説明

基地局及び通信制御方法

【課題】負荷を低減させること。
【解決手段】基地局は、当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定部と、輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定部と、輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定部と、接続要求信号送信可能時間と、再送タイミングパラメータとを送信する送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)は、移動体通信システムの標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて、仕様が作成されている。LTEでは、下りリンクにおいて100Mbps以上、上りリンクにおいて50Mbps以上の高速通信が実現され、遅延の改善や周波数の利用効率の向上などが図られる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 36.321 V10.0.0 (5.1 Random access procedure) 2010-12
【非特許文献2】3GPP TS 36.331 V10.0.0 (5.3.3 RRC connection establishment) 2010-12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザ端末からのアクセスが集中することにより、基地局では負荷が増大し、輻輳が生じる場合がある。具体的には、お正月等のイベントによりアクセスが集中する場合、災害が発生したことによりアクセスが集中する場合、事故が発生したことによりアクセスが集中する場合、基地局を立ち上げる際にアクセスが集中する場合に装置輻輳が想定される。輻輳の程度によっては、基地局が正常に動作しなくなる場合がある。最悪の場合、基地局内でパケットが消失したり、基地局自体が動作停止状態となったりすることが懸念される。
【0005】
開示の基地局は、負荷を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一実施例の基地局は、
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定部と、
該輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定部と、
前記輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定部と、
前記接続要求信号送信可能時間設定部により設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定部により設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信部と
を有する。
【0007】
開示の一実施例の通信制御方法は、
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局における通信制御方法であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定ステップと、
該輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定ステップと、
前記輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定ステップと、
前記接続要求信号送信可能時間設定ステップにより設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定ステップにより設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信ステップと
を有する。
【発明の効果】
【0008】
開示の実施例によれば、基地局の処理負荷を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図2】基地局の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図3】接続要求信号送信可能時間・再送タイミングパラメータ設定テーブルの一実施例を示す図である。
【図4】接続要求信号送信可能時間・再送タイミングパラメータ設定テーブルの一実施例を示す図である。
【図5】無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】基地局の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0011】
<第1の実施例>
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0012】
本無線通信システムには、基地局(eNB: eNode B)200と、ユーザ端末(UE: User Equipment)100(nは、n>0の整数)とが含まれる。図1には、n=5の例について示される。
【0013】
基地局200の上位にはMME(Mobility Management Entity)/S-GW(Serving-Gateway)(図示なし)が設置される。MME/S-GWは、コアネットワークに含まれ、NAS(Non-Access Stratum)を終端し、アイドル状態であるユーザ端末の管理、SAE(System Architecture Evolution)ベアラリソースの管理を行う。MME/S-GWは、コアノードと呼ばれてもよい。
【0014】
基地局200は、所定の場合に、当該基地局200にアクセスするユーザ端末100に対して、アクセスさせる回数を減少させる。また、基地局200は、所定の場合に、複数のユーザ端末100からのアクセスを時間的に分散させる。所定の場合には、当該基地局200の負荷が大きくなっている場合が含まれる。具体的には、当該基地局200が輻輳する場合が含まれる。
【0015】
基地局200は、当該基地局200にアクセスするユーザ端末100に対してアクセスできる回数を減少させたり、複数のユーザ端末100からのアクセスを時間的に分散させたりするように制御する際に、以下の処理を行う。
【0016】
基地局200は、当該基地局200に、ユーザ端末100が「RRC CONNECTION REQUEST」(接続要求信号)を再送できる時間区間(以下、「接続要求信号送信可能時間」という)を短縮する。ユーザ端末100は、接続要求信号送信可能時間が満了するまでの間は、接続要求信号を送信し続けることができる。具体的には、基地局200は、RRC(Radio Resource Control)により規定されるタイマー「T300」により指定される時間を短縮する。
【0017】
接続要求信号送信可能時間を短縮することにより、ユーザ端末100が接続要求信号を再送できる回数を減少させることができる。ユーザ端末100が接続要求信号を再送できる回数を減少させることにより、当該基地局200にアクセスするユーザ端末100に対してアクセスできる回数を減少させることができる。
【0018】
ユーザ端末100は、基地局200に、接続要求信号を送信する際、該接続要求信号の送信に先だって、ランダムアクセスプリアンブル(RA(Random Access) preamble)を送信する。基地局200は、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答信号であるランダムアクセスレスポンスに、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき値(以下、「再送タイミングパラメータ」という)を含める場合に、該再送タイミングパラメータを大きい値とする。再送タイミングパラメータは、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングの候補とすべき時間範囲を表す値であってもよい。つまり、基地局200は、ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルに対する応答信号であるランダムアクセスレスポンス(RA RESPONSE)に、バックオフパラメータ(BACKOFF parameter)として、既定値よりも大きい値を指定する。
【0019】
ユーザ端末100により送信されるべきランダムアクセスプリアンブルには、ランダムアクセスプリアンブルIDが含まれる。基地局200は、該ユーザ端末100と接続処理を継続する場合には、該ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルIDを含むランダムアクセスレスポンスを送信する。ユーザ端末100は、基地局200からのランダムアクセスレスポンスに、該ユーザ端末100により送信されたランダムアクセスプリアンブルIDが含まれる場合には、基地局200に、接続要求信号を送信する。ユーザ端末100は、基地局200からのランダムアクセスレスポンスに、ランダムアクセスプリアンブルIDが含まれない場合には、ランダムアクセスプリアンブルを再送する。ランダムアクセスプリアンブルを再送する際に、ユーザ端末100は、ランダムアクセスレスポンスに再送タイミングパラメータが含まれる場合は、該再送タイミングパラメータに基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する。ユーザ端末100は、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングに従って、ランダムアクセスプリアンブルを再送する。
【0020】
ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に、ユーザ端末100は、再送タイミングパラメータにより指定されるべき値の範囲で一様乱数を発生させ、該一様乱数に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングをバックオフさせるようにしてもよい。
【0021】
再送タイミングパラメータを大きい値とすることにより、複数のユーザ端末100からランダムアクセスプリアンブルを受信した場合であっても、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させることができる。ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させることにより、基地局200の負荷を低減できるため、輻輳を低減できる。
【0022】
<基地局の機能>
図2は、基地局200の一実施例を示す。
【0023】
基地局200は、輻輳状態判定部202を有する。輻輳状態判定部202は、当該基地局200の輻輳状態を判定するための情報(以下、「輻輳状態判定情報」という)に基づいて、当該基地局200が輻輳状態であるかどうかを判定する。具体的には、輻輳状態判定部202には、輻輳状態判定情報として、当該基地局200に実装されているCPUの使用率を表す情報(以下、「CPU使用率」という)が入力される。輻輳状態判定部202は、該CPU使用率に基づいて、当該基地局200が輻輳状態であるかどうかを判定するようにしてもよい。複数のCPUが実装されている場合には、平均値が使用されてもよいし、該複数のCPUのCPU使用率のうち、CPU使用率の最大値、若しくは最小値が使用されてもよい。また、所定の統計処理を行うことにより、CPU使用率が算出されてもよい。
【0024】
また、CPU使用率に基づいて、輻輳の程度(レベル)を判定するようにしてもよい。輻輳状態判定部202は、当該基地局200が輻輳状態であると判定した場合、パラメータ選択部204に、輻輳状態であることを通知する。輻輳状態であることとともに、輻輳のレベルが通知されてもよい。輻輳のレベルが通知されることにより、輻輳状態であることが通知されることとしてもよい。輻輳のレベルとしてCPU使用率が通知されてもよい。
【0025】
基地局200は、パラメータ選択部204を有する。該パラメータ選択部204は、輻輳判定部202と接続される。パラメータ選択部204は、輻輳状態判定部202により、当該基地局200が輻輳状態であることが通知された場合、接続要求信号送信可能時間を短縮し、再送タイミングパラメータを大きな値に設定する。
【0026】
<パラメータ選択方法(その1)>
パラメータ選択部204は、接続要求信号送信可能時間を取り得る値の最小値に設定してもよい。
【0027】
図3は、パラメータ選択部204により選択されるべき接続要求信号送信可能時間と、再送タイミングパラメータの設定例を示す接続要求信号送信可能時間・再送タイミングパラメータ設定テーブルの一実施例を示す。
【0028】
接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の候補として、100、400、1000 [msec]が規定され、再送タイミングパラメータとして選択されるべき値の候補として、0、10、20、30、40、60、80、120、160、240、320、480、960 [msec] が規定される場合について説明する。これらの候補は一例であり、接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の候補、再送タイミングパラメータとして選択されるべき値の候補として他の値が規定されてもよい。
【0029】
輻輳状態でない通常状態では、接続要求信号送信可能時間として1000 [msec]、再送タイミングパラメータとして0 [msec]が選択される。通常状態では、基地局200は、ユーザ端末100からのアクセスが遅延無く、確実に行われる方が好ましい。従って、接続要求信号を送信し続ける時間を長くし、ランダムアクセスレスポンスを受信してからランダムアクセスプリアンブルを送信するまでの時間を短くする。この設定例は一例であり、通常状態において、接続要求信号送信可能時間、再送タイミングパラメータとして、他の値が設定されてもよい。
【0030】
輻輳状態はCPU使用率が所定の閾値以上である場合を表す。具体的には、CPU使用率が50%以上である状態を輻輳状態としてもよい。該「50%」は一例であり適宜設定可能である。
【0031】
輻輳状態では、パラメータ選択部204は、接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の最小値である100[msec]を選択する。輻輳状態では、基地局200は、ユーザ端末100からのアクセス回数を減少させる方が好ましい。従って、接続要求信号を送信し続ける時間を短縮する。この設定例は一例であり、輻輳状態において、接続要求信号送信可能時間として、他の値を設定してもよい。
【0032】
また、輻輳状態では、パラメータ選択部204は、再送タイミングパラメータとして、選択されるべき値の最大値である960[msec]を選択する。輻輳状態では、基地局200は、ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させる方が好ましい。従って、再送タイミングパラメータとして、最大値を設定する。再送タイミングパラメータとして、最大値を設定することにより、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させることができるためである。この設定例は一例であり、輻輳状態において、再送タイミングパラメータとして、他の値を設定してもよい。
【0033】
<パラメータ選択方法(その2)>
パラメータ選択部204は、輻輳判定部202により通知されるべき輻輳のレベルに応じて、接続要求信号送信可能時間と、再送タイミングパラメータとを設定する。具体的には、CPU使用率に応じて、接続要求信号送信可能時間と、再送タイミングパラメータとが設定されてもよい。この場合、CPU使用率と輻輳レベルとが対応付けられてもよい。具体的には、CPU使用率が50%未満である状態は通常状態と対応付けられ、CPU使用率が50%以上80%未満である状態は輻輳レベル1と対応付けられ、CPU使用率が80%以上である状態は輻輳レベル2と対応付けられる。輻輳レベル1よりも、輻輳レベル2の方が輻輳の程度が高い。該「50%」、「80%」は一例であり適宜設定可能である。さらに、輻輳レベルの数は3以上としてもよい。輻輳レベルを3以上とすることにより、さらに柔軟に接続要求信号送信可能時間、再送タイミングパラメータを設定できる。
【0034】
図4は、パラメータ選択部204により選択されるべき接続要求信号送信可能時間と、再送タイミングパラメータの設定例を示す接続要求信号送信可能時間・再送タイミングパラメータ設定テーブルの一実施例を示す。
【0035】
接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の候補として、100、400、1000 [msec]が規定され、再送タイミングパラメータとして選択されるべき値の候補として、0、10、20、30、40、60、80、120、160、240、320、480、960 [msec] が規定される場合について説明する。これらの候補は一例であり、接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の候補、再送タイミングパラメータとして選択されるべき値の候補として他の値が規定されてもよい。
【0036】
通常状態では、図3と同様に、接続要求信号送信可能時間として1000msec、再送タイミングパラメータとして0msecが選択される。
【0037】
輻輳レベル1では、パラメータ選択部204は、接続要求信号送信可能時間として、選択されるべき値の最大値未満の値である400[msec]を選択する。輻輳レベル1では、接続要求信号送信可能時間を最小値とするまでもなく、多少短縮することにより輻輳が改善すると想定されるためである。この設定例は一例であり、輻輳レベル1において、接続要求信号送信可能時間として、他の値を設定してもよい。
【0038】
また、輻輳レベル1では、パラメータ選択部204は、再送タイミングパラメータとして、選択されるべき値の最小値より大きい値である160[msec]を選択する。輻輳レベル1では、再送タイミングパラメータを最大値とするまでもなく、多少大きな値とすることにより輻輳が改善すると想定されるためである。この設定例は一例であり、輻輳レベル1において、再送タイミングパラメータとして、他の値を設定してもよい。
【0039】
輻輳レベル2では、パラメータ選択部204は、接続要求信号送信可能時間として、輻輳レベル1で選択されるべき値未満の値である100[msec]を選択する。接続要求信号送信可能時間として選択されるべき値の最小値が選択されてもよい。輻輳レベル2では、基地局200は、ユーザ端末100からのアクセス回数を極端に減少させる方が好ましいためである。従って、接続要求信号を送信し続ける時間を極端に短縮する。この設定例は一例であり、輻輳レベル2において、接続要求信号送信可能時間として、他の値を設定してもよい。
【0040】
また、輻輳レベル2では、パラメータ選択部204は、再送タイミングパラメータとして、輻輳レベル1で選択されるべき値より大きい値である960[msec]を選択する。輻輳レベル2では、基地局200は、輻輳レベル1よりも、ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させる方が好ましいためである。この設定例は一例であり、輻輳レベル2において、再送タイミングパラメータとして、他の値を設定してもよい。
【0041】
パラメータ選択部204は、システムインフォメーション編集部206に、接続要求信号送信可能時間として選択した時間を表す情報をする。パラメータ選択部204は、ランダムアクセスレスポンス編集部208に、再送タイミングパラメータとして選択した時間を表す情報を入力する。
【0042】
基地局200は、システムインフォメーション編集部206を有する。システムインフォメーション編集部206は、パラメータ選択部204と接続される。システムインフォメーション編集部206は、パラメータ選択部204により入力されるべき接続要求信号送信可能時間を含むシステムインフォメーションを作成する。システムインフォメーション編集部206は、送信部210に、システムインフォメーションを入力する。
【0043】
基地局200は、ランダムアクセスレスポンス編集部208を有する。ランダムアクセスレスポンス編集部208は、パラメータ選択部204と接続される。ランダムアクセスレスポンス編集部208には、ランダムアクセスプリアンブルを送信したユーザ端末100宛てに送信されるべきランダムアクセスプリアンブルが入力される。ランダムアクセスレスポンス編集部208は、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答として、パラメータ選択部204により入力されるべき再送タイミングパラメータを含むランダムアクセスレスポンスを作成する。ランダムアクセスレスポンス編集部208は、送信部210に、ランダムアクセスレスポンスを入力する。
【0044】
基地局200は、送信部210を有する。送信部210は、システムインフォメーション編集部206と、ランダムアクセスレスポンス編集部208と接続される。送信部210は、システムインフォメーション編集部206により入力されるべきシステムインフォメーションを送信する。該システムインフォメーションは、当該基地局200のカバーするセルに報知されてもよい。また、送信部210は、ランダムアクセスレスポンス編集部208により入力されるべきランダムアクセスレスポンスを送信する。つまり、送信部210は、ランダムアクセスプリアンブルを送信したユーザ端末を宛先として、ランダムアクセスレスポンスを送信する。
【0045】
<無線通信システムの動作>
図5は、無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【0046】
基地局200は、輻輳状態を測定する(ステップS502)。つまり、基地局200は、輻輳状態判定情報を求める。該輻輳状態判定情報を求める処理は、定期的に行われてもよいし、不定期に行われてもよい。具体的には、CPU使用率を求める。
【0047】
基地局200は、輻輳状態であるかどうかを判定する(ステップS504)。つまり、輻輳判定部202は、ステップS502により求められた輻輳状態判定情報に基づいて、当該基地局200が輻輳状態であるかどうかを判定する。
【0048】
輻輳状態でないと判定された場合(ステップS504:NO)、ステップS502に戻る。つまり、接続要求信号送信可能時間、再送タイミングパラメータを変更せず、既定値のまま処理を継続する。
【0049】
輻輳状態である判定された場合(ステップS504:YES)、基地局200は、接続要求信号送信可能時間を短縮する(ステップS506)。つまり、パラメータ選択部204は、パラメータ選択方法(その1)に従って、接続要求信号送信可能時間を選択してもよいし、パラメータ選択方法(その2)に従って、接続要求信号送信可能時間を選択してもよい。パラメータ選択部204により選択された接続要求信号送信可能時間を示す情報は、システムインフォメーション編集部206により、システムインフォメーションに含められる。
【0050】
基地局200は、システムインフォメーションを報知する(ステップS508)。該システムインフォメーションには、ステップS506により選択された接続要求信号送信可能時間を表す情報が含まれる。該システムインフォメーションは、当該基地局200によりカバーされるエリアに位置するユーザ端末に報知される。
【0051】
ユーザ端末100に、データが発生する(ステップS510)。つまり、ユーザ端末100に、上りリンクにより送信すべきデータが発生する。
【0052】
ユーザ端末100は、システムインフォメーションに含まれる接続要求信号送信可能時間を設定する。該ユーザ端末100は、接続要求信号送信可能時間が経過したかどうかを判定するためのタイマーを開始する(ステップS512)。具体的には、ユーザ端末100は、上りリンクにより送信すべきデータが発生した際に該タイマーを開始するようにしてもよいし、ランダムアクセスプリアンブルを送信する際に該タイマーを開始するようにしてもよい。
【0053】
ユーザ端末100は、ランダムアクセスプリアンブルを送信する(ステップS514)。つまり、ユーザ端末100は、ランダムアクセスプリアンブルIDを含むランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0054】
基地局200は、ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルを受信する。基地局200は、再送タイミングパラメータを含むランダムアクセスレスポンスを作成する(ステップS516)。つまり、ランダムアクセスレスポンス編集部208は、当該基地局200に送信されるべきランダムアクセスプリアンブルに対する応答として、再送タイミングパラメータを含むランダムアクセスレスポンスを作成する。該ランダムアクセスレスポンスに含まれるべき再送タイミングパラメータは、パラメータ選択方法(その1)に従って選択されたものであってもよいし、パラメータ選択方法(その2)に従って選択されたものであってもよい。
【0055】
基地局200は、ランダムアクセスレスポンスを送信する(ステップS518)。つまり、送信部210は、ランダムアクセスレスポンス編集部208からのランダムアクセスレスポンスを送信する。
【0056】
ユーザ端末100は、基地局200からのランダムアクセスレスポンスにユーザ端末100が送信したランダムアクセスプリアンブルIDが含まれていない場合は、該ランダムアクセスレスポンスに含まれる再送タイミングパラメータに基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを求める(ステップS520)。つまり、ユーザ端末100は、ランダムアクセスレスポンスに含まれるべき再送タイミングパラメータにより指定されるべき値の範囲で一様乱数を発生させ、該一様乱数に基づいて、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングをバックオフさせる。
【0057】
ユーザ端末100は、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングであるかどうかを判定する(ステップS522)。つまり、ユーザ端末100は、ステップS520により求められた再送タイミングに従って、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングであるかどうかを判定する。
【0058】
ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングでないと判定された場合(ステップS522:NO)、ステップS522に戻る。ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングとなるまで継続する。
【0059】
ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングであると判定された場合(ステップS522:YES)、ユーザ端末100は、接続要求信号送信可能時間が満了したかどうかを判定する(ステップS524)。
【0060】
接続要求信号送信可能時間が満了したと判定された場合(ステップS524:YES)、ユーザ端末100は、上位レイヤに、接続が失敗したことを通知する(ステップS526)。上位レイヤには、NASが含まれる。接続要求信号送信可能時間が満了しているため、ランダムアクセスプリアンブルの再送ができないためである。この場合、所定の操作により、ステップS512に示される処理から開始されてもよい。
【0061】
接続要求信号送信可能時間が満了したと判定されない場合(ステップS524:NO)、ユーザ端末100は、基地局200に、ランダムアクセスプリアンブルを再送する(ステップS528)。接続要求信号送信可能時間が満了していないため、ランダムアクセスプリアンブルを再送できるためである。
【0062】
ステップS502−S508の処理、ステップS516−S518の処理は、基地局200の有する中央演算処理装置(図示無し)により実行される。中央演算処理装置を基地局200として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網(図示なし)を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図5の各ステップS502−S508、ステップS516−S518を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行させるようにしてもよい。
【0063】
ステップS510−S514の処理、ステップS520−S528の処理は、ユーザ端末100の有する中央演算処理装置(図示無し)により実行される。中央演算処理装置をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網(図示なし)を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図5の各ステップS510−S514、ステップS520−S528を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行させるようにしてもよい。
【0064】
本実施例によれば、ユーザ端末が接続要求信号を再送できる時間区間を短縮することにより、ユーザ端末が接続要求信号を再送できる回数を減少させることができる。ユーザ端末が接続要求信号を再送できる回数を減少させることにより、基地局にアクセスするユーザ端末に対してアクセスできる回数を減少させることができる。基地局にアクセスするユーザ端末に対してアクセスできる回数を減少させることにより、基地局の負荷を低減できるため、輻輳を低減できる。
【0065】
また、再送タイミングパラメータを大きい値とすることにより、複数のユーザ端末からランダムアクセスプリアンブルを受信した場合であっても、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させることができる。ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを時間的に分散させることにより、基地局200の負荷を低減できるため、輻輳を低減できる。
【0066】
<第2の実施例>
<無線通信システム>
無線通信システムの一実施例は、図1と略同一である。
【0067】
基地局200は、所定の場合に、当該基地局200にアクセスするユーザ端末100に対して、アクセスさせる回数を減少させる。また、基地局200は、所定の場合に、複数のユーザ端末100からのアクセスを時間的に分散させる。所定の場合には、当該基地局200の負荷が大きくなっている場合が含まれる。具体的には、当該基地局200が輻輳した場合が含まれる。
【0068】
基地局200は、当該基地局200にアクセスするユーザ端末100に対してアクセスできる回数を減少させたり、複数のユーザ端末100からのアクセスを時間的に分散させたりするように制御する際に、以下の処理を行う。
【0069】
基地局200は、輻輳状態である場合には、ユーザ端末100から接続要求信号を受信しても、該ユーザ端末100との間で接続処理を行わないようにしてもよい。該ユーザ端末100との間で接続処理を行わない場合、基地局200は、該ユーザ端末100に、「RRC CONNECTION REJECT」(接続拒否信号)を送信する。該接続拒否信号には、該ユーザ端末100が接続要求信号を再送するまでの待機時間(以下、「再送待機時間」という)を表す情報が含まれる。該待機時間が経過した後、ユーザ端末100は、接続要求信号を再送する。
【0070】
基地局200は、複数のユーザ端末100からのアクセスを時間的に分散させるように制御する際に、接続拒否信号に含まれるべき再送待機時間をランダム化した値に設定する。所定の範囲で発生させた乱数に基づいて、再送待機時間が設定されてもよい。つまり、基地局200は、接続拒否信号に含まれるべき「IE waitTime」の値をランダム化された値とする。
【0071】
略同時に複数のユーザ端末から接続要求信号を受信し、該複数のユーザ端末に対して、同一の再送待機時間を含む接続拒否信号を送信した場合を考える。同一の再送待機時間を含む接続拒否信号を送信した場合、ユーザ端末は、該再送待機時間の間「RRC connection establishment」(接続確立)を行わない。基地局200では、該再送待機時間が経過した後で、該複数のユーザ端末から再送された接続要求信号が略同時に受信される。該複数のユーザ端末から再送された接続要求信号が略同時に受信されるため、基地局200では、処理負荷が大きくなる。
【0072】
本実施例によれば、再送待機時間をランダム化することにより、複数のユーザ端末から再送されるべき接続要求信号を時間的に分散させることができる。複数のユーザ端末から再送されるべき接続要求信号を時間的に分散させることにより、基地局200における負荷を時間的に分散できる。
【0073】
<基地局の機能>
図6は、基地局200の一実施例を示す。
【0074】
基地局200は、図2を参照して説明した基地局と、接続拒否信号生成部212を有する点、パラメータ選択部204の機能が異なる。
【0075】
パラメータ選択部204は、輻輳状態判定部202により、当該基地局200が輻輳状態であることが通知された場合、再送待機時間をランダム化した値に設定する。パラメータ選択部204は、ランダム化された値により表される再送待機時間を接続拒否信号生成部212に入力する。
【0076】
基地局200は、接続拒否信号生成部212を有する。接続拒否信号生成部212は、パラメータ選択部204と、送信部210と接続される。接続拒否信号生成部212は、パラメータ選択部204により入力されるべき再送待機時間を含む接続拒否信号を生成する。該接続拒否信号は、送信部210により、接続要求信号を送信したユーザ端末に送信される。
【0077】
<無線通信システムの動作>
図7は、無線通信システムの動作の一実施例を示すフローチャートである。
【0078】
基地局200は、輻輳状態を測定する(ステップS702)。つまり、基地局200は、輻輳状態判定情報を求める。該輻輳状態判定情報を求める処理は、定期的に行われてもよいし、不定期に行われてもよい。具体的には、CPU使用率を求める。
【0079】
基地局200は、輻輳状態であるかどうかを判定する(ステップS704)。つまり、輻輳状態判定部202は、ステップS702により求められた輻輳状態判定情報に基づいて、当該基地局200が輻輳状態であるかどうかを判定する。
【0080】
輻輳状態でないと判定された場合(ステップS704:NO)、ステップS702に戻る。つまり、再送待機時間をランダム化された値とせず、既定値の設定のまま処理を継続する。
【0081】
輻輳状態である判定された場合(ステップS704:YES)、基地局200は、再送待機時間をランダム化した値に設定する(ステップS706)。つまり、パラメータ選択部204は、再送待機時間をランダム化した値に設定する。
【0082】
基地局200は、ユーザ端末100から接続要求信号を受信する(ステップS708)。
【0083】
基地局200は、輻輳状態であるため、ユーザ端末100からの接続要求信号に対して、接続処理を行わない場合がある。接続処理を行わない場合、基地局200は、ステップS708により受信した接続要求信号に対する応答として、接続拒否信号を送信する。接続拒否信号を送信する際、基地局200は、接続要求信号の再送タイミングを時間的に分散させるように制御するため、再送待機時間を生成する(ステップS710)。つまり、パラメータ選択部204はランダム化された値により表される再送待機時間を生成する。
【0084】
基地局200は、ステップS710により生成した再送待機時間を表す情報を含む接続拒否信号を生成する(ステップS712)。つまり、接続拒否信号生成部212は、パラメータ選択部204により生成された再送待機時間を含む接続拒否信号を生成する。
【0085】
基地局200は、接続拒否信号を送信する(ステップS714)。つまり、送信部210は、接続要求信号を送信したユーザ端末100に、接続拒否信号を送信する。
【0086】
ユーザ端末100は、基地局200からの接続拒否信号に含まれる再送待機時間に従って、接続要求信号を再送する。
【0087】
ユーザ端末100は、再送待機時間が経過したかどうかを判定する(ステップS716)。
【0088】
再送待機時間が経過したと判定されない場合(ステップS716:NO)、ステップS716に戻る。再送待機時間が経過するまで継続される。
【0089】
再送待機時間が経過したと判定された場合(ステップS716:YES)、接続要求信号を再送する(ステップS718)。
【0090】
ステップS702−S706の処理、ステップS710−S714の処理は、基地局200の有する中央演算処理装置(図示無し)により実行される。中央演算処理装置を基地局200として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網(図示なし)を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図7の各ステップS702−S706、ステップS710−S714を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行させるようにしてもよい。
【0091】
ステップS708の処理、ステップS716−S718の処理は、ユーザ端末100の有する中央演算処理装置(図示無し)により実行される。中央演算処理装置をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網(図示なし)を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。中央演算処理装置は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図7の各ステップS708、ステップS716−S718を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行させるようにしてもよい。
【0092】
本実施例によれば、接続拒否信号を送信したユーザ端末から再送されるべき接続要求信号を、時間的に分散して受信できる。略同時に、複数のユーザ端末から接続要求信号を受信した場合であっても、再送されるべき接続要求信号を時間的に分散して受信できるため、処理負荷を時間的に分散できる。
【0093】
本実施例では、基地局200は、接続要求信号送信可能時間を短縮し、再送タイミングパラメータを大きな値に設定する機能を有するものとして説明されているが、接続要求信号送信可能時間を短縮し、再送待機時間を設定する機能を有していればよい。
【0094】
第1の実施例と第2の実施例は独立に実施されてもよいし、連続して実施されてもよい。連続して実施される場合には、基地局200が、ユーザ端末により再送されたランダムアクセスプリアンブルに対して、該ユーザ端末100からのランダムアクセスプリアンブルIDを含むランダムアクセスレスポンスを送信した場合が該当する。ランダムアクセスプリアンブルIDを含むランダムアクセスレスポンスを受信したユーザ端末は、基地局に、接続要求信号を送信する。
【0095】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に、以下の項目を開示する。
【0096】
(1)ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定部と、
該輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定部と、
前記輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定部と、
前記接続要求信号送信可能時間設定部により設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定部により設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信部と
を有する、基地局。
【0097】
(2)(1)に記載の基地局において、
前記輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させる時間までの待機時間を表す再送待機時間をランダム化した値に設定する再送待機時間設定部
を有し、
前記送信部は、前記再送待機時間設定部により設定されるべき再送待機時間を送信する、基地局。
【0098】
(3)(1)又は(2)に記載の基地局において、
前記輻輳状態判定部は、当該基地局の輻輳のレベルを判定し、
前記接続要求信号送信可能時間設定部は、前記輻輳状態判定部により判定された輻輳のレベルに応じて、前記接続要求信号送信可能時間を短縮し、
前記再送タイミングパラメータ設定部は、前記輻輳状態判定部により判定された輻輳のレベルに応じて、前記再送タイミングパラメータを大きい値に設定する、基地局。
【0099】
(4)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の基地局において、
前記送信部は、前記接続要求信号送信可能時間設定部により設定されるべき接続要求信号送信可能時間を含むシステムインフォメーションを報知し、前記再送タイミングパラメータ設定部により設定されるべき再送タイミングパラメータを含むランダムアクセスレスポンスを送信する、基地局。
【0100】
(5)(2)請求項2に記載の基地局において、
前記送信部は、接続要求信号を送信したユーザ端末に、前記再送待機時間設定部により設定されるべき再送待機時間を含む接続拒否信号を送信する、基地局。
【0101】
(6)ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局における通信制御方法であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定ステップと、
該輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定ステップと、
前記輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定ステップと、
前記接続要求信号送信可能時間設定ステップにより設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定ステップにより設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信ステップと
を有する、通信制御方法。
【0102】
(7)(6)に記載の通信制御方法において、
該輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させる時間までの待機時間を表す再送待機時間をランダム化した値に設定する再送待機時間設定ステップ
を有し、
前記送信ステップは、前記再送待機時間設定ステップにより設定されるべき再送待機時間を送信する、通信制御方法。
【0103】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0104】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0105】
100(nは、n>0の整数) ユーザ端末
200 基地局
202 輻輳状態判定部
204 パラメータ選択部
206 システムインフォメーション編集部
208 ランダムアクセスレスポンス編集部
210 送信部
212 接続拒否信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定部と、
該輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定部と、
前記輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定部と、
前記接続要求信号送信可能時間設定部により設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定部により設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信部と
を有する、基地局。
【請求項2】
請求項1に記載の基地局において、
前記輻輳状態判定部により輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させる時間までの待機時間を表す再送待機時間をランダム化した値に設定する再送待機時間設定部
を有し、
前記送信部は、前記再送待機時間設定部により設定されるべき再送待機時間を送信する、基地局。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基地局において、
前記輻輳状態判定部は、当該基地局の輻輳のレベルを判定し、
前記接続要求信号送信可能時間設定部は、前記輻輳状態判定部により判定された輻輳のレベルに応じて、前記接続要求信号送信可能時間を短縮し、
前記再送タイミングパラメータ設定部は、前記輻輳状態判定部により判定された輻輳のレベルに応じて、前記再送タイミングパラメータを大きい値に設定する、基地局。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の基地局において、
前記送信部は、前記接続要求信号送信可能時間設定部により設定されるべき接続要求信号送信可能時間を含むシステムインフォメーションを報知し、前記再送タイミングパラメータ設定部により設定されるべき再送タイミングパラメータを含むランダムアクセスレスポンスを送信する、基地局。
【請求項5】
請求項2に記載の基地局において、
前記送信部は、接続要求信号を送信したユーザ端末に、前記再送待機時間設定部により設定されるべき再送待機時間を含む接続拒否信号を送信する、基地局。
【請求項6】
ユーザ端末との間で無線通信を行う基地局における通信制御方法であって、
当該基地局が輻輳状態であるかどうかを判定する輻輳状態判定ステップと、
該輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させることができる時間区間を表す接続要求信号送信可能時間を短縮する接続要求信号送信可能時間設定ステップと、
前記輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ランダムアクセスプリアンブルの再送タイミングを設定する際に使用すべき時間範囲を表す再送タイミングパラメータを大きい値に設定する再送タイミングパラメータ設定ステップと、
前記接続要求信号送信可能時間設定ステップにより設定された接続要求信号送信可能時間と、前記再送タイミングパラメータ設定ステップにより設定された再送タイミングパラメータとを送信する送信ステップと
を有する、通信制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の通信制御方法において、
該輻輳状態判定ステップにより輻輳状態であると判定された場合に、ユーザ端末に接続要求信号を再送させる時間までの待機時間を表す再送待機時間をランダム化した値に設定する再送待機時間設定ステップ
を有し、
前記送信ステップは、前記再送待機時間設定ステップにより設定されるべき再送待機時間を送信する、通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−231238(P2012−231238A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97288(P2011−97288)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】