基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末
【課題】基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末を提供する。
【解決手段】制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、を備える基地局。
【解決手段】制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、を備える基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システムの規格化が進められている。4Gによれば、リレーやキャリアアグリゲーションなどの技術を用いることにより、最大通信速度の向上やセルエッジでの品質向上を実現することができる。また、HeNodeB(Home eNodeB、フェムトセル基地局、携帯電話用小型基地局)やRHH(リモートラジオヘッド)など、eNodeB(マクロセル基地局)以外の基地局の導入によりカバレッジを向上させることも検討されている。
【0003】
(ブラインドデコーディング)
このような無線通信システムにおいて、基地局は、PDCCH(Phy Downlink Control Channel)と呼ばれる制御信号により、UEに対する受信リソースの割り当て(Downlink Assign)、および送信リソースの許可(Uplink Grant)などを通知する。ここで、Downlink AssignやUplink Grantなどのリソース情報は、UE(User Equipment)ごとの情報である。このため、基地局は、各UEが自分宛のリソース情報を抽出できるように制御信号を送信し、各UEは、ブラインドデコーディングと呼ばれる処理によりPDCCHから自分宛のリソース情報を抽出する。以下、この点についてより詳細に説明する。
【0004】
基地局は、CCE(Control Channel Element)と呼ばれる制御信号の最小単位に各UE宛てのリソース情報を記載する。さらに、基地局は、各UEに固有の識別子であるC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)でリソース情報をマスキングしながらCRC(Cyclic Redundancy Check)により得られるチェックビットをCCEに付加する。
【0005】
UEは、上述した複数のCCEを含むPDCCHを受信すると、自端末のC−RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。すなわち、UEは、各CCEが自端末宛てであると仮定して各CCEのCRCチェックを行い、結果が正常であったCCEを自端末宛てのCCEであると判断する。UEによる当該処理はブラインドデコーディングと呼ばれており、このブラインドデコーディングについては例えば特許文献1に記載されている。
【0006】
(MTCについて)
一方、3GPPでは、MTC(Machine Type Communications)に関する議論も進められている。MTCは、一般的にM2M(Machine to Machine)と同義であり、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信を意味する。このMTCは、主として、サーバと、人間が直接利用しないMTC端末との間で行われる。
【0007】
例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をサーバにアップリンクを利用して送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末として機能させ、サーバが、一定周期(例えば30日)ごとに管理下の自動販売機に対して売上を報告させることも考えられる。
【0008】
このようなMTC端末は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(Low Mobility)
・小容量のデータ転送(Online Small Data Transmission)
・超低消費電力(Extra Low Power Consumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(Group based MTC Features)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−296589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述したMTCの導入により、各セル内に存在する端末数、基地局がActiveモードで収容する端末数、および基地局がPDCCHで同時に制御する端末数が増大することが予想される。さらに、PDCCHに含まれるCCEも、PDCCHで同時に制御する端末数の増大に伴って増大する。
【0011】
その結果、UE(MTC端末を含む)がブラインドデコーディングを行う範囲が広くなるので、UEにおけるブラインドデコーディングの負荷が増大する。特に、MTC端末には超低消費電力が求められる場合があるので、ブラインドデコーディングの負荷が増大することは問題である。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線端末におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することが可能な、新規かつ改良された基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、を備える基地局が提供される。
【0014】
前記データ信号生成部は、前記参照先情報の示す参照先領域に、前記複数の無線端末の各々の端末識別子により識別される前記複数の無線端末の各々に対する情報を配置してもよい。
【0015】
前記複数の無線端末の各々に対する情報は、アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報を含んでもよい。
【0016】
前記アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報は、前記複数の無線端末の各々に対する情報が配置されたフレームの次以降のフレーム内のリソースを示してもよい。
【0017】
前記データ信号生成部は、複数フレームにわたり、1のフレームの制御領域に配置された参照先情報の示す前記データ領域内の同一の参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してもよい。
【0018】
前記複数の無線端末には、アップリンク用のグループ識別子、およびダウンリンク用のグループ識別子が付与されており、前記データ信号生成部は、アップリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域には前記複数の無線端末の各々に対するアップリンク用のリソース情報を配置し、ダウンリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域においては前記複数の無線端末の各々に対するダウンリンク用のリソース情報を配置してもよい。
【0019】
前記制御信号生成部は、同一のグループ識別子により識別される参照先情報を、前記制御領域中の所定の周波数領域に配置してもよい。
【0020】
前記制御信号生成部は、前記参照先情報を前記グループ識別子でマスキングしながら得られたチェックビットを前記参照先情報に付加してもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、制御領域およびデータ領域から構成されるフレーム中の前記制御領域において送信される制御信号であって、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含む制御信号を生成するステップと、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するステップと、前記制御信号および前記データ信号を送信するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の無線端末と、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部、前記複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部、および、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部、を有する基地局と、を備える無線通信システムが提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線端末であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と、を備える無線端末が提供される。
【0025】
前記取得部は、前記基地局により前記グループ識別子が使用されないと判断される場合、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得してもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線端末による無線通信方法であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信するステップと、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得するステップと、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0027】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、無線端末であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と、を備える無線端末として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、無線端末におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。
【図3A】PDCCHの送信に1Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図3B】PDCCHの送信に2Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図3C】PDCCHの送信に3Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図4】リソースブロックを示した説明図である。
【図5】CCEの具体例を示した説明図である。
【図6】ブラインドデコーディングを示した説明図である。
【図7】ブラインドデコーディングを示した説明図である。
【図8】C−RNTIおよびMTC−GP_RNTIの付与方法の一例を示したシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による基地局の構成を示した説明図である。
【図10】CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースの配置関係を示した説明図である。
【図11】第1の実施形態によるMTC端末の構成を示した説明図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの動作を示したシーケンス図である。
【図13】ブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更する方法を示したシーケンス図である。
【図14】あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースの配置例を示した説明図である。
【図15】各MTCグループのためのCCEの配置例を示した説明図である。
【図16】MTC端末が属するMTCグループの具体例を示した説明図である。
【図17】第4の実施形態に対応する説明図である。
【図18】基準リソースブロックと、各MTC端末によるアップリンク用のリソースブロックの関係を示した説明図である。
【図19】基準リソースブロックと、各MTC端末によるアップリンク用のリソースブロックの関係の変形例を示した説明図である。
【図20】第5の実施形態による無線通信システムの動作を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてMTC端末20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、MTC端末20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にMTC端末20と称する。
【0032】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.フレーム構成
1−3.PDCCHの構成
1−4.ブラインドデコーディング
2.各実施形態の説明
2−1.第1の実施形態
(第1の実施形態による基地局)
(第1の実施形態によるMTC端末)
(第1の実施形態の動作)
(第1の実施形態の補足)
2−2.第2の実施形態
2−3.第3の実施形態
2−4.第4の実施形態
2−5.第5の実施形態
2−6.第6の実施形態
2−7.第7の実施形態
3.むすび
【0033】
<1.無線通信システムの概略>
現在、3GPPにおいて4Gの無線通信システムの規格化が進められている。本発明の実施形態は、一例としてこの4Gの無線通信システムに適用することができるので、まず、4Gの無線通信システムの概略を説明する。
【0034】
[1−1.無線通信システムの構成]
図1は、無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図1に示したように、無線通信システム1は、基地局10と、MME(Mobility Management Entity)12、S−GW(Serving Gateway)14、およびPDN(Packet Data Network)−GW16を含むコアネットワークと、MTC端末20と、MTCサーバ30と、を備える。
【0035】
本発明の実施形態は、図1に示した基地局10およびMTC端末20などの無線通信装置に適用することができる。なお、基地局10は、例えば、eNodeB、リレーノード、または家庭用小型基地局であるHome eNodeBであってもよい。また、MTC端末20はユーザ端末(UE:User Equipment)の一例であり、本発明の実施形態は、携帯電話やPC(Personal Computer)などの非MTC端末にも適用可能である。
【0036】
基地局10は、MTC端末20と通信する無線基地局である。図1においては1台の基地局10のみを示しているが、実際には多数の基地局10がコアネットワークに接続される。また、図1においては記載を省略しているが、基地局10は非MTC端末などの他のユーザ端末とも通信する。
【0037】
MME12は、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMME12は、基地局10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。
【0038】
S−GW14は、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。PDN−GW16は、IPサービスネットワークとの接続点として機能し、IPサービスネットワークとの間でユーザデータを転送する。
【0039】
MTC端末20は、3GPPで議論されている、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信であるMTCに特化した無線端末である。このMTC端末20は、基地局10とアプリケーションに応じた無線通信を行う。また、MTC端末20は、コアネットワークを介してMTCサーバ30と双方向通信を行う。
【0040】
例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末20が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をサーバにアップリンクを利用して送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末20として機能させ、MTCサーバ30が、一定周期(例えば30日)ごとに管理下の自動販売機に対して売上を報告させることも考えられる。
【0041】
このようなMTC端末20は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末20が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(Low Mobility)
・小容量のデータ転送(Online Small Data Transmission)
・超低消費電力(Extra Low Power Consumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(Group based MTC Features)
【0042】
[1−2.フレーム構成]
上述の基地局10およびMTC端末20は、詳細については決定されていないが、eNodeBおよびUE間の通信に準ずる形で無線通信を行うことが予想される。そこで、以下では、eNodeBおよびUE間で共有される無線フレームについて説明する。以下で説明する内容は、基地局10およびMTC端末20間の通信に援用可能である。
【0043】
図2は、4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。また、1msの各サブフレームは、2つの0.5msスロットで構成されている。さらに、各0.5msスロットは、7Ofdmシンボルで構成されている。
【0044】
なお、Ofdmシンボルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(Fast Fourier Transform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0045】
図2に示した1msの各サブフレームの先頭には、PDCCH(Phy DownLink Control Channel)と呼ばれる制御信号が付加される。このPDCCHの送信ために、図3A〜図3Cに示すように、サブフレームの先頭の1Ofdmシンボル〜3Ofdmシンボルが利用される。すなわち、PDCCHの送信ために1Ofdmシンボルが利用される場合もあれば、3Ofdmシンボルが利用される場合もある。
【0046】
なお、PDCCHの送信に利用される無線フレーム中の領域は制御領域と称され、PDSCH(Phy DownLink Shared Channel)やPUSCH(Phy UpLink Shared Channel)などの送信に利用される無線フレーム中の領域はデータ領域と称される。
【0047】
[1−3.PDCCHの構成]
続いて、上記のPDCCHに含まれる制御情報について説明する。PDCCHには様々な制御情報が含まれるが、代表的には、以下の2つの制御情報が含まれる。
(1)UEがPDSCHのうちで受信すべきリソースブロックを示す割当て情報(assign)
(2)UEがPUSCHのうちで送信すべきリソースブロックを示す許可情報(grant)
【0048】
なお、リソースブロックの最小単位は、図4に示したように、12サブキャリア×7Ofdmシンボルである。また、PDCCHには、例えばassignやgrantなどのリソース情報の他、電力制御情報、ページングインデックス、およびシステム情報が含まれる。
【0049】
[1−4.ブラインドデコーディング]
上記のassignやgrantなどのリソース情報はUEごとの情報である。このため、eNodeBは、各UEが自分宛のリソース情報を抽出できるようにPDCCHを送信し、各UEは、ブラインドデコーディングと呼ばれる処理によりPDCCHから自分宛のリソース情報を抽出する。以下、この点についてより詳細に説明する。
【0050】
PDCCHにおいて、各UEに対する制御情報の最小単位はCCE(Control Channel Element)と呼ばれている。eNodeBは、各UEに対するリソース情報を含み、各UEの識別子であるC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)により識別されるCCEを生成する。以下、図5を参照してこのようなCCEの具体例を説明する。
【0051】
図5は、CCEの具体例を示した説明図である。図5に示したように、CCEは、リソース情報などの対象の情報、および、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)でリソース情報をマスキングしながらCRC(Cyclic Redundancy Check)により得られるチェックビットを含む。ここで、マスキングは、リソース情報とC−RNTIの排他的論理和(XOR)の演算であってもよし、リソース情報とC−RNTIとの直列的な結合であってもよい。
【0052】
UEは、上述した複数のCCEを含むPDCCHを受信すると、自端末のC−RNTIにより識別されるCCEをブラインドデコーディングにより抽出する。以下、図6および図7を参照してより具体的に説明する。
【0053】
図6および図7は、ブラインドデコーディングを示した説明図である。UEは、図6に示したように、ブラインドデコーディングとして、自端末のC−RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。また、UEは、各CCEを図7に示した順序でブラインドデコーディングする。すなわち、UEは、各CCEが自端末宛てであると仮定して各CCEのCRCチェックを行い、結果が正常であったCCEを自端末宛てのCCEであると判断する。
【0054】
(CCEアグリゲーション)
なお、上述したCCEに関し、CCEアグリゲーションという概念が存在する。このCCEアグリゲーションは、通常のCCEの単位の1倍、2倍、4倍、8倍のCCEを送信するモードである。
【0055】
例えば、セル半径の大きなセルにおいて、UEのSN(信号対雑音比)が小さいと予想できる場合には、CCEを8回繰り返して送信する。この場合、8回繰り返したものに対してCRCによるチェックビットが付加される。したがって、UEは、CCEアグリゲーションが行われている可能性を考慮してブラインドデコーディングを行う。
【0056】
また、C−RNTIの他にも、ページング用の情報を取得するためのP−RNTI、システム情報を取得するためのSI−RNTI等のRNTIが存在する。したがって、UEは、いずれのRNTIにより各CCEが識別されるかも仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0057】
(本発明の実施形態に至る経緯)
ところで、4Gの無線通信システムにおいては、上述したMTC端末の導入により、各セル内に存在する端末数、基地局がActiveモードで収容する端末数、および基地局10がPDCCHで同時に制御する端末数が増大することが予想される。さらに、PDCCHに含まれるCCEも、PDCCHで同時に制御する端末数の増大に伴って増大する。
【0058】
その結果、UE(MTC端末を含む)がブラインドデコーディングを行う範囲が広くなるので、UEにおけるブラインドデコーディングの負荷が増大する。特に、MTC端末には超低消費電力が求められる場合があるので、ブラインドデコーディングの負荷が増大することは問題である。
【0059】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、MTC端末20におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することが可能である。以下、このような本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0060】
<2.各実施形態の説明>
本発明は、一例として「2−1.第1の実施形態」〜「2−7.第7の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態は、MTC端末20に付与されたMTCグループの識別子であるMTC−GP_RNTIを用いて実現される。そこで、各実施形態の詳細な説明に先立ち、MTC−GP_RNTIを各MTC端末20に付与する方法を説明する。
【0061】
(MTC−GP_RNTIの付与)
図8は、C−RNTIおよびMTC−GP_RNTIの付与方法の一例を示したシーケンス図である。図8に示したように、まず、Step1〜Step4からなるRandom Access Procedureにおいて、MTC端末20にC−RNTIが付与される。
【0062】
より具体的に説明すると、MTC端末20は、無線フレーム中のランダムアクセスウィンドウに向けてプリアンブルを送信する(Step1)。基地局10は、MTC端末20からのプリアンブルの受信に成功すると、MTC端末20に対してランダムアクセスレスポンスを送信する(Step2)。基地局10は、このランダムアクセスレスポンスにおいてTemporary C−RNTIをMTC端末20に付与する。
【0063】
そして、MTC端末20は、ランダムアクセスレスポンスを受信すると、L2/L3メッセージを基地局10に送信する(Step3)。これに対し、MTC端末20は、基地局10から送信されるコンテンションレゾリューションメッセージを受信することでランダムアクセスが成功したと判断し(Step4)、Step2において付与されたTemporary C−RNTIをC−RNTIとして使用するようになる。
【0064】
その後、Step5およびStep6からなるMTCカテゴリー設定Procedureが行われる。より具体的に説明すると、MTC端末20は、自端末がMTC端末であるか否かを示すMTCカテゴリーという情報が設定されているので、自端末がMTC端末であることを把握している。このため、MTC端末20は、MTCカテゴリーを基地局10に通知し(Step5)、基地局10から通知確認信号を受信する(Step6)。なお、MTCカテゴリーには、例えば1カ月以上のロングスリープモードに対応しているか否かなど、MTC端末20の能力を示す情報が含まれてもよい。
【0065】
さらに、Step7およびStep8からなるMTC−GP_RNTI設定Procedureにおいて、MTC端末20にMTC−GP_RNTIが付与される。より具体的に説明すると、MTC端末20は、基地局10に対してMTCグループの設定要求を行う(Step7)。基地局10は、当該設定要求を、MTC端末20の端末ID(SIMに記載されている個別の番号であり、RNTIとは異なる。)と共にMME12に転送する。
【0066】
このMME12は、端末の個別の情報をハンドリングする装置であり、MTCグループとMTCグループへの参入が許可されている端末の端末IDとの対応情報をMTCサーバ30から受信し、当該対応情報を保持している。MME12は、この対応情報に基づき、基地局10から転送された端末IDを有するMTC端末20がMTCグループに参入可能であるか否かを判断し、参入可能である場合には、MTCグループ設定確認信号を基地局10に送信する。
【0067】
続いて、基地局10は、MTCグループ設定確認信号と共にMTC−GP_RNTIをMTC端末20に送信する(Step8)。そして、MTC端末20は、基地局10からMTCグループ設定確認信号およびMTC−GP_RNTIを受信することにより、MTC−GP_RNTIを使用できるようになる。
【0068】
以上、MTC−GP_RNTIの付与方法を説明したが、MTC−GP_RNTIの付与方法はかかる例に限定されない。例えば、MTC端末20に事前に設定されているAC(Access Class)などの情報をMTC−GP_RNTIとして使用してもよいし、MTC−GP_RNTIを人的にMTC端末20に付与してもよい。
【0069】
[2−1.第1の実施形態]
続いて、図9〜図13を参照し、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0070】
(第1の実施形態による基地局)
図9は、本発明の第1の実施形態による基地局10の構成を示した説明図である。図9に示したように、第1の実施形態による基地局10は、アンテナ104と、無線処理部108と、記憶部112と、スケジューラ116と、制御信号生成部120と、CRC回路124と、データマッピング部128と、を備える。
【0071】
アンテナ104は、無線処理部108から供給されるPDCCH(制御信号)やPDSCH(データ信号)などの送信信号を無線信号として送信する送信部、および、MTC端末20などの無線通信装置から送信された無線信号を電気的な受信信号に変換して無線処理部108に供給する受信部として機能する。なお、図9においては基地局10が1のアンテナを有する例を示しているが、基地局10は複数のアンテナを備えてもよい。この場合、基地局10は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信、およびダイバーシティ通信などを実現可能である。
【0072】
無線処理部108は、制御信号生成部120から供給されるPDCCHやデータマッピング部から供給されるPDSCHなどの送信信号の変調、DA変換、フィルタリング、増幅およびアップコンバージョンなどの送信用の無線処理を行う。また、無線処理部108は、アンテナ104から供給される受信信号のダウンコンバージョン、フィルタリング、DA変換、復調などの受信用の無線処理を行う。
【0073】
記憶部112は、各MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTI、およびC−RNTIなどを記憶する。また、図9においては記載を省略しているが、記憶部112は、SI−RNTI、P−RNTI、およびRA−RNTIなどその他のRNTIも記憶する。
【0074】
スケジューラ116は、各MTC端末20にデータ通信のためのリソースを割り当てる。すなわち、スケジューラ116は、各MTC端末20がPDSCHのうちで受信すべきリソースブロック、および各MTC端末20がPUSCHのうちで送信すべきリソースブロックを割り当てる。
【0075】
制御信号生成部120は、複数のCCEからなるPDCCHを生成する。より詳細に説明すると、制御信号生成部120は、データ領域内に配置されるセカンドサーチスペースを示す情報(参照先情報)、および当該情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットを含むCCEを生成する。ここで、マスキングは、セカンドサーチスペースを示す情報とMTC−GP_RNTIの排他的論理和(XOR)の演算であってもよし、セカンドサーチスペースを示す情報とC−RNTIとの直列的な結合であってもよい。かかる構成によれば、セカンドサーチスペースを示す情報の宛先として、MTC−GP_RNTIが付与されているMTCグループ内のMTC端末20を指定することができる。
【0076】
なお、上記ではCCEの宛先を指定するためにセカンドサーチスペースを示す情報に対応するチェックビットを付加する例を説明したが、CCEの宛先を指定するための方法はかかる例に限定されない。例えば、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースを示す情報に単にMTC−GP_RNTIを付すことによりCCEの宛先を指定してもよい。
【0077】
また、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースにマッピングするための情報を生成し、セカンドサーチスペースの位置を示す情報と共にデータマッピング部128に供給する。ここで、セカンドサーチスペースにマッピングするための情報は、MTC−GP_RNTIが付与されているMTCグループ内の各MTC端末20に対するリソース情報である。また、各MTC端末20に対するリソース情報には、当該情報を各MTC端末20のC−RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットが付加されている。
【0078】
データマッピング部128(データ信号生成部)は、上位レイヤから供給される各MTC端末20に対するユーザデータを、スケジューラ116によって割り当てられた各MTC端末20がPDSCHのうちで受信すべきリソースブロックにマッピングする。さらに、データマッピング部128は、制御信号生成部120から供給された各MTC端末20に対するリソース情報をセカンドサーチスペースにマッピングする。以下、図10を参照し、CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースなどの配置関係をより具体的に説明する。
【0079】
図10は、CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースの配置関係を示した説明図である。図10に示した例では、CCE#1には、CCE#1に付加されたチェックビットに対応するMTC−GP_RNTIを有するMTCグループのためのセカンドサーチスペース#1の場所を示す情報が記載されている。
【0080】
そして、セカンドサーチスペース#1に含まれる複数のリソース情報のうち、例えばリソース情報#1は、リソース情報#1に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#1を示す。また、リソース情報#2は、リソース情報#2に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#2を示す。
【0081】
同様に、図10に示したCCE#2には、CCE#2に付加されたチェックビットに対応するMTC−GP_RNTIを有するMTCグループのためのセカンドサーチスペース#2の場所を示す情報が記載されている。また、セカンドサーチスペース#2に含まれる複数のリソース情報のうち、例えばリソース情報#3は、リソース情報#3に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#3を示す。
【0082】
なお、CCEとセカンドサーチスペースは、CCE#1とセカンドサーチスペース#1のように同一サブフレームに配置されてもよいし、CCE#2とセカンドサーチスペース#2のように異なるサブフレームに配置されてもよい。このようなCCEとセカンドサーチスペースの関係は、事前のシグナリングにより固定的に設定することも可能であるし、CCEにおいて指定することも可能である。
【0083】
また、セカンドサーチスペースに含まれる各リソース情報の示すリソースブロックは、セカンドサーチスペースと同一のサブフレームだと処理が間に合わないので、リソースブロック#1やリソースブロック#2のように、セカンドサーチスペースの次サブフレーム以降に配置される。このようなセカンドサーチスペースと各MTC端末20への割当てリソースブロックの関係は、事前のシグナリングにより固定的に設定することも可能であるし、セカンドサーチスペースにおいて指定することも可能である。
【0084】
(第1の実施形態によるMTC端末)
以上、本発明の第1の実施形態による基地局10の構成を説明した。続いて、本発明の第1の実施形態によるMTC端末20の構成を説明する。
【0085】
図11は、第1の実施形態によるMTC端末20の構成を示した説明図である。図11に示したように、第1の実施形態によるMTC端末20は、アンテナ204と、無線処理部208と、記憶部212と、ブラインドデコーディング部220と、CRC回路224と、を備える。
【0086】
アンテナ204は、無線処理部208から供給されるPUSCH(データ信号)などの送信信号を無線信号として送信する送信部、および、基地局10から送信されたPDCCHやPDSCHなどの無線信号を電気的な受信信号に変換して無線処理部208に供給する受信部として機能する。なお、図11においてはMTC端末20が1のアンテナを有する例を示しているが、MTC端末20は複数のアンテナを備えてもよい。この場合、MTC端末20は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信、およびダイバーシティ通信などを実現可能である。
【0087】
無線処理部208は、上位レイヤから供給されるユーザデータの変調、DA変換、フィルタリング、増幅およびアップコンバージョンなどの送信用の無線処理を行う。また、無線処理部208は、アンテナ104から供給される受信信号のダウンコンバージョン、フィルタリング、DA変換、復調などの受信用の無線処理を行う。
【0088】
記憶部212は、例えば基地局10から付与されたMTC−GP_RNTI、およびC−RNTIなどを記憶する。また、図11においては記載を省略しているが、記憶部212は、SI−RNTI、P−RNTI、およびRA−RNTIなどその他のRNTIも記憶する。
【0089】
ブラインドデコーディング部220(取得部)は、無線処理部208からPDCCHが供給されると、MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTIにより識別されるCCEをブラインドデコーディングにより抽出する。より具体的には、ブラインドデコーディング部220は、CRC回路224と協働して、MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。そして、ブラインドデコーディング部220は、結果が正常であったCCEを抽出し、CCEに記載されている情報に基づいてセカンドサーチスペースを特定する。例えば、ブラインドデコーディング部220は、PDCCHから図10に示したCCE#1を抽出し、CCE#1に記載されている情報に基づいてセカンドサーチスペース#1を特定する。
【0090】
さらに、ブラインドデコーディング部220は、無線処理部208からPDSCHが供給されると、CCEから特定したセカンドサーチスペースをC−RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末宛てのリソース情報を取得する。より具体的には、ブラインドデコーディング部220は、CRC回路224と協働して、C−RNTIでセカンドサーチスペース内の各リソース情報をデマスキングしながらCRCチェックを行う。そして、ブラインドデコーディング部220は、結果が正常であったリソース情報を自端末宛てのリソース情報として取得する。その後、当該リソース情報の示すリソースブロックにおいて無線処理部208が送信処理または受信処理を行う。例えば、ブラインドデコーディング部220は、図10に示したセカンドサーチスペース#1内のリソース情報#1を自端末宛てのリソース情報として取得する。その後、リソース情報#1の示すリソースブロック#1において無線処理部208が受信処理を行う。
【0091】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報(assign、grant)をPDSCH内のセカンドサーチスペースにマッピングすることにより、多数のMTC端末20に対するリソース情報を収容することが可能となる。さらに、PDCCH内のCCEの数を抑制できるので、MTC端末20がブラインドデコーディングを行うサーチスペースを減らすことができる。その結果、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を軽減することが可能である。なお、上記では各MTC端末20に対するリソース情報をセカンドサーチスペースにマッピングする例を説明したが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、セカンドサーチスペースには、送信電力や送信レートなどの各MTC端末20に対する通信制御情報や、各MTC端末20に対するその他の多様な情報をマッピングしてもよい。
【0092】
(第1の実施形態の動作)
以上、本発明の第1の実施形態によるMTC端末20の構成を説明した。続いて、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の動作を説明する。
【0093】
図12は、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の動作を示したシーケンス図である。基地局10は、まず、あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースを決定する(S310)。そして、基地局10の制御信号生成部120は、決定したセカンドサーチペースを示す情報を、上記MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でPDCCH内のCCEに記載する(S320)。具体的には、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースを示す情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットをCCEに付加する。
【0094】
さらに、基地局10のデータマッピング部128は、PDSCHのセカンドサーチスペース内に、上記MTCグループに属する各MTC端末20に対するリソース情報を、各MTC端末20に付与されたC−RNTIにより識別可能な状態でマッピングする(S330)。その後、基地局10は、PDCCHおよびPDSCHを送信する(S340)。
【0095】
そして、MTC端末20が基地局10からPDCCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDCCH内の各CCEを自端末に付与されたMTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S350)、自端末を含むMTCグループのためのセカンドサーチスペースを特定する(S360)。
【0096】
さらに、MTC端末20が基地局10からPDSCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDSCH内のセカンドサーチスペースをC−RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S370)、自端末に対するリソース情報を取得する(S380)。その後、MTC端末20は、取得したリソース情報の示すリソースブロックにおいて受信処理または送信処理を行う。
【0097】
(第1の実施形態の補足)
以上説明したように、本発明の第1の実施形態による基地局10は、セカンドサーチペースを示す情報をMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載してPDCCHを送信する。しかし、基地局10がMTC端末20に対するリソース情報を当該MTC端末20のC−RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載してPDCCHを送信する場合も考えられる。
【0098】
そこで、MTC端末20は、MTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行ってもよい。MTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う場合であっても、本発明の第1の実施形態によればサーチスペースが小さくなっているので、MTC端末20の負荷を十分抑制することが可能である。
【0099】
または、MTC端末20は、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングできないと判断される場合、C−RNTIのみを用いてブラインドデコーディングを行ってもよい。なお、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングできない場合としては、ハンドオーバーによりMTC端末20が新たな基地局10と接続された場合や、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングするケーパビリティを有さない場合などが考えられる。
【0100】
または、MTC端末20は、図13を参照して説明するように、基地局10に設定変更を要求することによりブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更してもよい。
【0101】
図13は、ブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更する方法を示したシーケンス図である。MTC端末20は、図13に示したようにMTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行っている場合、基地局10にMTC−GP_Only_Modの設定要求を送信することができる(S410)。
【0102】
基地局10は、当該設定要求を受信すると、少なくともMTC端末20の属するMTCグループのためのセカンドサーチペースを示す情報をMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載するMTC−GP_Only_Modを設定する。そして、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号をMTC端末20に送信する(S420)。なお、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号を、MTCグループに属する全てのMTC端末に送信してもよい。
【0103】
MTC端末20は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号を受信した後、MTC−GP_RNTIのみを用いてブラインドデコーディングを行う。
【0104】
その後、MTC端末20がMTC−GP_Only_Modの解除要求を基地局10に送信すると(S430)、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定を解除し、MTC−GP_Only_Modの解除確認信号をMTC端末20に送信する(S440)。MTC端末20は、MTC−GP_Only_Modの解除確認信号を受信した後は、再びMTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う。
【0105】
[2−2.第2の実施形態]
以上、本発明の第1の実施形態を説明した。続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態〜第7の実施形態は、第1の実施形態と共通する部分が多いので、第1の実施形態と共通する部分については詳細な説明を省略する。また、図9に示した基地局10の構成図、および図11に示したMTC端末20の構成図を援用して第2の実施形態〜第7の実施形態を説明する。
【0106】
図14は、あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースの配置例を示した説明図である。図14に示したように、基地局10は、複数のサブフレームにわたり、1のCCE#1の示す同一の場所にセカンドサーチスペース#1〜#3を配置してもよい。
【0107】
この場合、MTC端末20は、何サブフレームにわたり同一の場所にセカンドサーチスペースが配置されるかを把握する必要がある。このために、基地局10は、CCEにおいてサブフレーム数を通知してもよいし、MTC端末20に事前にサブフレーム数を通知してもよい。
【0108】
この第2の実施形態によれば、PDCCH内のCCEの数をさらに減少させることができるので、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を一層軽減することが可能である。
【0109】
[2−3.第3の実施形態]
図7を参照して説明したように、MTC端末20は、通常、PDCCH内のCCEを周波数方向にサーチした後、次のOfdmシンボルを再度周波数方向にサーチしていく。このため、LTEにおいては、最低で5MHz幅、最大で20MHz幅の周波数方向のサーチが必要となる。
【0110】
しかし、MTC端末20には超低消費電力が求められる場合があること、およびデジタル回路の動作率の観点から、周波数方向のサーチ幅を5MHz以下の例えば1MHz以下にすることが効果的である。
【0111】
そこで、第3の実施形態による基地局10は、同一のMTCグループのためのCCEを所定のサブキャリアに配置する。以下、図15を参照して具体的に説明する。
【0112】
図15は、各MTCグループのためのCCEの配置例を示した説明図である。図15に示したように、第3の実施形態による基地局10は、例えば、MTCグループ1に属するMTC端末20のためのCCEはサブキャリアxに配置し、MTCグループ2に属するMTC端末20のためのCCEはサブキャリアyに配置する。なお、基地局10は、いずれのサブキャリアに各MTCグループのためのCCEを配置するかを示す情報を事前にMTC端末20に通知しておいてもよい。
【0113】
かかる構成によれば、MTCグループ1に属するMTC端末20は、サブキャリアxのみを時間方向にブライドデコーディングすればよいし、MTCグループ2に属するMTC端末20は、サブキャリアyのみを時間方向にブライドデコーディングすればよい。したがって、第3の実施形態によれば、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を大幅に軽減することが可能である。
【0114】
[2−4.第4の実施形態]
上記実施形態では、MTC端末20が1つのMTCグループに属し、1つMTC−GP_RNTIが付与される例を説明した。一方、MTC端末20をアップリンクとダウンリンクで分けてグループ化することも考えられる。第4の実施形態はこの点に着目するものであり、第4の実施形態によるMTC端末20は、複数のMTCグループに属し、複数のMTC−GP_RNTIが付与される。以下、16を参照して具体例を説明する。
【0115】
図16は、MTC端末20が属するMTCグループの具体例を示した説明図である。図16に示したように、第4の実施形態によるMTC端末20は、アップリンク用のMTCグループと、ダウンリンク用のMTCグループに属する。例えば、MTC端末20Aは、ダウンリンク用のMTCグループ1、およびアップリンク用のMTCグループ1に属し、MTC端末20Bは、ダウンリンク用のMTCグループ1、およびアップリンク用のMTCグループ3に属する。
【0116】
このため、各MTC端末20は、ダウンリンク用のグループ識別子であるMTC−DownLink_RNTI、およびアップリンク用のグループ識別子であるMTC−UpLink_RNTIが付与される。
【0117】
この場合、基地局10は、アップリンク用のセカンドサーチスペースを示す情報を含むCCEはMTC−UpLink_RNTIを利用して生成し、ダウンリンク用のセカンドサーチスペースを示す情報を含むCCEはMTC−DownLink_RNTIを利用して生成する。
【0118】
例えば、基地局10は、図17に示したCCE#4にアップリンク用のMTCグループ1のためのセカンドサーチスペースを示す情報を記載する場合、アップリンク用のMTCグループ1に付与されたMTC−UpLink_RNTIを利用してCCE#4を生成する。同様に、基地局10は、図17に示したCCE#5にダウンリンク用のMTCグループ2のためのセカンドサーチスペースを示す情報を記載する場合、ダウンリンク用のMTCグループ2に付与されたMTC−DownLink_RNTIを利用してCCE#5を生成する。
【0119】
このため、MTC端末20は、PDCCH内の各CCEをMTC−DownLink_RNTIおよびMTC−UpLink_RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末の属するMTCグループのためのCCEを抽出することが可能である。
【0120】
[2−5.第5の実施形態]
以上説明したように、第1の実施形態〜第4の実施形態は、セカンドサーチスペースを用いることによりPDCCH内のサーチスペースを小さくする。これに対し、以下に説明する第5実施形態〜第7の実施形態は、MTCグループを構成する複数のMTC端末20で共有されるリソース情報をCCEに記載することによりPDCCH内のサーチスペースを小さくする。以下、第5実施形態〜第7の実施形態について順次に説明する。
【0121】
(ダウンリンクのリソース情報の共有)
MTC端末20のアプリケーションには、自動販売機における販売実績の報告、ガス水道などの使用量の報告など、蓄積情報を報告するアプリケーションが多いと考えられる。この場合、基地局10は、複数のMTC端末20に対して蓄積情報の報告を指示する共通のコマンドを用いることが可能である。
【0122】
そこで、基地局10は、MTCグループ内の複数のMTC端末20が受信処理を行うべきリソースブロックを示すリソース情報をCCEに記載する。さらに、基地局10は、MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIに基づくチェックビットをCCEに付加することにより、CCEをMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態で送信する。
【0123】
そして、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、MTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングを行い、MTC−GP_RNTIにより識別されるCCEを抽出する。さらに、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、抽出したCCEに記載されたリソース情報の示すリソースブロックにおいて同時に受信処理を行う。
【0124】
かかる構成により、各MTC端末20に対するリソース情報を個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。
【0125】
(アップリンクのリソース情報の共有)
アップリンクにおいては、複数のMTC端末20が同一のリソースブロックで送信処理を行うと、アップリンクデータが基地局10において衝突してしまう。そこで、基地局10は、MTCグループのアップリンクための基準リソースブロックを示すリソース情報をCCEに記載する。さらに、基地局10は、MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIに基づくチェックビットをCCEに付加することにより、CCEをMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態で送信する。
【0126】
そして、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、MTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングを行い、MTC−GP_RNTIにより識別されるCCEを抽出する。さらに、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、抽出したCCEに記載されたリソース情報の示す基準リソースブロックを特定し、基準リソースブロックと事前に設定された位置関係にあるリソースブロックにおいて送信処理を行う。以下、この点について図18を参照してより具体的に説明する。
【0127】
図18は、基準リソースブロックと、各MTC端末20によるアップリンク用のリソースブロックの関係を示した説明図である。図18に示したように、例えばCCE#6には、MTCグループ1のアップリンクの基準リソースブロックとしてリソースブロック#1を示すリソース情報を記載される。
【0128】
ここで、MTCグループ1がMTC端末20A〜20Dからなり、各MTC端末20がアップリンクに用いるリソースブロックの基準リソースブロックからの相対位置が設定されているとする。この場合、MTC端末20A〜20Dは、基準リソースブロックであるリソースブロック#1を特定し、基準リソースブロックから設定されている相対位置にあるリソースブロックを用いて送信処理を行う。
【0129】
例えば、基準リソースブロックを起点として、MTC端末20A、20B、20C、20D、という順序で時間方向に隣接するリソースブロックを用いるよう設定されている場合を考える。この場合、図18に示したように、MTC端末20Aが基準リソースブロックであるリソースブロック#1を用い、MTC端末20Bがリソースブロック#1と時間方向に隣接するリソースブロック#2を用いる。同様に、MTC端末20Cがリソースブロック#2と時間方向に隣接するリソースブロック#3を用い、MTC端末20Dがリソースブロック#3と時間方向に隣接するリソースブロック#4を用いる。
【0130】
変形例として、基準リソースブロックを起点として、MTC端末20A、20B、20C、20D、という順序で周波数方向に隣接するリソースブロックを用いるよう設定することもできる。この場合、図19に示したように、MTC端末20Aが基準リソースブロックであるリソースブロック#1を用い、MTC端末20Bがリソースブロック#1と周波数方向に隣接するリソースブロック#5を用いる。同様に、MTC端末20Cがリソースブロック#5と周波数方向に隣接するリソースブロック#6を用い、MTC端末20Dがリソースブロック#6と周波数方向に隣接するリソースブロック#7を用いる。
【0131】
なお、各MTC端末20が送信処理を行うべきリソースブロックと基準リソースブロックとの位置関係は、基地局10が各MTC端末20に事前にシグナリングしておいてもよい。また、上記ではMTC−GP_RNTIにより第5の実施形態を実現する例を説明したが、MTC−GP_RNTIをC−RNTIに置き換えて第5の実施形態を実現することも可能である。例えば、基地局10は、MTC−GP_RNTIをハンドリング出来ない場合、複数のMTC端末20に同一のC−RNTIを割当て、C−RNTIを上記のMTC−GP_RNTIと同様の方法で利用してもよい。
【0132】
(第5の実施形態の動作)
以上、第5の実施形態によるリソース情報の共有について説明した。続いて、図20を参照し、第5の実施形態による無線通信システム1の動作を説明する。
【0133】
図20は、第5の実施形態による無線通信システム1の動作を示した説明図である。図20に示したように、基地局10は、MTC端末20が送信処理を行うべきリソースブロックと基準リソースブロックとの位置関係を示す相対位置情報を事前にMTC端末20に送信する(S510)。
【0134】
その後、基地局10の制御信号生成部120は、MTCグループに属する各MTC端末20のためのリソース情報を、上記MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でPDCCH内のCCEに記載する(S520)。具体的には、制御信号生成部120は、各MTC端末20に対するリソース情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットをCCEに付加する。続いて、基地局10は、各MTC端末20に対するリソース情報が記載されたCCEを含むPDCCHを送信する(S530)。
【0135】
そして、MTC端末20が基地局10からPDCCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDCCH内の各CCEを自端末に付与されたMTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S540)、自端末を含むMTCグループのためのリソース情報を取得する(S550)。
【0136】
ここで、取得したリソース情報がダウンリンク用のリソースブロックを示す場合(S560)、MTC端末20は、リソース情報の示すリソースブロックにおいて受信処理を行う(S570)。
【0137】
一方、取得したリソース情報がアップリンク用の基準リソースブロックを示す場合(S560)、MTC端末20は、リソース情報の示す基準リソースブロックと、相対位置情報の示す位置関係にあるリソースブロックにおいて送信処理を行う(S580)。
【0138】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報も個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。その結果、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を軽減することができる。
【0139】
[2−6.第6の実施形態]
第6の実施形態は、第5の実施形態に図15を参照して説明した第3の実施形態を適用することにより実現される。具体的には、第6の実施形態による基地局10は、同一のMTCグループのためのリソース情報を含むCCEを所定のサブキャリアに配置する。かかる構成によれば、MTC端末20は、所定のサブキャリアのみを時間方向にブライドデコーディングすればよいので、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を大幅に軽減することが可能である。
【0140】
[2−7.第7の実施形態]
第7の実施形態は、第5の実施形態に図16を参照して説明した第4の実施形態を適用することにより実現される。具体的には、第7の実施形態によるMTC端末20は、アップリンク用のMTCグループと、ダウンリンク用のMTCグループに属する。このため、MTC端末20は、ダウンリンク用のグループ識別子であるMTC−DownLink_RNTI、およびアップリンク用のグループ識別子であるMTC−UpLink_RNTIが付与される。
【0141】
この場合、基地局10は、MTCグループのアップリンクのためのリソース情報を含むCCEはMTC−UpLink_RNTIを利用して生成し、ダウンリンクのためのリソース情報を含むCCEはMTC−DownLink_RNTIを利用して生成する。
【0142】
このため、MTC端末20は、PDCCH内の各CCEをMTC−DownLink_RNTIおよびMTC−UpLink_RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末の属するMTCグループのためのCCEを抽出することが可能である。
【0143】
<3.むすび>
以上説明したように、本発明の第1実施形態〜第4の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報(assign、grant)をPDSCH内のセカンドサーチスペースにマッピングすることにより、多数のMTC端末20に対するリソース情報を収容することが可能となる。さらに、PDCCH内のCCEの数を抑制できるので、MTC端末20がブラインドデコーディングを行うサーチスペースを減らすことができる。その結果、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を軽減することが可能である。
【0144】
また、本発明の第5実施形態〜第7実施形態によれば、PDCCH内のCCEに記載されたリソース情報をMTCグループ内の複数のMTC端末20が共有することができる。このため、各MTC端末20に対するリソース情報を個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。その結果、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を軽減することができる。
【0145】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0146】
例えば、本明細書の基地局10およびMTC端末20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10およびMTC端末20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0147】
また、基地局10およびMTC端末20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10およびMTC端末20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0148】
10 基地局
12 MME
14 S−GW
16 PDN−GW
20 MTC端末
30 MTCサーバ
104、204 アンテナ
108、208 無線処理部
112、212 記憶部
116 スケジューラ
120 制御信号生成部
124、224 CRC回路
128 データマッピング部
220 ブラインドデコーディング部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において4Gの無線通信システムの規格化が進められている。4Gによれば、リレーやキャリアアグリゲーションなどの技術を用いることにより、最大通信速度の向上やセルエッジでの品質向上を実現することができる。また、HeNodeB(Home eNodeB、フェムトセル基地局、携帯電話用小型基地局)やRHH(リモートラジオヘッド)など、eNodeB(マクロセル基地局)以外の基地局の導入によりカバレッジを向上させることも検討されている。
【0003】
(ブラインドデコーディング)
このような無線通信システムにおいて、基地局は、PDCCH(Phy Downlink Control Channel)と呼ばれる制御信号により、UEに対する受信リソースの割り当て(Downlink Assign)、および送信リソースの許可(Uplink Grant)などを通知する。ここで、Downlink AssignやUplink Grantなどのリソース情報は、UE(User Equipment)ごとの情報である。このため、基地局は、各UEが自分宛のリソース情報を抽出できるように制御信号を送信し、各UEは、ブラインドデコーディングと呼ばれる処理によりPDCCHから自分宛のリソース情報を抽出する。以下、この点についてより詳細に説明する。
【0004】
基地局は、CCE(Control Channel Element)と呼ばれる制御信号の最小単位に各UE宛てのリソース情報を記載する。さらに、基地局は、各UEに固有の識別子であるC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)でリソース情報をマスキングしながらCRC(Cyclic Redundancy Check)により得られるチェックビットをCCEに付加する。
【0005】
UEは、上述した複数のCCEを含むPDCCHを受信すると、自端末のC−RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。すなわち、UEは、各CCEが自端末宛てであると仮定して各CCEのCRCチェックを行い、結果が正常であったCCEを自端末宛てのCCEであると判断する。UEによる当該処理はブラインドデコーディングと呼ばれており、このブラインドデコーディングについては例えば特許文献1に記載されている。
【0006】
(MTCについて)
一方、3GPPでは、MTC(Machine Type Communications)に関する議論も進められている。MTCは、一般的にM2M(Machine to Machine)と同義であり、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信を意味する。このMTCは、主として、サーバと、人間が直接利用しないMTC端末との間で行われる。
【0007】
例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をサーバにアップリンクを利用して送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末として機能させ、サーバが、一定周期(例えば30日)ごとに管理下の自動販売機に対して売上を報告させることも考えられる。
【0008】
このようなMTC端末は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(Low Mobility)
・小容量のデータ転送(Online Small Data Transmission)
・超低消費電力(Extra Low Power Consumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(Group based MTC Features)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−296589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述したMTCの導入により、各セル内に存在する端末数、基地局がActiveモードで収容する端末数、および基地局がPDCCHで同時に制御する端末数が増大することが予想される。さらに、PDCCHに含まれるCCEも、PDCCHで同時に制御する端末数の増大に伴って増大する。
【0011】
その結果、UE(MTC端末を含む)がブラインドデコーディングを行う範囲が広くなるので、UEにおけるブラインドデコーディングの負荷が増大する。特に、MTC端末には超低消費電力が求められる場合があるので、ブラインドデコーディングの負荷が増大することは問題である。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線端末におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することが可能な、新規かつ改良された基地局、無線通信方法、プログラム、無線通信システム、および無線端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、を備える基地局が提供される。
【0014】
前記データ信号生成部は、前記参照先情報の示す参照先領域に、前記複数の無線端末の各々の端末識別子により識別される前記複数の無線端末の各々に対する情報を配置してもよい。
【0015】
前記複数の無線端末の各々に対する情報は、アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報を含んでもよい。
【0016】
前記アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報は、前記複数の無線端末の各々に対する情報が配置されたフレームの次以降のフレーム内のリソースを示してもよい。
【0017】
前記データ信号生成部は、複数フレームにわたり、1のフレームの制御領域に配置された参照先情報の示す前記データ領域内の同一の参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してもよい。
【0018】
前記複数の無線端末には、アップリンク用のグループ識別子、およびダウンリンク用のグループ識別子が付与されており、前記データ信号生成部は、アップリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域には前記複数の無線端末の各々に対するアップリンク用のリソース情報を配置し、ダウンリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域においては前記複数の無線端末の各々に対するダウンリンク用のリソース情報を配置してもよい。
【0019】
前記制御信号生成部は、同一のグループ識別子により識別される参照先情報を、前記制御領域中の所定の周波数領域に配置してもよい。
【0020】
前記制御信号生成部は、前記参照先情報を前記グループ識別子でマスキングしながら得られたチェックビットを前記参照先情報に付加してもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、制御領域およびデータ領域から構成されるフレーム中の前記制御領域において送信される制御信号であって、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含む制御信号を生成するステップと、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するステップと、前記制御信号および前記データ信号を送信するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の無線端末と、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部、前記複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部、および、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部、を有する基地局と、を備える無線通信システムが提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線端末であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と、を備える無線端末が提供される。
【0025】
前記取得部は、前記基地局により前記グループ識別子が使用されないと判断される場合、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得してもよい。
【0026】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線端末による無線通信方法であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信するステップと、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得するステップと、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0027】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、無線端末であって、制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と、を備える無線端末として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明によれば、無線端末におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】無線通信システムの構成例を示した説明図である。
【図2】4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。
【図3A】PDCCHの送信に1Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図3B】PDCCHの送信に2Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図3C】PDCCHの送信に3Ofdmシンボルが利用される例を示した説明図である。
【図4】リソースブロックを示した説明図である。
【図5】CCEの具体例を示した説明図である。
【図6】ブラインドデコーディングを示した説明図である。
【図7】ブラインドデコーディングを示した説明図である。
【図8】C−RNTIおよびMTC−GP_RNTIの付与方法の一例を示したシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による基地局の構成を示した説明図である。
【図10】CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースの配置関係を示した説明図である。
【図11】第1の実施形態によるMTC端末の構成を示した説明図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの動作を示したシーケンス図である。
【図13】ブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更する方法を示したシーケンス図である。
【図14】あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースの配置例を示した説明図である。
【図15】各MTCグループのためのCCEの配置例を示した説明図である。
【図16】MTC端末が属するMTCグループの具体例を示した説明図である。
【図17】第4の実施形態に対応する説明図である。
【図18】基準リソースブロックと、各MTC端末によるアップリンク用のリソースブロックの関係を示した説明図である。
【図19】基準リソースブロックと、各MTC端末によるアップリンク用のリソースブロックの関係の変形例を示した説明図である。
【図20】第5の実施形態による無線通信システムの動作を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてMTC端末20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、MTC端末20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にMTC端末20と称する。
【0032】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.フレーム構成
1−3.PDCCHの構成
1−4.ブラインドデコーディング
2.各実施形態の説明
2−1.第1の実施形態
(第1の実施形態による基地局)
(第1の実施形態によるMTC端末)
(第1の実施形態の動作)
(第1の実施形態の補足)
2−2.第2の実施形態
2−3.第3の実施形態
2−4.第4の実施形態
2−5.第5の実施形態
2−6.第6の実施形態
2−7.第7の実施形態
3.むすび
【0033】
<1.無線通信システムの概略>
現在、3GPPにおいて4Gの無線通信システムの規格化が進められている。本発明の実施形態は、一例としてこの4Gの無線通信システムに適用することができるので、まず、4Gの無線通信システムの概略を説明する。
【0034】
[1−1.無線通信システムの構成]
図1は、無線通信システム1の構成例を示した説明図である。図1に示したように、無線通信システム1は、基地局10と、MME(Mobility Management Entity)12、S−GW(Serving Gateway)14、およびPDN(Packet Data Network)−GW16を含むコアネットワークと、MTC端末20と、MTCサーバ30と、を備える。
【0035】
本発明の実施形態は、図1に示した基地局10およびMTC端末20などの無線通信装置に適用することができる。なお、基地局10は、例えば、eNodeB、リレーノード、または家庭用小型基地局であるHome eNodeBであってもよい。また、MTC端末20はユーザ端末(UE:User Equipment)の一例であり、本発明の実施形態は、携帯電話やPC(Personal Computer)などの非MTC端末にも適用可能である。
【0036】
基地局10は、MTC端末20と通信する無線基地局である。図1においては1台の基地局10のみを示しているが、実際には多数の基地局10がコアネットワークに接続される。また、図1においては記載を省略しているが、基地局10は非MTC端末などの他のユーザ端末とも通信する。
【0037】
MME12は、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMME12は、基地局10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。
【0038】
S−GW14は、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。PDN−GW16は、IPサービスネットワークとの接続点として機能し、IPサービスネットワークとの間でユーザデータを転送する。
【0039】
MTC端末20は、3GPPで議論されている、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信であるMTCに特化した無線端末である。このMTC端末20は、基地局10とアプリケーションに応じた無線通信を行う。また、MTC端末20は、コアネットワークを介してMTCサーバ30と双方向通信を行う。
【0040】
例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末20が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をサーバにアップリンクを利用して送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末20として機能させ、MTCサーバ30が、一定周期(例えば30日)ごとに管理下の自動販売機に対して売上を報告させることも考えられる。
【0041】
このようなMTC端末20は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末20が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(Low Mobility)
・小容量のデータ転送(Online Small Data Transmission)
・超低消費電力(Extra Low Power Consumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(Group based MTC Features)
【0042】
[1−2.フレーム構成]
上述の基地局10およびMTC端末20は、詳細については決定されていないが、eNodeBおよびUE間の通信に準ずる形で無線通信を行うことが予想される。そこで、以下では、eNodeBおよびUE間で共有される無線フレームについて説明する。以下で説明する内容は、基地局10およびMTC端末20間の通信に援用可能である。
【0043】
図2は、4Gのフレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。また、1msの各サブフレームは、2つの0.5msスロットで構成されている。さらに、各0.5msスロットは、7Ofdmシンボルで構成されている。
【0044】
なお、Ofdmシンボルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(Fast Fourier Transform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0045】
図2に示した1msの各サブフレームの先頭には、PDCCH(Phy DownLink Control Channel)と呼ばれる制御信号が付加される。このPDCCHの送信ために、図3A〜図3Cに示すように、サブフレームの先頭の1Ofdmシンボル〜3Ofdmシンボルが利用される。すなわち、PDCCHの送信ために1Ofdmシンボルが利用される場合もあれば、3Ofdmシンボルが利用される場合もある。
【0046】
なお、PDCCHの送信に利用される無線フレーム中の領域は制御領域と称され、PDSCH(Phy DownLink Shared Channel)やPUSCH(Phy UpLink Shared Channel)などの送信に利用される無線フレーム中の領域はデータ領域と称される。
【0047】
[1−3.PDCCHの構成]
続いて、上記のPDCCHに含まれる制御情報について説明する。PDCCHには様々な制御情報が含まれるが、代表的には、以下の2つの制御情報が含まれる。
(1)UEがPDSCHのうちで受信すべきリソースブロックを示す割当て情報(assign)
(2)UEがPUSCHのうちで送信すべきリソースブロックを示す許可情報(grant)
【0048】
なお、リソースブロックの最小単位は、図4に示したように、12サブキャリア×7Ofdmシンボルである。また、PDCCHには、例えばassignやgrantなどのリソース情報の他、電力制御情報、ページングインデックス、およびシステム情報が含まれる。
【0049】
[1−4.ブラインドデコーディング]
上記のassignやgrantなどのリソース情報はUEごとの情報である。このため、eNodeBは、各UEが自分宛のリソース情報を抽出できるようにPDCCHを送信し、各UEは、ブラインドデコーディングと呼ばれる処理によりPDCCHから自分宛のリソース情報を抽出する。以下、この点についてより詳細に説明する。
【0050】
PDCCHにおいて、各UEに対する制御情報の最小単位はCCE(Control Channel Element)と呼ばれている。eNodeBは、各UEに対するリソース情報を含み、各UEの識別子であるC−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)により識別されるCCEを生成する。以下、図5を参照してこのようなCCEの具体例を説明する。
【0051】
図5は、CCEの具体例を示した説明図である。図5に示したように、CCEは、リソース情報などの対象の情報、および、C−RNTI(Cell Radio Network Temporary Identify)でリソース情報をマスキングしながらCRC(Cyclic Redundancy Check)により得られるチェックビットを含む。ここで、マスキングは、リソース情報とC−RNTIの排他的論理和(XOR)の演算であってもよし、リソース情報とC−RNTIとの直列的な結合であってもよい。
【0052】
UEは、上述した複数のCCEを含むPDCCHを受信すると、自端末のC−RNTIにより識別されるCCEをブラインドデコーディングにより抽出する。以下、図6および図7を参照してより具体的に説明する。
【0053】
図6および図7は、ブラインドデコーディングを示した説明図である。UEは、図6に示したように、ブラインドデコーディングとして、自端末のC−RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。また、UEは、各CCEを図7に示した順序でブラインドデコーディングする。すなわち、UEは、各CCEが自端末宛てであると仮定して各CCEのCRCチェックを行い、結果が正常であったCCEを自端末宛てのCCEであると判断する。
【0054】
(CCEアグリゲーション)
なお、上述したCCEに関し、CCEアグリゲーションという概念が存在する。このCCEアグリゲーションは、通常のCCEの単位の1倍、2倍、4倍、8倍のCCEを送信するモードである。
【0055】
例えば、セル半径の大きなセルにおいて、UEのSN(信号対雑音比)が小さいと予想できる場合には、CCEを8回繰り返して送信する。この場合、8回繰り返したものに対してCRCによるチェックビットが付加される。したがって、UEは、CCEアグリゲーションが行われている可能性を考慮してブラインドデコーディングを行う。
【0056】
また、C−RNTIの他にも、ページング用の情報を取得するためのP−RNTI、システム情報を取得するためのSI−RNTI等のRNTIが存在する。したがって、UEは、いずれのRNTIにより各CCEが識別されるかも仮定してブラインドデコーディングを行う。
【0057】
(本発明の実施形態に至る経緯)
ところで、4Gの無線通信システムにおいては、上述したMTC端末の導入により、各セル内に存在する端末数、基地局がActiveモードで収容する端末数、および基地局10がPDCCHで同時に制御する端末数が増大することが予想される。さらに、PDCCHに含まれるCCEも、PDCCHで同時に制御する端末数の増大に伴って増大する。
【0058】
その結果、UE(MTC端末を含む)がブラインドデコーディングを行う範囲が広くなるので、UEにおけるブラインドデコーディングの負荷が増大する。特に、MTC端末には超低消費電力が求められる場合があるので、ブラインドデコーディングの負荷が増大することは問題である。
【0059】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、MTC端末20におけるブラインドデコーディングの負荷を抑制することが可能である。以下、このような本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0060】
<2.各実施形態の説明>
本発明は、一例として「2−1.第1の実施形態」〜「2−7.第7の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、各実施形態は、MTC端末20に付与されたMTCグループの識別子であるMTC−GP_RNTIを用いて実現される。そこで、各実施形態の詳細な説明に先立ち、MTC−GP_RNTIを各MTC端末20に付与する方法を説明する。
【0061】
(MTC−GP_RNTIの付与)
図8は、C−RNTIおよびMTC−GP_RNTIの付与方法の一例を示したシーケンス図である。図8に示したように、まず、Step1〜Step4からなるRandom Access Procedureにおいて、MTC端末20にC−RNTIが付与される。
【0062】
より具体的に説明すると、MTC端末20は、無線フレーム中のランダムアクセスウィンドウに向けてプリアンブルを送信する(Step1)。基地局10は、MTC端末20からのプリアンブルの受信に成功すると、MTC端末20に対してランダムアクセスレスポンスを送信する(Step2)。基地局10は、このランダムアクセスレスポンスにおいてTemporary C−RNTIをMTC端末20に付与する。
【0063】
そして、MTC端末20は、ランダムアクセスレスポンスを受信すると、L2/L3メッセージを基地局10に送信する(Step3)。これに対し、MTC端末20は、基地局10から送信されるコンテンションレゾリューションメッセージを受信することでランダムアクセスが成功したと判断し(Step4)、Step2において付与されたTemporary C−RNTIをC−RNTIとして使用するようになる。
【0064】
その後、Step5およびStep6からなるMTCカテゴリー設定Procedureが行われる。より具体的に説明すると、MTC端末20は、自端末がMTC端末であるか否かを示すMTCカテゴリーという情報が設定されているので、自端末がMTC端末であることを把握している。このため、MTC端末20は、MTCカテゴリーを基地局10に通知し(Step5)、基地局10から通知確認信号を受信する(Step6)。なお、MTCカテゴリーには、例えば1カ月以上のロングスリープモードに対応しているか否かなど、MTC端末20の能力を示す情報が含まれてもよい。
【0065】
さらに、Step7およびStep8からなるMTC−GP_RNTI設定Procedureにおいて、MTC端末20にMTC−GP_RNTIが付与される。より具体的に説明すると、MTC端末20は、基地局10に対してMTCグループの設定要求を行う(Step7)。基地局10は、当該設定要求を、MTC端末20の端末ID(SIMに記載されている個別の番号であり、RNTIとは異なる。)と共にMME12に転送する。
【0066】
このMME12は、端末の個別の情報をハンドリングする装置であり、MTCグループとMTCグループへの参入が許可されている端末の端末IDとの対応情報をMTCサーバ30から受信し、当該対応情報を保持している。MME12は、この対応情報に基づき、基地局10から転送された端末IDを有するMTC端末20がMTCグループに参入可能であるか否かを判断し、参入可能である場合には、MTCグループ設定確認信号を基地局10に送信する。
【0067】
続いて、基地局10は、MTCグループ設定確認信号と共にMTC−GP_RNTIをMTC端末20に送信する(Step8)。そして、MTC端末20は、基地局10からMTCグループ設定確認信号およびMTC−GP_RNTIを受信することにより、MTC−GP_RNTIを使用できるようになる。
【0068】
以上、MTC−GP_RNTIの付与方法を説明したが、MTC−GP_RNTIの付与方法はかかる例に限定されない。例えば、MTC端末20に事前に設定されているAC(Access Class)などの情報をMTC−GP_RNTIとして使用してもよいし、MTC−GP_RNTIを人的にMTC端末20に付与してもよい。
【0069】
[2−1.第1の実施形態]
続いて、図9〜図13を参照し、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0070】
(第1の実施形態による基地局)
図9は、本発明の第1の実施形態による基地局10の構成を示した説明図である。図9に示したように、第1の実施形態による基地局10は、アンテナ104と、無線処理部108と、記憶部112と、スケジューラ116と、制御信号生成部120と、CRC回路124と、データマッピング部128と、を備える。
【0071】
アンテナ104は、無線処理部108から供給されるPDCCH(制御信号)やPDSCH(データ信号)などの送信信号を無線信号として送信する送信部、および、MTC端末20などの無線通信装置から送信された無線信号を電気的な受信信号に変換して無線処理部108に供給する受信部として機能する。なお、図9においては基地局10が1のアンテナを有する例を示しているが、基地局10は複数のアンテナを備えてもよい。この場合、基地局10は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信、およびダイバーシティ通信などを実現可能である。
【0072】
無線処理部108は、制御信号生成部120から供給されるPDCCHやデータマッピング部から供給されるPDSCHなどの送信信号の変調、DA変換、フィルタリング、増幅およびアップコンバージョンなどの送信用の無線処理を行う。また、無線処理部108は、アンテナ104から供給される受信信号のダウンコンバージョン、フィルタリング、DA変換、復調などの受信用の無線処理を行う。
【0073】
記憶部112は、各MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTI、およびC−RNTIなどを記憶する。また、図9においては記載を省略しているが、記憶部112は、SI−RNTI、P−RNTI、およびRA−RNTIなどその他のRNTIも記憶する。
【0074】
スケジューラ116は、各MTC端末20にデータ通信のためのリソースを割り当てる。すなわち、スケジューラ116は、各MTC端末20がPDSCHのうちで受信すべきリソースブロック、および各MTC端末20がPUSCHのうちで送信すべきリソースブロックを割り当てる。
【0075】
制御信号生成部120は、複数のCCEからなるPDCCHを生成する。より詳細に説明すると、制御信号生成部120は、データ領域内に配置されるセカンドサーチスペースを示す情報(参照先情報)、および当該情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットを含むCCEを生成する。ここで、マスキングは、セカンドサーチスペースを示す情報とMTC−GP_RNTIの排他的論理和(XOR)の演算であってもよし、セカンドサーチスペースを示す情報とC−RNTIとの直列的な結合であってもよい。かかる構成によれば、セカンドサーチスペースを示す情報の宛先として、MTC−GP_RNTIが付与されているMTCグループ内のMTC端末20を指定することができる。
【0076】
なお、上記ではCCEの宛先を指定するためにセカンドサーチスペースを示す情報に対応するチェックビットを付加する例を説明したが、CCEの宛先を指定するための方法はかかる例に限定されない。例えば、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースを示す情報に単にMTC−GP_RNTIを付すことによりCCEの宛先を指定してもよい。
【0077】
また、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースにマッピングするための情報を生成し、セカンドサーチスペースの位置を示す情報と共にデータマッピング部128に供給する。ここで、セカンドサーチスペースにマッピングするための情報は、MTC−GP_RNTIが付与されているMTCグループ内の各MTC端末20に対するリソース情報である。また、各MTC端末20に対するリソース情報には、当該情報を各MTC端末20のC−RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットが付加されている。
【0078】
データマッピング部128(データ信号生成部)は、上位レイヤから供給される各MTC端末20に対するユーザデータを、スケジューラ116によって割り当てられた各MTC端末20がPDSCHのうちで受信すべきリソースブロックにマッピングする。さらに、データマッピング部128は、制御信号生成部120から供給された各MTC端末20に対するリソース情報をセカンドサーチスペースにマッピングする。以下、図10を参照し、CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースなどの配置関係をより具体的に説明する。
【0079】
図10は、CCE、セカンドサーチスペース、および割り当てリソースの配置関係を示した説明図である。図10に示した例では、CCE#1には、CCE#1に付加されたチェックビットに対応するMTC−GP_RNTIを有するMTCグループのためのセカンドサーチスペース#1の場所を示す情報が記載されている。
【0080】
そして、セカンドサーチスペース#1に含まれる複数のリソース情報のうち、例えばリソース情報#1は、リソース情報#1に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#1を示す。また、リソース情報#2は、リソース情報#2に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#2を示す。
【0081】
同様に、図10に示したCCE#2には、CCE#2に付加されたチェックビットに対応するMTC−GP_RNTIを有するMTCグループのためのセカンドサーチスペース#2の場所を示す情報が記載されている。また、セカンドサーチスペース#2に含まれる複数のリソース情報のうち、例えばリソース情報#3は、リソース情報#3に付加されたチェックビットに対応するC−RNTIを有するMTC端末20のためのリソースブロック#3を示す。
【0082】
なお、CCEとセカンドサーチスペースは、CCE#1とセカンドサーチスペース#1のように同一サブフレームに配置されてもよいし、CCE#2とセカンドサーチスペース#2のように異なるサブフレームに配置されてもよい。このようなCCEとセカンドサーチスペースの関係は、事前のシグナリングにより固定的に設定することも可能であるし、CCEにおいて指定することも可能である。
【0083】
また、セカンドサーチスペースに含まれる各リソース情報の示すリソースブロックは、セカンドサーチスペースと同一のサブフレームだと処理が間に合わないので、リソースブロック#1やリソースブロック#2のように、セカンドサーチスペースの次サブフレーム以降に配置される。このようなセカンドサーチスペースと各MTC端末20への割当てリソースブロックの関係は、事前のシグナリングにより固定的に設定することも可能であるし、セカンドサーチスペースにおいて指定することも可能である。
【0084】
(第1の実施形態によるMTC端末)
以上、本発明の第1の実施形態による基地局10の構成を説明した。続いて、本発明の第1の実施形態によるMTC端末20の構成を説明する。
【0085】
図11は、第1の実施形態によるMTC端末20の構成を示した説明図である。図11に示したように、第1の実施形態によるMTC端末20は、アンテナ204と、無線処理部208と、記憶部212と、ブラインドデコーディング部220と、CRC回路224と、を備える。
【0086】
アンテナ204は、無線処理部208から供給されるPUSCH(データ信号)などの送信信号を無線信号として送信する送信部、および、基地局10から送信されたPDCCHやPDSCHなどの無線信号を電気的な受信信号に変換して無線処理部208に供給する受信部として機能する。なお、図11においてはMTC端末20が1のアンテナを有する例を示しているが、MTC端末20は複数のアンテナを備えてもよい。この場合、MTC端末20は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信、およびダイバーシティ通信などを実現可能である。
【0087】
無線処理部208は、上位レイヤから供給されるユーザデータの変調、DA変換、フィルタリング、増幅およびアップコンバージョンなどの送信用の無線処理を行う。また、無線処理部208は、アンテナ104から供給される受信信号のダウンコンバージョン、フィルタリング、DA変換、復調などの受信用の無線処理を行う。
【0088】
記憶部212は、例えば基地局10から付与されたMTC−GP_RNTI、およびC−RNTIなどを記憶する。また、図11においては記載を省略しているが、記憶部212は、SI−RNTI、P−RNTI、およびRA−RNTIなどその他のRNTIも記憶する。
【0089】
ブラインドデコーディング部220(取得部)は、無線処理部208からPDCCHが供給されると、MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTIにより識別されるCCEをブラインドデコーディングにより抽出する。より具体的には、ブラインドデコーディング部220は、CRC回路224と協働して、MTC端末20に付与されたMTC−GP_RNTIで各CCEをデマスキングしながらCRCチェックを行う。そして、ブラインドデコーディング部220は、結果が正常であったCCEを抽出し、CCEに記載されている情報に基づいてセカンドサーチスペースを特定する。例えば、ブラインドデコーディング部220は、PDCCHから図10に示したCCE#1を抽出し、CCE#1に記載されている情報に基づいてセカンドサーチスペース#1を特定する。
【0090】
さらに、ブラインドデコーディング部220は、無線処理部208からPDSCHが供給されると、CCEから特定したセカンドサーチスペースをC−RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末宛てのリソース情報を取得する。より具体的には、ブラインドデコーディング部220は、CRC回路224と協働して、C−RNTIでセカンドサーチスペース内の各リソース情報をデマスキングしながらCRCチェックを行う。そして、ブラインドデコーディング部220は、結果が正常であったリソース情報を自端末宛てのリソース情報として取得する。その後、当該リソース情報の示すリソースブロックにおいて無線処理部208が送信処理または受信処理を行う。例えば、ブラインドデコーディング部220は、図10に示したセカンドサーチスペース#1内のリソース情報#1を自端末宛てのリソース情報として取得する。その後、リソース情報#1の示すリソースブロック#1において無線処理部208が受信処理を行う。
【0091】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報(assign、grant)をPDSCH内のセカンドサーチスペースにマッピングすることにより、多数のMTC端末20に対するリソース情報を収容することが可能となる。さらに、PDCCH内のCCEの数を抑制できるので、MTC端末20がブラインドデコーディングを行うサーチスペースを減らすことができる。その結果、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を軽減することが可能である。なお、上記では各MTC端末20に対するリソース情報をセカンドサーチスペースにマッピングする例を説明したが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、セカンドサーチスペースには、送信電力や送信レートなどの各MTC端末20に対する通信制御情報や、各MTC端末20に対するその他の多様な情報をマッピングしてもよい。
【0092】
(第1の実施形態の動作)
以上、本発明の第1の実施形態によるMTC端末20の構成を説明した。続いて、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の動作を説明する。
【0093】
図12は、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の動作を示したシーケンス図である。基地局10は、まず、あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースを決定する(S310)。そして、基地局10の制御信号生成部120は、決定したセカンドサーチペースを示す情報を、上記MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でPDCCH内のCCEに記載する(S320)。具体的には、制御信号生成部120は、セカンドサーチスペースを示す情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットをCCEに付加する。
【0094】
さらに、基地局10のデータマッピング部128は、PDSCHのセカンドサーチスペース内に、上記MTCグループに属する各MTC端末20に対するリソース情報を、各MTC端末20に付与されたC−RNTIにより識別可能な状態でマッピングする(S330)。その後、基地局10は、PDCCHおよびPDSCHを送信する(S340)。
【0095】
そして、MTC端末20が基地局10からPDCCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDCCH内の各CCEを自端末に付与されたMTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S350)、自端末を含むMTCグループのためのセカンドサーチスペースを特定する(S360)。
【0096】
さらに、MTC端末20が基地局10からPDSCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDSCH内のセカンドサーチスペースをC−RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S370)、自端末に対するリソース情報を取得する(S380)。その後、MTC端末20は、取得したリソース情報の示すリソースブロックにおいて受信処理または送信処理を行う。
【0097】
(第1の実施形態の補足)
以上説明したように、本発明の第1の実施形態による基地局10は、セカンドサーチペースを示す情報をMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載してPDCCHを送信する。しかし、基地局10がMTC端末20に対するリソース情報を当該MTC端末20のC−RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載してPDCCHを送信する場合も考えられる。
【0098】
そこで、MTC端末20は、MTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行ってもよい。MTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う場合であっても、本発明の第1の実施形態によればサーチスペースが小さくなっているので、MTC端末20の負荷を十分抑制することが可能である。
【0099】
または、MTC端末20は、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングできないと判断される場合、C−RNTIのみを用いてブラインドデコーディングを行ってもよい。なお、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングできない場合としては、ハンドオーバーによりMTC端末20が新たな基地局10と接続された場合や、基地局10がMTC−GP_RNTIをハンドリングするケーパビリティを有さない場合などが考えられる。
【0100】
または、MTC端末20は、図13を参照して説明するように、基地局10に設定変更を要求することによりブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更してもよい。
【0101】
図13は、ブラインドデコーディングに用いるRNTIを変更する方法を示したシーケンス図である。MTC端末20は、図13に示したようにMTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行っている場合、基地局10にMTC−GP_Only_Modの設定要求を送信することができる(S410)。
【0102】
基地局10は、当該設定要求を受信すると、少なくともMTC端末20の属するMTCグループのためのセカンドサーチペースを示す情報をMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でCCEに記載するMTC−GP_Only_Modを設定する。そして、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号をMTC端末20に送信する(S420)。なお、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号を、MTCグループに属する全てのMTC端末に送信してもよい。
【0103】
MTC端末20は、MTC−GP_Only_Modの設定確認信号を受信した後、MTC−GP_RNTIのみを用いてブラインドデコーディングを行う。
【0104】
その後、MTC端末20がMTC−GP_Only_Modの解除要求を基地局10に送信すると(S430)、基地局10は、MTC−GP_Only_Modの設定を解除し、MTC−GP_Only_Modの解除確認信号をMTC端末20に送信する(S440)。MTC端末20は、MTC−GP_Only_Modの解除確認信号を受信した後は、再びMTC−GP_RNTIおよびC−RNTIの各々を用いてPDCCHのブラインドデコーディングを行う。
【0105】
[2−2.第2の実施形態]
以上、本発明の第1の実施形態を説明した。続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態〜第7の実施形態は、第1の実施形態と共通する部分が多いので、第1の実施形態と共通する部分については詳細な説明を省略する。また、図9に示した基地局10の構成図、および図11に示したMTC端末20の構成図を援用して第2の実施形態〜第7の実施形態を説明する。
【0106】
図14は、あるMTCグループのためのセカンドサーチスペースの配置例を示した説明図である。図14に示したように、基地局10は、複数のサブフレームにわたり、1のCCE#1の示す同一の場所にセカンドサーチスペース#1〜#3を配置してもよい。
【0107】
この場合、MTC端末20は、何サブフレームにわたり同一の場所にセカンドサーチスペースが配置されるかを把握する必要がある。このために、基地局10は、CCEにおいてサブフレーム数を通知してもよいし、MTC端末20に事前にサブフレーム数を通知してもよい。
【0108】
この第2の実施形態によれば、PDCCH内のCCEの数をさらに減少させることができるので、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を一層軽減することが可能である。
【0109】
[2−3.第3の実施形態]
図7を参照して説明したように、MTC端末20は、通常、PDCCH内のCCEを周波数方向にサーチした後、次のOfdmシンボルを再度周波数方向にサーチしていく。このため、LTEにおいては、最低で5MHz幅、最大で20MHz幅の周波数方向のサーチが必要となる。
【0110】
しかし、MTC端末20には超低消費電力が求められる場合があること、およびデジタル回路の動作率の観点から、周波数方向のサーチ幅を5MHz以下の例えば1MHz以下にすることが効果的である。
【0111】
そこで、第3の実施形態による基地局10は、同一のMTCグループのためのCCEを所定のサブキャリアに配置する。以下、図15を参照して具体的に説明する。
【0112】
図15は、各MTCグループのためのCCEの配置例を示した説明図である。図15に示したように、第3の実施形態による基地局10は、例えば、MTCグループ1に属するMTC端末20のためのCCEはサブキャリアxに配置し、MTCグループ2に属するMTC端末20のためのCCEはサブキャリアyに配置する。なお、基地局10は、いずれのサブキャリアに各MTCグループのためのCCEを配置するかを示す情報を事前にMTC端末20に通知しておいてもよい。
【0113】
かかる構成によれば、MTCグループ1に属するMTC端末20は、サブキャリアxのみを時間方向にブライドデコーディングすればよいし、MTCグループ2に属するMTC端末20は、サブキャリアyのみを時間方向にブライドデコーディングすればよい。したがって、第3の実施形態によれば、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を大幅に軽減することが可能である。
【0114】
[2−4.第4の実施形態]
上記実施形態では、MTC端末20が1つのMTCグループに属し、1つMTC−GP_RNTIが付与される例を説明した。一方、MTC端末20をアップリンクとダウンリンクで分けてグループ化することも考えられる。第4の実施形態はこの点に着目するものであり、第4の実施形態によるMTC端末20は、複数のMTCグループに属し、複数のMTC−GP_RNTIが付与される。以下、16を参照して具体例を説明する。
【0115】
図16は、MTC端末20が属するMTCグループの具体例を示した説明図である。図16に示したように、第4の実施形態によるMTC端末20は、アップリンク用のMTCグループと、ダウンリンク用のMTCグループに属する。例えば、MTC端末20Aは、ダウンリンク用のMTCグループ1、およびアップリンク用のMTCグループ1に属し、MTC端末20Bは、ダウンリンク用のMTCグループ1、およびアップリンク用のMTCグループ3に属する。
【0116】
このため、各MTC端末20は、ダウンリンク用のグループ識別子であるMTC−DownLink_RNTI、およびアップリンク用のグループ識別子であるMTC−UpLink_RNTIが付与される。
【0117】
この場合、基地局10は、アップリンク用のセカンドサーチスペースを示す情報を含むCCEはMTC−UpLink_RNTIを利用して生成し、ダウンリンク用のセカンドサーチスペースを示す情報を含むCCEはMTC−DownLink_RNTIを利用して生成する。
【0118】
例えば、基地局10は、図17に示したCCE#4にアップリンク用のMTCグループ1のためのセカンドサーチスペースを示す情報を記載する場合、アップリンク用のMTCグループ1に付与されたMTC−UpLink_RNTIを利用してCCE#4を生成する。同様に、基地局10は、図17に示したCCE#5にダウンリンク用のMTCグループ2のためのセカンドサーチスペースを示す情報を記載する場合、ダウンリンク用のMTCグループ2に付与されたMTC−DownLink_RNTIを利用してCCE#5を生成する。
【0119】
このため、MTC端末20は、PDCCH内の各CCEをMTC−DownLink_RNTIおよびMTC−UpLink_RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末の属するMTCグループのためのCCEを抽出することが可能である。
【0120】
[2−5.第5の実施形態]
以上説明したように、第1の実施形態〜第4の実施形態は、セカンドサーチスペースを用いることによりPDCCH内のサーチスペースを小さくする。これに対し、以下に説明する第5実施形態〜第7の実施形態は、MTCグループを構成する複数のMTC端末20で共有されるリソース情報をCCEに記載することによりPDCCH内のサーチスペースを小さくする。以下、第5実施形態〜第7の実施形態について順次に説明する。
【0121】
(ダウンリンクのリソース情報の共有)
MTC端末20のアプリケーションには、自動販売機における販売実績の報告、ガス水道などの使用量の報告など、蓄積情報を報告するアプリケーションが多いと考えられる。この場合、基地局10は、複数のMTC端末20に対して蓄積情報の報告を指示する共通のコマンドを用いることが可能である。
【0122】
そこで、基地局10は、MTCグループ内の複数のMTC端末20が受信処理を行うべきリソースブロックを示すリソース情報をCCEに記載する。さらに、基地局10は、MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIに基づくチェックビットをCCEに付加することにより、CCEをMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態で送信する。
【0123】
そして、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、MTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングを行い、MTC−GP_RNTIにより識別されるCCEを抽出する。さらに、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、抽出したCCEに記載されたリソース情報の示すリソースブロックにおいて同時に受信処理を行う。
【0124】
かかる構成により、各MTC端末20に対するリソース情報を個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。
【0125】
(アップリンクのリソース情報の共有)
アップリンクにおいては、複数のMTC端末20が同一のリソースブロックで送信処理を行うと、アップリンクデータが基地局10において衝突してしまう。そこで、基地局10は、MTCグループのアップリンクための基準リソースブロックを示すリソース情報をCCEに記載する。さらに、基地局10は、MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIに基づくチェックビットをCCEに付加することにより、CCEをMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態で送信する。
【0126】
そして、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、MTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングを行い、MTC−GP_RNTIにより識別されるCCEを抽出する。さらに、MTCグループ内の複数のMTC端末20は、抽出したCCEに記載されたリソース情報の示す基準リソースブロックを特定し、基準リソースブロックと事前に設定された位置関係にあるリソースブロックにおいて送信処理を行う。以下、この点について図18を参照してより具体的に説明する。
【0127】
図18は、基準リソースブロックと、各MTC端末20によるアップリンク用のリソースブロックの関係を示した説明図である。図18に示したように、例えばCCE#6には、MTCグループ1のアップリンクの基準リソースブロックとしてリソースブロック#1を示すリソース情報を記載される。
【0128】
ここで、MTCグループ1がMTC端末20A〜20Dからなり、各MTC端末20がアップリンクに用いるリソースブロックの基準リソースブロックからの相対位置が設定されているとする。この場合、MTC端末20A〜20Dは、基準リソースブロックであるリソースブロック#1を特定し、基準リソースブロックから設定されている相対位置にあるリソースブロックを用いて送信処理を行う。
【0129】
例えば、基準リソースブロックを起点として、MTC端末20A、20B、20C、20D、という順序で時間方向に隣接するリソースブロックを用いるよう設定されている場合を考える。この場合、図18に示したように、MTC端末20Aが基準リソースブロックであるリソースブロック#1を用い、MTC端末20Bがリソースブロック#1と時間方向に隣接するリソースブロック#2を用いる。同様に、MTC端末20Cがリソースブロック#2と時間方向に隣接するリソースブロック#3を用い、MTC端末20Dがリソースブロック#3と時間方向に隣接するリソースブロック#4を用いる。
【0130】
変形例として、基準リソースブロックを起点として、MTC端末20A、20B、20C、20D、という順序で周波数方向に隣接するリソースブロックを用いるよう設定することもできる。この場合、図19に示したように、MTC端末20Aが基準リソースブロックであるリソースブロック#1を用い、MTC端末20Bがリソースブロック#1と周波数方向に隣接するリソースブロック#5を用いる。同様に、MTC端末20Cがリソースブロック#5と周波数方向に隣接するリソースブロック#6を用い、MTC端末20Dがリソースブロック#6と周波数方向に隣接するリソースブロック#7を用いる。
【0131】
なお、各MTC端末20が送信処理を行うべきリソースブロックと基準リソースブロックとの位置関係は、基地局10が各MTC端末20に事前にシグナリングしておいてもよい。また、上記ではMTC−GP_RNTIにより第5の実施形態を実現する例を説明したが、MTC−GP_RNTIをC−RNTIに置き換えて第5の実施形態を実現することも可能である。例えば、基地局10は、MTC−GP_RNTIをハンドリング出来ない場合、複数のMTC端末20に同一のC−RNTIを割当て、C−RNTIを上記のMTC−GP_RNTIと同様の方法で利用してもよい。
【0132】
(第5の実施形態の動作)
以上、第5の実施形態によるリソース情報の共有について説明した。続いて、図20を参照し、第5の実施形態による無線通信システム1の動作を説明する。
【0133】
図20は、第5の実施形態による無線通信システム1の動作を示した説明図である。図20に示したように、基地局10は、MTC端末20が送信処理を行うべきリソースブロックと基準リソースブロックとの位置関係を示す相対位置情報を事前にMTC端末20に送信する(S510)。
【0134】
その後、基地局10の制御信号生成部120は、MTCグループに属する各MTC端末20のためのリソース情報を、上記MTCグループに付与されたMTC−GP_RNTIにより識別可能な状態でPDCCH内のCCEに記載する(S520)。具体的には、制御信号生成部120は、各MTC端末20に対するリソース情報をMTC−GP_RNTIでマスキングしながらCRC回路124により得られるチェックビットをCCEに付加する。続いて、基地局10は、各MTC端末20に対するリソース情報が記載されたCCEを含むPDCCHを送信する(S530)。
【0135】
そして、MTC端末20が基地局10からPDCCHを受信すると、MTC端末20のブラインドデコーディング部220は、PDCCH内の各CCEを自端末に付与されたMTC−GP_RNTIを用いてブラインドデコーディングし(S540)、自端末を含むMTCグループのためのリソース情報を取得する(S550)。
【0136】
ここで、取得したリソース情報がダウンリンク用のリソースブロックを示す場合(S560)、MTC端末20は、リソース情報の示すリソースブロックにおいて受信処理を行う(S570)。
【0137】
一方、取得したリソース情報がアップリンク用の基準リソースブロックを示す場合(S560)、MTC端末20は、リソース情報の示す基準リソースブロックと、相対位置情報の示す位置関係にあるリソースブロックにおいて送信処理を行う(S580)。
【0138】
以上説明したように、第5の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報も個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。その結果、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を軽減することができる。
【0139】
[2−6.第6の実施形態]
第6の実施形態は、第5の実施形態に図15を参照して説明した第3の実施形態を適用することにより実現される。具体的には、第6の実施形態による基地局10は、同一のMTCグループのためのリソース情報を含むCCEを所定のサブキャリアに配置する。かかる構成によれば、MTC端末20は、所定のサブキャリアのみを時間方向にブライドデコーディングすればよいので、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を大幅に軽減することが可能である。
【0140】
[2−7.第7の実施形態]
第7の実施形態は、第5の実施形態に図16を参照して説明した第4の実施形態を適用することにより実現される。具体的には、第7の実施形態によるMTC端末20は、アップリンク用のMTCグループと、ダウンリンク用のMTCグループに属する。このため、MTC端末20は、ダウンリンク用のグループ識別子であるMTC−DownLink_RNTI、およびアップリンク用のグループ識別子であるMTC−UpLink_RNTIが付与される。
【0141】
この場合、基地局10は、MTCグループのアップリンクのためのリソース情報を含むCCEはMTC−UpLink_RNTIを利用して生成し、ダウンリンクのためのリソース情報を含むCCEはMTC−DownLink_RNTIを利用して生成する。
【0142】
このため、MTC端末20は、PDCCH内の各CCEをMTC−DownLink_RNTIおよびMTC−UpLink_RNTIを用いてブラインドデコーディングすることにより、自端末の属するMTCグループのためのCCEを抽出することが可能である。
【0143】
<3.むすび>
以上説明したように、本発明の第1実施形態〜第4の実施形態によれば、各MTC端末20に対するリソース情報(assign、grant)をPDSCH内のセカンドサーチスペースにマッピングすることにより、多数のMTC端末20に対するリソース情報を収容することが可能となる。さらに、PDCCH内のCCEの数を抑制できるので、MTC端末20がブラインドデコーディングを行うサーチスペースを減らすことができる。その結果、MTC端末20におけるブラインドデコーディングに関する負荷を軽減することが可能である。
【0144】
また、本発明の第5実施形態〜第7実施形態によれば、PDCCH内のCCEに記載されたリソース情報をMTCグループ内の複数のMTC端末20が共有することができる。このため、各MTC端末20に対するリソース情報を個別のCCEに記載する必要が無くなるので、PDCCH内のサーチスペースを小さくすることが可能である。その結果、MTC端末20におけるブライドデコーディングに関する負荷を軽減することができる。
【0145】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0146】
例えば、本明細書の基地局10およびMTC端末20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10およびMTC端末20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0147】
また、基地局10およびMTC端末20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10およびMTC端末20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0148】
10 基地局
12 MME
14 S−GW
16 PDN−GW
20 MTC端末
30 MTCサーバ
104、204 アンテナ
108、208 無線処理部
112、212 記憶部
116 スケジューラ
120 制御信号生成部
124、224 CRC回路
128 データマッピング部
220 ブラインドデコーディング部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と;
複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と;
を備える、基地局。
【請求項2】
前記データ信号生成部は、前記参照先情報の示す参照先領域に、前記複数の無線端末の各々の端末識別子により識別される前記複数の無線端末の各々に対する情報を配置する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記複数の無線端末の各々に対する情報は、アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報を含む、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報は、前記複数の無線端末の各々に対する情報が配置されたフレームの次以降のフレーム内のリソースを示す、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記データ信号生成部は、複数フレームにわたり、1のフレームの制御領域に配置された参照先情報の示す前記データ領域内の同一の参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置する、請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記複数の無線端末には、アップリンク用のグループ識別子、およびダウンリンク用のグループ識別子が付与されており、
前記データ信号生成部は、アップリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域には前記複数の無線端末の各々に対するアップリンク用のリソース情報を配置し、
ダウンリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域においては前記複数の無線端末の各々に対するダウンリンク用のリソース情報を配置する、請求項4に記載の基地局。
【請求項7】
前記制御信号生成部は、同一のグループ識別子により識別される参照先情報を、前記制御領域中の所定の周波数領域に配置する、請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御信号生成部は、前記参照先情報を前記グループ識別子でマスキングしながら得られたチェックビットを前記参照先情報に付加する、請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
制御領域およびデータ領域から構成されるフレーム中の前記制御領域において送信される制御信号であって、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含む制御信号を生成するステップと;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するステップと;
前記制御信号および前記データ信号を送信するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項10】
コンピュータを、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と;
複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項11】
複数の無線端末と;
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部、
前記複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部、および、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部、
を有する基地局と;
を備える、無線通信システム。
【請求項12】
無線端末であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と;
を備える、無線端末。
【請求項13】
前記取得部は、前記基地局により前記グループ識別子が使用されないと判断される場合、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する、請求項12に記載の無線端末。
【請求項14】
無線端末による無線通信方法であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信するステップと;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得するステップと;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項15】
コンピュータを、
無線端末であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と;
を備える無線端末として機能させるための、プログラム。
【請求項1】
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と;
複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と;
を備える、基地局。
【請求項2】
前記データ信号生成部は、前記参照先情報の示す参照先領域に、前記複数の無線端末の各々の端末識別子により識別される前記複数の無線端末の各々に対する情報を配置する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記複数の無線端末の各々に対する情報は、アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報を含む、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記アップリンク用のリソース情報、またはダウンリンク用のリソース情報は、前記複数の無線端末の各々に対する情報が配置されたフレームの次以降のフレーム内のリソースを示す、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記データ信号生成部は、複数フレームにわたり、1のフレームの制御領域に配置された参照先情報の示す前記データ領域内の同一の参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置する、請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記複数の無線端末には、アップリンク用のグループ識別子、およびダウンリンク用のグループ識別子が付与されており、
前記データ信号生成部は、アップリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域には前記複数の無線端末の各々に対するアップリンク用のリソース情報を配置し、
ダウンリンク用のグループ識別子により識別される参照先情報の示す参照先領域においては前記複数の無線端末の各々に対するダウンリンク用のリソース情報を配置する、請求項4に記載の基地局。
【請求項7】
前記制御信号生成部は、同一のグループ識別子により識別される参照先情報を、前記制御領域中の所定の周波数領域に配置する、請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御信号生成部は、前記参照先情報を前記グループ識別子でマスキングしながら得られたチェックビットを前記参照先情報に付加する、請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
制御領域およびデータ領域から構成されるフレーム中の前記制御領域において送信される制御信号であって、複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含む制御信号を生成するステップと;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するステップと;
前記制御信号および前記データ信号を送信するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項10】
コンピュータを、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部と;
複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部と;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項11】
複数の無線端末と;
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて無線信号を送信する送信部、
前記複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を含み、前記制御領域において送信される制御信号を生成する制御信号生成部、および、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域に前記複数の無線端末に対する情報を配置してデータ信号を生成するデータ信号生成部、
を有する基地局と;
を備える、無線通信システム。
【請求項12】
無線端末であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と;
を備える、無線端末。
【請求項13】
前記取得部は、前記基地局により前記グループ識別子が使用されないと判断される場合、前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する、請求項12に記載の無線端末。
【請求項14】
無線端末による無線通信方法であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信するステップと;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得するステップと;
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項15】
コンピュータを、
無線端末であって、
制御領域およびデータ領域から構成されるフレームにおいて基地局から送信される無線信号を受信する受信部と;
前記制御領域において受信される制御信号から、前記無線端末を含む複数の無線端末に付与されたグループ識別子により識別される参照先情報を取得し、
前記データ領域内で前記参照先情報の示す参照先領域において受信されるデータ信号から、前記無線端末に付与された端末識別子により識別されるデータ部分を取得する取得部と;
を備える無線端末として機能させるための、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−80415(P2012−80415A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225080(P2010−225080)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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