説明

塗料、ローラ、ローラの製造方法

【課題】プライマーレスで、ローラ本体の表面に表面層形成用の塗料を直接塗って乾燥固化することによって十分な密着力を持って前記ローラ本体の表面に当該表面層を被設することができ、同時に該表面層の表面の被送り材に対する接触摩擦に基づく送り力を十分に確保することができるローラ用の塗料、前記表面層を備えたプライマーレスのローラを提供すること。
【解決手段】ローラ本体33の表面に塗って表面層21を被設するために用いられるローラ用の塗料であって、該塗料は、ポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料である。更に被送り材を送るためのローラ31であって、該ローラは、ローラ本体33と、該ローラ本体の表面に被設された表面層21とを備え、前記表面層の材料は、前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されたポリウレタン樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、複写機等の記録装置等に使われるローラに係わるものであり、ローラの基材を成すローラ本体の表面に塗って表面層を被設するために用いられるローラ用の塗料、ローラ本体と該ローラ本体の表面に被設された表面層とを備えた被送り材を送るためのローラ、及びそのローラの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
用紙等の被送り材を送るためのローラとして、金属材料やプラスチック材料で作られたローラ本体の表面に、被送り材に接触してその摩擦力によって必要な送り力を発生するための表面層を被設したものがある(例えば特許文献1)。従来、前記表面層は、ローラ本体との密着性を向上するために該ローラ本体の表面に先ずプライマーを塗り、そのプライマーの上に表面層形成用の塗料を塗り、乾燥固化させることにより設けられていた。
【特許文献1】特願2007−52090
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のローラは、プライマーを介して表面層を被設するため、プライマー塗布工程が必要となって製造工程が一工程余分にかかり、更にプライマー材料コストを含めてコストアップの原因となっていた。また、従来はプライマー層が含まれる分、膜厚が大となり、膜厚設定の自由度が低下する問題があった。
【0004】
本発明の目的は、プライマーを用いることなく、すなわちプライマーレスで、ローラ本体の表面に表面層形成用の塗料を直接塗って乾燥固化することによって十分な密着力を持って前記ローラ本体の表面に当該表面層を被設することができ、同時に該表面層の表面の被送り材に対する接触摩擦に基づく送り力を十分に確保することができるローラ用の塗料、前記表面層を備えたプライマーレスのローラ、及びそのローラの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、ローラ本体の表面に塗って表面層を被設するために用いられるローラ用の塗料であって、該塗料は、ポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されていることを特徴とするものである。
ここで、「分散」とは、ポリウレタン樹脂の微粒子が分散媒の水に分散されて全体として透明に近い状態のものから、前記微粒子より大きな粒子が分散されて全体として懸濁状態のものまで含む意味で使われている。
【0006】
本態様によれば、該塗料は、ポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されている。従って、前記変性によって該塗料の成分であるポリウレタン樹脂はローラ本体との密着力が向上し、以てプライマーレスを実現することができる。
【0007】
次に、ポリウレタン樹脂塗料は、航空機の外装塗料に利用されているが、塗膜(表面層)が強靱であり、表面に光沢を帯びている。しかし、強靱ではあるが硬すぎるため、従来のポリウレタン樹脂(変性なし)塗料で作った表面層では、被送り材に対する接触摩擦に基づく送り力が十分に出ない。すなわち、従来のポリウレタン樹脂(変性なし)塗料は、被送り材を送るためのローラの表面層を形成するための塗料として利用することはできなかった。
本発明によれば、前記変性によってポリウレタン樹脂自体の性状が変わり、塗膜(表面層)は柔軟性を具備する。この柔軟性を備えたことにより当該表面層の被送り材に対する接触機構がソフトになり、接触摩擦に基づく送り力が向上する。すなわち被送り材に対するグリップ力が向上し、十分で且つ安定した送り力を当該表面層によって発現させることができる。
【0008】
すなわち、本発明に係る塗料によれば、ローラとして要求される送り力を十分且つ安定して発現させることができる表面層であって、且つローラ本体との十分な密着力をプライマーレスで実現することができる表面層を得ることができる。
【0009】
尚、本発明によれば、塗料として水を分散媒とする水系のポリウレタン樹脂塗料であるので、有機溶剤系の塗料に比して環境に優しい。また、二液反応型の塗料ではなく一液型であるので、塗料の塗装作業がし易い。
【0010】
本発明の第2の態様は、ローラ本体の表面に塗って表面層を被設するために用いられるローラ用の塗料であって、該塗料は、ポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であることを特徴とするものである。
【0011】
本態様によれば、該塗料は、ポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂の粉末を分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料である。従って、ポリカーボネート樹脂製のローラ本体に対して、本態様の塗料を用いることで、前記第1の態様に記載の作用効果を得ることができる。尚、ローラ本体がポリカーボネート樹脂ではなくても、プライマーレスで密着力が十分に出る素材に対しては用いることができる。このような材料の選定には溶解度係数(SP値)を利用することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、被送り材を送るためのローラであって、該ローラは、ローラ本体と、該ローラ本体の表面に被設された表面層とを備え、前記表面層の材料は、前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されたポリウレタン樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】
本態様によれば、前記表面層の材料は、前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されたポリウレタン樹脂であるので、プライマーレスで表面層が被設されていても十分な密着力で表面層がローラ本体に被設されており、しかも、表面性状として被送り材に対して十分で且つ安定した送り力のローラになっている。
【0014】
本発明の第4の態様は、前記第3の態様のローラにおいて、前記ローラ本体の材料はポリカーボネート樹脂であり、前記表面層の材料はポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂であることを特徴とするものである。
【0015】
本態様によれば、前記ローラ本体の材料はポリカーボネート樹脂であり、前記表面層の材料はポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂であるので、ローラ本体と表面層との密着力はプライマーレスであっても強く、耐久性に勝る安定したローラを実現することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、前記第1の態様から第4の態様のいずれか一つに記載のローラにおいて、前記表面層の弾性回復率は35%以上、破断伸度は250%以上であることを特徴とするものである。
【0017】
ポリウレタン樹脂を変性させることによって、前記密着力と前記送り力(グリップ力)が出る。その程度は変性度合いと関係し、ローラとして要求される仕様に対応して最適な変性度合いが決められることになる。ただ、変性によってポリウレタン樹脂は硬さが低下して柔軟性を帯びてくる。その柔軟性の尺度として、表面層の弾性回復率を35%以上、破断伸度を250%以上としておけば、通常必要とされる密着力および送り力(グリップ力)を得ることができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、プラスチック材料で成形されたローラ本体の周面に、前記第1の態様又は第2の態様に記載の塗料を塗って固化させることによって表面層を形成することを特徴とするものである。本態様によれば、前記第1の態様又は第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明に係るローラ用の塗料、被送り材を送るためのローラ、及びそのローラの製造方法について説明する。最初に本発明のローラを備えた記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。図示のインクジェットプリンタ100は、記録装置本体の一例であるプリンタ本体3を備え、該プリンタ本体3の後部寄りの上部に自動給送装置2を備えている。自動給送装置2は自動的に被送り材の一例である被記録材(以下用紙ともいう)Pを連続して1枚ずつ給送することができる装置である。
【0021】
自動給送装置2は、複数枚の用紙Pを積畳状態で載置し得る給送用トレイ5と、該給送用トレイ5上に積畳された用紙Pを給送用ローラ14に向けて押し上げるホッパ16と、該ホッパ16との協働(挟圧送り作用)によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、重送された複数枚の用紙Pを記録の実行に使用する最上位の用紙Pと、他の後続の用紙Pとに分離する分離手段の一例であるリタードローラ17とを備えている。符号7は用紙を戻すための公知の戻しレバーを示す。
【0022】
また、上記給送用トレイ5には、用紙Pの左右のエッジに当接して用紙Pの給送方向及び搬送方向に用紙Pを案内するエッジガイド15が設けられている。ホッパ16は、上方に設けられる揺動支点を中心に揺動自在に設けられており、給送用ローラ14の回転軸18の回転と連動して上下動し得るように構成されている。リタードローラ17は、給送用ローラ14より小径の側面視で円形状の部材で、リタードローラ17の周面には合成ゴム等によって形成されているカバー部材が取り付けられている。また、リタードローラ17の回転軸には図示しないダンパ機構が接続されており、該ダンパ機構からの負荷抵抗を伴って回転し得るようにリタードローラ17は構成されている。
【0023】
給送用ローラ14の用紙搬送方向の下流には、上下一対のニップローラによって構成されている搬送用ローラ19が設けられている。該搬送用ローラ19によって搬送された用紙Pは、記録ポジション26に導かれるようになっている。記録ポジション26の上方には、用紙Pにインクを吐出して直接記録を実行する記録ヘッド13が位置している。記録ポジション26の下方には、用紙Pの下面を支えるプラテン28が設けられている。尚、該プラテン28は、記録品質に重要に関係する上記記録ヘッド13との間のギャップPGを規定する役割を担っており、記録ヘッド13と共に記録実行部を構成している。
【0024】
記録ヘッド13は、前記搬送方向と交差する用紙幅方向に往復動するキャリッジ10の下面に搭載されており、該キャリッジ10は用紙幅方向に架け渡されたキャリッジガイド軸12によって案内され、同じく用紙幅方向に張設された無端ベルト11からの駆動力を受けて往復動し得るように構成されている。また、記録ポジション26の用紙搬送方向の下流には上記搬送用ローラ19と同様、一対のニップローラによって構成されている排出用ローラ20が設けられている。
【0025】
排出用ローラ20は、下方に位置する排出用駆動ローラ31と、該排出用駆動ローラ31に接触して従動回転する排出用従動ローラ32を備える。排出用駆動ローラ31は、プラスチック材料で成形されたローラ本体33の周面に、後述する本発明に係る塗料を塗って固化させることによって密着させた表面層21が被設されている。
【0026】
そして、該排出用ローラ20によって排出された用紙Pは、図示しない排出用スタッカの載置面上に排出されて積畳されるようになっている。
【0027】
[実施例に係る塗料]
先ず、本発明に係るローラ用の塗料について説明する。本発明に係る塗料は、ローラ本体33の表面に塗って表面層21を被設するために用いられるローラ用の塗料である。該塗料は、ポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は前記ローラ本体33を成す樹脂の基本成分で変性されている。
【0028】
ローラ本体33を成す樹脂の基本成分とは、具体例で説明すると、ローラ本体が例えばポリカーボネート樹脂である場合は炭酸エステルになる。本実施例の塗料は、前記炭酸エステルで変性されたポリウレタン樹脂、すなわちポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料である。このようにポリカーボネート変性ポリウレタン樹脂は、ポリカーボネート樹脂製のローラ本体33との密着力が向上し、プライマーレスを実現することができる。
【0029】
ポリウレタン樹脂の分散体の粒子径は、公知の範囲のものである。水に分散させた状態で全体として透明に近くなる微粒子サイズから、全体として懸濁状態となる大きなサイズまで含み、表面層として要求される仕様に応じてそのサイズ、更には分散濃度が選定される。
【0030】
次に、既述の繰り返しになるが、ポリウレタン樹脂塗料は、従来航空機の外装塗料に利用されており、塗膜(表面層)が強靱であり、表面に光沢を帯びている。しかし、強靱ではあるが硬すぎる。そのため、従来のポリウレタン樹脂(変性なし)塗料をローラ本体に塗って作った表面層では、被送り材に対する接触摩擦に基づく送り力が十分に出ない。すなわち、従来の変性無しポリウレタン樹脂塗料は、被送り材を送るためのローラの表面層を形成するための塗料として利用することはできない。本発明は、このようなポリウレタン樹脂塗料をローラの表面層形成用に使えるように改質したものである。
【0031】
すなわち、本実施例の塗料は、前記ポリカーボネート変性によってポリウレタン樹脂自体の性状を変え、表面層21に柔軟性を具備させる。この柔軟性を具備させることにより当該表面層21の被記録材Pに対する接触機構がソフトになり、接触摩擦に基づく送り力が向上する。すなわち被記録材Pに対するグリップ力が向上し、十分で且つ安定した送り力を当該表面層21によって発現させることができるようになる。
【0032】
[実施例に係るローラ]
次に、前記インクジェットプリンタ100の排出用駆動ローラ31として適用可能な本発明のローラ21について図面に基づいて具体的に説明する。
図2は複数組のローラを適宜の間隔を開けて軸方向に配置した全体を示す正面図、図3は一部を断面で示した図2の要部拡大正面図、図4は図3の断面図、図5はローラ本体の要部拡大正面図である。
【0033】
該ローラ21は、ローラ本体33と、該ローラ本体33の表面に被設された表面層21とを備え、前記表面層21の材料は、前記ローラ本体33を成す樹脂の基本成分で変性されたポリウレタン樹脂である。本実施例では、前記ローラ本体33の材料はポリカーボネート樹脂であり、表面層21の材料はポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂である。
【0034】
本実施例では、図5に示したように、ローラ本体33の表面層21を被設する部位に、被設用の大径部34が設けられ、該大径部34には溝部35が複数設けられている。更に大径部34の一方から中径部36が延設され、他方には該大径部34から離間して他の中径部37が設けられている。表面層21は前記大径部34および中径部36,37に対して、図3、図4に示した位置関係で被設され、密着性を構造的にも向上できるように構成されている。
【0035】
図6は他の実施例になるローラの前記図2に対応する全体正面図である。図2の実施例と異なる点は、前記大径部34および中径部36,37が設けられていない点である。その他の構成は基本的に同様なので、詳細な説明は省略する。
【0036】
更に、上記実施例では、表面層21の弾性回復率は35%以上、破断伸度は250%以上になるように構成されている。前記の如く、ポリウレタン樹脂を変性させることによって、前記密着力と前記送り力(グリップ力)が出る。その程度は変性度合いと関係し、ローラとして要求される仕様に対応して最適な変性度合いが決められることになる。ただ、変性によってポリウレタン樹脂は硬さが低下して柔軟性を帯びてくる。その柔軟性の尺度として、表面層の弾性回復率を35%以上、破断伸度を250%以上としておけば、通常必要とされる密着力および送り力(グリップ力)を得ることができる。
【0037】
具体的に説明する。変性度合いを変えたポリカーボネート変性ポリウレタン樹脂の塗料1と塗料2を用意し、変性無しの従来のポリウレタン樹脂塗料を比較例の塗料として用意し、測定用の表面層試料を作り、前記弾性回復率および弾性伸度を測定した。その測定結果を表1に示した。
【0038】
【表1】

ここで、弾性回復率は、株式会社フィッシャーインスツルメント製で型番H100SMCのフィッシャー硬度計(微少硬さ測定装置)を用いて測定した。その測定方法は、押し込み(深さ)4.0μm/5秒、クリープ5秒、戻し4.0μm/5秒で行った。
試料(試験片)をJIS K6250に定められている方法で作成し、破断伸度と同時に破断強度をJIS K6251に定められている方法で測定した。
【0039】
更に、表面層の摩擦係数を以下の方法で測定した。図7に示したような摩擦係数μの測定機を用意し、測定条件:分銅W=50g、回転速度v=51rpmにて、最大摩擦力Fを測定し、以下のμ換算式から摩擦係数μを求めた。その値も表1に示した。
【0040】
【数1】

【0041】
表1に示したように、比較例の試料は弾性回復率が精々30、破断伸度は200であって非常に硬い。しかし、実施例に係る塗料1と塗料で作った試料は、弾性回復率がそれぞれ45、62で、破断伸度がそれぞれ380、690であり、表面層21として柔軟性が具備されていることが分かる。そして、塗料1と塗料2で作った試料の表面の摩擦係数は、それぞれ0.6と1.2となり、比較例よりも摩擦係数が大きくなっている。
【0042】
また、本実施例の塗料1と塗料2で作ったローラで用紙を送り、紙粉の付着状況を確認したところ、プリンタとしての送り枚数における耐久枚数を超えても、紙粉の付着はほとんど見られなかった。また、グリップ力(摩擦力、送り力)もほとんど低下しなかった。すなわち、本発明に係るローラの表面の性状は、紙粉がほとんど付着せず、それでいてグリップ力(摩擦力、送り力)が充分に出て且つ耐摩耗性も高くて、被送り材(用紙)に対して十分で且つ安定した送り力を発現できるものであることを確認した。
【0043】
上記の如く、ポリウレタン樹脂を変性させることによってポリウレタン樹脂は硬さが低下して柔軟性を帯びてくる。その柔軟性の尺度として、表面層の弾性回復率を35%以上、破断伸度を250%以上としておけば、通常必要とされる密着力および送り力(グリップ力)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のローラを備えたインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図。
【図2】本発明の実施例に係り、複数組のローラを適宜の間隔を開けて軸方向に配置した全体正面図。
【図3】一部を断面で示した図2の要部拡大正面図。
【図4】図3の断面図。
【図5】ローラ本体の要部拡大正面図。
【図6】他の実施例になるローラの前記図2に対応する全体正面図
【図7】摩擦係数μの測定機の構成図。
【符号の説明】
【0045】
2 自動給送装置、3 プリンタ本体(記録装置本体)、5 給送用トレイ、7 戻しレバー、10 キャリッジ、11 無端ベルト、12 キャリッジガイド軸、13 記録ヘッド、14 給送用ローラ、15 エッジガイド、16 ホッパ、17 リタードローラ(分離手段)、18 回転軸、19 搬送用ローラ、20 排出用ローラ、21 表面層、26 記録ポジション、28 プラテン、31 排出用駆動ローラ、32 排出用従動ローラ、33 ローラ本体、34 大径部、35 溝部、36 中径部、37 他の中径部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ本体の表面に塗って表面層を被設するために用いられるローラ用の塗料であって、
該塗料は、ポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であり、かつ前記ポリウレタン樹脂は前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されていることを特徴とする塗料。
【請求項2】
ローラ本体の表面に塗って表面層を被設するために用いられるローラ用の塗料であって、
該塗料は、ポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂を水に分散させた水系ポリウレタン樹脂塗料であることを特徴とする塗料。
【請求項3】
被送り材を送るためのローラであって、
該ローラは、
ローラ本体と、
該ローラ本体の表面に被設された表面層とを備え、
前記表面層の材料は、前記ローラ本体を成す樹脂の基本成分で変性されたポリウレタン樹脂であることを特徴とするローラ。
【請求項4】
請求項3に記載のローラにおいて、
前記ローラ本体の材料はポリカーボネート樹脂であり、
前記表面層の材料はポリカーボネート変性されたポリウレタン樹脂であることを特徴とするローラ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のローラにおいて、前記表面層の弾性回復率は35%以上、破断伸度は250%以上であることを特徴とするローラ。
【請求項6】
プラスチック材料で成形されたローラ本体の周面に、請求項1又は2に記載の塗料を塗って固化させることによって表面層を形成することを特徴とするローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−58825(P2009−58825A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226893(P2007−226893)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】