説明

塗布装置

【課題】 塗布液の使用量の削減及び構成の簡素化を図る。
【解決手段】 被塗布物に塗布される塗布液が貯留された貯液槽と、貯液槽に貯留された塗布液に浸漬されて膜が張られる開口部を有する環状の膜形成体とを備え、膜形成体が被塗布物に対して相対的に移動され、膜が張られた開口部に被塗布物が挿通されて被塗布物の表面に塗布液が塗布されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は塗布装置についての技術分野に関する。詳しくは、塗布液による膜が張られた開口部を有する膜形成体によって被塗布物の表面に塗布液を塗布するようにして塗布液の使用量の削減等を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒状の基材や平板状の基板等の被塗布物における表面に塗布液を塗布して塗膜(薄膜)を形成する塗布装置がある。このような塗布装置として、浸漬方式を用いて被塗布物に対して塗布液の塗布が行われるものがある。
【0003】
浸漬方式を用いた塗布装置においては、浸漬槽に貯留された塗布液に被塗布物の全体を浸漬し浸漬槽に対して相対的に被塗布物を引き上げることにより被塗布物の表面に塗膜を形成する。
【0004】
このような浸漬方式を用いた塗布装置においては、被塗布物の全体が塗布液に浸漬されるため、多量の塗布液を必要とし、また、浸漬槽の高さが被塗布物の高さ以上必要となり装置が大型化してしまう。
【0005】
そこで、塗布装置として、底部に被塗布物が貫通される貫通孔が形成され内部に塗布液を貯留する浸漬槽と、被塗布物と浸漬槽の隙間からの塗布液の漏れを防止するためのシール材等とが設けられたものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
このような塗布装置においては、浸漬槽に形成された貫通孔に被塗布物を挿通し被塗布物の外周面にシール材を接触させた状態で被塗布物を引き上げるか又は浸漬槽を引き下げる。被塗布物又は浸漬槽が移動されるときに、被塗布物の外周面に上側から下側へ順に塗布液が塗布されて塗膜が形成され感光体等が成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−20044号公報
【特許文献2】特開2009−18268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載された塗布装置にあっては、浸漬槽を被塗布物に対して移動させて浸漬槽に貯留された塗布液を被塗布物の外周面に順次塗布していくため、浸漬槽に被塗布物の外周面の全体に塗布するための十分な塗布液を貯留又は供給部から供給する必要がある。従って、塗布液の使用量が多く成形コストが高いと言う問題があり、特に、塗布液が高価な場合には成形コストの高騰を来たしてしまう。
【0009】
また、特許文献1及び特許文献2に記載された塗布装置にあっては、浸漬槽の底部に形成された貫通孔に被塗布物が挿通されて被塗布物が相対的に引き上げられるため、被塗布物と浸漬槽の隙間からの塗布液の漏れを防止する構成が必要となり、浸漬槽等が複雑な構成となる。
【0010】
そこで、本技術塗布装置は、上記した問題点を克服し、塗布液の使用量の削減及び構成の簡素化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
塗布装置は、上記した課題を解決するために、被塗布物に塗布される塗布液が貯留された貯液槽と、前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬されて膜が張られる開口部を有する環状の膜形成体とを備え、前記膜形成体が前記被塗布物に対して相対的に移動され、前記膜が張られた前記開口部に前記被塗布物が挿通されて前記被塗布物の表面に前記塗布液が塗布されるようにしたものである。
【0012】
従って、塗布装置にあっては、開口部を有する環状の膜形成体が被塗布物に対して相対的に移動され、塗布液の膜が張られた開口部に被塗布物が挿通されて被塗布物の表面に塗布液が塗布される。
【0013】
上記した塗布装置においては、前記膜形成体に、環状に形成された外環部と、環状に形成され前記開口部を有し前記外環部の内周縁から突出された内環部とを設け、前記内環部の先端縁は前記外環部の内周縁より下側に位置されることが望ましい。
【0014】
環状に形成された外環部の内周縁から突出され開口部を有する内環部の先端縁が外環部の内周縁より下側に位置されることにより、内環部が外環部より塗布液に浸漬され易い。
【0015】
上記した塗布装置においては、前記内環部は前記外環部の内周縁から前記開口部に近付くに従って前記外環部に対して傾斜され、前記内環部の内周縁が前記外環部の内周縁の内側に位置されることが望ましい。
【0016】
内環部は外環部の内周縁から開口部に近付くに従って外環部に対して傾斜され内環部の内周縁が外環部の内周縁の内側に位置されることにより、外環部の内周縁と被塗布物の隙間が内環部の内周縁と被塗布物の隙間より大きくされる。
【0017】
上記した塗布装置においては、前記被塗布物の下端部と前記膜形成体の少なくとも前記開口部とが前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬された状態において前記膜形成体の移動が開始されるようにすることが望ましい。
【0018】
被塗布物の下端部と膜形成体の少なくとも開口部とが貯液槽に貯留された塗布液に浸漬された状態において膜形成体の移動が開始されるようにすることより、被塗布物の外周面と膜形成体の内周縁との間に膜が形成される。
【0019】
上記した塗布装置においては、前記被塗布物の前記膜形成体が移動する方向における端部に、前記膜形成体が移動する方向において先細りの形状に形成された液垂防止体が取り付けられることが望ましい。
【0020】
被塗布物の膜形成体が移動する方向における端部に、膜形成体が移動する方向において先細りの形状に形成された液垂防止体が取り付けられることにより、膜が破れた場合において液垂防止体の表面に塗布液の液垂れが生じる。
【0021】
上記した塗布装置においては、前記膜形成体が前記被塗布物に対して往復されることが望ましい。
【0022】
膜形成体が被塗布物に対して往復されることにより、被塗布物に対して塗布液が重ねて塗布される。
【0023】
上記した塗布装置においては、前記膜形成体に、前記塗布液を貯留する貯液部と前記貯液部に貯留された前記塗布液を前記開口部に送出する送出部とが設けられ、前記塗布液を前記貯液部に供給する液供給機構が設けられることが望ましい。
【0024】
膜形成体に塗布液を貯留する貯液部と貯液部に貯留された塗布液を開口部に送出する送出部とを設け、塗布液を貯液部に供給する液供給機構を設けることにより、膜形成体の開口部に張られた膜に塗布液が供給される。
【0025】
上記した塗布装置においては、前記送出部が前記開口部に近付くに従って下方へ変位するように傾斜されることが望ましい。
【0026】
送出部が開口部に近付くに従って下方へ変位するように傾斜されることにより、塗布液が送出部から開口部に向けて重力によって送出される。
【0027】
上記した塗布装置においては、前記貯液部に貯留された前記塗布液が前記送出部から毛細管現象によって前記開口部に送出されるようにすることが望ましい。
【0028】
貯液部に貯留された塗布液が送出部から毛細管現象によって開口部に送出されるようにすることにより、塗布液が送出部から開口部に送出されるための専用の供給機構を必要としない。
【発明の効果】
【0029】
本技術塗布装置は、被塗布物に塗布される塗布液が貯留された貯液槽と、前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬されて膜が張られる開口部を有する環状の膜形成体とを備え、前記膜形成体が前記被塗布物に対して相対的に移動され、前記膜が張られた前記開口部に前記被塗布物が挿通されて前記被塗布物の表面に前記塗布液が塗布されるようにした。
【0030】
従って、膜形成体の開口部に張られる膜によって被塗布物の表面に塗布液が塗布されるので、塗布液の使用量の削減を図ることができる。
【0031】
また、膜形成体からの塗布液の液漏れを生じることがないので、液漏れを防止する機構を設ける必要がなく、装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0032】
請求項2に記載した技術にあっては、前記膜形成体に、環状に形成された外環部と、環状に形成され前記開口部を有し前記外環部の内周縁から突出された内環部とを設け、前記内環部の先端縁は前記外環部の内周縁より下側に位置されている。
【0033】
従って、膜形成体が水平方向に対して傾いた状態になった場合においても、外環部の内周縁が塗布液に浸され難く、膜形成体の開口部に膜を確実に張ることができる。
【0034】
請求項3に記載した技術にあっては、前記内環部は前記外環部の内周縁から前記開口部に近付くに従って前記外環部に対して傾斜され、前記内環部の内周縁が前記外環部の内周縁の内側に位置されている。
【0035】
従って、外環部の内周縁と被塗布物の隙間が内環部の内周縁と被塗布物の隙間より大きいので、膜形成体が上方へ移動されていくときに内環部の内周縁以外の部分及び外環部の内周縁の被塗布物に対する接触を防止することができる。
【0036】
請求項4に記載した技術にあっては、前記被塗布物の下端部と前記膜形成体の少なくとも前記開口部とが前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬された状態において前記膜形成体の移動が開始されるようにしている。
【0037】
従って、被塗布物の外周面と膜形成体の内周縁との間に膜が形成されるので、膜の面積が小さくなり塗布液の使用量を削減することができる。
【0038】
請求項5に記載した技術にあっては、前記被塗布物の前記膜形成体が移動する方向における端部に、前記膜形成体が移動する方向において先細りの形状に形成された液垂防止体が取り付けられている。
【0039】
従って、膜が破裂した場合に液垂防止体の表面に塗布液の液垂れが生じるので、被塗布物の外周面に対する塗布液の液垂れを防止することができ、被塗布物に対する塗膜の良好な形成状態を確保することができる。
【0040】
請求項6に記載した技術にあっては、前記膜形成体が前記被塗布物に対して往復される。
【0041】
従って、被塗布物に対して重ねて塗布液を塗布することができ、被塗布物の外周面に形成される塗膜の膜厚を調整することができる。
【0042】
請求項7に記載した技術にあっては、前記膜形成体に、前記塗布液を貯留する貯液部と前記貯液部に貯留された前記塗布液を前記開口部に送出する送出部とが設けられ、前記塗布液を前記貯液部に供給する液供給機構が設けられている。
【0043】
従って、塗布液が液供給機構から貯液部や送出部を介して開口部に供給されるので、膜形成体の開口部に張られている膜の液切れによる破裂を防止することができ、長い被塗布物に対しても塗布液を塗布することができる。
【0044】
請求項8に記載した技術にあっては、前記送出部が前記開口部に近付くに従って下方へ変位するように傾斜されている。
【0045】
従って、塗布液が重力によって開口部へ向けて流動され易くなるので、開口部に張られる膜に塗布液を容易に供給することができる。
【0046】
請求項9に記載した技術にあっては、前記貯液部に貯留された前記塗布液が前記送出部から毛細管現象によって前記開口部に送出されるようにしている。
【0047】
従って、塗布液が送出部から開口部に送出されるための専用の供給機構を必要としないので、構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に、本技術塗布装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する(図1乃至図19参照)。
【0049】
以下に示した最良の形態は、本技術塗布装置を円筒形状又は円柱形状の基材である被塗布物に塗布を行う塗布装置に適用したものである。
【0050】
なお、本技術塗布装置の適用範囲は円筒形状又は円柱形状の基材である被塗布物に塗布を行う塗布装置に限られることはない。本技術塗布装置は、球形や平板状等の各種の形状に形成された被塗布物に対して塗布を行う各種の塗布装置に広く適用することができる。
【0051】
以下の説明にあっては、例として、軸方向が上下方向を向く向きで被塗布物が配置され、被塗布物の左側に昇降ユニットが配置された状態で方向を示す。但し、以下に示す方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0052】
[塗布装置の構成]
塗布装置1は、図1に示すように、塗布液100が貯留される貯液槽2と上下方向へ移動される膜形成体3と膜形成体3を上下方向へ移動させる昇降ユニット4とを備えている。
【0053】
貯液槽2は底面部2aと底面部2aの外周部から上方へ突出された周面部2bとを有している。
【0054】
貯液槽2には塗布液100が貯留されている。塗布液100としては、例えば、フォトレジスト等の感光性材料や塗料等が用いられ、これらの材料は表面張力が小さく一定の粘性を有している。
【0055】
貯液槽2の上側には被塗布物200が配置される。被塗布物200は、例えば、電子写真方式用の感光体ドラムを形成するための円筒形状又は円柱形状の基材である。被塗布物200は軸方向が上下方向になる向きで、例えば、図示しない保持機構によって保持される。
【0056】
被塗布物200の上面には上方へ行くに従って先細りの形状に形成された液垂防止体5が取り付けられている。液垂防止体5は、後述するように、被塗布物200への塗布液100の塗布が完了されるときに被塗布物200に対する塗布液100の液垂れを防止する機能を有する。
【0057】
膜形成体3は上下方向を向く平板状で円環状に形成された外環部6と外環部6の内周縁の全周から突出された内環部7とから成る(図2及び図3参照)。
【0058】
外環部6にはネジ溝が切られた固定用ネジ穴6a、6aが形成されている。
【0059】
内環部7は環状に形成され、外環部6の内周縁から下方へ行くに従って内側に変位するように傾斜されている。従って、内環部7の内周縁(先端縁)は外環部6の内周縁より下側に位置されている。内環部7は厚さが上側に位置する外周縁から下側に位置する内周縁へ行くに従って徐々に薄くなるように形成されている。内環部7の内径は被塗布物200の外径より大きくされ、例えば、被塗布物200の外径より1mm乃至2mm大きくされている。
【0060】
内環部7の内周縁は開口部7aとして形成されている。開口部7aには塗布液100の膜100aが張られる。膜100aは膜形成体3が貯液槽2に貯留された塗布液100に浸漬された後に引き上げられることにより張られる。膜100aは塗布液100が一定の範囲内、即ち、小さい表面張力を有しているため開口部7aに張られることが可能とされている。また、膜100aは塗布液100が一定の粘性を有しているため厚みが厚くされ破裂し難い状態とされている。
【0061】
なお、上記したように、膜形成体3は内環部7が下方へ行くに従って厚みが薄くされ内周縁の厚みが薄く形成されている。従って、開口部7aに膜100aを容易に形成することが可能とされている。
【0062】
昇降ユニット4は、図1に示すように、設置面300に設置された台座8と、台座8から上方へ延びる支柱9と、支柱9に上下方向へ移動自在に支持された移動体10と、移動体10を移動させる図示しない駆動機構と、移動体10の移動速度や移動方向等を制御する図示しないコントローラーとを有している。
【0063】
移動体10は、支柱9に支持された移動部11と、移動部11の上端部から右方へ突出された突出部12と、突出部12の右端部から下方へ突出された腕部13と、腕部13の下端部に設けられた取付部14とから成る。
【0064】
取付部14にはネジ挿通孔14a、14aが形成されている。
【0065】
膜形成体3は外環部6が移動体10の取付部14の下側に位置され、取付部14に形成されたネジ挿通孔14a、14aにそれぞれ挿通されたネジ15、15が外環部6に形成された固定用ネジ穴6a、6aに螺合されることにより移動体10に固定される。従って、膜形成体3は移動体10の移動に伴って上下方向へ移動される。
【0066】
[塗布装置の動作]
以下に、塗布装置1の動作について説明する(図4乃至図13参照)。
【0067】
被塗布物200に塗布液100が塗布される前の初期状態においては、貯液槽2の内部において膜形成体3の開口部7aが塗布液100に浸漬された状態で配置されている(図4参照)。このとき、膜形成体3の開口部7aが上下方向を向いた状態とされ、外環部6は内環部7より上側に位置されている。
【0068】
先ず、被塗布物200が貯液槽2に貯留された塗布液100の上方において保持機構によって保持された状態とされる(図5参照)。このとき、被塗布物200の中心軸と膜形成体3の開口部7aの中心軸とが一致された状態とされる。
【0069】
次に、昇降ユニット4の移動体10に固定された膜形成体3が昇降ユニット4によって上方(被塗布物200の軸方向)へ移動され、塗布液100の液面の上側に位置される(図6参照)。
【0070】
膜形成体3の上方への移動により膜形成体3の開口部7aが塗布液100に浸漬された状態から塗布液100の液面の上側に位置されると、開口部7aに塗布液100の膜100aが張られる(図7参照)。
【0071】
上記したように、内環部7の内周縁(先端縁)は外環部6の内周縁より下側に位置されている。従って、自重や移動体10に対する固定状態等によって膜形成体3が水平方向に対して傾いた状態になった場合においても、外環部6の内周縁が塗布液100に浸され難く、膜形成体3の開口部7aに膜100aを確実に張ることができる。
【0072】
次いで、膜形成体3が上方へ移動され、被塗布物200の下面より上側へ移動されていく(図8参照)。このとき、内環部7の内周縁と被塗布物200の外面との間には一定の隙間、例えば、1mm乃至2mmの隙間が生じている。
【0073】
膜形成体3が被塗布物200の下面より上側へ移動されていくと、膜形成体3の開口部7aに張られた膜100aの一部が被塗布物200の下面から外周面の下端部に亘って貼り付けられ塗膜101が形成される(図9参照)。
【0074】
なお、膜形成体3が被塗布物200の下面より上側へ移動され被塗布物200の下面から外周面の下端部に亘って膜100aが貼り付けられるときに、被塗布物200の下端部の形状や膜100aの強度によっては膜100aに破れが生じる可能性がある。
【0075】
そこで、このような膜100aの破れの可能性がある場合には、被塗布物200の下端部を膜形成体3の開口部7aと共に塗布液100に浸漬させ、この状態で膜形成体3の上方への移動を開始するようにしてもよい。
【0076】
また、被塗布物200の下端部を膜形成体3の開口部7aと共に塗布液100に浸漬させた状態で膜形成体3の上方への移動を開始することにより、膜形成体3が塗布液100の液面より上方へ移動されたときに被塗布物200の外周面と膜形成体3の内周縁との間に膜100aが形成される。
【0077】
従って、膜100aの面積が小さくなり塗布液100の使用量を削減することができる。
【0078】
続いて、膜形成体3が昇降ユニット4のコントローラーにより制御されて低速度、例えば、0.1mm/sで上方へ移動されていく(図10参照)。このとき、内環部7の内周縁と被塗布物200の隙間は一定とされる。
【0079】
膜形成体3が上方へ移動されていくと、膜100aの外周部が膜形成体3の移動に伴って上方へ移動されていくため、被塗布物200の外周面に下側から上側へ順に膜100aが貼り付けられて塗膜101が形成されていく。
【0080】
上記したように、塗布装置1にあっては、膜形成体3が昇降ユニット4によって低速度で上方へ移動されていくので、膜形成体3の開口部7aに張られた膜100aに過大な外力が付与されず、膜100aの破れを防止することができる。
【0081】
また、上記したように、内環部7は外環部6の内周縁から開口部7aに近付くに従って外環部6に対して傾斜され、内環部7の内周縁が外環部6の内周縁の内側に位置されている。従って、膜100aが形成される内環部7の内周縁が被塗布物200に最も接近して位置されており、膜100aが形成されない内環部7の内周縁以外の部分及び外環部6の被塗布物200に対する接触を防止することができる。
【0082】
引き続いて、膜形成体3が上方へ移動され、被塗布物200の上面に取り付けられた液垂防止体5より上側の位置において移動が停止される(図11参照)。
【0083】
膜形成体3の移動が停止される直前においては、膜100aが液垂防止体5の少なくとも一部に張り付けられて塗膜101が形成される。このとき、膜100aが破れた場合においても液垂防止体5の表面に塗布液100の液垂れが生じる(図12参照)。
【0084】
従って、被塗布物200の外周面に対する塗布液100の液垂れを防止することができ、被塗布物200に対する塗膜101の良好な形成状態を確保することができる。
【0085】
なお、上記には、被塗布物200の上面に液垂防止体5が取り付けられている例を示したが、被塗布物200の外周面に対する塗布液100の液垂れを防止する構成は液垂防止体5以外の他の構成であってもよい。例えば、液垂防止体5に代えて、被塗布物200の上端部を上方へ行くに従って先細りの形状に形成することも可能である。
【0086】
上記したように、膜形成体3が液垂防止体5より上側の位置まで移動されることにより、被塗布物200の外周面の全体に塗膜101が形成される。
【0087】
上記した塗布装置1においては、膜形成体3の移動量が被塗布物200の軸方向(上下方向)における長さと略同じにされている。従って、膜形成体3の移動量が被塗布物200の大きさに対して大幅に大きくなることがなく、その分、塗布装置1の小型化を図ることができる。
【0088】
次いで、被塗布物200に対して乾燥等の処理を行う。
【0089】
続いて、膜形成体3が昇降ユニット4により下方へ移動され、貯液槽2の内部に開口部7aが塗布液100に浸漬された状態で位置される(図13参照)。即ち、膜形成体3は初期状態に戻る。
【0090】
引き続いて、上記した塗布装置1の動作が必要に応じて繰り返される。即ち、膜形成体3が被塗布物200に対して往復される。
【0091】
従って、塗布装置1においては、被塗布物200に対して重ねて塗布液100を塗布して、被塗布物200の外周面に形成される塗膜101の膜厚を調整することができる。
【0092】
なお、上記には、被塗布物200として円筒形状又は円柱形状の基材が用いられた例を示したが、被塗布物200は円筒形状又は円柱形状の基材に限られることはなく、被塗布物200として球形状、シリコンウェハやガラスウェハ等の平板形状等の各種の形状のものが用いられていてもよい。
【0093】
以下に、球形状の基材が被塗布物200Aとして用いられたときの塗布装置1の動作の一例について説明する(図14乃至図17参照)。
【0094】
被塗布物200Aに塗布液100が塗布される前の状態においては、貯液槽2の内部において、膜形成体3の開口部7aが塗布液100に浸漬された状態で配置され、被塗布物200Aは下端部が塗布液100にされた状態で配置されている(図14参照)。このとき、被塗布物200Aの上下方向の中心軸と膜形成体3の開口部7aの中心軸とが一致された状態とされる。
【0095】
次に、膜形成体3の開口部7aと被塗布物200Aの下端部が共に塗布液100に浸漬された状態から昇降ユニット4の移動体10に取り付けられた膜形成体3が昇降ユニット4によって上方(開口部7aの軸方向)へ移動され始める(図15参照)。
【0096】
なお、被塗布物200Aが塗布液100の上側に位置された状態において膜形成体3が上方へ移動され始めてもよい。
【0097】
膜形成体3の上方への移動が開始されると、膜形成体3の開口部7aにおいて膜形成体3と被塗布物200Aの間に膜100aが張られ、膜形成体3の開口部7aに張られた膜100aの一部が被塗布物200Aの塗布液100に浸漬されていない下端部の外周面に貼り付けられ塗膜101が形成される。
【0098】
次いで、膜形成体3が昇降ユニット4のコントローラーにより移動速度が制御されて上方へ移動されていく(図16参照)。
【0099】
膜形成体3が上方へ移動されていくと、被塗布物200Aの外周面に下側から上側へ順に膜100aが貼り付けられて塗膜101が形成されていく。
【0100】
続いて、膜形成体3が上方へ移動され、被塗布物200Aより上側の位置において移動が停止される(図17参照)。
【0101】
膜形成体3が被塗布物200Aより上側の位置まで移動されることにより、被塗布物200Aの外周面の全体に塗膜101が形成される。
【0102】
また、以下に、平板形状の基材が被塗布物200Bとして用いられたときの構成等について説明する(図18参照)。
【0103】
被塗布物200Bは、例えば、長手方向が垂直方向となる向きで配置されている。
【0104】
被塗布物200Bに対しては膜形成体3Aが用いられ、膜形成体3Aは外環部6Aと内環部7Aが、以下のように、被塗布物200Bの形状に応じて形成されている。
【0105】
膜形成体3Aは上下方向を向く平板状で矩形の環状に形成された外環部6Aと外環部6Aの内周縁の全周から突出された内環部7Aとから成る。
【0106】
内環部7Aは外環部6Aの内周縁から下方へ行くに従って内側に変位するように傾斜されている。内環部7Aの先端縁(内周縁)は矩形に形成されている。
【0107】
内環部7Aの内周縁は開口部7aとして形成されている。開口部7aは被塗布物200Bの水平断面形状より一回り大きくされている。即ち、内環部7Aの開口部7aには被塗布物200Bが挿通可能とされている。
【0108】
被塗布物200Bに塗布液100が塗布される前の状態においては、膜形成体3Aの開口部7aが塗布液100に浸漬され、被塗布物200Bが開口部7aに挿通可能な位置に配置される。次に、膜形成体3Aの上方(開口部7aの軸方向)への移動が開始され、膜形成体3Aが、開口部7aに被塗布物200Bが挿通された状態で上方へ移動されていく。次いで、膜形成体3Aが上方へ移動されて被塗布物200Bの上端部より上側の位置において移動が停止される。
【0109】
従って、膜形成体3Aが塗布物200Bの下端側から上端側まで移動されることにより、平板状の被塗布物200Bにおける外周面の全体に塗膜101が形成される。
【0110】
[塗布装置の変形例]
以下に、塗布装置の変形例について説明する(図19参照)。
【0111】
なお、以下に示す変形例に係る塗布装置は、上記した塗布装置1と比較して、膜形成体の構成と他の一部の構成のみが相違するので、塗布装置1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については塗布装置1における同様の部分に付した符号を付して説明は省略する。
【0112】
[変形例に係る塗布装置の構成]
変形例に係る塗布装置1Aによって塗膜101が形成される被塗布物200Cとしては、例えば、軸方向における長さの長い円筒形状の基材が用いられる。
【0113】
膜形成体3Bは、図19に示すように、軸方向が上下方向とされ環状に形成されたベース面部20とベース面部20の内周部を除く部分から上方へ突出された貯液部21とベース面部20の内周部から下方へ突出された送出部22とを有している。
【0114】
ベース面部20は内周縁が円形状に形成され、内径が被塗布物200Cの外径より大きくされ、内部に流路20aを有している。
【0115】
貯液部21には上方に開口された凹部が形成され、この凹部が貯液空間21aとして形成されている。貯液空間21aはベース面部20の流路20aに連通されている。
【0116】
送出部22は内部に液送出路22aを有している。液送出路22aは下方へ行くに従って内方へ変位するように傾斜され、上端が流路20aに連通され下端が送出部22の内側に存在する空間に連通されている。送出部22の下縁は塗布液100の膜100aが張られる開口部22bとして形成されている。従って、液送出路22aは開口部22bに近付くに従って下方へ変位するように傾斜されている。
【0117】
貯液空間21a、流路20a及び液送出路22aは膜形成体3Bの内部おいて順に連通されている。貯液空間21aは流路20a及び液送出路22aに対して大きな容積を有している。流路20a及び液送出路22aは幅の細い空間に形成されている。
【0118】
貯液部21の貯液空間21aには後述する液供給機構によって塗布液100が供給され、供給された塗布液100が流路20aを介して液送出路22aに流動され液送出路22aから膜100aを形成するために送出される。
【0119】
送出部22の液送出路22aは、上記したように、開口部22bに近付くに従って下方へ変位するように傾斜されているため、塗布液100が重力によって開口部22bへ向けて流動され易く、開口部22bに張られる膜100aに塗布液100を容易に送出することができる。
【0120】
また、送出部22の液送出路22aは、上記したように、貯液空間21aに対して幅の細い空間に形成されている。従って、塗布液100が毛細管現象によって送出部22から開口部22bへ向けて流動され易く、開口部22bに張られる膜100aに塗布液100を確実に送出することができる。また、開口部22bに塗布液100を送出するためのポンプ等の構成が不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0121】
塗布装置1Aには貯液部21に塗布液100を供給するための液供給機構23が設けられている。液供給機構23は、塗布液100を貯留する貯留タンク24と、貯留タンク24から貯液部21への塗布液100の流路として機能する送出管25と、塗布液100を貯留タンク24から貯液部21へ向けて送るポンプ26とを有している。
【0122】
[変形例に係る塗布装置の動作]
上記した塗布装置1Aにおいては、開口部22bに膜100aが張られた状態で膜形成体3Bが所定の位置に固定され、被塗布物200Cがその中心軸と開口部22bの中心軸とが一致された状態で膜形成体3Bの開口部22bに挿通されて下方へ移動されていく。このとき、塗布液100が液供給機構23から貯液部21に供給され、貯液部21に貯留された塗布液100が送出部22により開口部22bに順次供給される。
【0123】
従って、膜形成体3Bの開口部22bに張られている膜100aの液切れによる破れが防止され、被塗布物200Cに対して連続して塗布液100を塗布することができ、軸方向における長さの長い被塗布物200Cに塗膜101を形成することができる。
【0124】
なお、上記には、送出部22から塗布液100が毛細管現象や重力によって開口部22bに送出される例を示したが、送出部22からの塗布液100の開口部22bへの送出は毛細管現象や重力による例に限られることはない。例えば、貯液部21に貯留された塗布液100がポンプ等を用いた圧力によって開口部22bに送出されるようにしてもよい。
【0125】
また、上記には、液供給機構23は貯留タンク24、送出管25及びポンプ26を有する例を示したが液供給機構は貯留タンク24、送出管25及びポンプ26を有する例に限られることはない。液供給機構は貯液部21に塗布液100を供給する機能を有していればよく、例えば、ポンプ26を設けることなく重力により塗布液100を送出するようにしてもよい。
【0126】
また、上記には、被塗布物200Cとして軸方向における長さの長い円筒形状の基材が用いられた例を示したが、被塗布物は長い円筒形状の基材に限られることはなく、被塗布物200Cとして長い平板形状等の各種の形状のものが用いられていてもよい。
【0127】
[まとめ]
以上に記載した通り、塗布装置1、1Aにあっては、開口部7a、22bを有する環状の膜形成体3、3A、3Bが被塗布物200、200A、200B、200Cに対して相対的に移動され、塗布液100の膜100aが張られた開口部7a、22bに被塗布物200、200A、200B、200Cが挿通されて被塗布物200、200A、200B、200Cの表面に塗布液100が塗布される。
【0128】
従って、開口部7a、22bに張られた塗布液100の膜100aによって被塗布物200、200A、200B、200Cの表面に塗膜101が形成されるので、塗布液100の使用量が少なくて済み、塗布液100の使用量を削減することができる。
【0129】
また、塗布装置1、1Aにあっては、膜形成体3、3A、3Bの開口部7a、22bに張られる膜100aによって被塗布物200、200A、200B、200Cの表面に塗膜101を形成するため、膜形成体3、3A、3Bからの塗布液100の液漏れを生じることがない。従って、塗布装置1、1Aに液漏れを防止する機構を設ける必要がなく、塗布装置1、1Aの構成の簡素化を図ることができる。
【0130】
[本技術]
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0131】
(1)被塗布物に塗布される塗布液が貯留された貯液槽と、前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬されて膜が張られる開口部を有する環状の膜形成体とを備え、前記膜形成体が前記被塗布物に対して相対的に移動され、前記膜が張られた前記開口部に前記被塗布物が挿通されて前記被塗布物の表面に前記塗布液が塗布されるようにした塗布装置。
【0132】
(2)前記膜形成体に、環状に形成された外環部と、環状に形成され前記開口部を有し前記外環部の内周縁から突出された内環部とを設け、前記内環部の先端縁は前記外環部の内周縁より下側に位置された前記(1)に記載の塗布装置。
【0133】
(3)前記内環部は前記外環部の内周縁から前記開口部に近付くに従って前記外環部に対して傾斜され、前記内環部の内周縁が前記外環部の内周縁の内側に位置された前記(2)に記載の塗布装置。
【0134】
(4)前記被塗布物の下端部と前記膜形成体の少なくとも前記開口部とが前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬された状態において前記膜形成体の移動が開始されるようにした前記(1)から前記(3)の何れかに記載の塗布装置。
【0135】
(5)前記被塗布物の前記膜形成体が移動する方向における端部に、前記膜形成体が移動する方向において先細りの形状に形成された液垂防止体が取り付けられた前記(1)から前記(4)の何れかに記載の塗布装置。
【0136】
(6)前記膜形成体が前記被塗布物に対して往復される前記(1)から前記(5)の何れかに記載の塗布装置。
【0137】
(7)前記膜形成体に、前記塗布液を貯留する貯液部と前記貯液部に貯留された前記塗布液を前記開口部に送出する送出部とが設けられ、前記塗布液を前記貯液部に供給する液供給機構が設けられた前記(1)に記載の塗布装置。
【0138】
(8)前記送出部が前記開口部に近付くに従って下方へ変位するように傾斜された前記(7)に記載の塗布装置。
【0139】
(9)前記貯液部に貯留された前記塗布液が前記送出部から毛細管現象によって前記開口部に送出されるようにした前記(7)又は前記(8)に記載の塗布装置。
【0140】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】図2乃至図19と共に本技術塗布装置の実施の形態を示すものであり、本図は、一部を断面にして示す塗布装置の概略側面図である。
【図2】膜形成体の概略断面図である。
【図3】膜形成体の概略平面図である。
【図4】図5乃至図13と共に円筒形状又は円柱形状の被塗布物に塗布液が塗布されるときの塗布装置の動作を示すものであり、本図は、被塗布物に塗布液が塗布される前の初期状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図5】被塗布物が塗布液の上方において保持された状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図6】膜形成体の移動が開始され、塗布液の液面の上側に位置される状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図7】膜形成体の開口部に塗布液の膜が張られた状態を示す概略底面図である。
【図8】膜形成体が被塗布物の下面より上側に移動された状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図9】塗布液の膜の一部が被塗布物の下面に貼り付けられ塗膜が形成された状態を示す概略底面図である。
【図10】膜形成体が低速で上方へ移動されていく状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図11】被塗布物に対する1度目の塗布液の塗布が完了された状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図12】液垂防止体に液垂れが生じている状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図13】膜形成体が下方へ移動され初期状態に戻った状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図14】図15乃至図17と共に球形状の被塗布物に塗布液が塗布されるときの塗布装置の動作を示すものであり、本図は、被塗布物に塗布液が塗布される前の状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図15】膜形成体の移動が開始された状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図16】膜形成体が上方へ移動されていく状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図17】被塗布物に対する塗布液の塗布が完了された状態を一部を断面にして示す概略側面図である。
【図18】平板状の被塗布物に塗布液が塗布される状態を示す概略斜視図である。
【図19】変形例に係る塗布装置を一部を断面にして示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0142】
1…塗布装置、2…貯液槽、3…膜形成体、5…液垂防止体、6…外環部、7…内環部、7a…開口部、100…塗布液、100a…膜、200…被塗布物、200A…被塗布物、200B…被塗布物、3A…膜形成体、6A…外環部、7A…内環部、1A…塗布装置、3B…膜形成体、22b…開口部、21…貯液部、22…送出部、23…液供給機構、200C…被塗布物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布物に塗布される塗布液が貯留された貯液槽と、
前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬されて膜が張られる開口部を有する環状の膜形成体とを備え、
前記膜形成体が前記被塗布物に対して相対的に移動され、前記膜が張られた前記開口部に前記被塗布物が挿通されて前記被塗布物の表面に前記塗布液が塗布されるようにした
塗布装置。
【請求項2】
前記膜形成体に、環状に形成された外環部と、環状に形成され前記開口部を有し前記外環部の内周縁から突出された内環部とを設け、
前記内環部の先端縁は前記外環部の内周縁より下側に位置された
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記内環部は前記外環部の内周縁から前記開口部に近付くに従って前記外環部に対して傾斜され、
前記内環部の内周縁が前記外環部の内周縁の内側に位置された
請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記被塗布物の下端部と前記膜形成体の少なくとも前記開口部とが前記貯液槽に貯留された前記塗布液に浸漬された状態において前記膜形成体の移動が開始されるようにした
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記被塗布物の前記膜形成体が移動する方向における端部に、前記膜形成体が移動する方向において先細りの形状に形成された液垂防止体が取り付けられた
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記膜形成体が前記被塗布物に対して往復される
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記膜形成体に、前記塗布液を貯留する貯液部と前記貯液部に貯留された前記塗布液を前記開口部に送出する送出部とが設けられ、
前記塗布液を前記貯液部に供給する液供給機構が設けられた
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記送出部が前記開口部に近付くに従って下方へ変位するように傾斜された
請求項7に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記貯液部に貯留された前記塗布液が前記送出部から毛細管現象によって前記開口部に送出されるようにした
請求項7に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−206059(P2012−206059A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75292(P2011−75292)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】