説明

塩漬された食品の製造方法並びにピックル混合物

本発明は、次の工程を有する塩漬された食品の製造方法に関する:a.食肉及び食肉製品の場合に4.5〜7のpH値で及びNO当量として計算される硝酸塩及び亜硝酸塩40ppm未満の塩漬剤含量で、安定なピックル色及びNO当量として計算される、添加された亜硝酸塩及び硝酸塩の40%未満及び/又は亜硝酸塩及び硝酸塩10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を生じさせることのできる、少なくとも1つの選択された硝酸塩還元微生物を準備する工程、及びb.食肉及び食肉製品の場合に硝酸塩還元微生物と一緒に4.5〜7のpH値で安定なピックル色を生じさせることのできる、食肉又は食肉製品1kg当たり食肉製品中に、NO当量として計算される、亜硝酸塩及び硝酸塩40mg未満の塩漬剤含量を有する少なくとも1つの選択された塩漬剤を準備する工程。食肉又は食肉製品と混合する工程及びさらに加工する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩漬された(gepoekelten)食品の製造方法並びにピックル混合物(Poekelmischung)に関する。
【0002】
塩漬された食品、特に食肉又は食肉製品のそのような製造方法は、技術水準において公知である。その際に、塩漬剤(Poekelstoffen)の添加及び残留含量を低下させることが望ましい。
【0003】
塩漬(Poekeln)は、食品を保存する伝統的方法である。当初には、多かれ少なかれ偶然の硝石の混和物を含有する食塩が使用された。硝石から、食肉を塩蔵する(Salzen)際に、偶然に存在している細菌により亜硝酸塩が生じ、これからNOが遊離されていた。赤いピックル色(Poekelfarbe)はNOとミオグロビンとの反応により生じる。硝酸塩の最初の意図的な適用はおそらく、壁硝石(Mauersalpeter)の形で既に紀元前の時代にインド及び中国において行われていた(これについてはKlement Moehler: Das Poekeln / - Alzey: Verlag der Rheinhess. Druckwerkstaette, 1980, Fleischforschung und Praxis;7頁参照)。
【0004】
今日、主に亜硝酸ピックル塩(Nitritpoekelsalz)の形の亜硝酸塩が使用されるので、歴史的方法とは異なり、微生物の偶然の混和はどうしても必要であるというわけではない。
【0005】
食肉製品製造の際に、塩漬剤である亜硝酸塩及び硝酸塩の使用は次の利点を提供する:
・ 赤い加熱安定なピックル色の形成、
・ ピックルアロマ(Poekelaroma)の形成、
・ 酸化的変化の遅延及び
・ 特定の望ましくない又は危険な微生物の抑制。
【0006】
消費者は、とりわけ魅力的なピックル色に関しても塩漬された食肉製品を高く評価する。しかしながら、亜硝酸塩及び硝酸塩はEUにおいて、論争となって議論されるそれらの保存性のために専ら許容されている。もしも保存作用が与えられていなければ、該亜硝酸塩添加の許容性はもしかすると疑われうる。
【0007】
ニトロソアミン類が塩漬された食肉加工品中で検出された調査が米国から知られたとき、使用される塩漬剤に関する新しい評価状況が70年代において始まった。ニトロソアミン類は、アミン類又はアミド類、タンパク質の分解生成物及び亜硝酸塩から生じる。大部分のこれらのニトロソアミン化合物は著しく発癌性である。潜在的な健康リスクのために、それ以来、亜硝酸塩及び硝酸塩の添加を最小限にすることは一般的に望ましいものとしてみなされる。ドイツ連邦共和国においてその目的で亜硝酸ピックル塩中の亜硝酸塩含量を20%だけ低下させることとなった。
【0008】
さらにまた、硝酸塩源として食品法律上の理由から、認可を必要としていない食品が好まれる。植物性食品はさらにまた、これらが、癌リスクを低下させるいわゆる“二次代謝産物”を含有するという利点を有する。ドイツ癌研究センターのBartsch教授によれば、これに関連して食物中の高い硝酸塩含量は強制的により高い癌リスクを意味するものではない、それというのも、多く野菜を食べ、ひいては多く硝酸塩を摂取するヒトの場合に、高められた癌リスクが見出されないからである。彼はこの事態を、野菜中に癌リスクを低下させる防護物質も含まれていることによるものとみなしている。硝酸塩は体内で亜硝酸塩へ還元される。これから、酸性環境中で、例えば胃中で又は細菌感染の際に癌の原因となるニトロソアミン類が形成されうる。すなわち、例えば細菌性尿路感染を有するヒトは高められたリスクを有する、それというのも、その体内で多くニトロソアミンが生じ、かつこのために癌にかかるリスクも高まるからである。
【0009】
EGの学術的食品委員会の監視研究(Kontrollstudien des wissenschaftlichen Lebensmittelausschusses der EG)、Opinions of the scientific committee for food on Nitrate and Nitrite:1995年9月、飲食頻度アンケート(Verzehrhaeufigkeitsfrageboegen)に基づく、は、同様にして胃癌リスクについての推測される硝酸塩供給の防護作用を示している。このことはおそらく、胃癌リスクへの野菜及び果実の公知の防護作用に基づいている。
【0010】
亜硝酸塩及び硝酸塩の使用を減少させるためのこれまでの尽力の要約を、Thiemigが2000年に逐次刊行物 Fleischwirtschaftに公表している(Thiemig, F.; Buhr, H.; Oelker, P.: "Gibt es Alternativen zum Poekeln mit Nitrit?", Fleischwirtschaft 80 2000 1, 106-110参照)。
【0011】
EGにおいて、目下、次の最大値がピックル添加剤に適用される:
【0012】
【表1】

【0013】
【表2】

【0014】
今日、常法を用いて製造される食肉製品は、典型的には亜硝酸塩6mg/kg及び硝酸塩60〜80mg/kgの残留含量を含有する(Chemisches und Veterinaeruntersuchungsamt Freiburg, Jahresbericht 2001, Tabellenband)。
【0015】
当業者には、さらにまた技術水準から、着色する原材料、例えばレッドビート、カロテン類及び/又はベニコウジ色素(Angkak)が使用される方法も公知である。しかし、これら全ての提案された方法は、これらの方法によりミオグロビンが安定化されず、かつそれから加熱する際に多かれ少なかれ灰色の基本色が生じるという欠点を有する。
【0016】
WO 92/03223 A1には、さらにまた、ジニトロシルフェロヘモクロムを使用する方法が記載されている。しかしながらこの方法は、食品のためにはこれまで認可されていない。さらに当業者には植物性食品の自然の硝酸塩含量を利用することが方法が公知である。例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第DE 35 09 392 A1号明細書には、塩漬剤として硝酸塩含有の香辛料(Gewuerze)が使用されることによる、天然香辛料をベースとする自然の発色及び色保持を達成する方法が開示されている。この方法は、それにより強力な望ましくない味が獲得され、かつ発色に必要な亜硝酸塩が硝酸塩還元微生物の偶然の存在の場合にのみ形成されるという欠点を有する。再現可能な結果は、該明細書に開示された方法を用いて達成されることができない。
【0017】
さらに、DE 41 26 138 A1には、凍結乾燥された香辛料が使用されることによる、凍結乾燥(Lyophilisierung)をベースとするさらなる開発において天然香辛料をベースとする自然の発色及び色保持を達成する方法が記載されている。しかし上記で描写された欠点はそれにより取り除かれない。
【0018】
さらに、DE 199 13 437 A1には、市販の硝酸塩を還元するスターター及び硝酸塩含有野菜を使用する方法が記載されている。それにより、植物中に存在している硝酸塩を発色に必要な亜硝酸塩へ変換することが可能である。
【0019】
常用の硝酸塩還元微生物は、通常の法的に許容される亜硝酸ナトリウム80〜120ppmの塩漬剤添加で満足のいく発色を達成することができる。塩漬剤のより僅かな使用量で及び記載された野菜を用いる使用は劣悪な色形成をまねく。そのうえ、前記方法は挙げられた方法条件の場合に不経済である。
【0020】
さらに、DE 100 59 727 A1には、高められた熟成温度で作業し、かつそれにより方法経済性を改善するが、しかしながらDE 199 13 437 A1の他の欠点を取り除かない発色方法が記載されている。
【0021】
さらにまた当業者には、例えば英国のGB 849948から、マンガン塩の添加により乳酸菌の場合にスターターの物質代謝能力が改善されることができることが公知である。
【0022】
しかしながら、公知の全ての方法は、最終生成物が極めて高い残留硝酸塩含量及び/又は劣悪なピックル色を有するという趣意で欠点を有する。
【0023】
故に、本発明の課題は、上記で描写された欠点を回避し、かつ経済的な方法実施を可能にする、亜硝酸塩及び/又は硝酸塩の低下された添加を有する塩漬された食品の製造方法を記載することである。さらに、本発明の課題は、微生物及び塩漬剤を提供することである。
【0024】
前記課題は、請求項1記載の方法並びに請求項12及び13記載の薬剤並びに請求項15記載のピックル混合物により解決される。本発明の有利な態様は、従属請求項に記載されている。
【0025】
本発明による方法並びに本発明による方法において使用される薬剤により、塩漬剤の添加及び残留含量を、法的な最大値と比較して90%超まで低下させることが可能である。
【0026】
その場合に、食肉製品中の塩漬剤含量は、NO当量として計算される、亜硝酸塩及び硝酸塩40ppm未満で示されている。この測定は、“Amtliche Sammlung von Untersuchungsmethoden (§ 35 LMBG) L07.00-12 1990-12 Bestimmung des Nitrit- und Nitratgehalts in Fleischwaren”により求められる。測定の際に、硝酸塩はカドミウム−還元装置中で定量的に亜硝酸塩へ還元される。この及び既に前もって存在している亜硝酸塩は、スルファニルアミド及びN−(1−ナフチル)エチレンジアミン−二塩酸塩と反応して、吸光度が540nmで測定される赤いアゾ染料に変換される。実施する際に、まず最初に検量線が作成される。これは有利には、亜硝酸ナトリウム75mgが500mlメスフラスコ中へ秤量され、かつ満たされる(aufgefuellt)ことによって行われる。そのうち10mlが200mlメスフラスコ中へ添加され、かつ同様に満たされる。それから標準溶液が製造される。2.5ml希釈された原液 200mlに満たされる 10ml当たり亜硝酸塩当量0.625μgが含まれる 5ml希釈された原液 200mlに満たされる 10ml当たり亜硝酸塩当量1.25μgが含まれる 10ml希釈された原液 200mlに満たされる 10ml当たり亜硝酸塩当量2.5μgが含まれる これらの溶液10mlを用いて呈色反応が実施される。吸光度値は、方眼紙(Milimeterpapier)上に亜硝酸塩含量に対してプロットされる。試料(=m0)約10gは水で抽出され、かつ200mlに満たされる。ろ過された溶液20mlはカドミウムカラム中での還元にかけられ、かつ100mlに満たされる。溶液10mlを用いて呈色反応は実施される。計算はついで次の式に従って行われる:
【0027】
【数1】

m1 比較曲線から読み取られた亜硝酸塩の量。
【0028】
例えばサンプル計算について次のことがもたらされる:
秤量分:9.876g、m1:0.91
亜硝酸塩当量としての全亜硝酸塩/硝酸塩:9.2mg/kg
亜硝酸塩当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩。
【0029】
安定なピックル色という概念は特に、30%を上回るMoehlerによる発色度であると理解されるべきである。(Moehler K. (1966). Arch. Lebensmittelhygiene 17, 245 "Die Bestimmung der Umroetung in Fleischerzeugnissen"。その場合に、粉砕されたソーセージ材(Wurstgut)各10gは褐色の広口びん中へ秤量される。ニトロソ色原体の測定のためには、アセトン/水混合物43mlが添加される。ろ過後に分光光度計中で540nmで測定され、それから値E1がもたらされる。全色原体の測定のためには、アセトン/HCl/水混合物43mlが添加される。ろ過後に分光光度計中で640nmで測定され、それから値E2がもたらされる。その場合に発色には次の式が適用される:
【0030】
【数2】

【0031】
通常測定される値:E1=0.221、E2=0.163については、次の発色度となる:発色=52%。
【0032】
使用される微生物は、本発明によれば、食肉及び食肉製品中に4.5〜7のpH値で及びNO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩40mg/kg未満の塩漬剤添加で安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせることができ、並びにNO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩の添加された量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を最終生成物中で達成することができる。
【0033】
これらの微生物の単離は、天然起源、例えば塩漬液(Poekellaken)、自然熟成された(naturgereiften)フレッシュソーセージ又は生ハム、野菜ジュース又は硝酸塩の負荷された飲料水から行われることができる。特に適しているのは、細菌にとって極端な条件、例えば高い塩含量又は僅かな栄養素濃度に傑出している食品である。
【0034】
薬剤の製造もしくは選択するための方法の際に、以下に選択法と呼ぶ、第一工程において、微生物はモデル食品に添加される。スターターなしで製造された食品はホモジナイズされる。その場合に有利にはフレッシュソーセージ、生ハム又は塩漬液が使用される。ホモジェネートから、希釈系列が製造され、かつ寒天上に薄く塗り(ausplattiert)、かつインキュベートされる。有利にはその際に選択培地が使用される。特に有利には選択培地としてKranep-寒天が使用される。個々のコロニーは、別の試験培地を用いて所望の性質について検定される。有利にはその際に硝酸塩ブイヨンが硝酸塩還元酵素の存在について検定される。こうして選択された菌の個々のコロニーは、エルレンマイヤーフラスコ中でペプトン、デキストロース、酵母抽出物及びリン酸塩からなる培地を用いて増殖され、かつソーセージ試験において使用される。有利にはその場合に食肉又はソーセージ製品1g当たり菌10〜10個好ましくは菌10〜10個の菌数が使用される。
【0035】
そのためには、細菌及び食肉含量に対して40mg/kg未満の塩漬剤含量を有する塩漬剤は、食肉からなるモデルソーセージミート(Modellbraet)に、場合によりさらに技術的に必要な原材料、例えば氷、食塩、リン酸塩及びアスコルビン酸塩により補充されて、添加される。前記モデルソーセージミートは、びん詰ガラス中に詰められ、発酵され、かつ湯煮される(gebrueht)。有利には発酵は15℃〜50℃で行われる。
【0036】
こうして得られた薄く切ることができる固さの(schnittfeste)塊は、常用の量の亜硝酸ピックル塩を用いて製造された標準と比較される。
【0037】
工業的製造の場合に、常用の発酵槽中でまず最初に培地は滅菌され、前記選択法に従って製造された原培養物(Stammkultur)は添加され、かつ20℃〜45℃で6〜36時間発酵される。その後、遠心分離されかつ凍結乾燥され、かつ細菌塊(Bakterienmasse)はキャリヤーと共に保護雰囲気下に包装される。
【0038】
培養及び/又は再活性化の際に、所望の性質を達成するために該微生物に有利には付加的な次の物質が添加されることができる:
・ 金属塩、特にこれまで硝酸塩還元酵素活性を有する微生物の工業的製造の際に使用されないようなもの、その際にカチオンとしてこの際に特に次のものが考慮の対象になる:V、Mo、Se、セレン酵母の形でも、Ti、Co、Li、Zn及びCu、個々にか又は組合せで。アニオンとして特に次のものが考慮の対象になる:塩化物、硫酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、ヨウ化物(Jodit)及びフッ化物(Fluorit)、個々にか又は組合せで。
・ 乳化剤:特にレシチン、モノグリセリド及びジグリセリドのエステル、ステアリン酸塩。
【0039】
好ましくは次の量の金属塩が使用される:
V、Mo、Ti、Co、Li: 自然含量を含めて、その都度0.1〜10mg/kg
Se: 自然含量を含めて、0.5〜50mg/kg
Zn、Cu: 自然含量を含めて、その都度5〜500mg/kg。
【0040】
添加物及び/又は細菌塊の再活性化培地を、冷凍及び/又は凍結乾燥の前に、常用の、当業者に公知の添加物と、例えば凍結保護、カプセル化された形でも又は他の物質、例えば増粘剤中に埋め込まれて、添加することは有利である。
【0041】
こうして選択された微生物は、発酵槽中で、当業者にそれらの適用において公知の栄養素、例えば窒素源、炭素源及び場合によりさらに選択法において確かめられた添加物の添加下に増殖される。前記微生物は通常通り培養後に、これらが例えば冷凍される又は凍結乾燥されることによってさらに処理される。前記添加物を公知の再活性化培地(窒素源及び炭素源、ホスフェート塩)に添加し、かつ培養物を使用前に再活性化することは好都合である。
【0042】
前記選択法に従って得られた該細菌は、1g当たり菌10〜10個の濃度で食肉製品の製造の際に添加される。好ましい細菌は、スタフィロコッカス カルノサス(Staphylococcus carnosus)及びスタフィロコッカス キシロサス(Staphylococcus xylosus)に加えて、またコクリア バリアンス(Kocuria varians)、ハロモナス エロンガタ(Halomonas elongata)及びパラコッカス デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)である。さらに製造の際に塩漬剤は、NO当量として計算される40mg/kg未満の量で添加される。塩漬剤として次のものが使用されることができる:亜硝酸塩、硝酸塩、硝酸塩含有の植物、藻類、菌類からの硝酸塩、乾燥されても及び/又はジュース又はジュース濃縮物の形で。塩漬剤として天然の源が使用される場合には、これらは、第二工程において、前記選択法に従って第一工程において選択された微生物の使用下に選択される。好ましくは、癌リスクを減少させる二次成分を含有する、植物、藻類又は菌類又はこれらの混合物が使用される。さらに、植物材料からの硝酸塩の放出が合成硝酸塩の直接添加の場合よりもより僅かであってよいことが見出された。故に、機械的な、熱的な又は酵素による細胞分解法(Zellaufschlussverfahren)を使用することは有利である。薬剤として好ましくは、細胞壁を分解する性質を有する酵素、特にβ−グリコシド結合を開裂することのできるようなものが使用される。細胞壁分解酵素はまた自然に、本発明のために使用される植物、藻類又は菌類中に存在する。しかしながら活性は、種類、栽培条件に及び特に収穫時点に依存している。好ましくは、種類、栽培条件及び収穫時点に基づいて高い自然酵素力及び/又は有機的に結合したマグネシウム又は無機質の僅かな含分を有する、植物、藻類及び菌類である。
【0043】
さらに、実施される試験系列において、高い含量の硝酸塩を有する植物、藻類及び/又は菌類の全てが前記方法に適していないことが示されている、それというのも、食肉製品の製造に使用される硝酸塩含有の植物及び/又は菌類及び/又は藻類及び/又は添加物が、色形成にマイナスの作用を及ぼす成分を含有していてよいからである。これらの望まれない成分は次の通りである:
・ 有機的に結合した無機質、
・ メイラード産物。
【0044】
無機質は、微生物学における培地の公知の成分であり、故に原則的に細菌の成長を促進することが見込まれる。植物性食品は、無機質、特にマグネシウムの高い含量にもかかわらず、40ppm未満の塩漬剤の使用の際にのみ満足のいかない色形成を達成することが示されている。有機的に結合した無機質は自然界において多様な結合形で、遊離して又は他の食品成分と錯化されて、存在する。錯化される含分は、例えば溶剤で抽出されることができる。本方法のためには、結合された抽出可能な含分が本方法の使用にマイナスの作用を及ぼしうることが示されている。
【0045】
好ましくは、エタノールで抽出可能なマグネシウム100mg/kg未満を含有し、かつその1%未満が使用され、かつそれによりエタノールで抽出可能なマグネシウム1mg/kg未満が食肉又は食肉製品中へ到達する植物性食品が塩漬剤として使用される。
【0046】
前記方法のためには、低い含量の有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウムを有する添加物が使用される。塩漬剤として植物及び/又は藻類及び/又は菌類が使用される場合には、これらは同様にこれらの性質を有する。このことは、原料の選択により保証されることができるか、又は溶剤での抽出により達成されることができる。液状添加物の場合には、固体繊維(Festfaser)又は食用油での抽出も有利である。好ましくは、癌防護の二次成分の含量を低下させない溶剤が使用される。
【0047】
第三工程において、該選択法に従ってさらなる植物性原材料は検定され、かつ工程1及び2において選択された薬剤と一緒に最適な色形成を可能にするようなもののみが使用される。
【0048】
製造すべき食品として、従来、塩漬剤の添加物を伴って製造される全ての製品が考慮の対象になる。これらは、特にブリューヴルスト(Bruehwuerste)、クックドソーセージ(Kochwuerste)、加熱食肉製品(Kochpoekelwaren)、非加熱食肉製品(Rohpoekelwaren)及びフレッシュソーセージ(Rohwuerste)である。しかしまた有利には他の食肉含有製品、例えば即席加工品(Fertigerzeugnisse)が製造されることができる。全ての通常の塩漬法、生ハムの場合に湿塩漬法並びに乾塩漬法が適用されることができる。
【0049】
本発明による方法の場合に次の原材料が使用される:
a. 哺乳動物及び/又は鳥類及び/又はウサギ及び/又は他の動物種のミオグロビンを含有する食肉、
b. 例えば有機的に結合した無機質及び/又はメイラード産物の僅かな含量により、該選択法の基準に適合する常用の原材料、例えばカッター助剤(Kutterhilfsmittel)、食塩及び香辛料
c. 該選択法の基準に適合する微生物、
d. 該選択法の基準に適合する、NO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩40ppm未満の量の塩漬剤。
【0050】
加熱食肉製品の場合に、前記原材料は有利には注入液(Spritzlake)に添加される。前記食肉製品は、全ての原材料の添加後に、場合により常用の粉砕後に、発酵される。発酵は、製造の間に通常加熱される製品、例えばブリューヴルスト、クックドソーセージ及び加熱食肉製品の場合に10℃を上回り、好ましくは25〜55℃の温度で行われる。非加熱食肉製品及びフレッシュソーセージの場合に、より低い温度も有利でありうる。引き続いて食肉製品は通常通り更に処理され、かつ場合により加熱される(gegart)。前記方法の特に有利な一態様は、本発明による量の塩漬剤がまた、微生物と一緒にまず最初に食肉を有するプリミックスに添加されることにある。このプリミックスは、ついで冷却される又は冷凍される及び/又は熟成されることができる。前記プリミックスは食肉製品に添加され、かつ製品は前記のように更に加工される。それにより、熟成段階は短縮されることができるか又は省略することができる。このようにして、例えば方法実施の経済性は改善される、それというのも、設備の被覆(Belegung)は最小限になるからである。混和すべきプリミックスは、貯蔵されることができるか、又は他の製造者に売り渡されることができる。亜硝酸ピックル塩の使用の際に、これはプリミックスの発酵の際に保存料として自発フローラ(Spontanflora)を抑制するように作用する。それに対して最終生成物中に保存効果はもはや与えられておらず、故に即席加工品中で見分けることは不必要である。
【0051】
さらにまた、本発明は、食肉及び/又は食肉製品中に4.5〜7のpH値及びNO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩40ppm未満の塩漬剤含量で、安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせ、かつさらにまた塩漬剤含量を添加された量の40%及び/又は10mg/kg未満に減少させることのできる、少なくとも1つの硝酸塩還元微生物との第一の混合物を含有している、前記の種類の塩漬された食品の製造方法を実施するための第一の薬剤に関する。
【0052】
この際に、培養又は再活性化の際に少なくとも1つの金属塩、特にこれまで硝酸塩還元菌の工業的発酵の際に使用されないようなものが添加されることができる。好ましくは、次の量の金属塩が使用される:
V、Mo、Ti、Co、Li: 自然含量を含めて、その都度0.1〜10mg/kg
Se: 自然含量を含めて、0.5〜50mg/kg
Zn、Cu: 自然含量を含めて、その都度5〜500mg/kg。
【0053】
さらに培養又は再活性化のために少なくとも1つの乳化剤が添加されることができる。金属塩として、好ましくはV、Mo、Se(セレン酵母の形でも)、Ti、Co、Li、Zn、Cuが使用されることができる。乳化剤として、好ましくはレシチン及び/又はステアリン酸塩及び/又はモノグリセリン及びジグリセリンのエステルが使用されることができる。
【0054】
さらに、本発明は、前記の種類の微生物と一緒に食肉及び/又は食肉製品中に4.5〜7のpH値で及びNO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩40ppm未満の塩漬剤含量で安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせるのに適しており、その際に単に添加される量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤残留含量が残っている、少なくとも1つの塩漬剤からなる第二の混合物を含有している、前記の種類の塩漬された食品の製造方法を実施するための第二の薬剤に関する。第二の薬剤は好ましくは、僅かな含量の有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウムを有する、少なくとも1つの硝酸塩含有の植物及び/又は菌類及び/又は藻類が、乾燥されても及び/又はジュースとして及び/又はジュース濃縮物として、使用されることにより選択されることができる。僅かな含量の有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウムは、少なくとも1つの植物及び/又は菌類及び/又は藻類の培養及び/又は栽培条件及び/又は収穫時点の選択により達成されることができる。選択的に、そのような化合物はまた植物及び/又は菌類及び/又は藻類から除去されることができる。除去はその場合に溶剤を用いて及び/又は超臨界ガスを用いて行われることができ、その際に溶剤として好ましくはエタノール及び/又はアセトン及び/又は酢酸エチルが使用される。選択的に、製造及び使用の際に細胞分解法、好ましくは高い含量の細胞壁分解酵素を用いる細胞分解法が使用されることできる。高い含量の細胞壁分解酵素は、少なくとも1つの植物及び/又は菌類及び/又は藻類の培養、栽培条件及び/又は収穫時点の選択により達成されることができる。
【0055】
最終的に、前記の第一の薬剤及び前記の第二の薬剤が一緒に任意の混合比で使用されることによるピックル混合物が使用されることができる。
【0056】
その場合に第一の薬剤は次のように製造されることができる:
食肉及び/又は食肉製品の場合に4.5〜7のpH値で及びNO当量として計算される硝酸塩及び亜硝酸塩40ppm未満の塩漬剤含量で、安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度及び添加される量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤の残っている残留含量を生じさせることのできる、少なくとも1つの硝酸塩還元微生物を選択し、かつ準備し、並びに硝酸塩還元生物を増殖させ、かつ微生物を、例えば微生物の豊富化、凍結及び/又は冷凍及び/又は凍結乾燥により後処理する。
【0057】
前記選択は例えば、定義された、僅かな量の塩漬剤、場合によりさらに技術的に必要な原材料、例えば氷、食塩、リン酸塩及びアスコルビン酸塩が添加される食肉からのモデルソーセージミートの製造、モデルソーセージミートの熟成、モデルソーセージミートの加熱、得るべき製品と常用の量の亜硝酸ピックル塩を用いて製造された標準との色の比較により講ぜられる。この場合に、金属塩、特にこれまで工業的発酵に添加されなかったものが使用されることができる。
【0058】
同様に、前記の乳化剤が使用されることができる。
【0059】
第二の薬剤の製造方法は、前記の微生物と一緒に食肉及び/又は食肉製品中に4.5〜7のpH値で及び40ppm未満の塩漬剤含量(NO当量として計算される亜硝酸塩及び硝酸塩)で安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせ、並びに添加される量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を生じさせるのに適している、少なくとも1つの塩漬剤を選択及び準備し、並びに塩漬剤を、水除去及び/又は冷却及び/又は凍結及び/又は冷凍によるさらに処理することにより行われる。塩漬剤はその場合に、前記のように、特に、僅かな含量の有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウムを有する硝酸塩含有の植物及び/又は菌類及び/又は藻類及び/又はジュースであってよい。僅かな含量は選択もしくは処理の既に記載されたやり方により達成される。特に前記選択は、定義された量の塩漬剤種類、選択された硝酸塩還元微生物が添加される食肉からのモデルソーセージミートの製造、該モデルソーセージミートの熟成並びにその加熱及び得るべき製品と常用の量の亜硝酸ピックル塩を用いて製造された標準との色の比較により講ぜられる。
【0060】
特に、本発明は、任意の順序で次の工程を有する塩漬された食品の製造方法によっても解決される:
a. 少なくとも1つの硝酸塩還元微生物を準備する工程、
b. 硝酸塩還元微生物と一緒に、発色された食品の製造の際に処理時間を短縮することのできる少なくとも1つの薬剤を準備する工程、
c. 少なくとも1つの薬剤及び少なくとも1つの硝酸塩還元微生物の混合物を5℃を上回る温度で処理する工程、
d. 食肉又は食肉製品を準備する工程、
e. c.により処理された混合物を添加する工程。
【0061】
好ましくは、さらに常用の原材料、例えば添加剤及び調味料(Wuerzungen)が添加されることができる。
【0062】
食肉製品は、ついで種類に特有に、粉砕されることができ、かつケーシング(Umhuellungen)中に充填されることができ、かつ0℃を上回る熟成が行われることができる。特にブリューヴルストの場合の湯煮による、種類に特有なさらなる処理が可能である。前記薬剤は特に硝酸塩含有の植物産物であってよい。このためには、1つ又はそれ以上の物質からなっていてよい少なくとも前記薬剤及び少なくとも1つの硝酸塩還元微生物の水溶液が5℃を上回る温度で行われることができる。前記物質の選択は、少なくとも1つの硝酸塩含有食品が少なくとも1つの硝酸塩還元微生物と一緒に水溶液中で5℃を上回る温度で処理されることにより、モデルソーセージミートへの処理される混合物の添加及び0℃超でのモデルソーセージミートの処理及び引き続きモデルソーセージミートの加熱及び得るべき製品と従来の亜硝酸ピックル塩が添加された標準との色の比較により、講ぜられることができる。
【0063】
このようにして発色時間は短縮されるべきである、それというのも、技術水準において、発酵時間を数時間必要としうることは不利であったからである。比較は選択的に、前記物質が硝酸塩還元微生物なしでモデルソーセージミートもしくはモデル食品に添加されることによっても行われることができる。微生物並びに塩漬剤(Poekelmittel)として選択された薬剤及び物質は前記のものに相応していてよい。前記処理は、生物及び塩漬剤に関して5°超で行われることができ、その場合に添加される物質での食品のさらなる処理は0°超で行われることができる。
【0064】
次の実施例に基づいて、本発明による方法についての概要が与えられるはずである。実施例は単に例示的に理解されるべきであり、かつ本発明の確定的な表現ではない。さらなる利点及び特徴は、その他の出願書類からもたらされる。
【0065】
実施例
第1実施例:
配合表:
豚肩肉 1250g
脂身(Speck) 750g
氷 500g
食塩 40g
0.5%亜硝酸ピックル塩 5g
香辛料混合物 12.5g
Aurapa Kutt P(二リン酸塩、クエン酸、アスコルビン酸ナトリウム) 4.5g。
【0066】
10e11 KbE/g(食肉又は食肉製品1g当たり細菌2×10個に相当)を有するスタフィロコッカス カルノサス(staphylococcus carnosus)及びスタフィロコッカス キシロサス(staphylococcus xylosus)からなる細菌混合物0.5g、公知の添加物(炭素源、窒素源、常用のミネラル)に加えて金属塩混合物及び乳化剤を含有し、かつ37℃で1時間貯蔵される再活性化混合物中で再水和。細菌量の計算はその場合に次のようにもたらされる:
食肉製品2.5kgは、細菌5×1010個に相応する細菌塊0.5gを含有する。故に食肉製品1kgは、細菌2×1010個を含有し、ひいては食肉製品1gは細菌2×10個を含有する。
【0067】
冷却した赤肉を、テーブルカッター中で塩及び亜硝酸ピックル塩及びカッター助剤と一緒に結着して(auf Verband)カッティングし、その後、氷の1/3、調味料並びに再活性化されたスターターを添加する。引き続いて脂肪組織を添加し、さらに結着してカッティングする。残りの氷の添加後に14℃までで仕上げカッティングする。
【0068】
第2実施例:
配合表:
豚肩肉 1250g
脂身 750g
氷 500g
食塩 4.5g
有機溶剤で抽出され、かつ細胞壁分解酵素で処理された野菜粉末混合物 4g。NO当量として計算される硝酸塩含量 1%。
香辛料混合物 12.5g
Aurapa Kutt P(二リン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム) 4.5g。
【0069】
10e11 KbE/g(食肉又は食肉製品1g当たり細菌2×10個に相当)を有するスタフィロコッカス カルノサス(staphylococcus carnosus)及びスタフィロコッカス キシロサス(staphylococcus xylosus)からなる細菌混合物0.5g、当業者に公知の添加物(炭素源、窒素源、常用のミネラル)に加えて金属塩混合物及び乳化剤を含有し、かつ37℃で1時間貯蔵される再活性化混合物中で再水和。
【0070】
冷却した赤肉を、Berkelテーブルカッター中で塩及びカッター助剤と一緒に結着してカッティングし、その後、氷の1/3、調味料、野菜粉末及び再活性化されたスターターを添加する。引き続いて脂肪組織を添加し、さらに結着してカッティングする。残りの氷の添加後に、14℃までで仕上げカッティングする。
【0071】
第3実施例:
配合表:
食肉 赤身:豚肩肉1250g
脂身 750g
氷 500g
食塩 40g
0.5%亜硝酸ピックル塩 5g
香辛料混合物 12.5g
Aurapa Kutt P(二リン酸塩、クエン酸、アスコルビン酸ナトリウム) 4.5g。
【0072】
10e11 KbE/g(食肉又は食肉製品1g当たり細菌2×10個に相当)を有するスタフィロコッカス カルノサス(staphylococcus carnosus)及びスタフィロコッカス キシロサス(staphylococcus xylosus)からなる細菌混合物0.5g、当業者に公知の添加物(炭素源、窒素源、常用のミネラル)に加えて金属塩混合物及び乳化剤を含有し、かつ37℃で1時間貯蔵される再活性化混合物中で再水和。
【0073】
製造の前日に、プリミックスを十分冷却された赤肉250g及び氷80gから製造し、これを亜硝酸ピックル塩及び再活性化されたスターターと一緒に粉砕し、直ちに凍結させる。
【0074】
この混合物及び残っている原材料を用いて、ついで製造を行う。
【0075】
製造後に、塊をガラスびん詰ガラス中に充填し、37℃で2時間発酵させ、引き続いて80℃で仕上げ加熱する。
【0076】
冷却後に、全てのチャージである実施例1〜3の製品は、市販のブリューヴルストに相当する典型的な安定なピックルレッド及びピックルアロマを有する。NO当量として計算される、塩漬剤である亜硝酸塩及び硝酸塩の残留含量は10mg/kgを下回り、Moehlerによる発色度は50%を上回る。
【0077】
第4実施例:
配合表:
豚肩肉 1250g
脂身 750g
氷 500g
食塩 45g
香辛料混合物 12.5g
Aurapa Kutt P(二リン酸塩、アスコルビン酸ナトリウム) 4.5g。
【0078】
10e11 KbE/g(食肉又は食肉製品1g当たり細菌2×10個に相当)を有するスタフィロコッカス カルノサス(staphylococcus carnosus)及びスタフィロコッカス キシロサス(staphylococcus xylosus)からなる細菌混合物0.5g、当業者に公知の添加物(炭素源、窒素源、リン酸塩)に加えて硝酸塩含有の野菜粉末混合物を含有し、かつ37℃で2時間貯蔵される再活性化混合物中で再水和。
【0079】
冷却した赤肉をテーブルカッター中で塩及びカッター助剤と一緒に結着してカッティングし、その後、氷の1/3、調味料及び貯蔵されたスターターを添加する。引き続いて脂肪組織を添加し、かつさらに結着してカッティングする。残りの氷の添加後に、14℃までで仕上げカッティングする。
【0080】
製造後に塊をガラスびん詰ガラス中に充填し、37℃で30分発酵させ、引き続いて80℃で仕上げ加熱する。
【0081】
比較チャージとして、硝酸塩含有の野菜混合物を直接にソーセージミートに添加する食肉製品を利用する。
【0082】
冷却後に、食肉製品は、市販のブリューヴルストに相当する典型的な安定なピックルレッド及びピックルアロマを有する。比較チャージは灰色であり、かつピックルアロマを有しない。
【0083】
本方法はそれゆえ次の利点を提供する:
塩漬剤の著しく低下された添加及び残留含量と共に、従来の製品と同じピックル色及び同じピックルアロマを有し、かつその際に著しく低下された発酵時間が必要とされる食肉製品が製造されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の順序で次の工程:
a. 食肉及び食肉製品の場合に4.5〜7のpH値で及びNO当量として計算される硝酸塩及び亜硝酸塩40ppm未満の塩漬剤含量で、安定なピックル色及びNO当量として計算される、添加される亜硝酸塩及び硝酸塩の40%未満及び/又は亜硝酸塩及び硝酸塩10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を生じさせることのできる、少なくとも1つの選択された硝酸塩還元微生物を準備する工程、及び
b. 食肉及び食肉製品の場合に硝酸塩還元微生物と一緒に4.5〜7のpH値で安定なピックル色を生じさせることのできる、食肉製品中に、NO当量として計算される、食肉又は食肉製品1kg当たり亜硝酸塩及び硝酸塩40mg未満の塩漬剤含量を有する少なくとも1つの選択された塩漬剤を準備する工程、
c. 食肉又は食肉製品を準備する工程、
d. 少なくとも1つの硝酸塩還元微生物を食肉又は食肉製品1g当たり菌10〜10個で食肉又は食肉製品に添加する工程、
e. 少なくとも1つの塩漬剤を食肉又は食肉製品に添加する工程、
f. 又は少なくとも1つの微生物を少なくとも1つの塩漬剤と混合する工程並びに混合物を発酵する工程及び食肉又は食肉製品に添加する工程、
g. さらに添加剤及び調味料のような原材料を特に添加する工程、
h. 0℃を上回る温度で熟成する工程
を有することを特徴とする、塩漬された食品の製造方法。
【請求項2】
発色又は湯煮のような種類に特有なさらなる処理を行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
微生物として、スタフィロコッカス キシロサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス カルノサス(Staphylococcus carnosus) スタフィロコッカス エクオラム(Staphylococcus equorum)、コクリア バリアンス(Kocuria varians)、ハロモナス エロンガタ(Halomonas elongata)又はパラコッカス デニトリフィカンス(Paracoccus denitrificans)種の少なくとも1つの株を使用する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
微生物の培養又は再活性化の際に少なくとも1つの金属塩を添加した、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
金属塩として少なくとも1つの次の金属塩:V、Mo、Se、特にセレン酵母の形でも、Ti、Co、Li、Zn、Cuの塩化物及び/又は硫酸塩及び/又はクエン酸塩及び/又は硝酸塩を添加する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
培養又は再活性化の際に少なくとも1つの乳化剤、特にレシチン、ステアリン酸塩、モノグリセリド及びジグリセリドのエステル又はそれらの混合物が添加された少なくとも1つの微生物を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
塩漬剤として硝酸塩又は亜硝酸塩を、特に亜硝酸ピックル塩の形でも、使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
塩漬剤が天然起源であり、好ましくは僅かな含量の有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウム及び/又はメイラード産物を含有し、かつ特に好ましくはエタノールで抽出可能なマグネシウム100mg/kg未満を含有し、かつその1%未満が使用され、かつそれによりエタノールで抽出可能なマグネシウム1mg/kg未満が食肉又は食肉製品中へ到達する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
塩漬剤が飲料水及び/又は鉱泉(Heilwasser)及び/又はミネラルウォーターに由来する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
塩漬剤が少なくとも1つの植物及び/又は菌類及び/又は藻類に由来する、請求項8記載の方法。
【請求項11】
有機的に結合した無機質及び/又は有機的に結合したマグネシウム及び/又はメイラード産物を、これらの物質の抽出により減少させる、請求項8から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
硝酸塩を還元する性質を示し、かつ食肉又は食肉製品中に添加される場合に次の特性:
a. 安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせ、かつ
b. 添加される量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を生じさせる、
c. 4.5〜7のpH値で及び
d. NO当量として計算される、食肉又は食肉製品1Kg当たり亜硝酸塩及び硝酸塩40mg未満の塩漬剤含量
を有する少なくとも1つの選択された微生物を含んでいる、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法において使用するための薬剤。
【請求項13】
この薬剤及び請求項12記載の少なくとも1つの薬剤が食肉及び/又は食肉製品に添加される場合に、次の特性:
a. 安定なピックル色、すなわち30%を上回るMoehlerによる発色度を生じさせ、
b. 添加される量の40%及び/又は10mg/kg未満の塩漬剤残留含量を生じさせる、
c. 4.5〜7のpH値で及び
d. NO当量として計算される、食肉又は食肉製品1kg当たり亜硝酸塩及び硝酸塩40mg未満の塩漬剤含量、
を有する少なくとも1つの選択された塩漬剤を含んでいる、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法において使用するための薬剤。
【請求項14】
請求項12記載の薬剤及び請求項13記載の薬剤が一緒に任意の混合比で使用されることによる、選択されたピックル混合物を含んでいる、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法において使用するための薬剤。
【請求項15】
食肉又は食肉製品1g当たり菌10〜10個及びNO当量として計算される、食肉及び/又は食肉製品1kg当たり亜硝酸塩及び硝酸塩40mg未満を有する塩漬剤が準備されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法において使用するためのピックル混合物。

【公表番号】特表2007−533292(P2007−533292A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522335(P2006−522335)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008898
【国際公開番号】WO2005/013703
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(506043491)アウラパ ヴュルツンゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】aurapa wuerzungen GmbH
【住所又は居所原語表記】Paul−Heidelbauer−Str. 26, D−74321 Bietigheim−Bissingen, Germany
【Fターム(参考)】