説明

垂直方向配向が異なる容器を分離するための装置及び方法

【課題】本発明は、垂直方向配向が異なる容器(11、12)を分離するための、特に製造作業で使用するための装置、及び分離装置を使用して容器を積み重ねるための方法及び装置に関する。
【解決手段】本装置は、容器(11、12)の移動方向と実質的に整合した少なくとも一対の平行なガイド(10)を含む。これらの対をなしたガイド(10)は、容器(11、12)をその間に受け入れるように作動的に位置決めされている。対をなしたガイド(10)間の距離(W)は、容器(11、12)の最大直径又は幅と前記容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製造作業に関し、更に詳細には、製造作業中に容器を分離するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造作業では、製造者が考える二つの重要な目的は、生産ラインの速度及び生産性の向上である。
【0003】
スーパーマーケット、パン屋、パイ屋、及び他の持ち帰り食品店等の場所で取引を行うため、食品と関連して代表的に使用される容器を製造する、多くの製造作業がある。これらの容器は、プラスチック、紙、又は紙積層材料、及びアルミ箔等の様々な材料で形成できる。例えば、アルミニウム製の食品容器又はディッシュは、パイ、肉入りパイ、パスタ、及びラザニア等の食品を保持するのに使用される。代表的には、この目的で使用される容器は、最初は上側が開放しており且つ中空であり、通常は、使用前に互いに積み重ねて組み合わせておくことができる。
【0004】
一つの一般的製造形態では、このような容器の製造は、ダイを使用して容器の形状を形成する打抜プレスにアルミ箔や紙等の材料を供給することにより開始される。他の材料について、他の形成プロセスを使用してもよい。
【0005】
次いで、形成した容器を、プレス又は他の形成プロセスから、容器の形成に使用されるダイ又は工具、プレスの速度、容器の大きさ、重量、形状、及び材料で決まる所定範囲の速度で取り出す。代表的には、容器の取り出し速度は、毎分数十個乃至毎分数百個である。
【0006】
容器を形成してプレス又はプロセスから取り出した後、包装して顧客に搬送するため、所定量を積み重ねる必要がある。
【0007】
容器は、様々な方法でプレスから取り出すことができる。例えば、ダイに収容されたピストン又は押し機構等の機械的手段によって容器を取り出してもよい。別の態様では、圧縮空気の吹き付けを使用して容器を取り出してもよい。最近の設計では、容器は、取り出し機構及び空気の吹き付けの組み合わせを使用して取り出される。
【0008】
使用される取り出し方法に関わらず、多くの場合、取り出された容器は、次いで、コンベア手段を使用して搬送され、積み重ね作業が行われる。このようなコンベアは、移動するベルト又は多数のベルトを使用して動力が提供されるか或いは、動力が提供されず、重力の作用を用いるシュートを含む。その後、人間の作業員が、輸送の準備ができた容器を実際に数えて積み重ねる。計測目盛りや秤を使用して数えてもよい。この方法は全ての種類の容器に用いられるけれども、一般的には、時間がかかるか或いは労働費が高くつくか又はこの両方である。
【0009】
当該技術で積み重ねに使用された別の形態は、包含手段は、震盪テーブルであってもよい。この震盪テーブルは、震盪中、円形又は正方形の小さな容器を互いに入れ子にするのを補助するこの場合、人間の作業員が、部分的に形成されたスタックを集めて数え、各スタックに必要な量の容器を組み合わせる。この場合も、計測目盛りや秤を使用してもよい。これは、全体として、速度及び生産性が人間の作業員の固有の限界に基づく、初歩的な半自動式積み重ねシステムを提供する。
【0010】
震盪テーブルを用いた積み重ね方法は、一般的には、小さな容器での使用に限定される。中型又は大型の容器は、この方法では損傷を被り易く、正しく入れ子にならないか或いは十分迅速に十分に大きなスタックにならない。こうした問題点は、一般的には、この積み重ね態様では対処できない。かくして、比較的大きな容器、及び円形や正方形でない矩形又は他の形状の容器については、労働費が高くならざるを得ない容器の経済的製造のため、他の形態の半自動積み重ね又は自動積み重ねが必要とされる。
【0011】
積み重ね作業の自動化を進めることと関連した一つの問題点は、プレス又は機械から取り出された容器と関連した配向及び方向がランダムであるということである。製造速度、容器の形状及び大きさ、及び使用された取り出し方法に応じて、容器を、第1コンベア、ネット、又は震盪機に、表を上にした状態及び逆さまにした状態の両方で、並びにコンベアに沿った任意の点に、及びコンベアに亘る広い範囲内に置く。更に、容器が円形でない場合には、容器は、コンベア又はシュートに沿った移動方向に対し、様々な方法で方向が揃えられる。生産ラインの速度は、何らかの積み重ね作業が行われる前に、容器の方向を更に均等にすることができれば、向上する。
【0012】
当該技術の現在の態様では、容器を一定の開始位置に所定の向きで案内するため、ガイドを、コンベア手段の上方に、できるだけダイに近付けて位置決めする。場合によっては、ガイドの組み合わせを使用する。取り出される容器の大きさ、形状、及び向きに関して適切な一組のガイドを使用した後、大部分の容器はコンベアに亘って所望の距離に位置決めされる。
【0013】
この場合、容器の順序及び位置が均等であるため、半自動積み重ね手段及び自動積み重ね手段を可能にできる。例えば、当該技術の一つの態様では、容器を容器自体の長さよりも僅かに大きい高さに亘って落下させることができるようにすることによって、容器を水平な状態から垂直な状態まで傾ける、湾曲した金属製シュートを、案内コンベアの後方に配置し、第1コンベアの後、容器の側部又は端部の一方を前に向ける。湾曲した金属製シュートに亘って落下する容器は、第2容器上に落下し、入れ子になった容器のスタックが全ての容器の側部又は端部が所望の向きを向いた状態でここに載る。次いで、代表的には、最後の容器に空気をぷっと吹き付け、形成されたスタックの側方に入れ子を形成するのを補助する。スタックは、次いで、第2コンベアによって、追加の容器を落下させて入れ子にするのに適当な速度で搬送される。これは、代表的には、「ウォーターフォール(waterfall)」スタッカーと呼ばれる。実際の積み重ねプロセスは半自動であるが、それでも、容器が逆さまになっていないか又は正しく配置されていないか注意し、スタックを定期的に調節するのに作業員を必要とする。更に、スタックは、随意の大きさであってもよく、代表的には、包装を行うためにスタックを所望の数の容器に分けるため、人間の作業員が使用される。
【0014】
スタック内の容器を所望の数にするのは、人間が数えることによって行われ、又は別の態様では、高さや重さによって計数される。別の態様では、場合によっては、機械的計数デバイスを使用する。このデバイスは、着色した紙片、プラスチック片、又は金属片を、スタックの所定数の容器の後におく。
【0015】
できるだけ速い時間で更に多くの容器を積み重ねることができるようにするため、多くの場合、多チャンネル工具又はダイ及びこれに続く多チャンネルコンベアを使用する。これにより、二つ又はそれ以上の平行なスタックを同時に形成できる。幾つかの場合では、第1コンベアの直後に位置決めした、分離コンベアとして周知の別のコンベアを使用し、容器間の距離を積み重ね前に大きくする。これにより、スタック上への容器の供給を改善できるとともに、容器間を分離する。
【0016】
当該技術の上述の形態は、それでも、積み重ねプロセスの重要な役割を果たすために人間の作業員を必要とする。これにより、プロセスの生産性及び速度に固有の限度がもたらされる。大量生産プロセスでは、自動積み重ねが好ましい。これは、製造速度が増大し、労働費が占める割合を小さくするためである。
【0017】
自動積み重ね手段の現在の形態では、受け取りコンベアとして周知の単チャンネルの又は、多チャンネルの第1コンベアが打ち抜きプレス等から容器を受け取り、これらの容器をチャンネル内に案内する。次いで、多くの場合、分離コンベアが受け取りコンベアの後に配置されている。これは、速度を制御し、自動積み重ね手段に進入する前に容器間の距離を大きくするためである。
【0018】
各容器は、分離コンベアの端部で、スタッカーへッド内に落下する。スタッカーへッドは、容器及びコンベアの方向に対して平行な、容器よりも僅かに広幅な一対の垂直ガイドと、これらのガイドに対して垂直であり、コンベアの縁部から所定距離のところにあり、容器がコンベアの端部を越えて大きく移動しないようにするストッププレートとを含む。ディッシュは、スタッカーへッドに来入した後、ストッププレートに当たり、積み重ねアッセンブリ上に垂直に落ちる。プロセスを繰り返すに従って、積み重ねアッセンブリ内にスタックが形成される。圧縮空気をぷっと吹き付けることによって、又は他の機械的手段によって、容器の落下を補助してもよい。
【0019】
当該技術の現状の態様では、積み重ねアッセンブリは、代表的には、エレベーター手段及び多くの副次的機構を含む。エレベーターは、スタックの最も下にある容器を捕捉するための水平な表面を含む。更に多くのディッシュがスタック上に落下するに従って、エレベーターは下方に所定距離ぐっと移動し、スタックの最も上がほぼ一定の高さにとどまるようにする。高さが一定であるため、各ディッシュにとって、積み重ね機構に進入して、既に形成されたスタックの上に落下する環境が比較的一定である。代表的には、スタックが引っ繰り返らないようにするため、エレベーター機構のいずれかの側に調節自在の垂直ガイドが更に設けられている。これらのガイドは調節自在であり、これらのガイドとエレベーター機構との組み合わせにより、比較的大きな容器を受け入れることができる。ディッシュがエレベーター内に落下するとき、エレベーターは、所望の数又は高さの容器が得られるまで下降し続ける。代表的には、この時点で副次的捕捉機構が使用され、容器から落下する容器を捕捉し、この際、エレベーターはその移動の下限まで移動し、前のスタックをクリアする。ひとたび副次的機構が係合すると、エレベーターは荷降し位置まで下降する。
【0020】
積み重ねアッセンブリの改良形態が、本願の出願人であるキングフォリ・コンテナーズ・プティ社の「容器を積み重ねるための装置及び方法」という表題の、現在継続中の国際PCT出願第PCT/AU2006/00297号(本明細書中下文において、「現在継続中の出願」という)に記載されている。この出願では、実質的に水平な複数のゲート対が実質的に垂直方向に位置決めされた、容器を積み重ねるための装置が開示されている。前記ゲート対の各々は、前記容器を各ゲート対に載せたり各ゲート対を通過させたりして容器の積み重ねを前記ゲート対の下に送出できるように、作動的に、選択的に閉鎖したり開放したりできる。
【0021】
プレスから放出された容器は、比較的一定の位置に、垂直方向配向で案内されるが、全ての容器が常に同じ側を上にして位置決めされるわけではない。大型の容器については、これは、通常は、大きな問題ではなく、ほとんどの場合、全てがそうではないが、同様に位置決めされる。しかしながら、小型の容器は、非常に高速で、代表的には、チャンネル毎に毎分150個以上の容器が製造される。この速度及び容器の空力学的性質のため、容器は、放出されたとき、幾つかの容器が、コンベアからの放出時に逆様になり、幾つかのものはそうならない。容器が正しく上を向いていない場合には、他の容器に積み重ねることができず、問題点を除くために自動積み重ねプロセスを中断しなければならない。必要とされる速度のため、これは、一般的には実際的でなく、及び従って、エレベーター型自動積み重ね機や、現在継続中の出願に記載された積み重ねアッセンブリの改良形態を使用できない。多くの場合、この効率が低い震盪テーブル構成を使用するか或いは、純粋に手作業による補正を使用する。かくして、任意の種類の積み重ね手段に達する前に、容器のランダムな垂直方向配向を取り扱うための自動的方法が必要とされている。
【特許文献1】PCT/AU2006/00297
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、様々な垂直方向配向の容器を分離し、積み重ねるための、人間の相互作用を実質的に必要としない手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
大部分の容器は、容器頂部の直径がベースと或る程度異なり、代表的には、開放した頂部の直径/幅が、閉鎖した底部よりも大きい。これにより、容器を互いに積み重ねることができる。これは、容器の側部を容器の底部から外方に傾斜させることによって行うことができる。別の態様では、又はこれに加え、幾つかの容器は、容器の頂部周囲にリップ形態を有し、そのため、容器の周囲に突出部分が形成される。本発明は、このような種類の容器に限定される。
【0024】
本発明の第1の特徴によれば、垂直方向配向が異なる容器を分離するための装置において、容器の移動方向と実質的に整合した少なくとも一対の平行なガイドを含み、対をなしたガイドは、容器をその間に受け入れるように作動的に位置決めされており、対をなしたガイド間の距離は、容器の最大直径又は幅と容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくない、装置が提供される。
【0025】
好ましくは、対をなしたガイドは、実質的に水平方向に整合している。
【0026】
本発明の第2の特徴によれば、第1垂直方向配向及び第2垂直方向配向の容器を積み重ねるための装置において、
少なくとも第1積み重ね装置と、
少なくとも第1積み重ね装置の上方に配置されており、容器の移動方向と実質的に整合した少なくとも一対の平行なガイドとを含み、対をなしたガイドは、容器をその間に受け入れるように作動的に位置決めされており、対をなしたガイド間の距離は、第1配向の容器だけが積み重ね装置に進入するように、容器の最大直径又は幅と容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくない、装置が提供される。
【0027】
好ましくは、対をなしたガイドは、実質的に水平方向に整合している。
【0028】
更に好ましくは、第2配向の容器を受け入れるため、第2積み重ね装置が第1積み重ね装置と直列に位置決めされている。
【0029】
本発明の第3の特徴によれば、第1及び第2の配向を持つ容器を積み重ねるための方法において、
少なくとも第1積み重ね装置を提供する工程と、
少なくとも第1積み重ね装置の上方に配置された、容器の移動方向と実質的に整合した、容器を間に受け入れるように作動的に位置決めされた少なくとも一対の平行なガイドを提供する工程とを含み、
対をなしたガイド間の距離は、容器の最大直径又は幅と容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくなく、
容器はガイドに沿って移動でき、これによって、第1配向の容器は、ガイドを通って第1積み重ね装置内に落下し、第2配向の容器は、ガイドを通って落下しない、方法が提供される。
【0030】
好ましくは、第1積み重ね装置と直列に位置決めされた第2積み重ね装置が提供され、第2配向の容器は、第2積み重ね装置内に落下する。これにより、容器の垂直方向配向に応じて、二つの別々の積み重ねを自動的に形成できる。
【0031】
容器の幅は、容器の形状で決まる値であり、全体に円形の容器については、幅は単なる直径である。この他の容器については、幅は、例えば楕円形の容器については、最小幅であってもよい。幅は、勿論、容器の高さに従って変化し、一般的には、最大幅は、容器の開放した口部の幅であり、最小幅は、閉鎖したベースの幅である。一般的には、ガイドは、実際の製品形状と関連して、必要な分離を行うように作用する間隔で離間されている必要がある。
【0032】
本発明により、同じ垂直方向配向の全ての容器を、逆の垂直方向配向の容器から自動的に分離できる。これは、一方の配向の容器をガイド上に載せることができ、又はガイド間に置くことができるが、他方の配向の容器をガイドを通して落下させるように、一対のガイドを特定の幅に設定することによって行われる。
【0033】
更に、本発明により、容器を引っ繰り返して同じ配向にする人間の相互作用を実質的に必要とせずに各配向の容器を積み重ねることができる。ガイドが積み重ね装置の上方に位置決めされている場合には、一方の配向の容器だけが第1積み重ね装置内に落下する。逆の配向の容器は、ガイドに載り、運動量又は空気噴流又は他の手段によって提供される機械的な力のいずれかによって、第1積み重ね装置を越えて移動される。
【0034】
本発明は、配向が誤った容器を物理的に監視し、次いでこれらの容器を引っ繰り返すための人間のオペレータを必要としないことによって問題点を解決する。こうした作業は、効率的な作動に必要な速度にとって実際的ではない。本発明は、コンベアシステムを出る前に容器を同じ配向にすることを必要としない。従って、本発明は、様々な垂直方向配向の容器を積み重ねるための自動的な手段を提供する。
【0035】
本発明のこの他の特徴は、添付図面と関連した好ましい実施例の以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明を更に完全に理解するため、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。本発明の装置及び方法のこの他の随意の特徴及び好ましい特徴及び利点は、好ましい実施例の以下の説明から明らかになるであろう。しかしながら、本明細書中以下に説明した実施例は、本発明の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【0037】
図1A及び図1Bは、正しく上を向いた容器11及び逆様の容器12の両方に対するガイド10の端面図である。これらのガイド10は、ガイド間の幅Wが、容器11、12のベース13の幅よりも大きいが、容器11、12の頂部14の幅よりも小さいように設定されるように位置決めされる。
【0038】
図1Cは、容器を分離するための使用時のガイド10の斜視図である。容器は、端部15からガイド10に入る。逆様の容器12は、ガイド10の幅Wが容器のベース13の幅よりも大きいため、ガイド10によって捕捉されず、及びかくしてガイドを通って落下する。正しく上を向いた容器11は、ガイドの幅Wが容器の頂部14の幅よりも小さいため、ガイド10によって捕捉され、及びかくしてガイド10を通って落下せず、その代わり、ガイド10内に又はガイド10の上に載る。
【0039】
ガイド10は、多くの様々な形体をとってもよい。一実施例では、ガイド10は、所定長さのワイヤであってもよい。別の実施例では、ガイド10は適当な断面の所定長さの金属又はプラスチックであってもよい。ガイド10は、必要な分離を行う機能を備えている必要があり、これを行うことができる任意の物理的形態を備えている。
【0040】
図2は、本発明の一実施例の斜視図を示す。この実施例のガイド10は、金属又は他の材料で形成された矩形の長さであり、積み重ね装置16に取り付けられている。図示の積み重ね装置16は、現在継続中の出願に開示された装置の別態様であり、他の形態の積み重ね装置を使用してもよい。この実施例では、二つの積み重ね装置16、17を直列をなして使用する。これにより、逆様の容器12を第1積み重ね装置16に落下させることができると同時に、正しく上を向いた容器は、ガイド10に沿って更に移動し、第2積み重ね装置17に落下する。図2は、単チャンネル積み重ね装置16を示すが、多くのチャンネルを同様に使用してもよい。図2は、互いに一直線上に配置した第1及び第2の積み重ね装置16、17を示すが、第1及び第2の積み重ね装置は、ガイドを使用して逆様の容器を正しく上を向いた容器から分離する機能が維持されるのであれば、互いにずらして配置されていてもよい。以下に説明するように、第1及び第2の積み重ね装置をずらして配置する上で、利点がある。
【0041】
図3及び図4は、二つの2チャンネル積み重ね装置18、19を直列で使用する、本発明の一実施例を示す。生産ラインは、容器の形状を形成する打抜プレス(図示せず)で開始する。本発明は、アルミニウム箔、様々な配合のプラスチック、紙、又は紙積層材料を含むがこれらに限定されない様々な材料で形成した容器を積み重ねるのに使用できる。打抜プレスは、容器を形成するための任意の適当な装置であってもよく、このようなプレスの正確な特徴及び種類は、容器を形成する材料で決まる。プレス自体は、本発明の部分を形成せず、そのため、詳細には説明しない。関連した製造プロセスに応じて、プレスの代わりに、例えばプラスチック容器用の射出成形機を使用してもよいということは理解されよう。
【0042】
容器は、プレスから入力コンベア14上に放出される。入力コンベア14は、理想的には、容器を入力コンベア14の幅に亘って一定の位置に整合し且つ配向するため、ガイドがコンベアの上方に配置されている。多チャンネル積み重ね装置即ちスタッカーを使用する場合には、理想的には、スタッカー装置19及び21の各チャンネル内への入力の準備ができた多数の整合した容器を製造するため、多数のガイド組が設けられていなければならない。
【0043】
図3及び図4に示す実施例では、分離コンベアと呼ぶ第2コンベア23が設けられる。分離コンベア23は、入力コンベア14よりも速い速度で作動する。速度の上昇を使用して容器間の距離を増大し、これによって、接触した即ち群をなした容器を、スタッカー19、21への入力前に分離する。
【0044】
容器が第2コンベア23の端部に達したとき、これらの容器は、次いで、ガイド10に達する。ガイド10の高さは、容器の幅及び高さで決まるが、容器の両配向を、(逆様の容器が、実際には、ガイド10によって捕捉されない場合でも)ガイド10に理論的に入れることができるように作動的に位置決めされなければならない。例えば、ガイド10がコンベア23の上方に高すぎる位置に位置決めされた場合には、全ての容器がガイド10の下に落下し、分離がなされない。別の態様では、ガイドが低過ぎる場合には、全ての容器がガイド10に捕捉され、及びかくして分離がなされない。
【0045】
容器がガイド10に進入したとき、逆様の容器は、ガイド10を通って積み重ね装置19又は21内に落下する。次いで、これらの容器を、使用されるスタッカーの種類で決まる方法で積み重ねる。好ましくは、使用されるスタッカーは、現在継続中の出願に開示されており且つ図2に示すスタッカーを使用する。
【0046】
正しく上を向いた容器は、ガイド10によって捕捉される。代表的には、容器には、コンベア出口からガイド10の端部に達し、及びかくして第2スタッカー18又は22に落下するのに十分な運動量がある。しかしながら、正しく上を向いた容器をガイド10の端部に押し、及びかくして積み重ね装置18又は22内に押すため、必要であれば、空気の一定の流れ又はぷっと吹き付ける空気があってもよい。この他の機械的補助を使用してもよい。
【0047】
容器は、積み重ね装置16を使用することによって積み重ねに形成される。使用されるスタッカーの種類によっては、積み重ねをスタッカーからうまく取り出し、これらの積み重ねを包装及び輸送のために搬送するため、タイミングを変化させる必要がある。これは、一つ以上の積み重ねが直列に形成されるためである。かくして、出口手段によっては、一つの積み重ね及び従ってスタッカーを一度取り外す必要がある。例えば、図2において、積み重ねを迅速に搬送するため、積み重ね装置の下にコンベアが位置決めされている場合には、第1の積み重ねがスタッカー17の下を移動されているとき、スタッカー17から第2の積み重ねを取り出すことはできない。この問題点は、多チャンネルで作動する場合に悪化する。現在継続中の出願におけるのと同様に、多数のスタッカー及び従って積み重ねが、並列に並びに直列に設けられていてもよい。容器を打ち抜くダイが多キャビティである場合には、一般的には、一つのチャンネルが設けられ、及び従って一組のスタッカーへッドが設けられる。
【0048】
この状況を改善するのに様々な実施例を使用できる。こうした実施例には、様々な方向に向いた出口コンベアを使用する実施例、又は各スタッカーのタイミングを自動的に又は手動で調節する実施例が含まれる。
【0049】
上文中に言及した積み重ね構成の別の実施例では、ガイド10は、一つの配向のディッシュ用の積み重ね装置を、別の配向のディッシュ用の他の積み重ね装置の側方にずらして配置できるように位置決めされていてもよい。この構成では、各装置が形成した夫々の積み重ねを互いに平行に出すことができ、かくして一方の積み重ねを別の積み重ねの下に通す必要を解決する。
【0050】
好ましい実施例では、使用されるスタッカーは、現在継続中の出願に開示されたスタッカーである。このスタッカーの形成、使用、及び好ましい実施例は、この現在継続中の出願に記載されている。このスタッカーを使用し、最も下のゲート上に所望の数の容器即ち比較的小さな積み重ねが積み重ねられるまで、最も下のゲートを必要な期間に亘って閉鎖することによって、所望の高さの積み重ねを形成できる。別の態様では、積み重ねがスタッカーを出た後、所望の高さの積み重ねが、その下のコンベア又はプラットホーム上に形成される。
【0051】
本発明の好ましい形態におけるのと同様に、一つ以上のスタッカーが直列に設けられている場合には、最も下のゲート上又はその下のコンベア上のいずれかに積み重ねを形成できる性能は、コンベアがスタッカーの下を容器の最初の移動方向と平行に走行している場合には、第1スタッカー以外では不可能である。これは、直列のスタッカーのうちの第1スタッカーから取り出した積み重ねを、次の任意のスタッカーの下に通す必要があるためである。このように、コンベア上にある任意の期間中、又は形成された積み重ねの経路内に障害がないのが好ましい。
【0052】
この状況では、一方の積み重ねを他方の積み重ねの下に通すことなく、積み重ねを出すことができるように積み重ねをずらすことができない場合には、積み重ねは、好ましくは、ゲート上に所望の高さで形成される。この高さは、第1スタッカーからの任意の積み重ねをその下に通すことができるのに十分に高い。この中間ゲートの上で任意の一つの積み重ねが完成したとき、及びその下を通過する積み重ねが他にない場合には、積み重ねをゲートから下のコンベア上に落下する。次いで、直列をなした次のスタッカーの下を、このスタッカーを通して移動することによって運び去ることができる。これにより、任意の一つの積み重ねが別の積み重ねと干渉する可能性をなくし、更に、積み重ねを通すのに必要な不要な遅延をなくす。
【0053】
本発明は、その最も広い形態において、単一のスタッカーを使用して実施してもよいと考えられる。この場合、正しく整合していない容器を、容器を再配向するための何らかの構成に逸らした後、同じスタッカーに再度供給するか或いは、別の態様では、配向を定期的に正し、手作業で再配置する。しかしながら、これは、好ましい形態におけるように生産性を向上する上で有利でなく、うまく制御するのが困難である。
【0054】
本発明を特定の実施例を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を行うことができるということは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1A及び図1Bは、本発明による装置の一実施例の端面図であり、図1Cは、本発明による装置の一実施例の斜視図である。
【図2】図2は、本発明による装置の一実施例の斜視図である。
【図3】図3は、本発明による装置の一実施例の平面図である。
【図4】図4は、図3の実施例の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 ガイド
11 正しく上を向いた容器
12 逆様の容器
13 ベース
14 頂部
15 端部
16、17 積み重ね装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向配向が異なる容器を分離するための装置において、
前記容器の移動方向と実質的に整合した少なくとも一対の平行なガイドを含み、
前記対をなしたガイドは、前記容器をその間に受け入れるように作動的に位置決めされており、
前記対をなしたガイド間の距離は、前記容器の最大直径又は幅と前記容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくない、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記対をなしたガイドは、実質的に水平方向に整合している、装置。
【請求項3】
第1垂直方向配向及び第2垂直方向配向の容器を積み重ねるための装置において、
少なくとも第1積み重ね装置と、
前記少なくとも第1積み重ね装置の上方に配置されており、前記容器の移動方向と実質的に整合した少なくとも一対の平行なガイドとを含み、
前記対をなしたガイドは、前記容器をその間に受け入れるように作動的に位置決めされており、
前記対をなしたガイド間の距離は、第1配向の容器だけが前記積み重ね装置に進入するように、前記容器の最大直径又は幅と前記容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくない、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記対をなしたガイドは、実質的に水平方向に整合している、装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の装置において、更に、
第2配向の容器を受け入れるため、前記第1積み重ね装置と直列に位置決めされた第2積み重ね装置を含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記第2積み重ね装置は、前記第1積み重ね装置とずらして位置決めされている、装置。
【請求項7】
第1及び第2の配向を持つ容器を積み重ねるための方法において、
少なくとも第1積み重ね装置を提供する工程と、
前記少なくとも第1積み重ね装置の上方に配置された、前記容器の移動方向と実質的に整合した、前記容器を間に受け入れるように作動的に位置決めされた少なくとも一対の平行なガイドを提供する工程とを含み、
前記対をなしたガイド間の距離は、前記容器の最大直径又は幅と前記容器の最小直径又は幅との間であるが、これらと等しくなく、
前記容器は前記ガイドに沿って移動でき、これによって、前記第1配向の前記容器は、前記ガイドを通って前記第1積み重ね装置内に落下し、前記第2配向の前記容器は、前記ガイドを通って落下しない、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、更に、
前記第1積み重ね装置と直列に位置決めされた第2積み重ね装置を提供する工程を含み、
前記第2配向の前記容器は、前記第2積み重ね装置内に落下する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−532889(P2008−532889A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502189(P2008−502189)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000384
【国際公開番号】WO2006/099673
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507300847)コンフォイル プロプライエタリー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】