塗型材塗布装置及び塗型材塗布方法
【課題】噴射部材に塗型材を導く導入部材の撓みを防止することにより、金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる塗型材塗布装置及び塗型材塗装方法を提供する。
【解決手段】塗型材塗布装置10は、塗型材Tが収容される塗布装置本体16と、塗布装置本体から一方向に延びて塗型材が導かれる導入部材18と、導入部材の先端に設けられて導入部材から導かれた塗型材を回転する円筒状の金型12の内面に噴射する噴射部材22と、導入部材に設けられた支持機構24とを有し、金型の内面に塗型材を塗布する際に、導入部材は、金型の内面に接触した状態で導入部材を支持する。
【解決手段】塗型材塗布装置10は、塗型材Tが収容される塗布装置本体16と、塗布装置本体から一方向に延びて塗型材が導かれる導入部材18と、導入部材の先端に設けられて導入部材から導かれた塗型材を回転する円筒状の金型12の内面に噴射する噴射部材22と、導入部材に設けられた支持機構24とを有し、金型の内面に塗型材を塗布する際に、導入部材は、金型の内面に接触した状態で導入部材を支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置及び塗型材塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一方向に延びた導入部材の先端に噴射部材を設け、前記導入部材から前記噴射部材に導かれた塗型材を回転する円筒状の遠心鋳造金型(以下、単に金型と称する。)の内面に向けて噴射する塗型材塗布装置が広汎に知られている。
【0003】
そして、前記構成の塗型材塗布装置では、前記導入部材及び前記噴射部材の自重と前記塗型材の重みとによって該導入部材に撓みが発生し、該噴射部材が前記金型の内面に接触することがある。このような場合、前記金型の内面に前記塗型材を均一に塗布することが困難になる。
【0004】
導入部材の撓み量を抑えた塗型材塗布装置として、ロッド(導入部材)の肉厚をその先端部の近傍で薄く形成するもの(特許文献1参照)や、大径パイプの先端に中径パイプを設け、前記中径パイプの先端に小径パイプを設け、小径パイプの先端に塗型用ノズル(噴射部材)を設けることにより、大径パイプ、中径パイプ、及び小径パイプを含む全体(導入部材)の自重を軽くしたもの(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−141881号公報
【特許文献2】特開2005−144507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び2の装置は、導入部材の長さを長くすることを目的としたものではない。そのため、塗型材の塗布の効率を向上させるために、導入部材の長さ(金型の長さ)を長くした場合には、噴射部材が金型の内面に接触することがある。なお、金型の内径を小さくした場合にも、噴射部材が前記金型の内面に接触することがある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、噴射部材に塗型材を導く導入部材の撓みを防止することにより、金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる塗型材塗布装置及び塗型材塗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 本発明に係る塗型材塗布装置は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置であって、一方向に延びて前記塗型材が導かれる導入部材と、前記導入部材の先端に設けられ、且つ前記導入部材から導かれた該塗型材を前記金型の内面に向かって噴射する噴射部材と、前記金型の内面に接触した状態で前記導入部材を支持する支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、導入部材及び噴射部材の自重と塗型材の重み(以下、塗型等重量と称する。)を支持手段にて支持することができる。これにより、前記導入部材が前記塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。よって、支持手段を設けない場合と比較して、該導入部材の長さを長くすることができるので、前記金型の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。また、該構成によれば、前記導入部材の撓みが好適に防止されるので、前記金型の内径を小さく設定することも可能となる。
【0010】
[2] 本発明において、前記支持手段は、前記噴射部材に近接配置されていることを特徴とする。これにより、導入部材の長さによらず金型の内面と噴射部材との鉛直方向の間隔を略一定にすることができる。よって、前記金型の内面に塗型材を容易に均一に塗布することができる。
【0011】
[3] 本発明において、前記導入部材は、円筒状に形成されており、前記支持手段は、前記金型の内面に接触するリング状の接触部を有し、前記接触部は、前記導入部材に対して回転可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、金型の回転時に、導入部材が接触部と一緒に回転することを防止することができる。よって、金型の回転力で該導入部材が捩れることを好適に抑えることができる。
【0013】
[4] 本発明において、前記接触部は、該接触部の半径方向に弾性変形可能に形成され、前記接触部の外径は、前記金型の内径よりも大きく設定され、前記支持手段は、前記接触部を該接触部の半径方向内側に弾性変形させた状態で前記金型内に配置されることを特徴とする。
【0014】
これにより、支持手段を金型内に配置した際に、接触部は、該接触部の半径方向内側に弾性変形した状態で金型の内面に接触する。そのため、導入部材は、前記接触部から前記金型の半径方向内側に向かう押圧力(弾発力)を受けることとなる。よって、前記押圧力にて前記導入部材の軸線を前記金型の回転軸線上に保持することができる。従って、金型を回転させた際に、導入部材の軸線と前記金型の回転軸線とがずれて該導入部材が振動することを好適に抑えることができる。
【0015】
[5] 本発明において、前記接触部は、該接触部の半径方向に延びた複数の金属線をリング状に配置することにより形成されていることを特徴とする。これにより、支持手段を金型内に配置した際に、接触部が受ける塗型等重量の荷重方向と金属線の延在方向とが略一致するので、該塗型重量を前記接触部にて効率的に受けることができる。
【0016】
[6] 本発明に係る塗型材塗布方法は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布方法であって、一方向に延びた導入部材から該導入部材の先端に設けられた噴射部材に導かれた前記塗型材を前記金型の内面に噴射する際に、前記金型の内面に接触する支持手段にて前記導入部材を支持することを特徴とする。
【0017】
このような方法によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、塗型等重量を支持手段にて支持することができるので、前記金型及び導入部材の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、塗型等重量を支持手段にて支持することができるので、前記導入部材が前記塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。よって、前記金型及び前記導入部材の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る塗型材塗布装置の側面図である。
【図2】導入部材の先端部周辺及び噴射部の拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】本実施形態に係る塗型材塗布方法を用いたスリーブの製造方法を示したフローチャートである。
【図5】金型の清掃・冷却工程を示す断面説明図である。
【図6】前記フローチャートのステップS3を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図7】図7Aは金型内に噴射部材、支持機構、及び導入部材を挿入する前の状態を示した断面説明図であり、図7Bは金型内に噴射部材、支持機構、及び導入部材を挿入した状態を示した断面説明図である。
【図8】金型の内面に塗型材を塗布している状態を示す断面説明図である。
【図9】金型内に溶湯を注湯している状態を示す断面説明図である。
【図10】鋳物を引き抜いている状態を示す断面説明図である。
【図11】本発明に係る塗型材塗布装置の変形例を示す導入部材及び支持機構の断面図において、図11Aは接触部を金型内に挿入する前の状態を示した断面図であり、図11Bは接触部を金型内に挿入した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る塗型材塗布装置及び塗型材塗布方法について好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、塗型材塗布装置10は、回転する遠心鋳造金型(金型)12の内面に塗型材T(図8参照)を塗布するための装置であり、一方向(X方向)に延びたレール14上を移動する塗布装置本体16と、塗布装置本体16に接続されてX方向に延びた円筒状の導入部材18と、金型12の外側で導入部材18をX方向に移動可能に支持する支持台20と、導入部材18の先端に設けられた噴射部材22と、導入部材18に設けられた支持手段としての支持機構24と、制御部26とを備えている。
【0022】
図1に示すように、塗布装置本体16は、塗型材Tが収容される収容部28と、収容部28に収容されている塗型材Tを導入部材18に供給するための供給部30と、レール14に係合する車輪32、32とを有している。なお、供給部30としては、例えば、塗型材Tを圧送する圧送ポンプが用いられる。
【0023】
支持台20は、工場等の床面に設けられた基部34と、基部34に対して軸支されて導入部材18に接触する接触ローラ36とを有している。なお、図1では、支持台20を1つのみ示しているが、支持台20をX方向に複数配置してもよい。
【0024】
図2に示すように、導入部材18の先端よりもやや後方には、導入部材18の半径方向外側に張り出した鍔部38が設けられている。なお、導入部材18の長さは、任意に設定することができる。
【0025】
噴射部材22は、導入部材18から導かれた塗型材Tを金型12の内面に向けて噴射するための噴射ノズル40と、噴射ノズル40に接続されて導入部材18の先端にねじ込まれるボルト部42とを有している。
【0026】
噴射ノズル40は、噴射口40aが鉛直下方に向くように設定されている。また、ボルト部42の内部には、塗型材Tが流通可能な貫通孔44が形成されている。
【0027】
図1〜図3に示すように、支持機構24は、導入部材18のうち鍔部38よりも先端に位置する部位の外周に設けられた軸受部46と、ボルト部42に螺合した状態で軸受部46を鍔部38との間で挟持するナット部48、48と、軸受部46の外周に設けられたリング状の接触部50とを有している。
【0028】
軸受部46としては、例えば、転がり軸受が用いられる。接触部50は、導入部材18の半径方向に延びた複数の金属線52が導入部材18の周方向に配置されることにより形成されている。これにより、接触部50は、その半径方向に弾性変形可能となる。
【0029】
図7A及び図7Bに示すように、接触部50の外径L1は、金型12の内径L0よりも所定距離(L1−L0)だけ大きく設定されている。前記所定距離は、接触部50の半径方向の弾性変形範囲内に定められ、例えば、0.3[mm]〜0.7[mm]程度に設定するとよい。これにより、接触部50をその半径方向に弾性変形させた状態で支持機構24を金型12内に配置することが可能となる。
【0030】
金属線52の材質や形状は、金型12の種類等によって適宜選定される。例えば、金属線52は、鋼で構成すると共に、線径を0.1[mm]〜0.5[mm]の範囲に設定し、長さを7[mm]〜9[mm]の範囲に設定することができる。
【0031】
図1に示すように、制御部26は、図示しない回転用モータ等を制御することにより、車輪32、32を回転させて塗布装置本体16をX方向に移動すると共に、供給部30を制御することにより、噴射ノズル40から噴射される塗型材Tの量を調節する。
【0032】
次に、本実施形態に係る塗型材塗布方法について、シリンダブロックに設けられるスリーブの製造工程を例に、図4〜図10を参照しながら説明する。
【0033】
先ず、図5に示すように、金型12を回転ローラ54、54の上で回転させながら、ロッド56の先端に設けられたブラシ58にて金型12の内面を清掃する(図4のステップS1)。また、冷却機構60にて金型12の外面に冷媒を吹き付けることにより金型12を所定温度に冷却する(ステップS2)。
【0034】
続いて、金型12の内面に塗型材Tを塗布する(ステップS3)。具体的には、図6のステップS21〜ステップS28の処理を行う。つまり、回転ローラ54、54を回転することにより金型12を回転する(ステップS21)。そして、制御部26は、前記回転用モータを制御して、車輪32、32を回転させて塗布装置本体16を金型12側に移動する(図6のステップS22)。これにより、噴射部材22、支持機構24、及び導入部材18が金型12内に挿入される。
【0035】
このとき、図7A及び図7Bに示すように、接触部50の外径L1が金型12の内径L0よりも所定距離(L1−L0)だけ大きく形成されているので、接触部50(金属線52)は、導入部材18の半径方向内側に弾性変形された状態で金型12の内面に接触する。そのため、導入部材18は、接触部50から金型12の半径方向内側に向かう押圧力を受けることとなる。よって、図7Bに示すように、導入部材18は、その軸線Aが金型12の回転軸線B上に位置するように保持される。
【0036】
制御部26は、噴射部材22が所定位置に配置されたときに、塗布装置本体16の移動を停止する(ステップS23)。このとき、上述したように、導入部材18の軸線Aと金型12の回転軸線Bとが略一致しているので、金型12の回転によって導入部材18が振動することを好適に抑えることができる。
【0037】
次に、制御部26は、供給部30を制御して、塗布装置本体16から導入部材18に塗型材Tを供給する(ステップS24)。そうすると、図8に示すように、導入部材18に導かれる塗型材Tがボルト部42を介して噴射ノズル40に導かれ噴射口40aから金型12の内面に向かって噴射される。これにより、塗型材Tが金型12の内面に周方向に均一に塗布される。
【0038】
このとき、噴射部材22及び導入部材18の自重と塗型材Tの重み(塗型等重量)は、導入部材18の鉛直下方に位置する金属線52で支持されている。つまり、接触部50が受ける塗型等重量の荷重方向と金属線52の延在方向とが略一致するので、塗型等重量を複数の金属線52で効率的に受けることができる。よって、導入部材18が塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。従って、噴射ノズル40が金型12の内面に接触することを確実に防止することができる。
【0039】
また、金型12が回転すると、接触部50も金型12と一緒に回転することとなるが、接触部50は、導入部材18に対して軸受部46を介して回転可能に設けられているので、金型12の回転力で導入部材18が捩れることを好適に抑えることができる。
【0040】
なお、図8から諒解されるように、金型12のうち導入部材18が位置していない側(図8の左側)の端部(金型12の一方の端部)には、塗型材Tが金型12の外部に流れ出ることを防止するための環状のエンドキャップ62aが装着されている。
【0041】
また、制御部26は、塗布装置本体16を金型12から離間する方向に移動する(図6のステップS25)。これにより、塗型材Tが金型12の内面にその長さ方向に均一に塗布される。このとき、接触部50は、金型12の内面との摩擦によって噴射ノズル40に向かう方向の力が作用するが、接触部50が固定されている軸受部46の噴射ノズル40側への移動をナット部48、48にて阻止しているので、導入部材18と支持機構24との相対位置がずれることはない。
【0042】
なお、金型12の他方の端部の内面に塗型材Tを塗布する際に、接触部50が金型12から離脱するが、導入部材18は上述した支持台20によって支持されるため、金型12の他方の端部の内面に対しても塗型材Tを好適に塗布することができる。
【0043】
そして、制御部26は、供給部30を制御して、塗型材Tの導入部材18への供給を停止することにより、噴射ノズル40からの塗型材Tの噴射を停止する(ステップS26)。続いて、噴射ノズル40が金型12の外側に移動した後に、制御部26は、塗布装置本体16の移動を停止する(ステップS27)。このとき、金型12の他方の端部に環状のエンドキャップ62b(図9参照)を装着する(ステップS28)。これにより、金型12の他方の端部から塗型材Tが流れ出ることを抑えることができる。
【0044】
その後、図9に示すように、エンドキャップ62aの開口部63から、金型12内に溶湯Mを注湯する(図4のステップS4)。これにより、金型12の内面に塗布された塗型材Tの上に溶湯Mが積層されることとなる。なお、溶湯Mとしては、例えば、鉄溶湯が用いられる。
【0045】
次に、図10に示すように、金型12内の溶湯Mが固化した後に、エンドキャップ62bを取り外し(ステップS5)、引抜装置64にて鋳物66を金型12の外側に引き抜く(ステップS6)。その後、鋳物66を所定の形状に加工することによりスリーブが製造される(ステップS7)。この段階で、スリーブの製造方法の手順を終了する。
【0046】
本実施形態では、塗型等重量を接触部50(複数の金属線52)で支持することにより、導入部材18の撓みを防止しているので、支持機構24を設けない場合と比較して導入部材18の長さを長く設定することができる。これにより、金型12の長さを長くして効率的に塗型材Tの塗布を行うことができる。
【0047】
また、支持機構24を噴射部材22に近接配置しているので、導入部材18の長さによらず金型12の内面と噴射部材22との鉛直方向の間隔L2(図7B参照)を略一定にすることができる。これにより、金型12の内面に塗型材Tを容易に均一に塗布することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、導入部材18の撓みが防止されるので、金型12の内径を小さく設定することも可能となる。
【0049】
(変形例)
次に、本発明に係る塗型材塗布装置の変形例について図11A及び図11Bを参照しながら説明する。なお、図11Aは図3に対応している。
【0050】
この変形例では、図11Aに示すように、接触部68の構造が上述した実施形態と異なっている。具体的には、接触部68は、軸受部46の外面に固定された複数(図11A及び図11Bでは4つ)の弾性部材70、70、70、70と、弾性部材70、70、70、70の先端に設けられて金型12の内面に接触する接触プレート72、72、72、72とを有している。
【0051】
弾性部材70としては、例えば、圧縮コイルばねが用いられる。接触プレート72、72、72、72は、正面視で円弧状に形成され、図11Bに示すように、弾性部材70、70、70、70を所定量圧縮(弾性変形)させることにより、隣り合う接触プレート72、72同士が接触して円形状となる。本変形例によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0052】
本発明は上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
【0053】
支持機構は、導入部材に対して複数設けてもよい。そうすることにより、導入部材の撓みを一層確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…塗型材塗布装置 12…遠心鋳造金型
16…塗装装置本体 18…導入部材
20…支持台 22…噴射部材
24…支持機構 26…制御部
40…噴射ノズル 42…ボルト部
46…軸受部 48…ナット部
50、68…接触部 52…金属線
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置及び塗型材塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一方向に延びた導入部材の先端に噴射部材を設け、前記導入部材から前記噴射部材に導かれた塗型材を回転する円筒状の遠心鋳造金型(以下、単に金型と称する。)の内面に向けて噴射する塗型材塗布装置が広汎に知られている。
【0003】
そして、前記構成の塗型材塗布装置では、前記導入部材及び前記噴射部材の自重と前記塗型材の重みとによって該導入部材に撓みが発生し、該噴射部材が前記金型の内面に接触することがある。このような場合、前記金型の内面に前記塗型材を均一に塗布することが困難になる。
【0004】
導入部材の撓み量を抑えた塗型材塗布装置として、ロッド(導入部材)の肉厚をその先端部の近傍で薄く形成するもの(特許文献1参照)や、大径パイプの先端に中径パイプを設け、前記中径パイプの先端に小径パイプを設け、小径パイプの先端に塗型用ノズル(噴射部材)を設けることにより、大径パイプ、中径パイプ、及び小径パイプを含む全体(導入部材)の自重を軽くしたもの(特許文献2参照)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−141881号公報
【特許文献2】特開2005−144507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び2の装置は、導入部材の長さを長くすることを目的としたものではない。そのため、塗型材の塗布の効率を向上させるために、導入部材の長さ(金型の長さ)を長くした場合には、噴射部材が金型の内面に接触することがある。なお、金型の内径を小さくした場合にも、噴射部材が前記金型の内面に接触することがある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、噴射部材に塗型材を導く導入部材の撓みを防止することにより、金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる塗型材塗布装置及び塗型材塗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 本発明に係る塗型材塗布装置は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置であって、一方向に延びて前記塗型材が導かれる導入部材と、前記導入部材の先端に設けられ、且つ前記導入部材から導かれた該塗型材を前記金型の内面に向かって噴射する噴射部材と、前記金型の内面に接触した状態で前記導入部材を支持する支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、導入部材及び噴射部材の自重と塗型材の重み(以下、塗型等重量と称する。)を支持手段にて支持することができる。これにより、前記導入部材が前記塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。よって、支持手段を設けない場合と比較して、該導入部材の長さを長くすることができるので、前記金型の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。また、該構成によれば、前記導入部材の撓みが好適に防止されるので、前記金型の内径を小さく設定することも可能となる。
【0010】
[2] 本発明において、前記支持手段は、前記噴射部材に近接配置されていることを特徴とする。これにより、導入部材の長さによらず金型の内面と噴射部材との鉛直方向の間隔を略一定にすることができる。よって、前記金型の内面に塗型材を容易に均一に塗布することができる。
【0011】
[3] 本発明において、前記導入部材は、円筒状に形成されており、前記支持手段は、前記金型の内面に接触するリング状の接触部を有し、前記接触部は、前記導入部材に対して回転可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、金型の回転時に、導入部材が接触部と一緒に回転することを防止することができる。よって、金型の回転力で該導入部材が捩れることを好適に抑えることができる。
【0013】
[4] 本発明において、前記接触部は、該接触部の半径方向に弾性変形可能に形成され、前記接触部の外径は、前記金型の内径よりも大きく設定され、前記支持手段は、前記接触部を該接触部の半径方向内側に弾性変形させた状態で前記金型内に配置されることを特徴とする。
【0014】
これにより、支持手段を金型内に配置した際に、接触部は、該接触部の半径方向内側に弾性変形した状態で金型の内面に接触する。そのため、導入部材は、前記接触部から前記金型の半径方向内側に向かう押圧力(弾発力)を受けることとなる。よって、前記押圧力にて前記導入部材の軸線を前記金型の回転軸線上に保持することができる。従って、金型を回転させた際に、導入部材の軸線と前記金型の回転軸線とがずれて該導入部材が振動することを好適に抑えることができる。
【0015】
[5] 本発明において、前記接触部は、該接触部の半径方向に延びた複数の金属線をリング状に配置することにより形成されていることを特徴とする。これにより、支持手段を金型内に配置した際に、接触部が受ける塗型等重量の荷重方向と金属線の延在方向とが略一致するので、該塗型重量を前記接触部にて効率的に受けることができる。
【0016】
[6] 本発明に係る塗型材塗布方法は、回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布方法であって、一方向に延びた導入部材から該導入部材の先端に設けられた噴射部材に導かれた前記塗型材を前記金型の内面に噴射する際に、前記金型の内面に接触する支持手段にて前記導入部材を支持することを特徴とする。
【0017】
このような方法によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、塗型等重量を支持手段にて支持することができるので、前記金型及び導入部材の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、金型の内面に塗型材を塗布する際に、塗型等重量を支持手段にて支持することができるので、前記導入部材が前記塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。よって、前記金型及び前記導入部材の長さを長くして金型の内面に効率的に塗型材を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る塗型材塗布装置の側面図である。
【図2】導入部材の先端部周辺及び噴射部の拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】本実施形態に係る塗型材塗布方法を用いたスリーブの製造方法を示したフローチャートである。
【図5】金型の清掃・冷却工程を示す断面説明図である。
【図6】前記フローチャートのステップS3を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図7】図7Aは金型内に噴射部材、支持機構、及び導入部材を挿入する前の状態を示した断面説明図であり、図7Bは金型内に噴射部材、支持機構、及び導入部材を挿入した状態を示した断面説明図である。
【図8】金型の内面に塗型材を塗布している状態を示す断面説明図である。
【図9】金型内に溶湯を注湯している状態を示す断面説明図である。
【図10】鋳物を引き抜いている状態を示す断面説明図である。
【図11】本発明に係る塗型材塗布装置の変形例を示す導入部材及び支持機構の断面図において、図11Aは接触部を金型内に挿入する前の状態を示した断面図であり、図11Bは接触部を金型内に挿入した状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る塗型材塗布装置及び塗型材塗布方法について好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、塗型材塗布装置10は、回転する遠心鋳造金型(金型)12の内面に塗型材T(図8参照)を塗布するための装置であり、一方向(X方向)に延びたレール14上を移動する塗布装置本体16と、塗布装置本体16に接続されてX方向に延びた円筒状の導入部材18と、金型12の外側で導入部材18をX方向に移動可能に支持する支持台20と、導入部材18の先端に設けられた噴射部材22と、導入部材18に設けられた支持手段としての支持機構24と、制御部26とを備えている。
【0022】
図1に示すように、塗布装置本体16は、塗型材Tが収容される収容部28と、収容部28に収容されている塗型材Tを導入部材18に供給するための供給部30と、レール14に係合する車輪32、32とを有している。なお、供給部30としては、例えば、塗型材Tを圧送する圧送ポンプが用いられる。
【0023】
支持台20は、工場等の床面に設けられた基部34と、基部34に対して軸支されて導入部材18に接触する接触ローラ36とを有している。なお、図1では、支持台20を1つのみ示しているが、支持台20をX方向に複数配置してもよい。
【0024】
図2に示すように、導入部材18の先端よりもやや後方には、導入部材18の半径方向外側に張り出した鍔部38が設けられている。なお、導入部材18の長さは、任意に設定することができる。
【0025】
噴射部材22は、導入部材18から導かれた塗型材Tを金型12の内面に向けて噴射するための噴射ノズル40と、噴射ノズル40に接続されて導入部材18の先端にねじ込まれるボルト部42とを有している。
【0026】
噴射ノズル40は、噴射口40aが鉛直下方に向くように設定されている。また、ボルト部42の内部には、塗型材Tが流通可能な貫通孔44が形成されている。
【0027】
図1〜図3に示すように、支持機構24は、導入部材18のうち鍔部38よりも先端に位置する部位の外周に設けられた軸受部46と、ボルト部42に螺合した状態で軸受部46を鍔部38との間で挟持するナット部48、48と、軸受部46の外周に設けられたリング状の接触部50とを有している。
【0028】
軸受部46としては、例えば、転がり軸受が用いられる。接触部50は、導入部材18の半径方向に延びた複数の金属線52が導入部材18の周方向に配置されることにより形成されている。これにより、接触部50は、その半径方向に弾性変形可能となる。
【0029】
図7A及び図7Bに示すように、接触部50の外径L1は、金型12の内径L0よりも所定距離(L1−L0)だけ大きく設定されている。前記所定距離は、接触部50の半径方向の弾性変形範囲内に定められ、例えば、0.3[mm]〜0.7[mm]程度に設定するとよい。これにより、接触部50をその半径方向に弾性変形させた状態で支持機構24を金型12内に配置することが可能となる。
【0030】
金属線52の材質や形状は、金型12の種類等によって適宜選定される。例えば、金属線52は、鋼で構成すると共に、線径を0.1[mm]〜0.5[mm]の範囲に設定し、長さを7[mm]〜9[mm]の範囲に設定することができる。
【0031】
図1に示すように、制御部26は、図示しない回転用モータ等を制御することにより、車輪32、32を回転させて塗布装置本体16をX方向に移動すると共に、供給部30を制御することにより、噴射ノズル40から噴射される塗型材Tの量を調節する。
【0032】
次に、本実施形態に係る塗型材塗布方法について、シリンダブロックに設けられるスリーブの製造工程を例に、図4〜図10を参照しながら説明する。
【0033】
先ず、図5に示すように、金型12を回転ローラ54、54の上で回転させながら、ロッド56の先端に設けられたブラシ58にて金型12の内面を清掃する(図4のステップS1)。また、冷却機構60にて金型12の外面に冷媒を吹き付けることにより金型12を所定温度に冷却する(ステップS2)。
【0034】
続いて、金型12の内面に塗型材Tを塗布する(ステップS3)。具体的には、図6のステップS21〜ステップS28の処理を行う。つまり、回転ローラ54、54を回転することにより金型12を回転する(ステップS21)。そして、制御部26は、前記回転用モータを制御して、車輪32、32を回転させて塗布装置本体16を金型12側に移動する(図6のステップS22)。これにより、噴射部材22、支持機構24、及び導入部材18が金型12内に挿入される。
【0035】
このとき、図7A及び図7Bに示すように、接触部50の外径L1が金型12の内径L0よりも所定距離(L1−L0)だけ大きく形成されているので、接触部50(金属線52)は、導入部材18の半径方向内側に弾性変形された状態で金型12の内面に接触する。そのため、導入部材18は、接触部50から金型12の半径方向内側に向かう押圧力を受けることとなる。よって、図7Bに示すように、導入部材18は、その軸線Aが金型12の回転軸線B上に位置するように保持される。
【0036】
制御部26は、噴射部材22が所定位置に配置されたときに、塗布装置本体16の移動を停止する(ステップS23)。このとき、上述したように、導入部材18の軸線Aと金型12の回転軸線Bとが略一致しているので、金型12の回転によって導入部材18が振動することを好適に抑えることができる。
【0037】
次に、制御部26は、供給部30を制御して、塗布装置本体16から導入部材18に塗型材Tを供給する(ステップS24)。そうすると、図8に示すように、導入部材18に導かれる塗型材Tがボルト部42を介して噴射ノズル40に導かれ噴射口40aから金型12の内面に向かって噴射される。これにより、塗型材Tが金型12の内面に周方向に均一に塗布される。
【0038】
このとき、噴射部材22及び導入部材18の自重と塗型材Tの重み(塗型等重量)は、導入部材18の鉛直下方に位置する金属線52で支持されている。つまり、接触部50が受ける塗型等重量の荷重方向と金属線52の延在方向とが略一致するので、塗型等重量を複数の金属線52で効率的に受けることができる。よって、導入部材18が塗型等重量によって撓むことを好適に防止することができる。従って、噴射ノズル40が金型12の内面に接触することを確実に防止することができる。
【0039】
また、金型12が回転すると、接触部50も金型12と一緒に回転することとなるが、接触部50は、導入部材18に対して軸受部46を介して回転可能に設けられているので、金型12の回転力で導入部材18が捩れることを好適に抑えることができる。
【0040】
なお、図8から諒解されるように、金型12のうち導入部材18が位置していない側(図8の左側)の端部(金型12の一方の端部)には、塗型材Tが金型12の外部に流れ出ることを防止するための環状のエンドキャップ62aが装着されている。
【0041】
また、制御部26は、塗布装置本体16を金型12から離間する方向に移動する(図6のステップS25)。これにより、塗型材Tが金型12の内面にその長さ方向に均一に塗布される。このとき、接触部50は、金型12の内面との摩擦によって噴射ノズル40に向かう方向の力が作用するが、接触部50が固定されている軸受部46の噴射ノズル40側への移動をナット部48、48にて阻止しているので、導入部材18と支持機構24との相対位置がずれることはない。
【0042】
なお、金型12の他方の端部の内面に塗型材Tを塗布する際に、接触部50が金型12から離脱するが、導入部材18は上述した支持台20によって支持されるため、金型12の他方の端部の内面に対しても塗型材Tを好適に塗布することができる。
【0043】
そして、制御部26は、供給部30を制御して、塗型材Tの導入部材18への供給を停止することにより、噴射ノズル40からの塗型材Tの噴射を停止する(ステップS26)。続いて、噴射ノズル40が金型12の外側に移動した後に、制御部26は、塗布装置本体16の移動を停止する(ステップS27)。このとき、金型12の他方の端部に環状のエンドキャップ62b(図9参照)を装着する(ステップS28)。これにより、金型12の他方の端部から塗型材Tが流れ出ることを抑えることができる。
【0044】
その後、図9に示すように、エンドキャップ62aの開口部63から、金型12内に溶湯Mを注湯する(図4のステップS4)。これにより、金型12の内面に塗布された塗型材Tの上に溶湯Mが積層されることとなる。なお、溶湯Mとしては、例えば、鉄溶湯が用いられる。
【0045】
次に、図10に示すように、金型12内の溶湯Mが固化した後に、エンドキャップ62bを取り外し(ステップS5)、引抜装置64にて鋳物66を金型12の外側に引き抜く(ステップS6)。その後、鋳物66を所定の形状に加工することによりスリーブが製造される(ステップS7)。この段階で、スリーブの製造方法の手順を終了する。
【0046】
本実施形態では、塗型等重量を接触部50(複数の金属線52)で支持することにより、導入部材18の撓みを防止しているので、支持機構24を設けない場合と比較して導入部材18の長さを長く設定することができる。これにより、金型12の長さを長くして効率的に塗型材Tの塗布を行うことができる。
【0047】
また、支持機構24を噴射部材22に近接配置しているので、導入部材18の長さによらず金型12の内面と噴射部材22との鉛直方向の間隔L2(図7B参照)を略一定にすることができる。これにより、金型12の内面に塗型材Tを容易に均一に塗布することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、導入部材18の撓みが防止されるので、金型12の内径を小さく設定することも可能となる。
【0049】
(変形例)
次に、本発明に係る塗型材塗布装置の変形例について図11A及び図11Bを参照しながら説明する。なお、図11Aは図3に対応している。
【0050】
この変形例では、図11Aに示すように、接触部68の構造が上述した実施形態と異なっている。具体的には、接触部68は、軸受部46の外面に固定された複数(図11A及び図11Bでは4つ)の弾性部材70、70、70、70と、弾性部材70、70、70、70の先端に設けられて金型12の内面に接触する接触プレート72、72、72、72とを有している。
【0051】
弾性部材70としては、例えば、圧縮コイルばねが用いられる。接触プレート72、72、72、72は、正面視で円弧状に形成され、図11Bに示すように、弾性部材70、70、70、70を所定量圧縮(弾性変形)させることにより、隣り合う接触プレート72、72同士が接触して円形状となる。本変形例によれば、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0052】
本発明は上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
【0053】
支持機構は、導入部材に対して複数設けてもよい。そうすることにより、導入部材の撓みを一層確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…塗型材塗布装置 12…遠心鋳造金型
16…塗装装置本体 18…導入部材
20…支持台 22…噴射部材
24…支持機構 26…制御部
40…噴射ノズル 42…ボルト部
46…軸受部 48…ナット部
50、68…接触部 52…金属線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置であって、
一方向に延びて前記塗型材が導かれる導入部材と、
前記導入部材の先端に設けられ、且つ前記導入部材から導かれた該塗型材を前記金型の内面に向かって噴射する噴射部材と、
前記金型の内面に接触した状態で前記導入部材を支持する支持手段と、を備えることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項2】
請求項1記載の塗型材塗布装置において、
前記支持手段は、前記噴射部材に近接配置されていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の塗型材塗布装置において、
前記導入部材は、円筒状に形成されており、
前記支持手段は、前記金型の内面に接触するリング状の接触部を有し、
前記接触部は、前記導入部材に対して回転可能に設けられていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項4】
請求項3記載の塗型材塗布装置において、
前記接触部は、該接触部の半径方向に弾性変形可能に形成され、
前記接触部の外径は、前記金型の内径よりも大きく設定され、
前記支持手段は、前記接触部を半径方向内側に弾性変形した状態で前記金型内に配置されることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項5】
請求項4記載の塗型材塗布装置において、
前記接触部は、該接触部の半径方向に延びた複数の金属線をリング状に配置することにより形成されていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項6】
回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布方法であって、
一方向に延びた導入部材から該導入部材の先端に設けられた噴射部材に導かれた前記塗型材を前記金型の内面に噴射する際に、前記金型の内面に接触する支持手段にて前記導入部材を支持することを特徴とする塗型材塗布方法。
【請求項1】
回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布装置であって、
一方向に延びて前記塗型材が導かれる導入部材と、
前記導入部材の先端に設けられ、且つ前記導入部材から導かれた該塗型材を前記金型の内面に向かって噴射する噴射部材と、
前記金型の内面に接触した状態で前記導入部材を支持する支持手段と、を備えることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項2】
請求項1記載の塗型材塗布装置において、
前記支持手段は、前記噴射部材に近接配置されていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の塗型材塗布装置において、
前記導入部材は、円筒状に形成されており、
前記支持手段は、前記金型の内面に接触するリング状の接触部を有し、
前記接触部は、前記導入部材に対して回転可能に設けられていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項4】
請求項3記載の塗型材塗布装置において、
前記接触部は、該接触部の半径方向に弾性変形可能に形成され、
前記接触部の外径は、前記金型の内径よりも大きく設定され、
前記支持手段は、前記接触部を半径方向内側に弾性変形した状態で前記金型内に配置されることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項5】
請求項4記載の塗型材塗布装置において、
前記接触部は、該接触部の半径方向に延びた複数の金属線をリング状に配置することにより形成されていることを特徴とする塗型材塗布装置。
【請求項6】
回転する円筒状の金型の内面に塗型材を塗布する塗型材塗布方法であって、
一方向に延びた導入部材から該導入部材の先端に設けられた噴射部材に導かれた前記塗型材を前記金型の内面に噴射する際に、前記金型の内面に接触する支持手段にて前記導入部材を支持することを特徴とする塗型材塗布方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−235313(P2011−235313A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109085(P2010−109085)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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