説明

基板アセンブリ、アセンブリプロセス及びアセンブリ装置

光起電装置ようの基板アセンブリ(100)であり、細長の半導体基板(101)のアレイを含み、各細長の基板(101)は長手方向のエッジ部によって画定される両面を有し、細長の基板は、細長の基板(101)の隣接するもの同士の対向する長手方向のエッジ部間に配置された導電体(102)によって、電気的に相互接続され、長手方向に平行な配置に維持され、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されたままになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板アセンブリ、アセンブリプロセス及びアセンブリ装置に係り、特に、光起電装置用の電気的に相互接続された細長の半導体基板のアセンブリ、そのアセンブリを形成するためのプロセス及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、“細長の基板”及び“細長の太陽電池(太陽セル)”との用語はそれぞれ、略平行型で高いアスペクト比(その長さがその幅よりも実質的に大きい(典型的には数十から数百倍大きい))を有する基板、太陽電池(太陽セル)を称するものとする。更に、細長の基板又は太陽電池の厚さは典型的に、その幅よりも四倍から百倍小さい。細長の太陽電池の長さ及び幅は、太陽電池の活性面(一つ又は複数)の寸法であり、よって、それらが共に、電力発生用の最大利用可能活性表面積を画定する。一方、太陽電池の長さ及び厚さは、太陽電池の付随的な不活性表面つまり“エッジ部”の寸法であり、太陽電池の幅及び厚さは、太陽電池の付随的な不活性表面つまり“端部”の寸法である。典型的な細長の太陽電池は、長さ120mm、幅0.5〜5mm、厚さ15〜400マイクロメートルである。
【0003】
細長の基板及び太陽電池は非特許文献1及び特許文献1に記載されているような方法で製造可能である。特許文献1には、単一の標準的なシリコンウェーハから、全使用可能表面積がオリジナルのシリコンウェーハのものよりも大きくなるように多数の薄い(典型的には<150μm)細長のシリコン基板を製造する方法が記載されている。特許文献1に記載の方法によって製造された細長の基板は、本願において‘スリバー(Sliver)基板’と称される。一方、それ以外の他の方法で製造された細長の基板は、本願において‘プランク(Plank)基板’と称される。特許文献1には、スリバー基板上に太陽電池を形成する方法も記載されており、結果として加工された基板も“スリバー太陽電池”と称される。しかしながら、本明細書において、“スリバー”との用語は一般的に、一つ以上の太陽電池を含んでいても含んでいなくてもよいスリバー基板を称する。“スリバー(Sliver)”は、Origin Energy Solar株式会社の登録商標(オーストラリア登録番号第933476号)である。
【0004】
一般的に、細長の太陽電池は、本質的にはいずれかの太陽電池製造方法を用いて細長の基板上に形成される単結晶太陽電池又は多結晶太陽電池である。細長の基板は、シリコンウェーハを介する一連の平行な細長の開口部又はスロットを形成して、対応する一連の平行な細長の基板(ウェーハの残留している周縁部(まとめてウェーハフレームと称される)によって互いに接続されている)を画定することによってバッチプロセスで形成されることが好ましい。
【0005】
太陽電池は、ウェーハフレームによって互いに接続されたままで、細長の基板上に形成可能であり、その後、互いにまたウェーハフレームから分離されて、一組の個々の細長の太陽電池が提供される。シリコン製の細長のスライス(そこに太陽電池が形成される)は、脆くて取り扱いに注意が必要である(特に、ウェーハフレームからの分離中及び後続プロセス中に)。更に、各細長のセルの面積及び値は、従来(つまり、細長でなく、ウェーハスケール)の大面積太陽電池に比較すると、小さいので、細長のセルを取り入れた太陽電池モジュールは、モジュール毎に非常に多数の個々のセルを必要とする(例えば、百以上ものオーダに達する)。従って、細長の基板及び太陽電池を採算の合うように製造するため、信頼でき安価な取り扱いプロセス、アセンブリプロセス及び実装プロセスが必要とされている。
【0006】
細長の太陽電池を用いて光起電装置を製造する既存の方法は、その範囲が限られている。直面する困難の一つは、比較的大面積にわたっての比較的多数の細長のセルの正確な位置決め及び正確な電気的相互接続に対する要件である。
【0007】
従来の太陽電池モジュール(特に、全体的に単結晶又は多結晶シリコンウェーハを含むモジュール)は典型的に、モジュール面積の一平方メートル毎に略60から70の片面(つまり、電力発生用に単一の活性面を提供する)ウェーハセルを含む。このようなモジュールの電気接続の数は、200のオーダ又はセル毎に略4である。
【0008】
これに対して、細長の太陽電池毎の電気接続の数は、セル毎に略6や8よりも僅かに多い程度であり得るが、各細長のセルの面積が従来のセルの面積のほんのわずかでしかないので、細長の太陽電池を含む太陽電池モジュール中の電気接続の数は、モジュール面積の一平行メートル毎に2000から20000の範囲又はそれ以上となり得る。この考察からだけでも、細長の太陽電池を含む太陽電池モジュールにおける電気的相互接続を安価で信頼できるように設けるために、従来のものではない方法が必要とされていることは明らかである。
【0009】
太陽電池の応用の一つは所謂リニアコンセントレータシステム(リニア集光器システム)である。このようなシステムの一例はトラフコンセントレータであり、高効率の小面積太陽電池上に太陽光を集光する長尺で大面積の太陽追尾ミラー又は屈折レンズの列を含む。典型的なリニア光起電コンセントレータシステムは、“1サン”システムのものの略8〜80倍の範囲における幾何学的な太陽照射の集光比で動作する(8〜80“サン”と称する)。このような構成において、従来のコンセントレータ太陽電池の単一のラインはレシーバ上に取り付けられる。従来のコンセントレータ太陽電池は、幅2cmから5cm、長さ4cmから8cmのオーダである。リニアレシーバにおいて、20から40のセルが、典型的には1〜2mの長さを有するレシーバの長さ方向に沿って直列に接続される。光の一様性は、レシーバの長さ方向に沿って一般的には極めて良いが、横方向においては近似的なガウス型強度プロファイルを有して良くない可能性がある。太陽電池は一般的にレシーバに沿って直列に接続され、高い全出力電圧を提供する。
【0010】
典型的なリニアコンセントレータシステムにおいて、電流は、その上面及び下面の上の各セルの中心から、セルの二つの外部エッジ部の上面及び下面の上の四つのコンタクトに流れる。電流を取り出すために電気接続が各コンタクトに設けられる。太陽電池の直流接続は、適切な相互接続方法(典型的にはシート銅タブの使用を含む)によってレシーバのエッジ部において達成される。しかしながら、この従来のシステムでの直列相互接続は、大面積を占有し、幅広のレシーバや、多数列の隣接するコンセントレータ太陽電池が必要とされるレシーバシステムに対して、この方法を不適切なものとする。更に、従来のリニアコンセントレータレシーバの長さ方向の電流の流れは、各セルの中心領域からそのエッジ部へと、外部接続又は銅タブ内へと、隣接するセルの銅タブへと、そして、隣接するセルの中心領域内へと戻る横方向に電荷を移動させる過程である。結果として、主に大幅に延在した有効電流経路に起因して、顕著な直列抵抗損失が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第02/45143号
【特許文献2】国際出願第PCT/AU2006/000840号
【特許文献3】国際出願第PCT/AU2005/001193号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】S.Scheibenstock、S.Keller、P.Fath、G.Willeke、E.Bucher、Solar Energy & Solar Cells、2001年、第65巻、p.179−184
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述の困難の一つ以上を軽減する又は少なくとも有用な代替案を提供する光起電装置用の基板アセンブリ、アセンブリ方法、アセンブリ装置を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、光起電装置用の基板アセンブリであって、細長の半導体基板のアレイを含み、各細長の基板が長手方向のエッジ部によって画定された両面を有し、前記細長の基板が、該細長の基板のうち隣接するもの同士の対向する長手方向のエッジ部間に配置された導電体によって電気的に相互接続され、長手方向に平行な配置に維持されて、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されている、アセンブリが提供される。
【0015】
本発明は、基板アセンブリプロセスであって、隣接する細長の半導体基板の対向する長手方向のエッジ部間に導電体を堆積させて該細長の基板を電気的に相互接続し長手方向に平行な構成に該細長の基板を維持することによって、光起電装置用の基板アセンブリを形成する段階を含み、前記導電体が、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されたままになるように堆積される、プロセスも提供する。
【0016】
本発明は、
細長の基板の個々のスタックを格納するための複数の相互に間隔の空けられた格納容器を含む格納装置であって、各細長の基板が長手方向のエッジ部によって画定された両面を有し、前記細長の基板の格納容器間の間隔が、格納された細長の基板からアセンブリされる基板アセンブリ中の細長の基板の所望の間隔の倍数である、格納装置と、
前記スタック中の細長の基板のうち個々の最も外側のものを同時に係合するための相互に間隔の空けられた係合手段を有する基板移送装置であって、前記係合手段間の間隔が前記格納容器間の間隔に実質的に等しく、該移送装置が、前記格納容器とアセンブル位置との間に前記係合手段を繰り返し移送して、前記細長の基板のうち連続的な最も外側のものを前記格納容器から交互の配置に移動させることを可能にするための移送手段を含む、基板移送装置と、
前記細長の基板のうち隣接するもの同士の対向する長手方向のエッジ部間に導電体を適用して、前記対向する長手方向のエッジ部を電気的及び機械的に相互接続することによって基板アセンブリを形成するためのアプリケータ手段であって、前記細長の基板が前記導電体によって電気的に相互接続され長手方向に平行な配置に維持されて、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されたままとなる、アプリケータ手段と、
を含む基板アセンブリ装置も提供する。
【0017】
本発明は、
細長の太陽電池の個々に間隔の空けられたスタックを格納するための複数の格納容器を含む格納装置と、
個々の前記スタックに格納された細長の太陽電池を同時に係合するための複数の係合手段を有する基板移送装置であって、前記係合手段間の間隔が前記細長の太陽電池のスタック間の間隔に実質的に等しく、該基板移送装置が、前記係合手段を移送して、係合された細長の太陽電池を試験のために前記格納容器から取り外すことを可能にする移送手段を含む、基板移送装置と、
前記基板移送装置によって係合された各細長の太陽電池の電気的性能を実質的に同時に評価するための評価手段と、
を含む、太陽電池アセンブリ装置であって、
分類装置が、各係合された細長の太陽電池を、前記細長の太陽電池の電気的性能に基づいて分類された複数の格納容器のうち選択されたものに格納するように構成されている、太陽電池アセンブリ装置も提供する。
【0018】
本発明は、
複数の細長の太陽電池を同時に係合する段階と、
該係合された細長の太陽電池の電気的性能を実質的に同時に評価する段階と、
各評価された太陽電池を、前記細長の太陽電池の電気的性能に基づいて分類された複数の格納容器のうち選択されたものに格納する段階と、
を含む太陽電池アセンブルプロセスも提供する。
【0019】
本明細書において、“細長の基板”及び“細長の太陽電池”との用語はしばしば相互可換に用いられるものである。一般的に、本発明は、光起電装置用のアセンブリを形成するために細長の基板を配置及び相互接続するための特定の形態、並びに、その形態のアセンブリを形成するためのプロセスに関する。一般的に、アセンブリの細長の基板は太陽電池を含んでいる場合もあるし含んでいない場合もある。太陽電池を含んでいない場合、アセンブリを形成した後に、細長の基板内に太陽電池を形成する必要があり、それによって、アセンブリを用いて発電可能になる。本明細書全体の多くの箇所において、“細長の基板”と“細長の太陽電池”との用語の一方のみしか特定箇所の記載おいて用いられていないことがあるが、太陽電池が既に形成されているか否かは多くの例において問題とならないことは当業者には明らかであり、それに従って記載がは理解されるものである。他の箇所において、当業者は文脈から基板は既に形成された機能性太陽電池を有していて、細長の太陽電池と見なせるということを理解するものである。
【0020】
更に、本願で説明される細長の基板のアセンブリは、しばしば“サブモジュール”と称される。これは、大抵の応用において(例えば小型モジュールなどの特別な応用は除外する)、その多くの応用において必要とされるレベルの電力を与える太陽発電モジュールを提供するために、多くのアセンブリを電気的に相互接続する必要があるからである。従来の発電モジュールは、多数の従来のウェーハスケールの太陽電池を互いに相互接続することによって構成される。そして、本願で説明される細長の基板アセンブリが、従来のウェーハスケールの太陽電池の直径と同様の横方向の寸法を有することが特に有利である。何故ならば、これによって、既存の取り扱い及び処理設備及び方法を、そのままで又は僅かな変更のみで使用することができるようになるからである。同様に、機能性太陽電池が細長の基板に未だ形成されていない場合、本願において、そのアセンブリを“プレモジュール”と称することがある。細長の基板の数及び構成は、結果物のアセンブリがサブモジュール(又はプレモジュール)と的確に称されるようなものであることが好ましいが、細長の基板の数及び構成が、結果物のアセンブリがそれ自体で太陽発電モジュール又は小型モジュールを形成するようなものにもなり得ることは明らかである。従って、“サブモジュール”及び“プレモジュール”との用語の使用は、一般的に、アセンブリの形状を限定するものとして解釈されるものではない。
【0021】
本願において参照としてその全内容が組み込まれる特許文献2には、細長の太陽電池を備えるモジュールの電気的相互接続を形成するために特に有利なはんだプロセスが記載されている。これも本願において参照としてその全内容が組み込まれる特許文献3には、細長の太陽電池がある程度一様なアレイ間隔で間隔の空けられている、又は、適切な基板上に連続的なアレイとしてアセンブリされているサブモジュールアセンブリの電気的相互接続の詳細が与えられている。これらの特許文献に記載されているプロセスは、静的なコンセントレータ太陽発電モジュール、フレキシブルモジュール及び小型モジュールに対して、有用なサブモジュールアセンブリを提供する。しかしながら、本発明の好ましい実施形態は、興味深い他の構造を提供し、純粋に両面サブモジュールアセンブリの連続的又は半連続的アセンブリから構築された高効率両面太陽発電モジュール、全面高効率片面太陽発電モジュール、全面高効率フレキシブル太陽発電モジュール、サブモジュールアセンブリの連続又は半連続アセンブリから構築された高効率片面コンセントレータレシーバモジュールが挙げられる。
【0022】
本発明の好ましい実施形態は、完全に両面の細長の太陽電池サブモジュールアセンブリをアセンブリするための方法及び装置も含む。このような完全に両面のサブモジュールアセンブリは一般的に、細長の太陽電池サブアセンブリシート、又は、より単純にスリバーシート又はプランクシートと称される。このようなシートサブアセンブリは、一般的に高効率太陽発電モジュールに対して、そして、特に高効率両面発電モジュールに対して特別魅力的なものである。
【0023】
従来の光起電モジュールにおいて、セル、バスバー、セルの接続部は完全に、エチレン酢酸ビニル(EVA,ethylene vinyl acetate)等の弾性体のマトリクス(それ自体は、ガラス基板と保護背面シート又は他のガラスシートとの間に挟まれている)中に完全に封入されている。様々な理由から、従来技術(本願において“第一世代”と称す)の細長の太陽電池アセンブリ技術に対して、細長の太陽電池を、従来の太陽発電モジュールと同様の方法で完全に封入することには不都合がある。むしろ、第一世代のアセンブリプロセスの取り扱いの制限に起因して、支持基板(大抵の場合ガラス)に直接細長のセルを結合する必要があった。しかしながら、この構成は、細長のセル間に信頼できる電気的接続を形成することを困難にする。
【0024】
特許文献3には、細長の太陽電池を備える太陽電池サブモジュールアセンブリの多様な形態が説明されていて、それぞれ、“ラフト(いかだ)”、“メッシュラフト”、“ボート”と称される形態が挙げられる。特許文献2に記載されているはんだプロセスは、ラフト(電気的相互接続部がサブアセンブリの物理的支持構造上に配置されている)、メッシュラフト(電気的相互接続部が実際に物理的支持構造を形成する)及びボート(電気的相互接続部が物理的支持基板に形成される)を形成する細長の太陽電池の間隔の空けられたアレイに対する電気的相互接続部の問題を解決した。本願で説明される発明の好ましい実施形態は、細長の太陽電池サブモジュールアセンブリを形成する方法を含むが、電気的相互接続部がサブモジュールアセンブリの物理的支持構造も形成し、片面又は両面の遮光又は部分的な遮光を回避し、特許文献3に記載されているラフト及びメッシュラフトサブモジュールの場合のような、構造内の隣接する細長の太陽電池間のかなりに間隔を空けることの必要性を排除し、特許文献3に記載されているメッシュラフトサブモジュールの場合のような、導電体の追加部分の導入を排除する。
【0025】
本願で説明されるアセンブリ及びプロセスは、典型的には集光されていない太陽光を用い、また、一般的に互いに直列に電気的に接続されガラスの後ろに封入された30〜50個の従来のシリコン太陽電池を備える太陽発電モジュールに対して特定の応用を有する。しかしながら、細長の太陽電池を備える太陽発電モジュールの場合、従来のシリコン太陽電池は、高電圧低電流の従来の太陽電池と機能的には等価であるスリバーシート又はプランクシートと称される細長の太陽電池サブモジュールアセンブリで置換される。同様に、細長の太陽電池を備えるコンセントレータレシーバモジュールの場合、従来のシリコンコンセントレータ太陽電池は、高電圧低電流の従来のコンセントレータ太陽電池と機能的には等価であるスリバーコンセントレータシート又はプランクコンセントレータシートと称される細長の太陽電池コンセントレータサブモジュールアセンブリで置換される。
【0026】
本願で説明されるアセンブリ及びプロセスは、集光された太陽光を利用し、典型的には、互いに電気的に接続され太陽リニア集光システムの焦点において適切なヒートシンクに実装された20〜40のシリコンコンセントレータ太陽電池を備えるリニアコンセントレータレシーバに対しても特定の応用を有する。しかしながら、細長の太陽電池を備えるリニアコンセントレータレシーバの場合、従来のシリコンコンセントレータ太陽電池は、高電圧低電流の従来のシリコンコンセントレータ太陽電池と機能的には等価であるスリバーコンセントレータシート又はプランクコンセントレータシートと称される細長の太陽電池コンセントレータサブモジュールアセンブリで置換される。
【0027】
サブモジュールアセンブリ中の隣接する細長の太陽電池間の密な間隔は、導電体及びアセンブリの要件に応じて細かく調整可能である。いくつかの実施形態において、本質的には間隔が存在せず、隣接する細長の太陽電池のエッジ部が事実上接している。他の実施形態において、各細長の太陽電池間の間隔は、スタンプ印刷、ポンプ印刷、ジェット印刷等の方法によって、導電ペースト又ははんだペーストを二つの隣接する細長の基板の対向するエッジ部間のギャップにステンシル印刷、スクリーン印刷又は導入することを可能にするのに十分広く、又は、ウェーブはんだによって、はんだバスの毛細管作用によって、若しくは、溶融したはんだへ浸漬して熱の下での機械的スピニングにより又は温風ナイフの作用により余分な部分を除去することによって、溶融はんだ等の導電性液体の導入を可能にするのに十分広い。これらのプロセスの詳細は、特許文献2に与えられており、関連する構造に対する同様の方法から直接転用可能であり、又は、本願で説明される構造に適するように僅かに変更される。導電体は、サブモジュールアセンブリ中の機械的支持体及び細長の太陽電池間の電気的相互接続を設けるものでもあり、連続的な、半連続的な、又は電極トラックの方向に沿った断続的な導電部分の形状となり得る。断続的な部分は、細長の太陽電池の長さ方向に沿った応力緩和部として作用する。セルと導電体との間の異なる膨張によって誘起される応力の強さは、細長の太陽電池の厚さに対する相対的な導電体の幅及び厚さによって並びに個々の材料係数によって調節される。更に、作用平面、よって、電気的接続アレイの各素子の異なる膨張によって誘起される応力の作用からサブアセンブリに誘起される局在ねじれは、スリバーシート又はプランクシートのサブモジュールの中央の平面の上及び/又は下の導電体の位置、長さ、間隔、断面積、断面プロファイル及び分布量によって調節可能である。これらの要因は、内部応力の制御、誘起された応力からの内部成分のねじれの制御、頑丈で耐久性があり容易に取り扱い及び処理される物理的構造の提供に対して、多数の細長の太陽電池アレイの物理的挙動を制御のための多重パラメータ最適化スペースを提供する。
【0028】
隣接する又は接する細長の基板又は太陽電池の結合によって形成されるシートアセンブリ又はサブモジュール、そして、特に、隣接する又は接する細長の太陽電池の電極又は電極金属化部分の電極は導電体のみを介するものであり、その導電体としては、有機金属インク、有機金属ペースト、金属複合材樹脂、金属複合材ポリマー、金属複合体エラストマー、金属複合体シリコーン、合金(錫鉛はんだ、錫鉛銀はんだ、鉛フリーはんだ、好ましくは共晶鉛フリーはんだ等)が挙げられ、共晶鉛フリーはんだは、本明細書において、“細長の基板シート”、“細長の太陽電池シート”、又は一般的に“シート”、特に“スリバーシート”や“プランクシート”と称されるサブモジュール中の細長の太陽電池の集合アレイに対する電気接続及び物理的支持の二重の役割を提供し、数個から数百個の細長の基板又は太陽電池が含まれ得る。
【0029】
本願で説明される細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートの他の利点は、サブモジュールアセンブリの効率の測定の容易性である。多数の太陽電池(個々は小さい)の効率の測定は、不便で時間がかかり高価なものになり得る。しかしながら、効率的で安価な試験、性能カテゴリーへの仕分け及びビンニングのための方法及びプロセスが以下で説明される。代わりに、歩留まりが高くて一様な細長の太陽電池の製造のために取り扱いを最小化するため、本願で説明される細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートは、アセンブリ前に個々のセルを測定するというよりもむしろ、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートの効率をアセンブリ後に直接測定することを可能にし、よって、数十から数百の小型太陽電池を一回でまとめて測定することを効果的に可能にする。この方法は測定のコスト及び時間を削減し、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートを性能のカテゴリー(不良カテゴリーを含む)に仕分けし、仕分けされた細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートから、異なる性能特性を備えた太陽発電モジュール、コンセントレータレシーバ、小型モジュールを選択してアセンブルすることが実現される。最低レベル未満の性能の細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートは廃棄されるか、サブセクションに分けられて再測定される。性能の悪い個々の細長の太陽電池が主に、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートの一部に存在する場合、いくつかのサブセクションの性能が良い一方、他のセクションは、その性能が十分に良くはないため、廃棄される必要がある。
【0030】
複数の細長の太陽電池をサブモジュールアセンブリ又はアレイにアセンブリするための特定のプロセスは、細長のセルの構造及び構成、親ウェーハ中のセルの向き及び配置、完成したサブモジュールアセンブリ中の細長のセルの平坦なアレイの構造及び構成に主に依存する。しかしながら、上述のサブモジュールアセンブリの構造及び機能、動機及び目的、利点及び利用は、形成プロセスに存するものではなくむしろ、本願で説明される細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートを形成する細長の太陽電池のアセンブリの物理的、光学的、電気的及び実用的な特性に存するものである。細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリは、便利で高速で低コストで信頼できる、取り扱い、操作及び試験及びビンニング、そして、多数の細長の太陽電池の高面積効率サブモジュールアセンブリへの最終的なアセンブリを、高効率のモジュラー工程の最低限のシーケンスにおいて可能にする。
【0031】
スタンドアローン、内蔵型の細長の太陽電池“シート”及び“コンセントレータシート”を製造する能力は、全ての形態の細長の太陽電池の分離、取り扱い及びアセンブリ、並びに、細長の太陽電池を含む高効率PVモジュールの構築を大幅に簡略化する。細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートのアセンブリは、小型で低コストの装置、ジグ及び機器で達成可能であり、細長の太陽電池モジュールアセンブリの形成において現在用いられている又は現在必要であると考えられている装置及び機器等の大規模の正確性及び自動化に対する要求が排除される。
【0032】
更に、太陽発電モジュール及びコンセントレータレシーバのアセンブリに必要とされるタスク(列内への架線、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリの封入等)を、従来のPVセルの架線、相互接続、セルの取り扱い、セルのアセンブリ、及びモジュールの封入の設備を僅かに改良するだけで、実施することができる。
【0033】
本願で説明されるサブモジュールアセンブリの更なる有利な特徴は、細長の太陽電池からアセンブリされたサブモジュールを用いて構築される太陽発電モジュールを、全体的に従来の光起電(PV,photovoltaic)モジュールの物質を用いて製造可能であるということである。細長の太陽電池サブモジュールアセンブリ、そして、これらのサブアセンブリの太陽発電モジュールへの分離、取り扱い、試験、ビンニング及びアセンブリは、モジュールに対する以下の物質の寄与のみによって達成可能である: 細長の太陽電池、はんだ、従来のバスバー、EVA封入材、ガラス、テドラー(登録商標)モジュール基材又は等価な物質である。両面の細長の太陽電池から構成された両面高効率又は高面積効率太陽発電モジュールの場合、シートサブモジュールアセンブリを備える太陽発電モジュールは、細長のシリコン太陽電池、はんだ、従来のバスバー、EVA封入材、前面及び背面(一般的には対称)のカバーガラスの従来の物質のみから構築されることが好ましい。軽量又は耐衝撃応用においては、透明なアクリル、ポリカーボネート、PETや同様の物質が、前面及び背面のモジュールカバーガラスの代替となり得る。
【0034】
本願で説明されるアセンブリ及びプロセスは、あらゆる形態の接着剤(光学接着剤、導電性接着剤、導電性エポキシ、導電性ポリマーが挙げられる)やあらゆる形態の一般的ではない太陽発電モジュールの導電性化合物(インク、ペースト、エラストマーが挙げられる)、あらゆる形態の光学接着剤の使用(そして使用に対する要件も)を排除する機会及び手段を提供する。本願で説明されるサブモジュールアセンブリ及びプロセスは、そのような物質の使用、使用に対する要件を排除するこの機会及び手段を提供して、細長の太陽電池モジュールの長期にわたる信頼性を大幅に増強するのみではなく、ステンシル印刷やはんだリフロー用のはんだペーストの分配に対する要件も排除する。そうでなければ、これらの要件が、細長の太陽電池間の電気的相互接続を提供し、また、集積されたサブモジュールアセンブリ支持構造を形成する隣接する細長の太陽電池間の物理的及び機械的支持体も提供するはんだ接合を形成するために必要とされる。はんだペーストの排除に伴う更なる利点は、電気的相互接続を設けるために必要とされるはんだフラックスの減少であり、よって、装置の構成要素上に残留している化学的汚染物及び残留物のクリーニング後のレベルが減少する。
【0035】
上述のように、‘スリバー’基板は、特許文献1に記載のプロセスによって製造されたものであり、一連の平行な細長の開口部又はスロットが標準的なシリコンウェーハの厚さ全体にわたって開けられて、対応する一連の細長のシリコンピースが形成され、結果として利用可能になる表面積が、オリジナルのウェーハ表面に垂直な新たな形成表面によって形成され、オリジナルのウェーハの表面積よりも大きい。しかしながら、細長の基板は、他のプロセスによっても形成可能であり、特に、一連の平行な開口部又はスロットがウェーハにわたって形成され、対応する一連の平行な細長の基板が生成されるが、スリバーの場合のように、オリジナルのウェーハ表面に垂直な新たな形成表面というよりはむしろ、オリジナルのウェーハ表面の対応部分によって、その基板の活性表面が提供される大まかには同様のプロセスによっても形成可能である。この代替プロセスによって形成される細長の基板は本願において‘プランク’基板と称される。プランク基板は、スリバーによって提供される表面積の増大という利点を提供しないが、以下のように、従来のウェーハスケールの太陽電池に対して実質的な利点を提供可能である。プランクの幅は機械加工された溝の間隔によって決定され、プランクの長さは一般的にプランクの幅の五から二十倍である。プランクの厚さは、ウェーハの厚さであり、通常は400マイクロメートル未満である。プランク形状の細長の太陽電池及び細長の基板は、特許文献3に記載されている方法を用いて、分離、取り扱い、シートサブモジュールアセンブリへのアセンブリ可能である。
【0036】
細長のプランク太陽電池は、大面積背面接触太陽電池から形成されることが好ましい。背面接触セルから構成される特定の形態の細長の太陽電池は、低から中程度の太陽集光度のリニアコンセントレータレシーバにおける使用に適している。市販の背面接触高効率の従来の平面太陽電池から形成され、コンセントレータシートサブモジュールアセンブリにアセンブリされる細長の太陽電池から構成される本願で説明される特定の形態のシートサブモジュールアセンブリが、構築されたことになる。これらのプロトタイプのコンセントレータシートは、20の太陽束集光度(20“サン”)において16%超の開口効率を記録し、ドル/ワットのピーク出力評価における測定において、セルのコストは、当該目的で製造されたコンセントレータセルのコストの僅かな部分でしかない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】細長の基板アセンブリの好ましい実施形態の概略的な平面図であり、細長の太陽電池から形成された細長の太陽電池サブモジュール、又は、細長の基板から形成された細長のプレモジュールのいずれかであり、それぞれ“シート”サブモジュール、“シート”プレモジュールと称される。
【図2】図1に示されるシートの一部の概略的な平面図であり、シートサブモジュール中の細長の太陽電池間の、又は、シートプレモジュール中の細長の基板間の電気的相互接続の一形態を示す。
【図3】“シート”サブモジュールと称される細長の太陽電池サブモジュール、又は、“シート”プレモジュールと称される細長の基板プレモジュールの好ましい実施形態の断面図であり、それぞれシートサブモジュール又はシートプレモジュール中の細長の太陽電池間の、細長の基板間の電気的相互接続の第二の形態の詳細を示す。
【図4】“シート”サブモジュールと称される細長の太陽電池サブモジュール、又は、“シート”プレモジュールと称される細長の基板プレモジュールの好ましい実施形態の図3と同様の概略的な断面図であり、それぞれシートサブモジュール又はシートプレモジュール中の細長の太陽電池間の、細長の基板間の電気的相互接続の更に他の形態の詳細を示す。
【図5】細長の太陽電池アレイ又は細長の基板アレイの概略的な端部断面図であり、それぞれ細長の太陽電池又は細長の基板の光学的に不活性なエッジ部及び隣接する光学的に活性な面の両方に電気コンタクト表面を提供するために、細長の太陽電池の部分的なコーティング面に対して傾斜蒸着を用いることを例示している。
【図6】細長の太陽電池シートサブモジュールの概略的な端面図であり、光学的に活性な面及び光学的に不活性なエッジ部上において電気コンタクトで細長の太陽電池を電気的に相互接続する一つの形態又は方法を示す。同一又は類似の方法を用いて、シートプレモジュールアセンブリ中の細長の基板を電気的に相互接続することもできる。
【図7】細長の太陽電池シートサブモジュールの端面図であり、光学的に活性な面及び光学的に非活性なエッジ部上において電気コンタクトで細長の基板を電気的に相互接続する第二の形態を示す。この方法は、細長の太陽電池シートの湾曲又は歪みを制御するのに適している。同一の方法を用いて、細長の基板を電気的に相互接続し、シートプレモジュールアセンブリの歪みを制御することもできる。
【図8】それぞれ細長の太陽電池又は細長の基板のみを備えた“並列接続された細長の太陽電池シート”サブモジュールと称される太陽電池サブモジュール、又は“並列接続された細長の基板シート”プレモジュールの第三の好ましい実施形態の一部の平面図であり、それらの間に並列及び直列の電気的相互接続部がある。
【図9】細長の太陽電池シートを歯状のヒートシンク上に実装する方法を示す図である。この方法は、両面レシーバアセンブリ中に両面の細長いコンセントレータ太陽電池シートを実装するのに特に適している。
【図10】その図10に示されるような単一の装置の窓用の単純な一ピースのクランプの構成の概略図である。装置の窓及び装置の方向の範囲及び向きに関連する対向及び適合部分を対向する数備えた同様のクランプを構成して、この単一部分のクランプと同じ目的を果たすこともできる。
【図11】図10に示されるような単一の装置の窓用の単純な一ピースのクランプの構成の断面の概略図である。接触保持部分(細長のセル又は細長の基板の方向に対して横に走る)は、コンタクト領域及び流体の流れの制限を最小化して、微細加工中のコンタクト領域及び溝の間及びそれらの下の流体の移送を最大化するために、半柔軟性の畝のある表面を含む。装置の窓及び装置の方向の範囲及び向きに関連する対向及び適合部分を対応する数備えた同様のクランプを構成して、この単一部分のクランプと同じ目的を果たすこともできる。
【図12】シート間電気的相互接続クリップの概略的な平面図である。クリップの上面及び下面は、互いに電気的に接続されている電極及びシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分の上下に延在している。上面及び下面のタブは、二つの隣接するシート表面を位置決め及び保持する役割を果たし、電極の方向に沿って延在するフィンガーの部分は、毛細管作用によってフィンガーの端部にはんだを引き込む役割を果たし、確実な接続を提供する。
【図13】図12に示されるシート間電気的相互接続クリップの概略的な平面図の詳細である。クリップの上面及び下面は、互いに電気的に接続されている電極及びシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分の上下に延在している。破線は、隣接するシートの下面におけるタブの相補的な範囲を示す。
【図14】シート間電気的相互接続クリップの概略的な断面図である。クリップの上面及び下面は、互いに電気的に接続されている電極及びシートの端部において細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分の上下に延在している。上面及び下面のタブは、二つの隣接するシート表面を位置決め及び保持する作用を果たし、電極の方向に沿って延在するフィンガーの部分(クリップの中心の縦断面に対して平行且つ一直線)は、毛細管作用によって、フィンガーの端部にはんだを引き込む作用を果たし、確実な接続を提供する。はんだは、電極とクリップの内部表面との間のキャビティを充填するものとして示されている。
【図15】シート間電気的相互接続クリップの概略的な断面図であり、クリップの二つの電極ガイドコンタクト表面間に波形の応力緩和部分を備えている。クリップの上面及び下面は、図14の単純なバージョンのように、互いに電気的に接続されている電極及びシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分の上下に延在している。上面及び下面のタブは、二つの隣接するシート表面を位置決め及び保持する作用を果たし、電極の方向に沿って延在するフィンガーの部分(クリップの中心の縦断面に平行且つ一直線)は、毛細管作用によってフィンガーの端部にはんだを引き込む作用を果たし、確実な接続を提供する。はんだは、電極とクリップの内部表面との間を充填するものとして示されている。
【図16】シートとバスバーとの間の電気的相互接続クリップの概略的な平面図である。ストリング中の最後のシートの側面上のクリップの上面及び下面は、電極及びシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分の上下に延在している一方、クリップの反対側においてはバスバーに対する電気的接続を許容するためのフットが延在していて、この図では、はんだパッドでプレメッキされたものとして示されている。上面及び下面のタブは、二つの隣接する表面を位置決め及び保持する作用を果たし、電極方向に沿って延在するフィンガーの部分は、毛細管作用によってフィンガーの端部にはんだを引き込む作用を果たし、離れたほうのシート電極表面に確実な接続を提供する。
【図17】シートとバスバーとの間の電気的相互接続クリップの概略的な断面図である。クリップの上面及び下面は、バスバーに対して互いに電気的に接続されている電極及びストリング中のシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板電極の小部分の上下に延在している。上面及び下面のタブは、隣接するシート表面を位置決め及び保持する作用を果たし、電極の方向に沿って延在するフィンガーの部分(クリップの中心の縦断面に平行且つ一直線)は、毛細管作用によってフィンガーの端部にはんだを引き込む作用を果たし、細長の太陽電池シート又は細長の基板シートの離れた方の端部の電極に対して確実な接続を提供する。はんだは、電極とクリップの内部表面との間のキャビティを充填するものとして示されている一方、フットは、バスバーのはんだ付けされた接続を許容するようにされたプレメッキはんだパッドを示している。
【図18】シートサブモジュールアセンブリとバスバーとの間のクリップの詳細な断面図であり、クリップの電極ガイドコンタクト表面とバスバー相互接続用の延在したフットとの間に波形の応力緩和部分を備えている。クリップの上面及び下面は、バスバーに対してた互いに電気的に接続されている電極及びストリング中のシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板電極の表面の小部分の上下に延在している。
【図19】シートサブモジュール又はシートプレモジュールへのアセンブリ用に、真空取り出し及び移送ヘッドによって細長の太陽電池又は細長の基板の平坦なアレイがそれぞれ、取り出されるシングルスタックカセットのアレイである。
【図20】シングルスタックカセット又は多重スタックカセットからのシングルスタックの概略的な平面及び断面図であり、格納されたスタックから単一の細長の装置が取り出される際の格納、単独化及び放出のメカニズムが示されている。
【図21】細長の太陽電池の平坦なアレイを電気コンタクトのアレイに提供する真空移送ヘッドを示す概略図である。セルのアレイは標準的な照明に晒されて、アレイ中の個々のセルを性能によって特性評価し、仕分けされたビンアレイ内に移送及び格納するために分類することが可能になっている。
【図22】特性評価されたセルを性能カテゴリーに仕分け及び格納するための移送及び格納メカニズムを示す概略図である。多数のセルを高性能モジュール用に多数のカテゴリーに仕分け及びビンニングする問題の独特で革新的な解決策において、本願で説明されるリニアプロセスは、プロセスを遅延させたり顕著な複雑性を加えたりすることなく、あらゆる数の性能のカテゴリーに適合可能である。
【図23】格納スタックのアレイから細長の太陽電池又は細長の基板の平坦なアレイを取り出し、平行に相互に間隔の空けられた平坦なアレイをアセンブリジグに移送する真空取り出し及び移送ヘッドを示す概略図である。
【図24】第二のアセンブリサイクルで一つおきの間隔を埋めることによって、二倍の間隔のスタックのアレイから完全に覆われた太陽電池又は細長の基板のシートのそれぞれサブモジュール又はプレモジュールを形成する二段階アセンブリプロセスの第二部を示す概略図である。
【図25】コンベヤベルト上の自在アームクランプ(図示せず)によってアセンブリジグ上に保持されているアセンブリされたシートサブモジュール装置である。ベルトは、サブモジュールを反転させるために180度回転して、選択ウェーブはんだへと運ぶ。
【図26】後続の処理又はアセンブリ段階用にビンニングされている完成したサブモジュールシートアレイを示す。細長の太陽電池サブモジュールアレイの場合、シートを処理する次の段階は架線及び太陽発電モジュール、小型モジュール、両面フレキシブルシート又は他の特定の用途における封入のためのアセンブリである。細長の基板シートプレモジュールの場合、処理の次の段階は、プレモジュールを低温セル処理を介して太陽電池サブモジュールへと転換させることである。
【図27】カセットから取り出されて、上述の相互接続クリップを用いて封入に向けてストリングへとアセンブリされるビンニングされたシートサブモジュールを示す。相互接続クリップは、好ましくは非接触レーザはんだシステムを用いて一直線ではんだ付けされる。
【図28】細長の基板の対向する長手方向のエッジ部間に導電体を適用する間、細長の基板を固定するための細長の基板又は太陽電池のクランプの概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の好適な実施形態を、添付図面を参照して単に例示目的で説明する。
【0039】
[シートサブモジュールの形成]
図1を参照すると、36個の細長の両面太陽電池101又は細長の半導体基板101のアレイがアセンブリされて(組み立てられて)、アセンブリ(本願において、“シート”サブモジュール若しくはプレモジュール100、又は、より便宜的に“シートアセンブリ”若しくは“シート”100と称される)を形成する。細長の基板(好ましくは機能性太陽電池を含むが必須ではない)は、スリバー(上述のような)又はプランク形状であり得て、従って、そのシートもまた、適宜、“スリバーシート”、“プランクシート”と称される。電気的相互接続は、細長の基板101の対向する縦方向(長手方向)のエッジ部間に配置された導電体によって提供され、実質的に相互に接する状態を維持する。つまり、導電体は、シート内の全ての細長の基板101を電気接続するのみならず、細長の基板101を互いに保持して自立シート100を形成する手段でもある。各細長の基板の対向するエッジ部のみを係合することによって縦方向(長手方向)に平行な配置に細長の基板を維持するのが導電体のみであるので、各基板の両面は完全に露出されたままであり、(基板に機能性太陽電池が形成されると)電力発生用に利用可能である。
【0040】
シートは、従来の太陽電池と同様のサイズで形成可能であり、典型的には10cm×10cm、12cm×12cm、15cm×15cm又はそれ以上である。これによって、各サブモジュールアセンブリを(集合)“セル”として光起電装置に取り入れることが可能になり、従来の太陽電池に対して現状で用いられているのと同様の、試験、ビンニング(binning)、取り扱い、アセンブリ、架線、封入及び電気接続用の方法及び装置を使用することが可能になる。しかしながら、顕著な差異は、各シートが、典型的な従来の太陽電池よりもはるかに高い電圧及びこれに対応して比例する低い電流を有する点である。シート内の細長のセルが直列に接続される場合(典型的な場合)、シートの電圧は、個々の細長の太陽電池の電圧及びシート内のセルの数の積である。同様に、同様の面積及び性能の従来の単一ジャンクションの太陽電池と比較して、シートの電流は、シートサブモジュールアセンブリ内の細長の太陽電池の数に対応する率で減少する。これは、モジュール設計、性能、サブモジュールレイアウト、逆バイアス保護、システム電圧、並びに、太陽発電モジュール内の通電部材のサイズ、重量及び仕様に対して、顕著な利点を有する。
【0041】
所望のシステム電圧を提供する数までのあらゆる数の直列に電気的相互接続された細長のセル又は基板101を備えたあらゆるサイズのアレイが形成可能である。例えば、100個のスリバー(登録商標)太陽電池のアレイから形成されたシートサブモジュールは、100mm×102mmの寸法を有し、略60Vにおいて略40mAの電流を発生させる。図1に示されるシートサブモジュール100は、隣接セル間に四つの別々の直列相互接続部102を有する。隣接セル間の相互接続部の数、サイズ及び間隔は、接続間の冗長性を提供し、平行な相互接続部間の電極物質の厚さを減少させ、シート構造に物理的安定性を提供し、フレキシビリティの要求に適合するように有利に選択可能である。隣接する細長の太陽電池101又は細長の基板101間の間隔104が図1に示されているが、単純に明確にするために、実際の要求よりも広くされている。一般的な場合、細長の太陽電池又は基板セル101の幅106は、略0.7mmから、略2mm、更には3mmにまで及び得る。電極金属化部の厚さ(隣接する細長のセル101間の間隔104及び堆積した物質の厚さに対応)は、典型的に2μmから3μmのオーダである。一般的な場合、セル101間の間隔104は、事実上ゼロ(それによって、隣接するセル101は互いに接し、電極上にプレ形成された、予め堆積させた又は存在しているはんだ物質を用いて、はんだペーストの追加無しにはんだのリフロー過程によって互いに濡らされる)から数十マイクロメートルの間隔までに及び得る。典型的には、セル101間の間隔104は、5μm乃至20μmのオーダであり、好ましくは5μmに近い。従って、隣接する細長の基板又は太陽電池101間の間隔106は、典型的に基板又は太陽電池101自体の幅106よりも略三桁小さく、基板又は太陽電池101は実質的に互いに接するようになる。
【0042】
隣接する細長の基板又は太陽電池101間の電気的相互接続部102は、特許文献2に記載されているような選択ウェーブはんだによって形成されることが好ましい。隣接する電極間の正確な分離は、用いられるはんだ及びフラックスの種類、はんだ工程の温度及び温度プロファイル、はんだ工程中のはんだ接合物質の液相線上で費やされる時間に依存する。これらの要因は、はんだの粘性、はんだ滴の表面張力を制御し、はんだ接合部に留まるはんだ物質の量もある程度制御し、また、細長の電極金属化物質の表面のはんだ濡れ性も制御し、選択ウェーブはんだ噴流の領域上の接合の範囲の制御を補助する。フラックスの範囲及び量並びにはんだ工程パラメータを制御することによって、選択ウェーブはんだ噴流の領域上の接合部の範囲が、はんだ物質が液相線上に存在しながら接合部におけるはんだの毛細管作用を維持することにより、制御可能となる。この工程の更なる詳細については特許文献2に記載されている。
【0043】
セル101は、各細長の基板101の縦方向(長手方向)のエッジ部上に形成された電極又はコンタクトの長さ方向に沿って相互に間隔の空けられた位置で互いに機械的に接続される。接続には金属はんだを用いることが好ましいが、導電性エポキシ等の物質もはんだの電気的及び構造的機能を果たし得る。図1において、直列相互接続部102の四つのセクション又は帯が存在し、各セクションは、各スリバー(登録商標)上の電極の長さの略5%を占める。実際には、これらの直列相互接続部102の範囲及び頻度は、相互接続部の冗長性の要求、電極金属化の厚さ及び歪み制御の要求に適合するように選択可能である。ウェーブはんだ装置内に追加噴流を含むことによって、全ての帯アレイが一回のパスで確立可能であるので、帯102の数はプロセスの観点からは重要ではない。これは、多重噴流ヘッドアレイを一つ用いることによって達成可能である。はんだの量及び位置(特にシート面に対する配置及び分布)は、後述のように、歪みの無いシートを製造することを確実するための重要な制御すべきパラメータである。
【0044】
図2は、図1のシートサブモジュールアセンブリ100の一部分の拡大図を示す。太陽電池101間の直列電気的相互接続部102(各セル101のnコンタクト202を隣接するセルのpコンタクト203に接続する)は、細長のセル又は基板101のエッジ部において電極に沿って相互に間隔を空けた位置に導電体を堆積させることによって、形成される。図2において、略3mmの長さの電気的相互接続部の一つのセクションのみが、略10mmの長さの細長の太陽電池又は基板シート100の一部に対して示されている。明確性のためにこの図において、導電体及び電極の幅は、誇張されている。導電体ははんだであることが好ましく、鉛フリーはんだであることが更に好ましく、また、特許文献2に記載されているような選択ウェーブはんだプロセスを用いて堆積されることが好ましくて有利である。しかしながら、代わりに、導電体は、蒸発金属膜、結合金属箔、Bステージ導電性接着膜、導電性エポキシでもよい。バイパスダイオードや論理装置等の電子装置は、回路内に適切に含まれ得る。
【0045】
好ましい実施形態の一つにおいて、選択ウェーブはんだのプロセスパラメータは、最少量のはんだ301がシート100内部の電気接続部102に留まるように選択される。図3は、シート100内の複数の細長の太陽電池101又は細長の基板101の詳細な断面図であり、各セルのp電極202を隣接するn電極203に直列に電気的に相互接続する電気的相互接続部102の典型的な断面図を示す。このプロセス用の基本的なウェーブはんだの機械パラメータの適切な組には、320mm・s−1の輸送速度、20秒間のシートサブアセンブリの赤外線予熱、深さ2mmのウェーブ浸漬での285℃のはんだ温度が含まれる。この細長の太陽電池シート100の性質によって、フレキシブルモジュール応用、軽量及び高効率応用、小型、薄型若しくはマイクロモジュール応用に対して特に適したものとされる。
【0046】
特に、図3に示される形状のモジュールは、軽量、頑丈、両面応用に適していて、電力供給用携帯型家電、携帯用小型バッテリーチャージャ、衛星電話やGPS装置等の通信用小型電力装置、ガラス破損感知及び報告モニター用電力等の完全性及び安全性センサ、農業、鉱業、天気若しくはセキュリティ用の遠隔センサ並びに感知及び報告応用等が挙げられ、また、これらの装置及び応用のためのバッテリーチャージ過程を介しての間接電力供給又は直接電力供給に適している。
【0047】
更に、上述の列挙された装置の単純な改良によって、セキュリティ又は軍事応用に特に適した新規装置が製造される。例えば、上述のような及び図1から3に示されるような細長の太陽電池シート100は、完全に両面性であり高面積効率を有して、モジュールフットプリントを最小化するのを補助し、また、非常に高効率の細長の太陽電池から構成可能であり、所定の出力に対して必要とされる面積が更に最小化される。更に、モジュールが完全に両面性であるので、装置又はモジュールの向きが、出力を最大化するための決定的な要因とならない。この特徴のみによって、最大出力のために装置の向きを正すことが不都合である又は不可能である応用又は状況において電力を供給するのに適した細長の太陽電池シートから構成された小型又は微小太陽発電モジュール及び装置ができることになる。セキュリティ装置の位置、戦場での応用、遠隔隠しモニタ若しくはデータ収集応用は、モジュールの配置を制限する可能性があり、このような配置は、その応用を従来の片面太陽電池に対して不適切なものとするが、両面モジュールは、従来の片面モジュールが被る日常的な出力の主立った減少なく、こうした制限に適合することができる。更に、反射防止コーティングを両面シートサブモジュールに適用することができ、反射を減少させることによって、性能、並びに、検出確率の減少、装置のセキュリティの妥協が改善される。また、両面の細長のシートサブモジュールはフレキシブルであるので、小型又は微小電力モジュールもフレキシブルで軽量になり得て、又は、シートサブモジュールが、アクリル又はポリカーボネート製の薄いシート(部分的にフレキシブルである)の間に封入可能となり、耐衝撃性両面高効率小型モジュールが製造される。このような微小、小型モジュールのフレキシビリティ及び耐衝撃性を改善するため、ワッカー(Wacker)シリコーンRT‐67S等の封入材を用いることが好ましい。この物質は光学的に透明で、硬化EVAよりもはるかにフレキシブルである。
【0048】
好ましい実施形態の他の例では、図4に示されるように、はんだプロセスパラメータが、最大量のはんだ401がシート100内部の電気接続部102に留まるように選択される。このプロセス用の基本的な機械パラメータの適切な組には、260mm・s−1の輸送速度、10秒間のシートサブアセンブリの赤外線予熱、深さ0.5から1.0mmのウェーブ浸漬での265℃のはんだ温度が含まれる。
【0049】
実際には、電極202、203は、図面に示されるような両面の細長のセル101のエッジ部上において矩形のブロックではなく、典型的にはエッジ部全体を覆い、また片面又は両面の小部分を覆うように包み込み、又は、エッジ部に沿って流れる略滴形状であり得る。細長のセル101に対する電極202、203の位置、電極202、203の幅、その位置がセル101のエッジ部に対して対称であるか否かは全て、シート内電気的相互接続部102を設計する際に考慮される因子である。細長の太陽電池又は細長の基板シートサブアセンブリ100における問題を減少又は排除するために、上述の因子が、電気的相互接続部の設計において考慮されることが好ましい。
【0050】
図3及び図4を再び参照すると、細長の太陽電池又は細長の基板101のスタンドアローン型シートサブモジュール100は、連続的な又は半連続的なジグ又はシートリテーナ上に組み立て可能であり、選択ウェーブはんだステーションを介する反転及び輸送用に細長の基板又はセル101のアレイが固定される。有利には、ジグ又はリテーナは、低熱容量及び/又は低い熱伝導性を備えた物質製であることによって、及び/又は、実際に可能な限り少ない位置においてシートアレイに接触させることによって、シートアレイからある程度熱的に絶縁されている。いずれの場合においても、リテーナは、選択ウェーブはんだ噴流の経路上においてシートアセンブリに直接接触しないことが望ましい。これによって、シートを介するキャリアへの熱移動が減少し、シートの上部表面と輸送リテーナ又はジグとの間の位置への毛細管作用によるはんだの移動が排除される。特許文献2に記載されているように、選択ウェーブプロセスに対する輸送速度は、従来の応用において推奨される60mm・s−1の数倍大きい。その理由は以下の二点である。即ち、シートの熱容量が非常に小さいこと、及び、細長の装置中のシリコンが優れた熱伝導体であることである。これに起因する利点は、高速プロセス速度、短い予熱時間、少ないフラックス使用、クリーニング要求の減少、高くて信頼できる歩留まり及びスループットである。
【0051】
非特許文献1又は特許文献1に記載されているようなプロセスによって形成される複数の細長の太陽電池をアセンブリして、実質的に異なる電流及び電圧特性を有するものではあるが、従来の太陽電池と同様のサイズを有する光起電シート又はコンセントレータシートを形成することができ、従来の太陽電池を直接置き換えることができる。更に、シリコン以外の半導体(GaAs等)製の細長の太陽電池を用いても、シートを形成することができる。所望のシート又はコンセントレータシートサブモジュールの出力電圧及び対応する電流を届けるために、太陽電池は、直列に、並列に、又は、直列及び並列の組み合わせで電気的に相互接続され得る。シートサブモジュールの出力電圧が、シート内部のシートを並列に接続することを可能にするのに、又は、少数のサブモジュールアセンブリを直列に接続して並列に接続されるグループを形成することを可能にするのに十分大きい場合、低電流を有するシートのセクション、シート又はシートのグループのモジュール出力に対する影響(例えば遮光によって生じる)は、従来の光起電モジュール(単一の大きなセルの一部又は大きなセルのグループが、複数の細長の太陽電池のサブモジュールアセンブリの遮光された又は部分的に遮光された部分に匹敵するサイズである)におけるものよりも顕著に小さい。
【0052】
図5を参照すると、ラップアラウンド型電極502、503を、金属の傾斜蒸着501によって、各太陽電池101の隣接する表面上に形成可能である。蒸着中の蒸着角度505、及び、細長の太陽電池101の隣接面間の間隔504の選択によって、露出されたエッジ部に隣接する細長の太陽電池101の面506に入り込む金属化の程度又は範囲の制御が可能になる。細長の太陽電池101の長さ方向に沿ったシャドウマスキングと併用して、この構成を、この方向に対して横方向に流れるシャドウの方向で用いて、面の部分的な金属化を断続的なものとすることができ、最終的なモジュールにおけるセル101の通常動作中に金属によって生じる太陽電池の遮光が比例的に減じられる。上述の部分的な金属化を確立する目的で、太陽電池をジグに保持可能である。特許文献1のスリバー(登録商標)プロセス等の細長の太陽電池の製造方法では、ウェーハフレームからの分離の前に、図5に示されるようなセルのアレイが自然に形成される。
【0053】
傾斜蒸着を、図3に示される最小はんだプロセスと併用して用いて、図6に示される形状のシートアセンブリを製造することができる。図6は、傾斜蒸着によって形成された電極502、503を備えたシートアセンブリの複数の細長の太陽電池101又は細長の基板101の端部断面図である。電気的相互接続物質601の典型的な断面プロファイルが示されていて、直列のp電極を隣接するセルのn電極503に電気的に相互接続する。本実施形態において、はんだは、最少量のはんだ601がシート100内部において電気的相互接続部601に留まるようなはんだプロセスパラメータの組で選択ウェーブはんだプロセスを用いて、堆積される。傾斜蒸着電極の非対称性に起因して、そこから選択ウェーブはんだ工程が実施されるシートの面が重要であり、顕著に異なる結果が生じる。図6のシートの場合、ウェーブはんだは、細長の太陽電池又は細長の基板の面に対して電極が入り込んでいない側面から堆積される。このプロセス用の基本的な機械パラメータの適切な組には、320mm・s−1の輸送速度、20秒間のシートサブアセンブリの赤外線予熱、深さ2mmのウェーブ浸漬での285℃のはんだ温度が含まれる。この細長の太陽電池シートの性質によって、フレキシブルモジュール応用、軽量及び高効率応用、小型、薄型若しくはマイクロモジュール応用に対して特に適したものとされる。特に、図6に示される形状のシートアセンブリは、図3に示される形状のシートについて上述した全ての応用に対して適したものとなる。
【0054】
同様に、上述の図4に示される最大はんだプロセスを、図7に示される一般的な形状のシートアセンブリを形成するために、傾斜蒸着と組み合わせて用いることができる。図7は、シート100内に傾斜蒸着電極502及び503を備えた複数の細長の太陽電池101又は細長の基板101の端部断面図であり、電気的相互接続物質701の典型的な断面図を示す。この場合、図6に示されるシート装置とは対照的に、はんだは、細長の太陽電池又は細長の基板の面にわたって、傾斜蒸着電極が部分的に突出する側面からの選択ウェーブプロセスによって堆積される。電気的相互接続部701に留まるはんだの量は、最大量のはんだがシート内部において電気的相互接続部701に留まるようなはんだプロセスパラメータで選択ウェーブはんだプロセスを用いることによって、決められる。このプロセス用の基本的な機械パラメータの適切な組には、240mm・s−1の輸送速度、10秒間のシートサブアセンブリの赤外線予熱、深さ0.5から1.0mmのウェーブ浸漬での285℃のはんだ温度が含まれる。
【0055】
実際には、両面の細長のセルの一面の部分及びエッジ部上の電極は、一様な厚さのもの及び/又は矩形の断面のものではないことがあり得て、むしろ、厚さは、電極が面を包み込む領域において変化し得て、また、厚さが、面のエッジ部において細くなったりテーパ状になったりし得る。このような場合、面に対するはんだの範囲や限度は制御が難しくなり得る。何故ならば、電極物質は、装置の面上における電極のエッジ部において極端に薄く、はんだ内において非一様に溶けて、不規則なエッジ部を生じさせ得るからである。美感の悪さ(性能の問題ではない)は別として、これによって、シートの歪みを生じさせる可能性がある。この問題に起因する歪みを解消する最も簡単な方法は、最大量のはんだが留まることを確実にすることであり、これに比例してシートの一側面における小さな変化の影響が減少する。
【0056】
本願で説明されるアセンブリ及び実装プロセス、並びに、電気的及び物理的接続構造は、製造及び/又は使用中の熱サイクルに起因する、細長の太陽電池、電気的接続及び物理的接続に対する損傷を防止する。特に、電気的及び物理的接続物質と、細長の太陽電池の電極及び金属化物質と、結晶シリコン太陽電池との間の異なる熱膨張の速度は、細長の太陽電池及び接続物質中における破壊的な応力の発達を防止するために、注意深く管理される必要がある。例えば、この応力の制限は、使用される特定の接続物質に応じて、冷却又は硬化の際に、内部応力が、通常の装置の動作温度付近の温度において最小化される、又は、装置に対する極限試験の温度逸脱における応力の両極限の略中間となるような方法で、接続部の形成に先立って細長の太陽電池サブモジュールアセンブリを湾曲させることによって、達成可能である。IEC 1646、IEC 1215又はIEC 62108規格に準拠するように設計された装置の場合、対象となる両極限の温度逸脱は、−40℃及び+90℃である。
【0057】
代わりに、封入に向けて、列/ストリング又はアレイ内に電気的に接続されたサブモジュールのシーケンスを形成する選択された後続のアセンブリ段階において実質的に平坦なサブモジュールを提供するため、最適な応力の制限ポイントは、動作温度範囲内において変更されたり、シフトされたりし得る。これもまた、使用される特定の接続物質に応じて、電気的接続部形成段階の温度又ははんだの固相/液相転移から、冷却又は硬化の際に、プロセス温度と次のアセンブリ段階用の環境温度との間の温度変化に起因する装置の内部応力が、次のプロセス段階に対して装置が十分に平坦であるようにバランスが取られるという方法で、接続部の形成に先立って、細長の太陽電池サブモジュールアセンブリを湾曲させることによって、達成可能である。代わりに、概略は上述のものと同じ方法を応用して、二つの競合する要件を最適化して、二つの個別の最適化されたポイントの間の或る応力ポイントを選択することによって、二つの競合する要件を適切に満たすことができる。上述の二つの方法のそれぞれを用いて、誘起される応力を破壊的な閾値未満に制限し、後続のアセンブリ工程に対して適切に平坦なものである安定で頑丈で長持ちする装置を提供することができる。
【0058】
図8の平面図を参照すると、場合によっては、保護酸化物、窒化物又はARコートの下のセル又は基板101の半導体やp拡散部802やn拡散部803等の拡散によってドープされた領域に電気的接続を設けることなく、細長の太陽電池101又は細長の基板101の一つの面の表面にわたって導電トラック804を適用可能であることが有益である。例えば、隣接する細長の太陽電池若しくは細長の基板、又は太陽電池若しくは基板のグループの並列相互接続を可能にする有益な追加の特徴は、細長の太陽電池又は細長の基板の縦方向(長手方向)のエッジ部の一つ上の電極805を同一の細長の太陽電池の反対側のエッジ部上の電極805に電気的に接続するために、太陽電池又は基板の面上に(太陽電池又は基板から)電気的に絶縁された導電トラック804を設ける性能である。例えば、細長のセルの一エッジ部上のnコンタクト805(又は負極805)は、同一のセルの他のエッジ部上のnコンタクト805に接続可能である。細長のセルの一つの縦方向(長手方向)のエッジ部上のpコンタクト806(又は正極806)は、同一の細長の太陽電池の反対側のエッジ部上のpコンタクトに接続可能である。特定の細長の太陽電池上のn及びpコンタクトは、太陽電池を短絡させることを防止するために、互いに電気的に絶縁されたままである。二つの物理的に(電気的にではない)反対側の電極の接続を容易に実現するため、並列相互接続部804が、細長の太陽電池又は基板シートアセンブリ上の適切な位置において個々の細長の太陽電池101又は細長の基板101の表面上にスクリーン印刷されて、短いラインのばらばらのアレイ内の同一の太陽電池又は基板シート上の対応する電極同士を相互接続する。一般的に、スクリーン印刷は、選択ウェーブはんだプロセスに先立って実施される。これによって、はんだプロセスで、並列相互接続スクリーン印刷ライン及び電極の間の小さなギャップを埋めることが可能になる。
【0059】
ラップアラウンド型電極を有する細長の太陽電池101又は細長の基板101から形成されたシートの場合、並列相互接続部804は、その上に傾斜蒸着501が部分的に及んで電極金属化部502、503を提供する太陽電池101又は基板101の面の上に形成される。有利には、コンセントレータ応用に用いられるシートの場合、並列相互接続部804は、電気的相互接続の提供、並びにコンセントレータレシーバへのコンセントレータシートの取り付け用の場所及び方法の提供という二重の目的で機能し、物理的結合と、太陽電池の熱吸収を行うための熱的接続とを提供する。更に、シートアセンブリに基づいた片面の太陽発電モジュール及びコンセントレータレシーバモジュールに対して、シートサブアセンブリの背面の部分的な被覆又は遮光は問題とならない。両面の太陽発電モジュールの場合、ラインの幅を減少させることで、遮光が、他の面に対するシート又はモジュールの一方の面の性能を顕著に妥協させないようにすることができる。
【0060】
同一の細長の太陽電池又は細長の基板の二つの反対側の縦方向(長手方向)のエッジ部上の電気コンタクト又は電極を互いに電気的に接続する理由の一つは、細長の太陽電池101の幅を横切らなければならない電流に起因する電気抵抗損失を減少させることである。これは、セルの幅が増大するにつれて細長の太陽電池にとって重要となり、又は、照度が高いために電流フローの高い集光された太陽光の下で細長の太陽電池が使用される場合に重要となる。一般的に、他の全てのパラメータは一定であり、一つのセルが発生させる短絡回路電流は、照度に線形に比例し、一つの太陽電池が達する開路電圧は、照度の対数に比例する。
【0061】
所定の電流で動作する細長の太陽電池に対して、二つの電極間のセル内部の抵抗損失は、細長の太陽電池の幅の二乗に比例する。しかしながら、nコンタクトが両方の長いエッジ部上に存在しpコンタクトが一方のエッジ部のみに存在する場合、又は、pコンタクトが両方のエッジ部上に存在しnコンタクトが一方のエッジ部のみに存在する場合、太陽電池の有効“電気”幅(電気抵抗の目的に対する)は半分となり、従って、細長の太陽電池内部の抵抗損失は四分の一となる。この構成のコンタクトを備えた細長の太陽電池は、一方のエッジ部上にnコンタクトのみを有し他方のエッジ部上にpコンタクトを有する細長の太陽電池に対して、その幅を二倍にしても、同じ抵抗損失を有することができる。
【0062】
スリバー(登録商標)セルの商業的生産にとって非常に重要なコスト要因は、そこからスリバー(登録商標)が形成されるオリジナルのウェーハの厚さである。微細加工技術の改良に伴い、ウェーハに形成される細長のスロット又は開口部のピッチを減少させることが可能になり、そのようにして形成された開口部及び細長の基板の両方が薄くなり、活性表面を増やすプロセス要因が改善される。同様に、ウェーハの厚さ、従って製造される細長の基板の幅を増大させることによって、取り扱い、試験、位置決め及び電気的相互接続に必要とされる素子の数が減少する。欠陥の無い微細加工、基板のピッチ及びウェーハの厚さは、スリバー(登録商標)技術の発展過程における重要なコスト要因である。基板のピッチは、その要因の中で特に異方性エッチ速度(所定のピッチに対して、ウェーハの厚さの限界を決定する)によって、限定される。より幅の広い基板(より厚いウェーハから製造される)に対してコストモデルは強力な要因であるが、性能のモデル化によって、最適な基板の幅が0.75から1.25mmであると示されている。しかしながら、これは、装置の両側の縦方向(長手方向)のエッジ部上に逆極性の電極のみを備えた細長の基板又は細長のセルにのみ関係する。図8に関して上述したような並列相互接続を実現することによって、性能の劣化なく、基板の幅が、1.5から2.5mmへと二倍となることが可能であり、従って、装置に必要とされる分離、取り扱い、ストレージ、アセンブリ及び電気的相互接続の数が事実上半分になる。所定の片面微細加工技術に対して、処理可能なウェーハの有効厚さは、両面配置及びエッチプロセスによって二倍にすることが可能である。二倍幅の細長のスリバー(登録商標)セル及び基板を実際に実現することを可能にする要点は、上述のような、単純ではあるが非常に価値があり効果的である個々のセルの並列相互接続プロセスである。
【0063】
図8は、ステンシル印刷、スクリーン印刷、蒸着金属又は印刷有機金属インクのトラック804を細長の基板又は細長の太陽電池101に用いて、同じ極性の二つのエッジ部コンタクト805を電気的に相互接続する方法の一つを示す。同様の機能は、ステンシル印刷よりはむしろ、はんだ及びスクリーン印刷の組み合わせを用いて達成可能であり、同じ電気的相互接続が、太陽電池又は基板の表面領域にわたって実施される。電気的相互接続のラインを設ける方法は他の多くのものが存在し、本願において適用可能な特許文献2の方法等が挙げられる。
【0064】
特に、細長のセル101の各エッジ部上のn拡散部803のnコンタクト805のみが、装置101の面の上にトラック804を用いて電気的に相互接続される場合があり得る。この配置は、n型拡散エミッタ(複数の両面の細長の太陽電池内において各セルの活性両面を覆う)内の電気抵抗が支配的である細長の太陽電池に対して適している。基板(つまり、装置の中心部を形成するバルクp型半導体)内の電気抵抗も重要な検討材料である場合には、上述のようにして電気抵抗を減少又は最小化するために、n及びpコンタクトの両方が、各エッジ部上に存在可能であり、電気的に接続可能である。
【0065】
細長の太陽電池シート又は細長の基板シートサブモジュールアセンブリの隣接するセル101間の直列接続は、一つのセルのp拡散部802上のpコンタクト806から、隣接するセル上のnコンタクト805へと、隣接する電極物質上の選択ウェーブはんだ形成された金属化部102を介して、設けられる。或る種の細長の太陽電池及び細長の基板は、太陽電池又は基板のエッジ部上のみに電極及び電気コンタクト用に堆積された金属化部を有する。或る種の形状のシート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリのアセンブリ中に、細長の太陽電池又は基板の電極金属化が、エッジ部に直接隣接する太陽電池の一つの面の上を包み込む(ラップアラウンドする)ことが便利である場合がある。ここで、好ましくは、これもまたエッジ部に直接隣接するが太陽電池モジュールに組み込まれる際に上面(つまり、動作中にサブモジュールアセンブリの太陽に向けられる面)に向けられた他の面(つまり反対側の面)の上は包み込まれない。
【0066】
図7を参照すると、セルの面506の上の部分的な金属化部を有する細長の太陽電池101は、細長の太陽電池が基板又はスーパーストレートにはんだ付けされるかそうでなければ直接電気的に接続される応用や、傾斜蒸着電極502及び503上の突出したはんだ接合701が電気的に絶縁される方法でシート装置を物理的に実装するために用いられたり、シートをヒートシンクに熱的に接続するために用いられる応用に適している。電気的相互接続は、従来の鉛錫はんだ、鉛フリーはんだ、導電性ポリマー、導電性エポキシ、電導電性エラストマー(極表面502、503に直接適用される)を用いて、設けることができる。導電トラック804は、スクリーン印刷、マスク金属蒸着、インクジェット印刷による導電性インク、ペースト若しくは有機金属物質の直接書き込み若しくは印刷、パッド印刷、Bステージ転写プロセス又は他の適切な物質転写法によって予め、細長のセル又は細長の基板の面に対して適用又は形成可能である。代わりに、導電トラック804は、セル又は基板が緩いシートアレイへと成形された後に、スクリーン印刷、マスク金属蒸着、インクジェット印刷による導電性インク、ペースト若しくは有機金属物質の直接書き込み又は印刷、パッド印刷、Bステージ転写プロセス又は他の適切な物質転写法によって、セル又は基板の面に対して適用又は形成可能である。同様のプロセスを、基板又はセルが、物理的及び電気的相互接続シートへと成形された後に、適用することもできる。好ましくは、物理的接続、直列電気的接続、並列電気的接続は全て、特許文献2に記載されている選択ウェーブはんだプロセスを用いて、同時に実施される。
【0067】
個々の細長の太陽電池又は細長の基板の同一極性の電極間の接続部804は、電気的接続、熱的接続の手段、そして、構造の物理的完全性を確実なものにする隣接装置の機械的接着用の構造を提供する多目的接続部であり得る。例えば、隣接する細長の太陽電池同士又は隣接する細長の基板同士は、はんだ(細長のサブアセンブリ又はプレアセンブリサブモジュールに必要とされる適切な電気的、熱的及び機械的性質の全てを提供する)のみによって細長のシートを形成するように互いに固定可能である。更に、これによって、他の形態の接着剤が必要でなくなる。また、特許文献2に記載されているようなはんだ工程は、何らかのステンシル印刷、印刷又は分配を必要とせずに実施される。これは、非常に重要で限りなく有利な特徴である。何故ならば、サブモジュールアセンブリの大規模製造に必要とされるスケールでのはんだペーストの分配又はステンシル印刷は、インフラツール、消耗品、プロセス物質、時間、クリーニング及び廃棄物処理に関して、高価なプロセスだからである。
【0068】
はんだペーストを適用する段階を省略することで、時間のかかる一連のプロセスである印刷、リフロー、クリーニング、ツールのクリーニング、消耗品、廃棄物の取り扱いが、それに関連する歩留まり及び信頼性の問題と共に、排除されて、アセンブリプロセスが単純化される。従って、標準的な太陽電池アセンブリを形成するはんだプロセス全体が、接着剤を必要とせずに、高価なツールを必要とせずに、追加の高価な物質を必要とせずに、追加の複雑な取り扱い段階を必要とせずに、そして、追加の廃棄物処理及び廃棄を必要とせずに、はんだ相互接続部を形成する単一でクリーンで非常に高速で信頼でき歩留まりが高く且つ単純なプロセス段階に置換される。特に有利なはんだプロセスは、本願においてその全内容が参照として組み込まれる特許文献2に記載されている。
【0069】
特許文献3に記載されているプロセス等のように、太陽電池同士の間隔を空けることが有利となり得るが、細長のセルが十分安価に製造可能である場合、これによって、組み込まれるシリコンのコストを主に減少させる(シリコンが主要なコスト要因であるような場合である)というよりもむしろ、パッケージングや物質等に関連するコストを減少させるようなモジュール効率の最大化に向けて、コスト要因のバランスが変更される。本願で説明されるような第二世代のスリバー(登録商標)技術における最近の広範な改良(シリコンウェーハ供給原料のコストが、従来のモジュールの太陽発電モジュールと比較して顕著に減少しており、完成品の細長の太陽電池モジュールのコストの僅かな部分へと減少している)によって、ドル/ワットのモジュール電力における主要なコスト要因は、セル効率となっており、特に、サブモジュールの面積効率、従ってモジュール開口効率となっている。これらのコスト要因に関連するのは、改良されたサブモジュールデザイン、改良されたサブモジュールの取り扱い及びアセンブリ、改良された試験、ビンニング、バッファストレージを必要とする実現可能な技術の顕著な進歩であり、即ち、本願で説明される方法及びプロセスの動機である。
【0070】
“コンセントレータシート”と本明細書において称される好ましい実施形態の一つにおいて、細長の太陽電池は、コンセントレータシートの一つの面の表面全体に対して、その表面の外面より上に導電体の突出部が存在しないように(つまり、細長の太陽電池の面によって形成されるシート面の一つが実質的に平坦であり、コンセントレータシートの表面より上には導電体が存在しないように)、細長の太陽電池のエッジ部上の電極又は電極金属化部の長さ方向に沿って連続的又は半連続的に電気的及び物理的に相互接続される。代わりに、導電体及び障害物の存在しない領域を、トラック又は経路に閉じ込めることが可能であり、好ましくは、細長の基板の縦軸に対して横方向に表面にわたって延在する並列又は多重並列のトラック又は経路とされる。これらの平坦な領域間に突出部が存在する場合には、レシーバの長さ方向に走るあわせ溝に収容することが可能である。導電体の存在しない表面は、レシーバアセンブリ上にコンセントレータシートを実装するために用いられ、良好な機械的支持及びコンセントレータシートから熱吸収するための良好な熱接触を提供する。細長の太陽電池の表面上の、つまりはコンセントレータシートの平坦な表面の実装表面上の酸化物又は酸化物/窒化物積層体の元々の絶縁性能は、熱伝導性ではあるが電気絶縁性のエポキシ等の絶縁性実装媒体や、同様の性質を備えたBステージ接着剤や、コメリックステープ(Chomerics Tape)等のテープ実装オプションを用いて、増大可能である。この構成は、集光された太陽光の下での使用に特に適している。
【0071】
代わりに、細長の太陽電池は、細長の太陽電池の長さ方向にわたって、従ってコンセントレータシートの長さ方向に沿って経路が存在するように、細長の太陽電池のエッジ部上の電極又は電極金属化部の長さ方向に沿って連続的又は半連続的に電気的及び物理的に相互接続可能である。これらの経路は、ミリメートルからセンチメートルのオーダの幅であり得る。経路とは、細長の太陽電池によって形成されるシートの表面が実質的に平坦であり、その平面に導電体が存在しないコンセントレータシートの一つの面上の領域のことである。この構成は、電気コンタクトがセルの表面上に、好ましくはセルの背面上に存在している細長の太陽電池に特に適している。電気的及び物理的コンタクト領域は、細長の装置の縦軸に対して横方向のコンセントレータシートの長さ方向に走るストライプに閉じ込められる。ストライプは、ミリメートルからセンチメートルのオーダの幅のものであり得て、これもまたミリメートルからセンチメートルのオーダの幅のものであり得る導電体の経路の存在しない領域又はストライプによって分離され得る。
【0072】
導電体の存在しない経路の領域は、レシーバアセンブリ上にコンセントレータシートを実装するために用いられ、良好な機械的支持及びコンセントレータシートから熱吸収するための良好な熱接触を提供する。細長の太陽電池の表面上の、つまりはコンセントレータシートの平坦な表面の経路領域上の酸化物又は酸化物/窒化物積層体の元々の絶縁性能は、熱導電性の電気絶縁性エポキシ等の絶縁性実装媒体や、同様の性質を備えたBステージ接着剤や、コメリックステープ等のテープ実装オプションを用いることによって、増大可能である。ヒートシンクの表面又はレシーバの実装表面は、レシーバアセンブリの長さ方向に走る溝でリセスされ、突出する電気的相互接続部(これもまたサブアセンブリ構造に対する物理的支持を提供する)を収容する。コンセントレータシートは、電気接続部を収容する溝間の場所を介して実装され、熱吸収される。この構成も、集光された太陽光の下での使用に特に適している。
【0073】
細長の太陽電池は、高電圧低電流性能を有するため、集光された太陽光応用における使用に特に適している。集光された太陽光の下での細長のシリコンの太陽電池の最大電圧は、0.75ボルトもの高さになり得る。細長の太陽電池の典型的な幅は、略0.7mmから3mmである。従って、細長の太陽電池アセンブリアレイに対して、電圧は最大10ボルト/センチメートルの割合で高まり、これに対応する割合の小さな電流という利点を有する。
【0074】
従って、細長の太陽電池(結晶若しくは多結晶シリコン又は他の太陽電池物質から形成され、片面又は両面のものであり、薄い又は厚い、コンセントレータシート等のサブモジュールアセンブリへと成形される)は、従来の太陽電池の代わりにリニアコンセントレータシステムにおける使用に特に適している。各細長の太陽電池は、電極の構成に応じて、また、その細長の太陽電池が両面太陽電池であるか片面太陽電池であるか前面接触太陽電池であるか背面接触太陽電池であるかエッジ部表面接触太陽電池であるかに応じて、各エッジ部の長さ方向に沿って(連続的又は断続的に)その隣のものに直列接続可能であり、又は、エッジ部と面との間で直列接続可能であり、更には、複数の面と複数のエッジ部との間で、複数の面と複数の面との間でも直列接続可能である。
【0075】
従って、電流は、従来のコンセントレータ太陽電池が用いられる場合に生じるような一連の交互の横及び縦(螺旋)方向というよりもむしろ、コンセントレータシートレシーバの縦軸に平行な一方向のみに実質的に流れる。更に、細長のセル間の直列接続部によって占められている空間は、エッジ部接触の細長の太陽電池では相対的に非常に小さく、背面接触太陽電池では事実上存在しないので、少量の太陽光しかこれらの電気的接続部(コンセントレータシートサブモジュールの取り扱い及びアセンブリの前、間及び後における物理的又は機械的支持という二重の目的で作用する)で吸収によって失われない。更に、細長の太陽電池から構築されたコンセントレータシートサブモジュールアセンブリの、つまりは細長の太陽電池サブモジュール(コンセントレータシート等)から構築されたコンセントレータレシーバの直列抵抗損失は、照射領域の幅にほとんど依存しない。
【0076】
数多くの利点が、各細長の太陽電池のエッジ部のみにおいて電気的接続を含む特定形状の細長の太陽電池の特徴からもたらされる。本願で説明されるシート及びコンセントレータシートにおいて、電気的接続は、シート又はコンセントレータシートの列の四つのエッジ部内の二つにおいて必要とされるものではない(ここで、これら対象となる“二つのエッジ部”とは、サブモジュールアセンブリ内部において太陽電池の線形アレイを形成する構成成分となる細長の太陽電池の端部によって形成されるもののことである)。何故ならば、接続は、隣接する細長の太陽電池の電極の一つ以上の導電性経路や、電極金属化物質や、隣接する細長の太陽電池の電極の両側の縦方向(長手方向)のエッジ部間の機械的支持構造を形成する導電体、つまりは、細長の太陽電池シート又はコンセントレータシートサブモジュールアセンブリの機械的支持及び電気的相互接続部によって、提供されるものだからである。これは、シート又はコンセントレータシートの複数の平行な列を、各列の間に一つの狭い間隔しか必要とせずに、単一のコンセントレータレシーバ上に使用できるということを意味する。背面コンタクトの細長のシートの場合、全電気的相互接続ネットワークを、コンセントレータシートの後ろに隠すことができ、電気的相互接続部の間を交互に平行に走る熱吸収及び実装平坦空間を備えた列又は帯に閉じ込めることができる。
【0077】
隣接するコンセントレータシートの列の間の間隔の幅は、単に、電気的絶縁、及び、コンセントレータシートサブモジュールアセンブリの物質とレシーバ物質との間の異なる熱膨張によって誘発される応力に対する要求に合致するためのものである。従って、コンセントレータシートサブモジュールから構築されるレシーバは、比較的幅広になり得て、最大で数十センチメートルとなり、電気的相互接続部上で無駄になる集光照射に対して露出される表面領域が実際上存在しない。例えば、現在製造されている従来の50サンのコンセントレータの寸法は幅42mm×長さ50mmである。この従来のコンセントレータセルに必要とされる最小のレシーバのリアルエステート領域は、幅65mmであり、電気接続タブ化バスバーの各面に2mmの間隔が許容され、レシーバの長さ方法に沿って51mmのピッチが許容される。従来のコンセントレータセルを装着された多重列レシーバに対して、この構成は、集光された太陽光の63%の利用を実現する。面積利用が非常に悪いことを別にして、この構成は、レシーバ及び封入材を無駄にし、レシーバアセンブリの電力対重量比を減少させ(この点は、レシーバのトラッキングに対して非常に重要な検討点である)、更に、重くて効率の悪いレシーバを支持するために必要とされる大型の構造部材に起因する更なる遮光問題が引き起こされることによって、システム性能が妥協されてしまう。無駄になるレシーバの活性領域は、構成セルから同じ比率の出力を生じさせるために、より大きなミラーが必要とされるということも意味する。
【0078】
これに対して、コンセントレータシートサブモジュール太陽電池を装着された多重列レシーバについては、コンセントレータシートの構成成分の細長の太陽電池がそれぞれ長さ50mm及び長さ100mmであり、シートの列の間に2mmのギャップがあると仮定して、対応する構成は、集光された太陽光の96%から98%の利用を実現可能である。レシーバの長さ方向に沿った熱誘起応力を別として、コンセントレータシートアセンブリの有効長さ又は実際の長さに対する物理的な制限は、システム電圧長以下においては存在しない。従って、従来のコンセントレシーバの場合のようなセル間の頻繁なギャップが必要とされない。コンセントレータシートは、優れた面積利用を提供し、レシーバ及び封入材の物質の無駄を省き、レシーバアセンブリの有効電力対重量比を顕著に増大させ(上述のように、レシーバのトラッキングに対して非常に重要な検討点である)、更に、軽量で効率的なレシーバを支持するために必要とされる構造部材のサイズが減少することにより遮光問題が減じられることでシステム性能が増強される。再生されたレシーバの活性領域は、構成成分のセルから同じ比率の出力を生じさせるために必要とされるミラーがより小さくなるということも意味する。代わりに、システム性能は、標準的なミラー上のコンセントシートレシーバを用いることによって増大可能であり、低品質で安価なミラーを用いることによる性能の妥協無く、コストを削減可能である。
【0079】
コンセントレータシートサブモジュールの使用は、多重ミラー又はワイドミラーが単一の固定されたレシーバ上に光を反射するコンセントレータ応用において特に利点を有する。このような応用において、照射レベルは各列に対して(つまりレシーバの幅方向に沿って)異なり得るが、コンセントレータシートの各列は、縦方向に(つまり、レシーバの長さ方向に沿って)一様な照度又は光束を有する。
【0080】
ワイド又は多重ミラーが用いられる応用においては、従来のコンセントレータ太陽電池を用いた場合、直列抵抗を制御すること、ワイドレシーバの幅方向に沿った不均一な照射に付随する問題を管理すること、及び、列とセルの間の無駄な空間を最小化することが困難であった。これは、上述の理由により、本願で説明される細長の太陽電池のコンセントレータシートサブモジュールの場合には当てはまらない。
【0081】
本願で説明されるシート及びコンセントレータシートの更なる利点は、細長の太陽電池から形成されているためにレシーバの電圧が大きくなり、光起電システムに付随するインバータ(DC電流をAC電流に変換するために用いられる)の電圧アップコンバージョン段階を省略することができることである。更なる利点は、各シート又はコンセントレータシートが、他のシート若しくはコンセントレータシート、又はシート若しくはコンセントレータシートのグループに対して電気的に並列に動作可能であることである。細長の太陽電池アセンブリを用いて電圧を非常に早く生じさせることができるので、比較的短い列のシート若しくはコンセントレータシートで、又は、比較的小さな太陽発電モジュール若しくは比較的短い長さのコンセントレータレシーバで、システム電圧に到達可能であり、又は、実用的に到達する。また、適度なサイズの太陽発電モジュール又はコンセントレータレシーバにおいて数倍から何倍ものシステム電圧に実用的に到達する。これは、太陽発電モジュール内部又はコンセントレータレシーバの長さ方向に沿う多数の列が、電圧を生じさせるために直列で従来太陽発電モジュールを稼動するための一般的な要求というよりもむしろ、並列で稼動可能であるということを意味する。太陽発電モジュールのサブセクションを並列で稼動させることは、同様の条件下で動作する従来の太陽発電モジュールと比較した際に、保護バイパスダイオードに対する要求を劇的に減少又は排除することを可能にし、また、実際の遮光に起因するシステム性能の損失を大幅に減じる逆バイアス保護に対して、顕著な利点を有する。
【0082】
平板太陽発電モジュールの場合、シート間の及びシートの列間の並列接続性能は、照射の非一様性(例えば、モジュール表面上のデブリによる部分的な遮光や、遮光を生じさえる侵入物に起因する)によるモジュール出力への影響を大幅に減じることが可能である。
【0083】
本願で説明されるシート及びコンセントレータシートが、特にコンセントレータ応用に関して、既存の細長の太陽電池の使用に対して顕著な利点を提供し、平板コレクタにおける従来の太陽電池の使用に対していくつかの主要な利点を提供することは明らかである。特に、太陽発電モジュール又はコンセントレータレシーバに細長のセルを一つずつ配置することが、細長の太陽電池シート又はコンセントレータシート(それぞれ、典型的には、数十から数百の個々の細長のセルを含む)の使用によって、回避される。大面積における個々の隣接する細長の太陽電池間の電気的相互接続に対する正確な位置決め及び物質の要求が、本願で説明される高性能高面積効率の細長のシート又は細長のコンセントレータシートサブモジュールアセンブリによって、回避される。更に大きな利点は、支持基板や部材に対する要求、これらの基板や部材の準備、そして、電気接続部形成のための支持基板や部材の整列の排除である。更なる利点は、高面積効率サブモジュールシートアセンブリをアセンブリする性能であり、細長の太陽電池を含む太陽発電モジュールの効率を上昇させ、よって、モジュール出力のドル/ワットでのモジュールの材料コストを減少させる。
【0084】
各シート又はコンセントレータシートは小さいため、細長の太陽電池又は細長の基板は、構成成分の十分に正確な位置決めを可能にする機械的ジグに安価にアセンブリ可能である。更に、シート及びコンセントレータシートサブモジュール内部における構成成分の細長の太陽電池又は細長の基板の間の電気的相互接続を、取り扱い、配置、熱容量障害に付随する問題なく、比較的容易に実現可能である。ここで、細長の太陽電池は、細長の太陽電池を取り入れた一部の従来技術の太陽発電モジュールの場合のような支持ガラス基板に予め取り付けられ得る。サブアセンブリ構造内に取り入れられた電気的相互接続を備えた所望の数のシート又はコンセントレータシートを展開して、所望の形状、面積、電流及び電圧特性、並びにそれらに関連する出力を備えた太陽発電モジュール又はコンセントレータレシーバをそれぞれ形成することができる。シート又はコンセントレータシートサブモジュールアセンブリを形成する細長の太陽電池間の電気的モジュールアセンブリ間接続を設ける方法及びプロセスは、特許文献2に説明されている。特許文献2には、単純に従来の物質を用いて、電気的相互接続を設けるために用いられる導電体(好ましくははんだや鉛フリーはんだ(他の導電性ペースト、エポキシ、エラストマー、シリコーンもあるが))以外の追加の構造又は支持部材を用いずに、高面積効率の細長のサブモジュールアセンブリを形成するために用いることのできる他の方法及びプロセスもいくつか説明されている。
【0085】
同様の利点は、細長の太陽電池シート又はコンセントレータシートから太陽発電小型モジュールを形成することにも付随する。小型モジュールは、家電に電力供給するために、又は小型バッテリーを充電するために人工光(時折、太陽光)を利用する小型光起電モジュールであり、単一の太陽電池によって提供可能なものよりも一般的に大きい適切な電圧を届ける。
【0086】
本願で説明されるシートは、フレキシブル物質に封入及び実装可能であり、レキサン(登録商標)(Lexan(登録商標))ポリカーボネートフィルム、テフゼル(登録商標)(Tefzel(登録商標))等のフッ化ポリマーフィルム、テドラー(登録商標)(Tedlar(登録商標))等のポリエチレンフィルム、カプトン(登録商標)(Kapton(登録商標))等のポリイミドフィルムが挙げられ、これらは全て、特定の応用に対して必要とされるようにシート状、フィルム状又はテープ状であり、薄型の細長の太陽電池の柔軟性の利点によってフレキシブル光起電モジュールを形成する。当業者には、これらの物質(従来のもの及び非従来のものの両方であり、はんだ、鉛フリーはんだ、接着剤、導電性接着剤、フレキシブル導電性接着剤が含まれる)の非常に広範な適切な物質及び組み合わせを用いて、本願で説明される細長のシート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリを形成することができるということは明らかである。
【0087】
薄型でフレキシブルな細長の太陽電池を用いて製造されたシート及びコンセントレータシートの柔軟性を活用する他の方法は、リジッドな湾曲した支持構造上にコンフォーマルにシート又はコンセントレータシートを実装することである。従来の太陽電池を用いてこのような目標を達成することは実際不可能であり、不可能ではないとしても、細長の太陽電池に対してある種の形状のロボット“ピック・アンド・プレースマシーン”を用いてこのような目標を達成することは非常に困難である。代わりに、シート又はコンセントレータシートを平坦な支持構造上に実装しその後所望の形状に湾曲させることが可能である。
【0088】
湾曲したレシーバを製造する性能は、リニアコンセントレータレシーバに対して顕著な性能上の利点を有する。余弦損失(ワイドミラー又は短焦点距離システムに対して実質的なものとなり得る損失)が排除されるだけではなく、レシーバ前面からのフレネル反射も最小化される。何故ならば、集光された光は、レシーバ及び内部コンセントレータシートサブモジュールの両方の湾曲した表面に対して垂直入射でレシーバ表面のあらゆる点に当たるからである。これらの損失は常に角度に比例し、単純に角度の関数であるが、高集光については、エネルギー損失の絶対量は実質的なものとなる。
【0089】
細長のサブモジュールに対する適切な支持構造の一例は、建築応用のための湾曲したガラスである。ポリマー技術の最近の改良により、UV安定ポリマー、レキサン(登録商標)ポリカーボネート等の物質、UV安定アクリルも実現されており、湾曲した細長のシート太陽電池サブモジュールを取り入れた太陽発電モジュールの建築応用に適している。
【0090】
薄型の細長の太陽電池シートサブアセンブリの柔軟性を活用する応用の他の例は、押出アルミニウムや他の適切な物質から製造された湾曲したリニアコンセントレータレシーバ上にコンセントレータシートを実装することである。このようにする利点の一つは、コンセントレータシート中の個々の細長の太陽電池が、リニアコンセントレータ光学素子のエッジ部領域から反射又は屈折した太陽光からでさえも、垂直に近い入射照射を受けることである。薄型でフレキシブルな細長の太陽電池から構築されたコンセントレータシートサブモジュールの場合、柔軟性という観点からは、セル及びコンセントレータシートサブモジュールの向きは重要ではない。しかしながら、システム性能の観点からは、レシーバにわたる集光された光束の変化の影響を最小化するために、コンセントレータシートサブモジュールはレシーバ上に、細長の太陽電池の長軸がリニアコンセントレータレシーバの長軸に対して横方向になるように実装されることが望ましい。細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートの特殊属性は、幅に関して直列に電気的に接続された細長の太陽電池の長さ方向に沿った光束の変化を、細長のセルにわたるもの(直列に接続された太陽電池の列に対する照射の変化に対応する)よりもはるかに良く対処する。
【0091】
本願で説明される細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートは、太陽電池の製造中に起こり得るいくつかの困難性(小型太陽電池に対する特定のセルプロセス段階の実行にとって不都合またはそれを困難にし得る)にも向けられており、それに対する解決策を提供する。例えば、特許文献1に記載されているように、細長のセルがシリコンウェーハ(そこからセルが形成される)の残存部分から取り除かれるまでは、一表面上にリフレクタを形成するために細長の太陽電池の面の一つを金属化することが困難であり得る。他の例は、細長の太陽電池への反射防止コーティングの適用であり、一部の状況においては、電極金属化部が完成した後に実施した方がより便利であり得る。しかしながら、この事は、反射防止コーティングが電極金属化部を覆ってしまう危険性を伴い、各セルとの電気コンタクトを設けることを困難にする。適切な物質が細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートを形成するために選択される場合、反射防止コーティングや反射コーティング等の層は、蒸着、化学気相堆積、スプレー堆積や他の方法によって、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートがアセンブリされて電気的に相互接続される間若しくは後に、又は、細長の基板シート及びコンセントレータシートが、後続のセルプロセス段階に向けてプレモジュールへとアセンブリされて電気的に相互接続される間若しくは後に、堆積可能である。
【0092】
同様に、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールは、構成成分の太陽電池の表面の電気的パッシベーションについて、より便利な方法を提供可能である。電気的パッシベーションは、プラズマ強化型化学気相堆積(PECVD,Plasma−enhanced chemical vapour deposition)法によって堆積させた窒化シリコン等の物質を用いて、又は、セルの表面上にアモルファスシリコンを堆積させることによって行われる場合がある。このようなコーティングは、良好な表面パッシベーションを達成するために、高温処理に対する必要性を除去する。一部の場合、通常の細長の太陽電池の処理中にこの段階を行うことは原理的に困難又は不可能である。何故ならば、PECVD窒化はコンフォーマルなプロセスではないからである。
【0093】
ポストアセンブリの細長の太陽電池サブモジュールアセンブリ処理の有効性の特定例として、PECVDによる窒化シリコン堆積はコンフォーマルではない。結果として、シリコンウェーハの他の部分に取り付けられたままで、ある種の形状の細長の太陽電池の表面を適切にコーティングすることは難しい。しかしながら、この特定の種類の細長の太陽電池を含む細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールのアセンブリ中又は後においては、このプロセスを適切に行うことができる。
【0094】
細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートを形成するために用いられる細長の太陽電池は、いくつか種類に製造可能である。それらの種類としては、その“薄さ”が150マイクロメートル未満である又は単に従来のウェーハよりも薄い薄型の細長の太陽電池; 電極が太陽電池の面上に存在する又は部分的に面上に存在する薄型の細長の片面太陽電池;電極が佩用電池のエッジ部と面の組み合わせ上に存在する薄型の細長の片面太陽電池; その“厚さ”が150マイクロメートル以上であると定義される又は単に従来のウェーハ(そこから太陽電池が構築される)と同じ厚さである厚型の太陽電池; セル電極がセルのエッジ部上に存在する厚型の細長の両面太陽電池; 電極が太陽電池の面上に存在する又は部分的に面上に存在する厚型の細長の片面太陽電池; 電極が太陽電池の面及びエッジ部の組み合わせに存在する厚型の細長の片面太陽電池が挙げられる。
【0095】
細長の太陽電池を備える細長の太陽電池シート及びコンセントレータシート等の太陽電池サブモジュールアセンブリにはいくつかの独特の特徴があり、これらのアセンブリを従来のセル及び従来のセルのサブアセンブリと区別している。
【0096】
例えば、細長の太陽電池は大抵の場合、実質的に平坦な配置で収容される。細長の太陽電池は、一次元の線形アレイ又は縦方向に平行なセルの列へと組織化され、セルが、そのセルの縦軸が線形アレイの方向(一般的に、電圧加圧(voltage−building)方向と定義される)に対して横方向になるように並べられる。これにより、一つのセルの電極のエッジ部は、隣接セルの電極のエッジ部に隣接して配置される。これは、従来のセルからアセンブリされた大抵の装置、又は、小面積のダイシングされた従来のセルから組み立てられた装置とは対照的である。ここで、従来のセル又はダイシングされた従来のセルのアセンブリの目的は主に、装置の出力電圧を、小型又は携帯型低電力電気装置(計算機等)に電力供給するのに適したレベル、又は、低電力バッテリー充電(携帯電話の充電や携帯型音楽プレーヤーのバッテリーの充電等)に適したレベルに高めることである。このような装置において、セルは正方形又は正方形に近いことが多く、二次元の平坦なアレイへと組織化されることが多い。
【0097】
高面積効率の細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートを形成する細長の太陽電池は、全面積に対して又はシート若しくはコンセントレータシートサブモジュールによって占められるフットプリントに対して、照射に晒される細長の太陽電池の活性な表面積を最大化するような方法若しくは配置となるように、サブモジュールアセンブリのリニアアレイを形成する一様若しくはほぼ一様若しくは繰り返しのセルパターンで、隣接セルに対して相対的に固定される。隣接セル間の及び隣接サブモジュール間の間隔を最小化する目的は、所定の面積の太陽発電モジュールにおいて細長の太陽電池の表面積を最大化し、よって、モジュールの単位面積あたりの出力を最大化することである。平板の場合、従来通りに実装された太陽発電モジュールは、両面の細長の太陽電池シートサブモジュールを用いて構成される。この密にパッケージングされた配置は、出力を最大化するのと引き換えに、両面の細長の太陽電池の利点を犠牲にしている。しかしながら、両面太陽発電モジュールの場合、セルの両面が完全に利用され、両面モジュールの単位面積あたりの出力も最大化される。
【0098】
細長の太陽電池シートサブモジュールから構築されたモジュールは、従来の太陽電池と比較して、単位面積当たりの非常に高い電圧を生じさせることができる。電圧を略一ボルト/ミリメートルの割合で高めることができるので、その割合が典型的には略1ボルト/10〜30センチメートルである従来のモジュールと比較すると、細長の太陽電池シートサブモジュールに基づいた小型のPV設備を、電圧アップコンバージョン変換段階の省略を可能にするのに十分高い電圧で動作させることが可能であり、従来の太陽発電モジュールにおいて用いられる低電圧高電流の従来のセル及びバスバーに関連する通電容量に対する要求(従来のPVモジュールアレイに対して致命的な欠陥である)を顕著に減じる。
【0099】
更に、細長の太陽電池シートサブモジュールから構築されるモジュール内の顕著な面積のサブモジュールアセンブリセルアレイは、並列で動作可能でありながら、高いモジュール出力電圧を保持している。このことは、バイパスダイオード保護に対する要求無しに、部分的な遮光損失、入射の減少、及び、太陽発電モジュール逆バイアス動作の程度の減少を通じての年間エネルギー出力の顕著な改善を提供し、また、従来のセル及びモジュールと比較して、セルの熱係数に起因する低いモジュール及びセル動作損失等の他の利点を提供する。
【0100】
細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリを形成する複数の細長のセルは、細長の太陽電池シート及びコンセントレータシートサブモジュールアセンブリ内の構成要素の細長のセル間の電気的相互接続が包括的で完全なものであるような統合的な方法で電気的に相互接続されることが好ましく、太陽発電モジュールを形成するためのサブモジュールのアセンブリの際に、シート又はコンセントレータシートサブモジュールアセンブリ自体の間の、サブモジュールシート又はコンセントレータからバスバーの間の、サブモジュールのグループ間の、サブモジュールのアレイとバスバーとの間の、サブモジュールのグループと他のサブモジュールのグループとの間の電気的相互接続以外には、サブモジュールアセンブリ内の更なる内部電気的相互接続が必要とされなくなる。
【0101】
複数の細長のセルの実質的に平坦なアレイの構成は、隣接する細長の太陽電池間の電気的相互接続部を形成する導電体以外には、外部又は追加の支持構造や物理的支持部材無しで、機能的シート又はコンセントレータシートサブモジュール内にアセンブリ可能である。
【0102】
構成要素の太陽電池が熱吸収されることを要する光起電モジュール応用(コンセントレータシステム等)においては、細長の太陽電池は、セル表面を介して、又は、セルアレイの金属化部分(コンタクトストリップ804等)を介して、ヒートシンクに熱的に接続可能である。コンセントレータシートサブモジュールアセンブリ(図9に示されるようなもの等)において、セル101とヒートシンク903との間のこの熱的接続は、熱伝導性接着剤を用いて、又は、熱抵抗が十分に小さくなるような非常に薄い従来の接着剤の層を用いて、又は、細長の太陽電池101間の電気接続、及び細長の太陽電池101と実装又はヒートシンク接続基板901とヒートシンク903との間の電気接続を形成するために用いられる物質によって、達成可能である。特に、電気接続部201は、上述の及び特許文献2に記載されたはんだプロセスを用いて設けることが可能であり、実装基板901又はヒートシンク903への細長の太陽電池の良好な熱的接触も設けられる。薄い電気絶縁性層を用いることで、細長のセルとクロスビーム(横桁)又は基板との間の電気接続を提供すること無く、太陽電池とヒートシンクとの間の良好な熱的接触が可能になる。このような理想的な薄い電気絶縁層の一つは、シリコンウェーハの表面上に成長させた酸化層である。シリコンウェーハ又はシリコンウェーハの一部は、ヒートシンクに熱を移すために用いられる。酸化層は金属化可能であり、シリコン酸化層によってウェーハ基板から電気的に絶縁された金属を備え、シートアレイの金属電気接続部をシリコンに熱的に接続するために用いられる金属表面を備え、好ましくははんだを用い、電気的に絶縁された方法でヒートシンクに接続される。代わりに、コンセントレータシートの背面は、太陽電池酸化物又は酸化物/窒化物のパッシベーション積層体上において、セルの中心線付近の細長のセルに沿って縦に走る金属化部の連続又は半連続線を有し得る。この金属化部は、上述のようにはんだによってヒートシンクに接続される。このプロセスの特別の利点としては、良好な熱伝導経路を設けることの容易性、熱伝導経路が電気的絶縁性であることを確実にすることの容易性、同一のはんだプロセスにおいて、独立の経路を介して、電気的及び熱的相互接続部の両方を提供することの簡易性が挙げられる。
【0103】
シリコンは高熱伝導性物質である。集光された太陽光に照射された際においても、細長の太陽電池又は細長のシートサブモジュールの一表面全体をヒートシンクに直接接続する必要はない。熱は、シートモジュールアセンブリに対して横方向に、構成成分の細長の太陽電池の長さ方向に沿って、熱吸収が行われる領域に伝導する。細長の太陽電池がエッジ部間で電気的に接続されている場合(シート又はコンセントレータシート等の場合)、全ての細長の太陽電池がヒートシンクに接続される必要はない。熱は、一つの細長の太陽電池から、電気的相互接続を通って、隣接する細長の太陽電池(ヒートシンクに熱的に接続されている)に流れ得る。場合によっては、熱は、この方法で、ヒートシンクに接続されているセルに達するまで、複数の細長の太陽電池に対して流れ得る。
【0104】
図9を参照すると、細長の太陽電池101は、シートアレイに配置され、又は、熱伝導性基板若しくはヒートシンク901に実装される。基板901は、シリコンや、細長の太陽電池101に実質的に匹敵する熱膨張係数を有する他の高熱伝導性物質から成ることが好ましい。代わりに、基板は、コパル(Copal)金属などの低膨張金属や、他の低熱膨張金属であってもよい。基板901は、隙間やキャビティ904を有する熱伝導押出部903に接続される。熱交換流体(空気、水、グリコール等)は、キャビティ904内を循環可能である。図9に示される細長の太陽電池サブシステムアセンブリは、両面太陽コンセントレータシステムにおいて、シートベースのサブモジュールアセンブリマイクロレシーバとして利用可能である。このようなサブシステムは、電圧出力の要求に応じた、あらゆる数の細長の太陽電池を、あらゆる長さのシートアレイに配置して、含み得る。
【0105】
[シートへの電気的接続の形成]
細長の太陽電池及び細長の基板の分離、取り扱い及びアセンブリの複雑性は、比較的多数の装置を同時に処理可能な方法を用いることのみによって簡略化可能である。同時の試験、輸送及びアセンブリは、特許文献3に記載されている低効率のラフト(いかだ)、メッシュラフト及びボートや、本願に記載される高効率シートの裏に潜む他の動機である。シート及びコンセントレータシートサブアセンブリ並びに細長の基板プレアセンブリにとって好ましい電気的相互接続方法の詳細は、特許文献2に記載されている。
【0106】
クリップのタブ化、細長のセル及び細長の基板シート、細長のコンセントレータシート、細長のコンセントレータ基板シートのタブ化、シート間電気的接続のための、及び、シートからバスバーへの電気的接続のための相互接続方法を以下に説明する。
【0107】
図12を参照すると、シート間電気的相互接続クリップ1701は、二つの細長の太陽電池シートを電気的及び物理的に相互接続する。クリップ1701の上面及び下面は、電極202及び203並びにシートの端部における細長の太陽電池101又は細長の基板101の一部(互いに電気的に接続されている)の上下に延在する。上面1701及び下面1801のタブは、二つの隣接するシート表面の位置決め及び保持の作用を果たし、電極202及び203の方向に沿って延在するフィンガー部分は、クリップ1701のフィンガーの端部に毛細管作用ではんだを引き込む作用を果たし、個々の電極に沿って、隣接するシートサブモジュール間に確実な接続を提供する。
【0108】
後述するように、クリップ1701は、接着テープ供給機(そこから後述のシート架線ユニットに供給される)に格納されている。クリップは図13により詳細に示されていて、図13は、図12に示されるシート間電気的相互接続クリップ1701のスケール通りではない概略の平面図である。実際には、クリップは、セル又は基板101の上部及び下部1801にわたって100μm未満で延在する。この概略図では電極は非常に厚く示されているが、実際の厚さは2から5μmのオーダであり、クリップ1701は3から5mmのオーダの長さである。クリップは、銅のシム又は箔の一回のスタンピングで形成され、平行な切断部の対向する対(この場合4対)が、箔の縦軸に垂直な方向に細長の矩形の箔にわたって部分的に形成される。これらの切断部は、タブが箔の元々の平面に垂直になるように交互方向に変形された対向するタブの対応する対(この場合、10対)を画定する。形成されると、その後、クリップ1701は、ピックアンドプレースマシーンに供給されるように設計された一部の電子装置用に用いられるのと類似の方法で、接着テープの表面上にロールで格納される。クリップの上面及び下面は相補的であり、一回のスタンピングを可能にする。場合によっては、クリップは、長さ方向に延在可能であり、相補的フラップの一回よりも多いサイクルを有し得て、上部の二つのフラップ及びシートの下方の二つのフラップに対応し(ここで示される例は1.5サイクルである)、電極202及び203並びにシートの端部における細長の太陽電池101又は細長の基板101の表面の小部分の上下に延在していて、互いに電気的に接続される。図13の破線は、隣接するシートの下面の三つのタブの相補範囲(1.5サイクル)を示す。
【0109】
図14は、平面ではんだ付けされるシート間電気的相互接続クリップ1701並びに電気的相互接続電極202及び203の概略的な断面図である。はんだ201は、クリップの内部表面及び電極の間のキャビティを充填し、良好な電気的相互接続を提供し、単一の物理的構造内に二つの隣接するシートを確実に取り付ける。クリップ1701の上面及び下面は、タブ1801の形状で電極及びシートの端部における細長の太陽電池又は細長の基板の表面の小部分(互いに電気的に接続されている)の上下に延在し、また、シートの電極表面に沿って、狭いフィンガー形状で延在する。クリップの実現方法によっては、これらのフィンガーを省略可能である。クリップ1701のタブ部分1801は、接続部に物理的な強度は提供せず、アセンブリ工程を補助するもののみとして作用し、はんだ工程前に二つの隣接するシートを互いに供給するガイドとして機能する。上面及び下面のタブは、はんだ付けに先立って、二つの隣接するシート表面を位置決め及び保持する作用を果たし、電極の方向に沿って、クリップの中心の縦断面に平行且つ一直線に延在するフィンガー部分は、フィンガーの端部に毛細管作用ではんだを引き込む作用を果たし、より確実な結合を提供する。はんだ201は、電極とクリップの内部表面との間のキャビティを充填するものとして示されている。
【0110】
有利には、シート間コネクタクリップは、シートサブモジュール又はプレモジュールそれぞれの細長の太陽電池又は細長の基板の端部電極に接する二つのはんだ付け部分間にフレキシブル部分を含むことができる。このような構成の一つが図15に示されている。二つのはんだ付け部分間にあり、シートサブモジュール又はプレモジュールそれぞれの細長の太陽電池又は細長の基板の端部電極202及び203に接するフレキシブル部分2001は、太陽発電モジュール内に互いに架線された細長のシート間の応力緩和及び伸縮継ぎ手として機能する。図15に示される非常に小さい三周期の波形は単に例示目的である。応力緩和部の実際の長さ、周期及び大きさは、モジュール物質、個々のシートサブアセンブリの長さ、列の中のサブアセンブリの数に依存する。接続クリップの特定の設計に影響する他の要因は、クリップの通電容量の要求、大きさの制限であり、その応用が、両面ガラスモジュール、両面モジュール、テドラー(登録商標)の背面を備えた単ガラスモジュール、フレキシブルモジュール、小型モジュール応用であるかどうかに依存する。更に、銅箔の厚さは、クリップの全幅によって決められるが、これは、細長の電極の長さ方向に沿った膨張の差の考慮によって制限される。これらの相反する要件が最終的なクリップの寸法を決定する。単ガラスモジュールの一般的な両面セルの封入に対して、適切なクリップは、45ゲージから50ゲージのシム(英国工業規格のゲージ)(略70μmから25μmの厚さ(英国のシステムではゲージが大きくなると、材料は薄くなる))からスタンピングされた2.5mmの長さの応力緩和部分と5mmの長さの電極コンタクトを有する。図面の平面図及び垂直断面図には、シートからバスバーの電気的相互接続クリップ2001の概略的な平面図が示されていて、細長のシート太陽電池の列又はストリングの端部において最後に用いられ、シートサブモジュールアセンブリを組み込む太陽電池モジュールのバスバーにその列を電気的に接続する。列中の最後のシート101の側面上のクリップ2001の上面及び下面は、電極202の上下に延在し、シートの端部において細長の太陽電池101又は細長の基板101の表面の小部分にも延在する一方、クリップ2001の反対側では、電気接続部をバスバーに受け入れるために、フット2002が延在し、ここでは、はんだパッド2002でプレメッキされたものとして示されている。クリップ2001の上面及び下面のタブは、アセンブリ工程中に列中の最後のシートの隣接する表面を位置決め及び保持する作用を果たす。即ち、はんだ付けが完了した後では、有益なものではなく、何らの構造支持も提供しない。電極の方向に沿って延在するフィンガー部分は、フィンガーの端部に毛細管作用によってはんだ201を引き込む作用を果たし、離れたシート電極表面に対する確実な結合を提供する。
【0111】
特定の応用に対する個々の接続クリップの正確な構成は、上述の要件に依存するものであるが、クリップは以下の特徴を提供する:
(i) クリップは、箔ストリップからの一回のスタンピングで形成される;
(ii) クリップを、クリップを位置決め、選択又は個別に配置する必要無く、接着テープキャリア上のアセンブリ点に容易で手軽且つ確実に運ぶことができる;
(iii) クリップが二つの隣接する細長のシート間に固定されると、はんだ付けに先立ってクリップがプレ形成ストリング中で自立するので、キャリアテープを除去することができる;
(iv) 相互接続クリップの両側の接続ヨークは、シートサブモジュールアセンブリの架線中の位置決め及び保持を容易にするガイドとして機能する。
(v) はんだ工程は、一回の高速ステップで実施可能であり、好ましくは非接触、非予熱レーザはんだ法を用いる;
(vi) 集積された応力緩和及び伸縮継ぎ手は、脆弱な細長のセルから離れて応力を転移させ、サブモジュールのストリングの完全性を保つ。
【0112】
機能的な再設計に対する要求無しでクリップを多様な応用に適用するため、大きな設計パラメータスペースが存在する。太陽電池モジュールのバスバー(図示せず)は一般的に、プレメッキ銅製であるが、代わりに、他の金属物質製とすることができる。銅が好ましいのは、その高い伝導性によるものであり、メッキ(バスバー表面の酸化を減少させる)は好ましくは、銀含有はんだ(62/36/2 鉛/錫/銀・はんだ等)であることが好ましい。しかしながら、鉛フリーはんだの範囲からのはんだ等の代わりの形態のはんだを用いることができ、メッキは、他のはんだや、他のはんだ的な保護及び伝導性コーティングを含むことができる。
【0113】
代わりに、細長のシートと接続クリップとの間の電気的相互接続部は、コロイド銀ペースト、導電性エポキシ、導電性シリコーン、導電性インク、導電性ポリマー等の導電体を適用して形成可能である。これらの物質は、多様な方法のうちのいずれか一つを用いて堆積可能であり、ステンシル印刷、スクリーン印刷、ディスペンシング、ポンプ印刷、インクジェット印刷、スタンプ転写法等が挙げられ、クリップが配置される後又は後のいずれかに行われる。代わりに、シートの相互接続をはんだで設け、バスバーの相互接続を導電性エポキシで設けることができる。更に、ハイブリッド相互接続を実現することができ、例えば、導電性エポキシ又は銀含有インクにはんだ付けすること、はんだトラック又は継ぎ手に接続するために導電性化合物を用いることが挙げられる。
【0114】
上述のいずれかの方法又はそれらの方法の組み合わせを用いて、モジュール若しくはシートサブモジュールの部分、又は個々の細長のセル若しくは細長の基板若しくはシートアレイの部分を、モジュールの部分を電気的に相互接続するシート相互接続クリップ若しくはバスバーに接続することができる。
【0115】
細長の太陽電池の太陽発電モジュールにおいて、細長のシートはバスバーに直接取り付けられる。モジュールの多様な構成要素中の応力は温度変化によって生じ得る。結晶シリコン及びガラスの熱膨張係数はそれぞれ、2.5×10−6−1、9×10−6−1である。スリバーセル104及び基板102の膨張及び収縮の速度は適合可能なものであり、少なくとも2ないし3倍以内であり、単純な応力緩和手段によって適合可能である。しかしながら、EVA等のポリマーは、ガラスよりも十倍以上大きいオーダの熱膨張係数を有する。従って、熱膨張の差の最終的な度合いに適合するためのより大きな応力緩和手段を、両ガラスモジュールに対しては保証する必要があり、単一ガラスモジュールに対しては更に大きくなる。
【0116】
いずれにしろ、金属バスバー108の熱膨張係数は、結晶シリコン及びガラスのものよりも実質的に大きく、17×10−6−1のオーダである。この差は、長いシートの列をバスバーの長い部分に接続する際に、上述の応力緩和手段によって適合される。市販の光起電モジュールは、信頼性試験を受けるが、それには、−40℃から+90℃の温度範囲に対する熱サイクルが挙げられ、ガラス基板及び銅バスバーに対するモジュールの1メートルの長さ当たり、1.04mmの全体としての差が生じる。
【0117】
上述の“シート”形状の細長の太陽電池又は細長の基板は、特許文献3において、ボートとして説明されている、密集したラフト、又は細長の装置の接しているアレイに関連する。しかしながら、本願で説明されるシート技術は、追加の支持構造又は物質のいらない、細長の太陽電池を高面積効率でアセンブリ及び電気的に相互接続する方法を提供し、また、信頼性があり効率的で容易に自動化される方法で、隣接するシートを相互接続する方法を提供する。
【0118】
更に、以下において説明されるのは、複数の細長の太陽電池を逐次プロセスで試験及びビンニングするための効率的で信頼できる方法であり、各サイクルで50から最大100程度の細長の太陽電池を取り扱うことができる。サイクル時間は、3から5秒間のオーダであり得て、更に、データ処理用の高速並列システムで更に短くなり得る。つまり、単一ラインの試験及びビンニング処理モジュールに対する細長の太陽電池の処理性能は、毎秒10から30個の細長の装置に及ぶ。これは非常に重要な数である。何故ならば、フルスケール100MWp製造工場は、毎秒150から200個のオーダの細長の太陽電池を処理することが必要だからである。試験及びビンニングに対する、速度、効率性、信頼性、及び単純で効率的なプロセスは、細長の太陽電池技術の商業的な製造可能性にとって重要な要素である。更に、入力及び出力機能を含む全プロセスラインは、非常に小型であり、オフィスの一部に容易に設置できるサイズとなり得る。このような機械10個の組は、たった5つの共有の入力及び出力設備しか必要とせず、信頼性に対する冗長性のマージンを十分に備え、100MWpの製造工場を使用可能にする。
【0119】
図19を参照すると、真空2204ピックアップヘッド2203は、特許文献3に記載されているようなバッファストレージ容器又はカセット2201のアレイから、正確な向きで正確な間隔の細長の太陽電池101から成る平坦なアレイを取り出す。図20は、多重スタックカセットからの、単一のスタックカセットまたは一つのスタックの上面図及び側断面図を示す。装置から取り出されたスリバーの保持及び単独化方法が示されている。特許文献3に説明されているように、この方法は、細長の太陽電池又は細長の基板のこの形状における固有の柔軟性に因るものである。
【0120】
好ましくは、シングルスタックカセット又はバルクのシングルスタックの装置格納ユニットの数は、シート又はコンセントレータシートサブモジュールを形成するために必要とされる装置の数の1対nに等しい。この場合、整数「n」は、余りなく、サブモジュール中の装置の総数に分かれ、サブモジュールアレイは、「n」の繰り返し間隔で、単一又はグループ化されたシングルスタックカセットを用いて構成され、各連続的な配置は、装置+電気的相互接続部の厚さに対応する間隔プラス装置の幅によってずらされる。
【0121】
代わりに、セルは、所望のスタック間隔を備えた多重スタックカセットから取り出され得る。スタックのピッチ(つまりスタック間のピッチ)は、所望の装置配置間隔、又は、最終的なシート又はコンセントレータシートユニットのピッチに応じて、選択される。セルの平坦なアレイは、図21に示されるような多重ステーション試験ベッドに提供される。この全工程を“上下逆”に行うことが有利になり得る。例えば、図示されるようなスプリングによるよりも、重量によって各アレイスタック中の装置のスタックが安定にされるカセットアレイのベースから取り出される。同様の原理は、アセンブリ、分離、バッファストレージ及びカセットの装填にも適用される。この方法の詳細は非特許文献3に与えられている。
【0122】
好ましくは、試験ステーション用の光源2302は、グローバルAM1.5の太陽スペクトルに近いスペクトルを提供するように選択されたLEDを混ぜた“昼光”LEDアレイである。代わりに、太陽電池の応答は、参照セルを用いて光源スペクトルに対して検査可能である。同様に、光源は、安価で信頼でき長寿命である市販のキセノンフラッシュユニットでもあり得る。三番目の選択肢は、石英ハロゲン光源であるが、多量の廃熱も発生し、非常に低い熱容量の高効率太陽電池を試験する際に問題になり得る。
【0123】
真空ヘッド2203によって輸送及び供給された細長の太陽電池101のアレイは、電流及び電圧コンタクト2301に係合する。各細長の太陽電池に対するIV曲線が得られる。これは、検査された製品に対して非常に高速に行うことができる。何故ならば、細長のセルの性能を品質保証し、セルに対する特定のビンを決定するために開路電圧、短絡電流及び最大出力点を得るのに必要とされるデータ点が非常に少ないからである。
【0124】
試験及び品質保証された細長の太陽電池101のアレイを真空移送ヘッド2203は、図22に示される第一“ビン”に移動する。第一“ビン”は、シングルスタック格納カセット2401のアレイから成る。このビンに対する要件に適合する性能パラメータを備えた細長の太陽電池は、個々のシングルスタック格納カセット内に個別且つ同時に保持される。例えば、図22の一番左側のスタックは、隣接するシングルスタックカセットよりも、実質的に多い数の試験され分類された細長の太陽電池を有する。試験及びビンニングモジュール用の制御システムは、各シングルスタックカセット2401ステーション内に配置された個々の装置の数を記録する。特定のシングルスタックカセットが一杯になると、真空ヘッド2203がスタックアレイから外されるサイクルの期間中に、取り外されて、空のシングルスタック格納装置と取り替えられる。
【0125】
サイクルは、真空ヘッド2203及び一部減った細長の太陽電池のアレイに対して続けられ、次の性能ビン及び細長の太陽電池のシングルスタックカセットへと進む。このビンに対する要件に適合する性能パラメータを備えた細長の太陽電池は、個々のシングルスタック格納カセット内に個別且つ同時に保持される。例えば、図22の右図のビンのシングルスタックカセットアレイの一番左側のスタックは、その右隣のシングルスタックカセットよりも、実質的に少ない数の試験され分類された細長の太陽電池を有する。試験及びビンニングモジュール用の制御システムは、各性能ビンステーションのシングルスタックカセット2401内に配置された個々の装置の数を記録する。特定のシングルスタックカセットが一杯になると、真空ヘッド2203がスタックアレイから外されるサイクルの期間中に、取り外されて、空のシングルスタック格納装置と取り替えられる。
【0126】
サイクルは、試験及びビンモジュールのプロセスラインに沿って進む真空ヘッド2203のシーケンスで続き、各プロセスサイクルにおいて以下のイベントが生じる:
(i) シーケンス中の各真空ヘッドが特定方向の運動を開始すると、プロセスサイクルが任意に“開始”すると定義される;
(ii) サイクルの開始点において、新しいヘッドが左側から近づき、試験されていない細長の太陽電池を含むシングルスタックカセットのアレイ上に位置する;
(iii) サイクルの開始点において、ピックアップ‐試験‐仕分け‐堆積のシーケンス(この場合、真空ヘッドは“アクティブ”であると定義する)が完了していないリニアシーケンス中の真空ヘッドは、ラインの開始点に戻る運動中(この場合、真空ヘッドは“非アクティブ”であると定義する)ではなく、真新しい“アクティブ”なヘッドが左側から移動するについて、一つのステーションから右側へと同時に移動する;
(iv) アクティブなシーケンス中の各ヘッドは、シングルスタックカセットのアレイからの個々の細長の対応電池アレイのピックアップに向けて下方に移動し、又は、細長の太陽電池の試験ステーションに向けて下方に移動し、又は、個々の真空ヘッドの下方に存在する性能ビンを形成するシングルスタックカセットの特定のアレイに向けて下方に移動する;
(v) 個々の細長の太陽電池のピックアップ、細長の太陽電池のアレイの試験、性能ビンシングルスタックカセットへの細長の太陽電池の移送の動作が実行される;
(vi) アクティブなシーケンス中の各ヘッドは、その前の動作が完了した場所から、シングルスタックカセットのアレイから個々の細長の太陽電池のアレイのピックアップの上方の停留位置に向けて上に移動し、又は、細長の太陽電池の試験ステーションの上方の停留位置に向けて上に移動し、又は、個々の真空ヘッドの下方に存在する性能ビンを形成するシングルスタックカセットの特定のアレイに向けて上に移動する;
(vii) プロセスサイクルが完了し、特定のインターロック及びシステム完全性チェックを受け、更なる細長の太陽電池を処理するためにプロセスサイクルが反復される。
【0127】
上述の全体的なサイクル内には、複数のより小さなサイクルが存在し、それらとしては、完全に試験され仕分けされたシングルスタックカセットの取り外し及びその後の適切な格納場所への(オフライン)移送; 試験ビンアレイ内への空のシングルスタック格納カセットでの取り外された満杯のシングルスタック格納カセットの置換; 空の多重スタックカセットの取り外し及び試験されるべき細長の太陽電池で満杯の多重スタックカセットでの置換が挙げられる。
【0128】
上述の小さなサイクルの機能のそれぞれは、全体的なサイクルの一部において同時に行われる。ここで、全体的なサイクル中に、真空ヘッドのアレイが単一の同期イベントスロットにおいて、ピーク位置に上昇し、ラインに沿って次の停留位置に移動する。補充又は取り外し工程のそれぞれは、供給又は格納装置の単一の一次元的な横方向の移動を含み、好ましくは、置換装置によって駆動され、各装置に対して別々に単一の同期リニア運動で行われる。ラインから取り外された供給又は格納装置は、非同期でそれら個々の目的地に移送可能である。取り外されたカセットの移送及びラインに導入される待機状態の新しいカセットの補充には適切な時間がかかる。各カセットは、一千から数千のオーダの細長の太陽電池を各スタックに保持するが、更に多くの数千個の細長の太陽電池を各スタックに保持するように適合可能である。三から五秒毎の一つのセルの移送割合においては、格納又は供給装置は、不定期の取り扱いを必要とする。
【0129】
有利には、試験、仕分け及びビンニングプロセスラインモジュール中の細長の太陽電池の処理性能は、非常に強力な並列処理の関数である。単一のセルをピックアップするよりも、二つのセルのアレイをピックアップするほうが問題は少ない。更に、ピックアップ、試験、仕分け、移送及びビンニングの全機能は、ゼロ時間のペナルティ又は無駄なプロセスライン運動で、並列に実施可能である。更に他の利点は、性能ビンニングされたセルが、中間的な取り扱い無しで、所望の細長の太陽電池アレイサブモジュールアセンブリ(ラフト、メッシュラフト、ボート、シート、コンセントレータシートが挙げられる)を形成するために用いられるシングルスタックカセット内のバッファストレージに配置されることである。
【0130】
個々のサブモジュールの効率があまり重要ではないより小型のサブモジュール装置に対しては、個々の太陽電池の性能もあまり重要ではない。しかしながら、多数のセルを取り込んだ高性能シートサブモジュールアセンブリ(高効率に対する要求が調和したセルを必要とする)に対しては、上述の方法が、必要とされる精巧な性能アレイグリッドに、広範な調和したセルを提供する安価で高速で効率的で効果的な手段を与える。
【0131】
ここで、この試験及びビンニング方法の重要で有利な特性の一つを述べておきたい。つまり、輸送、試験及びビンニングされているセルのアレイに他の細長の太陽電池を加える更なるプロセスコストが無視できるものであるように、追加の試験ビンカテゴリーを加えるプロセスコストも無視できるものである。追加のビンは追加の真空ヘッド、制御システム及びデータの記録を必要とするが、個々の段階のプロセス時間や完全な全体的なサイクルに対する無駄な時間を追加することはない。従って、更なる性能カテゴリーを追加することによる性能ビニングの細かさの減少、よって、歩留まり及びモジュール性能の増大が、処理性能を全く犠牲にすることなく、得られる。
【0132】
[細長のシートサブモジュール及びプレモジュールの形成]
真空2204ピックアップヘッド2203は、バッファシングルスタック格納カセット2401のアレイから、正確な向きで正確な間隔の細長の太陽電池101から成る平坦なアレイを取り出す。細長の基板及び太陽電池の取り扱い及び処理方法の更なる詳細については、特許文献3に与えられている。この特許文献で説明されている特定の方法は、細長の太陽電池を、それぞれラフト、メッシュラフト、ボートと称される特定形状のアセンブリにアセンブリする方法を含む。これらの方法は、ゼロ間隔のアセンブリ及び追加の構造部材無しのアセンブリに対する方法を適用することによって、細長の太陽電池シートサブモジュール及び細長の基板シートプレモジュールの形成に容易に適用可能である。
【0133】
細長のシートの設計、細長の太陽電池シート、細長の太陽電池コンセントレータシート及び細長の基板シートを形成する細長の装置の分離、取り扱い及びアセンブリ方法、細長の太陽電池シートの内部及びその間の、並びに、細長の基板シートの内部及びその間の電気的相互接続の設計、細長の太陽電池シート内の隣接する細長の太陽電池の間の及び細長の基板シートプレモジュール内の細長の基板間の電気的相互接続を設ける方法、ウェーハフレーム無しでアレイに細長の装置を含める方法の更なる詳細を、本願で説明する。
【0134】
基本的な電気的相互接続物質以外の追加の支持部材又は構造無しで、細長の太陽電池及び細長の基板を、細長の太陽電池又は細長の基板の隣接するアレイ又は部分的に隣接するアレイ内に制限するために、上述の細長の“シート”アセンブリをアセンブリ及び電気的に相互接続する方法を以下に説明する。
【0135】
“シート”形状の細長の太陽電池又は細長の基板装置は、特許文献3において、密な間隔の“ラフト”又は“ボート”として説明されている細長の装置の接しているアレイに関係している。しかしながら、本願で説明されるシート技術は、追加の支持部材又は物質無しで、高面積効率構造において試験され格付けされビンニングされた細長の太陽電池をアセンブリ及び電気的に相互接続する方法、及び、信頼でき効率的で容易に自動化された方法で隣接するシートを相互接続する方法を提供する。
【0136】
更に、本願で説明されるのは、試験されビンニングされた細長の太陽電池のアレイを取り出し、各サイクルにおいて50個のオーダ場合によっては100個以上の細長の太陽電池を取り扱うことのできる後続プロセスにおいて試験されビンニングされた細長の太陽電池のアレイまたはその複数の太陽電池を組み立てるための効率的で信頼できる方法である。サイクル時間は、3から5秒間のオーダであり得て、高速システムを用いて更に短くすることもできる。しかしながら、上述の試験方法によるように、細長の太陽電池の数によって測定されるような高処理性能、又は、時間間隔毎の完成したシートの出力が、各工程の速度に焦点を当てるというよりはむしろ、取り扱い及びアセンブリ方法におけるコスト効率的な並列化によって達成される。“並列取り扱い概念”は、毎秒10から30の細長の装置の範囲でサブモジュールシートの“バルク・ピック・アンド・プレース”取り出し、アセンブリ及び電気的相互接続処理段階に対する細長の太陽電池の処理性能を達成する。上述のように、これは非常に重要な数である。何故ならば、フルスケールの100MWpの製造施設は、毎秒150から200のオーダの細長の太陽電池を処理する必要があるからである。
【0137】
“バルク”又は“並列化”取り扱い及び処理は、細長の太陽電池の分離、取り扱い、格納、試験、ビンニング、アレイアセンブリ、電気的相互接続、架線、並びに本願で説明される細長の太陽電池に基づいた太陽発電モジュールの開発の裏に潜む課題及び指針である。細長の太陽発電モジュールの製造及びアセンブリは、多数の超低コスト装置の製造、処理及びアセンブリを含む。一方、従来の太陽発電モジュールの製造及びアセンブリは、少数の比較的高価な装置の製造、処理及びアセンブリを含む。本願で説明される方法及びプロセスの速度、効率及び信頼性は、高価で超高速で維持費が高くハイテクな設備というよりはむしろ、単純で信頼でき長期間動作するように設計された単純で安価なプロセス及び設備を用いた、並列処理性能のプロセスラインチャネルの関数である。多くの場合、ライン要素又はプロセスモジュール(分離及び装置ストレージ)及びアセンブリプロセスのいくつかの要素は、手動によって、信頼的かつ単純に扱われることができる。工程毎に10msで個々の細長の太陽電池を係合及び移動させることに挑むよりも、毎秒100個の細長の太陽電池を一回の工程で係合及び移動させることがはるかに効率的である。
【0138】
図23を参照すると、真空2204ピックアップヘッド2203は、バッファシングルスタック格納カセット2401のアレイから、正確な向きで正確な間隔の細長の太陽電池101から成る平坦なアレイを取り出す。代わりに、セル101は、所望のスタック間間隔の多重スタックカセットから取り出すことができる。セルの平坦なアレイは、アセンブリジグ2701に提供されて、それによって係合される。アセンブリジグ2701は、細長の太陽電池の提供されたアレイの向き及び相対的な位置を維持するために真空アレイ(図示せず)を含む。
【0139】
代わりに、そして、好ましくは、図28に示されるように、細長の太陽電池101の提供された基板100は、クランプ3400の保持部材3402によって定位置に保持される。各保持部材3402は、ヒンジ3408に取り付けられたアーム3406によってクランプ3400のベース3404に取り付けられていて、保持部材3402が、クランプのベース3404上に細長の太陽電池101が配置された後に、その細長の太陽電池101の上面に係合する位置に回転可能となっている。代替例のクランプにおいては、交互の突起部又はフィンガーを備えた二つの保持部材がクランプの各端部に提供されて、第一の保持部材の相互に間隔が空けられたフィンガーが、第一の細長の太陽電池101の提供された二倍間隔のアレイを押さえつけ、第二の保持部材の相互に間隔が空けられたフィンガー(第一の保持部材のフィンガーと交互にされている)が、第二の提供されたアレイの部分を押さえつける。この構成は、アレイ中の細長の太陽電池の両端で再現される。シートアレイが三段階でアセンブリされる場合、クランプの各端に交互の突起部又はフィンガーを備えた三つの保持部材を備えた構成において、三つのアセンブリ段階が、各段階でアレイ中の三つに一つのセルがアセンブリされるようにして同様に進行する。
【0140】
図24は、二段階式の二倍間隔のシングルスタックアレイ又は多重スタックの二倍間隔のアレイのアセンブリ工程の第二のパートである。アセンブリジグ上に堆積された第一の半分のアレイから残された余りの空間を埋める第二の半分のアレイが、真空ヘッド2203によってカセットアレイから取り出されて、アセンブリジグ2701上に配置される。上述の真空保持好ましくは自在保持部材3402は、第二の余りの間隔の半分のアレイを保持する。エッジ部電極間の間隔(全てのアセンブリ及びプロセスの公差を考慮した後の隙間空間として測定される)は、細長のセル間の隙間を提供し、電気的相互接続部(5μmから20μmのオーダであり、好ましくは、上述のような選択ウェーブはんだプロセス3001によって適用される)用の間隔が許容されるように選択される。予めメッキされた電極を備えた細長の太陽電池の場合、装置間の間隔(先程と同様に、全てのプロセス及び配置の公差を考慮した後に測定される)は5μmから10μmのオーダとより小さく、電気的相互接続は、リフロー工程において隣接する装置を互いにぬらすことによって達成される。
【0141】
電気的相互接続部を設けるのに選択ウェーハはんだ工程又はリフロー工程のいずれかが用いられるのかに関わらず、シート装置は、同じアセンブリジグによって輸送される。アセンブリジグは、コンベヤ上を輸送される。図25に概略的に示されるように、コンベヤは、コンベヤの移動方向の軸周りに180°の角度で回転し、ジグのアセンブリが反転され、選択ウェーブはんだ噴流3001を通過する。
【0142】
電気的相互接続部を設けることに続いて、シート太陽電池サブモジュールアセンブリ又はシート基板アセンブリは構造的に完成し、図26に示されるように、シートスタックカセット内における次の段階の処理に向けて運ばれるために格納される。このシートカセット3101からのシートの“脱積層(de−stacking)”の機構は単純に、特許文献3で説明され、また、図20に示されるような単一の細長い装置の脱積層装置(de−stacker)2201の広範な変形例であり、その工程の単純性及び信頼性のため、細長の太陽電池及び細長の基板の固有の柔軟性に因るものである。
【0143】
細長の基板シート(つまり、機能性太陽電池を形成する処理が行われていない基板)の場合、次の段階は、低温セル処理の第一段階である。細長の太陽電池シートの場合、次の段階は、隣接する細長の太陽電池シートサブモジュールアセンブリをアセンブリ及び電気的に相互接続して、太陽発電モジュールへの封入に向けて、バスバーアタッチメントと共に直列及び/又は並列接続の列とすることである。
【0144】
図27を参照すると、シート脱積層装置は、コンベヤ上に細長の太陽電池シートを落とす。シートが列の一番目のものである場合、シートとバスバーの間のコネクタが、第二のローラー上の接着テープ上に供給されて、シートがクリップ内に誘導される。クリップは、シートの後縁がシートとシートの間のコネクタクリップに対する位置になると、シートの前進運動によってテープから剥がされる。この段階において、クリップは、レーザはんだ工程用の位置にある。同時に、第二のシートが脱積層されてコンベヤに落とされ、はんだプロセスが完了している場合、クリップ(接着テープから外されて、第一のシートの後縁に押し当てられている)に係合するように前進する。プロセスサイクルは、所望の長さのシートが得られるまで続けられ、この段階において、シートの列がシートとバスバーの間のコネクタで打ち切られる。この列のストリングは、モジュール保管領域に移され、バスバーへの接続及び封入に向けた最終的な保管へと準備される。
【0145】
シート列のアセンブリプロセスラインは、従来のセルの取り扱い及び処理の適用及び細長のシートの取り扱い方法の適用を用いる。プロセスは完全にフレキシブルであり、直列及び並列の相互接続のあらゆる組み合わせを形成することができる。例えば、シートの一つおきの直列接続された列は、隣接する直列の列に対する並列の相互接続部を有することができて、これは単純に、通常のシート間コネクタの代わりに、シートとバスバーの間の二つの相互接続部を背中合わせに用いることによってなされ、シートの隣接する直列接続の列上の対応する位置に接続された共通のバスバー接続を備える。このようにして、列(又は“ストリング”)内の直列に接続された全てのシートも、シートの隣接する列(又は“ストリング”)内の対応するシートに並列に接続される。
【0146】
電気的相互接続及びアセンブリプロセスについて、“シート”アセンブリ又はサブモジュールと本願で称される特定の形状のアセンブリに関して説明してきたが、当業者にとって、これらのプロセスが、細長の基板又は太陽電池アセンブリの他の形態(そのいくつかについては特許文献3に記載されている)にも適用可能であることは明らかである。更に、本願で説明されるプロセスは、その性質が上述されている細長の太陽電池はんだシートサブモジュールアセンブリ、細長の基板はんだシートプレモジュールアセンブリ、細長の太陽電池はんだコンセントレータシートを製造する手段を提供する。
【0147】
特に、本願で説明されるプロセスは、複数の細長の太陽電池の物理的構造のアセンブリ、電気的接続性及び物理的構造を確立する手段を可能にし、現状のスリバー又はプランクの細長の太陽電池アセンブリに対して必要とされるものよりも顕著に少ない数のステップで、何らかの接着剤や他の一般的ではない物質をアセンブリに、ひいては太陽発電モジュール内に導入又は使用することなく、高面積効率サブアセンブリが形成される。
【0148】
本願で説明される方法、構造及びプロセスは、アセンブル中にスリバー太陽電池の向き及び極性を維持し、スリバー太陽電池アセンブリの取り扱い及び処理並びに後続の光起電モジュールアセンブリのプロセスの顕著な簡略化を提供し、必要とされる個々のアセンブリ及び処理段階の数が大幅に減少した容易に取り扱われるはんだシートサブモジュールを製造し、細長の太陽電池はんだシートの取り扱い及び架線に対する従来の光起電モジュールアセンブリの簡単な使用を可能にし、スリバー太陽電池モジュール及びナローセル太陽モジュールの製造の際において従来の光起電モジュールの物質のみを使用することを可能にする。
【0149】
上述の説明は、単に、本発明の実施形態のいくつか及び対応する説明された方法の利点を説明するものである。当業者にとって、この説明を考慮して、設備の種類や仕様、プロセスパラメータや物質、プロセスステップ及び細部の置換及び変更等の検討に無数の変化を行うことが、添付図面を参照して本願で説明される本発明の精神及び範囲から逸脱せずに行えるということは明らかである。
【符号の説明】
【0150】
100 シートサブモジュール、シートプレモジュール、シート
101 細長の太陽電池、細長の基板
102 相互接続部
104 間隔
106 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電装置用の基板アセンブリであって、細長の半導体基板のアレイを含み、各細長の基板が長手方向のエッジ部によって画定された両面を有し、前記細長の基板が、該細長の基板のうち隣接するもの同士の対向する長手方向のエッジ部間に配置された導電体によって電気的に相互接続され、長手方向に平行な配置に維持されて、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記細長の基板が太陽電池を含み、各細長の基板の少なくとも片面が光に晒された際に電流を発生させるように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
各細長の基板の両面が光に晒された際に電流を発生させるように構成されている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記導電体が、前記細長の基板に太陽電池を形成する後続処理に適合するように選択されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記細長の基板の対向する長手方向のエッジ部間の間隔が略3mm未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記細長の基板の対向する長手方向のエッジ部間の間隔が最大で略3μmである、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記細長の基板の対向する長手方向のエッジ部が実質的に接している、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
実質的に平坦である請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
湾曲している請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
湾曲し実質的にリジッドな支持体にコンフォーマルに実装されている請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記湾曲し実質的にリジッドな支持体が透明である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
フレキシブルである請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
各細長の基板の長手方向のエッジ部がp型エッジ部及びn型エッジ部を含み、前記導電体が各細長の基板のp型エッジ部を隣接する細長の基板のn型エッジ部に接続している、請求項1から12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
隣接する前記細長の基板間に配置された前記導電体が該細長の基板の面を超えては延在していない、請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
隣接する細長の基板間に配置された前記導電体が該細長の基板の面を超えて延在して、該アセンブリを支持体又はヒートシンクに取り付けることが可能になっている、請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記導電体が実質的に各細長のエッジ部全体に沿って配置されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記導電体が各細長のエッジ部に沿って相互に間隔の空けられた位置に配置されている、請求項1から15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
各細長の基板がその長手方向のエッジ部上に電気コンタクトを含み、各電気コンタクトの一部が前記細長の基板の一つの面上に部分的に延在している、請求項1から17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記細長の基板の隣接するもの同士の対向するエッジ部間に配置された前記導電体が、各電気コンタクトの前記延在部分上に延在して、該アセンブリを支持体又はヒートシンクに取り付けることが可能になっている、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
各細長の基板が、該細長の基板の一つの長手方向のエッジ部上の電気コンタクトを該細長の基板の反対側の長手方向のエッジ部上の同じ極性の電気コンタクトに接続するために、該細長の基板の一つの面上に少なくとも一つの電気経路を含み、前記少なくとも一つの電気経路が前記細長の基板の面から電気的に絶縁されている、請求項1から19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項21】
接続されている前記電気コンタクトの極性がn型である、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
該アセンブリの一つの面上に電気経路を含み、該アセンブリの他の面は、該他の面が光に晒された際の電流の発生を促進するために、実質的に完全に露出されて電気的接続部が存在しない、請求項1から21のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記電気経路が前記細長の基板の長手方向のエッジ部に実質的に直交する、請求項22に記載のアセンブリ。
【請求項24】
各細長の基板の少なくとも片面が完全に露出されている、請求項1から23のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記導電体がはんだを含む、請求項1から24のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記導電体がポリマーである、請求項1から24のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項27】
該アセンブリの物理的な最大寸法が、標準的な半導体ウェーハの直径に実質的に等しい、請求項1から26のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記細長の基板がスリバープロセスで形成されている、請求項1から27のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記細長の基板が、半導体ウェーハを細長の部分に分割することによって形成されていて、該細長の基板の面が、各半導体ウェーハの面の対応する部分から形成されている、請求項1から27のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか一項に記載のアセンブリを複数含む基板アセンブリであって、該複数のアセンブリが、該アセンブリの対応する隣接するもの同士の間に配置された細長のコネクタによって相互に取り付けられ電気的に相互接続されていて、各細長のコネクタが、前記複数のアセンブリに長手方向に平行であり、各隣接する細長の基板アセンブリの両面に係合する位置決め部分を有し、前記コネクタが、該コネクタと前記細長の基板の長手方向のエッジ部との間に配置された導電体によって、前記アセンブリに取り付けられ電気的に接続されている、アセンブリ。
【請求項31】
各細長のコネクタの前記位置決め部分が、第一の隣接する細長の基板アセンブリに係合する第一の位置決め部分と、第二の隣接する細長の基板アセンブリに係合する第二の位置決め部分とを含み、前記細長のコネクタが、前記第一の位置決め部分と前記第二に位置決め部分との間に配置された応力緩和部分を含み、該応力緩和部分が、熱膨張に適応することにより隣接する細長の基板アセンブリ間の接続を維持するために、前記第一の位置決め部分と前記第二の位置決め部分との間に間接経路を画定する、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記細長のコネクタが銅箔製である、請求項30または31に記載の基板アセンブリ。
【請求項33】
前記アセンブリをバスバーに電気的に接続するためのバスバーコネクタを含み、該バスバーコネクタが、前記細長の基板のうち最も外側のものの両面に係合する位置決め部分を含み、前記バスバーコネクタが、該バスバーコネクタと前記細長の基板のうち最も外側のものの長手方向のエッジ部との間に配置された導電体によって、前記アセンブリに取り付けられ電気的に接続されている、請求項1から32のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記バスバーコネクタが、前記バスバーへの接続を容易にするために、前記バスバーコネクタに接続された前記基板アセンブリから延在しているコンタクト部分を含む、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記バスバーコネクタが、熱膨張に適応することにより前記アセンブリと前記バスバーとの間の電気的接続を維持するために、前記コンタクト部分と前記位置決め部分との間に間接経路を画定する応力緩和部分を含む、請求項34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか一項に記載の基板アセンブリを複数含む太陽発電モジュール。
【請求項37】
請求項1から35のいずれか一項に記載の基板アセンブリを複数含む光起電装置。
【請求項38】
請求項1から35のいずれか一項に記載の基板アセンブリを複数含むリニアコンセントレータレシーバであって、前記基板アセンブリが一以上の列に配置されていて、各列が実質的に接する複数の前記基板アセンブリを含む、リニアコンセントレータレシーバ。
【請求項39】
請求項1から35のいずれか一項に記載の基板アセンブリを複数含むリニアコンセントレータレシーバであって、前記基板アセンブリが列に配置されていて、各列が、実質的に接し直列に電気的に相互接続された複数の前記基板アセンブリを含み、前記列の少なくともいくつかは並列に電気的に相互接続されている、リニアコンセントレータレシーバ。
【請求項40】
前記細長の基板が、該細長の基板の直列抵抗を減少させるために、該細長の基板によって発生した電流がリニアコンセントレータシステムの長手軸に平行な方向に実質的に流れるように、直列に電気的に接続されている、請求項38又は39に記載のリニアコンセントレータレシーバ。
【請求項41】
前記基板アセンブリが、レシーバ中の余弦損失を減少させるために湾曲している、請求項39又は40に記載のリニアコンセントレータレシーバ。
【請求項42】
前記基板アセンブリの長手方向のエッジ部が該リニアコンセントレータレシーバの長手軸に直交する、請求項38から41のいずれか一項に記載のリニアコンセントレータレシーバ。
【請求項43】
基板アセンブリプロセスであって、隣接する細長の半導体基板の対向する長手方向のエッジ部間に導電体を堆積させて該細長の基板を電気的に相互接続し長手方向に平行な構成に該細長の基板を維持することによって、光起電装置用の基板アセンブリを形成する段階を含み、前記導電体が、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されたままになるように堆積される、プロセス。
【請求項44】
各細長の基板の少なくとも片面が、光に晒された際に電流を発生させるように構成される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
前記細長の基板に太陽電池を形成して、前記少なくとも片面が光に晒された際に電流を発生させるように構成される段階を含む、請求項43に記載のプロセス。
【請求項46】
前記導電体が、前記太陽電池を形成する後続処理に適合するように選択される、請求項45に記載のプロセス。
【請求項47】
前記細長の基板の長手方向のエッジ部が実質的に接するように維持される、請求項43から46のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記アセンブリが実質的に平坦である、請求項43から47のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項49】
前記アセンブリが湾曲している、請求項43から47のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項50】
前記アセンブリを、湾曲して実質的にリジッドな支持体にコンフォーマルに実装する段階を含む、請求項43から49のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項51】
前記堆積段階に先立って前記細長の基板を湾曲した構成に配置する段階を含み、前記堆積段階が、該湾曲した構成を実質的に平坦にする、請求項43から50のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項52】
前記導電体を堆積させた後に、前記アセンブリ上に反射防止コーティング又は反射コーティングを形成する段階を含む、請求項43から51のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項53】
隣接する細長の基板間に配置される導電体が、該細長の基板の面を超えて延在する突出部分を含み、該突出部分において前記アセンブリを支持体又はヒートシンクに実装する段階を含む請求項43から52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記細長の基板の一つの長手方向のエッジ部上の電気コンタクトを、該細長の基板の反対側の長手方向のエッジ部上の同じ極性の電気的コンタクトに接続するために、各細長の基板の一つの面上に少なくとも一つの電気経路を形成する段階を含む請求項43から53のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項55】
前記アセンブリの一つの面上に電気的接続部を形成する段階を含み、前記アセンブリの他の面は、該他の面が光に晒された際の電流の発生を促進するために、実質的に完全に露出されていて電気的接続部が存在しない、請求項43から54のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項56】
リセスされた領域を備えた表面を有する支持体上に前記アセンブリを実装する段階を含み、前記アセンブリの面上の前記電気的接続部が前記リセルされた部分に収容される、請求項55に記載のプロセス。
【請求項57】
前記導電体が、前記基板アセンブリがフレキシブルになるようにポリマーである、請求項43から56のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記導電体がはんだウェーブプロセスによって堆積される、請求項43から56のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項59】
請求項43から58のいずれか一項に記載のプロセスによって形成された複数の基板アセンブリのうちの対応する隣接するもの同士間に細長のコネクタを取り付ける段階を含み、ここで、各細長のコネクタが、該アセンブリに長手方向に平行に取り付けられて、各隣接する細長の基板アセンブリの両面に係合する位置決め部分を有し; 更に、該アセンブリを機械的及び電気的に相互接続するために、前記コネクタと前記細長の基板の長手方向のエッジ部との間に導電体を導入する段階を含む請求項43から58のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記導電体が、非接触はんだ付けプロセスを用いて、前記コネクタと前記細長の基板の長手方向のエッジ部との間に導入される、請求項59に記載のプロセス。
【請求項61】
請求項43から58のいずれか一項に記載のプロセスによって形成された基板アセンブリをバスバーに電気的に接続するために、該アセンブリにバスバーコネクタを取り付ける段階を含み、ここで、該バスバーコネクタが、前記細長の基板うち最も外側のものの両面に係合する位置決め部分を含み; 更に、前記アセンブリを前記バスバーコネクタに機械的及び電気的に相互接続するために、前記バスバーコネクタと前記細長の基板の長手方向のエッジ部との間に導電体を導入する段階を含む請求項43から60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項62】
前記導電体が、非接触はんだ付けプロセスを用いて、前記バスバーコネクタと前記細長の基板の長手方向のエッジ部との間に導入される、請求項61に記載のプロセス。
【請求項63】
請求項43から58のいずれか一項に記載のプロセスによって形成された基板アセンブリの一つ以上の列を形成する段階を含み、ここで、各列が実質的に接する複数の前記基板アセンブリを含み; 更に、前記一つ以上の列をリニアコンセントレータレシーバに実装する段階であって、前記基板アセンブリの長手方向のエッジ部が前記リニアコンセントレータレシーバの長手軸に垂直になるようにする段階を含む請求項43から62のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項64】
前記アセンブリの複数の列が前記リニアコンセントレータレシーバに実装され、該列の少なくともいくつかを並列に電気的に相互接続する段階を含む請求項63に記載のプロセス。
【請求項65】
前記リニアコンセントレータレシーバ中の余弦損失を減少させるために、前記基板アセンブリを湾曲させる段階を含む、請求項63又は64に記載のプロセス。
【請求項66】
請求項43から62のいずれか一項に記載のプロセスによって製造された基板アセンブリ。
【請求項67】
請求項63から65のいずれか一項に記載のプロセスによって製造されたリニアコンセントレータレシーバ。
【請求項68】
請求項43から65のいずれか一項に記載の段階を実行するための構成要素を有する基板アセンブリ装置。
【請求項69】
細長の基板の個々のスタックを格納するための複数の相互に間隔の空けられた格納容器を含む格納装置であって、各細長の基板が長手方向のエッジ部によって画定された両面を有し、前記細長の基板の格納容器間の間隔が、格納された細長の基板からアセンブリされる基板アセンブリ中の細長の基板の所望の間隔の倍数である、格納装置と、
前記スタック中の細長の基板のうち個々の最も外側のものを同時に係合するための相互に間隔の空けられた係合手段を有する基板移送装置であって、前記係合手段間の間隔が前記格納容器間の間隔に実質的に等しく、該移送装置が、前記格納容器とアセンブル位置との間に前記係合手段を繰り返し移送して、前記細長の基板のうち連続的な最も外側のものを前記格納容器から交互の配置に移動させることを可能にするための移送手段を含む、基板移送装置と、
前記細長の基板のうち隣接するもの同士の対向する長手方向のエッジ部間に導電体を適用して、前記対向する長手方向のエッジ部を電気的及び機械的に相互接続することによって基板アセンブリを形成するためのアプリケータ手段であって、前記細長の基板が前記導電体によって電気的に相互接続され長手方向に平行な配置に維持されて、各細長の基板の両面が実質的に完全に露出されたままとなる、アプリケータ手段と、
を含む基板アセンブリ装置。
【請求項70】
細長の太陽電池の個々に間隔の空けられたスタックを格納するための複数の格納容器を含む格納装置と、
個々の前記スタックに格納された細長の太陽電池を同時に係合するための複数の係合手段を有する基板移送装置であって、前記係合手段間の間隔が前記細長の太陽電池のスタック間の間隔に実質的に等しく、該基板移送装置が、前記係合手段を移送して、係合された細長の太陽電池を試験のために前記格納容器から取り外すことを可能にする移送手段を含む、基板移送装置と、
前記基板移送装置によって係合された各細長の太陽電池の電気的性能を実質的に同時に評価するための評価手段と、
を含む、太陽電池アセンブリ装置であって、
分類装置が、各係合された細長の太陽電池を、前記細長の太陽電池の電気的性能に基づいて分類された複数の格納容器のうち選択されたものに格納するように構成されている、太陽電池アセンブリ装置。
【請求項71】
複数の細長の太陽電池を同時に係合する段階と、
該係合された細長の太陽電池の電気的性能を実質的に同時に評価する段階と、
各評価された太陽電池を、前記細長の太陽電池の電気的性能に基づいて分類された複数の格納容器のうち選択されたものに格納する段階と、
を含む太陽電池アセンブルプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2010−518638(P2010−518638A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549336(P2009−549336)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000162
【国際公開番号】WO2008/098279
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(507357704)ジ オーストラリアン ナショナル ユニバーシティ (2)
【Fターム(参考)】