説明

型摩耗予測装置及び生産管理システム

【課題】成形型の摩耗状態を正確に予測することができる型摩耗予測装置及び生産管理システムを得ること。
【解決手段】成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測し、その予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する。そして、型摩耗後形状に基づいて成形型で製造されるワークのワーク品質を予測し、その予測したワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測する。これにより、型摩耗形状とワーク品質の推移を予測することができ、ワーク品質を阻害する原因となる成形型の交換時期を決定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型摩耗予測装置及び生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、金型の摩耗量を予測し、その予測した摩耗量から金型の寿命を予測する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−321032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金型の摩耗に応じて型の形状も変化し、キャビティの体積も増えるので、実際には、ワークを製造したときに材料が行き届かない欠肉部分がワークに発生し、その欠肉部分によって品質が規格外と判断されて金型の交換が行われていた。
【0005】
すなわち、型の摩耗によってワークの寸法や形状に影響を及ぼし、摩耗量から予測した寿命に達する前であっても、ワークの品質が規格外と判断される場合があり、摩耗量から予測した金型寿命と実際に金型を交換するタイミングとは、必ずしも一致するものではなかった。
【0006】
そして、従来は、生産計画は発行されているが、型在庫のための計算や品質傾向との関係に使用できていなかったため、型打ちしてできたワークの品質計測による良品判定、及び経験に基づいた型交換が実施されていた。
【0007】
このように、従来は、事前に定量的な予測がされていない経験に基づく生産管理システムであったので、大量の型在庫やワーク在庫を抱えており、経営キャッシュフローを悪化させていた。例えば、急な型交換に対応するために過剰な型在庫を行っており、型摩耗による品質不良に対して後工程供給を遅らせないためのワークの過剰在庫が問題となっていた。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形型の摩耗状態を正確に予測することができる型摩耗予測装置及び生産管理システムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の型摩耗予測装置は、成形型の摩耗状態を予測する型摩耗予測装置であって、前記成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測する型摩耗量予測手段と、該型摩耗量予測手段により予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する形状予測手段とを有することを特徴としている。
【0010】
本発明の型摩耗予測装置によれば、型摩耗量に基づいて型摩耗後形状を予測するので、該型摩耗後形状に基づいてワーク品質を予測することができ、ワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測することができる。したがって、例えば、ロット毎の型摩耗形状とワーク品質の推移を予測でき、ワーク品質を阻害する原因となる成形型の交換時期を決定することができる。
【0011】
形状予測手段は、前記成形型の表面及び内部に複数の節点を設定し、該設定された複数の節点のうち、前記成形型の表面に設定されている表面節点を通過する法線を算出し、該法線に沿って前記表面節点の位置を該表面節点における型摩耗量だけ摩耗方向に移動させ、該移動後の表面接点の位置に基づいて前記型摩耗後形状を予測する構成とすることが好ましく、これにより、型摩耗後形状を正確に予測することができる。
【0012】
形状予測手段は、前記表面節点を移動させた後に、全節点の少なくとも一部に重複が発生しているときは全節点の再設定を行う構成とすることが好ましい。節点同士の重複部分が発生すると、表面節点を移動させる計算を続行させることができなくなるが、本発明では、節点同士の重複部分が発生した場合に、互いに所定距離だけ離間した位置に全節点が再配置されるので、表面節点を移動させる計算を続行させることが可能となる。したがって、型摩耗量に基づいて型摩耗後形状を正確に予測することができる。
【0013】
型摩耗量予測手段は、予め設定されたロット毎の型摩耗量を予測し、形状予測手段は、型摩耗量に基づいて各ロットの型摩耗後形状を予測する構成とすることが好ましい。したがって、ロット毎の型摩耗形状とワーク品質の推移を予測することができ、ワーク品質を阻害する原因となる成形型の交換時期を決定することができる。
【0014】
また、本発明の型摩耗予測装置は、形状予測手段により予測された型摩耗後形状に基づいて成形型で製造されるワークのワーク品質を予測するワーク品質予測手段を有する構成とすることが好ましい。そして、ワーク品質予測手段により予測したワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測する交換時期予測手段を有することが好ましい。また、交換時期予測手段により予測した成形型の交換時期に基づいて成形型を交換する日程の計画を作成する日程計画作成手段を有することが好ましい。そして、日程計画作成手段により作成された日程計画の情報を、型製作者用端末に送信する日程計画情報送信手段を有することが好ましい。
【0015】
本発明の生産管理システムは、成形型の交換時期を管理する生産管理システムであって、前記成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測する型摩耗量予測手段と、該型摩耗量予測手段により予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する形状予測手段と、該形状予測手段により予測された型摩耗後形状に基づいて前記成形型で製造されるワークのワーク品質を予測するワーク品質予測手段と、該ワーク品質予測手段により予測したワーク品質に基づいて前記成形型の交換時期を予測する交換時期予測手段と、該交換時期予測手段により予測した成形型の交換時期に基づいて前記成形型を交換する日程の計画を作成する日程計画作成手段と、該日程計画作成手段により作成された日程計画の情報を、前記型製作者用端末に送信する日程計画情報送信手段を有することを特徴としている。
【0016】
本発明の生産管理システムによれば、生産計画に基づいて成形型を交換する日程の計画を作成し、その日程計画の情報を型製作者用端末に送信するので、型製作者は、日程計画の情報に基づいて、対応する成形型を期日に合わせて作成し、納品することができる。したがって、成形型のユーザは、型製作者から適切なタイミングで成形型の納品を受けることができ、成形型の過剰な在庫を減らすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の型摩耗予測装置によれば、型摩耗量に基づいて型摩耗後形状を予測するので、該型摩耗後形状に基づいてワーク品質を予測することができ、ワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測することができる。したがって、例えば、ロット毎の型摩耗形状とワーク品質の推移を予測でき、ワーク品質を阻害する原因となる成形型の交換時期を決定することができる。
【0018】
そして、本発明の生産管理システムによれば、生産計画に基づいて成形型を交換する日程の計画を作成し、その日程計画の情報を型製作者用端末に送信するので、型製作者は、日程計画の情報に基づいて、対応する成形型を期日に合わせて作成し、納品することができる。したがって、成形型のユーザは、型製作者から適切なタイミングで成形型の納品を受けることができ、成形型の過剰な在庫を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態における型摩耗予測装置及び生産管理システムにおける処理の内容を説明するフローチャート。
【図2】型交換が必要であるか否かを判断する方法について説明する図。
【図3】成形型の一部を拡大して断面で示す図。
【図4】節点設定方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における型摩耗予測装置及び生産管理システムにおける処理の内容を説明するフローチャートである。
【0021】
摩耗予測装置及びそれを用いた生産管理システムは、ソフトウエアによる情報処理がハードウエアを用いて実行されることによって構成され、図1に示すように、ステップ1からステップ5の各工程からなる処理が行われる。ステップ1からステップ4までは、成形型を使用するユーザの情報処理装置で行われ、ステップ5は、成形型を製作する型製作者の情報処理装置(型製作者用端末)で行われる。情報処理装置は、例えば、コンピュータ端末等のハードウエアによって構成されている。
【0022】
ステップ1(STEP1)では、成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測する型摩耗量予測処理が行われる(型摩耗量予測手段)。そして、ステップ2(STEP2)では、ステップ1で予測された型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する型摩耗後形状予測処理が行われる(形状予測手段)。ステップ3(STEP3)では、ステップ2の型摩耗後形状予測処理により予測された型摩耗後形状に基づいて成形型により製造されるワークの品質を予測するワーク品質予測処理が行われる(ワーク品質予測手段)。
【0023】
ステップ4(STEP4)では、ステップ3で予測されたワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測する交換時期予測処理と、該処理により予測された成形型の交換時期に基づいて成形型を交換する日程の計画を作成する日程計画作成処理が行われる(日程計画作成手段)。そして、ステップ5(STEP5)では、ステップ4で作成された日程計画に基づいて成形型を製造して納品する製造納品計画を作成する処理が行われる。なお、型摩耗予測装置では、ステップ1からステップ3までの処理が行われ、生産管理システムでは、ステップ1からステップ5までの処理が行われる。
【0024】
次に、各ステップにおける具体的な処理内容について説明する。
ステップ1では、成形型の使用条件を含む生産計画の情報の入力が行われる。そして、型摩耗量予測処理により、成形型の型摩耗量が予測され、その予測した型摩耗量から製品型の型摩耗量分布データ(絶対値)が求められる。
【0025】
成形型の型摩耗量を予測する方法は、種々の方法を用いることができ、例えば、本実施の形態では、既に公知となっている特開2002−321032号公報に記載された方法を用いて予測している。この公知の方法は、成形型の使用条件に基づいて、成形型に対する攻撃的要素である金属的負荷と、成形型に対する強度劣化要素である熱的劣化強度との関数である摩耗量算出式を演算して型摩耗量を算出している。
【0026】
型摩耗量予測処理では、予め設定されたロット毎の型摩耗量が算出される。本実施の形態では、1ロット(例えば1500ショット)毎に算出される。型摩耗量は、成形型の摩耗深さをとった。成形型は、例えば上型や下型等、複数の型から構成されており、各型についてそれぞれ型摩耗量分布データが求められる。
【0027】
ステップ2では、ステップ1で予測した型摩耗量を型摩耗形状に転写して、型摩耗形状分布の型モデルを作成する。この型摩耗形状分布の型モデルは、3次元の型モデルであり、ロット毎に作成される。各ロットの型モデルは、型摩耗量を用いて予測された型摩耗後形状となる。なお、型摩耗後形状を予測する処理については、後述する。
【0028】
ステップ3では、型摩耗形状分布の型モデルを用いて成形解析を行い、型摩耗時のワーク品質データを算出する。具体的には、各型の型モデルを組み付けて成形した場合のワークの形状を求める。ワーク品質データ(ワーク形状)は、ロット毎に求められる。
【0029】
ステップ4では、型摩耗時のワーク品質データに基づいて型交換が必要であるか否かが判断される。具体的には、各ロットのワーク品質データと予め設定された閾値との比較が行われ、各ロットの中で最も早くワーク品質データが閾値を下回る最先のロットが決定される。そして、その最先のロットの情報を用いて生産計画を参照することにより、成形型の交換時期である型交換日が決定される。型交換日は、上型や下型などの型別に決定され、型別の型交換日の日程計画が作成される。
【0030】
図2は、ワーク品質データに基づいて型交換が必要であるか否かを判断する方法について説明する図である。成形型は、下型11〜13と上型21からなり、下型11〜13に対して上型21を接近させて、ワークWを下型11〜13と上型21との間でプレスすることによって所望の形状に成形する。
【0031】
図2(a)に示すように、型摩耗なしの状態(型新品時)では、上側21を予め設定された位置まで下方に移動させることによって、ワークWの寸法が規格内となるワーク品質のワークW(良品)を成形することができる。
【0032】
一方、図2(b)に示すように、例えば下型13のエッジ部が1000ショット後に型摩耗した、型摩耗ありの状態では、上型21を予め設定された位置まで下方に移動させた場合に、下型13の摩耗により、その摩耗分だけ、より多くの材料が取られてしまう。
【0033】
したがって、ワークWに欠肉部分xが発生し、ワークWの寸法が規格を満たさないワーク品質となり(不良品)、下型13を交換しなくてはならないと判断できる。下型11、12の型摩耗時におけるワーク品質への影響も同時に予測することで、交換が必要なショット数を判断できる。
【0034】
ステップ5では、型別の型交換日の日程計画に基づいて、成形型を製造する製造計画が作成される。型交換日の日程計画の情報は、ユーザの情報処理端末から型製作者用の情報処理端末に送信される(日程計画情報送信手段)。型製作者用の情報処理端末では、日程計画の情報に基づいて、製品型の納入日を決定し、その納入日から逆算して成形型を製造する計画を作成する。
【0035】
なお、本実施の形態では、型製作者用の情報処理端末で製造計画を作成する処理が行われる場合を例に説明したが、この例に限定されるものではなく、例えば、型交換日の日程計画の情報を電子メール等で型製作者用の情報処理端末に送信し、その送信された日程計画情報に基づいて、型製作者が成形型を製造する計画を作成してもよい。
【0036】
次に、ステップ2の型摩耗後形状を予測する処理について詳細に説明する。
型摩耗後形状の予測処理では、成形型の表面及び内部に複数の節点を設定し、その設定された複数の節点のうち、成形型の表面に設定されている表面節点を通過する法線を算出し、その法線に沿って表面節点の位置を表面節点における型摩耗量だけ摩耗方向に移動させ、その移動後の表面接点の位置に基づいて型摩耗後形状を予測する処理がなされる。
【0037】
図3は、成形型の型表面に形成されたエッジ部分を拡大して断面で示す図である。
エッジ31は、図3に示すように、ワーク材料の移動方向(図中で太矢印A)に対向する対向面32と、ワーク材料の移動方向に沿って延在する縦壁面33との境界部分に形成されている。摩耗前の成形型(新品)の型表面s0には、互いに所定間隔をおいて表面節点pが設定される。そして、各表面節点pを通過する各法線nが算出され、各法線nに沿って各表面節点pにおける1ロット分の型摩耗量だけ摩耗方向に移動される。
【0038】
そして、その移動された各表面節点p’をつなぎ合わせた形状が、1ロット後の型表面s1の型摩耗後形状であると予測される。そして、型表面s1の各表面節点p’が各法線nに沿って型摩耗量だけ摩耗方向に移動され、2ロット後の型表面S2の型摩耗後形状が予測される。そして、同様に、型表面s2の各表面節点p”が各法線nに沿って型摩耗量だけ摩耗方向に移動され、3ロット後の型表面s3の型摩耗後形状が予測される。このように、節点の移動がロッド別に段階的に実施される。
【0039】
摩耗前(新品)の状態では、複数の表面節点pは、型表面S0に互いに所定間隔をおいて設定されているが、ロット数が増えるに応じて、エッジ部分の中央に位置する複数の表面節点pは、漸次間隔が密になり、エッジ部分の側方に位置する複数の表面節点pは、漸次間隔が粗になる。
【0040】
そして、表面節点pを移動させることによって、全節点の少なくとも一部に重複が発生したときは全節点の再設定する処理がなされる。
【0041】
図4は、節点設定方法を説明する図である。例えば、図4(a)に示すように、型摩耗前の成形型のエッジ部分41に対してメッシュMが設定され、そのメッシュMに基づき、複数の表面節点p及び内部節点qがそれぞれ設定される。
【0042】
そして、図4(b)に示すように、各表面節点pを1ロット分の型摩耗量だけ摩耗方向に移動させる。このような表面節点pの移動により、エッジ部分41の中央領域に設定されている複数の表面節点pは漸次間隔が密になり(図3を参照)、また、表面節点pが内部節点qに接近することから、表面節点pと他の表面節点p、あるいは、表面節点pと内部節点qなどの節点同士が互いに重なり合う重複部分(例えば、図4でY部分)が発生する。節点同士の重複部分が発生すると、表面節点pを移動させる計算を続行することが不可能となる。
【0043】
そこで、本実施の形態では、重複部分の発生を検出したときは、図4(c)に示すように、再度メッシュMを切り直して、全節点p、qの再設定が行われる。この再設定により、各節点は、互いに所定距離だけ離間した位置に再配置され、表面節点pの移動が可能となる。このように、型摩耗量に応じて表面節点pを強制移動させたときの内部節点qの釣り合い位置を求めて、テトラ要素のキャコビアンが負にならないような内部節点移動法が、本発明の節点設定方法で用いられている(連立一次方程式のルーチン確立)。
【0044】
本発明の型摩耗予測装置によれば、成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測し、その予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測するので、その予測した型摩耗後形状に基づいてワーク品質を予測することができ、ワーク品質に基づいて成形型の交換時期を予測することができる。したがって、例えば、ロット毎の型摩耗形状とワーク品質の推移を予測でき、ワーク品質を阻害する原因となる成形型の交換時期を決定することができる。
【0045】
そして、本発明の生産管理システムによれば、生産計画に基づいて成形型を交換する日程の計画を作成し、その日程計画の情報を型製作者の情報処理装置に送信するので、型製作者は、日程計画の情報に基づいて、対応する成形型を期日に合わせて作成し、納品することができる。したがって、成形型のユーザは、型製作者から適切なタイミング(ジャストインタイム)で成形型の納品を受けることができ、成形型の過剰な在庫を減らすことができる。
【0046】
したがって、例えば月初めに提示される生産計画に基づいて、生産ロット数が設定されると、1ロット(例えば1500ショット)時の型摩耗形状を予測することで、ワーク品質、及び品質に悪影響を及ぼす摩耗が発生している型を確認することができる。これを生産計画が提示されている1ヶ月分実施することで、日にちレベルでワーク品質傾向と型摩耗が確認可能となり、型交換の判断が可能になる。
【0047】
したがって、従来は、急な型交換に対応するために過剰な型在庫を行っており、型摩耗による品質不良に対して後工程供給を遅らせないためにワークの過剰在庫が問題となっていたが、これらの問題を全て解決することができる。
【符号の説明】
【0048】
11、12、13 下型
21 上型
31 エッジ
32 対向面
33 縦壁面
n 法線
p 表面節点
q 内部節点
s0、s1、s2 型表面
x 欠肉部分
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型の摩耗状態を予測する型摩耗予測装置であって、
前記成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測する型摩耗量予測手段と、
該型摩耗量予測手段により予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する形状予測手段と、
を有することを特徴とする型摩耗予測装置。
【請求項2】
前記形状予測手段は、
前記成形型の表面及び内部に複数の節点を設定し、
該設定された複数の節点のうち、前記成形型の表面に設定されている表面節点を通過する法線を算出し、
該法線に沿って前記表面節点の位置を該表面節点における型摩耗量だけ摩耗方向に移動させ、
該移動後の表面接点の位置に基づいて型摩耗後形状を予測することを特徴とする請求項1に記載の型摩耗予測装置。
【請求項3】
前記形状予測手段は、
前記表面節点を移動させた後に、全節点の少なくとも一部に重複が発生しているときは全節点の再設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の型摩耗予測装置。
【請求項4】
前記型摩耗量予測手段は、予め設定されたロット毎の型摩耗量を予測し、
前記形状予測手段は、前記型摩耗量に基づいて各ロットの型摩耗後形状を予測することを特徴とする請求項3に記載の型摩耗予測装置。
【請求項5】
前記形状予測手段により予測された型摩耗後形状に基づいて前記成形型で製造されるワークのワーク品質を予測するワーク品質予測手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の型摩耗予測装置。
【請求項6】
前記ワーク品質予測手段により予測したワーク品質に基づいて前記成形型の交換時期を予測する交換時期予測手段を有することを特徴とする請求項5に記載の型摩耗予測装置。
【請求項7】
前記交換時期予測手段により予測した成形型の交換時期に基づいて前記成形型を交換する日程の計画を作成する日程計画作成手段を有することを特徴とする請求項6に記載の型摩耗予測装置。
【請求項8】
前記日程計画作成手段により作成された日程計画の情報を、型製作者用端末に送信する日程計画情報送信手段を有することを特徴とする請求項7に記載の型摩耗予測装置。
【請求項9】
成形型の交換時期を管理する生産管理システムであって、
前記成形型の使用条件に基づいて型摩耗量を予測する型摩耗量予測手段と、
該型摩耗量予測手段により予測した型摩耗量を用いて型摩耗後形状を予測する形状予測手段と、
該形状予測手段により予測された型摩耗後形状に基づいて前記成形型で製造されるワークのワーク品質を予測するワーク品質予測手段と、
該ワーク品質予測手段により予測したワーク品質に基づいて前記成形型の交換時期を予測する交換時期予測手段と、
該交換時期予測手段により予測した成形型の交換時期に基づいて前記成形型を交換する日程の計画を作成する日程計画作成手段と、
該日程計画作成手段により作成された日程計画の情報を、型製作者用端末に送信する日程計画情報送信手段を有することを特徴とする生産管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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