説明

増圧システム及びこれを用いた駆動システム

【課題】液圧供給源の液圧として利用した液体をシステム内で効率よく利用して増圧することができる増圧システム及びこれを用いた駆動システムを提供すること。
【解決手段】増圧システムA2は、液圧供給源Wから供給された液圧を利用して駆動装置3を駆動するための装置である。増圧システムA2は、液圧供給源Wから供給された液圧により駆動される駆動側ピストン・シリンダ機構1と、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12の往復動により液圧供給路P3,P5を介して往復動される従動側ピストン・シリンダ機構2と、液圧供給路P3,P5に配置され、駆動ピストン・シリンダ機構1で増圧された液圧をさらに増圧させて従動側ピストン・シリンダ機構2を駆動させる増圧装置B1と、を備えている。増圧システムA2は、従動側ピストン・シリンダ機構2に負荷される駆動圧力を液圧供給源Wの元圧に対して増圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、液圧供給源からの水道水等の液圧を増圧させる増圧システム及びこれを用いた駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道水の水圧や、高層ビルあるいは山間部等の高所に設置した水槽の水圧を液圧供給源の元圧にして、駆動装置を駆動させたり、水車を駆動して発電したりする装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている駆動システム(駆動装置)は、高所の液槽からの液体の圧力を用いて駆動力を得る駆動装置であって、高所の液槽からの液体の圧力により駆動される往復運動自在な駆動用ピストンを備えた一対の駆動用シリンダと、この一対の駆動用シリンダの各駆動用ピストンに連結されたピストン軸の端部同士に連結され、各駆動用ピストンを相互に逆位相で往復運動させる往復動機構と、を主に備えて構成されている。
【0004】
また、特許文献2に記載されている増圧システム(負圧増圧発生装置)は、液圧供給源から供給された液圧により駆動される駆動側ピストン・シリンダ機構と、駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動ピストンの往復動が伝達される伝達部材と、伝達部材を介して駆動される従動ピストンを有する従動側ピストン・シリンダ機構と、従動側ピストン・シリンダ機構の従動ピストンの往復動に伴って気体を吸引あるいは吐出することで発生する負圧または圧力を供給する圧力供給経路と、駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動シリンダ内に供給される液圧の供給先を切り換える切替手段と、を主に備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3786672号公報(図1及び図8)
【特許文献2】特許第3936961号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載されたような従来の増圧システム及び駆動システムは、いずれも、水道水等の液圧を利用しているものの、液圧供給管路から導入した水道水を切替手段(切換機構)及び駆動側ピストン・シリンダ機構を介して排水管路から外部に排出している。
このため、特許文献1,2に記載されたような従来の増圧システム及び駆動システムは、液圧供給源の水道水等の液体を外部に排出しているので、大量の液体が必要であり、コストアップの要因になっていた。
【0007】
そこで、本発明は、液圧供給源の液圧として利用した液体(駆動液体)をシステム内で効率よく利用して増圧することができる増圧システム及びこれを用いた駆動システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の増圧システムは、液圧供給源から供給された液圧を利用して駆動装置を駆動するための増圧システムであって、前記液圧供給源から供給された液圧により駆動される駆動側ピストン・シリンダ機構と、該駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動ピストンの往復動により液圧供給路を介して往復動される従動側ピストン・シリンダ機構と、前記液圧供給路に配置され、前記駆動ピストン・シリンダ機構で増圧された液圧をさらに増圧させて前記従動側ピストン・シリンダ機構を駆動させる増圧装置と、を備え、前記従動側ピストン・シリンダ機構に負荷される駆動圧力を前記液圧供給源の元圧に対して増圧することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、液圧供給源から駆動側ピストン・シリンダ機構に液圧が負荷されると、その液圧は、駆動側ピストン・シリンダ機構で増圧され、さらに、増圧装置で増圧されて従動側ピストン・シリンダ機構に送られ、その従動側ピストン・シリンダ機構を液圧供給源からの元圧よりも大きく増圧させた液圧で駆動させることができる。この増圧システムは、液圧供給源から供給された液圧を増圧して駆動側ピストン・シリンダ機構及び従動側ピストン・シリンダ機構に利用することで、液圧供給源から供給されて駆動源となる圧力媒体としての液体(駆動液体)を外部に排出することなく、システム内で効率よく利用して増圧することができる。このため、駆動源となる液圧供給源から供給された駆動液体の排出を抑制することで、当該駆動液体の浪費を防止して、省エネルギーに寄与することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の増圧システムは、請求項1に記載の増圧システムであって、前記駆動側ピストン・シリンダ機構は、前記液圧供給源から液圧が供給される駆動第1シリンダと、該駆動第1シリンダ内に進退可能に内設され前記液圧供給源から供給された液圧によって作動する駆動第1ピストンと、該駆動第1ピストンの径よりも小さな径で一体に設けられて共に駆動する駆動第2ピストンと、該駆動第2ピストンの進退に伴って液体を増圧させて前記増圧装置に吐出、または、前記増圧装置からの液体を減圧させて吸引されると共に、前記駆動第1シリンダの横断面積よりも小さな横断面積を有する駆動第2シリンダと、を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、駆動側ピストン・シリンダ機構は、液圧供給源から駆動第1シリンダ内に液圧が供給されると、その液圧で駆動第1ピストンと、この駆動第1ピストンと一体で小径の駆動第2ピストンとが駆動する。その駆動第2ピストンは、駆動第1シリンダの横断面積よりも小さな横断面積に形成されていることによって、駆動第2ピストンが進退することで液圧を増圧させることができる。その増圧された液圧は、増圧装置に送られてさらに、増圧される。
【0012】
請求項3に記載の増圧システムは、請求項1または請求項2に記載の増圧システムであって、前記液圧供給源は、水道管から供給される水道水からなり、前記駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動第1ピストンは、前記水道水の水圧によって駆動されることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、駆動側ピストン・シリンダ機構において、駆動第1ピストンは、液圧供給源から供給される水道水の水圧によって駆動される。このため、駆動側ピストン・シリンダ機構は、ポンプ等の特別な駆動源を設けることなく駆動させることができると共に、水道水を外部に排出することなく効率よく駆動できるので、水道水が消費されず経済的で、かつ、外部の環境に悪影響与えることが全く無い。
【0014】
請求項4に記載の増圧システムは、請求項2または請求項3に記載の増圧システムであって、前記従動側ピストン・シリンダ機構は、前記増圧装置で増圧された液圧が供給される従動シリンダと、該従動シリンダ内に配置され前記増圧装置で増圧された液圧で進退する従動ピストンと、該従動ピストンと一体に形成されて共に進退する従動ピストン軸と、を備え、前記従動ピストン軸は、前記従動シリンダ内から外部に亘って配置されて、当該従動ピストン軸の進退に連動して駆動装置の駆動部を駆動させることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、増圧システムは、増圧装置で増圧された液圧が従動シリンダに供給されると、その増圧された液圧で従動ピストンが作動して、駆動装置の駆動部が、液圧供給源の元圧に対して大きく増圧された液圧による強い駆動力で駆動される。
【0016】
請求項5に記載の駆動システムは、請求項4に記載の増圧システムを利用した駆動システムであって、圧力切替弁を介して前記従動シリンダに連通され前記従動シリンダよりも高所に配置された天地開放槽と、前記液圧供給源から供給された液圧により前記駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動ピストンに対して逆位相で駆動される加圧装置と、を備え、前記圧力切替弁は、前記加圧装置からの液圧の加圧状態及び非加圧状態に応じて前記天地開放槽への液圧開放路を交互に切り換え、前記従動シリンダから前記天地開放槽に送られて貯溜された圧力媒体としての液体を、逆位相時に、前記天地開放槽から前記従動シリンダに戻るように流出させることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、駆動システムにおける従動シリンダ及び従動シリンダ内の作動液体は、従動ピストンが作動して押し出されると、圧力切換弁を介して天地開放槽の下層に送られる。圧力切替弁は、駆動ピストンに対して逆位相で駆動される加圧装置からの液圧の加圧状態及び非加圧状態に応じて天地開放槽への液圧供給路の流れを貯溜及び流出に交互に切り換える。圧力切替弁の切替によって従動ピストンがそれとは逆方向に駆動したときは、高所にある天地開放槽内の作動液体が、位置エネルギーで流出して逆流し、従動シリンダ内に流れ込む。このため、作動液体は、外部に排出させることなく繰り返し使用できる。駆動システムは、液圧供給源からの水道水の水圧と、高所にある天地開放槽内の液体(作動液体)の位置エネルギーとを動力源として駆動するので、燃料が不要であると共に、二酸化炭素等を含む排気ガスを大気中に排出しないため、クリーンなエンジンとして使用可能となる。
【0018】
請求項6に記載の駆動システムは、請求項5に記載の駆動システムであって、前記液圧供給源から供給された液圧により駆動されると共に、前記駆動第1シリンダの横断面積よりも小さな横断面積で形成された副駆動第1シリンダを有し、前記駆動側ピストン・シリンダ機構に対して対称的に逆位相で進退駆動する副駆動側ピストン・シリンダ機構と、該副駆動側ピストン・シリンダ機構のピストンの往復動に伴って駆動する副従動側ピストン・シリンダ機構と、を備え、前記副駆動側ピストン・シリンダ機構と、前記副従動側ピストン・シリンダ機構との間の液圧供給路に、前記副駆動ピストン・シリンダ機構で増圧された液圧をさらに増圧させて前記副従動側ピストン・シリンダ機構を駆動させるサブ増圧装置を設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、駆動システムは、副駆動側ピストン・シリンダ機構と副従動側ピストン・シリンダ機構との間の副液圧供給路に、副駆動ピストン・シリンダ機構で増圧された液圧をさらに増圧させて副従動側ピストン・シリンダ機構を駆動させるサブ増圧装置を設けたことによって、液体供給源から供給された駆動液体の元圧が小さくても、その元圧に対して大幅に増圧させた液圧で駆動させることができる。
また、この駆動システムは、液圧供給源から供給された駆動液体の液圧で駆動されることにより、その液体等を外部に排出することなく駆動させることができると共に、燃料や電力が不用で、二酸化炭素等の排気ガスや排水を外部に排出することがないため、周辺の環境に悪影響を与えることが全くない。さらに、駆動システムは、元圧の駆動液体を消費することなく駆動できるので、省エネルギーで、低コストで駆動させることができる。
【0020】
請求項7に記載の駆動システムは、請求項5に記載の駆動システムであって、前記従動ピストン軸には、当該従動ピストン軸と一体に進退する従動駆動用ラックが形成され、前記駆動装置は、前記従動駆動用ラックに噛合するピニオンと、該ピニオンに噛合するラックを一体形成した作動ピストンを有し、前記従動側ピストン・シリンダ機構に連動する少なくとも1つのピストン・シリンダ機構と、前記ピニオンまたは前記作動用ラックに連動する歯車機構を介在して回転する出力歯車と、前記従動側ピストン・シリンダ機構及び前記副従動側ピストン・シリンダ機構による駆動力を前記出力歯車に伝達及び切断するクラッチと、を備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、駆動システムは、従動ピストン軸の従動駆動用ラックが駆動すると、駆動装置のピニオン、作動用ラック等の歯車機構を介在して出力歯車が回転駆動する。また、駆動装置は、従動駆動用ラックの進退駆動に伴って従動側ピストン・シリンダ機構に対して他のピストン・シリンダ機構が連動して協動するため、動力を大幅にアップさせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、液圧供給源の液圧として利用した駆動液体を外部に排出することなく増圧することができる増圧システムを提供することができる。また、この増圧システムを利用して小さな液圧を駆動源とする駆動システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムを示す摸式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける第1駆動側ピストン・シリンダ機構及び加圧装置を示す拡大模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける従動側ピストン・シリンダ機構、第1供給装置等を示す拡大模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける従動側ピストン・シリンダ機を示す拡大模式図である。
【図6】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける副従動側ピストン・シリンダ機構、第2供給装置を示す拡大模式図である。
【図7】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける第1作動ピストン・シリンダ機構を示す拡大模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける第2作動ピストン・シリンダ機構を示す拡大模式図である。
【図9】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける副駆動側ピストン・シリンダ機構を示す拡大模式図である。
【図10】本発明の実施形態に係る増圧システム及び駆動システムにおける駆動装置を示す拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態に係る増圧システムA2及び駆動システムA1を説明する。
図1に示す本発明の増圧システムA2及び駆動システムA1は、流体圧を元圧として増圧させたり、駆動装置3を駆動させたりするシステムであり、その圧力源は特に限定されない。つまり、液圧供給源Wは、駆動側ピストン・シリンダ機構1と加圧装置8と副駆動側ピストン・シリンダ機構9とに対して、流体圧をかけるものであればよく、例えば、高所に配置した液体貯溜用のタンク(図示省略)であってもよく、また、ポンプ(図示省略)等で流体圧をかけたものであってもよい。以下、液圧供給源Wとして水道水の水圧を利用した場合を例に挙げて説明する。
なお、増圧システムA2及び駆動システムA1は、その設置状態により、上下左右方向の向きが相違するが、便宜上、図面の左右を左右方向、前後を上下方向として説明する。
【0025】
≪駆動システムの構成≫
図1に示すように、駆動システムA1は、小さな流体圧を大きな流体圧に変換する増圧システムA2を用い、この増圧システムA2で増圧された流体圧によって駆動装置3を駆動させるシステムである。駆動システムA1は、それぞれ後記する液圧供給源Wと、液圧供給路Pと、駆動側ピストン・シリンダ機構1と、複数の増圧装置Bと、従動側ピストン・シリンダ機構2と、駆動装置3と、第1供給装置4と、第2供給装置5と、第1作動ピストン・シリンダ機構6と、第2作動ピストン・シリンダ機構7と、加圧装置8と、副駆動側ピストン・シリンダ機構9と、副従動側ピストン・シリンダ機構10と、複数の圧力切替弁Vと、天地開放槽T1と、貯溜槽T2と、基台F1と、固定フレームF2と、を主に備えて構成されている。
【0026】
この駆動システムA1は、液圧供給源Wの液圧を、駆動側ピストン・シリンダ機構1、副駆動側ピストン・シリンダ機構9及び加圧装置8で増圧し、さらに、メイン増圧装置B1及びサブ増圧装置B2で増圧した油圧で複数のピストン・シリンダ機構(2,4,5,6,7,8,10)を介して駆動装置3を駆動させるシステムである。
【0027】
≪増圧システムの構成≫
図2に示すように、増圧システムA2は、従動側ピストン・シリンダ機構2に負荷される駆動圧力を液圧供給源Wの元圧に対して増圧させるシステムである。この増圧システムA2は、少なくとも、液圧供給源Wから供給された水圧により駆動される駆動側ピストン・シリンダ機構1と、この駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動第1ピストン12a及び駆動第2ピストン12bの往復動に伴って駆動する従動側ピストン・シリンダ機構2と、を備えている。
【0028】
≪液圧供給源の構成≫
液圧供給源Wは、流体圧(液圧)からなる元圧を、液圧供給路Pによって、駆動側ピストン・シリンダ機構1と加圧装置8と副駆動側ピストン・シリンダ機構9とにそれぞれ供給して駆動させるための供給源(駆動源)である。液圧供給源Wは、例えば、水道管P1から供給される水道水(駆動液体)からなり、0.3Mpa程度の水圧を有している。液圧供給源Wは、水道管P1によって水栓V3に接続されている。
【0029】
≪元圧供給路の構成≫
図2に示すように、元圧供給路P2は、水道管P1の水圧を、水栓V3及び仕切弁V4を介して並列に接続された駆動側ピストン・シリンダ機構1、加圧装置8及び副駆動側ピストン・シリンダ機構9に供給するための水道水供給管である。このため、駆動側ピストン・シリンダ機構1、加圧装置8及び副駆動側ピストン・シリンダ機構9には、同じ水圧(0.3Mpa)である水道圧が負荷される(図2の太点線で示す元圧供給路P2の部分)。この元圧供給路P2内の水道水は、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動第1ピストン12a、加圧装置8の加圧第1ピストン82a、及び、副駆動側ピストン・シリンダ機構9の副駆動第1ピストン92aの作動によって、元圧供給路P2内を左右方向へ流動するが、この元圧供給路P2から外部に流れ出ることがない。
つまり、増圧システムA2及び駆動システムA1において、液圧供給源Wの水道水は、その水圧のみ使用して駆動するものであって、水道水が外部に排出されて、流量が消費されることはない。
【0030】
≪駆動側ピストン・シリンダ機構の構成≫
図3に示すように、駆動側ピストン・シリンダ機構1は、液圧供給源Wからの水圧を増圧して、その増圧した水圧を配管P3(液圧供給路)によってメイン増圧装置B1(増圧装置B)に供給する装置である。この駆動側ピストン・シリンダ機構1は、上側に水圧式、下側に油圧式のピストン・シリンダ機構を連設した二段式の装置からなる。
駆動側ピストン・シリンダ機構1は、液圧供給源Wから水圧が供給される駆動第1シリンダ11と、この駆動第1シリンダ11内に進退可能に内設された駆動第1ピストン12aと、この駆動第1ピストン12aに一体に設けられた駆動第2ピストン12bと、この駆動第2ピストン12bの作動に伴って液圧供給源Wの水圧よりも高圧の油圧を生成する駆動第2シリンダ13と、を備えている。駆動側ピストン・シリンダ機構1は、例えば、0.3Mpa程度の水道圧が負荷される駆動第1シリンダ11の内圧を、2.5Mpaの油圧に上昇させることが可能になっている。
【0031】
<駆動第1シリンダの構成>
図3に示すように、駆動第1シリンダ11は、円筒形状の水圧シリンダケースからなり、駆動第1シリンダ11内が、駆動第1ピストン12aによって、水道水が供給される上室11aと、開口部(図示省略)から大気が出入りする下室11bと、に区画される。この駆動第1シリンダ11は、この駆動第1シリンダ11の横断面積S1が、同じ元圧供給路P2に連通した状態に設置された加圧装置8の加圧第1シリンダ81の横断面積S3、及び、副駆動側ピストン・シリンダ機構9(図9参照)の副駆動第1シリンダ91の横断面積S5よりも大きく形成されている。
【0032】
<駆動ピストンの構成>
図3に示すように、駆動ピストン12は、駆動第1ピストン12aと、駆動第2ピストン12bと、上部ピストン軸12cと、下部ピストン軸12dとが一体形成されて、それらが一体に上下動するピストンである。駆動ピストン12は、液圧供給源Wから上室11a内に供給された水圧と、配管P3,P4から駆動第2シリンダ13内に供給された油圧とによって作動するようになっている。
【0033】
駆動第1ピストン12aは、液圧供給源Wから供給された水圧を受けたときに、駆動ピストン12を下降させるピストンである。駆動第1ピストン12aには、上面に上部ピストン軸12cが立設され、下面に下部ピストン軸12dが垂下されている。上部ピストン軸12cは、駆動第1シリンダ11の上面に穿設された貫通孔に進退自在に内嵌されて、駆動第1ピストン12aの上下動をガイドする。下部ピストン軸12dは、駆動第2ピストン12bの機能を果たす棒状部位であって、駆動第1シリンダ11の下面に穿設された貫通孔に進退自在に内嵌されて、駆動第1ピストン12a及び駆動第2ピストン12bの上下動をガイドする。
【0034】
駆動第2ピストン12bは、駆動第2シリンダ13に上下動自在に内設された棒状のピストンであって、下部ピストン軸12dの下側部分である。駆動第2ピストン12bは、駆動第1ピストン12aの径d1よりも小さな径d2で形成されている。この駆動第2ピストン12bは、駆動第1ピストン12aと一体に作動し、下降したときに、駆動第2シリンダ13内の作動油を増圧させてメイン増圧装置B1に向けて押し出し、上昇したときに、配管P3(液圧供給路)内の作動油を吸引する。
【0035】
<駆動第2シリンダの構成>
駆動第2シリンダ13は、駆動第1シリンダ11の下面に連設された円筒状の油圧シリンダケースであり、下面部に配管P3及び配管P4が設置されている。この駆動第2シリンダ13は、駆動第2ピストン12bの進退に伴って液体を水道圧よりも増圧させてメイン増圧装置B1(増圧装置B)に吐出、または、メイン増圧装置B1からの液体を減圧させて吸引する。駆動第2シリンダ13は、駆動第1シリンダ11の横断面積S1よりも小さな横断面積S2で形成されている。
【0036】
≪増圧装置の構成≫
図1に示すように、増圧装置Bは、この増圧装置Bに供給された油圧を増圧させて下流側に送り出す増圧ブースターからなる。駆動システムA1には、例えば、メイン増圧装置B1と、サブ増圧装置B2と、第1増圧装置B3と、第2増圧装置B4と、第3増圧装置B5と、第4増圧装置B6と、第5増圧装置B7と、を備えてなる増圧装置Bが設けられている。
【0037】
<メイン増圧装置の構成>
図4に示すように、メイン増圧装置B1は、駆動側ピストン・シリンダ機構1と、従動側ピストン・シリンダ機構2との間の配管P3,P5(液圧供給路)に介在されて、駆動ピストン・シリンダ機構1(図3参照)で増圧された油圧をさらに増圧させて従動側ピストン・シリンダ機構2を駆動させる装置である。このメイン増圧装置B1は、例えば、2.5Mpaの油圧が負荷される配管P3(液圧供給路)の内圧を、12.5Mpaの約4倍(4倍〜5倍程度)に増圧させることが可能な増圧ブースターからなる。このため、メイン増圧装置B1で増圧された油圧は、その下流側の配管P5(高圧供給路)を介して従動側ピストン・シリンダ機構2に供給されて駆動させる。メイン増圧装置B1は、一方が、駆動第2シリンダ13(図3参照)に接続されて連通し、他方が、従動第1シリンダ21の上室21a(図5参照)及び従動第2シリンダ24の下室24b(図5参照)に接続されて連通している。
【0038】
<サブ増圧装置の構成>
図6に示すように、サブ増圧装置B2は、後記する副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1ピストン102及び副従動第2ピストン103の作動によって押し出された副従動側ピストン・シリンダ機構10内の作動油が供給された場合に、その作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して副駆動側ピストン・シリンダ機構9(図9参照)の副駆動第2シリンダ93内に供給する装置である。サブ増圧装置B2は、一方が、図6に示す副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1シリンダ101の上室101a、及び、副従動第2シリンダ104の下室104bに接続されて連通し、他方が、副駆動第2シリンダ93に接続されて連通している。
【0039】
<第1増圧装置の構成>
図2に示すように、第1増圧装置B3は、第2供給装置5の第2供給上部シリンダ51(図6参照)から第2供給ピストン52によって押し出された作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して第1供給上部シリンダ41内に供給する装置である。第1増圧装置B3は、例えば、2つの増圧装置Bを並列に接続して、流量の増加が図られている。この第1増圧装置B3は、一方が、第2供給上部シリンダ51(図6参照)の上室51aに接続し、他方が、第1供給上部シリンダ41(図4参照)の上室41aに接続されて連通している。
【0040】
<第2増圧装置の構成>
第2増圧装置B4は、第2作動ピストン・シリンダ機構7の第2作動上部シリンダ71(図8参照)から第2作動ピストン72によって押し出された作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1シリンダ101(図6参照)及び副従動第2シリンダ104内に供給する装置である。第2増圧装置B4は、例えば、2つの増圧装置Bを並列に接続して、作動油の流量の増加が図られている。この第2増圧装置B4は、一方が、第2作動上部シリンダ71(図8参照)の下室71bに接続されて連通し、他方が、副従動第1シリンダ101(図6参照)の下室101b及び副従動第2シリンダ104の上室104aに接続されて連通している。
【0041】
<第3増圧装置の構成>
図2に示すように、第3増圧装置B5は、第1供給装置4の第1供給上部シリンダ41(図4参照)から第1供給ピストン42によって押し出された作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して第1作動ピストン・シリンダ機構6(図7参照)の第1作動上部シリンダ61内に供給する装置である。この第3増圧装置B5は、一方が、減圧弁R1を介して第1供給上部シリンダ41(図4参照)の下室41bに接続されて連通し、他方が、第1作動上部シリンダ61(図7参照)の下室61bに接続されて連通している。
【0042】
<第4増圧装置の構成>
第4増圧装置B6は、第1作動ピストン・シリンダ機構6の第1作動下部外側シリンダ63(図7参照)及び第1作動内側シリンダ65から第1作動外部ピストン64及び第1作動下部内側ピストン62eによって押し出された作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して第1供給装置4の第1供給中部シリンダ43(図4参照)内に供給する装置である。この第4増圧装置B6は、一方が、第1作動下部外側シリンダ63(図7参照)の上室63a及び第1作動内側シリンダ65の下室65bに接続されて連通し、他方が、第1供給中部シリンダ43(図4参照)の上室43aに接続されて連通している。
【0043】
<第5増圧装置の構成>
図2に示すように、第5増圧装置B7は、第1供給装置4の第1供給中部シリンダ43(図4参照)から第1供給中部ピストン42dによって押し出された作動油の油圧を増圧(例えば、2倍の5Mpa)して第2供給装置5の第2供給中部シリンダ53(図6参照)内に供給する装置である。この第5増圧装置B7は、一方が、第1供給中部シリンダ43(図4参照)の下室43bに接続されて連通し、他方が、第2供給中部シリンダ53(図6参照)の上室53aに接続されて連通している。
【0044】
≪従動側ピストン・シリンダ機構の構成≫
図4に示すように、従動側ピストン・シリンダ機構2は、メイン増圧装置B1で増圧された油圧を利用して駆動装置3の第1駆動部31、及び、第2駆動部32を駆動させるピストン・シリンダ機構である。図5に示すように、従動側ピストン・シリンダ機構2は、従動第1シリンダ21と、従動内歯ラック22cを有する従動第1ピストン22と、従動外歯ラック23a及び従動駆動用ラック23eを有する従動第2ピストン23と、従動第2シリンダ24と、従動ピニオン25と、吊支部材26と、を備えて構成されている。
【0045】
<従動第1シリンダ(従動シリンダ)の構成>
従動第1シリンダ21は、従動第1ピストン22が上下動可能に内設された横断面視して環状の油圧シリンダケースであり、基台F1に載設されている。従動第1シリンダ21内は、従動第1ピストン22によって、上室21aと下室21bとに区画されている。上室21aは、配管P3,P5によりメイン増圧装置B1を介して駆動第2シリンダ13に連通している。下室21bは、配管P6,P7(液圧開放路)を介して第1圧力切替弁V1、及び、第1供給装置4の第1供給上部シリンダ41の下室41b内に連通している。
【0046】
<従動第1ピストン(従動ピストン)の構成>
図4に示すように、従動第1ピストン22は、メイン増圧装置B1(図2参照)で増圧されて配管P5を介して供給された作動油の油圧と、第2供給装置5(図6参照)の第2供給上部シリンダ51内の第2供給ピストン52によって押し出された作動油の油圧と、により作動するピストンである。
図5に示す従動第1ピストン22は、従動第2シリンダ24の外周部に設けられた平面視して環状の従動第1シリンダ21内に上下動可能に内設されて、全体が略円筒状に形成されている。従動第1ピストン22には、環状ピストン部22dと、下端がこの環状ピストン部22dの内縁に接続され、上端が従動第1シリンダ21の上面を貫通して従動内歯ラック22cの下端部に接続された連結部22aと、この連結部22aの上側に載設され縦断面視して凹部形状の凹形状部22b(従動ピストン軸)と、この凹形状部22bの内側内壁に形成された従動内歯ラック22cと、が一体形成されている。
【0047】
<従動内歯ラックの構成>
図5に示すように、従動内歯ラック22cは、従動第1ピストン22の上端部に一体形成されて一体に上下動する直線歯車であり、凹形状部22bの内壁に形成された一対の歯車からなる。この従動内歯ラック22cは、凹形状部22bの内側に配置された一対の従動ピニオン25,25に噛合しながら上下動することによって、従動第1ピストン22全体の上下動の動きをガイドして安定化させている。
【0048】
<従動第2ピストン(従動ピストン)の構成>
従動第2ピストン23は、メイン増圧装置B1(図3及び図4参照)で増圧されこのメイン増圧装置B1から配管P5(高圧供給路)を介して供給された油圧と、第2供給装置5(図6参照)の第2供給上部シリンダ51内の第2供給ピストン52により押し出されて配管P6,P7を介して供給された油圧と、によって作動し、駆動装置3の第1駆動部31及び第2駆動部32を駆動させるピストンである。
図5に示すように、従動第2ピストン23は、従動第2シリンダ24の内周壁と従動第1シリンダ21の外周壁との間に進退可能に配置され、上下方向に向けて延設された略円柱状の部材からなる。従動第2ピストン23には、上端部の左右に形成された従動外歯ラック23aと、従動外歯ラック23aの下に連設された棒状の上部ピストン軸23bと、上部ピストン軸23bの下端に連設された円盤状の従動第2ピストン部23cと、従動第2ピストン部23cの下に連設された下部ピストン軸23d(従動ピストン軸)と、下部ピストン軸23dの下側に連設された従動駆動用ラック23eと、を一体形成してなる。
【0049】
<従動外歯ラックの構成>
従動外歯ラック23a,23aは、一対の従動ピニオン25,25間に上下動可能に配置されて、その従動ピニオン25,25に噛合する直線歯車であり、従動第2ピストン23が上下動すると、従動ピニオン25,25を回転させるように組み付けられている。この従動外歯ラック23a,23aは、従動第2ピストン23の上端部の左右に一体形成されて、固定フレームF2に固定された一対の吊支部材26,26に軸支された従動ピニオン25,25間に両者に噛合させて、上下動自在に配置されている。このため、従動外歯ラック23a,23aは、従動第2ピストン23の上下動が安定した動きになるようにガイドされている。
【0050】
上部ピストン軸23bは、従動第1シリンダ21内から凹形状部22b内に亘って配置されて、その従動第1シリンダ21及び凹形状部22bに上下動自在に挿入されている。
従動第2ピストン部23cは、従動第2シリンダ24(従動シリンダ)内に作動油が供給されるとその油圧で従動第2シリンダ24内を上下動して、従動駆動用ラック23e及び従動外歯ラック23aを上昇及び下降させる。
下部ピストン軸23dは、従動第2シリンダ24の底部及び基台F1に上下動自在に挿入されると共に、従動第2シリンダ24内から基台F1の下方まで延在している。
【0051】
<従動駆動用ラックの構成>
従動駆動用ラック23eは、従動第2ピストン23が上下動することにより共に上下動して、第1駆動部31の第1軸歯車31b、及び、第2駆動部32の第2軸正転歯車32bを回転駆動させるための直線歯車である。この従動駆動用ラック23eには、第1駆動部31の第1軸歯車31b(ピニオン)に噛合するラックと、第2駆動部32の第2軸正転歯車32b(ピニオン)に噛合するラックと、が一体形成されている。従動駆動用ラック23e,23eは、従動第2ピストン23の下端部のピストン軸の左右側面にそれぞれ形成された一対のラックからなり、第1軸歯車31bと第2軸正転歯車32bとの間にそれぞれ噛合した状態で介在されている。
【0052】
<従動第2シリンダの構成>
従動第2シリンダ24は、従動第2ピストン23の従動第2ピストン部23cが上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースである。従動第2シリンダ24は、従動第1シリンダ21の内周側に二重に配置したように設けられると共に、従動第1シリンダ21の内周壁を外周壁とする筒状に形成されている。この従動第2シリンダ24には、メイン増圧装置B1(図4参照)で増圧された油圧、及び、第2供給装置5の第2供給上部シリンダ51の下室51bからの油圧が供給される。従動第2シリンダ24内は、従動第2ピストン23によって、上室24aと下室24bとに区画されている。従動第1シリンダ21の下室21b及び従動第2シリンダ24の上室24aは、配管P6,P23(液圧開放路)によって第1圧力切替弁V1を介して天地開放槽T1に連通している。
【0053】
<従動ピニオン及び吊支部材の構成>
従動ピニオン25,25は、水平に設けられた固定フレームF2から垂下した一対の吊支部材26,26の下端に回転自在に軸支された一対のピニオンギヤからなる。従動ピニオン25,25は、この従動ピニオン25,25の左右外側に配置された一対の従動内歯ラック22c,22cと、従動ピニオン25,25の間の内側に噛合した状態で配置された従動外歯ラック23a,23aと、にそれぞれ噛合した状態に配置されている。このため、従動外歯ラック23a,23aを有する従動第2ピストン23と、従動内歯ラック22c,22cを有する従動第1ピストン22とは、駆動した際に、互いに反対方向に移動すると共に、従動第2ピストン23の動力と従動第1ピストン22の動力とを加算した動力で、従動駆動用ラック23eを上下動させて、第1軸歯車31b及び第2軸正転歯車32bを回転駆動させる。
吊支部材26,26は、従動ピニオン25,25の所定位置に軸支する軸受アームである。
【0054】
≪第1供給装置(ピストン・シリンダ機構)の構成≫
図2に示すように、第1供給装置4は、第2供給装置5及び第1作動ピストン・シリンダ機構6のピストン作動で送られて来た作動油を貯溜したり、供給したりするピストン・シリンダ機構である。図6に示すように、第1供給装置4は、それぞれ後記する第1供給上部シリンダ41と、第1供給ピストン42と、第1供給中部シリンダ43と、第1供給下部シリンダ44と、を備えて構成されている。この第1供給装置4は、前記第2供給装置5と略同一の構成となっている。
つまり、第1供給装置4は、大径の第1供給上部シリンダ41、中径の第1供給中部シリンダ43及び小径の第1供給下部シリンダ44と、それらのシリンダ内に上下動自在に配置された大径の第1供給上部ピストン42a、中径の第1供給中部ピストン42d、小径の第1供給下部ピストン42g、及び、それらのピストンと一体に上下動する第1供給駆動用ラック42jと、からなる。
【0055】
<第1供給上部シリンダの構成>
図4に示すように、第1供給上部シリンダ41は、固定フレームF2の上面に載設された略円筒状の油圧シリンダケースである。第1供給上部シリンダ41内は、第1供給上部ピストン42aが上下動自在に挿入されて、その第1供給上部ピストン42aによって、内部が上室41aと下室41bとに区画されている。上室41aは、配管P9,P8によって、第1増圧装置B3(図2参照)を介して第2供給装置5(図6参照)の第2供給上部シリンダ51の上室51aに接続されている。下室41bは、配管P14,P15によって、減圧弁R1及び第3増圧装置B5を介在して第1作動ピストン・シリンダ機構6(図7参照)の第1作動上部シリンダ61の下室61bに接続されている。
【0056】
<第1供給ピストンの構成>
第1供給ピストン42は、下側に向かって段々に小径に形成された3つのピストンを三段に重ねた状態に連設し、その下端部に第1供給駆動用ラック42jを形成して一体に上下動する部材である。第1供給ピストン42は、それぞれ後記する第1供給上部ピストン42aと、上部上側ピストン軸42bと、上部下側ピストン軸42cと、第1供給中部ピストン42dと、中部上側ピストン軸42eと、中部下側ピストン軸42fと、第1供給下部ピストン42gと、下部上側ピストン軸42hと、下部下側ピストン軸42iと、第1供給駆動用ラック42jと、を一体形成してなる。
【0057】
第1供給上部ピストン42aは、円盤状に形成されて、第1供給上部シリンダ41に上下動自在に内設されている。
上部上側ピストン軸42bは、第1供給上部ピストン42aの上側に立設されて、第1供給上部シリンダ41の上面部に穿設された軸孔に上下動自在に軸支されている。
上部下側ピストン軸42cは、第1供給上部ピストン42aの下側に垂下されて、固定フレームF2の軸孔に上下動自在に軸支されている。上部下側ピストン軸42cと上部上側ピストン軸42bとは、同径に形成されている。
第1供給中部ピストン42dは、円盤状に形成されて、第1供給中部シリンダ43内に上下動自在に挿入されている。第1供給中部ピストン42dは、その上面に上部下側ピストン軸42cの下側に連設された中部上側ピストン軸42eが立設され、その下面に中部下側ピストン軸42fが垂下されている。
【0058】
中部下側ピストン軸42fは、中部上側ピストン軸42eの径よりも小さな径で形成されて、第1供給中部シリンダ43の下面の軸孔に上下動自在に軸支されている。
第1供給下部ピストン42gは、円盤状に形成されて、第1供給下部シリンダ44内に上下動自在に内設されている。第1供給下部ピストン42gは、その上面に下部上側ピストン軸42hが立設され、その下面に下部下側ピストン軸42iが垂下されている。
下部上側ピストン軸42hは、中部下側ピストン軸42fの下側に連設されて、第1供給下部シリンダ44の上面の軸孔に上下動自在に挿入されている。
下部下側ピストン軸42iには、第1供給下部シリンダ44の下面の軸孔及び基台F1の軸孔に上下動自在に挿入されて、その下側に第1供給駆動用ラック42jが連設されている。
第1供給駆動用ラック42jには、第1駆動部31の第1軸歯車31bに噛合して、第1軸31aを回転駆動させるラックが形成されている。
【0059】
<第1供給中部シリンダの構成>
図4に示すように、第1供給中部シリンダ43は、固定フレームF2の下面に固定された円筒状の油圧シリンダケースである。第1供給中部シリンダ43内は、第1供給中部ピストン42dが上下動自在に挿入されて、この第1供給中部ピストン42dによって、その内部が上室43aと下室43bとに区画されている。上室43aは、配管P16,P17によって第2増圧装置B4を介在して第1作動ピストン・シリンダ機構6(図7参照)の第1作動下部外側シリンダ63の下室63b、及び、第1作動内側シリンダ65の上室65aに接続されている。下室43bは、配管P18,P11によって第5増圧装置B7を介在して第2供給装置5の第2供給中部シリンダ53の下室53bに接続されている。
【0060】
<第1供給下部シリンダ(ピストン・シリンダ機構)の構成>
図4に示すように、第1供給下部シリンダ44は、第1供給中部シリンダ43の下面と基台F1の盤面との間に固定された円筒状の油圧シリンダケースである。第1供給下部シリンダ44内は、第1供給下部ピストン42gが上下動自在に挿入されて、その第1供給下部ピストン42gによって、上室44aと下室44bとに区画されている。前記したように上室44aは、配管P20によって、第1圧力切替弁V1と、第2供給装置5の第2供給下部シリンダ54(図6参照)の上室54aに接続されている。下室44bは、配管P12によって、第1作動ピストン・シリンダ機構6(図7参照)の第1作動下部外側シリンダ63の上室63aと、第1作動内側シリンダ65の下室65bとに連通している。
【0061】
≪第2供給装置の構成≫
図2に示すように、第2供給装置5は、従動側ピストン・シリンダ機構2、第2作動ピストン・シリンダ機構7及び第1供給装置4の作動で送られて来た作動油を貯溜したり、供給したりするピストン・シリンダ機構である。図6に示すように、第2供給装置5は、それぞれ後記する第2供給上部シリンダ51と、第2供給上部ピストン52aと、第2供給中部シリンダ53と、第2供給中部ピストン52dと、第2供給下部シリンダ54と、第2供給下部ピストン52gと、第2供給駆動用ラック52jと、から構成されている。
第2供給装置5は、大径の第2供給上部シリンダ51、中径の第2供給中部シリンダ53及び小径の第2供給下部シリンダ54と、それらのシリンダ内に上下動自在に配置された大径の第2供給上部ピストン52a、中径の第2供給中部ピストン52d、小径の第2供給下部ピストン52g、及び、それらのピストンと一体に上下動する第2供給駆動用ラック52jと、からなる。
【0062】
<第2供給上部シリンダの構成>
図6に示すように、第2供給上部シリンダ51は、固定フレームF2の上面に載設された円筒状の油圧シリンダケースであり、第2供給上部ピストン52aが上下動自在に挿入されている。第2供給上部シリンダ51は、第2供給上部ピストン52aによって、内部が上室51aと下室51bとに区画されている。上室51aは、配管P7,P8により、第1増圧装置B3を介して第1供給装置4(図4参照)の第1供給上部シリンダ41の上室41aに接続されている。下室51bは、配管P7,P6によって従動側ピストン・シリンダ機構2の従動第1シリンダ21に連通している。
【0063】
<第2供給ピストンの構成>
第2供給ピストン52は、3つのピストンをピストンロッドを介して上下方向に三段重ねにした状態に連設し、その下端部に第2供給駆動用ラック52jを設けて一体に上下動する部材である。第2供給ピストン52は、上部に配置された大径の第2供給上部ピストン52aと、中径の上部上側ピストン軸52bと、中間部に配置された上部下側ピストン軸52cと、中径の第2供給中部ピストン52dと、中部上側ピストン軸52eと、中部下側ピストン軸52fと、下部に配置された小径の第2供給下部ピストン52gと、下部上側ピストン軸52hと、下部下側ピストン軸52iと、第2供給駆動用ラック52jと、を一体形成してなる。
【0064】
図6に示すように、第2供給上部ピストン52aは、第2供給上部シリンダ51に上下動自在に内設された円盤形状のピストン部である。
上部上側ピストン軸52bは、第2供給上部ピストン52aの上側に立設されて、第2供給上部シリンダ51の上面部に穿設された軸孔に上下動自在に軸支されている。
上部下側ピストン軸52cは、第2供給上部ピストン52aの下側に垂下されて、固定フレームF2の軸孔に上下動自在に軸支されている。上部下側ピストン軸52cと上部上側ピストン軸52bとは、同径に形成されている。
第2供給中部ピストン52dは、第2供給中部シリンダ53内に上下動自在に挿入されて、その上面に、上部下側ピストン軸52cの下側に連設された中部上側ピストン軸52eが立設され、その下面に、中部下側ピストン軸52fが垂下されている。
【0065】
中部下側ピストン軸52fは、中部上側ピストン軸52eの径よりも小さな径で形成されて、第2供給中部シリンダ53の下面の軸孔に上下動自在に軸支されている。
第2供給下部ピストン52gは、第2供給下部シリンダ54内に上下動自在に内設されて、その上面に、下部上側ピストン軸52hが立設され、その下面に、下部下側ピストン軸52iが垂下されている。
下部上側ピストン軸52hは、前記中部下側ピストン軸52fの下側に連設されて、第2供給下部シリンダ54の上面の軸孔に上下動自在に挿入されている。
下部下側ピストン軸52iは、第2供給下部シリンダ54の下面の軸孔及び基台F1の軸孔に上下動自在に挿入されて、その下側に第2供給駆動用ラック52jが連設されている。
第2供給駆動用ラック52jは、第4駆動部34の第4軸歯車34b(ピニオン)に噛合して配置され、第2供給ピストン52の上下方向の直線移動を第4軸歯車34bの回転力に変換して伝達する直線歯車である。つまり、第2供給駆動用ラック52jと第4軸歯車34bとは、第2供給ピストン52の上下動を第4軸34aの回転力に変換して回転させるラック・アンド・ピニオン機構を構成している。
【0066】
<第2供給中部シリンダの構成>
図6に示すように、第2供給中部シリンダ53は、固定フレームF2の下面に固定された円筒状の油圧シリンダケースである。第2供給中部シリンダ53は、内設された第2供給中部ピストン52dによって、その内部が上室53aと下室53bとに区画されている。上室53aは、配管P10によって第2作動ピストン・シリンダ機構7(図8参照)の第2作動下部外側シリンダ73の上室73a、及び、第2作動内側シリンダ75の下室75bに接続されている。下室53bは、配管P11により第5増圧装置B7(図4参照)を介在して第1供給装置4の第1供給中部シリンダ43の下室43bに接続されている。
【0067】
<第2供給下部シリンダの構成>
図6に示すように、第2供給下部シリンダ54は、第2供給中部シリンダ53の下面と基台F1の盤面との間に固定された円筒状の油圧シリンダケースである。第2供給下部シリンダ54内は、第2供給下部ピストン52gが上下動自在に挿入されて、その第2供給下部ピストン52gによって、内部が上室54aと下室54bとに区画されている。上室54aは、配管P20により第1供給装置4(図4参照)の第1供給下部シリンダ44の上室44aに接続されている。下室54bは、配管P13によって第2作動ピストン・シリンダ機構7(図8参照)の第2作動下部外側シリンダ73の上室73aと、第2作動内側シリンダ75の下室75bとに接続されている。
【0068】
<第2供給駆動用ラックの構成>
第2供給駆動用ラック52jは、第2供給装置5の第2供給上部ピストン52a、第2供給中部ピストン52d、及び、第2供給下部ピストン52gと一体に上下動して、第4駆動部34の第4軸歯車34b(ピニオン)、及び、この第4軸歯車34bの軸孔に軸着された第4軸34aを回転させるための直線歯車である。
【0069】
≪第1作動ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)の構成≫
図7に示すように、第1作動ピストン・シリンダ機構6は、第1供給装置4(図4参照)の第1供給上部シリンダ41から第1供給上部ピストン42aによって押し出されて第3増圧装置B5で増圧された作動油の油圧と、第1供給中部シリンダ43及び第1供給下部シリンダ44から第1供給中部ピストン42d及び第1供給下部ピストン42gによって押し出された作動油の油圧と、を利用して第2駆動部32及び第3駆動部33の歯車機構を介して中間歯車35(図10参照)を駆動させるピストン・シリンダ機構である。
この第1作動ピストン・シリンダ機構6は、第1作動上部シリンダ61と、第1作動ピストン62と、第1作動下部外側シリンダ63と、第1作動外部ピストン64と、第1作動内側シリンダ65と、第1作動内歯ラック64cと、第1作動ピニオン66と、吊支部材67と、を主に備えて構成されている。
【0070】
<第1作動上部シリンダの構成>
第1作動上部シリンダ61は、固定フレームF2上に載設され、第1作動ピストン62が上下動可能に内設された略円筒形状のシリンダケースである。第1作動上部シリンダ61の横断面積S7は、第1作動内側シリンダ65の横断面積S8よりも大きく形成されている。第1作動上部シリンダ61内は、第1作動上部ピストン62aによって、上室61aと下室61bと、に区画されている。上室61aは、大気が開口部(図示省略)から出入りするようになっている。下室61bは、作動油が充填され、配管P15,P14(図2参照)によって第3増圧装置B5及び減圧弁R1を介して第1供給上部シリンダ41の下室41bに連通している。
【0071】
<第1作動ピストンの構成>
図7に示すように、第1作動ピストン62は、第3増圧装置B5(図2参照)から供給された作動油の油圧で作動する第1作動上部ピストン62aと、第1供給装置4(図4参照)の第1供給中部ピストン42d及び第1供給下部ピストン42gによって押し出された第1供給中部シリンダ43及び第1供給下部シリンダ44内の作動油の油圧によって作動する第1作動下部内側ピストン62eと、で作動する2つのピストンを備える。
【0072】
第1作動ピストン62は、固定フレームF2の上部から基台F1の下部に亘って上下動可能な状態に配置されて、2つのピストン部(第1作動上部ピストン62a及び第1作動下部内側ピストン62e)と、2つのラック(第1作動外歯ラック62d及び第1作動用ラック62h)と、が形成された略段付棒状の部材である。第1作動ピストン62には、円盤状の第1作動上部ピストン62aと、第1作動上部ピストン62aの上側に連設された上部上側ピストン軸62bと、第1作動上部ピストン62aの下側に連設された上部下側ピストン軸62cと、上部下側ピストン軸62cの下側に連設された第1作動外歯ラック62d,62dと、第1作動内側シリンダ65内に上下動可能に配置された第1作動下部内側ピストン62eと、第1作動下部内側ピストン62eと第1作動外歯ラック62d,62dとの間に一体形成された下部上側ピストン軸62fと、第1作動下部内側ピストン62eの下側に連設された下部下側ピストン軸62gと、下部下側ピストン軸62gの下側の左右に形成された第1作動用ラック62h,62hと、が上方から下方に順に配置されて一体形成されている。
【0073】
第1作動上部ピストン62aは、第1作動上部シリンダ61の下室61bに作動油が供給されることにより、その油圧で上昇して第1作動ピストン62全体を上昇させるピストン部である。この第1作動上部ピストン62aが上下動すると、第1作動用ラック62hに噛合している第2駆動部32の第2軸反転歯車32dと、第3駆動部33の第3軸反転歯車33dとが回転する。第1作動上部ピストン62aの径d7は、第1作動下部内側ピストン62eの径d8よりも大きく形成されている。
【0074】
上部上側ピストン軸62bは、第1作動上部シリンダ61の上面に穿設された軸孔に上下動自在に軸支されたピストンロッドである。
上部下側ピストン軸62cは、第1作動上部シリンダ61の下面の固定フレームF2に上下動自在に軸支されたピストンロッドである。
第1作動外歯ラック62d,62dは、一対の第1作動ピニオン66,66間にそれぞれ噛合した状態に介在された直線歯車であり、第1作動ピニオン66,66を介して第1作動外部ピストン64を間接的に支持している。
第1作動下部内側ピストン62eは、第1作動内側シリンダ65内に、図4に示す第1供給下部シリンダ44の下室44bから第1供給下部ピストン42gによって押し出されて配管P12から供給される作動油の油圧で上昇駆動すると共に、第1供給中部シリンダ43の下室43bから第1供給中部ピストン42dによって押し出されて配管P17からき供給される作動油の油圧により下降するようになっている。
【0075】
図7に示すように、下部上側ピストン軸62fは、凹形状部64bの下面、及び、第1作動内側シリンダ65の上面に対して上下動自在に挿入されたピストンロッドである。
下部下側ピストン軸62gは、第1作動内側シリンダ65の下面、及び、基台F1に対して上下動自在に挿入されたピストンロッドである。
第1作動用ラック62h,62hは、第2駆動部32の第2軸反転歯車32dと、第3駆動部33の第3軸反転歯車33dとの間に介在されると共に、その2つピニオンギヤに噛合して組み付けられた直線歯車である。
【0076】
<第1作動下部外側シリンダの構成>
第1作動下部外側シリンダ63は、第1作動外部ピストン64が上下動可能に内設された横断面視して環状の油圧シリンダケースであり、基台F1に載設されている。第1作動下部外側シリンダ63は、環状ピストン部64dによって、その第1作動下部外側シリンダ63内が、上室63aと下室63bと、に区画されている。上室63aは、配管P12を介して第1供給装置4(図4参照)の第1供給下部シリンダ44の下室44bに連通している。下室63bは、配管P17を介して第4増圧装置B6(図2参照)、及び、第2圧力切替弁V2に連通している。
【0077】
<第1作動外部ピストンの構成>
図7に示すように、第1作動外部ピストン64は、第1供給装置4(図4参照)の第1供給下部シリンダ44内の第1供給下部ピストン42gによって押し出されて配管P12から供給された作動油の油圧で下降すると共に、第1供給中部シリンダ43内の第1供給中部ピストン42dにより押し出され配管P18,P11、及び、第5増圧装置B7を介して供給された作動油の油圧によって下降するようになっている。
第1作動外部ピストン64は、この第1作動外部ピストン64の内側に第1作動内側シリンダ65内の下部下側ピストン軸62gが上下動可能に内設されて、全体が略円筒状に形成されている。第1作動外部ピストン64には、環状の環状ピストン部64dと、下端がこの環状ピストン部64dの内縁に接続され、上端が第1作動下部外側シリンダ63の上面を貫通して凹形状部64bの下端部に接続された連結部64aと、連結部64aの上側に載設され縦断面視して凹形状の凹形状部64bと、凹形状部64bの内壁に形成された第1作動内歯ラック64cと、が一体形成されている。
【0078】
<第1作動内歯ラックの構成>
第1作動内歯ラック64cは、第1作動外部ピストン64の上端部に一体形成されて一体に上下動する直線歯車であり、凹形状部64bの左右内壁に一体形成された一対の歯車からなる。この第1作動内歯ラック64cは、凹形状部64b内に配置された一対の第1作動ピニオン66,66に噛合しながら上下動することによって、第1作動外部ピストン64全体の上下動の動きをガイドして安定化させている。
【0079】
<第1作動内側シリンダの構成>
第1作動内側シリンダ65は、第1作動下部内側ピストン62eが上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースであり、前記第1作動下部外側シリンダ63の軸心側に二重に配置したように隣設されている。第1作動内側シリンダ65内は、第1作動下部内側ピストン62eにより、上室65aと下室65bとに区画されている。上室65aは、配管P17によって第4増圧装置B6及び第2圧力切替弁V2に連通している。下室65bは、配管P12を介して第1供給下部シリンダ44の下室44b及び第1圧力切替弁V1に連通している。
【0080】
<第1作動ピニオン及び吊支部材の構成>
第1作動ピニオン66,66は、水平な固定フレームF2から垂下した一対の吊支部材67,67の下端に回転自在に軸支された一対のピニオンギヤからなる。第1作動ピニオン66,66は、この第1作動ピニオン66,66の左右外側に配置された一対の第1作動内歯ラック64c,64cと、第1作動ピニオン66,66の間の内側に噛合した状態で配置された第1作動外歯ラック62d,62dと、にそれぞれ噛合した状態に配置されている。このため、第1作動外歯ラック62d,62dを有する第1作動ピストン62と、第1作動内歯ラック64c,64cを有する第1作動外部ピストン64とは、駆動した際に、互いに反対方向に移動すると共に、第1作動ピストン62の動力と第1作動外部ピストン64の動力とを加算した動力で、第1作動用ラック62hを上下動させて、第2軸反転歯車32d及び第3軸反転歯車33dを回転駆動させる。
吊支部材67は、第1作動ピニオン66,66をそれぞれ回転自在に軸支するための軸受アームである。
【0081】
≪第2作動ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)の構成≫
図8に示す第2作動ピストン・シリンダ機構7は、前記した第1作動ピストン・シリンダ機構6(図7参照)と略同一形状をした装置からなる。第2作動ピストン・シリンダ機構7は、第2増圧装置B4(図2参照)を介して副従動第1シリンダ101(図6参照)及び副従動第2シリンダ104から副従動第1ピストン102及び副従動第2ピストン103によって押し出された作動油の油圧と、第2供給装置5(図6参照)の第2供給下部シリンダ54及び第2供給中部シリンダ53から第2供給下部ピストン52g及び第2供給中部ピストン52dによって押し出された作動油の油圧と、を利用して第2作動ピストン72及び第1作動用ラック72hを上昇・下降させることにより、第2駆動部32の第2軸正転歯車32b及び第3駆動部33の第3軸反転歯車33dを回転駆動させるピストン・シリンダ機構である。
この第2作動ピストン・シリンダ機構7は、第2作動上部シリンダ71と、第2作動ピストン72と、第2作動下部外側シリンダ73と、第2作動外部ピストン74と、第2作動内側シリンダ75と、第1作動ピニオン76と、吊支部材77と、を主に備えて構成されている。
【0082】
<第2作動上部シリンダの構成>
第2作動上部シリンダ71は、第2作動ピストン72が上下動可能に内設された略円筒形状のシリンダケースであり、固定フレームF2に載設されている。第2作動上部シリンダ71の横断面積S9は、第2作動内側シリンダ75の横断面積S10よりも大きく形成されている。第2作動上部シリンダ71内は、第2作動上部ピストン72aによって、上室71aと下室71bと、に区画されている。上室71aは、大気が開口部(図示省略)から出入りするようになっている。下室71bは、作動油が充填され、配管P16によって第2増圧装置B4(図2参照)を介して副従動第1シリンダ101(図6参照)の下室101b及び副従動第2シリンダ104の上室104aに連通している。
【0083】
<第2作動ピストンの構成>
図8に示すように、第2作動ピストン72には、副従動側ピストン・シリンダ機構10(図6参照)の副従動第1シリンダ101及び副従動第2シリンダ104から第2増圧装置B4を介して供給された作動油の油圧で作動する第2作動上部ピストン72aと、第2供給装置5の第2供給中部ピストン52d及び第2供給下部ピストン52gによって押し出された第2供給中部シリンダ53及び第2供給下部シリンダ54内の作動油の油圧で作動する第2作動下部内側ピストン72eとの2つのピストン部が形成されている。
【0084】
第2作動ピストン72は、上側の固定フレームF2の上方から下側の基台F1の下方に亘って上下動可能な状態に配置されて、全体が略段付円柱状に形成されている。第2作動ピストン72には、円盤状の第2作動上部ピストン72aと、この第2作動上部ピストン72aの上側に連設された上部上側ピストン軸72bと、第2作動上部ピストン72aの下側に連設された上部下側ピストン軸72cと、この上部下側ピストン軸72cの下側に連設された第2作動外歯ラック72d,72dと、第2作動内側シリンダ75内に上下動可能に配置された第2作動下部内側ピストン72eと、第2作動下部内側ピストン72eと第2作動外歯ラック72d,62dとの間に一体形成された下部上側ピストン軸72fと、第2作動下部内側ピストン72eの下側に連設された下部下側ピストン軸72gと、この下部下側ピストン軸72gの下側の左右に形成された第1作動用ラック72h,72hと、が一体形成されている。
【0085】
第2作動上部ピストン72aは、第2作動上部シリンダ71の下室71bに作動油が供給されることにより、その油圧で上昇して第2作動ピストン72全体を上昇させて、第1作動用ラック72hに噛合している第2駆動部32の第2軸正転歯車32bと、第3駆動部33の第3軸正転歯車33bとが回転する。第2作動上部ピストン72aの径d9は、第2作動下部内側ピストン72eの径d10よりも大きく形成されている。
【0086】
上部上側ピストン軸72bは、第2作動上部シリンダ71の上面に穿設された軸孔に上下動自在に軸支されたピストンロッドである。
上部下側ピストン軸72cは、第2作動上部シリンダ71の下面の固定フレームF2に上下動自在に軸支されたピストンロッドである。
第2作動外歯ラック72d,72dは、一対の第1作動ピニオン76,76間にそれぞれ噛合した状態に介在された直線歯車であり、第1作動ピニオン76,76を介して第2作動外部ピストン74を間接的に支持している。
第2作動下部内側ピストン72eは、第2供給中部シリンダ53(図6参照)の上室53a及び第2供給下部シリンダ54の下室54bから第2供給中部ピストン52d及び第2供給下部ピストン52gによって押し出されて第2作動内側シリンダ75内に供給された作動油の油圧で作動して、第2作動ピストン72全体を上下動させる。
【0087】
図8に示すように、下部上側ピストン軸72fは、凹形状部74bの下面、及び、第2作動内側シリンダ75の上面に対して上下動自在に挿入されたピストンロッドである。
下部下側ピストン軸72gは、第2作動内側シリンダ75の下面、及び、基台F1に対して上下動自在に挿入されたピストンロッドである。
第1作動用ラック72h,72h(作動用ラック)は、第2駆動部32の第2軸正転歯車32bと、第3駆動部33の第3軸正転歯車33bとの間に介在されると共に、その2つのピニオンギヤに噛合して組み付けられた直線歯車である。
【0088】
<第2作動下部外側シリンダの構成>
第2作動下部外側シリンダ73は、第2作動外部ピストン74が上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースであり、基台F1に載設されている。第2作動下部外側シリンダ73は、第2作動外部ピストン74によって、その第2作動下部外側シリンダ73内が、上室73aと下室73bと、に区画されている。上室73aは、配管P13を介して第2供給装置5(図6参照)の第2供給下部シリンダ54の下室54b、及び、第1圧力切替弁V1に連通している。下室73bは、配管P10介して第2供給装置5の第2供給中部シリンダ53の上室53aに連通している。
【0089】
<第2作動外部ピストンの構成>
図8に示すように、第2作動外部ピストン74は、第2供給装置5(図6参照)の第2供給下部シリンダ54内の第2供給下部ピストン52gによって押し出されて第2作動下部外側シリンダ73内に供給された作動油の油圧と、第2供給中部シリンダ53内の第2供給中部ピストン52dによって押し出されて第2作動下部外側シリンダ73内に供給された作動油の油圧と、により上昇及び下降するピストンである。
第2作動外部ピストン74は、この第2作動外部ピストン74の内側に軸心に沿って第2作動ピストン72が上下動自在に内設されて、全体が略円筒状に形成されている。第2作動外部ピストン74には、環状の環状ピストン部74dと、下端がこの環状ピストン部74dの内縁に接続され、上端が第2作動下部外側シリンダ73の上面を貫通して凹形状部74bの下端部に接続された連結部74aと、この連結部74aの上側に載設され縦断面視して凹形状の凹形状部74bと、この凹形状部74bの内側内壁に形成された第1作動内歯ラック74cと、が一体形成されている。
【0090】
<第1作動内歯ラックの構成>
第1作動内歯ラック74cは、第2作動外部ピストン74の上端部に一体形成されて一体に上下動する直線歯車であり、凹形状部74bの左右内壁に一体形成された一対の歯車からなる。この第1作動内歯ラック74cは、凹形状部74b内に配置された一対の第1作動ピニオン76,76に噛合しながら上下動することによって、第2作動外部ピストン74全体の上下動の動きをガイドして安定化させている。
【0091】
<第2作動内側シリンダの構成>
第2作動内側シリンダ75は、第2作動下部内側ピストン72eが上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースであり、第2作動下部外側シリンダ73内の軸心側に二重に配置したように隣設されている。第2作動内側シリンダ75内は、第2作動下部内側ピストン72eにより、上室75aと下室75bとに区画されている。上室75aは、配管P10によって、第2供給装置5(図6参照)の第2供給中部シリンダ53の上室53aに連通している。下室75bは、配管P13を介して第2供給下部シリンダ54(図6参照)の下室54b及び第1圧力切替弁V1(図2参照)に連通している。
【0092】
<第1作動ピニオン及び吊支部材の構成>
第1作動ピニオン76,76は、水平な固定フレームF2から垂下した一対の吊支部材77,77の下端に回転自在に軸支された一対のピニオンギヤからなる。第1作動ピニオン76,76は、この第1作動ピニオン76,76の左右外側に配置された一対の第1作動内歯ラック74c,74cと、第1作動ピニオン76,76の間の内側に噛合した状態で配置された第2作動外歯ラック72d,72dと、にそれぞれ噛合した状態に配置されている。このため、第2作動外歯ラック72d,72dを有する第2作動ピストン72と、第1作動内歯ラック74c,74cを有する第2作動外部ピストン74とは、駆動した際に、互いに反対方向に移動すると共に、第2作動ピストン72の動力と第2作動外部ピストン74の動力とを加算した動力で、第1作動用ラック72hを上下動させて、第2軸正転歯車32b及び第3軸正転歯車33bを回転駆動させる。
吊支部材77は、第1作動ピニオン76,76をそれぞれ回転自在に軸支するための軸受アームである。
【0093】
≪加圧装置の構成≫
図3に示すように、加圧装置8は、水道管P1によって供給された水道水の水圧を油圧に変換させて増圧させるピストン・シリンダ機構である。加圧装置8は、水道水の水圧を供給する元圧供給路P2が接続された加圧第1シリンダ81と、加圧第1ピストン82aと加圧第2ピストン82dとの2つのピストンを一体形成してなる加圧ピストン82と、加圧第1シリンダ81の下側に連設された加圧第2シリンダ83と、加圧第2シリンダ83と第1圧力切替弁V1とを接続する配管P24と、を備えて構成されている。
加圧装置8は、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12と逆位相で駆動されて、加圧第2シリンダ83内の加圧状態及び非加圧状態に応じてその圧力信号を配管P24を介して第1圧力切替弁V1に送って、天地開放槽T1に連通する液圧開放路(P6,P13,P23)の流れる作動油の方向を、天地開放槽T1に対して貯溜する方向と放出する方向とに交互に切り換える油圧信号(切換信号)を送るためのピストン・シリンダ機構である。
【0094】
加圧第1シリンダ81内は、円盤状の加圧ピストン82によって水道水が出入りする上室81aと、大気が開口部(図示省略)から出入りする下室81bとに区画されている。
加圧ピストン82は、前記加圧第1ピストン82aと、この上に連設された上部ピストン軸82bと、この下に連設された下部ピストン軸82c及び加圧第2ピストン82dと、を一体形成したピストン部材である。
加圧第1ピストン82aは、水道圧を受けて加圧第1シリンダ81内を下降することで、加圧ピストン82全体を下降させる。
上部ピストン軸82bは、加圧第1シリンダ81の上面に形成された軸孔に上下動自在に軸支されるピストンロッドである。
下部ピストン軸82cは、加圧第1シリンダ81の下面に形成された軸孔に上下動自在に軸支されるピストンロッドである。
加圧第2ピストン82dは、下部ピストン軸82cの下側に連設されて、加圧第2シリンダ83内を上下するように形成された棒状の小径のピストンである。
【0095】
≪副駆動側ピストン・シリンダ機構の構成≫
図9に示すように、副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、液圧供給源Wから供給された水道水の水圧により駆動されると共に、その水圧を増圧させる装置であり、駆動側ピストン・シリンダ機構1に対して対称的に進退駆動するピストン・シリンダ機構である。つまり、副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動第1ピストン12aの初期始動に対して、副駆動ピストン92の初期始動が逆位相(反対方向)になるように、副駆動第1シリンダ91の横断面積S5及び副駆動第1ピストン92aの径d5が、駆動第1シリンダ11の横断面積S1及び駆動第1ピストン12aの径d1よりも小さく形成されている。副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、この装置で増圧した油圧を配管P19によってサブ増圧装置B2を介して副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1シリンダ101の上室101a及び副従動第2シリンダ104の下室104bに供給したり、また、作動油が供給されたりするように構成されている。副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、上側に水圧式、下側に油圧式のピストン・シリンダ機構を連設した二段式の装置からなる。
【0096】
副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、液圧供給源Wから水圧が供給される副駆動第1シリンダ91と、副駆動第1シリンダ91内に進退可能に内設された副駆動第1ピストン92aと、副駆動第1ピストン92aに一体に設けられた副駆動第2ピストン92bと、副駆動第2ピストン92bの作動に伴って液圧供給源Wの水圧よりも高圧の油圧を生成する副駆動第2シリンダ93と、を備えて構成されている。副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、例えば、0.3Mpa程度の水道圧が負荷される副駆動第1シリンダ91の内圧を、5Mpaの油圧に上昇させることが可能になっている。
【0097】
<副駆動第1シリンダの構成>
図9に示すように、副駆動第1シリンダ91は、円筒形状の水圧シリンダケースからなり、副駆動第1シリンダ91内が、副駆動ピストン92によって、水道水が供給される上室91aと、開口部(図示省略)から大気が出入りする下室91bと、に区画される。
【0098】
<副駆動ピストンの構成>
副駆動ピストン92は、副駆動第1ピストン92aと、副駆動第2ピストン92bと、上部ピストン軸92cと、下部ピストン軸92dとが一体形成されて、それらが一体に上下動するピストンである。副駆動ピストン92は、液圧供給源Wから上室91a内に供給された水圧と、配管P19から副駆動第2シリンダ93内に送り込まれた油圧とによって作動するようになっている。
【0099】
副駆動第1ピストン92aは、液圧供給源Wから供給された水圧を受けたときに、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12に対して相対的に副駆動ピストン92を作動させるピストンである。副駆動第1ピストン92aは、上面に上部ピストン軸92cが立設され、下面に下部ピストン軸92dが垂下されている。上部ピストン軸92cは、副駆動第1シリンダ91の上面に穿設された貫通孔に進退自在に軸支されて、副駆動第1ピストン92aの上昇及び下降をガイドする。下部ピストン軸92dは、副駆動第1ピストン92aを軸支する支軸と、副駆動第2ピストン92bとの機能を果たす棒状部位であって、副駆動第1シリンダ91の下面に穿設された貫通孔に進退自在に軸支されて、副駆動第1ピストン92a及び副駆動第2ピストン92bの上下動をガイドする。
【0100】
副駆動第2ピストン92bは、副駆動第2シリンダ93に上下動自在に内設された棒状のピストンであって、副駆動第2ピストン92bの下側部分である。副駆動第2ピストン92bは、副駆動第1ピストン92aの径d5よりも小さな径d6で形成されている。この副駆動第2ピストン92bは、副駆動第1ピストン92aと一体に作動し、下降したときに、副駆動第2シリンダ93内の作動油を増圧させてサブ増圧装置B2に向けて押し出し、上昇したときに、配管P19内の作動油を吸引する。
【0101】
<副駆動第2シリンダの構成>
副駆動第2シリンダ93は、副駆動第1シリンダ91の下面に連設された円筒状の密閉容器からなる油圧シリンダケースであり、下面部に配管P19が設置されている。副駆動第2シリンダ93は、副駆動第2ピストン92bの進退に伴って作動油の油圧を水道水の水圧(0.3Mpa程度)よりも増圧させてサブ増圧装置B2(増圧装置B)に吐出、または、サブ増圧装置B2からの油圧を減圧させて吸引する。副駆動第2シリンダ93は、副駆動第1シリンダ91の横断面積S5よりも小さな横断面積S6で形成されている。
【0102】
≪副従動側ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)の構成≫
図6に示すように、副従動側ピストン・シリンダ機構10は、副駆動側ピストン・シリンダ機構9の副駆動第1ピストン92a及び副駆動第2ピストン92bの往復動に伴って駆動するピストン・シリンダ機構である。副従動側ピストン・シリンダ機構10は、サブ増圧装置B2で増圧された油圧を利用して駆動装置3の第4駆動部34の第4軸歯車34b及び第2駆動部32の第2軸反転歯車32dを駆動させるピストン・シリンダ機構である。この副従動側ピストン・シリンダ機構10は、副従動第1シリンダ101と、副従動内歯ラック102cを有する副従動第1ピストン102と、副従動外歯ラック103a及び下部ピストン軸103dを有する副従動第2ピストン103と、副従動第2シリンダ104と、副従動ピニオン105と、吊支部材106と、を備えて構成されている。
【0103】
<副従動第1シリンダの構成>
副従動第1シリンダ101は、副従動第1ピストン102が上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースであり、基台F1に載設されている。副従動第1シリンダ101内は、副従動第1ピストン102によって、上室101aと下室101bとに区画されている。上室101aは、配管P19,P25,P26により、減圧弁R2及びサブ増圧装置B2を介して副駆動第2シリンダ93に、また、配管P21,P22を介して駆動第2シリンダ13及び第2圧力切替弁V2に接続されている。下室101bは、配管P16によって、第2増圧装置B4を介して第2作動ピストン・シリンダ機構7の第2作動上部シリンダ71の下室71b、及び、第2圧力切替弁V2に連通している。
【0104】
<副従動第1ピストンの構成>
図6に示すように、副従動第1ピストン102は、前記第2増圧装置B4から配管P16を介して供給された作動油の油圧と、副駆動第2シリンダ93内の副駆動第2ピストン92bによって押し出された作動油の油圧と、で作動するピストンである。
副従動第1ピストン102は、この副従動第1ピストン102の内側に副従動第2シリンダ104内の副従動第2ピストン103が上下動可能に内設されて、全体が略円筒状に形成されている。副従動第1ピストン102には、環状の環状ピストン部102dと、下端がこの環状ピストン部102dの内縁に接続され、上端が副従動第1シリンダ101の上面を貫通して副従動内歯ラック102cの下端部に接続された連結部102aと、連結部102aの上側に載設され縦断面視して凹部形状の凹形状部102bと、この凹形状部102bの内側内壁に形成された副従動内歯ラック102cと、が一体形成されている。
【0105】
<副従動内歯ラックの構成>
副従動内歯ラック102cは、副従動第1ピストン102の上端部に一体形成されて一体に上下動する直線歯車であり、凹形状部102bの内壁の左右に一体形成されている。この副従動内歯ラック102cは、凹形状部102bの内側に配置された一対の副従動ピニオン105,105に噛合しながら上下動することによって、副従動第1ピストン102全体の上下動の動きをガイドして安定化させている。
【0106】
<副従動第2ピストンの構成>
図6に示すように、副従動第2ピストン103は、サブ増圧装置B2から配管P25,P26を介して供給された油圧と、第2作動ピストン・シリンダ機構7の第2作動上部シリンダ71内の第2作動上部ピストン72aによって押し出されて第2増圧装置B4で増圧されて配管P16から供給される油圧と、で作動するピストンである。
この副従動第2ピストン103は、副従動第2シリンダ104内に上下動可能に配置され、上下方向に向けて延設された略段付円柱状の部材からなる。副従動第2ピストン103には、上端部の左右側面に形成された副従動外歯ラック103aと、副従動外歯ラック103aの下に連設された棒状の上部ピストン軸103bと、この上部ピストン軸103bの下端に連設された円盤状の副従動第2ピストン部103cと、この副従動第2ピストン部103cの下に連設された下部ピストン軸103dと、この下部ピストン軸103dの下側に連設された副従動駆動用ラック103eと、を一体形成してなる。
【0107】
<副従動外歯ラックの構成>
副従動外歯ラック103a,103aは、一対の副従動ピニオン105,105間に上下動可能に配置されて、その副従動ピニオン105,105に噛合する直線歯車であり、副従動第2ピストン103が上下動すると、副従動ピニオン105,105を回転させるように組み付けられている。この副従動外歯ラック103a,103aは、副従動第2ピストン103の上端部に一体形成されて、固定フレームF2に固定された一対の吊支部材106に軸支された副従動ピニオン105,105間に両者に噛合させ、上下動自在に配置されている。このため、副従動外歯ラック103a,103aは、副従動第2ピストン103の上下動の動きが安定した動きになるようにガイドしている。
【0108】
上部ピストン軸103bは、副従動第1シリンダ101及び凹形状部102bに上下動自在に挿入されている。
副従動第2ピストン部103cは、副従動第2シリンダ104内に作動油が供給されると、その油圧で副従動第2シリンダ104内を上下動して副従動駆動用ラック103eを上昇及び下降させる。
下部ピストン軸103dは、基台F1に上下動自在に挿入されている。
【0109】
<副従動駆動用ラックの構成>
図6に示すように、副従動駆動用ラック103eは、副従動第2ピストン103が上下動することにより共に上下動して、第1駆動部31の第1軸歯車31b及び第2駆動部32の第2軸反転歯車32dを回転駆動させるための直線歯車である。副従動駆動用ラック103eには、第1駆動部31の第1軸歯車31bに噛合するラックと、第2駆動部32の第2軸反転歯車32dに噛合するラックと、が一体形成されている。副従動駆動用ラック103e,103eは、副従動第2ピストン103の下端部のピストン軸の左右側面にそれぞれ形成された一対のラックからなり、第1駆動部31の第1軸歯車31bと、第2駆動部32の第2軸反転歯車32dとの間にそれぞれ噛合する状態で介在されている。
【0110】
<副従動第2シリンダの構成>
副従動第2シリンダ104は、副従動第2ピストン103が上下動可能に内設された略円筒形状の油圧シリンダケースであり、前記副従動第1シリンダ101内の軸心側に環状の副従動第1ピストン102を介在して二重に配置したように内設されている。副従動第2シリンダ104内は、副従動第2ピストン103によって、上室104aと下室104bとに区画されている。上室101a及び下室101b内には、前記配管P16,P26,P21,P22から供給された作動油が供給されて充填されている。
【0111】
<副従動ピニオン及び吊支部材の構成>
副従動ピニオン105,105は、水平に設けられた固定フレームF2から垂下した一対の吊支部材106,106の下端に回転自在に軸支された一対のピニオンギヤからなる。副従動ピニオン105,105は、この副従動ピニオン105,105の左右外側に配置された一対の副従動内歯ラック102c,102cと、副従動ピニオン105,105の間の内側に噛合した状態で配置された副従動外歯ラック103a,103aとにそれぞれ噛合した状態に配置されている。このため、副従動外歯ラック103a,103aを有する副従動第2ピストン103と、副従動内歯ラック102c,102cを有する副従動第1ピストン102とは、駆動した際に、互いに反対方向に移動すると共に、副従動第2ピストン103の動力と副従動第1ピストン102の動力とを加算した動力で、副従動駆動用ラック103eを上下動させて、第2軸反転歯車32d及び第4軸歯車34bを回転駆動させる。
吊支部材106,106は、副従動ピニオン105,105を回転自在に軸支する軸受アームである。
【0112】
≪圧力切替弁の構成≫
圧力切替弁Vは、加圧装置8からこの圧力切替弁Vに負荷された圧力(加圧状態または非加圧状態)に応じて作動油が流れる天地開放槽T1への液圧開放路(P6,P13,P23)の流れる方向を交互に切り換えるバルブであり、駆動システムA1には、第1圧力切替弁V1と第2圧力切替弁V2とが設けられている。
第1圧力切替弁V1は、従動側ピストン・シリンダ機構2の従動第1シリンダ21の下室21b、従動第2シリンダ24の上室24a、第2作動ピストン・シリンダ機構7の第2作動下部外側シリンダ73の上室73a、第2作動内側シリンダ75の下室75b、第2供給装置5の第2供給上部シリンダ51の下室51b、及び、第2供給下部シリンダ54の下室54bから配管P6,P13,P16(液圧開放路)を介して静止圧(0.00Mpa)が供給されると、配管P23から天地開放槽T1へ作動油が流れるように作動する。
【0113】
また、第1圧力切替弁V1は、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12と逆位相で駆動される加圧装置8の加圧第2ピストン82dによって、加圧第2シリンダ83内の加圧状態の作動油の油圧(5Mpa)が配管P24から供給されると、配管P20を介して第1供給装置4の第1供給下部シリンダ44の上室44aと、第2供給装置5の第2供給下部シリンダ54の上室54aとに作動油が供給されるように切り換える。
【0114】
第2圧力切替弁V2は、第2供給装置5の第2供給上部シリンダ51の上室51aから第2供給上部ピストン52aによって作動油が押し出されて、この第2圧力切替弁V2に作動油が流れて来たときに、配管P27から第4増圧装置B6を介して第2供給装置5の第2供給中部シリンダ53の上室53a、配管P28,P16から第2増圧装置B4を介して副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1シリンダ101の下室101b、及び副従動第2シリンダ104の上室104aに2.5Mpaの作動油が供給されるように切り換える。
【0115】
≪天地開放槽及び貯溜槽の構成≫
天地開放槽T1は、駆動システムA1における最も高所の位置に配置され、作動油を一時的に貯溜するためのリザーバタンクである。この天地開放槽T1の内底には、作動油が駆動システムA1から第1圧力切替弁V1及び第2圧力切替弁V2を介して送られて来る配管P23が接続されている。天地開放槽T1は、第1圧力切替弁V1及び第2圧力切替弁V2に静止油(0.00Mpa)の作動油が供給されたときに、配管P23からこの天地開放槽T1に供給される。また、天地開放槽T1内の作動油は、駆動システムA1側の油圧が低下した場合に、位置エネルギーで配管P23を介して第1圧力切替弁V1及び第2圧力切替弁V2側に自動的に流れるようになっている。
貯溜槽T2は、天地開放槽T1から溢れ出た作動油を貯溜するための槽である。
【0116】
≪駆動装置に構成≫
図10に示すように、駆動装置3は、第3軸33aに軸着された出力歯車33gを回転駆動させるための装置であり、ラックを有する複数のピストン・シリンダ機構と、そのラックに噛合するピニオンギヤを備えた歯車伝達機構と、歯車伝達機構の軸に設けた出力歯車33gと、を備えて構成されている。つまり、駆動装置3は、第1軸31aを回転させることにより歯車機構を介して出力歯車33gを最終的に回転駆動させる第1駆動部31と、第2軸32aを回転させることにより歯車機構を介して出力歯車33gを最終的に回転駆動させる第2駆動部32と、第3軸33aを回転させることにより歯車機構を介して出力歯車33gを回転駆動させる第3駆動部33と、第3軸33aを回転させることにより歯車機構を介して出力歯車33gを回転駆動させる第3駆動部33と、第4軸34aを回転させることにより歯車機構を介して出力歯車33gを回転駆動させる第4駆動部34と、から構成されている。
【0117】
<第1駆動部の構成>
第1駆動部31は、第1軸31aに軸着された第1軸歯車31bを回転させることによって、歯車機構を介して最終的に出力歯車33gを回転駆動させるための装置である。第1駆動部31は、第1軸31aと、第1軸歯車31bを回転させるための第1供給駆動用ラック42jを備えた第1供給装置4と、第1軸歯車31bを回転させるための従動駆動用ラック23eを備えた従動側ピストン・シリンダ機構2と、第2軸正転歯車32b及び第3軸正転歯車33bを回転させる第1作動用ラック72hを備えた第2作動ピストン・シリンダ機構7と、第3軸正転歯車33bが軸着された第3軸33aと、出力歯車33gと、から構成されている。
【0118】
<第2駆動部の構成>
第2駆動部32は、第2軸32aに軸着された第2軸正転クラッチ32cを有する第2軸正転歯車32b、または、第2軸反転クラッチ32eを有する第2軸反転歯車32dを回転させることによって、歯車機構を介して最終的に出力歯車33gを回転駆動させる装置である。第2駆動部32は、第2軸32aと、この第2軸32aに軸着され第2軸正転クラッチ32cを有する第2軸正転歯車32bと、第2軸32aに軸着され第2軸反転クラッチ32eを有する第2軸反転歯車32dと、第2軸32aに軸着され第2軸32aの回転を中間歯車35を介在して第3駆動部33の第3軸伝達歯車33fに伝達するため第2軸伝達歯車32fと、第2軸正転歯車32bを回転させる従動駆動用ラック23eを備えた従動側ピストン・シリンダ機構2と、第2軸正転歯車32bを回転させる第1作動用ラック72hを備えた第2作動ピストン・シリンダ機構7と、第2軸反転歯車32dを回転させる副従動駆動用ラック103eを備えた副従動側ピストン・シリンダ機構10と、第2軸反転歯車32dを回転させる第1作動用ラック62hを備えた第1作動ピストン・シリンダ機構6と、から構成されている。
【0119】
<第3駆動部の構成>
図10に示すように、第3駆動部33は、第3軸33aに軸着された第3軸正転クラッチ33cを有する第3軸正転歯車33bと、または、第3軸反転クラッチ33eを有する第3軸反転歯車33dを回転させることによって、歯車機構を介して最終的に出力歯車33gを回転駆動させる装置である。第3駆動部33は、第3軸33aと、この第3軸33aに軸着され第3軸正転クラッチ33cを有する第3軸正転歯車33bと、第3軸33aに軸着され第3軸反転クラッチ33eを有する第3軸反転歯車33dと、第3軸33aに軸着された第3軸伝達歯車33fと、第3軸33aに軸着された出力歯車33gと、第3軸正転歯車33bを回転させる第1作動用ラック72hを備えた第2作動ピストン・シリンダ機構7と、第3軸反転歯車33dを回転させる第1作動用ラック62hを備えた第1作動ピストン・シリンダ機構6と、から構成されている。
【0120】
<第4駆動部の構成>
第4駆動部34は、第4軸34aに軸着された第4軸歯車34bを回転させることによって、歯車機構を介して最終的に出力歯車33gを回転駆動させるための装置である。第4駆動部34は、第4軸34aと、第4軸歯車34bを回転させるための第2供給駆動用ラック52jを備えた第2供給装置5と、第4軸歯車34bを回転させるための副従動駆動用ラック103eを備えた副従動側ピストン・シリンダ機構10と、副従動駆動用ラック103eによって回転して第2軸32a及び第2軸伝達歯車32fを回転させる第2軸反転歯車32dと、第2軸伝達歯車32fによって回転する中間歯車35と、中間歯車35によって回転する第3軸伝達歯車33f、第3軸33a及び出力歯車33gと、から構成されている。
【0121】
[作用]
次に、図2を主に各図を参照しながら増圧システムA2及びこれを用いた駆動システムA1の作用を説明する。
【0122】
≪駆動システムの初期始動≫
まず、増圧システムA2及び駆動システムA1を作動させるときは、水栓V3及び仕切弁V4を開弁する。すると、元圧供給路P2内の水道水(図2の太字破線で示す0.3Mpa)の水道水が、水道管P1から水栓V3、仕切弁V4を介して元圧供給路P2に流れて、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動第1シリンダ11の上室11a(図3参照)、加圧装置8の加圧第1シリンダ81の上室81a(図3参照)、及び、副駆動側ピストン・シリンダ機構9に副駆動第1シリンダ91の上室91a(図9参照)内に水道水の水圧がかかる。
【0123】
このとき、水道水は、元圧供給路P2内を左右方向へ流動するが、この元圧供給路P2から外部に流れ出ることがない。つまり、増圧システムA2及び駆動システムA1において、液圧供給源Wの水道水は、その水圧のみ使用して駆動するものであって、水道水が元圧供給路P2から外部に排出されて、流量が消費されることはない。
このため、元圧供給路P2内の水道水は、全体の流量が一定であり、水道水の水圧が元圧供給路P2内にかかると、まず、横断面積S3,S5(図3及び図9参照)の小さい加圧第1シリンダ81及び副駆動第1シリンダ91内の水道水が、その面積よりも横断面積S1の大きい駆動第1シリンダ11内に流れ込んで駆動ピストン12(図3参照)を押し下げて駆動側第1ピストン・シリンダ機構1を駆動させる。
加圧第1シリンダ81内の水道水が元圧供給路P2側へ流出するのに伴って、加圧装置8は、加圧ピストン82が上昇する。また、副駆動側ピストン・シリンダ機構9は、副駆動第1シリンダ91内の水道水が元圧供給路P2側へ流出するのに伴って、副駆動ピストン92が上昇する。
【0124】
図3に示すように、駆動側第1ピストン・シリンダ機構1では、駆動第1ピストン12a(ピストン)の径d1が下部ピストン軸12dの径d2よりも大きいため、駆動第2シリンダ13から配管P13を介してメイン増圧装置B1に送り出される油圧が、2.5Mpa(図2の太実線で示す配管P13の部分)に増圧される。このため、駆動第1ピストン12aは、約1トンの力で押し下げられる。
【0125】
さらに、その油圧は、メイン増圧装置B1で4倍の12.5Mpa(図2の細実線で示す配管P5の部分)に増圧されて、図5に示す従動第1シリンダ21の上室21a、及び、従動第2シリンダ24の下室24b内に送り込まれて、従動側ピストン・シリンダ機構2を水道圧に対して大きく増圧された油圧で駆動させる。
【0126】
従動第1シリンダ21の上室21a内に入った作動油は、環状ピストン部22dを押し下げることによって、従動第1ピストン22全体を下降させる。従動第2シリンダ24の下室24b内に入った作動油は、従動第2ピストン部23cを押し上げることによって、従動第2ピストン23全体を上昇させる。従動第1シリンダ21の下室21b及び従動第2シリンダ24の上室24a内の作動油は、環状ピストン部22d及び従動第2ピストン部23cによって押し出されて、配管P6、第1圧力切替弁V1及び配管P23を介して天地開放槽T1内に流れ込む。
【0127】
そして、前記従動第2ピストン23と一体の従動駆動用ラック23eは、従動第2ピストン23と従動第1ピストン22との間に介在された従動ピニオン25,25によって互いに連動するので、従動第2ピストン23の動力と従動第1ピストン22の動力とを加算した10,800Kgfの力で上昇(矢印a方向へ移動)して、第1駆動部31の第1軸歯車31bを左(矢印b)方向に回転させると共に、第2駆動部32の第2軸正転歯車32b(ピニオンギヤ)を右(矢印c)方向に回転させる。
【0128】
図10に示すように、第1軸歯車31bが左(矢印b)方向に回転すると、これに噛合している第1供給装置4の第1供給駆動用ラック42jが連動して下降(矢印d方向へ移動)する。
また、第2軸正転歯車32bが右(矢印c)方向に回転すると、第2軸正転クラッチ32cにより第2軸32aが静止状態で、第2軸正転歯車32bに噛合している第2作動ピストン・シリンダ機構7の第1作動用ラック72hを16,800Kgfの力で下降(矢印m方向へ移動)させる。この第1作動用ラック72hの下降により、第1作動用ラック72hに噛合している第3駆動部33の第3軸正転歯車33bが左(矢印k)方向に回転して、第3軸33a、第3軸伝達歯車33f及び出力歯車33gを同一(矢印k)方向へ強力な回転力で回転させる。このため、駆動システムA1は、水道水の小さな水圧を大きく増圧させて、大きな回転力で出力歯車33gを回転駆動させることにより、水圧エンジンとして利用することが可能である。
【0129】
図4に示すように、前記第1供給駆動用ラック42jが下降したことにより、第1供給装置4の第1供給ピストン42全体が下降する。第1供給上部ピストン42aは、第1供給上部シリンダ41の下室41b内の2.5Mpaの作動油を押し出して、配管P14、P15、減圧弁R1を介して第3増圧装置B5で2倍の5Mpaに増圧された油圧を第1作動上部シリンダ61(図7参照)の下室61bに供給して第1作動ピストン・シリンダ機構6の第1作動ピストン62及び第1作動用ラック62hを上昇駆動(矢印i方向へ移動)させる。これにより、第1作動用ラック62hに噛合している前記第2軸反転歯車32dは、この動力によっても、第3軸33aを回転駆動させるので、大きな回転力で回転する。
【0130】
また、第1供給中部ピストン42dは、第1供給中部シリンダ43の下室43b内の5Mpaの作動油を押し出して、配管P18,P11を介して第5増圧装置B7で2倍の10Mpaの油圧を、図6に示す第2供給中部シリンダ53の下室53bに供給し、第2供給装置5の第2供給ピストン52及び第2供給駆動用ラック52jを1,202Kgfの力で上昇駆動(矢印e方向へ移動)させる。これにより、第2供給駆動用ラック52jに噛合している第4軸歯車34bは、この動力によって、第4軸34a及び副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動駆動用ラック103eを回転駆動させる。
【0131】
また、図4に示す第1供給下部ピストン42gは、第1供給下部シリンダ44の下室44b内の5Mpaの作動油を押し出して、配管P12を介して第1作動下部外側シリンダ63の上室63a、及び、第1作動内側シリンダ65の下室65bに供給して第1作動ピストン・シリンダ機構6の第1作動ピストン62及び第1作動用ラック62hを13,500Kgfの力で上昇駆動(矢印i方向へ移動)させる。これにより、第1作動用ラック62hに噛合している第2軸反転歯車32dは、この動力によって、第3軸33a、第3軸伝達歯車33f、中間歯車35、第3軸伝達歯車33f、第3軸33aを介して出力歯車33gを強力な回転力で回転駆動させる。
【0132】
図8に示す前記第2軸正転歯車32bの右(矢印c)方向の回転によって下降(矢印m方向)された第1作動用ラック72hと一体の第2作動ピストン72は、第2作動上部ピストン72aが第2作動上部シリンダ71の下室71b内の2.5Mpaの作動油を押し出す。その押し出された作動油は、配管P16を介して第2増圧装置B4で2倍の5Mpaに増圧されて、図6に示す副従動第1シリンダ101の上室101a、及び、副従動第2シリンダ104の上室104aに供給して、副従動第2ピストン103及び副従動第1ピストン102を下降させる。副従動第2ピストン103と副従動第1ピストン102とは、その間に介在された副従動ピニオン105,105によって互いに連動するので、副従動第2ピストン103の動力と副従動第1ピストン102の動力とを加算した8,100Kgfの力で副従動駆動用ラック103eを下降(矢印g方向へ移動)させる。
これにより、副従動駆動用ラック103eに噛合している第4軸歯車34bは、この動力によって、第4軸歯車34bを右(矢印f)方向に回転駆動させると共に、第2軸反転歯車32dを左(矢印h)方向に回転駆動させる。このため、前記出力歯車33gは、この動力によっても歯車機構を介在して回転される。
【0133】
なお、副従動第1シリンダ101の下室101b、及び、副従動第2シリンダ104の下室104b内の作動油は、副従動第1ピストン102及び副従動第2ピストン103に押し出されて配管P26,P25、サブ増圧装置B2及び配管P19を介して副駆動側ピストン・シリンダ機構9(図9参照)の副駆動第2シリンダ93内に流れ込んで、副駆動ピストン92を上昇させて、副駆動第1シリンダ91内の水道水を元圧供給路P2を介して駆動第1シリンダ11(図3参照)内に送り込む。このため、副駆動側ピストン・シリンダ機構9の副駆動ピストン92は、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12に対して逆方向に駆動し、対称的な動きをする。
【0134】
前記第1供給装置4の第1供給ピストン42の下降駆動によって上昇(矢印e方向)された図6に示す第2供給装置5の第2供給ピストン52は、第2供給上部ピストン52aが第2供給上部シリンダ51の上室51a内の2.5Mpaの作動油を押し出し、配管P8を介して第1増圧装置B3で2倍の5Mpaに増圧されて配管P9を介して第1供給上部シリンダ41(図4参照)の上室41aに送り、第1供給ピストン42の第1供給駆動用ラック42jを5,400Kgfの力で下降(矢印d方向へ移動)させる。このため、第1供給装置4は、第2供給装置5による油圧によっても駆動される。
【0135】
また、前記第1供給装置4の第1供給ピストン42の下降駆動によって上昇(矢印i方向へ移動)された図7に示す前記第1作動ピストン・シリンダ機構6の第1作動ピストン62は、第1作動外部ピストン64が第1作動下部外側シリンダ63の上室61a内の2.5Mpaの作動油を押し出し、配管P17を介して第2増圧装置B4で2倍の5Mpaに増圧されて配管P16を介して第1供給中部シリンダ43(図4参照)の上室43aに送り、前記第1供給ピストン42を下降(矢印d方向へ移動)させる。このため、第1供給装置4は、第2供給装置5による油圧によっても駆動される。
【0136】
このように、図10に示す駆動装置3は、水道圧を前記駆動側ピストン・シリンダ機構1で増圧し、さらに、メイン増圧装置B1で増圧させた油圧によって従動側ピストン・シリンダ機構2が駆動すると、第1供給装置4、第2作動ピストン・シリンダ機構7、従動側ピストン・シリンダ機構2、副従動側ピストン・シリンダ機構10、及び、第1作動ピストン・シリンダ機構6からなる駆動装置3全体が連動して大きな動力で出力歯車33gを回転駆動させることができる。
【0137】
≪水道水が加圧装置の加圧第1シリンダ及び副駆動側ピストン・シリンダ機構の副駆動第1シリンダ内に流れ込む場合の説明≫
図2に示すように、駆動システムA1は、駆動装置3の前記駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12、従動側ピストン・シリンダ機構2の従動第1ピストン22及び従動第2ピストン23、第1供給装置4の第1供給ピストン42、第2供給装置5の第2供給ピストン52、第1作動ピストン・シリンダ機構6の第1作動ピストン62、第2作動ピストン・シリンダ機構7の第2作動ピストン72、副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動第1ピストン102、及び、副従動第2ピストン103が完全に下降する下限位置(下死点)、または、上限位置(上死点)まで移動すると、これに連動して駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12に対して逆位相になって駆動される加圧装置8の加圧ピストン82による加圧第1シリンダ81の上室81aが、非加圧状態から加圧状態に切り換わる。
【0138】
加圧装置8は、加圧第1シリンダ81の上室81aの水圧が非加圧状態から加圧状態に転じると、加圧ピストン82全体が下降して、加圧第2シリンダ83内の作動油が配管P24を介して第1圧力切替弁V1に送られて第1圧力切替弁V1の弁体を切り換える。その第1圧力切替弁V1を通過した作動油は、配管20を介して第1供給装置4(図4参照)の第1供給下部シリンダ44の上室44a内に流れ込んで第1供給ピストン42を下降させると共に、第2供給装置5(図6参照)の第2供給下部シリンダ54の上室54a内に流れ込んで第2供給ピストン52を下降させて、第1供給装置4及び第2供給装置5を逆位相させる。
【0139】
また、前記第1圧力切替弁V1の弁体が切り換わると、図4に示す高所にある天地開放槽T1内の位置エネルギーを持った作動油が逆流して、配管P23から第1圧力切替弁V1、配管P6,P13を介して従動側ピストン・シリンダ機構2の従動第1シリンダ21の下室21b、及び、従動第2シリンダ24の上室24a内に流れ込んで逆位相させる。
これに伴い従動第2ピストン23及び従動駆動用ラック23eは、下降(矢印aの反対方向へ移動)して、前記した駆動装置3(図10参照)の動きが反転すると共に、従動第1シリンダ21の上室21a、及び、従動第2シリンダ24の下室24b内の作動油が、配管P3、メイン増圧装置B1及び配管P3を介して駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動第2シリンダ13内に流れ込み、駆動ピストン12を押し上げる。
【0140】
なお、駆動第1シリンダ11内の水道水は、駆動ピストン12によって押し出されて、元圧供給路P2内を加圧装置8の加圧第1シリンダ81、及び、副駆動側ピストン・シリンダ機構9の副駆動第1シリンダ91の上室91a内に流れ込んで、加圧ピストン82及び副駆動ピストン92を下降させる。
また、第1圧力切替弁V1の作動により、従動第1シリンダ21の上室21a内の作動油は、配管P5をメイン増圧装置B1及び配管P3を介して駆動第2シリンダ13内へ逆流し、駆動側ピストン・シリンダ機構1の駆動ピストン12が押し上げられる。
【0141】
さらに、前記第1圧力切替弁V1から配管P13を介して第2作動下部外側シリンダ73(図8参照)の上室73a、第2作動内側シリンダ75の上室75a、及び、第2供給下部シリンダ54(図6参照)の下室54b内に流れ込んで、第2作動ピストン・シリンダ機構7、及び、第2供給装置5を逆位相させる。
【0142】
このように、第1圧力切替弁V1が切り換わることによって、駆動システムA1の各ピストン・シリンダ機構のピストンが逆位相になると共に、各配管P内の水道水、作動油が逆流する。このため、水道水は、元圧供給路P2、駆動第1シリンダ11、加圧第1シリンダ81及び副駆動第1シリンダ91内を流動を流動するだけで、外部に排出されないため、水圧のみ利用されて、水量が消費されることはない。また、作動油は、配管P内、各ピストン・シリンダ機構のシリンダ内、及び、天地開放槽T1内を流動するだけで、外部に廃棄されないため、繰り返し使用できる。
【0143】
図9に示す副駆動ピストン92は、下降することによって、副駆動第2ピストン92bが副駆動第2シリンダ93の作動油を押し出して配管P19、サブ増圧装置B2、及び、配管P25,P26を介して図6に示す副従動第1シリンダ101の上室101a、副従動第2シリンダ104の下室104b内に作動油を逆流させる。すると、副従動第2ピストン103及び副従動駆動用ラック103eがその作動油の油圧によって上昇(矢印gの逆方向へ移動)する。
【0144】
このため、図10に示す駆動装置3は、前記従動側ピストン・シリンダ機構2の従動駆動用ラック23eが下降(矢印aの逆方向へ移動)し、副従動側ピストン・シリンダ機構10の副従動駆動用ラック103eが上昇して、それぞれ初期始動時とは逆方向に駆動することによって、各歯車機構が図10に示す矢印とは反対方向に回転して、出力歯車33gも初期始動時とは逆方向に回転駆動する。そして、従動側ピストン・シリンダ機構2、第1供給装置4、第2作動ピストン・シリンダ機構7、従動側ピストン・シリンダ機構2、副従動側ピストン・シリンダ機構10及び第1作動ピストン・シリンダ機構6からなる駆動装置3全体が、前記初期始動時とは逆の方向に作動(逆位相)し、各ピストンが上限位置まで上昇、または、下限位置まで下降すると、前記第1圧力切替弁V1及び第2圧力切替弁V2の弁体が初期始動時の状態に切り換わる。
その結果、駆動システムA1は、水栓V3または仕切弁V4を閉弁しない限り、水道水の水圧を元圧として前記した初期始動の駆動と、この初期始動の駆動とは逆位相の駆動とを交互に連続して駆動し続ける。
したがって、駆動システムA1及び駆動装置3の各駆動部(31〜34)は、水圧エンジンとして利用可能である。その水圧エンジンは、船等に使用される大型のエンジンとして最適である。
【0145】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、前記水道水の水圧及び作動油の油圧は、これに限定されるものではなく、空気等の気体や、その他の流体の流体圧を利用したものであっても構わない。
【0146】
また、液圧供給源Wは、水道管P1の水道水としたが、これに限定されるものではなく、天地開放槽T1と同じように、高所に配置されて液体を貯溜するタンクや、元圧供給路P2に液圧、あるいは、空気圧を負荷させるためのポンプ等であっても構わない。
【0147】
駆動装置3において、出力歯車33gを回転させるためのラックを有する複数のピストン・シリンダ機構と、そのラックの直線移動を回転力に変換するピニオンギヤ等からなる歯車機構とは、それぞれ1つであっても構わない。
【符号の説明】
【0148】
1 駆動側ピストン・シリンダ機構
2 従動側ピストン・シリンダ機構
3 駆動装置
4 第1供給装置(ピストン・シリンダ機構)
5 第2供給装置(ピストン・シリンダ機構)
6 第1作動ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)
7 第2作動ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)
8 加圧装置
9 副駆動側ピストン・シリンダ機構
10 副従動側ピストン・シリンダ機構(ピストン・シリンダ機構)
11 駆動第1シリンダ
12 駆動ピストン
12a 駆動第1ピストン(ピストン)
12b 駆動第2ピストン(ピストン)
13 駆動第2シリンダ
21 従動第1シリンダ(従動シリンダ)
22 従動第1ピストン(従動ピストン)
22b 凹形状部(従動ピストン軸)
23 従動第2ピストン
23d 下部ピストン軸(従動ピストン軸)
23e 従動駆動用ラック
24 従動第2シリンダ(従動シリンダ)
25 従動第1ピストン軸
31 第1駆動部(駆動部)
31b 第1軸歯車(ピニオン)
32b 第2軸正転歯車(ピニオン)
32c 第2軸正転クラッチ(クラッチ)
32e 第2軸反転クラッチ(クラッチ)
33c 第3軸正転クラッチ(クラッチ)
33e 第3軸反転クラッチ(クラッチ)
33g 出力歯車
42j 第1供給駆動用ラック(ラック)
72 第2作動ピストン(作動ピストン)
72h 第1作動用ラック(ラック)
91 副駆動第1シリンダ
92 副駆動ピストン(ピストン)
A1 駆動システム
A2 増圧システム
B 増圧装置
B1 メイン増圧装置(増圧装置)
B2 サブ増圧装置(増圧装置)
d1 駆動第1ピストンの径
d2 駆動第2ピストンの径
P1 水道管
P2 元圧供給路
P3,P5 配管(液圧供給路)
P6,P13,P23 配管(液圧開放路)
S1 駆動第1シリンダの横断面積
S2 駆動第2シリンダの横断面積
T1 天地開放槽
V1 第1圧力切替弁(圧力切替弁)
V2 第2圧力切替弁(圧力切替弁)
W 液圧供給源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧供給源から供給された液圧を利用して駆動装置を駆動するための増圧システムであって、
前記液圧供給源から供給された液圧により駆動される駆動側ピストン・シリンダ機構と、
該駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動ピストンの往復動により液圧供給路を介して往復動される従動側ピストン・シリンダ機構と、
前記液圧供給路に配置され、前記駆動ピストン・シリンダ機構で増圧された液圧をさらに増圧させて前記従動側ピストン・シリンダ機構を駆動させる増圧装置と、を備え、
前記従動側ピストン・シリンダ機構に負荷される駆動圧力を前記液圧供給源の元圧に対して増圧することを特徴とする増圧システム。
【請求項2】
前記駆動側ピストン・シリンダ機構は、前記液圧供給源から液圧が供給される駆動第1シリンダと、
該駆動第1シリンダ内に進退可能に内設され前記液圧供給源から供給された液圧によって作動する駆動第1ピストンと、
該駆動第1ピストンの径よりも小さな径で一体に設けられて共に駆動する駆動第2ピストンと、
該駆動第2ピストンの進退に伴って液体を増圧させて前記増圧装置に吐出、または、前記増圧装置からの液体を減圧させて吸引されると共に、前記駆動第1シリンダの横断面積よりも小さな横断面積を有する駆動第2シリンダと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の増圧システム。
【請求項3】
前記液圧供給源は、水道管から供給される水道水からなり、
前記駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動第1ピストンは、前記水道水の水圧により駆動されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の増圧システム。
【請求項4】
前記従動側ピストン・シリンダ機構は、前記増圧装置で増圧された液圧が供給される従動シリンダと、
該従動シリンダ内に配置され前記増圧装置で増圧された液圧で進退する従動ピストンと、
該従動ピストンと一体に形成されて共に進退する従動ピストン軸と、を備え、
前記従動ピストン軸は、前記従動シリンダ内から外部に亘って配置されて、当該従動ピストン軸の進退に連動して前記駆動装置の駆動部を駆動させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の増圧システム。
【請求項5】
請求項4に記載の増圧システムを利用した駆動システムであって、
圧力切替弁を介して前記従動シリンダに連通され前記従動シリンダよりも高所に配置された天地開放槽と、
前記液圧供給源から供給された液圧により前記駆動側ピストン・シリンダ機構の駆動ピストンに対して逆位相で駆動される加圧装置と、を備え、
前記圧力切替弁は、前記加圧装置からの液圧の加圧状態及び非加圧状態に応じて前記天地開放槽への液圧開放路を交互に切り換え、前記従動シリンダから前記天地開放槽に送られて貯溜された圧力媒体としての液体を、逆位相時に、前記天地開放槽から前記従動シリンダに戻るように流出させることを特徴とする駆動システム。
【請求項6】
前記液圧供給源から供給された液圧により駆動されると共に、前記駆動第1シリンダの横断面積よりも小さな横断面積で形成された副駆動第1シリンダを有し、前記駆動側ピストン・シリンダ機構に対して対称的に逆位相で進退駆動する副駆動側ピストン・シリンダ機構と、
該副駆動側ピストン・シリンダ機構のピストンの往復動に伴って駆動する副従動側ピストン・シリンダ機構と、を備え、
前記副駆動側ピストン・シリンダ機構と、前記副従動側ピストン・シリンダ機構との間の液圧供給路に、前記副駆動ピストン・シリンダ機構で増圧された液圧をさらに増圧させて前記副従動側ピストン・シリンダ機構を駆動させるサブ増圧装置を設けたことを特徴とする請求項5に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記従動ピストン軸には、当該従動ピストン軸と一体に進退する従動駆動用ラックが形成され、
前記駆動装置は、前記従動駆動用ラックに噛合するピニオンと、
該ピニオンに噛合するラックを一体形成した作動ピストンを有し、前記従動側ピストン・シリンダ機構に連動する少なくとも1つのピストン・シリンダ機構と、
前記ピニオンまたは前記作動用ラックに連動する歯車機構を介在して回転する出力歯車と、
前記従動側ピストン・シリンダ機構及び前記副従動側ピストン・シリンダ機構による駆動力を前記出力歯車に伝達及び切断するクラッチと、を備えていることを特徴とする請求項5に記載の駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−219864(P2012−219864A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84105(P2011−84105)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(503397812)コスモパワー株式会社 (6)
【出願人】(510106278)株式会社通善商店 (3)
【Fターム(参考)】