説明

基板上対照検出

本明細書に開示される実施形態は、基板上対照システムおよび検査システムを含むセンサに関する。基板上システムは、対照システムまたは検査システムの生存能を判定することができる。このようなセンサを使用する方法も、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、参照によりその全体が本願に組み込まれる、米国仮出願第61/170,440号明細書(2009年4月17日出願、発明の名称「電気化学的基板上対照検出(ELECTROCHEMICAL ON−BOARD CONTROL DETECTION)」)の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
現場分析および診断測定キットが普及してきている。非限定的な例は、家庭用鉛検査キット、現場水質汚染検査キット、家庭用血糖検査キット、家庭用妊娠検査キット、および家庭用血液凝固検査キットなど、環境科学および健康管理で使用されるものを含む。単なる例として、使い捨ての検査ストリップにおける電気化学反応を測定する計器に基づくポイント・オブ・ケア検査が、ますます一般的になりつつある。これらの計器の多くは、健康管理の専門家によって使用されるために、さらには家庭で使用するためにこれらを購入する消費者など、あまり使い慣れていない人々のためにも設計されている。これらの計器は、適切な治療法を評価、監視、および/または決定するために、重要な健康状態(たとえば血糖レベルまたは凝固時間など)の監視において、重要な役割を果たすことができるので、検査結果が正確であることを保証する必要がある。これらの結果の精度を保証するこのような方法の1つは、検査ストリップの生存能を判定するための対照システムの使用を含むことができる。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施形態は、試料を評価するためのセンサを含む。試料は、流体試料または固体試料を含むことができる。センサは、基板上対照システムおよび検査システムを含むことができる。対照システムは、対照反応により、対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための、少なくとも1つの試薬を含むことができる。少なくとも1つの試薬は、N−オキシドまたはニトロソ化合物を含まなくてもよい。
【0004】
いくつかの実施形態において、対照反応は、対照信号を生成する。対照信号は、電気信号、光信号、色、および化学信号から選択される少なくとも1つを含むことができる。したがって、いくつかの実施形態において、対照システムは、電気化学対照システムを含むことができる。特定の実施形態において、対照反応は、外部電圧を用いることなく評価することができる。たとえば、対照反応は、少なくとも1つの試薬を組成物と接触させると活性化することができ、この接触は対照信号を生成する。いくつかの実施形態において、組成物は試料を含むことができる。いくつかの実施形態において、組成物は、外部ストレスを含むことができる。外部ストレスは、温度、pH、湿度、酸素、光、保管寿命、および化学汚染物質などから選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態において、対照システムは少なくとも2つの電極を含むことができ、ここで少なくとも1つの試薬は、電極のうちの少なくとも1つに被覆することができる。少なくとも2つの電極は、同一平面内にあってもよい。少なくとも2つの電極は、互いに対向していてもよい。いくつかの実施形態において、対照反応は、起電力を発生させることができる。たとえば、起電力は、少なくとも1つの試薬を試料中に溶解することによって発生させることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試薬は、フェリシアン化物を含むことができる。電極のうちの少なくとも1つに被覆されたフェリシアン化物の面積負荷は、1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モルであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試薬は中和剤を含むことができ、中和剤は、中和作用によって対照信号を中和することができる。中和作用は、化学反応および物理的効果から選択される少なくとも1つを含むことができる。物理的効果は、沈殿および拡散から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0006】
検査システムは、免疫検査システム、血糖検査システム、および血液凝固検査システムから選択される少なくとも1つを含むことができる。対照システムおよび検査システムは、1つのチャンバ内に配置することができる。対照システムは第1のチャンバ内に配置することができ、検査システムの少なくとも一部は、第2のチャンバ内に配置することができる。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、並列に流体接続することが可能である。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、試料通路を介して直列に流体接続することも可能である。
【0007】
本願の実施形態は、センサを使用して試料を測定する方法において、試料をセンサに付着させることであって、センサは基板上対照システムおよび検査システムを含み、対照システムは、対照反応によって対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための、少なくとも1つの試薬を含み、少なくとも1つの試薬はN−オキシドまたはニトロソ化合物を含まず、対照反応は対照信号を生成し、対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための、対照信号を標準信号と比較することと、検査システム内の試料を測定することとを含む方法を含む。対照システムは、電気化学的対照システムを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態において、対照反応は、外部電圧を用いることなく評価することができる。たとえば、対照反応は、少なくとも1つの試薬を試料と接触させると活性化することができ、この接触は対照信号を生成することができる。対照信号は、電気信号、光信号、色、および化学信号から選択される少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態において、対照システムは少なくとも2つの電極を含むことができ、ここで少なくとも1つの試薬は、電極のうちの少なくとも1つに被覆される。少なくとも2つの電極は、同一平面内にあってもよい。少なくとも2つの電極は、互いに対向していてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、対照反応は、起電力を発生させることができる。起電力は、少なくとも1つの試薬を試料中に溶解することによって発生させることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試薬はフェリシアン化物を含むことができる。電極のうちの少なくとも1つに被覆されたフェリシアン化物の面積負荷は、1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モルであってもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの試薬は中和剤を含むことができ、中和剤は、中和作用によって信号を中和することができる。中和作用は化学反応および物理的効果から選択される少なくとも1つを含むことができる。物理的効果は、沈殿および拡散から選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態において、検査システムは、免疫検査システム、血糖検査システム、および血液凝固検査システムなどから選択される少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態において、対照システムおよび検査システムは、1つのチャンバ内に配置することができる。別の実施形態において、対照システムは第1のチャンバ内に配置することができ、検査システムの少なくとも一部は第2のチャンバ内に配置することができる。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、並列に流体接続することが可能である。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、試料通路を介して直列に流体接続することが可能である。いくつかの実施形態において、試料は第1のチャンバから第2のチャンバへ移送される。移送は、毛細管現象を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態は、免疫反応および電気化学反応から選択される少なくとも1つの反応を測定することを含む方法に関する。方法は、電気信号および光信号から選択される少なくとも1つの検査信号を測定することを含むことができる。いくつかの実施形態において、試料は血液を含むことができ、ここで測定は、血液凝固または血糖濃度を測定することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】単一のチャンバを備える例示的な電気化学的バイオセンサの分解図である。
【図2】2つのチャンバを備える例示的な電気化学的バイオセンサの分解図である。
【図3】例示的な電気化学的バイオセンサを示す図である。
【図4】様々な保管条件の後の凝固バイオセンサを使用した測定の比較を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
基板上対照システムの様々な実施形態が、本明細書に記載される。いくつかの実施形態は、単に説明目的のため、バイオセンサおよび/または検査ストリップに関連して記載されるが、本願の範囲を限定するように意図するものではない。基板上対照システムは、たとえば、その意図される使用法を適切に実施するためにその生存能が検証されうる、センサもしくは現場検査キット、またはいずれかのシステムもしくは装置など、その他のタイプのシステムに適用可能であることが理解される。単に簡素化目的のために、本明細書において、基板上対照システムは、対照システムと称される。
【0014】
本明細書において使用される場合、基板上対照システムは、その生存能を検証することが可能な、バイオセンサおよび/または検査ストリップに組み込まれるものを指す。基板上対照システムの例は、たとえばCoaguchek XSおよびINRatioを含む、市販のポイント・オブ・ケア凝固装置の領域に見出することができる。基板上対照システムの利点の紹介は、たとえば、参照によりその全体が本願に組み込まれる、Unkrigらによる米国特許出願公開第2005/0123441号明細書(以下、「Unkrig」と称される)に見出すことができる。
【0015】
本明細書において使用される場合、バイオセンサは測定用の計器を含むことができる。
【0016】
対照反応が検査反応から隔離するにつれて、一般的に電気化学的バイオセンサはより複雑になる。たとえば、複雑さの増加順に:
【0017】
対照反応および検査反応の両方を含む単一の反応チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは、比較的製造しやすい。
【0018】
分離されているが電気的に接続されている対照および検査チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは、異なる領域に複数の試薬の付着を必要とするので、より複雑である。
【0019】
分離されているのみならず、電気的にも絶縁されている、対照および検査チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは、経済的に大量生産することが非常に困難であるかも知れない。これは通常、パターン内の電極材料の付着または除去を必要とする。
【0020】
しかしながら、適切な対照反応化学の発見における難しさは、上記の逆の順序である。たとえば、分離しているが電気的に絶縁されている、対照および検査チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは、別の反応(たとえば検査反応)と干渉する反応(たとえば対照反応)の問題に直面しないかも知れない。1つの反応からの電子は別の反応からの電子と区別することができないので、相対的に、分離しているが電気的に接続されている対照および検査チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは、チャンバ間の電気的干渉をこうむる可能性があるが、しかし対照反応および検査反応は、化学的には互いに干渉しないかも知れない。他方で、単一の反応チャンバを備えるバイオセンサまたは検査ストリップは通常、化学的に互いに干渉しない、または干渉する電気信号を生成させない成分または試薬を必要とする。
【0021】
Unkrigの参考文献は、ストリップの性能を損なう可能性のある条件に曝すと減少する、N−オキシドまたはニトロソ化合物を利用する基板上対照反応を開示しており、ここで基板上対照における変化が、光学的にまたは電気化学的に検出することができる。実際には、電気化学装置における電気化学的検出は、光学検出機器または比色色素など、光学的検出方法が必要とするであろう付加的な要素を必要としないので、この検出方法が好まれる。
【0022】
たとえば、Unkrigにより開示される電気化学的検出方法は、Ag/AgClに対して、約−700mVの電圧を作用電極にわたって約3秒間印加すること、およびその後、約−100mVの電圧を約1.5秒間印加することを含むことができる。第1の電位は準備段階であってもよく、第2の電位は基板上対照の測定段階であってもよい。その後検査(たとえば凝固)反応の評価が続くことができる。
【0023】
しかしながら、場合によっては、当該技術分野において教示されるように、電気化学センサにわたって電圧を印加することによって対照反応を評価することは、検査システム内でその後の検査反応に対して悪影響を及ぼす可能性がある。一例として、印加された電圧は、電極間で反応剤の望ましくない濃度勾配、および/または望ましくない生成物を生成する可能性がある。別の例として、対照反応からの電流は、検査反応に干渉する可能性がある。
【0024】
本明細書に記載される実施形態において開示される基板上対照システムは、このような問題を克服することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、基板上対照システムは、対照反応が生じるための外部電圧を必要としない。あるいは、いくつかの実施形態において、対照システムは、検査反応が評価される前に、生成された対照信号が消散するかまたは中和される可能性のある、対照反応を採用することができる。
【0025】
本明細書において使用される「対照反応」とは、たとえば、ただしこれに限定されないが、対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するために評価されうる対照信号の生成を引き起こす反応を指し、「検査反応」とは、対象となる試料の少なくとも1つの組成物を、定性的にまたは定量的に判定するために評価されうる検査信号の生成を引き起こす反応を指す。対照反応は、対照反応生成物を生成する化学反応を含むことが可能であり、ここで対照反応生成物は、たとえば対照システムの試料または試薬を含む対照反応に包含される反応成分のうちの少なくとも1つとは異なる、組成物または特性を含むことができる。対照反応は、たとえば対照システムの試料または試薬を含む、たとえば対照反応に包含される反応成分のうちの少なくとも1つの濃度勾配によって促進されうる物理的プロセスを含むことができる。対照反応は、化学反応および物理的プロセスの組合せを含むことができる。検査反応は、化学反応、物理的プロセス、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0026】
本明細書において使用される「生存能」とは、意図される測定または検査を実施するための、対照システムまたは検査システムの適性を指す。生存能は、対照システムおよび/または検査システムの測定に影響を及ぼす可能性のある、少なくとも1つの特性を含むことができる。生存能は、たとえば、測定の精度、測定結果とそれから引き出される結果との間の予測可能な相関など、またはそれらのいずれかの組合せなどに依存することができる。対照システムまたは検査システムの生存能は、たとえば、推奨されたよりも長い保管寿命、不適切な(たとえば高温すぎる、多湿すぎる)保管条件、酸または塩基への曝露、光または空気(酸素)への(長時間の)曝露、化学汚染物質(たとえば、対照システムまたは検査システムの少なくとも1つの試薬または反応剤成分と反応することができる家庭用化学薬品)への曝露など、またはそれらのいずれかの組合せによって、損なわれる可能性がある。
【0027】
本願の実施形態は、試料を評価するためのバイオセンサを含み、バイオセンサは、基板上対照システムおよび検査システムを含むことができる。試料は、流体または固体であってもよい。対照システムは、対照反応によって、対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための、少なくとも1つの試薬を含むことができる。試薬は、N−オキシドまたはニトロソ化合物を含まなくてもよい。対照反応は、対照信号を生成することができる。
【0028】
電気化学的バイオセンサにおいて、基板上対照システムは、電気化学的対照反応を含むことができる。対照システムは、対照反応の電気信号および検査反応の電気信号が互いに干渉しないように、設計することができる。これにより、対照システムを検査システムから電気的に絶縁する必要性を回避することができる。
【0029】
いくつかの実施形態において、対照システムは、検査ストリップの電極に外部から電圧を印加することを必要とせずに、それ自身の電圧(起電力またはEMFとも称される)または電流を生成するように、設計することができる。電圧または電流が、適切な電解質に2つの適切な電極を浸漬することによって生成し得ることは、当業者によく知られている。電極、および/またはそれらを取り囲む電解質は、電極間に電圧差を生成するために、様々であってもよい。通常は、異なる電解質は混合しないが、しかしこれらは塩橋によって接続することができる。電解質を混合することで、結果的にEMFの損失を生じる可能性がある。通常は、これは望ましくないことがある。しかしながら、本願のいくつかの実施形態は、対照反応において短命なEMFを生成するためにこの特性を利用する対照システムを含む。
【0030】
対照システムは、少なくとも1つの試薬を含むことができる。試薬は、対照信号を生成することが可能な対照反応をもたらすことができる。試薬は、対照反応の望ましい機構、および/または検査反応の望ましい機構に基づいて、選択することができる。いくつかの実施形態において、試薬は検査反応に干渉しない。バイオセンサの対照システムまたは検査システムの生存能を判定するために、対照信号が使用されうる。
【0031】
いくつかの実施形態において、対照反応は、外部電圧を用いることなく評価することができる。これにより、検査反応が実施される前に、外部電圧によって検査システムが損なわれる可能性を減少させることができる。
【0032】
対照反応は、対照信号を生成するために試薬を組成物に接触させると、活性化することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、バイオセンサを使用して測定される試料を含むことができる。試料は、たとえば、血液、尿、唾液、またはその他の体液、あるいはそれらのいずれかの組合せを含むことができる。これに加えて、組成物は、体液以外の対象となる試料を含むことができる。単なる例として、水質汚染検査キットでは、組成物は、評価すべき水を含むことができる。
【0033】
別の実施形態において、組成物は、たとえば、対照反応を促進することが可能な、酵素、触媒、緩衝剤、または溶媒を含むことができる。組成物は、対照反応および/または検査反応に対して不活性であり得る。組成物は、対照反応および/または検査反応を促進することができる。組成物は、対照反応および/または検査反応が起こるために、試薬および/または試料、ならびに/あるいは検査システムのいずれかの部分と反応することができる。組成物は、バイオセンサ内に(たとえば、バイオセンサのコンパートメント内に)保存することができ、ユーザによって(たとえば、コンパートメントを押しつぶすことによって、または針などの穿孔手段を使用してコンパートメントに開口部を形成することによって、テープを除去することによって、またはその他の手段によって)放出することができる。組成物は、試料中に溶解することが可能である。組成物は、試料の適用の前、最中、または後に、ユーザによって添加することができる。
【0034】
さらなる実施形態において、組成物は、対照システムまたは検査システムの生存能を害する外部ストレスを含むことができる。単なる例として、外部ストレスは、温度、pH、湿度、酸素、光、保管寿命、化学汚染物質などから選択される少なくとも1つを含むことができる。このような外部ストレスは、たとえば、対照反応および/または検査反応に関わる試薬または反応剤成分の酸化、対照反応および/または検査反応の測定に関わる電極の汚染など、あるいはそれらのいずれかの組合せを引き起こす可能性がある。
【0035】
対照反応は、対照信号を生成することができる。対照信号は、電気信号、光信号、色、および化学信号などから選択される少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。対照システムまたは検査システムの生存能は、単一の時点において、またはある期間にわたって、対照信号に基づいて評価することができる。生存能は、検査反応が活性化および/または評価される前に評価することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、対照反応は、電気信号、たとえば、電圧および/または電流を生成することができる。対照信号は、対照システムまたは検査システムが生存可能であるか否かに応じて、異なってもよい。単なる例として、対照信号は、ピーク値(振幅および/または方向を含む)、ピーク下面積、ピーク数、期間当たりの平均値、期間当たりの値の経時変化など、またはそれらのいずれかの組合せに関して、異なってもよい。電気信号の差は、対照システムおよび/または検査システムの生存能に応じて対照反応において生じる差分起電力に起因してもよい。起電力は、たとえば、2つの電極の間の電気活性化合物の濃度勾配によって生成することができる。
【0037】
電気信号は、いずれも開始点と終了点との間にあり得る、単一の時点において、またはある期間にわたって、測定することができる。開始点は、対照反応が上述のように活性化されるときであってもよい。終了点は、対照反応が停止するとき、または対照信号が消散するか、測定できないほど小さくなるときであってもよい。一例として、対照反応は、対照反応に関わる反応剤成分のうちの少なくとも1つの消耗によって停止することができる。このような反応剤成分は、たとえば、対照システムの試料および試薬を含むことができる。消耗は、たとえば、このような反応剤成分のうちの少なくとも1つの消費、沈殿など、またはそれらの組合せに起因してもよい。別の例として、対照反応は、(たとえば対照システムの試料および/または試薬に含まれる)電気活性化合物の濃度勾配が消滅し、電気活性化合物が、たとえば拡散によって平衡状態に到達するときに、起電力が消散するので、停止することができる。対照信号は、中和剤を含む中和効果によって、消散することができる。単なる例として、試料が添加されると、対照反応は、電圧差、またはその他のなんらかの電気化学信号を生成することができるが、しかし中和剤によって急速に中和することができる。中和作用は、化学反応(たとえば、ヨウ素およびアスコルビン酸は互いに中和し合うことができる)、またはたとえば沈殿(たとえばCo2+、Mn2+、またはZn2+イオンは、フェリシアン化物を沈殿することができる)などの物理的効果によってもよい。電気活性化合物の沈殿は、電極との相互作用を不可能にする可能性がある。
【0038】
いくつかの実施形態において、対照システムの試薬は、検査反応に関わる少なくとも1つの反応剤成分として使用することができる。対照反応および検査反応は、様々な条件下で活性化または進行することができる。単なる例として、対照反応は、対照信号を生成するために対照システムに試料を適用すると活性化されうるが、ここで対照信号は、検査反応が活性化される前に、測定および/または記録され、消散する。その一方で、検査反応は、評価および/または記録される検査信号を生成するために、特定の時点で外部電圧を印加すると、活性化されうる。対照信号および検査信号は、検査反応が活性化される時点に基づいて、区別される。別の例として、検査反応は、試料の適用とは異なる時点で適用されうる追加反応剤成分を包含することができる。対照信号および検査信号は、検査反応が追加反応剤成分の適用によって活性化される時点に基づいて、区別することができる。追加反応剤成分は、異なるチャンバ内の追加成分を、もしくは別の方法でバイオセンサの別の部分を被覆することによって、制御された方法で適用することができる。あるいは、追加反応剤成分は、試料への溶解速度が対照信号または対照反応の生成物の存在および/または量に依存できるようになっていてもよい。したがって、検査反応は、対照反応の状態および/または進度に応じて、活性化することができる。
【0039】
別の実施形態において、対照システムの試薬は、検査反応に関わる反応剤成分とは異なってもよい。対照システムの試薬の変化は、検査反応の生存能、または検査反応に関わる反応剤成分と相関することができる。いくつかの態様において、このような相関は、たとえば、実質的に同じ条件の下での類似特性変化から生じることができる。本明細書において使用される「類似特性変化」とは、対照システムの試薬の少なくとも1つの特性における変化が、実質的に同じ条件(たとえば保管条件)の下にある検査システムの少なくとも1つの反応剤成分のそれと、実質的に類似または相関していることを指す。単なる例として、一実施形態において、対照システムの試薬および検査システムの少なくとも1つの反応剤成分はいずれも、湿度に対して敏感であるかも知れない。試薬を伴う対照反応によって生成された対照信号は、対照システムおよび/または検査システムの生存能が損なわれ、バイオセンサが意図される使用法に適さなくなる程度まで、過剰な湿度によって反応剤成分が劣化または別の方法で変質したときを示すことができる。別の態様において、このような相関は、たとえば、対照システムの試薬と、検査システムの少なくとも1つの反応剤成分との間の交差反応性の変化に起因してもよい。単なる例として、適切な保管条件の下で、対照システムの試薬は、検査システムの反応剤成分に対して不活性である。その一方、過剰な湿度に曝されると、対照システムの試薬は、対照システムおよび/または検査システムの生存能が損なわれてバイオセンサが意図される使用法に適さなくなるように、検査システムの反応剤成分と反応することができる。
【0040】
対照システムの試薬は、対照反応および/または検査反応の望ましい機構、バイオセンサを用いて評価される試料、対照反応および/または検査反応に関わる反応剤成分、適切な保管条件、費用など、またはそれらの組合せを含む配慮に基づいて選択することができる。対照システムは、1つまたは複数の試薬を含むことができる。いくつかの実施形態において、対照システムは、二相対照信号または様々な条件に対する感受性を有する基板上対照反応を生成するために、様々な安定性を有する試薬を含むことができる。たとえば、対照システムは、以下の試薬のうちの少なくとも2つを含むことができ、ここで第1の試薬は高温に敏感であってもよく、第2の試薬は湿度に敏感であってもよく、第3の試薬は周囲のpH値の変化に敏感であってもよく、第4の試薬は光に敏感であってもよい。
【0041】
単なる例として、対照システムは、ヨウ素、アスコルビン酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物、4−アミノ−2−クロロフェノールなどから選択される少なくとも1つの試薬、またはこれらのいずれかの組合せを含むことができる。
【0042】
対照システムの試薬は、被覆(たとえば乾燥)するか、または別の方法で対照システムの一部に、たとえば対照システムの少なくとも1つの電極または内表面で、担持することができる。試薬の面積負荷は、試薬の特性、対照反応および/または検査反応の機構など、またはそれらの組合せに応じて、選択することができる。単なる例として、対照反応として電圧差を生成するための試薬の面積負荷(たとえば、対照システムの電極または内表面上のフェリシアン化物)は、1平方メートル当たり約1×10−6から約1000×10−6モル、または1平方メートル当たり約2×10−6から約800×10−6モル、または1平方メートル当たり約5×10−6から約500×10−6モル、または1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モルであってもよい。試薬の面積負荷は、1平方メートル当たり少なくとも約1×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約2×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約5×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約10×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約25×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約50×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約75×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約100×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約150×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約200×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約250×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約300×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約400×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約500×10−6モル、または1平方メートル当たり少なくとも約1000×10−6モルであってもよい。試薬の面積負荷は、1平方メートル当たり約1000×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約800×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約500×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約400×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約300×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約250×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約200×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約150×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約100×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約75×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約50×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約30×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約25×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約20×10−6モル未満、または1平方メートル当たり約10×10−6モル未満であってもよい。本明細書において使用される「約」とは、これが示す値の±20%の変動を示す。
【0043】
いくつかの実施形態において、対照システムは、2つの電極を用いて測定される電気化学的対照反応を含むことができる。単なる例として、対照反応は、電極間のフェリシアン化物の濃度勾配によって生成することができる。たとえば、一実施形態において、第1の電極は低面積負荷のフェリシアン化物(たとえば、1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モル)を含有する試薬で被覆することができ、第2の電極は(たとえばフェリシアン化物を全く含まない、または実質的に含まない試薬を被覆することによって)実質的にフェリシアン化物を含まなくてもよい。第1の電極と第2の電極との間に試料が添加されると、第1の電極上に被覆された試薬(および、利用可能かつ溶解可能であれば第2の電極上に被覆された試薬)は、試料中に溶解することができる。初めに、第1の電極に近い溶液は、第2の電極に近い溶液よりも高い濃度のフェリシアン化物を含有している。いくつかの実施形態において、これは第1の電極と第2の電極との間の電圧差を形成することができる。電圧差は、直接測定することができる。あるいは、電極が低インピーダンス電気接続によって接続され、その結果生じる電流が外部回路によって測定されることも可能である。検査システムはまた、アンペロメトリまたはボルタンメトリ評価を含む電気化学的検査反応を含むこともできる。検査反応の評価に干渉しないように、電気信号(電流または電圧)は、1)外部回路を流れる電流が、電気化学的電圧差を効果的に均衡または平坦化させることができる方法、および/または2)1つの電極から別の電極へのフェリシアン化物の拡散が、フェリシアン化物濃度勾配、およびひいては電圧差を減少させることができる方法の少なくとも2つの方法による評価の前に消散することができる。
【0044】
電気信号は、上述のように、対照反応の開始点と終了点との間の単一の時点において測定することができる。測定は、対照反応が活性化されてから、約0.01秒、または約0.05秒、または約0.1秒、または約0.2秒、または約0.5秒、または約0.8秒、または約1秒、または約1.5秒、または約2秒、または約2.5秒、または約3秒、または約3.5秒、または約4秒、または約4.5秒、または約5秒、または約6秒、または約7秒、または約8秒、または約9秒、または約10秒、または約15秒、または約20秒、または約25秒、または約30秒、または約30秒を超えた後に行われることが可能である。測定は、対照反応が活性化されてから、約0.01秒、または約0.05秒、または約0.1秒、または約0.2秒、または約0.5秒、または約0.8秒、または約1秒、または約1.5秒、または約2秒、または約2.5秒、または約3秒、または約3.5秒、または約4秒、または約4.5秒、または約5秒、または約6秒、または約7秒、または約8秒、または約9秒、または約10秒、または約15秒、または約20秒、または約25秒、または約30秒以内に行われることも可能である。
【0045】
電気信号は、上述のように、対照反応の開始点と終了点との間の期間にわたって測定することができる。測定は、対照反応が活性化されてから、約0.01秒、または約0.05秒、または約0.1秒、または約0.2秒、または約0.5秒、または約0.8秒、または約1秒、または約1.5秒、または約2秒、または約2.5秒、または約3秒、または約3.5秒、または約4秒、または約4.5秒、または約5秒、または約6秒、または約7秒、または約8秒、または約9秒、または約10秒、または約15秒、または約20秒、または約25秒、または約30秒、または30秒を超える後に、開始することができる。測定は、対照反応が活性化されてから、約0.01秒、または約0.05秒、または約0.1秒、または約0.2秒、または約0.5秒、または約0.8秒、または約1秒、または約1.5秒、または約2秒、または約2.5秒、または約3秒、または約3.5秒、または約4秒、または約4.5秒、または約5秒、または約6秒、または約7秒、または約8秒、または約9秒、または約10秒、または約15秒、または約20秒、または約25秒、または約30秒以内に開始することができる。測定は、約0.1秒、または約0.5秒、または約1秒、または約1.5秒、または約2秒、または約2.5秒、または約3秒、または約3.5秒、または約4秒、または約4.5秒、または約5秒、または約6秒、または約7秒、または約8秒、または約9秒、または約10秒、または約15秒、または約20秒、または約25秒、または約30秒、または約30秒を超えて持続することができる。測定は、約0.1秒未満、または約0.5秒未満、または約1秒未満、または約1.5秒未満、または約2秒未満、または約2.5秒未満、または約3秒未満、または約3.5秒未満、または約4秒未満、または約4.5秒未満、または約5秒未満、または約6秒未満、または約7秒未満、または約8秒未満、または約9秒未満、または約10秒未満、または約15秒未満、または約20秒未満、または約25秒未満、または約30秒未満、または約40秒未満、または約50秒未満、または約1分未満、または約1.5分未満、または約2分未満、または約3分未満、または約4分未満、または約5分未満、持続することができる。測定は、約0.1秒より長く、または約0.5秒より長く、または約1秒より長く、または約1.5秒より長く、または約2秒より長く、または約2.5秒より長く、または約3秒より長く、または約3.5秒より長く、または約4秒より長く、または約4.5秒より長く、または約5秒より長く、または約6秒より長く、または約7秒より長く、または約8秒より長く、または約9秒より長く、または約10秒より長く、または約15秒より長く、または約20秒より長く、または約25秒より長く、または約30秒より長く持続することができる。
【0046】
電気信号が測定されて対照反応が持続する期間は、対照反応が検査反応の評価に実質的に干渉しないように選択することができる。
【0047】
対照システムまたは検査システムの生存能は、上述のように、対照反応の開始点と終了点との間の単一の時点において測定された電気信号に基づいて判定することができる。生存能は、たとえば、振幅および/または方向を含む所定の標準値と電気信号を比較することによって判定することができる。いくつかの実施形態において、生存能は、電気信号が標準値とほぼ同じである場合に確認され、別の実施形態では、電気信号が標準値よりも高いかまたは低い場合に生存能が確認される。
【0048】
対照システムまたは検査システムの生存能は、上述のように、開始点と終了点との間の期間にわたって測定された電気信号に基づいて、判定することができる。たとえば、生存能は、その期間のほぼ全体、またはその期間の一部にわたる電気信号を使用して、判定することができる。いくつかの実施形態において、生存能は、直接的に電気信号を使用して判定することができる。単なる例として、生存能は、時間依存電気信号が所定の標準プロファイルと一致する場合に、確認することができる。別の実施形態において、電気信号は、生存能を評価するために使用される前に処理または変換することができる。単なる例として、電気信号は、振幅および/または方向を含むピーク値、ピーク下面積、ピーク数、ピークが現れる時間、ピークが持続する期間、ピークが消散する速さ、ある期間の少なくとも一部にわたる平均値など、またはそれらの組合せを得るために、処理または変換することができる。生存能は、たとえば、振幅、方向など、またはそれらの組合せを含む所定の標準値と電気信号を比較することなどによって判定することができる。
【0049】
対照システムまたは検査システムの生存能は、たとえば、処理または変換がされているかまたはされていない電気信号を標準値と比較することなどによって判定することができる。比較は、たとえばコンピュータまたはデータプロセッサなどの装置を使用して、実施されうる。装置は、バイオセンサまたは計器に組み込まれてもよい。バイオセンサが生存可能であるか否かに関わらず、結果は、オーディオ装置(たとえばスピーカ)、ビジュアル装置(たとえば画面)、プリンタなど、またはそれらの組合せによって報告することができる。いくつかの実施形態において、比較は、たとえばユーザによって、手動で実施することができる。単なる例として、いくつかの実施形態において、ユーザは、対照システムまたは検査システムの生存能を判定するために、画面または紙に印刷された、処理または変換がなされているかまたはされていない電気信号を、標準値と比較することができる。あるいは、いくつかの実施形態において、計器は対照システムの結果を直接的に報告せず、むしろ対照システム信号が生存可能または不可能な検査システムを示すか否かを判定する。したがって、いくつかの実施形態において、検査システムが生存可能であると判定されれば、計器は検査結果をユーザに提示し、検査システムが生存不可能であると判定されれば、適切なエラーメッセージがユーザに対して表示される。
【0050】
いくつかの実施形態において、対照反応と検査反応との間には相関がある。単なる例として、検査反応に関わる反応剤成分の特性の変化は、対照反応において定量的に検出することができ、変化による最終結果の偏差は補正係数を用いて修正することができ、ここで補正係数は、対照反応において生成された電気信号の関数であってもよい。対照反応は、検査反応の生存能検査に加えて、較正の役割も果たすことができ、最終結果の精度を保証するために、電気信号に基づいて検査反応の補正係数を提供することができる。本明細書において使用される場合、最終結果とは、意図される使用法にしたがってバイオセンサを使用して試料を評価することによって生成されるものを指す。最終結果は、試料中の対象の組成物の少なくとも1つの特性を示すことができる。特性は、たとえば、欠如の存在、濃度など、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、対照反応は、対照システムまたは検査システムが生存可能であるか否かに応じて、化学信号を生成することができる。単なる例として、例示的な実施形態において、バイオセンサの検査システムは、湿度に対して敏感であってもよい。バイオセンサが過剰な湿度に曝されると、バイオセンサの対照システムは、対照反応の活性時に、化学成分を生成することができる。このような化学成分は、たとえば、試料中の対象の組成物の拮抗剤、検査反応に関わる酵素の抑制剤、検査システムの対応する抗体に結合可能な試料中の対象とする抗原の類似体など、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、試料中の対象の組成物およびバイオセンサの検査システムは、対照システムまたは検査システムの生存能が確認または損なわれたときに、対照反応に関わる機構および/または試薬にかかわらず、対照反応の後に健全のままでいることが可能である。つまり、いくつかの実施形態において、対照反応は、対照システムまたは検査システムの生存能が確認または損なわれたときに、バイオセンサの意図される使用法を害することがない。別の実施形態において、試料中の対象の組成物およびバイオセンサの検査システムは、対照システムまたは検査システムの生存能が確認されたときに、対照反応に関わる機構および/または試薬にかかわらず、対照反応の後に無傷のままでいることが可能である。いくつかの実施形態において、試料中の対象の組成物およびバイオセンサの検査システムは、対照システムまたは検査システムの生存能が損なわれたときに、対照反応の後に害することができる。
【0053】
対照反応は、検査反応によって生成される検査信号と同じタイプの対照信号を生成することができる。単なる例として、対照反応および検査反応はいずれも、電気信号または光信号を生成することができる。対照信号および検査信号は、同じ装置または同じタイプの装置を使用して、測定および/または記録することができ、対照反応または検査反応が活性化される異なる時点によって、区別することができる。いくつかの実施形態において、対照信号は、検査信号が測定および/または記録される前に消散する可能性があり、検査信号に干渉しないようになっている。一種類の測定装置が必要とされるため、これによりバイオセンサおよび/またはその使用法を簡素化することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、対照反応は、検査反応によって生成される検査信号と異なるタイプの対照信号を生成することができる。単なる例として、対照信号は光信号を生成することができるが、その一方で検査反応は電気信号を生成することができる。対照信号および検査信号は、異なる装置を使用して、測定および/または記録することができる。
【0055】
上述の基板上対照システムは、その意図される使用法を実施するためにその生存能が検証されうる、たとえばバイオセンサ、センサ、または現場検査キットなど、幅広いシステムまたは装置に適用可能であることが理解される。単なる例として、適切な用途は、血液凝固、ブドウ糖、コレステロール、免疫測定など、またはそれらのいずれかの組合せを評価するためのバイオセンサを含むが、これに限定されない。このようなバイオセンサの記述は、たとえば、各々が参照によりその全体が本願に組み込まれる、2001年7月13日出願の「IMMUNOSENSOR(免疫センサ)」と題される国際公開第2002/008763号パンフレット;2002年3月21日出願の「DIRECT IMMUNOSENSOR ASSAY(直接的免疫センサ分析法)」と題される米国特許出願公開第20030180814号明細書;2005年11月21日出願の「BIOSENSOR APPARATUS AND METHODS OF USE(バイオセンサ装置および使用法)」と題される米国特許出願公開第20060134713号明細書;2009年9月18日出願の「BIOSENSOR APPARATUS AND METHODS OF USE」と題される米国特許出願公開第20100006452号明細書;2007年7月13日出願の「ELECTROCHEMICAL DETECTION OF MAGNETIC PARTICLE MOBILITY」と題される国際公開第2008/010058号パンフレット;2008年10月25日出願の「APPARATUS AND METHOD FOR ELECTROCHEMICAL DETECTION」と題される国際公開第2009/053834号パンフレット;2009年7月19日出願の「ENHANCED IMMUNOASSAY SENSOR」と題される国際公開第2010/004436号パンフレットに見出すことができる。上述のように、本願は、単に説明目的のためにバイオセンサに関連して記載されるが、本願の範囲を限定するように意図するものではない。
【0056】
いくつかの実施形態において、試料を評価するためのバイオセンサは、基板上対照システムおよび検査システムを含むことができる。試料は、流体または固体であってもよい。対照システムは、対照反応によって、対照システムおよび検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための、少なくとも1つの試薬を含むことができる。試薬は、N−オキシドまたはニトロソ化合物を含まなくてもよい。対照反応は、対照信号を生成することができる。検査システムは、試料中の対象の組成物を評価するために、試料を用いて検査反応を実施することができる。バイオセンサは、単一のチャンバまたは複数のチャンバを含むことができる。
【0057】
したがって、いくつかの実施形態において、バイオセンサは単一のチャンバを含むことができる。対照システムおよび検査システムは、同じチャンバ内に配置することができる。いくつかの実施形態において、対照信号および検査信号は同じタイプ(たとえば電気信号、光信号)である。対照信号および検査信号は、たとえば、対照反応および検査反応がそれぞれ活性化または測定される異なる時点に基づいて、区別することができる。いくつかの実施形態において、対照反応および検査反応は、少なくとも約0.1秒、または少なくとも約0.2秒、または少なくとも約0.3秒、または少なくとも約0.4秒、または少なくとも約0.5秒、または少なくとも約0.6秒、または少なくとも約0.7秒、または少なくとも約0.8秒、または少なくとも約0.9秒、または少なくとも約1秒、または少なくとも約1.2秒、または少なくとも約1.5秒、または少なくとも約1.8秒、または少なくとも約2秒、または2秒を超えて、離れていてもよい。いくつかの実施形態において、対照反応および検査反応は、約60秒未満、または約50秒未満、または約40秒未満、または約30秒未満、または約20秒未満、または約15秒未満、または約10秒未満、または約8秒未満、または約5秒未満、または約3秒未満、または約2秒未満、または約1.5秒未満、または約1.2秒未満、または約1秒未満、または約0.8秒未満、または約0.5秒未満、離れていてもよい。別の実施形態において、対照信号および検査信号は異なるタイプ(たとえば1つは電気信号でもう1つは光信号)であってもよい。たとえば、対照信号および検査信号は、信号のタイプに基づいて区別することができる。さらなる実施形態において、対照信号は、対照システムまたは検査システムが生存可能ではない場合に、検査反応が起こるのを防止することができる。上記参照のこと。
【0058】
いくつかの実施形態において、バイオセンサは2つのチャンバを含むことができる。検査反応は、1つまたは複数の段階(たとえば、電気化学的免疫測定における免疫反応および電気化学的検出)を含むことができる。いくつかの実施形態において、対照反応および検査反応は、個別のチャンバ内に配置することができる。いくつかの実施形態において、対照反応および検査反応の一部(たとえば免疫反応)は同じチャンバ内に配置することが可能であり、その一方で検査反応の別の部分は別のチャンバ内に配置することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、2つのチャンバは並列に流体接続することが可能である。たとえば、対照反応および検査反応は、個別のチャンバ内に配置することができる。対照反応および検査反応は、実質的に互いに無関係に起こり得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、2つのチャンバは直列に流体接続することが可能である。たとえば、対照反応および検査反応の一部(たとえば免疫反応)は第1のチャンバ内に配置することができ、その一方で検査反応の別の部分(たとえば電気化学的検出)は第2のチャンバ内に配置することができる。試料は、試料通路によって、第1のチャンバから第2のチャンバに流れることができる。試料通路は、開放通路であってもよい。試料は、毛細管現象により、第1のチャンバから第2のチャンバに流れることができる。いくつかの実施形態において、第2のチャンバは、ユーザによって開放されうる通気孔を含むことができる。第2のチャンバは、第1のチャンバよりも大きい毛細管引力を発生させることができる。より大きい毛細管力は、たとえば、より小さい毛細管寸法、親水性界面活性剤など、またはそれらの組合せに起因してもよい。あるいは、第2のチャンバの毛細管力は、第1のチャンバの毛細管力と同じかまたはそれより小さくてもよいが、ストリップの第1のおよび第2のチャンバと流体接続しているストリップの別のチャンバの毛細管力よりも大きくてもよい。たとえば、第2のチャンバおよび第1のチャンバは、第3の試料導入チャンバよりも大きい毛細管力を有することができる。いくつかの実施形態において、試料は、第2のチャンバ内に閉じ込められた空気により、第1のおよび第2のチャンバの間の開放試料通路で止められることが可能であり、たとえば穿孔などによって通気孔を開口すると、第2のチャンバまで流れることができる。このような設計は、たとえば、それぞれが参照によりその全体が本願に組み込まれる、2001年7月13日出願の「IMMUNOSENSOR」と題される国際公開第2002/008763号パンフレット;2002年3月21日出願の「DIRECT IMMUNOSENSOR ASSAY」と題される米国特許出願公開第20030180814号明細書;2005年11月21日出願の「BIOSENSOR APPARATUS AND METHODS OF USE」と題される米国特許出願公開第20060134713号明細書;2009年9月18日出願の「BIOSENSOR APPARATUS AND METHODS OF USE」と題される米国特許出願公開第20100006452号明細書に、記載されている。試料通路は、分岐停止(たとえばメニスカス制御)を含むことができる。試料は、分岐停止を越えて試料を押すのに十分な外圧によって、第1のチャンバから第2のチャンバに流れることができる。このような分岐停止に関する記述は、たとえば、参照によりその全体が本願に組み込まれる、1984年1月17日発行の、「MULTI−ZONED REACTION VESSEL HAVING PRESSURE−ACTUATABLE CONTROL MEANS BETWEEN ZONES」と題される米国特許第4,426,451号明細書に見出すことができる。試料通路は、試料のための保持力を発生させることが可能な少なくとも1つの孔を含む、障壁層を含むことができる。試料は、保持力を妨げることによって、第1のチャンバから第2のチャンバに流れることができる。たとえば、保持力は、障壁層と同一平面内にない第2のチャンバ内の表面を障壁層内の試料と接触させることによって、妨げられ得る。このような設計は、たとえば、参照によりその全体が本願に組み込まれる、2007年2月15日出願の「FLUID TRANSFER MECHANISM(流体移送機構)」と題される国際公開第2007/096730号パンフレットに見出すことができる。対照信号および検査信号は、いつ試料を第1のチャンバから第2のチャンバに進めるかを制御することによって区別することができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、バイオセンサは3つ以上のチャンバを含むことができる。単なる例として、バイオセンサは、上述のように並列に流体接続しているかまたは直列に流体接続している2つのチャンバに加えて、充填チャンバを含むことができる。別の例として、バイオセンサは3つのチャンバを含むことができ、ここでそれぞれ、対照システムは第1のチャンバ内に配置することができ、検査システムの様々な部分(たとえば、免疫反応および電気化学的検出)は第2のチャンバおよび第3のチャンバ内に配置することができる。いくつかの実施形態において、第1のチャンバは第2のチャンバと並列に流体接続しており、第2のチャンバは第3のチャンバと直列に流体接続している。別の実施形態では、3つのすべてのチャンバが直列に流体接続している。チャンバのいずれか2つの間には、上述のような試料通路が存在してもよい。
【0062】
チャンバは、少なくとも1つの内表面を含むことができる。本明細書において使用される場合、内表面は、チャンバの内部の断面形状および/または容積を画定することができる、内壁を含むことができる。内壁は、固体材料、繊維質材料、マクロ多孔性材料、粉末状材料など、またはそれらのいずれかの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。内表面は、反応チャンバ内の少なくとも1つの独立した担持体の内表面を含むことができる。適切な担持体は、固体材料、メッシュ材料、繊維質材料、多孔質材料、粉末状材料、または材料のビーズ、またはそれらの混合物を含むことができるが、これらに限定されない。メッシュ材料は、たとえば、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、またはそれらの混合物などのポリマーを含むことができるが、これらに限定されない。繊維質材料は、たとえば、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、またはそれらの混合物などのポリマーを含むことができる。多孔質材料は、たとえば、焼結粉末、またはマクロ多孔質膜等を含むことができる。マクロ多孔質膜は、たとえば、ポリスルホン、二フッ化ポリビニリデン、ナイロン、アセチルセルロース、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはそれらの混合物などのポリマー材料を含むことができる。ビーズ材料は、対照反応および/または検査反応に関わる試薬および/または反応剤成分に適切な担持体が提供されるように、選択することができる。適切なビーズは、ノルウェイ国オスロ市のDynal BiotechによるDYNABEADS(登録商標)として市販されているものを含むことができる。ビーズは、たとえば、磁気ビーズを含むことができる。担持体は、以下の利点のうちの少なくとも1つを有することができる。第1に、担持体は、対照反応および/または検査反応に関わる試薬もしくはその他の反応剤成分が付着し得る、ならびに/あるいはチャンバ内で対照反応および/または検査反応が発生し得る表面積を増加させることができる。これは、反応時間、および/または望ましくないプロセス(たとえば、汚染、凝固など)が発生する可能性を減少させることができる。第2に、担持体は、反応チャンバの毛細管距離を短縮することによって、流体試料への毛細管力を増加させることができる。
【0063】
対照反応および/または検査反応に関わる試薬および/または反応剤成分は、チャンバの少なくとも1つの内表面上に、被覆されるか、あるいは別の方法で担持することができる。試薬および/または反応剤成分が内側チャンバ壁または電極上に担持されることになる場合、たとえばインクジェット印刷、スクリーン印刷、リソグラフィなどの印刷技術を用いて、化学物質が塗布されうる。代替実施形態において、試薬または反応剤成分を含有する溶液が、チャンバ内の内表面に塗布されて、乾燥させられることが可能である。試薬および/または反応剤成分は、流体試料または緩衝剤またはチャンバ内に添加されるその他の溶媒によって、溶解することができる。少なくとも1つの試薬または反応剤成分は、流体試料または緩衝剤またはチャンバ内に添加されるその他の溶媒によって溶解されない可能性がある。少なくとも1つの試薬または反応剤成分は、たとえば、その孔が試薬または反応剤成分の粒径よりも小さい多孔性膜、あるいは試薬または反応剤成分で被覆された磁気ビーズの運動を抑制する磁石などを使用して、固定することができる。試薬および/または反応剤成分は、1つ以上の内表面の少なくとも一部に、均一に被覆もしくは別の方法で担持することができる。あるいは、試薬および/または反応剤成分は、チャンバの別の部分(たとえば、同じチャンバの同じ内表面の様々な部分、もしくは同じチャンバの様々な内表面上、または様々なチャンバの様々な内表面)に、被覆もしくは別の方法で担持することができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、バイオセンサのチャンバは2つの内表面を有することができ、そのうちの1つまたは両方は、導電性材料を含むことができる。導電性材料は、内表面のうちの1つまたは両方と同延することができる。このような内表面は、電極の役割を果たすことができる。電極は、導体パッドを介して、計器などに電気的に接続することができる。例示的なバイオセンサおよび製造方法の記述は、たとえば、それぞれが参照によりその全体が本願に組み込まれ、いずれも「METHOD AND APPARATUS FOR ELECTROCHEMICAL ANALYSIS(電気化学的分析のための方法および装置)」と題される、2005年5月25日出願の米国特許出願公開第20060266644号明細書、および2005年11月21日出願の米国特許出願公開第20070205103号明細書に見出すことができる。バイオセンサが、2つの異なる電極の役割を果たす2つの導電性内表面を含む場合、2つの内表面は、たとえば電気絶縁材料によって、互いに分離することができる。別の実施形態において、バイオセンサの内表面のすべてが、電気的に絶縁性であってもよい。
【0065】
バイオセンサが複数のチャンバを含む場合、少なくとも2つのチャンバにわたって延在する内表面は、内表面と実質的に同延する導電性材料を含むことができ、したがって、連続的に電気的絶縁性であり得る。本明細書において使用される場合、実質的にとは、内表面の少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%が、導電性材料によって覆われていることを示す。単なる例として、バイオセンサは、試料通路によって直列に流体接続している、第1のチャンバおよび第2のチャンバを含むことができる。試料は、第2のチャンバ内に通気孔を開口すると、チャンバから第2のチャンバへ流れることができる。2つのチャンバは、第1の内表面、第2の内表面、スペーサ層、およびスペーサ層の開口によって、画定することができる。対照システムおよび電気対照信号は、第1のチャンバ内に配置または生成することができ、検査システムの少なくとも一部および電気検査信号は、第2のチャンバ内に配置または生成することができる。第1の内表面は、第1の内表面と実質的に同延していて作用電極の役割を果たすことが可能な、導電性材料を含むことができる。第2の内表面は、第2の内表面と実質的に同延していて対電極の役割を果たすことが可能な、導電性材料を含むことができる。作用電極および対電極は、第1の内表面と第2の内表面との間の電気絶縁スペーサ層によって、分離することができる。作用電極および対電極は、電気対照信号および電気検査信号を測定するために、導体パッドを介して計器に電気的に接続することができる。対照反応は、電気対照信号を生成するために第1のチャンバに試料を付着させると、活性化することができる。通気孔を開口すると、試料は、外部電圧を印加することによって検査反応が活性化される第2のチャンバに流入することができる。対照信号および検査信号は、同じ計器を使用して測定および/または記録することができ、外部電圧が印加される時点によって区別することができる。
【0066】
バイオセンサが複数のチャンバを含む場合、少なくとも2つのチャンバにわたって延在する内表面は、内表面と実質的に同延する導電性材料を含むことができるが、しかしスクラッチを含む可能性がある。このようなスクラッチは、たとえば、2つのチャンバの間の試料通路の付近に位置するかも知れない。スクラッチは、チャンバ内の導電性材料に破損を生成する可能性がある。破損は、それが置かれたときに導電膜をパターニングすることによって、または製造中に破損を生じることによって影響を受ける可能性がある。スクラッチは、導電性材料をスクラッチつけること、導電性材料を擦り落とすこと、導電性材料を化学的にエッチングすること、導電性材料をレーザ除去すること、またはその他の方法によって、影響を受ける可能性がある。導電性材料のスクラッチは、部分的には、チャンバ内の導電性領域を別のチャンバの導電性領域から電気的に絶縁することによって、チャンバ内の有効電極面積を画定するのに役立つことができる。スクラッチは、スクラッチが存在する内表面の電気伝導を確実に破壊するのに十分な幅であってもよいが、しかしたとえば毛細管現象下などで、流体がこれと交差するのを防止するほど幅広くなくてもよい。スクラッチは、約1マイクロメートルから10ミリメートル、または約10マイクロメートルから約1ミリメートル、または約20マイクロメートルから約200マイクロメートルであってもよい。スクラッチと試料通路との間の距離は、スクラッチが存在するチャンバの長さの、約1%未満、または約5%未満、または約10%未満、または約15%未満、または約20%未満、または約25%未満、または約30%未満、または約35%未満、または約40%未満、または約45%未満、または約50%未満、または約55%未満であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、バイオセンサは、作用電極および対電極の、2つの電極を含むことができる。2つの電極は、バイオセンサの様々な内表面上に位置することができる。単なる例として、2つの電極は、互いに対向していてもよい。2つの電極は、互いに対向しており、ある距離だけずれていてもよい。2つの電極は、同一平面内にあって、ある距離だけ互いに離間していてもよい。このような実装は、対照反応の持続時間を短縮するために、センサまたは中和電気化学的化合物内の電気化学ポテンシャル差の放電に依存することができる。中和させる電気化学的化合物は、電極上に被覆することができる。別の実施形態において、バイオセンサは、3つ以上のチャンバを含むことができる。単なる例として、バイオセンサは、基準電極、または2つ以上の作用電極を含むことができる。
【0068】
本願の実施形態は、上述のようなバイオセンサの使用法を含む。単に便宜目的のため、本明細書に記載されるバイオセンサを使用する方法は、試料通路で直列に流体接続している2つのチャンバを備えるバイオセンサに関して記載される。例示的なバイオセンサは、対照システムおよび検査システムを含む。対照システムは、電気対照信号を生成するための電気化学反応を含む。検査システムは、電気検査信号を生成するための、免疫反応および電気化学的検出を含む。対照システムの電気化学反応および検査反応の免疫反応は、第1のチャンバ内で生じ、一方、電気化学的検出は、第2のチャンバ内で生じる。本実施形態の使用法が説明目的のみのためであり、本開示の範囲を限定するように意図されないことが理解される。
【0069】
使用の際、ユーザはまず、流体試料を第1のチャンバ内に導入することができる。試料は、毛細管またはウィッキング現象の影響の下で、第1のチャンバ内に引き込まれることが可能である。試料は、たとえば、シリンジ、および/またはポンプ、ならびに/あるいはユーザなどの装置によって発生する外力により、第1のチャンバ内に引き込まれることが可能である。第1のチャンバは、大気に開放されており、このため試料によって押し出される空気を逃がす通気孔を備えることができる。あるいは、流体試料による第1のチャンバの充填により、空気を第2のチャンバに押し出すことができる。第1のチャンバの容積は、少なくとも第2のチャンバの容積と等しく、好ましくはより大きくなるように、選択することができる。
【0070】
対象の組成物(たとえば抗原)を含有する全血などの試料の第1のチャンバへの導入は、対照反応および免疫反応を活性化することができる。
【0071】
たとえば約10から約600秒など、所与の時間の後、第2のチャンバの遠位端にある通気孔は、たとえば穿孔、破れ、または打ち抜きによって、開口される。これは、押し出された空気を逃がし、毛細管現象によって反応済み流体試料を第2のチャンバに移送することを可能にする。第2のチャンバは、対象の組成物の電気化学的評価のための、少なくとも1つの反応剤成分を備えることができる。電気化学的検出は、外部電圧が印加されると活性化され、電気検査信号を生成することができる。
【0072】
電気対照信号および検査電気信号は、同じ定電位電解装置を使用して測定することができ、信号は、同じ図に記録することができる。電気対照信号および検査電気信号は、外部電圧が印加される時点に基づいて、区別することができる。対照システムまたは検査システムの生存能は、対照信号を所定の標準値と比較することによって決定することができる。
【0073】
本願の実施形態は、以下の実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0074】
以下の非限定的な実施例が、本願の実施形態をさらに説明するために、提供される。以下の実施例において開示される技術が、本願の実施において良好に機能するために、本発明者らによって見出された手法を提示しており、その実施のためのモードの例を構成すると見なされてもよいことが、当業者によって理解されたい。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、多くの変更が、開示されている特定の実施形態になされてもよく、それでもなお本願の精神および範囲を逸脱することなく類似または同様の結果を得ることができることを理解されたい。
【0075】
実施例1
図1は、単一のチャンバを備える例示的な電気化学的バイオセンサの分解図を示す。1は下部電極を示し、2は絶縁分離器またはスペーサ層を示す。スペーサ層には、その長さの一部に沿って、開口部がある。3は上部電極を示す。上部電極3は、その長さの一部に沿う第1の開口部、および第1の開口部とある角度をなす第2の開口部を有する。上部電極の第1の開口部は、スペーサ層2の開口部と実質的に平行である。4は、5で示される充填チャンバのカバーを示す。6は反応チャンバを示す。充填チャンバ5は、下部電極1、カバー4、上部電極3の開口部、およびスペーサ層2の開口部によって、画定される。反応チャンバ6もまた、下部電極1、カバー4、上部電極3、上部電極3の開口部、およびスペーサ層2の開口部によって画定される。対照システムおよび検査システムは、反応チャンバ6内に配置することができる。
【0076】
実施例2
図2は、2つのチャンバを備える例示的な電気化学的バイオセンサの分解図を示す。1は下部電極を示し、2は絶縁分離器またはスペーサ層を示す。スペーサ層には、その長さの一部に沿って、開口部がある。3は上部電極を示す。上部電極3は、その長さの一部に沿う第1の開口部、第1の開口部とある角度をなす第2の開口部、および第1の開口部とある角度をなして第2の開口部と実質的に平行な第3の開口部を有する。上部電極の第1の開口部は、スペーサ層2の開口部と実質的に平行である。4は、5で示される充填チャンバのカバーを示す。6は反応チャンバを示す。充填チャンバ5は、下部電極1、カバー4、上部電極3の開口部、およびスペーサ層2の開口部によって画定される。2つの反応チャンバ6もまた、下部電極1、カバー4、上部電極3、上部電極3の開口部、およびスペーサ層2の開口部によって画定される。2つの反応チャンバの間に試料の通路がある。対照システムおよび検査システムは、異なる反応チャンバ6内に配置することができる。
【0077】
実施例3
図3は、例示的な電気化学的バイオセンサを示す。1は下部電極を示し、絶縁分離器すなわちスペーサ層は同図には示されていない。3は上部電極を示す。4は、5で示される充填チャンバのカバーを示す。6は反応チャンバを示す。対照システムおよび検査システムは、反応チャンバ6内に配置することができる。
【0078】
実施例4
図4は、異なる保管条件の後の凝固バイオセンサを使用した測定の比較を示す。電流記録は、正常血液がバイオセンサに添加されたときに開始した。最初の約3秒間は、外部電圧はバイオセンサに印加されなかった。バイオセンサ自体によって生成された電流が測定された。約3秒後、定電位電解装置はバイオセンサに約0.3Vを印加し、その結果生じた電流を測定した。菱形で印を付けられた点は、試料が所定のアルゴリズムにしたがって凝固したと見なされる時間を表す。太い実線は、室温で保管された2つのバイオセンサを表す。細い点線は、約60℃で2週間保管された2つのバイオセンサを表す。
【0079】
この実施例において、基板上対照反応は、最初の約3秒間内に測定された。高温に曝されたバイオセンサは、室温で適切に保管されたものと比較して、はるかに低い電流スパイクを有していた。対照反応は、曲線より下の面積を測定することによって定量化することができる。曲線より下の面積が計算される時間は、対照反応が行われた3秒いっぱいである必要はない。この実施例において、最初の約1秒または最初の約2秒にわたる面積の計算することにより、利用可能バイオセンサと利用不可能なバイオセンサの識別を改善することができる。
【0080】
凝固検査反応は、約3秒後に評価された。高温に曝されたバイオセンサはその凝固時間のわずかな延長を示しており、バイオセンサの試薬に対する軽度の損傷を示唆している。
【0081】
上述の様々な方法および技術は、本願を実施する多数のやり方を提供する。当然ながら、必ずしも記載されたすべての目的または利点が、本明細書に記載される特定の実施形態によって実現されうるとは限らないことを理解されたい。したがって、たとえば、当業者は、必ずしも本明細書において教示または示唆されたその他の目的または利点を実現することなく、本明細書において教示された1つの利点または1群の利点を実現または最適化するようなやり方で、方法が実施されうることを認識されよう。様々な変形例が、本明細書において言及される。いくつかの好適な実施形態が特に1つの、別の、またはいくつかの特徴を含み、その一方で別の実施形態が特に1つの、別の、またはいくつかの特徴を除外し、さらに別の実施形態が、1つの、別の、またはいくつかの利点を含むことによって特定の特徴を軽減することを理解されたい。
【0082】
さらに、当業者は、様々な実施形態から様々な特徴の適用可能性を認識するであろう。同様に、上記で論じられた様々な要素、特徴、およびステップ、ならびにそのような要素、特徴、またはステップのその他の知られた同等物が、本明細書に記載される原理による方法を実施するために、当業者によって様々な組合せにおいて用いられることが可能である。様々な要素、特徴、およびステップのうち、多様な実施形態において、具体的に含まれるものもあれば、具体的に除外されるものもある。
【0083】
本願は特定の実施形態および実施例に関連して開示されてきたが、本願の実施形態が、具体的に開示された実施形態を超えて別の代替実施形態および/または使用法および変形例およびそれらの同等物にまで広がることが、当業者によって理解されるであろう。
【0084】
いくつかの実施形態において、本願の特定の実施形態を記述および主張するために使用される、成分の量を表す数値、分子量などの特性、反応条件などは、「約」または「実質的に」という語によって、場合により変更されると理解されよう。たとえば、「約」または「実質的に」とは、別途明示されない限り、それが示す値の±20%の変動を示すことができる。したがって、いくつかの実施形態において、書面による明細書および添付請求項に明記される数値パラメータは、特定の実施形態によって取得されるために求められる所望の特性に応じて変化する近似値である。いくつかの実施形態において、数値パラメータは、報告される重要な数字の数に鑑みて、および通常の切り上げ・切り捨て手法を適用することによって解釈されるべきである。本願のいくつかの実施形態の広い範囲に明記される数値の範囲およびパラメータは近似値であるとはいえ、特定の実施例に明記された数値は、実施可能な程度に正確に報告されている。
【0085】
いくつかの実施形態において、本願の特定の実施形態を記述する際に(特に以下の請求項の一部に関連して)使用される、「1つの(a,an)」および「その(the)」および類似の言及は、単数および複数の両方を網羅する。本明細書の数値の範囲の列挙は単に、その範囲内に収まるそれぞれの値を個別に言及する、簡略な方法として役立つように意図されている。本明細書に別途記載されない限り、それぞれの値は、あたかも本明細書に個別に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書に別途記載されるか、または文脈によって明白に矛盾しない限り、いかなる適切な順序で実施されることも可能である。本明細書の特定の実施形態について提供される、いずれかまたはすべての例、または例示的な言語(たとえば「など」)の使用は、単に本願をより理解しやすくするように意図されており、別段に主張される本願の範囲に制限を加えるものではない。本明細書のいずれの言語も、本願の実施に必須のいかなる非請求要素を示すとも解釈されるべきではない。
【0086】
本願を実施するために、本発明者らに知られた最適なモードを含む、本願の好適な実施形態が、本明細書に記載されている。これらの好適な実施形態の変形例は、上記記載を読むと、当業者にとって明白となる。当業者が適切と思われる変形例を採用できること、および本明細書に具体的に記載される以外の別の方法で本願が実現されうることが考えられる。したがって、本願の多くの実施形態は、適用法令によって許可されるとおり、本明細書に添付される請求項に記載される内容のすべての変形例および同等物を含む。また、すべての可能な変形例における上記要素のいかなる組合せも、本明細書に別途記載されるかまたは文脈によって別途明確に矛盾しない限り、本願に包含される。
【0087】
本明細書において参照される、特許、特許出願、特許出願公開、および記事、書籍、仕様書、刊行物、文献、物事などその他のものなどのそれぞれは、これに関連するいずれかの訴追履歴、本文献と整合しないまたは矛盾するもの、または本文献に関連して現在または将来に請求項の最も広い範囲に影響する制限を有するものを除くすべての目的において、ここでこの参照によりその全体が本願に組み込まれる。一例として、組み込まれたもののいずれかに関連する用語の記述、定義、および/または用法と、本文献に関連するものとの間になんらかの不整合または矛盾がある場合には、本文献における用語の記述、定義、および/または用法が優先する。
【0088】
最後に、本明細書に開示される本願の実施形態が、本願の実施形態の原理の説明であることを理解されたい。採用されうるその他の変形例は、本願の範囲に含まれ得る。したがって、一例として、しかし限定することなく、本願の実施形態の代替構成が、本明細書の教示にしたがって利用されうる。したがって、本願の実施形態は、図示および記載されているとおりに正確に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を評価するためのセンサであって、基板上対照システムおよび検査システムを含んでおり、前記対照システムが、対照反応によって前記対照システムおよび前記検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための少なくとも1つの試薬を含み、前記少なくとも1つの試薬がN−オキシドまたはニトロソ化合物を含まず、かつ前記対照反応が対照信号を生成する、センサ。
【請求項2】
前記対照信号が、電気信号、光信号、色、および化学信号から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記対照システムが電気化学的対照システムを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記対照反応が外部電圧を用いることなく評価される、請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記対照反応が、前記少なくとも1つの試薬を組成物と接触させると活性化され、前記接触が前記対照信号を生成する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項6】
前記組成物が試料を含む、請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記組成物が外部ストレスを含み、前記外部ストレスが、温度、pH、湿度、酸素、光、保管寿命、および化学汚染物質から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載のセンサ。
【請求項8】
前記対照システムが少なくとも2つの電極を含み、前記少なくとも1つの試薬が前記電極のうちの少なくとも1つに被覆される、請求項3に記載のセンサ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの電極が同一平面内にある、請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電極が互いに対向している、請求項8に記載のセンサ。
【請求項11】
前記対照反応が起電力を発生させる、請求項3に記載のセンサ。
【請求項12】
前記起電力が、前記少なくとも1つの試薬を前記試料中に溶解することによって生成される、請求項11に記載のセンサ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの試薬がフェリシアン化物を含む、請求項3に記載のセンサ。
【請求項14】
前記電極のうちの少なくとも1つに被覆されたフェリシアン化物の面積負荷が、1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モルである、請求項13に記載のセンサ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの試薬が中和剤を含み、前記中和剤が中和作用によって前記対照信号を中和する、請求項1に記載のセンサ。
【請求項16】
前記中和作用が、化学反応および物理的効果から選択される少なくとも1つを含む、請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記物理的効果が、沈殿および拡散から選択される少なくとも1つを含む、請求項16に記載のセンサ。
【請求項18】
前記検査システムは、免疫検査システム、血糖検査システム、および血液凝固検査システムから選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項19】
前記対照システムおよび前記検査システムが1つのチャンバ内に配置されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項20】
前記対照システムが第1のチャンバ内に配置されており、前記検査システムの少なくとも一部が第2のチャンバ内に配置されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項21】
前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが並列に流体接続している、請求項20に記載のセンサ。
【請求項22】
前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが試料通路を介して直列に流体接続している、請求項20に記載のセンサ。
【請求項23】
センサを使用して試料を評価する方法であって、
基板上対照システムおよび検査システムを含む前記センサに前記試料を付着させることであって、前記対照システムが、対照反応によって前記対照システムおよび前記検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するための少なくとも1つの試薬を含み、前記少なくとも1つの試薬がN−オキシドまたはニトロソ化合物を含まず、かつ前記対照反応が対照信号を生成することと、
前記対照システムおよび前記検査システムのうちの少なくとも1つの生存能を判定するために、前記対照信号を標準信号と比較することと、
前記検査システム内の前記試料を評価することと
を含む方法。
【請求項24】
前記対照システムが電気化学的対照システムを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対照反応が外部電圧を用いることなく評価される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記対照反応が、前記少なくとも1つの試薬を組成物と接触させると活性化され、前記接触が前記対照信号を生成する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記対照信号が、電気信号、光信号、色、および化学信号から選択される少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記対照システムが少なくとも2つの電極を含み、前記少なくとも1つの試薬が前記電極のうちの少なくとも1つに被覆される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも2つの電極が同一平面内にある、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも2つの電極が互いに対向している、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記対照反応が起電力を発生させる、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記起電力が、前記少なくとも1つの試薬を前記試料中に溶解することによって生成される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの試薬がフェリシアン化物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記電極のうちの少なくとも1つに被覆されたフェリシアン化物の面積負荷が、1平方メートル当たり約10×10−6から約200×10−6モルである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの試薬が中和剤を含み、前記中和剤が中和作用によって前記信号を中和する、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記中和作用が、化学反応および物理的効果から選択される少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記物理的効果が、沈殿および拡散から選択される少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記検査システムが、免疫検査システム、血糖検査システム、および血液凝固検査システムから選択される少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項39】
前記対照システムおよび前記検査システムが1つのチャンバ内に配置されている、請求項23に記載の方法。
【請求項40】
前記対照システムが第1のチャンバ内に配置され、前記検査システムの少なくとも一部が第2のチャンバ内に配置される、請求項23に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが並列に流体接続している、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが試料通路を介して直列に流体接続している、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記試料を前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ移送することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記移送が毛細管現象を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記測定が、免疫反応および電気化学反応から選択される少なくとも1つの反応を測定することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項46】
前記測定が、電気信号および光信号から選択される少なくとも1つの検査信号を測定することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項47】
前記試料が血液を含み、前記測定が、血液凝固速度または血糖濃度を測定することを含む、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−524254(P2012−524254A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505251(P2012−505251)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000972
【国際公開番号】WO2010/119341
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(505273316)ユニバーサル バイオセンサーズ ピーティーワイ リミテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSAL BIOSENSORS PTY LIMITED
【Fターム(参考)】