基礎コンクリートの表面均し装置
【課題】住宅等の基礎コンクリートの表面を簡単にかつ高さ精度よく均すことが可能な基礎コンクリートの表面均し装置を提供する。
【解決手段】表面均し装置30は、一対の型枠上に跨って載置される支持部31と、支持部31の上に固定された駆動部32と、支持部31の下に固定された直方体箱状の振動発生部34とを有し、振動発生部34内には円柱状の振動部材35が長手方向両端間に延びて配設されている。駆動部32の電動モータの回転軸33が、支持部31を貫通して振動発生部34内に延びている。振動部材35は、電動モータの回転による回転軸33の回転による力を受けて、横方向にバネ35aが往復振動し、それにより打撃部35bが振動発生部34の側壁面を通して型枠に振動を与える。振動発生部34の平坦な底面は、コンクリート均し部36になっており、基礎コンクリートの規定の高さになるように調節されている。
【解決手段】表面均し装置30は、一対の型枠上に跨って載置される支持部31と、支持部31の上に固定された駆動部32と、支持部31の下に固定された直方体箱状の振動発生部34とを有し、振動発生部34内には円柱状の振動部材35が長手方向両端間に延びて配設されている。駆動部32の電動モータの回転軸33が、支持部31を貫通して振動発生部34内に延びている。振動部材35は、電動モータの回転による回転軸33の回転による力を受けて、横方向にバネ35aが往復振動し、それにより打撃部35bが振動発生部34の側壁面を通して型枠に振動を与える。振動発生部34の平坦な底面は、コンクリート均し部36になっており、基礎コンクリートの規定の高さになるように調節されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎型枠支持金具の両端に相対向して立設された型枠間にコンクリートを流し込んで基礎コンクリートを形成する際に、コンクリート表面の凹凸を均すための基礎コンクリートの表面均し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の基礎コンクリートを形成するには、例えば特許文献1に示すような基礎型枠支持金具が用いられている。この基礎型枠支持金具は、地表面に載置される平板状の支持基板と、支持基板上に立設された一対の支持棒部と、支持棒部によって水平に支持され、両端側に型枠が載置されて位置決め部によって所定間隔を隔てた状態で立設される型枠支持具とを備えている。この基礎型枠支持金具を用いて、まず地表面と型枠支持具下面の間にベースコンクリートが打設され、ベースコンクリートの硬化後に型枠間の所定高さまでコンクリートが打設されて基礎コンクリートが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3075132号公報
【0004】
しかし、上記基礎コンクリートの形成においては、コンクリート打設過程において表面に大きな凹凸が生じるため、鏝押えにより長時間をかけて表面を均す必要があり、さらにそのままでは基礎コンクリートの高さ精度が確保されないので、コンクリート表面に天端治具を差し込んで高さを調整し、天端治具を目印としてレベラーを流し込んで高さ調整が行われていた。そのため、鏝押えの手間が必要になると共に、天端治具を目印としてレベラーを流し込む手間も必要であり、基礎コンクリートの形成に多くの時間を要し作業コストが高価になるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、住宅等の基礎コンクリートの表面を簡単に均すことができると共に高さ精度を確保できる基礎コンクリートの表面均し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、地面上に載置された基礎型枠支持金具の両端に互いに対向して立設された一対の型枠が連続して配設された型枠列間に基礎コンクリートを打設する際に、コンクリート表面を均す基礎コンクリートの表面均し装置であって、一対の型枠上に跨って載置される支持部と、支持部に固定されると共に一対の型枠内に挿嵌されて一対の型枠に振動を伝達する振動発生部と、振動発生部の下側に配設されて底面が一対の型枠の上端から所定寸法下方に位置し、型枠間に打設された基礎コンクリート表面を均すコンクリート均し部とを備えたことにある。
【0007】
上記のように構成した発明においては、基礎型枠支持金具の両端に相対向して立設された一対の型枠間に、表面均し装置が、支持部を型枠上に載置し、振動発生部とコンクリート均し部を型枠間に挿嵌した状態でセットされる。型枠間にコンクリートが打設されるとその表面に大きな凹凸が生じるが、振動発生部を駆動開始して振動を発生させながら、表面均し装置を型枠配列方向に移動させることにより、振動発生部からの振動が一対の型枠に伝えられて型枠を振動させる。それにより、型枠間で波打っているコンクリートが振動によって平坦な状態にされる。さらに、このコンクリート表面を振動発生部の下側に配設されたコンクリート均し部が型枠間に沿って移動することにより、コンクリート表面が均一な状態に均されると共に、コンクリート均し部の底面で規定された所定の高さにコンクリートの表面を自動的に合わせることができる。
【0008】
また、本発明において、一対の支持部の両端側に、一対の型枠の両外側面に延びると共に型枠を両外側から挟む一対の挟持部を設けることができる。このように均し装置の一対の挟持部により一対の型枠が両外側から挟まれるため、振動発生部からの振動がさらに有効に型枠に伝えられると共に、振動による型枠の不要な動きも抑えることができ、振動発生部からの安定した振動伝達が可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、コンクリートが打設された型枠列間を、表面均し装置を振動を発生させながら移動させることにより、型枠間で波打っているコンクリートの凹凸が振動によって平坦な状態に均されると共に、コンクリートの表面をコンクリート均し部の底面によって規定される所定の高さ位置に自動的に合わせることができる。その結果、本発明によれば、基礎コンクリートの形成において従来必要とされた鏝当ての手間と、天端治具によるレベラー調整の手間が省かれるため、基礎コンクリートの打設作業を短時間に且つ安価に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1である基礎コンクリートの表面均し装置の使用状態を示す一部破断正面図である。
【図2】表面均し装置の使用状態を示す側面図である。
【図3】基礎型枠支持金具を示す正面図である。
【図4】基礎型枠支持金具を示す平面図である。
【図5】基礎型枠支持金具を示す側面図である。
【図6】基礎型枠支持金具を示す図3のVI−VI線方向の一部破断面図である。
【図7】寸法調整装置を分解して示す一部破断正面図である。
【図8】基礎型枠支持金具の高さ調整過程を示す正面図である。
【図9】表面均し装置を示す一部破断正面図である。
【図10】表面均し装置を示す平面図である。
【図11】表面均し装置を示す一部破断底面図である。
【図12】表面均し装置を示す側面図である。
【図13】実施例2である表面均し装置の使用状態を示す一部破断正面図である。
【図14】寸法調整部を備えた基礎型枠支持金具の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、実施例1である基礎型枠支持金具10を用いた住宅等の基礎コンクリートの形成において、本発明に係る表面均し装置30を適用した状態を一部破断正面図及び側面図により示したものである。基礎型枠支持金具10は、図3〜図6に示すように、一対の長方形の鉄板である支持基板11と、支持基板11に垂直に立設された一対の支持棒部材13と、支持基板11に平行になるように両支持棒部材13に支持された型枠支持具25とにより構成されており、寸法調整装置18によって上下方向の寸法の精密かつ簡易な調整が可能になっている。
【0012】
支持棒部材13は、鉄製丸棒をコ字状に曲げて形成されたものであり、長尺の中間棒部14とその両側の固定部15,16を有し、中間棒部14の中間の分離位置14cで2つに分離されて上側部14aと下側部14bになっている。固定部15は型枠支持具25に溶接により固定されており、固定部16は支持基板11に溶接により固定されている。一対の支持棒部材13の上側部14aと下側部14bの分離位置14cの側部には、それぞれ寸法調整装置18が固定されている。
【0013】
寸法調整装置18は、図7に示すように、それぞれ鉄製で六角柱形状の第1ナット部材19及び第2ナット部材21と、鉄製で丸棒状のボルト部材23とにより構成されている。第1ナット部材19は、軸心を貫通して右ねじ溝が刻まれた右ねじ孔19aを有しており、上側部14aの分離位置14cの側面に右ねじ孔19aを上側部14aの長さ方向に合わせて溶接により固定されている。第2ナット部材21は、軸心を貫通した第1ナット部材19の右ねじ孔19aとは逆方向の左ねじ溝が刻まれた左ねじ孔21aを有しており、下側部14bの分離位置14cの側面に第1ナット部材19と対向して溶接により固定されている。ボルト部材23は、棒状の外周面に長手方向中央を境として一方側に右ねじ23aが形成され、他方側で逆の左ねじ23bが形成され、両端面にドライバ2の先端が係合する係合溝24を有しており、右ねじ23a側が第1ナット部材19の右ねじ孔19aに、左ねじ23b側が第2ナット部材21の左ねじ孔21aに螺着されるようになっている。なお、第1ナット部材19及び第2ナット部材21とボルト部材23のねじの左右方向については上記と逆であってもよい。
【0014】
型枠支持具25は、鉄製薄板の打ち抜き曲げ加工により形成されたものであり、図3,図4に示すように、長方形の長尺板である基部26と、その両端にて直角に折り曲げられた一対の外位置決め片27とその内側にて形成されたコの字形の切り込みを折り返して形成した一対の内位置決め片28を設けており、さらに一対の内位置決め片28の内側に一対の調整孔29を設けている。一対の調整孔29は、第1ナット部材19の右ねじ孔19aと第2ナット部材21の左ねじ孔21aの延長方向に配置されており、右ねじ孔19a及び左ねじ孔21aよりわずかに内径が大きくなっている。型枠支持具25の両端側の外位置決め片27と内位置決め片28の間にはそれぞれ型枠1が嵌め合わされて立設支持される。
【0015】
つぎに、上記基礎型枠支持金具10の高さ寸法の調整方法について、図8により説明する。地表面Gの状態によって型枠支持具25の高さが低く、コンクリートの厚みが薄くなるような場合、あるいは地表面Gに凹凸があり型枠支持具25に傾斜が生じるような場合には、一対の寸法調整装置18を用いて高さ調整が行われる。一対の型枠1間に上方からドライバ2が挿入され、その先端を型枠支持具25の調整孔29を通してボルト部材23の係合溝24に係合させて、ボルト部材23が第1ナット部材19に入り込む方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材19とは逆のねじ孔21aを有する第2ナット部材21においては、ボルト部材23が支持棒部材13の下側部14bから離れる方向に移動するようになる。そのため、分離位置14cで分離された支持棒部材13の上下方向の長さが相対的に長くなる方向で調整が行われ、型枠支持具25の基部26と地表面G間の距離が規定の高さに保持される。
【0016】
逆に、ボルト部材23が第1ナット部材19から抜ける方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材19とは逆のねじ孔21aを有する第2ナット部材21においては、ボルト部材23が下側部14bに入り込む方向に移動する。そのため、分離位置14cで分離された支持棒部材13の上下方向の長さが相対的に短くなる方向で調整が行われ、型枠支持具25の基部26と地表面G間の距離が規定の高さに保持される。その結果、実施例1においては、横方向に基礎型枠支持金具10に支持された一対の型枠1の列が対向して配置された狭い空間において、型枠1を外すことなく支持棒部材13の長さ方向の寸法調整が、手間を掛けずに短時間に簡単かつ精度よく行われる。
【0017】
表面均し装置30は、一対の型枠1上に跨って載置される鉄製の長方形板である支持部31と、支持部31の上に固定された電動モータが内蔵された円柱状の駆動部32と、支持部31の下に固定された駆動部32と共に振動発生部を構成する直方体箱状の振動発生部34とを有している。駆動部32の電動モータの回転軸33が、支持部31を上下に貫通して振動発生部34内に延びている。振動発生部34は、長手方向(図9〜図11の左右方向)の寸法が対向する両型枠1間の距離と同一にされており、中空の内部に円柱状の振動部材35が長手方向両端間に延びて配設されている。
【0018】
振動発生部34は、対向する両型枠1間に挿嵌されることにより長手方向両側壁が型枠1内面に密着した状態にされる。振動部材35は、左右のバネ35aによって付勢された丸棒状の一対の打撃部35bの先端が振動発生部34の長手方向両側壁面にそれぞれ当接しており、中心を回転軸33が貫通している。振動部材35は、電動モータの回転による回転軸33の回転による力を受けて、横方向にバネ35aが往復振動し、それにより打撃部35bが振動発生部34の側壁面を通して型枠1に振動を与えるようになっている。また、振動発生部34の平坦な底板は、コンクリート均し部36を兼ねており、表面均し装置30を型枠間にセットした状態で、コンクリート均し部36が基礎コンクリートの規定の高さになるように調節されている。
【0019】
つぎに、実施例1の動作について説明する。図1に示すように、砕石を転圧した砕石転圧面や地盤改良面等である地表面G上に、多数の基礎型枠支持金具10が、その長手方向を基礎コンクリート形成方向に対して直交するように配置され、それぞれ一対の支持基板11を地表面G上に載置することにより立設される。なお、地表面Gとしては捨てコンクリートの打設等により整備されたものでもよい。さらに、基礎型枠支持金具10は、図2に示すように、基礎コンクリート形成方向に所定間隔で多数配設される。型枠支持具25の両端の外位置決め片27と内位置決め片28の間にはそれぞれ型枠1が嵌め合わされて立設支持される。これにより、互いに対向する一対の型枠1の多数の組が、基礎コンクリート形成方向に繋がって列になって配置される。ここで、地表面Gに凹凸があり型枠支持具25に傾斜が生じて、型枠列の各型枠1の上面に凹凸が生じるような場合には、上述したように、寸法調整装置18をドライバ2によって高さ調節することにより、各型枠1上面間の凹凸を簡単に是正して型枠列全体として良好な水平状態を確保することができる。この状態で、まず地表面Gと型枠支持具25の基部26の間にベースコンクリート3が打設される。
【0020】
つぎに、表面均し装置30が、相対向して立設された一対の型枠1の上面を跨いで、支持部31を型枠1上に載置し、振動発生部34を型枠1間に挿嵌した状態でセットされる。上述したように、型枠1の列の上面の水平な状態が確保されているため、型枠列に沿って表面均し装置30をスムーズに移動させることが可能になっている。コンクリートが型枠1間に打設されるとその表面に大きな凹凸が生じるが、表面均し装置30の駆動部32を駆動開始して振動発生部34から振動を発生させながら、型枠配列方向に移動させることにより、振動発生部34からの振動が一対の型枠1に伝えられて型枠1を振動させる。これにより、型枠1間で波打っているコンクリートの大きな凹凸が振動によって平坦な状態にされる。
【0021】
さらに、このように均されたコンクリート表面を振動発生部34の底板であるコンクリート均し部36が型枠1間に沿って移動することにより、基礎コンクリート4の表面を自動的かつ簡易に均一な状態に均すことができると共に、予め定められた規定の高さ位置に合わせることができる。その結果、実施例1によれば、基礎コンクリート4の形成において表面を均すための鏝当てを行う必要がなく、また天端治具を用いたレベラーによる高さ調整の手間も省かれるため、基礎コンクリートの打設作業を短時間に且つ安価に行うことが可能になる。
【0022】
つぎに、実施例2について図13により説明する
実施例2は、表面均し装置30Aが、上記表面均し装置30の一対の支持部31と同一の支持部31の両端面の外側に直角に下方に延びた一対の挟持部38を一体で設けたものである。その他の構成については実施例1と同様であり、同一の符号を付す。これにより、表面均し装置30Aを一対の型枠1上にセットしたとき、一対の挟持部38により一対の型枠1が両外側から挟まれた状態になる。その結果、実施例1においては、振動発生部34及び支持部31からの振動がさらに有効に型枠1に伝えられると共に、振動による型枠1の不要な動きも抑えることができ、安定した振動伝達が可能になる。
【0023】
つぎに、上記基礎型枠支持金具10のように寸法調整機能を備えたその他の基礎型枠支持金具40の例について図14により説明する。基礎型枠支持金具40は、鉄製の金具であり、一対の長方形の支持基板11と、支持基板11に垂直に立設された一対の支持棒部材41と、両支持棒部材41に支持された型枠支持具25とにより構成されている。なお、支持基板11と型枠支持具25については、上記実施例1の基礎型枠支持金具10と同一であるので、同一符号を付して説明を省く。
【0024】
支持棒部材41は、真直ぐな鉄製丸棒である支持棒42と、その両端に螺着された一対の第1及び第2ナット部材43,44を有している。支持棒42の一端側には右ねじ42aが形成され、他端側には逆の左ねじ42bが形成されており、両端にドライバ2の先端が係合する係合溝(図示しない)を有している。第1及び第2ナット部材43,44については、上記実施例1の第1及び第2ナット部材19,21と同様の構造である。第1ナット部材43は、型枠支持具25の下面の調整孔29を囲んで同軸状に溶接により固定されている。また、第2ナット部材44は、支持基板11の所定位置に立設されて溶接により固定されている。支持棒42は、右ねじ42a側が第1ナット部材43の右ねじ孔43aに、左ねじ42b側が第2ナット部材44の左ねじ孔44aに螺着されるようになっている。以上に説明したように、実施例3の支持棒部材41は、支持棒42の右ねじ42a及び左ねじ42bと第1及び第2のナット部材43,44が寸法調整装置としての機能を持つものであり、実施例1の支持棒部材13と寸法調整装置18の機能を併せ持ったものとなっている。
【0025】
基礎型枠支持金具40は、一対の支持棒部材41を用いて高さ調整が行われる。図14に示すように、支持棒42の係合溝に上方からドライバ2の先端を係合させて、支持棒42の右ねじ42aが第1ナット部材43に入り込む方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材43とは逆の左ねじ孔44aを有する第2ナット部材44においては、支持棒42が第2ナット部材44から離れる方向に移動するようになり、支持基板11と型枠支持具25の間の上下方向の長さが相対的に長くなる方向で調整が行われる。ドライバ2を逆方向に回すと、支持基板11と型枠支持具25の間の上下方向の長さが相対的に短くなる方向で調整が行われる。
【0026】
なお、上記実施例においては、表面均し装置30の振動発生部34の全体が型枠1間に挿嵌されているが、これに限らず一部が挿嵌されていてもよく、これにより両型枠に直接振動が伝達されるようであればよい。また、振動発生部34は、左右のバネ35aと打撃部35bからなる振動部材35を含んだ構造であるが、これに限らず他の振動発生構造であってもよく、また駆動部33も電動モータ含む構造に限るものではなく、型枠に振動を伝達できる他の構造であってもよい。また、コンクリート均し部36については、振動発生部34の底板がこれを兼ねているが、振動発生部34の底部に別部材を取り付けた構造でもよく、これにより型枠間でコンクリート面を均一に均すと共に規定の高さを確保できるような構造になっていればよい。
【0027】
なお、上記実施例においては、基礎型枠支持金具10,40について上下方向の寸法調整が可能になっているが、このような寸法調整が不要な場合や、他の手段により時間を掛けて寸法調整を行うことができるような場合には、寸法調整機構を有しない通常の基礎型枠支持金具を採用することも可能である。その他、上記各実施例に示した表面均し装置については、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
10…基礎型枠支持金具、11…支持基板、13…支持棒部材、14…中間棒部、15,16…固定部、18…寸法調整装置、19…第1ナット部材、19a…右ねじ孔、21…第2ナット部材、21a…左ねじ孔、23…ボルト部材、23a…右ねじ、23b…左ねじ、24…係合溝、25…型枠支持具、29…調整孔、30…表面均し装置、31…支持部、32…駆動部、34…振動発生部、36…コンクリート均し部、38…挟持部、40…基礎型枠支持金具、41…支持棒部材、42…支持棒、43…第1ナット部材、44…第2ナット部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎型枠支持金具の両端に相対向して立設された型枠間にコンクリートを流し込んで基礎コンクリートを形成する際に、コンクリート表面の凹凸を均すための基礎コンクリートの表面均し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の基礎コンクリートを形成するには、例えば特許文献1に示すような基礎型枠支持金具が用いられている。この基礎型枠支持金具は、地表面に載置される平板状の支持基板と、支持基板上に立設された一対の支持棒部と、支持棒部によって水平に支持され、両端側に型枠が載置されて位置決め部によって所定間隔を隔てた状態で立設される型枠支持具とを備えている。この基礎型枠支持金具を用いて、まず地表面と型枠支持具下面の間にベースコンクリートが打設され、ベースコンクリートの硬化後に型枠間の所定高さまでコンクリートが打設されて基礎コンクリートが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3075132号公報
【0004】
しかし、上記基礎コンクリートの形成においては、コンクリート打設過程において表面に大きな凹凸が生じるため、鏝押えにより長時間をかけて表面を均す必要があり、さらにそのままでは基礎コンクリートの高さ精度が確保されないので、コンクリート表面に天端治具を差し込んで高さを調整し、天端治具を目印としてレベラーを流し込んで高さ調整が行われていた。そのため、鏝押えの手間が必要になると共に、天端治具を目印としてレベラーを流し込む手間も必要であり、基礎コンクリートの形成に多くの時間を要し作業コストが高価になるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするもので、住宅等の基礎コンクリートの表面を簡単に均すことができると共に高さ精度を確保できる基礎コンクリートの表面均し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、地面上に載置された基礎型枠支持金具の両端に互いに対向して立設された一対の型枠が連続して配設された型枠列間に基礎コンクリートを打設する際に、コンクリート表面を均す基礎コンクリートの表面均し装置であって、一対の型枠上に跨って載置される支持部と、支持部に固定されると共に一対の型枠内に挿嵌されて一対の型枠に振動を伝達する振動発生部と、振動発生部の下側に配設されて底面が一対の型枠の上端から所定寸法下方に位置し、型枠間に打設された基礎コンクリート表面を均すコンクリート均し部とを備えたことにある。
【0007】
上記のように構成した発明においては、基礎型枠支持金具の両端に相対向して立設された一対の型枠間に、表面均し装置が、支持部を型枠上に載置し、振動発生部とコンクリート均し部を型枠間に挿嵌した状態でセットされる。型枠間にコンクリートが打設されるとその表面に大きな凹凸が生じるが、振動発生部を駆動開始して振動を発生させながら、表面均し装置を型枠配列方向に移動させることにより、振動発生部からの振動が一対の型枠に伝えられて型枠を振動させる。それにより、型枠間で波打っているコンクリートが振動によって平坦な状態にされる。さらに、このコンクリート表面を振動発生部の下側に配設されたコンクリート均し部が型枠間に沿って移動することにより、コンクリート表面が均一な状態に均されると共に、コンクリート均し部の底面で規定された所定の高さにコンクリートの表面を自動的に合わせることができる。
【0008】
また、本発明において、一対の支持部の両端側に、一対の型枠の両外側面に延びると共に型枠を両外側から挟む一対の挟持部を設けることができる。このように均し装置の一対の挟持部により一対の型枠が両外側から挟まれるため、振動発生部からの振動がさらに有効に型枠に伝えられると共に、振動による型枠の不要な動きも抑えることができ、振動発生部からの安定した振動伝達が可能になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、コンクリートが打設された型枠列間を、表面均し装置を振動を発生させながら移動させることにより、型枠間で波打っているコンクリートの凹凸が振動によって平坦な状態に均されると共に、コンクリートの表面をコンクリート均し部の底面によって規定される所定の高さ位置に自動的に合わせることができる。その結果、本発明によれば、基礎コンクリートの形成において従来必要とされた鏝当ての手間と、天端治具によるレベラー調整の手間が省かれるため、基礎コンクリートの打設作業を短時間に且つ安価に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1である基礎コンクリートの表面均し装置の使用状態を示す一部破断正面図である。
【図2】表面均し装置の使用状態を示す側面図である。
【図3】基礎型枠支持金具を示す正面図である。
【図4】基礎型枠支持金具を示す平面図である。
【図5】基礎型枠支持金具を示す側面図である。
【図6】基礎型枠支持金具を示す図3のVI−VI線方向の一部破断面図である。
【図7】寸法調整装置を分解して示す一部破断正面図である。
【図8】基礎型枠支持金具の高さ調整過程を示す正面図である。
【図9】表面均し装置を示す一部破断正面図である。
【図10】表面均し装置を示す平面図である。
【図11】表面均し装置を示す一部破断底面図である。
【図12】表面均し装置を示す側面図である。
【図13】実施例2である表面均し装置の使用状態を示す一部破断正面図である。
【図14】寸法調整部を備えた基礎型枠支持金具の使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、実施例1である基礎型枠支持金具10を用いた住宅等の基礎コンクリートの形成において、本発明に係る表面均し装置30を適用した状態を一部破断正面図及び側面図により示したものである。基礎型枠支持金具10は、図3〜図6に示すように、一対の長方形の鉄板である支持基板11と、支持基板11に垂直に立設された一対の支持棒部材13と、支持基板11に平行になるように両支持棒部材13に支持された型枠支持具25とにより構成されており、寸法調整装置18によって上下方向の寸法の精密かつ簡易な調整が可能になっている。
【0012】
支持棒部材13は、鉄製丸棒をコ字状に曲げて形成されたものであり、長尺の中間棒部14とその両側の固定部15,16を有し、中間棒部14の中間の分離位置14cで2つに分離されて上側部14aと下側部14bになっている。固定部15は型枠支持具25に溶接により固定されており、固定部16は支持基板11に溶接により固定されている。一対の支持棒部材13の上側部14aと下側部14bの分離位置14cの側部には、それぞれ寸法調整装置18が固定されている。
【0013】
寸法調整装置18は、図7に示すように、それぞれ鉄製で六角柱形状の第1ナット部材19及び第2ナット部材21と、鉄製で丸棒状のボルト部材23とにより構成されている。第1ナット部材19は、軸心を貫通して右ねじ溝が刻まれた右ねじ孔19aを有しており、上側部14aの分離位置14cの側面に右ねじ孔19aを上側部14aの長さ方向に合わせて溶接により固定されている。第2ナット部材21は、軸心を貫通した第1ナット部材19の右ねじ孔19aとは逆方向の左ねじ溝が刻まれた左ねじ孔21aを有しており、下側部14bの分離位置14cの側面に第1ナット部材19と対向して溶接により固定されている。ボルト部材23は、棒状の外周面に長手方向中央を境として一方側に右ねじ23aが形成され、他方側で逆の左ねじ23bが形成され、両端面にドライバ2の先端が係合する係合溝24を有しており、右ねじ23a側が第1ナット部材19の右ねじ孔19aに、左ねじ23b側が第2ナット部材21の左ねじ孔21aに螺着されるようになっている。なお、第1ナット部材19及び第2ナット部材21とボルト部材23のねじの左右方向については上記と逆であってもよい。
【0014】
型枠支持具25は、鉄製薄板の打ち抜き曲げ加工により形成されたものであり、図3,図4に示すように、長方形の長尺板である基部26と、その両端にて直角に折り曲げられた一対の外位置決め片27とその内側にて形成されたコの字形の切り込みを折り返して形成した一対の内位置決め片28を設けており、さらに一対の内位置決め片28の内側に一対の調整孔29を設けている。一対の調整孔29は、第1ナット部材19の右ねじ孔19aと第2ナット部材21の左ねじ孔21aの延長方向に配置されており、右ねじ孔19a及び左ねじ孔21aよりわずかに内径が大きくなっている。型枠支持具25の両端側の外位置決め片27と内位置決め片28の間にはそれぞれ型枠1が嵌め合わされて立設支持される。
【0015】
つぎに、上記基礎型枠支持金具10の高さ寸法の調整方法について、図8により説明する。地表面Gの状態によって型枠支持具25の高さが低く、コンクリートの厚みが薄くなるような場合、あるいは地表面Gに凹凸があり型枠支持具25に傾斜が生じるような場合には、一対の寸法調整装置18を用いて高さ調整が行われる。一対の型枠1間に上方からドライバ2が挿入され、その先端を型枠支持具25の調整孔29を通してボルト部材23の係合溝24に係合させて、ボルト部材23が第1ナット部材19に入り込む方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材19とは逆のねじ孔21aを有する第2ナット部材21においては、ボルト部材23が支持棒部材13の下側部14bから離れる方向に移動するようになる。そのため、分離位置14cで分離された支持棒部材13の上下方向の長さが相対的に長くなる方向で調整が行われ、型枠支持具25の基部26と地表面G間の距離が規定の高さに保持される。
【0016】
逆に、ボルト部材23が第1ナット部材19から抜ける方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材19とは逆のねじ孔21aを有する第2ナット部材21においては、ボルト部材23が下側部14bに入り込む方向に移動する。そのため、分離位置14cで分離された支持棒部材13の上下方向の長さが相対的に短くなる方向で調整が行われ、型枠支持具25の基部26と地表面G間の距離が規定の高さに保持される。その結果、実施例1においては、横方向に基礎型枠支持金具10に支持された一対の型枠1の列が対向して配置された狭い空間において、型枠1を外すことなく支持棒部材13の長さ方向の寸法調整が、手間を掛けずに短時間に簡単かつ精度よく行われる。
【0017】
表面均し装置30は、一対の型枠1上に跨って載置される鉄製の長方形板である支持部31と、支持部31の上に固定された電動モータが内蔵された円柱状の駆動部32と、支持部31の下に固定された駆動部32と共に振動発生部を構成する直方体箱状の振動発生部34とを有している。駆動部32の電動モータの回転軸33が、支持部31を上下に貫通して振動発生部34内に延びている。振動発生部34は、長手方向(図9〜図11の左右方向)の寸法が対向する両型枠1間の距離と同一にされており、中空の内部に円柱状の振動部材35が長手方向両端間に延びて配設されている。
【0018】
振動発生部34は、対向する両型枠1間に挿嵌されることにより長手方向両側壁が型枠1内面に密着した状態にされる。振動部材35は、左右のバネ35aによって付勢された丸棒状の一対の打撃部35bの先端が振動発生部34の長手方向両側壁面にそれぞれ当接しており、中心を回転軸33が貫通している。振動部材35は、電動モータの回転による回転軸33の回転による力を受けて、横方向にバネ35aが往復振動し、それにより打撃部35bが振動発生部34の側壁面を通して型枠1に振動を与えるようになっている。また、振動発生部34の平坦な底板は、コンクリート均し部36を兼ねており、表面均し装置30を型枠間にセットした状態で、コンクリート均し部36が基礎コンクリートの規定の高さになるように調節されている。
【0019】
つぎに、実施例1の動作について説明する。図1に示すように、砕石を転圧した砕石転圧面や地盤改良面等である地表面G上に、多数の基礎型枠支持金具10が、その長手方向を基礎コンクリート形成方向に対して直交するように配置され、それぞれ一対の支持基板11を地表面G上に載置することにより立設される。なお、地表面Gとしては捨てコンクリートの打設等により整備されたものでもよい。さらに、基礎型枠支持金具10は、図2に示すように、基礎コンクリート形成方向に所定間隔で多数配設される。型枠支持具25の両端の外位置決め片27と内位置決め片28の間にはそれぞれ型枠1が嵌め合わされて立設支持される。これにより、互いに対向する一対の型枠1の多数の組が、基礎コンクリート形成方向に繋がって列になって配置される。ここで、地表面Gに凹凸があり型枠支持具25に傾斜が生じて、型枠列の各型枠1の上面に凹凸が生じるような場合には、上述したように、寸法調整装置18をドライバ2によって高さ調節することにより、各型枠1上面間の凹凸を簡単に是正して型枠列全体として良好な水平状態を確保することができる。この状態で、まず地表面Gと型枠支持具25の基部26の間にベースコンクリート3が打設される。
【0020】
つぎに、表面均し装置30が、相対向して立設された一対の型枠1の上面を跨いで、支持部31を型枠1上に載置し、振動発生部34を型枠1間に挿嵌した状態でセットされる。上述したように、型枠1の列の上面の水平な状態が確保されているため、型枠列に沿って表面均し装置30をスムーズに移動させることが可能になっている。コンクリートが型枠1間に打設されるとその表面に大きな凹凸が生じるが、表面均し装置30の駆動部32を駆動開始して振動発生部34から振動を発生させながら、型枠配列方向に移動させることにより、振動発生部34からの振動が一対の型枠1に伝えられて型枠1を振動させる。これにより、型枠1間で波打っているコンクリートの大きな凹凸が振動によって平坦な状態にされる。
【0021】
さらに、このように均されたコンクリート表面を振動発生部34の底板であるコンクリート均し部36が型枠1間に沿って移動することにより、基礎コンクリート4の表面を自動的かつ簡易に均一な状態に均すことができると共に、予め定められた規定の高さ位置に合わせることができる。その結果、実施例1によれば、基礎コンクリート4の形成において表面を均すための鏝当てを行う必要がなく、また天端治具を用いたレベラーによる高さ調整の手間も省かれるため、基礎コンクリートの打設作業を短時間に且つ安価に行うことが可能になる。
【0022】
つぎに、実施例2について図13により説明する
実施例2は、表面均し装置30Aが、上記表面均し装置30の一対の支持部31と同一の支持部31の両端面の外側に直角に下方に延びた一対の挟持部38を一体で設けたものである。その他の構成については実施例1と同様であり、同一の符号を付す。これにより、表面均し装置30Aを一対の型枠1上にセットしたとき、一対の挟持部38により一対の型枠1が両外側から挟まれた状態になる。その結果、実施例1においては、振動発生部34及び支持部31からの振動がさらに有効に型枠1に伝えられると共に、振動による型枠1の不要な動きも抑えることができ、安定した振動伝達が可能になる。
【0023】
つぎに、上記基礎型枠支持金具10のように寸法調整機能を備えたその他の基礎型枠支持金具40の例について図14により説明する。基礎型枠支持金具40は、鉄製の金具であり、一対の長方形の支持基板11と、支持基板11に垂直に立設された一対の支持棒部材41と、両支持棒部材41に支持された型枠支持具25とにより構成されている。なお、支持基板11と型枠支持具25については、上記実施例1の基礎型枠支持金具10と同一であるので、同一符号を付して説明を省く。
【0024】
支持棒部材41は、真直ぐな鉄製丸棒である支持棒42と、その両端に螺着された一対の第1及び第2ナット部材43,44を有している。支持棒42の一端側には右ねじ42aが形成され、他端側には逆の左ねじ42bが形成されており、両端にドライバ2の先端が係合する係合溝(図示しない)を有している。第1及び第2ナット部材43,44については、上記実施例1の第1及び第2ナット部材19,21と同様の構造である。第1ナット部材43は、型枠支持具25の下面の調整孔29を囲んで同軸状に溶接により固定されている。また、第2ナット部材44は、支持基板11の所定位置に立設されて溶接により固定されている。支持棒42は、右ねじ42a側が第1ナット部材43の右ねじ孔43aに、左ねじ42b側が第2ナット部材44の左ねじ孔44aに螺着されるようになっている。以上に説明したように、実施例3の支持棒部材41は、支持棒42の右ねじ42a及び左ねじ42bと第1及び第2のナット部材43,44が寸法調整装置としての機能を持つものであり、実施例1の支持棒部材13と寸法調整装置18の機能を併せ持ったものとなっている。
【0025】
基礎型枠支持金具40は、一対の支持棒部材41を用いて高さ調整が行われる。図14に示すように、支持棒42の係合溝に上方からドライバ2の先端を係合させて、支持棒42の右ねじ42aが第1ナット部材43に入り込む方向にドライバ2を回すことにより、第1ナット部材43とは逆の左ねじ孔44aを有する第2ナット部材44においては、支持棒42が第2ナット部材44から離れる方向に移動するようになり、支持基板11と型枠支持具25の間の上下方向の長さが相対的に長くなる方向で調整が行われる。ドライバ2を逆方向に回すと、支持基板11と型枠支持具25の間の上下方向の長さが相対的に短くなる方向で調整が行われる。
【0026】
なお、上記実施例においては、表面均し装置30の振動発生部34の全体が型枠1間に挿嵌されているが、これに限らず一部が挿嵌されていてもよく、これにより両型枠に直接振動が伝達されるようであればよい。また、振動発生部34は、左右のバネ35aと打撃部35bからなる振動部材35を含んだ構造であるが、これに限らず他の振動発生構造であってもよく、また駆動部33も電動モータ含む構造に限るものではなく、型枠に振動を伝達できる他の構造であってもよい。また、コンクリート均し部36については、振動発生部34の底板がこれを兼ねているが、振動発生部34の底部に別部材を取り付けた構造でもよく、これにより型枠間でコンクリート面を均一に均すと共に規定の高さを確保できるような構造になっていればよい。
【0027】
なお、上記実施例においては、基礎型枠支持金具10,40について上下方向の寸法調整が可能になっているが、このような寸法調整が不要な場合や、他の手段により時間を掛けて寸法調整を行うことができるような場合には、寸法調整機構を有しない通常の基礎型枠支持金具を採用することも可能である。その他、上記各実施例に示した表面均し装置については、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
10…基礎型枠支持金具、11…支持基板、13…支持棒部材、14…中間棒部、15,16…固定部、18…寸法調整装置、19…第1ナット部材、19a…右ねじ孔、21…第2ナット部材、21a…左ねじ孔、23…ボルト部材、23a…右ねじ、23b…左ねじ、24…係合溝、25…型枠支持具、29…調整孔、30…表面均し装置、31…支持部、32…駆動部、34…振動発生部、36…コンクリート均し部、38…挟持部、40…基礎型枠支持金具、41…支持棒部材、42…支持棒、43…第1ナット部材、44…第2ナット部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面上に載置された基礎型枠支持金具の両端に互いに対向して立設された一対の型枠が連続して配設された型枠列間に基礎コンクリートを打設する際に、コンクリート表面を均す基礎コンクリートの表面均し装置であって、
前記一対の型枠上に跨って載置される支持部と、該支持部に固定されると共に該一対の型枠内に挿嵌されて該一対の型枠に振動を伝達する振動発生部と、該振動発生部の下側に配設されて底面が前記一対の型枠の上端から所定寸法下方に位置し、型枠間に打設された基礎コンクリート表面を均すコンクリート均し部とを備えたことを特徴とする基礎コンクリートの表面均し装置。
【請求項2】
前記一対の支持部の両端側に、前記一対の型枠の両外側面に延びると共に該型枠を両外側から挟む一対の挟持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の基礎コンクリートの表面均し装置。
【請求項1】
地面上に載置された基礎型枠支持金具の両端に互いに対向して立設された一対の型枠が連続して配設された型枠列間に基礎コンクリートを打設する際に、コンクリート表面を均す基礎コンクリートの表面均し装置であって、
前記一対の型枠上に跨って載置される支持部と、該支持部に固定されると共に該一対の型枠内に挿嵌されて該一対の型枠に振動を伝達する振動発生部と、該振動発生部の下側に配設されて底面が前記一対の型枠の上端から所定寸法下方に位置し、型枠間に打設された基礎コンクリート表面を均すコンクリート均し部とを備えたことを特徴とする基礎コンクリートの表面均し装置。
【請求項2】
前記一対の支持部の両端側に、前記一対の型枠の両外側面に延びると共に該型枠を両外側から挟む一対の挟持部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の基礎コンクリートの表面均し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−132249(P2012−132249A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286466(P2010−286466)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(597095131)株式会社東海建商 (8)
【出願人】(510334435)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(597095131)株式会社東海建商 (8)
【出願人】(510334435)
【Fターム(参考)】
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