説明

基礎代謝量測定装置

【課題】 従来の簡易的に算出された基礎代謝量に自律神経の亢進度を加味した基礎代謝量を測定することのできる基礎代謝量測定装置を提供すること。
【解決手段】 被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得する(ステップS101,S102)。次に、被験者の心電波形データを計測し、計測された心電波形データから、自律神経亢進度を測定する(ステップS104〜S110)。次に、取得された身体情報に基づいて、簡易基礎代謝量を計算し(ステップS111)、計算された簡易基礎代謝量と、測定された自律神経亢進度とに基づいて、基礎代謝量を算出する(ステップS112)。そして、少なくとも、算出された基礎代謝量を表示部に表示する(ステップS114)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎代謝量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、肥満の病態生理学的研究の進歩に伴い、エネルギー代謝をめぐる知見は急速な進展を遂げてきている。とくに、安静時のエネルギー代謝を表わす基礎代謝量は、被験者の肥満指導などの健康管理に利用されている。通常、このような基礎代謝量を測定するためには大掛かりな装置が必要であり、長時間安静にしなければならないなど被験者の負担も大きい。
【0003】
そこで近年では、自身の基礎代謝量を容易に推定できる方法が提案されている。
【0004】
たとえば、自身の年齢,性別,体重などから簡易的に自身の基礎代謝量を推定できる方法が開示されている(非特許文献1および非特許文献2参照)。非特許文献1では、予め年齢別,性別ごとに定められた基礎代謝基準値と、自身の体表面積(体格)とに基づく基礎代謝量の推定式が開示されている。これによると、対象者は、自身の年齢,性別,身長および体重の情報に基づいて、簡易的に基礎代謝量を推定することができる。また、非特許文献2では、年齢別,性別ごとに予め定められた基礎代謝量の推定式が開示されている。これによると、対象者は、自身の年齢,性別および体重の情報に基づいて、簡易的に基礎代謝量を推定することができる。
【0005】
また、基礎代謝量は、除脂肪量に密接に関係しているとも考えられており、除脂肪量から簡易的に基礎代謝量を算出する方法も開示されている(たとえば特許文献1の段落0004参照)。これによると、基礎代謝量は、次式のように表される。ただし、BMR:基礎代謝量、FFM:除脂肪量、A,B:定数であるものとする。
【0006】
BMR=A×FFM+B …(1)
さらに、特許文献1および特許文献2では、対象者の除脂肪量と年齢の逆数とを用いた式で簡易的に基礎代謝量を演算する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−112982号公報
【特許文献2】特開2002−172099号公報
【非特許文献1】「第五次改定 日本人の栄養所要量 食事摂取基準」,第一出版株式会社,1994年5月30日初版発行,p.46,47
【非特許文献2】「第六次改訂 日本人の栄養所要量 食事摂取基準」,第一出版株式会社,1999年9月10日初版発行,p.47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、基礎代謝量は安静時のエネルギー代謝を表わすことから、被験者の年齢,性別,体重等の情報や、被験者の除脂肪量の情報など、いわば静的な身体情報によって簡易的に計算されていた。
【0008】
しかしながら、実際は、安静時でも自律神経の活動は行なわれており、このような自律神経の活動も、基礎代謝量に影響を与えるものと考えられる。
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、自律神経の亢進度を加味した精度の高い基礎代謝量を測定することのできる基礎代謝量測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のある局面に従う基礎代謝量測定装置は、被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、第1の計測手段により計測された心電波形データから、被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、得手段により取得された身体情報に基づいて、被験者の簡易基礎代謝量を計算するための計算手段と、測定手段により測定された自律神経亢進度と、計算手段により計算された簡易基礎代謝量とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える。
【0011】
この発明の他の局面に従う基礎代謝量測定装置は、被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、第1の計測手段により計測された心電波形データから、被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、測定手段により測定された自律神経亢進度と、取得手段により取得された身体情報とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える。
【0012】
この発明の他の局面に従う基礎代謝量測定装置は、被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、第1の計測手段により計測された心電波形データから、被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、複数の電極を用いて、被験者の生体電気インピーダンスを計測するための第2の計測手段と、取得手段により取得された身体情報と、第2の計測手段により計測された生体電気インピーダンスとに基づいて、被験者の体組成を算出するための体組成算出手段と、体組成算出手段により算出された体組成に基づいて、被験者の簡易基礎代謝量を計算するための計算手段と、測定手段により測定された自律神経亢進度と、計算手段により計算された簡易基礎代謝量とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える。
【0013】
この発明の他の局面に従う基礎代謝量測定装置は、被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、第1の計測手段により計測された心電波形データから、被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、複数の電極を用いて、被験者の生体電気インピーダンスを計測するための第2の計測手段と、測定手段により測定された自律神経亢進度と、取得手段により取得された身体情報と、第2の計測手段により計測された生体電気インピーダンスとに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える。
【0014】
好ましくは、体重を計測するための第3の計測手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、身体情報は、年齢および性別をさらに含む。また、身体情報は、身長をさらに含む。
【0016】
好ましくは、測定手段は、心電波形データから、1拍ごとの周期データを算出するための周期算出手段と、周期算出手段により算出された1拍ごとの周期データに基づいて、心拍間隔変動値を算出するための変動値算出手段とを含む。
【0017】
好ましくは、体組成は、除脂肪量、除脂肪率、筋肉量、筋肉率、体脂肪量、体脂肪率、および骨量のうち少なくとも1つを含む。
【0018】
好ましくは、少なくとも算出手段により算出された基礎代謝量を表示するための表示手段をさらに備える。
【0019】
好ましくは、表示手段は、自律神経亢進度をさらに表示する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、簡易基礎代謝量に自律神経亢進度を加味した基礎代謝量を算出することができる。したがって、従来の簡易的に計算された基礎代謝量よりも健康管理に適切な精度の高い基礎代謝量を被験者に提示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態における基礎代謝量測定装置(以下、「代謝計」という)は、被験者の健康管理に用いられる指標として、少なくとも、従来からの基礎代謝量(以下、このような基礎代謝量を「簡易基礎代謝量」という)に自律神経亢進度を加味した新たな基礎代謝量を算出する。
【0022】
「自律神経亢進度」とは、自律神経が活発に動いているか否かを示す度合いをいう。一般的には、自律神経亢進度が低ければ、健康度が低いことを表わす。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
[実施の形態1]
はじめに、実施の形態1における代謝計について説明する。実施の形態1の代謝計では、被験者の体重の情報と、自律神経亢進度とを用いて、基礎代謝量が測定される。
【0025】
なお、実施の形態1における代謝計は、生体電気インピーダンス(以下、単に「インピーダンス」という)を計測することで被験者の体組成を算出することのできる体組成計も兼ね備えたものとして説明する。
【0026】
<外観および構成について>
図1は、本発明の実施の形態における代謝計100の外観斜視図である。
【0027】
図1を参照して、代謝計100は、被験者の足を載置可能な載置部1、被験者の手で保持可能な保持部2、および、載置部1と保持部2とを電気的に接続するためのケーブル3を備える。代謝計100には、被験者の身体の2以上の部位に対応付けて接触させるための複数の電極11〜18が設けられる。
【0028】
保持部2は、本体部2.1と、被験者が左手で握るための左手用のグリップ部2.2と、被験者が右手で握るための右手用のグリップ部2.3とにより構成される。
【0029】
本体部2.1の前面には、測定結果や各種情報を表示するための表示部20、および、被験者により操作されて、被験者からの指示や各種情報の入力を受付けるための操作部30が設けられる。表示部20は、たとえば液晶等により構成される。なお、保持部2の本体部2.1に設けられた操作部30については、後に、図4を用いて詳細に説明する。
【0030】
なお、本実施の形態においては、操作部30に含まれる電源スイッチ301は、たとえば載置部1の前面中央に設けられる。
【0031】
保持部2のグリップ部2.2および2.3には、それぞれ被験者の手の内側に接触させるための電極が2つずつ設けられる。左手用のグリップ部2.2には、左手の親指側に電流印加用の電極15が設けられ、左手の小指側に電圧測定用の電極11が設けられる。同様に、右手用のグリップ部2.3には、右手の親指側に電流印加用の電極16が設けられ、右手の小指側に電圧測定用の電極12が設けられる。
【0032】
代謝計100は、左手用のグリップ部2.2に設けられた電圧測定用の電極11および右手用のグリップ部2.3に設けられた電圧測定用の電極12の2つを用いて、後述する基礎代謝量を算出する。したがって、代謝計100には、少なくともこれら2つの電極が備えられているものであればよい。なお、必ずしも電極11および電極12に限られず、たとえば、電極11と電極14とを用いるものであってもよい。
【0033】
載置部1には、被験者の左足を載置するための左足載置部1.1と、被験者の右足を載置するための右足載置部1.2と、保持部2とケーブル3とを収納するための収納部4とが設けられる。また、本実施の形態においては、被験者の体重を計測するための体重センサ601(図3参照)等が設けられているものとする。
【0034】
左足載置部1.1および右足載置部1.2には、それぞれ被験者の足裏に接触させるための電極が2つずつ備えられる。左足載置部1.1には、左足の指側に電流印加用の電極17が設けられ、左足の踵側に電圧測定用の電極13が設けられる。また同様に、右足載置部1.2には、右足の指側に電流印加用の電極18が設けられ、左足の踵側に電圧測定用の電極14が設けられる。
【0035】
図2は、被験者が本発明の実施の形態における代謝計100を用いて、体組成を測定する際の測定姿勢を示す図である。なお、同様の姿勢で、基礎代謝量も測定することができる。
【0036】
図2を参照して、被験者200は、直立した姿勢で、左足20.3および右足20.4をそれぞれ載置部1の左足載置部1.1および右足載置部1.2に配置する。また、左手20.1で保持部2のグリップ部2.2を握り、右手20.2でグリップ部2.3を握る。この際、両腕20.5および20.6の肘を伸ばし、保持部2が身体前方に対向するようにほぼ肩の高さに保持し、腕20.5,20.6と胴20.7とが略直角をなすようにする。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態1における代謝計100のブロック図である。図3を参照して、代謝計100は、上記した複数の電極11〜18、表示部20、操作部30に加え、代謝計100全体の制御や各種演算等の処理を行なうためのマイコン(マイクロコンピュータの略)10と、操作部30に含まれる電源スイッチ301が操作されることによりマイコン10に電力を供給するための電源部31と、測定結果などの情報を記憶するための外部メモリ33と、警告音を発するためのブザー34と、測定結果をたとえば図示しないプリンタ等へ通信で出力するための測定結果出力部35と、周波数f0(10≦f0≦100kHz)の高周波定電流を発生する高周波定電流発生回路41と、電流印加用の電極15〜18を切り替えるための電流印加用電極切替回路42と、電圧測定用の電極11〜14を切り替えるための電圧測定用電極切替回路43と、電圧測定用の11〜14より得られる信号の出力を切り替えるため切替回路44と、切替回路44を介して得られる電位信号に基づいてインピーダンスを計測するためのインピーダンス計測部50と、体重を計測するための体重計測部60と、切替回路44を介して得られる電位信号に基づいて心電波形データを計測するための心電波形計測部70とを備える。
【0038】
インピーダンス計測部50は、切替回路44を介して得られる電位信号を受ける作動増幅器501と、作動増幅器501より出力される周波数f0以外の信号を除去するためのバンドパスフィルタ(BPF)502と、BPF502からの高周波信号成分を復調するための復調回路503と、復調されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA(analog)/D(digital)変換回路504とを含む。
【0039】
体重計測部60は、体重信号を取得するための体重センサ601と、体重センサからの出力信号を増幅するためのプリアンプ602と、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換回路603とを含む。少なくとも体重センサ601は、載置部1内に設けられるものとする。
【0040】
心電波形計測部70は、切替回路44を介して得られる電位信号を増幅するためのプリアンプ701と、増幅された電位信号のノイズを除去するためのフィルタ702と、電位信号を適正なレベルにまで増幅するためのアンプ703と、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換回路704とを含む。
【0041】
マイコン10は、各種制御プログラムなどが予め記憶されたROMやRAMなどを含む内部メモリ133と、内部メモリ133に格納されたプログラムを読み出して各種演算等を行なうプロセッサ120とを含む。
【0042】
なお、本実施の形態において、外部メモリ33は、たとえば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)を含んでおり、被験者に関する情報や測定結果は、このEEPROMに格納される。
【0043】
また、本発明の実施の形態1において、代謝計100は、被験者の心電波形を少なくとも計測できるものであればよい。したがって、本発明の実施の形態1の代謝計100は、心電計として動作可能であればよく、図3においてたとえば破線1000で囲まれた構成要素を含んでいるものであればよい。破線1000で囲まれた構成要素とは、代謝計100の上記全ての構成要素のうち、インピーダンス計測部50、電極13〜18、高周波定電流発生回路41、電流印加用電極切替回路42および体重計測部60以外の構成要素である。なお、体重計測部60は、破線1000に含まれてもよい。
【0044】
次に、本発明の実施の形態1における代謝計100の操作部30の具体例を図4に示す。図4は、保持部2の正面図である。
【0045】
図4を参照して、操作部30は、被験者等により操作され、各種情報や指示の入力を受け付けるための複数の操作スイッチを含む。たとえば、メニュースイッチ302、決定スイッチ303、基礎代謝量測定開始スイッチ304、体組成測定開始スイッチ305、表示切替スイッチ306、メモリスイッチ307、上下スイッチ308、個人番号スイッチ309、ゲストスイッチ310が本体部2.1の表面に配置されている。
【0046】
ここで、メニュースイッチ302は、代謝計100での各種メニューを表示するための操作スイッチであり、決定スイッチ303は、メニューや各操作を実行するための操作スイッチである。また、基礎代謝量測定開始スイッチ304は、基礎代謝量の測定を開始するための操作スイッチであり、体組成測定開始スイッチ305は、体組成の測定を開始するための操作スイッチである。表示切替スイッチ306は、表示を切り替えるためのスイッチであり、メモリスイッチ307は、外部メモリ33に記憶された測定結果などを読み出して表示するための操作スイッチである。上下スイッチ308は、各種設定の際などに数値の増減を行なうための操作スイッチである。
【0047】
個人番号スイッチ309は、被験者の情報を特定するための操作スイッチであり、少なくとも1つ設けられることが望ましい。図4においては、2つ設けられ、本実施の形態では、この個人番号スイッチ309で指定される番号(1,2)ごとに、被験者の身体に関する情報や測定結果などが外部メモリ33に記憶される。
【0048】
ゲストスイッチ310は、たとえば、個人番号スイッチ309で特定される被験者以外の被験者が測定する場合に操作される操作スイッチである。したがって、このスイッチが測定開始時に押されると、測定結果などは外部メモリ33に記憶されることなく終了する。
【0049】
なお、操作部30は、上記のような操作スイッチにより構成されているものでなくてもよい。たとえば、タッチパネルなどにより各種情報や指示の入力がされるものであってもよい。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態1の代謝計100におけるプロセッサ120の機能ブロック図である。なお、図5に示される各部は、基礎代謝量を測定する際に、プロセッサ120により実行される処理を表わすものである。
【0051】
図5を参照して、プロセッサ120は、被験者の身体情報を取得するための身体情報取得部101と、簡易基礎代謝量を計算するための簡易基礎代謝計算部102と、被験者の心拍変動を測定するための心拍変動測定部103と、主に基礎代謝量を算出するための基礎代謝量算出部104と、表示部20への各種情報の表示を制御する表示制御部105とを含む。
【0052】
図5に示した各部の具体的な処理については、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
<動作について>
図6は、本発明の実施の形態1における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして内部メモリ133に格納されており、プロセッサ120がこのプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、図6に示す処理は、たとえば、基礎代謝量測定開始スイッチ304が被験者に操作されることで開始される処理である。
【0054】
はじめに、身体情報取得部101は、操作部30より性別および年齢の情報を取得する(ステップS101)。取得された性別および年齢の情報は、被験者の身体情報として、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。なお、被験者の身体情報が予め外部メモリ33に記憶されている場合には、被験者が個人番号スイッチ309を操作することで、その個人番号スイッチ309の番号に対応付けて記憶されたこれら身体情報を読み出すものとする。
【0055】
次に、身体情報取得部101は、被験者の体重を取得するために、体重計測部60を用いて被験者の体重を測定する(ステップS102)。この場合、表示制御部105は、体重を測定中であることを表示部20に表示してもよい。測定された体重値についても、被験者の身体情報の一つとして、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。なお、代謝計100が、図3に示した体重計測部60を設けていない場合には、この処理に代えて、ステップS101において体重の情報も取得するものとする。
【0056】
次に、心拍変動測定部103は、まず、所定時間(たとえば5分)心電波形データを測定する(ステップS104)。具体的には、たとえば、電極11,12および心電波形計測部70を用いて、一定時間(たとえば5分)心電波形データを測定する。なお、心電波形データの測定方法は、公知の手法を用いることができる。
【0057】
続いて、心拍変動測定部103は、ステップS104において測定した一定時間分の心電波形データから、1拍ごとの周期データに相当するRR間隔データを算出する(ステップS106)。ここで、1拍分の心電波形データの一例を図7に示す。図7を参照して、1拍分の心電波形データは、P、QRS、Tの各波からなる。P波は心房の興奮を、QRS波は心室の興奮を、T波は心室の充電期を示す。図7に示されるように、R波は、心電波形のピークを表わす。本実施の形態では、心電波形のピークであるR波を検出することで、心拍の1周期に相当するRR間隔データを算出する。図8に示されるように、隣接するR波同士の間隔がRR間隔データとして算出される。
【0058】
次に、心拍変動測定部103は、心拍間隔変動値を算出する(ステップS108)。心拍間隔変動値は、たとえば、次のような計算式(2)を用いて算出することができる。なお、図8に示すようなRR間隔データがN個存在するものとし、RR間隔データは0〜(N−1)番目まで存在するものとする。
【0059】
X(n)[ms]={RR(n−1)−RR(n)} …(2)
ここで、n=1〜(N−1)である。
【0060】
次に、心拍変動測定部103は、ステップS108で算出した心拍間隔変動値より、自律神経亢進度を算出する(ステップS110)。自律神経亢進度は、本実施の形態において、心拍間隔変動値の平均値(以下、「平均変動値」という)であるものとする。したがって、ステップS110において、ステップS108で算出した心拍間隔変動値より平均変動値を算出する。
【0061】
ここで、平均変動値は、上記式(2)をもとに、次のような計算式(3)で表わすことができる。
【0062】
ΣX(n)/(N−1)=Σ{RR(n−1)−RR(n)}/(N−1)
…(3)
ここで、n=1〜(N−1)である。
【0063】
上記式(3)により計算された平均変動値は、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。
【0064】
なお、ステップS110においては、ステップS104で測定した一定時間分の平均変動値を算出することとしてもよいし、測定した一定時間のうち、さらに所定時間(たとえば3分)分の平均変動値を算出することとしてもよい。
【0065】
また、このフローチャートにおいては、ステップS104で一定時間分の心電波形データを測定した後、ステップS106〜110の処理を行なうこととしたが、ステップS104で心電波形データを測定しながら、リアルタイムでステップS106〜110の処理を行なうこととしてもよい。このようにすることで、測定時間の短縮化を図ることができる。
【0066】
次に、簡易基礎代謝計算部102は、ステップS101およびS102において身体情報取得部101が取得した身体情報、すなわち、性別、年齢および体重の情報に基づいて、簡易基礎代謝量を計算する(ステップS111)。ここでは、たとえば、非特許文献2に示される算出方法により、簡易基礎代謝量が計算される。なお、ステップS111の処理は、たとえば、ステップS102の処理とステップS104の処理との間に行なうこととしてもよい。
【0067】
次に、基礎代謝量算出部104は、ステップS110で算出された平均変動値およびステップS111で計算された簡易基礎代謝量に基づいて、基礎代謝量を算出する(ステップS112)。たとえば、基礎代謝量は、次のような計算式(4)で計算することができる。なお、式(4)において、基礎代謝量をBM、ステップS111で計算された簡易基礎代謝量をbmr、ステップS110で算出された平均変動値をARと示す。
【0068】
BM=bmr×c・AR+d …(4)
ただし、c,d:変数。
【0069】
なお、基礎代謝量の算出式は、上記式(4)のような一次関数に限られず、たとえば二次関数により表わすこととしてもよい。また、上記式(4)は、たとえば、予め呼気ガス分析装置などで測定された複数の実測値との相関に基づいて、定められる。
【0070】
ステップS112の処理が終わると、表示制御部105は、算出結果およびアドバイス結果を表示部20に表示する(ステップS114)。算出結果としては、ステップS112で算出された基礎代謝量を少なくとも表示する。アドバイス結果としては、たとえばステップS112で算出された基礎代謝量が、標準レベルと比較して高いか、低いか、などで表示してもよいし、たとえば“もう少し運動をしましょう。”といったメッセージで表示してもよい。このようにアドバイス結果も表示することで、被験者は、数値としての算出結果よりも、容易に測定結果を判断することができる。なお、ステップS114において、算出結果のみを表示することとしてもよい。
【0071】
ステップS114において、表示部20に表示される算出結果およびアドバイス結果の一例を図9に示す。図9を参照して、表示部20には、算出結果として「基礎代謝量 1353kcal/day」と表示され、その下にアドバイス結果が表示される。アドバイス結果は、たとえば、段階的に、低い(1)、やや低い(2)、標準(3)、やや高い(4)および高い(5)を示すマークと、それらの中間を示すマークが表示される。そして、該当位置までのマークを点滅させることで、被験者に算出結果をアドバイスする。図9においては、“やや高い(4)”までのマークが点滅表示されているため、被験者に基礎代謝量が標準レベルよりもやや高いということをアドバイスすることができる。
【0072】
また、ステップS114において、さらに、健康管理指標の1つとして、自律神経亢進度も表示することとしてもよい。自律神経亢進度は、上述のようにステップS110で算出される平均変動値に相当する。図10には、自律神経亢進度がレベル表示された例が示される。この場合、平均変動値の値によって、たとえば、10以下であればD、10より多く100以下であればC、100より多く500以下であればB、500より多く1000以下であればA、として4つに分類することができる。図10では、表示部20に、「自律神経亢進度 A」と表示され、自律神経亢進度が高いことが示される。これにより、被験者は、自律神経の活性度を知ることができ、健康かどうかを判断することができる。
【0073】
なお、ステップS114において、アドバイス表示する場合、予め、たとえば内部メモリ133に、たとえば、年齢と性別とに対応付けて標準的な値を記憶させておくものとする。そして、算出結果とこの標準値とを比較することで、アドバイスの内容が決定される。
【0074】
また、測定開始時に、個人番号スイッチ309が操作されていた場合には、その個人番号と対応付けて、測定結果が外部メモリ33に記憶される。これにより、後にたとえばメモリスイッチ307が操作されることで、過去の測定結果を表示部20に表示することができる。したがって、被験者は、測定結果の遷移を把握することができ、自身で健康管理を行なうことが可能となる。
【0075】
このように、実施の形態1では、性別、年齢および体重といった身体情報と、自律神経亢進度とに基づいて、基礎代謝量を算出することができる。したがって、従来では、性別、年齢および体重が同じであれば基礎代謝量も同じ値であったが、本発明の実施の形態では、質の高い基礎代謝量を被験者に提示することができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、非特許文献2に基づいて簡易基礎代謝量を計算してから、その簡易基礎代謝量を補正する形式としたが、性別、年齢および体重といった身体情報から直接基礎代謝量を算出できるように、予め算出式を定めておいてもよい。
【0077】
(変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。実施の形態1では、非特許文献2に示されるように、性別、年齢および体重の情報に基づいて簡易基礎代謝量を算出したが、実施の形態1の変形例では、非特許文献1に示されるように、性別、年齢、身長および体重の情報に基づいて簡易基礎代謝量を算出する。
【0078】
なお、実施の形態1の変形例における代謝計の外観および構成は、実施の形態1と同様である。また、マイコン10のプロセッサ120における機能も実施の形態1と同様である。したがって、以下、図1〜図5に示した符号を用いて説明するものとする。
【0079】
図11は、本発明の実施の形態1の変形例における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして内部メモリ133に格納されており、プロセッサ120がこのプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、図6に示す処理と同様の処理については、同じステップ番号を付し、ここでの説明は繰り返さない。
【0080】
はじめに、身体情報取得部101は、操作部30より性別、年齢および身長の情報を取得する(ステップS101A)。取得された性別、年齢および身長の情報は、被験者の身体情報として、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。
【0081】
次に、実施の形態1と同様に、プロセッサ120内の各部において、ステップS102〜S110の処理が行なわれる。
【0082】
そして、簡易基礎代謝計算部102は、ステップS101AおよびS102において身体情報取得部101が取得した身体情報、すなわち、性別、年齢、身長および体重の情報に基づいて、簡易基礎代謝量を計算する(ステップS111A)。ここでは、たとえば、非特許文献1に示される算出方法により、簡易基礎代謝量が計算される。
【0083】
次に、基礎代謝量算出部104は、ステップS110で算出された平均変動値およびステップS111Aで計算された簡易基礎代謝量に基づいて、基礎代謝量を算出する(ステップS112A)。たとえば、基礎代謝量は、次のような計算式(5)で計算することができる。なお、式(5)において、基礎代謝量をBM、ステップS111Aで計算された簡易基礎代謝量をbmr、ステップS110で算出された平均変動値をARと示す。
【0084】
BM=bmr×c・AR+d …(5)
ただし、c,d:変数。
【0085】
なお、基礎代謝量の算出式は、上記式(5)のような一次関数に限られず、たとえば二次関数により表わすこととしてもよい。また、上記式(5)は、たとえば、予め呼気ガス分析装置などで測定された複数の実測値との相関に基づいて、定められる。
【0086】
ステップS112Aの処理が終わると、実施の形態1と同様に、表示制御部105は、算出結果およびアドバイス結果等を表示部20に表示して終了する(ステップS114)。
【0087】
このように、実施の形態1の変形例では、性別、年齢、身長および体重といった身体情報と、自律神経亢進度とに基づいて、基礎代謝量を算出することができる。したがって、従来では、性別、年齢、身長および体重が同じであれば基礎代謝量も同じ値であったが、本発明の実施の形態では、質の高い基礎代謝量を被験者に提示することができる。
【0088】
なお、本実施の形態では、非特許文献1に基づいて簡易基礎代謝量を計算してから、その簡易基礎代謝量を補正する形式としたが、性別、年齢、身長および体重といった身体情報から直接基礎代謝量を算出できるように、予め算出式を定めておいてもよい。
【0089】
[実施の形態2]
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1およびその変形例では、性別、年齢および体重を含む身体情報に基づいて簡易基礎代謝量を算出するものであったが、実施の形態2では、被験者の体組成に基づいて簡易基礎代謝量を算出する。
【0090】
ここで、体組成としては、たとえば、除脂肪量、筋肉量、除脂肪率および筋肉率のうち少なくとも1つの体組成である。実施の形態2では、除脂肪量に基づいて、簡易基礎代謝量を算出するものとする。
【0091】
なお、実施の形態2における代謝計の外観および構成は、実施の形態1と同様であるので、図1〜図4に示した符号を用いて説明する。なお、マイコン10のプロセッサの機能は異なるため、実施の形態2においてはプロセッサ120Bと記す。また、実施の形態2では、体組成も測定するため、図3中、破線1000で囲んだ構成要素以外の構成要素(たとえばインピーダンス計測部50など)も必要とされる。
【0092】
図12は、実施の形態2の代謝計100におけるプロセッサ120Bの機能ブロック図である。なお、図12に示される各部は、基礎代謝量を測定する際に、プロセッサ120Bにより実行される処理を表わすものである。
【0093】
図12を参照して、プロセッサ120Bは、図5と同様に、身体情報取得部101Bと、心拍変動測定部103と、基礎代謝量算出部104Bと、表示制御部105Bとを含む。さらに、プロセッサ120Bにおいては、被験者のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部206および体組成を算出する体組成算出部207が含まれる。
【0094】
図12に示した各部の具体的な処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0095】
図13は、本発明の実施の形態2における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして内部メモリ133に格納されており、プロセッサ120Bがこのプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、図6に示す処理と同様の処理については、同じステップ番号を付し、ここでの説明は繰り返さない。
【0096】
はじめに、身体情報取得部101Bは、操作部30より身長の情報を取得する(ステップS101B)。取得された身長の情報は、体組成算出用の被験者の身体情報として、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。
【0097】
次に、実施の形態1と同様に、身体情報取得部101Bは、体重計測部60により、被験者の体重を測定する(ステップS102)。測定された体重の情報も、体組成算出用の被験者の身体情報として、内部メモリ133の所定の領域に一時的に記憶される。
【0098】
次に、インピーダンス測定部206は、電極11〜18、高周波定電流発生回路41、電流印加用電極切替回路42、電圧測定用電極切替回路43、切替回路44およびインピーダンス計測部50を用いて、インピーダンスを測定する(ステップS202)。インピーダンス測定部206は、たとえば、被験者の全身のインピーダンスを測定する。全身のインピーダンスZwを計測するためには、図14に示すように、両手・両足間に交流電流を流し、両手・両足間の電位差を測ることにより計測される。より詳細には、インピーダンス測定部206は、両手の電流印加用の電極15,16間および、両足の電流印加用の電極17,18間をそれぞれ接続し、また、両手の電圧測定用の電極11,12間および、両足の電圧測定用の電極13,14間をそれぞれ接続して、電流印加用の電極15〜18に高周波の交流電流を1方向に流し、電圧測定用の電極11〜14を用いて電位差を測ることによって、全身のインピーダンスZwを測定する。
【0099】
なお、ステップS202において測定されるインピーダンスは全身のインピーダンスに限られず、所定の身体部位のインピーダンスであってもよい。この場合、ステップS101Bにおいて、身長の代わりに対象の身体部位の部位長(軸方向の長さ)を取得することとしてもよい。
【0100】
次に、体組成算出部207は、ステップS101Bで取得された身長、ステップS102で測定された体重、およびステップS202で測定されたインピーダンスに基づいて、被験者の体組成を算出する(ステップS204)。ここでは、少なくとも、除脂肪量を算出する。そして、算出された除脂肪量は、内部メモリ133の所定の領域に記憶される。
【0101】
ここで、除脂肪量の計算式は、除脂肪量をFFM(kg)、インピーダンスをZ(Ω)、身長をH(cm)、体重をW(kg)とすると、次式(6)で表わされる。
【0102】
FFM=e・H/Z+f・W+g …(6)
ただし、e,f,g:変数。
【0103】
なお、除脂肪量の計算式は上記のような関数に限られず、年齢や性別をさらに加味したものであってもよい。この場合、ステップS101Bにおいて、年齢や性別も取得しておくものとする。
【0104】
なお、ステップS204において、他の体組成、たとえば、体脂肪量、体脂肪率、除脂肪率、筋肉量、筋肉率および骨量などをさらに算出してもよい。たとえば筋肉量や骨量を算出する場合も、上記式(6)と同様にして求めることができる。また、体脂肪量および体脂肪率は、次式のようにして求めることができる。
【0105】
体脂肪量(kg)=体重(kg)−除脂肪量(kg)
体脂肪率(%)={体脂肪量(kg)÷体重(kg)}×100
次に、実施の形態1と同様に、心拍変動測定部103が、ステップS104〜S110の処理を行なう。
【0106】
そして、簡易基礎代謝計算部102Bは、ステップS204において算出された除脂肪量に基づき、簡易基礎代謝量を計算する(ステップS111B)。ここでは、たとえば、上述の計算式(1)により、簡易基礎代謝量が算出される。
【0107】
次に、基礎代謝量算出部104Bは、ステップS110で算出された平均変動値およびステップS111Bで計算された簡易基礎代謝量に基づいて、基礎代謝量を算出する(ステップS112B)。たとえば、基礎代謝量は、次のような計算式(7)で計算することができる。なお、式(7)において、基礎代謝量をBM、ステップS111Bで計算された簡易基礎代謝量をbmr、ステップS110で算出された平均変動値をARと示す。
【0108】
BM=bmr×c・AR+d …(7)
ただし、c,d:変数。
【0109】
なお、基礎代謝量の算出式は、上記式(7)のような一次関数に限られず、たとえば二次関数により表わすこととしてもよい。また、上記式(7)は、たとえば、予め呼気ガス分析装置などで測定された複数の実測値との相関に基づいて、定められる。
【0110】
ステップS112Bの処理が終わると、実施の形態1と同様に、表示制御部105Bは、算出結果およびアドバイス結果等を表示部20に表示して終了する(ステップS114)。
【0111】
なお、ステップS114において、たとえば表示切替スイッチ306が操作されることで、ステップS204で算出した体組成を表示することとしてもよい。この場合の表示例を図15に示す。図15を参照して、表示部20には、「体脂肪率 16・8%」と表示されている。そして、その下にアドバイス結果として、“やや低い(2)”と“標準(3)”との間のマークまでが点滅表示されている。これにより、被験者に体脂肪率が標準より少しだけ低いということをアドバイスすることができる。
【0112】
なお、このように複数の表示を行なう場合には、上記表示切替スイッチ306が操作される度に表示を切り替えることしてもよいし、あるいは、所定時間(たとえば10秒)ごとに表示を切り替えることとしてもよい。
【0113】
このように、実施の形態2では、除脂肪量と、自律神経亢進度とに基づいて、基礎代謝量を算出することができる。したがって、従来では、除脂肪量が同じであれば基礎代謝量も同じ値であったが、本発明の実施の形態では、質の高い基礎代謝量を被験者に提示することができる。
【0114】
なお、除脂肪量以外の体組成と、自律神経亢進度とに基づいて、基礎代謝量を算出することとしてもよい。この場合も、予め呼気ガス測定装置などで測定した実測値との相関により所定の関数を定めておくものとする。
【0115】
また、本実施の形態では、除脂肪量に基づいて簡易基礎代謝量を計算してから、その簡易基礎代謝量を補正する形式としたが、除脂肪量などから直接基礎代謝量を算出できるように、予め算出式を定めておいてもよい。また、体組成を算出することなく、自律神経亢進度と、体重および身長等の身体情報と、計測されたインピーダンスとに基づいて、直接基礎代謝量を算出することとしてもよい。
【0116】
また、本実施の形態においては、操作スイッチにより測定モードを選択することで、被験者は、体組成だけを測定することもでき、基礎代謝量だけを測定することもできる。
【0117】
また、本発明の基礎代謝量測定装置が行なう、測定方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0118】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施の形態1〜2における基礎代謝量測定装置の外観斜視図である。
【図2】測定姿勢の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1における代謝計のブロック図である。
【図4】代謝計の操作部の具体例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1の代謝計におけるプロセッサの機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】1拍分の心電波形データの一例を示す図である。
【図8】RR間隔データについて説明するための図である。
【図9】算出結果およびアドバイス結果の表示例を示す図である。
【図10】自律神経亢進度がレベル表示された例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1の変形例における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態2の代謝計におけるプロセッサの機能ブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態2における基礎代謝量測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】インピーダンスの測定方法について説明するための図である。
【図15】体組成の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 載置部、1.1 左足載置部、1.2 右足載置部、2 保持部、2.1 本体部、2.2 左手用グリップ部、2.3 右手用グリップ部、3 ケーブル、4 収納部、10 マイコン、11〜18 電極、20 表示部、30 操作部、31 電源部、32 体重計測部、33 外部メモリ、34 ブザー、35 測定結果出力部、41 高周波定電流発生回路、42 電流印加用電極切替回路、43 電圧測定用電極切替回路、44 切替回路、504,603,704 A/D変換回路、50 インピーダンス計測部、60 体重計測部、70 心電波形計測部、100 基礎代謝量測定装置、101,101B 身体情報取得部、102,102B 基礎代謝計算部、103,103B 心拍変動測定部、104,104B 基礎代謝量算出部、105,105B 表示制御部、120,120B プロセッサ、133 内部メモリ、206 インピーダンス測定部、207 体組成算出部、301 電源スイッチ、302 メニュースイッチ、303 決定スイッチ、304 基礎代謝量測定開始スイッチ、305 体組成測定開始スイッチ、306 表示切替スイッチ、307 メモリスイッチ、308 上下スイッチ、309 個人番号スイッチ、310 ゲストスイッチ、501 作動増幅器、503 復調回路、601 体重センサ、602,701 プリアンプ、702 フィルタ、703 アンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、
前記第1の計測手段により計測された前記心電波形データから、前記被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、
前記被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、
前記取得手段により取得された前記身体情報に基づいて、前記被験者の簡易基礎代謝量を計算するための計算手段と、
前記測定手段により測定された前記自律神経亢進度と、前記計算手段により計算された前記簡易基礎代謝量とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える、基礎代謝量測定装置。
【請求項2】
被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、
前記第1の計測手段により計測された前記心電波形データから、前記被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、
前記被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、
前記測定手段により測定された前記自律神経亢進度と、前記取得手段により取得された前記身体情報とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える、基礎代謝量測定装置。
【請求項3】
被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、
前記第1の計測手段により計測された前記心電波形データから、前記被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、
前記被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、
複数の電極を用いて、前記被験者の生体電気インピーダンスを計測するための第2の計測手段と、
前記取得手段により取得された前記身体情報と、前記第2の計測手段により計測された前記生体電気インピーダンスとに基づいて、前記被験者の体組成を算出するための体組成算出手段と、
前記体組成算出手段により算出された前記体組成に基づいて、前記被験者の簡易基礎代謝量を計算するための計算手段と、
前記測定手段により測定された前記自律神経亢進度と、前記計算手段により計算された前記簡易基礎代謝量とに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える、基礎代謝量測定装置。
【請求項4】
被験者の心電波形データを計測するための第1の計測手段と、
前記第1の計測手段により計測された前記心電波形データから、前記被験者の自律神経亢進度を測定するための測定手段と、
前記被験者の少なくとも体重を含む身体情報を取得するための取得手段と、
複数の電極を用いて、前記被験者の生体電気インピーダンスを計測するための第2の計測手段と、
前記測定手段により測定された前記自律神経亢進度と、前記取得手段により取得された前記身体情報と、前記第2の計測手段により計測された前記生体電気インピーダンスとに基づいて、基礎代謝量を算出するための算出手段とを備える、基礎代謝量測定装置。
【請求項5】
前記体重を計測するための第3の計測手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項6】
前記身体情報は、年齢および性別をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項7】
前記身体情報は、身長をさらに含む、請求項6に記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項8】
前記測定手段は、
前記心電波形データから、1拍ごとの周期データを算出するための周期算出手段と、
前記周期算出手段により算出された前記1拍ごとの周期データに基づいて、心拍間隔変動値を算出するための変動値算出手段とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項9】
前記体組成は、除脂肪量、除脂肪率、筋肉量、筋肉率、体脂肪量、体脂肪率、および骨量のうち少なくとも1つを含む、請求項3または4に記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項10】
少なくとも前記算出手段により算出された前記基礎代謝量を表示するための表示手段をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の基礎代謝量測定装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記自律神経亢進度をさらに表示する、請求項10に記載の基礎代謝量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−255099(P2006−255099A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75618(P2005−75618)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】