基板製造方法
【課題】分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った基板を製造することができる基板製造方法を提供する。
【解決手段】基板製造方法は、分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパー13を分割対象基板11,12に電気的に接続した後に、その境界部分でワイヤジャンパー13を切断して分割された基板を製造する。
【解決手段】基板製造方法は、分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパー13を分割対象基板11,12に電気的に接続した後に、その境界部分でワイヤジャンパー13を切断して分割された基板を製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割対象基板を分割して基板を製造する基板製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化により、プリント配線板への部品実装を片面から両面へ行ったり、回路の一部を別基板化して母基板へ立体収納したりして、部品の小型化と共に配置収納の高密度化が進められた。
【0003】
その高密度実装における立体収納構造は、前述のとおり回路の一部を別基板化し、基板へ装着したり、コネクタを介して複数に分割された回路基板間を配線接続したりして立体構造をとっていたが、コネクタなど専用部材と、それの組立作業に多くの時間を要していた。
【0004】
そこで、これらの問題点を解決するために、フレキシブル基板を適用することにより、基板間の配線作業を廃止して組立作業性の向上を図った基板製造方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−152164号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に開示された従来の基板製造方法では、高密度化は図れたものの、専用部品の新たな発生や付帯する組立作業によりコスト面で不利であった。
従って、作業効率は改善されたが、コスト面の改善は行われずに、採用が難しかった。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図って基板を製造することができる基板製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る基板製造方法は、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記ワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、基板は、シート一面で構成された分割対象基板の境界をまたいで、既存のワイヤジャンパーが電気的に接続された後に、その境界部分でワイヤジャンパーが切断されることにより製造される。
これにより、分割された基板には切断されたワイヤジャンパーが既に設けられており、ワイヤジャンパーを配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った基板を製造することができる。
【0010】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、分割された前記基板は、母基板に装着されることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、分割された基板は母基板に装着される。
これにより、基板に既に設けられているワイヤジャンパーを用いて母基板との電気的な接続を行う。
従って、基板に新たな接続部品を実装することなく基板相互の電気的な接続を簡単に行うことができる。
【0012】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間上に配置されて分割対象基板の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間の側部により支持されながら切断される。
従って、切断の自由度が増えるとともに切断刃の消耗に伴う交換コストの低減を図ることができる。
【0014】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板上に配置されて分割対象基板の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは分割対象基板上で支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0016】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断されることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは冶具に支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0018】
本発明に係る基板製造方法は、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいで端子金具を前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記端子金具を切断して分割された基板を母基板に装着することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、基板は、シート一面で構成された分割対象基板の境界をまたいで端子金具が電気的に接続された後に、その境界部分で端子金具が切断されることにより製造される。
これにより、分割された基板には切断された端子金具が既に設けられており、端子金具を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図ることができるとともに、キンク構造などにより母基板上への装着高さ調整など端子金具の形状で自由度の高い基板を製造することができる。
【0020】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、分割して得た前記基板および前記ワイヤジャンパーまたは前記端子金具を、回路として使用することを特徴とする。
【0021】
本発明においては、分割して得た基板およびワイヤジャンパーまたは端子金具が回路に使用される。
従って、切断後のワイヤジャンパーや端子金具を廃棄することなく有効利用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の基板製造方法によれば、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分でワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造する。
これにより、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った基板を製造することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図2】図1に示した基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図3】図1に示した基板製造方法の装着工程の斜め上方から視た外観斜視図
【図4】図3の装着工程の斜め下上方から視た外観斜視図
【図5】図3の装着工程の正面図
【図6】本発明に係る第2実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図7】本発明に係る第3実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図8】本発明に係る第4実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図9】本発明に係る第5実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図10】本発明に係る第6実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図11】図10に示した基板製造方法の切断工程の平面図
【図12】本発明に係る第7実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図13】本発明に係る第8実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【図14】本発明に係る第9実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【図15】本発明に係る第10実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の複数の実施形態に係る基板製造方法及び基板製造方法について、図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である基板製造方法には、子基板となる第1分割対象基板11と、第1分割対象基板11とシート一面で構成された母基板となる第2分割対象基板12と、3本のワイヤジャンパー13と、から構成される。
【0026】
第1分割対象基板11は、長さ寸法L1で幅寸法L2を有して例えば1.6mmの厚さ寸法を有する。
【0027】
第1分割対象基板11は第2分割対象基板12側の一端側に3個のスルーホール14をそれぞれ等間隔で形成しており、一端部に凹溝形状の切欠15を形成している。
【0028】
第2分割対象基板12は、第1分割対象基板11と同等の長さ寸法L3で第1分割対象基板11よりも大きい幅寸法L4を有して例えば1.6mmの厚さ寸法を有する。
【0029】
第2分割対象基板12は、他端側に3個のスルーホール16をそれぞれ等間隔で形成しており、他端部に凹溝形状の切欠17を形成している。
【0030】
第1分割対象基板11と第2分割対象基板12とは、不図示の切断工程により一体に連結された所定形状に製造される。
【0031】
ワイヤジャンパー13は、例えばφ0.5mmの導電性を有する軟銅線からなるジャンパー線である。ワイヤジャンパー13は、一端側を第1分割対象基板11のスルーホール14に挿入するとともに他端側を第2分割対象基板12のスルーホール16に挿入した後に両基板11,12に電気的に接続される。
【0032】
次に、基板製造方法について説明する。
【0033】
基板製造方法の準備工程(図1参照)では、第1分割対象基板11および第2分割対象基板12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18を設定する。境界線18は、ミシン目やVカットで形成されており、例えばVカットの場合の残り代は厚さ寸法の半分以下に設定されている。境界線18には第1分割対象基板11の切欠15および第2分割対象基板12の切欠17が含まれる。
【0034】
図2に示すように、第1分割対象基板11は、その裏面に所定の回路を形成したプリント配線19が印刷等により設けられており、第2分割対象基板12は、その裏面にプリント配線19とは独立した所定の回路を形成したプリント配線20が印刷等により設けられている。
【0035】
プリント配線19は第1分割対象基板11のそれぞれのスルーホール14に位置する基板ランド21を有する。プリント配線20は第2分割対象基板12のそれぞれのスルーホール16に位置する基板ランド22を有する。
【0036】
ワイヤジャンパー13は、一端側を第1分割対象基板11のスルーホール14に挿入してから基板ランド21側でクリンチしてクリンチ部23を形成し、他端側を第2分割対象基板12のスルーホール16に挿入してから基板ランド22側でクリンチしてクリンチ部24を形成している。クリンチ部23,24は、図示した内向きに代えて、外向きであっても良い。
【0037】
ワイヤジャンパー13は、そのクリンチ部23を基板ランド21にはんだ25によりはんだ付けを行うことによりプリント配線19に電気的に接続され、そのクリンチ部24を基板ランド21にはんだ25によりはんだ付けを行うことによりプリント配線20に電気的に接続される。
【0038】
図2に示す切断工程では、両分割対象基板11,12の切欠15,17により形成される空間部26上にワイヤジャンパー13が配置されている。
【0039】
切断工程には、空間部26の上方に配置された上部切断刃27と、空間部26内に配置された下部切断刃28とが用いられる。
【0040】
そして、上部切断刃27が下部切断刃28に向けて下降されることにより、ワイヤジャンパー13は、両分割対象基板11,12の上面である片端面側から切断される。
【0041】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第1分割対象基板11からプリント配線19にそれぞれ電気的に接続された3本の第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30が製造される。
【0042】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第2分割対象基板12からプリント配線20にそれぞれ電気的に接続された3本の第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32が製造される。
【0043】
図3、図4、図5に示すように、切断工程の後に装着工程が実行される。
【0044】
装着工程では、第2基板32に形成された装着孔33に第1基板30に形成された係止部34を係止する等により装着して第2基板32上に第1基板30を起立させて組立て、第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を所定の回路に電気的に接続する。
【0045】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、第1基板30および第2基板32は、シート一面で構成された両分割対象基板11,12の境界をまたいで、既存のワイヤジャンパー13が電気的に接続された後に、その境界部分でワイヤジャンパー13が切断されることにより製造される。
これにより、分割された第1基板30および第2基板32には切断された第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31が既に設けられており、それぞれのワイヤジャンパー29,31を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った第1基板30および第2基板32を製造することができる。
【0046】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、分割された第1基板30は第2基板32に装着される。
これにより、第1基板30に既に設けられている第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32に既に設けられている第2切断ワイヤジャンパー31を用いて電気的な接続を行う。
従って、両基板30,32に新たな接続部品を実装することなく基板相互の電気的な接続を簡単に行うことができる。
【0047】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26上に配置されて両分割対象基板11,12の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26の側部により支持されながら切断される。
従って、切断の自由度が増えるとともに切断刃27,28の消耗に伴う交換コストの低減を図ることができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の基板製造方法について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0049】
図6に示すように、本発明の第2実施形態の基板製造方法は、その切断工程において、空間部26の上方に配置された上部切断刃41のみを用いられる。
【0050】
そして、上部切断刃41が下降されることにより、ワイヤジャンパー13は、両分割対象基板11,12の上面である片端面側から切断される。
【0051】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第1分割対象基板11からプリント配線19にそれぞれ電気的に接続された3本の第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30が製造され、同時に、第2分割対象基板12からプリント配線20にそれぞれ電気的に接続された3本の第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32が製造される。
【0052】
本発明の第2実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、その切断工程において、空間部26の上方に配置された上部切断刃41のみを用いることにより、構造を簡略化してコスト低減を図ることができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の基板製造方法について説明する。
【0054】
図7に示すように、本発明の第3実施形態の基板製造方法は、両分割対象基板11,12に切欠を有しておらず、その切断工程において、ワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12上に配置し、両分割対象基板11,12の境界線18上に配置される上部切断刃51のみを用いる。
【0055】
本発明の第3実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12上に配置されて両分割対象基板11,12の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12上で支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の基板製造方法について説明する。
【0057】
図8に示すように、本発明の第4実施形態の基板製造方法は、ワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12の空間26上に配置し、両分割対象基板11,12の空間26内に配置された冶具61を介して、両分割対象基板11,12の空間26上に配置される上部切断刃62を用いる。
【0058】
冶具61は、逆T字形状に形成されており、突部63を下方から両分割対象基板11,12の空間26内に挿入してワイヤジャンパー13に当接させている。
【0059】
本発明の第4実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26内に配置された冶具61を介して切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は冶具61に支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0060】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の基板製造方法について説明する。
【0061】
図9に示すように、本発明の第5実施形態の基板製造方法は、両分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18をまたいで端子金具71を両分割対象基板11,12に電気的に接続した後に、その境界部分で端子金具71を切断して分割された第1基板30を第2基板32に装着する。
【0062】
本発明の第5実施形態の基板製造方法では、第1基板30および第2基板32は、シート一面で構成された両分割対象基板11,12の境界線18をまたいで端子金具71が電気的に接続された後に、その境界部分で端子金具71が切断されることにより製造される。
これにより、分割された第1基板30および第2基板32には切断された端子金具71が既に設けられており、端子金具71を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図ることができるとともに、キンク構造などにより第2基板32上への装着高さ調整など端子金具71の形状で自由度の高い第1基板30および第2基板32を製造することができる。
【0063】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態の基板製造方法について説明する。
【0064】
図10に示すように、本発明の第6実施形態の基板製造方法は、その準備工程において、両分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18をまたいでワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12に電気的に接続するとともに、境界線18をまたいで廃棄切断線81を設定する。
【0065】
図11に示すように、基板製造方法の切断工程では、上述したものと同様にしてワイヤジャンパー13を切断するとともに、廃棄切断線81から両分割対象基板11,12を切断して除去し、第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30と、第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32とを製造する。
【0066】
本発明の第6実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0067】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態の基板製造方法について説明する。
【0068】
図12に示すように、本発明の第7実施形態の基板製造方法は、その準備工程において、第1分割対象基板11および第2分割対象基板12をシート一面で構成し、分割して得る境界線91を設定し、境界線91に第1分割対象基板11の切欠92および第2分割対象基板12の切欠93を含んだ空間部94を形成する。
【0069】
本発明の第7実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0070】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態の基板製造方法について説明する。
【0071】
図13に示すように、本発明の第8実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0072】
第1基板30を第2基板32に平行に離して配置し、第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第2基板32に形成されたスルーホール101を通じて基板ランド102にはんだ25により電気的に接続する。
【0073】
また、第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第1基板30に形成されたスルーホール103を通じて基板ランド104にはんだ25により電気的に接続する。
【0074】
本発明の第8実施形態の基板製造方法は、分割して得た第1基板30、第2基板32およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を廃棄することなく有効利用することができる。
【0075】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態の基板製造方法について説明する。
【0076】
図14に示すように、本発明の第9実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0077】
第1基板30を第2基板32に平行に離して配置し、第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第1基板30および第2基板32の外側から回して第2基板32に形成されたスルーホール111を通じて基板ランド112にはんだ25により電気的に接続する。
【0078】
また、第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第2基板32および第1基板30の外側から回して第1基板30に形成されたスルーホール113を通じて基板ランド114にはんだ25により電気的に接続する。
【0079】
本発明の第9実施形態の基板製造方法では、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、分割して得た第1基板30、第2基板32およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を廃棄することなく有効利用することができる。
【0080】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態の基板製造方法について説明する。
【0081】
図15に示すように、本発明の第10実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0082】
第1基板30に対して第2基板32を60度傾斜させて離して配置し、第2基板32に対して60度傾斜させて離して第3基板120を離して配置する。
【0083】
第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第2基板32に形成されたスルーホール121を通じて基板ランド122にはんだ25により電気的に接続する。
【0084】
第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第3基板120に形成されたスルーホール123を通じて基板ランド124にはんだ25により電気的に接続する。
【0085】
そして、第3基板120の切断ワイヤジャンパー125を、第1基板30に形成されたスルーホール126を通じて基板ランド127にはんだ25により電気的に接続する。
【0086】
本発明の第10実施形態の基板製造方法では、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、分割して得た第1基板30、第2基板32、第3基板120およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29、第2切断ワイヤジャンパー31および切断ワイヤジャンパー125を廃棄することなく有効利用することができる。
【0087】
なお、前記実施形態で使用した第1分割対象基板11、第2分割対象基板12等の形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
11 第1分割対象基板(分割対象基板)
12 第2分割対象基板(分割対象基板)
13 ワイヤジャンパー
18 境界線(境界)
26、94 空間
30 第1基板(子基板、基板)
32 第2基板(母基板、基板)
61 冶具
71 端子金具
120 第3基板(基板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割対象基板を分割して基板を製造する基板製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化により、プリント配線板への部品実装を片面から両面へ行ったり、回路の一部を別基板化して母基板へ立体収納したりして、部品の小型化と共に配置収納の高密度化が進められた。
【0003】
その高密度実装における立体収納構造は、前述のとおり回路の一部を別基板化し、基板へ装着したり、コネクタを介して複数に分割された回路基板間を配線接続したりして立体構造をとっていたが、コネクタなど専用部材と、それの組立作業に多くの時間を要していた。
【0004】
そこで、これらの問題点を解決するために、フレキシブル基板を適用することにより、基板間の配線作業を廃止して組立作業性の向上を図った基板製造方法がある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−152164号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に開示された従来の基板製造方法では、高密度化は図れたものの、専用部品の新たな発生や付帯する組立作業によりコスト面で不利であった。
従って、作業効率は改善されたが、コスト面の改善は行われずに、採用が難しかった。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図って基板を製造することができる基板製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る基板製造方法は、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記ワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造することを特徴とする。
【0009】
本発明においては、基板は、シート一面で構成された分割対象基板の境界をまたいで、既存のワイヤジャンパーが電気的に接続された後に、その境界部分でワイヤジャンパーが切断されることにより製造される。
これにより、分割された基板には切断されたワイヤジャンパーが既に設けられており、ワイヤジャンパーを配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った基板を製造することができる。
【0010】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、分割された前記基板は、母基板に装着されることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、分割された基板は母基板に装着される。
これにより、基板に既に設けられているワイヤジャンパーを用いて母基板との電気的な接続を行う。
従って、基板に新たな接続部品を実装することなく基板相互の電気的な接続を簡単に行うことができる。
【0012】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間上に配置されて分割対象基板の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間の側部により支持されながら切断される。
従って、切断の自由度が増えるとともに切断刃の消耗に伴う交換コストの低減を図ることができる。
【0014】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板上に配置されて分割対象基板の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは分割対象基板上で支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0016】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断されることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、ワイヤジャンパーは分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断される。
これにより、ワイヤジャンパーは冶具に支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0018】
本発明に係る基板製造方法は、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいで端子金具を前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記端子金具を切断して分割された基板を母基板に装着することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、基板は、シート一面で構成された分割対象基板の境界をまたいで端子金具が電気的に接続された後に、その境界部分で端子金具が切断されることにより製造される。
これにより、分割された基板には切断された端子金具が既に設けられており、端子金具を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図ることができるとともに、キンク構造などにより母基板上への装着高さ調整など端子金具の形状で自由度の高い基板を製造することができる。
【0020】
本発明に係る基板製造方法は、上記基板製造方法において、分割して得た前記基板および前記ワイヤジャンパーまたは前記端子金具を、回路として使用することを特徴とする。
【0021】
本発明においては、分割して得た基板およびワイヤジャンパーまたは端子金具が回路に使用される。
従って、切断後のワイヤジャンパーや端子金具を廃棄することなく有効利用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の基板製造方法によれば、分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分でワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造する。
これにより、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った基板を製造することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る第1実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図2】図1に示した基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図3】図1に示した基板製造方法の装着工程の斜め上方から視た外観斜視図
【図4】図3の装着工程の斜め下上方から視た外観斜視図
【図5】図3の装着工程の正面図
【図6】本発明に係る第2実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図7】本発明に係る第3実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図8】本発明に係る第4実施形態の基板製造方法の切断工程の縦断面図
【図9】本発明に係る第5実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図10】本発明に係る第6実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図11】図10に示した基板製造方法の切断工程の平面図
【図12】本発明に係る第7実施形態の基板製造方法の準備工程の平面図
【図13】本発明に係る第8実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【図14】本発明に係る第9実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【図15】本発明に係る第10実施形態の基板製造方法の装着工程の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の複数の実施形態に係る基板製造方法及び基板製造方法について、図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である基板製造方法には、子基板となる第1分割対象基板11と、第1分割対象基板11とシート一面で構成された母基板となる第2分割対象基板12と、3本のワイヤジャンパー13と、から構成される。
【0026】
第1分割対象基板11は、長さ寸法L1で幅寸法L2を有して例えば1.6mmの厚さ寸法を有する。
【0027】
第1分割対象基板11は第2分割対象基板12側の一端側に3個のスルーホール14をそれぞれ等間隔で形成しており、一端部に凹溝形状の切欠15を形成している。
【0028】
第2分割対象基板12は、第1分割対象基板11と同等の長さ寸法L3で第1分割対象基板11よりも大きい幅寸法L4を有して例えば1.6mmの厚さ寸法を有する。
【0029】
第2分割対象基板12は、他端側に3個のスルーホール16をそれぞれ等間隔で形成しており、他端部に凹溝形状の切欠17を形成している。
【0030】
第1分割対象基板11と第2分割対象基板12とは、不図示の切断工程により一体に連結された所定形状に製造される。
【0031】
ワイヤジャンパー13は、例えばφ0.5mmの導電性を有する軟銅線からなるジャンパー線である。ワイヤジャンパー13は、一端側を第1分割対象基板11のスルーホール14に挿入するとともに他端側を第2分割対象基板12のスルーホール16に挿入した後に両基板11,12に電気的に接続される。
【0032】
次に、基板製造方法について説明する。
【0033】
基板製造方法の準備工程(図1参照)では、第1分割対象基板11および第2分割対象基板12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18を設定する。境界線18は、ミシン目やVカットで形成されており、例えばVカットの場合の残り代は厚さ寸法の半分以下に設定されている。境界線18には第1分割対象基板11の切欠15および第2分割対象基板12の切欠17が含まれる。
【0034】
図2に示すように、第1分割対象基板11は、その裏面に所定の回路を形成したプリント配線19が印刷等により設けられており、第2分割対象基板12は、その裏面にプリント配線19とは独立した所定の回路を形成したプリント配線20が印刷等により設けられている。
【0035】
プリント配線19は第1分割対象基板11のそれぞれのスルーホール14に位置する基板ランド21を有する。プリント配線20は第2分割対象基板12のそれぞれのスルーホール16に位置する基板ランド22を有する。
【0036】
ワイヤジャンパー13は、一端側を第1分割対象基板11のスルーホール14に挿入してから基板ランド21側でクリンチしてクリンチ部23を形成し、他端側を第2分割対象基板12のスルーホール16に挿入してから基板ランド22側でクリンチしてクリンチ部24を形成している。クリンチ部23,24は、図示した内向きに代えて、外向きであっても良い。
【0037】
ワイヤジャンパー13は、そのクリンチ部23を基板ランド21にはんだ25によりはんだ付けを行うことによりプリント配線19に電気的に接続され、そのクリンチ部24を基板ランド21にはんだ25によりはんだ付けを行うことによりプリント配線20に電気的に接続される。
【0038】
図2に示す切断工程では、両分割対象基板11,12の切欠15,17により形成される空間部26上にワイヤジャンパー13が配置されている。
【0039】
切断工程には、空間部26の上方に配置された上部切断刃27と、空間部26内に配置された下部切断刃28とが用いられる。
【0040】
そして、上部切断刃27が下部切断刃28に向けて下降されることにより、ワイヤジャンパー13は、両分割対象基板11,12の上面である片端面側から切断される。
【0041】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第1分割対象基板11からプリント配線19にそれぞれ電気的に接続された3本の第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30が製造される。
【0042】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第2分割対象基板12からプリント配線20にそれぞれ電気的に接続された3本の第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32が製造される。
【0043】
図3、図4、図5に示すように、切断工程の後に装着工程が実行される。
【0044】
装着工程では、第2基板32に形成された装着孔33に第1基板30に形成された係止部34を係止する等により装着して第2基板32上に第1基板30を起立させて組立て、第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を所定の回路に電気的に接続する。
【0045】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、第1基板30および第2基板32は、シート一面で構成された両分割対象基板11,12の境界をまたいで、既存のワイヤジャンパー13が電気的に接続された後に、その境界部分でワイヤジャンパー13が切断されることにより製造される。
これにより、分割された第1基板30および第2基板32には切断された第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31が既に設けられており、それぞれのワイヤジャンパー29,31を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図った第1基板30および第2基板32を製造することができる。
【0046】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、分割された第1基板30は第2基板32に装着される。
これにより、第1基板30に既に設けられている第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32に既に設けられている第2切断ワイヤジャンパー31を用いて電気的な接続を行う。
従って、両基板30,32に新たな接続部品を実装することなく基板相互の電気的な接続を簡単に行うことができる。
【0047】
本発明の第1実施形態の基板製造方法では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26上に配置されて両分割対象基板11,12の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26の側部により支持されながら切断される。
従って、切断の自由度が増えるとともに切断刃27,28の消耗に伴う交換コストの低減を図ることができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の基板製造方法について説明する。なお、以下の各実施形態において、上述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0049】
図6に示すように、本発明の第2実施形態の基板製造方法は、その切断工程において、空間部26の上方に配置された上部切断刃41のみを用いられる。
【0050】
そして、上部切断刃41が下降されることにより、ワイヤジャンパー13は、両分割対象基板11,12の上面である片端面側から切断される。
【0051】
ワイヤジャンパー13が切断されることにより、第1分割対象基板11からプリント配線19にそれぞれ電気的に接続された3本の第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30が製造され、同時に、第2分割対象基板12からプリント配線20にそれぞれ電気的に接続された3本の第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32が製造される。
【0052】
本発明の第2実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、その切断工程において、空間部26の上方に配置された上部切断刃41のみを用いることにより、構造を簡略化してコスト低減を図ることができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の基板製造方法について説明する。
【0054】
図7に示すように、本発明の第3実施形態の基板製造方法は、両分割対象基板11,12に切欠を有しておらず、その切断工程において、ワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12上に配置し、両分割対象基板11,12の境界線18上に配置される上部切断刃51のみを用いる。
【0055】
本発明の第3実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12上に配置されて両分割対象基板11,12の片端面側から切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12上で支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の基板製造方法について説明する。
【0057】
図8に示すように、本発明の第4実施形態の基板製造方法は、ワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12の空間26上に配置し、両分割対象基板11,12の空間26内に配置された冶具61を介して、両分割対象基板11,12の空間26上に配置される上部切断刃62を用いる。
【0058】
冶具61は、逆T字形状に形成されており、突部63を下方から両分割対象基板11,12の空間26内に挿入してワイヤジャンパー13に当接させている。
【0059】
本発明の第4実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、ワイヤジャンパー13は両分割対象基板11,12の空間26内に配置された冶具61を介して切断される。
これにより、ワイヤジャンパー13は冶具61に支持されながら切断される。
従って、切断時の押しつぶれを防止することができるとともに切りかす等を生ずることなく確実に切断を行うことができる。
【0060】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の基板製造方法について説明する。
【0061】
図9に示すように、本発明の第5実施形態の基板製造方法は、両分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18をまたいで端子金具71を両分割対象基板11,12に電気的に接続した後に、その境界部分で端子金具71を切断して分割された第1基板30を第2基板32に装着する。
【0062】
本発明の第5実施形態の基板製造方法では、第1基板30および第2基板32は、シート一面で構成された両分割対象基板11,12の境界線18をまたいで端子金具71が電気的に接続された後に、その境界部分で端子金具71が切断されることにより製造される。
これにより、分割された第1基板30および第2基板32には切断された端子金具71が既に設けられており、端子金具71を配線手段として用いることができる。
従って、分割後の配線手段を予め設けることによりコスト面で有利であって作業性の向上を図ることができるとともに、キンク構造などにより第2基板32上への装着高さ調整など端子金具71の形状で自由度の高い第1基板30および第2基板32を製造することができる。
【0063】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態の基板製造方法について説明する。
【0064】
図10に示すように、本発明の第6実施形態の基板製造方法は、その準備工程において、両分割対象基板11,12をシート一面で構成し、分割して得る境界線18をまたいでワイヤジャンパー13を両分割対象基板11,12に電気的に接続するとともに、境界線18をまたいで廃棄切断線81を設定する。
【0065】
図11に示すように、基板製造方法の切断工程では、上述したものと同様にしてワイヤジャンパー13を切断するとともに、廃棄切断線81から両分割対象基板11,12を切断して除去し、第1切断ワイヤジャンパー29を装備する第1基板30と、第2切断ワイヤジャンパー31を装備する第2基板32とを製造する。
【0066】
本発明の第6実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0067】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態の基板製造方法について説明する。
【0068】
図12に示すように、本発明の第7実施形態の基板製造方法は、その準備工程において、第1分割対象基板11および第2分割対象基板12をシート一面で構成し、分割して得る境界線91を設定し、境界線91に第1分割対象基板11の切欠92および第2分割対象基板12の切欠93を含んだ空間部94を形成する。
【0069】
本発明の第7実施形態の基板製造方法は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0070】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態の基板製造方法について説明する。
【0071】
図13に示すように、本発明の第8実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0072】
第1基板30を第2基板32に平行に離して配置し、第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第2基板32に形成されたスルーホール101を通じて基板ランド102にはんだ25により電気的に接続する。
【0073】
また、第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第1基板30に形成されたスルーホール103を通じて基板ランド104にはんだ25により電気的に接続する。
【0074】
本発明の第8実施形態の基板製造方法は、分割して得た第1基板30、第2基板32およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を廃棄することなく有効利用することができる。
【0075】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態の基板製造方法について説明する。
【0076】
図14に示すように、本発明の第9実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0077】
第1基板30を第2基板32に平行に離して配置し、第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第1基板30および第2基板32の外側から回して第2基板32に形成されたスルーホール111を通じて基板ランド112にはんだ25により電気的に接続する。
【0078】
また、第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第2基板32および第1基板30の外側から回して第1基板30に形成されたスルーホール113を通じて基板ランド114にはんだ25により電気的に接続する。
【0079】
本発明の第9実施形態の基板製造方法では、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、分割して得た第1基板30、第2基板32およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29および第2切断ワイヤジャンパー31を廃棄することなく有効利用することができる。
【0080】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態の基板製造方法について説明する。
【0081】
図15に示すように、本発明の第10実施形態の基板製造方法は、分割して得られた第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29および第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を回路として用いる。
【0082】
第1基板30に対して第2基板32を60度傾斜させて離して配置し、第2基板32に対して60度傾斜させて離して第3基板120を離して配置する。
【0083】
第1基板30の第1切断ワイヤジャンパー29を、第2基板32に形成されたスルーホール121を通じて基板ランド122にはんだ25により電気的に接続する。
【0084】
第2基板32の第2切断ワイヤジャンパー31を、第3基板120に形成されたスルーホール123を通じて基板ランド124にはんだ25により電気的に接続する。
【0085】
そして、第3基板120の切断ワイヤジャンパー125を、第1基板30に形成されたスルーホール126を通じて基板ランド127にはんだ25により電気的に接続する。
【0086】
本発明の第10実施形態の基板製造方法では、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、分割して得た第1基板30、第2基板32、第3基板120およびワイヤジャンパー13が回路に使用される。
従って、切断後の第1切断ワイヤジャンパー29、第2切断ワイヤジャンパー31および切断ワイヤジャンパー125を廃棄することなく有効利用することができる。
【0087】
なお、前記実施形態で使用した第1分割対象基板11、第2分割対象基板12等の形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
11 第1分割対象基板(分割対象基板)
12 第2分割対象基板(分割対象基板)
13 ワイヤジャンパー
18 境界線(境界)
26、94 空間
30 第1基板(子基板、基板)
32 第2基板(母基板、基板)
61 冶具
71 端子金具
120 第3基板(基板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記ワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造することを特徴とする基板製造方法。
【請求項2】
分割された前記基板は、母基板に装着されることを特徴とする請求項1に記載した基板製造方法。
【請求項3】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする請求項1または2に記載した基板製造方法。
【請求項4】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする請求項1または2に記載した基板製造方法。
【請求項5】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した基板製造方法。
【請求項6】
分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいで端子金具を前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記端子金具を切断して分割された基板を母基板に装着することを特徴とする基板製造方法。
【請求項7】
分割して得た前記基板および前記ワイヤジャンパーまたは前記端子金具を、回路として使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した基板製造方法。
【請求項1】
分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいでワイヤジャンパーを前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記ワイヤジャンパーを切断して分割された基板を製造することを特徴とする基板製造方法。
【請求項2】
分割された前記基板は、母基板に装着されることを特徴とする請求項1に記載した基板製造方法。
【請求項3】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする請求項1または2に記載した基板製造方法。
【請求項4】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板上に配置され、前記分割対象基板の片端面側から切断されることを特徴とする請求項1または2に記載した基板製造方法。
【請求項5】
前記ワイヤジャンパーは、前記分割対象基板の空間上に配置され、前記分割対象基板の空間内に配置された冶具を介して切断されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した基板製造方法。
【請求項6】
分割対象基板をシート一面で構成し、分割して得る境界をまたいで端子金具を前記分割対象基板に電気的に接続した後に、その境界部分で前記端子金具を切断して分割された基板を母基板に装着することを特徴とする基板製造方法。
【請求項7】
分割して得た前記基板および前記ワイヤジャンパーまたは前記端子金具を、回路として使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した基板製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−267698(P2010−267698A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116328(P2009−116328)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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