説明

塗料充填装置

【課題】塗料ロスの低減化を図りつつ、装置全体としてのコンパクト化と、製作コストの低減化とを実現する塗料充填装置の提供する。
【解決手段】複数のヘッダー部2と、ヘッダー部2に洗浄液を供給する一個の共通マニホールド部3とを有し、各ヘッダー部2は、一方において塗料カートリッジ10と着脱可能に設けられるとともに、他方において共通マニホールド部3と着脱可能に設けられ、各ヘッダー部2には、塗料カートリッジ10内への塗料の充填を行う塗料供給経路が形成され、各塗料供給経路は配管部材23および塗料経路2bによって構成され、一端部において塗料カートリッジ10内と連通可能に構成されるとともに、他端部において塗料の色ごとに設けられた複数の塗料タンク21の各々と連通され、各塗料供給経路の途中部には、塗料供給経路の上流側の開閉状態を制御する塗料バルブ4が介装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電塗装機に用いられる塗料カートリッジに塗料を充填する塗料充填装置の技術に関する。
より具体的には、複数色の塗料の中から任意に選択された色の塗料を塗料カートリッジ内に充填するために用いられる、経済的、かつコンパクトな塗料充填装置を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車のボディなどの塗装については、高品質な塗装状態が要求されることから、塗装表面における塗料の塗着効率や、塗装後の塗膜の平滑性などに優れた静電塗装機が用いられ、該静電塗装機の一例として、従来から回転霧化頭型塗装機が広く知られている。
ここで、回転霧化頭型塗装機には、水性塗料を霧化するための回転霧化頭や、複数色の塗料が色ごとに充填された複数の塗料カートリッジなどが具備される。そして、被塗装物に対する塗装を行うときには、指定された色の塗料が充填される塗料カートリッジを選択し、該塗料カートリッジ内に充填される塗料を、回転する回転霧化頭を介して噴出することで、塗料粒子が霧化されて塗装が行われる。
そして、塗料カートリッジ内の塗料が枯渇した場合には、塗料カートリッジを塗料充填装置に装着し、再び塗料カートリッジ内に塗料を充填することで、回転霧化頭型塗装機による塗装が再び実施されるようになっている。
【0003】
ところで、塗料充填装置においては、複数色からなる塗料の中から任意に選択された塗料を、塗料カートリッジ内に充填する必要がある。ここで、塗料充填装置に配設される塗料カートリッジとの接続部(塗料カートリッジ内への塗料の供給口)を、塗料の色の如何に関らず共通して一箇所のみに設けることとすれば、塗料ロス(塗料カートリッジ内に充填されず、破棄される塗料)が増大する。
即ち、前記接続部は、中途部において複数の分岐経路を有する供給経路を介して、複数色からなる塗料の色ごとにそれぞれ設けられる塗料供給源と連通されることとなる。
よって、前記接続部を一箇所にのみ設けた構成では、塗料カートリッジ内に充填する塗料について「色替え作業」を行う際に、その都度、塗料供給源から接続部に至るまでの供給経路内の全領域を洗浄することが必要となり、前記供給経路内に残留する塗料は破棄され塗料ロスとなっていた。
【0004】
このような塗料ロスを低減するべく、塗料の色ごとに各々対応させて、複数の塗料の供給部を備える塗料充填装置の技術が提案されている。
ここで、その一例について図5を用いて説明する。
【0005】
塗料充填装置201は、複数色からなる塗料に対して、色ごとに複数のマニホールド部(塗料の供給部)202・202・・・を備えて構成される。
また、各マニホールド部202は、本体部202Aや、該本体部202Aの下面に設けられるアクチュエータ202Bなどにより構成され、前記本体部202Aには複数の電磁式のバルブ群(トリガーバルブ203や、塗料バルブ204や、洗浄液バルブ205や、エアバルブ206や、廃液バルブ207や、押出し液供給バルブ208や、押出し液排出バルブ209)が配設される。そして、これらバルブ群203・204・・・209は、塗料タンクや洗浄液タンクや押出し液タンクなどの各種供給源、および廃液タンクなどに接続される各供給経路、および排出経路などの途中部に接続される構成となっている。
【0006】
各共通マニホールド部202の本体部202A上面には、塗料カートリッジ10の下面と着脱可能な支持端面202aが形成され、該支持端面202aを介して、前記本体部202A上面に塗料カートリッジ10が固定保持されるようになっている。
また、各共通マニホールド部202の本体部202Aは、アクチュエータ202Bによって、上下方向に移動可能な構成となっている。
【0007】
そして、図5(a)に示すように、塗料カートリッジ10に塗料を充填する場合には、まず、塗料カートリッジ10が搬送装置254によって水平方向(図5(a)に示す矢印Xの方向)に移動され、選択された色の塗料に関するマニホールド部202の上方の位置まで搬送される。
マニホールド部202の上方に塗料カートリッジが到達すると、図5(b)に示すように、マニホールド部202の本体部202Aはアクチュエータ202Bを介して上昇し(図5(b)に示す矢印Yの方向)、支持端面202aを介して、マニホールド部202と塗料カートリッジ10とが連結される。
その後、マニホールド部202を介して、塗料カートリッジ10内への塗料の充填が開始されるようになっている。
【0008】
なお、このような塗料の色ごとに塗料の供給部を備える塗料充填装置については、前述の塗料充填装置201の他にも様々なものが提案されている(「特許文献1」乃至「特許文献3」を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−176328号公報
【特許文献2】特開2002−96002号公報
【特許文献3】特開平4−200664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような塗料の色ごとに塗料の供給部を備える塗料充填装置に拠れば、塗料カートリッジとの接続部が一箇所のみである上述の塗料充填装置と比べて「色替え作業」時に破棄される塗料(塗料ロス)の量を削減することができる。
とりわけ、前記「特許文献1」乃至「特許文献3」に示される技術に拠れば、「色替え作業」時に破棄される塗料(塗料ロス)の量も削減することができるばかりか、「色替え作業」に費やされる時間を短縮することも可能となっている。
しかし、このような塗料の色ごとに塗料の供給部を備える塗料充填装置では、塗料の色ごとに複数の共通マニホールド部を配設するため、塗料充填装置全体として大型化することから設置スペースが広大となり、また塗料充填装置全体としてコストが嵩むこととなっていた。
【0011】
以上のような問題点を改善するべく、本発明においては、複数色の塗料の中から任意に選択された色の塗料を塗料カートリッジ内に充填する塗料充填装置であって、塗料ロスの低減化を図りつつ、装置全体としてのコンパクト化と、製作コストの低減化とを実現する塗料充填装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0013】
即ち、請求項1においては、複数色の塗料の中から選択された色の塗料を塗料カートリッジ内に充填する塗料充填装置であって、複数のヘッダー部と、該ヘッダー部に洗浄液を供給する一個の共通マニホールド部とを有し、前記各ヘッダー部は、一方において前記塗料カートリッジと着脱可能に設けられるとともに、他方において前記共通マニホールド部と着脱可能に設けられ、前記各ヘッダー部には、前記塗料カートリッジ内への塗料の充填を行う塗料供給経路が形成され、前記各塗料供給経路は、一端部において前記塗料カートリッジ内と連通可能に構成されるとともに、他端部において塗料の色ごとに設けられた複数の塗料供給源の各々と連通され、前記各塗料供給経路の途中部には、該塗料供給経路の上流側の開閉状態を制御する塗料バルブが介装されるものである。
【0014】
請求項2においては、前記各ヘッダー部の塗料供給経路における、前記塗料カートリッジ内との連通箇所には、前記塗料供給経路の下流側の開閉状態を制御する開閉弁を設け、前記共通マニホールド部における、前記各ヘッダー部との着脱箇所には、トリガーバルブを設け、前記トリガーバルブは、前記各ヘッダー部と前記共通マニホールド部とが連結することにより前記開閉弁と係合し、前記開閉弁は、前記トリガーバルブの動作に連動して開閉動作を行うものである。
【0015】
請求項3においては、前記各ヘッダー部の内部には、前記塗料供給経路と前記塗料カートリッジ内との連通箇所近傍に、第一分岐経路と第二分岐経路とを形成し、前記共通マニホールド部の内部には、前記連通過所を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給経路と、洗浄後の廃液を塗料充填装置の外部に排出するための廃液排出経路と、を形成し、前記洗浄液供給経路は、一端部において前記各ヘッダー部内の第一分岐経路と連通可能に構成されるとともに、他端部において洗浄液供給源と連通され、前記洗浄液供給経路の途中部には、前記洗浄液供給経路の開閉状態を制御する洗浄液バルブが介装され、前記廃液排出経路は、一端部において前記各ヘッダー部内の第二分岐経路と連通可能に構成されるとともに、他端部において廃液タンクと連通され、前記廃液排出経路の途中部には、前記廃液排出経路の開閉状態を制御する廃液バルブが介装されるものである。
【0016】
請求項4においては、前記複数のヘッダー部の内、選択された色の塗料に関するヘッダー部は、前記共通マニホールド部の上方に配置され、前記塗料カートリッジは、選択された色の塗料に関するヘッダー部の上方に配置され、前記共通マニホールド部は、上下方向に延出可能な延出手段を有し、前記延出手段によって共通マニホールド部が上方に延出することで、これら塗料カートリッジと、選択された色の塗料に関するヘッダー部と、共通マニホールド部とは互いに連結されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
即ち、本発明に拠れば、複数色の塗料の中から選択された色の塗料を塗料カートリッジ内に充填する塗料充填装置であって、塗料ロスの低減化を図りつつ、装置全体としてのコンパクト化と、製作コストの低減化とを実現する塗料充填装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例に係る塗料充填装置の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】本発明の一実施例に係る塗料充填装置を備えた塗料充填システムの全体的な構成を示したブロック線図。
【図3】塗料カートリッジに塗料を充填する際における、塗料充填装置の動作を示したフローチャート。
【図4】塗料充填装置の動作を示した図であり、(a)は塗料カートリッジをセットした直後における、塗料充填装置の全体的な構成を示した斜視図であり、(b)は塗料カートリッジに塗料が充填された直後における、塗料充填装置の全体的な構成を示した斜視図。
【図5】従来の塗料充填装置の動作を示した図であり、(a)は塗料カートリッジをセットした直後における、塗料充填装置の全体的な構成を示した斜視図であり、(b)は塗料カートリッジに塗料が充填された直後における、塗料充填装置の全体的な構成を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0021】
[塗料充填装置1の概略構成]
先ず、本発明の一実施例に係る塗料充填装置1の概略構成について、図1を用いて説明する。
なお、便宜上、図1の上下方向を塗料充填装置1の上下方向とし、かつ図1における矢印Aの方向を前方と規定して、以下説明する。
【0022】
塗料充填装置1は塗料カートリッジ10に対して着脱可能に構成され、複数色の塗料の中から任意に選択された色の塗料を該塗料カートリッジ10内に充填するための装置である。
塗料充填装置1は、主に複数のヘッダー部2・2・・・と、一個の共通マニホールド部3とにより構成され、各ヘッダー部2・2・・・と共通マニホールド部3とは互いに着脱可能に構成されている。各ヘッダー部2・2・・・および共通マニホールド部3は、ともに塗料カートリッジ10の下方に配設される。
そして、各ヘッダー部2・2・・・は共通マニホールド部3の上方に配置されており、ヘッダー部2・2・・・の上方、かつ共通マニホールド部3の鉛直上方に塗料カートリッジ10が配設される。
【0023】
先ず、ヘッダー部2の概略構成について説明する。
ヘッダー部2は、その上面に塗料ポート2eを具備する本体部2Aや、該本体部2Aの側面から後方に向かって延出する延出部2Bなどにより構成される。
【0024】
ここで後述の通り、本体部2Aの内部には、第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dとが形成され(図2を参照)、これら両経路2c・2dは、前記本体部2Aの下面に設けられる第一ストップ弁20a、および第二ストップ弁20bと各々連通される。
また、延出部2Bの内部には塗料経路2bが形成され(図2を参照)、該塗料経路2bは前記延出部2Bの延出端に設けられる塗料バルブ4(図2を参照)と連通される。
【0025】
このような構成からなるヘッダー部2・2・・・は、複数色からなる塗料に対して色ごとに複数設けられ、共通マニホールド部3の上方において、水平左右方向(延出部2Bの延出方向、かつ共通マニホールド部3の昇降移動方向に対して直交する方向)に各々並列して配設される。
【0026】
そして、これらヘッダー部2・2・・・の近傍には搬送装置51が設けられ(図2を参照)、該搬送装置51によって、ヘッダー部2・2・・・は水平左右方向(図1に示す矢印Xの方向)に移動可能とされ、選択された色の塗料に関するヘッダー部2が、共通マニホールド部3に対して鉛直上方となる位置に搬送されるようになっている。
【0027】
次に、共通マニホールド部3の概略構成について説明する。
本実施例における共通マニホールド部3は、塗料カートリッジ10に充填される塗料の色の如何に関らず、ヘッダー部2・2・・・から塗料カートリッジ10へ塗料を供給するための経路に洗浄液を供給して洗浄を行うとともに、前記経路の洗浄廃液を排出する機能に加えて、該廃液をより確実に塗料充填装置1の外部に排出するための圧縮空気を供給したり、塗料カートリッジ10の内部構成に付随して必要となる押出し液などを供給したりする機能も併せ持つものである。
【0028】
共通マニホールド部3は本体部3Aやアクチュエータ3Bや基部3Cなどにより構成される。
本体部3Aの上面において、平面視略中央部にはコネクター部3aが配設され、該本体部3Aの側方には二本の押出し液配管26・26が立設される。また、アクチュエータ3Bは油圧シリンダーなどから構成され、本体部3Aの下面に配設されるとともに、該本体部3Aを上下方向に移動可能としている。さらに、基部3Cは共通マニホールド部3全体の土台として設けられ、アクチュエータ3Bの下面に配設される。
なお、前記アクチュエータ3Bについては、本実施例に限定されるものではなく、例えば、電動式アクチュエータなど電磁式のものであってもよい。
【0029】
共通マニホールド部3において、本体部3Aの側面には複数の電磁式のバルブ群(洗浄液バルブ5や、エアバルブ6や、廃液バルブ7や、押出し液供給バルブ8や、押出し液排出バルブ9)が配設される。
そして後述の通り、本体部3Aの内部には、複数の経路群(第二洗浄液経路3bや、エア経路3cや、第二廃液経路3dや、第二押出し液供給経路3eや、第二押出し液排出経路3f、図2を参照)が形成され、これら複数の経路群3b・3c・・・3fが、前記複数の電磁式のバルブ群5・6・・・9に連通される。
【0030】
このような構成からなる共通マニホールド部3は、塗料充填装置1において一個設けられ、基部3Cを土台として、アクチュエータ3Bによって本体部3Aが上下方向(図1における矢印Yの方向)に向かって昇降移動可能に設けられる。
【0031】
[塗料充填システム100の経路構成]
次に、本発明の一実施例に係る塗料充填装置1を備えた塗料充填システム100の経路構成について、図2を用いて説明する。
なお、便宜上、図2の上下方向を塗料充填システム100の上下方向と規定して、以下説明する。
【0032】
塗料充填システム100は、主に空の状態となった塗料カートリッジ10や、塗料充填装置1や、複数色からなる塗料の色ごとに設けられる複数の塗料タンク21・21・・・や(図2においては、一箇所のみ記載)、押出し液タンク22や、洗浄液タンク34や、廃液タンク35などにより構成され、後述する制御装置50によって制御される。
【0033】
先ず、本実施例における塗料カートリッジ10の一例について説明する。
塗料カートリッジ10は図示せぬ静電塗装機と、塗料充填装置1とに対して着脱可能に構成される。そして、塗料カートリッジ10は静電塗装機に装着されることで、内部に貯溜された塗料を前記静電塗装機に供給するとともに、塗料充填装置1に装着されることで、空となった内部に再び塗料が充填されるものである。
塗料カートリッジ10は、主に本体部11や、ベース部12や、塗料バック14などにより構成される。
【0034】
本体部11は耐溶剤性の樹脂製部材からなり、略円筒形状に形成される。また、本体部11の上端部は、平面視中央部において上方(本体部11の延出方向)に向かって突出する開口部を有して形成され、該開口部は蓋部13によって閉塞される。
【0035】
ベース部12は本体部11の下端部において、該本体部11の開口を塞ぐようにして装着される。また、ベース部12の下面には、図示せぬ静電塗装機の塗料カートリッジ装着部、および後述するヘッダー部2上面の支持端面2aと着脱可能な着脱面12aが形成される。
【0036】
ベース部12の内部には、塗料経路12bと第一押出し液供給経路12cと第一押出し液排出経路12dとが形成され、これら複数の経路群12b・12c・12dは、ベース部12が本体部11に装着された状態において、該本体部11の内部と、塗料カートリッジ10の外部とを各々連通するようになっている。
【0037】
そして、これら経路群12b・12c・12dは、着脱面12aに面して設けられるストップ弁19・19・19に各々連通され、該ストップ弁19・19・19によってこれら経路群12b・12c・12dの開閉状態が制御されるようになっている。
【0038】
なお、これらストップ弁19・19・19については、通常は「閉」状態を維持し、後述するヘッダー部2の塗料ポート2eと共通マニホールド部3の押出し液配管26・26とが、前記経路群12b・12c・12dと各々連通されると、「開」状態となるようになっている。
【0039】
塗料バック14は可撓性の樹脂製部材からなり、袋状に形成されるとともに、塗料バック14の下端部には、該塗料バック14の内部と外部とを連通する開口部14aが形成される。
【0040】
ここで、本体部11の内部には、塗料移動管17が鉛直上方(本体部11の延出方向)に延出するようにして配置され、該塗料移動管17の下端部は、ベース部12に形成される塗料経路12bに嵌設される。つまり、塗料移動管17は、塗料経路12bを介してストップ弁19と連通される。
【0041】
そして、本体部11の内部において、塗料バック14は開口部14aを下方に向けて配設され、該開口部14aを介して、塗料移動管17の上部は塗料バック14の内部に挿入される。
つまり、塗料バック14の内部は、これら塗料移動管17や塗料経路12bを介して、塗料カートリッジ10の外部と連通されるようになっている。
【0042】
一方、本体部11の内部において、塗料バック14の外部には、押出し液移動管18が鉛直上方(本体部11の延出方向)に延出するようにして配置され、該押出し液移動管18の下端部は、ベース部12に形成される第一押出し液供給経路12cに嵌設される。つまり、押出し液移動管18は、第一押出し液供給経路12cを介してストップ弁19と連通される。
【0043】
このように、塗料バック14の外部は、これら押出し液移動管18や第一押出し液供給経路12cを介して、塗料カートリッジ10の外部と連通されるようになっている。
なお、第一押出し液排出経路12dについても、塗料カートリッジ10の内部における塗料バック14の外部と、塗料カートリッジ10の外部と連通されることは言うまでもない。
【0044】
そして、塗料移動管17を介して塗料カートリッジ10内に塗料を供給することで、該塗料は塗料バック14の内部にのみ充填されることとなり、押出し液移動管18を介して塗料カートリッジ10内に押出し液を供給することで、該押出し液は本体部11の内部、かつ塗料バック14の外部にのみ充填されるようになっている。
【0045】
このように、塗料カートリッジ10内の領域は塗料バック14によって、塗料が充填される塗料室15と、塗料を塗料室15から押出すための押出し液が充填される押出し液室16とに区画され、塗料と押出し液とが混じり合うのを防止するようになっている。
【0046】
そして、塗料バック14は、押出し液室16の内部に押出し液が充填されると変形して収縮し、塗料バック14の内部に残る塗料が、塗料カートリッジ10の外部に押出されるようになっている。
一方、塗料バック14は、内部に塗料が充填されると変形して膨張し、これに伴い、縮小された押出し液室16の内部に残る押出し液が、塗料カートリッジ10の外部に押出されるようになっている。
【0047】
以上のような構成からなる塗料カートリッジ10の近傍には、移動手段としての搬送装置54が配設され、該搬送装置54によって、内部が空の状態となった塗料カートリッジ10が、塗料充填装置1の上方に位置するように移動されるようになっている。
【0048】
なお、塗料カートリッジ10の構成は、本実施例に限定されるものではなく、内部に塗料を充填するための空間を有するカートリッジ式の容器であって、図示せぬ静電塗装機と、塗料充填装置1とに着脱可能に構成されたものであればいずれのものでもよい。
【0049】
次に、塗料充填装置1について説明する。
塗料充填装置1は前述の通り、複数のヘッダー部2・2・・・と、一個の共通マニホールド部3とにより構成される。
【0050】
先ず、ヘッダー部2について説明する。
ヘッダー部2は複数色からなる塗料に対して色ごとに設けられ、その上面には塗料カートリッジ10下面の着脱面12aと着脱可能な支持端面2aが形成される。そして、塗料カートリッジ10を塗料充填装置1に装着する際は、前記支持端面2aを介して、ヘッダー部2の上面に塗料カートリッジ10が固定保持されるようになっている。
一方、ヘッダー部2の下面には、後述する共通マニホールド部3のコネクター部3a上面と着脱可能な着脱面2fが形成される。
このように、各ヘッダー部2は、一方において塗料カートリッジ10と着脱可能に設けられるとともに、他方において共通マニホールド部3と着脱可能に設けられる。
【0051】
ヘッダー部2の内部には、塗料経路2bと第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dとが形成され、これら複数の経路2b・2c・2dは、一箇所の塗料ポート2eを介して互いに連通される。
【0052】
塗料ポート2eはヘッダー部2の上面に形成される支持端面2a上に設けられる。そして、ヘッダー部2の前記支持端面2a上に塗料カートリッジ10が固定保持されると、塗料ポート2eは塗料カートリッジ10の塗料経路12b(より詳しくは、塗料経路12bと連通するストップ弁19)と連通されるようになっている。
【0053】
塗料経路2bは塗料カートリッジ10内に塗料を充填するための経路である。
塗料経路2bの一端部は塗料ポート2eと連通される。換言すれば、塗料経路2bの一端部は塗料ポート2eを介して塗料カートリッジ10内と着脱可能に連通される。
一方、塗料経路2bの他端部は塗料経路2bの開閉状態を制御する電磁式の塗料バルブ4と連通される。
【0054】
また、塗料バルブ4には配管部材23が連通され、該配管部材23の末端部(塗料バルブ4と連通される側の端部と反対側の端部)は、塗料供給源である塗料タンク21の内部に内挿される。
つまり、塗料経路2bは塗料バルブ4と配管部材23とを介して塗料タンク21と連通される一方、塗料ポート2eを介して塗料カートリッジ10の塗料経路12bと連通されるようになっている。
換言すれば、配管部材23および塗料経路2bは、塗料タンク21内の塗料を塗料カートリッジ10の塗料経路12bへ供給する塗料供給経路を構成しており、前記塗料供給経路の途中部、すなわち配管部材23と塗料経路2bとの間に塗料バルブ4が介装されている。
【0055】
そして、塗料タンク21内の塗料は配管部材23を通って塗料バルブ4へと送給され、塗料バルブ4内に送り込まれた塗料はヘッダー部2の塗料経路2bを通って塗料ポート2eへと送給される。
塗料ポート2e内に送り込まれた塗料は、塗料カートリッジ10がヘッダー部2に接続された状態で、ストップ弁19を介して塗料経路12bに流れ込み、該塗料経路12bを通って塗料移動管17内に送給されることが可能となっている。
そして、塗料移動管17内に送り込まれた塗料は、最終的に塗料カートリッジ10内部の塗料バック14内に充填されるようになっている。
【0056】
なお、配管部材23の途中部には塗料ポンプ24が配設され、該塗料ポンプ24によって塗料タンク21の内部に貯溜される塗料が塗料バルブ4に圧送されるようになっている。
【0057】
配管部材23の塗料ポンプ24よりも下流側には分岐経路23aが設けられ、該分岐経路23aの末端部(配管部材23の中途部と連通される側の端部と反対側の端部)は塗料タンク21の内部に内挿される。
そして、分岐経路23aの中途部には、リリーフバルブ25が配設され、配管部材23内を流動する塗料の内圧が、前記リリーフバルブ25の設定値を超えると、前記塗料は分岐経路23aを介して、再び塗料タンク21に送還されるようになっている。
【0058】
なお、このような塗料供給源である塗料タンク21・21・・・は、複数色からなる塗料の色ごとに複数設けられ、これら塗料タンク21・21・・・が、塗料バルブ4・4・・・を介して複数のヘッダー部2・2・・・に各々連通されるのである。
【0059】
第一洗浄液経路2cは塗料カートリッジ10とヘッダー部2との着脱箇所、即ち、ストップ弁19と塗料ポート2eとの連通箇所を洗浄するための洗浄液を供給するための経路である。
第一洗浄液経路2cの一端部は塗料ポート2eと連通されるとともに、その他端部は着脱面2fに面して設けられる第一ストップ弁20aに連通され、該第一ストップ弁20aによって第一洗浄液経路2cの開閉状態が制御されるようになっている。
【0060】
なお、第一ストップ弁20aについては、通常は「閉」状態を維持し、後述する共通マニホールド部3の洗浄液ポート3gが、第一洗浄液経路2cと連通されると、「開」状態となるようになっている。
【0061】
第一廃液経路2dは塗料カートリッジ10のストップ弁19と、ヘッダー部2の塗料ポート2eとの連通箇所における洗浄後の廃液を、塗料充填装置1の外部に排出するための経路である。
第一廃液経路2dは塗料ポート2eを間に挟んで、第一洗浄液経路2cと対向して設けられる。
【0062】
即ち、第一廃液経路2dの一端部は塗料ポート2eと連通されるとともに、その他端部は、着脱面2fに面して、前記第一ストップ弁20aと並設される第二ストップ弁20bに連通され、該第二ストップ弁20bによって第一廃液経路2dの開閉状態が制御されるようになっている。
【0063】
なお、第二ストップ弁20bについては、通常は「閉」状態を維持し、後述する共通マニホールド部3の廃液ポート3hが、第一廃液経路2dと連通されると、「開」状態となるようになっている。
【0064】
このように、ヘッダー部2の内部には、塗料経路2bと塗料カートリッジ10内との連通箇所、即ち塗料ポート2eの近傍に、第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dからなる分岐経路が形成される。
【0065】
塗料ポート2eの内部には開閉弁2gが収納される。
開閉弁2gは塗料ポート2e内において摺動移動可能に設けられ、該開閉弁2gの摺動移動によって、塗料経路2bと第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dとの、塗料ポート2eにおける連通状態が制御されるようになっている。
【0066】
即ち、開閉弁2gは塗料ポート2e内にて摺動することにより、第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dとが塗料ポート2eに連通され、かつ塗料経路2bが塗料ポート2eとの連通状態を遮断される状態と、塗料経路2bが塗料ポート2eに連通され、かつ第一洗浄液経路2cと第一廃液経路2dとが塗料ポート2eとの連通状態を遮断される状態とを、切替可能な構成となっている。
【0067】
換言すれば、開閉弁2gは塗料経路2bの開閉状態、即ち、塗料ポート2eを介して、塗料経路2bが塗料カートリッジ10内と連通・遮断される状態を制御する機能を有する。
さらに言えば、塗料経路2bの上流側は、塗料バルブ4によって該塗料経路2bの開閉状態を制御され、下流側は、開閉弁2gによって該塗料経路2bの開閉状態を制御されるようになっている。
【0068】
なお、開閉弁2gの摺動移動については、後述する共通マニホールド部3のトリガーバルブ27によって行うようになっている。
【0069】
以上のように、ヘッダー部2・2・・・は、塗料を充填する塗料カートリッジ10に対して、複数色からなる塗料の色ごとに複数設けられ、内部には塗料経路12b・12b・・・を各々具備するとともに、塗料の色ごとに設けられる複数の塗料タンク21・21・・・と各々連通される。
つまり、各ヘッダー部2は塗料カートリッジ10に対して、選択された塗料を充填する塗料供給部としての機能を有する。
【0070】
そして、これら複数のヘッダー部2・2・・・の近傍には、移動手段としての搬送装置51が配設され、該搬送装置51によって、選択した色の塗料に関するヘッダー部2が、塗料カートリッジ10の下方、かつ後述する共通マニホールド部3の上方に位置するように移動されるようになっている。
【0071】
次に、共通マニホールド部3について説明する。
共通マニホールド部3は塗料バック14を圧搾して該塗料バック14内の塗料を塗料カートリッジ10の外部に押出す押出し液を塗料カートリッジ10内に充填したり、前述の洗浄液を塗料カートリッジ10とヘッダー部2との着脱箇所へ送出したり、洗浄後の廃液を塗料充填装置1の外部に排出したりする際などの中継経路として設けられる。
【0072】
共通マニホールド部3の上面には、上方に突出する矩形状のコネクター部3aが設けられ、該コネクター部3aの上面にはトリガーバルブ27と洗浄液ポート3gと廃液ポート3hとが配設される。
【0073】
そして、共通マニホールド部3は、コネクター部3aを介してヘッダー部2下面の着脱面2fと着脱可能に配設され、ヘッダー部2が共通マニホールド部3に装着(連結)されると、洗浄液ポート3gとヘッダー部2の第一ストップ弁20aとが連通し、廃液ポート3hとヘッダー部2の第二ストップ弁20bとが連通するようになっている。
【0074】
なお、トリガーバルブ27には図示せぬプッシュロッドが具備され、ヘッダー部2が共通マニホールド部3に装着されると、前記プッシュロッドがヘッダー部2の塗料ポート2e内に収納される開閉弁2gに係合し、トリガーバルブ27の動作が、前記プッシュロッドを介して開閉弁2gに連動するようになっている。
つまり、開閉弁2gは、トリガーバルブ27の動作に連動して塗料ポート2e内を摺動移動し、塗料経路2bの開閉状態を制御するようになっている。
【0075】
また、共通マニホールド部3の上面において、コネクター部3aの周囲には二本の押出し液配管26・26が上方(共通マニホールド部3の上面から塗料カートリッジ10の下面に向かう方向)に向かって立設される。
【0076】
そして、塗料カートリッジ10内への塗料の充填を行うべく、ヘッダー部2下面の着脱面2fに共通マニホールド部3のコネクター部3a上面が装着されると、二本の押出し液配管26・26の上端部は塗料カートリッジ10の第一押出し液供給経路12c、および第一押出し液排出経路12dと、各々連通されるようになっている。
【0077】
共通マニホールド部3の内部には、第二洗浄液経路3bとエア経路3cと第二廃液経路3dと第二押出し液供給経路3eと第二押出し液排出経路3fとが形成され、これら複数の経路3b・3c・・・3fは共通マニホールド部3上面のコネクター部3a、或いは押出し液配管26・26に各々連通される。
【0078】
第二洗浄液経路3bはヘッダー部2の第一洗浄液経路2cに洗浄液を供給するための経路である。
第二洗浄液経路3bの一端部はコネクター部3aの上面に設けられる洗浄液ポート3gと連通される。換言すれば、第二洗浄液経路3bの一端部は洗浄液ポート3gを介してヘッダー部2内の第一洗浄液経路2cと着脱可能に連通される。
一方、第二洗浄液経路3bの他端部は第二洗浄液経路3bの開閉状態を制御する電磁式の洗浄液バルブ5と連通される。
【0079】
また、洗浄液バルブ5には配管部材28が連通され、該配管部材28の末端部(洗浄液バルブ5と連通される側の端部と反対側の端部)は、洗浄液供給源である洗浄液タンク34の内部に内挿される。
つまり、第二洗浄液経路3bは洗浄液バルブ5と配管部材28とを介して洗浄液タンク34と連通される一方、洗浄液ポート3gを介してヘッダー部2の第一洗浄液経路2cと連通されるようになっている。
換言すれば、配管部材28および第二洗浄液経路3bは、洗浄液タンク34内の洗浄液をヘッダー部2の第一洗浄液経路2cへ供給する洗浄液供給経路を構成しており、前記洗浄液供給経路の途中部、すなわち配管部材28と第二洗浄液経路3bとの間に洗浄液バルブ5が介装されている。
【0080】
そして、洗浄液タンク内の洗浄液は配管部材28を通って共通マニホールド部3へと送給され、共通マニホールド部3内に送り込まれた洗浄液は洗浄液バルブ5を介して第二洗浄液経路3bへと送給される。
第二洗浄液経路3b内に送り込まれた洗浄液は洗浄液ポート3gを介してヘッダー部2へと送給され、ヘッダー部2内に送り込まれた洗浄液は第一ストップ弁20aを介して第一洗浄液経路2cへと送給される。
そして、第一洗浄液経路2cへと送り込まれた洗浄液は、最終的に塗料ポート2e内に供給されるようになっている。
【0081】
なお、配管部材28の末端部近傍には洗浄液ポンプ36が配設され、該洗浄液ポンプ36によって洗浄液タンク34の内部に貯溜される洗浄液が洗浄液バルブ5に圧送されるようになっている。
【0082】
エア経路3cは塗料カートリッジ10のストップ弁19と、ヘッダー部2の塗料ポート2eとの連通箇所における洗浄後の廃液を、塗料充填装置1の外部に排出するための圧縮空気を供給するための経路である。
エア経路3cの一端部は、第二洗浄液経路3bの中途部と連通されるとともに、その他端部は電磁式のエアバルブ6と連通される。
【0083】
また、エアバルブ6には配管部材29が連通され、該配管部材29の末端部(第二洗浄液経路3bの中途部と連通される側の端部と反対側の端部)は、図示せぬエア源(コンプレッサーなどからなる圧縮空気の供給源)と連通される。
つまり、エア経路3cはエアバルブ6と配管部材29とを介してエア源と連通される一方、第二洗浄液経路3bに連通されることで、洗浄液ポート3gを介してヘッダー部2の第一洗浄液経路2cと連通されるようになっている。
【0084】
そして、エア源より吐出される圧縮空気は配管部材29を通ってエアバルブ6へと送給され、エアバルブ6内に送り込まれた圧縮空気は共通マニホールド部3のエア経路3cへと送給される。
エア経路3c内に送り込まれた圧縮空気は第二洗浄液経路3bを通り洗浄液ポート3gを介してヘッダー部2へと送給され、ヘッダー部2内に送り込まれた圧縮空気は第一ストップ弁20aを介して第一洗浄液経路2cへと送給される。
そして、第一洗浄液経路2cへと送り込まれた圧縮空気は、最終的に塗料ポート2e内に供給されるようになっている。
【0085】
第二廃液経路3dはヘッダー部2の第一廃液経路2dを通って排出された廃液を、塗料充填装置1の外部に排出するための経路である。
第二廃液経路3dの一端部は、コネクター部3aの上面に設けられる廃液ポート3hと連通される。換言すれば、第二廃液経路3dの一端部は廃液ポート3hを介してヘッダー部2内の第一廃液経路2dと着脱可能に連通される。
一方、第二廃液経路3dの他端部は第二廃液経路3dの開閉状態を制御する電磁式の廃液バルブ7と連通される。
【0086】
また、廃液バルブ7には配管部材30が連通され、該配管部材30の末端部(廃液バルブ7と連通される側の端部と反対側の端部)は、廃液タンク35の内部に内挿される。
【0087】
つまり、第二廃液経路3dは廃液バルブ7と配管部材30とを介して廃液タンク35と連通される一方、廃液ポート3hを介してヘッダー部2の第一廃液経路2dと連通されるようになっている。
換言すれば、配管部材30および第二廃液経路3dは、ヘッダー部2の第一廃液経路2d内の廃液を廃液タンク35へ排出する廃液排出経路を構成しており、前記廃液排出経路路の途中部、すなわち配管部材30と第二廃液経路3dとの間に廃液バルブ7が介装されている。
【0088】
そして、塗料カートリッジ10のストップ弁19と、ヘッダー部2の塗料ポート2eとの連通箇所における洗浄後の廃液は、ヘッダー部2の第一廃液経路2dを通って第二ストップ弁20bに到達した後、共通マニホールド部3へと送給され、共通マニホールド部3内に送り込まれた廃液は廃液ポート3hを介して第二廃液経路3dへと送給される。
第二廃液経路3d内に送り込まれた廃液は廃液バルブ7を介して配管部材30へと送給され、配管部材30内に送り込まれる。
そして、配管部材30内に送り込まれた廃液は最終的に廃液タンク35に送給されるようになっている。
【0089】
第二押出し液供給経路3eは塗料カートリッジ10内に押出し液を充填するための経路である。
第二押出し液供給経路3eの一端部は、共通マニホールド部3の上面に立設される押出し液配管26と連通される。換言すれば、第二押出し液供給経路3eの一端部は押出し液配管26を介して塗料カートリッジ10内と着脱可能に連通される。
一方、第二押出し液供給経路3eの他端部は第二押出し液供給経路3eの開閉状態を制御する電磁式の押出し液供給バルブ8と連通される。
【0090】
また、押出し液供給バルブ8には配管部材31が連通され、該配管部材31の末端部(押出し液供給バルブ8と連通される側の端部と反対側の端部)は、押出し液供給源である押出し液タンク22の内部に内挿される。
つまり、第二押出し液供給経路3eは押出し液供給バルブ8と配管部材31とを介して押出し液タンク22と連通される一方、押出し液配管26を介して塗料カートリッジ10の第一押出し液供給経路12cと連通されるようになっている。
【0091】
そして、押出し液タンク22内の押出し液は配管部材31を通って共通マニホールド部3へと送給され、共通マニホールド部3内に送り込まれた押出し液は押出し液供給バルブ8を介して第二押出し液供給経路3eを通って押出し液配管26へと送給される。
押出し液配管26内に送り込まれた押出し液はストップ弁19を介して第一押出し液供給経路12cを通って押出し液移動管18内に送給される。
そして、押出し液移動管18内に送り込まれた押出し液は、最終的に塗料カートリッジ10内に充填されるようになっている。
【0092】
なお、配管部材31の末端部近傍には押出し液ポンプ32が配設され、該押出し液ポンプ32によって押出し液タンク22の内部に貯溜される押出し液が押出し液供給バルブ8に圧送されるようになっている。
【0093】
第二押出し液排出経路3fは塗料カートリッジ10内への塗料の充填時において、該塗料カートリッジ10内に残留する押出し液を、塗料充填装置1の外部に排出するための経路である。
第二押出し液排出経路3fの一端部は、共通マニホールド部3の上面に立設される押出し液配管26と連通される。換言すれば、第二押出し液排出経路3fの一端部は押出し液配管26を介して塗料カートリッジ10内と着脱可能に連通される。
一方、第二押出し液排出経路3fの他端部は第二押出し液排出経路3fの開閉状態を制御する電磁式の押出し液排出バルブ9と連通される。
【0094】
また、押出し液排出バルブ9には配管部材33が連通され、該配管部材33の末端部(押出し液排出バルブ9と連通される側の端部と反対側の端部)は、押出し液供給源である前述の押出し液タンク22の内部に内挿される。
【0095】
つまり、第二押出し液排出経路3fは押出し液排出バルブ9と配管部材33とを介して押出し液タンク22と連通される一方、押出し液配管26を介して塗料カートリッジ10の第一押出し液排出経路12dと連通されるようになっている。
【0096】
そして、塗料カートリッジ10内の押出し液は、第一押出し液排出経路12dを通ってストップ弁19に到達した後、押出し液配管26へと送給され、押出し液配管26内に送り込まれた押出し液は第二押出し液排出経路3fへと送給される。
第二押出し液排出経路3f内に送り込まれた押出し液は押出し液排出バルブ9を介して配管部材33へと送給される。
そして、配管部材33内に送り込まれた押出し液は最終的に押出し液タンク22に送給されるようになっている。
【0097】
以上のように、共通マニホールド部3は、塗料を充填する全ての塗料カートリッジ10・10・・・に共通して必要となる、これら洗浄液や廃液や押出し液などに関する複数の経路3b・3c・・・3fを有して構成される。
【0098】
なお、本実施例における塗料充填装置1では、複数のヘッダー部2・2・・・内に塗料経路2b・2b・・・を形成し、共通マニホールド部3内にこれら洗浄液や廃液や押出し液などに関する複数の経路3b・3c・・・3fを形成することとしているが、これに限定されるものではない。
即ち、設備全体のレイアウト上の理由などにより、例えば、洗浄液や廃液や押出し液などに関する複数の経路3b・3c・・・3fのうちの何れかを、ヘッダー部2・2・・・内に形成することとし、該ヘッダー部2・2・・・に塗料の供給機能のみではなく、洗浄液や押出し液の供給機能などを持たせるような構成としてもよい。
【0099】
そして、共通マニホールド部3の下部には、該共通マニホールド部3全体として上下方向に延出する延出手段としてのアクチュエータ3Bが配設され、該アクチュエータ3Bによって本体部3A(図1を参照)が上昇することで、共通マニホールド部3は全体として上方に延出され、該共通マニホールド部3の本体部3Aは上方に位置するヘッダー部2と着脱されるようになっている。
【0100】
[制御装置50]
次に、制御装置50について、図2を用いて説明する。
制御装置50は塗料カートリッジ10内に塗料を充填する際の、塗料充填装置1の各動作を制御するためのものである。
【0101】
制御装置50には、入力手段としての図示せぬキーボード、あるいはバーコードリーダーなどが接続されるとともに、出力手段として、複数のヘッダー部2・2・・・の近傍に配設される搬送装置51や、共通マニホールド部3のアクチュエータ3Bや、塗料カートリッジ10の近傍に配設される搬送装置54や、電磁式のバルブ群(塗料バルブ4や、洗浄液バルブ5や、エアバルブ6や、廃液バルブ7や、押出し液供給バルブ8や、押出し液排出バルブ9)や、トリガーバルブ27などが接続される。
【0102】
制御装置50は、主にRAMやROM等からなる記憶部や、CPUからなる演算処理部などにより構成される。
前記記憶部には、塗料カートリッジ10内に塗料を充填する際の、塗料充填装置1に関する動作の実行プログラムなどが予め格納される。また、記憶部には、演算処理部の命令により入力手段から入力された情報が一時的に保存されるようになっている。
【0103】
そして、入力手段によって入力された情報や、運転(例えば、前記バルブ群4・5・・・9に関する開閉動作や、アクチュエータ3Bに関する昇降動作など)に関するプログラムなどを記憶部から読み出して、演算処理部で演算処理を実行し、その後、演算結果に基づいて、出力手段に運転に関する指令を与えるようになっている。
【0104】
[塗料充填装置1の動作]
次に、塗料充填装置1の動作について、図3、および図4を用いて説明する。
なお、便宜上、図4の上下方向を塗料充填装置1の上下方向とし、かつ図5における矢印Aの方向を前方と規定して、以下説明する。
【0105】
まず、塗料カートリッジ10に充填するための塗料に関する情報が、入力手段を介して制御装置50に入力される。
制御装置50では、入力された情報に基づいて演算処理部による演算処理が実行され、搬送装置54に運転に関する指令信号が送られる。
前記指令信号を受けた搬送装置54は、空の状態となった塗料カートリッジ10を載置し、共通マニホールド部3の鉛直上方に位置する定位置まで、該塗料カートリッジ10を搬送する(ステップS101)。
【0106】
一方、制御装置50では、入力された情報に基づいて、演算処理部の演算処理によって複数のヘッダー部2・2・・・の内から指定された色の塗料に関するヘッダー部2が選択され(ステップS102)、搬送装置51(図2を参照)に運転に関する指令信号が送られる。
【0107】
そして、前記指令信号を受けた搬送装置51は、選択されたヘッダー部2が共通マニホールド部3の鉛直上方に位置する定位置に到達するまで、該ヘッダー部2を水平方向(図4(a)に示す矢印Xの方向)に搬送する(ステップS103)。
【0108】
このように、塗料カートリッジ10と選択されたヘッダー部2とは、これら搬送装置51・54によって各々共通マニホールド部3の鉛直上方に位置する定位置にまで搬送される。
その結果、図4(a)に示すように、塗料充填装置1では、下方から上方に向かって共通マニホールド部3、選択されたヘッダー部2、塗料カートリッジ10と、順に配設されるようになっている。
【0109】
塗料カートリッジ10と選択されたヘッダー部2とが各々定位置まで搬送されると、制御装置50より運転に関する指令信号が共通マニホールド部3に送られる。
前記指令信号を受けた共通マニホールド部3は、アクチュエータ3Bを作動させ、該共通マニホールド部3の本体部3Aが上昇(図4(b)に示す矢印Yの方向に移動)する(ステップS104)。
【0110】
そして、共通マニホールド部3の本体部3A上昇に関する過程において、まず、選択されたヘッダー部2下面の着脱面2fが、該共通マニホールド部3のコネクター部3a上面に装着(連結)する(ステップS105)。
続いて前記ヘッダー部2上面の支持端面2aが、塗料カートリッジ10下面の着脱面12aに装着するとともに(ステップS106)、共通マニホールド部3上面に立設される二本の押出し液配管26・26が、塗料カートリッジ10下面に配設されるストップ弁19・19(図2を参照)と各々連通される。
【0111】
そして、図4(b)に示すように、塗料カートリッジ10と選択されたヘッダー部2と共通マニホールド部3とが各々連結されると、制御装置50より塗料バルブ4(図2を参照)に指令信号が送られ、塗料カートリッジ10に塗料が充填される(ステップS107)。
【0112】
塗料カートリッジ10への塗料の充填は、予め定められた一定の時間行われ、その後、制御装置50より洗浄液バルブ5(図2を参照)に指令信号が送られ、塗料カートリッジ10とヘッダー部2との着脱箇所に洗浄液が供給される(ステップS108)。
【0113】
前記洗浄液の供給についても、予め定められた一定の時間行われ、その後、制御装置50よりエアバルブ6(図2を参照)に指令信号が送られ、塗料カートリッジ10とヘッダー部2との着脱箇所に圧縮空気が供給される(ステップS109)。
【0114】
前記圧縮空気の供給についても、予め定められた一定の時間行われ、その後、制御装置50より、運転に関する指令信号が共通マニホールド部3に送られる。
前記指令信号を受けた共通マニホールド部3は、アクチュエータ3Bを作動させ、該共通マニホールド部3の本体部3Aが下降する(ステップS110)。
【0115】
そして、共通マニホールド部3の本体部3Aの下降に関する過程において、まず、塗料カートリッジ10と選択されたヘッダー部2とが離脱し(ステップS111)、続いて、前記ヘッダー部2が搬送装置51に載置されることで、前記ヘッダー部2と共通マニホールド部3とが離脱する(ステップS112)。
【0116】
こうして、塗料充填装置1は、図4(a)に示すように、これら塗料カートリッジ10と選択されたヘッダー部2と共通マニホールド部3とが、互いに連結される前の状態となり、前記塗料カートリッジ10への塗料の充填作業は終了する。
【0117】
以上のように、本実施例における塗料充填装置1は、複数色の塗料の中から選択された色の塗料を塗料カートリッジ10内に充填する塗料充填装置1であって、複数のヘッダー部2・2・・・と、該ヘッダー部2・2・・・に洗浄液を供給する一個の共通マニホールド部3とを有し、前記各ヘッダー部2は、一方において前記塗料カートリッジ10と着脱可能に設けられるとともに、他方において前記共通マニホールド部3と着脱可能に設けられ、前記各ヘッダー部2には、前記塗料カートリッジ10内への塗料の充填を行う塗料供給経路が形成され、前記各塗料供給経路は配管部材23および塗料経路2bによって構成されるとともに、一端部において前記塗料カートリッジ10内と連通可能に構成されるとともに、他端部において塗料の色ごとに設けられた複数の塗料タンク(塗料供給源)21・21・・・の各々と連通され、前記各塗料供給経路の途中部には、該塗料供給経路の上流側の開閉状態を制御する塗料バルブ4が介装されることとしている。
【0118】
このように、本実施例における塗料充填装置1では、複数色からなる塗料の色ごとに各々必要な塗料供給部を、独立して設けることとしているため、塗料カートリッジ10との接続部(塗料カートリッジ10内への塗料の供給口)を、塗料の色に関らず共通に設ける場合に比べて、塗料ロスを大幅に低減することができる。
【0119】
即ち、前記接続部を塗料の色に関らず共通に設ける場合、前記接続部は、中途部において複数の分岐経路を有する供給経路を介して、複数色からなる塗料の色ごとにそれぞれ設けられる塗料供給源と連通されることとなる。
よって、このような従来の塗料充填装置では、塗料カートリッジ10内に充填する塗料について「色替え作業」を行う場合、その都度、塗料供給源から接続部に至るまでの供給経路内の全領域を洗浄することが必要となり、前記供給経路内に残留する塗料は破棄され塗料ロスとなっていた。
これに対して、本実施例における塗料充填装置1では、複数色からなる塗料の色ごとに各々必要な塗料供給部を、独立して設けることとしているため、従来の塗料充填装置に示すような供給経路内の全領域を洗浄する必要はなく、塗料ロスを大幅に低減することができるのである。
【0120】
また、本実施例における塗料充填装置1では、複数色からなる塗料の色ごとに異なる塗料供給部を独立して設けるとともに、塗料の色の如何に関らず共通して必要となる洗浄液に関する供給部や、洗浄後の廃液の排出部などを、共通マニホールド部3を介して一つにまとめることが可能となり、装置全体としてのコンパクト化が図られ、該塗料充填装置1の設置スペースの縮小化を実現できるとともに、該塗料充填装置1の製作コストも低減でき、経済的である。
【0121】
また、本実施例における塗料充填装置1は、前記各ヘッダー部2の塗料供給経路(配管部材23および塗料経路2b)における、前記塗料カートリッジ10内との連通箇所、即ち塗料ポート2eには、前記塗料供給経路の下流側の開閉状態を制御する開閉弁2gを設け、前記共通マニホールド部3における、前記各ヘッダー部2との着脱箇所、即ちコネクター部3aの上面には、トリガーバルブ27を設け、前記トリガーバルブ27は、前記各ヘッダー部2と前記共通マニホールド部3とが連結することにより前記開閉弁2gとプッシュロッド(図示せず)を介して係合し、前記開閉弁2gは、前記トリガーバルブ27の動作に連動して開閉動作を行うこととしている。
【0122】
このような構成を有することで、ヘッダー部2の塗料経路2bは、共通マニホールド部3と離脱状態にある限り、常に閉状態を維持することとなる。
よって、塗料カートリッジ10と各ヘッダー部2と共通マニホールド部3とが互いに連結し合い、塗料カートリッジ10に塗料を充填する以外の状態、例えば選択されたヘッダー部2が搬送装置51によって共通マニホールド部3の上方に搬送される途中で、前記塗料経路2bより塗料が漏洩することもなく、経済的である。
【0123】
また、本実施例における塗料充填装置1は、前記各ヘッダー部2の内部には、前記塗料供給経路(配管部材23および塗料経路2b)と前記塗料カートリッジ10内との連通箇所即ち塗料ポート2e近傍に、第一洗浄液経路(第一分岐経路)2cと第一廃液経路(第二分岐経路)2dとを形成し、前記共通マニホールド部3の内部には、前記塗料ポート2e(連通過所)を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給経路と、洗浄後の廃液を塗料充填装置1の外部に排出するための廃液排出経路と、を形成し、前記洗浄液供給経路は配管部材28および第二洗浄液経路3bによって構成され、一端部において前記各ヘッダー部2内の第一洗浄液経路(第一分岐経路)2cと連通可能に構成されるとともに、他端部において洗浄液タンク(洗浄液供給源)34と連通され、前記洗浄液供給経路の途中部には、前記洗浄液供給経路の開閉状態を制御する洗浄液バルブ5が介装され、前記廃液排出経路は配管部材30および第二廃液経路3dによって構成され、一端部において前記各ヘッダー部2内の第一廃液経路(第二分岐経路)2dと連通可能に構成されるとともに、他端部において廃液タンク35と連通され、前記廃液排出経路の途中部には、前記廃液排出経路の開閉状態を制御する廃液バルブ7が介装されることとしている。
【0124】
このような構成を有することで、塗料カートリッジ10に充填される塗料の色の如何に関らず、最低限必要な洗浄液と廃液に関する供給部を、共通マニホールド部3を介して一箇所にまとめることができる。
よって、複数色からなる塗料の色ごとに、これら洗浄液と廃液に関する供給部を各々設けていた従来の塗料充填装置201(図5を参照)に比べて、塗料充填装置1については、装置全体としてのコンパクト化が図られ、該塗料充填装置1の設置スペースの縮小化を実現できるとともに、該塗料充填装置1の製作コストも低減でき、経済的である。
【0125】
また、本実施例における塗料充填装置1は、前記複数のヘッダー部2・2・・・の内、選択された色の塗料に関するヘッダー部2は、前記共通マニホールド部3の上方に配置され、前記塗料カートリッジ10は、選択された色の塗料に関するヘッダー部2の上方に配置され、前記共通マニホールド部3は、上下方向に延出可能なアクチュエータ(延出手段)3Bを有し、前記アクチュエータ(延出手段)3Bによって本体部3Aが上方に移動(上昇)し、共通マニホールド部3全体として上方に延出することで、これら塗料カートリッジ10と、選択された色の塗料に関するヘッダー部2と、共通マニホールド部3とは互いに連結されることとしている。
【0126】
このような構成を有することで、塗料カートリッジ10と各ヘッダー部2とについては、外部に別途連結装置などを有する必要がなくなる。即ち、アクチュエータ52を有する共通マニホールド部3自身が、これら塗料カートリッジ10と各ヘッダー部2との連結に関する連結装置としての機能を有することとなるのである。
よって、塗料充填装置1のコンパクト化が図られ、該塗料充填装置1の設置スペースの縮小化を実現できるとともに、該塗料充填装置1の製作コストも低減でき、経済的である。
【符号の説明】
【0127】
1 塗料充填装置
2 ヘッダー部
2b 塗料経路
2c 第一洗浄液経路(第一分岐経路)
2d 第一廃液経路(第二分岐経路)
2e 塗料ポート
2g 開閉弁
3 共通マニホールド部
3A 本体部
3B アクチュエータ(延出手段)
3a コネクター部
3b 第二洗浄液経路(洗浄液経路)
3d 第二廃液経路(廃液経路)
4 塗料バルブ
5 洗浄液バルブ
7 廃液バルブ
10 塗料カートリッジ
21 塗料タンク(塗料供給源)
23 配管部材
27 トリガーバルブ
28 配管部材
30 配管部材
34 洗浄液タンク(洗浄液供給源)
35 廃液タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の塗料の中から選択された色の塗料を塗料カートリッジ内に充填する塗料充填装置であって、
複数のヘッダー部と、該ヘッダー部に洗浄液を供給する一個の共通マニホールド部とを有し、
前記各ヘッダー部は、一方において前記塗料カートリッジと着脱可能に設けられるとともに、他方において前記共通マニホールド部と着脱可能に設けられ、
前記各ヘッダー部には、前記塗料カートリッジ内への塗料の充填を行う塗料供給経路が形成され、
前記各塗料供給経路は、一端部において前記塗料カートリッジ内と連通可能に構成されるとともに、他端部において塗料の色ごとに設けられた複数の塗料供給源の各々と連通され、
前記各塗料供給経路の途中部には、該塗料供給経路の上流側の開閉状態を制御する塗料バルブが介装される、
ことを特徴とする、塗料充填装置。
【請求項2】
前記各ヘッダー部の塗料供給経路における、前記塗料カートリッジ内との連通箇所には、前記塗料供給経路の下流側の開閉状態を制御する開閉弁を設け、
前記共通マニホールド部における、前記各ヘッダー部との着脱箇所には、トリガーバルブを設け、
前記トリガーバルブは、前記各ヘッダー部と前記共通マニホールド部とが連結することにより前記開閉弁と係合し、
前記開閉弁は、前記トリガーバルブの動作に連動して開閉動作を行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の塗料充填装置。
【請求項3】
前記各ヘッダー部の内部には、前記塗料供給経路と前記塗料カートリッジ内との連通箇所近傍に、第一分岐経路と第二分岐経路とを形成し、
前記共通マニホールド部の内部には、前記連通過所を洗浄するための洗浄液を供給する洗浄液供給経路と、洗浄後の廃液を塗料充填装置の外部に排出するための廃液排出経路と、を形成し、
前記洗浄液供給経路は、一端部において前記各ヘッダー部内の第一分岐経路と連通可能に構成されるとともに、他端部において洗浄液供給源と連通され、
前記洗浄液供給経路の途中部には、前記洗浄液供給経路の開閉状態を制御する洗浄液バルブが介装され、
前記廃液排出経路は、一端部において前記各ヘッダー部内の第二分岐経路と連通可能に構成されるとともに、他端部において廃液タンクと連通され、
前記廃液排出経路の途中部には、前記廃液排出経路の開閉状態を制御する廃液バルブが介装される、
ことを特徴とする、請求項1、または請求項2に記載の塗料充填装置。
【請求項4】
前記複数のヘッダー部の内、選択された色の塗料に関するヘッダー部は、前記共通マニホールド部の上方に配置され、
前記塗料カートリッジは、選択された色の塗料に関するヘッダー部の上方に配置され、
前記共通マニホールド部は、上下方向に延出可能な延出手段を有し、
前記延出手段によって共通マニホールド部が上方に延出することで、これら塗料カートリッジと、選択された色の塗料に関するヘッダー部と、共通マニホールド部とは互いに連結される、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の内の何れか一項に記載の塗料充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−88055(P2011−88055A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−242832(P2009−242832)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】