説明

増列方法および装置

【課題】装置全体が大型化することを防止する。
【解決手段】増列装置10は、プロセスチーズXA1を搬送するベルトコンベア11と、上流でプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるようにガイドする四つの上流路12を幅方向に並ぶように形成する上流路形成ユニット13と、下流でプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるようにガイドする下流路14を、上流路12の各々に対して幅方向に並ぶように二つずつ形成する下流路形成ユニット15と、上流路12および下流路14の間でプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるように収容する収容部材17を幅方向に平行移動可能に上流路12の数と同じ四つ有してなり、収容部材17に収容されたプロセスチーズXA1を、当該収容部材17を幅方向に平行移動させることで上流路12に対応する二つの下流路14のいずれかに振り分ける振分けユニット18と、等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列で搬送される複数の物品を複数の列に振り分ける増列方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセスチーズを包装する包装ラインでは、アルミホイルで個包装された複数のプロセスチーズが集積され、台紙と共にプラスチックの袋でまとめて包装される(例えば、特許文献1参照)。その過程において、例えば4列で搬送されるプロセスチーズが振り分けられて8列に増列される。そして、その8列のプロセスチーズの中から、状態の整った4列のプロセスチーズが順次次の工程に流される。これにより、前の工程から各列でプロセスチーズが均等に流れてこない場合や、プロセスチーズが人手で補充される場合であっても、次の工程にプロセスチーズを各列で均等に流せる。
【0003】
プロセスチーズを振り分ける増列装置として、特許文献2に記載されたビンやペットボトルの増列装置が応用できる。この増列装置は、ベルトコンベアを基礎とした装置であり、物品を一列で搬送する搬入部と、この搬入部の下流で物品を複数の列で搬送する配列部と、搬入部から配列部に物品を導入する導入ガイド部材と、を備えている。導入ガイド部材は、搬入部側を支点として揺動し、物品を配列部の各列に振り分ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−173303号公報(図1参照)
【特許文献2】特許第3529957号公報(図7参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
導入ガイド部材を揺動させて物品を振り分ける増列装置では、導入ガイド部材が揺動する角度を小さくして、搬送方向に対する流れの角度を小さくし、物品を滑らかに流すことが望まれる。このようにする場合、導入ガイド部材の長さが長くなり、装置全体が大型化する問題がある。このような問題は、プロセスチーズを振り分ける上記増列装置に限られず、その他の食品や日用品等の各種物品を振り分ける増列装置に共通して存在する。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、装置全体が大型化することを防止した増列方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、走行する搬送面を有してなり、前記搬送面に載置された複数の物品を搬送する搬送ユニットと、前記搬送面における上流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドする上流路を一つまたは幅方向に並ぶように複数形成する上流路形成ユニットと、前記搬送面における下流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドする下流路を、前記上流路の各々に対して幅方向に並ぶように二つずつ形成する下流路形成ユニットと、前記上流路および前記下流路の間に配置されており、前記上流路にガイドされる前記複数の物品を受け入れて、該上流路に対応する二つの前記下流路のいずれかに振り分ける振分けユニットと、前記振分けユニットを動作させて、前記複数の物品を振り分けさせる振分け制御を実行する制御ユニットと、を備え、前記振分けユニットは、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容する収容部材と、前記収容部材を幅方向に平行移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする、増列装置である。
【0008】
本発明によれば、上流路にガイドされて収容部材に収容された複数の物品を、収容部材を幅方向に平行移動させることで上流路に対応された二つの下流路のいずれかに振り分けるので、搬送方向に対する流れの角度をなくし、すなわち、搬送方向に対して物品の流れを平行にし、物品を滑らかに流せる。また、収容部材を揺動させることもないので、収容部材の長さが長くなって装置全体が大型化したり複雑化したりすることはない。
【0009】
(2)本発明はまた、前記収容部材は、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容する第一および第二の収容部を幅方向に並ぶように有してなり、前記第一の収容部が前記上流路に連続して前記複数の物品を収容可能にすると共に前記第二の収容部が前記下流路に連続して該下流路に前記複数の物品を搬送可能にする第一の位置、および前記第二の収容部が前記上流路に連続して前記複数の物品を収容可能にすると共に前記第一の収容部が前記下流路に連続して該下流路に前記複数の物品を搬送可能にする第二の位置の間で幅方向に平行移動することを特徴とする、上記(1)に記載の増列装置である。
【0010】
上記発明によれば、収容部材における第一および第二の収容部の一方が上流路に連続して物品の収容が可能になる場合、その他方が下流路に連続して当該下流路に物品の搬送が可能になる。すなわち、収容部材への物品の収容と、収容部材からの物品の搬送と、を同時にできるので、時間のロスが少なく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記上流路形成ユニットおよび前記振分けユニットの間に配置されており、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドするバッファ路、および前記バッファ路にガイドされる少なくとも最下流の前記物品を幅方向に押圧して前記複数の物品を前記バッファ路内に停止させる押付け部材、を有してなる供給停止ユニットを備え、前記制御ユニットは、前記振分け制御を実行する前に、前記供給停止ユニットを動作させて、前記物品を前記バッファ路内に停止させる供給停止制御を実行することを特徴とする、上記(2)に記載の増列装置である。
【0012】
(4)本発明はまた、前記第一または第二の収容部への前記複数の物品の収容が完了したことを検知して収容完了信号を出力する収容完了検知手段と、前記第一または第二の収容部から前記下流路への前記複数の物品の搬送が完了したことを検知して搬送完了信号を出力する搬送完了検知手段と、を備え、前記制御ユニットは、前記収容完了検知手段の前記収容完了信号を受けた後に、前記供給停止制御を実行すると共に、前記搬送完了検知手段の前記搬送完了信号を受けた後で、かつ前記供給停止制御を実行した後に、前記振分け制御を実行することを特徴とする、上記(3)に記載の増列装置である。
【0013】
上記(2)または(3)に記載の発明によれば、物品の収容部材への供給を停止させてから、収容部材を幅方向に平行移動させて、収容部材に収容されている複数の物品を下流路に振り分けるので、収容部材を幅方向に平行移動させる際に、上流の物品から、収容部材に収容されている複数の物品に掛かる力を軽減できる。これにより、収容部材に収容されている複数の物品が、上流の物品から掛かる力を原因として潰れることを防止できる。
【0014】
(5)本発明はまた、前記振分けユニットおよび前記下流路形成ユニットの間に配置されており、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第一の停止位置で停止させる第一のストッパー、および同物品を前記第一の停止位置よりも下流の第二の停止位置で停止させる第二のストッパー、を有してなるストッパーユニットを備え、前記制御ユニットは、前記供給停止制御を実行した後で、かつ前記振分け制御を実行する前に、前記第一のストッパーを前記第一の停止位置から退避させて、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を、前記第二のストッパーによって前記第二の停止位置で停止させることで、前記収容部材に収容された前記複数の物品を、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離す引離し制御を実行することを特徴とする、上記(4)に記載の増列装置である。
【0015】
(6)本発明はまた、前記ストッパーユニットは、前記第一および第二の停止位置の間で平行移動する可動ストッパーと、前記可動ストッパーを平行移動させる可動機構と、を有してなり、前記可動ストッパーは、前記第一および第二のストッパーとして機能することを特徴とする、上記(5)に記載の増列装置である。
【0016】
上記(5)または(6)に記載の発明によれば、収容部材に収容されている複数の物品を、バッファ路内に停止された物品から引き離してから、収容部材を幅方向に平行移動させて、収容部材に収容されている複数の物品を下流路に振り分けるので、収容部材を幅方向に平行移動させる際に、上流の物品から、収容部材に収容されている複数の物品に掛かる力をなくせる。これにより、収容部材に収容されている複数の物品が、上流の物品との関係で潰れることを防止できる。
【0017】
(7)本発明はまた、前記引離し制御によって、前記収容部材に収容された前記複数の物品が、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離されたことを検知して引離し完了信号を出力する引離し完了検知手段を備え、前記制御ユニットは、前記引離し完了検知手段の前記引離し完了信号を受けた後に、前記振分け制御を実行することを特徴とする、上記(6)に記載の増列装置である。
【0018】
上記発明によれば、収容部材に収容されている複数の物品を、バッファ路内に停止された物品から確実に引き離してから、収容部材を幅方向に平行移動させて、収容部材に収容されている複数の物品を下流路に振り分けるので、収容部材を幅方向に平行移動させる際に、上流の物品から、収容部材に収容されている複数の物品に掛かる力を確実になくせる。これにより、収容部材に収容されている複数の物品が、上流の物品との関係で潰れることを確実に防止できる。
【0019】
(8)本発明はまた、前記制御ユニットは、前記振分け制御を実行した後に、前記供給停止ユニットを動作させて、前記物品の前記収容部材への供給を再開させる供給再開制御を実行することを特徴とする、上記(5)〜(7)のいずれかに記載の増列装置である。
【0020】
上記発明によれば、振分け制御を実行した後で、収容部材に収容されている複数の物品を下流路に振り分けている間に、物品の収容部材への供給を再開できるので、時間のロスがなく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0021】
(9)本発明はまた、前記制御ユニットは、前記供給再開制御を実行する際に、前記第一のストッパーを退避した位置から前記第一の停止位置に復帰させる復帰制御を実行することを特徴とする、上記(8)に記載の増列装置である。
【0022】
上記発明によれば、振分け制御を実行した後で、収容部材に収容されている複数の物品を下流路に振り分けている間に、第一のストッパーを、退避していた位置から第一の停止位置に復帰させられるので、時間のロスがなく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0023】
(10)本発明はまた、前記搬送面は、少なくとも前記収容部材よりも上流の上流側搬送面と、前記上流側搬送面の下流に連続し、前記上流側搬送面と比較して高速で走行して、前記上流側搬送面から搬送される前記複数の物品を引き継いで、互いに間隔を空けて搬送する下流側搬送面と、を備えてなり、前記収容完了検知手段は、前記上流路および前記収容部材の間を通過する前記複数の物品の互いの間隔が検知されなくなったことを条件に前記収容完了信号を出力することを特徴とする、上記(4)〜(9)のいずれかに記載の増列装置である。
【0024】
上記発明によれば、収容部材への複数の物品の収容が完了したことを、簡単な構成で検知できる。
【0025】
(11)本発明はまた、走行する搬送面に載置され、搬送方向に沿った列で搬送される複数の物品を、搬送方向に沿った幅方向に並ぶ二つの列に振り分ける増列方法であって、複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容部材に収容してから、前記収容部材を幅方向に平行移動させて、前記複数の物品を幅方向に並ぶ二つの列に振り分ける振分けステップを実行することを特徴とする、増列方法である。
【0026】
(12)本発明はまた、前記振分けステップを実行する前に、前記収容部材の上流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドするバッファ路において、前記複数の物品を押付け部材で幅方向に押圧して該複数の物品を前記バッファ路内に停止させる供給停止ステップを実行することを特徴とする、上記(11)に記載の増列方法である。
【0027】
(13)本発明はまた、前記供給停止ステップは、前記収容部材への前記複数の物品の収容が完了したことを収容完了検知手段が検知した後に実行し、前記振分けステップは、前記収容部材からの前記複数の物品の搬送が完了したことを搬送完了検知手段が検知した後で、前記供給停止ステップを実行した後に実行することを特徴とする、上記(12)に記載の増列方法である。
【0028】
(14)本発明はまた、前記供給停止ステップを実行した後で、かつ前記振分けステップを実行する前に、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第一の停止位置で停止させる第一のストッパーを、前記第一の停止位置から退避させて、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第二のストッパーによって、前記第一の停止位置よりも下流の第二の停止位置で停止させることで、前記収容部材に収容された前記複数の物品を、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離す引離しステップを実行することを特徴とする、上記(13)に記載の増列方法である。
【0029】
(15)本発明はまた、前記引離しステップは、前記第一および第二のストッパーとして機能する可動ストッパーを、前記第一および第二の停止位置の間で平行移動させることで実行することを特徴とする、上記(14)に記載の増列方法である。
【0030】
(16)本発明はまた、前記振分けステップは、前記引離しステップを実行することによって、前記収容部材に収容された前記複数の物品が、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離されたことを引離し完了検知手段が検知した後に実行することを特徴とする、上記(15)に記載の増列方法である。
【0031】
(17)本発明はまた、前記振分けステップを実行した後に、前記複数の物品を前記押付け部材で幅方向に押圧することをやめて、前記物品の前記収容部材への供給を再開させる供給再開ステップを実行することを特徴とする、上記(14)〜(16)のいずれかに記載の増列方法である。
【0032】
(18)本発明はまた、前記供給再開ステップを実行する際に、前記第一のストッパーを退避した位置から前記第一の停止位置に復帰させる復帰ステップを実行することを特徴とする、上記(17)に記載の増列方法である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の上記(1)〜(10)に記載の増列装置、および上記(11)〜(18)に記載の増列方法によれば、装置全体が大型化したり複雑化したりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る増列装置の上面図である。
【図2】増列装置の側面図である。
【図3】供給停止ユニットを下流側から上流側を視た正面図であり、(A)はプロセスチーズの供給を停止させていない状態を示し、(B)はプロセスチーズの供給を停止させた状態を示す。
【図4】振分けユニットを下流側から上流側を視た正面図であり、(A)は収容部材を第一の位置に位置させた状態を示し、(B)および(C)は収容部材を第二の位置に位置させた状態を示し、(D)は収容部材を第一の位置に位置させた状態を示す。
【図5】供給停止ユニット、振分けユニットおよびストッパーユニットの上面図であり、(A)は可動ストッパーを第一の停止位置に位置させた状態を示し、(B)はプロセスチーズの供給を停止させた状態を示し、(C)は可動ストッパーを第二の停止位置に退避させた状態を示す。
【図6】増列装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は動作開始時を示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図8】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図7(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図9】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図8(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図10】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図9(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図11】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図10(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図12】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図11(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【図13】増列装置の動作を説明する図であり、(A)は図12(B)に示す動作の続きを示し、(B)は(A)に示す動作の続きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の増列装置について詳細に説明する。
【0036】
まず、図1〜図5を用いて増列装置10の構成について説明する。図1は、増列装置10の上面図である。図2は、増列装置10の側面図である。図3は、供給停止ユニット16を下流側から上流側を視た正面図であり、(A)はプロセスチーズXA1の供給を停止させていない状態を示し、(B)はプロセスチーズXA1の供給を停止させた状態を示す。図4は、振分けユニット18を下流側から上流側を視た正面図であり、(A)は収容部材17を第一の位置に位置させた状態を示し、(B)および(C)は収容部材17を第二の位置に位置させた状態を示し、(D)は収容部材を第一の位置に位置させた状態を示す。図5は、供給停止ユニット16、振分けユニット18およびストッパーユニット20の上面図であり、(A)は可動ストッパー35を第一の停止位置に位置させた状態を示し、(B)はプロセスチーズXA1の供給を停止させた状態を示し、(C)は可動ストッパー35を第二の停止位置に退避させた状態を示す。なお、各図において、図面の簡略化のため、一部の構成要件の図示を適宜省略する。
【0037】
図1および図2に示す増列装置10は、アルミホイルで個包装された複数のプロセスチーズXA1(図7等参照)を集積して、台紙と共にプラスチックの袋でまとめて包装するラインに設置される。この増列装置10は、4列で搬送される複数のプロセスチーズXA1を8列に振り分ける。なお、本実施形態では、プロセスチーズXA1を搬送する場合を例に説明するが、本発明の増列装置は、その他の食品や日用品等の物品を振り分けて増列する場合に使用可能である。
【0038】
増列装置10は、搬送ユニットとして機能するベルトコンベア11と、このベルトコンベア11における上流(図1における上方)で一つまたは複数(本実施形態では四つ)の上流路12を形成する上流路形成ユニット13と、ベルトコンベア11における下流(図1における下方)で上流路12の各々に対して二つずつ(本実施形態では合計八つの)下流路14を形成する下流路形成ユニット15と、プロセスチーズXA1の下流への供給を停止させる供給停止ユニット16と、上流路12にガイドされた複数のプロセスチーズXA1を収容する収容部材17を有してなり、プロセスチーズXA1を上流路12に対応された二つの下流路14のいずれかに振り分ける振分けユニット18と、収容部材17に収容されたプロセスチーズXA1が突き当たる突当て面19を有してなるストッパーユニット20と、プロセスチーズXA1の有無を検知して所定の信号を出力する各種センサ21〜24と、これら各種センサ21〜24から出力される信号に基づいて、装置全体の動作を統括的に制御する制御ユニット25と、を備えている。
【0039】
増列装置10の各構成は、上流から下流に向けて、上流路形成ユニット13、供給停止ユニット16、振分けユニット18、ストッパーユニット20、下流路形成ユニット15の順に配置されている。以下、増列装置10の各構成を説明する。
【0040】
ベルトコンベア11は、搬送面26を有してなり、この搬送面26を走行させることで、当該搬送面26に載置された複数のプロセスチーズXA1を搬送する。搬送面26は、供給停止ユニット16よりも上流の上流側搬送面27と、この上流側搬送面27の下流に連続する下流側搬送面28と、を備えている。上流側搬送面27および下流側搬送面28は、各々に設定されている一定の速度で定常的に走行する。下流側搬送面28は、上流側搬送面27と比較して高速で走行して、上流側搬送面27から互いに間隔を空けずに搬送される複数のプロセスチーズXA1を引き継いで、互いに間隔を空けて搬送する(図7(A)および図7(B)参照)。なお、詳しくは後述するが、上流側搬送面27は、少なくとも収容部材17よりも上流に配置されていればよい。
【0041】
上流路12は、搬送面26における上流で複数のプロセスチーズXA1を搬送方向(図1における上方から下方への方向)に沿った列となるようにガイドする。上流路形成ユニット13は、複数の上流路12を幅方向(図1における左右方向)に並ぶように形成する。具体的に、上流路形成ユニット13は、上流路12を形成する複数のレール(符号省略)と、これら複数のレールを互いに連結する連結部材(図示省略)と、を備えている。この連結部材は、搬送面26の上方(図1における手前)側にゲート状に形成され、ベルトコンベア11の土台部分に固定される。
【0042】
下流路14は、搬送面26における下流で複数のプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるようにガイドする。下流路形成ユニット15は、複数の下流路14を幅方向に並ぶように形成する。具体的に、下流路形成ユニット15は、下流路14を形成する複数のレール(符号省略)と、これら複数のレールを互いに連結する連結部材(図示省略)と、を備えている。この連結部材は、搬送面26の上方側にゲート状に形成され、ベルトコンベア11の土台部分に固定される。
【0043】
図3(A)および図3(B)に示すように、供給停止ユニット16は、プロセスチーズXA1をガイドするレール29と、複数のプロセスチーズXA1をレール29に押し付けることで幅方向に挟み込む押付け部材30と、この押付け部材30をレール29に向けて平行移動させるエアシリンダ31と、を備えている。レール29は、押付け部材30と一体となって、複数のプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるようにガイドするバッファ路として機能する。詳しくは後述するが、供給停止ユニット16は、振分けユニット18の状況に応じて、収容部材17の上流でプロセスチーズXA1の幅方向への挟込みを行って当該プロセスチーズXA1をバッファ路内に停止させることで、当該プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を停止させる。なお、押付け部材30は、バッファ路内の全てのプロセスチーズXA1を押し付けられるものに限定されず、バッファ路にガイドされる少なくとも最下流(最も振分けユニット18側)のプロセスチーズXA1を押し付けることができるものであればよい。
【0044】
図1に戻って説明する。振分けユニット18は、収容部材17を上流路12の数と同じ数(本実施形態では四つ)有すると共に、これら複数の収容部材17を幅方向に個別に平行移動させる移動機構として機能する複数(本実施形態では四つ)のエアシリンダ32を有する。各収容部材17は、上流路12および下流路14の間で複数のプロセスチーズXA1を搬送方向に沿った列となるように収容する第一および第二の収容部33,34を幅方向に並ぶように有する。
【0045】
図4(A)〜図4(D)に示すように、収容部材17は、エアシリンダ32によって、第一の位置および第二の位置の間で幅方向に平行移動する。図4(A)、図4(D)および図13(A)等に示すように、収容部材17が第一の位置に移動することで、第一の収容部33が上流路12に連続して複数のプロセスチーズXA1を収容可能にすると共に、第二の収容部34が下流路14に連続して当該下流路14に複数のプロセスチーズXA1を搬送可能にする。また、図4(B)、図4(C)および図10(A)等に示すように、収容部材17が第二の位置に移動することで、第二の収容部34が上流路12に連続して複数のプロセスチーズXA1を収容可能にすると共に第一の収容部33が下流路14に連続して当該下流路14に複数のプロセスチーズXA1を搬送可能にする。
【0046】
以上の振分けユニット18によれば、上流路12にガイドされて収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1を、当該収容部材17を幅方向に平行移動させることで、上流路12に対応された二つの下流路14のいずれかに振り分けられる。
【0047】
図1に戻って説明する。ストッパーユニット20は、突当て面19を有してなる可動ストッパー35と、この可動ストッパー35を搬送方向に平行移動させる可動機構として機能するエアシリンダ36と、を備えている。図5(A)〜図5(C)に示すように、可動ストッパー35は、エアシリンダ36によって、第一の停止位置、およびこの第一の停止位置から退避した下流側の第二の停止位置、の間で搬送方向に平行移動する。
【0048】
図5(A)、図5(B)、図8および図11等に示すように、可動ストッパー35が第一の停止位置に位置する場合に、突当て面19に、収容部材17に収容された最下流(最もストッパーユニット20側)のプロセスチーズXA1を突き当てさせる。また、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1に、後続する複数のプロセスチーズXA1が連続する場合(図5(A)参照)であっても、図5(B)に示すように、供給停止ユニット16によって、後続するプロセスチーズXA1の収容部材17への供給を停止させてから、図5(C)、図9(A)および図12(A)等に示すように、可動ストッパー35を第二の停止位置に退避させることで、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1を、後続する複数のプロセスチーズXA1から引き離すことが可能になる。
【0049】
なお、可動ストッパー35に代えて、プロセスチーズXA1を第一の停止位置に停止させる第一のストッパーと、プロセスチーズXA1を第二の停止位置に停止させる第二のストッパーと、を備えるようにしてもよい。この場合、エアシリンダ36に代えて、第一のストッパーを上方に退避させるエアシリンダを備えるようにすればよい。この構成により、可動ストッパー35およびエアシリンダ36を備える場合と同等の機能をもたせることができる。
【0050】
各センサ21〜24は、周知の反射型フォトセンサであり、投光部および受光部(いずれも図示省略)を備えている。各センサ21〜24は、搬送面26またはプロセスチーズXA1に向けて投光部から光を投射すると共に、搬送面26またはプロセスチーズXA1からの反射光を受光部に入射させる。各センサ21〜24は、搬送面26で反射した光の量と、プロセスチーズXA1で反射した光の量と、の違いによって、プロセスチーズXA1の有無を検知する。なお、各センサ21〜24は、プロセスチーズXA1の有無を検知できればよく、反射型のフォトセンサに限定されることはない。
【0051】
センサ21は、上流路形成ユニット13の連結部材(図示省略)に固定されることで、各上流路12におけるプロセスチーズXA1を供給停止ユニット16へ引き継ぐ箇所にそれぞれ、合計で四箇所に配置されている。これらのセンサ21は、上流路12を搬送されるプロセスチーズXA1の状況を検知して、搬送異常信号を出力する。具体的に、センサ21は、プロセスチーズXA1が検知されない時間が、予め設定されている時間を経過した場合に、搬送異常信号を出力する。
【0052】
センサ22は、供給停止ユニット16に固定されることで、各収容部材17の上流にそれぞれ、合計で四箇所に配置されている。これらのセンサ22は、収容部材17への複数のプロセスチーズXA1の収容が完了したことを検知して収容完了信号を出力する収容完了検知手段として機能する。
【0053】
収容部材17に搬送される複数のプロセスチーズXA1は、上流側搬送面27と下流側搬送面28との速度差によって、互いに間隔を空けて搬送される。収容部材17への複数のプロセスチーズXA1の収容が完了することで、複数のプロセスチーズXA1の互いの間隔はなくなる。センサ22は、プロセスチーズXA1の有無が所定の周期で繰り返される場合に、複数のプロセスチーズXA1が収容部材17に収容されている途中であると検知する。その後、プロセスチーズXA1が検知される時間が、予め設定されている時間を経過した場合に、収容部材17への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了したものと検知して、収容完了信号を出力する。すなわち、センサ22は、上流路12および収容部材17の間を通過する複数のプロセスチーズXA1の互いの間隔が検知されなくなったことを条件に収容完了信号を出力する。
【0054】
また、センサ22は、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1が、ストッパーユニット20によって上流のプロセスチーズXA1から引き離されたことを検知して引離し完了信号を出力する引離し完了検知手段として機能する。センサ22は、収容完了信号を出力した後、プロセスチーズXA1が検知されなくなった場合に、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1が、ストッパーユニット20によって上流のプロセスチーズXA1から引き離されたものと検知して、引離し完了信号を出力する。
【0055】
センサ23は、下流路形成ユニット15に固定されることで、各可動ストッパー35の上流にそれぞれ、合計で四箇所に配置されている。これらのセンサ23は、収容部材17への複数のプロセスチーズXA1の収容が開始されたことを検知して、収容開始信号を出力する。具体的に、センサ23は、プロセスチーズXA1が検知された場合に、収容開始信号を出力する。
【0056】
また、センサ23は、収容部材17の幅方向への平行移動が完了したことを検知して、移動完了信号を出力する。具体的に、センサ23は、プロセスチーズXA1が検知されなくなった場合に、移動完了信号を出力する。
【0057】
センサ24は、下流路形成ユニット15に固定されることで、各下流路14におけるプロセスチーズXA1を振分けユニット18から引き継ぐ箇所にそれぞれ、合計で八箇所に配置されている。これらのセンサ24は、収容部材17から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了したことを検知して搬送完了信号を出力する搬送完了検知手段として機能する。センサ24は、プロセスチーズXA1が検知された後に、プロセスチーズXA1が検知されなくなった後、プロセスチーズXA1が検知されない時間が、予め設定されている時間を経過した場合に、搬送完了信号を出力する。
【0058】
制御ユニット25は、CPU、RAM、およびROM等から構成され、各種制御を実行する。具体的に、制御ユニット25は、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を停止させる供給停止制御と、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1を、上流の複数のプロセスチーズXA1から引き離す引離し制御と、複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けさせる振分け制御と、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を再開させる供給再開制御と、可動ストッパー35を第二の停止位置から第一の停止位置に復帰させる復帰制御と、装置全体を緊急停止させる緊急停止制御と、等を実行する。
【0059】
供給停止制御は、センサ23の収容開始信号を受けた後で、かつセンサ22の収容完了信号を受けた後に実行される。具体的に、制御ユニット25は、供給停止ユニット16を動作させて、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を停止させる。
【0060】
引離し制御は、供給停止制御が実行された後で、かつ振分け制御が実行される前に実行される。具体的に、制御ユニット25は、可動ストッパー35を第一の停止位置から第二の停止位置に移動させて、収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1を、供給停止ユニット16によって収容部材17への供給が停止された複数のプロセスチーズXA1から引き離す。
【0061】
振分け制御は、センサ24の搬送完了信号を受けた後で、かつ供給停止制御が実行された後で、かつセンサ22の引離し完了信号を受けた後に実行される。具体的に、制御ユニット25は、振分けユニット18を動作させて、複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けさせる。
【0062】
供給再開制御は、振分け制御が実行された後で、かつセンサ23の移動完了信号を受けた後に実行される。具体的に、制御ユニット25は、供給停止ユニット16を動作させて、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を再開させる。
【0063】
緊急停止制御は、センサ21の搬送異常信号を受けた後に、あるいは、各種センサ22〜24の信号を予め設定されていないタイミングで受けた後に、実行される。
【0064】
次に、増列装置10の動作手順について、図6〜図13に基づいて説明する。図6は、増列装置10の動作を説明するフローチャートである。図7〜図13は、増列装置10の動作を説明する図である。図7(A)は、動作開始時を示す。図7(B)は、図7(A)に示す動作の続きを示す。図8(A)は、図7(B)に示す動作の続きを示す。図8(B)および図9〜図13についても、同様、続きの動作を示す。なお、増列装置10は、4列で搬送するプロセスチーズXA1を、列毎に独立して増列するが、各列で同様に増列するので、一つの列を例にして説明する。
【0065】
プロセスチーズXA1の供給が開始されると、図7(A)に示すように、複数のプロセスチーズXA1は、上流側搬送面27において上流路12にガイドされて、搬送方向に沿った列となるように搬送される。その後、図7(B)に示すように、複数のプロセスチーズXA1は、上流側搬送面27から下流側搬送面28に引き継がれて、列を保ちつつ互いに間隔を空けて搬送される。そして、複数のプロセスチーズXA1は、第一の収容部33に収容されて、可動ストッパー35に突き当たる。
【0066】
図8(A)に示すように、第一の収容部33への複数のプロセスチーズXA1の収容が完了して、センサ22が収容完了信号を出力すると、制御ユニット25が供給停止制御を実行する。これにより、図8(B)に示すように、供給停止ユニット16が動作して、プロセスチーズXA1の第一の収容部33への供給が停止される。その後、制御ユニット25が引離し制御を実行して、可動ストッパー35を第一の停止位置から第二の停止位置に移動させる。
【0067】
これにより、図9(A)に示すように、第一の収容部33に収容された複数のプロセスチーズXA1が、供給停止ユニット16によって第一の収容部33への供給が停止された複数のプロセスチーズXA1から引き離され、センサ22が引離し完了信号を出力する。また、第二の収容部34にはプロセスチーズXA1が収容されていないので、第二の収容部34から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了したものとして、センサ24が搬送完了信号を出力する。その後、制御ユニット25が振分け制御を実行する。これにより、図9(B)に示すように、収容部材17が第一の位置から第二の位置に平行移動され、センサ23が移動完了信号を出力する。その後、制御ユニット25が供給再開制御を実行すると共に、復帰制御を実行する。
【0068】
これにより、図10(A)に示すように、第一の収容部33から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が開始されると共に、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給が再開される。また、可動ストッパー35が第二の停止位置から第一の停止位置に復帰される。そして、図10(B)に示すように、収容部材17へ供給される複数のプロセスチーズXA1は、第二の収容部34に収容されて、可動ストッパー35に突き当たる。また、第一の収容部33から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了して、センサ24が搬送完了信号を出力する。
【0069】
図11(A)に示すように、第二の収容部34への複数のプロセスチーズXA1の収容が完了して、センサ22が収容完了信号を出力すると、制御ユニット25が供給停止制御を実行する。これにより、図11(B)に示すように、供給停止ユニット16が動作して、プロセスチーズXA1の第二の収容部34への供給が停止される。その後、制御ユニット25が引離し制御を実行して、可動ストッパー35を第一の停止位置から第二の停止位置に移動させる。
【0070】
これにより、図12(A)に示すように、第二の収容部34に収容された複数のプロセスチーズXA1が、供給停止ユニット16によって第二の収容部34への供給が停止された複数のプロセスチーズXA1から引き離され、センサ22が引離し完了信号を出力する。また、すでに、第一の収容部33から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了して、センサ24が搬送完了信号を出力している。その後、制御ユニット25が振分け制御を実行する。これにより、図12(B)に示すように、収容部材17が第二の位置から第一の位置に平行移動され、センサ23が移動完了信号を出力する。その後、制御ユニット25が供給再開制御を実行すると共に、復帰制御を実行する。
【0071】
これにより、図13(A)に示すように、第二の収容部34から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が開始されると共に、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給が再開される。また、可動ストッパー35が第二の停止位置から第一の停止位置に復帰される。そして、図13(B)に示すように、収容部材17へ供給される複数のプロセスチーズXA1は、第一の収容部33に収容されて、可動ストッパー35に突き当たる。また、第二の収容部34から下流路14への複数のプロセスチーズXA1の搬送が完了して、センサ24が搬送完了信号を出力する。その後、図8(A)〜図13(B)に示す動作を繰り返す。
【0072】
このように、増列装置10によれば、上流路12にガイドされて収容部材17に収容された複数のプロセスチーズXA1を、収容部材17を幅方向に平行移動させることで上流路12に対応された二つの下流路14のいずれかに振り分けるので、搬送方向に対する流れの角度をなくし、すなわち、搬送方向に対してプロセスチーズXA1の流れを平行にし、プロセスチーズXA1を滑らかに流せる。また、収容部材17を揺動させることもないので、収容部材17の長さが長くなって装置全体が大型化することはない。
【0073】
そして、収容部材17における第一および第二の収容部33,34の一方が上流路12に連続してプロセスチーズXA1の収容が可能になる場合、その他方が下流路14に連続して当該下流路14にプロセスチーズXA1の搬送が可能になる。すなわち、収容部材17へのプロセスチーズXA1の収容と、収容部材17からのプロセスチーズXA1の搬送と、を同時にできるので、時間のロスが少なく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0074】
また、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を停止させてから、収容部材17を幅方向に平行移動させて、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けるので、収容部材17を幅方向に平行移動させる際に、上流のプロセスチーズXA1から、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1に掛かる力を軽減できる。これにより、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1が、上流のプロセスチーズXA1から掛かる力を原因として潰れることを防止できる。
【0075】
さらに、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1を、バッファ路内に停止されたプロセスチーズXA1から引き離してから、収容部材17を幅方向に平行移動させて、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けるので、収容部材17を幅方向に平行移動させる際に、上流のプロセスチーズXA1から、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1に掛かる力をなくせる。これにより、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1が、上流のプロセスチーズXA1との関係で潰れることを防止できる。
【0076】
次いで、振分け制御を実行した後で、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けている間に、プロセスチーズXA1の収容部材17への供給を再開できるので、時間のロスがなく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0077】
そして、振分け制御を実行した後で、収容部材17に収容されている複数のプロセスチーズXA1を下流路14に振り分けている間に、可動ストッパー35を、退避していた第二の停止位置から第一の停止位置に復帰させられるので、時間のロスがなく、増列に掛かる時間を短縮できる。
【0078】
また、収容部材17への複数のプロセスチーズXA1の収容が完了したことを、簡単な構成で検知できる。
【0079】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0080】
すなわち、上記実施形態において、4列で搬送される複数のプロセスチーズXA1を8列に振り分ける増列装置10を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、1列または複数列で搬送される複数のプロセスチーズXA1を列毎に2列ずつに振り分ける増列装置であればよい。
【0081】
あるいは、上記実施形態において、搬送ユニットとしてベルトコンベア11を採用することに限定されず、多数のローラからなるローラコンベアを採用できる。
【符号の説明】
【0082】
10 増列装置
11 ベルトコンベア(搬送ユニット)
12 上流路
13 上流路形成ユニット
14 下流路
15 下流路形成ユニット
16 供給停止ユニット
17 収容部材
18 振分けユニット
19 突当て面
20 ストッパーユニット
22 センサ(収容完了検知手段、引離し完了検知手段)
24 センサ(搬送完了検知手段)
25 制御ユニット
26 搬送面
27 上流側搬送面
28 下流側搬送面
29 レール(バッファ路)
30 押付け部材
32 エアシリンダ(移動機構)
33 第一の収容部
34 第二の収容部
35 可動ストッパー
36 エアシリンダ(可動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する搬送面を有してなり、前記搬送面に載置された複数の物品を搬送する搬送ユニットと、
前記搬送面における上流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドする上流路を一つまたは幅方向に並ぶように複数形成する上流路形成ユニットと、
前記搬送面における下流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドする下流路を、前記上流路の各々に対して幅方向に並ぶように二つずつ形成する下流路形成ユニットと、
前記上流路および前記下流路の間に配置されており、前記上流路にガイドされる前記複数の物品を受け入れて、該上流路に対応する二つの前記下流路のいずれかに振り分ける振分けユニットと、
前記振分けユニットを動作させて、前記複数の物品を振り分けさせる振分け制御を実行する制御ユニットと、を備え、
前記振分けユニットは、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容する収容部材と、前記収容部材を幅方向に平行移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする、
増列装置。
【請求項2】
前記収容部材は、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容する第一および第二の収容部を幅方向に並ぶように有してなり、前記第一の収容部が前記上流路に連続して前記複数の物品を収容可能にすると共に前記第二の収容部が前記下流路に連続して該下流路に前記複数の物品を搬送可能にする第一の位置、および前記第二の収容部が前記上流路に連続して前記複数の物品を収容可能にすると共に前記第一の収容部が前記下流路に連続して該下流路に前記複数の物品を搬送可能にする第二の位置の間で幅方向に平行移動することを特徴とする、
請求項1に記載の増列装置。
【請求項3】
前記上流路形成ユニットおよび前記振分けユニットの間に配置されており、前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドするバッファ路、および前記バッファ路にガイドされる少なくとも最下流の前記物品を幅方向に押圧して前記複数の物品を前記バッファ路内に停止させる押付け部材、を有してなる供給停止ユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記振分け制御を実行する前に、前記供給停止ユニットを動作させて、前記物品を前記バッファ路内に停止させる供給停止制御を実行することを特徴とする、
請求項2に記載の増列装置。
【請求項4】
前記第一または第二の収容部への前記複数の物品の収容が完了したことを検知して収容完了信号を出力する収容完了検知手段と、
前記第一または第二の収容部から前記下流路への前記複数の物品の搬送が完了したことを検知して搬送完了信号を出力する搬送完了検知手段と、を備え、
前記制御ユニットは、前記収容完了検知手段の前記収容完了信号を受けた後に、前記供給停止制御を実行すると共に、前記搬送完了検知手段の前記搬送完了信号を受けた後で、かつ前記供給停止制御を実行した後に、前記振分け制御を実行することを特徴とする、
請求項3に記載の増列装置。
【請求項5】
前記振分けユニットおよび前記下流路形成ユニットの間に配置されており、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第一の停止位置で停止させる第一のストッパー、および同物品を前記第一の停止位置よりも下流の第二の停止位置で停止させる第二のストッパー、を有してなるストッパーユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記供給停止制御を実行した後で、かつ前記振分け制御を実行する前に、前記第一のストッパーを前記第一の停止位置から退避させて、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を、前記第二のストッパーによって前記第二の停止位置で停止させることで、前記収容部材に収容された前記複数の物品を、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離す引離し制御を実行することを特徴とする、
請求項4に記載の増列装置。
【請求項6】
前記ストッパーユニットは、前記第一および第二の停止位置の間で平行移動する可動ストッパーと、前記可動ストッパーを平行移動させる可動機構と、を有してなり、
前記可動ストッパーは、前記第一および第二のストッパーとして機能することを特徴とする、
請求項5に記載の増列装置。
【請求項7】
前記引離し制御によって、前記収容部材に収容された前記複数の物品が、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離されたことを検知して引離し完了信号を出力する引離し完了検知手段を備え、
前記制御ユニットは、前記引離し完了検知手段の前記引離し完了信号を受けた後に、前記振分け制御を実行することを特徴とする、
請求項6に記載の増列装置。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記振分け制御を実行した後に、前記供給停止ユニットを動作させて、前記物品の前記収容部材への供給を再開させる供給再開制御を実行することを特徴とする、
請求項5〜7のいずれかに記載の増列装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記供給再開制御を実行する際に、前記第一のストッパーを退避した位置から前記第一の停止位置に復帰させる復帰制御を実行することを特徴とする、
請求項8に記載の増列装置。
【請求項10】
前記搬送面は、少なくとも前記収容部材よりも上流の上流側搬送面と、前記上流側搬送面の下流に連続し、前記上流側搬送面と比較して高速で走行して、前記上流側搬送面から搬送される前記複数の物品を引き継いで、互いに間隔を空けて搬送する下流側搬送面と、を備えてなり、
前記収容完了検知手段は、前記上流路および前記収容部材の間を通過する前記複数の物品の互いの間隔が検知されなくなったことを条件に前記収容完了信号を出力することを特徴とする、
請求項4〜9のいずれかに記載の増列装置。
【請求項11】
走行する搬送面に載置され、搬送方向に沿った列で搬送される複数の物品を、搬送方向に沿った幅方向に並ぶ二つの列に振り分ける増列方法であって、
複数の物品を搬送方向に沿った列となるように収容部材に収容してから、前記収容部材を幅方向に平行移動させて、前記複数の物品を幅方向に並ぶ二つの列に振り分ける振分けステップを実行することを特徴とする、
増列方法。
【請求項12】
前記振分けステップを実行する前に、前記収容部材の上流で前記複数の物品を搬送方向に沿った列となるようにガイドするバッファ路において、前記複数の物品を押付け部材で幅方向に押圧して該複数の物品を前記バッファ路内に停止させる供給停止ステップを実行することを特徴とする、
請求項11に記載の増列方法。
【請求項13】
前記供給停止ステップは、前記収容部材への前記複数の物品の収容が完了したことを収容完了検知手段が検知した後に実行し、
前記振分けステップは、前記収容部材からの前記複数の物品の搬送が完了したことを搬送完了検知手段が検知した後で、前記供給停止ステップを実行した後に実行することを特徴とする、
請求項12に記載の増列方法。
【請求項14】
前記供給停止ステップを実行した後で、かつ前記振分けステップを実行する前に、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第一の停止位置で停止させる第一のストッパーを、前記第一の停止位置から退避させて、前記収容部材に収容された最下流の前記物品を第二のストッパーによって、前記第一の停止位置よりも下流の第二の停止位置で停止させることで、前記収容部材に収容された前記複数の物品を、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離す引離しステップを実行することを特徴とする、
請求項13に記載の増列方法。
【請求項15】
前記引離しステップは、前記第一および第二のストッパーとして機能する可動ストッパーを、前記第一および第二の停止位置の間で平行移動させることで実行することを特徴とする、
請求項14に記載の増列方法。
【請求項16】
前記振分けステップは、前記引離しステップを実行することによって、前記収容部材に収容された前記複数の物品が、前記バッファ路内に停止された前記複数の物品から引き離されたことを引離し完了検知手段が検知した後に実行することを特徴とする、
請求項15に記載の増列方法。
【請求項17】
前記振分けステップを実行した後に、前記複数の物品を前記押付け部材で幅方向に押圧することをやめて、前記物品の前記収容部材への供給を再開させる供給再開ステップを実行することを特徴とする、
請求項14〜16のいずれかに記載の増列方法。
【請求項18】
前記供給再開ステップを実行する際に、前記第一のストッパーを退避した位置から前記第一の停止位置に復帰させる復帰ステップを実行することを特徴とする、
請求項17に記載の増列方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−250836(P2012−250836A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126504(P2011−126504)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】