説明

基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理装置

【課題】基板上に表面処理液を供給する際に基板と表面処理液との間に発生する気泡を消すことで、基板表面上の欠陥を低減する。
【解決手段】高撥水性のレジスト膜Rを形成したウェハWの表面上に純水Pを供給する現像処理方法において、レジスト膜Rが形成されたウェハWの周辺部の一箇所に純水Pを純水ノズル40から供給して当該純水Pの液溜りPaを形成し、その後、純水Pの供給を継続しながら純水ノズル40をウェハWの周辺部からウェハWの中心部に移動させることで、ウェハの周辺部に形成された液溜りPaをウェハWの中心部に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高撥水性の膜を形成した基板の処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などが順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
上述したレジスト膜の現像処理では、露光処理後のウェハを回転させた状態でウェハの中心部にノズルから現像液を供給し、遠心力によりウェハ上で現像液を拡散させることよってウェハ上のレジスト膜を現像する方法が広く知られている。このような現像処理を行うにあたっては、ウェハの表面全体に現像液を行き渡らせるように現像液を拡散することが必要である。
【0004】
ところで、レジストの材料としては撥水性の高いものが用いられることがある。撥水性の高いレジスト材料を用いる場合、レジスト膜に対する現像液の濡れ性が低いため、ウェハを回転させた際に現像液がウェハ全面に行き渡らなくなり、それにより正常に現像が行われていない箇所で解像不良や開口不良といった現像欠陥が発生することが多くなってしまう。
【0005】
このため、例えば特許文献1には、撥水性の高いレジストが用いられた場合の現像欠陥を低減する方法として、次の第1の工程から第3の工程までを実行する現像方法が提案されている。即ち、先ず、第1の工程において、レジスト膜に対する現像液の濡れ性を高めるために表面処理液としての純水をウェハの中心部に供給し、次いでウェハを鉛直軸周りに回転させて、ウェハ表面に純水の液膜を形成する。続いて、第2の工程では、液膜を形成後に基板を回転させながら基板の中心部に現像液を供給する。この第2の工程では、純水によりウェハ表面が濡れやすくなっているので、表面処理液が十分に行き渡らなかった箇所にも現像液が行き渡る。この第1の工程と第2の工程により、純水と現像液でウェハ表面全体を予め濡らす、いわゆるプリウェット処理が行われ、現像時にウェハ表面に供給される現像液の濡れ性が向上する。その後、第3の工程においてウェハを回転させながら現像液をウェハに供給することで、供給した現像液が第2の工程で供給した現像液上を濡れ広がり、レジストの現像が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−33053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1の方法を用いた場合であっても、塗布されたレジストの種類によっては、依然として現像欠陥が発生してしまうことがあった。そして、本発明者らがこの点について調査したところ、現像欠陥は図16に示すように主にウェハの中心部で発生していることが確認された。
【0008】
そして、現像欠陥がウェハの中心部で発生していることから、本発明者らはこの現像欠陥の原因は、ノズルから供給された純水がウェハに着地する位置において、例えば図17に示すようにウェハWと純水Pとの間に微細な気泡Aが形成され、この気泡によりレジスト膜Rと次の工程で供給される現像液との接触が阻害されることにあるものと推察した。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板上に表面処理液を供給する際に基板と表面処理液との間に発生する気泡を消すことで、基板表面上の欠陥を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、高撥水性の膜を形成した基板の表面上に表面処理液を供給する基板処理方法において、前記基板の周辺部の一箇所に表面処理液をノズルから供給して当該表面処理液の液溜りを形成する液溜り形成工程と、その後、前記表面処理液の供給を継続しながら前記ノズルを基板の周辺部から基板の中心部に移動させることで、基板の周辺部に形成された液溜りを基板の中心部に移動させる液溜り移動工程と、を有することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、先ず表面処理液を基板の周辺部の一箇所に供給する際に、供給された表面処理液が基板に着地する位置に液溜りが形成されると共に、液溜りと基板との間に微細な気泡が発生する。その後、表面処理液の供給を継続しながらノズルを基板の中心部に移動させることで、基板の周辺部に形成された液溜りを基板の中心部に移動させるので、基板と表面処理液との間に介在していた気泡を液溜りの外部に露出させて消すことができる。したがって本発明によれば、基板上に表面処理液を供給する際に基板と表面処理液との間に発生する気泡により、例えばレジスト膜と現像液との接触が阻害されることがない。このため、基板表面上の欠陥を低減することができる。
【0012】
前記液溜り形成工程において表面処理液が供給される位置は、前記液溜り形成工程において形成される表面処理液の液溜りが、前記液溜り移動工程において中心部に移動される表面処理液の液溜りと平面視において干渉しない位置であってもよい。
【0013】
前記液溜り形成工程おいて表面処理液が供給される位置は、前記ノズルの移動速度が250mm/sec〜1000mm/secである場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜100mmの位置であり、前記ノズルの移動速度が200mm/sec〜250mm/sec未満である場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜80mmの位置であってもよい。
【0014】
なお、前記表面処理液は純水であってもよい。
【0015】
別な観点による本発明によれば、前記基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0016】
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【0017】
さらに別な観点による本発明は、高撥水性の膜を形成した基板の表面上に表面処理液を供給する基板処理装置において、表面処理液を基板上に供給するノズルと、前記ノズルを移動させるノズル移動機構と、前記ノズル及び前記ノズル移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記ノズルにより基板の周辺部の一箇所に表面処理液を供給して当該表面処理液の液溜りを形成し、その後、前記表面処理液の供給を継続しながら前記ノズルを基板の周辺部から基板の中心部に移動さることで、基板の周辺部に形成された液溜りを基板の中心部に移動させるように前記ノズルと前記ノズル移動機構を制御することを特徴としている。
【0018】
前記制御部は、前記ノズルにより基板の周辺部に表面処理液を供給する際、当該ノズルによる基板の周辺部への表面処理液の供給によって形成される表面処理液の液溜りが、前記ノズルの位置を基板の中心部に移動させた際に基板の中心部に移動される表面処理液の液溜りと平面視において干渉しない位置となるように前記ノズルと前記ノズル移動機構を制御してもよい。
【0019】
基板の周辺部において前記表面処理液が供給される位置は、前記ノズルの移動速度が250mm/sec〜1000mm/secである場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜100mmの位置であり、前記ノズルの移動速度が200mm/sec〜250mm/sec未満である場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜80mmの位置であってもよい。
【0020】
なお、前記表面処理液は純水であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基板上に表面処理液を供給する際に基板と表面処理液との間に発生する気泡を消すことで、基板表面上の欠陥を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態にかかる現像処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる現像処理装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図3】現像液ノズルの斜視図である。
【図4】現像処理の主な工程を示すフローチャートである。
【図5】ウェハの周辺部に純水を供給した状態を模式的に示した説明図である。
【図6】ウェハに純水を供給しながら純水ノズルウェハの中心部に向けて移動させる状態を模式的に示した説明図である。
【図7】ウェハの中心部に純水の液溜りが移動した状態を模式的に示した説明図である。
【図8】ウェハ上に純水の液溜りが形成された状態を模式的に示した説明図である。
【図9】ウェハの周縁部に向けて純水と現像液が広がる様子を模式的に示した説明図である。に純水の液溜りが形成された状態を模式的に示した説明図である。
【図10】現像液により溶解したレジストの溶解物がレジスト膜から溶出する様子を模式的に示した説明図である。
【図11】現像液により溶解したレジストの溶解物がレジスト膜から溶出する様子を模式的に示した説明図である。
【図12】ウェハの周縁部に現像液を供給する様子を模式的に示した説明図である。
【図13】ウェハの中心部に現像液を供給する様子を模式的に示した説明図である。
【図14】純水ノズルの移動速度、純水の供給開始位置及び液溜りの状態との関係を示す表である。
【図15】本実施の形態に係る現像処理方法を用いて現像を行ったウェハの表面の状態を示す説明図である。
【図16】ウェハの中心部に現像欠陥が発生した様子を示す説明図である。
【図17】ウェハ上のレジスト膜と純水との間に気泡が発生した状態を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる、基板処理装置としての現像処理装置1の構成の概略を示す縦断面図である。図2は、現像処理装置1の構成の概略を示す横断面図である。なお、本実施の形態において、基板として用いられるウェハWの径は300mmである。
【0024】
現像処理装置1は、図1に示すように処理容器10を有している。処理容器10内の中心部には、ウェハWを保持して回転させる回転保持部としてのスピンチャック20が設けられている。スピンチャック20は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック20上に吸着保持できる。
【0025】
スピンチャック20は、例えばモータなどを備えたチャック駆動機構21を有し、そのチャック駆動機構21により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動機構21には、シリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック20は上下動可能になっている。
【0026】
スピンチャック20の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ22が設けられている。カップ22の下面には、回収した液体を排出する排出管23と、カップ22内の雰囲気を排気する排気管24が接続されている。
【0027】
図2に示すようにカップ22のX方向負方向(図2の下方向)側には、Y方向(図2の左右方向)に沿って延伸するレール30が形成されている。レール30は、例えばカップ22のY方向負方向(図2の左方向)側の外方からY方向正方向(図2の右方向)側の外方まで形成されている。レール30には、例えば二本のアーム31、32が取り付けられている。
【0028】
第1のアーム31には、図1及び図2に示すようにウェハWに現像液を供給する現像液ノズル33が支持されている。現像液ノズル33には、例えば図3に示すように、その下端面に例えば長さL1が8〜15mm、幅L2が0.1〜1mmである帯状の吐出口33aが設けられている。
【0029】
第1のアーム31は、図2に示すノズル駆動部34により、レール30上を移動自在である。これにより、現像液ノズル33は、カップ22のY方向正方向側の外方に設置された待機部35からカップ22内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、第1のアーム31は、ノズル駆動部34によって昇降自在であり、現像液ノズル33の高さを調整できる。
【0030】
現像液ノズル33には、図1に示すように、現像液供給源36に連通する供給管37が接続されている。現像液供給源36内には、現像液が貯留されている。供給管37には、現像液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群38が設けられている。
【0031】
第2のアーム32には、表面処理液としての純水を供給する純水ノズル40が支持されている。第2のアーム32は、図2に示す、ノズル移動機構としてのノズル駆動部41によってレール30上を移動自在であり、純水ノズル40を、カップ22のY方向負方向側の外方に設けられた待機部42からカップ22内のウェハWの中心部上方まで移動させることができる。また、ノズル駆動部41によって、第2のアーム32は昇降自在であり、純水ノズル40の高さを調節できる。
【0032】
純水ノズル40には、図1に示すように純水供給源43に連通する供給管44が接続されている。純水供給源43内には、純水が貯留されている。供給管44には、純水の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群45が設けられている。なお、以上の構成では、現像液を供給する現像液ノズル33と純水を供給する純水ノズル40が別々のアームに支持されていたが、同じアームに支持され、そのアームの移動の制御により、現像液ノズル33と純水ノズル40の移動と供給タイミングを制御してもよい。
【0033】
上述のスピンチャック20の回転動作と上下動作、ノズル駆動部34による現像液ノズル33の移動動作、供給機器群38による現像液ノズル33の現像液の供給動作、ノズル駆動部41による純水ノズル40の移動動作、供給機器群45による純水ノズル40の純水の供給動作などの駆動系の動作は、制御部50により制御されている。制御部50は、例えばCPUやメモリなどを備えたコンピュータにより構成され、例えばメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、現像処理装置1における現像処理を実現できる。なお、現像処理装置1における現像処理を実現するための各種プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどの記憶媒体Hに記憶されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部50にインストールされたものが用いられている。
【0034】
次に、以上のように構成された現像処理装置1で行われる現像処理のプロセスについて説明する。図4は、かかる現像処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
【0035】
現像処理を行うにあたり、先ずウェハWが現像処理装置1の処理容器10内に図示しない搬送機構により搬入される(図4の工程S1)。現像処理装置1に搬入されたウェハWは、先ず、スピンチャック20に吸着保持される。処理容器10に搬入されるウェハWには、予め撥水性のレジスト膜が形成され、さらに露光処理が施されている。ウェハWに形成されたレジスト膜は、当該レジスト膜の表面における水の接触角が例えば85度以上のものが用いられている。また、このレジスト膜の現像に用いられる現像液の純水に対する濡れ性は、レジスト膜に対する濡れ性より大きい。
【0036】
続いて、現像処理に先立って、いわゆるプリウェット処理が行われる。このプリウェット処理とは、現像液をウェハWの表面に供給した場合の接触角を大きくし、現像液を広がりやすくするための処理である。具体的には、ウェハWの表面に形成されたレジスト膜の撥水性が高く現像処理において現像液を供給しても当該現像液がウェハWの表面全体に均一に広がりくい場合に、現像液に対する濡れ性のよい液を現像液の供給に先立ってレジスト膜に供給することを指す。
【0037】
プリウェット処理を行うにあたっては、先ず第2のアーム32により待機部42の純水ノズル40がウェハWの周辺部の上方まで移動される(図4の工程S2)。なお、ウェハWの周辺部とは、ウェハの中心から例えば所定の距離Xだけ離れた位置を指す。
【0038】
次に、ウェハWが停止している状態で、純水ノズル40からウェハWの周辺部に100〜1000ml/minの流量で、本実施の形態においては例えば400ml/minの流量で純水が供給される(図4の工程S3)。この純水の供給は、純水ノズル40がウェハWの周辺部の所定の位置で停止した状態で行われる。なお、純水ノズル40から純水が供給される際のウェハWと純水ノズル40との高さ方向の距離は、例えば1〜30mmに設定されている。このように純水ノズル40とウェハWを停止させた状態で純水の供給を行うことで、ウェハWの周辺部の一箇所に純水が供給される。これにより、図5に示すように、ウェハWの周辺部に純水Pの液溜りPaが形成される。この際、図5に示すように、ウェハWに供給された純水Pが着地する位置、即ちウェハWにおける純水ノズル40の鉛直下方の位置では、供給された純水Pの液溜りPaとレジスト膜Rとの間に微細な気泡Aが発生する。
【0039】
液溜りを形成する工程に続いて、純水ノズル40から純水Pの供給を継続した状態で、例えば図6に示すように純水ノズル40をウェハWの中心部に対応する位置に向けて、例えば250mm/secの移動速度で移動させる(図4の工程S4)。この際、ウェハWの周辺部に形成された純水Pの液溜りPaは、純水Pの有する表面張力により、純水ノズル40から供給される純水Pの移動に伴ってウェハWの中心部に向かって移動する。その結果、図7に示すように、ウェハWの周辺部に形成された液溜りPaがウェハWの中心部に移動する。そして、この純水ノズル40の移動により液溜りPaは移動するものの、液溜りPaとレジスト膜Rとの間に生じていた気泡Aは移動せずに、例えば図6に示すようにその場に留まる。その結果、ウェハWの周辺部の気泡Aは液溜りPaの移動に伴い消失すると共に、ウェハWの中心部には気泡Aが介在しない液溜りPaが形成される。なお、上述のように液溜りPaを移動させることにより液溜りPaとレジスト膜Rとの間に介在する気泡Aの全てを消すためには、純水ノズル40からの純水Pの供給をウェハWの周辺部における適切な位置において開始する必要がある。具体的には、図5に示す、ウェハWの周辺部に形成される液溜りPaが、図7に示す、ウェハWの中心部に移動した液溜りPaと、平面視において干渉しない位置に形成されることが好ましい。例えば図8に示すように、ウェハWの周辺部に形成された液溜りPa1とウェハWの中心部に移動した後の液溜りPa2とが干渉する場合は、干渉する領域に位置している気泡A1が液溜りPa1の外部に露出することなく内部に留まった状態となり、液溜りPa1の移動によっても当該領域の気泡A1を消すことができないためである。なお、ここでいう干渉とは、実際に液溜りPa1と液溜りPa2とが干渉することを意味するのではなく、液溜りPa1が形成されていた領域と、液溜りPa2が形成される領域とが、平面視において少なくとも一部が重なることをいい、例えば当該領域の端部同士が当接した状態は含まない。
【0040】
そして、上記の液溜りPaを移動させる工程において、純水ノズル40がウェハWの中心部に移動すると、その後、純水ノズル40からの純水の供給を停止させる(図4の工程S5)。なお、工程S4において純水ノズル40を移動させる際の移動速度は上述の250mm/secに限定されるものではなく、ウェハWの周辺部において純水Pの供給を開始する位置との相関に基づいて任意に設定が可能である。本発明者らによれば、純水ノズル40の移動速度を250mm/sec〜1000mm/secとする場合には、ウェハWの周辺部において純水ノズル40が純水Pの供給を開始する位置はウェハWの中心部からの距離Xが60mm〜100mmとなる位置であり、純水ノズル40の移動速度を200mm/sec〜250mm/sec未満とする場合には、ウェハの中心部からの距離Xが60mm〜80mmの位置であれば、好適に気泡Aを消すことができることが試験により確認されている。この試験の実施例については後述する。
【0041】
次に、純水ノズル40をウェハWの中心部上方から待機部42に移動させ待機させ、その後、現像液ノズル33をウェハWの中心部上方に移動させる。次いで、現像液ノズル33からウェハWの中心部へ現像液を例えば1秒間吐出すると共に、ウェハWを例えば反時計回りに回転させ、回転数を1500rpmまで上昇させる(図4の工程S6)。回転数上昇のタイミングとしては、例えば現像液ノズル33から供給された現像液がウェハWに達した直後である。そして、ウェハWを回転させることにより、ウェハWの中心部の液溜りPaがウェハWの周縁部に向けて広がろうとする。この際、ウェハWの表面には撥水性の高いレジスト膜Rが形成されているためウェハWの表面は純水Pに対して高い撥水性を有するが、液溜りPaによりウェハWの中心部に予め純水Pが一定量確保されているので、純水PはウェハWの表面を均一に広がろうとする。そして、例えば図9に示すように、現像液ノズル33から供給された現像液Dは、この純水Pの液溜りPaと共にウェハWの周縁部に向けて広がるか、あるいは広がった純水Pの上面を拡散するため、ウェハWの面内に均一に拡散する。この場合、純水Pは現像液DをウェハWの面内に均一に拡散させるための表面処理液として機能している。
【0042】
ウェハWを回転させて現像液DをウェハWの表面に拡散させた後、ウェハWを逆回転させる。本実施の形態においては、例えばウェハWの回転方向を反時計回りから時計回りに切り替え、1500rpmの回転数で回転させる。それと共に、現像液ノズル33から再度現像液Dが1秒間供給されウェハWの周縁部に向けて現像液Dが拡散する(図4の工程S7)。この工程S7によりプリウェット処理が終了する。このように、ウェハWの全面に現像液Dが広げられることにより、次に行われる現像処理の工程において供給される現像液DのウェハWに対する濡れ性が向上する。なお、工程S7において、現像液DをウェハWの中心部に供給するときにウェハWの回転方向を反転させるのは、レジスト膜Rの露光された部位に現像液Dが接した際に当該露光部位から溶出する溶解物が、ウェハWの表面の一部に偏って付着することを防ぐためである。
【0043】
この点について詳述すると、通常レジスト膜Rからの溶解物は、現像処理後の洗浄処理によりレジスト膜Rに接する液のpHが7に近づくにつれてレジスト膜Rの露光部位から溶出するものであるが、現像初期の段階である現像液に接した段階においても、例えば図10に示すようにレジスト膜Rの露光部位60の表層R1から溶解物61が溶出し、当該溶解物61がウェハWの表面に付着することにより、ウェハW表面に対する現像液Dの接触角が低下することを本発明者らは把握している。なお、この現像初期段階においては、現像液Dと露光部位60との接触時間が短いため、レジスト膜Rの表層のみが現像液Dにより溶解される。そして、この溶解物61は、現像液DをウェハWの中心部に供給する際にウェハWの回転方向が一方向のままであると、例えば図10に示すようにウェハWの表面に対して偏って付着する。すなわち、ウェハWが回転を始める際の加速により溶解物61に一方向の力が作用し、溶解物61がレジスト膜Rの露光部位60である例えばパターン部から未露光部位62である非パターン部に飛び出すが、溶解物61は未露光部位62に対する付着力が強く、一旦未露光部位62に付着した溶解物61がそのまま未露光部位62に付着したままとなる。特に、溶解物61の付着力は、ウェハWが回転する際の遠心力に比較して大きいため、ウェハWを回転させても溶解物61の付着の偏りは解消しない。
【0044】
そして、上述のとおり、この溶解物61とレジスト膜Rとでは現像液Dに対する接触角が異なるため、このように溶解物61の付着に偏りが生じると、ウェハWの面内において接触角がばらつくこととなる。このため、記述のように、ウェハWの回転方向を反転させることで溶解物61に対して逆方向の力を作用させ、露光部位60から飛び出した溶解物61が、例えば図11に示すように未露光部位62における溶解物61が付着していない側にも付着する。これにより、溶解物61の付着の偏りを緩和あるいは解消し、ウェハWの表面全体にわたって接触角が低下する。なお、この溶解物61は、現像の初期段階、具体的には現像液Dに接触してから、例えば7秒を過ぎると溶出しなくなるため、この時間内にウェハWの回転方向を切り替える必要がある。
【0045】
次に、プリウェット処理後に続いて行われる現像処理について説明する。先ず、現像液ノズル33をプリウェット処理を施したウェハWの中心部に対応する位置からウェハWの周縁部の上方に移動させる(図4の工程S8)。そして、ウェハWを例えば500rpmの回転数で回転させ、図12に示すように現像液ノズル33からウェハWに現像液Dを供給する(図4の工程S9)。その後、現像液ノズル33からの現像液Dの供給を継続した状態でウェハWの周縁部からウェハWの中心部に対応する位置に移動させる(図4の工程S10)。換言すれば、現像液Dの供給点をウェハWの周縁部からウェハWの中心部へ移動させる。現像液ノズル33をウェハWの周縁部からウェハWの中心部へ移動させる際に要する時間は、例えば2秒程度である。こうすることで、現像液DをウェハWの表面に渦巻き状に供給し、それによりウェハWの表面に隙間なく現像液Dを塗布することができる。この際、ウェハWの表面は、現像液Dに対する接触角が小さい、即ち濡れ性が高い状態であることから、現像液DがウェハWの表面全体に均一に行き渡り、これにより安定した現像処理が行われる。
【0046】
その後、現像液ノズル33は図13に示すようにウェハWの中心部の上方において所定の時間、例えば5秒現像液Dの供給を行い、その後吐出動作を停止して待機部35へ退避する(図4の工程S11)。なお、現像液ノズル33からの現像液Dの供給を停止した後にウェハWの回転を、例えば45秒間停止して、静止現像を行ってもよい。
【0047】
現像液ノズル33の退避と並行して、純水ノズル40がウェハWの中心部の上方へ移動する。次いで、純水ノズル40からウェハWの中心部に純水を供給し、ウェハWの表面を洗浄する(図4の工程S12)。このときのウェハWの回転数は例えば500rpmであり、純水ノズル40から供給された純水PはウェハWの中心から周縁へ向かって広げられて現像液Dが洗い流される。これによりウェハWの表面のpHは7に近づいてゆき、溶解物61が露光部位60から溶出され、純水Pにより洗い流される。その後、純水Pの供給を停止して、純水ノズル40を待機部42へ退避させ、ウェハWを例えば2000rpmの回転数で所定の時間回転させ、ウェハWのスピン乾燥を行う(図4の工程S13)。その後、ウェハWは搬送機構(図示せず)により現像処理装置1から搬送され、一連の現像処理が終了する。
【0048】
以上の実施の形態によれば、先ず表面処理液としての純水PをウェハWの周辺部の一箇所に供給するので、供給された純水PがウェハWに着地する位置に液溜りPaが形成されると共に、液溜りPaとウェハWとの間に微細な気泡Aが発生する。そして、純水Pの供給を継続しながら純水ノズル40をウェハWの中心部に移動させることで、ウェハWの周辺部に形成された液溜りPaをウェハの中心部に移動させるので、ウェハWと純水Pとの間に介在していた気泡Aが純水Pの移動と共に消失する。したがって本発明によれば、ウェハW上に純水Pを供給する際にウェハWと純水Pとの間に発生する気泡Aにより、現像処理の工程においてレジスト膜Rと現像液Dとの接触が阻害されることがない。このため、基板表面上の欠陥を低減することができる。
【0049】
また、プリウェット処理を行うことでウェハWと現像液Dとの濡れ性が向上しているため、現像液DをウェハWに供給する際にウェハWからの現像液Dの液跳ねを低減することができる。これにより、現像処理装置1が汚染されることを防止できる。また、現像液Dが拡散しやすくなるため、現像液Dの使用量も低減することができる。さらには、ウェハWの表面に現像液Dを液盛りすることも容易となり、その際には少ない現像液量で液盛りを行うことができる。
【0050】
なお、以上の実施の形態においては、ウェハWの回転を停止した状態でウェハWの周辺部に純水Pを供給したが、ウェハWに供給された純水Pが液溜りPaを形成する程度の回転数、例えば10prmで回転させて純水Pを供給してもよい。
【0051】
また、以上の実施の形態によれば、ウェハWの中心部に純水Pの液溜りPaを移動させた後に、ウェハWの中心部に現像液Dを供給しながらウェハWの回転方向を反転させるので、露光部位60から溶出した溶解物61が未露光部位62に偏りなく付着するので、ウェハWの表面全体にわたって現像液Dの接触角が低下する。これにより、現像時にウェハWに供給される現像液DがウェハWの全面に均一に広がりやすくなる。その結果、ウェハWに形成されたレジスト膜Rの撥水性が高いものであっても、ウェハWの表面全体を高い均一性で現像処理することができ、解像不良といった現像欠陥を低減することができる。
【0052】
以上の実施の形態においては、ウェハWの周辺部に形成した純水Pの液溜りPaをウェハWの中心部に移動させ、その後純水Pの供給を停止することでウェハWの中心部に液溜りPaを形成したが、中心部に液溜りPaを形成するとは、厳密にウェハWの中心部のみに液溜りPaを形成することを意味するのではなく、例えば液溜りPaをウェハWの中心部に移動させた後に純水Pの供給を継続することで、ウェハWの全面に液溜りPaを形成する場合も含まれる。換言すれば、ウェハWの少なくとも中心部に液溜りPaが形成されていればよい。
【0053】
また、以上の実施の形態では、プリウェット処理を行う工程S7において、ウェハWを逆回転させていたが、本発明はこれに限定されず、工程S7において現像液Dを供給する際に、工程S6における回転方向と同一の回転方向でウェハWを回転させて、現像液DをウェハWの周縁部に向けて拡散させてもよい。
【0054】
なお、以上の実施の形態においては、プリウェット処理後の現像処理において、ウェハWを回転させて現像液DをウェハWの全面に広げたが、例えばウェハWの直径と同じかそれ以上の長さの吐出口を有する長尺の現像液ノズルを用い、当該現像液ノズルを、現像液Dを供給しながらウェハWの一の端部から他の端部に向かって移動させることにより現像液Dをウェハ上に塗布するようにしてもよい。撥水性の高いレジスト膜に長尺の現像液ノズルを用いて現像液を供給すると、ウェハと現像液との接触角が大きいために現像液が周囲に飛び散りやすく、この飛び散った現像液により二次汚染が発生するため、従来、撥水性の高いレジスト膜に現像液を供給する際には、長尺の現像液ノズルを用いられなかった。この点、本発明によれば、プリウェット処理を行うことで現像液とウェハWとの濡れ性が向上しているので、従来は用いられなかった長尺の現像ノズルを用いることができる。
【実施例】
【0055】
実施例として、本発明の現像処理方法を行うにあたり、純水Pを供給しながら純水ノズル40を移動させる際の移動速度を50mm/sec〜1000mm/secの範囲で、ウェハWの周辺部において純水ノズル40が純水Pの供給を開始する際の位置とウェハWの中心部との間の距離Xを40mm〜140mmの範囲でそれぞれ変化させ、ウェハWの中心部に移動した後の液溜りPaの状態について確認する試験を行った。なお、試験に用いられるウェハWの径は300mm、純水ノズル40からの純水Pの供給量は400ml/minである。試験の結果を図14に示す。図14では、純水ノズル40を移動させた際に、液溜りPaが千切れたり楕円形となったりすることなくウェハWの中心部に移動した場合を良好であると評価して○で表している。また、液溜りPaが楕円形になったり液溜りPaが千切れた状態となってしまった場合については△で、液溜りPaが千切れたり楕円形となったりはしないものの、ウェハWの周辺部に形成された液溜りPaとウェハWの中心部に移動した液溜りPaとが干渉する場合を▽でそれぞれ表している。
【0056】
図14に示すように、純水ノズル40が純水Pの供給を開始する位置をウェハWの中心部から40mmの位置とした場合は、純水ノズル40の移動速度にかかわらずウェハWの周辺部に形成された液溜りPaとウェハWの中心部に移動した後液溜りPaとが干渉してしまう。これは、純水Pの供給を開始する位置がウェハWの中心部側に近寄りすぎているためである。係る場合、液溜りPaが干渉する領域においては気泡Aが液溜りPaの外部に露出することなく内部に留まった状態となり、液溜りPaの移動によっても当該領域の気泡Aを消すことができず、この残った気泡Aが現像欠陥の原因となってしまう。したがって、ウェハWの周辺部において純水ノズル40が純水Pの供給を開始する位置は、ウェハWの中心から60mm以上離れた位置とすることが好ましい。
【0057】
その一方で、ウェハWの中心から100mmよりも遠くはなれた位置で純水Pの供給を開始した場合、ウェハWの中心部に移動した後の液溜りPaの形状が楕円形となったり液溜りPaが千切れた状態となったりしまうことが確認された。液溜りPaが楕円形となったり千切れたりした場合、液溜りPaをウェハWの中心部に移動させても、ウェハWの周辺部において液溜りPaが形成された領域に液溜りPaが取り残される可能性があり、この場合も、当該領域に気泡Aが残ってしまう。したがって、ウェハWから全ての気泡Aを消すにあたっては、ウェハWの周辺部において純水ノズル40が純水Pの供給を開始する位置を、ウェハWの中心から60mm〜100mm離れた位置とすることが好ましい。
【0058】
次に、純水ノズル40の移動速度を、例えば150mm/sec以下とした場合は、純水ノズル40からの純水Pの供給開始位置をウェハWの中心部から60mm〜100mmの位置としても、ウェハWの中心部に移動した後の液溜りPaの形状が楕円状となってしまうことが確認された。これは、純水ノズル40の移動速度が低いため、純水Pの有する表面張力によりウェハWの周辺部に形成された液溜りPaをウェハWの中心部に向かって加速させるための力が弱く、液溜りPaをウェハWの中心部に移動させきれないためであると思われる。したがって、純水ノズル40の移動速度は200mm/sec〜1000mm/secとすることが好ましい。なお、図14に示すように、移動速度が200mm/secの場合、純水Pの供給を開始する位置はウェハWの中心から60〜80mm離れた位置とすることが好ましい。
【0059】
したがって以上の結果より、純水ノズル40の移動速度を250mm/sec〜1000mm/secとした場合には、ウェハWの周辺部における純水ノズル40が純水Pの供給を開始する位置は、ウェハWの中心部との距離Xが60mm〜100mmとなる位置であれば、純水ノズル40の移動速度を200mm/sec〜250mm/sec未満とする場合には、ウェハの中心部との距離が60mm〜80mmの位置であれば、ウェハWの中心部に良好に液溜りPaを移動させ、これによりウェハW上から好適に気泡Aを消すことができることが確認された。
【0060】
なお、現像処理を行うにあたり、図14において○となっている条件で純水Pの供給を行った結果、図16ではウェハWの中心部に現像欠陥が確認されていたところ、図15に示すように、中心部では現像欠陥が起こっていないことが確認された。また、ウェハWの純水ノズル40の移動の軌跡に対応する位置、換言すれば、ウェハW上における液溜りPaが通過した部分においても、現像欠陥が起こっていないことが確認された。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。例えば、表面が疎水化された膜を形成した基板に純水やアンモニア溶液などの洗浄用薬液や他のエッチング液などの処理液を供給する場合にも本発明は適用できる。また、上述した実施の形態は、ウェハに現像処理を行う例であったが、本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板上に形成されたレジスト膜を現像する際に有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 現像処理装置
10 処理容器
20 スピンチャック
21 チャック駆動機構
22 カップ
23 排出管
24 排気管
30 レール
31、32 アーム
33 現像液ノズル
34 ノズル駆動部
35 待機部
36 現像液供給源
37 供給管
38 供給機器群
40 純水ノズル
41 ノズル駆動部
42 待機部
43 純水供給源
44 供給管
45 供給機器群
50 制御部
60 露光部位
61 溶解物
62 未露光部位
P 純水
Pa 液溜り
D 現像液
R レジスト膜
W ウェハ
X 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高撥水性の膜を形成した基板の表面上に表面処理液を供給する基板処理方法において、
前記基板の周辺部の一箇所に表面処理液をノズルから供給して当該表面処理液の液溜りを形成する液溜り形成工程と、
その後、前記表面処理液の供給を継続しながら前記ノズルを基板の周辺部から基板の中心部に移動させることで、基板の周辺部に形成された液溜りを基板の中心部に移動させる液溜り移動工程と、を有することを特徴とする、基板処理方法。
【請求項2】
前記液溜り形成工程において表面処理液が供給される位置は、前記液溜り形成工程において形成される表面処理液の液溜りが、前記液溜り移動工程において中心部に移動される表面処理液の液溜りと平面視において干渉しない位置であることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記液溜り形成工程おいて表面処理液が供給される位置は、前記ノズルの移動速度が250mm/sec〜1000mm/secである場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜100mmの位置であり、前記ノズルの移動速度が200mm/sec〜250mm/sec未満である場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜80mmの位置であることを特徴とする、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記表面処理液は純水であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
【請求項7】
高撥水性の膜を形成した基板の表面上に表面処理液を供給する基板処理装置において、
表面処理液を基板上に供給するノズルと、
前記ノズルを移動させるノズル移動機構と、
前記ノズル及び前記ノズル移動機構の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記ノズルにより基板の周辺部の一箇所に表面処理液を供給して当該表面処理液の液溜りを形成し、その後、前記表面処理液の供給を継続しながら前記ノズルを基板の周辺部から基板の中心部に移動さることで、基板の周辺部に形成された液溜りを基板の中心部に移動させるように前記ノズルと前記ノズル移動機構を制御することを特徴とする、基板処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記ノズルにより基板の周辺部に表面処理液を供給する際、当該ノズルによる基板の周辺部への表面処理液の供給によって形成される表面処理液の液溜りが、前記ノズルの位置を基板の中心部に移動させた際に基板の中心部に移動される表面処理液の液溜りと平面視において干渉しない位置となるように前記ノズルと前記ノズル移動機構を制御することを特徴とする、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板の周辺部において前記表面処理液が供給される位置は、前記ノズルの移動速度が250mm/sec〜1000mm/secである場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜100mmの位置であり、前記ノズルの移動速度が200mm/sec〜250mm/sec未満である場合には、基板の中心部からの距離が60mm〜80mmの位置であることを特徴とする、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記表面処理液は純水であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の基板処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−104602(P2012−104602A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251032(P2010−251032)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】