説明

塗布量測定装置

【課題】薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることができるとともに、薬液が塗布される木材の品質を向上させることが可能な塗布量測定装置。
【解決手段】表面に微小孔M1が形成された木材Mを、木材搬送装置2により薬液塗布装置3に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、
前記薬液塗布装置3の直前に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布前重量を計測する第1の重量計測部4と、
前記薬液塗布装置3の直後に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布後重量を計測する第2の重量計測部5と、
これら第1および第2の重量計測部4、5に接続され、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差から薬液の塗布量を算出するとともに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別する塗布量管理部6とを備えた塗布量測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に多数の微小孔が形成された木材を、木材搬送装置により薬液塗布装置に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、所定量の薬液が前記木材に塗布されているか否かを測定して判別する塗布量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
木材に対して、シロアリ、ヒラタキクイムシなどによる食害や、腐朽菌などによる腐れを防止するために、防腐防蟻処理を施すことが行われている。この防腐防蟻処理の一例として、予め木材の表面に、例えばのみ刃によって適当な間隔でのみ目を切り込んでおき、のみ目から薬液を木材内部に浸透させる方法があり、木材の表面にのみ目などの微小孔を切り込む加工がインサイジング加工と称されている。このインサイジング加工を利用して木材の内部への防腐防蟻用の薬液の浸透性を図った技術として、例えば特許文献1に記載された薬液塗布装置が知られている。
また、この薬液塗布装置では、適量の薬液を木材に塗布して、微小孔から木材内部に薬液を効果的に浸透させている。
【特許文献1】特開2000−225607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のように適量の薬液を木材に塗布するに際し、実際に薬液を塗布すべき木材と同サイズの調整用木材を用いて薬液の塗布量の調整作業が行われている。
すなわち、前記調整用木材に実際の薬液塗布作業と同じように薬液を塗布するとともに余分な薬液を除去して、薬液塗布作業前と薬液塗布作業後の重量差(薬液の重さ)を算出する。さらに、前記調整用木材の表面積と薬液の重さとから、該調整用木材の表面積1m2あたりの薬液の塗布量(重さ)を算出し、所定の塗布量となるように調整して薬液の塗布量管理を行っていた。
【0004】
ところが、上記のように、薬液塗布作業前と薬液塗布作業後に前記調整用木材の重量を計測する際は、該調整用木材の重量計までの運搬および重量計からの運搬を全て手作業で行っており手間であった。
さらに、実際に塗布量の調整作業が行われるのは前記調整用木材だけであり、実際に薬液を塗布すべき木材に対しての調整作業は行われていないことから、該実際の木材にも所定量の薬液が塗布されているかどうかを確認することによって、薬液が塗布される全ての木材の品質向上が求められていた。
【0005】
本発明の課題は、薬液の塗布量調整作業に係る手作業を軽減して作業性を向上させることができるとともに、薬液が塗布される木材一本一本の品質を向上させることが可能な塗布量測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、表面に多数の微小孔M1が形成された木材Mを、木材搬送装置2により薬液塗布装置3に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを測定して判別する塗布量測定装置1において、
前記薬液塗布装置3の直前に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布前重量を計測する第1の重量計測部4と、
前記薬液塗布装置3の直後に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布後重量を計測する第2の重量計測部5と、
これら第1および第2の重量計測部4、5に接続され、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差から薬液の塗布量を算出するとともに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別する塗布量管理部6とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、薬液の塗布量調整作業に係る手作業を軽減して作業性を向上させることができるとともに、薬液が塗布される木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
すなわち、表面に多数の微小孔M1が形成された木材Mを、木材搬送装置2により薬液塗布装置3に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、まず、前記薬液塗布装置3の直前に位置する第1の重量計測部4によって、前記木材搬送装置2により搬送される木材Mの薬液塗布前重量を計測しておく。その後、前記薬液塗布装置3によって薬液が塗布された木材Mの薬液塗布後重量を、前記薬液塗布装置3の直後に位置する第2の重量計測部5によって計測する。
一方、この時、前記第1および第2の重量計測部4、5に接続されている塗布量管理部6により、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差から薬液の塗布量を算出するとともに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別できるようになっている。
これによって、前記木材Mを木材搬送装置2により搬送しながら、前記第1および第2の重量計測部4、5によって薬液塗布前と薬液塗布後の木材Mの重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることができる。
また、このように前記木材Mを木材搬送装置2により連続的に搬送しながら、塗布された薬液の塗布量を算出し、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別することができるので、薬液が塗布される全ての木材Mの塗布量管理を行うことができるようになり、木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の塗布量測定装置1において、
前記第1および第2の重量計測部4、5は、それぞれ前記木材搬送装置2の下方に配置されており、
前記木材搬送装置2の搬送路上面2aを搬送される木材Mの下面に当接して、該木材Mを下方から支持する木材支持部7と、
この木材支持部7の下方に設けられて、前記木材支持部7を上下方向に昇降可能に支持する昇降機構8が設けられた本体部9と、
この本体部9の下部に設けられ、前記木材支持部7に支持される木材Mの重量を計測する計測器10とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記木材支持部7によって前記木材搬送装置2の搬送路上面2aを搬送される木材Mを下方から支持することができるようになっており、さらに、このような木材支持部7の下方には、該木材支持部7を上下方向に昇降可能に支持する昇降機構8が設けられた本体部9が設けられている。よって、前記昇降機構8により前記木材支持部7を上方に向かって持ち上げて支持することできるので、その下面が前記木材支持部7に当接する前記木材Mを前記搬送上面よりも上方に持ち上げることが可能となる。そして、この時、前記本体部9の下部に設けられた計測器10によって前記搬送路上面2aから上方に向かって支持された木材Mの重量を計測することができるようになっている。
これによって、前記木材搬送装置2により搬送しながら木材Mの重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項2に記載の塗布量測定装置1において、
前記木材支持部7の外側面には、下方に向かって延出する延出板部11が設けられており、前記本体部9の外側面には、前記延出板部11の内側面に当接することにより前記木材支持部7の昇降移動を案内するガイド板部12が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記木材支持部7の外側面に設けられた延出板部11の内側面に、前記本体部9の外側面に設けられたガイド板部12を当接することによって、例えば、前記木材支持部7が水平方向にずれてしまうようなことが無く、前記木材支持部7を前記ガイド板部12に沿って円滑に昇降移動させることが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1に記載の塗布量測定装置1において、
前記塗布量管理部6は、前記第1の重量計測部4によって計測された前記木材Mの薬液塗布前重量を記憶する前重量記憶部19と、
前記第2の重量計測部5によって計測された前記木材Mの薬液塗布後重量を記憶する後重量記憶部20と、
前記記憶された薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差を算出するとともに、算出された重量差と前記木材Mの表面積とから、該木材Mの表面積1m2あたりの薬液の塗布量を算出する算出手段と、
この算出手段によって算出された塗布量が所定値に達しているか否かを判別する判別手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1の重量計測部4によって計測された前記木材Mの薬液塗布前重量を前記前重量記憶部19に記憶させておくとともに、前記第2の重量計測部5によって計測された前記木材Mの薬液塗布後重量を前記後重量記憶部20に記憶させておき、前記算出手段によって、記憶させておいた木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差を算出することができるとともに、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量を算出することができる。そして、このようにして算出された薬液の塗布量が所定値に達しているか否かを前記判別手段によって判別することが可能となる。
これによって、薬液が塗布される全ての木材Mの薬液の塗布量を算出することができ、さらに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別することができるので、薬液が塗布される全ての木材Mの塗布量管理を行うことができるようになり、木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図1または図2に示すように、請求項4に記載の塗布量測定装置1において、
前記判別手段の結果に基づいて、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mの存在を通知する通知部27を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mがあった場合に、前記通知部27によってその存在を認知することができ、また、このような木材Mを取り除いておくこともできる。これにより、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mを無くすことができるようになり、延いては、薬液が塗布される木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記木材を木材搬送装置により搬送しながら、前記第1および第2の重量計測部によって薬液塗布前と薬液塗布後の木材の重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることができる。
また、このように前記木材を木材搬送装置により連続的に搬送しながら、塗布された薬液の塗布量を算出し、所定量の薬液が前記木材に塗布されているか否かを判別することができるので、薬液が塗布される全ての木材の塗布量管理を行うことができるようになり、木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る塗布量測定装置1の実施の形態について説明する。
【0018】
本実施の形態の塗布量測定装置1は、図1に示すように、表面に多数の微小孔M1が形成された木材Mを、木材搬送装置2により薬液塗布装置3に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを測定して判別するものであり、
前記薬液塗布装置3の直前に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布前重量を計測する第1の重量計測部4と、
前記薬液塗布装置3の直後に位置し、前記連続供給される木材Mの薬液塗布後重量を計測する第2の重量計測部5と、
これら第1および第2の重量計測部4、5に接続され、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差から薬液の塗布量を算出するとともに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別する塗布量管理部6とを備えている。
【0019】
前記木材Mは、図1に示すように、インサイジング加工により表面に多数の微小孔M1が形成されている。
ここで、インサイジング加工とは、図示はしないが、周方向に所定間隔で多数の刃が形成されてなるインサイジング刃物を回転させつつ、前記刃物によって木材Mの表面を切り込むことであり、このような作業を行うインサイジング装置によって、木材Mの表面に多数の微小孔M1を形成できるようになっている。そして、木材Mの表面に薬液を塗布することにより、前記多数の微小孔M1から木材Mの内部に薬液が浸透するようになっている。
なお、前記インサイジング装置は、前記薬液塗布装置3よりも前の工程として設けられている。
【0020】
前記木材搬送装置2は、図1に示すように、多数のローラ2bを有するローラコンベアから構成されており、これらローラ2bの左右両端部をそれぞれ回動自在に支持するローラ支持部(図示せず)とから形成されている。
なお、前記ローラ支持部は、例えばチャンネル型鋼からなり、互いに平行に配置されると共に、その内面側に軸受け(図示せず)が一定の間隔で前記ローラ2bの数だけ取り付けられ、前記ローラ2bの両端部を回動自在に支持するようになっている。
また、本実施の形態では、前記木材搬送装置2としてローラコンベアを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、ベルトコンベア等、木材Mを一定方向に連続して搬送供給できるものであれば良い。
【0021】
前記薬液塗布装置3は、図1に示すように、連続して供給される木材Mに薬液を塗布する薬液塗布部3aと、前記木材Mの表面に付着した薬液以外の余分な薬液を除去する薬液除去部3bと、これら薬液塗布部3aおよび薬液除去部3bにおいて生じた余分な薬液を回収した下方に落下排出する薬液回収部(図示せず)と、この薬液回収部から落下排出された薬液を貯留する薬液貯留部3cと、貯留された薬液を再び前記薬液塗布部3aに循環供給する循環装置3dとから構成されている。
このような薬液塗布装置3によれば、前記木材Mの表面に付着した薬液以外の余分な薬液を再び循環供給することができるので、薬液の無駄遣いを防ぐことができるとともに、木材Mの表面に付着させる分だけの適量の薬液を容易、かつ確実に木材Mに塗布することができ、その上、前記木材搬送装置2によって連続的に搬送供給される木材Mが大量であった場合においても、より多くの木材Mに対して薬液を塗布することが可能となる。
なお、前記薬液塗布部3aには、前記循環装置3dから延出する吐出ホース3eに接続された噴射ノズル3fが設けられており、連続して供給される木材Mに対して効果的に薬液を塗布することができるようになっている。また、このような噴射ノズル3fに、例えば調整弁(図示せず)等が設けられることにより、この噴射ノズル3fから噴射される薬液の量を調節することができるので、薬液を塗布すべき木材Mの大きさや表面積、樹種などにあわせて適宜、塗布量の調整を行うことが望ましい。さらには、例えば、制御手段を設けて薬液の塗布量調整を、薬液を塗布すべき木材Mの大きさや表面積、樹種などにあわせて適宜、自動で行うことが望ましい。
一方、前記薬液除去部3bには、除去用ブラシ3gが設けられており、前記噴射ノズル3fによって薬液を塗布された木材Mの表面を擦るようにして、該木材Mの表面に付着した薬液以外の余分な薬液を除去することができるようになっている。
【0022】
前記薬液は、シロアリ、ヒラタキクイムシなどによる食害や腐朽菌などによる腐れを防止するために、前記木材Mに対して塗布するものである。また、その有効成分や濃度を変えることによって、薬剤としての性能や木材Mに対する浸透度が異なり、用いられる木材Mの用途によって適宜変更して用いる。
【0023】
前記第1の重量計測部4は、図1に示すように、前記木材搬送装置2の下方に配置されており、前記木材搬送装置2の搬送路上面2aを搬送される木材Mの下面に当接して、該木材Mを下方から支持する木材支持部7と、この木材支持部7の下方に設けられて、前記木材支持部7を上下方向に昇降可能に支持する昇降機構8が設けられた本体部9と、この本体部9の下部に設けられ、前記木材支持部7に支持される木材Mの重量を計測する計測器10とを備えている。
これによって、前記木材搬送装置2により搬送しながら木材Mの重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0024】
前記木材支持部7は、図1に示すように、前記木材Mの下面に当接する3つの当接部7aと、これら当接部7aをそれぞれ上方に向かって支持する支持脚7bと、これら当接部7aおよび支持脚7bとを支持する基台部7cとから構成されている。
なお、本実施の形態では、前記3つの当接部7aが設けられた構成となっているが、これに限られるものではなく、例えば、4つの当接部7aが設けられた構成であっても良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでも無い。
【0025】
前記昇降機構8は、図1に示すように、前記本体部9に取り付けられた2つの昇降駆動部8aと、この昇降駆動部8aによって上下動自在のピストンロッド8bとを有し、前記ピストンロッド8bを前記木材支持部7の基台部7cの下部に強固に固定することにより、前記木材支持部7を上下方向に昇降させることができるようになっている。
【0026】
なお、前記昇降駆動部8aとして、例えばエアシリンダや油圧シリンダ等が用いられており、例えば、図示しない制御部によって、その昇降に係る制御プログラム(図示せず)を実行できるようになっている。
すなわち、まず、前記木材搬送装置2上における前記第1の重量計測部4の付近に設けられ、前記木材Mの通過を検知する通過検知部(図示せず)によって前記木材Mの通過を検知する。木材Mの通過を検知した後、前記制御部によって前記木材Mの搬送を一旦停止し、そして、前記制御部によって前記昇降駆動部8aを駆動させ、前記木材支持部7を上方に支持して木材Mの重量を計測する。計測し終わった後、前記制御部によって前記昇降駆動部8aを駆動させ、前記木材支持部7を元に戻し、再び前記木材搬送装置2を稼動させて、重量を計測し終わった木材Mを搬送するようにしている。
【0027】
前記計測器10は、図1に示すように、本体部9の下部に設けられており、前記木材支持部7および本体部9を支持した状態で前記木材Mの重量を計測するようにしている。すなわち、前記木材支持部7と前記本体部9とを合わせた重量と、前記木材支持部7と前記本体部9と前記木材Mとを合わせた重量との重量差を計測するようにしている。
【0028】
前記第2の重量計測部5は、図1に示すように、前記木材搬送装置2の下方に配置されており、上述の前記第1の重量計測部4と略同様の構成となっており、該第2の重量計測部5によれば、前記薬液塗布装置3により薬液が塗布された状態の木材Mの重量を計測するようにしている。
このような第2の重量計測部5によっても、前記木材搬送装置2により搬送しながら木材Mの重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0029】
一方、図1に示すように、前記木材支持部7の外側面には、下方に向かって延出する延出板部11が設けられており、前記本体部9の外側面には、前記延出板部11の内側面に当接することにより前記木材支持部7の昇降移動を案内するガイド板部12が設けられている。
これによれば、前記木材支持部7の外側面に設けられた延出板部11の内側面に、前記本体部9の外側面に設けられたガイド板部12を当接することによって、例えば、前記木材支持部7が水平方向にずれてしまったり、傾いてしまったりするようなことが無く、前記木材支持部7を前記ガイド板部12に沿って円滑に昇降移動させることが可能となる。
【0030】
前記塗布量管理部6は、図1に示すように、前記第1および第2の重量計測部4、5に接続されている。また、図2に示すように、内部にCPU13(Central Processing Unit)と、RAM14(Random Access Memory)と、入力装置15と、出力装置16と、記憶装置17とを備え、これらはバス18を介して接続されている。
【0031】
さらに、前記塗布量管理部6を構成する主たる構成要素として、前記第1の重量計測部4によって計測された前記木材Mの薬液塗布前重量を記憶する前重量記憶部19と、前記第2の重量計測部5によって計測された前記木材Mの薬液塗布後重量を記憶する後重量記憶部20と、前記記憶された薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差を算出するとともに、算出された重量差と前記木材Mの表面積とから、該木材Mの表面積1m2あたりの薬液の塗布量を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された塗布量が所定値に達しているか否かを判別する判別手段とを備えている。
このような塗布量管理部6によれば、薬液が塗布される全ての木材Mの薬液の塗布量を算出することができ、さらに、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別することができるので、薬液が塗布される全ての木材Mの塗布量管理を行うことができるようになり、木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【0032】
前記CPU13は、記憶装置17が有するプログラムや諸情報から入力される各種指示信号に応じた各種データ等をRAM14に格納し、この指示および入力データに応じてRAM14に格納したプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果を一時的にRAM14に格納する。また、CPU13は、一部あるいは全部の処理結果情報を、前記記憶装置17に記憶させるようになっている。
【0033】
前記RAM14は、前記CPU13が前記記憶装置17に格納されたプログラムを実行する際に各種データを展開するプログラム格納領域を形成するとともに、CPU13が実行する処理にかかわるデータを一時的に記憶する記憶領域、入力指示と入力データとによって処理される作業領域等を形成する。
【0034】
前記入力装置15は、キーボードやマウス等を備えており、前記対象部材や化学物質情報を始めとする各種データの入力に用いる。
【0035】
前記出力装置16は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や、LCD(Liquid Crystal Display)、プリンター等により構成され、前記CPU13の制御にしたがい、出力プログラム26を実行させて、各種データや判別結果等を画面上に表示、または印刷する。
【0036】
前記記憶装置17は、プログラムやデータ等が予め記憶されたハードディスク装置であり、このハードディスク装置のハードディスク(記憶装置17)には、データ部17aと、プログラム部17bとが設けられている。
前記データ部17aには、前記木材Mの薬液塗布前重量を記憶する前重量記憶部19や薬液塗布後重量を記憶する後重量記憶部20、薬剤を塗布すべき全ての木材Mに関する諸データを記憶する木材データベース23、木材Mの表面積1mあたりに塗布すべき薬液の塗布量の基準値データを記憶する基準値データベース24、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量が前記薬液の塗布量の基準値に達しているか否かを判別した判別結果データを記憶する判別結果記憶部25等の諸情報がデータ化されている。
前記プログラム部17bには、前記データ部17a内の諸情報を処理するための算出プログラム21や判別プログラム22、出力プログラム26等が記憶されている。
【0037】
前記前重量記憶部19は前記木材Mの薬液塗布前重量が記憶され、前記後重量記憶部20には前記木材Mの薬液塗布後重量が記憶されており、前記データ部17a内にそれぞれ設けられていることによって、一本一本の木材ごとの薬液塗布前と薬液塗布後との重量差を容易に算出することが可能となる。
【0038】
前記算出手段は、前記算出プログラム21と前記CPU13、前記RAM14とから構成されており、前記データ部17aの前重量記憶部19および後重量記憶部20に、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量とがそれぞれ記憶されることによって、前記算出プログラム21が実行されて、薬液が塗布された一本一本の木材ごとの薬液塗布前と薬液塗布後との重量差の数値を算出することができるようになっている。
また、薬液が塗布される木材Mの表面積データを前記データ部17a内の前記木材データベース23に、予め前記入力装置15によって入力して記憶させておき、前記木材Mの薬液塗布前と薬液塗布後との重量差の数値が算出されることによって、前記算出プログラム21が実行され、前記重量差の数値と前記木材Mの表面積とから、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量を算出することができるようになっている。
【0039】
前記判別手段は、前記判別プログラム22と前記CPU13、前記RAM14とから構成されており、木材Mの表面積1mあたりに塗布すべき薬液の塗布量の基準値データを前記データ部17a内の前記基準値データベース24に、予め前記入力装置15によって入力して記憶させておき、前記算出手段によって木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量が算出されることによって、前記判別プログラム22が実行され、前記算出された木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量が、前記薬液の塗布量の基準値データに達しているか否かを判別することができるようになっている。
また、このようにして判別された判別結果は、前記データ部17a内の前記判別結果記憶部25に記憶されるようになっている。
【0040】
前記木材データベース23には、薬液を塗布すべき全ての木材Mに関する諸データが予め前記入力装置15によって入力されて記憶されている。すなわち、薬液を塗布すべき全ての木材Mに関する諸データとは、規格化された複数種類の木材Mのそれぞれの大きさ、長さ等の形状データと、各種類の木材ごとの表面積データ、樹種データ等を示している。
【0041】
前記基準値データベース24は、前記木材Mの表面積1mあたりに塗布すべき薬液の塗布量の基準値データが予め前記入力装置15によって入力されて記憶されている。すなわち、前記第1の重量計測部4と第2の重量計測部5とによって計測された木材Mの薬液塗布前後の重量差の数値と、前記木材データベース23に予め記憶されている表面積データとに基づいて算出される木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量が、木材ごとに設定された基準値に達しているか否かを判別する際の参照データとして用いられるものである。
【0042】
前記判別結果記憶部25は、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量が前記薬液の塗布量の基準値に達しているか否かを判別した判別結果データを記憶させておくものである。そして、記憶された判別結果が所定の基準値に達していない木材Mがあれば、前記出力手段により表示したり、プリンターによって判別結果レポートとして印刷したりすることが可能となる。
【0043】
前記出力プログラム26は、前記CPU13の制御によって実行され、前記判別手段による判別結果を出力装置16に表示したり、プリンターで印刷したりする。
【0044】
また、図示はしないが、所定の基準値に達していない木材Mがあった場合には、前記塗布量管理部6は上述した制御部と接続されることによって、この制御部を作動させて前記木材搬送装置2を一旦停止させることができるので、近くにいる作業員が該木材Mを前記木材搬送装置2上から取り除くようにしても良い。
【0045】
さらに、図1または図2に示すように、前記判別手段の結果に基づいて、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mの存在を通知する通知部27を備えていることにより、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mがあった場合に、該通知部27によってその存在を認知することができ、また、このような木材Mを取り除くこともできる。
これにより、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mを無くすことができるようになり、延いては、薬液が塗布される木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
なお、前記通知部27として、例えば、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mの存在を音で知らせる通知アラームや、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mにマーキングするなどして視覚効果によって知らせるマーキング装置等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0046】
以上のような構成の塗布量測定装置1によって、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを測定して判別するには、まず、図1および図3(a)に示すように、前記薬液塗布装置3に向かって、表面に多数の微小孔M1が形成された木材Mを前記木材搬送装置2によって搬送供給していく。
【0047】
そして、前記木材Mが薬液塗布装置3の直前に位置する前記第1の重量計測部4上に至った際に、図1および図3(b)に示すように、前記木材搬送装置2の稼動を一旦停止させる。この時、上述したように前記第1の重量計測部4の付近に木材Mの通過を検知する通過検知部が設けられていれば、木材Mの通過を検知してから前記制御部を作動させて前記木材搬送装置2の稼動を停止させることができるようになっている。
【0048】
次に、前記第1の重量計測部4上に停止している前記木材Mを、図1および図3(c)に示すように、前記木材支持部7によって上方に支持する。すなわち、前記木材支持部7の当接部7aを前記木材Mの下面に当接させた状態で、前記本体部9に設けられて該木材支持部7を上下方向に昇降可能に支持する昇降機構8によって、前記木材支持部7の基台部7cと、この基台部7c上に設けられた前記支持脚7bおよびこの支持脚7bに支持された前記当接部7aとを同時に上方に向かって移動させるようにする。
この時、図1に示すように、前記本体部9の下部に設けられた計測器10によって、前記木材Mの重量を計測するようにしている。また、計測された木材Mの薬液塗布前重量の数値は、前記塗布量管理部6の前重量記憶部19に記憶させておく。
【0049】
その後は、図1および図3(d)に示すように、前記昇降機構8を作動させて、前記木材Mを支持する木材支持部7ごと下方に向かって移動させ、前記木材Mを再び前記木材搬送装置2上に戻すようにする。
【0050】
以上のようにして前記木材Mの薬液塗布前重量を計測し終えたら、図1および図3(e)に示すように、前記制御部を作動させて前記木材搬送装置2を再稼動させる。そして、前記第1の重量計測部4から前記薬液塗布装置3へと前記木材Mを搬送する。
【0051】
前記薬液塗布装置3においては、図1に示すように、前記噴射ノズル3fが設けられた前記薬液塗布部3aにて連続して供給される木材Mに薬液を塗布し、前記除去用ブラシ3gが設けられた前記薬液除去部3bにて前記木材Mの表面に付着した薬液以外の余分な薬液を除去し、前記薬液回収部にて前記木材Mの表面に付着した薬液以外の余分な薬液を回収し、前記薬液回収部から下方に落下排出された薬液を前記薬液貯留部3cに貯留し、前記循環装置3dによって貯留された薬液を前記薬液塗布部3aに再び循環供給させるようにして、連続して供給される木材Mに薬液を塗布するようにしている。
そして、このように薬液の塗布および除去が行われた木材Mは、前記木材搬送装置2によって前記薬液塗布装置3から外部へと搬送される。
【0052】
次に、前記木材Mが木材搬送装置2によって搬送されて、前記薬液塗布装置3の直後に位置する第2の重量計測部5上に至った際には、上述した第1の重量計測部4と同様の計測方法によって、薬液が塗布された木材Mの薬液塗布後重量を計測する。また、計測された木材Mの薬液塗布後重量の数値は、前記塗布量管理部6の後重量記憶部20に記憶させておく。
【0053】
以上のようにして計測された薬液塗布前と薬液塗布後の木材Mの重量から、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量を算出するには、図2に示すように、まず、前記算出プログラム21を実行させることによって、記憶させておいた木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差を算出する。
【0054】
このように算出された重量差とは、前記木材Mに塗布された薬液の重さを表しており、この時、例えば、大きい寸法の木材Mを用いた場合には、小さい寸法の木材Mにおける薬液の塗布量よりも多くの薬液を用いるので、必然的に、木材Mの大きさや長さ等によって薬液の塗布量をかえなければならない。そこで、前記データ部17aの木材データベース23内に、予め、薬液を塗布すべき木材Mの諸データを入力しておく。
木材データベース23内に記憶されるデータの中には、薬液を塗布すべき木材Mの表面積データが記憶されている。これは、該木材Mの上下左右前後の表面積を合算した数値が記憶されたものであり、上述したように木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量を算出することによって、木材Mの大きさや長さに関係のない算出結果を得ることができるようになっている。
【0055】
すなわち、前記算出プログラム21を実行させて、前記木材Mの薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差の数値と、前記木材データベース23内に記憶されている木材Mの表面積データとから、まず、木材Mの表面積に対してどれくらいの薬液が塗布されたかを導き出し、続いて、導き出された数値を、表面積1mあたりの塗布量の数値に換算する。これによって、どのような大きさの木材Mであっても、木材Mの表面積1mあたりの薬液の塗布量を算出することができる。
【0056】
一方、このようにして算出された薬液の塗布量が所定値に達しているか否かを判別するには、まず、図2に示すように、前記データ部17aの基準値データベース24内に、予め、木材Mの表面積1mあたりに塗布すべき薬液の塗布量の基準値データを入力して記憶させておく。
次に、前記算出された薬液の塗布量が所定値に達しているか否かを、前記判別プログラム22を実行させて前記基準値データと比較して判別する。
ここで判別された判別結果は、前記判別結果記憶部25に記憶されるとともに、薬液の塗布量が所定値に達していない木材Mがあれば、自動的に前記出力プログラム26が実行されて、この所定値に達していない木材Mの情報が前記出力装置16に表示されるようになっている。
【0057】
この時、図2に示すように、前記所定値に達していない木材Mの存在を通知する通知部27が備えられていることにより、該通知部27によってその存在が、例えば近くにいる作業員などに認知され、このような木材Mが取り除かれるようになっている。
【0058】
以上のようにして、本実施の形態の塗布量測定装置1によって、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを測定して判別することができるようになっている。
【0059】
本実施の形態によれば、前記木材Mを木材搬送装置2により搬送しながら、前記第1および第2の重量計測部4、5によって薬液塗布前と薬液塗布後の木材Mの重量を計測することができるので、従来とは異なり、手作業で行っていた重量計までの木材運搬作業を省くことができ、薬液の塗布量調整作業の作業性を向上させることができる。
また、このように前記木材Mを木材搬送装置2により連続的に搬送しながら、塗布された薬液の塗布量を算出し、所定量の薬液が前記木材Mに塗布されているか否かを判別することができるので、薬液が塗布される全ての木材Mの塗布量管理を行うことができるようになり、木材一本一本の品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の塗布量測定装置を示す概略側面図である。
【図2】図1の塗布量測定装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】木材の重量を計測する一例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 塗布量測定装置
2 木材搬送装置
3 薬液塗布装置
4 第1の重量計測部
5 第2の重量計測部
6 塗布量管理部
M 木材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に多数の微小孔が形成された木材を、木材搬送装置により薬液塗布装置に連続供給して防腐防蟻用の薬液を塗布するに際し、所定量の薬液が前記木材に塗布されているか否かを測定して判別する塗布量測定装置において、
前記薬液塗布装置の直前に位置し、前記連続供給される木材の薬液塗布前重量を計測する第1の重量計測部と、
前記薬液塗布装置の直後に位置し、前記連続供給される木材の薬液塗布後重量を計測する第2の重量計測部と、
これら第1および第2の重量計測部に接続され、前記木材の薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差から薬液の塗布量を算出するとともに、所定量の薬液が前記木材に塗布されているか否かを判別する塗布量管理部とを備えていることを特徴とする塗布量測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布量測定装置において、
前記第1および第2の重量計測部は、それぞれ前記木材搬送装置の下方に配置されており、
前記木材搬送装置の搬送路上面を搬送される木材の下面に当接して、該木材を下方から支持する木材支持部と、
この木材支持部の下方に設けられて、前記木材支持部を上下方向に昇降可能に支持する昇降機構が設けられた本体部と、
この本体部の下部に設けられ、前記木材支持部に支持される木材の重量を計測する計測器とを備えていることを特徴とする塗布量測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の塗布量測定装置において、
前記木材支持部の外側面には、下方に向かって延出する延出板部が設けられており、前記本体部の外側面には、前記延出板部の内側面に当接することにより前記木材支持部の昇降移動を案内するガイド板部が設けられていることを特徴とする塗布量測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の塗布量測定装置において、
前記塗布量管理部は、前記第1の重量計測部によって計測された前記木材の薬液塗布前重量を記憶する前重量記憶部と、
前記第2の重量計測部によって計測された前記木材の薬液塗布後重量を記憶する後重量記憶部と、
前記記憶された薬液塗布前重量と薬液塗布後重量との重量差を算出するとともに、算出された重量差と前記木材の表面積とから、該木材の表面積1m2あたりの薬液の塗布量を算出する算出手段と、
この算出手段によって算出された塗布量が所定値に達しているか否かを判別する判別手段とを備えていることを特徴とする塗布量測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の塗布量測定装置において、
前記判別手段の結果に基づいて、薬液の塗布量が所定値に達していない木材の存在を通知する通知部を備えていることを特徴とする塗布量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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