埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理システム
方法、システム、グラフィカルユーザーインターフェース、及び装置は、埋め込み型医療装置を用いて、てんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータが取得される。電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータは、少なくとも1つの患者パラメータと関連付けられる。治療パラメータと患者パラメータとの関連付けに関する表示は、外部コンピュータ装置を用いることで提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して埋め込み型医療装置システムに関する。より詳細には、本発明は、埋め込み型医療装置(IMD)を用いたてんかん治療のための患者治療管理における相互討論を提供する患者管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの前進技術がてんかんなどの病気治療のために築き上げられてきた。これらの病気を治すための電気信号を用いた治療は、効果的であることがわかってきた。埋め込み型医療装置は、これらの病気治療のために、人体の様々な部分(例えば迷走神経)に治療的刺激を伝達するのに効果的に使用されてきた。本明細書において、「刺激」または「刺激信号」とは、患者の身体における神経構造への電気的、機械的、磁気的、電磁気的、光学的、音響的及び/又は化学的信号の印加を指す。信号は、患者の身体や環境から生じる内因性の電気的、機械的及び化学的活性(例えば、求心性及び/又は遠心性の電気的活動電位)とは異なる外因性の信号である。すなわち、本発明において、神経に印加される刺激信号は(電気的、機械的、磁気的、電磁気的、光学的、音響的又は化学的の何れの性質であろうとも)、例えば神経刺激装置などの人工的な供給源から印加される信号である。
【0003】
「治療信号」は、神経組織に調節作用をもたらすことで病気を治療する目的を有し、患者の身体に伝達される刺激信号を指す。ニューロン活動への刺激信号の効果は「調節」と称される。しかしながら、本明細書において、単純化のために、「刺激」、「調節」及びそれらの変化形は、置き換え可能に使用されることがある。しかしながら、一般的には外因性の信号自体の伝達は、神経構造の“刺激”と称するが、一方で、神経構造の電気的活性に対するどのような信号の効果も「調節」と適切に称される。神経組織への刺激信号の調節作用は興奮的又は抑制的であり、ニューロン活動における急性及び/又は長期間に渡る変化を促進する。例えば、神経組織への刺激信号の「調節」作用は、一又は複数の以下の効果を含む:(a)活動電位の開始(求心性及び/又は遠心性の活動電位);(b)過分極及び/又は衝突遮断を含め、内因性又は外因性により誘発された活動電位の抑制又は伝導遮断、(c)神経伝達物質/神経修飾物質の放出又は取り込みに影響を与える変化、及び(d)脳組織の神経可塑性又は神経発生における変化。
【0004】
電気的神経刺激は患者の皮膚の下部に電気装置を埋め込み、脳神経などの神経に電気的信号を伝達することによって提供される。一実施形態において、電気的神経刺激は身体パラメータの検知又は検出を含み、検出された身体パラメータに応じて電気的信号が伝達される。この種の刺激は、一般的に「能動(active)」、「フィードバック」又は「誘発(triggered)」刺激と称される。他の実施形態において、システムは、一旦、神経刺激によって治療可能である病状と患者が診断されると、患者の身体パラメータの検知又は検出をすることなく作用する。この場合、システムは神経(例えば、迷走神経などの脳神経)に一連の電気パルスを一日中又は別の所定の時間間隔にわたって周期的、断続的、又は連続的に印加することができる。この種の刺激は一般的に「受動(passive)」、「ノンフィードバック」又は「予防(prophylactic)」と称される。刺激は患者の体内に埋め込まれたIMDによって印加される。他の代替実施形態において、信号は、埋め込まれた電極にRFや無線リンクによって連結された患者の身体の外側にある外部パルス発生器によって生じてもよい。
【0005】
一般的に、神経修飾を行う神経刺激信号は、埋め込み型装置によって一又は複数のリード線を経由して伝達される。リード線は、一般的に電極で終結し、その電極は電気的に患者の身体の組織に連結されている。例えば、数多くの電極は、神経刺激信号を伝達するために、人体の内部の神経又は他の組織の様々な部分に取り付けることができる。
【0006】
最先端の埋め込み型医療システムは、埋め込み型装置によって伝達される治療電気信号をプログラムするため、診断を実施するため、及び治療電気信号を規定する一又は複数のパラメータを調整するために、IMDと通信する外部装置を使用する。医師は受診の際に、患者に施された特定の治療法の経過を評価することができる。その医師は、患者を診察して提供された治療の効果を決定し、患者に提供する次の治療を修正するための様々な刺激パラメータを、新たにプログラム、又は調整する外部装置を使用することができる。
【0007】
最先端の埋め込み型神経刺激装置に関連する問題には、退屈な記録やカルテの調査(例えば、発作の種類、頻度、強度など)がてんかんの患者を治療するための治療管理の実施に必要であるという現状が含まれる。医師が患者を評価する時、IMDによって提供される治療のための様々な設定は、受診のたびに患者のカルテに記録される。その後の往診において、医師はIMDによって提供される治療を調節するために、カルテの前回の記載を調べることができる(例えば、医師は、治療的電気信号を規定する様々なパラメータ、患者に処方された薬剤などを調査できる。)。
【0008】
パラメータ、投薬情報、及び患者評価における変化の記載作業は、時間がかかるのと共に全く退屈であり、重要な情報が収集されていない、又は効果を向上又は維持するために治療に施される調整に取り入れられていない対応する危険性を有する。さらに、患者に適切な治療を決定するために、現在の患者の評価と共に以前の患者のカルテの記載の全てを調査することは、特に大量のデータが収集及び関連付けされなければならない点において、手間がかかる、又は実行不可能である。さらに、固有の変化、又は他の傾向(例えば、発作の種類や頻度等における進行性の変化)は、患者のカルテの様々な記載を参照しても医師によって容易に見い出されることはないであろう。従って、治療の効果を向上させる機会は、集められたデータの不十分又は不適当な評価と共に、患者評価の退屈な性質及び患者のカルテを構成する多量のデータの記載によって、不用意にも逃されていた。
【0009】
本発明は、上記した一又は複数の問題の影響を解消、又は少なくとも軽減することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/122486号明細書
【発明の概要】
【0011】
一形態において、本発明は、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。てんかん治療のための埋め込み型医療装置によって提供されて電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータが得られる。電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータは、少なくとも1つの患者パラメータと関連付けられる。治療パラメータと患者パラメータとの相関関係に関する表示は、外部コンピュータ装置を用いて提供される。
【0012】
他の形態において、外部装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェースは、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能を実行するために提供される。そのグラフィカルユーザーインターフェースは、てんかん治療のための埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータと、埋め込み型医療装置によって提供される電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータとの間における相互関係のグラフ説明図の可視表示を映し出すよう適合された表示領域を提供できる。
【0013】
また、本発明の他の形態において、指示がコード化されたコンピュータ可読のプログラム保存装置は、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。そのコンピュータ可読のプログラム保存装置は指示がコード化されており、コンピュータによって実行されると、以下の事項を含む方法を実施する:てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供されて電気信号に関する少なくとも1つの患者のパラメータの取得;電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと、少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け;及び外部コンピュータ装置を用いて、治療パラメータと患者パラメータとの関連付けに関する表示の提供。
【0014】
また、他の形態において、埋め込み型医療装置システムは、てんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。そのシステムは、電気信号を提供すること、及びてんかん治療のためにそれを神経組織に印加することが可能な埋め込み型医療装置を含む。そのシステムは、また、埋め込み型医療装置と通信可能な外部コンピュータ装置を含む。その外部コンピュータ装置は、電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータの取得;電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け;及び治療パラメータと患者パラメータとの関連に関する表示の提供が可能である。
【0015】
本発明は、添付図面と共に以下の説明を参照することによって理解されるであろう。添付図面において、参照番号は同様の構成番号を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、てんかん治療のために患者の身体の神経構造へ電気信号を提供するよう患者の身体に埋め込まれた埋め込み型医療装置の模式図である。
【図2A】本発明の一実施形態における患者管理システムを提供するための埋め込み型医療装置とグラフィカルユーザーインターフェースユニットを有する外部装置とを含む埋め込み型医療システムのブロック図である。
【図2B】本発明の代替実施形態における患者管理システムを提供するための埋め込み型医療装置とグラフィカルユーザーインターフェースユニットとを有する外部装置を含む埋め込み型医療システムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における図2Bに示されるインターフェースユニットのより詳細なブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における図2に示される患者管理ユニットのより詳細なブロック図である。
【図5−13】本発明の一実施形態における様々な患者管理機能を実行するための、図2A及び図2Bに示されるGUIユニットによって表示される様々な画面(例えばGUI表示)を表す図である。
【図14】本発明の一実施形態における患者管理機能の実行方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における実施形態を本明細書で説明する。明確にしておくと、本明細書において、実際の実施における全ての特徴が記載されているわけではない。そのような実際の実施形態の開発において、多数の実施特異的な決定は、設計特異的な目的を達成するためになされなければならない。それは一つの実施から別の実施において変化するであろう。おそらく複雑であり時間が掛かるものの、それにもかかわらずそのような開発努力は、この開示の利益を得る当業者にとって日常的に行われるであろうことを理解されたい。
【0018】
本明細書において、機能が同じで名称が異なる構成要素を区別しない。以下の考察及び請求項において、用語「含んでいる(including)」及び「含む(include)」は拡張可能に使用される。従って、「を含むが、これに限定されない。(including,but not limited to.)」を意味するように解釈されるべきである。また、用語「連結する(couple又はcouples)」は、直接の又は間接の電気接続のどちらかを意味するように解される。「直接接触」、「直接取り付け」、又は「直接連結」を提供することは、それらの間に実質的な減衰媒体を介さないで、第1要素の表面が第2要素の表面に接触することを意味する。電気接続を実質的に減衰させない体液などの物質の存在は、直接接触を損なわない。単語「又は(or)」は、逆の意味での特別の使用が特に明記されていない限り、包括的な意味(すなわち、「及び/又は(and/or)」)として使用される。
【0019】
本明細書で使用される用語「電極(electrode又はelectrodes)」は、一又は複数の刺激電極(すなわち、組織に対してIMDによって生じる電気的信号を伝達するための電極)、検出電極(すなわち、患者の身体の生理的指標を検出するための電極)、及び/又は検出機能を実行するのと同様に刺激信号を伝達できる電極を指す。
【0020】
脳神経刺激は、例えば、てんかん及びその他の運動性疾患、うつ病、不安障害及びその他の精神神経疾患、痴呆症、頭部外傷、昏睡状態、偏頭痛、肥満、摂食障害、睡眠障害、心疾患(例えば、鬱血性心不全及び心房性細動など)、高血圧、内分泌疾患(例えば、糖尿病及び低血糖)、及び痛みを含む、数多くの神経系疾患を治療するために提案されてきた。米国特許第4,867,164号;第5,299,569号;第5,269,303号;第5,571,150号;第5,215,086号;第5,188,104号;第5,263,480号;第6,587,719号;第6,609,025号;第5,335,657号;第6,622,041号;第5,916,239号;第5,707,400号;第5,231,988号;及び第5,330,515号を参照のこと。数多くの提示された疾患に対して脳神経刺激が治療法の選択肢として提案又は推奨されているものの、多くの(全てではないが)脳神経の詳細な神経経路が比較的判明していないという事実が、所定の疾患に対する効果の予測を困難又は不可能にしている。たとえそのような経路が判明していたとしても、やはり、特定の疾患に関連する特定の経路を調節する正確な刺激パラメータは、一般的に予測不可能である。
【0021】
特定の疾患に対する効果を予測することは困難であるにもかかわらず、てんかんを治すための治療として迷走神経刺激を使用することは、治療の選択肢として確立されている。多くの患者がその治療に対して良好な反応を示しても、かなりの数の患者は、良好な治療効果を得るため及び/又は維持するため、定期的に調整された治療的電気信号を施されなければならない。本発明は、患者の状態に関する情報及び治療経過を得て治療決定プロセスに取り込むための患者管理システムを提供する。より具体的には、本発明に係る実施形態は、てんかん治療のためのIMDシステムの実行に関する様々な患者パラメータ及び治療パラメータの自動的な収集及び評価のための患者管理システムを提供する。本発明の実施形態によって提供される患者管理システムは、てんかんに関するデータ作成や、様々な患者及び刺激パラメータの分析過程を容易にすることができる。このデータ作成のプロセスは、治療効果に関する様々な傾向を決定するのに有効的である。これらのデータを用いることで、医師は、治療及び/又は投薬状態を変化させることが好ましいかどうかを決定することができる。
【0022】
本発明における患者管理システムは、様々な種類のデータを取得、記憶、及び処理することができるソフトウェアモジュールを提供する。そのデータは、例えば、患者のデータ/パラメータ(例えば、生理学的データ、心拍数や呼吸に対する影響などの副作用のデータ、脳活動パラメータ、病気の進行又は退行のデータ、自己評価データ、発作特性のデータ、生活の質(QOL)データ、等)、治療パラメータのデータなどである。治療パラメータは、制限されるものではないが、IMDによって伝達される治療信号を規定する電気信号パラメータ、投薬パラメータ(例えば、投薬量、患者に投薬された頻度等)、及び/又はその他の治療パラメータを含んでいてもよい。代替実施形態においては、用語「治療パラメータ」は、IMDによって伝達される治療信号を規定する電気信号パラメータを指す。他の診断と医師の関連性のデータも本発明における患者管理システムによって記憶することができる。例えば、患者管理システムは、患者の受診の日付、IMDに関連する様々なパラメータに対する変更、医師の入力、患者の入力などを記憶することができる。
【0023】
一実施形態において、本発明における患者管理システムは、また、双方向性のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する。患者管理システムのGUIは、患者管理システムにおける稼動モードの選択など、様々な医師の情報入力を促進することができる。一旦、入力モード、評価モード、治療調整モードなどの特定のモードが使用者(例えば、医師、看護士、又は医療技術士)によって開始されると、患者管理ツールは、患者に提供される治療に関する様々なデータを取得、処理、記憶及び/又は表示するために、双方向性のインターフェースを提供することができる。例えば、医師は、毎回の受診等の際に、患者の発作パラメータ(parameter(s))、「QOL」入力因子、患者の投薬状態などの情報を入力することができる。患者管理システムは、その結果、この情報を記憶し、GUIを用いて流行型の情報表示を提供できる。例えば、長期間に渡り、治療パラメータと共に様々な発作パラメータ(parameter(s))、QOL入力などに関する情報を分析することで、医師は、その結果、治療の進展を評価して適切な調整をすることができる。様々な治療の設定、投薬レベルなどは、患者への効果やQOLを向上させるために調整することができる。
【0024】
さほど制限はされないが、本発明における実施形態を実施可能なシステムを以下に説明する。図1は、本発明の一又は複数の実施形態の実施における、埋め込み型医療システム100の模式図である。電気信号発生器110は、リード122に接続するためのヘッダー116(図1A)を備えたケース又はシェルを有する本体112を備えている。発生器110は、ペースメーカーパルス発生器の埋め込み方法と同じ様に、皮膚の直下に移植外科医によって形成された患者の胸の窪み又は空洞に埋め込まれる(点線145によって示す)。
【0025】
好ましくは少なくとも1つの電極対を有する複数の電極を備えている神経電極組立体125は、絶縁された電気的導電性リード線アセンブリ122の遠位端に導電的に接続されており、リード線アセンブリ122は、好ましくは複数のリード線(一つの線が夫々の電極用である)を備えている。電極組立体125における夫々の電極は、独立して又は選択的に操作することができる。
【0026】
リード線アセンブリ122は、発生器110のヘッダー116におけるコネクタにその近位端が取り付けられている。電極組立体125は、患者の首やその他の部分、例えば患者の横隔膜近傍における迷走神経に外科的に連結できる。その他の(又は付加的な)脳神経は、また、電気信号を伝達するのに利用することができる。一実施形態において、電極組立体125は、双極刺激電極対126、128を備えている。好適な電極組立体として、モデル302電極組立体がテキサス州ヒューストンのサイバーロニックス社から購入可能である。しかしながら、当業者には、本発明において多数の電極設計が使用可能であると理解されたい。一実施形態において、2つの電極は迷走神経に巻きつけられており、電極組立体125は、1990年12月25日にリース エス.テリー ジュニア(Reese S.Terry,Jr.)に対して発行され本出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第4,979,511号に開示されているような螺旋状係留テザー(spiral anchoring tether)130によって神経127に固定される。リード線アセンブリ122は、近くの組織(図示しない)に縫合接続部130によって、胸や首の動きにあわせて収縮する能力を保持しながら固定されている。
【0027】
代替形態において、電極組立体125は、温度感知要素及び/又は心拍数センサー要素を備えている。他の身体パラメータに対する他のセンサーは、また、能動的刺激を誘因するために用いられる。受動的及び能動的刺激の両者は、本発明によって単一のIMDによって組み合わせられ、又は伝達することができる。片方又は両方のモードは、観察下にある特定の患者を治療するのに適している。
【0028】
電気パルス発生器110は、本明細書の説明に基づいて、プログラム用ソフトウェアを用いて外部のコンピュータ150によってプログラムすることができる。プログラム用ワンド(programming wand)155は、コンピュータ150とパルス発生器110との間の周波数比(RF)通信を促進するために用いられる。プログラム用ワンド155及びコンピュータ150は、発生器が埋め込まれた後に、発生器110との非侵襲性通信を許容する。コンピュータ150が医療埋め込み型通信サービス(MICS)帯域幅における一又は複数のチャンネルを使用するシステムにおいて、プログラム用ワンド155は、コンピュータ150とパルス発生器110との間でより便利で直接的な通信を許容するために除外することができる。
【0029】
次に図2Aに移ると、本発明の一実施形態におけるIMD200のブロック図が示されている。IMD200(図1の発生器110等)は、IMD200の操作における様々な側面を制御できるコントローラ210を備えている。コントローラ210は、内部データ又は外部データの受信、及びてんかん治療のための電気信号の発生及び患者の身体の標的組織に向けた電気信号の伝達を行うことができる。例えば、コントローラ210は、外部のオペレータから手動の指示を受信でき、または、内部の計算及びプログラミングに基づいて電気信号を発生させることができる。コントローラ210は、IMD200のほぼ全ての機能に影響を及ぼす。
【0030】
コントローラ210は、プロセッサ215、メモリ217などの様々な部品から構成されている。プロセッサ215は、ソフトウェア構成要素の様々な履行を実行することができる一又は複数のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどを備えている。メモリ217は、数多くのデータ(例えば、内部データ、外部データ指示、ソフトウェアコード、状況データ、診断データ等)が記憶されている様々なメモリ部分を備えていてもよい。メモリ217は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的に消去可能な書き込み可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ等を備えていてもよい。
【0031】
IMD200は、また、リード線を介して一又は複数の電極に対して電気信号を発生及び伝達させることができる刺激ユニット220を備えている。リード線アセンブリ122はIMD200に連結される。コントローラ210からの指示に基づいて、刺激ユニット220によってリード線アセンブリ122を構成しているリード線を経由して治療を提供することができる。刺激ユニット220は、刺激信号発生器、リード線から「見た」インピーダンスを制御するインピーダンス制御回路、及び組織に電気信号を伝達することに関して指示を受信する他の回路など、様々な回路を備えることができる。刺激ユニット220は、リード線アセンブリ122を構成しているリード線を経由して、制御された電流刺激信号を伝達することができる。
【0032】
IMD200は、また、電源230を備えている。電源230は、治療的電気信号を伝達することを含むIMD200の稼動のための電力を供給するための、バッテリ、電圧レギュレータ、コンデンサなどを備えていてもよい。電源230は、いくつかの実施形態において、再充電可能な電源から構成されている。他の実施形態においては、再充電不能な電源が使用されている。電源230は、電子操作、及び電気信号の発生及び伝達機能を含む、IMD200を動作させる電力を提供する。電源230は、リチウム/塩化チオニル電池、又はリチウム/一フッ化炭素電池(LiCFx)を備えていてもよい。埋め込み型医療装置の技術分野で既知の他のタイプのバッテリを使用することもできる。
【0033】
IMD200は、また、IMD200と様々な装置との間の通信を促進することができる通信ユニット260を備えている。特に、通信ユニット260は、コンピュータ150やワンド155(図1)のような外部ユニット270との間の電子信号の送信及び受信のやりとりをすることができる。通信ユニット260は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0034】
外部ユニット270は、IMD200の様々なモジュール及び電気信号パラメータをプログラムすることができる。一実施形態において、外部装置270は、データ取得プログラムを実行することができるコンピュータシステムである。外部装置270は、例えば、医院のような基地局において、医者のようなヘルスケア提供者によって制御される。代替実施形態において、外部ユニット270は、ヘルスケア提供者によって制御される他の外部ユニット270よりもIMD200の操作において制御性の低いシステムを、患者が制御することができる。患者、又はヘルスケア提供者のどちらに制御されるとしても、外部ユニット270はコンピュータであり、好ましくはハンドヘルドコンピュータ、又はPDAであるが、代替として、電子通信及びプログラミングすることができる他の装置を備えていてもよい。外部装置270は、IMDの動作をプログラムするために、様々なパラメータやプログラムソフトウェアをIMD200にダウンロードすることができる。そして、また、外部装置270は、IMD200から様々な状態や他のデータを受信及びアップロードすることができる。IMD200における外部ユニット270と通信ユニット260との間の通信は、図2A及び図2Bにおいて線277によって概略的に示される無線又は他のタイプの通信によって行うことができる。これは、発生器110と無線周波エネルギーによって通信するため、たとえばワンド155(図1)を用いて行うことができる。あるいは、ワンドは、例えば、外部ユニット270がMICS帯域幅において動作するシステムのようないくつかのシステムにおいて省略することができる。
【0035】
IMD200は、また、様々な患者パラメータを検出することができる検出ユニット295を備えている。例えば、検出ユニット295は、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアを備えていてもよく、それらはてんかん関連疾患に関する患者の一又は複数の身体パラメータに関連したデータを決定することができる。検出ユニット295によって読み取られたデータに基づいて、IMD200はてんかん治療のために、迷走神経の一部分に電気信号を伝達することができる。一実施形態において、検出ユニット295は、患者からのフィードバック反応を検出することができる。フィードバック反応は、IMD200等への磁気信号入力、タップ入力、無線データ入力を含む。フィードバックは、痛み及び/又は不快感の閾値を表すことができ、ここでいう閾値とは、特定の患者にとっての不快感に対するの忍耐の限界である。
【0036】
IMD200は、また、電極選択ユニット290を備えている。電極選択ユニット290は、迷走神経の様々な部分に操作可能に連結された一つ以上の複数の電極へ電気信号を向かわせることができる。刺激標的ユニット290は、左迷走神経本幹、右迷走神経本幹、又は、左又は右迷走神経枝に刺激信号を向かわせることができる。又は、刺激標的ユニット290は、迷走神経の一部分に連結された複数の電極の間から選択された特定の電極によって、主要迷走神経本幹内の特定の神経軸索に電気信号を「導く」ことができる。このような方法で、刺激標的ユニットは、迷走神経の所定の部分を目標とすることができる。従って、検出ユニット295によって検出された特定のタイプのデータに基づいて、電極選択ユニット290は求心性活動電位、遠心性活動電位を発生させること、求心性及び/又は遠心性活動電位を阻害すること、又はてんかん治療のための上述の効果を組み合わせることが可能である信号を提供することができる。
【0037】
外部ユニット270は、本明細書に示す様々な患者管理プロセスを実行することができる患者管理ユニット275を備えている。患者管理ユニット270は、IMD200によって提供される治療に関するデータの取得、貯蔵及び/又は処理と同様に、IMD200による様々な診断を実行することができる。患者管理ユニット270のより詳細な説明は、図4と以下の記述によって提供される。
【0038】
一実施形態において、外部ユニット270は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ユニット240を備えている。GUIユニット240は、また、外部ユニット270から分離したユニットとすることができることが理解される。GUIユニット240は外部ユニット270の一部であること、又は外部ユニット270から分離されていることのいずれにも関わらず、外部ユニット270はGUIユニット240に様々な表示をすることができる。一実施形態において、GUIユニット240は、一又は複数の表示をするために外部ユニット270からデータを受信するだけでなく、医師や患者等の使用者からの入力を受信したり、患者管理ユニット275にデータを送信したりすることができる。GUIユニット240は、制限されるものではないが、コンピュータ端末、ブラウン管(CRT)装置、液晶装置(LCD)モジュール、プラズマディスプレイ装置などを含む多種多様によって構成することができる。GUIユニット240は、使用者からの外部入力を検出することができるタッチセンサー式画面モニターを含んでいてもよい。それは、また、携帯情報末端(PDA)、ペン入力装置、携帯用コンピュータ装置などのハンドヘルド装置であってもよい。
【0039】
一実施形態において、外部ユニット270は、ローカルデータベースユニット255を備えており、患者管理ユニット275はローカルデータベースユニット255からデータを受信することができる。付加的又は代替的に、外部ユニット270は、また、データベースユニット250に連結されており、データベースユニット250は、外部ユニット270(例えば、ハンドヘルド外部ユニット270に無線で接続された集中データベース)と分離されている。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、様々な患者のデータを記憶することができる。このデータは患者の身体から取得された患者パラメータデータ及び/又は治療パラメータデータを含む。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、複数の患者のデータを有しており、日付形式、病気重症度形式などの多様な様式で整理、記憶することができる。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、一実施形態において相関するデータベースであってもよい。医師は、IMD200からのデータ、及び/又はデータベースユニット250、及び/又はローカルデータベースユニット255からのデータを表示することができるGUIユニット240を用いることにより、以下に示す様々な患者管理機能を実行することができる。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、発作タイプ等の様々な患者のデータを記憶することができる。GUIユニット240へ入力された情報は、刺激のための様々なパラメータを修正するためにIMD200に送られる。
【0040】
図2Aにおいて、IMD200のブロック図中に示した一又は複数のブロックは、ハードウェアユニット、ソフトウェアユニット、ファームユニット、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。更に、図2Aに示された一又は複数のブロックは、回路ハードウェアユニット、ソフトウェアアルゴリズム等を示す他のブロックと組み合わせることができる。更に、図2Aに示される様々なブロックと関連したいくつかの回路又はソフトウェアユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイやASIC装置などのプログラム可能な装置と組み合わせてもよい。
【0041】
図2Bに移ると、本発明の代替実施形態におけるIMD200のブロック図が示されている。図2Aの同様のブロックに相当する図2Bの様々なブロックは、同様の方法にて操作される。更に、図2Bに示される代替実施形態は、また、インターフェースユニット280を備えている。インターフェースユニット280は外部ユニット270と通信することができる。インターフェースユニット280は、通信ユニット260を経由して外部ユニット270から指示及び/又はデータを受信することができる。インターフェースユニット280は、IMD200においてメモリ217にアクセスするような様々なタスクを行うことができる。更に、インターフェースユニット280は、外部ユニット270によって表示されるように、要求されたデータを外部ユニット270に提供することができる。インターフェースユニット280のより詳細な説明は、図3及び以下の説明によって提供される。
【0042】
図3に移ると、本発明の一実施形態における、図2Bにおけるインターフェースユニット280のより詳細なブロック図が示されている。インターフェースユニット280は、IMD200のメモリ217にデータを受信及び/又は記憶することができるメモリインターフェース320を備えている。メモリインターフェース320は、メモリ217へのアクセスを容易にする様々なハードウェア及び/又はファームウェアオブジェクトを備えていてもよい。
【0043】
インターフェースユニット280は、また、データコントローラ310を備えている。データコントローラ310は、IMD200の様々な部分に様々なパラメータデータを提供するのと同様、外部ユニット270からの情報の受信及び処理などのインターフェースユニット280によって実行される様々な機能を制御することができる。インターフェースユニット280は、また、データ処理ユニット330を備えている。データ処理ユニット330は、様々な患者パラメータのデータや刺激に関するデータを処理することができる。例えば、外部ユニット270からの指令に基づいて、データ処理ユニット330は、患者のデータが取得された所定の期間内において使用された特定の刺激パラメータと患者のデータとを処理して関連付けることができる。例えば、所定の期間内において特定の治療刺激サイクルが提供された後に、様々な患者のパラメータがIMD200によって収集される。このデータは、患者のデータと様々な刺激パラメータとの間の関係に関する傾向を決定することができるような態様で関連付けられて整理される。統計及び/又はその他の形式のデータ操作は、また、データ処理ユニット330によって実行することができる。
【0044】
更に、インターフェースユニット280は、また、インプットユニット340を備えている。インプットユニット340は、通信ユニット260を経由して外部ユニット270からデータを受信することができる。更に、インターフェースユニット280は、また、アウトプットユニット350を備えている。アウトプットユニット350は、インターフェースユニット280から外部ユニット270へデータを提供することができる。インプットユニット340は、例えば、シリアルからパラレル又は逆にデータを変換するように、データを処理及び効率化するための様々なレジスタ、バッファ及び/又は増幅器を備えていてもよい。アウトプットユニット350は、また、インターフェースユニット280から外部ユニット270への通信のために、データの記録、貯蔵、及び/又は増幅をすることができる。インターフェースユニット280は、データの収集、処理及び/又は記憶と同様に、IMD200において指示の受信や、様々な応答動作を提供することができる。インターフェースユニット280は、例えば医師などの外部の使用者とIMD200との間における双方向性を提供するグラフィカルユーザーインターフェースの使用を可能とする。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態おける外部ユニット270(図2)の患者管理ユニット275について、より詳細なブロック図を示している。患者管理ユニット275は、本明細書に示す様々な患者管理タスクを実行することができる患者管理コントローラ410を備えている。患者管理コントローラ410は、マイクロプロセッサ、ファームウェアオブジェクト(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はASIC装置)、及び/又はソフトウェアモジュールであってもよい。患者管理コントローラ410は、データベースインターフェース430を経由して、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255(図2)からデータを抽出することができる。データベースインターフェース430は、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255からデータを取り込む、及び/又は送信するための様々な増幅器、バッファ、レジスタ及び/又はソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。患者管理ユニット275は、また、IMD200にデータを受信又は送信することができるIMDデータインターフェース420を備えている。IMDデータインターフェース420は、IMD200にデータを送信する、及び/又はIMD200からデータを受信するための様々な増幅器、バッファ、レジスタ及び/又はソフトウェアモジュールを備えていてもよい。
【0046】
患者管理ユニット275は、また、外部ユニット270によって実行されるソフトウェアプログラム/コードの種類の選択に用いられるプログラム選択ユニット440を備えている。プログラム選択ユニット440は、アクセスされるIMD200の種類を外部ユニット270に対して明らかにする。例えば、使用者は、てんかん治療のために埋め込まれたIMD200において、プログラム選択ユニット440への入力として「てんかん」を選択することができる。同様に、うつ病、過食症、トラウマ的頭部外傷、糖尿病、高血圧などの他の病気も、前記治療や特定のIMD200によって提供される治療を適切に伝達及び管理するために、使用者によって選択することができる。この入力に基づいて、患者管理ユニット275は、適切な管理プログラム(program(s))/コード(code(s))を実行する。
【0047】
患者管理ユニット275は、また、データ相関ユニット450を備えている。データ相関ユニット450は、患者パラメータのデータと特定の治療パラメータデータとの関連付けなど、様々な種類のデータを関連付けることができる。更に、特定の患者の治療に関連するデータは、提供された治療の種類の状況を使用者に伝えるために、他の患者に関する同様のデータと比較又は関連付けることができる。データ相関ユニット450は、GUIユニット240によって表示される関連付けられたデータを提供する。データ相関ユニット450によって実行される関連付けは、また、治療の反応に関するデータにおける特有の相関関係の傾向の表示を行うことを含んでいてもよい。そして、患者管理コントローラ410は、例えば、グラフィカルユーザーインターフェースなどのGUIユニット240の一部であるディスプレイに、結果データを提供することができる。患者管理コントローラ410は、また、外部の使用者からの入力(例えば、医師の入力)としてGUIユニット240からのデータを受信することができる。
【0048】
図5−14は、本発明の一実施形態において、様々な患者管理機能を実行するGUIユニット240によって表示される様々な画面(例えば、GUI表示)を示している。図5−14における画面表示は、例示的な双方向性画面である;しかしながら、当業者には、多様な他の画面は本明細書で提供される患者管理形態において使用され、本発明の精神と範囲内に入ると理解されたい。
【0049】
図5は、特定の患者に埋め込まれたIMD200に関する様々な情報を提供するGUI画面を示している。GUI画面は、双方向性の入力を提供する。図5に示された画面は、プログラム患者データ「画面」を提供する。「画面」は、患者のIDの設定(すなわち、患者を特定するためにヘルスケア提供者によって指定された固有の識別名、例えば、コードネーム、イニシャル、コードナンバー等)、装置が埋め込まれた日付、IMDによって治療される患者の医学的状態(指示)(すなわち、てんかん)、及びリードモデルやそのシリアルナンバーの識別等の様々なIMDの詳細を表示する。また、IMD200に関するシリアルナンバーのような他の情報も本発明の精神と範囲内に含まれ、入るであろう。双方向性画面は、前述したパラメータ/フィールドの夫々を指定又は選択してデータを入力するために提供される。仮想キーボードはこの目的、図5において図示される画面のGUIインターフェースに示されているようにプルダウンメニューと合わせて使用するために提供される。医師のような使用者は、仮想キーボード及び/又はプルダウンメニューを用いることで、様々なデータを入力できる。スタイラス(stylus)は、また、もし必要であれば、使用者が小さな画面を効果的に使用するために用いられる。患者管理ユニット275(図2)は、このデータを受信して図5に提供される画面を表示することができる。
【0050】
図6は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示される(図2)他の例示的な画面を示している。図6は、パルス治療電気信号を規定する様々な電気信号パラメータ、及びIMD200の電源供給能力を示している患者管理画面を示している。双方向性の入力/表示は、図6の患者管理画面によって提供され、夫々のパルスに対する出力電流、信号周波数(すなわち、信号オンタイム中の一秒間のパルス数)、パルス幅、信号オンタイム、信号オフタイム等の表示を含む。刺激信号が伝達される期間(例における30秒)は、本明細書では「オンタイム」と記される。バーストは、一般的に、例えば5分等の他の期間によって隣接したバーストから分離される。刺激信号の伝達の間の期間(例における5分)は、本明細書では「オフタイム」と記される。
【0051】
IMD200は、また、例えば、装置に備えられた磁石によって、患者によって始動される「オンデマンド」信号を提供する。図6は、また、「磁気モード」刺激電流、「磁気モード」オンタイム、及び「磁気モード」パルス幅を含めた「磁気モード」又はオンデマンド信号等を規定する様々なパラメータを示している。また、IMD200が「サービス終了付近」かどうかの表示が提供される。いくつかの実施形態において、これは計画されたサービス終了(EOS)の日付、すなわち、電源が規定された又はプログラムされた電気信号治療を提供するために不十分となる日付を提供することを含んでいてもよい。この特定の画面は使用者によって参照され、図6に挙げられた一又は複数のパラメータを設定するために、データを入力して変更することができる。「プログラム」ボタンを押すことにより、図6に表示されたパラメータは入力されて、IMD200をプログラムするために患者管理ユニット275によって実行される。図6に示される画面を利用することにより、IMD200によって患者に伝達される電気信号は、患者への効果を増幅させるために治療法を修正するよう調整される。
【0052】
図7は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240よって表示される画面を示しており、患者の受診リストデータ表示を提供する。患者の医師への訪問は、日付順に記録され、所感は受診の詳細について作成される。更に、「グラフ参照」入力領域がこの画面において提供されることによって、使用者は日付の範囲を選択でき、対応するグラフを要求することができる。前記グラフは、例えば、3ヶ月の期間における、様々な生理学的反応に対する特定の刺激パラメータの相関関係のグラフである。治療法の変更は、患者からの入力、医師によって観察された患者の身体的兆候、及び患者の状態及び/又は治療に関連した他の因子などの様々な因子に基づいて行われる。患者の状態及び/又は治療に関連した他の因子は、発作特徴やQOL因子など、患者及び/又はヘルスケア提供者によって入力される。例えば、多数の発作特徴は、特定の患者に対して医師によって分析される。これらの発作特徴は、時間の経過に伴って患者に提供される治療の効果を追跡するのに使用できる。
【0053】
図8は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示され画面を示しており、一又は複数の発作認識システムにおける、第1の発作型(発作型1)をその画面に入力することができる。また、図8に示される画面に、一又は複数の発作認識システムにおける、第2の発作型(発作型2)を入力することができる。付加的なてんかん関連の特性は、GUIユニット240を経由して入力及び保存され、本発明の範囲内に入ることが当業者によって理解されるであろう。
【0054】
図8に示されるように、患者IDや受診日などのデータは、特定の発作型パラメータと共に表示できる。本発明の実施形態において使用される発作型パラメータの例として、制限されるものではないが、全身発作、部分発作、及び/又は二次的全身性発作が含まれる。全身性発作に関するパラメータの例として、制限されるものではないが、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、及び/又は無緊張発作(倒れ発作)因子が含まれる。部分発作に関するパラメータの例として、制限されるものではないが、単純部分発作因子及び/又は複雑部分発作因子が含まれる。図8に示されるものと類似する患者管理画面は、他の発作型を入力及び分析するのに使用され、本発明の範囲内に入る。
【0055】
例示的な発作特性が図8に図示される画面に表示されている。以前の発作データ及び特定の医師の受診日からの所見は、患者のために長期間に渡ってそのような発作特性(例えば、型、頻度及び重症度)の傾向を確立するために閲覧、保存及び使用される。更に、現在の発作特性は図8に示される仮想キーボードや示されるプルダウンメニューを用いて入力することができる。また、様々な他の双方向性の入力も提供される。例えば、「投薬情報入力」ボタンの入力操作は、以下の図10の参考資料とともにより十分に説明するが、ヘルスケア提供者や患者が、長期間に渡って患者が服用した薬を追跡することができ、「グラフ参照」ボタンは、以下に説明する他の相関画面を提示するであろう。これらの入力は、タッチセンサー式画面又はスタイラス等によって選択される「仮想ボタン」によって円滑化される。発作特徴の入力に基づいて、患者管理ユニット275は、ヘルスケア提供者にとってプロンプトとなる表示のために、様々な演算を行うことで様々な治療/刺激パラメータ変更を提案することができる。ヘルスケア提供者は、提案された修正を実行及び/又は他の変更をすることができる。あるいは、発作特性に基づいて、治療法の自動変更は患者管理ユニット275によって実行されてもよい。
【0056】
医師又は患者管理ユニット275によって使用される他の因子は、「QOL」因子である。発作特性に関連して図8の画面に示されるように、QOLの評価は、また、「QOL」入力ボタンを押すことによって入力されて、図9に示されるような画面を立ち上げる。QOL因子は、治療法の効果を決定するのに用いられる。図9は、複数のQOL因子に関して、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示される他の画面を示している。第1に、本開示の利益を有する当業者にとって周知である一又は複数の様々なQOLの評価基準(rating scale)は、例えば、プルダウンメニューの「ラジオボタン」などによって選択され、長期間に渡る患者のQOLを追跡するために使用することができる。評価基準は、さらに、IMD200によって実行される電気信号において、一又は複数のパラメータを医師が変更するのを促進するために使用される。図9は、「QOL」のプルダウンメニューを示しており、値を一又は複数の評価基準に対して入力することができる。前記評価基準として、制限されるものではないが、例えばQOLの一般基準;心理学的包括福祉基準(PGWB);WHO−5福祉指数(WHO−5);社会的機能スケール−36(SF−36);社会的機能スケール−12(SF−12);QOLの享受及び達成の短文式質問表(Q−LES−Q−SF);簡素化された長期間連続縮約評価バージョン(SLICE−C);健康関連のQOL(HRQOL);及び/又はてんかんにおけるQOL(QOLIE−10及び/又はQOLIE−35)などが挙げられる。更に評価基準について特に言及すると、図9の患者管理インターフェースは、他の種類のQOL因子の入力、記録及び分析に使用され、本発明の精神と範囲内に入るであろう。
【0057】
上述したように、QOL因子は、一般的な評価基準も含めて様々な評価基準に基づいている。特に図9において、QOLの一般基準が示されている。図9に示される「QOL」のプルダウンメニューによって提示されるように、異なるQOL基準が使用者によって選択されると、夫々の評価基準に関連した異なるパラメータが表示されることが当業者によって理解されるであろう。一般的な評価基準に関連した様々な評価基準の番号は、1:非常に悪い、2:悪い、3:平均、4:良好、5:非常に良好、のように使用される。一般的なQOLの評価基準は、総合QOLスコアと同様に、患者の意識レベル、患者の言語能力、患者の心的状態、患者が経験した達成度、患者の記憶力レベル、患者の見通しによる全体的なQOL因子などの患者に関する様々な因子を含むことができる。総合QOLスコアとは、上記に挙げられた全ての一般的なQOL因子の数学的編集である。例として、一般的なQOL評価基準の構成要素は、図9に個々のプルダウンメニューの項目として示されている。PGWB、WHO−5などの他の評価基準が、図9のプルダウン式の特徴を用いて医師によって選択可能であることは、本開示の利益を有する当業者によって理解されるであろう。他のQOLの欄は、図9には説明を簡略化するため示されていないが、同様に含めることができ、前記他のQOLには、制限されるものではないが、患者の体力レベル、患者の能力(例えば、仕事の能力、学校の能力等)、患者の集中力レベル、患者の感情的及び精神的総括、患者の協調及び調和、患者の睡眠達成量、患者の生殖機能レベル、などが含まれる。
【0058】
図9に示されるように一般的なQOL因子は表示され、インターフェース画面に提供されるドロップダウンメニュー画面を使用して入力される。様々なQOL機能の医師の評価に基づいて、患者管理ユニット275は、総合QOLスコアを算出することができる。医師は、図9に示される画面に提供された「グラフ参照」ボタンを押すことによって、長期間に渡る一又は複数のQOL因子/評価基準のグラフを参照することができる。更に、「投薬情報入力」ボタンは、また、図9に示される画面に提供されており、医師は患者が特定の時期に服用する様々な投薬情報を入力することができる。発作特性(図8)及び/又は本明細書に示される(図9)QOL入力に基づいて、電気システムを規定するパラメータに対する一又は複数の提案された調整は、患者管理ユニット275によって決定され、ヘルスケア提供者及び/又は患者のために表示されるか、又はIMD200によって自動的に実行される。
【0059】
いくつかの場合において、患者は、電気信号治療を伴うてんかん関連の投薬によるのと同様、IMD200によって提供される電気信号治療を用いることによって、てんかんの治療が施される。患者管理ユニット275は、投薬状態及び患者に処方された夫々の投薬量を追跡することができる。図8及び図9の説明に記載したように、投薬状態は、図10に表示されているような表示をもたらす「投薬情報入力」ボタンを押すことで入力できる。入力画面は、ヘルスケア提供者又は患者が現在患者に処方されている様々な投薬情報を入力できるよう提供されている。図10に示されているインターフェース画面には、4種類の投薬情報のみしか表示されていないが、当業者は、任意の数の投薬状態の入力や表示が、患者管理ユニット275によって提供可能であることを理解するであろう。ラミクタル(Lamictal)TMが投薬量100mg、テグレトール(Tegretol)TMが投薬量50mgである例が、図10の例示的なGUI画面に入力されて表示されている。図10のインターフェース表示において入力又は選択される他の投薬情報には、制限されるものではないが、クロナゼパム(Clonazepam)TM、カルバマゼピン(Carbamazepine)TM、カルバトール(Carbatrol)TM、デパケイン(Depakene)TM、デパコート(Depakote)TM、デパコートER(Depakote ER)TM、ダイアモックス(Diamox)TM、ダイアスタット(Diastat)TM、ダイランチン(Dilantin)TM、エメサイド(Emeside)TM、エパニューチン(Epanutin)TM、エピリム(Epilim)TM、フェルバトール(Felbatol)TM、フリジウム(Frisium)TM、ガバペンチン(Gabapentin)TM、ガビトリル(Gabitril)TM、ケプラ(Keppra)TM、クロノピン(Klonopin)TM、リリカブ(Lyricav)TM、ミソリン(Mysoline)TM、ニューロチン(Neurontin)TM、フェノバルビタル(Phenobarbital)TM、フェニテック(Phenytek)TM、フェニトイン(Phenytoin)TM、リボトリル(Rivotril)TM、サブリル(Sabril)TM、テグレトール(Tegretol)TM、トパマックス(Topamax)TM、テグレトールXR(Tegretol XR)TM、トリレプタル(Trileptal)TM、バルプロ酸(Valproic Acid)TM、ザロンチン(Zarontin)TM、ゾネグラン(Zonegran)TM、及び/又はゾニサミド(Zonisamide)TMなどが含まれる。更に、本開示の利益を有する当業者は、本明細書に示される表示領域において表示される様々な投薬情報は、それらのブランド名及び/又はそれらの一般名によって投薬情報に記載することができる。
【0060】
様々なプルダウンメニューの選択肢は、様々な投薬情報、増強剤、それらの関連する投薬量、及び投薬の頻度を入力又は選択するために利用できる。「グラフ参照」ボタンは、様々な因子をグラフで表示するために、図10のインターフェース画面に備えられている。前記様々な因子は、例えば、QOLに対する伝達される刺激の種類(すなわち、電気信号を規定する一又は複数の刺激パラメータ)及び患者に提供される薬剤の量や種類などである。仮想キーボードは、また、様々な投薬情報を図10に示される画面に入力することを可能とし、入力は「保存」インプットボタンを使用することで保存することができる。代替的又は付加的に、てんかんのために処方される標準投薬情報を備えたプルダウン画面は、患者の投薬情報を迅速に入力することを促進するために提供される。図10の画面を使用して、医師及び/又は患者は、特定の患者のための様々な薬剤やそれらに関連した投与量の入力、及び/又は調査、又は表示をすることができる。医師によって提供された入力データは、患者管理ユニット275からIMD200に伝達された指令を使用してIMD200に保存できる。一実施形態において、データは外部ユニット270のローカルデータベースユニット255に保存される。上述された様々な入力データや投薬情報は、医師によって投薬量及び/又は患者に伝達される電気信号治療を記録、分析及び/又は修正するために使用される。あるいは、患者管理ユニット275において提供されるアルゴリズムは、電気信号治療を伝達するための一又は複数の電気信号パラメータにおいて、自動的変更を計画又は実行してもよい。
【0061】
図7−10における「グラフ参照」ボタンは、発作特性やQOL因子などの患者の経過を分析のための様々な要因をグラフ的に表示することに使用される。「グラフ参照」ボタンを押すと、図11に示されるような画面が表示される。図11は、インターフェース画面を示しており、前記インターフェース画面はグラフ形式でデータの様々な相関性を見るために、使用者に表示選択肢を提供する。例えば、グラフ選択肢は、欠神発作型や単純部分発作などの特定の発作率/型の選択を含んでいてもよく、それらは一又は複数の電気信号パラメータと共に見るために選択される。電気信号パラメータは、例えば、刺激の最中にパルスごとに伝達された電荷などで、それは、信号のパルス幅によって増加する出力信号振幅に関係する。一実施形態において、「電荷」表示は、電気信号のパルスのパルス幅によって増加したパルス当たりの電荷に関するものである。一実施形態において、図11の「発作率」の選択は、事前に選択した発作型に基づいている。あるいは、一実施形態において、プルダウンメニューは特定の発作型を選択するために「発作率」のラジオボタンの隣に備えられていてもよい。
【0062】
パルス当たりの出力電流、信号周波数、パルス幅、オンタイム、オフタイム、又は負荷サイクル(オンタイムとオフタイムの合計に対するオンタイムの比率)のような他のパラメータは、付加的又は代替的に使用することができる。例えば、電荷と同様に発作特性は選択でき、一方、出力電流、信号周波数、パルス幅及び負荷サイクルは、図11に示される「ラジオボタン」又は「仮想ボタン」の選択によって示すように選択されない。一実施形態において、ラジオボタン又は仮想ボタンは、事前に選択したパラメータに関する傾向の分析に焦点を当てるために、特定のパラメータを選択的に表示したり、その他を排除したりすることに使用できる。同様に、図11に示されるように、様々な関連する刺激パラメータと共にグラフ的に表示するため、一又は複数のQOLパラメータを選択するために選択可能なボタンを備えることができる。例として、表示するパラメータを選択した後、使用者はインターフェース画面の「グラフ作成」ボタンを押す。図11に示される選択に基づいて(すなわち発作型とそれに対応する電気信号のパルス当たりの電荷)、図11に示される「グラフ作成」ボタンを押すと、図12に示されるグラフィカルインターフェース画面が表示される。使用者は、長期間に渡り、異なるパラメータ調整(adjustment(s))が患者の発作特性(characteristic(s))にどのように影響するか、又は、長期間に渡り、例えば、パルス当たりの電荷が発作特性(characteristic(s))にどのように対応するかをグラフ的に表示できる。異なる傾向を表示できるため、電気信号を修正するのに十分な情報を医師に提供することができる。
【0063】
図12は、欠神発作、単純部分発作、及び長期間に渡る刺激信号のパルス当たりの相当する電荷に関連した一般的な「QOL」スコアの傾向の例示的なグラフを示している。一実施形態において、パルス当たりの電荷は、パルスの幅(すなわちパルス幅)によって増幅された刺激信号の出力電流に関連する。特に、図12のグラフ表示は、一連の期間を表示し、特定の発作型、月当たりの発作数、及び電気信号におけるパルスの対応するパルス当たりの電荷に対応する。図12は、月当たりの発作数と特定のデータとの間の相互関係を示している。X軸は異なる日数、週数、月数を表す一連の日付(すなわち、日付1−6など)から構成されている。Y軸は所定期間内に発生した発作数(例えば、一月における発作数)を表している。図12に示される例示的なインターフェース画面は、刺激信号の電荷の上昇にともなう、経時的な欠神発作型や単純部分発作の相対的減少を示している。図12のインターフェース画面は、また、一又は複数の「仮想ボタン」を押すことでグラフ表示を修正することができる。「仮想ボタン」は、パルス当たりの電荷と同様に、例えば、出力電流、周波数及び/又はパルス幅などのグラフ化されるパラメータを選択するのに使用できる。従って、医師は発作特性に対して異なるパラメータのグラフ化の選択肢を得ることができる。図12のインターフェース画面に提供された情報にアクセスする医師は、このデータを現在の患者の設定が発作特性を低下させるのに効果的かどうかを決定するために使用できる。図12の表示を使用して、医師は、投薬状態及び/又は患者に伝達される電気信号治療の修正を決定することができる。更に、図12のGUI画面は、様々な追加のデータを表示する他の付加的なポップアップ画面部分を表示できる。追加データとしては、制限されるものではないが、受診日の数;電気信号の電流振幅、パルス幅、及び負荷サイクル;薬剤の種類と投薬量などがある。理解されるように、追加又はより少ないデータは、ポップアップ画面部分に備えられてもよい。いくつかの実施形態において、使用者は、ポップアップ表示によってどの情報が提供されるかを選択でき、また、表示を完全に取り除くこともできる。
【0064】
図13は、特定の刺激パラメータに関連したQOL表示を示している。例えば、使用者は、言語能力、心的状態因子、達成度などの特定のQOL因子を選択して、これらの因子を、伝達された刺激信号のパルス当たりの電荷やその他の電気信号パラメータと共に表示することができる。図13の例示は、図に示されている「仮想ボタン」を使用して選択された様々なQOL指標が、IMD200によって伝達される刺激信号のパルス当たりの電荷の増加に従って、患者にとって改善されていることを示している。医師は、また、特定のQOLパラメータ及び電気パラメータを選択及び非選択することで、効果の決定に関する他の相関関係を決定するために表示を変えることができる。この情報又は類似の情報を使用して、医師は、現在の患者の設定が効果的かどうかを評価することができ、そのことは、一又は複数の患者のQOLの側面を改善することができる調整につながるであろう。医師は、また、電気信号が効果において他の場合よりも早く減少する時期を発見することができ、そのため、医師は効果を維持又は元の状態に戻すために、一又は複数のパラメータを修正することができる。QOL因子の様々な他のタイプは、同様に、本発明の実施形態において分析され、本発明の精神と範囲内に入るであろう。図5−13に示されるインターフェース画面に加えて、本開示の利益を有する当業者は、GUIユニット240を使用して、双方向の通信のための様々な他のインターフェース画面を実施することができるであろう。
【0065】
図14に移ると、本発明における患者管理機能を実行する方法に関するフローチャートが示されている。患者管理ユニット275の適切な動作を維持するため、IMD200は、患者の身体の様々な部分に関連した患者パラメータを定期的に取得するように促される(ブロック1410)。患者パラメータの取得は様々な身体パラメータを含んでおり、前記身体パラメータには、IMD200に連結されたセンサー、QOL指標(indication(s))、発作頻度パラメータ(parameter(s))、発作特性パラメータ(parameter(s))、副作用パラメータ(parameter(s))、脳活動パラメータ(parameter(s))、及び投薬量パラメータ(parameter(s))などが含まれる。IMD200は、また、電気信号を規定するために使用される様々な治療パラメータを記憶する(ブロック1420)。治療パラメータは、制限されるものではないが、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び/又は負荷サイクルなどが含まれる。
【0066】
外部ユニット270の一部分は、様々なタスクを実行するため患者管理ユニット275から指示を受信することができる(ブロック1430)。更に、患者管理システムは、GUIからの入力を受信でき(ブロック1460)、前記入力はGUIからIMD200に送信される(ブロック1470)。そしてIMD200は、特定のタスクを実行する。受信した指示に基づいて、外部ユニット270は、治療パラメータと患者パラメータとを関連付けることができる(ブロック1440)。あるいは、このタスクはIMD200によって同様に実行されてもよい。患者パラメータと治療パラメータとの相関性は、ある期間における、特定の治療パラメータと、ある生理学的指標及び/又はQOL指標との相関関係を提供する。例えば、刺激信号による特定の治療法の伝達後24時間の期間は、様々な患者データを取得するための期間として使用される。あるいは、医師の毎回の受診は、医師によってGUIユニット240に入力されるQOLパラメータを記録するための基準として使用できる。相関データ及び/又は患者パラメータ又は治療パラメータのデータのリストは、GUIユニット240によって表示される(ブロック1480)。
【0067】
患者管理システムは、また、受信した指示に基づいて、治療パラメータ及び/又は患者パラメータを表示させることができる(ブロック1450)。発作型などのいくつかの患者パラメータは、一又は複数の治療(電気信号)パラメータとともに表示される。従って、医師は、伝達された電気刺激治療の効果の評価をするために、患者の一般的健康傾向を表示する様々な指標を検討できる。そして、医師は、患者への効果を改善、維持又は元の状態に戻すために、IMD200の動作を修正できる。より自動的なIMDデータの記録、編成、表示、及びIMD200の動作の制御は、本発明における実施形態によって提供される患者管理システムを用いることで実行される。
【0068】
本発明の実施形態において提供される患者管理ツールを用いることで、多くの利点が明らかになるであろう。本明細書に提供される患者管理ツールは、VNSセラピー(VNS Therapy)TMプログラミングソフトウェアに組み込まれている。本発明における患者管理ツールを使用することの利点の一つは、医師に、パラメータや患者の情報を記録するときに時間のかからないソフトウェアツールを提示できることである。本発明における患者管理ツールを用いることの他の利点は、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255に記憶された情報をグラフ化することで、IMD200から治療を施される患者の経過を迅速に見ることができることである。グラフは、印刷されて患者のカルテに備えられて、また、患者が利用可能とされる。時間経過とともに多くの患者の収集されたデータは、どの設定が一番多くの患者に効果的であるかを決定するため、及びてんかん治療のための電気信号治療と対応する共通の特性を共有する患者の個々のサブグループを評価及び認識するために、統計的に分析される。更に、この情報は、データベースに保存され、更なる評価のために医師のコンピュータ装置(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットワークコンピュータ/端末、ハンドヘルドコンピュータ装置)に容易にダウンロードできる。
【0069】
本明細書に開示及び主張された全ての方法や装置は、本開示を考慮すると、必要以上の実験を行うことなく作成されて実行される。本発明における方法や装置は、特定の実施形態によって説明されたが、添付の請求項に規定されるように、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される方法及び装置、並びに方法の段階又は一連の段階に変更を施すことは、当業者にとって明らかであろう。発明の原理は、てんかんを患う患者の治療において特定の結果に達成するために、迷走神経以外の又は迷走神経に加えて、選定された脳神経にも適用できることは明らかである。
【0070】
本発明は、本明細書の教示から利益を得る当業者にとって明らかな、異なるが同等な方法で改変し実施することができるので、上記に開示された特定の実施形態は単なる実例である。更に、下記の特許請求の範囲に記載したものを除き、本明細書に示した構造又は設計の詳細に限定することは意図されていない。従って、上記に開示した特定の実施形態は、変更又は修正されもよく、そのような全ての変形体は本発明の範囲と精神の範囲内にあることは明らかである。従って、本明細書で請求される保護は、下記の特許請求の範囲に記載された通りである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して埋め込み型医療装置システムに関する。より詳細には、本発明は、埋め込み型医療装置(IMD)を用いたてんかん治療のための患者治療管理における相互討論を提供する患者管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの前進技術がてんかんなどの病気治療のために築き上げられてきた。これらの病気を治すための電気信号を用いた治療は、効果的であることがわかってきた。埋め込み型医療装置は、これらの病気治療のために、人体の様々な部分(例えば迷走神経)に治療的刺激を伝達するのに効果的に使用されてきた。本明細書において、「刺激」または「刺激信号」とは、患者の身体における神経構造への電気的、機械的、磁気的、電磁気的、光学的、音響的及び/又は化学的信号の印加を指す。信号は、患者の身体や環境から生じる内因性の電気的、機械的及び化学的活性(例えば、求心性及び/又は遠心性の電気的活動電位)とは異なる外因性の信号である。すなわち、本発明において、神経に印加される刺激信号は(電気的、機械的、磁気的、電磁気的、光学的、音響的又は化学的の何れの性質であろうとも)、例えば神経刺激装置などの人工的な供給源から印加される信号である。
【0003】
「治療信号」は、神経組織に調節作用をもたらすことで病気を治療する目的を有し、患者の身体に伝達される刺激信号を指す。ニューロン活動への刺激信号の効果は「調節」と称される。しかしながら、本明細書において、単純化のために、「刺激」、「調節」及びそれらの変化形は、置き換え可能に使用されることがある。しかしながら、一般的には外因性の信号自体の伝達は、神経構造の“刺激”と称するが、一方で、神経構造の電気的活性に対するどのような信号の効果も「調節」と適切に称される。神経組織への刺激信号の調節作用は興奮的又は抑制的であり、ニューロン活動における急性及び/又は長期間に渡る変化を促進する。例えば、神経組織への刺激信号の「調節」作用は、一又は複数の以下の効果を含む:(a)活動電位の開始(求心性及び/又は遠心性の活動電位);(b)過分極及び/又は衝突遮断を含め、内因性又は外因性により誘発された活動電位の抑制又は伝導遮断、(c)神経伝達物質/神経修飾物質の放出又は取り込みに影響を与える変化、及び(d)脳組織の神経可塑性又は神経発生における変化。
【0004】
電気的神経刺激は患者の皮膚の下部に電気装置を埋め込み、脳神経などの神経に電気的信号を伝達することによって提供される。一実施形態において、電気的神経刺激は身体パラメータの検知又は検出を含み、検出された身体パラメータに応じて電気的信号が伝達される。この種の刺激は、一般的に「能動(active)」、「フィードバック」又は「誘発(triggered)」刺激と称される。他の実施形態において、システムは、一旦、神経刺激によって治療可能である病状と患者が診断されると、患者の身体パラメータの検知又は検出をすることなく作用する。この場合、システムは神経(例えば、迷走神経などの脳神経)に一連の電気パルスを一日中又は別の所定の時間間隔にわたって周期的、断続的、又は連続的に印加することができる。この種の刺激は一般的に「受動(passive)」、「ノンフィードバック」又は「予防(prophylactic)」と称される。刺激は患者の体内に埋め込まれたIMDによって印加される。他の代替実施形態において、信号は、埋め込まれた電極にRFや無線リンクによって連結された患者の身体の外側にある外部パルス発生器によって生じてもよい。
【0005】
一般的に、神経修飾を行う神経刺激信号は、埋め込み型装置によって一又は複数のリード線を経由して伝達される。リード線は、一般的に電極で終結し、その電極は電気的に患者の身体の組織に連結されている。例えば、数多くの電極は、神経刺激信号を伝達するために、人体の内部の神経又は他の組織の様々な部分に取り付けることができる。
【0006】
最先端の埋め込み型医療システムは、埋め込み型装置によって伝達される治療電気信号をプログラムするため、診断を実施するため、及び治療電気信号を規定する一又は複数のパラメータを調整するために、IMDと通信する外部装置を使用する。医師は受診の際に、患者に施された特定の治療法の経過を評価することができる。その医師は、患者を診察して提供された治療の効果を決定し、患者に提供する次の治療を修正するための様々な刺激パラメータを、新たにプログラム、又は調整する外部装置を使用することができる。
【0007】
最先端の埋め込み型神経刺激装置に関連する問題には、退屈な記録やカルテの調査(例えば、発作の種類、頻度、強度など)がてんかんの患者を治療するための治療管理の実施に必要であるという現状が含まれる。医師が患者を評価する時、IMDによって提供される治療のための様々な設定は、受診のたびに患者のカルテに記録される。その後の往診において、医師はIMDによって提供される治療を調節するために、カルテの前回の記載を調べることができる(例えば、医師は、治療的電気信号を規定する様々なパラメータ、患者に処方された薬剤などを調査できる。)。
【0008】
パラメータ、投薬情報、及び患者評価における変化の記載作業は、時間がかかるのと共に全く退屈であり、重要な情報が収集されていない、又は効果を向上又は維持するために治療に施される調整に取り入れられていない対応する危険性を有する。さらに、患者に適切な治療を決定するために、現在の患者の評価と共に以前の患者のカルテの記載の全てを調査することは、特に大量のデータが収集及び関連付けされなければならない点において、手間がかかる、又は実行不可能である。さらに、固有の変化、又は他の傾向(例えば、発作の種類や頻度等における進行性の変化)は、患者のカルテの様々な記載を参照しても医師によって容易に見い出されることはないであろう。従って、治療の効果を向上させる機会は、集められたデータの不十分又は不適当な評価と共に、患者評価の退屈な性質及び患者のカルテを構成する多量のデータの記載によって、不用意にも逃されていた。
【0009】
本発明は、上記した一又は複数の問題の影響を解消、又は少なくとも軽減することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/122486号明細書
【発明の概要】
【0011】
一形態において、本発明は、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。てんかん治療のための埋め込み型医療装置によって提供されて電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータが得られる。電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータは、少なくとも1つの患者パラメータと関連付けられる。治療パラメータと患者パラメータとの相関関係に関する表示は、外部コンピュータ装置を用いて提供される。
【0012】
他の形態において、外部装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェースは、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能を実行するために提供される。そのグラフィカルユーザーインターフェースは、てんかん治療のための埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータと、埋め込み型医療装置によって提供される電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータとの間における相互関係のグラフ説明図の可視表示を映し出すよう適合された表示領域を提供できる。
【0013】
また、本発明の他の形態において、指示がコード化されたコンピュータ可読のプログラム保存装置は、埋め込み型医療装置を用いたてんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。そのコンピュータ可読のプログラム保存装置は指示がコード化されており、コンピュータによって実行されると、以下の事項を含む方法を実施する:てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供されて電気信号に関する少なくとも1つの患者のパラメータの取得;電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと、少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け;及び外部コンピュータ装置を用いて、治療パラメータと患者パラメータとの関連付けに関する表示の提供。
【0014】
また、他の形態において、埋め込み型医療装置システムは、てんかん治療のための患者管理機能の実行を提供する。そのシステムは、電気信号を提供すること、及びてんかん治療のためにそれを神経組織に印加することが可能な埋め込み型医療装置を含む。そのシステムは、また、埋め込み型医療装置と通信可能な外部コンピュータ装置を含む。その外部コンピュータ装置は、電気信号に関する少なくとも1つの患者パラメータの取得;電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け;及び治療パラメータと患者パラメータとの関連に関する表示の提供が可能である。
【0015】
本発明は、添付図面と共に以下の説明を参照することによって理解されるであろう。添付図面において、参照番号は同様の構成番号を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、てんかん治療のために患者の身体の神経構造へ電気信号を提供するよう患者の身体に埋め込まれた埋め込み型医療装置の模式図である。
【図2A】本発明の一実施形態における患者管理システムを提供するための埋め込み型医療装置とグラフィカルユーザーインターフェースユニットを有する外部装置とを含む埋め込み型医療システムのブロック図である。
【図2B】本発明の代替実施形態における患者管理システムを提供するための埋め込み型医療装置とグラフィカルユーザーインターフェースユニットとを有する外部装置を含む埋め込み型医療システムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における図2Bに示されるインターフェースユニットのより詳細なブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における図2に示される患者管理ユニットのより詳細なブロック図である。
【図5−13】本発明の一実施形態における様々な患者管理機能を実行するための、図2A及び図2Bに示されるGUIユニットによって表示される様々な画面(例えばGUI表示)を表す図である。
【図14】本発明の一実施形態における患者管理機能の実行方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における実施形態を本明細書で説明する。明確にしておくと、本明細書において、実際の実施における全ての特徴が記載されているわけではない。そのような実際の実施形態の開発において、多数の実施特異的な決定は、設計特異的な目的を達成するためになされなければならない。それは一つの実施から別の実施において変化するであろう。おそらく複雑であり時間が掛かるものの、それにもかかわらずそのような開発努力は、この開示の利益を得る当業者にとって日常的に行われるであろうことを理解されたい。
【0018】
本明細書において、機能が同じで名称が異なる構成要素を区別しない。以下の考察及び請求項において、用語「含んでいる(including)」及び「含む(include)」は拡張可能に使用される。従って、「を含むが、これに限定されない。(including,but not limited to.)」を意味するように解釈されるべきである。また、用語「連結する(couple又はcouples)」は、直接の又は間接の電気接続のどちらかを意味するように解される。「直接接触」、「直接取り付け」、又は「直接連結」を提供することは、それらの間に実質的な減衰媒体を介さないで、第1要素の表面が第2要素の表面に接触することを意味する。電気接続を実質的に減衰させない体液などの物質の存在は、直接接触を損なわない。単語「又は(or)」は、逆の意味での特別の使用が特に明記されていない限り、包括的な意味(すなわち、「及び/又は(and/or)」)として使用される。
【0019】
本明細書で使用される用語「電極(electrode又はelectrodes)」は、一又は複数の刺激電極(すなわち、組織に対してIMDによって生じる電気的信号を伝達するための電極)、検出電極(すなわち、患者の身体の生理的指標を検出するための電極)、及び/又は検出機能を実行するのと同様に刺激信号を伝達できる電極を指す。
【0020】
脳神経刺激は、例えば、てんかん及びその他の運動性疾患、うつ病、不安障害及びその他の精神神経疾患、痴呆症、頭部外傷、昏睡状態、偏頭痛、肥満、摂食障害、睡眠障害、心疾患(例えば、鬱血性心不全及び心房性細動など)、高血圧、内分泌疾患(例えば、糖尿病及び低血糖)、及び痛みを含む、数多くの神経系疾患を治療するために提案されてきた。米国特許第4,867,164号;第5,299,569号;第5,269,303号;第5,571,150号;第5,215,086号;第5,188,104号;第5,263,480号;第6,587,719号;第6,609,025号;第5,335,657号;第6,622,041号;第5,916,239号;第5,707,400号;第5,231,988号;及び第5,330,515号を参照のこと。数多くの提示された疾患に対して脳神経刺激が治療法の選択肢として提案又は推奨されているものの、多くの(全てではないが)脳神経の詳細な神経経路が比較的判明していないという事実が、所定の疾患に対する効果の予測を困難又は不可能にしている。たとえそのような経路が判明していたとしても、やはり、特定の疾患に関連する特定の経路を調節する正確な刺激パラメータは、一般的に予測不可能である。
【0021】
特定の疾患に対する効果を予測することは困難であるにもかかわらず、てんかんを治すための治療として迷走神経刺激を使用することは、治療の選択肢として確立されている。多くの患者がその治療に対して良好な反応を示しても、かなりの数の患者は、良好な治療効果を得るため及び/又は維持するため、定期的に調整された治療的電気信号を施されなければならない。本発明は、患者の状態に関する情報及び治療経過を得て治療決定プロセスに取り込むための患者管理システムを提供する。より具体的には、本発明に係る実施形態は、てんかん治療のためのIMDシステムの実行に関する様々な患者パラメータ及び治療パラメータの自動的な収集及び評価のための患者管理システムを提供する。本発明の実施形態によって提供される患者管理システムは、てんかんに関するデータ作成や、様々な患者及び刺激パラメータの分析過程を容易にすることができる。このデータ作成のプロセスは、治療効果に関する様々な傾向を決定するのに有効的である。これらのデータを用いることで、医師は、治療及び/又は投薬状態を変化させることが好ましいかどうかを決定することができる。
【0022】
本発明における患者管理システムは、様々な種類のデータを取得、記憶、及び処理することができるソフトウェアモジュールを提供する。そのデータは、例えば、患者のデータ/パラメータ(例えば、生理学的データ、心拍数や呼吸に対する影響などの副作用のデータ、脳活動パラメータ、病気の進行又は退行のデータ、自己評価データ、発作特性のデータ、生活の質(QOL)データ、等)、治療パラメータのデータなどである。治療パラメータは、制限されるものではないが、IMDによって伝達される治療信号を規定する電気信号パラメータ、投薬パラメータ(例えば、投薬量、患者に投薬された頻度等)、及び/又はその他の治療パラメータを含んでいてもよい。代替実施形態においては、用語「治療パラメータ」は、IMDによって伝達される治療信号を規定する電気信号パラメータを指す。他の診断と医師の関連性のデータも本発明における患者管理システムによって記憶することができる。例えば、患者管理システムは、患者の受診の日付、IMDに関連する様々なパラメータに対する変更、医師の入力、患者の入力などを記憶することができる。
【0023】
一実施形態において、本発明における患者管理システムは、また、双方向性のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する。患者管理システムのGUIは、患者管理システムにおける稼動モードの選択など、様々な医師の情報入力を促進することができる。一旦、入力モード、評価モード、治療調整モードなどの特定のモードが使用者(例えば、医師、看護士、又は医療技術士)によって開始されると、患者管理ツールは、患者に提供される治療に関する様々なデータを取得、処理、記憶及び/又は表示するために、双方向性のインターフェースを提供することができる。例えば、医師は、毎回の受診等の際に、患者の発作パラメータ(parameter(s))、「QOL」入力因子、患者の投薬状態などの情報を入力することができる。患者管理システムは、その結果、この情報を記憶し、GUIを用いて流行型の情報表示を提供できる。例えば、長期間に渡り、治療パラメータと共に様々な発作パラメータ(parameter(s))、QOL入力などに関する情報を分析することで、医師は、その結果、治療の進展を評価して適切な調整をすることができる。様々な治療の設定、投薬レベルなどは、患者への効果やQOLを向上させるために調整することができる。
【0024】
さほど制限はされないが、本発明における実施形態を実施可能なシステムを以下に説明する。図1は、本発明の一又は複数の実施形態の実施における、埋め込み型医療システム100の模式図である。電気信号発生器110は、リード122に接続するためのヘッダー116(図1A)を備えたケース又はシェルを有する本体112を備えている。発生器110は、ペースメーカーパルス発生器の埋め込み方法と同じ様に、皮膚の直下に移植外科医によって形成された患者の胸の窪み又は空洞に埋め込まれる(点線145によって示す)。
【0025】
好ましくは少なくとも1つの電極対を有する複数の電極を備えている神経電極組立体125は、絶縁された電気的導電性リード線アセンブリ122の遠位端に導電的に接続されており、リード線アセンブリ122は、好ましくは複数のリード線(一つの線が夫々の電極用である)を備えている。電極組立体125における夫々の電極は、独立して又は選択的に操作することができる。
【0026】
リード線アセンブリ122は、発生器110のヘッダー116におけるコネクタにその近位端が取り付けられている。電極組立体125は、患者の首やその他の部分、例えば患者の横隔膜近傍における迷走神経に外科的に連結できる。その他の(又は付加的な)脳神経は、また、電気信号を伝達するのに利用することができる。一実施形態において、電極組立体125は、双極刺激電極対126、128を備えている。好適な電極組立体として、モデル302電極組立体がテキサス州ヒューストンのサイバーロニックス社から購入可能である。しかしながら、当業者には、本発明において多数の電極設計が使用可能であると理解されたい。一実施形態において、2つの電極は迷走神経に巻きつけられており、電極組立体125は、1990年12月25日にリース エス.テリー ジュニア(Reese S.Terry,Jr.)に対して発行され本出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許第4,979,511号に開示されているような螺旋状係留テザー(spiral anchoring tether)130によって神経127に固定される。リード線アセンブリ122は、近くの組織(図示しない)に縫合接続部130によって、胸や首の動きにあわせて収縮する能力を保持しながら固定されている。
【0027】
代替形態において、電極組立体125は、温度感知要素及び/又は心拍数センサー要素を備えている。他の身体パラメータに対する他のセンサーは、また、能動的刺激を誘因するために用いられる。受動的及び能動的刺激の両者は、本発明によって単一のIMDによって組み合わせられ、又は伝達することができる。片方又は両方のモードは、観察下にある特定の患者を治療するのに適している。
【0028】
電気パルス発生器110は、本明細書の説明に基づいて、プログラム用ソフトウェアを用いて外部のコンピュータ150によってプログラムすることができる。プログラム用ワンド(programming wand)155は、コンピュータ150とパルス発生器110との間の周波数比(RF)通信を促進するために用いられる。プログラム用ワンド155及びコンピュータ150は、発生器が埋め込まれた後に、発生器110との非侵襲性通信を許容する。コンピュータ150が医療埋め込み型通信サービス(MICS)帯域幅における一又は複数のチャンネルを使用するシステムにおいて、プログラム用ワンド155は、コンピュータ150とパルス発生器110との間でより便利で直接的な通信を許容するために除外することができる。
【0029】
次に図2Aに移ると、本発明の一実施形態におけるIMD200のブロック図が示されている。IMD200(図1の発生器110等)は、IMD200の操作における様々な側面を制御できるコントローラ210を備えている。コントローラ210は、内部データ又は外部データの受信、及びてんかん治療のための電気信号の発生及び患者の身体の標的組織に向けた電気信号の伝達を行うことができる。例えば、コントローラ210は、外部のオペレータから手動の指示を受信でき、または、内部の計算及びプログラミングに基づいて電気信号を発生させることができる。コントローラ210は、IMD200のほぼ全ての機能に影響を及ぼす。
【0030】
コントローラ210は、プロセッサ215、メモリ217などの様々な部品から構成されている。プロセッサ215は、ソフトウェア構成要素の様々な履行を実行することができる一又は複数のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどを備えている。メモリ217は、数多くのデータ(例えば、内部データ、外部データ指示、ソフトウェアコード、状況データ、診断データ等)が記憶されている様々なメモリ部分を備えていてもよい。メモリ217は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的に消去可能な書き込み可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ等を備えていてもよい。
【0031】
IMD200は、また、リード線を介して一又は複数の電極に対して電気信号を発生及び伝達させることができる刺激ユニット220を備えている。リード線アセンブリ122はIMD200に連結される。コントローラ210からの指示に基づいて、刺激ユニット220によってリード線アセンブリ122を構成しているリード線を経由して治療を提供することができる。刺激ユニット220は、刺激信号発生器、リード線から「見た」インピーダンスを制御するインピーダンス制御回路、及び組織に電気信号を伝達することに関して指示を受信する他の回路など、様々な回路を備えることができる。刺激ユニット220は、リード線アセンブリ122を構成しているリード線を経由して、制御された電流刺激信号を伝達することができる。
【0032】
IMD200は、また、電源230を備えている。電源230は、治療的電気信号を伝達することを含むIMD200の稼動のための電力を供給するための、バッテリ、電圧レギュレータ、コンデンサなどを備えていてもよい。電源230は、いくつかの実施形態において、再充電可能な電源から構成されている。他の実施形態においては、再充電不能な電源が使用されている。電源230は、電子操作、及び電気信号の発生及び伝達機能を含む、IMD200を動作させる電力を提供する。電源230は、リチウム/塩化チオニル電池、又はリチウム/一フッ化炭素電池(LiCFx)を備えていてもよい。埋め込み型医療装置の技術分野で既知の他のタイプのバッテリを使用することもできる。
【0033】
IMD200は、また、IMD200と様々な装置との間の通信を促進することができる通信ユニット260を備えている。特に、通信ユニット260は、コンピュータ150やワンド155(図1)のような外部ユニット270との間の電子信号の送信及び受信のやりとりをすることができる。通信ユニット260は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0034】
外部ユニット270は、IMD200の様々なモジュール及び電気信号パラメータをプログラムすることができる。一実施形態において、外部装置270は、データ取得プログラムを実行することができるコンピュータシステムである。外部装置270は、例えば、医院のような基地局において、医者のようなヘルスケア提供者によって制御される。代替実施形態において、外部ユニット270は、ヘルスケア提供者によって制御される他の外部ユニット270よりもIMD200の操作において制御性の低いシステムを、患者が制御することができる。患者、又はヘルスケア提供者のどちらに制御されるとしても、外部ユニット270はコンピュータであり、好ましくはハンドヘルドコンピュータ、又はPDAであるが、代替として、電子通信及びプログラミングすることができる他の装置を備えていてもよい。外部装置270は、IMDの動作をプログラムするために、様々なパラメータやプログラムソフトウェアをIMD200にダウンロードすることができる。そして、また、外部装置270は、IMD200から様々な状態や他のデータを受信及びアップロードすることができる。IMD200における外部ユニット270と通信ユニット260との間の通信は、図2A及び図2Bにおいて線277によって概略的に示される無線又は他のタイプの通信によって行うことができる。これは、発生器110と無線周波エネルギーによって通信するため、たとえばワンド155(図1)を用いて行うことができる。あるいは、ワンドは、例えば、外部ユニット270がMICS帯域幅において動作するシステムのようないくつかのシステムにおいて省略することができる。
【0035】
IMD200は、また、様々な患者パラメータを検出することができる検出ユニット295を備えている。例えば、検出ユニット295は、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェアを備えていてもよく、それらはてんかん関連疾患に関する患者の一又は複数の身体パラメータに関連したデータを決定することができる。検出ユニット295によって読み取られたデータに基づいて、IMD200はてんかん治療のために、迷走神経の一部分に電気信号を伝達することができる。一実施形態において、検出ユニット295は、患者からのフィードバック反応を検出することができる。フィードバック反応は、IMD200等への磁気信号入力、タップ入力、無線データ入力を含む。フィードバックは、痛み及び/又は不快感の閾値を表すことができ、ここでいう閾値とは、特定の患者にとっての不快感に対するの忍耐の限界である。
【0036】
IMD200は、また、電極選択ユニット290を備えている。電極選択ユニット290は、迷走神経の様々な部分に操作可能に連結された一つ以上の複数の電極へ電気信号を向かわせることができる。刺激標的ユニット290は、左迷走神経本幹、右迷走神経本幹、又は、左又は右迷走神経枝に刺激信号を向かわせることができる。又は、刺激標的ユニット290は、迷走神経の一部分に連結された複数の電極の間から選択された特定の電極によって、主要迷走神経本幹内の特定の神経軸索に電気信号を「導く」ことができる。このような方法で、刺激標的ユニットは、迷走神経の所定の部分を目標とすることができる。従って、検出ユニット295によって検出された特定のタイプのデータに基づいて、電極選択ユニット290は求心性活動電位、遠心性活動電位を発生させること、求心性及び/又は遠心性活動電位を阻害すること、又はてんかん治療のための上述の効果を組み合わせることが可能である信号を提供することができる。
【0037】
外部ユニット270は、本明細書に示す様々な患者管理プロセスを実行することができる患者管理ユニット275を備えている。患者管理ユニット270は、IMD200によって提供される治療に関するデータの取得、貯蔵及び/又は処理と同様に、IMD200による様々な診断を実行することができる。患者管理ユニット270のより詳細な説明は、図4と以下の記述によって提供される。
【0038】
一実施形態において、外部ユニット270は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ユニット240を備えている。GUIユニット240は、また、外部ユニット270から分離したユニットとすることができることが理解される。GUIユニット240は外部ユニット270の一部であること、又は外部ユニット270から分離されていることのいずれにも関わらず、外部ユニット270はGUIユニット240に様々な表示をすることができる。一実施形態において、GUIユニット240は、一又は複数の表示をするために外部ユニット270からデータを受信するだけでなく、医師や患者等の使用者からの入力を受信したり、患者管理ユニット275にデータを送信したりすることができる。GUIユニット240は、制限されるものではないが、コンピュータ端末、ブラウン管(CRT)装置、液晶装置(LCD)モジュール、プラズマディスプレイ装置などを含む多種多様によって構成することができる。GUIユニット240は、使用者からの外部入力を検出することができるタッチセンサー式画面モニターを含んでいてもよい。それは、また、携帯情報末端(PDA)、ペン入力装置、携帯用コンピュータ装置などのハンドヘルド装置であってもよい。
【0039】
一実施形態において、外部ユニット270は、ローカルデータベースユニット255を備えており、患者管理ユニット275はローカルデータベースユニット255からデータを受信することができる。付加的又は代替的に、外部ユニット270は、また、データベースユニット250に連結されており、データベースユニット250は、外部ユニット270(例えば、ハンドヘルド外部ユニット270に無線で接続された集中データベース)と分離されている。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、様々な患者のデータを記憶することができる。このデータは患者の身体から取得された患者パラメータデータ及び/又は治療パラメータデータを含む。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、複数の患者のデータを有しており、日付形式、病気重症度形式などの多様な様式で整理、記憶することができる。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、一実施形態において相関するデータベースであってもよい。医師は、IMD200からのデータ、及び/又はデータベースユニット250、及び/又はローカルデータベースユニット255からのデータを表示することができるGUIユニット240を用いることにより、以下に示す様々な患者管理機能を実行することができる。データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255は、発作タイプ等の様々な患者のデータを記憶することができる。GUIユニット240へ入力された情報は、刺激のための様々なパラメータを修正するためにIMD200に送られる。
【0040】
図2Aにおいて、IMD200のブロック図中に示した一又は複数のブロックは、ハードウェアユニット、ソフトウェアユニット、ファームユニット、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。更に、図2Aに示された一又は複数のブロックは、回路ハードウェアユニット、ソフトウェアアルゴリズム等を示す他のブロックと組み合わせることができる。更に、図2Aに示される様々なブロックと関連したいくつかの回路又はソフトウェアユニットは、フィールドプログラマブルゲートアレイやASIC装置などのプログラム可能な装置と組み合わせてもよい。
【0041】
図2Bに移ると、本発明の代替実施形態におけるIMD200のブロック図が示されている。図2Aの同様のブロックに相当する図2Bの様々なブロックは、同様の方法にて操作される。更に、図2Bに示される代替実施形態は、また、インターフェースユニット280を備えている。インターフェースユニット280は外部ユニット270と通信することができる。インターフェースユニット280は、通信ユニット260を経由して外部ユニット270から指示及び/又はデータを受信することができる。インターフェースユニット280は、IMD200においてメモリ217にアクセスするような様々なタスクを行うことができる。更に、インターフェースユニット280は、外部ユニット270によって表示されるように、要求されたデータを外部ユニット270に提供することができる。インターフェースユニット280のより詳細な説明は、図3及び以下の説明によって提供される。
【0042】
図3に移ると、本発明の一実施形態における、図2Bにおけるインターフェースユニット280のより詳細なブロック図が示されている。インターフェースユニット280は、IMD200のメモリ217にデータを受信及び/又は記憶することができるメモリインターフェース320を備えている。メモリインターフェース320は、メモリ217へのアクセスを容易にする様々なハードウェア及び/又はファームウェアオブジェクトを備えていてもよい。
【0043】
インターフェースユニット280は、また、データコントローラ310を備えている。データコントローラ310は、IMD200の様々な部分に様々なパラメータデータを提供するのと同様、外部ユニット270からの情報の受信及び処理などのインターフェースユニット280によって実行される様々な機能を制御することができる。インターフェースユニット280は、また、データ処理ユニット330を備えている。データ処理ユニット330は、様々な患者パラメータのデータや刺激に関するデータを処理することができる。例えば、外部ユニット270からの指令に基づいて、データ処理ユニット330は、患者のデータが取得された所定の期間内において使用された特定の刺激パラメータと患者のデータとを処理して関連付けることができる。例えば、所定の期間内において特定の治療刺激サイクルが提供された後に、様々な患者のパラメータがIMD200によって収集される。このデータは、患者のデータと様々な刺激パラメータとの間の関係に関する傾向を決定することができるような態様で関連付けられて整理される。統計及び/又はその他の形式のデータ操作は、また、データ処理ユニット330によって実行することができる。
【0044】
更に、インターフェースユニット280は、また、インプットユニット340を備えている。インプットユニット340は、通信ユニット260を経由して外部ユニット270からデータを受信することができる。更に、インターフェースユニット280は、また、アウトプットユニット350を備えている。アウトプットユニット350は、インターフェースユニット280から外部ユニット270へデータを提供することができる。インプットユニット340は、例えば、シリアルからパラレル又は逆にデータを変換するように、データを処理及び効率化するための様々なレジスタ、バッファ及び/又は増幅器を備えていてもよい。アウトプットユニット350は、また、インターフェースユニット280から外部ユニット270への通信のために、データの記録、貯蔵、及び/又は増幅をすることができる。インターフェースユニット280は、データの収集、処理及び/又は記憶と同様に、IMD200において指示の受信や、様々な応答動作を提供することができる。インターフェースユニット280は、例えば医師などの外部の使用者とIMD200との間における双方向性を提供するグラフィカルユーザーインターフェースの使用を可能とする。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態おける外部ユニット270(図2)の患者管理ユニット275について、より詳細なブロック図を示している。患者管理ユニット275は、本明細書に示す様々な患者管理タスクを実行することができる患者管理コントローラ410を備えている。患者管理コントローラ410は、マイクロプロセッサ、ファームウェアオブジェクト(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はASIC装置)、及び/又はソフトウェアモジュールであってもよい。患者管理コントローラ410は、データベースインターフェース430を経由して、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255(図2)からデータを抽出することができる。データベースインターフェース430は、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255からデータを取り込む、及び/又は送信するための様々な増幅器、バッファ、レジスタ及び/又はソフトウェアモジュールを含んでいてもよい。患者管理ユニット275は、また、IMD200にデータを受信又は送信することができるIMDデータインターフェース420を備えている。IMDデータインターフェース420は、IMD200にデータを送信する、及び/又はIMD200からデータを受信するための様々な増幅器、バッファ、レジスタ及び/又はソフトウェアモジュールを備えていてもよい。
【0046】
患者管理ユニット275は、また、外部ユニット270によって実行されるソフトウェアプログラム/コードの種類の選択に用いられるプログラム選択ユニット440を備えている。プログラム選択ユニット440は、アクセスされるIMD200の種類を外部ユニット270に対して明らかにする。例えば、使用者は、てんかん治療のために埋め込まれたIMD200において、プログラム選択ユニット440への入力として「てんかん」を選択することができる。同様に、うつ病、過食症、トラウマ的頭部外傷、糖尿病、高血圧などの他の病気も、前記治療や特定のIMD200によって提供される治療を適切に伝達及び管理するために、使用者によって選択することができる。この入力に基づいて、患者管理ユニット275は、適切な管理プログラム(program(s))/コード(code(s))を実行する。
【0047】
患者管理ユニット275は、また、データ相関ユニット450を備えている。データ相関ユニット450は、患者パラメータのデータと特定の治療パラメータデータとの関連付けなど、様々な種類のデータを関連付けることができる。更に、特定の患者の治療に関連するデータは、提供された治療の種類の状況を使用者に伝えるために、他の患者に関する同様のデータと比較又は関連付けることができる。データ相関ユニット450は、GUIユニット240によって表示される関連付けられたデータを提供する。データ相関ユニット450によって実行される関連付けは、また、治療の反応に関するデータにおける特有の相関関係の傾向の表示を行うことを含んでいてもよい。そして、患者管理コントローラ410は、例えば、グラフィカルユーザーインターフェースなどのGUIユニット240の一部であるディスプレイに、結果データを提供することができる。患者管理コントローラ410は、また、外部の使用者からの入力(例えば、医師の入力)としてGUIユニット240からのデータを受信することができる。
【0048】
図5−14は、本発明の一実施形態において、様々な患者管理機能を実行するGUIユニット240によって表示される様々な画面(例えば、GUI表示)を示している。図5−14における画面表示は、例示的な双方向性画面である;しかしながら、当業者には、多様な他の画面は本明細書で提供される患者管理形態において使用され、本発明の精神と範囲内に入ると理解されたい。
【0049】
図5は、特定の患者に埋め込まれたIMD200に関する様々な情報を提供するGUI画面を示している。GUI画面は、双方向性の入力を提供する。図5に示された画面は、プログラム患者データ「画面」を提供する。「画面」は、患者のIDの設定(すなわち、患者を特定するためにヘルスケア提供者によって指定された固有の識別名、例えば、コードネーム、イニシャル、コードナンバー等)、装置が埋め込まれた日付、IMDによって治療される患者の医学的状態(指示)(すなわち、てんかん)、及びリードモデルやそのシリアルナンバーの識別等の様々なIMDの詳細を表示する。また、IMD200に関するシリアルナンバーのような他の情報も本発明の精神と範囲内に含まれ、入るであろう。双方向性画面は、前述したパラメータ/フィールドの夫々を指定又は選択してデータを入力するために提供される。仮想キーボードはこの目的、図5において図示される画面のGUIインターフェースに示されているようにプルダウンメニューと合わせて使用するために提供される。医師のような使用者は、仮想キーボード及び/又はプルダウンメニューを用いることで、様々なデータを入力できる。スタイラス(stylus)は、また、もし必要であれば、使用者が小さな画面を効果的に使用するために用いられる。患者管理ユニット275(図2)は、このデータを受信して図5に提供される画面を表示することができる。
【0050】
図6は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示される(図2)他の例示的な画面を示している。図6は、パルス治療電気信号を規定する様々な電気信号パラメータ、及びIMD200の電源供給能力を示している患者管理画面を示している。双方向性の入力/表示は、図6の患者管理画面によって提供され、夫々のパルスに対する出力電流、信号周波数(すなわち、信号オンタイム中の一秒間のパルス数)、パルス幅、信号オンタイム、信号オフタイム等の表示を含む。刺激信号が伝達される期間(例における30秒)は、本明細書では「オンタイム」と記される。バーストは、一般的に、例えば5分等の他の期間によって隣接したバーストから分離される。刺激信号の伝達の間の期間(例における5分)は、本明細書では「オフタイム」と記される。
【0051】
IMD200は、また、例えば、装置に備えられた磁石によって、患者によって始動される「オンデマンド」信号を提供する。図6は、また、「磁気モード」刺激電流、「磁気モード」オンタイム、及び「磁気モード」パルス幅を含めた「磁気モード」又はオンデマンド信号等を規定する様々なパラメータを示している。また、IMD200が「サービス終了付近」かどうかの表示が提供される。いくつかの実施形態において、これは計画されたサービス終了(EOS)の日付、すなわち、電源が規定された又はプログラムされた電気信号治療を提供するために不十分となる日付を提供することを含んでいてもよい。この特定の画面は使用者によって参照され、図6に挙げられた一又は複数のパラメータを設定するために、データを入力して変更することができる。「プログラム」ボタンを押すことにより、図6に表示されたパラメータは入力されて、IMD200をプログラムするために患者管理ユニット275によって実行される。図6に示される画面を利用することにより、IMD200によって患者に伝達される電気信号は、患者への効果を増幅させるために治療法を修正するよう調整される。
【0052】
図7は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240よって表示される画面を示しており、患者の受診リストデータ表示を提供する。患者の医師への訪問は、日付順に記録され、所感は受診の詳細について作成される。更に、「グラフ参照」入力領域がこの画面において提供されることによって、使用者は日付の範囲を選択でき、対応するグラフを要求することができる。前記グラフは、例えば、3ヶ月の期間における、様々な生理学的反応に対する特定の刺激パラメータの相関関係のグラフである。治療法の変更は、患者からの入力、医師によって観察された患者の身体的兆候、及び患者の状態及び/又は治療に関連した他の因子などの様々な因子に基づいて行われる。患者の状態及び/又は治療に関連した他の因子は、発作特徴やQOL因子など、患者及び/又はヘルスケア提供者によって入力される。例えば、多数の発作特徴は、特定の患者に対して医師によって分析される。これらの発作特徴は、時間の経過に伴って患者に提供される治療の効果を追跡するのに使用できる。
【0053】
図8は、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示され画面を示しており、一又は複数の発作認識システムにおける、第1の発作型(発作型1)をその画面に入力することができる。また、図8に示される画面に、一又は複数の発作認識システムにおける、第2の発作型(発作型2)を入力することができる。付加的なてんかん関連の特性は、GUIユニット240を経由して入力及び保存され、本発明の範囲内に入ることが当業者によって理解されるであろう。
【0054】
図8に示されるように、患者IDや受診日などのデータは、特定の発作型パラメータと共に表示できる。本発明の実施形態において使用される発作型パラメータの例として、制限されるものではないが、全身発作、部分発作、及び/又は二次的全身性発作が含まれる。全身性発作に関するパラメータの例として、制限されるものではないが、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、及び/又は無緊張発作(倒れ発作)因子が含まれる。部分発作に関するパラメータの例として、制限されるものではないが、単純部分発作因子及び/又は複雑部分発作因子が含まれる。図8に示されるものと類似する患者管理画面は、他の発作型を入力及び分析するのに使用され、本発明の範囲内に入る。
【0055】
例示的な発作特性が図8に図示される画面に表示されている。以前の発作データ及び特定の医師の受診日からの所見は、患者のために長期間に渡ってそのような発作特性(例えば、型、頻度及び重症度)の傾向を確立するために閲覧、保存及び使用される。更に、現在の発作特性は図8に示される仮想キーボードや示されるプルダウンメニューを用いて入力することができる。また、様々な他の双方向性の入力も提供される。例えば、「投薬情報入力」ボタンの入力操作は、以下の図10の参考資料とともにより十分に説明するが、ヘルスケア提供者や患者が、長期間に渡って患者が服用した薬を追跡することができ、「グラフ参照」ボタンは、以下に説明する他の相関画面を提示するであろう。これらの入力は、タッチセンサー式画面又はスタイラス等によって選択される「仮想ボタン」によって円滑化される。発作特徴の入力に基づいて、患者管理ユニット275は、ヘルスケア提供者にとってプロンプトとなる表示のために、様々な演算を行うことで様々な治療/刺激パラメータ変更を提案することができる。ヘルスケア提供者は、提案された修正を実行及び/又は他の変更をすることができる。あるいは、発作特性に基づいて、治療法の自動変更は患者管理ユニット275によって実行されてもよい。
【0056】
医師又は患者管理ユニット275によって使用される他の因子は、「QOL」因子である。発作特性に関連して図8の画面に示されるように、QOLの評価は、また、「QOL」入力ボタンを押すことによって入力されて、図9に示されるような画面を立ち上げる。QOL因子は、治療法の効果を決定するのに用いられる。図9は、複数のQOL因子に関して、患者管理ユニット275によって駆動され、GUIユニット240によって表示される他の画面を示している。第1に、本開示の利益を有する当業者にとって周知である一又は複数の様々なQOLの評価基準(rating scale)は、例えば、プルダウンメニューの「ラジオボタン」などによって選択され、長期間に渡る患者のQOLを追跡するために使用することができる。評価基準は、さらに、IMD200によって実行される電気信号において、一又は複数のパラメータを医師が変更するのを促進するために使用される。図9は、「QOL」のプルダウンメニューを示しており、値を一又は複数の評価基準に対して入力することができる。前記評価基準として、制限されるものではないが、例えばQOLの一般基準;心理学的包括福祉基準(PGWB);WHO−5福祉指数(WHO−5);社会的機能スケール−36(SF−36);社会的機能スケール−12(SF−12);QOLの享受及び達成の短文式質問表(Q−LES−Q−SF);簡素化された長期間連続縮約評価バージョン(SLICE−C);健康関連のQOL(HRQOL);及び/又はてんかんにおけるQOL(QOLIE−10及び/又はQOLIE−35)などが挙げられる。更に評価基準について特に言及すると、図9の患者管理インターフェースは、他の種類のQOL因子の入力、記録及び分析に使用され、本発明の精神と範囲内に入るであろう。
【0057】
上述したように、QOL因子は、一般的な評価基準も含めて様々な評価基準に基づいている。特に図9において、QOLの一般基準が示されている。図9に示される「QOL」のプルダウンメニューによって提示されるように、異なるQOL基準が使用者によって選択されると、夫々の評価基準に関連した異なるパラメータが表示されることが当業者によって理解されるであろう。一般的な評価基準に関連した様々な評価基準の番号は、1:非常に悪い、2:悪い、3:平均、4:良好、5:非常に良好、のように使用される。一般的なQOLの評価基準は、総合QOLスコアと同様に、患者の意識レベル、患者の言語能力、患者の心的状態、患者が経験した達成度、患者の記憶力レベル、患者の見通しによる全体的なQOL因子などの患者に関する様々な因子を含むことができる。総合QOLスコアとは、上記に挙げられた全ての一般的なQOL因子の数学的編集である。例として、一般的なQOL評価基準の構成要素は、図9に個々のプルダウンメニューの項目として示されている。PGWB、WHO−5などの他の評価基準が、図9のプルダウン式の特徴を用いて医師によって選択可能であることは、本開示の利益を有する当業者によって理解されるであろう。他のQOLの欄は、図9には説明を簡略化するため示されていないが、同様に含めることができ、前記他のQOLには、制限されるものではないが、患者の体力レベル、患者の能力(例えば、仕事の能力、学校の能力等)、患者の集中力レベル、患者の感情的及び精神的総括、患者の協調及び調和、患者の睡眠達成量、患者の生殖機能レベル、などが含まれる。
【0058】
図9に示されるように一般的なQOL因子は表示され、インターフェース画面に提供されるドロップダウンメニュー画面を使用して入力される。様々なQOL機能の医師の評価に基づいて、患者管理ユニット275は、総合QOLスコアを算出することができる。医師は、図9に示される画面に提供された「グラフ参照」ボタンを押すことによって、長期間に渡る一又は複数のQOL因子/評価基準のグラフを参照することができる。更に、「投薬情報入力」ボタンは、また、図9に示される画面に提供されており、医師は患者が特定の時期に服用する様々な投薬情報を入力することができる。発作特性(図8)及び/又は本明細書に示される(図9)QOL入力に基づいて、電気システムを規定するパラメータに対する一又は複数の提案された調整は、患者管理ユニット275によって決定され、ヘルスケア提供者及び/又は患者のために表示されるか、又はIMD200によって自動的に実行される。
【0059】
いくつかの場合において、患者は、電気信号治療を伴うてんかん関連の投薬によるのと同様、IMD200によって提供される電気信号治療を用いることによって、てんかんの治療が施される。患者管理ユニット275は、投薬状態及び患者に処方された夫々の投薬量を追跡することができる。図8及び図9の説明に記載したように、投薬状態は、図10に表示されているような表示をもたらす「投薬情報入力」ボタンを押すことで入力できる。入力画面は、ヘルスケア提供者又は患者が現在患者に処方されている様々な投薬情報を入力できるよう提供されている。図10に示されているインターフェース画面には、4種類の投薬情報のみしか表示されていないが、当業者は、任意の数の投薬状態の入力や表示が、患者管理ユニット275によって提供可能であることを理解するであろう。ラミクタル(Lamictal)TMが投薬量100mg、テグレトール(Tegretol)TMが投薬量50mgである例が、図10の例示的なGUI画面に入力されて表示されている。図10のインターフェース表示において入力又は選択される他の投薬情報には、制限されるものではないが、クロナゼパム(Clonazepam)TM、カルバマゼピン(Carbamazepine)TM、カルバトール(Carbatrol)TM、デパケイン(Depakene)TM、デパコート(Depakote)TM、デパコートER(Depakote ER)TM、ダイアモックス(Diamox)TM、ダイアスタット(Diastat)TM、ダイランチン(Dilantin)TM、エメサイド(Emeside)TM、エパニューチン(Epanutin)TM、エピリム(Epilim)TM、フェルバトール(Felbatol)TM、フリジウム(Frisium)TM、ガバペンチン(Gabapentin)TM、ガビトリル(Gabitril)TM、ケプラ(Keppra)TM、クロノピン(Klonopin)TM、リリカブ(Lyricav)TM、ミソリン(Mysoline)TM、ニューロチン(Neurontin)TM、フェノバルビタル(Phenobarbital)TM、フェニテック(Phenytek)TM、フェニトイン(Phenytoin)TM、リボトリル(Rivotril)TM、サブリル(Sabril)TM、テグレトール(Tegretol)TM、トパマックス(Topamax)TM、テグレトールXR(Tegretol XR)TM、トリレプタル(Trileptal)TM、バルプロ酸(Valproic Acid)TM、ザロンチン(Zarontin)TM、ゾネグラン(Zonegran)TM、及び/又はゾニサミド(Zonisamide)TMなどが含まれる。更に、本開示の利益を有する当業者は、本明細書に示される表示領域において表示される様々な投薬情報は、それらのブランド名及び/又はそれらの一般名によって投薬情報に記載することができる。
【0060】
様々なプルダウンメニューの選択肢は、様々な投薬情報、増強剤、それらの関連する投薬量、及び投薬の頻度を入力又は選択するために利用できる。「グラフ参照」ボタンは、様々な因子をグラフで表示するために、図10のインターフェース画面に備えられている。前記様々な因子は、例えば、QOLに対する伝達される刺激の種類(すなわち、電気信号を規定する一又は複数の刺激パラメータ)及び患者に提供される薬剤の量や種類などである。仮想キーボードは、また、様々な投薬情報を図10に示される画面に入力することを可能とし、入力は「保存」インプットボタンを使用することで保存することができる。代替的又は付加的に、てんかんのために処方される標準投薬情報を備えたプルダウン画面は、患者の投薬情報を迅速に入力することを促進するために提供される。図10の画面を使用して、医師及び/又は患者は、特定の患者のための様々な薬剤やそれらに関連した投与量の入力、及び/又は調査、又は表示をすることができる。医師によって提供された入力データは、患者管理ユニット275からIMD200に伝達された指令を使用してIMD200に保存できる。一実施形態において、データは外部ユニット270のローカルデータベースユニット255に保存される。上述された様々な入力データや投薬情報は、医師によって投薬量及び/又は患者に伝達される電気信号治療を記録、分析及び/又は修正するために使用される。あるいは、患者管理ユニット275において提供されるアルゴリズムは、電気信号治療を伝達するための一又は複数の電気信号パラメータにおいて、自動的変更を計画又は実行してもよい。
【0061】
図7−10における「グラフ参照」ボタンは、発作特性やQOL因子などの患者の経過を分析のための様々な要因をグラフ的に表示することに使用される。「グラフ参照」ボタンを押すと、図11に示されるような画面が表示される。図11は、インターフェース画面を示しており、前記インターフェース画面はグラフ形式でデータの様々な相関性を見るために、使用者に表示選択肢を提供する。例えば、グラフ選択肢は、欠神発作型や単純部分発作などの特定の発作率/型の選択を含んでいてもよく、それらは一又は複数の電気信号パラメータと共に見るために選択される。電気信号パラメータは、例えば、刺激の最中にパルスごとに伝達された電荷などで、それは、信号のパルス幅によって増加する出力信号振幅に関係する。一実施形態において、「電荷」表示は、電気信号のパルスのパルス幅によって増加したパルス当たりの電荷に関するものである。一実施形態において、図11の「発作率」の選択は、事前に選択した発作型に基づいている。あるいは、一実施形態において、プルダウンメニューは特定の発作型を選択するために「発作率」のラジオボタンの隣に備えられていてもよい。
【0062】
パルス当たりの出力電流、信号周波数、パルス幅、オンタイム、オフタイム、又は負荷サイクル(オンタイムとオフタイムの合計に対するオンタイムの比率)のような他のパラメータは、付加的又は代替的に使用することができる。例えば、電荷と同様に発作特性は選択でき、一方、出力電流、信号周波数、パルス幅及び負荷サイクルは、図11に示される「ラジオボタン」又は「仮想ボタン」の選択によって示すように選択されない。一実施形態において、ラジオボタン又は仮想ボタンは、事前に選択したパラメータに関する傾向の分析に焦点を当てるために、特定のパラメータを選択的に表示したり、その他を排除したりすることに使用できる。同様に、図11に示されるように、様々な関連する刺激パラメータと共にグラフ的に表示するため、一又は複数のQOLパラメータを選択するために選択可能なボタンを備えることができる。例として、表示するパラメータを選択した後、使用者はインターフェース画面の「グラフ作成」ボタンを押す。図11に示される選択に基づいて(すなわち発作型とそれに対応する電気信号のパルス当たりの電荷)、図11に示される「グラフ作成」ボタンを押すと、図12に示されるグラフィカルインターフェース画面が表示される。使用者は、長期間に渡り、異なるパラメータ調整(adjustment(s))が患者の発作特性(characteristic(s))にどのように影響するか、又は、長期間に渡り、例えば、パルス当たりの電荷が発作特性(characteristic(s))にどのように対応するかをグラフ的に表示できる。異なる傾向を表示できるため、電気信号を修正するのに十分な情報を医師に提供することができる。
【0063】
図12は、欠神発作、単純部分発作、及び長期間に渡る刺激信号のパルス当たりの相当する電荷に関連した一般的な「QOL」スコアの傾向の例示的なグラフを示している。一実施形態において、パルス当たりの電荷は、パルスの幅(すなわちパルス幅)によって増幅された刺激信号の出力電流に関連する。特に、図12のグラフ表示は、一連の期間を表示し、特定の発作型、月当たりの発作数、及び電気信号におけるパルスの対応するパルス当たりの電荷に対応する。図12は、月当たりの発作数と特定のデータとの間の相互関係を示している。X軸は異なる日数、週数、月数を表す一連の日付(すなわち、日付1−6など)から構成されている。Y軸は所定期間内に発生した発作数(例えば、一月における発作数)を表している。図12に示される例示的なインターフェース画面は、刺激信号の電荷の上昇にともなう、経時的な欠神発作型や単純部分発作の相対的減少を示している。図12のインターフェース画面は、また、一又は複数の「仮想ボタン」を押すことでグラフ表示を修正することができる。「仮想ボタン」は、パルス当たりの電荷と同様に、例えば、出力電流、周波数及び/又はパルス幅などのグラフ化されるパラメータを選択するのに使用できる。従って、医師は発作特性に対して異なるパラメータのグラフ化の選択肢を得ることができる。図12のインターフェース画面に提供された情報にアクセスする医師は、このデータを現在の患者の設定が発作特性を低下させるのに効果的かどうかを決定するために使用できる。図12の表示を使用して、医師は、投薬状態及び/又は患者に伝達される電気信号治療の修正を決定することができる。更に、図12のGUI画面は、様々な追加のデータを表示する他の付加的なポップアップ画面部分を表示できる。追加データとしては、制限されるものではないが、受診日の数;電気信号の電流振幅、パルス幅、及び負荷サイクル;薬剤の種類と投薬量などがある。理解されるように、追加又はより少ないデータは、ポップアップ画面部分に備えられてもよい。いくつかの実施形態において、使用者は、ポップアップ表示によってどの情報が提供されるかを選択でき、また、表示を完全に取り除くこともできる。
【0064】
図13は、特定の刺激パラメータに関連したQOL表示を示している。例えば、使用者は、言語能力、心的状態因子、達成度などの特定のQOL因子を選択して、これらの因子を、伝達された刺激信号のパルス当たりの電荷やその他の電気信号パラメータと共に表示することができる。図13の例示は、図に示されている「仮想ボタン」を使用して選択された様々なQOL指標が、IMD200によって伝達される刺激信号のパルス当たりの電荷の増加に従って、患者にとって改善されていることを示している。医師は、また、特定のQOLパラメータ及び電気パラメータを選択及び非選択することで、効果の決定に関する他の相関関係を決定するために表示を変えることができる。この情報又は類似の情報を使用して、医師は、現在の患者の設定が効果的かどうかを評価することができ、そのことは、一又は複数の患者のQOLの側面を改善することができる調整につながるであろう。医師は、また、電気信号が効果において他の場合よりも早く減少する時期を発見することができ、そのため、医師は効果を維持又は元の状態に戻すために、一又は複数のパラメータを修正することができる。QOL因子の様々な他のタイプは、同様に、本発明の実施形態において分析され、本発明の精神と範囲内に入るであろう。図5−13に示されるインターフェース画面に加えて、本開示の利益を有する当業者は、GUIユニット240を使用して、双方向の通信のための様々な他のインターフェース画面を実施することができるであろう。
【0065】
図14に移ると、本発明における患者管理機能を実行する方法に関するフローチャートが示されている。患者管理ユニット275の適切な動作を維持するため、IMD200は、患者の身体の様々な部分に関連した患者パラメータを定期的に取得するように促される(ブロック1410)。患者パラメータの取得は様々な身体パラメータを含んでおり、前記身体パラメータには、IMD200に連結されたセンサー、QOL指標(indication(s))、発作頻度パラメータ(parameter(s))、発作特性パラメータ(parameter(s))、副作用パラメータ(parameter(s))、脳活動パラメータ(parameter(s))、及び投薬量パラメータ(parameter(s))などが含まれる。IMD200は、また、電気信号を規定するために使用される様々な治療パラメータを記憶する(ブロック1420)。治療パラメータは、制限されるものではないが、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び/又は負荷サイクルなどが含まれる。
【0066】
外部ユニット270の一部分は、様々なタスクを実行するため患者管理ユニット275から指示を受信することができる(ブロック1430)。更に、患者管理システムは、GUIからの入力を受信でき(ブロック1460)、前記入力はGUIからIMD200に送信される(ブロック1470)。そしてIMD200は、特定のタスクを実行する。受信した指示に基づいて、外部ユニット270は、治療パラメータと患者パラメータとを関連付けることができる(ブロック1440)。あるいは、このタスクはIMD200によって同様に実行されてもよい。患者パラメータと治療パラメータとの相関性は、ある期間における、特定の治療パラメータと、ある生理学的指標及び/又はQOL指標との相関関係を提供する。例えば、刺激信号による特定の治療法の伝達後24時間の期間は、様々な患者データを取得するための期間として使用される。あるいは、医師の毎回の受診は、医師によってGUIユニット240に入力されるQOLパラメータを記録するための基準として使用できる。相関データ及び/又は患者パラメータ又は治療パラメータのデータのリストは、GUIユニット240によって表示される(ブロック1480)。
【0067】
患者管理システムは、また、受信した指示に基づいて、治療パラメータ及び/又は患者パラメータを表示させることができる(ブロック1450)。発作型などのいくつかの患者パラメータは、一又は複数の治療(電気信号)パラメータとともに表示される。従って、医師は、伝達された電気刺激治療の効果の評価をするために、患者の一般的健康傾向を表示する様々な指標を検討できる。そして、医師は、患者への効果を改善、維持又は元の状態に戻すために、IMD200の動作を修正できる。より自動的なIMDデータの記録、編成、表示、及びIMD200の動作の制御は、本発明における実施形態によって提供される患者管理システムを用いることで実行される。
【0068】
本発明の実施形態において提供される患者管理ツールを用いることで、多くの利点が明らかになるであろう。本明細書に提供される患者管理ツールは、VNSセラピー(VNS Therapy)TMプログラミングソフトウェアに組み込まれている。本発明における患者管理ツールを使用することの利点の一つは、医師に、パラメータや患者の情報を記録するときに時間のかからないソフトウェアツールを提示できることである。本発明における患者管理ツールを用いることの他の利点は、データベースユニット250及び/又はローカルデータベースユニット255に記憶された情報をグラフ化することで、IMD200から治療を施される患者の経過を迅速に見ることができることである。グラフは、印刷されて患者のカルテに備えられて、また、患者が利用可能とされる。時間経過とともに多くの患者の収集されたデータは、どの設定が一番多くの患者に効果的であるかを決定するため、及びてんかん治療のための電気信号治療と対応する共通の特性を共有する患者の個々のサブグループを評価及び認識するために、統計的に分析される。更に、この情報は、データベースに保存され、更なる評価のために医師のコンピュータ装置(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットワークコンピュータ/端末、ハンドヘルドコンピュータ装置)に容易にダウンロードできる。
【0069】
本明細書に開示及び主張された全ての方法や装置は、本開示を考慮すると、必要以上の実験を行うことなく作成されて実行される。本発明における方法や装置は、特定の実施形態によって説明されたが、添付の請求項に規定されるように、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される方法及び装置、並びに方法の段階又は一連の段階に変更を施すことは、当業者にとって明らかであろう。発明の原理は、てんかんを患う患者の治療において特定の結果に達成するために、迷走神経以外の又は迷走神経に加えて、選定された脳神経にも適用できることは明らかである。
【0070】
本発明は、本明細書の教示から利益を得る当業者にとって明らかな、異なるが同等な方法で改変し実施することができるので、上記に開示された特定の実施形態は単なる実例である。更に、下記の特許請求の範囲に記載したものを除き、本明細書に示した構造又は設計の詳細に限定することは意図されていない。従って、上記に開示した特定の実施形態は、変更又は修正されもよく、そのような全ての変形体は本発明の範囲と精神の範囲内にあることは明らかである。従って、本明細書で請求される保護は、下記の特許請求の範囲に記載された通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する方法であって、
てんかん治療のために前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、
前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び
外部コンピュータ装置を用いた前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供
を含む方法。
【請求項2】
前記患者パラメータの取得は、生活の質(QOL)パラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータ、及び投薬量パラメータから成るグループより選択された応答に関連するデータの取得を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記QOLパラメータの取得は、患者の意識レベル、患者の言語能力、患者の心的状態、患者の達成度、患者の記憶力、体力レベル、能力、集中力レベル、感情的、精神的総括、協調性、調和性、睡眠量、及び生殖機能レベルから成るグループより選択されたパラメータに関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項4】
前記QOLパラメータの取得は、QOLの一般基準、心理学的包括福祉基準(PGWB)、WHO−5福祉指数(WHO−5)、社会的機能スケール−36(SF−36)、社会的機能スケール−12(SF−12)、QOLの享受及び達成の短文式質問表(Q−LES−Q−SF)、簡素化された長期間連続縮約評価バージョン(SLICE−C)、健康関連のQOL(HRQOL)、及びてんかんに関するQOL(QOLIE−10及びQOLIE−35)から成るグループより選択されるパラメータと関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項5】
前記発作特性パラメータの取得は、全身発作、部分発作、及び二次的全身性発作から成るグループより選択される発作に関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項6】
前記全身発作に関連するデータの取得は、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、無緊張発作(倒れ発作)因子から成るグループより選択されるパラメータのデータの取得を含み、前記部分発作に関連するデータの取得は、単純部分発作因子及び複雑部分発作因子から成るグループより選択されるデータの取得を含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの治療パラメータは、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルから成るグループより選択される請求項1の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付けは、QOLパラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータ、及び投薬量パラメータの少なくとも1つに関連する量を、電流振幅、電圧振幅、パルス幅、周波数、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルの少なくとも1つに関連する量に帰属させることを含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記表示の提供は、前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関するグラフ表示の提供を含み、前記グラフ表示の提供は、複数の期間に渡って取得された前記患者パラメータに関連する複数の値を、前記期間に個々に対応する前記治療パラメータの複数の値に関連させる傾向のグラフ説明図の作成を含む請求項1の方法。
【請求項10】
前記表示に基づいて前記少なくとも1つの治療パラメータを修正するためのインターフェースの提供を更に含む請求項1の方法。
【請求項11】
前記表示に基づいて前記治療パラメータを修正するための前記インターフェースの提供は、前記少なくとも1つの治療パラメータの値を入力するためのグラフィカルユーザーインターフェースの提供を含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記表示に基づいて前記治療パラメータを修正するための前記インターフェースの提供は、薬剤及び関連する投薬量の入力のためのグラフィカルユーザーインターフェースの提供を含む請求項10の方法。
【請求項13】
埋め込み型医療装置によって提供される治療を管理するための外部表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェースであって、てんかん治療のための前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータと、前記埋め込み型医療装置によって伝達される前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータとの間における相関関係のグラフ図の可視表示を映し出すように構成される表示領域を含むグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項14】
前記表示領域は、患者認識パラメータ、前記埋め込み型医療装置の埋め込み日、埋め込み型装置シリアルナンバー、指標パラメータ、リードモデルに関連するパラメータ、リードシリアルナンバーに関連するパラメータ、及びIMDシリアルナンバーに関連するパラメータから成るグループより選択される複数の患者データを表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項15】
前記表示領域は、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルから成るグループより選択される少なくとも1つの治療パラメータを表示するパラメータ画面を表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項16】
前記表示領域は、QOLパラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータから成るグループより選択される少なくとも1つの患者パラメータを表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項17】
前記表示領域は、患者意識レベルパラメータ、患者言語能力パラメータ、患者心的状態パラメータ、患者達成度パラメータ、患者記憶力パラメータ、体力レベルパラメータ、能力パラメータ、集中力レベルパラメータ、感情的パラメータ、精神的総括パラメータ、協調性パラメータ、調和性パラメータ、睡眠量パラメータ、及び生殖機能レベルパラメータから成るグループより選択される少なくとも1つのQOLパラメータを表示するように構成される請求項16の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項18】
前記表示領域は、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、無緊張発作(倒れ発作)因子、単純部分発作因子、複雑部分発作因子、及び二次的全身性発作から成るグループより選択される少なくとも1つの発作特性パラメータを表示するように構成される請求項16の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項19】
前記表示領域は、複数の期間に渡って取得された前記患者パラメータに関連する複数の値を、前記期間に個々に対応する前記治療パラメータの複数の値に関連させる傾向のグラフ説明図を表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項20】
前記グラフ表示に基づいて、前記少なくとも1つの治療パラメータの変更を入力する使用者のためのインターフェースを更に備える請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項21】
前記インターフェースは、前記少なくとも1つの治療パラメータの変更を入力する複数の入力領域を備える請求項20の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項22】
前記インターフェースは、前記少なくとも1つの治療パラメータにおける前記変更の入力に対応する二次的治療パラメータの値を自動的に調整する請求項20の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項23】
指示がコード化されたコンピュータ可読のプログラム貯蔵装置であって、コンピュータによって実行されるとき、てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する方法を実行し、その方法は、
てんかん治療のために前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、
前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び
外部コンピュータ装置を用いた前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供
を含む方法。
【請求項24】
てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する埋め込み型医療装置システムであって、
てんかん治療のために電気信号を提供できる埋め込み型医療装置、及び
前記埋め込み型医療装置と通信できる外部コンピュータ装置
を有し、前記外部コンピュータ装置は、電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供が可能である
埋め込み型医療装置システム。
【請求項25】
前記外部コンピュータ装置は、前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する前記表示を映し出す表示装置を備える請求項24の埋め込み型医療装置システム。
【請求項26】
前記外部コンピュータ装置は、ハンドヘルドコンピュータ装置、ネットワークに接続していないデスクトップコンピュータシステム、ネットワークコンピュータシステム、携帯情報末端(PDA)、ペン入力装置、及び携帯用コンピュータの少なくとも一つである請求項24の埋め込み形医療装置システム。
【請求項1】
てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する方法であって、
てんかん治療のために前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、
前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び
外部コンピュータ装置を用いた前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供
を含む方法。
【請求項2】
前記患者パラメータの取得は、生活の質(QOL)パラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータ、及び投薬量パラメータから成るグループより選択された応答に関連するデータの取得を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記QOLパラメータの取得は、患者の意識レベル、患者の言語能力、患者の心的状態、患者の達成度、患者の記憶力、体力レベル、能力、集中力レベル、感情的、精神的総括、協調性、調和性、睡眠量、及び生殖機能レベルから成るグループより選択されたパラメータに関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項4】
前記QOLパラメータの取得は、QOLの一般基準、心理学的包括福祉基準(PGWB)、WHO−5福祉指数(WHO−5)、社会的機能スケール−36(SF−36)、社会的機能スケール−12(SF−12)、QOLの享受及び達成の短文式質問表(Q−LES−Q−SF)、簡素化された長期間連続縮約評価バージョン(SLICE−C)、健康関連のQOL(HRQOL)、及びてんかんに関するQOL(QOLIE−10及びQOLIE−35)から成るグループより選択されるパラメータと関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項5】
前記発作特性パラメータの取得は、全身発作、部分発作、及び二次的全身性発作から成るグループより選択される発作に関連するデータの取得を含む請求項2の方法。
【請求項6】
前記全身発作に関連するデータの取得は、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、無緊張発作(倒れ発作)因子から成るグループより選択されるパラメータのデータの取得を含み、前記部分発作に関連するデータの取得は、単純部分発作因子及び複雑部分発作因子から成るグループより選択されるデータの取得を含む請求項5の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの治療パラメータは、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルから成るグループより選択される請求項1の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付けは、QOLパラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータ、及び投薬量パラメータの少なくとも1つに関連する量を、電流振幅、電圧振幅、パルス幅、周波数、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルの少なくとも1つに関連する量に帰属させることを含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記表示の提供は、前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関するグラフ表示の提供を含み、前記グラフ表示の提供は、複数の期間に渡って取得された前記患者パラメータに関連する複数の値を、前記期間に個々に対応する前記治療パラメータの複数の値に関連させる傾向のグラフ説明図の作成を含む請求項1の方法。
【請求項10】
前記表示に基づいて前記少なくとも1つの治療パラメータを修正するためのインターフェースの提供を更に含む請求項1の方法。
【請求項11】
前記表示に基づいて前記治療パラメータを修正するための前記インターフェースの提供は、前記少なくとも1つの治療パラメータの値を入力するためのグラフィカルユーザーインターフェースの提供を含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記表示に基づいて前記治療パラメータを修正するための前記インターフェースの提供は、薬剤及び関連する投薬量の入力のためのグラフィカルユーザーインターフェースの提供を含む請求項10の方法。
【請求項13】
埋め込み型医療装置によって提供される治療を管理するための外部表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェースであって、てんかん治療のための前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータと、前記埋め込み型医療装置によって伝達される前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータとの間における相関関係のグラフ図の可視表示を映し出すように構成される表示領域を含むグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項14】
前記表示領域は、患者認識パラメータ、前記埋め込み型医療装置の埋め込み日、埋め込み型装置シリアルナンバー、指標パラメータ、リードモデルに関連するパラメータ、リードシリアルナンバーに関連するパラメータ、及びIMDシリアルナンバーに関連するパラメータから成るグループより選択される複数の患者データを表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項15】
前記表示領域は、電流振幅、電圧振幅、前記電流振幅の変化率、前記電圧振幅の変化率、前記電流振幅の変化率の期間、前記電圧振幅の変化率の期間、パルス幅、パルス幅の変化率、パルス幅の変化率の期間、周波数、周波数の変化率、周波数の変化率の期間、オンタイム信号、オフタイム信号、及び負荷サイクルから成るグループより選択される少なくとも1つの治療パラメータを表示するパラメータ画面を表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項16】
前記表示領域は、QOLパラメータ、発作頻度パラメータ、発作特性パラメータ、副作用パラメータ、脳活動パラメータから成るグループより選択される少なくとも1つの患者パラメータを表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項17】
前記表示領域は、患者意識レベルパラメータ、患者言語能力パラメータ、患者心的状態パラメータ、患者達成度パラメータ、患者記憶力パラメータ、体力レベルパラメータ、能力パラメータ、集中力レベルパラメータ、感情的パラメータ、精神的総括パラメータ、協調性パラメータ、調和性パラメータ、睡眠量パラメータ、及び生殖機能レベルパラメータから成るグループより選択される少なくとも1つのQOLパラメータを表示するように構成される請求項16の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項18】
前記表示領域は、欠神発作因子(小発作)、ミオクローヌス発作因子、間代発作因子、強直間代発作(大発作)因子、無緊張発作(倒れ発作)因子、単純部分発作因子、複雑部分発作因子、及び二次的全身性発作から成るグループより選択される少なくとも1つの発作特性パラメータを表示するように構成される請求項16の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項19】
前記表示領域は、複数の期間に渡って取得された前記患者パラメータに関連する複数の値を、前記期間に個々に対応する前記治療パラメータの複数の値に関連させる傾向のグラフ説明図を表示するように構成される請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項20】
前記グラフ表示に基づいて、前記少なくとも1つの治療パラメータの変更を入力する使用者のためのインターフェースを更に備える請求項13の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項21】
前記インターフェースは、前記少なくとも1つの治療パラメータの変更を入力する複数の入力領域を備える請求項20の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項22】
前記インターフェースは、前記少なくとも1つの治療パラメータにおける前記変更の入力に対応する二次的治療パラメータの値を自動的に調整する請求項20の前記表示装置に組み込まれたグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項23】
指示がコード化されたコンピュータ可読のプログラム貯蔵装置であって、コンピュータによって実行されるとき、てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する方法を実行し、その方法は、
てんかん治療のために前記埋め込み型医療装置によって提供される電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、
前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び
外部コンピュータ装置を用いた前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供
を含む方法。
【請求項24】
てんかん治療のために埋め込み型医療装置によって提供される電気信号治療を管理する埋め込み型医療装置システムであって、
てんかん治療のために電気信号を提供できる埋め込み型医療装置、及び
前記埋め込み型医療装置と通信できる外部コンピュータ装置
を有し、前記外部コンピュータ装置は、電気信号に関連する少なくとも1つの患者パラメータの取得、前記電気信号を規定する少なくとも1つの治療パラメータと前記少なくとも1つの患者パラメータとの関連付け、及び前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する表示の提供が可能である
埋め込み型医療装置システム。
【請求項25】
前記外部コンピュータ装置は、前記治療パラメータと前記患者パラメータとの前記関連付けに関する前記表示を映し出す表示装置を備える請求項24の埋め込み型医療装置システム。
【請求項26】
前記外部コンピュータ装置は、ハンドヘルドコンピュータ装置、ネットワークに接続していないデスクトップコンピュータシステム、ネットワークコンピュータシステム、携帯情報末端(PDA)、ペン入力装置、及び携帯用コンピュータの少なくとも一つである請求項24の埋め込み形医療装置システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−507448(P2010−507448A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534597(P2009−534597)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/022273
【国際公開番号】WO2008/054644
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508025585)サイバーロニックス,インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/022273
【国際公開番号】WO2008/054644
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(508025585)サイバーロニックス,インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】
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