説明

塗料用配合物

本発明は、保護剤として木材用塗料として使用される無溶剤塗料及び処理剤に関する。この木材用塗料を用いて、短時間の紫外(UV)線硬化を提供する。さらに、この塗料は、防食配合物及び被塗パネルを形成する方法に関する。本発明は、低い揮発性及び高い耐引っかき性の、木材表面用塗料をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、生物材料破壊から木材を保護するための塗料及び処理配合物に関する。本発明は、塗料及び処理配合物を調製する方法にも関する。
【0002】
〔発明の背景〕
木質支持体上の外部適用のための多数の塗料が市場に存在することは知られている。特に最近、環境への揮発性有機物質の排出を減らすため一連の水性製品が開発されている。木材に適用するための一群の水性塗料は、外部用途の透明塗料から成る。
【0003】
木質支持体及び塗料は、例えば太陽放射線、特に太陽放射線の紫外成分、熱、周囲温度、液体湿度(雨)又は気体湿度(大気湿度)等の大気因子によって分解現象を受けることが知られている。さらに、太陽光にさらされた木質支持体は分解プロセスを受けることが知られている。実際に、さらされた表面は、リグニン分解のため灰色を帯び、木材の空隙率が高くなり、構造上の堅固さを失い、周囲の湿気を多く吸収するようになる。このような分解は、表面の裂け目として見られる寸法変化現象の増加を伴う。裂け目又は割れ目は水の吸収を容易にし、最終的に暗褐色をもたらし、少しずつ木材内部構造を分解する。
【0004】
相対湿度の増加はカビ又は真菌のコロニー形成に有利である。木質支持体及び塗料、例えば透明塗料の分解は、被塗製造品目の外観の崩壊を伴う。塗膜の遮蔽作用が終わると、木質支持体の分解速度が速くなる。この分解の実際的な結末は被塗製造品目の不快な外観である。
【0005】
さらに、その後の木材表面の分裂によって、木材の構造崩壊が起こる。そして、真菌及びカビのため木材が腐敗し、例えば外窓を造るために使用した材料の寸法安定性が失われることとなる。
【0006】
放射線硬化は良質の木材仕上げにとって魅力的な選択肢である。この技術は揮発性有機化合物(VOCs)及び有害性大気汚染物質(HAPS)環境指令とのコンプライアンスを保証するのみならず、顧客に長く続く印象を残すであろう高級仕上げを創り出すための最も費用効率の高い方法の一つである。種々の保護及び装飾仕上げ、例えばペンキ、透明ステイン及び浸透性仕上げ又は膜形成クリアワニスを用いて、可視光、UV光、酸素、熱、湿気及び水、生物攻撃並びに大気汚染物質等の有害因子から木質材料を保護することができる。木材の自然の特徴(色及びテクスチャー)を見えるままにできる透明系が興味を集めており、それらに対する要望が増加している。
【0007】
木材は建設、家具産業における天然の原材料として、また寄木の最終用途のために広範に使用される。木材の物理的性質及び木材の暖かい外観は、コンクリート、金属及びプラスチック等の競合材料から多くの領域で木材を区別する。塗料(ペンキ、ワニス及びラッカー)は、木質系材料に基づく大多数の製品の必須部分である。より環境に優しい塗料に対する消費者及び業界の要望が急速に増大している。配合物におけるアクリル酸エステルの従来の使用は、木材表面に低い耐引っかき性を与えた。
【0008】
さらに、アクリル酸エステルは目及び皮膚の強い刺激物と見なされている。そこで、業界は、仕事場でさえ環境に優しい、より良い性能を与える塗料組成物を提供するための手段を捜し続けている。
【0009】
現在、アクリル酸エステル由来のオリゴマー及びモノマーを含有する放射線塗料の配合物だけが研究されている(Kumarら、2006;Bajpaiら、2002)。しかし、アクリル酸エステルは危険かつ有毒である。したがって、環境保全技術生産という事実のため、アジピン酸エステル由来の新しい放射線塗料配合物を研究する要求が非常に重要である。
【0010】
本発明の目的は、塗料が、最小限の汚染物質を有する木材表面用塗料の成分としてワックスエステルを含む、塗料用配合物を提供する。本発明は、より高い処理能力、より少ないサイクル時間及び最大のUV効率のために正しい適用成分及び塗料系を確実に選択するように設計された、この新しい技術への包括的なアプローチをも提案する。木材表面上の塗料用配合物は、好ましくは溶剤を含まず、かつワックスエステル(アジピン酸エステル及びヤシをベースとしたワックスエステル)、エポキシアクリレート、界面活性剤、硬化剤及び光開始剤から成る。一般に、ワックスエステルは、使用するのに安全、健康的かつ快適なので、木材塗料用の魅力的な出発原料を作製する。ワックスエステルは工業的な木材塗料において試験されたが、水に対して耐性で、脂質ステインにはあまり耐性でなく、木材の自然の特徴を強調し、長持ちする耐摩耗性の表面をもたらし、かつ改善し得る。
【0011】
アジピン酸エステルは、その比較的低いコスト及び良いバランスの特性のため広範に使用されている。簡単なアジピン酸ジアルキルは、アジピン酸又はそのジメチルエステルを一価アルコールと反応させることによって調製される(Gryglewicz、2001)。脂肪酸エステルを調製する用途に好適な脂肪酸はパーム油、パーム核油、パームオレイン及びパームステアリンである。ワックスエステルは良い生分解性を有する無害の化合物なので、その使用は魅力的である。今日の商業的酵素法の多くには、種々の正の特質、例えば高い生産性及び望ましくない副産物の欠如がある。最小限の汚染物質及び再生可能資源由来の物質を有する、木材表面用塗料中の成分として役に立つワックスを開発するには深い配慮が必要である。植物材料からのワックスエステルの通常の抽出及び発酵による直接生合成が有機エステル合成の二つの方法である。
【0012】
しかし、これらの方法は、高い処理費用及び所望エステルの低収率を示すので、より良い方法を開発し、かつ環境に優しい方法を提供する必要がある。化学経路は、望ましくない副反応、低収率、汚染物質及び高い製造費用につながる不十分な反応選択性及び極端な反応条件等の問題に注意しなければならない。代替法として、これらの合成反応を触媒するためのリパーゼの使用が最近、ずっと有望な方法になってきている(Rejassaら、2003)。リパーゼ触媒反応は、穏やかな反応条件、高い触媒効率及びはるかに純粋な生成物をもたらす天然触媒の固有の選択性のため、従来の化学的方法より優れている。最近、酵素触媒反応は広く理解されており、穏やかな温度と大気圧で高度に純粋な生成物を製造することができる(Abdul Rahmanら、2003)。
【0013】
〔発明の概要〕
したがって、本発明の目的は、生物材料破壊から木材を保護するための塗料配合物に関する。この配合物は、a)ワックスエステル及び/又は、b)エポキシアクリレート及び/又は、c)界面活性剤及び/又は、d)硬化剤及び/又は、e)光開始剤を含む。この配合物は、(i)60%〜85%のエポキシアクリレート、(ii)7%〜12%のワックスエステル、(iii)8%〜9%の硬化剤、(iv)4%〜5%の界面活性剤及び(v)2%〜3%の光開始剤を含む。それに加えて、本発明のワックスエステルはアジピン酸エステル又はヤシをベースとしたワックスエステルを含む。さらに、木材を保護するための塗料配合物は、さらにa)塗料配合物をUV光から保護する薬剤と、(b)塗料配合物を経年劣化から保護する薬剤と、(c)着色剤と、(d)装飾剤と、(e)塗料又は塗料配合物の残部に対する接着を促進する薬剤と、(f)疎水化剤と、(v)水とを含む。
【0014】
加えて、本発明は、さらに塗料配合物を調製する方法に関し、この方法は以下のステップ:(a)ワックスエステルをエポキシアクリレートと混合して混合物を形成するステップと、(b)ステップ(a)の混合物に界面活性剤[好ましくはBrij、Span及びTween]を添加するステップと、(c)(a)の混合物に硬化剤を添加するステップと、(d)ステップ(c)の混合物を少なくとも30分間撹拌して均質混合物を得るステップと、(f)ステップ(d)の均質混合物を光開始剤と混合するステップと、(g)ステップ(a)〜(f)から塗料又は処理配合物を得るステップに相当する。本発明で使用するアジピン酸エステルはアジピン酸ジオレイル又はアジピン酸ジラウリルを含み、ヤシをベースとしたワックスエステルは、パーム油エステル、パーム核エステル、パームオレインエステルを含む。さらに、ワックスエステルは、酵素的合成により調製される。
【0015】
したがって、本発明は、以下の特性、(a)高いゲル含量、(b)高い耐引っかき性及び(c)高い振子硬度を含む塗料の製造のためのこの配合物の使用をも提供する。本発明は、紫外(UV)線硬化の下で短時間で硬化し得るアジピン酸エステルを含む、無溶剤の木材塗料配合物に関係する新製品である。さらに詳細には、本発明は、木材表面用塗料の低い揮発性及び高い耐引っかき性に関する。以前の発明は、通常、蒸発して大気汚染物質を生じる溶剤木材塗料組成物を使用した。さらに、従来の木材塗料配合物は、低い耐引っかき性及び木材表面のための良い保護を与えた。本発明は、硬化したトップコート又はシールコートを有する木質被塗基材を製造するために適する。この木材塗料配合物は、コンクリート、金属及びプラスチック等の競合材料から多くの領域で木材を区別する、木材の審美的特性及び木材の暖かい外観を見えるようにするクリアな塗料を与えた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エステル化反応によって生成したワックスエステルのパーセンテージ収率を示す図である。
【図2】UV光で硬化した塗料の硬度に対する照射線量の効果を示す図である。
【図3】照射前後の塗料組成物のフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)から得られたスペクトルを示す図である。
【図4】UV光で硬化した塗料のゲル含量に対する照射線量の効果を示す図である。
【図5】引っかきテスターによって生成されたガラスタイル表面のクリアな円線を5倍に拡大して示す図である。
【図6】引っかきテスターによって生成されたガラスタイル表面の「魚骨」を10倍に拡大して示す図である。
【0017】
〔発明の詳細な説明〕
ここで、以下の図及び実施例を参照して本発明をさらに詳述する。以下の実施例は、例示目的のためだけに提供され、本発明を限定するものではない。
【0018】
本発明の発明者らは、木材用又は木材表面上の塗料を製造するための処理配合物又は塗料配合物を確立した。この配合物は、耐引っかき性及び振子硬度特性を高める。
【0019】
従来法でワニス、ラッカー及びペンキと同一に扱われる製品によって一般的に役目が果たされる用途で本発明の配合物を使用することができる。本発明の処理配合物又は塗料は、好ましくは光開始剤の存在下で木材表面を硬化して、架橋重合を開始する。本発明の配合物は迅速に硬化し、良い耐引っかき性及び高い光沢といった物理的性質が改良された膜を形成する。
【0020】
述べたように、本発明の配合物は、本質的にワックスエステル(アジピン酸エステル及びヤシをベースとしたワックスエステル)、エポキシアクリレート、界面活性剤、硬化剤及び光開始剤等の材料から成る。使用材料を混合すると、それらの材料が相互に反応して塗料混合物を形成する。配合物中の第1成分は、アジピン酸又は脂肪酸と脂肪アルコールとの酵素的エステル化によって、アジピン酸から誘導されたか又はヤシをベースとしたワックスエステルを含む。アジピン酸と脂肪酸との反応は、50℃及び150rpmの振動速度で30分間インキュベートされ、リパーゼ、Novozyme435による触媒作用を受ける最適条件で行われた。その間に、米国特許第192452号明細書に従ってバッチ反応器スケールで脂肪酸と脂肪アルコールのエステル化が行われた。
【0021】
さらに、得られた配合物をUV線技術を用いて硬化した。この技術は、三次元網目構造を得るための入射UV線によって誘導される多官能系の重合に基づく。この反応は、液体系を、室温でゴム様又はガラス状特性を有する非粘着性固体マトリックスに変換させる。UV線技術に加えて、異なる技術、すなわちEB硬化によっても配合物は硬化された。この技術は主にアクリレート配合物のために使用される。光開始の場合のように、アクリレートの電子惹起重合は、フリーラジカルを介して進行する。液体アクリレートの電子照射後、ラジカルが生成され、重合を開始し、架橋のための反応性部位を形成する。液体アクリレートを密集した高分子網目構造に変換するためには10〜50kGyの典型的な照射線量が必要である。図1は、アジピン酸ジオレイル及びアジピン酸ジラウリルであるアジピン酸エステルの選択されたエステル化反応のパーセンテージ収率を示す。オレイルアルコールとアジピン酸のエステル化は95.0091%のアジピン酸ジオレイルを与え、一方でラウリルアルコールとアジピン酸からのアジピン酸ジラウリルのエステル化反応は生触媒としてNovozyme435を用いて91.5824%を与えた。最適条件を用いるアジピン酸と種々のアルコールのエステル化は、90%超えの高いパーセンテージ収率を与えた。この結果から、LipozymeRM1Mを使用するより、固定化酵素Novozyme435がワックスエステルの合成で最良の酵素であることが分かる。本発明は、木材塗料用の配合物でワックスエステルを使用した。
【0022】
ワックスエステル:エポキシアクリレートの比が10:90の混合物を用い、界面活性剤を添加して実験を行った。使用した界面活性剤はBrij(30及び93)、Span(20及び40)及びTween(20、40、60、80及び85)シリーズである。好ましい界面活性剤は、均質混合物を生成できるBrij30である。Brij30を添加して30分間エポキシアクリレートとアジピン酸エステルを混合するのに撹拌機Ika
Werke RW16を使用した。表1は、慎重に選んだ配合物の材料を示す。したがって本発明の特徴がさらに向上するはずである。バーコーターを用いて比厚(150μm)でガラスタイル上に塗料組成物配合物を適用した。その後、被塗ガラスタイルをIST
1−UV Dryerで照射した。各通過が0.95J/cmのエネルギーを与えた。さらにゲル含量、振子硬度及び耐引っかき性を調べる試験を行うので、木材の代わりにガラスタイルを使用した。振子硬度試験を用いて塗料の硬度を測定した。被塗サンプルの硬度を標準的なガラス板の硬度と相対的に比較した。
【0023】
図2は、重合の硬度パーセンテージを示すグラフである。紫外光下のあらゆる単通過が塗料に化学的及び物理的変化をもたらす。放射線のタイプに依存して、あらゆる通過が塗料の振子硬度値、続いてゲル含量を増やした。これらの値が最大に達すると、分解が起こるだろう。配合物を硬化するのに最適な線量を見出すため、分解を起こさせた。この結果から、配合物1は配合物1に比べて高い硬度を有する。
【0024】
図3は、照射前後の塗料組成物のフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)から得られた典型的スペクトルである。この塗膜の分析を行って、硬度に影響を与える重合又は分解を確認した。1634cm−1にスペクトルが存在しないことから重合が完了したことを確認した。
【0025】
ソックスレー抽出器を用いて、硬化高分子膜の後に残っている、塗膜内部の未反応材料を除去した。残存する残留物が膜のゲル含量である。より高いゲル含量は、多くの架橋が起こったことを意味する。ソックスレー抽出器を用いて、既知重量の硬化膜をアセトン中で10時間抽出した。
【0026】
抽出後の膜を真空中で乾燥させ、秤量してゲルフラクションを推定した。ゲル含量の推定は、塗料の最終特性を決定するであろう架橋度を直接測定するので、いずれの塗料にとっても重要な特性である。架橋した材料は溶剤抽出では除去されないだろう。紫外光下の多くの通過が多くの架橋、ひいては高いゲル含量をもたらすだろう。
【0027】
図4は、塗料配合物のゲル含量パーセンテージを示すグラフである。この結果から、パーセンテージゲル含量は全ての通過数について90%より高い。そこで、FT−IR分析を用いて硬化推定を支持した。それにもかかわらず、最高のゲル含量パーセンテージを与える最適通過として6回の通過を選択した。通過数はUV強度に影響されたので、高い強度は硬化膜に対して過剰硬化、ひいては分解という危険を増やすだろう(Mahmoodら、2001)。Erichsen Scratch Testerを用いて塗膜の耐引っかき性を測定して、塗料が浸透されるであろう最大負荷を決定した。塗料をガラスタイル上で硬化させた。ニードルチップとしてダイヤモンドチップを角度90°で使用した。負荷を0.5N〜10Nで変えられる。ニードルチップを用いて、ガラスタイル上の硬化塗料の表面を引っかいた。
【0028】
図5及び図6は、引っかきテスターによって生成された円線の画像である。引っかきがクリアな円線を生成する場合(図5)、負荷を増やす必要がある。不連続線を生成する(図6)最後の負荷が最大負荷の限界だった。この引っかき痕跡は「魚骨」としても知られる。そこで、「魚骨」パターンが現われる前の負荷を最大耐引っかき性として記録した。オリンパスBH2−UMA顕微鏡を用いて、引っかきテスターによって生成された塗料上の引っかき痕跡を分析した。顕微鏡を使用すれば、塗料上の「魚骨」の形成を検出できるであろう。塗料の保護役割を果たすために塗料に必要な機械的性質のうち、耐引っかき性は最も重要な性質の一つである。硬化面上の引っかきによって生じた損傷が塗料の光沢の見た目に変化をもたらすささいなこともあり、或いはその損傷が塗料の変形を引き起こし、最終的に塗料の亀裂を誘発するほど重度のこともある(Kumarら、2006)。
【0029】
表2は、塗料組成物の耐引っかき性を示す。配合物1は、配合物2に比べて高い耐引っかき性を与えた。配合物1の最大負荷は、通過数8で4.5Nである。以前に、Salleh及び共同研究者ら(2002)は、放射線塗料による硬質材料の開発において高分子複合材の耐引っかき性を研究した。しかし、最大負荷は3.0Nまでしか耐えられず、本発明に比べて低い。
【表1】


【表2】

【0030】
〔実施例1〕
塗料配合を実験室スケールで行った。エポキシアクリレート(45.0g)、アジピン酸ジオレイル(5.0g)、界面活性剤(5.0g)及び硬化剤(6.111g)をIka Werke RW16を用いて30分間混合して均質混合物を得た。この後、この配合物を光開始剤(1.5g)と混合した。完成配合物をバーコーターを用いてガラスタイル上に150μmの厚さで適用した。その後、被塗ガラスタイルにIST 1−UV Dryerを用いて照射した。各通過は0.95J/cmのエネルギーを与えた。
【0031】
照射前後の製品をFT−IRを用いて分析した。照射後1634cm−1にスペクトルが存在しないことで重合が完了したことを確認した。Byk Pendulum Hardness Tester及びErichsen Scratch Testerを用いて被塗ガラスの物理的特徴を硬度及び耐引っかき性について分析した。その後、ゲル含量測定のため膜を除去してソックスレー抽出を行った。ゲル含量は90%を超える重合を示し、振子硬度は55.25%の硬度を与えた。
【0032】
これらの両分析は、照射通過の効果を決定するために有意である。ワックスエステル配合物によって耐えられる最高負荷重量は引っかき試験で4.5Nである。
【0033】
定義
配合は、順次添加すべき基材の量を決定している、ある製品の配合を案出するプロセスあり、最終製品を提供するために処理ステップを選択すべきである。本発明の次の成分は、均質混合物を得るための乳化剤としての界面活性剤である。
【0034】
界面活性剤は、液体の表面張力を下げ、より容易な拡散を可能にし、2種の液体間の界面張力を下げる湿潤剤である。界面活性剤は、通常は両親媒性の有機化合物であり、界面活性剤が疎水性基と親水性基の両方を含むことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物材料破壊から木材を保護するための塗料配合物であって、
a)ワックスエステルと、
b)エポキシアクリレートと、
c)界面活性剤と、
d)硬化剤と、
e)光開始剤と
を含む塗料配合物。
【請求項2】
前記ワックスエステルが、アジピン酸エステル又はヤシをベースとしたワックスエステルを含む、請求項1に記載の木材を保護するための塗料配合物。
【請求項3】
a)塗料配合物をUV光から保護する薬剤と、
(b)塗料配合物を経年劣化から保護する薬剤と、
(c)着色剤と、
(d)装飾剤と、
(e)塗料又は塗料配合物の残部に対する接着を促進する薬剤と、
(f)疎水化剤と、
(v)水と
をさらに含む、請求項1に記載の木材を保護するための塗料配合物。
【請求項4】
(i)60%〜80%のエポキシアクリレートと、(ii)8%〜12%のワックスエステルと、(iii)8%〜9%の硬化剤と、(iv)4%〜5%の界面活性剤と、(v)2%〜3%の光開始剤とを含む、請求項1に記載の木材を保護するための塗料配合物。
【請求項5】
(a)ワックスエステルをエポキシアクリレートと混合して混合物を形成するステップと、
(b)ステップ(a)の混合物に界面活性剤[好ましくはBrij、Span及びTween]を添加するステップと、
(c)(a)の混合物に硬化剤を添加するステップと、
(d)ステップ(c)の混合物を少なくとも30分間撹拌して均質混合物を得るステップと、
(f)ステップ(d)の均質混合物を光開始剤と混合するステップと、
(g)ステップ(a)〜(f)から塗料又は処理配合物を得るステップと
を含む、請求項1に記載の塗料配合物を調製する方法。
【請求項6】
前記アジピン酸エステルがアジピン酸ジオレイル又はアジピン酸ジラウリルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ヤシをベースとしたワックスエステルが、パーム油エステル、パーム核エステル、パームオレインエステルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ワックスエステルが酵素的合成により調製される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
塗料の製造のための請求項1〜4のいずれかに記載の配合物の使用であって、前記塗料が以下の特性、(a)高いゲル含量、(b)高い耐引っかき性及び(c)高い振子硬度を含む使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−526157(P2010−526157A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545507(P2009−545507)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【国際出願番号】PCT/MY2008/000094
【国際公開番号】WO2009/066976
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(509142209)ユニヴェルシティ プトラ マレーシア (4)
【Fターム(参考)】