説明

塗料組成物及び塗装物品

【課題】本発明は、酸素透過阻止能に優れる塗膜を形成できる塗料組成物に関し、該塗料組成物を用いて防食性に優れる塗装物品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ジグリシジルエーテル(a1)と、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールの中から選ばれる少なくとも1種のフェノール類(a2)とを反応させてなる、樹脂中に特定の式(1)で表されるベンゼンジエーテル構造を有する変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)を含有する塗料組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素透過阻止能に優れる塗膜を形成できる塗料組成物に関し、該塗料組成物を用いた防食性に優れる塗装物品に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料組成物の中でも、特にカチオン電着塗料は、塗装作業性が優れ形成した塗膜の防食性が良好なことから、これらの性能が要求される自動車ボディなどの導電性金属製品の下塗り塗料として広く使用されている。
【0003】
最近では、自動車ボディの衝突安全性向上から袋構造部などにおいて補強部材が重なり合った構造が多く用いられ、そのような部位では電着塗装時の電流密度が低下することから電着塗膜が形成し難いため薄膜または未塗装となり、さらに腐食生成物質(水、塩分等)が構造的にたまり易いために腐食が促進され、自動車ボディの強度低下を招くことになる。
【0004】
このように防食性、特に暴露耐食性の向上が重要な課題となってきたものの、単に塗料中に配合する可塑剤量を減少させてカチオン電着塗料の防食性を向上させると塗膜が硬くなり、経時での膜厚保持性、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性及び仕上り性等を低下させる不具合が生じることがあった。
【0005】
従来、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位を有するエポキシ樹脂やメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂から選ばれたエポキシ樹脂と、活性水素を有するアミン化合物とを反応させて得たポリアミン樹脂組成物、並びにブロックイソシアネートからなるカチオン電着塗料組成物であって、該樹脂組成物の硬化後に形成される「塗膜中に芳香環と窒素とを含む特定の骨格構造」を30重量%以上含有することを特徴とするガスバリア性カチオン電着塗料用樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
【0006】
しかし、特許文献1に記載のガスバリア性カチオン電着塗料用樹脂組成物は、
樹脂組成物の硬化後に形成される「塗膜中に芳香環と窒素とを含む特定の骨格構造」を含むことによって、防食性、特に暴露耐食性に優れるが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性が不十分であった。
【特許文献1】特開2004−59866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、酸素透過阻止能に優れる塗膜を形成できる塗料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
さらには、本発明は、該塗料組成物をカチオン電着塗料とした場合に、防食性、特に暴露耐食性に優れ、かつ合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性や仕上り性が良好な塗装物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ジグリシジルエーテル(a1)と、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールの中から選ばれる少なくとも1種のフェノール類(a2)とを反応させてなる、樹脂中にベンゼンジエーテル構造を有することを特徴とする変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)とを含有する塗料組成物が、酸素透過阻止能に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以下の塗料組成物及び塗装物品を提供するものである。
【0011】
項1. ジグリシジルエーテル(a1)と、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールの中から選ばれる少なくとも1種のフェノール類(a2)とを反応させてなる、樹脂中に下記式(1)で表されるベンゼンジエーテル構造を有する変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)を含有する塗料組成物。
【0012】
【化1】

項2. 変性エポキシ樹脂(A)が、アミノ基含有化合物を有するアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)である項1に記載の塗料組成物。
項3. 架橋剤(B)が、分子中にm−キシリレン構造を有する化合物であることを特徴とする項1又は2項に記載の塗料組成物。
【0013】
項4. 変性エポキシ樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して、層状顔料(C)を0.1〜100質量部含有することを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
項5. 塗料組成物が、カチオン電着塗料である項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【0014】
項6. 項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装してなる塗装物品。
【発明の効果】
【0015】
本発明の塗料組成物から得られる塗膜は、防食性、特に暴露耐食性に優れ、塗料組成物がカチオン電着塗料である場合には、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性(耐ピンホール性)や仕上り性が良好な塗装物品を提供できる。
理由としては、本発明の塗料組成物から得られる塗膜は、腐食生成物質(例えば、水、酸素イオン、塩素イオン)の塗膜透過抑制に優れ、このことから防食性、特に暴露耐食性の向上に有効である。
【0016】
詳しくは、フェノール類(a2)として、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールから選ばれる少なくとも1種を用いる変性エポキシ樹脂(A)は、従来のビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも柔軟且つ稠密な分子構造を有し、かつ該樹脂(A)の製造が容易で塗料安定性にも優れる為、仕上り性が良好な塗装物品を経時に亘って提供できる。
特に、変性エポキシ樹脂(A)の中でもアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)は、分子量分布が狭くかつ水分散基であるアミノ基が樹脂分子末端に局在化している。この為に、低中和適性(中和剤の量が少なくても水分散性に優れ、かつ水分散後のエマルションの安定性が良好)に優れ、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性(耐ピンホール性)が良好な塗膜を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】

本発明の塗料組成物は変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)とを樹脂成分として含有することを特徴とする。以下、詳細に述べる。
[変性エポキシ樹脂(A)]
変性エポキシ樹脂(A)は、ジグリシジルエーテル(a1)と、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールの中から選ばれる少なくとも1種のフェノール類(a2)とを反応させてなる、樹脂中に下記式(1)で表されるベンゼンジエーテル構造を有することを特徴とする樹脂である。
【0018】
【化2】

ジグリシジルエーテル(a1):
ジグリシジルエーテル(a1)は、2官能フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られる1分子中に2個のエポキシ基を有する化合物である。
【0019】
上記2官能フェノール化合物としては、それ自体既知のものを使用することができ、そのようなポリフェノール化合物の例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)などを挙げることができる。
【0020】
また、2官能フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂としては、長期耐食性、例えば耐ばくろ性の観点から、中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特にビスフェノールAから誘導される下記式(2)で示されるものが好適である。
【0021】
【化3】

(式(2)中、n=0〜2で示されるものが好適である)
上記エポキシ樹脂は、一般に400〜100,000、好ましくは600〜60,000、さらに好ましくは800〜20,000の範囲内の数平均分子量(注1)、一般に180〜70,000、好ましくは240〜40,000、さらに好ましくは300〜15,000の範囲内のエポキシ当量を有することができる。このようなエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社からjER828EL、jER1002、jER1004、jER1007などの商品名で販売されているものが挙げられる。
(注1)数平均分子量:JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、分離カラムとして「TSK gel G4000HXL」、「TSK gel G3000HXL」、「TSK gel G2500HXL」、「TSK gel G2000HXL」(東ソー株式会社製)の4本を用いて、溶離液としてGPC用テトラヒドロフランを用いて40℃及び流速1.0ml/分において、RI屈折計で得られたクロマトグラムと標準ポリスチレンの検量線から求めた。
【0022】
フェノール類(a2):
一方、フェノール類(a2)としては、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノールを挙げることができる。
【0023】
フェノール類(a2)は、本発明の課題である防食性、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性(耐ピンホール性)及び仕上り性等を満足する為に、特に有用な化合物である。これらの塗膜性能の中でも、防食性、特に暴露耐食性の点からハイドロキノンが好ましい。なお、上記の化合物は、1種類でも用いることもできるし、2種類以上を併用することも可能である。
【0024】
なお、変性エポキシ樹脂(A)の製造は、ジグリシジルエーテル(a1)とフェノール類(a2)、必要に応じてポリフェノール化合物を配合し、反応触媒として、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、メチルエタノールアミンのような2級アミン、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミンのような3級アミン、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドのような4級アンモニウム塩などの存在下、適宜に溶剤を加え、反応温度としては80〜200℃、好ましくは90〜180℃、反応時間として1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。
上記ポリフェノール化合物としては、それ自体既知のものを使用することができ、そのようなポリフェノール化合物の例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。
【0025】
上記の反応に用いる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0026】
なおジグリシジルエーテル(a1)とフェノール類(a2)の割合は、両成分の固形分合計質量を基準にして、ジグリシジルエーテル(a1)が50〜90質量%、好ましくは60〜85質量%、フェノール類(a2)が10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%が、防食性や合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性の為に好ましい。適宜に加えることができるその他のポリフェノール化合物類は、目的とする塗膜性能に応じて使用することができる。このようにして得られた変性エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量500〜3,000、好ましくは800〜2,500のエポキシ当量を有することが好適である。
【0027】
[アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)]
本発明の塗料組成物に用いる変性エポキシ樹脂(A)には、アミノ基含有化合物(a3)を有するアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)も含まれ、カチオン電着塗料の樹脂成分として好適に用いることができる。
【0028】
なお、アミノ基含有化合物(a3)は、変性エポキシ樹脂にアミノ基を導入するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
【0029】
このような目的で使用されるアミノ基含有化合物(a3)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−、もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
【0030】
アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)におけるアミノ基含有化合物(a3)
の割合は、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)の合計固形分質量を基準にして、アミノ基含有化合物(a3)が10〜50質量%、好ましくは15〜45質量%であることが、防食性と合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装適性の両立を得る為にも好ましい。
【0031】
[架橋剤(B)]
本発明に従う塗料組成物は、変性エポキシ樹脂(A)に、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂などの架橋剤(B)と組合せて使用することにより、熱硬化性塗料組成物を調製することができる。
【0032】
上記架橋剤(B)として使用できるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、(o−,m−,p−)トリレンジイソシアネート、(o−,m−,p−)キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
これらの中でも、特に、キシリレンジイソシアネート化合物、さらに好ましくはm−キシリレンジイソシアネート化合物を含む塗料組成物が、塗膜の酸素透過阻止能向上の為にも好ましい。
【0033】
また、ブロックポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック剤との付加反応生成物であり、イソシアネート基がブロックされているものであり、かかるブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものである。
【0034】
このようなブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;等が挙げられる。

上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。 上記反応に用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものをアミノ樹脂として使用することもできる。ここで、エーテル化に用いられるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0035】
本発明の塗料組成物における変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)との配合割合は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、変性エポキシ樹脂(A)は、一般に50〜85質量%、好ましくは55〜80質量%、さらに好ましくは55〜78質量%、そして架橋剤(B)は一般に15〜50質量%、好ましくは20〜45質量%、さらに好ましくは22〜45質量%の範囲内とすることができる。また、キシリレンジイソシアネート化合物の使用量としては、変性エポキシ樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して、キシリレンジイソシアネート化合物が0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%がよい。ここで、変性エポキシ樹脂(A)に基づくOH基のモル数に対しては、架橋剤(B)に基づくNCO基のモル数が、NCO基/OH基=0.7〜1.1、好ましくは0.8〜1.0の範囲がよい。
【0036】
本発明の塗料組成物には、変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)に加え、着色顔料、防錆顔料及び体質顔料などの顔料類を含有することができ、これらの顔料類は、あらかじめ微細粒子に分散した顔料分散ペーストとして加えて塗料組成物中に配合することができる。
このような顔料分散ペーストは、例えば、顔料分散用樹脂、中和剤及び顔料類を配合し、ボールミル、サンドミル、ペブルミル等の分散混合機中で分散処理して、顔料分散ペーストを調製できる。
上記顔料類としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、タルク、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛(亜鉛華)等の防錆顔料;を挙げることができる。
【0037】
特に、体質顔料の中でも、層状顔料(C)を一定量含有することが、酸素透過阻止能の向上には好ましい。具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、ノトロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト及びベントナイトなどの中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの層状顔料(C)は塗膜中において、腐食促進物質(例えば、O、Cl、Na)を遮断しかつ腐食促進物質を層状顔料(C)中に取り込んで保持する効果を有する。
【0038】
なお塗料組成物における層状顔料(C)含有量としては、変性エポキシ樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して1〜100質量部、特に5〜50質量部の範囲であることが好適である。
【0039】
さらに、腐食抑制又は防錆を目的として、塗料組成物として、ビスマス化合物を含有させることができる。上記ビスマス化合物としては、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等を用いることができる。また、塗膜硬化性の向上を目的として、ジブチル錫ジベンゾエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイト゛等の有機錫化合物を配合することができる。また、顔料分散用樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば水酸基及びカチオン性基を有する水酸基含有樹脂、界面活性剤等を使用できる。
【0040】
カチオン電着塗料について
変性エポキシ樹脂(A)としてアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)を含有するカチオン電着塗料は、該アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)と架橋剤(B)に、必要に応じて、界面活性剤や表面調整剤等の各種添加剤や有機溶剤等を十分に混合して調合樹脂とした後、上記調合樹脂を水溶性有機カルボン酸等で水溶化又は水分散化してエマルションを得る。
【0041】
なお調合樹脂の中和には、一般的には、公知の酸を用いることができるが、中でも酢酸、ギ酸、乳酸又はこれらの混合物が好適である。次いで、エマルションに、前記顔料分散ペーストを加え、水で調整することによって調整することができる。
【0042】
本発明の塗料組成物は、防食性、特に暴露耐食性が要求される塗装物品に好適に使用され、例えば、静電塗装、ロール塗装、電着塗装等で塗装する防食用塗料として使用することができる。
本発明の塗料組成物の被塗物は、冷延鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板、有機複合めっき鋼板、Al素材、Mg素材など、並びにこれらの金属板を必要に応じてアルカリ脱脂等の表面を洗浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理等の表面処理を行ったものが挙げられる。
【0043】
特に、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)と架橋剤(B)を含有するカチオン電着塗料は、防食性が良好であることに加え、合金化溶融亜鉛めっき鋼板上の電着塗装性や仕上り性に優れた塗装物品を提供することができる為、自動車ボディ、2輪車部品、家庭用機器、その他の機器等が挙げられ、金属であれば特に制限はなく使用できる。
【0044】
なおカチオン電着塗装は、一般的には、脱イオン水等で希釈して固形分濃度が5〜40重量%とし、さらにpHを5.5〜9.0の範囲内に調整した電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴温15〜35℃に調整し、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物を陰極として通電することによって行うことができる。電着塗装後、通常、余分に付着したカチオン電着塗料を落とすために、限外濾過液(UF濾液)、逆浸透透過水(RO水)、工業用水、純水等で十分に水洗する。
電着塗膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には、乾燥塗膜に基づいて5〜40μm、好ましくは12〜30μmの範囲内とすることができる。また、塗膜の焼き付け乾燥は、電着塗膜を電気熱風乾燥機、ガス熱風乾燥機などの乾燥設備を用いて、通常、塗装物表面の温度で110℃〜200℃、好ましくは140〜180℃にて、時間としては10分間〜180分間、好ましくは20分間〜50分間、電着塗膜を加熱して行う。上記焼付け乾燥により塗膜を硬化させることができる。
【実施例】
【0045】
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
【0046】
変性エポキシ樹脂(A)の製造
製造例1 変性樹脂溶液No.1の製造例(実施例用)
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、jER828EL(注2)840部、ハイドロキノンを160部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.8部を加え、160℃でエポキシ当量650になるまで反応させた。次に、エチレングリコールモノブチルエーテルを250部を加え、120℃で約15分間攪拌し、樹脂固形分80%の変性樹脂溶液No.1を得た。変性樹脂No.1は、数平均分子量(注1参照)1,300であった。
【0047】
製造例2〜4 変性樹脂溶液No.2〜No.4の製造例(実施例用)
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして変性樹脂溶液No.2〜No.4を得た。
【0048】
比較製造例1 変性樹脂No.5の製造例(比較例用)
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして変性樹脂溶液No.5を得た。
【0049】
比較製造例2 変性樹脂No.6の製造例(比較例用)
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして変性樹脂溶液No.6を製造したものの、樹脂粘度が著しく高い為、熱硬化型溶剤型塗料及びカチオン電着塗料の製造に供することができなかった。
【0050】
【表1】

(注2)jER828EL:ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、ビスフェノールA型のジグリシジルエーテル、エポキシ当量190、数平均分子量380
(注3)jER806:ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名、ビスフェノールF型のジグリシジルエーテル、エポキシ当量165、数平均分子量340
(注4)EX201:ナガセケムテックス株式会社製、商品名、レゾルシノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量117、数平均分子量235
アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)の製造
製造例5 アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.1の製造例(実施例用)
温度計、還流冷却器、及び攪拌機を備えた内容積2リットルのフラスコに、製造例1で得られた変性樹脂溶液No.1を1250部及びエチレングリコールモノブチルエーテルを50部、ジエタノールアミンを113部及びジエチレントリアミンのメチルイソブチルケトンのケチミン化物84部を加えて120℃で4時間反応させ、樹脂固形分80%のアミノ基含有変性エポキシ樹脂であるアミン付加エポキシ樹脂溶液No.1溶液を得た。
【0051】
アミン付加エポキシ樹脂溶液No.1の樹脂固形分は、アミン価80mgKOH/g、数平均分子量約1,700であった。
【0052】
製造例6〜8 アミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.2〜No.4の製造例
表2の配合内容とする以外は、製造例5と同様にしてアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.2〜No.4を得た。
【0053】
【表2】

比較製造例3
表3の配合内容とする以外は、製造例5と同様にしてアミノ基含有エポキシ樹脂溶液No.5を得た。
【0054】
【表3】

製造例9 架橋剤No.1の製造例
反応容器中に、イソホロンジイソシアネート222部及びメチルイソブチル
ケトン44部を加え、50℃に昇温した。この中にメチルエチルケトキシム1
74部をゆっくり加えた後、60℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時
でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの
吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分が90%の架橋剤No.1を得た。
【0055】
製造例10 架橋剤No.2の製造例
反応容器中に、m−キシリレンジイソシアネート188部及びメチルイソブ
チルケトン40部を加え、50℃に昇温した。この中にメチルエチルケトキシム174部をゆっくり加えた後、60℃に昇温した。この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認し、樹脂固形分が90%の架橋剤No.2を得た。
【0056】
熱硬化性溶剤型塗料の製造例
実施例1 熱硬化性塗料No.1の製造(実施例)
製造例1で得た固形分80%の変性樹脂溶液No.1を38部(樹脂固形分30部)、酸化チタン11部、カーボンブラック1部、硫酸バリウム40部、炭酸カルシウム40、酸化亜鉛8部、キシレン48部を加えて1時間ペイントシェイカーで顔料分散し、さらに固形分80%の変性樹脂溶液No.1を50部(樹脂固形分40部)、製造例9で得られた架橋剤No.1を33部(樹脂固形分30部)、ソルベッソ#100(注6)130部、ネオスタンU−100(注7)1部を加えて、熱硬化性塗料No.1を得た。
【0057】
実施例2〜6 熱硬化性塗料No.2〜No.6の製造(実施例)
表4の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして熱硬化型塗料No.2〜No.6を得た。
【0058】
比較例1 熱硬化性塗料No.7の製造(比較例)
表4の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして熱硬化型塗料No.7を得た。
【0059】
【表4】

(注5)BENTONE 38:エレメンティス株式会社製、商品名、テトラアルキルアンモニウムヘクトライト
(注6)ネオスタンU−100:日東化成株式会社製、商品名、ジブチル錫ジラウレート
(注7)ソルベッソ#100:エッソ石油株式会社製、商品名、芳香族炭化水素系溶剤
試験板の作成
実施例及び比較例で得た熱硬化性塗料を用い、パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、リン酸亜鉛化成処理剤)を施した冷延鋼板(0.8mm×150mm×70mm)を被塗物として乾燥膜厚20μmとなるようにバーコーター塗装し、170℃で20分間加熱乾燥して試験板を作成した。得られた試験板を用いて実施した試験結果を表5に示す。
【0060】
【表5】

(注8)酸素透過係数:各熱硬化性塗料をブリキ板にバーコーター塗装し、170℃にて20分間で加熱乾燥した乾燥膜厚35μmの塗膜を、水銀アマルガム法を用いて剥離した塗膜(50×50mm)を、酸素透過性測定装置(OXTRAN 2/21、商品名、モコン株式会社製)のセルに装着した。
【0061】
次いで、上記酸素透過性測定装置を用いて、膜厚1μm(温度25℃、相対湿度50%)に換算した酸素透過係数(cc・μm/m・day・atm)を求めた。
(注9)防食性:試験板の素地に達するように塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて、35℃ソルトスプレー試験を840時間行い、カット部からの傷、フクレ幅及び一般部の塗面状態(ブリスター)によって以下の基準で評価した。
【0062】
◎は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0mm以下(片側)
○は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0を超え、かつ3.0mm以下(片側)
△は、錆、フクレの最大幅がカット部より3.0mmを超え、かつ3.5mm以下(片側)
×は、錆、フクレの最大幅がカット部より3.5mm(片側)を超える
カチオン電着塗料の製造例
製造例11 エマルションNo.1の製造例
製造例5で得られたアミノ基含有変性樹脂溶液No.1を87.5部(固形分70.0部)、製造例9で得られた架橋剤No.1を33.3部(樹脂固形分30.0部)を混合し、さらに10%酢酸13.0部を配合して均一に攪拌した後、脱イオン水192.0部を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下してエマルションNo.1を得た。
【0063】
製造例12〜16 エマルションNo.2〜No.6の製造例
表6の配合内容とする以外は、製造例11と同様にして、エマルションNo.2〜No.6を得た。
【0064】
比較製造例5 エマルションNo.7の製造例
表6の配合内容とする以外は、製造例11と同様にして、エマルションNo.7を得た。
【0065】
【表6】

製造例17 顔料分散用樹脂の製造例
jER828EL(注2参照)1010部に、ビスフェノールAを390部、プラクセル212(ダイセル化学工業株式会社、商品名、ポリカプロラクトンジオール、重量平均分子量約1,250)240部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、130℃でエポキシ当量が約1,090になるまで反応させた。
【0066】
次に、ジメチルエタノールアミン134部及び濃度90%の乳酸水溶液150部を加え、120℃で4時間反応させた。次いで、メチルイソブチルケトンを加えて固形分を調整し、固形分60%のアンモニウム塩型エポキシ樹脂系の顔料分散用樹脂を得た。
【0067】
製造例18 顔料分散ペーストの製造例
固形分60%のアンモニウム塩型エポキシ樹脂系の顔料分散用樹脂8.3部(固形分5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、カーボンブラック0.3部、ジオクチル錫オキサイド1部、水酸化ビスマス1部及び脱イオン水20.2部を加え、ボールミルにて20時間分散し、固形分55%の顔料分散ペーストを得た。
実施例7
製造例11で得たエマルションNo.1を312.5部(固形分100.0部)、55%の顔料分散ペーストを52.4部(固形分28.8部)、脱イオン水279.1部を加え、固形分20%のカチオン電着塗料No.1を製造した。
【0068】
実施例8〜12
実施例1と同様にして、表7で示されるような配合内容にてカチオン電着塗料No.2〜No.6を製造した。
【0069】
比較例2
実施例1と同様にして、表7で示されるような配合内容にてカチオン電着塗料No.2を製造した。
【0070】
【表7】

試験板の作成
実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料を用い、パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、リン酸亜鉛化成処理剤)を施した冷延鋼板(0.8mm×150mm×70mm)、又は同様の化成処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(0.8mm×150mm×70mm)を被塗物として乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱乾燥して試験板を作成した。得られた試験板を用いて試験に供した試験結果を表8に示す。
【0071】
【表8】

(注10)耐暴露性:上記防食性と同様の条件で作成した試験板に、WP−300(関西ペイント株式会社製、水性中塗り塗料)を、硬化膜厚が25μmとなるようにスプレー塗装した後、電気熱風乾燥器で140℃で30分焼き付けを行なった。
【0072】
さらに、上記中塗塗膜上に、ネオアミラック6000(関西ペイント株式会社製、上塗り塗料)を、硬化膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装した後、電気熱風乾燥器で140℃で30分間焼き付け、暴露試験板を作製した。
【0073】
得られた暴露試験板上の塗膜に、素地に達するようにナイフでクロスカットキズを入れ、千葉県 千倉町(海岸部)で水平にて1年間暴露した後、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
【0074】
各評価については、錆又はフクレの最大幅が、
◎は、カット部から片側2mm未満、
○は、カット部から片側2mm以上、3mm未満、
△は、カット部から片側3mm以上、4mm未満、
×は、カット部から片側4mm以上、
を表している。
(注11)合金化溶融亜鉛めっき鋼板の電着塗装適性:パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を電着塗料浴(30℃)の陰極として浸漬し、210Vにて通電時間を調整して電着塗装して20μmの塗膜を得た。得られた塗膜を170℃で20分間焼付け硬化を行った後のテストピースについて、10cm×10cm中のピンホールの数を数える。
【0075】
◎は、ピンホールの発生なし、
○は、小さいピンホール(ガスヘコ)が1個発生が認められるが、中塗り塗膜にて隠蔽できる程度で問題なし。
【0076】
△は、ピンホールが2〜5個発生、
×は、ピンホールが10個以上発生を示す
(注12)仕上り性:パルボンド#3020(日本パーカライジング株式会社製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した0.8×150×70mmの冷延鋼板を、各カチオン電着塗料に浸漬し、電着塗装を行って得た塗膜を熱風乾燥機によって170℃で20分間焼き付けて、外板部の電着塗膜の表面粗度を、サーフテスト301(株式会社ミツトヨ製、商品名、表面粗さ測定機)でRa値を測定した。
【0077】
◎は、Ra値が0.20未満
〇は、Ra値が0.20以上で、かつ0.30未満
△は、Ra値が0.30以上で、かつ0.40未満
×は、Ra値が0.40を越える
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の塗料組成物は、防食性、特に暴露耐食性に優れる塗装物品を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジグリシジルエーテル(a1)と、レゾルシノールとハイドロキノン及びカテコールの中から選ばれる少なくとも1種のフェノール類(a2)とを反応させてなる、樹脂中に下記式(1)で表されるベンゼンジエーテル構造を有する変性エポキシ樹脂(A)と、架橋剤(B)を含有する塗料組成物。
【化1】

【請求項2】
変性エポキシ樹脂(A)が、アミノ基含有化合物を有するアミノ基含有変性エポキシ樹脂(A1)である請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
架橋剤(B)が、分子中にm−キシリレン構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2項に記載の塗料組成物。
【請求項4】
変性エポキシ樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して、層状顔料(C)を0.1〜100質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
塗料組成物が、カチオン電着塗料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装してなる塗装物品。

【公開番号】特開2009−149867(P2009−149867A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301905(P2008−301905)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】