説明

塗工紙

【課題】極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮し、見栄えの良い合成皮革を得ることができる合成皮革工程紙用の塗工紙を提供する。
【解決手段】基紙と、基紙上に設けられた塗工層とからなる塗工紙であって、前記塗工層は顔料と接着剤と離型剤を含有し、前記接着剤としてカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、並びに、ポリアクリル酸樹脂成分およびポリビニルアルコール樹脂成分を含有する樹脂を含有し、前記離型剤としてパラフィンを含有することを特徴とする、塗工紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極性溶剤及び非極性溶剤に対する耐性に優れた塗工紙に関するものである。より詳しくは、極性溶剤及び非極性溶剤を用いて製造する合成皮革の工程紙として利用するのに好適な塗工紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗工紙、特に塗工層がキャスト法により設けられたキャスト塗工紙は、産業用基材(例えば、マーキングシート、金属箔等の剥離紙など。)、包装用紙(例えば、紙袋、ブックカバーなど。)、工程紙(例えば、合成皮革やプラスチックフィルム等の工程紙。)などとして多用されている。工程紙として使用する際には、キャスト塗工紙上に溶剤と混合したモノマーを展開し、熱や電子線でモノマー同士を反応させることで、合成皮革やプラスチックフィルムなどを形成する。特に、例えば塩化ビニルやウレタン等を使用する合成皮革用途においては、工程紙表面に塩化ビニル等のペーストを塗工した後に加熱して塩化ビニル等を反応させた後、接着剤を塗工して裏地の基布と貼り合わせた後、再度加熱・冷却して、工程紙を剥離することで合成皮革を製造する。
【0003】
このような工程紙は、塩化ビニルやウレタン等を用いることから、耐溶剤性に優れることが望まれ、例えば、接着剤としてゲル含量が85%以上であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有するキャスト塗工紙(例えば、特許文献1参照。)や、体積分布平均粒子径が3〜20μmである板状形状の顔料及びゲル含量85%以上の合成樹脂ラテックスを含有する剥離紙用基紙(例えば、引用文献2参照。)が提案されている。
【0004】
一方、近年、環境負荷低減の目的で、使用される溶剤が、非極性溶剤から極性溶剤に移行しつつあり、工程紙などには極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対する耐溶剤性が求められている。しかも、耐溶剤性に関する要求も厳しくなっており、単に繰り返し使用しても塗工層が剥離し難いなどというものではなく、写像性や光沢度なども低下し難いといった高度の品質が求められるようになっている。特に合成皮革工程紙の分野においては、より高級感があり見栄えの良い合成皮革を得るために、より写像性が高く、ピット欠陥が少ない工程紙が求められている。加えて、工程紙の生産性を向上させることも求められている。これらの問題を解決する方法として、塗工層にポリアクリル酸成分およびポリビニルアルコール成分を含む接着剤を含有させる方法(特許文献3参照。)があるが、これらの要求を充分に満足するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−97781号公報
【特許文献2】特開2008−88565号公報
【特許文献3】特開2009−13510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主たる課題は、極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮し、見栄えの良い合成皮革を得ることができる合成皮革工程紙用の塗工紙を提供することにある。更には、写像性が高く、ピット欠陥が少ない合成皮革工程紙として利用可能な塗工紙を、従来より生産性良く製造する技術を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、基紙と、基紙上に設けられた塗工層とからなる塗工紙であって、前記塗工層は顔料と接着剤と離型剤を含有し、前記接着剤としてカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、並びに、ポリアクリル酸樹脂成分およびポリビニルアルコール樹脂成分を含有する樹脂を含有し、前記離型剤としてパラフィンを含有することを特徴とする、塗工紙である。
【0008】
本発明では、前記パラフィンを前記顔料100質量部に対して固形分換算で0.5〜10質量部含有し、前記カゼインおよび前記SBRの質量割合が、カゼイン1に対してSBR0.5〜3.0であることが好ましい。
【0009】
本発明では、前記パラフィンの融点が50℃〜100℃であり、前記塗工層はキャスト処理されたものであり、前記塗工層をキャスト処理する際のキャストドラムの温度が95℃〜120℃であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、極性溶剤及び非極性溶剤の両方に対して、優れた耐溶剤性を発揮する合成皮革工程紙用の塗工紙となる。また、写像性が高く、ピット欠陥が少ない合成皮革工程紙として利用可能な塗工紙を、従来より生産性良く製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
まず、本発明者らは、塗工紙が示す、極性溶剤に対する耐性を向上させる目的で鋭意研究を重ねた結果、顔料塗工層にカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、ポリアクリル酸系樹脂成分及びポリビニルアルコール系樹脂成分を含む接着剤と、パラフィン系離型剤とを含有させることが有効であることを知見した。
【0013】
すなわち、本発明者らは、基紙と、基紙上に設けられた塗工層とからなる塗工紙であって、前記塗工層は顔料と接着剤と離型剤を含有し、前記接着剤はカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、ポリアクリル酸系樹脂成分及びポリビニルアルコール系樹脂成分を含有し、前記離型剤としてパラフィンを使用することで、優れた耐溶剤性が発揮されることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0014】
つまり、接着剤として少なくとも、ポリアクリル酸(PAA)及びポリビニルアルコール(PVA)の両方、又は、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を配合することが必須である。ポリアクリル酸及びポリビニルアルコールのいずれか一方又は双方を含有しなかったり、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含有しない場合は、極性溶剤及び非極性溶剤に対する耐性が低く、塗工面が極性溶剤及び非極性溶剤に侵食され易くなる。特に合成皮革工程紙として使用する場合は、繰り返し使用に耐えないものとなる。
【0015】
ポリアクリル酸系樹脂成分とポリビニルアルコール系樹脂成分との割合は、質量割合で規定することができ、好ましくはPAA系樹脂成分:PVA系樹脂成分=10:90〜90:10であり、より好ましくはPAA系樹脂成分:PVA系樹脂成分=15:85〜85:15である。PAA系樹脂成分が10質量%未満では、PAA系樹脂成分そのものの性質(硬質樹脂であり、室温で剛性を有する、耐水性と接着強度に優れる性質)が発現されにくく、また、90質量%を超過すると、PVA系樹脂成分が少なくなり、PVA系樹脂成分の性質(軟質樹脂であり、室温で柔軟性を有する、耐水性と接着強度に優れる性質)が発現され難くなる。PAA系樹脂成分とPVA系樹脂成分の双方を配合することで耐溶剤性が向上する理由は不明だが、いずれも耐水性を有する硬質樹脂と軟質樹脂とを組み合わせて、室温において、塗工紙表面に柔軟性と剛性の双方を付与することで、メチルエチルケトン(MEK)を始めとする極性溶剤及びトルエンを始めとする非極性溶剤に対する耐性が向上すると考えられる。また、ポリアクリル酸及びポリビニルアルコールの両方を含ませるよりも、ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体を含ませる方が好ましい。
【0016】
以上の本形態に必須のPAA系樹脂成分とPVA系樹脂成分の合計配合量は、顔料100質量部に対して、固形分換算で好ましくは1〜10質量部、より好ましくは2〜5質量部である。1質量部未満では、耐溶剤性の効果が十分に発現せず耐溶剤性に劣り、10質量部を超過すると、顔料由来の平滑性に劣り、写像性が低下して見栄えが悪化するだけでなく、平滑性の低い部分に極性溶剤が溜まりやすく、局所的に侵食が進みやすくなり、耐溶剤性が低下しやすいため好ましくない。
【0017】
接着剤としてPAA系樹脂成分とPVA系樹脂成分の2成分と共に、カゼイン及びスチレン−ブタジエンラテックスを併用する必要があり、これにより耐溶剤性及び写像性を格段に向上できる。特に塗工後にキャスト処理を行うキャスト塗工紙においては、塗工層表面の写像性向上効果が得られやすいカゼインを用いると、剥離性向上効果による写像性の向上効果が得られる。特に表面性が重要となる合成皮革工程紙用途では、カゼインを用いることが特に好ましい。
【0018】
特に、特に上記PAA系樹脂成分とPVA系樹脂成分が共重合されている共重合体とカゼインを併用すると、均一な剥離性が得られるため、写像性が高い塗工紙が得られるため特に好ましい。
【0019】
スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)の含有量は、離型剤を含有させた場合キャストドラムからの剥離性が良好となるため表面強度を低減でき、顔料100質量部に対し固形分換算で10〜25質量部配合することが好ましく、12〜20質量部配合することがより好ましい。10質量部未満では十分な接着力が発現しないため写像性に劣り、逆に、25質量部を超えるとフィルム状の表面が形成されやすく顔料由来の写像性が低下し、いずれも耐溶剤性が低下するため好ましくない。
【0020】
上述のポリアクリル酸系樹脂成分及びポリビニルアルコール系樹脂成分と共に、カゼイン及びSBRを含有する接着剤を用いると、ポリアクリル酸樹脂成分及びポリビニルアルコール樹脂成分を有する接着剤も成膜性を有するため、より写像性の高い塗工紙が得られる。
【0021】
カゼインを配合すると、得られる塗工紙の写像性が高くなる一方、天然物であり品質変動や価格変動があること、商業的に高価であることから、多量に配合することは好ましくない。
【0022】
カゼインの含有量は、離型剤による剥離性向上効果と相乗効果を出し、更に剥離性を向上させるため、顔料100質量部に対し固形分換算で5〜30質量部とすることが好ましく、10〜25量部とすることがより好ましい。5質量部未満では剥離性が低下し、塗工面の一部がキャストドラムに付着するトラブルが発生しやすくなり、例えば高速でキャスト処理した場合に、剥離性が悪く平滑性に劣り、写像性が悪化する。他方、30質量部を超過すると剥離性能が頭打ちとなり、高価なカゼインを大量使用する意味がなく経済性に劣るだけでなく、キャスト処理を行った場合にキャストドラムに塗工層が密着せず平滑性に劣るため、写像性が低下しやすいため好ましくない。
【0023】
本形態においては、以上の接着剤以外にも、耐溶剤性を阻害しない範囲で、塗工紙製造で一般的に用いられる接着剤を併用することができる。具体的には、例えば、大豆蛋白等の蛋白質類;メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス;アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス;エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス;これらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0024】
塗工層に使用する顔料は特に限定されないが、例えば、カオリンクレー(デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、構造化カオリン等も含む)、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等の中から、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0025】
上記顔料の中でも、吸油性の低い炭酸カルシウムやカオリンクレーを用いると、耐溶剤性に優れた塗工紙を得ることができるため好ましい。合成非晶質シリカやコロイダルシリカ等の比表面積の大きい顔料を用いると、吸油性が高く耐溶剤性に劣るため好ましくない。
【0026】
炭酸カルシウムとしては、不定形状の重質炭酸カルシウムや、紡錘状、柱状又は立方状等の軽質炭酸カルシウムが挙げられるが、この中でも柱状の軽質炭酸カルシウムを用いると、塗工層表面の平坦性が良好となるため好ましい。塗工層の平坦性は後述するクレーを含有させることで向上させることができるが、クレーを大量に使用すると通気性が悪化する問題がある。このため、クレーのみならず炭酸カルシウム、特に柱状の炭酸カルシウムと組み合わせて使用することで、塗工層中の空隙が大きく透気性が高くなり、通気性と塗工層表面の平坦性の双方を向上することができ、写像性および耐溶剤性に優れた塗工紙が得られるため好ましい。特にキャスト処理を行い写像性を向上させる場合、塗工層が乾燥するに従って塗工層中の水分が水蒸気となって揮散するが、塗工層はキャストドラムに密着した状態のため、水蒸気は塗工層の裏面から蒸発する。塗工紙の通気性が低い場合、水蒸気が裏面から抜け難く、塗工層とキャストドラムとの間に溜まり、キャスト面を充分に塗工層に写し取れず、写像性に劣る塗工紙となる。このため、塗工層は通気性に優れることが好ましく、通気性を付与できる顔料である柱状の軽質炭酸カルシウムを顔料として使用することが好ましい。通気性を向上させやすい炭酸カルシウムとしては、他に立方状の炭酸カルシウムが挙げられるが、立方状は柱状に比べて塗工層表面の平坦性に劣り、写像性と耐溶剤性が向上しにくいため好ましくない。
【0027】
炭酸カルシウムの配合量は、顔料100質量部のうち、20〜60質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましい。配合量が20質量部未満では充分な透気性が得られ難く、写像性に劣るだけでなく、微細な塗工ムラであるピット欠陥が発生しやすいため好ましくない。他方、60質量部を超過すると、塗工液の流動性が悪化して塗工時のプロファイルが悪化し、塗工ムラに起因する耐溶剤性の低下が発生しやすくなるため好ましくない。
【0028】
上記の塗工紙は、JIS P 8119に基づいて測定した透気度が1,000〜30,000秒、好ましくは柱状の軽質炭酸カルシウムを使用することで1,000〜20,000秒、より好ましくは1,000〜10,000秒となるため、ピット欠陥が発生しにくく写像性に優れ、極性溶剤接触後の写像性の低下が少ない、耐溶剤性に優れた塗工紙、特には、合成皮革工程紙となる。更にこの塗工紙に平坦化処理を施すことで、更に写像性に優れた塗工紙となる。これらの平坦化は、一般に製紙用途で使用できる平坦化設備で行なえば足り、例えばスーパーカレンダーやソフトカレンダー等を用い、線圧や速度等により調整することができる。
【0029】
透気度が30,000秒を超過すると、これ以上の平坦化を行っても耐溶剤性が頭打ちになるだけで、経済的に好ましくない。スーパーカレンダーで平滑性を調整する場合においても、線圧が過大となるために紙の持つ剛性が破壊される可能性がある。透気度が1,000秒未満では、塗工面の空隙が多く、溶媒が浸透し易いため、耐溶剤性が低下しやすい。
【0030】
カオリンクレーは板状の顔料であり、塗工層表面で均一な方向に配向しやすく、塗工層表面の平滑性及び写像性を向上できるため好ましい。カオリンクレーの配合量は、顔料100質量部のうち、40〜80質量部が好ましく、50質量部〜70質量部がより好ましい。配合量が40質量部未満では写像性及び平滑性が劣るため耐溶剤性が低下しやすく、他方、80質量部を超過すると、塗工液の流動性が悪化して塗工時のプロファイルが悪化し、塗工ムラに起因する耐溶剤性の低下が発生しやすくなるため好ましくない。カオリンクレーは炭酸カルシウムに比べて塗工液の流動性が悪く、塗工ムラが発生しやすいが、上述したとおりクレーおよび炭酸カルシウムの割合を40:60〜80:20、好ましくは50:50〜70:30とすることで、通気性、耐溶剤性及び写像性を向上できるため好ましい。
【0031】
上述のごとく、顔料として柱状の軽質炭酸カルシウムを使用することで写像性の良好な塗工紙を得られるだけでなく、さらにカオリンクレーを併用することで、より写像性の良好な塗工紙が得られるため好ましい。
【0032】
特にポリアクリル酸樹脂成分及びポリビニルアルコール樹脂成分を含有する接着剤とカゼインを併用する場合において、顔料としてカオリンクレーを用いると写像性及び耐溶剤性の双方を向上できるため、更に好ましい。
【0033】
上述のとおり、顔料として柱状の軽質炭酸カルシウム及びカオリンクレーを併用し、接着剤としてポリアクリル酸樹脂成分、ポリビニルアルコール樹脂成分、カゼイン及びSBRを併用すると、写像性及び耐溶剤性に特に優れた塗工紙を得ることができる。この形態においては、カゼイン由来の剥離性が塗工層表面において均一となるため、写像性が85%以上と優れた塗工紙が得られる。
【0034】
本発明においては、上述の顔料および接着剤からなる塗工層に、耐溶剤性を向上させるため離型剤を含有する必要がある。離型剤としては、例えばシリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス類、パラフィン、ポリプロピレン樹脂、アクリル系樹脂、アミド系樹脂等が知られているが、本発明では、パラフィン系の離型剤を使用する。パラフィン系の離型剤を用いることにより、溶剤接触後の写像性の変化率が低く、耐溶剤性に優れた塗工紙を得ることができる。
【0035】
パラフィン系離型剤のなかでも、融点が50〜100℃、さらには55〜80℃のものが、離型性に優れ、均一な塗工面が得られ、塗工紙の溶剤接触後の写像性の変化が少なく、耐溶剤性に優れた塗工紙が得られるため好ましい。50℃を下回ると、気温変化によりパラフィンが溶融してエマルジョンが崩壊しやすく、塗工液に均一に混ざらなくなり、塗工ムラが発生して写像性および耐溶剤性の向上効果が得られにくいため好ましくない。100℃を超過するとキャストドラムで熱を加えてもパラフィンが溶融しにくいため塗工ムラが発生しやすく、同じく写像性および耐溶剤性の向上効果が得られにくいため好ましくない。
【0036】
離型剤の添加量は、顔料100質量部に対して固形分換算で0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。0.5質量部を下回ると離型性に劣り塗工層表面の写像性が低下する可能性があり、10質量部を超過すると耐溶剤性が頭打ちになるだけでなく経済性にも劣るため好ましくない。
【0037】
パラフィン系離型剤を顔料100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲内で用いた場合、剥離性の向上により得られる塗工紙の写像性が向上するため、得られる塗工紙は、溶剤接触後の写像性の変化率を5%以下、さらに1.3%以下、特に1%以下とすることができるが、そのためには接着剤の含有量を上述のとおりとすることが好ましい。
【0038】
つまり、離型剤としてパラフィン系離型剤を顔料100質量部に対して0.5〜10質量部含み、かつ、接着剤としてカゼインを顔料100質量部に対して5〜30質量部、好ましくは10〜25量部配合し、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)を顔料100質量部に対し10〜25質量部、好ましくは12〜20質量部配合することで、溶剤接触後の写像性の変化率を少なく抑えることができる。
【0039】
また、カゼインおよびSBRの質量割合は、カゼイン1に対してSBR0.5〜3.0、好ましくは0.6〜1.5、最も好ましくは0.6〜1.0とすることで、更に耐溶剤性を向上させることができ、耐溶剤性試験後の写像性の変化率を例えば5%以下とすることができる。0.5を下回るとカゼインに比してSBRが少ないため表面強度を向上させにくく、充分な耐溶剤性が得られにくい。3.0を超過するとカゼインに比してSBRが多く、写像性および耐溶剤性が低下しやすい。
【0040】
上述のとおり、離型剤としてパラフィン系離型剤を顔料100質量部に対して0.5〜10質量部含み、かつ、接着剤としてカゼインを顔料100質量部に対して5〜30質量部、好ましくは10〜25量部とし、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)を顔料100質量部に対し10〜25質量部、好ましくは12〜20質量部とし、かつカゼインおよびSBRの割合を、カゼイン1に対してSBR0.5〜3.0、好ましくは0.6〜1.5、最も好ましくは0.6〜1.0とすることで、耐溶剤性試験後の写像性の変化率を例えば5%以下、好ましくは1.3%以下、最も好ましくは1.0%以下とすることができる。
【0041】
加えて、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)のガラス転移温度(Tg)は、−20℃〜20℃とすることが好ましく、−10℃〜10℃とすることが更に好ましい。−20℃を下回ると塗工層が柔らかくなりやすく、逆に20℃を超過すると塗工層が硬くなりやすく、いずれも耐溶剤性が低下しやすいため好ましくない。特に本発明のごとくSBRが顔料100質量部に対し10〜25質量部、好ましくは12〜20質量部と少ない場合は、ガラス転移温度を−20℃〜20℃、好ましくは−10℃〜10℃とすることで、特に優れた耐溶剤性が得られるため好ましい。尚、ラテックス粒子の内部と外部とで組成が異なるコア−シェル型や、内部から外部に向かって組成が緩やかに変化する傾斜型など、ガラス転移温度が単一ではないラテックスについては、外部と内部のガラス転移温度の上限値と下限値の単純平均値が上記範囲であればよい。尚、パラフィンの融点およびラテックスのガラス転移温度は次のとおり測定した。パラフィンまたはラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作成し、この乾燥フィルムについて示差走査熱量計(デュポン社製)を用い、昇温速度20℃/分で融点およびガラス転移温度を測定した。
【0042】
本形態の塗工剤には、顔料、接着剤、離型剤の他にも、例えば、蛍光増白剤、蛍光増白剤の被染着物質、消泡剤、着色剤、保水剤等の通常使用される各種助剤を適宜配合することもできる。
【0043】
基紙の表面への塗工剤の塗工は、一般の塗工紙用途設備で行えば足り、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、トランスファーロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、カーテンコーター等の塗工装置を設けたオンマシンコーター又はオフマシンコーターによって、基紙上に一層又は多層に分けて塗工剤を塗工できる。中でも高濃度塗料を均一に塗工でき、塗工層表面の高い平坦性が確保されるという点から、エアーナイフコーターを用いることが好ましい。また、ドライヤーパートでの乾燥方法としては、例えば、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の各種加熱乾燥方式を適宜採用することができる。
【0044】
前記塗工後の表面仕上げは、合成皮革工程紙用途では、いわゆるキャストコート法によることが好ましい。キャストコート法は、一般に、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着(圧接)して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化(湿潤)させて、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固液等の凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)の3種類に分けることができ、いずれの方法でも耐溶剤性を得られるが、本形態では、リウェットキャスト法が生産性の面から好ましい。ゲル化キャスト法では、塗工層がキャストドラムから剥離しにくくなり、例えばキャスト処理速度を60m/分と高速処理を行った際に、写像性及び耐溶剤性が低下しやすくなるため好ましくない。
【0045】
キャストドラムの温度は一般に用いられる温度であれば問題ないが、好ましくは95℃〜120℃、より好ましくは100℃〜115℃である。95℃を下回っても120℃を超過しても乾燥が不均一となり、得られる塗工紙の耐溶剤性が低下するため好ましくない。加えて、パラフィンの融点が50〜100℃、さらには55〜80℃の場合には、キャストドラムの温度を上述のとおり、95〜120℃、好ましくは100〜115℃とすることで、理由は不明だが溶剤接触後の写像性の低下を防止しやすく、耐溶剤性に優れた塗工紙となりやすいため好ましい。パラフィンの融点が50℃を下回るか、または100℃を超過し、かつ、キャストドラム温度が95℃未満または120℃を超える条件でキャスト処理を行うと、得られる塗工紙の耐溶剤性が低下し易いため好ましくない。加えて、キャストドラムの温度はパラフィンの融点よりも高いことが好ましい。キャストドラム温度およびパラフィンの融点が同程度である場合には、キャストドラムからの塗工紙の剥離性や写像性は問題ないものの、耐溶剤性に劣る場合があるため好ましくない。
【0046】
上述のとおり、顔料に加えて、接着剤としてカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、並びに、ポリアクリル酸系樹脂成分およびポリビニルアルコール系樹脂成分を含有する樹脂を用いた塗工紙の場合、離型剤として融点が50〜100℃、さらには55〜80℃のパラフィン系離型剤を顔料100質量部に対して0.5〜10質量部含み、かつ、接着剤としてカゼインを顔料100質量部に対して5〜30質量部、好ましくは10〜25量部とし、スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)を顔料100質量部に対し10〜25質量部、好ましくは12〜20質量部とし、かつカゼインおよびSBRの質量割合を、カゼイン1に対してSBR0.5〜3.0、好ましくは0.6〜1.5、最も好ましくは0.6〜1.0とし、かつ、95℃〜120℃、より好ましくは100℃〜115℃のキャストドラム温度でキャスト処理することで、耐溶剤性試験後の写像性の変化率を例えば5%以下、好ましくは1.3%以下、最も好ましくは1.0%以下とすることができ、耐溶剤性に優れた塗工紙を得ることができる。
【0047】
前記塗工層の塗工量は2〜30g/mが好ましい。2g/m未満では基紙の被覆性が低下し、良好な写像性、耐溶剤性が得られない。30g/mを超過すると、塗工層が乾燥する際に発生する水蒸気が増加し、キャストコート法ではピット欠陥が発生しやすくなり、品質が低下するだけでなく経済性も悪化する。
【0048】
上記のとおり製造したキャスト塗工紙を合成皮革工程紙として用いる場合は、写像性が85%以上、更には87%以上、特に89%以上であれば、平滑性と光沢性に優れた合成皮革を製造することができるため好ましい。
【0049】
また、本形態の塗工紙は、次記処理を行ったときのJIS H 8686−2に基づいて測定した写像性の低下率が5%以下であるのが好ましく、1.3%以下であるのがより好ましく、更には1%以下とするのが好ましい。特に合成皮革工程紙においては、写像性の低下が小さいほど、製造する合成皮革の鏡面性の低下が少なく、見栄えの良い合成皮革が得られるため、上記範囲内とすることが好ましい。また、溶剤による劣化が起こり難いことから、トラレなどの欠陥発生が低減でき、剥離性が良好なため効率的に合成皮革の製造ができるなど、繰り返し使用に耐え得る工程紙となる。他に、紙袋やブックカバー用途においても、汗や風雨による品質劣化が少ない、耐水性に優れた塗工紙となる。
【0050】
(処理)
前記塗工層表面にメチルエチルケトンをNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱する。
【0051】
一方、塗工紙の基紙は、通常の原料パルプを使用することができ、例えば、未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ等を使用することができる。また、古紙からなる古紙パルプを使用することも可能であり、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等があげられる。本発明では、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
【0052】
本形態においては、以上の原料パルプを混合して抄紙原料(紙料スラリー)を調製するが、当該原料パルプには、例えば、内添サイズ剤、紙力増強剤、紙厚向上剤、歩留向上剤等の通常の製紙工程で配合される種々の添加剤を、その種類及び配合量を適宜調整して内添することができる。
【0053】
また、基紙を抄造する抄紙機も特に限定されず、例えば、長網方式、ツインワイヤー方式、ギャップフォーマー方式、丸網方式、ヤンキー方式など各方式を適宜用いることができる。
【0054】
また、本件発明の塗工を行う前に、基紙を平坦化する目的で、前記一般の塗工紙用途設備を用いた塗工や、前記弾性ロールと金属ロールとの組み合わせによる平坦化処理を行う方が好ましい。
【実施例】
【0055】
次に、実施例を挙げて本発明による作用効果を明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0056】
〔基紙〕
原料として広葉樹晒クラフトパルプ100%のパルプを使用し、フリーネスを370mlとした。絶乾パルプ1tに対して、カチオン化澱粉を5kg、サイズ剤0.2kgをそれぞれ有効成分基準で内添し、填料として軽質炭酸カルシウムを灰分10%となるよう内添した。
【0057】
〔塗工層の形成〕
まず、顔料として表1に示す形状の炭酸カルシウム40質量部およびカオリンクレー60質量部と、顔料100質量部に対し固形分換算で表1に記載の量の接着剤、離型剤を常温にて混合撹拌して塗工剤を得た。なお、用いた顔料、接着剤及び離型剤は以下のとおりである。また、表1の接着剤及び離型剤の配合量は、顔料100質量部に対する値である。
【0058】
(顔料)
・炭酸カルシウム(軽質、紡錘状、品番:TP−121−6S、奥多摩工業社製)
・炭酸カルシウム(軽質、立方状、品番:白艶華PZ、白石カルシウム社製)
・炭酸カルシウム(軽質、柱状、品番:TP−123、奥多摩工業社製)
・カオリンクレー(品番:HYDRASPERSE90、HUBER社製)
【0059】
(接着剤)
・カゼイン(日成共益株式会社製)
・スチレン−ブタジエンラテックス(SBR)(品番:PA5036、日本エイアンドエル株式会社製、傾斜型、ガラス転移温度−20〜20℃を平均して0℃とした)
・ポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体(PAA−PVA)(型番:コーガムHW400、昭和高分子株式会社製)
・ポリアクリル酸(PAA)(品番:アクアリックR HL、日本触媒株式会社製)
・ポリビニルアルコール(PVA)(型番:PVA405、株式会社クラレ製)
【0060】
(離型剤)
・パラフィン(パラフィンエマルジョン、品番:トラソルPF60、中京油脂社製、融点60℃)
・シリコーン(シリコーンエマルジョン、品番:KM768、信越化学工業社製)
・ポリエチレン(ポリエチレンエマルジョン、品番:メイカテックスHP−70、明成化学工業社製)
【0061】
上記塗料を、前述した基紙に、エアーナイフコーターで片面あたり乾燥質量12g/mとなるよう塗工し、毎分60mの速度でリウェットキャスト法(再湿潤法)により、表1に記載のキャストドラム温度で鏡面仕上げを行った。ただし、実施例2〜30は、カゼインの含有量、SBRの含有量およびガラス転移温度、離型剤の融点、キャストドラムの温度を表1に記載の値に調整した以外は、実施例1と同様にして塗工紙を得た。尚、実施例12〜15はガラス転移温度を表1に記載のとおり調整したSBRを、実施例16はポリアクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体の代わりにポリアクリル酸樹脂およびポリビニルアルコール樹脂を各1質量部ずつ、合計2質量部を用い、実施例17〜20、29、30は融点を表1に記載のとおり調整したパラフィン系離型剤を用いた。
【0062】
〔比較例について〕
接着剤の含有量および離型剤の成分を表1に示すとおり変化させ、実施例と同様に製造し、比較例とした。
【0063】
〔評価方法〕
以上のようにして製造した各種塗工紙のキャスト塗工面について、以下のとおり測定・評価を行った。結果は、表1に示した。
【0064】
1)透気度
JISP8117:1998「紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法」に準じて測定した。
【0065】
2)ピット欠陥
ピット欠陥の発生状況を、次の基準で目視評価した。
◎:ピット欠陥の発生がなく、面感に優れ、実使用可能である。
○:ピット欠陥が僅かに発生したが、面感が良好であり、実使用可能である。
△:ピット欠陥が多少発生したが、実使用に耐え得る程度の面感を有している。
×:ピット欠陥が発生し、実使用に耐えない。
【0066】
3)耐溶剤性試験
前記塗工層表面にトルエンまたはメチルエチルケトン(MEK)をNo.2のワイヤーバーで塗工し、30秒経過してから130℃で90秒間加熱した。この処理を行う前後の写像性を測定した。
【0067】
3−1)写像性
JIS H 8686−2に準じて測定した。耐溶剤性試験前の写像性を溶剤接触前写像性、耐溶剤性試験後の写像性を溶剤接触後写像性とした。
【0068】
3−2)変化率
次の式から変化率を算出した。
変化率(%)=(1−(溶剤接触後写像性/溶剤接触前写像性))×100
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示すように、実施例では、トルエン及びメチルエチルケトンを用いた耐溶剤性試験による写像性の変化率が5%以下であり、極性溶剤及び非極性溶剤に対する耐性が優れる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、極性溶剤及び非極性溶剤を用いて製造する合成皮革の工程紙などとして利用するのに好適な合成皮革工程紙用の塗工紙として、適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基紙と、基紙上に設けられた塗工層とからなる塗工紙であって、
前記塗工層は顔料と接着剤と離型剤を含有し、
前記接着剤としてカゼイン、スチレン−ブタジエンラテックス、並びに、ポリアクリル酸樹脂成分およびポリビニルアルコール樹脂成分を含有する樹脂を含有し、
前記離型剤としてパラフィンを含有することを特徴とする、塗工紙。
【請求項2】
前記パラフィンを前記顔料100質量部に対して固形分換算で0.5〜10質量部含有し、前記カゼインおよび前記SBRの質量割合が、カゼイン1に対してSBR0.5〜3.0であることを特徴とする、請求項1に記載の塗工紙。
【請求項3】
前記パラフィンの融点が50℃〜100℃であり、
前記塗工層はキャスト処理されたものであり、
前記塗工層をキャスト処理する際のキャストドラムの温度が95℃〜120℃であることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗工紙。

【公開番号】特開2010−255136(P2010−255136A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106255(P2009−106255)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】