説明

塗装ムラ評価装置

【課題】熟練検査員を要することなく、塗装ムラを精度よく判定評価することのできる塗装ムラ評価装置を提供する。
【解決手段】塗装ムラ評価装置10は、受光手段3にて受光された受光データを使用して演算を実行する演算手段6を車輪付きのボディ1に内蔵したものであり、演算手段では、塗装ムラ評価装置を塗装面上で所定距離移動させた際の所定間隔ごとの受光データを読み込むとともに、この所定距離の移動を複数回実行して第1の移動平均値を求め、間隔を変化させて第n−1、第nの移動平均値を求めるステップ、移動平均値の差分値n−1、n−2、・・・・、1を求め、各移動平均値の差分値の標準偏差n−1’、n−2’、・・・・、1’を求めるステップ、該標準偏差の中から任意に2つの標準偏差を取り出して長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値とし、塗装ムラの有無領域をそれぞれ求めるステップと、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの塗装ムラを精度よく判定し、評価するための塗装ムラ評価装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、自動車ボディで採用されているメタリック塗装のムラを検査する方法は、熟練した検査員による官能検査に依拠しているのが現状である。この塗装ムラの見分けは極めて難しく、熟練検査員をもってして明らかに塗装ムラと分かるムラは判定し易いが、実際は塗装自体の色であってムラではないものを峻別する必要もある。
【0003】
このような判別困難な塗装ムラを熟練検査員を介さず、自動処理された検査装置でおこなうことができれば、量産される車両の製造ラインで効率的に塗装ムラ判定を実行することが可能となる。
【0004】
上記のごとく塗装ムラを自動判定する従来の技術として、たとえば特許文献1,2を挙げることができる。特許文献1では、被塗装面をCCDカメラで撮像してなる画像を複数の小領域に分割し、各領域の平均受光量を求めてその分散値を求めるとともに、小領域が集合してなる大領域での平均受光量の最大、最小の差分値を求め、これらの値に基づいて塗装ムラを判定する装置と方法が開示されている。一方、特許文献2では、受光反射光の強度波形において、特定の波長成分の強度を計算し、該強度に基づいて塗装ムラを特定しようとする方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−106764号公報
【特許文献2】特開平5−288690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、CCDカメラの撮影画像情報を処理するものであり、周囲の環境条件等(工場内の明るさ、温度、塗装色など)によって結果が大きく異なることから再現性が乏しく、評価に対する高い信頼性は得られにくい。また、特許文献2では、ムラの波長成分に着目しているものの、波長分離した解析結果を最終的に積分計算しているために、既述するように実際にムラが発生しているのか否かの微妙な判断には適さない。
【0007】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、熟練検査員を要することなく、塗装ムラを精度よく判定評価することのできる塗装ムラ評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による塗装ムラ評価装置は、ワークの塗装ムラを評価する塗装ムラ評価装置であって、前記塗装ムラ評価装置は、ワークの塗装面に光を照射する発光手段と、反射光を受光する受光手段と、受光手段にて受光された受光データを使用して演算を実行する演算手段と、演算手段による演算結果を表示する表示手段と、を車輪付きのボディに内蔵したものであり、前記演算手段では、塗装ムラ評価装置を塗装面上で所定距離移動させた際の所定間隔ごとの受光データを読み込むとともに、この所定距離の移動を複数回実行して第1の移動平均値を求め、前記間隔を変化させて塗装ムラ評価装置を複数回移動させて第2の移動平均値を求め、さらに前記間隔を変化させて第n−1、第nの移動平均値を求める第1ステップと、第nの移動平均値と第n−1の移動平均値の差分を求めて移動平均値の差分値n−1を求めるとともに、順次、差分値n−2、・・・・、1を求め、各移動平均値の差分値の標準偏差n−1’、n−2’、・・・・、1’を求める第2ステップと、該標準偏差の中から任意に2つの標準偏差を取り出して長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値とし、この2種類のムラ特性値で塗装ムラの有無領域をそれぞれ求める第3ステップと、を実行することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の塗装ムラ評価装置は、発光素子などからなる発光手段からワークの塗装面に連続発光したり、あるいは装置の移動方向で微小間隔ごとに発光し、塗装面からの反射光を受光素子などからなる受光手段で受光して受光データを装置内に蓄積し、この受光データを適宜の演算手段にて演算して塗装ムラを判定評価するものである。この評価装置は小型のハンディタイプに構成されるものであり、検査員が手動で塗装面を走行させてその際に受光データを該装置にて読み込むことができ、大掛かりなマニピュレータ等による走行を必要としない。
【0010】
ここで、受光データの読み込みは、装置の移動方向で読み込み間隔を変化させておこなう。具体的には、全体で20cmの走行(移動)距離の場合、2mm間隔で受光データを読み込むステップと、5mm間隔で受光データを読み込むステップと、以後、10mm間隔、15mm間隔、20mm間隔、25mm間隔、30mm間隔等で受光データを読み込むステップを繰り返し、各読み込みデータを装置内に格納する。このようにデータ間隔を短いものから長いものまで計測することにより、ムラの長波長成分〜短波長成分までを求めることができる。かかる簡易な方法で波長成分を分離することで、たとえば高速フーリエ変換(FFT)などによって卓越する周波数成分(波長成分)を求めるといった大掛かりな装置とソフトを不要とすることができる。なお、このように波長成分に分解する目的は、明らかに塗装ムラと視認できる塗装面ではその反射光の波長成分が長波長側であるのに対し、ムラではないと特定できる塗装面ではその反射光の波長成分が短波長側であることが特定されていることから、かかる特性に着目してムラの有無を判定しようとするためである。
【0011】
また、各読み込みステップは2回以上繰り返してその平均値を取ることにより、任意幅間隔のデータの中央値を特定するとともにノイズを除去することができ、計測精度を高めることができる。このステップで、読み込み間隔ごとの移動平均値(たとえば、2mm間隔を2回実行した場合の第1の移動平均値〜30mm間隔を2回実行した場合の第nの移動平均値)を求める。
【0012】
次に、相隣る移動平均値の差分を求め、それぞれの標準偏差を求める。例えば、上記例で言えば、短波長成分に関し、2mm間隔を2回実行してなる第1の移動平均値と、5mm間隔を2回実行してなる第2の移動平均値の差分を求め、その標準偏差を求めることにより、短波長側帯域でピークとなる波長成分を特定することができる。一方、上記例で言えば、25mm間隔、30mm間隔で同様に移動平均を求めて差分を計算し、その標準偏差を求めることによって長波長側帯域でピークとなる波長成分を特定することができる。
【0013】
次いで、求められた標準偏差の中から任意に2つの標準偏差を取り出して長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値を設定する。例えば、上記例で言えば、2mm間隔と5mm間隔での標準偏差を選択して短波長側のムラ特性値に設定し、25mm間隔と30mm間隔での標準偏差を選択して長波長側のムラ特性値に設定する。
【0014】
次いで、例えば縦軸を短波長側のムラ特性値、横軸を長波長側のムラ特性値とした座標系を設定し、実際の読み込み受光データをこの座標系にプロットする。
【0015】
次いで、ムラがないと評価されるプロット群、ムラがあると評価されるプロット群、ムラの有無が困難な(評価者によって評価が分かれる)プロット群の各群の境界ラインを、統計学上の判別分析手法にて設定する。なお、各プロットと熟練技術者がムラの有無を判定した結果を連動させ、上記各群を座標中で特定した後に境界ラインを設定してもよい。
【0016】
上記する2つの特性値、すなわち、長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値からなる座標系に受光データをプロットし、該座標系内でムラの有無を評価することにより、高い精度で、かつ瞬時にムラの有無を特定することができる。
【0017】
なお、評価結果は液晶画面等からなる装置の表示手段にて瞬時に表示することができ、検査員は、複数の受光間隔ごとにたとえば2回ずつ所定距離だけ装置を動かすだけで、上記演算手段で各群の境界ラインが設定され、塗装ムラの判定結果を視認することができる。
【0018】
また、本発明による塗装ムラ評価装置の好ましい実施の形態において、前記演算手段では、一つの移動ラインで前記第1ステップと前記第2ステップまでを実行し、移動ラインを異にして前記第1ステップと前記第2ステップまでを実行し、各移動ラインごとに対応する標準偏差の平均値を求めて平均標準偏差とし、前記第3ステップでは該平均標準偏差の中から任意に2つの平均標準偏差が取り出され、長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値とすることを特徴とするものである。
【0019】
塗装面は面的な広がりを有するものであることから、塗装面における計測ライン(装置の移動ライン)を複数設定し、各移動ラインごとで各読み込み間隔ごとに移動平均を求め、その差分を求めた後に標準偏差を求め、対応する読み込み間隔ごとに標準偏差の平均値を求めて平均標準偏差とする。この平均標準偏差の中から長波長側のムラ特性値と短波長側のムラ特性値を決定する2つの平均標準偏差を取り出して座標系を設定することにより、2次元的な塗装面でのより高精度な塗装ムラの評価結果を得ることができる。
【0020】
さらに、本発明による塗装ムラ評価装置の好ましい実施の形態において、前記発光手段からの発光はワークの塗装面に対する垂線または法線から15度傾斜した角度で実行されるものであり、前記受光手段による受光は前記垂線または法線上で実行されることを特徴とするものである。
【0021】
塗装ムラを精度よく評価するに際し、塗装面からの反射光強度が最も大きく、かつ、正反射光でない反射光の受光を実行するために、正反射光を受光しない限界の発光角度および受光角度の組み合わせとして、ワークの塗装面に対する垂線または法線から15度傾斜した角度で発光させ、該垂線または法線上で受光するものである。
【発明の効果】
【0022】
以上の説明から理解できるように、本発明の塗装ムラ評価装置によれば、ムラの存在を示す反射光の長波長側成分とムラがないことを示す反射光の短波長側成分との2つの要素でムラの有無を評価することにより、より精度の高い塗装ムラの評価を実行することができる。また、本発明の塗装ムラ評価装置によれば、ハンディタイプであり、その演算アルゴリズムも簡易な手法で実行され、さらには、瞬時に評価結果が視認できることから、自動車の量産ラインへの適用に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の塗装ムラ評価装置の外観斜視図であり、図2は本発明の塗装ムラ評価装置の内部構成を示した構成図である。図3は演算手段の内部を示したブロック図であり、図4は塗装ムラ評価装置によるムラ評価方法のフロー図である。図5は反射光の読み込みデータ間隔ごとの移動平均の振幅収縮率が異なることを示したグラフであり、図6は相隣る読み込みデータ間隔ごとの移動平均の差分を求め、該差分ごとに波長ピークを求めたグラフであり、図7は反射光の読み込みデータ間隔ごとの測定データ波形であって波形の振幅を標準偏差で表した図である。図8は長波長側ムラ特性値と短波長側ムラ特性値からなる座標系を示した図であって、ムラ有り領域、ムラ無し領域、評価困難領域が設定されている図である。
【0024】
図1は塗装ムラ評価装置の一実施の形態を示した図である。この塗装ムラ評価装置10は、コンパクトなハンディタイプに形成されており、人手でボディ1を把持し、ボディ1の下端に取り付けられた4つの車輪4,…でワークの塗装面上を移動させるものである。また、ボディ1の上面には液晶画面7が設けてあり、後述のように所定距離、所定回数だけ移動させた後にムラの評価結果が表示されるようになっている。
【0025】
図2は、塗装ムラ評価装置の内部構成を示した構成図である。ワークWの法線もしくは垂線方向に受光素子3が配設され、発光素子2が受光素子3から15度傾斜した角度に発光方向が調整された態様で配設されている。
【0026】
一つの車輪4にはロータリエンコーダ5が装着されており、移動距離を計測できるようになっていて、たとえば移動距離を20cmと設定しておき、20cm移動させた際に移動終了を表示もしくは移動停止を実行できるようになっている。
【0027】
図3は、演算手段の内部を示したブロック図である。不図示の作動スイッチをONすると発光部61からデジタル指令信号が送信され、D/A変換器62を介して発光素子2に信号が送られる。一方、塗装面からの反射光(アナログ信号)はA/D変換器64を介して受光部63に送信され、これが演算部65に送られて格納される。
【0028】
塗装ムラ評価装置によるムラ評価方法、特に演算部65における演算アルゴリズムを図4のフローに基づいて説明する。車輪回転数認知センサ(ロータリエンコーダ)にて塗装ムラ評価装置10の塗装面上での所定距離の移動を制御し(ステップS1)、所定間隔ごとの反射光を受光して受光データを読み込むとともに(ステップS2)、この所定距離の移動を複数回実行して第1の移動平均値を求め、該間隔を変化させて塗装ムラ評価装置を複数回移動させて第2の移動平均値を求め、さらに該間隔を変化させて第n−1、第nの移動平均値を求める(ステップS3)。
【0029】
次いで、第nの移動平均値と第n−1の移動平均値の差分、および、順次第n−1の移動平均値と第n−2の移動平均値の差分を求めて移動平均値の差分値n−1、n−2、・・・・、1を求め(ステップS4)、各移動平均値の差分値の標準偏差n−1’、n−2’、・・・・、1’を求める(ステップS5)。
【0030】
ここで、塗装面の面的広がりを勘案してより高精度にムラを評価するために、演算部65において、一つの移動ラインで上記ステップS1〜S5までを実行し、移動ラインを異にしてステップS1〜S5までを実行し、各移動ラインごとに対応する標準偏差の平均値を求める(ステップS6)。この演算結果は演算結果格納部66に蓄積される。なお、移動ラインの変更は10回程度実行されるのが好ましい。
【0031】
最後に、演算結果格納部66中の標準偏差の平均値の中から最適な2つの平均値を取り出し(いずれの標準偏差を取り出すかは計測者によって予め設定されている)、長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値として座標系を形成し、実際の読み込み受光データをこの座標系にプロットし、ムラがないと評価されるプロット群、ムラがあると評価されるプロット群、ムラの有無が困難な(評価者によって評価が分かれる)プロット群の各群の境界ラインを、統計学上の判別分析手法にて設定するとともに、ムラの有無を表示する(ステップS7)。なお、上記各ステップは演算部6内のCPU67にて実行される。
【0032】
図5は、読み込み間隔ごとの移動平均の振幅収縮率を示したグラフである。同図より、読み込み間隔が大きくなるにつれて短波長成分が消失していることが分かる。
【0033】
図6は、図5の移動平均の振幅収縮率を使用し、相隣る読み込みデータ間隔ごとの移動平均の差分を求め、該差分ごとに波長ピークを求めたグラフである。同図より、短波長成分の移動平均を差分したM4は10mm前後をピークにもち、長波長成分の移動平均を差分したM1は50〜70mm前後をピークにもつ。なお、図6では、4つの波長領域に分離しており、M3,M4を短波長側のムラ特性値、M2,M1を長波長側のムラ特性値に使用することができる。
【0034】
図7は、各読み込み間隔ごとに2回の移動平均(重み付け移動平均)の測定波形を図示したものであり、波形の振幅は、平均値を1に正規化した場合の標準偏差の値で示している。
【0035】
図中、ハイライトとは受光データそのものであり、読み込み間隔が大きくなるにつれて波長が長くなるとともに標準偏差の値が小さくなってくることが分かる。
【0036】
図8は、長波長側ムラ特性値と短波長側ムラ特性値からなる座標系を示した図であって各座標軸はともに標準偏差を1000倍した数値で表わされており、ムラ有り領域、ムラ無し領域、評価困難領域が設定されている図である。同図において、A領域は塗装ムラがない領域であり、C領域は塗装ムラがある領域であり、B領域は塗装ムラの有無の評価が困難な領域である。
【0037】
本発明者等の検証によれば、塗装ムラがない場合は、塗装面からの反射光の短波長成分が卓越すること、逆に塗装ムラがある場合は、反射光の長波長成分が卓越することが分かっており、図8はこのことを明確に反映している。
【0038】
なお、図8における各領域の境界ラインの設定は、統計学における公知の判別分析手法にて設定することができる。
【0039】
本発明の簡易な演算アルゴリズムを有するコンパクトな塗装ムラ評価装置を使用して塗装ムラを評価することにより、評価精度が高く、かつ、短時間でムラの有無に関する評価結果を得ることが可能となり、車両の量産ラインへの適用に特に好適である。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の塗装ムラ評価装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の塗装ムラ評価装置の内部構成を示した構成図である。
【図3】演算手段の内部を示したブロック図である。
【図4】塗装ムラ評価装置によるムラ評価方法のフロー図である。
【図5】反射光の読み込みデータ間隔ごとの移動平均の振幅収縮率が異なることを示したグラフである。
【図6】相隣る読み込みデータ間隔ごとの移動平均の差分を求め、該差分ごとに波長ピークを求めたグラフである。
【図7】反射光の読み込みデータ間隔ごとの測定データ波形であって波形の振幅を標準偏差で表した図である。
【図8】長波長側ムラ特性値と短波長側ムラ特性値からなる座標系を示した図であって、ムラ有り領域、ムラ無し領域、評価困難領域が設定されている図である。
【符号の説明】
【0042】
1…ボディ、2…発光素子、3…受光素子、4…車輪、5…ロータリエンコーダ、6…演算部(演算手段)、7…液晶画面(表示手段)、10…塗装ムラ評価装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの塗装ムラを評価する塗装ムラ評価装置であって、
前記塗装ムラ評価装置は、ワークの塗装面に光を照射する発光手段と、反射光を受光する受光手段と、受光手段にて受光された受光データを使用して演算を実行する演算手段と、演算手段による演算結果を表示する表示手段と、を車輪付きのボディに内蔵したものであり、
前記演算手段では、塗装ムラ評価装置を塗装面上で所定距離移動させた際の所定間隔ごとの受光データを読み込むとともに、この所定距離の移動を複数回実行して第1の移動平均値を求め、前記間隔を変化させて塗装ムラ評価装置を複数回移動させて第2の移動平均値を求め、さらに前記間隔を変化させて第n−1、第nの移動平均値を求める第1ステップと、第nの移動平均値と第n−1の移動平均値の差分を求めて移動平均値の差分値n−1を求めるとともに、順次、差分値n−2、・・・・、1を求め、各移動平均値の差分値の標準偏差n−1’、n−2’、・・・・、1’を求める第2ステップと、該標準偏差の中から任意に2つの標準偏差を取り出して長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値とし、この2種類のムラ特性値で塗装ムラの有無領域をそれぞれ求める第3ステップと、を実行するものである、塗装ムラ評価装置。
【請求項2】
前記演算手段では、一つの移動ラインで前記第1ステップと前記第2ステップまでを実行し、移動ラインを異にして前記第1ステップと前記第2ステップまでを実行し、各移動ラインごとに対応する標準偏差の平均値を求めて平均標準偏差とし、前記第3ステップでは該平均標準偏差の中から任意に2つの平均標準偏差が取り出され、長波長側のムラ特性値および短波長側のムラ特性値とするものである、請求項1に記載の塗装ムラ評価装置。
【請求項3】
前記発光手段からの発光はワークの塗装面に対する垂線または法線から15度傾斜した角度で実行されるものであり、前記受光手段による受光は前記垂線または法線上で実行される、請求項1または2に記載の塗装ムラ評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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