説明

培養基中でバイオフィルムの形成および発育を検出することを可能にする方法および装置

【課題】微生物(5)の培養基(4)の粘度を測定する。
【解決手段】発明の方法は、次の、a)培養液(4)中に帯電した、磁性もしくは磁化可能な、または少なくとも1つの磁性もしくは磁化可能な層(3)によって被覆される少なくとも1つの粒子を漬浸させること;b)粒子(3)を移動させるように、培養液(4)を電界、磁界、または電磁界に曝すこと;およびc)培養液中の粒子(3)の自由度を検出することからなる、連続したステップを含むことを特徴とする。本発明は、特に微生物培養液中でバイオフィルムの形成および発育を検出する方法および装置を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養基の粘度検出の分野に関する。
【0002】
本発明は、特には均質な、または均質でない培養基中でのバイオフィルム発育の研究の分野に関する。前記バイオフィルムは、発育しながら、(陽及び/又は陰イオンの存在によって)帯電した、または磁性もしくは磁化可能な、磁性もしくは磁化可能な層によって被覆される粒子のような、磁界、電界、または電磁界を移動できる粒子の運動を妨げる。
【背景技術】
【0003】
この点に関して、本文において、用語「粘度」は、バイオフィルム中での磁化可能な粒子の自由度に言及していると理解されるべきである。本発明の本文を読めば、本発明が、一般的な意味において用語「粘度」によって理解できるような、媒質の粘度測定を対象とせず、それ自体が、発育中の微生物の存在または不存在を明示する、バイオフィルムによって、運動が妨げられるか、妨げられない、1つ(または複数の)磁化可能な粒子の自由度の測定によって微生物の発育を明らかにすること対象とすることを理解するであろう。
【0004】
同様に、表現「培養基」は、少なくとも1種の微生物が、存在し、かつ発育し得るあらゆる媒質と理解されるべきである。従って、天然または合成であっても良い媒体のことである。このようにして例えば、水は、この定義に入る。以下、本文において表現「培養基」または用語「媒質」もしくは「培養液」は、この定義を参照して区別せずに使用され得る。
【0005】
このようにして、「培養基」、「媒質」または「培養液」とは、本発明によれば、微生物およびそれが存在する媒質か、または場合により媒体のみを意味する。
【0006】
微生物は、細菌、酵母、菌類、藻、原生動物のような顕微鏡サイズの生物である。微生物は、単細胞または多細胞であっても良い。多細胞生物(後生動物)の未熟な段階もバイオフィルムの元になり得る。
【0007】
大部分の(病原性または非病原性)微生物が、媒質中で遊離し、かつ単離された(懸濁状または選択的な媒体に対して培養された)その「プランクトン」形状で今まで研究された。しかるに、実験室の外の天然の媒質では、細菌集団は、担体に固定されており(「定着」状態)、かつ「バイオフィルム」と名付けられる組織された群集で発育する。この細菌群集は、一般的に周囲媒質との交換を限定するエキソポリサッカライド(EPS)マトリックス中に含まれる(A.Filloux,I.Vallet.Biofilm:「Mise en place et organisation d’une communaute bacterienne」。Medecine/Sciences 2003 ; 19: 77−83)。
【0008】
バイオフィルムが発育する時、最初に細菌の担体への接着があり、次にこの担体のコロニー形成がある。細菌は、繁殖しながら、周囲媒質の攻撃から細菌を保護するエキソポリサッカライドの覆いを分泌する細胞体の層からなるフィルムを急速に形成する(Costerton et al. Bacterial Biofilms.Sciences 1999;284−6)。バイオフィルムの形成速度は、5つのステップに更に分けられる:
表面の調整:液相に存在する有機または無機分子は、表面に吸着され、「調整フィルム」をそこに形成する。
−可逆性付着または接着:存在する微生物は、鞭毛を有するならば、重量法、ブラウン運動または走化性によって表面に接近する。この第1の固定ステップ中に、単に物理的な現象および弱い物理化学的な相互作用を専ら介在させて、微生物は、なおも容易に分離できる。
接着:この後期のステップは、より強いエネルギーの相互作用、並びに微生物代謝および微生物の細胞付属肢(鞭毛、線毛...)を介在させる。付着は、活性かつ特異的な減少である。第1のコロニー形成物(colonisateurs)は、特にエキソポリサッカライド合成により表面に不可逆的に付着するようになる。このプロセスは、比較的緩速であり、かつ環境因子および存在する微生物に左右される。
バイオフィルムの成熟(表面の発育およびコロニー形成):細菌は、表面に付着した後、繁殖し、かつ終結し、重合体で取り囲まれた微小コロニーを形成する。この重合体マトリックス(または糖衣)は、「セメント」として作用し、かつ細菌の相互の、かつ表面との結合を強化し、最終的にバイオフィルムを形成し、かつ平衡状態に達する。バイオフィルムは、一般的に密閉場所となる三次元構造に発育する。この微小環境は、プランクトン的増大様式に対して、多数の生理学的かつ分子修飾部位になる。このようにして形成されたバイオフィルムは、条件が許せば、与えられた表面全体を占めることになる。重合体を合成しないか、または僅かに合成するある種の微生物が、同様に付着し、かつ表面にバイオフィルムを形成できるとしても、一般的にバイオフィルムの成熟は、EPS生成と相関する。
分離:バイオフィルムは、永続的な動的平衡状態の構造であり、かつ担体、微生物および環境に応じて変化する。この変化は、細胞または凝集体の分離によって現れる。
【0009】
液体媒質中のこの細胞塩析は、その後に他の表面の汚染を許すことがあり、かつ一般的に、医学媒質での多数の回帰性疾患の原因である(耐性源)。
【0010】
バイオフィルムの性質は、非常に多様であり、幾つかは、エキソポリサッカライド(EPS)が非常に豊富であり、他のものは主に細菌体からなる。
【0011】
ヒトの健康において、バイオフィルムは、次第に阻止することが困難になる感染の原因である:ORL領域全体(聴覚行為、鼻粘膜、目の結膜...)、歯(歯石、虫歯の出現...)、気管支、肺(膵線維症に罹患した患者において...)に関して、泌尿生殖路のレベルで(...)。
【0012】
更にバイオフィルムは、カテーテルまたはインプラントのレベルで形成される、大部分の院内疾患の原因である(毎年、死者10000人以上)(心臓弁、人工股関節、尿プローブ...)(J.W.Costerton,P.Stewart et E.P.Greenberg,Bacterial Biofilms:「A common cause of persistent infections」。Science,vol.284,ppl318−1322)。
【0013】
バイオフィルムは、レジオネラ菌による感染の原因である、冷却塔に同様に存在する。
【0014】
バイオフィルムは、それらが、食中毒の場合に関与することに関して、食品農業食品産業にも関する(コールドチェーンの切断の差異の形成、切断、粉砕器具、作業面での発育)。
【0015】
同様に、バイオフィルムは、配管中で発育し、特に腐食現象を引き起こす。
【0016】
バイオフィルムは、例えば「ファウリング」(種々の微生物による船体のコロニー形成による船体表面の垢付着)垢付着問題の原因である、船体のような、漬浸した物体の表面でも発育する。
【0017】
細菌が、バイオフィルムを作り出す唯一のものでないことに注目すべきである:菌類、藻、原生動物が、同様にバイオフィルムに組織化される。
【0018】
従って、バイオフィルムは、多数の領域に偏在し、衛生的な危険を有し、かつ比較的重大な損害を引き起こす。
【0019】
バイオフィルム発育を研究する多数の方法が、利用されているが、しかしながら、バイオフィルムの発育および行動は、研究するためにはそれらが複雑な故に、あまり知られていないままである。
【0020】
バイオフィルムの研究方法は、なおも主に、保温器内で攪拌しているフラスコに含まれる培養基に漬浸したガラスまたはプラスチック片のコロニー形成、およびその後にそれらをクリスタルバイオレットに着色すること、またはそれらを顕微鏡で観察することに基づく。
【0021】
例えば、水晶微量天秤(Q−CMD,消散を監視する水晶微量天秤(Quartz Cristal Microbalance with Dissipation Monitoring))による検出、MTA(大量輸送分析(Mass Transport Analysis))、UFDR(超音波周波数領域反射率測定(Ultrasonic Frequency Domain Reflectometry))、(Amo A機能的遺伝子に対する)インサイチュPCR、FISH(蛍光インサイチュハイブリダイゼーション)、CLSM(共焦点レーザー読取り顕微鏡検査(Confocal Laser Scanning Microscopy))、PAS(光音響分光法(Photo Acoustic Spectroscopy))、...による検出のような、より複雑な、他の検出方法が存在する。
【0022】
他の方法は、バイオフィルム発育の原因になる細菌を単離し、次にこれらの微生物の特徴付けを、古典的な免疫分析方法、または分子生物学(ハイブリダイゼーションまたはPCR)によって次に可能にするために、レクチンまたは抗体でコーティングした磁性粒子/ボールをなおも使用する。
【0023】
しかしながら、かかる方法は、利用するには困難であることが明らかになり、かつ比較的費用のかかるままある。その上、細菌の行動、かつそれ故にバイオフィルムの形成および発育に対して、十分に証明になる情報を与えられない。実際、これらの方法は、主に細胞体(リステリアタイプ)、EPS(エキソポリサッカライド)、またはコロニー形成微生物によって分泌される類似のマトリックス(シュードモナスタイプ)からなるバイオフィルムの発育の検査を可能にしない。
【0024】
本発明は、均質または均質でない、濁ったかつ/又は不透明な培養基の粘度の変化を検出することを可能にする方法および装置、並びに特殊な用途での前記方法及び/又は前記装置の使用に関する。
【0025】
用語「不均質な培養基」は、本出願において、最も広い意味で理解されるべきである。特に不均質な培養基は、懸濁状態の微生物が変化する透明な培養基からなっても良い。
【0026】
先行技術から、仏国特許出願第2555316号明細書が知られている。この特許出願は、流体媒質の粘度を決定する方法および装置に関し、方法は、導電性ボールを流体媒質中に漬浸させることと、ボールをほぼ中心として回転する磁界をボールに適用することと、回転する磁界は、回転させるボールと接触した流体の流れが、層流の状態に留まるようになっており、かつ流体媒質の粘度のためにボールに及ぼされるトルクに関連する大きさを決定することからなる。このようにして、粘性媒質中に沈められたボールは、粘度に比例するブレーキトルクを受け、かつ期間が、分析する液体媒質の粘度に同様に比例する回転を、固定回転数で選択する。ボールの回転は、その回転軸に沿ったレーザービームを用いてボールの明度によって得られる回折点を用いて視覚化できる。
【0027】
しかしながら、かかる方法は、均質な粘性媒質中での利用にしか適さない。しかるに細菌の培養基は、乳白色で、濁っており、かつ不透明である。従って、この方法は、培養基中にバイオフィルムが形成したか否かを決定することを可能にしない。
【0028】
特開昭61−161436号要約書に、磁気吸引原理に基づく非ニュートン流体の粘度を測定する方法が、同様に提案されている。方法は、磁界の影響で磁化した格子の移動および移動速度の測定によって粘度を測定することからなる。
【0029】
該要約書で提案された方法は、粘度のような、粘性流体に関する特性を決定することを可能にする。しかしながら問題の方法は、粘性流体中で変化する細菌のような微生物の行動を再現することを少しも可能にしない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0030】
従って本発明は、微生物が、バイオフィルムを形成するために発育する培養基に対応する、不均質で、濁り、かつ不透明な媒質中でバイオフィルムの発育をモデル化することを可能にする方法および装置を提案することを対象とする。
【0031】
本発明は、微生物による表面のコロニー形成プロセスのモデル化を可能にすることも同様に目的とする。
【0032】
本発明は、不均質媒質中で粘度の差を明らかにする可能し、かつそれ故に様々な領域での培養基のモデル化を、各領域でのバイオフィルムの発育に応じて可能にすることも同様に目的とする。
【0033】
本発明は、利用が簡易であり、安価かつ自動化可能な、バイオフィルムの発育を検出する方法および装置を提案することも同様に対象とする。
【0034】
このために、本発明は、上記のようなタイプであり、かつその最も広い意味において注目に値する。
【0035】
このようにして本発明は、微生物(5)を培養基の粘度を測定することを可能にする方法であって、連続して
a)前記培養液中に帯電した、磁性もしくは磁化可能な、または少なくとも1つの磁性もしくは磁化可能な層によって被覆される少なくとも1つの粒子を漬浸させること;
b)粒子を移動させるように、前記培養液を電界、磁界、または電磁界かつ好ましくは磁界に曝すこと;
c)好ましくは光学測定によって、前記培養液中の前記粒子の運動自由度を光学的に検出することからなるステップを含み、走査型顕微鏡を使用しない方法を対象とする。
【0036】
ステップb)は、電磁界の漸増か、電磁界のより複雑な変動か、界の組み合わせで、場合によりパルスによって印加される電界か、磁界か、電磁界に前記培養液を曝すことからなる。
【0037】
電磁界の漸増は、本発明の特殊な形態により、直線または正弦曲線の軌道に沿ったか、または可変の振動振幅および周波数を有するか、有さない振動運動に従った磁石の接近によって得られる。電磁界のより複雑な変動は、回転によって、または前記培養液近傍の磁化した格子の運動の組み合わせによって得られる。
【0038】
好適には、前記電界、磁界または電磁界は、移動界を発生させる手段によって発生する。
【0039】
好適には、培養液は、開放反応器を通って、一定流量または所与の時間間隔を置いて断続的流量で流れる。この形態は、バイオフィルム発育の天然の条件に適合することを可能にする限りにおいて好ましい。
【0040】
本発明によれば、粒子に関して、帯電した粒子であっても、磁性粒子であっても、少なくとも1つの磁性層で被覆された粒子であっても、磁化可能な層で被覆された粒子であっても良い。
【0041】
好適には、前記磁性粒子は、バイオフィルムを発生させる微生物の寸法とほぼ同一な寸法を有していても良い。
【0042】
更に好適には、異なる寸法の、かつ/または同様に好適には、異なる色の粒子を使用できる。バイオフィルム発育の際に、最も小さい寸法の粒子は、最も大きな寸法の粒子の前に固定化される。このようにして前記バイオフィルムの発育またはその分解をより正確に特徴付けることができる。
【0043】
同様に、本発明の好適な形態によれば、前記粒子は、前記光学運動検出装置によって検出可能な信号を発生させる。前記信号は、(好適には放射能により)自律的にか、または(好適にはレーザービームによる光エネルギーの伝達か、蛍光の再放出である)連続流または不連続流で伝達されるエネルギー再放出によって検出できる。
【0044】
好適には、前記粒子は、蛍光、燐光、放射性または化学発光タイプである。
【0045】
本発明の好ましい態様によれば、ステップc)は、光源を用いて前記粒子を照明し、かつ前記培養液中で前記粒子の運動を検出することからなる。
【0046】
このために、前記粒子は、好適には蛍光であり得る。
【0047】
好ましい形態によれば、前記粒子(3)は、前記反応器(1)中で(界が存在せずに)安定した静止位置にあるように形状が決められる。好適には、前記粒子は、例えば円盤形状の、平面を有する(...)非対称な幾何学的形状の粒子であり得る。
【0048】
本発明の特殊な実施態様によれば、前記方法は、前記のような方法により、前記培養液の播種に対応する時間t=0で、前記培養液の粘度の測定、および前記のような方法により、時間tで、前記培養液の粘度の少なくとも1つの測定を行うこと、並びに前記測定をt0およびtと比較することから更になる。
【0049】
本発明の方法は、均質および不均質な、好ましくは不均質な微生物培養液の粘度を測定することを可能にする。
【0050】
もう1つの側面によれば、本発明は、前記のような本発明による方法の実現を可能にする装置を対象とする。
【0051】
このようにして、本発明は、均質または不均質な微生物培養液の粘度を測定することを可能にする装置であって、
−バイオフィルムの形成および発育の検出を行うために、前記培養液を受けるための少なくとも1つの培養反応器、
−培養液中に漬浸した、帯電した、または磁性もしくは磁化可能な、または少なくとも1つの磁性もしくは磁化可能な層によって被覆される少なくとも1つの粒子、
−電界、磁界、または電磁界、好ましくは磁界を発生させる手段であって、前記界が、前記粒子を移動させるように、前記粒子に印加される手段、
−走査型顕微鏡以外の、前記粒子の運動の光学検出装置を含む装置を対象とする。
【0052】
培養反応器とは、管、ウェル(...)タイプの少なくとも1つの閉鎖端部を有する容器(閉鎖反応器)か、前記培養液が、前記容器を通って流れることを可能にするための2つの開口部を有する容器(開放反応器)を意味する。
【0053】
本発明の第1の形態によれば、前記反応器は、平坦な底部を形成するように、閉鎖端部を有する。
【0054】
粒子が静止した時に、すなわちいかなる界も発生しない時に、管底部で安定した位置を有するために、前記反応器の底部は、前記粒子を受けるための1つ以上のキャビティまたは溝を有することができる。
【0055】
本発明の第2の形態によれば、前記反応器は、半球形の底部を形成するように、閉鎖端部を有する。
【0056】
本発明のもう1つの形態によれば、反応器は、2つの開放端部を有することができる。この形態において、前記反応器は、前記培養液が一定流量または所与の時間間隔を置いて断続的流量で、流れることを可能にするように形状が決められる。
【0057】
前記粒子に関して、前記粒子は、好適には、(陽及び/又は陰イオンの存在によって)帯電した粒子であるか、磁性粒子であるか、少なくとも1つの磁性層によって被覆される粒子であるか、もしくは磁化可能な粒子であるか、少なくとも1つの磁化可能な層によって被覆される粒子である。
【0058】
好適には、前記磁性粒子は、バイオフィルムを発生させる微生物の寸法とほぼ同一の寸法を有する。
【0059】
好適には、異なる寸法の、かつ同様に好適には、異なる色の粒子を使用できる。バイオフィルム発育の際に、最も小さい寸法の粒子は、最も大きな寸法の粒子の前に固定化される。このようにして前記バイオフィルムの発育またはその分解をより正確に特徴付けることができる。
【0060】
同様に、本発明の好適な形態によれば、前記粒子は、前記光学運動検出装置によって検出可能な信号を発生させる。好適には、前記粒子は、蛍光、または燐光、または放射性、または化学発光タイプである。
【0061】
前記光学運動検出装置に関して、前記光学運動検出装置は、前記粒子の方向に発光する光源および培養液中の前記粒子の運動を検出することを可能にする光学検出手段を含む。光学検出手段とは、使用可能なあらゆる検出手段を意味する。好ましい実施態様において、巨視的な光学手段のことである。本発明の特殊な実施態様によれば、粒子の運動は、肉眼で直接的に視覚化できる。
【0062】
この検出の枠内で、照明された粒子は、蛍光粒子または黒色もしくは少なくとも不透明な粒子からなっても良い。
【0063】
好適には、バイオフィルム発育の特徴付け基準を増加させるために、異なる色、異なる寸法、異なる密度、異なる形状/幾何学的形状粒子、異なる物理化学的構成、異なる表面状態の粒子を使用できる。
【0064】
好適には、テストする化学基を粒子表面に結合でき、かつ前記化学基の接着防止特性をテストできる(可動粒子)。
【0065】
好適には、ある種のカテゴリーの微生物を特徴付けることを可能にする分子を粒子表面に結合でき、かつ前記カテゴリーの微生物の接着をテストできる(固定化粒子)。
【0066】
前記粒子は、前記反応器の平坦な底部で、安定した静止位置に留まるために直接的に形状を決めることができる。好適には、前記粒子は、例えば円盤形状の、平面を有する(...)非対称な幾何学的形状の粒子であり得る。
【0067】
好適には、前記装置は、所与の時間間隔を置いて前記培養液の粘度を測定する測定手段、および得られた測定を比較することを可能にする比較手段を更に含むことができる。
【0068】
このようにして、コロニー形成微生物、またはエキソポリサッカライド、または前記粒子が様々な段階に挿入される微生物によって分泌されたマトリックスの存在による、前記粒子の移動への障害をテストできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
本発明は、添付図面を参照して、本発明の様々な実施態様の、専ら説明として以下になされる記載を用いればより良く理解されるであろう。
【0070】
微生物を含む培養液中でバイオフィルム形成および発育を検出する一般的な原理は、次のように行われる。
【0071】
帯電した、磁性、磁化可能な、または磁性もしくは磁化可能な層によって被覆される、1つ以上の粒子またはボールは、培養液中に置かれる。流体の組成は、電界、磁界、または電磁界での反応性と適合できるという条件で変わっても良い。以下に続く記載を少なくするために、前記粒子を、用語ボールでのみ記載する。
【0072】
前記ボールは、次に微生物によって分泌されたマトリックス中に、完全に固定化されるまで徐々に組み込まれるようになる。
【0073】
バイオフィルム形成の生物学的プロセスにおいて、微生物は、このマトリックス中に固定化され、かつ含まれる。その場合、微生物は、隠され、外部媒質の攻撃から保護され、それが、観察される抗生物質耐性の元である(院内疾患)。ボールは、この固定化を擬態することを可能にする。
【0074】
この固定化を擬態するために、界発生器は、前記ボールに向かって接近する。このようにして、いかなるバイオフィルムも発育しなかった媒質において、ボールは、前記発生器の接近に反応し、かつ一般的に界発生器に向かい、かつ場合により前記発生器の運動に従って移動する。逆に、粒子が、バイオフィルムのマトリックス中に含まれるならば、その運動は、バイオフィルムの形成程度により、抑制され、更には遮断される。
【0075】
従って本発明による方法は、電界、磁界、または電磁界の影響で移動され得るボールの行動を利用することにある。前記ボールの行動が、バイオフィルムを構成するマトリックスの存在によって妨げられるならば、その可動度(可動、半可動、不動)を検出し、かつ視覚化し、かつそれ故にバイオフィルム発育を視覚化することが、その場合可能である。
【0076】
前記方法は、界の影響で移動できるボールと、移動が、微生物によって分泌されたマトリックスの存在によって妨げられるボールとを区別することを更に可能にする。
【0077】
バイオフィルム中でのボールの運動検出は、直接照明か、間接照明による光学測定によって実行される。この場合に、使用されるボールは、好適には蛍光である。
【0078】
ボールの選択されたフォーマット(幾何学的形状、寸法、密度)に応じて、細菌体は、多かれ少なかれ正確に擬態され、かつバイオフィルムの変化は、新規の基準によって特徴付けられる。
【0079】
界発生器の提示頻度に応じて、界の強度に応じて、バイオフィルムを構成するマトリックスの動的変化が後に起こり得る。同様に、一旦バイオフィルムが構成されると、特殊な処理の影響でその分解が後に起こり得る。
【0080】
その場合、生化学テストによって、前記マトリックスの構成を分析することが可能である。
【0081】
同様に、バイオフィルムを構成するマトリックスによるボールの固定化の検査は、細菌が分泌したこのマトリックス中での細菌の埋め込みプロセスを、類推によって辿ることを可能にする。
【0082】
管底部でのバイオフィルム発育をテストするために、検出は、前記管の底部に沈積するために、十分に高密度な粒子によって行われる。逆に、表面のバイオフィルム発育を研究するために(気相/液相界面)、検出は、培養基の表面に漂うために、低密度の粒子によって行われる。
【0083】
更に、粒子の密度を利用して、一連の検出を、固相/液相、液相/液相、液相/気相界面で行うことができる。
【0084】
検出は、更に例えば異なる色によって区別され得る、異なる寸法の粒子を同様に利用できる。
【0085】
この方法の実施例を、今から記載する。この実施例において、記載される微生物は、細菌である。以下に続く記載は、バイオフィルム発育を研究することを希望する全ての他の微生物に応用可能であることが、理解される。しかしながら、形成されるバイオフィルム中での微生物の行動をモデル化することを望むのであれば、好適にはボールの寸法は、研究する微生物の寸法に適合される。
【0086】
図1から8は、研究する細菌を含む培養液を受ける様々な幾何学的形状の管中で、バイオフィルム形成を検出する原理を示す。
【0087】
図1および図2は、半球形底部(2)を有する管(1)タイプの反応器(1)中でバイオフィルム形成および発育を検出する原理を特に示す。図1は、断面図であり、図2は、上面図である。
【0088】
例えば、実験は、容量200μlの96の管(またはウェル)を有するプレートに対して行うことができる。この実施例において、ボール(3)は、各管(1)の底部に沈殿する。当然に、この方法は、必ずしも単一のボールに限定されない。次に培養基(4)が、各管(1)に添加され、次にこの培養基に、標準化された培養条件(温度、酸化、pH...)で、バイオフィルム(6)に変わり得る細菌株(5)を播種する。
【0089】
規則的な時間間隔を置いて、管(1)の下に、特にはボール(3)の下に位置決めされた磁石(7)が、前記管(1)の壁に沿って定期的に上昇するために移動する。
【0090】
ボール(3)が、運動中に障害に遭わないか、細菌(5)によって分泌され、かつバイオフィルム(6)を構成するマトリックス中で十分に妨げられない時、ボール(3)は、前記磁石(7)の運動を追う(図1bおよび1cまたは2bおよび2c)。磁石が、遠ざけられると、ボールは、もはやその磁界に曝されず、かつ最初の位置に戻り得る。逆に、ボール(3)の運動が、妨げられ、更には遮断されるように、バイオフィルム(6)が形成される時、前記ボール(3)は、管(1)の底部で動かずにいる(図1dまたは2d)。この状態はその場合、前記マトリックスが、細菌(5)を含むのと同じように、ボール(1)を含むように、管(1)中でバイオフィルム(6)を構成する細胞外マトリックスの発育を表す。
【0091】
この実施例において、磁石は、ボール(3)を前記管(1)の壁に沿って移動させるように操作される。しかしながら、ボール(3)の方向に磁石を操作すること、または逆に、前記管(1)の壁以外の軌道に沿ってボール(3)を移動させるように、磁石に向かって管を操作することが好適であり得る。
【0092】
好適には、光学装置は、前記ボールの自由度(図示せず)を自動的に視覚化することを可能にする。前記装置は、前記ボール(3)の方向に発光する光源および培養液(4)中のボール(3)の運動を検出することを可能にする検出手段を含む。
【0093】
管(3)が透明である時、光源は、磁性ボール(3)に向かって直接光束を発するように、前記管(1)の下に配置される。その場合、検出手段は、前記管(3)の上に配置される。このようにして、ボール(3)の運動の検出は、ボール(3)に対応する暗い点の運動を辿って実行される。
【0094】
管(1)が、金属のような不透明な材料でできている時に、光源は、培養液(4)を通り、磁性ボール(3)に向けて光束を発するように、前記管の上に配置される。以前と同様に、前記検出手段は、前記管の上に配置される。この形態において、前記ボール(3)は、好適には、蛍光材料から構成される。このように、前記ボール(3)が、光源によって照明される時、その運動は、ボール(3)に対応する蛍光点の運動を辿って、前記検出手段によって検出される。
【0095】
図3は、本発明の実施の応用例を示す:平坦な底部(2)を有する管(1)タイプの反応器(1)でのバイオフィルム(6)の形成の検出。
【0096】
好適には、管(1)の底部(2)は、隣接する2つのキャビティ(8、9)を備える。ボール(3)が、初期段階で前記キャビティ(8)内に沈殿する。磁石(7)は、その場合、他のキャビティ(9)と接触させて配置される。ボール(3)が、バイオフィルム(6)により運動を妨げられない時、キャビティ(8)から隣接キャビティ(9)に滑動する(図3b)。次に磁石(7)は、第1キャビティ(8)の下に移動される(図3c)。磁石(7)の吸引効果により、その運動は、常に遮断されないか、または少なくとも十分妨げられず、ボール(3)は、前記第1キャビティ(8)に向かって滑動する。かつテストは、図3dに示すように、ボール(3)の全体的または部分的な固定化を観察するまで、定期的な間隔を置いて繰り返される:磁石(7)が、第2キャビティ(9)の下に移動される時、バイオフィルム(6)中に捕らえられたボール(3)は、前記バイオフィルム(6)中でその運動が妨げられるために、磁石(7)の吸引効果に応答して、第2キャビティ(9)にもはや移ることができない。
【0097】
応用例において、管の底部は、磁性ボールを受けるためのキャビティを有さない。このために前記磁性ボール(3)は、前記管(1)底部の安定した位置に維持され得るように形状が決められる。
【0098】
図4は、開放端部(10、11)を有する管(1)タイプの反応器(1)を利用する、本発明の他の実施態様を示す。その場合、管(1)は、培養基(5)の連続流可能にするように形状が決められる。
【0099】
平坦な底部を有する管の実施例のように、前記管(1)の壁(13)の内面(12)は好適には、前記ボール(3)を受けるためのキャビティ(8、9)を有する。前記と同じ原理により、磁石(7)は、ボール(3)が、一方のキャビティから他方に移るように、ボール(3)を移動させるように提示される。
【0100】
前記管(1)の壁(13)の内面(12)に、いかなるキャビティも形成されない場合、原理は、半球形底部を有する管に関して記載された原理と類似する:磁石(7)は、前記管(1)の壁(13)の内面(12)に、前記ボールを上昇させるように、提示および移動される。
【0101】
本発明の特殊な形態によれば、バイオフィルム(6)中に挿入されたボールは、その後に培養液に沈められた磁石によって回収できる。このようにして、バイオフィルム断片が、採取され、物理的(マトリックスの粘度...)、化学的、生化学的(マトリックスを構成する要素、...)、生物学的(潜伏状態、活動中、死体マトリックスを構成する微生物...)特徴付けテストに向けられる。
【0102】
図5は、平坦な底部(2)を有する管(1)タイプの反応器(1)でのバイオフィルム形成および発育を検出する原理のもう1つの説明図である。この説明図は、管の頂部から見た平面図である。
【0103】
ボール(3)は、各管(1)の底部に沈殿する。その場合培養基(4)が、各管に添加され(図5a)、この培養基は次に、標準化された培養条件(温度、酸化、pH...)で、バイオフィルム(6)に変わり得る細菌株(5)を播種される(図5bから5e)。
【0104】
規則的な時間間隔を置いて、磁石(7)が、管(1)の下に位置決めされる(図5bおよび5e)。ボール(3)が、運動中に障害に遭わないか、細菌(5)によって分泌され、かつバイオフィルム(6)を構成するマトリックス中で十分に妨げられない時、ボールは、磁石(7)の方向に吸引される(図5b)。磁石(7)の周りに吸引されたボール(3)は、特に視覚的に検出することが簡単な「ボールのない」領域または「障害物のない領域」を解放する。ボール(3)の運動が、妨げられ、更には遮断されるように、バイオフィルム(6)が形成される時、前記ボール(3)は、管(1)の底部で動かずにいる(図5dまたは5e)。この状態はその場合、前記マトリックスが、細菌(5)を含むのと同じように、磁性ボール(1)を含むように、管(1)中でバイオフィルム(6)を構成する細胞外マトリックスの発育を表す。
【0105】
図6は、図5で示した本発明の応用例を示す。
【0106】
液体培養基(4)を含むペトリ皿(1)に、細菌(5)を播種され、かつ異なる寸法の磁性ボール(3および3’)を、各皿(1)に沈殿させる(図7)。培養条件は、細菌の発育、およびそれ故にバイオフィルム(6)の発育を可能にするために、標準化される(温度、酸化、pH...)。
【0107】
規則的な時間間隔を置いて、磁石(7)が、ペトリ皿(1)の下に位置決めされる。ボール(3)が、運動中に障害に遭わないか、細菌(5)によって分泌され、かつバイオフィルム(6)を構成するマトリックス中で十分に妨げられない時、磁気ボール(3)は、磁石(7)の方向に吸引される。その場合、障害物のない領域(14)が、ボールとボールの集合体(15)を吸引する磁界の向きの線(9)が影響する領域の外側限界の間に現れる。ボール(3)の運動が、妨げられ、更には遮断されるように、バイオフィルム(6)が形成される時、前記ボール(3)は、皿(1)で動かずにいる。しかしながら、ボールの寸法が異なるので、その移動は、その寸法およびバイオフィルムの密度によって決定される。バイオフィルムの発育に応じて、小型のボールが、最初にその移動をバイオフィルムによって阻害され、次にバイオフィルムの追加の発育によって、大型のボールが、今度は停止される。
【0108】
図7は、図5または図6に記載したような、本発明の特殊な応用を示し、ボールは、例えば防汚剤のような、抗菌剤を含む生成物で被覆される表面に沈殿する。前記表面は、あらゆる材料、特には金属でも良い。磁石が、表面に接近する時、ボールは、磁力の線によって吸引され、その場合、残りの表面よりも高いボール密度の領域を構成する。この応用は、金属表面に塗布される防汚生成物の効率の測定を希望する時に好適である。
【0109】
この特殊な実施形状において、例えば磁化した格子をテストする表面の下で回転させて、磁界の強度を変化させることは、更に興味深くなり得る。
【0110】
図8は、配管の汚染監視、特に制水弁の汚染監視の分野における本発明の特殊な応用を示す。
【0111】
液体の流れに曝される担体上で、バイオフィルム発育をモデル化するために(配管(1))、パイプ(17)の膨張部分に封入されたリング(16)を有する装置を使用することが可能である。磁化可能な粒子(4)が、リング(2)の1点に含まれる。磁界の作用で(図8bまたは8c)このリングを回転できる。
【0112】
バイオフィルムが、装置の中で発育するならば、リングの運動は、妨げられる。
【0113】
この装置は、バイオフィルムが最も容易に発育する配管の場所である、制水弁をモデル化する。
【0114】
本発明は、以上において、例として記載されている。当業者は、特許の枠から逸脱せずに、本発明の異なる応用例を実施できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】半球形底部を有する管でのバイオフィルム形成および発育を検出する原理を示す。
【図2】半球形底部を有する管(または平坦な底部以外を有する管)の底部にバイオフィルム形成を検出する原理を表す(上面図)。
【図3】平坦な底部を有する管でのバイオフィルム形成および発育を検出する原理を示す。
【図4】開放端部を有する管でのバイオフィルム形成および発育を検出する原理を示す。
【図5】平坦な底部(2)を有する管(1)タイプの反応器(1)でのバイオフィルム形成および発育を検出する原理の他の説明図を表す。
【図6】図5で示した本発明の応用例を示す。
【図7】図5に記載したような、本発明の特殊な応用を示す。
【図8】配管の汚染監視、特に制水弁の汚染監視の分野における本発明の特殊な応用を示す。
【符号の説明】
【0116】
(1) 反応器
(2) 底部
(3) 粒子
(4) 培養基
(5) 微生物
(6) バイオフィルム
(8) キャビティ
(9) キャビティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物(5)の培養基の粘度を測定することを可能にする方法であって:
a)前記培養液(4)中に帯電した、磁性もしくは磁化可能な、または少なくとも1つの磁性もしくは磁化可能な層(3)によって被覆される少なくとも1つの粒子を漬浸させること、
b)前記粒子(3)を移動させるように、前記培養液(4)を電界、磁界、または電磁界に曝すこと、
c)前記培養液中の前記粒子(3)の運動自由度を光学的に検出することからなる、連続したステップを含み、走査型顕微鏡を使用しないことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップb)は、場合によりパルスによって印加される電磁界に前記培養液(4)を曝すことからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)は、電磁界の漸増に前記培養液(4)を曝すことからなることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記電界、磁界または電磁界は、移動界を発生させる手段によって発生することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記微生物培養液は、開放反応器(1)を通って、一定流量で流れることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
培養液(4)は、開放反応器(1)を通って、所与の時間間隔を置いて断続的流量で流れることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ステップc)は、光源を用いて前記粒子(3)を照明し、かつ前記培養液(4)中で前記粒子(3)の運動を検出することからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
粒子(3)は、信号を発生させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
粒子(3)は、蛍光、または燐光、または放射性、または化学発光タイプであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記培養液(4)中で、バイオフィルム(6)形成および発育を検出することを可能にし、
−前記培養液(4)の播種に対応する時間t=0で、請求項1から10のいずれかに記載の方法による、前記培養液(4)の粘度の測定、
−請求項1から10のいずれかに記載の方法による、前記培養液(4)の粘度の時間tでの少なくとも1つの測定、
−前記測定をt0およびtと比較するステップを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記培養液(4)は、均質および不均質、好ましくは不均質であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
微生物培養液粘度を測定することを可能にする装置であって、
−バイオフィルム(6)の形成および発育の検出を行うために、前記培養液(4)を受けるための少なくとも1つの培養反応器(1)、
−培養液(4)中に漬浸した、帯電した、または磁性もしくは磁化可能な、または少なくとも1つの磁性もしくは磁化可能な層によって被覆される少なくとも1つの粒子、
−電界、または磁界、または電磁界を発生させる手段であって、前記界が、前記粒子(3)に印加される手段、
−走査型顕微鏡以外の、前記粒子の運動の光学検出装置を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記反応器(1)は、平坦な底部(2)を形成するように、閉鎖端部を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記反応器(1)の底部(1)は、前記粒子を受けるための1つ以上のキャビティ(8、9)または溝を有することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記反応器(1)は、半球形の底部(2)を形成するように、閉鎖端部を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記反応器(1)は、2つの開放端部を有することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
反応器(1)は、前記培養液(4)が一定流量または所与の時間間隔を置いて断続的流量で、流れることを可能にするように形状が決められることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記粒子(3)は、前記運動検出装置によって検出可能な信号を発生させることを特徴とする請求項12から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記粒子(3)は、蛍光、燐光、または放射性または化学発光タイプであることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記粒子(3)は、前記反応器(1)中で安定した静止位置にあるように形状が決められることを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記粒子(3)は、微生物(5)の寸法とほぼ同一の寸法を有することを特徴とする請求項12から20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記光学検出装置は、前記粒子(3)の方向に発光する光源および培養基(4)中の前記粒子(3)の運動を検出することを可能にする検出手段を含むことを特徴とする請求項12から21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
−所与の時間間隔を置いて培養液の粘度を測定する測定手段、
−得られた測定を比較することを可能にする比較手段を含むことを特徴とする培養基(4)中でバイオフィルム(6)形成および発育を検出することを可能にする請求項12から22のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−525216(P2007−525216A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553626(P2006−553626)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000427
【国際公開番号】WO2005/090944
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506282148)
【氏名又は名称原語表記】BERNARDI,Thierry
【住所又は居所原語表記】26, rue de Sarlieve, F−63170 Perignat les Sarlieve, France
【Fターム(参考)】