説明

塵芥収集車の消火装置

【課題】塵芥収容箱内に消火用ガスを迅速に消炎濃度に到達させ、一定時間維持できる塵芥収集車の消火装置を提供する。
【解決手段】塵芥収集車1の消火装置10は、消火用ガスが封入された高圧ガス容器11と、消火用ガスを塵芥収容箱2内に放射するガス放射ノズル14を接続する接続配管15上に設けられ、消火用ガスの流入口及び流出口を有する流量調整装置20を備え、流量調整装置20は、本体21と、本体21の内部流路27上に可動に配設され、消火用ガスを大流量で流通させる第1位置、又は消火用ガスを小流量で流通させる第2位置の何れかで停止する弁体24と、弁体24の停止位置を第1及び第2位置の相互間で切り換える切換機構30とを有する。切換機構30は、高圧ガス容器11からの消火用ガスの放出開始時から所定時間までは弁体24を第1位置に停止させ、所定時間後、弁体24の停止位置を第1位置から第2位置へと切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車の塵芥収容箱内で発生した火災の消火又は拡大を抑制するために塵芥収集車に装備される消火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥収集車は、車体に搭載された塵芥収容箱と、塵芥収容箱の後部開口に開閉自在に連結された塵芥投入箱と、塵芥投入箱の内部に装備された塵芥積込装置とを備え、塵芥投入箱に投入された塵芥を塵芥積込装置によって塵芥収容箱内に積み込んで収容するように構成されている。周知のように、塵芥積込装置は、揺動自在な押込板、及び押込板の下方に位置する回転自在な回転板を備えたいわゆる回転式と、昇降自在なパッカープレート、及びパッカープレートの下端部に揺動自在に設けられたプレスプレートを備えたいわゆるプレス式とに大別される。
【0003】
塵芥収集車で収集する塵芥には、紙やプラスチックなどの可燃性廃棄物の他に、ライターや可燃性ガスボンベなどの引火性廃棄物が混入していることがあり、引火性廃棄物が塵芥積込時の圧縮や摩擦等の影響で発火することによって塵芥収容箱内で火災が発生する場合がある。塵芥収容箱内で発生した火災の消火及び拡大抑制の困難性の程度は、火災発生時における塵芥の積込状況によっても左右され、塵芥収容箱内に空き空間があり、十分な空気(酸素)が存在する状況下で火災が発生すると、火災の拡大進行が早く、消火が困難となる。特に、回転式の塵芥積込装置が搭載された塵芥収集車では、塵芥収容箱の塵芥積載率が100%未満のときに塵芥収容箱内の上部に空き空間ができるため、このような事態に陥り易い傾向がある。
【0004】
上記のような塵芥収容箱内で発生した火災の消火又は拡大を抑制するための手段として、下記の特許文献1には、消火用ガス放射式の消火装置(消火燃焼抑制システム)が記載されている。この消火装置は、塵芥収容箱内の後方側の天井部に設置したガス放射ノズルと、車体に搭載した2本の消火用圧力ガス容器とを接続パイプで接続し、特定の1本の消火用圧力ガス容器から供給された消火用ガスをガス放射ノズルから塵芥収容箱内の後部に放射し、当該1本の消火用圧力ガス容器からのガス放射で間に合わない場合においては、予め設定しておいた一定の時間経過と同時に、別の1本の消火用圧力ガス容器から供給された消火用ガスをガス放射ノズルから継続して放射するように構成されたものである。このような消火装置であれば、火災の拡大防止に有効とされる消火用ガスの放射量を比較的長時間に亘って維持することができるので、塵芥収容箱内で発生した火災の拡大を効果的に抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−284194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガス系消火剤を用いて塵芥収容箱内の火災を消火又は抑制する場合、消火用ガスの濃度を塵芥収容箱内の全域に亘って所定の消炎濃度まで出来るだけ迅速に高め、かつ、その消炎濃度を一定時間維持することが重要である。特許文献1に記載された消火装置では、塵芥収容箱内の後方天井部に配置したガス放射ノズルから塵芥収容箱内に消火用ガスを放射する構成にしているが、ガス供給位置である塵芥収容箱の後部は、塵芥投入箱に近く機密性が低い。そのため、放射された消火用ガスの一部が塵芥収容箱と塵芥投入箱の隙間から外部に流出して消炎に有効利用されない(消炎濃度を迅速に高め、かつその消炎濃度を一定時間維持し難い)という問題がある。
【0007】
また、消火用ガスが塵芥収容箱内に一定流量で放射され続ける構成となっているため、消火用ガスの濃度が塵芥収容箱内の全域に亘って消炎濃度に達するまでに時間がかかり、特に塵芥収容箱内の前部で発生した火災の消火又は抑制効果が十分でないという問題や、塵芥収容箱内の全域が火災の消火又は抑制に十分に寄与し得るだけの消炎濃度に達しているにもかかわらず、消火用ガスが無駄に放射され続けるという問題(消火用ガスの有効利用が図られないという問題)、などもある。
【0008】
上記のような問題を解消するための手段の一例として、消火用圧力ガス容器とガス放射ノズルとを接続する接続配管上に、ガス放射ノズルからのガス放射量を調整するための流量調整手段を設けることが考えられる。流量調整手段としては、例えば図9に示すように、大流量オリフィスとして機能する第1流量調整弁101と、接続配管102を介して第1流量調整弁101の下流側に接続された切換弁(例えば電磁切換弁)103と、この切換弁103の一方の流出口に接続された第1分岐配管104、および切換弁103の他方の流出口に接続された第2分岐配管105と、第2分岐配管105上に配された小流量オリフィスとして機能する第2流量調整弁106とを組み合わせて構成することができる。しかしながら、このような構成では、部品点数が多く配管作業が複雑化するため、消火装置の高コスト化を招くばかりでなく、消火装置の大型化や重量増を招く。塵芥収集車における消火装置の設置(取り付け)スペースには制約があるため、上記構成の流量調整手段には改良の余地がある。
【0009】
この他、塵芥収容箱内で発生した火災の消火又は拡大抑制を図るための手段として、例えば、より高容量の消火用圧力ガス容器を搭載したり、消火用圧力ガス容器の搭載本数を増大したりすることが考えられる。しかしながら、係る構成を採用すると消火装置の更なる大型化や重量増を招く。
【0010】
以上の実情に鑑み、本発明は、コンパクトで、かつコスト増を抑制し得る簡便な構成でありながら、塵芥収容箱内の全域に亘って消火用ガスの濃度を迅速に消炎濃度に到達させることができ、しかもその状態を一定時間維持することができる塵芥収集車の消火装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために創案された本発明は、塵芥収容箱と、塵芥収容箱の後部に開閉自在に連結された塵芥投入箱と、塵芥投入箱の内部に装備された塵芥積込装置とを備えた塵芥収集車の消火装置であって、消火用ガスが高圧で封入された高圧ガス容器と、高圧ガス容器から放出された消火用ガスを塵芥収容箱内の前方上部に放射するガス放射ノズルと、高圧ガス容器とガス放射ノズルを接続する接続配管上に設けられ、消火用ガスの流入口及び流出口を一つずつ有する流量調整装置とを備え、流量調整装置は、本体と、本体の内部流路上に可動に配設され、消火用ガスを相対的に大流量で流通させる第1位置、又は消火用ガスを相対的に小流量で流通させる第2位置の何れかで停止する弁体と、弁体の停止位置を第1位置と第2位置の相互間で切り換える切換機構とを有し、切換機構は、高圧ガス容器からの消火用ガスの放出開始時から所定時間までは弁体を第1位置に停止させ、所定時間に達した時点で、弁体の停止位置を第1位置から第2位置へと切り換えるように構成されていることを特徴とする。ここで、消火用ガスとしては、二酸化炭素ガス、あるいは、二酸化炭素ガスと同様に液体として充填されるその他の消火用ガス、例えば、HFC23、HFC227ea、FC3110、又はこれらを適当な割合で混合した混合ガス等を用いることができる。
【0012】
上記のように、消火用ガスを塵芥収容箱内の前方上部に放射する構成としたことにより、気密性の低い後方上部空間に消火用ガスを放射する場合に比べ、消火用ガスの外部流出量を少なくすることができるので、放射された消火用ガスを消炎に有効利用することができる。また、高圧ガス容器からの消火用ガス放出開始時から所定時間(説明の便宜上、以下これを「所定時間t1」ともいう)までは消火用ガスを相対的に大流量で塵芥収容箱内に放射し、所定時間t1に達した以降は、消火用ガスを相対的に小流量で塵芥収容箱内に放射する構成とされているため、消炎濃度を所定値まで迅速に高めることができ、しかも消炎濃度が所定値にまで高まった後には、消火用ガスを無駄に消費することなく、所定の消炎濃度を一定時間維持することができる。これにより、高圧ガス容器として大容量のものを使用したり、高圧ガス容器の搭載本数を増加させたりすることなく、比較的少ない消火用ガス使用量で、火災を効果的に消火し、又は火災の拡大進行を効果的に抑制することができる。
【0013】
また、上記の機能を奏する流量調整装置には流入口及び流出口が一つずつ設けられるに過ぎないことから、消火装置における配管作業の複雑化を招くことがない。また、実質的な消火用ガスの流量は、流量調整装置の本体と、この本体の内部流路上に可動に配設された弁体との相対的な位置関係で調整されることから、流量調整装置のコンパクト化や低コスト化を容易に達成することができる。従って、本発明によれば、コンパクトで、かつコスト増を抑制し得る簡便な構成でありながら、塵芥収容箱内の全域に亘って消火用ガスの濃度を迅速に消炎濃度に到達させることができ、しかもその状態を一定時間維持することができる塵芥収集車の消火装置を提供することができる。
【0014】
ところで、高圧ガス容器に高圧で封入されている消火用ガスは、容器内に十分量残存している状態では液体であるが、消火用ガスが放出されるのに伴って容器内の圧力が低下し、これが所定値を下回ると液体から気体に遷移する。本願発明者らの検証によれば、消火用ガスとして二酸化炭素ガスを用いた場合、図8に示すように、ガス容器内に残存する消火用ガスの重量が、当初封入量の20〜30%程度になった時点でガス容器内の消火用ガスが液体から気体へと遷移する。ガス容器から放出される消火用ガスは、液体から気体に遷移した後においてもノズルから放射され続けるが、気体の密度は液体のそれに比べて遥かに小さい。そのため、ガス容器から放出された消火用ガスが気体に遷移した後における単位時間当たりのガス放射量は、ガス容器内に十分量の消火用ガスが残存している場合のそれに比べて少なく、ノズルから放射される消火用ガスが火災の消火又拡大抑制に有効に寄与しないという問題がある。
【0015】
このような問題は、上記構成の消火装置において、切換機構を、上記の所定時間t1からさらに所定時間(以下、これを「所定時間t2」ともいう)経過した時点で、弁体の停止位置を第2位置から第1位置へと切り換えるように構成しておくことで解消することができる。すなわち、このようにしておけば、高圧ガス容器からの消火用ガスの放出が進行し、高圧ガス容器内の消火用ガス(高圧ガス容器から放出された消火用ガス)が液体から気体へと遷移したときにも、消火用ガスの流通量、ひいてはノズルからの消火用ガスの放射量を再度増大させることができる。これにより、所定の消炎濃度を一層長時間維持することができるので、火災の消火、又は火災の拡大抑制に有効となる。さらに言えば、高圧ガス容器内のガス残量が少なくなった場合、ひいてはガス残量がほぼゼロになるまで、高圧ガス容器から放出される消火用ガスを火災の消火等に有効利用することができる。
【0016】
上記構成において、切換機構(流量調整装置)は、本体と弁体との間に圧縮状態で介設した弾性部材が伸長状態から圧縮変形するのに伴って、弁体を第1位置から第2位置に向けて移動させるものとすることができる。逆を言えば、切換機構は、弾性部材が圧縮状態から伸長変形するのに伴って、弁体を第2位置から第1位置に向けて移動させるものとすることができる。このように、切換機構を、弾性部材の弾性復元力によって弁体を一方向移動させる構成とすることにより、切換機構の構造を簡素化して消火装置のコスト低減を図ることができる。
【0017】
この場合、切換機構は、弁体に、弾性部材を圧縮変形させる方向の加圧力を(間接的に)付与するアクチュエータと、アクチュエータと弁体との間に配設されて弁体を直接的に加圧する中間部材と、を備えるものとすることができる。このような構成とすれば、中間部材の形状や配置態様を適宜調整することにより、弁体(弾性部材の伸縮方向)に対するアクチュエータの配置態様を任意に設定することができるので、流量調整装置の設計自由度を高めることができる。アクチュエータとしては、プッシュプルソレノイド、ロータリーソレノイド、電動シリンダ、油圧シリンダ、空圧シリンダなどを使用することができる。
【0018】
以上の構成において、弁体に小径絞り孔が設けられると共に、本体のうち、小径絞り孔よりも上流側に大径絞り孔が設けられ、弁体が第1位置に停止した状態では、大径絞り孔および小径絞り孔のうち、大径絞り孔のみを介して流入口と流出口とが連通することで消火用ガスが相対的に大流量で流通し、弁体が第2位置に停止した状態では、大径絞り孔および小径絞り孔の双方を介して流入口と流出口とが連通することで消火用ガスが相対的に小流量で流通する構成とすることができる。
【0019】
また、以上の構成において、流量調整装置は、流入口に配設されたフィルタ部材をさらに備えるものとしても良い。このような構成によれば、本体に設けた大径絞り孔や弁体に設けた小径絞り孔などが目詰まりするのを可及的に防止することができるので、消火装置の信頼性を高めることができる。
【0020】
また、以上の構成において、切換時間設定器をさらに備え、この切換時間設定器で設定した切換設定時間に達した時点で切換機構が作動し、弁体の停止位置を切り換えるように構成しても良い。すなわち、弁体の停止位置を第1位置から第2位置へ切り換えるための時間設定(所定時間t1のカウント)、さらには、弁体の停止位置を第2位置から第1位置へ切り換えるための時間設定(所定時間t2のカウント)を、別途設けた切換時間設定器で制御(カウント)するように構成することもできる。
【0021】
本発明は、揺動自在な押込板と、押込板の下方に位置する回転自在な回転板とを備えた回転式塵芥積込装置を備えた塵芥収集車の消火装置に好適である。
【発明の効果】
【0022】
以上に示すように、本発明によれば、コンパクトで、かつコスト増を抑制し得る簡便な構成でありながら、塵芥収容箱内の全域に亘って消火用ガスの濃度を迅速に消炎濃度に到達させることができ、しかもその状態を一定時間維持することができる塵芥収集車の消火装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る消火装置を装備した塵芥収集車の要部を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す流量調整装置の全体構造を示す拡大断面図であって、初期状態の流量調整装置、すなわち弁体が第1位置に停止した状態を示す図である。
【図3】図2に示す流量調整装置において、弁体の停止位置が第1位置から第2位置に切り換わった状態を示す図である。
【図4】図2の要部拡大断面図である。
【図5】図3の要部拡大断面図である。
【図6】弁体の正面図である。
【図7】(a)〜(c)図共に、シミュレーション結果を示す図である。
【図8】ガス容器から放出される消火用ガスの設定流量と実測流量を示す図である。
【図9】従来の流量調整手段の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に、本発明の実施の形態に係る消火装置10を装備した塵芥収集車1の要部を模式的に示す。同図に示す塵芥収集車1は、図示しない車体の後部側に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後部に開閉自在に連結された塵芥投入箱3と、塵芥投入箱3の内部に装備され、塵芥収容箱3に投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込むための図示外の塵芥積込装置とを備える。塵芥積込装置は、揺動自在な押込板と、この押込板の下方に位置する回転自在な回転板とを備えた回転式塵芥積込装置である。
【0026】
消火装置10は、塵芥収容箱2内で発生した火災の消火又は拡大防止を図るべく装備されているものであり、消火用ガスとしての二酸化炭素ガスが高圧で封入された高圧ガス容器11と、高圧ガス容器11の開放装置12と、開放装置12の作動を制御する制御盤13と、高圧ガス容器11から放出された消火用ガスを塵芥収容箱2内に放射するガス放射ノズル14と、高圧ガス容器11とガス放射ノズル14を接続する接続配管15上に設けられた流量調整装置20と、切換時間設定器16とを主要部として構成される。ガス放射ノズル14は、塵芥収容箱2の前方上部に取り付けられている。
【0027】
この消火装置10は、次のように動作する。例えば作業者が塵芥収容箱2内での火災発生を検知し、制御盤13の起動ボタンを押すと、開放装置12に起動信号が入力されて開放装置12が作動する。これにより、高圧ガス容器11が開放されて高圧ガス容器11から二酸化炭素ガスが放出され、放出された二酸化炭素ガスは、接続配管15(流量調整装置20の上流側の第1接続配管15A)を流通して流量調整装置20に流入する。流量調整装置20内に流入した二酸化炭素ガスは、流量調整されたうえで第2接続配管15Bに吐出され、その後ガス放射ノズル14から塵芥収容箱2内に放射される。
【0028】
以下、流量調整装置20の構成について図2〜図6を参照しながら詳述する。なお、以下の説明においては方向性を示すために「上流側」及び「下流側」なる語句を使用する。「上流側」とは相対的に高圧ガス容器11に近接した側をいい、「下流側」とは相対的にガス放射ノズル14に近接した側をいう。
【0029】
流量調整装置20は、二酸化炭素ガスGの流入口20a及び流出口20bをそれぞれ一つずつ有するものであって、ベース部材29と、本体21と、本体21の内部流路27上に可動に配設され、(消火装置10の作動時には)第1位置又は第2位置の何れかの位置で停止する弁体24と、弁体24の停止位置を第1位置と第2位置の相互間で切り換えるための切換機構30とを主要部として備えている。
【0030】
本体21は、第1本体22と第2本体23とを組み合わせて構成される。第1本体22は中実の六面体状をなしてベース部材29に固定されており、六面のうちの三面には、相互に連通した孔部22a〜22cが一つずつ開口している。孔部22a,22bには、それぞれ、第1接続配管15Aおよび第2本体23が嵌合固定されており、孔部22cには弁体24の軸部24aがスライド自在に嵌入されている。孔部22aは流入口20aとしても機能し、内周にフィルタ部材26が配置されている。フィルタ部材26は、孔部22a(流入口20a)の下流側に設けられた大径絞り孔A1の目詰まりを防止するために設けられたものであり、例えば金属やセラミックス等の多孔質材料で形成することができる。一方、第2本体23は、流出口20bとしても機能する孔部23aを有する略円筒状に形成され、孔部23aには第2接続配管15Bが嵌合固定されている。
【0031】
弁体24は、第1本体22の孔部22cにスライド自在に嵌入された軸部24aと、軸部24aよりも大径に形成された頭部24bとを一体に有し、軸部24aの反頭部24b側の一端は第1本体22の外部に常時突出している。軸部24aの外周にはOリング等のシール部材が固定されている。頭部24bには、本体21(第1本体22)の大径絞り孔A1よりも小径に形成されて(当該弁体24の)軸方向に延びた小径絞り孔A2と、(当該弁体24の)径方向に延びた一又は複数の径方向孔24cとが設けられている。本実施形態では、図6に示すように、径方向孔24cは、頭部24bの外周面の周方向4箇所に等間隔で開口するように4本設けられており、各径方向孔24cの合流部に小径絞り孔A2の一端部が開口している。小径絞り孔A2の他端部は、頭部24bの先端面(第2本体23に近接する側の端面)に開口している。
【0032】
弁体24と本体21との間、より詳しくは、弁体24の頭部24bに設けられたフランジ部24dと第2本体23の内側端面との間には、例えば圧縮コイルバネからなる弾性部材25が圧縮状態で介設されている。これにより、弁体24は、第2本体23から離反する側に常時付勢されている。
【0033】
この流量調整装置20では、弁体24の停止位置に応じて二酸化炭素ガスGの流通量が二段階で切り換えられる。詳しくは、弁体24が第1位置で停止した状態では、二酸化炭素ガスGが相対的に大流量で流通する一方、弁体24第2位置で停止した状態では、二酸化炭素ガスGが相対的に小流量で流通する。
【0034】
本実施形態において、弾性部材25が伸長状態にあり、弁体24の頭部24b(フランジ部24d)が第1本体22と当接することによって停止した状態(図2および図4)では、大径絞り孔A1と、その下流側に設けられた小径絞り孔A2とのうち、大径絞り孔A1のみ(厳密には、大径絞り孔A1と内部流路27)を介して流入口20aと流出口20bとが連通し、二酸化炭素ガスGが相対的に大流量で流通するように構成されている。すなわち、弁体24の頭部24bが第1本体22と当接する位置が、第1位置に相当する。一方、弾性部材25が圧縮状態にあり、弁体24の頭部24bが第2本体23と当接することによって停止した状態(図3および図5)では、大径絞り孔A1および小径絞り孔A2の双方(厳密には、大径絞り孔A1、内部流路27および小径絞り孔A2)を介して流入口20aと流出口20bとが連通し、二酸化炭素ガスGが相対的に小流量で流通するように構成されている。すなわち、弁体24の頭部24bが第2本体23と当接する位置が、第2位置に相当する。
【0035】
弁体24の停止位置を第1位置と第2位置の相互間で切り換えるための切換機構30は、主に、上記した弾性部材25と、弁体24に弾性部材25を圧縮変形させる方向の加圧力を付与するアクチュエータ31と、アクチュエータ31と弁体24との間に配設されて弁体24を直接的に加圧する中間部材41とで構成される。
【0036】
本実施形態において、アクチュエータ31は、電磁アクチュエータの一種であるいわゆるプッシュプルソレノイドであり、ケーシングやコイルなどからなり、ベース部材29に固定された静止側33と、プランジャやシャフトなどからなり、制御盤13(図1参照)から出力される信号の入力有無に応じて静止側33に対する相対位置が切り換えられる可動側32とで主要部が構成される。ここでは、可動側32に信号が未入力の状態(ソレノイドOFF時:図2を参照)では可動側32と静止側33とが相対的に離反した位置にあり、可動側32に信号が入力されると(ソレノイドON時:図3を参照)、可動側32が軸方向移動して可動側32と静止側33とが相対的に接近した接近位置に切り換わる。以降、可動側32に信号が入力されている間、可動側32と静止側33とは接近位置で保持される。なお、本実施形態では、可動側32は、弾性部材25の伸縮方向(弁体24の作動方向)と平行に配置されている。
【0037】
中間部材41は、ベース部材29に固定された固定支軸42回りに回転可能に設けられており、弁体24が第1位置に停止した状態では、長手方向一端部41aが弁体24の軸部24aの軸端に近接配置されると共に、長手方向他端部41bがアクチュエータ31の可動側32に近接配置されている。すなわち、弁体24(弾性部材25)と、当該中間部材41と、アクチュエータ31とは略コの字状に配置されている。
【0038】
図2に示す、弁体24が第1位置にある状態において、アクチュエータ31の可動側32に制御盤13から出力された信号が入力され、可動側32が静止側33に対して接近移動すると、可動側32の先端部で中間部材41の長手方向他端部41bが加圧され、中間部材41は固定支軸42を中心に反時計回りに回転する。これに伴って、弁体24が中間部材41の長手方向一端部41aで直接的に加圧され、弾性部材25が伸長状態から圧縮変形する。可動側32が前進限に到達するのと同時に、弁体24の第1位置から第2位置への移動が完了する(図3)。一方、弁体24が第2位置にある状態において、可動側32への信号の入力が停止されると、可動側32が静止側33に対して離反移動し、中間部材41を介して弁体24に付加されていた弾性部材25を圧縮変形させる方向の加圧力が開放される。これに伴って、弾性部材25は、その弾性復元力によって圧縮状態から伸長変形し、弁体24が第2位置から第1位置へと移動する。
【0039】
ところで、本実施形態では、図2に示すように、中間部材41の回転中心Xから中間部材41と弁体24の接触点X1までの距離L1と、中間部材41の回転中心Xから中間部材41とアクチュエータ31の接触点X2までの距離L2とを異ならせており、具体的には、L1:L2=1:2としている。これにより倍力機構が構成され、加圧力が小さい小型のアクチュエータを使用可能となって、流量調整装置20のコンパクト化および低コスト化が図られる。なお、もちろん、L1:L2=1:1としても構わない。
【0040】
以上の構成からなる流量調整装置20においては、消火装置10の起動開始時(高圧ガス容器11からの二酸化炭素ガスGの放出開始時)から所定時間t1までは弁体24が第1位置に停止して二酸化炭素ガスGを相対的に大流量で流通させ、二酸化炭素ガスGを相対的に大流量で塵芥収容箱2内に放射するように構成されている。また、上記の所定時間t1に達した時点で、弁体24の停止位置が第1位置から第2位置に切り換えられ、二酸化炭素ガスGを相対的に小流量で流通させ、二酸化炭素ガスGを相対的に小流量で塵芥収容箱2内に放射するように構成されている。弁体24の停止位置は、上記のとおり、切換機構30を構成するアクチュエータ31の可動側32に向けて制御盤13から信号が出力されるか否かで切り換えられ、制御盤13からの信号の出力タイミング(出力又は出力停止の切換)は、図1に示す切換時間設定器16によって制御される。すなわち、切換時間設定器16には上記の所定時間t1が予め設定されており、切換時間設定器16が消火装置10の起動開始時からの経過時間が上記の所定時間t1に達したことを検知(判断)すると、制御盤13から信号が出力され、切換機構30を構成するアクチュエータ31の可動側32に入力されるようになっている。
【0041】
なお、切換時間設定器16にて設定される上記の所定時間t1は、塵芥の積載量や塵芥収容箱2の内部温度に応じて任意に設定することができる。従って、火災の規模等に応じて二酸化炭素ガスG放射量の切換タイミングを任意に設定することができ、火災を消火することが、又は火災の拡大を効果的に抑制することができる。
【0042】
以上で説明したように、本発明に係る消火装置10は、消火用ガスとしての二酸化炭素ガスGを塵芥収容箱2内の前方上部に放射する構成とされている。これにより、気密性の低い後方上部空間に二酸化炭素ガスGを放射する場合に比べ、二酸化炭素ガスGの外部流出量を少なくすることができるので、放射された二酸化炭素ガスGを消炎に有効利用することができる。また、高圧ガス容器11からの二酸化炭素ガスG放出開始時から所定時間t1までは二酸化炭素ガスGを相対的に大流量で塵芥収容箱2内に放射し、所定時間t1に達した以降は、二酸化炭素ガスGを相対的に小流量で塵芥収容箱2内に放射する構成とされているため、消炎濃度を所定値まで迅速に高めることができ、しかも消炎濃度が所定値にまで高まった後には、二酸化炭素ガスGを無駄に消費することなく、所定の消炎濃度を一定時間維持することができる。これにより、高圧ガス容器11として大容量のものを使用したり、高圧ガス容器11の搭載本数を増加させたりすることなく、比較的少ないガス使用量で、火災を消火し、又は火災の拡大進行を効果的に抑制することができる。
【0043】
また、上記の機能を奏する流量調整装置20には流入口20a及び流出口20bが一つずつ設けられるに過ぎないことから、消火装置10における配管作業の複雑化を招くことがない。また、二酸化炭素ガスGの流量は、流量調整装置20の本体21と、この本体21の内部流路27上に可動に配設された弁体27との相対的な位置関係で調整されることから、図9に示す構成に比べて流量調整装置20のコンパクト化や低コスト化を容易に達成することができる。従って、本発明によれば、コンパクトで、かつコスト増を抑制し得る簡便な構成でありながら、塵芥収容箱2内の全域に亘って二酸化炭素ガスGの濃度を迅速に消炎濃度に到達させることができ、しかもその状態を一定時間維持することができる消火装置10を提供することができる。
【0044】
上記の流量調整装置20においては、上記の所定時間t1からさらに所定時間t2経過した時点で、弁体24の停止位置が第2位置から第1位置へと切り換わるように構成することもできる。この停止位置の切り換えも、切換時間設定器16で制御盤13からの信号の出力タイミングを制御することによって容易に実行することができる。
【0045】
このような構成としておくことにより、高圧ガス容器11からの二酸化炭素ガスGの放出が進行し、高圧ガス容器11内の二酸化炭素ガスG(高圧ガス容器11から放出された二酸化炭素ガスG)が液体から気体へと遷移したときにも、二酸化炭素ガスGの流通量、ひいては塵芥収容箱2内へのガス放射量を再度増大させることができる。これにより、所定の消炎濃度を一層長時間維持することができるので、火災の消火、又は火災の拡大抑制に有効となる。さらに言えば、高圧ガス容器11内のガス残量が少なくなった場合、ひいてはガス残量がほぼゼロになるまで、高圧ガス容器11から放出される二酸化炭素ガスGを火災の消火等に有効利用することができる。
【0046】
本発明の実施の形態は上記構成に限定されず、流量調整装置20には種々の変更を施すことが可能である。例えば、以上に示した実施形態では、切換機構30を構成し、弁体24に弾性部材25を圧縮変形させる方向の加圧力を付与するするアクチュエータ31として、いわゆるプッシュプルソレノイドを用いたが、アクチュエータ31としては、ロータリーソレノイド、電動シリンダ、油圧シリンダ、空圧シリンダなどを用いることもできる。また、以上に示した実施形態では、中間部材41を介して弁体24に弾性部材25を圧縮変形させる方向の加圧力を付与することにより、弁体24の停止位置を第1位置から第2位置へと切り換えるようにしたが、中間部材41を廃し、アクチュエータ31で直接弁体24に加圧力を付与することにより、弁体24の停止位置を第1位置から第2位置へと切り換えるようにしても良い。
【0047】
また、以上では、弁体24の停止位置を第1位置から第2位置、さらには第2位置から第1位置に切り換える場合についてのみ説明を行ったが、流量調整装置20の構成上、弁体24の停止位置の切り換えは何度でも(繰り返し)実行することができる。
【実施例】
【0048】
実験によると、n−ヘプタンに対する二酸化炭素ガスの消炎濃度は22%であり、塵芥収容箱内で発生した火災を消火し又はその拡大を抑制するためには、二酸化炭素ガスの濃度を塵芥収容箱内の全域に亘って消炎濃度22%までできるだけ迅速に高め、かつ、消炎濃度22%以上の濃度を一定時間維持することが重要である。
【0049】
図7(a)〜(c)は、ガス放射ノズルの設置位置と二酸化炭素ガスの放射態様によって、ガス放射開始時から所定時間経過した後における塵芥収容箱内の二酸化炭素ガス濃度分布がどのようになるかをシミュレーションした結果を示している。シミュレーション結果は、塵芥収容箱の内部空間をその前後方向で5つの領域に分割し、各領域の二酸化炭素濃度を数値で示すと共に、濃度に応じた濃淡(ここでは、黒点の密度)で表示している。
【0050】
図7(c)は、ガス放射ノズルを塵芥収容箱内の後方上部に設置し、このガス放射ノズルから流量一定で下向きに二酸化炭素ガスを放射する場合のシミュレーション結果であり、ガス放射ノズルの設置位置と二酸化炭素ガスの放射態様は上記した特許文献1と同様である。この場合、同図に示すように、放射開始から600秒経過しても、塵芥収容箱内の前方領域の二酸化炭素濃度は依然として消炎濃度22%に到達せず、前方領域での火災に対する消火又は抑制効果が小さいことがわかる。
【0051】
図7(b)は、ガス放射ノズルを塵芥収容箱内の前方上部に設置し、このガス放射ノズルから流量一定で下向きに二酸化炭素ガスを放射する場合のシミュレーション結果である。同図に示すように、塵芥収容箱内の全域の二酸化炭素濃度が消炎濃度22%に到達した時間が放射開始から230秒であり、図7(c)に示す従来構成に比べればかなり改善されたものの、消炎濃度22%に到達する時間が、ガス系消火装置の目安である消炎濃度到達1分以内に比較すると依然としてかなり長く、改善の余地がある。
【0052】
図7(a)は、ガス放射ノズルを塵芥収容箱内の前方上部に設置し、ガス放射ノズルから大流量と小流量の二段切り換えで下向きに二酸化炭素ガスを放射する場合のシミュレーション結果である。詳しくは、高圧ガス容器に封入された二酸化炭素ガス量を100%としたとき、そのうちの50%を1分間で放射し(大流量放射)、残りの50%をその後の9分間に亘って均一に放射する(小流量放射)。この場合、同図に示すように、塵芥収容箱内の全域の二酸化炭素濃度が消炎濃度22%に到達した時間が放射開始から40秒であり、図7(b)に示す構成に比べても大幅に改善され、消炎濃度22%に到達する時間が、ガス系消火装置の目安である消炎濃度到達1分以内を十分に達成できる。また、二酸化炭素ガスの濃度が消炎濃度22%に到達した後も、消炎濃度22%以上の濃度を放射終了時まで維持することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
10 消火装置
11 高圧ガス容器
14 ガス放射ノズル
15 接続配管
16 切換時間設定器
20 流量調整装置
20a 流入口
20b 流出口
21 本体
24 弁体
25 弾性部材
27 内部流路
30 切換機構
31 アクチュエータ
41 中間部材
A1 大径絞り孔
A2 小径絞り孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱と、該塵芥収容箱の後部に開閉自在に連結された塵芥投入箱と、該塵芥投入箱の内部に装備された塵芥積込装置とを備えた塵芥収集車の消火装置であって、
消火用ガスが高圧で封入された高圧ガス容器と、該高圧ガス容器から放出された消火用ガスを前記塵芥収容箱内の前方上部に放射するガス放射ノズルと、前記高圧ガス容器と前記ガス放射ノズルを接続する接続配管上に設けられ、消火用ガスの流入口及び流出口を一つずつ有する流量調整装置とを備え、
前記流量調整装置は、本体と、該本体の内部流路上に可動に配設され、消火用ガスを相対的に大流量で流通させる第1位置、又は消火用ガスを相対的に小流量で流通させる第2位置の何れかで停止する弁体と、該弁体の停止位置を前記第1位置と前記第2位置の相互間で切り換える切換機構とを有し、
前記切換機構は、前記高圧ガス容器からの消火用ガスの放出開始時から所定時間までは前記弁体を前記第1位置に停止させ、前記所定時間に達した時点で、前記弁体の停止位置を前記第1位置から前記第2位置へと切り換えるように構成されていることを特徴とする塵芥収集車の消火装置。
【請求項2】
前記切換機構は、前記所定時間からさらに所定時間経過した時点で、前記弁体の停止位置を前記第2位置から前記第1位置へと切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車の消火装置。
【請求項3】
前記切換機構は、前記本体と前記弁体との間に圧縮状態で介設した弾性部材が伸長状態から圧縮変形するのに伴って、前記弁体を前記第1位置から前記第2位置に向けて移動させるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塵芥収集車の消火装置。
【請求項4】
前記切換機構は、前記弁体に前記弾性部材を圧縮変形させる方向の加圧力を付与するアクチュエータと、該アクチュエータと前記弁体との間に配設されて前記弁体を直接的に加圧する中間部材と、を備える請求項3に記載の塵芥収集車の消火装置。
【請求項5】
前記弁体に小径絞り孔が設けられると共に、前記本体のうち、前記小径絞り孔よりも上流側に大径絞り孔が設けられ、
前記弁体が前記第1位置に停止した状態では、前記大径絞り孔および前記小径絞り孔のうち、前記大径絞り孔のみを介して前記流入口と前記流出口とが連通することで消火用ガスが相対的に大流量で流通し、
前記弁体が前記第2位置に停止した状態では、前記大径絞り孔および前記小径絞り孔の双方を介して前記流入口と前記流出口とが連通することで消火用ガスが相対的に小流量で流通することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の塵芥収集車の消火装置。
【請求項6】
前記流量調整装置は、前記流入口に配設されたフィルタ部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の塵芥収集車の消火装置。
【請求項7】
前記塵芥積込装置は、揺動自在な押込板と、該押込板の下方に位置する回転自在な回転板とを備えた回転式塵芥積込装置であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の塵芥収集車の消火装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−116654(P2012−116654A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270475(P2010−270475)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000192073)株式会社モリタホールディングス (80)
【Fターム(参考)】