説明

塗料組成物

【課題】シリケート化合物を配合する塗料において、十分な耐汚染性を発現させるとともに、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等を改善する。
【解決手段】塗料用樹脂(A)の固形分100重量部に対し、シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物(B)をSiO換算で0.1〜20重量部混合し、さらに有機錫化合物(C)を0.01〜10重量部、有機酸化合物(D)を0.01〜10重量部混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐汚染性に優れた塗料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物、土木構築物等においては、その躯体の保護や美観性の向上等を目的として、各種の塗料によって塗装仕上げが行われている。しかし、近年、都市部等においては、自動車等からの排出ガスによって大気中に油性の汚染物質等が浮遊しており、これら汚染物質により塗膜表面が汚染されやすい状況となっている。
【0003】
これに対し、耐汚染性の向上を図る技術として、塗料にシリケート化合物を配合する手法が種々提案されている。例えば、WO94/06870号公報(特許文献1)には、有機塗料組成物にメチルシリケート等のシリケート化合物を混合して得られる上塗り塗料組成物が開示されている。特許文献1に記載の塗料では、シリケート化合物によって塗膜表面に親水性が付与され、塗膜に付着した汚染物質が降雨時に洗い流される、という作用により耐汚染性が発現される。
しかし、かかる特許文献1に記載の塗料では、塗膜形成初期段階において親水性が発現されず汚染物質が付着しやすい等の問題がある。また、塗料にシリケート化合物を配合した際の混合安定性、可使時間等において実用的な性能を確保することも困難である。
【0004】
特開平11−209690号公報(特許文献2)には、塗膜の初期親水性を高めることにより、汚染物質の付着や堆積を抑制する技術が開示されている。特許文献2の塗料組成物は、メチル基と炭素数1〜10の有機基が混在するシリケート化合物と、塗料用樹脂からなるものである。具体的に、該特許文献の実施例においては、メチル基とエチル基が混在するシリケート化合物が記載されている。
しかしながら、特許文献2の塗料組成物において十分な耐汚染性効果を得るには、相当量のシリケート化合物の添加が必要である。すなわち、特許文献2の塗料組成物では、耐汚染性に見合うようにシリケート化合物を添加すれば一定の効果が得られるものの、その一方で、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等の点において支障をきたすおそれが生じる。さらに、シリケート化合物は一般に高価な材料であるため、その添加量はコストを圧迫する要因にもなる。
【0005】
【特許文献1】WO94/06870号公報
【特許文献2】特開平11−209690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、シリケート化合物を配合する塗料において、十分な耐汚染性を発現させるとともに、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等を改善することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記のような従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を行った結果、シリケート化合物として、特定のアルキル鎖が混在する変性シリケートを使用し、さらに有機錫化合物及び有機酸化合物を併用することに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明の塗料組成物は以下の特徴を有するものである。
1.塗料用樹脂(A)の固形分100重量部に対し、
炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物(B)をSiO換算で0.1〜20重量部、
有機錫化合物(C)を0.01〜10重量部、有機酸化合物(D)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする塗料組成物。
2.前記変性シリケート化合物(B)は、
炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3〜6の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物であることを特徴とする1.記載の塗料組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来公知のシリケート化合物を配合する場合に比べ、形成塗膜表面の親水化機能ひいては耐汚染効果を高めることができ、しかも、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等において優れた性能を得ることができる。さらに、コスト面等においても有利な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明の塗料組成物は、塗料用樹脂(A)、変性シリケート化合物(B)、有機錫化合物(C)、及び有機酸化合物(D)を必須成分とするものである。
【0012】
塗料用樹脂(A)(以下「(A)成分」ともいう)としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような塗料用樹脂(A)の形態としては、溶剤可溶性樹脂、非水分散性樹脂、水溶性樹脂、水分散性樹脂、無溶剤型樹脂等が挙げられる。
【0013】
このうち、溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂としては、非水系溶剤を媒体とするものであって、当該全溶剤のうち50重量%以上(好ましくは60重量%以上)が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形樹脂が好適である。かかる弱溶剤形樹脂は、芳香族炭化水素系溶剤を主溶剤とする強溶剤形樹脂に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには既存塗膜上に塗装を行った際のリフティング発生を抑制できる等の特徴を有するものである。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等が挙げられ、この他、テルピン油やミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤を使用することもできる。特に、トルエン、キシレンを含まず、引火点21℃以上の第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。本発明では、塗料用樹脂としてかかる弱溶剤形樹脂を使用した場合において、特に優れた効果を得ることができる。
【0014】
本発明における(A)成分は架橋反応性を有するものであってもよい。(A)成分が架橋反応型樹脂である場合は、塗膜の強度、耐水性、耐候性、密着性等を高めることができる。架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基−イソシアート基架橋反応型樹脂が好適である。
【0015】
本発明における(A)成分のガラス転移温度は、通常−20〜80℃(好ましくは−10〜60℃)程度である。
【0016】
本発明では、シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基(以下単に「直鎖アルキル基」ともいう)と炭素数3以上の分岐アルキル基(以下単に「分岐アルキル基」ともいう)が混在する変性シリケート化合物(B)(以下「(B)成分」ともいう)を含むものである。本発明では、かかる変性シリケート化合物(B)の作用により塗膜表面の親水性が高まり、耐汚染性、下地への追従性、耐割れ性等において優れた性能を発揮することができる。
【0017】
(B)成分における直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基から選ばれる1種以上が使用できる。この中でも本発明ではメチル基が好適である。
一方、分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソヘプチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、イソオクチル基等が挙げられる。本発明では、この中でも炭素数3〜6の分岐アルキル基が好適であり、とりわけ炭素数4の分岐ブチル基が好適である。
【0018】
具体的に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基を有する変性シリケートは、以下に例示する方法により製造することができる。
【0019】
(1)一般式Si(OR)(OR)(OR)(OR
(式中、R〜Rは、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と、炭素数3以上の分岐アルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを加水分解縮合させる。縮合方法としては公知の方法が採用でき、縮合後の平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。この場合、縮合の際に他のテトラアルコキシシランを混合して縮合することもできる。上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノイソプロポキシトリメトキシシラン、モノイソプロポキシトリエトキシシラン、モノイソブトキシトリメトキシシラン、モノイソブトキシトリエトキシシラン、ジイソブトキシジメトキシシラン等が挙げられる。
【0020】
(2)テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物に、炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応(エステル交換反応)させる。この方法におけるアルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール等が挙げられる。テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物としては、平均縮合度2〜100(好ましくは4〜20)程度のものを使用すればよい。
【0021】
(3)テトラメトキシシラン及び/またはテトラエトキシシランに、水、及び炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応させる。この方法では、加水分解縮合反応とエステル交換反応を並行して行うことができる。加水分解縮合反応による平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。アルコールとしては、上記(2)と同様の化合物が使用できる。
【0022】
本発明における(B)成分は、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、通常95:5〜50:50、好ましくは90:10〜55:45、より好ましくは85:15〜60:40の当量比率で混在するものである。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の混在比率がかかる範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の比率が上記範囲から外れる場合は、塗膜表面の親水性発現が不十分となり、耐汚染性、下地への追従性、耐割れ性等において顕著な効果を得ることができない。
上記(1)〜(3)に例示した変性シリケート化合物の製造方法では、直鎖アルキル基と分岐アルキル基との当量比率が上記範囲内となるように、原料化合物の種類や量を適宜調整すればよい。
【0023】
本発明では、上記(B)成分以外のシリケート化合物を併用することもできるが、シリケート化合物全体の80重量%以上(好ましくは95重量%以上)が上記変性シリケート化合物(B)で構成されるようにすることが望ましい。
【0024】
(B)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対して、SiO換算で0.1〜20重量部(好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部)となる範囲内で設定すればよい。(B)成分の混合比率が0.1重量部未満では、塗膜に親水性が付与されないため耐汚染性が不十分となる。逆に20重量部を越える場合は、形成塗膜の下地への追従性が不十分となり、割れ等が生じやすくなる。
【0025】
なお、本発明におけるSiO換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
【0026】
本発明組成物では、有機錫化合物(C)(以下「(C)成分」という)を必須成分として含む。かかる(C)成分は、塗膜の親水性向上、特に塗膜形成初期段階における親水性向上に大きく寄与する成分であり、耐汚染性を高める機能を発揮するものである。
(C)成分としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジオレイルマレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジマレート、オクチル酸錫等が挙げられる。
【0027】
(C)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。かかる範囲内であれば、十分な親水性向上効果を得ることができる。
【0028】
さらに、本発明組成物では、上記成分に加えて有機酸化合物(D)(以下「(D)成分」という)を必須成分として含む。かかる(D)成分を併用することにより、塗膜の硬化性、親水化機能等を損なうことなく、実用的な混合安定性、可使時間を確保することができる。
(D)成分としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、パラトルエンスルホン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸等、及びこれらの無水物があげられる。この中でも特に有機酸無水物が好適である。
【0029】
(D)成分の配合割合は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。(D)成分を上記範囲内で配合することにより、耐汚染性に優れるとともに、混合安定性、可使時間等において安定した性能を有する塗料が得られる。
【0030】
本発明組成物では、上述の成分に加えアミン化合物(E)(以下「(E)成分」という)を混合することができる。かかる(E)成分を混合することにより、本発明組成物を塗り重ね(リコート)する際の密着性を高めることができる。さらに、(E)成分は、上記変性シリケート化合物(B)との相互作用により、耐汚染性、硬化性等の物性向上にも寄与するものである。
【0031】
(E)成分としては、例えば、エチルアミン、ジメチルアミン、ジアミルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン等のほか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルフェニルエタノールアミン等のアルカノール基含有アミン化合物、トリエチレンジアミン(〔2,2,2〕ジアザビシクロオクタン)、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のアミノアルキル基含有アミン化合物、アミノメチルトリエトキシシラン、ジアミノメチルジエトキシシラン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有アミン化合物等が挙げられる。
【0032】
また本発明では、(E)成分として、ビス(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の光安定剤を使用することもできる。
【0033】
(E)成分としては、とりわけ、塩基解離定数pKbが3以上11以下(好ましくは4以上8以下)であるアミン化合物が好適である。このような化合物を使用することにより、リコート性、耐汚染性、硬化性等の物性をいっそう高めることができる。
【0034】
(E)成分の混合比率は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。かかる範囲内であれば、リコート性、耐汚染性、硬化性性等において十分な効果を得ることができ、可使時間確保等の点においても好適である。
【0035】
本発明組成物では、上述の成分に加え、赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体(F)(以下「(F)成分」という)を含有することができる。本発明では、かかる(F)成分を混合することにより、塗料を所望の色に着色しつつ、太陽光による塗膜の蓄熱を抑制することが可能となる。さらに、かかる(F)成分の特性に加え、(B)成分、(C)成分等の親水化作用によって、塗膜表面への汚染物質の付着が効果的に抑えられるため、汚染物質が太陽光の蓄熱場となることを抑制することができ、十分な遮熱機能が発揮される。
【0036】
具体的に、赤外線反射性粉体としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、鉄クロム複合酸化物、マンガンビスマス複合酸化物、マンガンイットリウム複合酸化物等が挙げられる。
一方、赤外線透過性粉体としては、例えば、ペリレン顔料、アゾ顔料、黄鉛、弁柄、朱、チタニウムレッド、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、紺青等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。一般に、赤外線反射性粉体を使用するのみでは、表出可能な色相に限界があるが、これら赤外線透過性粉体を適宜組み合わせることにより、様々な色相の塗膜を形成することが可能となる。
また、本発明では、赤外線反射性粉体として、屈折率1.3〜2.0(好ましくは1.4〜1.8)、平均粒子径0.1〜1μmの金属酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウム等)を含むことが望ましい。このような金属酸化物を用いることにより、塗膜の蓄熱抑制効果をいっそう高めることができる。特に、形成塗膜の色調において、マンセル表示系の明度が8以下(さらには7以下)である場合には効果的である。
【0037】
本発明組成物では、(F)成分を含むことにより赤外線反射率が20%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは55%以上)の塗膜、または赤外線透過率が20%以上(好ましくは40%以上、さらに好ましくは55%以上)の塗膜を形成することができる。なお、ここで言う赤外線反射率とは、波長800〜2100nmの光に対する分光反射率を測定し、その平均値を算出することにより得られる値である。赤外線透過率とは、波長800〜2100nmの光に対する分光透過率を測定し、その平均値を算出することにより得られる値である。
【0038】
赤外線反射性粉体及び/または赤外線透過性粉体の混合量(両成分の合計量)は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常1〜200重量部、好ましくは2〜100重量部である。かかる範囲内であれば、所望の色に塗料を調色することができ、塗膜の割れ防止性等においても有利な効果を得ることができる。
【0039】
この他、本発明組成物には、通常塗料に使用可能な各種添加剤を配合することも可能である。かかる添加剤としては、例えば、硬化剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0040】
本発明組成物は、上記塗料用樹脂(A)、変性シリケート化合物(B)、有機錫化合物(C)、及び有機酸化合物(D)を構成成分とするものであれば、その形態については特に限定されないが、通常は、(A)成分、(C)成分、(D)成分を含む主剤と、(B)成分を含む硬化剤からなる2液型塗料とすることが望ましい。このような形態であれば、塗料の安定性確保、耐汚染性能の発現等の点で好適である。アミン化合物、赤外線反射性粉体、赤外線透過性粉体等の成分は、常法により主剤に均一に混合すればよい。
塗料用樹脂(A)が架橋反応基を有するものであって、当該反応基と反応可能な架橋剤を使用する場合、該架橋剤は硬化剤に混合すればよい。具体的に、塗料用樹脂(A)が水酸基を有するものである場合には、イソシアネート化合物を硬化剤に混合することができる。
【0041】
本発明では、上述の如き各成分を必須成分として使用することにより、従来技術に比べシリケート化合物が少量であっても十分な親水化機能ひいては耐汚染性効果を得ることができ、形成塗膜の下地への追従性、耐割れ性等の点においても有利である。すなわち、本発明によれば、シリケート化合物を相対的に減量することが可能となり、実用上極めて有用な塗料設計を行うことができる。
【0042】
本発明組成物は、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、磁器タイル、金属、ガラス、木材、プラスチック等の各種基材の表面仕上げに使用することができ、主に建築物、土木構築物等の躯体の保護に使用するものである。この際、本発明組成物は、最終の仕上面として施されるものであり、基材に直接塗装することもできるし、何らかの表面処理(シーラー、サーフェーサー、フィラー等による下地処理等)を施した上に塗装することも可能であるが、特に限定されるものではない。塗装方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、ローラー塗装等の方法を適宜採用することができる。また、乾式建材に塗装を行う場合は、フローコーター、ロールコーター等により工場等においてプレコートすることも可能である。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0044】
(変性シリケート化合物の製造)
・変性シリケート化合物(1)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(1)を製造した。この変性シリケート化合物(1)におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
【0045】
・変性シリケート化合物(2)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(2)を製造した。この変性シリケート化合物(2)におけるメチル基とn−ブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
【0046】
(主剤の製造)
・主剤(1)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(1)を製造した。
【0047】
・主剤(2)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(2)を製造した。
【0048】
・主剤(3)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)43重量部、酸化アルミニウム(屈折率1.76、平均粒子径0.6μm)43重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(3)を製造した。
【0049】
・主剤(4)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(4)を製造した。
【0050】
・主剤(5)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(5)を製造した。
【0051】
(硬化剤の製造)
・硬化剤(1)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(1)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を製造した。
【0052】
・硬化剤(2)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(2)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を製造した。
【0053】
・硬化剤(3)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)10重量部、変性シリケート化合物(2)50重量部を均一に混合することにより、硬化剤(3)を製造した。
【0054】
・硬化剤(4)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)45重量部、メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)15重量部を均一に混合することにより、硬化剤(4)を製造した。
【0055】
・硬化剤(5)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)60重量部を均一に混合することにより、硬化剤(5)を製造した。
【0056】
[I]試験例1
(塗料の製造)
・塗料A
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Aを得た。この塗料Aにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0057】
・塗料B
上記方法にて製造した主剤(2)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Bを得た。この塗料Bにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0058】
・塗料C
上記方法にて製造した主剤(3)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Cを得た。この塗料Cにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0059】
・塗料D
上記方法にて製造した主剤(4)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Dを得た。この塗料Dにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0060】
・塗料E
上記方法にて製造した主剤(5)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Eを得た。この塗料Eにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0061】
・塗料F
上記方法にて製造した主剤(5)と硬化剤(2)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Fを得た。この塗料Fにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
【0062】
・塗料G
上記方法にて製造した主剤(5)と硬化剤(3)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Gを得た。この塗料Gにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で10.7重量部である。
【0063】
(試験方法)
・接触角測定
300mm×150mm×1mmのアルミニウム板に対し、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で8時間乾燥させた後、上記の方法によって得た各塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体の塗膜表面の接触角を測定した。接触角の測定は、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置にて行った。
次いで、この試験体を、プラスチック製波板の庇の下に設置(試験体の塗膜面に庇から流下する雨水が接触するように設置)して屋外曝露を行い、曝露1週間後及び1ヶ月後の時点での塗膜表面の接触角を測定した。この際、塗膜外観(汚染の状態)も確認した。
【0064】
・可使時間
各塗料を容器に入れ、蓋をして標準状態で静置し、8時間後の状態を調べた。評価基準は、粘度上昇がなく凝集物発生もない状態のものを「○」、粘度が上昇、あるいは凝集物が発生した状態のものを「×」とした。
【0065】
・温冷繰返し試験
300mm×150mm×6mmのスレート板に対し、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態で8時間乾燥させた後、JIS A6909に規定の防水形複層仕上塗材E主材を乾燥膜厚が2mmとなるように塗装し、標準状態で24時間乾燥させた。次いで、上記の方法によって得た各塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。
以上の方法で得られた試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜表面におけるひび割れ発生の有無を目視によって確認した。評価基準は、ひび割れが生じなかったものを「○」、わずかにひび割れが生じたものを「△」、明らかにひび割れが生じたものを「×」とした。
【0066】
(試験結果)
以上の試験を実施した結果、接触角、可使時間、温冷繰返し試験については、下記表1に示す結果となった。曝露1週間後及び1ヶ月後の塗膜外観はいずれの試験体も良好であったが、とりわけ塗料A、塗料B、塗料C及び塗料Dを使用した試験板が優れた状態であった。総じて塗料A、塗料B及び塗料Cが、十分な可使時間を有するとともに、塗膜表面の親水化機能と耐汚染性、さらには下地への追従性に優れる結果となった。
【0067】
【表1】

【0068】
[II]試験例2
(塗料の製造)
・塗料H
前述の主剤(2)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤(2’)と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Hを得た。この塗料Hにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.1重量部である。
【0069】
・塗料I
前述の主剤(3)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、上記塗料Hと同色に調製した主剤(3’)と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Iを得た。この塗料Iにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.1重量部である。
【0070】
・塗料J
前述の主剤(5)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、上記塗料Hと同色に調製した主剤(5’)と、硬化剤(4)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Jを得た。この塗料Jにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.1重量部である。
【0071】
・塗料K
前述の主剤(5)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、上記塗料Hと同色に調製した主剤(5’)と、硬化剤(5)を86:14の重量比率で均一に混合して塗料Kを得た。
【0072】
(試験方法)
試験例2では、前述の試験例1と同様の試験に加え、下記遮熱試験を実施した。
【0073】
・遮熱試験
アルミニウム板に対し、エポキシ系下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で8時間乾燥させた後、上記の方法によって得た各塗料を乾燥膜厚が40μmとなるように塗装し、標準状態で7日間乾燥させることにより試験体を作製した。この試験体の塗膜に対し、赤外線ランプを20cmの距離から照射し、温度上昇が平衡に達したときの試験体裏面温度を測定した。
また、同様の方法で試験体を作製した後、試験体の塗膜全面に15重量%カーボンブラック水分散ペースト液を均一に噴霧し、50℃の恒温室中に2時間放置した。その後、ソニケーターを用いて、10分間超音波洗浄を行い標準状態で24時間放置した。以上の処理を行った試験体の塗膜に対し、赤外線ランプを20cmの距離から照射し、温度上昇が平衡に達したときの試験体裏面温度を測定した。
遮熱試験の評価基準は、試験体裏面温度が65℃未満のものを◎、65℃以上70℃未満のものを○、70℃以上80℃未満のものを△、80℃以上のものを×とした。
【0074】
(試験結果)
試験結果を表2に示す。このうち、塗料H及び塗料Iは優れた遮熱性能を示し、また、可使時間や、塗膜表面の親水化機能と耐汚染性、下地への追従性にも優れる結果となった。
【0075】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料用樹脂(A)の固形分100重量部に対し、
炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物(B)をSiO換算で0.1〜20重量部、
有機錫化合物(C)を0.01〜10重量部、有機酸化合物(D)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする塗料組成物。
【請求項2】
前記変性シリケート化合物(B)は、
炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3〜6の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物であることを特徴とする請求項1記載の塗料組成物。