説明

報告検証器及び報告増強器を有する医療情報システム

所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の画像所見を検証するよう構成された検証器(140)であって、該画像所見は画像装置(110)により生成された解剖学的構造の画像に基づき生成される、検証器(140);医学的所見を含む第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強するよう構成された増強器(160);を有する医療情報システム(170)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、医療情報の管理に関し、より詳細には医学報告内の医療情報の検証及び/又は増強に関する。
【背景技術】
【0002】
画像取得技術の進歩に伴い、計り知れない量の画像データが毎日取得される。放射線科医は、手動で多数の画像を閲覧しなければならない。その結果として、放射線科医が病状の診断及び治療に関連する画像中の情報を見落とす可能性がある。放射線科医が患者の画像を読み取ると、放射線科医は所見を口述し、所見は後に放射線医学報告を生成するために用いられる。
【0003】
病理学的結果及び他の診断結果も、画像読み取りの重要な部分である。例えば、追加又は追跡撮像の選択及び非画像化調査、画像の解釈、及び患者の治療は、病理学的結果に依存しうる。臨床診療では、放射線医学の結果は、病理学的結果が得られるまで決定的ではない。
【0004】
放射線医学の結果の診断精度を向上させるために、特定の画像所見を放射線医学研究における病理学的所見に関連付けることが重要である。残念ながら、これは、放射線科医が病理学報告又は他の診断結果を手動で検索すること要求しうる。この処理は、時間がかかり間違いを起こしやすい。
【0005】
放射線科医が所見を決定的でない診断とともに口述した後に、放射線科医は別の患者の次の画像セットに移り、後に決定的でない診断を有する報告に1又は複数回戻り、病理学報告及び/又は他の報告に基づき報告を更新するだろう。
【0006】
臨床ワークフローでは、病理学的データを放射線医学結果に追加することは、放射線医学報告結果の曖昧さ及び不確定性を低減することにより参照する医師を支援しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の態様は、上述の問題及び他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によると、医療情報システム(170)は、所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の画像所見を検証するよう構成された検証器(140)であって、該画像所見は画像装置(110)により生成された解剖学的構造の画像に基づき生成される、検証器(140);医学的所見を含む第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強するよう構成された増強器(160);を有する。
【0009】
本発明の別の態様によると、コンピュータにより実行可能な命令を格納されたコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサにより実行されると方法を実行し、該方法は:所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の画像所見を検証する段階;医学的所見を含む生成された第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強する段階;を有する。
【0010】
本発明の別の態様によると、医療情報システム(170)は:所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の、画像装置(110)により生成された解剖学的構造の画像に基づく画像所見を検証するよう構成された検証器(140);を有する。
【0011】
本発明の別の態様によると、医療情報システム(170)は:画像装置(110)により生成された解剖学的構造の画像に基づく画像所見を含む第1の報告を、医学的所見を含む第2の報告からの情報で増強するよう構成された増強器(160);を有する。
【0012】
本発明の上述の態様及び更なる態様は、以下に記載される実施形態の例から明らかであり、実施形態の例を参照して説明される。
【0013】
本発明は、実施形態の例を参照して以下により詳細に記載されるが、本発明はこれらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】医療情報システムのブロック図を示す。
【図2】放射線医学報告の検証のためのシステムのブロック図を示す。
【図3】放射線医学報告の増強のためのシステムのブロック図を示す。
【図4】放射線医学報告を検証する方法のフロー図を示す。
【図5】放射線医学報告を増強する方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、システム(100)は、患者の解剖学的構造の1又は複数の画像を生成するために用いられる画像データを生成する画像装置110を有する。これらの画像はモニタ及び/又はフィルムを介して表示されてもよい。画像装置110は、例えば、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)、陽電子放出断層撮影(PET)及び超音波画像診断(US)画像装置である。
【0016】
読み取り位置115は、フィルムを読むため又はモニタで画像を閲覧するために用いられる。放射線科医116は、フィルム又はモニタからの画像を閲覧し、所見を記録装置に口述する。記述部(transcriptionist)120は、報告生成器130を例えばパーソナル・コンピュータ等のようなコンピュータ・システムで実行する文書作成ソフトウェアとして用い、口述された所見を有する放射線医学報告を生成する。
【0017】
データベース、サーバ等のような電子報告レポジトリ150は、放射線医学報告を口述された所見とともに格納する。
【0018】
任意の報告検証器140は、報告の中の情報を検証する。以下に更に詳細に記載されるように、報告検証器140は、報告内の所見を所定のテンプレートのセット及び/又は所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理されたデータに基づき検証する。
【0019】
任意の報告増強器160は、報告が生成されレポジトリ150に格納された後に、関連情報を有する報告を増強する。以下に説明されるように、上述の追加情報は、非画像部門、例えば病理学的部門、実験部門及び/若しくは他の部門等により生成された報告からの情報、並びに/又は別の画像報告を含む。
【0020】
図示された報告検証器140及び報告増強器160は、医療情報システム170の一部であり、コンピュータ可読媒体に格納された1又は複数の命令を実行する1又は複数のプロセッサを介して実施されうる。
【0021】
次に図2を参照すると、例示的な報告検証器140が示され、報告検証器140は以下の例示的な要素及び要素の相互作用を有する。
【0022】
報告検証器140は、放射線医学報告を解析し医学的所見を抽出又は得る放射線医学報告解析器(分析器)240を有する。医学的所見は解析済み放射線医学報告レポジトリ242に格納される。抽出された所見は、放射線医学報告と同一の又は異なるフォーマットで格納されてもよい。放射線医学報告解析器240は、関連する所見を放射線医学報告から抽出する自然言語処理(NLP)エンジン又はモジュールを有してもよい。このようなNLPモジュールの例は、Medical Language Extraction and Encoding System(MEDLEE)を含む。これは、放射線医学報告内のテキストの所見を抽出し、それらを以下に更に詳細に記載されるように処理されうるデータ・フォーマットに符号化する。
【0023】
テンプレート・データベース230は、汎用報告特徴の所定のテンプレートのセットを格納する。テンプレート生成器275は、所定のテンプレートのセットを以前に生成された放射線医学報告から抽出された報告の特徴及び画像内の特徴に基づき生成するために、任意的に設けられる。例えば、目眩のために脳スキャンについて以前に生成された放射線医学報告は、通常、脳の5つの場所を識別する。この情報は、目眩のための脳スキャンの所定のテンプレートに格納されうる。テンプレート・データベース230内のテンプレートは、報告が生成されたときの所見で更新されてもよい。
【0024】
画像プロセッサ220は、(報告を生成するために使用される画像を有する)画像データベース210内の画像を処理し、それらを示す情報又はデータを生成する。画像は、任意的に、テンプレート・データベース230内の所定のテンプレートに基づきセグメント化される。画像プロセッサ220により生成された情報又はデータは、画像データ及び/又は画像データから生成された画像を有しうる。処理されたデータ及び/又はセグメント化された画像は、データ記憶235に格納される。処理されたデータは、種々のフォーマット、例えば報告を作成するために用いられるソフトウェアのネイティブ・フォーマットのフォーマットで格納されてもよい。
【0025】
ロジック262を有するコンピュータ・システム260は、解析された放射線医学報告内の所見、テンプレート・データベース230内の所定のテンプレートのセット内の特徴及び/又はデータ記憶235内の処理されたデータを適合させる。一例では、適合手段は、不一致があるかどうか決定するために、解析された放射線医学報告内の所見をテンプレート・データベース230内の所定のテンプレートのセット内の関連する特徴及び/又はデータ記憶230内の処理されたデータと比較する。ロジック262は、ルール・データベース270からのルールを用いて不一致があるか否かを決定する第1のロジックを有する。
【0026】
ロジック262は、ルール・データベース270からの複数のルールを用いる第2のロジックも有する。この複数のルールは、解析された放射線医学報告内の所見がテンプレート・データベース230に格納された所定のテンプレートのセット内の関連する特徴及び/又はデータ記憶230内の処理されたデータと適合する又は適合しないという結果に従って推奨される処置を決定する指針を含む。
【0027】
例えば、ルール・データベース270は、放射線医学報告内の所見と所定のテンプレートのセット内の一般化された報告の特徴との間に不一致が見付からない場合に、コンピュータ・システム260の通知コンポーネント264は放射線科医に不一致が存在しないことを示す通知を送信するというルールを有してもよい。ルール・データベース270内の別のルールは、通知コンポーネント264に、放射線科医に通知を送信させて、放射線医学報告内の関連する所見と処理されたデータとの間に不一致が存在しないことを示してもよい。通知は、警告、通常若しくは緊急の優先度を有するe-mail、普通の郵便物又は他の通知手段であってもよい。
【0028】
ルール・データベース270内の別のルールは、通知コンポーネント264に、放射線科医に通知を送信させて、放射線医学報告内の所見と処理されたデータとの間に不一致が存在することを示してもよい。例えば、目眩についての脳スキャンの放射線医学報告内の所見は、脳に4つのスポットがあることであってもよい。画像の処理されたデータは、脳に5つのスポットがあることを示してもよい。放射線科医は、不一致を検証し、放射線医学報告を増強し、不一致に気付き、更なる検査を命じ、及び/又は別の放射線科医若しくは専門医が画像を再検討することを要求してもよい。或いは、ロジック262は、自動的に放射線医学報告を処理されたデータで増強してもよく、通知コンポーネント264は通知を放射線科医に送信して、報告が増強されたことを示すだろう。
【0029】
ルール・データベース270内の別のルールは、ロジック262に、処理されたデータと放射線医学報告内で報告されていない所見との間の不一致を調整するように指示してもよい。例えば、処理されたデータは、相互に関連のある画像が脳に5つのスポットが現れていることを示すが、放射線医学報告内ではスポットについて言及されていなくてもよい。ルールに従って、ロジック262は、所定のテンプレートのセット内の目眩の脳スキャンについての標準的な所見の履歴に基づき、脳の5つのスポットが目眩を示すことを調整するよう試みてもよい。通知コンポーネント264は、通知を放射線科医に送信し、不一致を示すだろう。放射線科医は、不一致を検証し、放射線医学報告を増強し、その報告を拒否し、更なる検査を命じ、又は別の放射線科医若しくは専門医が画像を再検討することを要求するだろう。或いは、ロジック262は、自動的に放射線医学報告を、脳に5つのスポットがあるという処理されたデータで増強してもよく、通知を放射線科医に送信して、報告が増強されたことを示してもよい。
【0030】
前述の別の例として、神経放射線報告の中でよくある特徴は、画像内に「正中線偏位」が存在するか否かである。正中線偏位は、多くの場合、致命的でありうる高い頭蓋内圧と関連付けられる。放射線科医は、神経放射線報告の中で、「正中線構造の偏位が見られない、又は陽性の塊の他の徴候が見られない」ことに気付くだろう。この特徴が画像プロセッサ220により決定された実際の画像内に存在し、放射線科医が放射線医学報告中で気付かない場合、ロジック・コンポーネント262は、ルール・データベース270からのルールを用いて不一致を識別し、その不一致に基づきルール・データベース270内のルールに従って動作を実行するだろう。
【0031】
以上にルール・データベース270内の異なるルールの幾つかの例が記載されたが、これらは単なる例であり、種々の他のルールも考えられることが当業者に理解されるだろう。
【0032】
報告は放射線学の文脈で上述されたが、他の部門からの他の報告も考えられる。
【0033】
図3を参照し、例示的な報告増強器160が、以下の例示的な構成要素及び構成要素間の相互作用と共に説明される。
【0034】
放射線医学報告解析器(分析器)340は、報告レポジトリ150からの放射線医学報告を解析して、医学的所見を抽出するか又は得る。医学的所見は、報告データベース330にXML又は他の形式で格納される。放射線医学報告解析器340は、関連する所見を放射線医学報告から抽出する自然言語処理(NLP)エンジン又はモジュールを有してもよい。NLPエンジン又はモジュールは、例えばMEDLEE(Medical Language Extraction and Encoding System)モジュールであり、放射線医学報告内のテキストの所見を抽出し、それらを以下に詳細に記載されるように処理されうるデータ・フォーマットにエンコードする。SNOMED CT(Systematized Nomenclature of Medicine-Clinical Terms)及びRADLEXのようなオントロジは、生体構造のような放射線医学報告内の用語を識別するために用いられる。
【0035】
非放射線医学報告レポジトリ370は、例えばこの例示的な説明の病理学報告のような非放射線医学報告を格納する。
【0036】
非放射線医学報告解析器(分析器)372は、病理学報告を解析し、医学的所見を抽出するか又は得る。これらの医学的所見は報告データベース330に格納される。抽出された所見は、非放射線医学報告レポジトリ370に格納された病理学報告と同一の又は異なるフォーマットで格納されてもよい。適切なフォーマットの一例は、XMLフォーマットである。
【0037】
放射線医学報告解析器372は、自然言語処理(NLP)エンジン又はモジュールを有してもよい。NLPエンジン又はモジュールは、例えばMEDLEE(Medical Language Extraction and Encoding System)モジュールであり、病理学報告内のテキストの所見を抽出し、それらを以下に詳細に記載されるように処理されうるデータ・フォーマットにエンコードする。SNOMED CT(Systematized Nomenclature of Medicine-Clinical Terms)及びRADLEXのようなオントロジは、生体構造のような放射線医学報告内の用語を識別するために用いられる。病理学では、SNOMEDとGene Ontologyのような他のオントロジとの組合せが、HER−2/Neu受容体のような受容体を識別するために必要であってもよい。
【0038】
コンピュータ・システム360は、報告データベース330に格納された解析済みの放射線医学報告が特定の医学的所見に関して決定的でないとき、及び利用可能な病理学データに関連する病理学報告が存在するときを決定するロジック362を有する。ロジック362は、放射線医学報告が以前に更新されているか否かも決定し、更新されている場合には、放射線医学報告が最近の病理学報告で更新されることを保証する。
【0039】
放射線医学報告が以前に病理学データで更新されていない場合、ロジック362は、ルール知識ベース型データベース365からのルールを用いて、放射線医学報告内の所見を病理学報告内の病理学データと整合させる。ルール知識ベース型データベース365は、病理学データを有する放射線医学報告内の所見を病理学報告にマッピングするガイドラインを含む複数のルールを有してもよい。
【0040】
例えば、ロジック362は、放射線医学報告内の所見が乳房組織の癌に関して決定的でないか否かを決定し及び放射線報告が病理学データで増強される必要があるというルールを実行してもよい。特に、ルールは、ロジック362を呼び出し、放射線医学報告が、通常、乳房組織の癌に存在するHER−2/Neu受容体に関して決定的でないかどうかを決定してもよい。ヒト上皮増殖因子受容体2は、乳癌において高い悪性度を与える蛋白質である。乳癌の組織検査についての病理学報告は、「HER−2/Neu受容体の如何なる発現も見られない」という蛋白質についての否定的な結果を示す表現を含み得る。或いは、病理学報告は、「HER−2/Neuの発現が見られる」という、肯定的な結果を示す表現を含み得る。
【0041】
コンピュータ・システム360は、ロジック362の出力を放射線医学報告のフォーマットに構造化する通知コンポーネント364を有してもよい。例えば、ロジック362により決定された否定的な結果を有するHER−2/Neu受容体は、放射線医学報告のフォーマットで適切な言葉を有する放射線医学報告に構造化される[「病理学的所見は’HER2/Neu’を示す」][否定的]。ロジック362は、通知コンポーネント364が、放射線医学報告が増強されていることを示す通知を放射線科医に送るようにするルールを実行してもよい。通知は、警告、通常又は緊急の優先度を有する電子メール、普通の郵便物又は他の通知手段であってもよい。或いは、ロジック362は、通知コンポーネント364を呼び出し、通知を放射線科医に送るルールを実行する。この通知は、放射線科医が放射線医学報告及び病理学報告からの病理学データを検証し、それを拒否し、又は別の放射線科医若しくは専門医に更なる分析のために問題を回付すべきであることを示す。
【0042】
ロジック362は、放射線医学報告内の所見がルール知識ベース型データベース365に格納された治療計画内の所見と整合しているか否かを決定するルールを実行し、治療計画が効果的か否かを評価してもよい。例えば、放射線医学報告が、HER−2/Neu受容体が組織検体に存在することを示す場合、ロジック362は、腫瘍の大きさが治療計画に従って減少しているか否かを評価してもよい。通知コンポーネント364は、ロジック362の出力を放射線医学報告のフォーマットに構造化してもよく、放射線医学報告をこの追加データで増強してもよい。ロジック362は、通知コンポーネント364を呼び出し通知を放射線科医に送るルールを実行してもよい。この通知は、放射線医学報告がこの情報で増強されていることを示す。
【0043】
代替の実施形態では、ロジック362は、通知コンポーネント364を呼び出し通知を放射線科医に送るルールを実行する。この通知は、放射線科医が増強された病理学及び治療データを有する放射線医学報告を検証し、それを拒否し、又は別の放射線科医若しくは専門医に更なる分析のために問題を回付すべきであることを示す。
【0044】
ロジック362は、次に、決定的でない所見を有する次の解析済み放射線医学報告を処理してもよい。
【0045】
説明された実施形態では、報告増強器160は、クエリ・エンジン325を有する。クエリ・エンジン325は、臨床医学者、放射線科医又は専門医が、病理学データ、診断用データ又は治療データが1又は複数の放射線医学報告で利用可能か否か、及び放射線医学報告がこの情報で増強されているか否かを問い合わせることができるようにする。クエリ・エンジン325は、報告データベース330とグローバル・コンピュータ・ネットワークを介して通信するウェブ・ベース・アプリケーション又は報告データベース330とコンピュータ・ローカル・エリア・ネットワーク若しくは他のコンピュータ・ネットワークを介して通信するコンソール・ベースのアプリケーションであってもよい。
【0046】
図4を参照すると、例示的な方法400が示される。動作の順序は限定的でないことが理解されるべきである。したがって、1又は複数の動作は、異なる順序で生じてもよく、1又は複数の動作が同時に生じることも含む。さらに、1又は複数の動作は省略されてもよく、及び/又は1又は複数の他の動作が追加されてもよい。
【0047】
段階410で、1又は複数の電子放射線医学報告が生成される。
【0048】
段階420で、放射線医学報告は、報告から所見を抽出するために解析される。
【0049】
段階430で、抽出された情報は報告レポジトリに格納される。
【0050】
段階450で、放射線医学報告から抽出された情報と所定のテンプレートのセット中の一般化された報告特徴との間に不一致が存在するか否かが決定される。
【0051】
不一致が存在しない場合、段階480で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線医学報告から抽出された情報と所定のテンプレートのセット中の全ての特徴との間に如何なる不一致も存在しないことを示す。
【0052】
不一致が存在する場合、段階490で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線科医が、放射線医学報告から抽出された情報と所定のテンプレートのセット中の特徴との間の不一致を検証し及び/又は報告を増強すべきであることを示す。
【0053】
段階460で、放射線医学報告から抽出された情報とテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータとの間に不一致が存在するか否かが決定される。
【0054】
不一致が存在しない場合、段階480で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線医学報告から抽出された所見と所定のテンプレートのセット中の特徴との間に如何なる不一致も存在しないことを示す。
【0055】
不一致が存在する場合、段階490で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線科医が、放射線医学報告から抽出された情報と所定のテンプレートのセット中の特徴との間の不一致を検証し及び/又は報告を増強すべきであることを示す。
【0056】
段階470で、処理済みのデータと所定のテンプレートのセット中の報告特徴との間に不一致が存在するか否かが決定される。
【0057】
不一致が存在しない場合、段階480で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、処理済みのデータと所定のテンプレートのセット中の特徴との間に如何なる不一致も存在しないことを示す。
【0058】
不一致が存在する場合、段階490で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線科医が、処理済みのデータと所定のテンプレートのセット中の特徴との間の不一致を検証し及び/又は報告を増強すべきであることを示す。
【0059】
図5は、例示的な方法500を示す。動作の順序は限定的でないことが理解されるべきである。したがって、1又は複数の動作は、異なる順序で生じてもよく、1又は複数の動作が同時に生じることも含む。さらに、1又は複数の動作は省略されてもよく、及び/又は1又は複数の他の動作が追加されてもよい。
【0060】
段階510で、電子放射線医学報告が、患者の病状の診断に関して利用可能か否かが決定される。
【0061】
放射線医学報告が利用可能な場合、段階520で、放射線医学報告は、関連する所見を抽出するために解析される。
【0062】
段階530で、放射線医学報告中の診断が決定的でないと決定される。
【0063】
段階540で、病理学報告のような別の電子非放射線医学報告が、放射線医学報告に関連する情報を有し、利用可能か否かが決定される。
【0064】
病理学報告が利用可能な場合、段階550で、病理学報告は、関連する情報を抽出するために解析される。
【0065】
段階560で、放射線医学報告は、病理学報告からの関連情報で増強される。
【0066】
段階570で、通知が放射線科医に送られる。この通知は、放射線医学報告が、病理学報告からの関連情報で増強されていることを示す。次に段階510に戻る。
【0067】
代替の実施形態では、動作560及び570は省略され、放射線科医は病理学報告からの関連情報を検証し及び/又は放射線医学報告を増強すべきであることを示す通知が放射線科医に送られる。
【0068】
以上の事項は、コンピュータのプロセッサにより実行されると該プロセッサに上述の動作を実行させるコンピュータ可読命令として実施されてもよい。このような場合には、命令は、ワークステーション、家庭向けコンピュータ、分散型コンピュータ・システム及び/又は他のコンピュータのような関連するコンピュータに関連付けられた又はそれが利用可能なコンピュータ可読記憶媒体に格納される。上述の動作はデータ取得と同時に実行される必要はない。
【0069】
留意すべき点は、用語「有する(comprising)」は他の要素又は段階を排除しないこと、及び単数を表す語(a、an)は複数を排除しないことである。また、異なる実施形態と関連して記載された要素が結合されてもよい。留意すべき点は、請求項中の参照符号が特許請求の範囲を制限するものと考えられるべきではないことである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の画像所見を検証するよう構成された検証器であって、該画像所見は画像装置により生成された解剖学的構造の画像に基づき生成される、検証器;
医学的所見を含む第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強するよう構成された増強器;
を有する医療情報システム。
【請求項2】
前記検証器は:
所定の所見のセットを前記第1の報告から得るよう構成された第1の報告分析器;
前記所定のテンプレートのセットに基づき画像を処理する画像プロセッサであって、該画像は前記第1の報告を生成するために用いられた画像である、画像プロセッサ;
前記第1の報告及び前記処理済みのデータを1又は複数のルールに基づき処理するよう構成されたロジック;
を更に有する、請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項3】
前記第1の報告及び前記処理済みのデータを1又は複数の前記ルールに従って処理した結果を示す通知を送る通知コンポーネント、
を更に有する請求項2に記載の医療情報システム。
【請求項4】
前記通知は、前記第1の報告の中の所見と前記所定のテンプレートのセットとの間に不一致がないことを示す、請求項3に記載の医療情報システム。
【請求項5】
前記通知は、前記第1の報告の中の所見が前記処理済みのデータと整合することを示す、請求項3に記載の医療情報システム。
【請求項6】
前記通知は、前記第1の報告の中の所見と前記処理済みのデータとの間に不一致があることを示す、請求項3に記載の医療情報システム。
【請求項7】
前記ロジックは、前記第1の報告の中になく前記処理済みのデータにある所見の間の不一致を調整する、請求項3、4又は6のいずれか一項に記載の医療情報システム。
【請求項8】
前記第1の報告は、前記画像から決定された医学的所見を有する放射線医学報告である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の医療情報システム。
【請求項9】
前記増強器は:
前記第2の報告から所定の所見のセットを得る第2の報告分析器;
前記第1の報告及び前記第2の報告を1又は複数の前記ルールに従って処理するロジック;
を更に有する、請求項1に記載の医療情報システム。
【請求項10】
前記第1の報告及び前記第2の報告を1又は複数の前記ルールに従って処理した結果を示す通知を送る通知コンポーネント、
を更に有する請求項9に記載の医療情報システム。
【請求項11】
前記ロジックは、ルールに基づき、前記第1の報告の中の所見が決定的でないか否か及び前記第1の報告に関連する情報を有する第2の報告があるか否かを決定し、前記第1の報告を前記情報で増強する、請求項9に記載の医療情報システム。
【請求項12】
前記ロジックは、ルールに基づき、該治療計画が効果的か否かを評価するために、前記第1の報告の中の所見がルール知識ベースの記憶媒体に格納された治療計画の中の所見と整合するか否かを決定し、
前記通知コンポーネントは、前記第1の報告が治療情報で更新されているという通知を送る、
請求項10に記載の医療情報システム。
【請求項13】
前記第2の報告は、医学的所見を有する病理学報告である、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の医療情報システム。
【請求項14】
コンピュータにより実行可能な命令を格納されたコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサにより実行されると方法を実行し、該方法は:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の画像所見を検証する段階;
医学的所見を含む生成された第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強する段階;
を有する、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1の報告は放射線医学報告である、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記第2の報告は病理学報告である、請求項14乃至15のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
医療情報システムであって:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の、画像装置により生成された解剖学的構造の画像に基づく画像所見を検証するよう構成された検証器;
を有する医療情報システム。
【請求項18】
前記第1の報告を、医学的所見を含む第2の報告からの情報で増強するよう構成された増強器;
を更に有する請求項17に記載の医療情報システム。
【請求項19】
医療情報システムであって:
画像装置により生成された解剖学的構造の画像に基づく画像所見を含む第1の報告を、医学的所見を含む第2の報告からの情報で増強するよう構成された増強器;
を有する医療情報システム。
【請求項20】
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告に含まれる画像所見を検証するよう構成された検証器;
を更に有する請求項19に記載の医療情報システム。
【請求項21】
コンピュータにより実行可能な命令を格納されたコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサにより実行されると方法を実行し、該方法は:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の所見を検証する段階;
を有する、コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記方法は:
前記第1の報告を、医学的所見を有する生成された第2の報告からの情報で増強する段階;
を更に有する、請求項21に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
コンピュータにより実行可能な命令を格納されたコンピュータ可読媒体であって、該命令は、プロセッサにより実行されると方法を実行し、該方法は:
第1の報告を医学的所見を有する生成された第2の報告からの情報で増強する段階;
を有する、コンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記方法は:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する前記第1の報告の中の所見を検証する段階;
を更に有する、請求項23に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
方法であって:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の所見を検証する段階;
医学的所見を有する生成された第2の報告からの情報で前記第1の報告を増強する段階;
を有する方法。
【請求項26】
方法であって:
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する第1の報告の中の所見を検証する段階;
を有する方法。
【請求項27】
前記第1の報告を、医学的所見を有する生成された第2の報告からの情報で増強する段階;
を更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項28】
方法であって:
第1の報告を、医学的所見を有する生成された第2の報告からの情報で増強する段階;
を有する方法。
【請求項29】
所定のテンプレートのセット又は該所定のテンプレートのセットに基づき生成された処理済みのデータのうちの少なくとも1つを有する前記第1の報告の中の所見を検証する段階;
を更に有する請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506182(P2013−506182A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530373(P2012−530373)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053757
【国際公開番号】WO2011/036585
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】