引っ込められた状態でレール取付式機械がレール上を移動しているときのレール12の高さの小さな変動は、そのとき、レール取付式機械にボルト留めされたフレーム14の位置とは無関係にガイドホイールがレール12の起伏に従って上下することができるため、吸収される。
【0045】
悪条件により、上述したように制輪子にモーメントが加えられる場合、このモーメントも、クランピングレバー62の最上端部から横方向に外側に延在する横方向延在ウイング80での実質的に垂直な平面状の当接面80aによって打ち消される。方向Aでの力によるモーメントが、制輪子34の周りでのクランピングレバー62の回転を引き起こすのに十分である場合、上部支持プレート82の内縁部82aの1つがストップとして作用して、クランピングレバー62の対応する当接面80aに対して当接する。
【0046】
アクセス穴84が、Iビーム68のウェブ68bに設けられる。穴84は、上側パラレログラム式連結機構24の端部24aと位置合わせされる。対応するピン25の端部に雄ソケット端部25aなどの手段が設けられ、それにより、作業者がソケットレンチまたは他のトルク付与デバイスを挿入して、パラレログラム式連結機構アーム24にモーメントを加えてもよい。したがって、作業者は、クランピングレバー62を手動で引っ込めて、キャリッジ40を手動で上昇させ、それにより、制輪子34、およびクランピングレバー62の最下端部をレール12よりも上に持ち上げてもよい。
【0047】
図17および図18に見られるものなどの、さらなる手動式の実施形態では、アーム24は片持ち式端部24cを有さず、したがってキャリッジ40が油圧式では上昇されないことがある。その代わりに、キャリッジ40は、ソケットドライブ、例えば1/2インチ平方のソケットによって、雄ソケット端部25aを回転させることによってアーム24を方向Zに回転させることで上昇される。雄ソケット端部25aには、Iビーム68の穴84を通して手が届く。
【0048】
以上の開示に鑑みて当業者に明らかなように、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の実施に際して多くの変形形態および修正形態が可能である。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される対象に従って解釈すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールクランプであって、
下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジであって、前記下端部に取り付けられた剛性基部と、前記基部から前記上端部に向かって上方向に延在するように前記基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有する、キャリッジと、
前記キャリッジの前記上端部で前記アクチュエータフレーム内に取り付けられた少なくとも1つのばねと、
前記基部と前記少なくとも1つのばねの間に取り付けられ、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である、選択的に作動可能なアクチュエータと、
レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するように前記ホイール支持体に取り付けられた少なくとも1つのガイドホイールと、
第1の端部で前記キャリッジに枢動可能に取り付けられ、反対側の第2の端部で前記ホイール支持体に枢動可能に取り付けられた、少なくとも1つのサスペンションフレームと、
を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張するときに、前記サスペンションフレームの前記第1の端部に対して作用して、前記キャリッジを前記サスペンションフレーム上で完全に上昇した位置に上昇させ、
前記レールクランプがさらに、前記キャリッジの前記基部に枢動可能に取り付けられた、実質的に垂直に位置合わせされた向かい合う一対のクランピングレバーを備え、前記一対のクランピングレバーの最下端部が、対応する向かい合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記一対のクランピングレバーが、前記基部に対して枢動可能であり、それにより、前記一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに前記最下端部をクランプし、
前記レールクランプがさらに、前記アクチュエータが前記引込位置から前記第1の伸張位置に伸張するときに、前記一対のクランピングレバーに作用して、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を移動させて離し、前記レールをクランプ解除するクランピングレバー引込機構を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張して、前記キャリッジを前記完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を、前記少なくとも1つのガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにし、
前記アクチュエータが、前記完全に伸張した位置から前記第1の伸張位置に引っ込んで、前記キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記下端部を下降させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記レールの両側を囲うようにし、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記引込位置に引っ込むときに、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に作用して、前記一対のクランピングレバーの前記上端部を移動させ、それにより前記レールの両側に前記最下端部をクランプする、レールクランプ。
【請求項2】
さらに、前記レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械の一部片に少なくとも第1の端部で取り付け可能な負荷伝達フレームを備え、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部が、前記キャリッジが前記完全に下降した位置にあるときに前記負荷伝達フレームの下に垂下するように、前記取付フレームに対して配設される、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項3】
前記負荷伝達フレームが、長手方向に離隔された少なくとも一対の負荷伝達部材を含み、前記少なくとも一対の負荷伝達部材が、それらの間に、摺動係合状態で、前記キャリッジの前記基部と、前記一対のクランピングレバーの下端部とを挟む、請求項2に記載のレールクランプ。
【請求項4】
前記負荷伝達フレームが、長手方向に延在する負荷伝達壁を含み、前記一対の負荷伝達部材が、前記負荷伝達壁に取り付けられた横方向延在部材である、請求項3に記載のレールクランプ。
【請求項5】
前記負荷伝達壁が、前記負荷伝達フレームの前記第1の端部に取り付けられ、前記負荷伝達フレームの反対側の第2の端部まで延在する、請求項4に記載のレールクランプ。
【請求項6】
前記負荷伝達壁が、前記キャリッジおよび前記一対のクランピングレバーを取り囲むように離隔された、横方向で離隔された一対の壁である、請求項5に記載のレールクランプ。
【請求項7】
前記一対の壁が、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに前記レールに隣接する下縁部をそれぞれ有し、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に隣接する前記一対の側壁の前記下縁部それぞれに切欠きを形成して、前記クランピングレバーを取り付けたときに前記制輪子にアクセスできるようにする、請求項6に記載のレールクランプ。
【請求項8】
さらに、前記切欠きの周りに補強部材を備える、請求項7に記載のレールクランプ。
【請求項9】
前記補強部材が、各前記切欠きの周りに取り付けられた補強アーチである、請求項8に記載のレールクランプ。
【請求項10】
前記負荷伝達壁がIビームであり、各前記補強アーチが、対応する前記Iビームの対応する下側フランジの厚さと実質的に同じ厚さである、請求項9に記載のレールクランプ。
【請求項11】
前記キャリッジの前記基部が、横方向に延在する実質的に平行な細長い一対の基部部材を含み、前記一対の基部部材が、それらの間に前記一対のクランピングレバーの前記下端部を挟む、請求項4に記載のレールクランプ。
【請求項12】
前記一対のクランピングレバーが、前記一対の基部部材に枢動可能に取り付けられる、請求項11に記載のレールクランプ。
【請求項13】
前記一対の基部部材が、一対のコネクタプレートである、請求項12に記載のレールクランプ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記キャリッジに枢動可能に取り付けられた少なくとも一対のパラレログラム式連結機構を含み、これにより、前記少なくとも1つのガイドホイールに対する前記キャリッジの移動を実質的に垂直な軌道に保つ、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項15】
前記ホイール支持体が垂直延在部材を含み、前記一対のパラレログラム式連結機構の上側および下側連結機構が、前記ホイール支持体の前記垂直延在部材の対応する上端部および下端部に枢動可能に取り付けられる、請求項14に記載のレールクランプ。
【請求項16】
前記キャリッジが、サスペンション支持体を含み、前記一対のパラレログラム式連結機構が、前記サスペンション支持体に垂直方向に離隔して取り付けられる、請求項15に記載のレールクランプ。
【請求項17】
さらに、前記レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械の一部片に第1の端部で接続するように適合された負荷伝達フレームを備え、前記キャリッジと前記一対のクランピングレバーとが、前記負荷伝達フレーム内部で実質的に垂直に並進するように取り付けられ、制輪子が前記レールにクランプされるときに、前記一対のクランピングレバーが、前記負荷伝達フレームに実質的に長手方向に加えられる負荷を、前記一対のクランピングレバーに取り付けられた前記制輪子に伝達し、前記負荷が、前記一対のクランピングレバーに対する押圧によって伝達される、請求項16に記載のレールクランプ。
【請求項18】
前記キャリッジが、さらに、前記負荷伝達フレームに対して前記実質的に垂直な並進を案内するために前記負荷伝達フレームと協働するガイド部材を備える、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項19】
前記アクチュエータフレームが、垂直直立部材のケージを含み、前記少なくとも1つのばね用のばねハウジングが前記ケージに取り付けられる、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのばねが単一のばねである、請求項19に記載のレールクランプ。
【請求項21】
前記キャリッジの前記基部が、横方向に延在する一対の基部部材の間に取り付けられた剛性クロス部材を含み、前記一対のクランピングレバーが、前記一対の基部部材に取り付けられて、前記一対の基部部材の間に挟まれ、前記アクチュエータが、前記クロス部材に対して当接する、請求項19に記載のレールクランプ。
【請求項22】
前記アクチュエータが、ピストンハウジングから作動するピストンを含み、前記ピストンが、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に対して当接し、前記ピストンハウジングが楔形であり、前記ピストンハウジングが前記少なくとも1つのばねによって下方向に付勢されて、前記ピストンハウジング内への前記ピストンの引っ込みによって前記ピストンハウジングが前記アクチュエータフレームおよび前記基部に対して下降されると、前記ハウジングが、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に対して当接し、前記上端部どうしを押し離す、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項23】
前記ピストンの作動による前記ピストンハウジングの上昇が、前記少なくとも1つのばねの復帰バイアス力に反するものであり、前記クランピングレバー引込機構が、前記ピストンハウジングが上昇されるときに前記一対のクランピングレバーの前記上端部に付勢する少なくとも1つの弾性部材である、請求項22に記載のレールクランプ。
【請求項24】
前記負荷伝達フレームが、さらに、前記キャリッジを囲う横方向クロス部材を含む、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項25】
前記キャリッジの前記基部が、長手方向に離隔された平行な一対の基部部材を含み、前記横方向クロス部材が、前記一対のクランピングレバーに対して前記一対の基部部材を挟む、請求項24に記載のレールクランプ。
【請求項26】
前記横方向クロス部材が、前記負荷伝達フレームの上部に横方向にわたって延在する支持プレートを含み、前記支持プレートが、それらの間に開口を画定し、前記開口を通して前記キャリッジが取り付けられ、かつ前記開口を通して前記一対のクランピングレバーの前記上端部が突出する、請求項25に記載のレールクランプ。
【請求項27】
前記支持プレートが前記一対のクランピングレバーの前記上端部に隣接するように前記開口の長手方向寸法がサイズ設定される、請求項26に記載のレールクランプ。
【請求項28】
前記一対のクランピングレバーの前記各レバーが、前記レバーの前記上端部の延在部を含み、前記延在部が、前記レバーの前記上端部を前記支持プレートの対応する縁部の近くに隣接させるように長手方向に延在し、このため、対応する前記制輪子の周りでの前記レバーの枢動によって、前記延在部が前記支持プレートに対して当接する、請求項27に記載のレールクランプ。
【請求項29】
アクチュエータ駆動付属機構が前記支持プレートに取り付けられる、請求項28に記載のレールクランプ。
【請求項30】
前記一対のクランピングレバーの前記最下端部が、アパーチャによって前記一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記アパーチャが、各前記アパーチャを通して固定具を受け入れるために前記一対のクランピングレバーそれぞれの最下端部に形成され、対応する前記制輪子を、前記一対のクランピングレバーの各クランピングレバーの対応する前記下端部に対して解放可能に係合する、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項31】
レールクランプであって、
下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジであって、前記下端部に取り付けられた剛性基部と、前記基部から前記上端部に向かって上方向に延在するように前記基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有する、キャリッジと、
前記キャリッジの前記上端部で前記アクチュエータフレーム内に取り付けられた少なくとも1つのばねと、
前記基部と前記少なくとも1つのばねの間に取り付けられ、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である、選択的に作動可能なアクチュエータと、
レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するように前記ホイール支持体に取り付けられた少なくとも1つのガイドホイールと、
少なくとも1つのサスペンションフレームと、
を備え、
前記サスペンションフレームが、第1の端部で、前記キャリッジに枢動可能に取り付けられ、反対側の第2の端部で、前記ホイール支持体に枢動可能に取り付けられ、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、そこに取り付けられた手動アクチュエータによって上昇され、したがって、前記手動アクチュエータに加えられる手動トルクによる手動の作動により、前記少なくとも1つのサスペンションフレームを回転させることによって前記キャリッジを上昇させ、
前記レールクランプがさらに、前記キャリッジの前記基部に枢動可能に取り付けられた、実質的に垂直に位置合わせされた向かい合う一対のクランピングレバーを備え、前記一対のクランピングレバーの最下端部が、対応する向かい合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記一対のクランピングレバーが、前記基部に対して枢動可能であり、それにより、前記一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに前記最下端部をクランプし、
前記レールクランプがさらに、前記アクチュエータが前記引込位置から前記第1の伸張位置に伸張するときに、前記一対のクランピングレバーに作用して、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を移動させて離し、前記レールをクランプ解除するクランピングレバー引込機構を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張して、前記キャリッジを前記完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を、前記少なくとも1つのガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにし、
前記アクチュエータが、前記完全に伸張した位置から前記第1の伸張位置に引っ込んで、前記キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記下端部を下降させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記レールの両側を囲うようにし、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記引込位置に引っ込むときに、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に作用して、前記一対のクランピングレバーの前記上端部を移動させ、それにより前記レールの両側に前記最下端部をクランプする、レールクランプ。
【請求項32】
前記手動アクチュエータが、前記少なくとも1つのサスペンションフレームの少なくとも1つの枢動継手に取り付けられる、請求項31に記載のレールクランプ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのサスペンションフレームが剛性延在部を含み、前記アクチュエータが前記完全に伸張した位置に伸張されたときに、前記剛性延在部が、前記アクチュエータの対応する剛性表面に係合し、それにより、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記アクチュエータと共に上方向に回転され、前記キャリッジを前記アクチュエータと共に上方向に持ち上げる、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項34】
前記一対のパラレログラム式連結機構が剛性延在部を含み、前記アクチュエータが前記完全に伸張した位置に伸張されたときに、前記剛性延在部が、前記アクチュエータの対応する剛性表面と係合し、それにより、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記アクチュエータと共に上方向に回転され、前記キャリッジを前記アクチュエータと共に上方向に担持する、請求項14に記載のレールクランプ。
【請求項1】
レールクランプであって、
下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジであって、前記下端部に取り付けられた剛性基部と、前記基部から前記上端部に向かって上方向に延在するように前記基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有する、キャリッジと、
前記キャリッジの前記上端部で前記アクチュエータフレーム内に取り付けられた少なくとも1つのばねと、
前記基部と前記少なくとも1つのばねの間に取り付けられ、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である、選択的に作動可能なアクチュエータと、
レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するように前記ホイール支持体に取り付けられた少なくとも1つのガイドホイールと、
第1の端部で前記キャリッジに枢動可能に取り付けられ、反対側の第2の端部で前記ホイール支持体に枢動可能に取り付けられた、少なくとも1つのサスペンションフレームと、
を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張するときに、前記サスペンションフレームの前記第1の端部に対して作用して、前記キャリッジを前記サスペンションフレーム上で完全に上昇した位置に上昇させ、
前記レールクランプがさらに、前記キャリッジの前記基部に枢動可能に取り付けられた、実質的に垂直に位置合わせされた向かい合う一対のクランピングレバーを備え、前記一対のクランピングレバーの最下端部が、対応する向かい合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記一対のクランピングレバーが、前記基部に対して枢動可能であり、それにより、前記一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに前記最下端部をクランプし、
前記レールクランプがさらに、前記アクチュエータが前記引込位置から前記第1の伸張位置に伸張するときに、前記一対のクランピングレバーに作用して、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を移動させて離し、前記レールをクランプ解除するクランピングレバー引込機構を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張して、前記キャリッジを前記完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を、前記少なくとも1つのガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにし、
前記アクチュエータが、前記完全に伸張した位置から前記第1の伸張位置に引っ込んで、前記キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記下端部を下降させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記レールの両側を囲うようにし、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記引込位置に引っ込むときに、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に作用して、前記一対のクランピングレバーの前記上端部を移動させ、それにより前記レールの両側に前記最下端部をクランプする、レールクランプ。
【請求項2】
さらに、前記レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械の一部片に少なくとも第1の端部で取り付け可能な負荷伝達フレームを備え、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部が、前記キャリッジが前記完全に下降した位置にあるときに前記負荷伝達フレームの下に垂下するように、前記取付フレームに対して配設される、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項3】
前記負荷伝達フレームが、長手方向に離隔された少なくとも一対の負荷伝達部材を含み、前記少なくとも一対の負荷伝達部材が、それらの間に、摺動係合状態で、前記キャリッジの前記基部と、前記一対のクランピングレバーの下端部とを挟む、請求項2に記載のレールクランプ。
【請求項4】
前記負荷伝達フレームが、長手方向に延在する負荷伝達壁を含み、前記一対の負荷伝達部材が、前記負荷伝達壁に取り付けられた横方向延在部材である、請求項3に記載のレールクランプ。
【請求項5】
前記負荷伝達壁が、前記負荷伝達フレームの前記第1の端部に取り付けられ、前記負荷伝達フレームの反対側の第2の端部まで延在する、請求項4に記載のレールクランプ。
【請求項6】
前記負荷伝達壁が、前記キャリッジおよび前記一対のクランピングレバーを取り囲むように離隔された、横方向で離隔された一対の壁である、請求項5に記載のレールクランプ。
【請求項7】
前記一対の壁が、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに前記レールに隣接する下縁部をそれぞれ有し、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に隣接する前記一対の側壁の前記下縁部それぞれに切欠きを形成して、前記クランピングレバーを取り付けたときに前記制輪子にアクセスできるようにする、請求項6に記載のレールクランプ。
【請求項8】
さらに、前記切欠きの周りに補強部材を備える、請求項7に記載のレールクランプ。
【請求項9】
前記補強部材が、各前記切欠きの周りに取り付けられた補強アーチである、請求項8に記載のレールクランプ。
【請求項10】
前記負荷伝達壁がIビームであり、各前記補強アーチが、対応する前記Iビームの対応する下側フランジの厚さと実質的に同じ厚さである、請求項9に記載のレールクランプ。
【請求項11】
前記キャリッジの前記基部が、横方向に延在する実質的に平行な細長い一対の基部部材を含み、前記一対の基部部材が、それらの間に前記一対のクランピングレバーの前記下端部を挟む、請求項4に記載のレールクランプ。
【請求項12】
前記一対のクランピングレバーが、前記一対の基部部材に枢動可能に取り付けられる、請求項11に記載のレールクランプ。
【請求項13】
前記一対の基部部材が、一対のコネクタプレートである、請求項12に記載のレールクランプ。
【請求項14】
前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記キャリッジに枢動可能に取り付けられた少なくとも一対のパラレログラム式連結機構を含み、これにより、前記少なくとも1つのガイドホイールに対する前記キャリッジの移動を実質的に垂直な軌道に保つ、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項15】
前記ホイール支持体が垂直延在部材を含み、前記一対のパラレログラム式連結機構の上側および下側連結機構が、前記ホイール支持体の前記垂直延在部材の対応する上端部および下端部に枢動可能に取り付けられる、請求項14に記載のレールクランプ。
【請求項16】
前記キャリッジが、サスペンション支持体を含み、前記一対のパラレログラム式連結機構が、前記サスペンション支持体に垂直方向に離隔して取り付けられる、請求項15に記載のレールクランプ。
【請求項17】
さらに、前記レールクランプによる制動補助を必要とするレール取付式機械の一部片に第1の端部で接続するように適合された負荷伝達フレームを備え、前記キャリッジと前記一対のクランピングレバーとが、前記負荷伝達フレーム内部で実質的に垂直に並進するように取り付けられ、制輪子が前記レールにクランプされるときに、前記一対のクランピングレバーが、前記負荷伝達フレームに実質的に長手方向に加えられる負荷を、前記一対のクランピングレバーに取り付けられた前記制輪子に伝達し、前記負荷が、前記一対のクランピングレバーに対する押圧によって伝達される、請求項16に記載のレールクランプ。
【請求項18】
前記キャリッジが、さらに、前記負荷伝達フレームに対して前記実質的に垂直な並進を案内するために前記負荷伝達フレームと協働するガイド部材を備える、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項19】
前記アクチュエータフレームが、垂直直立部材のケージを含み、前記少なくとも1つのばね用のばねハウジングが前記ケージに取り付けられる、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのばねが単一のばねである、請求項19に記載のレールクランプ。
【請求項21】
前記キャリッジの前記基部が、横方向に延在する一対の基部部材の間に取り付けられた剛性クロス部材を含み、前記一対のクランピングレバーが、前記一対の基部部材に取り付けられて、前記一対の基部部材の間に挟まれ、前記アクチュエータが、前記クロス部材に対して当接する、請求項19に記載のレールクランプ。
【請求項22】
前記アクチュエータが、ピストンハウジングから作動するピストンを含み、前記ピストンが、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に対して当接し、前記ピストンハウジングが楔形であり、前記ピストンハウジングが前記少なくとも1つのばねによって下方向に付勢されて、前記ピストンハウジング内への前記ピストンの引っ込みによって前記ピストンハウジングが前記アクチュエータフレームおよび前記基部に対して下降されると、前記ハウジングが、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に対して当接し、前記上端部どうしを押し離す、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項23】
前記ピストンの作動による前記ピストンハウジングの上昇が、前記少なくとも1つのばねの復帰バイアス力に反するものであり、前記クランピングレバー引込機構が、前記ピストンハウジングが上昇されるときに前記一対のクランピングレバーの前記上端部に付勢する少なくとも1つの弾性部材である、請求項22に記載のレールクランプ。
【請求項24】
前記負荷伝達フレームが、さらに、前記キャリッジを囲う横方向クロス部材を含む、請求項17に記載のレールクランプ。
【請求項25】
前記キャリッジの前記基部が、長手方向に離隔された平行な一対の基部部材を含み、前記横方向クロス部材が、前記一対のクランピングレバーに対して前記一対の基部部材を挟む、請求項24に記載のレールクランプ。
【請求項26】
前記横方向クロス部材が、前記負荷伝達フレームの上部に横方向にわたって延在する支持プレートを含み、前記支持プレートが、それらの間に開口を画定し、前記開口を通して前記キャリッジが取り付けられ、かつ前記開口を通して前記一対のクランピングレバーの前記上端部が突出する、請求項25に記載のレールクランプ。
【請求項27】
前記支持プレートが前記一対のクランピングレバーの前記上端部に隣接するように前記開口の長手方向寸法がサイズ設定される、請求項26に記載のレールクランプ。
【請求項28】
前記一対のクランピングレバーの前記各レバーが、前記レバーの前記上端部の延在部を含み、前記延在部が、前記レバーの前記上端部を前記支持プレートの対応する縁部の近くに隣接させるように長手方向に延在し、このため、対応する前記制輪子の周りでの前記レバーの枢動によって、前記延在部が前記支持プレートに対して当接する、請求項27に記載のレールクランプ。
【請求項29】
アクチュエータ駆動付属機構が前記支持プレートに取り付けられる、請求項28に記載のレールクランプ。
【請求項30】
前記一対のクランピングレバーの前記最下端部が、アパーチャによって前記一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記アパーチャが、各前記アパーチャを通して固定具を受け入れるために前記一対のクランピングレバーそれぞれの最下端部に形成され、対応する前記制輪子を、前記一対のクランピングレバーの各クランピングレバーの対応する前記下端部に対して解放可能に係合する、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項31】
レールクランプであって、
下端部と、反対側の上端部とを有するキャリッジであって、前記下端部に取り付けられた剛性基部と、前記基部から前記上端部に向かって上方向に延在するように前記基部に取り付けられたアクチュエータフレームとを有する、キャリッジと、
前記キャリッジの前記上端部で前記アクチュエータフレーム内に取り付けられた少なくとも1つのばねと、
前記基部と前記少なくとも1つのばねの間に取り付けられ、引込位置と、第1の伸張位置と、完全に伸張した位置との間で作動可能である、選択的に作動可能なアクチュエータと、
レールに沿って係合して転動するために、ホイール支持体から垂下するように前記ホイール支持体に取り付けられた少なくとも1つのガイドホイールと、
少なくとも1つのサスペンションフレームと、
を備え、
前記サスペンションフレームが、第1の端部で、前記キャリッジに枢動可能に取り付けられ、反対側の第2の端部で、前記ホイール支持体に枢動可能に取り付けられ、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、そこに取り付けられた手動アクチュエータによって上昇され、したがって、前記手動アクチュエータに加えられる手動トルクによる手動の作動により、前記少なくとも1つのサスペンションフレームを回転させることによって前記キャリッジを上昇させ、
前記レールクランプがさらに、前記キャリッジの前記基部に枢動可能に取り付けられた、実質的に垂直に位置合わせされた向かい合う一対のクランピングレバーを備え、前記一対のクランピングレバーの最下端部が、対応する向かい合う一対の制輪子をそこに取り付けるように適合され、前記一対のクランピングレバーが、前記基部に対して枢動可能であり、それにより、前記一対のクランピングレバーの向かい合う上端部が移動されて離れるときに前記最下端部をクランプし、
前記レールクランプがさらに、前記アクチュエータが前記引込位置から前記第1の伸張位置に伸張するときに、前記一対のクランピングレバーに作用して、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を移動させて離し、前記レールをクランプ解除するクランピングレバー引込機構を備え、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記完全に伸張した位置に伸張して、前記キャリッジを前記完全に上昇した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部を、前記少なくとも1つのガイドホイールの最下端面を含む実質的に水平な平面よりも上に上昇させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記一対のクランピングレバーの前記最下端部に取り付けられた制輪子がレールよりも上に上昇されるようにし、
前記アクチュエータが、前記完全に伸張した位置から前記第1の伸張位置に引っ込んで、前記キャリッジを完全に下降した位置に位置決めするときに、それと同時に、前記一対のクランピングレバーの前記下端部を下降させ、それにより、前記少なくとも1つのガイドホイールが前記レール上にあるときに、前記レールの両側を囲うようにし、
前記アクチュエータが、前記第1の伸張位置から前記引込位置に引っ込むときに、前記一対のクランピングレバーの前記上端部に作用して、前記一対のクランピングレバーの前記上端部を移動させ、それにより前記レールの両側に前記最下端部をクランプする、レールクランプ。
【請求項32】
前記手動アクチュエータが、前記少なくとも1つのサスペンションフレームの少なくとも1つの枢動継手に取り付けられる、請求項31に記載のレールクランプ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのサスペンションフレームが剛性延在部を含み、前記アクチュエータが前記完全に伸張した位置に伸張されたときに、前記剛性延在部が、前記アクチュエータの対応する剛性表面に係合し、それにより、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記アクチュエータと共に上方向に回転され、前記キャリッジを前記アクチュエータと共に上方向に持ち上げる、請求項1に記載のレールクランプ。
【請求項34】
前記一対のパラレログラム式連結機構が剛性延在部を含み、前記アクチュエータが前記完全に伸張した位置に伸張されたときに、前記剛性延在部が、前記アクチュエータの対応する剛性表面と係合し、それにより、前記少なくとも1つのサスペンションフレームが、前記アクチュエータと共に上方向に回転され、前記キャリッジを前記アクチュエータと共に上方向に担持する、請求項14に記載のレールクランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2013−512158(P2013−512158A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540232(P2012−540232)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001737
【国際公開番号】WO2011/063491
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507053655)ヒルマー インダストリーズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001737
【国際公開番号】WO2011/063491
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507053655)ヒルマー インダストリーズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]