説明

基板搬送用ボックス

【課題】基板の大型化にともない、基板搬送用ボックスが大型化した場合にあっても、搬送時に収容された基板に揺れが発生することがない構造を備える基板搬送用ボックスを提供することにある。
【解決手段】蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間において、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22が、天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれ弾性変形する。これにより、支持プレート3は、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の弾性変形後の復元力に基づく付勢力によりガラス基板100側に押え付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板搬送用ボックスに関し、複数枚のガラス基板等を収容・搬送するための基板搬送用ボックスの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスメーカ、カラーフィルターメーカ、プラズマディスプレメーカ、デバイスメーカ等の相互間におけるガラス基板およびそのガラス基板を用いたガラスパネルの搬送のために、発泡体を用いたガラス基板搬送用ボックスが用いられる。このガラス基板搬送用ボックスには、一般に10〜30枚程度あるいはそれ以上の枚数のガラス基板が収容される。ガラス基板を起立させた状態で複数枚のガラス基板を収容するガラス基板搬送用ボックスの一例としては、特許文献1(特開2005−008194号公報)に開示されるものがある。また、ガラス基板を横に寝かせた積層状態で複数枚のガラス基板を収容するガラス基板搬送用ボックスの一例としては、特許文献2(特開2004−106892号公報)に開示されるものがある。
【0003】
まず、特許文献1に開示されるガラス基板搬送用ボックスにおいては、図20に示すガラス基板搬送用ボックス3000のように、発泡体製の本体1と発泡体製の蓋体2とを備えている。発泡体製の本体1は、上面に開口部を有する箱型形状であり、本体1の相対向する1対の内壁には、ガラス基板100を縦姿勢でかつ互いに接触しないように平行に保持するための支持溝10Aが複数設けられている。
【0004】
蓋体2も箱型形状を有し、本体1の開口部を閉ざす形態を有している。本体1に複数のガラス基板100を収容した状態において、ガラス基板100を縦姿勢でかつ互いに接触しないように平行に保持するための支持溝10Bが複数設けられた発泡体製の支持プレート3が、ガラス基板100の上部側に載置されている。
【0005】
ガラス基板100の上部側に支持プレート3を載置した状態で蓋体2により上部開口を閉ざすことで、基板搬送用ボックス2000によるガラス基板100の収納状態が完了する。なお、ガラス基板100が収納された基板搬送用ボックス2000を搬送する際には、基板搬送用ボックス2000を取囲むように、梱包用のベルトが掛け回されることとなる。
【0006】
ここで、図21に、ガラス基板100が収納された状態における基板搬送用ボックス2000の内部の状態を断面図として示す。基板搬送用ボックス2000を構成する本体1および蓋体2は、発泡成形品であることから比較的大きな寸法許容値が必要となる。したがって、マイナス側に寸法が仕上がった場合でも、ガラス基板100を確実に収容することができるようにする必要がある。そのため、寸法どおりに基板搬送用ボックス2000が成形された場合、または、プラス側の寸法で基板搬送用ボックス2000が成形された場合には、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間に隙間(S1)が生じることとなる。
【0007】
従来、フラットパネルディスプレイ等に用いられるガラス基板100の大きさは、300mm×400mmまたは400mm×500mm程度の大きさであったことから、搬送時の揺れにおいても、隙間(S1)の発生が問題になることはなかった。しかし、近年のガラス基板100の大きさは、1500mm×1800mmおよび1900mm×2200mmと大型化し、今後、2200mm×2400mmへと大型化する傾向にある。その結果、隙間(S1)の大きさも大きくなり、隙間(S1)が生じることによる搬送時におけるガラス基板の揺れを無視することができなくなることが予想される。
【0008】
一方、特許文献2におけるガラス基板搬送用ボックスにおいては、ガラス基板を横に寝かせた積層状態で複数枚のガラス基板を収容する形式であり、ガラスへの耐衝撃性を緩和させる観点から、積層されるガラス基板の間に低い樹脂発泡体からなるスペーサが配置される構造が開示されている。しかし、上述したように、近年のガラス基板の大型化に伴い、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間に生じる隙間の大きさが無視できない大きさとなる傾向にある。特に、発泡成形品においては、上記のように比較的大きな寸法許容値が必要となるため、ガラス基板搬送用ボックスが大型化する技術背景において、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間の寸法誤差を小さくすることには、限界がある。
【0009】
たとえば、ガラス基板搬送用ボックス内にガラス基板を収容した状態で、船輸送を行なう場合には、苛酷な環境下であっても、内部のガラス基板の特性に悪影響を与えることなく搬送する必要がある。また、高温・多湿な環境下において長期間保管する場合も同様である。しかし、上述したように、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間に隙間が生じた場合には、ガラス基板搬送用ボックス内を気密状態に保持することができなくなり、その結果、内部のガラス基板の特性に悪影響を与えることとなる。
【特許文献1】特開2005−008194号公報
【特許文献2】特開2004−106892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明が解決しようとする課題は、ガラス基板等の基板の大型化にともない、搬送時おける基板搬送用ボックス内に収容された基板に揺れが発生する点にある。また、ガラス基板等の基板の大型化にともない、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間に隙間が生じル結果、ガラス基板搬送用ボックス内を気密状態に保持することができなくなり、内部のガラス基板の特性に悪影響を与える点にある。したがって、この発明に基づいた基板搬送用ボックスの一つの目的は、基板の大型化にともない、基板搬送用ボックスが大型化した場合にあっても、搬送時に収容された基板に揺れが発生することがない構造を備える基板搬送用ボックスを提供することにある。さらに、この発明に基づいた基板搬送用ボックスの他の目的は、基板の大型化にともない、基板搬送用ボックスが大型化した場合にあっても、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間に隙間が発生しても、ガラス基板搬送用ボックス内を気密状態に保持することのできる構造を備える基板搬送用ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に基づいた基板搬送用ボックスにおいては、内部に基板を収容するための基板搬送用ボックスであって、上部が開口する箱型の発泡体製の本体と、上記本体の上部開口を閉じるため、天板を有する箱型の発泡体製の蓋体と、上記本体の内部に上記基板を収容した状態において、上記基板の上部側に載置される支持部材と、上記本体の内部に上記基板を収容し、上記蓋体により上記本体の上部開口を閉ざした状態において、上記蓋体の上記天板の下面と上記支持部材の上面との間に位置し、上記天板の下面と上記支持部材の上面とにより挟み込まれることで弾性変形する支持補助部材とを備える。
【0012】
また、上記基板搬送用ボックスの他の形態においては、上記本体は、上記基板を起立させた状態で上記基板を収容するため、相対向する内壁に上記基板の側部を支持するための複数の支持溝を有し、上記支持部材は、上記基板の上部側に載置された状態において、上記基板を支持する複数の支持溝を有している。
【0013】
また、上記基板搬送用ボックスの他の形態においては、上記本体は、上記基板を横に寝かせた積層状態で上記基板を収容し、上記支持部材の外形は、上記本体の上部開口を閉じるため、上部開口よりも大きく、かつ、上記蓋体の内形よりも同一または小さく設けられる。
【発明の効果】
【0014】
上記構成を備える基板搬送用ボックスによれば、蓋体により本体の上部開口を閉ざした状態において、蓋体の天板の下面と支持部材の上面との間において、支持補助部材が、天板の下面と支持部材の上面とにより挟み込まれ弾性変形する。これにより、支持部材は、支持補助部材の弾性変形後の復元力に基づく付勢力により基板側に押え付けられることとなる。
【0015】
その結果、基板を起立させた状態で複数の基板を収容する場合においては、基板の上端に支持部材を載置した状態において、蓋体の天板の下面と支持部材の上面との間に隙間が生じる場合であっても、搬送時における基板の揺れが、支持補助部材の弾性変形により抑制されることとなる。また、外部から大きな衝撃が加わった場合であっても、支持補助部材がさらに弾性変形することで、基板に加わる衝撃を吸収することが可能となる。
【0016】
また、基板を横に寝かせた積層状態で複数枚の基板を収容する場合においては、支持部材の外形は、本体の上部開口を閉じるため、上部開口よりも大きく、かつ、上記蓋体の内形よりも同一または小さく設けられている。これにより、この支持部材により本体の上部開口が閉じられることとなる。さらに、支持補助部材の弾性変形により、支持部材は、支持補助部材の弾性変形後の復元力に基づく付勢力により基板側に押え付けられることとなり、本体の上部開口は支持部材により密閉されることとなる。その結果、基板搬送用ボックスが大型化した場合にあっても、発泡体製の本体と発泡体製の蓋体との間に隙間が発生しても、ガラス基板搬送用ボックス内を気密状態に保持することのできる構造を備える基板搬送用ボックスを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に基づいた各実施の形態における基板搬送用ボックスについて、図を参照しながら説明する。なお、図面中に示す構成において、同一または相当部分については、同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないこととする。
【0018】
(実施の形態1)
本発明に基づいた実施の形態1における基板搬送用ボックスの一例としてのガラス基板搬送用発泡ボックス1000について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、図1は、実施の形態1におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000の全体構成を示す全体斜視図であり、図2は、ガラス基板を収容した状態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000の内部構造を示す部分拡大断面図であり、図3(A),(B)は、後述する支持補助発泡部材の、弾性変形の前後の状態を示す模式図である。
【0019】
本実施の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000は、内部に複数枚のガラス基板100を起立させた状態で収容するための基板搬送用ボックスであって、相対向する内壁にガラス基板100の側部を支持するための複数の支持溝10Aを有し、上部が開口する箱型の発泡体製の本体1と、この本体1の上部開口を閉じるため、天板2aを有する箱型の発泡体製の蓋体2とを備えている。
【0020】
さらに、本体1の内部にガラス基板100を収容した状態において、ガラス基板100の上部側に載置され、ガラス基板100を支持する複数の支持溝10Bを有する発泡体製の支持部材としての支持プレート3を有している。
【0021】
ガラス基板搬送用発泡ボックス1000の外径寸法の一例としては(20枚のガラス基板100を収容)、本体2により本体1の開口を閉ざした状態において、ガラス基板100の大きさが、たとえば1500mm×1800mmの場合、幅約1600mm〜1700mm程度、奥行き約700mm〜800mm程度、高さ約1900mm〜2000mm程度となる。
【0022】
本体1、蓋体2、および、支持プレート3はいずれも、ポリエチレン系(ウルトラハイモラキュラウエイトポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなど、あるいはこれらのブレンド物)発泡体、ポリプロピレン系発泡体などのポリオレフィン系発泡体で製造される。特に、強度の大きいポリプロピレン系発泡体が、ガラス基板搬送用発泡ボックス1000の材料としては好ましいと言える。
【0023】
発泡倍率については、過少であるとガラス基板100の保護性(クッション性)などが充分に得られない。一方、発泡倍率が過大であると強度が不足し、弾力性も過多となる。したがって、ポリオレフィン系発泡体の場合、本体1および蓋体2においては、発泡倍率は3倍〜50倍、好ましくは4〜25倍、より好ましくは5倍〜20倍、さらに好ましくは7倍〜18倍の範囲に設定される。また、支持プレート3においては、発泡倍率は3倍〜80倍、好ましくは10倍〜60倍、より好ましくは20倍〜38倍の範囲に設定される。
【0024】
本体1、蓋体2、および、支持プレート3の各部材の厚みは、強度、耐加重性、硬さと弾力性とのバランスなどを考慮して、約15mm〜100mm程度、好ましくは20mm〜80mm程度に設けられる。
【0025】
本体1の相対向する内壁には、ガラス基板100を起立させた状態で、ガラス基板100の側部を支持するための支持溝10Aが複数設けられている。また、本体1の底壁にも、ガラス基板100の底部を支持するための底部支持溝が複数設けられている(図示省略)。支持プレート3にも、ガラス基板100の上端部を支持するための支持溝10Bが複数設けられている。
【0026】
支持溝10Aおよび支持溝10Bの形状は、それぞれ、ガラス基板100のエッジ部を挿入できる深さおよび幅とし、ガラス基板100を挿入した状態で若干の余裕があるように設けることが好ましい。各溝の数は適宜ガラス基板搬送用発泡ボックス1000のガラス基板の収容枚数に応じて選択されるが、1壁面当り10条〜60条程度あるいはそれ以上の溝数とすることが多い。溝部の山部の形状については、ガラス基板100との接触を小さくするため、曲面形状、傾斜形状を採用することが好ましい。溝寸法の一例としては、溝深さが4mm〜30mm程度、溝幅が2mm〜10mm程度である。
【0027】
なお、支持溝は、本体1の内壁面および底壁面に直接成形することも可能であるが、支持溝が形成された内挿クッション部材を内壁面および底壁面に対して着脱可能に設ける構成の採用も可能である。内挿クッション部材を設ける場合、この内挿クッション部材の材質は、本体1と同様の発泡部材から構成される。
【0028】
また、本実施の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000は、本体1の内部にガラス基板100を収容し、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間に位置し、天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれることで弾性変形する第1支持補助部材21および第2支持補助部材22とが配設されている。
【0029】
このように、本実施の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000においては、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22を配設させる構成を採用していることから、設計上、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間寸法は、寸法誤差を考慮して、10mm〜100mmになるように成形している。
【0030】
また、本実施の形態における第1支持補助部材21および第2支持補助部材22は、発塵を防止する観点、および、ガラス基板100に衝撃が加わった場合に、この衝撃を吸収するダンパとしての機能を第1支持補助部材21および第2支持補助部材22に付与する観点から、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の表面は、空気の流出が可能なように、シール部材(たとえばビニールシート)により覆われ、微細な空気逃がし孔がシール部材に設けられている(シール部材の図示は省略)。なお、発塵を防止する観点、支持補助部材にダンパとしての機能を付与する観点、アウトガスの流出を防止する観点が必要でない場合には、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の表面をシール部材(たとえばビニールシート)で覆う必要はない。
【0031】
図2および図3を参照して、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態においては、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22は(図2には、第2支持補助部材22のみ図示)天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれることで弾性変形することとなる。第1支持補助部材21および第2支持補助部材22は通常状態では高さがL1(約20mm〜約50mm:誤差により大きく変動する)であるが、弾性変形後の高さはL2(約30mm〜約40mm:誤差により大きく変動する)となる。
【0032】
ここで、図14を参照して、本実施の形態における支持プレート3および、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の形状・材質等について説明する。支持プレート3の材質は、一例として発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレンを示し、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の材質は、一例として発泡倍率が30倍の発泡ポリエチレン、発泡倍率が60の発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、ソフトロン(登録商標)、サンペルカ(登録商標)を示している。収容されるガラスサイズ(5種類を例示)に応じて、ガラス基板搬送用発泡ボックスサイズ、支持プレート3のサイズ、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22のサイズが適宜選択される。なお、いずれのガラス基板搬送用発泡ボックスも、ガラス基板の収容枚数は、20枚である。
【0033】
図14において、押さえ込み力F(N)は、ボックス内に収容される20枚のガラス基板が破損する(最低1枚)力を示すものである。したがって、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の弾性変形により、支持プレート3が付勢される力は、この押さえ込み力F(N)よりも小さい値となるように、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の寸法、材質、数量等を設定する必要がある。
【0034】
具体的には、ガラス基板100のサイズが370W×470H×0.7tの場合には、支持プレート3との接触面積は、一枚当たり、370×0.7=259mmとなり、20枚では5180mmとなる。その結果、このサイズでの20枚のガラス基板が破損する押さえ込み力F(N)は、2800(N)であることから、ガラス基板(上端面)の単位面積当たりの押さえ込み力F(N)は、2800(N)÷5180mm=0.54(N)/mm(54(N)/cm)となる。同様に、600W×750H×0.7tのガラスサイズの場合には、0.48(N)/mm(48(N)/cm)、680W×880H×0.7tのガラスサイズの場合には、0.52(N)/mm(52(N)/cm)、730W×920H×0.7tのガラスサイズの場合には、0.52(N)/mm(52(N)/cm)、1100W×1300H×0.7tのガラスサイズの場合には、0.47(N)/mm(47(N)/cm)となる。
【0035】
よって、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の弾性変形により、支持プレート3が付勢される力は、ガラス基板(上端面)の単位面積当たりの押さえ込み力F(N)が、約0.47(N)/mm〜約0.52(N)/mm、好ましくは、0.5(N)/mm程度の力(N)よりも小さい値となるように、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の寸法、材質、数量等を設定すれば良いことが分かる。
【0036】
次に、支持補助部材の弾性変形により、支持プレートへの付勢力について、図9〜図13を参照しながら考察する。図9は、サンペルカ(登録商標)における圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図であり、サンペルカ(登録商標)を用いる場合には、圧縮ひずみ(%)が83%程度以下となるよう、支持補助部材を設計すればよいことが分かる。
【0037】
図10は、発泡倍率が38倍の発泡ポリエチレンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図であり、発泡ポリエチレン(38倍)を用いる場合にもサンペルカ(登録商標)と略同様に、圧縮ひずみ(%)が83%程度以下となるよう、支持補助部材を設計すればよいことが分かる。
【0038】
図11は、発泡倍率が60倍の発泡ポリエチレンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図であり、発泡ポリエチレン(60倍)を用いる場合には、圧縮ひずみ(%)が80%程度で、圧縮応力は35(N/cm)となることから、好ましくは、圧縮ひずみ(%)が80%程度以下となるよう、支持補助部材を設計すればよいことが分かる。
【0039】
図12は、厚さが35mmの発泡ウレタンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図であり、この発泡発泡ウレタンを用いる場合には、圧縮ひずみ(%)が90%程度でも、圧縮応力は3(N/cm)程度でしかないため、発泡ボックスの製造誤差が大きい場合には、支持補助部材として有効に用いることができることが分かる。
【0040】
また、図13は、厚さが70mmの発泡ウレタンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図であり、この発泡発泡ウレタンを用いる場合には、圧縮ひずみ(%)が90%程度でも、圧縮応力は7(N/cm)程度でしかないため、発泡ボックスの製造誤差が大きい場合には、支持補助部材としてさらに有効に用いることができることが分かる。
【0041】
このように、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22が弾性変形することにより、支持プレート3を下方側(ガラス基板100側)に押し付ける付勢力を、上記考察に基づき、適切な材料、寸法を選択することで、搬送時におけるガラス基板100の揺れを確実に防止するとともに、外部から大きな衝撃が加わった場合には、ガラス基板100への衝撃を最大限に吸収することを可能とする。
【0042】
(作用・効果)
このように、本実施の形態の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス1000によれば、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間において、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22が、天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれ弾性変形する。これにより、支持プレート3は、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の弾性変形後の復元力に基づく付勢力によりガラス基板100側に押え付けられることとなる。
【0043】
その結果、ガラス基板100が大型の場合であっても、蓋体2の天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとの間に隙間(S1)が生じる場合であっても、搬送時におけるガラス基板100の揺れが、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の弾性変形により抑制されることとなる。また、外部から大きな衝撃が加わった場合であっても、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22がさらに弾性変形することで、ガラス基板100に加わる衝撃を吸収することが可能となる。
【0044】
(実施の形態2)
上記実施の形態1において採用した第1支持補助部材21および第2支持補助部材22においては、支持プレート3と第1支持補助部材21および第2支持補助部材22とは分離した構造である。よって、支持プレート3に対して任意の位置に、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22を配置することが可能である。一方、本実施の形態2においては、支持プレート3と第1支持補助部材21および第2支持補助部材22との少なくともいずれか一方には、支持プレート3と第1支持補助部材21および第2支持補助部材22との間の相互の位置を決定するための位置決め領域が設けられる構成を採用している。
【0045】
具体的には、図4の部分拡大斜視図に示すように、支持プレート3に位置決め凹部3bを設け、この位置決め凹部3bに第1支持補助部材21および第2支持補助部材22(第1支持補助部材21は図示省略)を嵌め入れる構成や、図5の部分拡大断面図に示すように、支持プレート3に位置決め凸部3cを設け、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22(第1支持補助部材21は図示省略)に位置決め凹部22aを設け、支持プレート3に設けた位置決め凸部3cに位置決め凹部22aを嵌め入れる構成の採用が可能である。なお、位置決め凹部3bおよび位置決め凹部22aの溝深さは、約5mm〜約20mm程度、位置決め凸部3cの高さは、約5mm〜約30mm程度である。
【0046】
(作用・効果)
このように、支持プレート3と第1支持補助部材21および第2支持補助部材22との間の相互の位置を決定するための位置決め領域が設けることで、上記実施の形態1において得られる作用効果に加え、ガラス基板100の梱包時における第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の挿入作業の効率化を向上させることが可能となる。
【0047】
(実施の形態3)
上記実施の形態1および2においては、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22の2つの支持補助部材を採用しているが、この支持補助部材は2つ設けることに限定されるものではなく、一つの支持補助部材または2以上の複数個設けることも可能である。また、十字形状、井桁形状等、様々な平面形状の採用が可能である。そこで、本実施の形態においては、図6の部分拡大斜視図に示すように、第1支持補助部材21および第2支持補助部材22に替わり、支持プレート3と略同一面積の支持補助プレート23を用いている。支持補助プレート23の設計における材料、寸法等の考え方は、上記実施の形態1の場合と同様である。
【0048】
(作用・効果)
この支持補助プレート23を用い場合にも、図7に示すように(図2で示した状態と同様に)、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態においては、支持プレート23は、天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれることで弾性変形することとなる。その結果、実施の形態1の場合と同様の採用効果を得ることができる。
【0049】
(実施の形態4)
上記実施の形態1から3において採用した支持補助部材においては、支持部材と支持補助部材とは分離した構造である。一方、本実施の形態においては、支持部材と支持補助部材とが一体成形された部材である。具体的には、図8(A)の拡大断面図に示すように、支持部材としての支持プレート3とこの支持プレート3の表面から突出する支持補助部材3dとが一体成形されている。支持プレート3と支持補助部材3dとを一体として形成する場合、採用される寸法・材料関係は、上記実施の形態1の場合と同様の考え方を適用すれば良い。
【0050】
(作用・効果)
このように支持プレート3と支持補助部材3dとが一体成形されている場合にも、図8(B)に示すように、蓋体2により本体1の上部開口を閉ざした状態においては、支持補助部材3dは、天板2aの下面2cと支持プレート3の上面3aとにより挟み込まれることで弾性変形することとなる。その結果、実施の形態1の場合と同様の採用効果を得ることができる。また、ガラス基板100の梱包作業の効率化を図ることも可能となる。
【0051】
(実施の形態5)
次に、本発明に基づいた実施の形態5における基板搬送用ボックスの一例としてのガラス基板搬送用発泡ボックス2000について、図15および図16を参照しながら説明する。なお、図15は、本実施の形態5におけるガラス基板搬送用発泡ボックス2000の全体構成を示す全体斜視図であり、図16は、本実施の形態5におけるガラス基板を収容した状態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス2000の内部構造を示す断面図である。
【0052】
本実施の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス2000は、ガラス基板100を横に寝かせた積層状態でガラス基板100を収容する形式のガラス基板搬送用発泡ボックスであり、上部が開口する箱型の発泡体製の本体2001と、この本体2001の上部開口を閉じるため、天板2002aを有する箱型の発泡体製の蓋体2002とを備えている。さらに、本体2001の内部にガラス基板100を積層収容した状態において、ガラス基板100の上部側に載置される支持プレート2003を有している。
【0053】
また、本体2001の内部にガラス基板100を収容し、蓋体2002により本体2001の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2002の天板2002aの下面2002cと支持部材2003の上面2003aとの間に位置し、天板2002aの下面2002cと支持部材2003の上面2003aとにより挟み込まれることで弾性変形する第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022とを有している。
【0054】
また、支持部材2003の外形は、本体2001の上部開口を閉じるため、上部開口(ガラス基板を挿入するための内形)よりも大きく、かつ、蓋体2002の内形よりも同一または小さく設けられている。
【0055】
本体2001、蓋体2002、および、支持プレート2003はいずれも、ポリエチレン系(ウルトラハイモラキュラウエイトポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマーなど、あるいはこれらのブレンド物)発泡体、ポリプロピレン系発泡体などのポリオレフィン系発泡体で製造される。特に、強度の大きいポリプロピレン系発泡体が、ガラス基板搬送用発泡ボックス2000の材料としては好ましいと言える。
【0056】
発泡倍率については、過少であるとガラス基板100の保護性(クッション性)などが充分に得られない。一方、発泡倍率が過大であると強度が不足し、弾力性も過多となる。したがって、ポリオレフィン系発泡体の場合、本体2001および蓋体2002においては、発泡倍率は3倍〜50倍、好ましくは4〜25倍、より好ましくは5倍〜20倍、さらに好ましくは7倍〜18倍の範囲に設定される。また、支持プレート3においては、発泡倍率は3倍〜80倍、好ましくは10倍〜60倍、より好ましくは20倍〜38倍の範囲に設定される。
【0057】
本体1、蓋体2、および、支持プレート3の各部材の厚みは、強度、耐加重性、硬さと弾力性とのバランスなどを考慮して、約15mm〜100mm程度、好ましくは20mm〜80mm程度に設けられる
このように、本実施の形態におけるガラス基板搬送用発泡ボックス2000においては、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022を配設させる構成を採用していることから、設計上、蓋体2002により本体2001の上部開口を閉ざした状態において、蓋体2002の天板2002aの下面2002cと支持プレート2003の上面3aとの間寸法は、寸法誤差を考慮して、10mm〜100mmになるように成形している。
【0058】
また、本実施の形態における第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022は、発塵を防止する観点、および、ガラス基板100に衝撃が加わった場合に、この衝撃を吸収するダンパとしての機能を第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022に付与する観点から、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022の表面は、空気の流出が可能なように、シール部材(たとえばビニールシート)により覆われ、微細な空気逃がし孔がシール部材に設けられている(シール部材の図示は省略)。なお、発塵を防止する観点、支持補助部材にダンパとしての機能を付与する観点、アウトガスの流出を防止する観点が必要でない場合には、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022の表面をシール部材(たとえばビニールシート)で覆う必要はない。
【0059】
蓋体2002により本体2001の上部開口を閉ざした状態においては、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022は、図16に示すように、天板2022aの下面2022cと支持プレート2003の上面2003aとにより挟み込まれることで弾性変形することとなる。
【0060】
以上、本実施の形態におけるガラス基板搬送用ボックス2000においては、支持部材2003の外形は、本体2001の上部開口を閉じるため、上部開口よりも大きく、かつ、蓋体2002の内形よりも同一または小さく設けられている。これにより、この支持プレート2003により本体の上部開口が閉じられることとなる。さらに、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022の弾性変形により、支持プレート2003は、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022の弾性変形後の復元力に基づく付勢力によりガラス基板100側に押え付けられることとなり、本体1の上部開口の縁部周縁は支持プレート2003により密閉されることとなる。その結果、基板搬送用ボックスが大型化した場合にあっても、本体2001と蓋体2002との間に隙間が発生しても、ガラス基板搬送用ボックス2000内を気密状態に保持することを可能とする。
【0061】
なお、本実施の形態における第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022は、直接ガラス基板100に付勢力を与えるものではなく、本体2001の上部開口の縁部周縁における支持プレート2003の密着度を向上させるものであることから、実施の形態1で説明したような、抑え込み力F(N)を考慮する必要はないが、取り扱いの容易性等から、実施の形態1で説明した第1支持補助部材21および第2支持補助部材22と同様の材料を用いることが好ましい。また、第1支持補助部材2021および第2支持補助部材2022の位置決め、および、支持プレート2003との一体化に関しては、上記実施の形態1から4に示す形態を適宜選択して、組み合わせることが可能である。
【0062】
(実施の形態6)
上記各実施の形態において、ガラス基板100の上面に支持プレート3を配置する場合には、支持プレート3に設けられた支持溝10Bに、ガラス基板100の側部を挿入する必要がある。ここでガラス基板100を起立させた状態においては、ガラス基板100が撓むことが考えられ、ガラス基板100が大型化するにしたがってこの撓みは顕著に表われる。その結果、支持プレート3に設けられた支持溝10Bにガラス基板100の側部を効率良く挿入することが困難になることが考えられる。
【0063】
そこで、本実施の形態においては、支持プレート3をガラス基板100に載置する前に、予めガラス基板100同士の側部の間隔を一定にするための基板搬送用ボックス治具を提供している。具体的には、図17および図18に示すように、この基板搬送用ボックス治具30は、ガラス基板100の上面または側面に挿入されるものであり、縦長のベース部31と、このベース部から突出する複数の凸部32と、それぞれの凸部32の間において、ガラス基板100を挟みこむ凹部32sとを備えている。
【0064】
縦長のベース部31の長さは、収容されるガラス基板100の枚数により決定され、ベース部31の幅は、約5mm〜約30mm程度、ベース部31からの凸部32の突出長さは、5mm〜30mm程度、凹部32sのスリット幅は、ガラス基板100の厚さに対して+0.5mm〜3.0mm程度である。材料としては、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン等が挙げられる。
【0065】
なお、図17および図18においては、ベース部31が棒状の基板搬送用ボックス治具30を示したが、図19に示すように、L字形状の幅広のベース部41を用いて、上記と同様のL字形状に延びる凸部32、凹部32sを設けた基板搬送用ボックス治具40を用いることも可能である。
【0066】
このように、基板搬送用ボックス治具30,40を用いることにより、予めガラス基板100の間隔を一定に揃えておくことが可能となり、支持プレート3に設けられた支持溝10Bにガラス基板100の側部を効率良く挿入することが可能となる。
【0067】
なお、上記各実施の形態においては、本発明の構成を、ガラス基板を搬送するガラス基板搬送用発泡ボックスに適用した例を示したが、ガラス基板と同様の性質を有する基板を収容・搬送するための基板搬送用ボックスに対しても同様に適用することは可能である。また、各実施の形態に示される構成を適宜組み合わせて用いることも可能である。
【0068】
したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの全体構成を示す全体斜視図である。
【図2】この発明に基づいた実施の形態1におけるガラス基板を収容した状態におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの内部構造を示す部分拡大断面図である。
【図3】(A),(B)は、この発明に基づいた実施の形態1における支持補助発泡部材の弾性変形の前後の状態を示す模式図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態2におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの構造を示す部分拡大斜視図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態2におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの構造を示す部分拡大断面図である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態3におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの構造を示す部分拡大斜視図である。
【図7】この発明に基づいた実施の形態3におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの支持補助発泡部材の弾性変形後の状態を示す拡大断面図である。
【図8】(A)は、この発明に基づいた実施の形態4におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの部分拡大断面図であり、(B)は、この発明に基づいた実施の形態4におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの支持補助発泡部材の弾性変形後の状態を示す模式図である。
【図9】サンペルカ(登録商標)における圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図である。
【図10】発泡倍率が38倍の発泡ポリエチレンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図である。
【図11】発泡倍率が60倍の発泡ポリエチレンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図である。
【図12】厚さが35mmの発泡ウレタンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図である。
【図13】厚さが70mmの発泡ウレタンにおける圧縮応力(N/cm)と、圧縮ひずみ(%)との関係を示す図である。
【図14】支持プレート、第1支持補助部材、第2支持補助部材22の形状・材質等を説明するための図である。
【図15】この発明に基づいた実施の形態5におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの全体構成を示す全体斜視図である。
【図16】この発明に基づいた実施の形態5におけるガラス基板を収容した状態におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの内部構造を示す断面図である。
【図17】この発明に基づいた実施の形態6における基板搬送用ボックス治具の使用状態を示す部分拡大斜視図である。
【図18】この発明に基づいた実施の形態6における基板搬送用ボックス治具の構造を示す部分拡大斜視図である。
【図19】この発明に基づいた実施の形態6における基板搬送用ボックス治具の他の構造を示す部分拡大斜視図である。
【図20】背景技術におけるガラス基板搬送用発泡ボックスの全体構成を示す全体斜視図である。
【図21】背景技術におけるガラス基板搬送用発泡ボックスのガラス収容状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1,2001 本体、2,2002 蓋体、2a,2002a 天板、2c,2002c 下面、3,2003 支持プレート、3a,2003a 上面、3b,22a 位置決め凹部、3c 位置決め凸部、3d 支持補助部材、10A,10B 支持溝、21,2021 第1支持補助部材、22,2022 第2支持補助部材、23,2023 支持補助プレート、30,40 基板搬送用ボックス治具、31 ベース部、32 凸部、32s 凹部、41 ベース部、100 ガラス基板、1000 ガラス基板搬送用発泡ボックス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に基板を収容するための基板搬送用ボックスであって、
上部が開口する箱型の発泡体製の本体(1,2001)と、
前記本体(1,2001)の上部開口を閉じるため、天板(2a,2002a)を有する箱型の発泡体製の蓋体(2,2002)と、
前記本体(1)の内部に前記基板を収容した状態において、前記基板の上部側に載置される支持部材(3,2003)と、
前記本体(1,2001)の内部に前記基板を収容し、前記蓋体(2,2002)により前記本体(1,2001)の上部開口を閉ざした状態において、前記蓋体(2,2002)の前記天板(2a,2002a)の下面(2c、2002c)と前記支持部材(3,2003)の上面(3a,2003a)との間に位置し、前記天板(2a,2002a)の下面(2c、2002c)と前記支持部材(3,2003)の上面(3a,2003a)とにより挟み込まれることで弾性変形する支持補助部材(21,22,2021,2022)と、
を備える基板搬送用ボックス。
【請求項2】
前記本体(1)は、前記基板を起立させた状態で前記基板を収容するため、相対向する内壁に前記基板の側部を支持するための複数の支持溝(10A)を有し、
前記支持部材(3)は、前記基板の上部側に載置された状態において、前記基板を支持する複数の支持溝(10B)を有する、請求項1に記載の基板搬送用ボックス。
【請求項3】
前記本体(2001)は、前記基板を横に寝かせた積層状態で前記基板を収容し、
前記支持部材(3)の外形は、前記本体(2001)の上部開口を閉じるため、上部開口よりも大きく、かつ、前記蓋体(2002)の内形よりも同一または小さく設けられる、請求項1に記載の基板搬送用ボックス。
【請求項4】
前記蓋体(2,2002)および前記支持部材(3,2003)に対して、前記支持補助部材(21,22,2021,2022)は分離した部材である、請求項1から3のいずれかに記載の基板搬送用ボックス。
【請求項5】
前記支持部材(3,2003)および前記支持補助部材の少なくともいずれか一方には、前記支持部材(3)と前記支持補助部材(21,22,2021,2022)との間の相互の位置を決定するための位置決め領域(3b、3c、22a)が設けられる、請求項4に記載の基板搬送用ボックス。
【請求項6】
前記支持部材(3,2003)に対して、前記支持補助部材(21,22,2021,2022)は一体成形された部材である、請求項1から3のいずれかに記載の基板搬送用ボックス。
【請求項7】
前記支持補助部材は前記支持部材(3,2003)の表面から突出する領域である、請求項6に記載の基板搬送用ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−280050(P2008−280050A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123527(P2007−123527)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(591056097)淀川ヒューテック株式会社 (25)
【Fターム(参考)】