説明

基板製造方法及び基板製造装置

【課題】基板上に異物があった場合でも支持部材を損傷させることなく、且つ修正スタンプの接触による基板表面の劣化を防ぎながら欠陥修正できると共に、1回の転写で欠陥部11を修正できるようにする。
【解決手段】アレイ基板2上において形成膜(PI配向膜10)が欠如した欠陥部11を検出し、支持部材7aの下端に設けた修正スタンプ7bの下面に表面張力により、修正インク7cを付着させ、欠陥部11のある位置に、修正インク7cを付着させた修正スタンプ7bを移動させ、修正スタンプ7bの下面をアレイ基板2表面に当接させることなく下降させて修正インク7cを欠陥部11上に塗布し、修正スタンプ7bを水平移動させることなく、垂直に上昇させて欠陥部11から離れ、欠陥部11に塗布された修正インク7cを乾燥させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板表面に形成された欠陥部を修正する基板製造方法及び基板製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置に使用される液晶パネルは、アレイ基板とカラーフィルタ基板との間に液晶が挟み込まれている。アレイ基板及びカラーフィルタ基板の液晶側表面には、液晶分子の配向状態を規制する配向膜が形成されている。
【0003】
この形成膜には、局所的なピンホールが生じる可能性があり、例えば、特許文献1のように、基板面に形成された塗膜の欠陥部に修正薬液を適量だけ滴下し、基板面の凹凸に倣って弾性変形するスタンプで基板面を押圧して修正薬液を押し広げるようにして塗膜の欠陥部を修正する欠陥修正方法が知られている。
【0004】
また、特許文献2のように、配向膜の膜欠損部の有無を検査し、膜欠損部の位置を検出し、膜欠損部の少なくとも一部に配向膜補修剤を付着させて膜欠損部を修理する表示パネルの製造方法が知られている。この方法では、配向膜補修剤を付着させた転写手段から膜欠損部に配向膜補修剤を転写させるスタンプ手法を用いるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−104865号公報
【特許文献2】WO2007/132586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の欠陥修正方法では、弾性変形するスタンプで修正インクを押圧して均一に広げるようにするので、スタンプを基板に接触させる必要があり、品質が悪化するおそれがある。
【0007】
また、特許文献2の方法でも、欠陥がスタンプに比べて大きい場合には、スタンプを何度も押し付けて欠陥を修正する必要がある。さらに、スタンプを支持する支持軸(支持部材)を配向膜補修剤が伝わりにくいガラスで形成しているので、スタンプをスポンジなどの柔らかい物質で構成しないと、基板上に異物があった場合に支持軸が折れるおそれがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板上に異物があった場合でも支持部材を損傷させることなく、且つ修正スタンプの接触による基板表面の劣化を防ぎながら欠陥修正できると共に、1回の転写で欠陥部を修正できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、修正スタンプの下面に表面張力により、修正インクを付着させるようにした。
【0010】
具体的には、第1の発明では、
基板表面に形成された形成膜の欠陥部を修正する、基板製造方法を前提とし、
上記製造方法は、
支持部材の下端に設けた修正スタンプの下面に表面張力により、修正インクを付着させる工程と、
上記欠陥部のある位置に、上記修正インクを付着させた修正スタンプを移動させる工程と、
上記修正スタンプの下面を上記基板表面に当接させることなく下降させて上記修正インクを上記欠陥部上に塗布する工程と、
上記修正スタンプを水平移動させることなく、垂直に上昇させて上記欠陥部から離れる工程とを含む構成とする。
【0011】
上記の構成によると、修正スタンプを基板表面に接触させないので、修正スタンプがスポンジのような柔らかいものでなくても、基板表面の異物等に接触して支持部材が損傷することはない。一方、硬質の修正スタンプであれば、修正インクを表面張力によって付着させることができる。修正スタンプのサイズを従来よりも大きくすることで、一度で欠陥部の修正が可能となる。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記欠陥部及び異物を検出する工程をさらに含み、
上記異物が検出されたときには、上記修正インクを付着させる前に上記異物を研磨し、該異物研磨後の部位も上記欠陥部に加える。
【0013】
すなわち、異物を研磨した後は、形成膜も同時に削ってしまうが、上記の構成によると、研磨後の基板表面に生じた欠陥部も修正されるので、品質がさらに向上する。
【0014】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記形成膜は、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜である。
【0015】
上記の構成によると、欠陥のない配向膜が得られるので、高品質な画像が得られる。
【0016】
第4の発明では、
ヘッド本体を基板表面の任意の位置に移動させる移動装置と、
上記ヘッド本体に設けられ、該ヘッド本体下端に設けた修正スタンプの下面に表面張力により、修正インクを付着させる支持部材と、
基板上の欠陥部のある位置に、上記移動装置によって上記修正インクを付着させた修正スタンプを移動させ、上記修正スタンプの下面を上記基板表面に当接させることなく下降させて上記修正インクを上記欠陥部上に塗布する制御装置とを備えている。
【0017】
上記の構成によると、修正スタンプを基板表面に接触させないので、修正スタンプがスポンジのような柔らかいものでなくても、基板表面の異物等に接触して支持部材が損傷することはない。一方、硬質の修正スタンプであれば、修正インクを表面張力によって付着させることができる。修正スタンプのサイズを従来よりも大きくすることで、一度で欠陥部の修正が可能となる。
【0018】
第5の発明では、第4の発明において、
上記基板表面の欠陥部を捕捉し、修正のための情報を作成する欠陥捕捉機構と、
上記基板表面上の異物を研磨する研磨装置とをさらに備え、
上記欠陥捕捉機構は、上記異物も補足可能に構成され、
上記制御装置は、上記欠陥捕捉機構が異物を補足した場合には、上記修正スタンプを移動させる前に、上記研磨装置で上記異物を研磨した後、上記修正スタンプを移動させて欠陥部及び異物研磨後の部位を修正するように構成されている。
【0019】
すなわち、異物を研磨した後は、形成膜も同時に削ってしまうが、上記の構成によると、研磨後の基板表面に生じた欠陥部も修正されるので、品質がさらに向上する。
【0020】
第6の発明では、第4又は第5の発明において、
上記形成膜は、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜である。
【0021】
上記の構成によると、欠陥のない配向膜が得られるので、高品質な画像が得られる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、支持部材の下端に設けた修正スタンプの下面に表面張力により修正インクを付着させ、その修正スタンプの下面を基板表面に当接させることなく下降させて修正インクを欠陥部上に塗布し、修正スタンプを水平移動させることなく垂直に上昇させて欠陥部から離れるようにしたことにより、基板上に異物があった場合でも支持部材を損傷させることなく、且つ修正スタンプの接触による基板表面の劣化を防ぎながら欠陥修正できると共に、1回の転写で欠陥部を修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基板製造方法における修正工程を示す断面図であり、(a)が修正前の欠陥部であり、(b)が塗布中の欠陥部であり、(c)が乾燥中の欠陥部であり、(d)が修正後の欠陥部である。
【図2】製造装置を示す斜視図である。
【図3】基板製造方法のフローチャートである。
【図4】研磨工程を示す断面図であり、(a)が研磨前の異物であり、(b)が研磨中の異物であり、(c)が研磨装置が上昇中の異物であり、(d)が研磨後の異物である。
【図5】修正工程後の断面図である。
【図6】修正インクが付着した修正スタンプ、欠陥部及びその周辺を拡大して示し、(a)が断面図であり、(b)が平面図である。
【図7】修正スタンプの変形例にかかる欠陥修正方法を示し、(a)が側方断面図であり、(b)が平面図である。
【図8】修正スタンプの他の変形例にかかる欠陥修正方法を示し、(a)が側方断面図であり、(b)が平面図である。
【図9】従来技術にかかる欠陥修正方法を示し、(a)が側方断面図であり、(b)が平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図2に本発明の実施形態にかかる基板製造装置1を示し、この基板製造装置1は、例えば、上面にアレイ基板2が載置される平坦なワークステージ3が設けられている。例えば、本実施形態では、アレイ基板2は、形成膜としてのポリイミド配向膜(PI配向膜)10を形成後のアレイ基板とする。このワークステージ3に複数の貫通孔(図示せず)を設け、空気を吸引することにより、アレイ基板2をワークステージ3上に固定するようになっている。
【0026】
ワークステージ3上には、X方向、Y方向及びZ方向にヘッド本体4を移動可能に支持する移動装置5が設けられている。詳細は図示しないが、移動装置5は、ワークステージ3の対向する側面にY方向に沿って配置された一対のレール部と、このレール部上をY方向に沿って移動し、ヘッド本体4をX方向及びZ方向に移動可能に支持するガントリ部5aと、図示しない複数のモータとを備え、ワークステージ3上の任意の位置にヘッド本体4を移動可能に構成されている。
【0027】
ヘッド本体4は、研磨ユニット6とPI(ポリイミド)塗布ユニット7と、高さ測定ユニット8とを備えている。
【0028】
詳しくは図示しないが、研磨ユニット6は、研磨カセットを備えている。この研磨カセットは、通常のオーディオテープと同様の形状を有し、研磨テープ6aが巻かれた供給リールと、この研磨テープ6aを巻き取る巻取リールとを備え、これら供給リールと巻取リールとは、ヘッド本体4に設けられたモータ(図示せず)により駆動されるように構成されている。両リール間には、図4に示すように、研磨テープ6aをアレイ基板2に対して押し付ける研磨ヘッド6bが設けられている。研磨テープ6aは、弱粘着性の表層に研磨パウダーが仕込まれたものであり、研磨により発生した研磨物の大部分は、研磨テープ6aに付着したまま研磨カセットに取り込まれるようになっている。
【0029】
図2に示すように、基板製造装置1は、任意の位置に制御装置14を備え、この制御装置14が図示しないメインサーバ15につながれている。メインサーバ15には、前工程において欠陥捕捉機構16で補足されたアレイ基板2表面の欠陥のサイズ、位置などの欠陥修正のための欠陥情報が保存されている。欠陥捕捉機構16の構成は特に限定されないが、周知の画像処理により、アレイ基板2表面上を走査可能とすればよい。
【0030】
上記高さ測定ユニット8は、アレイ基板2表面の異物12の高さを計測するものであり、公知のデジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device)を備えている。このデジタル・マイクロミラー・デバイスは、図示しない多数の微小鏡面(マイクロミラー)を平面に配列した表示素子の一種であり、いわゆる共焦点方式により、各座標における異物12の高さの分布を把握可能に構成されている。制御装置14によって、メインサーバ15に保存された欠陥情報を基に修正が必要な異物12のところにヘッド本体4を移動させ、高さ測定ユニット8で異物12の高さを計測するように構成されている。
【0031】
上記PI塗布ユニット7は、図6に示すように、修正インク7cが付着しにくいガラス製の軸よりなる支持部材7aを備えている。この支持部材7aの基端側は、ヘッド本体4に連結され、先端に修正スタンプ7bが連結されている。本実施形態では、修正スタンプ7bは、例えばテトラアクリート系樹脂をUV硬化して形成され、その形状は、図6に示すように、角部が丸まった矩形板状となっている。修正インク7cとしては、例えば溶媒中に配向膜材料としてのポリイミドを溶かしたものよりなる。支持部材7aの太さは、図7に示す従来の支持部材7aの太さに比べて太く、修正スタンプ7bの大きさも、従来に比べて大きくなっている。
【0032】
−基板製造方法−
次に、本実施形態にかかるアレイ基板2表面の基板製造方法について説明する。
【0033】
図3に示すように、まず、アレイ製造工程から流れてきたアレイ基板2をPI工程に送り込む。まず、ステップS01のPI塗布前基板洗浄工程において、アレイ基板2を洗浄する。
【0034】
次いで、ステップS02のPI配向膜塗布工程において、PI配向膜10を塗布する。詳しくは説明しないが、例えば、ポリイミド樹脂を溶媒に入れた溶液をインクジェット方式によりアレイ基板2に塗布する。
【0035】
次いで、ステップS03において、アレイ基板2を高温で仮乾燥し、溶媒成分を蒸発させて数10〜100nm程度のPI配向膜10を形成する。
【0036】
次いで、ステップS04の欠陥捕捉工程において、欠陥捕捉機構16によってPI配向膜10を形成後のアレイ基板2上の欠陥捕捉を行う。これにより、アレイ基板2上の修正が必要な欠陥部11と異物12の位置及び大きさが補足され、メインサーバ15に保存される。
【0037】
次いで、ステップS05において、欠陥情報(欠陥部11や異物12の位置、サイズ等)を基に、PI配向膜10の修正が必要かを判定する。欠陥部11や異物12がない又は修正や研磨の必要がない欠陥である場合には、ステップS06に進み、PI配向膜10を焼成し、ステップS07の基板貼り合わせ工程へ流れ、カラーフィルタ基板(図示せず)と貼り合わせられる。
【0038】
一方、PI配向膜10の修正が必要と判断された場合には、ステップS08で修正工程に投入される。修正工程では、制御装置14が自動モードのシーケンスにしたがって基板製造装置1を制御する。まず最初にステップS09において、異物研磨が必要なサイズの異物12があるかを判定する。具体的には、基板製造装置1がメインサーバ15から欠陥情報を取得し、異物サイズの判定を行う。
【0039】
研磨が必要な異物12である場合には、ステップS10の異物研磨工程において修正が行われる。まず、移動装置5により、異物12に対してセンタリングが行われ、高さ測定ユニット8によって、異物12の中央の高さが計測される。次いで、図4(b)に示すように、供給リールから研磨テープ6aを繰り出すと共に、巻取リールで巻き取りながら、これら供給リールと巻取リールとの間の研磨テープ6aを研磨ヘッド6bで押し付けてアレイ基板2の表面の異物12を研磨して修正する。押し込み量は、アレイ基板2の平均的な表面を基準とし、その基準から1〜2μm程度の高さまで研磨テープ6aを走行させる。この研磨後の部位を修正すべき欠陥部11として記憶しておく。なお、簡略化のために図示しないが、欠陥情報を基に未修正の異物12がないか判定され、未修正の異物12がある場合には、ステップS09に戻って異物判定が繰り返され、未修正の異物12がなくなれば、ステップS11に進む。
【0040】
ステップS09において、修正の必要のある異物12がない場合には、ステップS10を経ずにステップS11に移る。
【0041】
ステップS11では、まず、移動装置5により、図示しない修正インク7cが充填された容器内に修正スタンプ7bを挿入し、この修正スタンプ7bの下面に表面張力により修正インク7cを付着させる。図6に示すように、修正インク7cは、修正スタンプ7bの外形よりも大きく膨らんでいる。次いで、移動装置5により、欠陥部11の真上にへ修正スタンプ7bを移動させる。この欠陥部11は、図1(a)に示すように、修正インク7cがはじかれるなどにより元々欠乏しているものだけでなく、研磨後の異物12部分が含まれる。
【0042】
次いで、図1(b)に示すように、修正スタンプ7bを下降させ、アレイ基板2の表面には一切当接させず、表面張力による丸まった修正インク7cのみを接触させる。すると、修正インク7cが欠陥部11側に付着する。その後、修正スタンプ7bを上昇させる。
【0043】
次いで、図1(c)に示すように、欠陥部11及びその周辺に付着した修正インク7cを加熱して乾燥(揮発)させる。
【0044】
次いで、図1(d)に示すように、溶媒が揮発してPIの固形分が残る。これにより、欠陥部11がPIで被われて修正が終了する。研磨修正後の欠陥部11も同様にPIによって被われる。
【0045】
なお、簡略化のために図示しないが、欠陥情報を基に未修正の欠陥部11がないか判定され、未修正の欠陥部11がある場合には、ステップS11に戻ってPI修正が繰り返され、未修正の欠陥部11がなくなれば、修正を全て行えたと判断してステップS12に進む。
【0046】
ステップS12でPIを完全に焼成する。すると、PI配向膜10は、図5に示すように、アレイ基板2表面上のベース層10aと、その上に形成される感光性PI層10bとの二層となる。ベース層10aが感光性PI層10bを接着する役割をする。修正インク7cは、硬化して感光性PI層10bと同化する。その後、ステップS07の基板貼り合わせ工程へ流れ、カラーフィルタ基板(図示せず)と貼り合わせられる。
【0047】
このように、1つの欠陥部11に対し、一度だけの修正スタンプ7bの上下動だけで修正を行うので、従来に比べて格段に工程時間が短縮される。
【0048】
つまり、図9に示すような、従来のPI塗布ユニット107の修正スタンプ107bでは、修正スタンプ107bのサイズが小さく、それに付着される修正インク107cの量も少ないので、図9(b)に矢印で示すように、何度も欠陥部11内で修正スタンプ107bを移動させる必要がある。このような場合に、欠陥部11内に異物12があると、修正スタンプ107bが異物12に引っ掛かってガラス製の支持部材107aが折れてしまう場合がある。
【0049】
しかしながら、本実施形態では、修正スタンプ7bのサイズが大きく、修正スタンプ7bを何度も水平移動させる必要がなく、しかも、図1に示すように、修正スタンプ7b自体は、アレイ基板2の表面から距離を空けているので、異物12に接触せず、支持部材7aが折れることはない。しかも支持部材7aを従来よりも太くしているので、衝撃にも強くなっている。さらに、修正スタンプ7bをアレイ基板2の表面に当接させていないので、アレイ基板2の表面に不具合を生じさせることもない。
【0050】
したがって、本実施形態によると、基板上に異物12があった場合でも支持部材7aを損傷させることなく、且つ修正スタンプ7bの接触による基板表面の劣化を防ぎながら欠陥修正できると共に、1回の転写で欠陥部11を修正できる。
【0051】
−変形例−
修正スタンプ7bの形状は、図7に示すように、円板状としてもよい。これにより、修正インク7cも円板状に付着し、矩形の場合よりも付着性がよくなる。
【0052】
さらには、図8に示すように、修正スタンプ7bの形状を平面視長方形にしてもよい。このことで、修正インク7cも長細く付着するので、長細い欠陥部11の修正も可能となる。この場合、欠陥部11の形状に合わせて修正スタンプ7bを回転させるようにしてもよい。
【0053】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0054】
すなわち、上記実施形態では、液晶表示装置におけるPI配向膜10を形成後のアレイ基板2を修正の対象としたが、これに限定されず、PI配向膜10を形成後のカラーフィルタ基板でもよい。
【0055】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上説明したように、本発明は、基板表面に形成された欠陥部を修正する基板製造方法及び基板製造装置について有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 基板製造装置
2 アレイ基板(基板)
3 ワークステージ
4 ヘッド本体
5 移動装置
5a ガントリ部
6 研磨ユニット
6a 研磨テープ
6b 研磨ヘッド
7 PI塗布ユニット
7a 支持部材
7b 修正スタンプ
7c 修正インク
8 測定ユニット
10 PI配向膜(形成膜)
10a ベース層
10b 感光性PI層
11 欠陥部
12 異物
14 制御装置
15 メインサーバ
16 欠陥捕捉機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面に形成された形成膜の欠陥部を修正する基板製造方法において、
支持部材の下端に設けた修正スタンプの下面に表面張力により、修正インクを付着させる工程と、
上記欠陥部のある位置に、上記修正インクを付着させた修正スタンプを移動させる工程と、
上記修正スタンプの下面を上記基板表面に当接させることなく下降させて上記修正インクを上記欠陥部上に塗布する工程と、
上記修正スタンプを水平移動させることなく、垂直に上昇させて上記欠陥部から離れる工程とを含む
ことを特徴とする基板製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板製造方法において、
上記欠陥部及び異物を検出する工程をさらに含み、
上記異物が検出されたときには、上記修正インクを付着させる前に上記異物を研磨し、該異物研磨後の部位も上記欠陥部に加える
ことを特徴とする基板製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板製造方法において、
上記形成膜は、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜である
ことを特徴とする基板製造方法。
【請求項4】
ヘッド本体を基板表面の任意の位置に移動させる移動装置と、
上記ヘッド本体に設けられ、該ヘッド本体下端に設けた修正スタンプの下面に表面張力により、修正インクを付着させる支持部材と、
基板上の欠陥部のある位置に、上記移動装置によって上記修正インクを付着させた修正スタンプを移動させ、上記修正スタンプの下面を上記基板表面に当接させることなく下降させて上記修正インクを上記欠陥部上に塗布する制御装置とを備えている
ことを特徴とする基板製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板製造装置において、
上記基板表面の欠陥部を捕捉し、修正のための情報を作成する欠陥捕捉機構と、
上記基板表面上の異物を研磨する研磨装置とをさらに備え、
上記欠陥捕捉機構は、上記異物も補足可能に構成され、
上記制御装置は、上記欠陥捕捉機構が異物を補足した場合には、上記修正スタンプを移動させる前に、上記研磨装置で上記異物を研磨した後、上記修正スタンプを移動させて欠陥部及び異物研磨後の部位を修正するように構成されている
ことを特徴とする基板製造装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の基板製造装置において、
上記形成膜は、液晶分子を一定方向に配列させるための配向膜である
ことを特徴とする基板製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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